JP2006138950A - 光学特性可変光学素子、その光偏向作用を検出する検出装置及び光学特性可変光学素子を用いた光学装置 - Google Patents

光学特性可変光学素子、その光偏向作用を検出する検出装置及び光学特性可変光学素子を用いた光学装置 Download PDF

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Abstract

【課題】例えば、人の眼の収差をも補正し、より良い観察を可能とする光学装置等を提供する。
【解決手段】変形する透明基板702と一体化された透明電極59と、前記透明基板702に対向して設けられた固定電極703a〜703dとを有し、前記透明基板702と別の透明基板163の間の透明流体144の形を変形させることで光屈折作用を変化させる透過型の光学特性可変光学素子701。
【選択図】図2

Description

本発明は、人の眼によって画像を見る光学装置、その光学装置に用いられる光学特性可変光学素子、及び光学特性可変光学素子の光偏向作用を検出する検出装置に関する。
人の眼によって画像を見る光学装置(観察装置)としては、顕微鏡,双眼鏡,望遠鏡,眼鏡等が知られているが、これらの光学装置は、人間の眼は無収差であるという仮定のもとに設けられてきた。しかしながら、人の眼には収差があり、このため、結像性能はこの分低下している。
J. Opt. Soc. Am. A Vol.14 No.11 (1997) PP2884
非特許文献1には、人の眼の収差を補正する例が記載されているが、これは網膜の撮影を主たる目的としたものに過ぎない。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、例えば、人の眼の収差をも補正し、より良い観察を可能とする光学装置等を提供することにある。
上記の目的を達成するため、本発明による透過型の光学特性可変光学素子は、変形する透明基板と一体化された透明電極と、この透明基板に対向して設けられた固定電極とを有し、前記透明基板と別の透明基板との間の透明流体の形を変形させることで光屈折作用を変化させるようになっている。
また、本発明による検出装置は、光源からの光を光偏向作用の変化する光学特性可変光学素子に入射させ、出射光の位置を検出器によって検出することで前記光学特性可変光学素子の光偏向作用を検出するようになっている。
また、本発明による光学装置は、光学特性可変光学素子を有し、像を観察する人の目の収差も含めて光学系全体の収差を補正するようにしたことを特徴とする。
本発明によれば、人の眼の収差も含めて、光学系全体の収差を補正でき、高精度の結像の実現等ができる。
以下、本発明を図示した実施例に基づき説明する。図1は、本発明の一例で、人の眼320の収差を補正した顕微鏡329を示している。光源365から出た照明光は、照明レンズ366で集光され、ステージ340上の物体314を照らす。物体314で散乱した光は、対物レンズ332, 鏡筒レンズ334,光路切換ミラー339,視野絞り335及び接眼レンズ336を通過し、人の眼320に結像する。対物レンズ332及び鏡筒レンズ334で結像した実像を接眼レンズ336で拡大し、虚像を見るようになっている。鏡筒レンズ334には、可変焦点レンズ701が含まれており、この可変焦点レンズ701によって、人の眼320の収差が補正される。つまり、対物レンズ332, 鏡筒レンズ334,光路切換ミラー339,視野絞り335及び接眼レンズ336と人の眼320を含めた、全ての光学要素を含む系の収差が補正されるのである。
図2は、可変焦点レンズ701の一例の詳細図である。メニスカスレンズ163とスペーサ706を介して配置された変形可能な透明基板702との間には透明弾性体144が挟まれている。透明基板702には透明電極59が設けられており、透明電極59にはスペーサ707を介してレンズ165が対向配置され、レンズ165の透明電極59に面した側には透明な固定電極703a,703b,703c及び703dが設けられている。
図2において、スイッチ413がオンになると、透明電極59と固定電極703a,703b,703c及び703dの間に電圧が掛かり、静電気力によって透明基板702は固定電極703a,703b,703c及び703d側に引き寄せられ、変形する。そして、可変焦点レンズ701のレンズとしての光屈折作用が変化する。可変抵抗705a,705b,705c及び705dの値を調節することで、透明基板702の変形の仕方を変えることができ、人の眼320を含めた顕微鏡329の系すべての収差を補正することができるのである。
可変焦点レンズ701の透明板702の変形の仕方を最適化するのには、例えば、次の様にするとよい。即ち、物体314の代わりにピンホールを置く。ピンホールの大きさは、直径0.1μm以下である方が望ましい。そして、このピンホールを眼320で観察しつつ、可変抵抗705a,705b,705c及び705dを調整して、観察されるピンホールの像が極力小さい点(回折像)になるようにすれば良い。
なお、この手順によれば、光学装置としての顕微鏡の製造誤差(対物レンズ332を他の対物レンズ338と入れ替えた時の収差の変動)等の補正も、同時に行なうことができて良い。
観察者ごとに、或いは対物レンズの種類等、組合せる光学系ごとに、可変焦点レンズ701に加える電圧の設定値をメモリー,ハードディスク等の記憶装置711(図1)に記憶させておけば、常に最良の収差で観察することができる。
以上の例では、光学特性可変光学素子として、透過型の光学特性可変光学素子の一例701を用いたが、これに限らず、反射型の光学特性可変光学素子、例えば、可変ミラー,可変形状ミラー等を用いても良い。
図3は、本発明の別の一例で、ニュートン式の反射望遠鏡328の例である。この反射望遠鏡328は、放物面鏡344と可変ミラー409で結像した実像を低倍接眼レンズ318で拡大し、虚像を眼320で観察するように構成されている。低倍接眼レンズ318と高倍接眼レンズ321とを光路中に入れ替えることによって、変倍できる。可変ミラー409の反射面の形状を変化させることで、眼320を含めた反射望遠鏡328全体の収差を最小にできる。低倍接眼レンズ318と高倍接眼レンズ321とを入れ替えた場合の収差の変動も、薄膜409aを変形させることで、最良にできる。
薄膜409aの形状を決定するには、恒星例えば北極星を反射望遠鏡328で観察しつつ、駆動回路304或いは演算装置414で可変ミラー409の駆動用設定値を変化させ、恒星像が最も小さな点像になるようにすれば良い。
或いは、眼320の収差を予め測定しておき、それを補正するべく、可変ミラー409の駆動用設定値を決定するようにしても良い。この方法は、図1の例にも適用できる。
