JP2001117511A - 調光素子 - Google Patents

調光素子

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JP2001117511A
JP2001117511A JP29826399A JP29826399A JP2001117511A JP 2001117511 A JP2001117511 A JP 2001117511A JP 29826399 A JP29826399 A JP 29826399A JP 29826399 A JP29826399 A JP 29826399A JP 2001117511 A JP2001117511 A JP 2001117511A
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polymer gel
light
stimulus
layer
gel
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JP29826399A
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Akimasa Komura
晃雅 小村
Kazushirou Akashi
量磁郎 明石
Takashi Uematsu
高志 植松
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Fujifilm Business Innovation Corp
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Fuji Xerox Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 輝度、コントラスト、応答速度等の表示特性
が良好である多色画像を表示可能な調光素子を提供す
る。 【解決手段】 基板と、該基板上に、飽和吸収濃度以上
の色材を含有するとともに、刺激に応じて体積変化する
第1の刺激応答性高分子ゲル12Mと、該ゲルが体積変
化する際に吸脱着される液体14Mとを含有する第1の
調光層16Mと、第1の調光層16M上に、飽和吸収濃
度以上の色材を含有するとともに、刺激に応じて体積変
化する第2の刺激応答性高分子ゲル12Cと、該ゲルが
体積変化する際に吸脱着される液体14Cとを含有する
第2の調光層16Cとを有し、第1の刺激応答性高分子
ゲル12Mと第2の刺激応答性高分子ゲル12Cとが、
互いに異なる色相の有彩色を有する調光素子10であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多色表示が可能な
新規な調光素子に関し、より詳細には、高分子ゲルの体
積変化による調光現象を利用した調光素子に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、液晶型表示装置は、薄型化が容易
で、且つ、低消費電力で駆動可能であることから、電
卓、電子ブック、電子手帳、PDA(Personal Digital
Assistant)用の表示装置;パーソナルコンピュータ
ー、ワードプロセッサ、EWS(Engineering Work Sta
tion)等のOA用表示装置;携帯テレビ、携帯電話、携
帯FAX等の表示装置等、種々の用途に利用されてい
る。
【0003】ところで、液晶型表示装置では、通常、液
晶層、カラーフィルター層、および偏光子を積層してカ
ラー表示を行うので、輝度の低下および視野角が狭い等
の問題がある。近年、画像表示装置には、表示画像の高
輝度化および高精細化が望まれ、この様な要求に応える
べく、更なる検討が行われている。例えば、分子長軸方
向と短軸方向とで吸光度の異なる色素(二色性色素)を
液晶に添加する、GH方式の液晶型表示装置が提案され
ている。GH方式の液晶型表示装置は、カラーフィルタ
ーや偏光子を使用しないでカラー表示が行えるので、広
い視野角が得られるとともに、高輝度な多色画像を表示
できる点で有用である。しかし、GH方式の液晶型表示
装置では、液晶中に二色性色素を混合して発色させてい
るため、充分に発色させるには、液晶中に所定量の色材
を溶解することが必要である。そのため、所望の色調を
得るための色材の選定は、色材自身の吸収スペクトルや
耐久性を考慮しなければならないのに加え、溶解させる
液晶との組み合わせを考慮しなければならない。従っ
て、色材、液晶等の材料の選択の幅が狭くなり、また製
造コストが増大するという問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記問題点に鑑み、液
晶を利用しない表示技術についても種々検討されてい
る。例えば、特開平4−274480号公報や特開平9
−160081号公報には、電圧の印加に応じて膨潤・
収縮する機能性ゲルを用いた表示技術が提案されてい
る。特開平4−274480号公報に提案されている表
示技術は、染料が共有結合によって導入された機能性高
分子ゲルを利用していることを特徴としている。しかし
ながら、前記機能性ゲルによって、カラー表示を行うた
めには、高濃度の染料を機能性高分子ゲルに結合する必
要があり、その結果、機能性高分子ゲルの膨潤・収縮特
性を低下(膨潤量の減少や応答速度の低下)させるとい
う問題がある。
【0005】一方、特開平9−160081号公報に提
案されている表示技術は、電界の供与による機能性ゲル
の変形現象を利用して、入射光を調節する技術が開示さ
れている。この表示技術では、基板上に形成された各画
素の周囲に機能性ゲルを配置して、機能性ゲルを膨潤さ
せることによって画素を覆い、一方、収縮させることに
よって画素を露出させ、多色画像の表示を可能にしてい
る。しかし、この方式では、表示画像のコントラストを
高くするには、1の機能性ゲルが膨潤時には、広い範囲
(およそ150μm四方〜300μm四方)を覆うよう
に体積変化しなければならない。そのため、長時間の電
圧印加が必要となり、応答速度の低下を招く。一方、応
答速度を向上させるために、電圧印加時間を短くする
と、膨潤量が小さくなり、表示画像のコントラストの低
下を招く。この様に、前記公報に提案されている表示技
術では、応答速度の高速化と表示画像のコントラストの
向上を、同時には達成できず、実用化が困難である。
【0006】本発明は、前記諸問題を解決することを課
題とする。即ち、本発明は、輝度、コントラスト、応答
速度等の表示特性が良好である多色画像を表示可能な調
光素子を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明の調光素子は、基板と、該基板上に、飽和吸
収濃度以上の色材を含有するとともに、刺激に応じて体
積変化する第1の刺激応答性高分子ゲルと、該ゲルが体
積変化する際に吸収・放出される液体とを含有する第1
の調光層と、第1の調光層上に、飽和吸収濃度以上の色
材を含有するとともに、刺激に応じて体積変化する第2
の刺激応答性高分子ゲルと、該ゲルが体積変化する際に
吸収・放出される液体とを含有する第2の調光層とを有
し、第1の刺激応答性高分子ゲルと第2の刺激応答性高
分子ゲルとが、互いに異なる色相の有彩色を有すること
を特徴とする。
【0008】本発明の調光素子では、第1の刺激応答性
高分子ゲルおよび/または第2の刺激応答性高分子ゲル
に刺激を付与すると、該高分子ゲルの周囲の液体が前記
高分子ゲル内部に吸収されまたはゲル内部の液体が外部
に放出され、前記高分子ゲルは膨潤または収縮する。前
記高分子ゲルは色材を含有することによって着色してい
るので、体積変化することにより入射光に対する光吸収
量が変化するとともに、色材を飽和吸収濃度以上含有し
ているので、色材の単位量当りの光吸収量も変化する。
従って、第1および/または第2の刺激応答性高分子ゲ
ルは、膨潤状態と収縮状態では、光吸収量が大きく変化
する。基板側から照射された光は、第1の調光層および
第2の調光層を順次通過する際に、各々の調光層に含有
される着色した高分子ゲルの状態に応じて所定の吸収率
で吸収され、種々の色調の画像を表示する。
【0009】本発明の調光素子では、刺激応答性高分子
ゲルの体積変化を利用しているので、調光状態が安定し
ており視野角依存性のない、良好な画像表示が可能であ
る。また、偏光板やカラーフィルターを使用することな
く、多色画像を表示することができ、高輝度の画像表示
が可能である。
【0010】ここで、「有彩色」とは、赤、橙、黄、
緑、青、青紫、紫、赤紫、およびこれらの中間色の様
に、色相を有する色をいい、単に明度のみからなる黒色
および白色は含まない。また、「飽和吸収濃度以上の色
材を含有する」とは、色材が、常に、刺激応答性高分子
ゲル中に飽和吸収濃度以上で含有されていることを意味
するものではなく、前記高分子ゲルが収縮状態にある場
合に、色材が、少なくとも前記高分子ゲルの一部分にお
いて、飽和吸収濃度以上の濃度に達していることを意味
する。
【0011】第1の刺激応答性高分子ゲルと、第2の刺
激応答性高分子ゲルが、第1の調光層および第2の調光
層の内部に各々固定された構成にすることによって、刺
激応答性および耐久性の高い調光素子とすることもでき
る。刺激応答性高分子ゲルが調光層中に固定化されてい
る態様としては、基板に固定化されている態様、および
調光層中に充填された基材に固定化されている態様が挙
げられる。
【0012】第1の調光層と第2の調光層の各々に形成
された画素を、複数の第1の刺激応答性高分子ゲルおよ
び複数の第2の刺激応答性高分子ゲルにより構成するこ
とによって、調光素子の応答性を向上させることもでき
る。
【0013】さらに、飽和吸収濃度以上の色材を含有す
るとともに、刺激に応じて体積変化する第3の刺激応答
性高分子ゲルと、該ゲルが体積変化する際に吸収・放出
される液体とを含有する第3の調光層を有する、3層構
造の調光素子とし、第1、第2、および第3の刺激応答
