JP3021142B2 - 光学素子、映像安定化装置及び光学装置 - Google Patents

光学素子、映像安定化装置及び光学装置

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JP3021142B2
JP3021142B2 JP03314566A JP31456691A JP3021142B2 JP 3021142 B2 JP3021142 B2 JP 3021142B2 JP 03314566 A JP03314566 A JP 03314566A JP 31456691 A JP31456691 A JP 31456691A JP 3021142 B2 JP3021142 B2 JP 3021142B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は内部に光学的に透明な物
質を封入した2つの透明な平面板の相対角度、即ち、頂
角を変化させることにより通過光束の光学性能を任意に
変化させるようにした光学素子に関し、例えば、写真用
カメラやビデオカメラ等の撮影系において該撮影系の一
部に配置し、該撮影系の振動による画像のブレを補正す
るようにした防振光学系等に好適なものである。
【0002】
【従来の技術】カメラやビデオカメラ或いは望遠鏡等結
像光学系を有し目的の対象物に焦点を結び、その静止画
像又は動画像(以下これらを映像という)の撮影及び/
又は観測に用いられる光学装置に於て、高品質な映像を
得るためには、露光時間中光学装置と対象物との間での
相対的な動きを最小限に抑え焦点面における映像の変位
が生じない様にすることが必要である。
【0003】そして従来より光学装置の防振を目的とし
て、例えば液体やシリコーンゴム等を光学的に透明な物
質を2つの透明な平面板間に封入して、2つの平面板の
角度(平行度)を振動に対応させて外部からの付勢力に
より変化させることにより通過光束を偏向させて射出せ
しめ、振動による映像の焦点面での変位を防止する、可
変頂角プリズムとしての機能を有する光学素子が種々提
案されている。
【0004】図2は例えば特公昭41−11906号に
提案されている光学素子の概略図である。図2(a)に
示す光学素子は2つの透明な平面板21、21′を対向
配置し、可撓性の接続部材22によって周囲を保持し、
その中に透明な液体23を封入して構成されている。
【0005】そしてカメラの焦面に於ける光線の偏差又
は偏向に対して図2(b)に示す様に該光学素子に図示
しない外部からの付勢力印加手段を用いて、2つの平面
板の角度を変化させることにより頂角が任意に制御でき
る可変頂角プリズムを形成し、入射光束hを所定角度偏
向させて射出せしめて映像の変位を補償する光学素子が
記載されている。
【0006】そして、この様な光学素子に封入する透明
物資としては、下記の条件を満たすことが好ましい。
【0007】a)光学素子を通過した光束が色にじみを
生じない様に高いアッベ数(例えば45以上)を有する
事。
【0008】b)大気中の水分を吸湿したときに屈折率
の変動や白濁、物質の変性及び層分離を生じない事。
【0009】c)高温条件下(例えば80〜100℃)
で分解しない事。
【0010】d)低温(例えば−20℃)から高温の条
件下で光学素子の駆動力に変動を与える様な粘度上昇の
無い事。
【0011】ところで従来の光学素子の透明物質23と
しては、例えばアルコール、エーテルやシリコーンオイ
ル等が用いられているが上記a)〜d)の条件を完全に
満足するものでなく、光学素子の環境安定性、保存安定
性に於て未だ不十分であった。
【0012】
【発明が解決しようとしている課題】本発明は上記問題
点に鑑みなされたものであって、外部環境変化に伴う内
部物質の変質を防止し常に良好なる光学性能が得られる
環境安定性、保存安定性に優れた光学素子の提供を目的
とする。
【0013】又、本発明は、振動環境にある結像光学系
を備えた光学装置例えばカメラ、ビデオカメラ、テレビ
カメラ、双眼鏡や望遠鏡によって形成される映像を安定
化させる為の映像安定化装置を提供することを他の目的
とする。
【0014】更に本発明は振動環境に於ても結像手段に
よって焦点面に形成される映像を安定化させることので
きる光学装置を提供することを他の目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】即ち、本願発明の光学素
子は対向配置されてなる2枚の透明な平面板、該平面板
と共に密閉空間を形成する様に該平面板に密着させられ
且つ外部からの付勢力によって変形可能な接続部材及び
該密閉空間に封入されてなる透明物資とを備えた光学素
子に於て、該透明物質が、ポリエーテル変性オルガノポ
リシロキサン、ポリエーテルアルコール変性オルガノポ
リシロキサン及びフッ素化合物から選ばれる少なくとも
1つの化合物を含有することを特徴とする。
【0016】又本発明の映像安定化装置は、目的物上に
焦点を結ぶ結像手段を備えた光学装置の為の映像安定化
装置に於て、該光学装置の照準軸を横切って介在せしめ
た離隔された一対の光学的に透明な平面板、それらの平
面板を接続し、且つ該平面板と共に密閉空間を形成する
接続部材、該密閉空間を満たす物質、 ・上記光学装置の運動に応答し、且つ、その角運動の大
きさ及び方位角を測定する検知手段。 ・該検知手段に応答して目的物に対する光学装置の角運
動によって生じる焦点面での映像の変位を修正する様に
照準軸に関するあらゆる方位に該平面板を互いに相対的
に傾ける様に駆動せしめる手段、を備え、該密閉空間を
満たす物質として、ポリエーテル変性オルガノポリシロ
キサンポリエーテルアルコール変性アルガノポリシロキ