双眼鏡の場合には、左右それぞれの眼について、光学特性可変光学素子の光偏向作用を最適化すれば良い。
双眼鏡や望遠鏡等の場合、手で本体を保持するので、手ブレがおこる。光学特性可変光学素子によって、ブレをキャンセルする方向に光軸をずらし、眼の収差補正と合わせて手ブレを補正しても良い。
顕微鏡で生じるステージの振動も、眼の収差補正と合わせて行なうと良い。
ブレ補正は、後述のカプセル内視鏡で撮像を行なう場合についても、行なうことができる。
また、物体距離或いは視度が変わった場合などで、光学装置或いは眼の収差が変動する場合にも、物体距離毎に光学特性可変光学素子の駆動用設定値を最適化した上で記憶し、光学装置の利用時にそれを呼び出して使用すれば良い。
また、可変ミラー409の薄膜(反射膜)409aの上にエレクトロクロミック膜731を設けても良い。エレクトロクロミック膜731は、電気を加えると光の透過率の変化する膜で、WO3などで作られる。このエレクトロクロミック膜731を薄膜(反射膜)409aの上に設けることで、反射光量を電気的に調節することができ、絞りやシャッター等の機能を可変ミラー409に合せ持たせることができる。可変ミラー409に限らず、エレクトロクロミック膜731は、可変焦点レンズ701の光学面の上に設けても良い。
図4は、カプセル内視鏡741の例である。カプセル内視鏡741が体内に入ると、表面の窓の部分742に粘液等が乗り、撮像の障害になる欠点があった。そこで、本発明では、カプセル内視鏡の対物レンズ中に光学特性可変光学素子、例えば、可変ミラー409または可変焦点レンズ743を設け、その偏向作用が粘液による光偏向作用をキャンセルするようにしたものである。このようにすることで、粘液があってもクリアーは像の得られるカプセル内視鏡が実現できる。
なお、通常のファイバースコープや電子内視鏡の対物レンズにも、上記の機構は搭載しても良く、同様の機能を発現しうる。
本発明に共通して用いることができる可変焦点レンズ,可変ミラー等の光学特性可変光学素子の例は後述する。
次に、光学特性可変光学素子の光偏向作用を調べる方法について述べる。光学特性可変光学素子を光学装置に用いる場合、その光偏向作用が所望の値になっているかどうか検出して、駆動回路にフィードバックし、光偏向作用を所望値にする必要がある場合がある。
図5は、そのための光偏向作用検出機構721,722の例である。光源としての赤外半導体レーザー723から出た光は、薄膜409aで反射され、検出器としてのフォトダイオードセンサーアレイ724に入る。薄膜409aの変形量が変化すれば、フォトダイオードセンサーアレイ724に入る光の位置が変わるので、フォトダイオードセンサーアレイ724の出力を調べることにより、薄膜409aの変形量あるいは傾き等を知ることができる。赤外半導体レーザー723としては、光学系の使用波長と異なる波長の光源を選べば、フレア等が生じないので、なお良い。
光偏向作用検出機構722は、透明な下側基板725を通して、光を導入する例である。光源としてのLED726からの光は、下側基板725の電極409bに入射し、反射されて検出器としてのCCD727に入る。CCD727は、二次元センサーであるので受光した光の位置から薄膜409aの変形の様子あるいは傾き等を二次元的に知ることができて良い。光偏向作用検出機構721または722の少なくとも一方があれば、薄膜409aの形状或いは光偏向作用の変化は検出できる。
薄膜409aと一体化された部材に光を入射させることが特徴である。
上記の方法は、後述の図7,図10,図11,図12,図14,図31,図43の反射型光学特性可変光学素子にも適用できる。
以上では、反射型の光学特性可変光学素子の面形状を検出する例についで述べたが、これに限らず、透過型の光学特性可変光学素子の光偏向作用の検出にも用いることができる。例えば、図2の可変焦点レンズ701,後述の可変焦点レンズ140,167,201,207,214,511及び551,可変焦点回折素子531等の光学面に光を入射し、その透過光或いは反射光のいちを検出して、面形状変化或いは光偏光作用の変化を知るようにしても良い。
また、光偏向作用検出機構721,722を複数用いれば、更に精度良く光学面の面形状をの検出ができる。
上記の方法の他超音波測長器,レーザー測長器等で薄膜409aの変形量を測定しても良い。測定時には、薄膜409aの上方から或いは下側基板725を通して、電極409kの下方から測定すれば良い。
次に、上記本発明の光学装置に用いる光学系に適用可能な形状可変ミラー、可変焦点レンズ等、光学特性可変光学素子の構成例について説明する。
図6は上記本発明の光学装置に用いる光学系に適用可能な光学特性可変光学素子として形状可変ミラーの一構成例を示す概略図である。
図6の構成例では、形状可変ミラー409は、変形する基板409jの上に形成されたアルミコーティング等で作られた薄膜(反射面)409aと、基板409jの下側に設けられた電極409kとの3層構造の周辺部が輪帯状の支持台423に支持されるとともに、電極409kとは間隔を設けて支持台423に取り付けられた複数の電極409bと、各電極409bにそれぞれ接続されて駆動回路として機能する複数の可変抵抗器411aと、可変抵抗器411bと電源スイッチ413を介して電極409kと電極409b間に接続された電源412と、複数の可変抵抗器411aの抵抗値を制御するための演算装置414とで構成されており、演算装置414には、さらに温度センサー415、湿度センサー416及び距離センサー417が接続されて、これらは図示のように1つの光学装置の一部を構成している。なお、変形する基板409jは、薄膜でもよいし、板状でもよい。
可変ミラーの反射面は、演算装置414による制御により、平面でなくてもよく、球面、回転対称非球面の他、光軸に対して偏心した球面、平面、回転対称非球面、あるいは、対称面を有する非球面、対称面を1つだけ有する非球面、対称面のない非球面、自由曲面、微分不可能な点又は線を有する面等、いかなる形状にも制御される。以下、これらの面を総称して拡張曲面という。薄膜409aで形成される反射面により光線は矢印のように反射される。
前記薄膜409aは、例えば、P.Rai-choudhury編、Handbook of Microlithography,
Michromachining and Michrofabrication, Volume 2:Michromachining
and Michrofabrication,P495,Fig.8.58, SPIE PRESS刊やOptics Communication, 140巻(1997年)P187〜190に記載されているメンブレインミラーのように、複数の電極409bと電極409kの間に電圧が印加されると、静電気力により薄膜409aが変形してその面形状が変化するようになっている。