性高分子ゲルが、各々、シアン、マゼンタ、およびイエ
ローの色相を有する構成とし、混色によるフルカラーの
画像表示およびコントラストの高い白黒表示が可能な調
光素子にすることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】図1に本発明の調光素子をカラー
表示素子に利用した一実施形態を示す。カラー表示素子
10は、イエロー(Y)の着色高分子ゲル12Yと液体
14Yとを含有するイエロー調光層16Yと、マゼンタ
(M)の着色高分子ゲル12Mと液体14Mとを含有す
るマゼンタ調光層16Mと、シアン(C)の着色高分子
ゲル12Cと、着色高分子ゲル12Cと液体14Cとを
含有するシアン調光層16Cとが積層されて構成されて
いる。最下層には、バックライト層18が配置されてい
る。
【0015】着色高分子ゲル12C、12M、12Y
は、外部から加えられる刺激に応じて、液体14C、1
4M、14Yを各々放出して収縮状態に、および液体1
4C、14M、14Yを各々吸収して膨潤状態に可逆的
に変化する刺激応答性を有する。着色高分子ゲル12
C、12M、12Yは、少なくとも収縮状態において、
一部が飽和吸収濃度以上の色材を含有する。飽和吸収濃
度の詳細については、後述する。
【0016】図2に、マゼンタ調光素子16Mの拡大図
を示す。マゼンタ調光層16Mは、1組の透明基板20
および22間に、着色高分子ゲル12Mと、液体14M
を充填することによって構成されている。透明基板2
0、22は、スペーサ24によって、所定の距離だけ離
間された状態で平行に配置されていて、着色高分子ゲル
12Mと液体14Mは、透明基板20および22間に充
填されている。シアン調光層16Mの周囲は接着剤、紫
外線硬化樹脂、熱硬化樹脂等の封止材(不図示)により
封止処理されている。また、一対の透明基板20、22
の対向面20aおよび22bには、各々電極層26が形
成されていて、両電極層26間に位置する着色高分子ゲ
ル12Mに電界を供与できる様に構成されている。
【0017】図2には、マゼンタ調光層16Mの拡大図
を示したが、シアン調光層16C、およびイエロー調光
層16Yも、同様な構成である。また、面20aにマゼ
ンタ調光層16Mが形成されている透明基板20の面2
0bには、イエロー調光層16Yが形成されている。一
方、面22bにマゼンタ調光層16Mが形成されている
透明基板22の面22aには、シアン調光層16Cが形
成されている。
【0018】カラー表示素子10のいずれの電極層26
にも通電しない状態では、着色高分子ゲル12C、12
M、12Yは、液体14C、14M、14Yが各々吸収
した膨潤状態(図3(a))にある。この状態で、バッ
クライト層18から入射する光は、調光層16Y、16
M、16Cで各々吸収され、観察者に、黒が表示され
る。一方、全ての電極層26に通電すると、着色高分子
ゲル12C、12M、12Yから、液体14C、14
M、14Yが各々放出され、着色高分子ゲル12C、1
2M、12Yは、収縮状態(図3(b))になる。着色
高分子ゲル12C、12M、12Yは、収縮することに
よって、光吸収量が低下するとともに、少なくとも収縮
状態では、色材の含有状態が飽和吸収濃度以上となって
いるので、光吸収量が色材濃度との比例関係から予想さ
れる光吸収量と比べてさらに低くなっている。その結
果、バックライト層18から入射される光は、調光層1
6Y、16M、16Cではほとんど吸収されず、観察者
には、明るい白が表示される。
【0019】シアン調光層16Cの電極層26への通電
のみを止めると、着色高分子ゲル12Cは液体14Cを
吸収した膨潤状態になる。着色高分子ゲル12Cは、膨
潤することによって光吸収量が増大し、観察者には、シ
アンが表示される。同様に、マゼンタ調光層16Mの電
極層26への通電のみを止めるとマゼンタが、イエロー
調光層16Yの電極層26への通電のみを止めるとイエ
ローが各々表示される。さらに、調光層16C、16
M、16Yの対応する電極層26のうち、2つを組み合
わせて通電することにより、混色色相である青、緑、赤
が各々表示される。
【0020】本実施の形態において、着色高分子ゲル1
2(着色高分子ゲル12C、12M、12Yを含む意
味、以下同様である)を、各々、調光層16(調光層1
6C、16M、16Yを含む意味、以下同様である)の
内部に固定すると、膨潤・収縮を繰り返した場合にも、
個々の高分子ゲル粒子が互いに凝集してしまうのを防止
でき、耐久性を向上できるとともに、応答速度を向上で
きるので好ましい。また、固定化することによって、着
色高分子ゲル12が調光層16中で、偏在するのを防止
でき、1画素として機能する(例えば、選択された一対
の電極層26によって刺激を付与され得る領域に存在す
る)着色高分子ゲル12の数を、各画素において均一化
することができ、より安定的に良好な表示特性を維持し
得るので好ましい。着色高分子ゲル12は、調光層16
内部に充填された固定化基材28に固定化されていても
よいし、基板20または22上に固定化されていてもよ
い。固定化の詳細については後述する。
【0021】また、本実施の形態において、1画素とし
て機能する(例えば、選択された1対の電極層26によ
って刺激を付与され得る領域に存在する)着色高分子ゲ
ル12C、12M、12Yは、複数であるのが好まし
い。1画素を複数の着色高分子ゲルによって構成する
と、個々の着色高分子ゲルの粒径を小さくすることがで
き、刺激に対する応答速度を向上させることができるの
で好ましい。
【0022】本実施の形態において使用し得る透明基板
20、22としては、ポリエステル、ポリイミド、ポリ
メタクリル酸メチル、ポリスチレン、ポリプロピレン、
ポリエチレン、ナイロン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビ
ニリデン、ポリカーボネート、セルロース誘導体などの
有機材料基板、あるいはガラス基板等が挙げられる。中
でも、ガラス基板を用いるのが好ましい。基板20、2
2の厚みや大きさは、カラー表示素子10の用途に応じ
て決定される。また、本実施の形態では、基板20、2
2を2の調光層16が併用する構成としたが、各調光層
16が、個々に1対の基板を備えていてもよい。
【0023】本実施の形態では、透明基板20、22を
離間して平行に配置するために、球形状のスペーサ24
を用いた構成を示したが、これに限定されず、立方体形
状、直方体形状等のスペーサを用いてもよい。また、網
目状等の連続形状を有するスペーサを使用して、透明基
板20、22間を所定距離だけ離間させて平行に配置す
るとともに、調光層16の内部をセグメント化してもよ
い。この様に、調光層16の内部をセグメント化する
と、隣接する画素間における誤動作を軽減することがで
き、より表示画質が向上する。使用可能な連続形状を有
するスペーサとしては、格子状、ハニカム状などの多角
形が連続した形状のスペーサが好ましく用いられる。中
でも格子状のスペーサを用いるのが最も好ましい。スペ
ーサは調光層16の内部に配置され、液体14に接触す
るので、液体14に対して安定な材料からなるものであ
れば使用可能であり、例えば、樹脂、金属、金属酸化
物、ガラス等の種々の材料から選択することができる。
【0024】本実施の形態では、電極層26が着色高分
子ゲル12に外部刺激を付与する刺激付与手段として機
能する。電極層26は、画素単位で電界が供与できる様
に構成されているのが好ましい。例えば、単純マトリッ
クス駆動用に構成してもよいし、各画素ごとに薄膜トラ
ンジスタ素子(TFT)、あるいはMIM素子およびバ
リスタ等のニ端子素子等のスイッチング素子を設け、ア
クティブマトリックス駆動用に構成してもよい。電極層
26は、銅、アルミニウム、銀、プラチナなどに代表さ
れる金属膜、酸化スズ−酸化インジウム(ITO)に代
表される金属酸化物、ポリピロール類、ポリチオフェン
類、ポリアニリン類、ポリフェニレンビニレン類、ポリ
アセン類、ポリアセチレン類などに代表される導電性高
分子、高分子と前述の金属や金属酸化物の粒子との複合
材料等からなる。尚、本実施の形態では、電極層26を
基板20、22の対向面20aおよび22bに各々形成
したが、電極層26は基板20、22の対向面のいずれ
かに形成されていいればよい。着色高分子ゲル12が基
板に固定されている場合は、少なくとも、固定されてい
る基板の面に電極層26が形成されているのが好まし
い。
【0025】また、本実施の形態では、電気刺激応答性
高分子ゲルを利用しているがこれに限定されず、後述す
る外部刺激のいずれに応答し得る刺激応答性高分子ゲル
を利用した形態であってもよく、利用する外部刺激に応
じて、刺激付与手段を構成することができる。熱応答性
の高分子ゲルを用いる場合は、刺激付与手段は、電極層
と発熱抵抗体層とから構成することができる。前記発熱
抵抗体層は、前記電極層の材料やNi−Cr化合物など
に代表される金属、酸化タンタルやITOなどの金属酸
化物、あるいはカーボンを用いて形成することができ
る。また、刺激付与手段として、光や磁界、電磁場など
を付与する層を基板上に形成してもよい。
【0026】本実施の形態では、バックライト層18を
最下層に配置した構成を示したが、バックライト層がな
い構成であっても、また、バックライト層18の代わり
に、光反射層を配置した構成であってもよい。さらに、
バックライト層18とともに、光反射層を設けてもよ
い。バックライト層を配置する場合は、表示はより高輝
度になる。一方、光反射層を配置する場合は、より低消
費電力の表示が可能となる。さらに、バックライト層と
光反射層とを併用する場合は、明るい場所では低消費電
力による高輝度な表示が可能となり、暗い場所において
も、バックライト層による高輝度な表示が可能になる。
【0027】バックライト層18としては、冷陰極管、
蛍光管、LED・EL等の発光素子、および発光素子と
光導波素子や光拡散素子とを組み合わせた素子から構成
することができる。一般的に、液晶表示素子に使用され