サン及びフッ素系化合物から選ばれる少なくとも1つを
含有することを特徴とする。
【0017】更に、本発明の光学装置は、目的物上に焦
点を結ぶ結像手段を備えた光学装置に於て、該光学装置
の照射軸を横切って介在せしめた離隔された一対の光学
的に透明な平面板、それらの平面板同士を接続し、且つ
該平面板と共に、密閉空間を形成する接続部材、該密閉
空間を満たす物質、該光学装置の運動に応答し、且つそ
の角運動の大きさ及び方位角を測定する検知手段、該検
知手段に応答して目的物に対する該光学装置の角運動に
よって生じる、焦点面での映像の変位を修正する様に該
平面板を照準軸に関するあらゆる方位に互いに相対的に
傾ける様に駆動せしめる手段を具備し且つ、該密閉空間
を満たす物質としてポリエーテル変性オルガノポリシロ
キサンポリエーテルアルコール変性オルガノポリシロキ
サン及びフッ素化合物から選ばれる少なくとも1つの化
合物を含有する映像安定化装置が該結像手段の光入射側
前面に配置されてなることを特徴とする。
【0018】次に本発明を図1を用いて詳細に説明す
る。
【0019】図1に於て1は光学素子であり、2は及び
2′光学的に透明な円板で例えばガラス或いはポリカー
ボネート、ポリスチレンポリメチルメタクリレート等の
プラスチック材からなり、光学素子1を形成する2枚の
円板2、2′は外部からの付勢力が無い時は略平行とな
る様に形成されている。
【0020】又、同図に於て3は接続部材であって、例
えば高分子フィルムや高分子フィルムにアルミ箔をラミ
ネートしたフィルムで形成されてなり、該接続部材は該
円板2,2′と共に密閉空間を形成する様に、円板2、
2′に密着させられている。
【0021】そしてこの密閉空間は光学的に透明な物質
4で充填され、本発明は、この密閉空間を充填する光学
的に透明な物質4にポリエーテル変性オルガノポリシロ
キサン、ポリエーテルアルコール変性オルガノポリシロ
キサン及びフッ素化合物から選ばれる少なくとも1つの
化合物を含有させたことを特徴とするものである。
【0022】本発明に於て上記ポリエーテル変性オルガ
ノポリシロキサン、ポリエーテルアルコール変性オルガ
ノポリシロキサン或いはフッ素系化合物は、下記の物性
を有することが好ましい。即ち、アッベ数が45以上特
に50以上、沸点が80℃以上特に100℃以上、流動
点が−20℃以下特に−30℃以下及び粘度が−20℃
に於て10ポイズ以下。
【0023】上記各物性を満足する事により、光学素子
を通過した光束の色にじみを小さく抑えられ、広温度範
囲で、安定した駆動を行なうことができる光学素子を得
られるものである。
【0024】次に本発明の透明物質4として用いられる
ポリエーテル変性オルガノポリシロキサンについて説明
する。即ち本発明に於て、ポリエーテル変性オルガノポ
リシロキサンは例えば下記一般式(I)で示される。
【0025】
【外8】 (但しl1、l2及びl3=0、1、2…50)但し、
1、L2及びL3はメチレン基、ポリメチレン基特に炭
素数1〜5のアルキレン基及びその誘導体或いはフルオ
ロメチレン基、ポリフルオロメチレン基及びその誘導体
を示す。又R1〜R10は置換もしくは未置換のアルキル
基、置換もしくは未置換のアルケニル基、置換もしくは
未置換のアルキニル基、置換もしくは未置換のアリール
基、置換もしくは未置換のアラルキル基や置換もしくは
未置換のフルオロアルキル基、置換もしくは未置換のフ
ルオロアルケニル基、置換もしくは未置換のフルオロア
ルキニル基、置換もしくは未置換のフルオロアリール基
置換もしくは未置換のフルオロアラルキル基を示す。又
m+nは50以下が好ましく、R1〜R10の炭素数は1
〜10が好ましい。
【0026】そして、このポリエーテル変性オルガノポ
リシロキサン1分子に対するポリエーテル変性基
【0027】
【外9】 の重量比(以後変性率)は20%以上90%以下特に2
5%以上80%以下とすることが好ましい。即ち、この
化合物に於ては、ポリシロキサンの部分が疎水基とし
て、又ポリエーテル変性基が親水基として機能し、変性
率を上記の範囲内とした場合、光学素子内に侵入した水
分はポリシロキサン分子に取り込まれるため、光学素子
内で水と透明物質が分離せず光学素子の白濁を防止で
き、また必要以上に水分を取り込み、光学素子を変形さ
せてしまうこともない。そして本発明に於てポリエーテ
ル変性オルガノポリシロキサンとしては、例えば下記構
造式(I)−1で示される様にジメチルポリシロキサン
の側鎖にポリエーテルを導入した化合物が挙げられ、
【0028】
【外10】
【0029】特に下記構造式(I)−2で示されるジメ
チルポリシロキサンの側鎖をポリエーテルで置換したシ
リコーンオイルは吸湿時に屈折率分布の発生や白濁が生
じず、又高温耐久性にも優れ高品質な光学素子を得るこ
とができる(但しa+b≦50)。
【0030】
【外11】
【0031】次に本発明に用いられるポリエーテルアル
コール変性オルガノポリシロキサンは例えば下記一般式
(II)又は(III)で示される。
【0032】
【外12】 但しM1及びM2はメチレン基、ポリメチレン基及びその
誘導体或いはフルオロメチレン基、ポリフルオロメチレ
ン基及びその誘導体を示す。又R10〜R22は置換もしく
は未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアルケニ
ル基、置換もしくは未置換のアルキニル基、置換もしく
は未置換のアリール基、置換もしくは未置換のアラルキ
ル基や置換もしくは未置換のフルオロアルキル基、置換
もしくは未置換のフルオロアルケニル基、置換もしくは
未置換のフルオロアルキニル基、置換もしくは未置換の
フルオロアリール基置換もしくは未置換のフルオロアラ
ルキル基を示す。又R10〜R22の炭素数は1〜10が好