なお、電極409bの形は、例えば図8、図9に示すように、薄膜409aの変形のさせ方に応じて、同心分割、矩形分割にして、選べばよい。
上記のように、反射面としての薄膜409aの形状は、結像性能が最適になるように演算装置414からの信号により各可変抵抗器411aの抵抗値を変化させることにより制御される。すなわち、演算装置414へ、温度センサー415、湿度センサー416及び距離サンサー417から周囲温度及び湿度並びに物体までの距離に応じた大きさの信号が入力され、演算装置414は、これらの入力信号に基づき周囲の温度及び湿度条件と物体までの距離、あるいは電子ズームのための画像処理装置303からの指令に基づき、薄膜409aの形状が決定されるような電圧を電極409bに印加するように、各変抵抗器411aの抵抗値を決定するための信号を出力する。このように、薄膜409aは電極409bに印加される電圧すなわち静電気力で変形させられ、その形状は状況により非球面を含む様々な拡張曲面の形状をとる。なお、距離センサー417はなくてもよく、その場合、例えば不図示の固体撮像素子408からの像の信号の高周波成分が略最大になるように物体距離を算出し、可変ミラーを変形させるようにすればよい。可変ミラー409はリソグラフィーを用いて作ると加工精度がよく、良い品質のものが得られやすく、良い。
また、変形する基板409jをポリイミドあるいは商品名サイトップ(旭硝子(株)製)等の合成樹脂で製作すれば、低電圧でも大きな変形が可能であるので好都合である。
図6の構成例では変形する基板409jをはさんで反射面としての薄膜409aと変形する電極409kを別に設けて一体化しているので、製造法がいくつか選べるメリットがある。また反射面としての薄膜409aを導電性の薄膜としてもよい。このようにすると、変形する電極409kを兼ねることができ、両者が1つになるので、構造が簡単になるメリットがある。
可変ミラーの反射面の形状は自由曲面にするのが良い。なぜなら収差補正が容易にでき、有利だからである。
また、図6の構成例では、演算装置414、温度センサー415、湿度センサー416、距離センサー417を設け、温湿度変化、物体距離の変化等も可変ミラー409で補償するようにしたが、そうではなくてもよい。つまり、温度センサー415、湿度センサー416、距離センサー417を省いても良い。
図7は可変ミラー409の他の構成例を示す概略図である。
本構成例の可変ミラーは、反射面としての薄膜409aと電極409bとの間に圧電素子409cが介装されていて、これらが支持台423上に設けられている。そして、圧電素子409cに加わる電圧を各電極409b毎に変えることにより、圧電素子409cに部分的に異なる伸縮を生じさせて、薄膜409aの形状を変えることができるようになっている。電極409bの形は、図8に示すように、同心分割であってもよいし、図9に示すように、矩形分割であってもよく、その他、適宜の形のものを選択することができる。図7中、424は演算装置414に接続された振れ(ブレ)センサーであって、例えばこの構成例の光学装置をデジタルカメラに用いる場合には、デジタルカメラの振れを検知し、振れによる像の乱れを補償するように薄膜409aを変形させるべく、演算装置414及び可変抵抗器を内蔵した駆動回路411を介して電極409bに印加される電圧を変化させる。このとき、温度センサー415、湿度センサー416及び距離センサー417からの信号も同時に考慮され、ピント合わせ、温湿度補償等が行われる。この場合、薄膜409aには圧電素子409cの変形に伴う応力が加わるので、薄膜409aの厚さはある程度厚めに作られて相応の強度を持たせるようにするのがよい。
なお、駆動回路411は、電極409bの数に対応して複数配置する構成に限らず、1つの駆動回路でもって複数の電極409bを制御する構成にしてもよい。
図10は可変ミラー409のさらに他の構成例を示す概略構成図である。
本構成例の可変ミラーは、薄膜409aと電極409bの間に介置される圧電素子が逆方向の圧電特性を持つ材料で作られた2枚の圧電素子409c及び409c’で構成されている。すなわち、圧電素子409cと409c’が強誘電性結晶で作られ、結晶軸の向きが互いに逆になるように配置される。この場合、圧電素子409cと409c’は電圧が印加されると逆方向に伸縮するので、薄膜409aを変形させる力が、図7に示した1層構造の場合よりも強くなり、結果的にミラー表面の形を大きく変えることができるという利点がある。
圧電素子409c,409c’に用いる材料としては、例えばチタン酸バリウム、ロッシエル塩、水晶、電気石、リン酸二水素カリウム(KDP)、リン酸二水素アンモニウム(ADP)、ニオブ酸リチウム等の圧電物質、同物質の多結晶体、同物質の結晶、PbZrO3とPbTiO3の固溶体の圧電セラミックス、二フッ化ポリビニール(PVDF)等の有機圧電物質、上記以外の強誘電体等があり、特に有機圧電物質はヤング率が小さく、低電圧でも大きな変形が可能であるので、好ましい。なお、これらの圧電素子を利用する場合、厚さを不均一にすれば、上記構成例において薄膜409aの形状を適切に変形させることも可能である。
また、圧電素子409c,409c’の材料としては、ポリウレタン、シリコンゴム、アクリルエラストマー、PZT、PLZT、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等の高分子圧電体、シアン化ビニリデン共重合体、ビニリデンフルオライドとトリフルオロエチレンの共重合体等が用いられる。
圧電性を有する有機材料や、圧電性を有する合成樹脂、圧電性を有するエラストマー等を用いると可変ミラー面の大きな変形が実現できてよい。
なお、図7、図11に示す圧電素子409cに、例えば、アクリルエラストマー、シリコンゴム等の電歪材料を用いる場合には、1層構造の圧電素子409cを別の基板409c−1と電歪材料409c−2とを貼り合わせた2層構造にしてもよい。
図11は可変ミラー409のさらに他の構成例を示す概略図である。
本構成例の可変ミラーは、圧電素子409cが薄膜409aと電極409dとにより挟持され、薄膜409aと電極409dとの間に演算装置414により制御される駆動回路425aを介して電圧が印加されるようになっており、さらにこれとは別に、支持台423上に設けられた電極409bにも演算装置414により制御される駆動回路425bを介して電圧が印加されるように構成されている。したがって、本構成例では、薄膜409aは電極409dとの間に印加される電圧と電極409bに印加される電圧による静電気力とにより二重に変形され得、上記実施例に示した何れのものよりもより多くの変形パターンが可能であり、かつ、応答性も速いという利点がある。