ているものは使用可能である。また、光反射層を形成す
る場合、光反射層としては、アルミニウム、クロム、ニ
ッケル、金、プラチナ、銀などの導電性を有する材料、
および酸化マグネシウム、酸化チタン、硫酸バリウム、
炭酸バリウムなどの絶縁性を有する材料を用いることが
できる。
【0028】本実施の形態において、その他、必要に応
じて、ファイバープレート、セルフォックスレンズ、マ
イクロレンズなどを備えることもできる。
【0029】本実施の形態では、シアン、マゼンタ、イ
エローの3色の着色高分子ゲル12を各々含有する調光
層16を積層して、減法混色によりフルカラー画像を表
示する構成を示したが、これに限定されず、レッド、グ
リーン、ブルーの3色の着色高分子ゲルを各々含有する
調光層を積層して、加法混色によりフルカラー画像を表
示してもよい。
【0030】本実施の形態では、着色高分子ゲル12は
球状であるがこれに限定されず、種々の形状の高分子ゲ
ルを利用することができる。また、図3には、着色高分
子ゲル12の体積変化を膨潤・収縮の2値変化で示した
が、供与する外部刺激を制御することによって、体積を
多段階的に変化させてもよい。
【0031】以下、本発明の調光素子に使用され得る種
々の部材、および製造方法について詳細を説明する。本
発明の調光素子に使用され得る刺激応答性高分子ゲル
は、熱、光、電気エネルギー等の各種の外部刺激に応答
して周囲の液体を吸収・放出し、膨潤・収縮する機能を
有する。中でも、電気または熱に応答する刺激応答性高
分子ゲルを用いるのが好ましい。刺激応答性高分子ゲル
の詳細については、特開平11−236559号公報に
詳細が記載され、該公報に記載の高分子ゲルについて
は、本発明にも使用可能である。
【0032】以下、本発明に利用可能な刺激応答性高分
子ゲルの具体例を、応答する刺激別に例示するが、これ
らに限定されるものではない。また、下記の例示におい
て、括弧を用いた記述は、括弧内の接頭語を含まない化
合物および含む化合物の両方を示しており、例えば
「(メタ)アクリル酸」という記述は、「アクリル酸お
よびメタクリル酸」のことを意味するものとする。前記
刺激応答性高分子ゲルとしては、例えば、電極反応など
によるpH変化によって刺激応答する高分子ゲルとして
は、電解質系高分子ゲルが好ましく、ポリ(メタ)アク
リル酸の架橋物やその金属塩;(メタ)アクリル酸と
(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシエチル(メタ)ア
クリレート、(メタ)アクリル酸アルキルエステルなど
との共重合体の架橋物やその金属塩;マレイン酸(メ
タ)アクリルアミド、ヒドロキシエチル(メタ)アクリ
レート、(メタ)アクリル酸アルキルエステルなどとの
共重合体の架橋物やその金属塩;ポリビニルスルホン酸
の架橋物やその金属塩;ビニルスルホン酸と(メタ)ア
クリルアミド、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、(メタ)アクリル酸アルキルエステルなどとの共重
合体の架橋物やその金属塩;
【0033】ポリビニルベンゼンスルホン酸の架橋物や
その金属塩;ビニルベンゼンスルホン酸と(メタ)アク
リルアミド、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、
(メタ)アクリル酸アルキルエステルなどとの共重合体
の架橋物やその金属塩;ポリ(メタ)アクリルアミドア
ルキルスルホン酸の架橋物やその金属塩;(メタ)アク
リルアミドアルキルスルホン酸と(メタ)アクリルアミ
ド、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)
アクリル酸アルキルエステルなどとの共重合体の架橋物
やその金属塩;ポリジメチルアミノプロピル(メタ)ア
クリルアミドの架橋物やその塩酸塩;ポリジメチルアミ
ノプロピル(メタ)アクリルアミドと(メタ)アクリル
アミド、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(メ
タ)アクリル酸アルキルエステルなどとの共重合体の架
橋物やその金属塩や4級塩;ポリジメチルアミノプロピ
ル(メタ)アクリルアミドとポリビニルアルコールとの
複合体の架橋物やその4級塩;ポリビニルアルコールと
ポリ(メタ)アクリル酸との複合体の架橋物やその金属
塩;カルボキシアルキルセルロース金属塩の架橋物;ポ
リ(メタ)アクリロニトリルの架橋物の部分加水分解物
やその金属塩などが挙げられる。
【0034】電界による界面活性剤などの化学物質の吸
脱着によって刺激応答する高分子ゲルとしては、強イオ
ン性高分子ゲルが好ましく、ポリビニルベンゼンスルホ
ン酸の架橋物やビニルベンゼンスルホン酸と(メタ)ア
クリルアミド、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、(メタ)アクリル酸アルキルエステルなどとの共重
合体の架橋物;ポリ(メタ)アクリルアミドアルキルス
ルホン酸の架橋物や(メタ)アクリルアミドアルキルス
ルホン酸と(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシエチル
(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸アルキルエ
ステルなどとの共重合体の架橋物などが挙げられる。こ
れらは、n−ドデシルピリジニウムクロライドなどのア
ルキルピリジニウム塩、アルキルアンモニウム塩、フェ
ニルアンモニウム塩、テトラフェニルホスホニウムクロ
ライドなどのホスホニウム塩などのカチオン性界面活性
剤と組み合わせて使用することができる。
【0035】電気による酸化・還元によって刺激応答す
る高分子ゲルとしては、カチオン性高分子ゲルが好まし
く、ポリジメチルアミノプロピルアクリルアミドなどポ
リアミノ置換(メタ)アクリルアミドの架橋物;ポリジ
メチルアミノエチル(メタ)アクリレート;ポリジエチ
ルアミノエチル(メタ)アクリレート;ポリジメチルア
ミノプロピル(メタ)アクリレートなどのポリ(メタ)
アクリル酸アミノ置換アルキルエステルの架橋物;ポリ
スチレンの架橋物;ポリビニルピリジンの架橋物;ポリ
ビニルカルバゾールの架橋物;ポリジメチルアミノスチ
レンの架橋物などが挙げられる。これらは、電子受容性
化合物と組み合わせてCT錯体(電荷移動錯体)として
使用される。このとき好ましく用いられる電子受容性化
合物としては、ベンゾキノン;7、7、8、8−テトラ
シアノキノジメタン(TCNQ);過塩素酸テトラブチ
ルアンモニウム;テトラシアノエチレン;クロラニル;
トリニトロベンゼン;無水マレイン酸;ヨウ素などが挙
げられる。
【0036】熱の付与によって刺激応答する高分子ゲル
としては、LCST(下限臨界溶液温度)を有する高分
子の架橋体や、互いに水素結合する二成分の高分子ゲル
のIPN(相互侵入型網目構造体)等が好ましい。前者
は高温において収縮する特性を有しており、具体的に
は、ポリN−イソプロピル(メタ)アクリルアミドなど
のポリN−アルキル置換(メタ)アクリルアミドの架橋
物;N−アルキル置換(メタ)アクリルアミドと(メ
タ)アクリル酸やその金属塩、(メタ)アクリルアミ
ド、(メタ)アクリル酸アルキルエステルなどとの共重
合体の架橋物;ポリビニルメチルエーテルの架橋物;メ
チルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピ
ルセルロースなどのアルキル置換セルロース誘導体の架
橋物などが挙げられる。一方、後者は高温において膨潤
する特性を有しており、具体的には、ポリ(メタ)アク
リルアミドの架橋物とポリ(メタ)アクリル酸の架橋物
からなるIPN体およびその部分中和物(アクリル酸単
位を部分的に金属塩化したもの)、ポリ(メタ)アクリ
ルアミドを主成分とする共重合体の架橋物とポリ(メ
タ)アクリル酸の架橋物からなるIPN体およびその部
分中和物などが挙げられる。これらの化合物のうち、ポ
リN−アルキル置換アルキルアミドの架橋物や、ポリ
(メタ)アクリルアミドの架橋物とポリ(メタ)アクリ
ル酸の架橋物からなるIPN体およびその部分中和物な
どが好ましく用いられる。
【0037】光の付与によって刺激応答する高分子ゲル
としては、トリアリールメタン誘導体やスピロベンゾピ
ラン誘導体などの、光によってイオン解離する分子構造
を有する親水性高分子化合物の架橋物が好ましい。具体
的には、ビニル置換トリアリールメタンロイコ誘導体と
(メタ)アクリルアミドとの共重合体の架橋物などが挙
げられる。また、磁場の付与によって刺激応答する高分
子ゲルとしては、強磁性体粒子や磁性流体を含有するポ
リビニルアルコールの架橋物などが挙げられるが、高分
子ゲル自体は特に限定されるものではなく、高分子ゲル
の範疇に含まれるものであればよい。溶液の組成変化や
イオン強度の変化によって応答する高分子ゲルとして
は、前記した電解質系高分子ゲルが好ましく適用でき
る。
【0038】同一の材料からなる刺激応答性高分子ゲル
のみを使用してもよいし、互いに異なる材料からなる刺
激応答性高分子ゲルを併用してもよい。
【0039】本発明において使用される刺激応答性高分
子ゲルは、体積変化量が大きいものが好ましく、膨潤・
収縮時の体積比が5以上であるのが好ましく、10以上
であるのがより好ましい。膨潤・収縮時の体積比が5未
満であると、調光コントラストが低下する場合がある。
【0040】前記刺激応答性高分子ゲルの形状には特に
制限はなく粒子状、ブロック状、フィルム状、不定形
状、繊維状などの種々のものが使用可能である。中で
も、各種刺激に対する体積変化の速度(応答性)が速い
ことや応用範囲が広いなどの点で、粒子状の形態が特に
好ましい。粒子状における形態にも特に制限はないが、
球体、楕円体、立方体、多面体、多孔質体、星状、針
状、中空状などのものが適用できる。前記高分子ゲルが
粒子状の場合、収縮状態時において平均粒子径が、0.