ましい。
【0033】更にQ1及びQ2は置換もしくは未置換のア
ルキル基、置換もしくは未置換のアルキルエーテル基や
置換もしくは未置換のフルオロアルキル基、置換もしく
は未置換のフルオロアルキルエーテル基を示し、k、
p、q及びrは0又は自然数である。
【0034】そして本発明のポリエーテルアルコール変
性オルガノポリシロキサンに於てOH価を70(KOH
mg/g)以上、特に100〜120としたものは、高
温高湿下での白濁による光透過性の減少(以下失透とい
う)が極めて少なく又、高湿下で吸湿させた状態に於て
も屈折率分布は生じず、更に低温(例えば−20℃)か
ら高温(例えば80〜100℃)の温度範囲に於て、常
に液体状態を維持できる為、特に好適に用いられる。
【0035】又、本願発明のポリエーテルアルコール変
性オルガノポリシロキサンの重量平均分子量は900〜
1100特に950〜1050とした場合、その粘度を
低温から高温(例えば−20℃〜80℃)まで500セ
ンチポイズ以下に保つことができ好ましい。
【0036】次に本発明に用いられるポリエーテルアル
コール変性オルガノポリシロキサンとしては例えば下記
構造式(II)−1で示されるジメチルポリシロキサン
の両末端に一級のアルコール性OH基を有するシリコー
ンオイルや
【0037】
【外13】
【0038】下記構造式(III)−1で示される、ジ
メチルポリシロキサンの側鎖にアルコール性OH基を有
するシリコーンオイルが挙げられる。
【0039】
【外14】
【0040】そして上記変性シリコーンオイルの粘度及
び安定性を考慮した場合Q1、Q2としては(CH2c
(CH2d(但しc,dは1〜5)M1、M2としては
(CH2e(但しeは1〜5)とすることが好ましい。
【0041】次に本発明のフッ素化合物とは、その主鎖
又は側鎖にフッ素原子を含む物質を指す。フッ素系化合
物は、フッ素原子の影響で分極し易く大きいアッベ数を
有する為光学素子用材料として好適に用いられ、特に下
記のものは環境保存安定性に優れ好ましい。即ち、例え
ば下記構造式(IV)−1や(IV)−2で示されるパ
ーフルオロポリエーテル変性フッ素化オイルや 〔構造式(IV)−1〕 CF3−〔(O−CF2−CF2s−(O−CF2t〕−O−CF3(但しs+t ≦100)
【0042】
【外15】
【0043】下記構造式(IV)−3で示されるパーフ
ルオロアルカンや 〔構造式(IV)−3〕 CF3(CF2wCF3(但しW=5〜10) 及びその誘導体或いはパーフルオロアルケン、パーフル
オロアルキン及びこれらの誘導体、下記構造式(IV)
−4で示される環状パーフルオロアルカンや 〔構造式(IV)−4〕 Cj2j(但しjは3以上の整数)
【0044】更に環状パーフルオロアルケン、環状パー
フルオロアルキン及びこれらの誘導体、下記構造式(I
V)−5で示されるパーフルオロアミン
【0045】
【外16】 更には下記構造式(IV)−6で示されるパーフルオロ
フラン及びその誘導体などである。
【0046】
【外17】 但しRはフッ素原子、フルオロアルキル基、フルオロア
ルケニル基、フルオロアルキニル基又はフルオロアリー
ル基を示す。
【0047】そして、本発明に於てアッベ数が高く、高
温高湿下での安定性にも優れた特に好ましいフッ素系化
合物としては、上記構造式(IV)−2で示される。大
気圧下で沸点を有さず、流動点が−58℃のパーフルオ
ロポリエーテル変性フッ素化オイルや沸点97℃、流動
点−110℃のパーフルオロオクタン、沸騰点102℃
流動点−88℃のパーフルオロブチルパーフルオロフラ
【0048】
【外18】 沸点174℃流動点−50℃のトリパーフルオロプロピ
ルアミン
【0049】
【外19】 沸点215℃流動点−25℃のトリパーフルオロブチル
アミン
【0050】
【外20】 や更には、
【0051】
【外21】
【0052】又、環状パーフルオロアルカンとしては、
【0053】
【外22】 が挙げられる。
【0054】またこれらのシリコーン系及びフッ素系物
質は単独で使用しても良いが、2つ以上を混合して使用
しても良い。
【0055】次に本発明に用いられる光学素子の形状に
ついて図を用いて説明する。図3及び図4は本発明に用
い得る光学素子の第2の実施態様の平面図及び断面図で
ある。図3及び図4に於て、互いに離隔する様に対向配
置された光学的に透明な円板31、32は接続部材3に
よって接続されてなり、該接続部材3は、高分子フィル
ムやアルミ箔等の柔軟性及び可撓性を有する環状フィル
ム部材33と平面板31、32とフィルム部材33との
間に設けられた環状の支持部材34からなる。そして環
状フィルム部材33を構成する環状フィルム33aと3
3bはその一端が他方の環状フィルムと互いに接着させ
られ他端は支持部材34と接着され、円板31、32と
共に密閉空間を形成する。
【0056】そしてフィルム部材33を構成する環状フ
ィルム33a、33bの材料としては、光学素子に外部
からの付勢力が加えられたときに該光学素子の円板3
1、32が互いに相対的に傾く程度の可撓性があればよ
く例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニ
ル、ポリアミド、ポリスチレン、ポリイソブチレン、ポ
リカーボネート、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアセ
タール、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリロニトリ
ル、ポリイミド、セルロース系フッ素樹脂類、エポリ
シ、シリコーン樹脂、ポリウレタン等の熱可塑性樹脂お
よび熱硬化性樹脂、並びにそれらの共重合体や可塑剤あ