そして、薄膜409a、電極409d間の電圧の符号を変えれば、可変ミラーを凸面にも凹面にも変形させることができる。その場合、大きな変形を圧電効果で行ない、微細な形状変化を静電気力で行なってもよい。また、凸面の変形には圧電効果を主に用い、凹面の変形には静電気力を主に用いてもよい。なお、電極409dは電極409bのように複数の電極から構成されてもよい。この様子を図11に示した。なお、本願では、圧電効果と電歪効果、電歪をすべてまとめて圧電効果と述べている。従って、電歪材料も圧電材料に含むものとする。
図12は可変ミラー409のさらに他の構成例を示す概略図である。
本構成例の可変ミラーは、電磁気力を利用して反射面の形状を変化させ得るようにしたもので、支持台423の内部底面上には永久磁石426が、頂面上には窒化シリコン又はポリイミド等からなる基板409eの周縁部が載置固定されており、基板409eの表面にはアルミニウム等の金属コートで作られた薄膜409aが付設されていて、可変ミラー409を構成している。基板409eの下面には複数のコイル427が配設されており、これらのコイル427はそれぞれ駆動回路428を介して演算装置414に接続されている。したがって、各センサー415,416,417,424およびその他からの信号によって演算装置414において求められる光学系の変化に対応した演算装置414からの出力信号により、各駆動回路428から各コイル427にそれぞれ適当な電流が供給されると、永久磁石426との間に働く電磁気力で各コイル427は反発又は吸引または吸着され、基板409e及び反射面として機能する薄膜409aを変形させる。
この場合、各コイル427はそれぞれ異なる量の電流を流すようにすることもできる。また、コイル427は1個でもよいし、永久磁石426を基板409eに付設しコイル427を支持台423の内部底面側に設けるようにしてもよい。また、コイル427はリソグラフィー等の手法で作るとよく、さらに、コイル427には強磁性体よりなる鉄心を入れるようにしてもよい。
この場合、薄膜コイル427の巻密度を、図13に示すように、場所によって変化させたコイル428’とすることにより、基板409e及び薄膜409aに所望の変形を与えるようにすることもできる。また、コイル427は1個でもよいし、また、これらのコイル427には強磁性体よりなる鉄心を挿入してもよい。
図14は可変ミラー409のさらに他の構成例を示す概略図である。
本構成例の可変ミラーでは、基板409eは鉄等の強磁性体で作られており、反射膜としての薄膜409aはアルミニウム等からなっている。この場合、薄膜409a側にコイルを設けなくても、磁力によって薄膜409aを変形させることができるから、構造が簡単で、製造コストを低減することができる。また、電源スイッチ413を、各コイル427の電流の流れる方向を切換え可能にする切換え兼用の電源開閉用スイッチで置換すれば、コイル427に流れる電流の方向を変えることができ、基板409e及び薄膜409aの形状を自由に変えることができる。図15は本構成例におけるコイル427の一配置例を示し、図16はコイル427の他の配置例を示しているが、これらの配置は、図12に示した構成例にも適用することができる。なお、図17はコイル427の配置を図16に示したように放射状とした場合に適する永久磁石426の一配置例を示している。図17に示すように、棒状の永久磁石426を放射状に配置すれば、図12に示した構成例に比べて、微妙な変形を基板409e及び薄膜409aに与えることができる。また、このように電磁気力を用いて基板409e及び薄膜409aを変形させる場合(図12及び図14の構成例)は、静電気力を用いた場合よりも低電圧で駆動できるという利点がある。
以上いくつかの可変ミラーの構成例を述べたが、薄膜409aで変形されるミラーの形を変形させるのに、図11の構成例に示すように、2種類以上の力を用いてもよい。つまり静電気力、電磁力、圧電効果、磁歪、流体の圧力、電場、磁場、温度変化、電磁波等のうちから2つ以上を同時に用いて反射面を形成する薄膜を変形させてもよい。つまり2つ以上の異なる駆動方法を用いて光学特性可変光学素子を作れば、大きな変形と微細な変形とを同時に実現でき、精度の良い鏡面が実現できる。
図18は本発明のさらに他の実施例に係る、光学装置に適用可能な可変ミラー409を用いた撮像系、例えば携帯電話のデジタルカメラ、カプセル内視鏡、電子内視鏡、パソコン用デジタルカメラ、PDA用デジタルカメラ等に用いられる撮像系の概略構成図である。
本実施例の撮像系は、可変ミラー409と、レンズ902と、固体撮像素子408と、制御系103とで一つの撮像ユニット104を構成している。本実施例の撮像ユニット104では、レンズ102を通った物体からの光は可変ミラー409で集光され、固体撮像素子408の上に結像する。可変ミラー409は、光学特性可変光学素子の一種であり、可変焦点ミラーとも呼ばれている。
本実施例によれば、物体距離が変わっても可変ミラー409を変形させることでピント合わせをすることができ、レンズをモータ等で駆動する必要がなく、小型化、軽量化、低消費電力化の点で優れている。また、撮像ユニット104は本発明の撮像系としてすべての実施例で用いることができる。また、可変ミラー409を複数用いることでズーム、変倍の撮像系、光学系を作ることができる。
なお、図18では、制御系103にコイルを用いたトランスの昇圧回路を含む制御系の構成例を示している。特に積層型圧電トランスを用いると、小型化できてよい。昇圧回路は電気を用いる可変ミラー、可変焦点レンズに用いることができるが、特に静電気力、圧電効果を用いる場合の可変ミラー、可変焦点レンズに有用である。なお可変ミラー409でピント合わせを行うためには、たとえば固体撮像素子408に物体像を結像させ可変ミラー409の焦点距離を変化させつつ物体像の高周波成分が最大になる状態を見つければよい。高周波成分を検出するには、たとえば固体撮像素子408にマイクロコンピュータ等を含む処理装置を接続し、その中で高周波成分を検出すればよい。
なお、レンズ902を後述の可変焦点レンズで置き換えても良い。同様に上記の効果が得られる。この場合、可変ミラー409は通常のミラーでも良い。またレンズ902と可変焦点レンズを併用しても良い。
図19は可変ミラーのさらに他の構成例を示し、マイクロポンプ180で流体161を出し入れし、支持台189aの上部に張った膜で形成されるミラー面を変形させる可変ミラー188の概略図である。本実施例によれば、ミラー面を大きく変形させることが可能になるというメリットがある。図中、168は支持台189a内の流体161の量を、マイクロポンプ180とともに制御する制御装置であり、この制御装置168とマイクロポンプ180は、膜189の変形を制御するので、実施の形態の駆動回路304に相当する構成となる。