1μm〜5mmであるのが好ましく、1μm〜1mmで
あるのがより好ましい。粒子径が0.1μm未満である
と、取り扱い性の点で不都合の場合があり、優れた光学
特性が得られない等の問題が生じる。一方、粒子径が5
mmを超えると、体積変化に要する応答時間が大幅に長
くなる場合がある。
【0041】粒子状の高分子ゲルは、物理的粉砕方法に
よって粉砕する方法や、架橋前の高分子ゲルを化学的粉
砕方法によって粒子化した後に架橋して高分子ゲルとす
る方法、あるいは乳化重合法、懸濁重合法、分散重合法
などの粒子化重合法の一般的な方法によって作製するこ
とができる。また、前記高分子ゲルの各種刺激応答によ
る体積変化速度をより高速にするために、前記高分子ゲ
ルを多孔質化して液体が吸収・放出し易くしてもよい。
一般に、膨潤した高分子ゲルを凍結乾燥する方法等によ
り、高分子ゲルを多孔質化することができる。
【0042】本発明において、前記刺激応答性高分子ゲ
ルは飽和吸収濃度の色材を含有する。これは、色材が、
常に、刺激応答性高分子ゲル中に飽和吸収濃度以上で含
有されていることを意味するものではなく、前記高分子
ゲルが収縮状態にある場合に、色材が、少なくとも前記
高分子ゲルの一部分において、飽和吸収濃度以上の濃度
に達していることを意味する。ここで、「飽和吸収濃度
以上」とは、種々の特性により説明し得るが、例えば、
各色材粒子間の平均間隔を指標として説明することがで
きる。高分子ゲルに含有される色材粒子の濃度が高くな
ると、高分子ゲル中における色材間の平均距離は充分に
短くなる。その状態では、色材の光吸収作用は1次粒子
的なものから、集合体的なものに変化し、光吸収効率が
減少する。この光吸収作用が1次粒子的なものから集合
体的なものに変化する濃度を、「色材の飽和吸収濃度」
といい、色材が集合体的な光吸収特性を示す状態を、色
材の濃度が「飽和吸収濃度以上」にあるという。また、
「飽和吸収濃度以上」を別な特性で表現すると、特定の
光路長のもとにおける色材濃度と光吸収量の関係が、1
次直線の関係から大きく外れるような色材濃度をいう。
【0043】飽和吸収濃度にない場合は、色材を含有す
る刺激応答性高分子ゲルの光吸収量は色材濃度にほぼ比
例し、前記光吸収量は色材濃度の一次関数に近似され
る。しかし、刺激応答性高分子ゲルが飽和吸収濃度以上
の色材を含有すると、色材の1粒子あたりの光吸収効率
が下がるので、前記一次関数から予想される光吸収量と
比較して低くなる。従って、前記高分子ゲルが収縮状態
であると、色材は飽和吸収濃度以上になるので、色材の
1粒子当りの光吸収量は、飽和吸収濃度に達していない
膨潤状態の前記高分子ゲルに含有される色材の1粒子当
りの光吸収量と比較して低下している。この様に、本発
明では、刺激応答性高分子ゲルを膨潤・収縮させること
によって光吸収量を増減させているとともに、刺激応答
性高分子ゲルに飽和吸収濃度以上の色材を含有させるこ
とにより、色材の1粒子当りの光吸収量を、膨潤状態と
収縮状態で増減させ、膨潤状態においては、より光吸収
量を増大させ、収縮状態ではより光吸収量を減少させて
いる。その結果、コントラストの高いカラー表示が可能
となっている。
【0044】飽和吸収濃度以上の色材となる含有量は、
用いる色材の種類によって、その好ましい範囲が異なる
ので、一概に規定することはできないが、刺激応答性高
分子ゲルにおける色材の含有量は、一般的には、2重量
%〜95重量%であるのが好ましく、5重量〜95重量
%であるのがより好ましい。色材の濃度が2重量%未満
であると、前記高分子ゲルの体積変化による発色量の変
化が現れ難い場合があり、さらに充分な調光コントラス
トを得るためには、調光層の厚みを厚くする必要がある
等の不都合が生じる場合がある。一方、色材の濃度が9
5重量%を超えると、前記高分子ゲルの膨潤・収縮の移
行が進行し難い場合があり、刺激応答特性や体積変化量
が低下する場合がある。
【0045】前記色材としては、各種の顔料及び染料が
使用可能である。中でも、顔料を用いると、耐候性が良
好なので好ましい。前記色材として顔料を用いる場合、
例えば、ベンジジン系のイエロー顔料、キナクリドン
系、ローダミン系のマゼンタ顔料、フタロシアニン系の
シアン顔料等、有彩色を有するカラー顔料を使用するこ
とができる。
【0046】より具体的には、イエロー顔料としては、
縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アンスラキ
ノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、アリルアミ
ド化合物に代表される化合物が使用可能であり、より具
体的には、C.I.ピグメントイエロー12、13、1
4、15、17、62、74、83、93、94、9
5、109、110、111、128、129、14
7、168等の顔料が好適に用いられ得る。またマゼン
タ顔料としては、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロー
ル化合物、アンスラキノン、キナクリドン化合物、塩基
染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾ
ロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物が使
用可能であり、より具体的には、C.I.ピグメントレ
ッド2、3、5、6、7、23、48;2、48;3、
48;4、57;1、81;1、144、146、16
6、169、177、184、185、202、20
6、220、221、254等の顔料が好ましい。シア
ン顔料としては、銅フタロシアニン化合物及びその誘導
体、アンスラキノン化合物、塩基染料レーキ化合物等が
利用できる。より具体的には、C.I.ピグメントブル
ー1、7、15、15:1、15:2、15;3、1
5:4、60、62、66等お顔料が特に好適に利用で
きる。
【0047】また、色材として染料を用いる場合は、イ
エローの染料としては、C.I.ダイレクトイエロー
1、8、11、12、24、26、27、28、33、
39、44、50、58、85、86、87、88、8
9、98、157、C.I.アシッドイエロー1、3、
7、11、17、19、23、25、29、38、4
4、79、127、144、245、C.I.ベイシッ
クイエロー1、2、11、34、C.I.フードイエロ
ー4、C.I.リアクティブイエロー37、C.I.ソ
ルベントイエロー6、9、17、31、35、100、
102、103、105等を用いることができる。
【0048】マゼンタの染料として、C.I.ダイレク
トレッド1、2、4、9、11、13、17、20、2
3、24、28、31、33、37、39、44、4
6、62、63、75、79、80、81、83、8
4、89、95、99、113、197、201、21
8、220、224、225、226、227、22
8、229、230、231、C.I.アシッドレッド
1、6、8、9、13、14、18、26、27、3
5、37、42、52、82、85、87、89、9
2、97、106、111、114、115、118、
134、158、186、249、254、289、
C.I.ベイシックレッド1、2、9、12、14、1
7、18、37、C.I.フードレッド14、C.I.
リアクティブレッド23、180、C.I.ソルベント
レッド5、16、17、18、19、22、23、14
3、145、146、149、150、151、15
7、158等を用いることができる。
【0049】シアンの染料として、C.I.ダイレクト
ブルー1、2、6、15、22、25、41、71、7
6、78、86、87、90、98、163、165、
199、202、C.I.アシッドブルー1、7、9、
22、23、25、29、40、41、43、45、7
8、80、82、92、93、127、249、C.
I.ベイシックブルー1、3、5、7、9、22、2
4、25、26、28、29、C.I.フードブルー
2、C.I.ソルベントブルー22、63、78、83
〜86、191、194、195、104等を用いるこ
とができる。
【0050】他の色相の染料として、C.I.ダイレク
トブラック2、7、19、22、24、32、38、5
1、56、63、71、74、75、77、108、1
54、168、171、C.I.アシッドブラック1、
2、7、24、26、29、31、44、48、50、
52、94、C.I.ベイシックブラック2、8、C.