るいは充填剤を添加したものが挙げられる。
【0057】これらの中で比較的柔軟な、例えばゴム類
や熱可塑性エラストマーは接着性、液体密封性、伸縮性
等の点で好適である。また硬いが薄肉に成形すると柔軟
性を示す熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂は、上記性質に加
えて形状を適切に設定すれば変形駆動力を小さくするこ
とができるので好ましい。
【0058】特にこれらの中から接着方法が確立されて
いて接着性がよく、耐溶剤性があり、伸縮耐久性が強
く、変形駆動力を小さくできるものとしてシリコーンゴ
ム、フッ素ゴムまたはブチルゴムが最も好ましい。
【0059】支持部材34は硬度の高い、例えばアルミ
やポリエチレンなどのプラスチックさらにアルミニウ
ム、ステンレススチール等の金属材料をインサート成形
した複合材やガラス繊維入りポリエステル等の他、樹脂
を二色成形、接着等により合わせた複合材を用いれば、
支持部材の剛性が高まり円板31、32の歪みを抑える
ことができ、好ましい。
【0060】又、この時フィルム部材33は、図5に示
す様に3層構造としてもよい。即ち、フィルム部材33
を形成する環状フィルムとして該環状フィルム同士を接
着する為のフィルム接着層51、光学素子1内の密閉空
間に封入されている内部物質を外部の湿気から保護し且
つフィルム部材33としての強度を保つ為のバリヤー層
52及び支持部材34とフィルム部材33を接着する為
の支持部材接着層53とが積層されたものを用いて、フ
ィルム部材33の接着層53を支持部材34にそれぞれ
接着し、フィルム接着層51を内側にしてフィルム接着
層を互いに接着し接続部材3を得る。このような構成に
より、接続部材の変形可能部分(フィルムの部分)を緩
い角度で折り曲げるようにし、光学素子の変形駆動力が
小さくてすむようにしている。
【0061】そして上記フィルム接着層51は光学素子
に封入される物質に溶解または膨潤等をすることがな
く、且つフィルム同士が例えば熱融着や超音波融着或い
は接着剤を介して容易に接着できるような物質が好まし
い。
【0062】そして例えばフィルム同士で熱融着可能な
フィルム材料としては低密度ポリエチレン、リニア低密
度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチ
レン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエステル等が
適用可能であり、これらの物質については熱融着法も確
立していて好ましい。
【0063】又、ポリ四フッ化エチレン、ポリ三フッ化
エチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニー
ル、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体、
エチレン−四フッ化エチレン共重合体、四フッ化エチレ
ン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体等の
フッ素系の高分子フィルムは耐溶剤性が強く、封入する
物質として、フイルム部材を膨潤させ易いものも用いる
ことができる。
【0064】フィルム接着層51の厚みは5〜100μ
m程度が好ましく、20〜60μmがさらに好ましい。
その厚みが5μm以下では熱接着の際、熱溶融によりフ
ィルムが多少変形したり、薄肉化し、その影響で所望の
接着強度を保つのが難しくなり、また100μm以上で
はフィルムの剛性が高まり、変形駆動力が大きくなって
くるので好ましくない。
【0065】バリヤ層52は内部物質の吸湿や気体の透
過を防ぐ役割、またフィルム部材の形状の保持の役割を
果たすもので、材質としては、アルミ箔が気体遮断性が
完全でしかも安価であり使用できるが、アルミ箔は繰り
返し変形時にピンホールが発生しバリヤ性が乏しくなる
ことがあり、またその厚さが50μm以上になると、剛
性が高く光学素子の変形駆動力が高くなることに留意す
べきである。
【0066】この他防湿性の優れたポリ塩化ビニリデン
フィルムや、アルミ蒸着高分子フィルムを用いてもよ
い。また気体透過性の低いポリビニルアルコール、ポリ
エチレン−ポリビニルアルコール共重合体等のフィルム
を用いてもよい。さらに突さし強度や耐ピンホール性を
あげるためにナイロンなどのフィルムをバリヤ層52と
接着層51または53の間に一層加えてもよい。
【0067】またバリヤ層52と接着層51または53
との接着性がよくない場合には、ポリエステル等の中間
層をバリヤ層と接着層51または53との間に加えれば
接着強度が高くなり、かつ内部物質による膨潤、繰り返
し屈曲等によるデラミネーション等が起こりにくくなり
好ましい。
【0068】支持部材接着層53は支持部材34と同種
の材質とすることが熱接着強度が高くなり好ましい。従
って、支持部材に要求される寸法精度により材質が決定
される。その材質としては例えばポリエステル、ポリア
ミド、ポリカーボネート、ポリプロピレン、低密度ポリ
エチレン、リニア低密度ポリエチレン、中密度ポリエチ
レン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化
ビニル等が適用可能である。その厚みは5〜100μm
程度、特には20〜60μmが好ましい。この理由はフ
ィルム接着層51の場合と同様である。
【0069】フィルム接着層51および支持部材接着層
53はキャスティング法、押し出し法により製造された
未延伸フィルム、またはインフレーション法等により製
造された延伸フィルムまたは未延伸フィルムであること
が好ましい。
【0070】本実施態様の3層構造のフィルム部材33