マイクロポンプ180は、例えば、マイクロマシンの技術で作られた小型のポンプで、電力で動くように構成されている。
マイクロマシンの技術で作られたポンプの例としては、熱変形を利用したもの、圧電材料を用いたもの、静電気力を用いたものなどがある。
図20は図19に示したマイクロポンプ180の構成例を示す概略図である。本構成例のマイクロポンプ180では、振動板181は静電気力、圧電効果等の電気力により振動する。図35では静電気力により振動する例を示しており、図20中、182,183は電極である。また、点線は変形した時の振動板181を示している。振動板181の振動に伴い、2つの弁184,185が開閉し、流体161を右から左へ送るようになっている。
図19で示した可変ミラー188では、反射面を構成する膜189が流体161の量に応じて凹凸に変形することで、可変ミラーとして機能する。流体としては、シリコンオイル、空気、水、ゼリー、等の有機物、無機物を用いることができる。
なお、静電気力、圧電効果を用いた可変ミラー、可変焦点レンズなどにおいては、駆動用に高電圧が必要になる場合がある。その場合には、例えば図18に示すように、昇圧用のトランス、あるいは圧電トランス等を用いて制御系を構成するとよい。
また、反射面を形成する薄膜409a又は膜189は、支持台423あるいは支持台189aなどの輪帯状部分の上部などの変形しない部分に設けておくと、可変ミラーの反射面の形状を干渉計等で測定する場合に、基準面として使うことができ便利である。
図21は各実施の形態で述べた本発明の光学装置に適用可能な光学系を構成するレンズ、あるいはレンズ群の一部を、可変焦点レンズに置き換えて構成することにより、前記レンズあるいはレンズ群を光軸方向にズーミングしなくて済む構成とする可変焦点レンズの原理的構成を示す図である。この可変焦点レンズ511は、第1,第2の面としてのレンズ面508a,508bを有する第1のレンズ512aと、第3,第4の面としてのレンズ面509a,509bを有する第2のレンズ512bと、これらレンズ間に透明電極513a,513bを介して設けた高分子分散液晶層514とで構成される第3のレンズ512cとを有し、入射光を第1,第3,第2のレンズ512a,512c,512bを経て収束させるものである。透明電極513a,513bは、スイッチ515を介して交流電源516に接続して、高分子分散液晶層514に交流電圧を選択的に印加するようにする。なお、高分子分散液晶層514は、それぞれ液晶分子517を含む球状、多面体等の任意の形状の多数の微小な高分子セル518を有して構成し、その体積は、高分子セル518を構成する高分子および液晶分子517がそれぞれ占める体積の和に一致させる。
ここで、高分子セル518の大きさは、例えば球状とする場合、その平均の直径Dを、使用する光の波長をλとするとき、例えば、
2nm≦D≦λ/5 …(1)
とする。すなわち、液晶分子517の大きさは、2nm程度以上であるので、平均の直径Dの下限値は、2nm以上とする。また、Dの上限値は、可変焦点レンズ511の光軸方向における高分子分散液晶層514の厚さtにも依存するが、λに比べて大きいと、高分子の屈折率と液晶分子517の屈折率との差により、高分子セル518の境界面で光が散乱して高分子分散液晶層514が不透明になってしまうため、後述するように、好ましくはλ/5以下とする。可変焦点レンズが用いられる光学製品によっては高精度を要求しない場合もあり、そのときDはλ以下でよい。なお、高分子分散液晶層514の透明度は、厚さtが厚いほど悪くなる。
また、液晶分子517は、例えば、一軸性のネマティック液晶分子を用いる。この液晶分子517の屈折率楕円体は、図22に示すような形状となり、
nox=noy=no …(2)
である。ただし、noは常光線の屈折率を示し、noxおよびnoyは、常光線を含む面内での互いに直交する方向の屈折率を示す。
ここで、図21に示すように、スイッチ515をオフ、すなわち高分子分散液晶層514に電界を印加しない状態では、液晶分子517が様々な方向を向いているので、入射光に対する高分子分散液晶層514の屈折率は高く、屈折力の強いレンズとなる。これに対し、図23に示すように、スイッチ515をオンとして高分子分散液晶層514に交流電圧を印加すると、液晶分子517は、屈折率楕円体の長軸方向が可変焦点レンズ511の光軸と平行となるように配向するので、屈折率が低くなり、屈折力の弱いレンズとなる。
なお、高分子分散液晶層514に印加する電圧は、例えば、図24に示すように、可変抵抗器519を用いることにより段階的あるいは連続的に変化させることもできる。このようにすれば、印加電圧が高くなるにつれて、液晶分子517は、その楕円長軸が徐々に可変焦点レンズ511の光軸と平行となるように配向するので、屈折力を段階的あるいは連続的に変えることができる。
ここで、図21に示す状態、すなわち高分子分散液晶層514に電圧を印加しない状態での、液晶分子517の平均屈折率nLC'は、図22に示すように、屈折率楕円体の長軸方向の屈折率をnzとすると、およそ
(nox+noy+nZ)/3≡nLC' …(3)
となる。また、上記(2)式が成り立つときの平均屈折率nLCは、nzを異常光線の屈折率neと表して、
(2no+ne)/3≡nLC …(4)
で与えられる。このとき、高分子分散液晶層514の屈折率nAは、高分子セル518を構成する高分子の屈折率をnPとし、高分子分散液晶層514の体積に占める液晶分子517の体積の割合をffとすると、マックスウェル・ガーネットの法則により、
nA=ff・nLC'+(1−ff)nP …(5)
で与えられる。
したがって、図24に示すように、レンズ512aおよび512bの内側の面、すなわち高分子分散液晶層514側の面の曲率半径を、それぞれR1およびR2とすると、高分子分散液晶層で構成される第3のレンズ512cの焦点距離f1は、
1/f1=(nA−1)(1/R1−1/R2) …(6)
で与えられる。なお、R1およびR2は、曲率中心が像点側にあるとき、正とする。また、レンズ512aおよび512bの外側の面による屈折は除いている。つまり、高分子分散液晶層514のみによるレンズ512cの焦点距離が、(6)式で与えられる。
また、常光線の平均屈折率を、
(nox+noy)/2=no' …(7)
とすれば、図23に示す状態、すなわち高分子分散液晶層514に電圧を印加した状態での、高分子分散液晶層514の屈折率nBは、
nB=ff・no'+(1−ff)nP …(8)
で与えられるので、この場合の高分子分散液晶層514のみによるレンズ512cの焦点距離f2は、
1/f2=(nB−1)(1/R1−1/R2) …(9)
で与えられる。なお、高分子分散液晶層514に、図23に示す状態における電圧よりも低い電圧を印加する場合の焦点距離は、(6)式で与えられる焦点距離f1と、(9)式で与えられる焦点距離f2との間の値となる。