I.フードブラック1、2、C.I.リアクティブブラ
ック31、C.I.フードバイオレット2、C.I.ソ
ルベントバイオレット31、33、37、C.I.ソル
ベントグリーン24、25、C.I.ソルベントブラウ
ン3、9等を用いることができる。これらの顔料及び染
料は単独で使用してもよいし、所望の色相を得るため
に、混合して使用してもよい。
【0051】色材の形状については、特に制限はなく、
粒子状、ブロック状、フィルム状、不定形状、繊維状な
どの種々のものが使用可能である。中でも特に、粒子状
の色材は発色性が高いことや応用範囲が広いなどの特徴
から特に好ましい。粒子状における形態にも特に制限は
なく、球体、立方体、楕円体、多面体、多孔質体、星
状、針状、中空状、りん片状等、種々の形状のものを使
用できる。色材粒子は、平均粒子径で0.01μm〜5
00μmであるのが好ましく、0.05μm〜100μ
mであるのがより好ましい。平均粒子径が0.01μm
未満または500μmを超えると、色材に求められる発
色効果が低下する傾向がある。さらに、平均粒子径が
0.01μm未満であると、色材が高分子ゲルの内部か
ら流出し易くなる。色材粒子の粒径は、一般的な物理的
粉砕方法や化学的粉砕方法によって、好ましい範囲に調
整することができる。
【0052】また、前記高分子ゲル中に、光散乱部材が
高濃度で含まれている場合は、色材としてより凝集体を
形成し易い化合物を用いるのが好ましい。その様な色材
としては、分子内にカルボキシル基やスルホン酸基など
の酸基、水酸基、アミノ基、チオール基、ハロゲン基、
ニトロ基、カルボニル基など極性基を有する色材が挙げ
られる。また、色材は、高分子ゲル内部から外部へ流出
しないのが好ましい。前記高分子ゲルからの色材の流出
を防止するには、色材として、前記高分子ゲルの網目よ
りも大きな粒子径の色材を用いる、前記高分子ゲルとの
電気的、イオン的、その他物理的な相互作用が高い色材
を用いる、表面を化学修飾した高分子ゲルとの親和性が
高い色材を用いることが好ましい。表面を化学修飾した
色材として例えば、表面に高分子ゲルとの化学結合する
基を導入したものや、高分子材料をグラフトした色材お
よび光散乱部材などが挙げられる。
【0053】高分子ゲルに色材を含有させる方法は、架
橋前の高分子に色材を均一に分散、混合した後に架橋す
る方法や重合時に高分子前駆体組成物に色材を添加して
重合する方法等が適用できる。重合時において色材を添
加する場合には、前記した様に、重合性基や不対電子
(ラジカル)を有する色材を使用し、化学結合すること
も好ましい。また、色材は高分子ゲル中に均一に分散さ
れているのが望ましい。特に、高分子ゲル中への分散に
際して、機械的混練法、攪拌法、あるいは分散剤などを
利用して均一に分散させるのが望ましい。
【0054】本発明の調光素子において、各調光層は、
刺激応答性ゲルが体積変化する際に吸収・放出される液
体を含有する。前記高分子ゲルは、前記高分子ゲルに吸
収・放出可能な液体の存在下において、前記したような
刺激を与えることで体積を種々変化させることができ
る。例えば、熱応答性高分子ゲルの場合は、光、熱など
の放射熱の付与によって、電気応答型高分子ゲルの場合
は電極反応によるpH変化や電界によるイオン吸着や静
電作用によって、光応答性高分子ゲルの場合は光の付与
による内部構造変化によって液体を吸収、放出すること
で体積を大きく変化させることができる。
【0055】前記液体としては、好ましくは、水、電解
質水溶液、アルコール類、ケトン類、エステル類、エー
テル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミ
ド、ジメチルスルホオキシド、アセトニトリル、プロピ
レンカーボネートなどや、キシレン、トルエンなどの芳
香族系溶媒およびそれらの混合物が使用できる。また、
液体には高分子ゲルに吸脱する界面活性剤、液体のpH
変化を促進するためのビオロゲン誘導体などの酸化還元
剤、酸、アルカリ、塩、および界面活性剤等の分散安定
剤、酸化防止剤や紫外線吸収剤などの安定剤などを添加
してもよい。以上の特性から、本発明に使用する刺激応
答性高分子ゲルは液体との組成物として使用することが
好ましい。この時、利用可能な液体としては、前記した
高分子ゲルが吸収可能な液体が好ましい。また、前記液
体として、調光層中にともに含有される前記高分子ゲル
が、架橋された線状高分子からなる場合、該線状高分子
を溶解可能な液体を使用することもできる。尚、各調光
層における前記高分子ゲルと前記液体との混合比は、
1:2000であるのが好ましい。
【0056】前記高分子ゲルは、各調光層内部におい
て、固定化されているのが好ましい。前記高分子ゲルが
固定化されていると、膨潤・収縮を繰り返した場合に
も、個々の高分子ゲル粒子が互いに凝集してしまうのを
防止でき、耐久性を向上できるとともに、応答速度を向
上できるので好ましい。また、固定化することによっ
て、前記高分子ゲルが各調光層中で、偏在するのを防止
でき、1画素として機能する前記高分子ゲルの数を、各
画素において均一化することができ、より安定的に良好
な表示特性を維持し得るので好ましい。前記高分子ゲル
は、固定化基材上に機械的、物理的、化学的固定化方法
を用いて、調光層中に固定化することができる。固定化
の方法としては、基材への付着力を用いた機械的固定
化、接着などの物理的固定化、化学結合などの化学的固
定化等を利用できる。各調光層内部において、前記高分
子ゲルの固定化に用いられる前記固定化基材の屈折率
は、各調光層に含有される液体の屈折率と大きな差がな
いのが、表示特性の点で好ましい。
【0057】前記機械的固定化方法を利用する場合、繊
維状の固定化基材を用いるのが好ましい。繊維状の固定
化基材は、その網目などの空間に、前記高分子ゲルを保
持することによって、前記高分子ゲルを固定化する。こ
の場合、繊維状固定化基材は単なる繊維の集合体ではな
く、織物状、不織布状、ウエブ状、シート状などの構造
体となっていることが好ましい。尚、前記構造体は、前
記高分子ゲルの保持力を高めるために、1〜50μm程
度の比較的細い繊維を、目付け量10g/m2以上の比
較的高密度で構成するのがよい。繊維状の固定化基材を
用いた機械的固定化方法については、特願平10−21
1457号明細書に詳細が記載され、該明細書に記載の
方法を本発明に適用できる。
【0058】機械的固定化方法を利用する場合、固定化
基材としては、主に繊維質のものが好ましく、例えば、
合成繊維としてナイロン系繊維、アクリル系繊維、ポリ
エステル系繊維、ポリプロピレン系繊維、ポリ塩化ビニ
ル系繊維、ポリアミド系繊維、ポリウレタン系繊維な
ど、天然繊維として木材パルプ、綿、羊毛など、半合成
繊維としてビスコースレーヨン、アセテート、キュプラ
など、無機繊維としてカーボン繊維、チタン繊維等を使
用するのが好ましい。繊維質固定化基材の形態として
は、単なる繊維の集合体の他、織物状、不織布状、ウエ
ブ状、シート状などの構造体を挙げることができ、前記
した様に、構造体が好ましい。また、繊維質固定化基材
の繊維径は、1μm〜1mm程度であるのが好ましく、
10μm〜0.5mm程度であるのがより好ましい。ま
た、前記固定化基材の厚みは約0.1〜10mm程度で
あるのが好ましく、0.1〜5mm程度であるのがより
好ましい。前記固定化基材の目付け量は約2〜200g
/m2程度であるのが好ましく、2〜100g/m2程度
であるのがより好ましい。
【0059】前記繊維状の固定化基材を用いる場合、ま
ず、前記高分子ゲルを所定の溶媒に分散した塗布液を調
製し、該塗布液を前記固定化基材に塗布、散布、あるい
は含浸して、前記高分子ゲルを固定化基材の網目に固定
化する。さらに、前記高分子ゲルが固定化された固定化
基材を、対向基板間に充填して、調光層を形成すること
ができる。尚、機械的固定化方法と下記に示す物理的固
定化方法を併用してもよい。
【0060】前記物理的固定化方法を利用する場合、固
定化材(ここでいう固定化材とは、基板もしくは調光層
内部に充填された固定化基材等に、前記高分子ゲルを物
理的に固定化させる材のことをいう)として接着剤を用
いることができる。前記接着剤としては、有機溶剤揮散
型接着剤(クロロプレンゴム系、ウレタン系など)、熱
硬化反応型接着剤(エポキシ系、レゾール系など)、湿
気硬化反応型接着剤(2−シアノアクリル酸エステル
系、シリコーン系など)、紫外線硬化反応型接着剤(ア
クリル系オリゴマーなど)、縮合反応型接着剤(ユリア
樹脂系)、付加反応型接着剤(エポキシ系、イソシアネ
ート系など)、熱溶融型接着剤等が挙げられる。中で
も、接着剤として、熱溶融型接着剤を用いるのが好まし
く、該接着剤としては、例えば、ポリオレフィン樹脂
(ポリエチレン、ポリプロピレンなど)、ポリオレフィ
ン誘導体(マレイン酸変性ポリエチレン、塩素化ポリエ
チレン、マレイン酸変性ポリプロピレン、エチレン−ア
クリル酸共重合体、エチレン−無水マレイン酸共重合
体、プロピレン−アクリル酸共重合体、プロピレン−無
水マレイン酸共重合体、イソブチレン−無水マレイン酸
共重合体、マレイン化ポリブタジエン、エチレン−酢酸
ビニル共重合体およびそのマレイン化物など)、ポリエ
ステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカプロラクトン
系樹脂、ポリスチレン樹脂、およびその誘導体(ポリス
チレン、スルホン化ポリスチレン、スチレン−無水マレ
イン酸共重合体など)、熱可塑性ポリウレタン樹脂、高
分子量ポリエチレングリコール、酢酸ビニル樹脂、ワッ
クス類(パラフィンワックス、ミツロウ、牛脂など)、
長鎖脂肪酸エステル樹脂およびこれら2種以上の混合物
などが挙げられる。
【0061】接着剤を用いて前記高分子ゲルを固定化す
る場合、各調光層において、接着剤は、通常、前記高分