の厚みは200μm以下が好ましく、変形駆動力を低減
させることを考えれば、できれば10μm以上100μ
m以下にするのが好ましい。そしてこの様な3層構成の
環状フィルムの製造法として、バリヤ層52が高分子樹
脂からなる場合には、3層共押し出し法により一度に製
造してもよい。
【0071】またバリヤ層52がアルミ箔、或は延伸さ
れたプラスチックフィルムの場合には、例えば図6に示
すように接着剤61及び62を使用するドライラミネー
ト法や接着剤61、62を溶融ポリエチレンとしてエク
ストルージョンラミネート法等によって製造しても良好
な接着力が得られる。また層51、52、53さらには
61、62もいっぺんに形成するインフレーション成形
によりフィルム33を形成してもよい。
【0072】そしてかかる積層構造の環状フィルムとし
て、その層構成の具体例を示すと例えば(ポリエステル
/A1/高密度ポリエチレン)、(ポリエステル/ナイ
ロン/低密度ポリエチレン)、(ポリエステル/A1/
ポリプロピレン)、(ポリアミド/A1/高密度ポリエ
チレン)、(ポリエステル/ポリビニルアルコールまた
はポリエチレン−ポリビニルアルコール共重合体/ポリ
プロピレン)、(ポリアミド/A1/ポリプロピレ
ン)、(リニア低密度ポリエチレン/ポリエステル/A
1/ポリエステル/リニア低密度ポリエチレン)、(蒸
着A1リニア低密度ポリエチレン/ポリエステル/蒸着
A1リニア低密度ポリエチレン)、(蒸着A1リニア低
密度ポリエチレン/蒸着A1ポリエステル/蒸着A1リ
ニア低密度ポリエチレン)、(蒸着A1リニア低密度ポ
リエチレン/蒸着A1ポリエステル/リニア低密度ポリ
エチレン)、(リニア低密度ポリエチレン/フッ素系フ
ィルム/リニア低密度ポリエチレン)、(リニア低密度
ポリエチレン/ポリ塩化ビニリデン/リニア低密度ポリ
エチレン)、(リニア低密度ポリエチレン/ポリビニル
アルコールまたはポリエチレン−ポリビニルアルコール
共重合体/リニア低密度ポリエチレン)、(リニア低密
度ポリエチレン/ナイロン/ポリビニルアルコールまた
はポリエチレン−ポリビニルアルコール共重合体/リニ
ア低密度ポリエチレン)、あるいは(リニア低密度ポリ
エチレン/ナイロン/リニア低密度ポリエチレン)等の
構成が挙げられる。
【0073】又本願発明に係る光学素子の第3の実施態
様としてフィルム部材33を図7に示す様に環状フィル
ム部材33a、33bの間に(フィルム接着層51/バ
リヤ層52/フィルム接着層51)の構成を有する環状
フィルム71a、71bを用いてフィルム部材33を蛇
腹状としてもよく、又図8に示す様にしてフィルム部材
33を蛇腹状としてもよい。更に図9に示す様にフィル
ム部材33を接続部材の側面に接着して接続部材3を形
成してもよい。
【0074】更にまた図10に示す様に支持部材34及
びフィルム部材33を互いに嵌合可能に形成することに
より両者の接着面積が向上し光学素子の接着耐久性を向
上させるのにより有効である。
【0075】この他図11に示すように、支持部材11
1に加えてもう一つの支持部材112を用意し、一方の
支持部材111によりフィルム部材33を嵌合、接着し
ておいてから、両支持部材に設けたネジ山により他の支
持部材112を締め付けるようにして支持部材111に
取り付ければ円板とフィルム部材とをより強固に接着さ
せることができる。
【0076】次に円板とフィルム部材33を直接接着す
る場合の実施態様について説明する。
【0077】フィルム部材33が成形可能な材料である
という特徴を生かし、例えばフィルム部材33を図12
に示すような形状に予め成形しておくことができる。こ
のようにすることで、円板31、32にフィルム部材を
はめ込んで接着することができ、材質的には円板とフィ
ルム部材との接着性が悪い場合でも両者を良好に接着で
きる。
【0078】次に本発明の光学素子を組込んだ映像安定
化装置を備えた光学装置についてその概略断面を示す図
13を用いて説明する。
【0079】図13に於て1は本発明に係る光学素子で
140及び141は環状の枠体で光学素子の外周部を保
持し、該光学素子の円板31、32を光軸に対し、あら
ゆる方位に互いに相対的に傾ける為の駆動手段143
(ムービングコイル143a、ヨーク143b及びマグ
ネット143cにて構成されてなる。)と各々接続され
て映像安定化装置を構成する。
【0080】そして140a、140b及び141aと
141b(但し141bは不図示)は枠体140、14
1に設けられ、光学素子1を光学装置の鏡筒(不図示)
に対して、軸142a及び142bを中心として回動可
能に取り付ける軸支部である。
【0081】そして、本実施例では、この軸支部を枠体
140、141の径方向へ突出させると共に、相対向す
る枠体の方向へ折曲させて、回転軸142a、142b
が透明板の液体と接する面上であって透明板の直径を通
る様にしている。以上の構成によって光学素子の頂角を
変化させる際に、枠体を回動させても、例えば軸支部1
41aが径方向に延長されているので、対向する枠体に
接触することがなく、回動の自由を与えることができ
る。
【0082】また144は光学装置の結像手段である主
レンズ系、145は画像が結像する焦点面を示す。
【0083】なお図14は光学素子1を保持する枠体1
40、141の斜視図である。
【0084】そして上記光学装置は例えば図15に示す
データフローに従って映像のブレが補正される。
【0085】即ち光学装置本体に設置された画像のブレ
量検知手段(不図示)、例えば加速度センサーから送出
されてくる画像ブレ量を基にして画像のブレ補正制御
系、駆動手段制御系等を経てその結果コイル143aに
通電がなされ駆動手段に必要な駆動力が発生させられ
る。