上記(6)および(9)式から、高分子分散液晶層514による焦点距離の変化率は、
|(f2−f1)/f2|=|(nB−nA)/(nA−1)| …(10)
で与えられる。したがって、この変化率を大きくするには、|nB−nA|を大きくすればよい。ここで、
nB−nA=ff(no'−nLC') …(11)
であるから、|no'−nLC'|を大きくすれば、変化率を大きくすることができる。実用的には、nBが、1.3〜2程度であるから、
0.01≦|no'−nLC'|≦10 …(12)
とすれば、ff=0.5のとき、高分子分散液晶層514による焦点距離を、0.5%以上変えることができるので、効果的な可変焦点レンズを得ることができる。なお、|no'−nLC'|は、液晶物質の制限から、10を越えることはできない。
次に、上記(11)式の上限値の根拠について説明する。「Solar Energy Materials and
Solar Cells」31巻,Wilson and Eck,1993, Eleevier Science Publishers B.v.発行の第197 〜214 頁、「Transmission variation using scattering/transparent switching
films 」には、高分子分散液晶の大きさを変化させたときの透過率τの変化が示されている。そして、かかる文献の第206 頁、図6には、高分子分散液晶の半径をrとし、t=300μm、ff=0.5、nP =1.45、nLC=1.585、λ=500nmとするとき、透過率τは、理論値で、r=5nm(D=λ/50、D・t=λ・6μm(ただし、Dおよびλの単位はnm、以下も同じ))のときτ≒90%となり、r=25nm(D=λ/10)のときτ≒50%になることが示されている。
ここで、例えば、t=150μmの場合を推定してみると、透過率τがtの指数関数で変化すると仮定して、t=150μmの場合の透過率τを推定してみると、r=25nm(D=λ/10、D・t=λ・15μm)のときτ≒71%となる。また、t=75μmの場合は、同様に、r=25nm(D=λ/10、D・t=λ・7.5μm)のときτ≒80%となる。
これらの結果から、
D・t≦λ・15μm …(13)
であれば、τは70%〜80%以上となり、レンズとして十分実用になる。したがって、例えば、t=75μmの場合は、D≦λ/5で、十分な透過率が得られることになる。
また、高分子分散液晶層514の透過率は、nPの値がnLC'の値に近いほど良くなる。一方、no'とnPとが異なる値になると、高分子分散液晶層514の透過率は悪くなる。図21に示した状態と図23に示した状態とで、平均して高分子分散液晶層514の透過率が良くなるのは、
nP=(no'+nLC')/2 …(14)
を満足するときである。
ここで、可変焦点レンズ511は、レンズとして使用するものであるから、図36の状態でも、図23の状態でも、透過率はほぼ同じで、かつ高い方が良い。そのためには、高分子セル518を構成する高分子の材料および液晶分子517の材料に制限があるが、実用的には、
no'≦nP≦nLC' …(15)
とすればよい。
上記(14)式を満足すれば、上記(13)式は、さらに緩和され、
D・t≦λ・60μm …(16)
であれば良いことになる。なぜなら、フレネルの反射則によれば、反射率は屈折率差の2乗に比例するので、高分子セル518を構成する高分子と液晶分子517との境界での光の反射、すなわち高分子分散液晶層514の透過率の減少は、およそ上記の高分子と液晶分子517との屈折率の差の2乗に比例するからである。
以上は、no'≒1.45、nLC'≒1.585の場合であったが、より一般的に定式化すると、
D・t≦λ・15μm・(1.585−1.45)2/(nu−nP)2 …(17)
であればよい。ただし、(nu−nP)2は、(nLC'−nP)2と(no'−nP)2とのうち、大きい方である。
また、可変焦点レンズ511の焦点距離変化を大きくするには、ffの値が大きい方が良いが、ff=1では、高分子の体積がゼロとなり、高分子セル518を形成できなくなるので、
0.1≦ff≦0.999 …(18)
とする。一方、ffは、小さいほど透過率τは向上するので、上記(17)式は、好ましくは、
4×10-6〔μm〕2≦D・t≦λ・45μm・(1.585−1.45)2/(nu−nP)2 …(19)
とする。なお、tの下限値は、図21から明らかなように、t=Dで、Dは、上述したように2nm以上であるので、D・tの下限値は、(2×10-3μm)2、すなわち4×10-6〔μm〕2となる。
なお、物質の光学特性を屈折率で表す近似が成り立つのは、「岩波科学ライブラリー8 小惑星がやってくる」向井正著,1994,岩波書店発行の第58頁に記載されているように、Dが10nm〜5nmより大きい場合である。また、Dが500λを越えると、光の散乱は幾何学的となり、高分子セル518を構成する高分子と液晶分子517との界面での光の散乱がフレネルの反射式に従って増大するので、Dは、実用的には、
7nm≦D≦500λ …(20)
とする。
図25は、図24に示す可変焦点レンズ511を、本発明の実施の形態にかかる光学装置の中で、明るさ絞り521と撮像素子との間に用いた撮像光学系、例えば一例として、デジタルカメラ用の撮像光学系に用いた例を示す図である。この撮像光学系においては、物体(図示せず)の像を、絞り521、可変焦点レンズ511およびレンズ522を介して、例えばCCDよりなる固体撮像素子523上に結像させる。なお、図40では、液晶分子の図示を省略してある。
このように構成された撮像光学系によれば、可変抵抗器519により可変焦点レンズ511の高分子分散液晶層514に印加する交流電圧を調整して、可変焦点レンズ511の焦点距離を変えることより、可変焦点レンズ511およびレンズ522を光軸方向に移動させることなく、例えば、無限遠から600mmまでの物体距離に対して、連続的に合焦させることが可能となる。
図26は図24に示した可変焦点レンズと同様に、本発明の実施の形態にかかる光学装置の中で、撮像光学系の焦点距離を可変にするように用いられる可変焦点回折光学素子の一構成例を示す図である。
本構成例の可変焦点回折光学素子531は、平行な第1,第2の面532a,532bを有する第1の透明基板532と、光の波長オーダーの溝深さを有する断面鋸歯波状のリング状回折格子を形成した第3の面533aおよび平坦な第4の面533bを有する第2の透明基板533とを有し、入射光を第1,第2の透明基板532,533を経て出射させるものである。第1,第2の透明基板532,533間には、図21に示した構成例において説明したのと同様に、透明電極513a,513bを介して高分子分散液晶層514を設け、透明電極513a,513bをスイッチ515を経て交流電源516に接続して、高分子分散液晶層514に交流電圧を印加するようにする。