子ゲル100重量部に対して、0.1〜50重量部用い
るのが好ましく、1〜30重量部用いるのがより好まし
い。接着剤の使用量を多くする程、基板等の被接触面に
対する前記高分子ゲルの固着性は向上するが、一方で、
前記高分子ゲルと接着剤との接触割合も高くなり、前記
高分子ゲルの膨潤・収縮挙動を阻害し易くなる。接着剤
の使用量が前記範囲であると、前記基板の被接着面に対
する前記高分子ゲルの固着性を高く維持しつつ、前記高
分子ゲルの刺激応答性も良好に維持できるので好まし
い。
【0062】接着剤を用いて前記高分子ゲルを固定化す
る場合、例えば、前記高分子ゲルと粒子状の接着剤との
混合物を基板等の被接着面に散布した後、加熱処理を施
して接着する方法が適用できる。この時、混合に使用す
る装置は特に限定されず、通常の粉体混合装置でよく、
例えば、コニカルブレンダー、ナウターミキサー、V型
ブレンダー、タービュライザー、スクリュー式ラインブ
レンダー等が挙げられる。その他、接着剤を溶媒に溶か
して接着剤溶液を調製し、基板等の被接着面に該接着剤
溶液を塗布した後、前記高分子ゲルを散布して加熱処理
を施してもよい。接着剤溶液の調製時に使用される溶媒
としては、接着剤樹脂が可溶なものであれば特に限定さ
れないが、沸点が低い溶媒、沸点が150℃以下の溶媒
を用いるのが好ましく、沸点が100℃以下の溶媒を用
いるのがより好ましい。この様な溶媒としては、アセト
ンなどのケトン類;エタノール、メタノールなどのアル
コール類;酢酸エチルなどのカルボン酸エステル類:ト
ルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;塩化メチレ
ンなどのハロゲン化炭化水素類;ジエチルエーテルなど
のエーテル類;ヘキサン、シクロヘキサンなどの炭化水
素類;およびこれらの混合物などが挙げられる。また、
前記接着剤溶液を、基板等の被接着面へ散布する方法と
しては、塗布、噴霧、浸漬等の方法が挙げられる。
【0063】また、前記高分子ゲルを接着剤により基板
等の被接着面に接着する際に、加熱処理を施してもよ
い。該加熱処理としては、特に限定されないが、熱風加
熱機、赤外線加熱機、高周波加熱機、およびヒートロー
ラなどの接触式加熱機を用いて行うことができる。加熱
温度は、接着剤の溶融温度に応じて決定すればよいが、
一般的には、50℃〜200℃程度の範囲で適宜設定さ
れる。
【0064】前記化学的固定化方法を利用する場合、固
定化材(ここでいう固定化材とは、基板もしくは調光層
内部に充填された固定化基材等に、前記高分子ゲルを化
学的に固定化させる材のことをいう)として、前記高分
子ゲルと化学結合し得る材料を用いることができる。前
記化学結合の結合種については特に限定されず、イオン
結合、水素結合、共有結合等各種の化学結合により固定
化することができる。中でも、安定性の面から共有結合
により固定化するのが好ましい。前記高分子ゲルの化学
的固定化は、例えば、前記高分子ゲルと前記固定化材を
所定の溶媒に溶解または分散した液を調製し、該液を各
調光層の基板等の被接着面に塗布、散布、含浸等し、そ
の後、所望により加熱して、化学結合を形成することに
よって行うことができる。前記塗布あるいは含浸時に使
用する塗布液および含浸液等の調製には、固定化材と相
溶性のある各種溶媒を使用することができる。該溶媒は
固定化材に応じて選択され、アセトンなどのケトン類;
エタノール、メタノールなどのアルコール類;酢酸エチ
ルなどのカルボン酸エステル類;トルエン、キシレンな
どの芳香族炭化水素類;塩化メチレンなどのハロゲン化
炭化水素類;ジエチルエーテルなどのエーテル類;ヘキ
サン、シクロヘキサンなどの炭化水素類;およびこれら
の混合物などが適用できる。
【0065】塗布等により、前記高分子ゲルおよび前記
固定化材を基板の被接着面に付与した後、所望により、
加熱して、化学結合を形成することができる。加熱温度
は、用いる固定化材や前記高分子ゲルに応じて決定され
る。その他、まず、基板の被接着面に固定化材を付与
し、その後、固定化材に前記高分子ゲルを固定化し得る
反応基を導入して、前記高分子ゲルを固定化する等、段
階的な反応により化学的固定化を行ってもよい。
【0066】化学的固定化方法を利用する場合に使用可
能な固定化材としては、重合性不飽和基、反応性官能基
などを2個以上有する化合物および、シランカップリン
グ剤等を挙げることができる。前記重合性不飽和基を2
個以上有する化合物としては、エチレングリコール、プ
ロピレングリコール、トリメチロールプロパン、グリセ
リンポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピ
レングリコール、ポリグリセリンなどのポリオール類の
ジまたはトリ(メタ)アクリル酸エステル類、前記ポリ
オール類とマレイン酸、フマル酸などの不飽和酸類とを
反応させて得られる不飽和ポリエステル類、N,N’−
メチレンビス(メタ)アクリルアミドなどのビス(メ
タ)アクリルアミド類、トリレンジイソシアネート、ヘ
キサメチレンジイソシアネートなどのポリイソシアネー
トと(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルとを反応させ
て得られるジ(メタ)アクリル酸カルバミン酸エステル
類、アリル化澱粉、アリル化セルロース、ジアリルフタ
レート、その他のテトラアリロキシエタン、ペンタンエ
リスリトールトリアリルエーテル、トリメチロールプロ
パントリアリルエーテル、ジエチレングリコールジアリ
ルエーテル、トリアリルトリメチルエーテルなどの多価
アリル系を挙げることができる。これらの中でも本発明
には、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プ
ロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチ
レングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート、 N,N’−メ
チレンビス(メタ)アクリルアミドなどが好ましく使用
される。
【0067】前記反応性官能基を2個以上有する化合物
としては、ジグリシジルエーテル化合物、ハロエポキシ
化合物、ジおよびトリイソシアネート化合物などを挙げ
ることができる。ジグリシジルエーテル化合物の具体例
としては、エチレングリコールジグリシジルエーテル、
ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピ
レングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレン
グリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシ
ジルエーテル、ポリグリセリンジグリシジルエーテルな
どを挙げることができる。その他、ハロエポキシ化合物
の具体例としては、エピクロロヒドリン、エピブロモヒ
ドリン、β−メチルエピクロロヒドリンなどを挙げるこ
とができる。また、ジイソシアネート化合物の具体例と
しては、2,4−トリレンジイソシアネート、ヘキサメ
チレンジイソシアネートなどを挙げることができる。こ
れらの中でも、特にエチレングリコールジグリシジルエ
ーテル、ヘキサメチレンジイソシアネートなどが好まし
く使用される。
【0068】前記シランカップリング剤としては、3,
4−エポキシブチルトリメトキシシラン、2−(3,4
−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラ
ン、(3−グリシドキシプロピル)ジメチルエトキシシ
ラン、(3−グリシドキシプロピル)メチルジエトキシ
シラン、(3−グリシドキシプロピル)ジメチルメトキ
シシラン、(3−グリシドキシプロピル)メチルジメト
キシシラン、(3−グリシドキシプロピル)トリメトキ
シシラン、(3−グリシドキシプロピル)トリエトキシ
シランなどが好ましく使用される。
【0069】化学的固定化方法を利用する場合、各調光
層における前記固定化材の使用量は、通常、前記高分子
ゲルの乾燥重量に対して、0.001〜10重量%であ
るのが好ましく、0.001〜5重量%であるのがより
好ましい。前記固定化材の使用量が多いほど、前記高分
子ゲルの固定性は強固になるが、一方で前記高分子ゲル
の体積変化を阻害し易くなる。前記固定化材の使用量が
前記範囲であると、前記高分子ゲルの固定性を高く維持
しつつ、刺激応答性を良好に維持し得るので好ましい。
【0070】本発明の調光素子は、例えば、以下の方法
によって製造することができる。イエロー、マゼンタ、
シアンに各々着色された刺激応答性高分子ゲルを液体に
分散させて、膨潤状態にした液体と刺激応答性高分子ゲ
ルとを含有する3の調光材料を各々調製する。次に、4
枚の基板を各々スペーサを介して、離間状態で平行に配
置し、4枚の基板間に3つの空隙が形成された状態で貼
付する。3つの空隙各々に、3つの調光材料を各々注入
し、その後、周囲を接着剤で封止する。この様にして、
イエロー、マゼンタ、シアンの調光層が積層された調光
素子を作製することができる。
【0071】刺激付与手段として電極層等を備えた調光
素子とする場合は、基板にあらかじめ、スパッタリング
やフォトリソグラフィ等の技術を利用して、区画化され
た電極層を形成しておくことができる。また、刺激応答
性高分子ゲルを、調光層中に固定化する場合は、固定化
基材を前記調光材料中に含有させてもよいし、あらかじ
め、基板表面に固定化材を塗布しておくこともできる。
【0072】前記作製方法において用いられる封止材と
しては、調光材料から溶媒が蒸発してしまったり揮発し
てしまうのを抑制する機能を有するとともに、基板に対
する接着性を有し、且つ、調光材料の特性に悪影響を与