【0086】そして、軸142a、142bを中心とし
て円板を回転させることによって光学素子の頂角を変化
させている。その際、位置変位量を位置センサー(不図
示)を用いて検出し画像のブレ補正制御系にフィードバ
ックしている。このような制御方法により光学装置の振
れに基づく画像のブレを良好に補正することができる。
【0087】
【実施例】次に実施例を用いて本発明を更に詳細に説明
する。
【0088】(実施例1)以下の方法により図5に示す
光学素子を作製した。
【0089】円板31及び32として直径50mm,厚
さ2mmのガラス円板を用い、厚さ70μmの(ポリエ
チレン/ポリエチレン−ポリビニルアルコール共重合体
/ポリエチレン)ラミネートフィルムを環状フィルム3
3a及び33bとして用い、該環状フィルムの一端を熱
溶着して蛇腹状のフィルム部材33を製作した。又、支
持部材34として、ポリエチレンの射出成形品を用いて
支持部材34とフィルム部材とを熱融着によって接続
し、接続部材3を作製し、該接続部材3は平行平面板3
1、32に接着剤で接続した。
【0090】一方平行平面板31、32及び接続部材3
で形成される密閉空間を満たす透明物質4として下記の
構造を有するアッベ数52、重量平均分子量1000、
OH価112屈折率1.42、25℃に於る粘度33.
1(CS)のポリエーテルアルコール変性ジメチルポリ
シロキサンを用い、該密閉空間内に11ml注入した。
【0091】
【外23】 但し、Q1、Q2
【0092】
【外24】 である。
【0093】こうして得た光学素子の環境安定性を以下
の〜の試験を行なって評価した。 常温、常湿度下での屈折率変動及び重量変動 作製した光学素子を25℃、60%RHの条件下に放置
し重量の変動及び透明物質の屈折率の変動を20時間毎
に400時間後まで測定した。その結果重量変動は40
0時間後に於ても±0.1%以下であり、単調な重量増
加は観測されなかった。
【0094】又屈折率変動も全測定点で±0.04%以
下であった。
【0095】なお屈折率の測定は、光学素子から透明物
質を少量取り出して屈折率計(屈折率計1型;アタゴ
(株)製)で測定した。 高温、高湿度下での重量変動及び屈折率変動 (1)45℃、95%RHの条件下に光学素子を72時
間以上放置し重量変動を測定したところ、重量の増加は
最大で1.4%であった。
【0096】そしてこの時の屈折率変動は−0.01%
以内であり屈折率変動の許容範囲(初期屈折率±0.0
4%)以内であった。
【0097】又飽和吸湿させた光学素子の屈折率分布を
25℃60%RHの条件下でマッハツェンダー屈折率分
布測定機で測定したところ、光学素子の面内で屈折率分
布は観測されなかった。
【0098】次に飽和吸湿させた光学素子を25℃60
%の条件下に放置したところ72時間後に重量は、(吸
湿前の重量±0.1%)に戻り又、屈折率も初期屈折率
±0.04%の範囲内であり更に上記高温高湿条件下へ
の放置実験及びその後の常温常湿度条件下への放置実験
を通じて本実施例の光学素子の可視光の透過率は98%
以上で失透は、観測されず、又密閉空間内の層分離も目
視では認められなかった。 (2)70℃85%RHの条件下に光学素子を500時
間放置し、重量変動を測定したところ重量の増加は最大
で1.5%であった。
【0099】又、この時の屈折率変動は(初期の±0.
04)%以内であり、光学素子の面内で屈折率分布は観
測されなかった。
【0100】次に飽和吸湿させた光学素子を25℃60
%の条件下に放置したところ72時間後に重量は、(吸
湿前の重量±0.1%)に戻り、又、屈折率も初期屈折
率±0.04%の範囲内であり、更に上記高温高湿条件
下への放置実験及びその後の常温常湿度条件下への放置
実験を通じて、本実施例の光学素子の可視光の透過率は
98%以上で失透は観測されず、又密閉空間内の層分離
も目視では認められなかった。
【0101】なお、透過率は分光光度計(商品名U−4
000;日立製作所製)を用いて測定した。 高温放置テスト 本実施例の光学素子を80℃60%RHの条件下に3ケ
月間放置したところ、シリコーンオイルの着色、分解は
生じなかった。 飽和吸湿後の高温放置テスト 前記(1)の条件下で飽和吸湿させた光学素子を80
℃40%RHの条件下で放置したところ、シリコーンオ
イルは常に均一であり層分離も生じなかった。 液体の粘度変化 本実施例のシリコーンオイルの粘度について−20℃〜
80℃の温度範囲で、JIS Z 8803に規定され
た方法に従って測定したところ5ポイズ以下であった。
【0102】(実施例2〜5)実施例1に於て封入した
変性シリコーンオイルに代えて表−1に示す化合物N
o.1〜4のポリエーテルアルコール変性シリコーンオ
イルを用いた以外は実施例1と同様にして光学素子を作
成し評価した。
【0103】(実施例6〜8)実施例1に於て封入した
変性シリコーンオイルに代えて表−2に示す化合物N
o.5〜7のポリエーテル変性シリコーンオイルを用い
た以外は実施例1と同様にして光学素子を作成し評価し
た。
【0104】(実施例9〜12)実施例1に於て封入し
た変性シリコーンオイルに代えて表−3に示す化合物N
o.8〜11のフッ素化合物を用いた以外は実施例1と
同様にして光学素子を作成し評価した。
【0105】
【表1】
【0106】
【表2】
【0107】
【表3】
【0108】(比較例1、2)実施例1に於て封入した
変性シリコーンオイルに代えてポリエチレングリコール
(Mw=400)及びシリコーンオイル(Mw=100
0)を用いた以外実施例1と同様にして光学素子を作成
し評価した。
【0109】上記実施例2〜13及び比較例1、2の結
果を表−4に示す。
【0110】(参考例1)実施例1に於て用いた変性シ