このような構成において、可変焦点回折光学素子531に入射する光線は、第3の面533aの格子ピッチをpとし、mを整数とすると、
psinθ=mλ …(21)
を満たす角度θだけ偏向されて出射される。また、溝深さをh、透明基板33の屈折率をn33とし、kを整数とすると、
h(nA−n33)=mλ …(22)
h(nB−n33)=kλ …(23)
を満たせば、波長λで回折効率が100%となり、フレアの発生を防止することができる。
ここで、上記(22)式および(23)式の両辺の差を求めると、
h(nA−nB)=(m−k)λ …(24)
が得られる。したがって、例えば、λ=500nm、nA=1.55、nB=1.5とすると、
0.05h=(m−k)・500nm
となり、m=1,k=0とすると、
h=10000nm=10μm
となる。この場合、透明基板533の屈折率n33は、上記(22)式から、n33=1.5であればよい。また、可変焦点回折光学素子531の周辺部における格子ピッチpを10μmとすると、θ≒2.87°となり、Fナンバーが10のレンズを得ることができる。
このように構成された可変焦点回折光学素子531は、高分子分散液晶層514への印加電圧のオン・オフで光路長が変わるので、例えば、ピント調整を行うのに用いたり、レンズ系全体の焦点距離等を変えるのに用いることができる。
なお、この実施形態において、上記(22)〜(24)式は、実用上、
0.7mλ≦h(nA−n33)≦1.4mλ …(25)
0.7kλ≦h(nB−n33)≦1.4kλ …(26)
0.7(m−k)λ≦h(nA−nB)≦1.4(m−k)λ …(27)
を満たせば良い。
また、ツイストネマティック液晶を用いる可変焦点レンズもある。図27および図28はこの場合の可変焦点眼鏡550の構成を示す図である。可変焦点レンズ551は、レンズ552および553と、これらレンズの内面上にそれぞれ透明電極513a,513bを介して設けた配向膜539a,539bと、これら配向膜間に設けたツイストネマティック液晶層554とを有して構成されており、その透明電極513a,513bを可変抵抗器519を経て交流電源516に接続して、ツイストネマティック液晶層554に交流電圧を印加するようにして構成されている。
このような構成において、ツイストネマティック液晶層554に印加する電圧を高くすると、液晶分子555は、図28に示すように、ホメオトロピック配向となり、図27に示す印加電圧が低いツイストネマティック状態の場合に比べて、ツイストネマティック液晶層554の屈折率は小さくなり、焦点距離が長くなる。
ここで、図27に示すツイストネマティック状態における液晶分子555の螺旋ピッチPは、光の波長λに比べて同じ程度か十分小さくする必要があるので、例えば、
2nm≦P≦2λ/3 …(28)
とする。なお、この条件式の下限値は、液晶分子の大きさで決まり、上限値は、入射光が自然光の場合に、図27の状態でツイストネマティック液晶層554が等方媒質として振る舞うために必要な値である。また、この条件式の上限値を満たさないと、可変焦点レンズ551は偏光方向によって焦点距離の異なるレンズとなり、そのために二重像が形成されてぼけた像しか得られなくなる。但し、それほど高精度を要求しない場合には式(48)の上限値は3λとして良い。
さらに精度を要求しない用途では上限値を5λとして良い。
図29(a)は本発明の実施の形態にかかる光学装置に用いる光学系に配置可能な可変偏角プリズムの一構成例を示す図である。この可変偏角プリズム561は、第1,第2の面562a,562bを有する入射側の第1の透明基板562と、第3,第4の面563a,563bを有する出射側の平行平板状の第2の透明基板563とを有する。入射側の透明基板562の内面(第2の面)562bは、フレネル状に形成し、この透明基板562と出射側の透明基板563との間に、図36に示した構成例において説明したのと同様に、透明電極513a,513bを介して高分子分散液晶層514を設ける。透明電極513a,513bは、可変抵抗器519を経て交流電源516に接続し、これにより高分子分散液晶層514に交流電圧を印加して、可変偏角プリズム561を透過する光の偏角を制御するようにする。なお、図29(a)に示す構成例では、透明基板562の内面562bをフレネル状に形成したが、例えば、図29(b)に示すように、透明基板562および563の内面を相対的に傾斜させた傾斜面を有する通常のプリズム状に形成することもでき、あるいは図26に示した構成例のような回折格子状に形成することもできる。回折格子状に形成する場合には、上記の(21)式〜(27)式が同様にあてはまる。
このように構成された可変偏角プリズム561は、例えば、TVカメラ、デジタルカメラ、フィルムカメラ、双眼鏡等の光学系の中に用いることによりブレ防止用として有効に用いることができる。この場合、可変偏角プリズム561の屈折方向(偏向方向)は、上下方向とするのが望ましいが、さらに性能を向上させるためには、2個の可変偏角プリズム561を偏向方向を異ならせて、例えば図30に示すように、上下および左右の直交する方向で屈折角を変えるように配置するのが望ましい。なお、図29および図30に示す構成例では、液晶分子の図示を省略してある。
図31は本発明の実施の形態にかかる光学装置の光学系の中で、可変ミラー409の替わりに用いる可変焦点ミラー、すなわち、可変焦点レンズの一方のレンズ面に反射膜を設けて形成した可変焦点ミラーの構成例を示す図である。
本構成例の可変焦点ミラー565は、第1,第2の面566a,566bを有する第1の透明基板566と、第3,第4の面567a,567bを有する第2の透明基板567とを有する。第1の透明基板566は、平板状またはレンズ状に形成して、内面(第2の面)566bに透明電極513aを設け、第2の透明基板567は、内面(第3の面)567aを凹面状に形成して、該凹面上に反射膜568を施し、さらにこの反射膜568上に透明電極513bを設ける。透明電極513a,513b間には、図21に示した構成例において説明したのと同様に、高分子分散液晶層514を設け、これら透明電極513a,513bをスイッチ515および可変抵抗器519を経て交流電源516に接続して、高分子分散液晶層514に交流電圧を印加するようにする。なお、図31では、液晶分子の図示を省略してある。