えない材料を用いるのが好ましい。封止材および封止方
法は、素子の開口部面積の確保、工程簡略化による加工
コスト等を考慮すると、1層の封止が好ましい。1層で
封止を行うときの封止材としては、末端に反応基を有す
るイソブチレンオリゴマーを主体とした熱硬化型弾性シ
ーリング材等が挙げられる。また、2層で封止するとき
には、調光材料と接触する1次封止用の封止材としてポ
リイソブチレン系シーラント等が挙げられる。また、2
次封止用の封止材としてアクリル樹脂等が挙げられる。
【0073】本発明の調光素子は、電卓、電子ブック、
電子手帳、PDA(Personal Digital Assistant)用の
表示装置;パーソナルコンピューター、ワードプロセッ
サ、EWS(Engineering Work Station)等のOA用表
示装置;携帯テレビ、携帯電話、携帯FAX等の表示装
置に利用できる。
【0074】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明をさらに具体
的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定される
ものではない。 (実施例1)顔料を含有した電気刺激応答性高分子ゲル
の粒子を逆相懸濁重合法によって製造した。イエローの
色材として1.08重量部のC.I.ピグメントイエロ
ー17を、界面活性剤(「エマルゲン985」;花王
製)0.03重量部を添加した蒸留水4.32重量部に
混合し、超音波分散装置を用いて均一に分散し、イエロ
ー色材の分散液を調製した。一方、アクリル酸 2.1
6重量部、メチレンビスアクリルアミド(以降「MB
A」と記す)0.02重量部を、蒸留水4.32重量部
に溶解した後、冷却しながら水酸化ナトリウム0.9重
量部を溶解して、アクリル酸が約75%中和された状態
の溶液を調製した。次に、この溶液に、先に調製したイ
エロー色材分散液 6.51重量部を添加混合したもの
を、脱気および窒素置換して、イエロー色材が分散した
モノマー溶液を調製した。
【0075】調製したイエロー色材分散モノマー溶液
を、回転式攪拌羽根、還流管、窒素フロー管が取り付け
られフラスコ内に注入した。該フラスコには、あらかじ
め、ソルビトール系界面活性剤(「ソルゲン50」:第
一工業製薬製)2.0重量部を溶解したシクロヘキサン
234重量部が注入されていて、シクロヘキサンは窒
素置換されていた。次に、フラスコ内部を回転式攪拌羽
根を用いて600rpmで攪拌しながら、重合開始剤と
して過硫酸アンモニウム 0.22重量部を添加して、
70℃で6時間重合反応させ、イエローに着色された着
色高分子ゲルを得た。生成した着色高分子ゲル粒子を回
収し、純水で繰り返し洗浄して、精製した後、乾燥させ
た。得られた粒子を分級して平均粒径が約5μmのイエ
ロー着色高分子ゲル粒子を得た。
【0076】色材としてC.I.ピグメントレッド7を
用いた以外は、同様な方法でマゼンタ着色高分子ゲル粒
子を得た。色材としてC.I.ピグメントブルー7を用
いた以外は、同様な方法でシアン着色高分子ゲル粒子を
得た。
【0077】得られた3種の着色高分子ゲル粒子につい
て、刺激応答性を調べたところ、pH=2の塩酸水溶液
中では、前記着色高分子ゲルの膨潤量はいずれも約2g
/gであるのに対して、pH=11の水酸化ナトリウム
水溶液中では、前記着色光分子ゲルの膨潤量はいずれも
約120g/gであった。このことより、得られた着色
高分子ゲルは、いずれもpHの変化に応答して体積が、
約60倍変化をする、刺激応答性高分子ゲルであること
が確認された。また、各着色高分子ゲルの光吸収量を自
記分光光度計(日立社製「U−4000」)で測定した
ところ、いずれも飽和吸収濃度以上であることが確認さ
れた。
【0078】得られた着色高分子ゲルを利用して、カラ
ー表示素子を作製した。まず、厚さ0.7mmの705
9ガラス板(コーニンググラスワークス社製)上に、透
明電極としておよそ100nm程度のITO膜をスパッ
タリングにより形成した。次に、このITO電極付きガ
ラス基板をフォトリソグラフィ法でエッチングし、単純
マトリックス駆動用のライン電極を形成した。さらに、
基板(あるいは電極)上に、シランカップリング剤とし
て(3−グリシドキシプロピル)トリメトキシシラン
(固定化材)の10%トルエン溶液を塗布し、60℃で
1時間加熱処理をした後に洗浄して乾燥して、高分子ゲ
ルを固定するための固定化材層を形成した。
【0079】作製したイエロー着色高分子ゲル0.1g
を、純水20mlに加えて膨潤させ、これを前記電極付
き基板上に塗布し、60℃で1時間加熱した。その後、
基板を純水で洗浄することで電極付き基板上に結合して
いないゲル粒子を除いた。電極付き基板上を顕微鏡観察
すると、ゲル粒子がほぼ均一に固定されていた。対向電
極として前記と同様の単純マトリックス駆動用のライン
電極付きガラス基板を用意し、これら2枚の基板を10
0μmのスペーサを介して貼り合わせ、この基板間に高
分子ゲルの膨潤液体として0.001N水酸化ナトリウ
ム水溶液を封入後、周囲を接着剤で封止し、イエローの
調光セルを作製した。同様な方法で、マゼンタの調光セ
ル、およびシアンの調光セルを作製した。
【0080】各調光セルについて、着色高分子ゲルを固
定したITO電極側を陽極とし、5Vの直流電流を通電
可能なように電源から配線を行った。そして、これらの
セルを3層に重ねて、表面を非鏡面化処理したアルミ製
の拡散反射板を最下層に配置して、反射型のカラー表示
素子を作製した。
【0081】前記素子は、通電前は、全てのセル中の高
分子ゲルが膨潤状態であるために、黒色であった。次
に、全てのセルの電極層に通電すると電極表面のpHが
低下し高分子ゲルが収縮することにより光が透過し、反
射率が向上し、ほぼ白色となった。通電を止めると瞬時
にもとの黒色に変化した。さらに、イエローのセルのみ
に通電することで、青色を表示することができた。ま
た、マゼンタのセルのみおよびシアンのセルのみにそれ
ぞれ通電することにより、緑色および赤色を表示するこ
とができた。通電時の光反射率は視野角±80°の範囲
で平均60%以上あり、明るくかつ広い視野角の画像を
表示し得ることが実証された。また、白、黒の表示にお
ける反射率の比は30以上あり、コントラストが高く視
認性に優れていた。
【0082】(実施例2)実施例1で作製した3種の電
気応答性着色高分子ゲル粒子を使用して、以下の方法に
よりカラー表示素子を作製した。エチレングリコールジ
グリシジルエーテルの5%アセトン溶液を調製した。こ
の固定化剤溶液を、直径30μm程度の繊維で構成され
た繊維質基材である、厚さ0.1mm、目付け量50g
/m2のビニロン繊維製不織布上に均一に塗布した。次
に、前記の高分子ゲル粒子を各々乾燥状態とし、面積率
30%程度の割合で繊維質基材上に均一散布した後、6
0℃で24時間加熱処理することで高分子ゲル粒子を繊
維質基材(固定化基材)に固定化し、発色材料(着色高
分子ゲル粒子が固定化された繊維)を各々得た。
【0083】次に、実施例1と同様な方法で作製したI
TO電極付きの3対のガラス板を、一対ずつ、厚さ20
0μmのスペーサーで間隔を設けて重ね、この一対のガ
ラス板に、得られた発色材料を各々挟持させた。次に、
ガラス間の間隙に、0.001N水酸化ナトリウム水溶
液を充填し、周囲を接着剤で封止し、3色の発色セルを
作製した。そして、得られた3種のセルを3層に重ね
て、表面を非鏡面化処理したアルミ製の拡散反射板を最
下層に配置して反射型のカラー表示素子を作製した。
【0084】このカラー表示素子は、通電前は、全ての
セルの高分子ゲルが膨潤状態であるために黒色であっ
た。次に、高分子ゲル粒子が固定化されている繊維質基
材面に近接する側を陽極として、両ITO電極間に5V
の直流電圧を印加すると、電極表面のpHが低下し、瞬
時に高分子ゲル粒子が収縮し光を透過することができる
ようになり、白色を表示することができた。そして、通
電を止めると瞬時にもとの黒色に変化した。さらに、イ
エローのセルのみに通電することで、青色を表示するこ
とができた。また、マゼンタのセルのみおよびシアンの
セルのみにそれぞれ通電することにより、緑色および赤
色を表示することができた。通電時の光透過率は視野角
±80°の範囲で平均60%以上あり、明るくかつ広い
視野角の画像を表示できることが実証された。白、黒の
表示における透過率の比は30以上あり、コントラスト
が高く視認性に優れていた。
【0085】(実施例3)顔料を含有した感熱応答性高
分子ゲルの粒子を以下に示すように逆相懸濁重合法によ
って製造した。イエローの色材として1.08重量部の
C.I.ピグメントイエロー12を、界面活性剤(「エ
マルゲン909」:花王製)0.03重量部を添加した
蒸留水4.32重量部に混合し、超音波分散装置を用い
て均一に分散し、イエロー色材分散液を調製した。次
に、N−イソプロピルアクリルアミド 9.8重量部、
アクリル酸ナトリウム 0.2重量部、メチレンビスア
クリルアミド 0.05重量部を、蒸留水50重量部に
溶解し、これに予め作製しておいた顔料分散液20重量
部を添加し、さらに、この溶液を脱気、窒素置換した
後、過硫酸アンモニウム 0.1重量部を添加したモノ
マ水溶液を調製した。
【0086】一方、ソルビトール系界面活性剤(「ソル
ゲン50」:第一工業製薬製)2.0重量部をシクロヘ
キサン234重量部に溶解した溶液をフラスコに加え、
脱気、窒素置換し、これに、先に調製したモノマ水溶液
を添加し、回転式攪拌羽根を用いておよそ10000r
pmで10分間攪拌して乳化させた。乳化後、反応系の
温度を10℃に調節し、溶液を攪拌しながらこれにテト
ラメチルエチレンジアミンの50%水溶液を1重量部添
加し、重合を行ない、イエロー着色高分子ゲルを得た。