リコーンオイルと同一の構造式で示され、OH価が62
の変性シリコーンオイルを用いた他は実施例1と同様に
して光学素子を作成し評価した。
【0111】(参考例2)実施例4に於て用いた変性シ
リコーンオイルと同一の構造式で示され、OH価が59
の変性シリコーンオイルを用いた他は実施例1と同様に
して光学素子を作成し評価した。
【0112】(参考例3)変性率11のポリエーテル変
性シリコーンオイルを用いた以外は実施例6と同様にし
て光学素子を作成し評価した。
【0113】上記参考例1〜3の結果も表−4に示す。
【0114】なお、表−4に示す評価は下記の基準に従
った。
【0115】
【表4】
【0116】
【表5】
【0117】
【表6】
【0118】
【表7】
【0119】
【発明の効果】以上説明した様に本発明によれば外部環
境の変化に係らず長時間経過時の体積の安定、屈折率の
安定、及び分解、着色等がなく、常に安定した光学性能
を有する防振光学系に用いる光学素子を提供することが
可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光学素子の概略断面図。
【図2】光学素子の可変光学プリズムとしての機能の説
明図。
【図3】本発明に係る光学素子の一実施態様の平面図。
【図4】図3に示す光学素子の概略断面図。
【図5】本発明に係る光学素子の他の実施態様の概略断
面図。
【図6】本発明の光学素子の接続部材に用いられる環状
フィルムの一実施態様の概略断面図。
【図7】本発明に係る光学素子の他の実施態様の概略
図。
【図8】本発明に係る光学素子の他の実施態様の概略
図。
【図9】本発明に係る光学素子の他の実施態様の概略
図。
【図10】本発明に係る光学素子の他の実施態様の概略
図。
【図11】本発明に係る光学素子の他の実施態様の概略
図。
【図12】本発明に係る光学素子の他の実施態様の概略
図。
【図13】本発明の光学素子を用いた映像安定化装置及
びそれを備えた光学装置の概略断面図。
【図14】本発明の光学素子を把持する枠部の斜視図。
【図15】本発明の映像安定化装置を作動させる為のデ
ータフロー図である。
【符号の説明】
1 光学素子 2 円板 2′ 円板 3 接続部材 4 透明物質 21 円板 21′ 円板 22 接続部材 23 透明物質 31 円板 32 円板 33 フィルム部材 34 支持部材 51 フィルム接着層 52 バリヤー層 53 支持部材接着層 61 接着剤 62 接着剤 111 支持部材 112 支持部材 140 枠体 141 枠体 143 駆動手段 144 主レンズ系 145 焦点面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−287419(JP,A) 特開 平1−166003(JP,A) 特開 昭63−91621(JP,A) 特開 昭56−78834(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02B 5/06

Claims (19)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対向配置されてなる2枚の透明な平面
    板、該平面板と共に密閉空間を形成する様に該平面板に
    密着させられ且つ外部からの付勢力によって変形可能な
    接続部材及び該密閉空間に封入されてなる透明物質とを
    備えた光学素子に於て、該透明物質がポリエーテル変性
    オルガノポリシロキサン、ポリエーテルアルコール変性
    オルガノポリシロキサン及びフッ素系化合物から選ばれ
    る少なくとも1つの化合物を含有することを特徴とする
    光学素子。
  2. 【請求項2】 該化合物のアッベ数が45以上である請
    求項1の光学素子。
  3. 【請求項3】 該化合物の沸点が80℃以上で流動点が
    −20℃以下である請求項1の光学素子。
  4. 【請求項4】 該化合物の−20℃に於ける粘度が10
    ポイズ以下である請求項1の光学素子。
  5. 【請求項5】 該ポリエーテル変性オルガノポリシロキ
    サン1分子に対するポリエーテル変性基の重量比(変性
    率)が20%以上90%以下であるクレーム1の光学素
    子。
  6. 【請求項6】 該変性率が25%以上80%以下である
    クレーム6の光学素子。
  7. 【請求項7】 該ポリエーテル変性オルガノポリシロキ
    サンが下記一般式(I)で示される構造を有する請求項
    1の光学素子。 【外1】 (但し、L1、L2及びL3はメチレン基、ポリメチレン
    基及びその誘導体或いはフルオロメチレン基、ポリフル
    オロメチレン基及びその誘導体を示す。又R〜R10
    は置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置
    換のアルケニル基、置換もしくは未置換のアルキニル
    基、置換もしくは未置換のアリール基、置換もしくは未
    置換のアラルキル基や、置換もしくは未置換のフルオロ
    アルキル基、置換もしくは未置換のフルオロアルケニル
    基、置換もしくは未置換のフルオロアルキニル基、置換
    もしくは未置換のフルオロアリール基、置換もしくは未
    置換のフルオロアラルキル基を示す。又、m,nは1以
    上の整数で、l1、l2及びl3は0又は1以上の整数で
    ある。)
  8. 【請求項8】 該ポリエーテル変性オルガノポリシロキ
    サンがポリエーテル変性ジメチルポリシロキサンである
    請求項7の光学素子。
  9. 【請求項9】 該ポリエーテル変性ジメチルポリシロキ
    サンが下記構造式で示される構造を有する請求項8の光