生成したイエロー着色高分子ゲル粒子を回収し、純水で
洗浄して精製後、乾燥させた。粒子を分級することで平
均粒径が約5μmのイエロー着色高分子ゲル粒子を得
た。
【0087】色材としてC.I.ピグメントレッド2を
用いた以外は、同様な方法でマゼンタ着色高分子ゲル粒
子を得た。色材としてC.I.ピグメントブルー1を用
いた以外は、同様な方法でシアン着色高分子ゲル粒子を
得た。
【0088】得られた3種の着色高分子ゲル粒子は、2
0℃における純水吸水量がいずれも約38g/gであっ
た。得られた3種の着色高分子ゲル粒子の水膨潤物を加
熱すると、いずれも約36℃に相転移点をもって収縮し
た。このことより、得られた3種の着色高分子ゲル粒子
は、いずれも、相転移点よりも高温側では収縮し、低温
側では膨潤する、熱応答性を有する着色高分子ゲルであ
ることがわかった。また、膨潤・収縮の体積変化は可逆
的であった。得られた3種の着色高分子ゲル粒子は、い
ずれも、膨潤・収縮によって粒径が約2.5倍、体積で
約16倍程度体積変化した。また、各着色高分子ゲルの
光吸収量を自記分光光度計(日立社製「U−400
0」)で測定したところ、いずれも飽和吸収濃度以上で
あることが確認された。
【0089】得られた3種の感熱応答性着色高分子ゲル
粒子を使用して、以下に示す方法によりカラー表示素子
を作製した。実施例2と同様な方法で、3種の発色材料
(着色高分子ゲル粒子固定化繊維)を作製した。次に、
透明基板として厚さ0.7mmの7059ガラス板(コ
ーニンググラスワークス社製)を使用し、基板上に発熱
抵抗層としておよそ50nm程度のITO膜をスパッタ
リングにより形成した。次に、このITO発熱抵抗層付
きガラス基板を、フォトリソグラフィ法でエッチング
し、図4に模式的に示したような複数の正方形パターン
のセグメント発熱抵抗体からなる抵抗層を形成した。該
抵抗層にパルス状の電流を通電すると、抵抗層は所定の
温度に発熱する様に構成した。
【0090】次に、作製した発熱抵抗層付きガラス板と
無処理のガラス板を、厚さ100μmのスペーサーで間
隔を設けて重ね合わせ、該間隔に前記イエローの発熱材
料および純水を充填し、周囲を接着剤で封止して、イエ
ローの発色セルを作製した。同様にして、マゼンタ、シ
アンの発色セルを作製した。これらのセルを3層に重ね
て、最下層には白色バックライトを付与して、透過型カ
ラー表示素子を作製した。
【0091】作製したカラー表示素子は、通電前は、高
分子ゲルが膨潤状態であるために、ほとんど光が透過せ
ず黒色であった。次にすべてのセルに10−100V、
1−10msのパルス電圧を通電すると、高分子ゲル粒
子が加熱されて収縮することにより光が透過し、白色表
示を行うことができた。一方、通電を止めると瞬時にも
との黒色に変化した。さらに、イエローのセルのみに通
電することで、青色を表示することができた。また、マ
ゼンタのセルのみおよびシアンのセルのみにそれぞれ通
電することにより、緑色および赤色を表示することがで
きた。通電時の光透過率は視野角±80°の範囲で平均
60%以上あり、明るくかつ広い視野角の表示が可能で
あることが実証された。白、黒の表示における透過率の
比は30以上あり、コントラストが高く視認性に優れて
いた。
【0092】(実施例4)着色ゲル粒子を基板面に固定
化していないこと以外は、実施例1と全く同様にしてカ
ラー表示素子を作製した。作製したカラー表示素子は、
全てのセルの高分子ゲルが膨潤状態であるために黒色で
あった。次にすべてのセルの画素に通電すると電極表面
のpHが低下し高分子ゲルが収縮することにより光が透
過し、反射率が向上し、白色となった。次に、通電を止
めたところ、元の黒色に戻ったが、白色から黒色への変
化は、実施例1と比較して、若干低下していた。これ
は、ゲル粒子が固定されていないために、収縮時に凝集
してしまい、再度膨潤する際に液体が吸収する表面積が
少なくなったことが原因であった。
【0093】(比較例1)各色の色材の含有量を高分子
ゲルの1.0重量%にした以外は、実施例1と全く同様
にして、イエロー、マゼンタ、シアンの各色材を含有す
る3種類の着色高分子ゲルを得た。各着色高分子ゲルの
平均粒径は約5μmであった。得られた着色高分子ゲル
粒子は、pH2の塩酸水溶液中の膨潤量がいずれも約2
g/gであるのに対して、pH11の水酸化ナトリウム
水溶液中では膨潤量がいずれも約120g/gであり、
pHに応答して体積が約60倍変化する着色高分子ゲル
であることがわかった。また、各着色高分子ゲルの光吸
収量を自記分光光度計(日立社製「U−4000」)で
測定したところ、いずれも飽和吸収濃度未満であること
が確認された。
【0094】次に、実施例1と同様にして、3種類のセ
ルを積層した反射型カラー表示素子を作製した。このカ
ラー表示素子は、通電前の膨潤状態において、非常に色
が薄く、全てのセル中の着色高分子ゲルが膨潤状態であ
る場合に、うすい灰色(光学反射濃度でおよそ0.3程
度)であった。一方、各セルに通電し、各セル中の着色
高分子ゲルを収縮状態とした場合でも、ほとんど色変化
がなく、充分なコントラストが得られなかった。この通
電による着色高分子ゲルの体積変化の様子を光学顕微鏡
で観察した結果、着色高分子ゲル粒子が収縮・膨潤する
と、内部の色材濃度が一様に増減する様子は確認され
た。しかし、着色高分子ゲル粒子の調製時の色材濃度が
低いため、着色高分子ゲルの収縮時においても飽和吸収
濃度を超えず、その結果、膨潤・収縮において光学濃度
が殆ど変化しなかったものと考えられる。
【0095】各セル中の着色高分子が飽和吸収濃度未満
の状態で色材を含有している比較例1のカラー表示素子
は表示特性は不充分であったが、一方、各セル中の着色
高分子が飽和吸収濃度以上の状態で色材を含有している
実施例1〜4のカラー表示素子は、コントラストの高
い、良好な表示特性を示すことが実証された。
【0096】
【発明の効果】本発明によれば、輝度、コントラスト、
応答速度等の表示特性が良好である多色画像を表示可能
な調光素子を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の調光素子をカラー表示素子に利用し
た実施形態の模式断面図である。
【図2】 本発明の調光素子をカラー表示素子に利用し
た実施形態の、調光層の模式断面図である。
【図3】 本発明の調光素子をカラー表示素子に利用し
た実施形態の発色状態および消色状態を示した模式断面
図である。
【図4】 実施例で使用した基板の上面図である。
【符号の説明】
10 透過型カラー表示素子 12C シアン着色高分子ゲル 12M マゼンタ着色高分子ゲル 12Y イエロー着色高分子ゲル 14C、14M、14Y 液体 16C、16M、16Y 調光層 18 バックライト層 20、22 透明基板 24 スペーサ 26 電極層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 植松 高志 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内 Fターム(参考) 5C094 AA06 AA08 AA10 AA13 AA31 AA60 BA03 BA23 BA27 BA32 BA33 BA35 BA41 DA11 EA05 EB02

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板と、 該基板上に、飽和吸収濃度以上の色材を含有するととも
    に、刺激に応じて体積変化する第1の刺激応答性高分子
    ゲルと、該ゲルが体積変化する際に吸収・放出される液
    体とを含有する第1の調光層と、 第1の調光層上に、飽和吸収濃度以上の色材を含有する
    とともに、刺激に応じて体積変化する第2の刺激応答性
    高分子ゲルと、該ゲルが体積変化する際に吸収・放出さ
    れる液体とを含有する第2の調光層とを有し、 第1の刺激応答性高分子ゲルと第2の刺激応答性高分子
    ゲルとが、互いに異なる色相の有彩色を有する調光素
    子。
  2. 【請求項2】 第1の刺激応答性高分子ゲルと、第2の
    刺激応答性高分子ゲルが、第1の調光層および第2の調
    光層の内部に各々固定されている請求項1に記載の調光
    素子。
  3. 【請求項3】 第1の刺激応答性高分子ゲルおよび第2
    の刺激応答性高分子ゲルが、第1および第2の調光層に
    充填された基材に各々固定されている請求項2に記載の
    調光素子。
  4. 【請求項4】 第1の調光層と第2の調光層は、互いに
    対応する画素を有し、各々の画素は、複数の第1の刺激
    応答性高分子ゲルおよび複数の第2の刺激応答性高分子
    ゲルにより各々構成されている請求項1から3までのい
    ずれか1項に記載の調光素子。
  5. 【請求項5】 飽和吸収濃度以上の色材を含有するとと
    もに、刺激に応じて体積変化する第3の刺激応答性高分
    子ゲルと、該ゲルが体積変化する際に吸収・放出される
    液体とを含有する第3の調光層を有し、 第1、第2、および第3の刺激応答性高分子ゲルが、各
    々、シアン、マゼンタ、およびイエローの色相を有する
    請求項1から4までのいずれか1項に記載の調光素子。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003120728A (ja) * 2001-10-17 2003-04-23 Kitakyushu Foundation For The Advancement Of Industry Science & Technology 結合媒体及び結合装置
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