    学素子。 【外2】 (但しa、bは0又は1以上の整数)
  10. 【請求項10】 該ポリエーテルアルコール変性オルガ
    ノポリシロキサンのOH価が70以上である請求項1の
    光学素子。
  11. 【請求項11】 該OH価が100以上120以下であ
    る請求項10の光学素子。
  12. 【請求項12】 該ポリエーテルアルコール変性オルガ
    ノポリシロキサンが下記構造式(II)又は(III)
    で示される構造を有する請求項1の光学素子。 【外3】 (但し、M1及びM2はメチレン基、ポリメチレン基及び
    その誘導体或いはフルオロメチレン基、ポリフルオロメ
    チレン基及びその誘導体を示す。又R10〜R22は置換も
    しくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアル
    ケニル基、置換もしくは未置換のアルキニル基、置換も
    しくは未置換のアリール基、置換もしくは未置換のアラ
    ルキル基や、置換もしくは未置換のフルオロアルキル
    基、置換もしくは未置換のフルオロアルケニル基、置換
    もしくは未置換のフルオロアルキニル基、置換もしくは
    未置換のフルオロアリール基、置換もしくは未置換のフ
    ルオロアラルキル基を示す。更にQ1及びQ2は置換もし
    くは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアルキ
    ルエーテル基や置換もしくは未置換のフルオロアルキル
    基、置換もしくは未置換のフルオロアルキルエーテル基
    を示し、k、p、q及びrは0又は自然数である。)
  13. 【請求項13】 該ポリエーテルアルコール変性オルガ
    ノポリシロキサンが、下記構造式(II)−1もしくは
    (III)−1で示されるポリエーテルアルコール変性
    ジメチルポリシロキサンである請求項12の光学素子。 【外4】
  14. 【請求項14】 前記構造式(II)−1で示されるポ
    リエーテルアルコール変性ジメチルポリシロキサンに於
    てQ1及びQ2が 【外5】 で示される。アルキルエーテル基である請求項13の光
    学素子(但しc、dは1〜5)。
  15. 【請求項15】 前記構造式(III)−1で示される
    ポリエーテルアルコール変性ジメチルポリシロキサンに
    於てM1及びM2が 【外6】 (但しe=1〜5)である請求項13の光学素子。
  16. 【請求項16】 該フッ素系化合物が、パーフルオロポ
    リエーテル変性フッ素化オイル、置換もしくは未置換の
    パーフルオロアルカン、置換もしくは未置換のパーフル
    オロアルケン、置換もしくは未置換のパーフルオロアル
    キン、置換もしくは未置換の環状パーフルオロアルカ
    ン、置換もしくは未置換の環状パーフルオロアルケン、
    置換もしくは未置換の環状パーフルオロアルキン、置換
    もしくは未置換のパーフルオロアミン及び置換もしくは
    未置換のパーフルオロフランから選ばれる少なくとも1
    つの化合物である請求項1の光学素子。
  17. 【請求項17】 該パーフルオロポリエーテル変性フッ
    素化オイルが下記構造式(IV)−1或いは(IV)−
    2で示される請求項17の光学素子。 〔構造式(IV)−1〕 CF3−〔(O−CF2−CF25−(O−CF2t〕−O−CF3 【外7】
  18. 【請求項18】 目的物上に焦点を結ぶ結像手段を備え
    た光学装置のための映像安定化装置に於て、該光学装置
    の照準軸を横切って介在せしめた離隔された一対の光学
    的に透明な平面板、それらの平面板を接続し、且つ該平
    面板と共に密閉空間を形成する接続部材、該密閉空間を
    満たす物質、上記光学装置の運動に応答し且つ、その角
    運動の大きさ及び方位角を測定する検知手段、および該
    検知手段に応答して目的物に対する光学装置の角運動に
    よって生じる焦点面での映像の変位を修正する様に照準
    軸に関するあらゆる方位に該平面板を互いに相対的に傾
    ける様に駆動せしめる手段を備え、該密閉空間を満たす
    物質として、ポリエーテル変性オルガノポリシロキサン
    ポリエーテルアルコール変性オルガノポリシロキサン及
    びフッ素系化合物から選ばれる少なくとも1つを含有す
    ることを特徴とする映像安定化装置。
  19. 【請求項19】 目的物上に焦点を結ぶ結像手段を備え
    た光学装置に於て、該光学装置の照射軸を横切って介在
    せしめた離隔された一対の光学的に透明な平面板、それ
    らの平面板同士を接続し、且つ該平面板と共に密閉空間
    を形成する接続部材、該密閉空間を満たす物質、該光学
    装置の運動に応答し、且つ、その角運動の大きさ及び方
    位角を測定する検知手段、該検知手段に応答して目的物
    に対する該光学装置の角運動によって生じる、焦点面で
    の映像の変位を修正する様に該平面板を照準軸に関する
    あらゆる方位に互いに相対的に傾ける様に駆動せしめる
    手段を具備し且つ、該密閉空間を満たす物質としてポリ
    エーテル変性オルガノポリシロキサンポリエーテルアル
    コール変性オルガノポリシロキサン及びフッ素化合物か
    ら選ばれる少なくとも1つの化合物を含有する映像安定
    化装置が該結像手段の光入射側前面に配置されてなるこ
    とを特徴とする光学装置。
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