このような構成によれば、透明基板566側から入射する光線は、反射膜568により高分子分散液晶層514を折り返す光路となるので、高分子分散液晶層514の作用を2回もたせることができると共に、高分子分散液晶層514への印加電圧を変えることにより、反射光の焦点位置を変えることができる。この場合、可変焦点ミラー565に入射した光線は、高分子分散液晶層514を2回透過するので、高分子分散液晶層514の厚さの2倍をtとすれば、上記の各式を同様に用いることができる。なお、透明基板566または567の内面を、図26に示した構成例のような回折格子状にして、高分子分散液晶層514の厚さを薄くすることもできる。このようにすれば、散乱光をより少なくできる利点がある。
なお、以上の説明では、液晶の劣化を防止するため、電源として交流電源516を用いて、液晶に交流電圧を印加するようにしたが、直流電源を用いて液晶に直流電圧を印加するようにすることもできる。また、液晶分子の方向を変える方法としては、電圧を変化させること以外に、液晶にかける電場の周波数、液晶にかける磁場の強さ・周波数、あるいは液晶の温度等を変化させることによってもよい。以上に説明した高分子分散液晶は液状ではなく固体に近いものもあるので、その場合はレンズ512a,512bの一方、透明基板532、レンズ538、レンズ552,553の一方、図29(a)の構成例における透明基板563、図29(b)の構成例における透明基板562,563の一方、透明基板566,567の一方はなくてもよい。
以上、図21から図31の構成例で述べたような、媒質の屈折率が変化することで光学素子の焦点距離等が変化するタイプの光学素子は、形状が変化しないため機械設計が容易である、機械的構造が簡単になる等のメリットがある。
図32は可変焦点レンズ140を、本発明の実施の形態にかかる光学装置の中で、撮像素子408の前方に用いた撮像光学系の一構成例を示す図である。撮像光学系は撮像ユニット141として用いることができる。
本構成例では、レンズ102と可変焦点レンズ140とで、撮像レンズを構成している。そして、この撮像レンズと撮像素子408とで撮像ユニット141を構成している。可変焦点レンズ140は、透明部材142と一対の電極145との間に密閉された圧電性のある合成樹脂等の柔らかい透明物質143とで、光を透過する流体あるいはゼリー状物質144を挟んで構成されている。
流体あるいはゼリー状物質144としては、シリコンオイル、弾性ゴム、ゼリー、水等を用いることができる。透明物質143の両面には透明電極145が設けられており、回路103’を介して電圧を加えることで、透明物質143の圧電効果により透明物質143が変形し、可変焦点レンズ140の焦点距離が変わるようになっている。
従って、本構成例によれば、物体距離が変わった場合でも光学系をモーター等で動かすことなくフォーカスができ、小型、軽量、消費電力が少ない点で優れている。
なお、図32中、145は透明電極、146は流体をためるシリンダーである。また、透明物質143の材質としては、ポリウレタン、シリコンゴム、アクリルエラストマー、PZT、PLZT、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等の高分子圧電体、シアン化ビニリデン共重合体、ビニリデンフルオライドとトリフルオロエチレンの共重合体等が用いられる。
圧電性を有する有機材料や、圧電性を有する合成樹脂、圧電性を有するエラストマー等を用いると可変焦点レンズ面の大きな変形が実現できてよい。
可変焦点レンズには透明な圧電材料を用いるとよい。
なお、図32の構成例において、可変焦点レンズ140は、シリンンダー146を設けるかわりに、図33に示すように、透明部材142に対して平行な位置にリング状の支援部材147を設け、透明部材142と支援部材147との距離を維持した状態としてシリンダー146を省略した構造にしてもよい。
図33の構成例では、支援部材147と透明部材142との間には、一対の電極145間に密閉された透明物質143と、外周側が変形可能な部材148で覆われた流体あるいはゼリー状物質44とが介挿されており、透明物質143に電圧をかけることによって、透明物質143が変形しても、図34に示すように、可変焦点レンズ140全体の体積が変わらないように変形するため、シリンダー146が不要になる。なお、図33、図34中、148は変形可能な部材で、弾性体、アコーディオン状の合成樹脂または金属等でできている。
図32、図33に示す構成例では、電圧を逆に印加すると透明物質143は逆向きに変形するので凹レンズにすることも可能である。
なお、透明物質143に電歪材料、例えば、アクリルエラストマー、シリコンゴム等を用いる場合は、透明物質143を透明基板と電歪材料を貼り合わせた構造にするとよい。
図35は本発明の実施の形態にかかる光学装置の撮像光学系の中に挿入可能な可変焦点レンズのさらに他の構成例に係る、マイクロポンプ160で流体161を出し入れし、レンズ面を変形させる可変焦点レンズ162の概略図である。
マイクロポンプ160は、例えば、マイクロマシンの技術で作られた小型のポンプで、電力で動くように構成されている。流体161は、透明基板163と、弾性体164との間に挟まれている。図35中、165は弾性体164を保護するための透明基板で、設けなくてもよい。
マイクロマシンの技術で作られたポンプの例としては、熱変形を利用したもの、圧電材料を用いたもの、静電気力を用いたものなどがある。
そして、図20で示したようなマイクロポンプ180を、例えば、図35に示す可変焦点レンズに用いるマイクロポンプ160のように、2つ用いればよい。
なお、静電気力、圧電効果を用いた可変焦点レンズなどにおいては、駆動用に高電圧が必要になる場合がある。その場合には、昇圧用のトランス、あるいは圧電トランス等を用いて制御系を構成するとよい。
特に積層型圧電トランスを用いると小型化できてよい。
図36は本発明の実施の形態にかかる光学装置の光学系に適用可能な光学特性可変光学素子の他の構成例であって、圧電材料200を用いた可変焦点レンズ201の概略構成図である。
圧電材料200には透明物質143と同様の材料が用いられており、圧電材料200は、透明で柔らかい基板202の上に設けられている。なお、基板202には、合成樹脂、有機材料を用いるのが望ましい。
本構成例においては、2つの透明電極59を介して電圧を圧電材料200に加えることで圧電材料200は変形し、図36に示す状態においては凸レンズとしての作用を持っている。
なお、基板202の形をあらかじめ凸状に形成しておき、かつ、2つの透明電極59のうち、少なくとも一方の電極の大きさを基板202と異ならせておく。例えば、一方の透明電極59を基板202よりも小さくしておくと、電圧を切ったときに、図37に示すように、2つの透明電極59が対向する所定部分だけが凹状に変形して凹レンズの作用を持つようになり、可変焦点レンズとして動作する。
このとき基板202は、流体161の体積が変化しないように変形するので、液溜168が不要になるというメリットがある。
本構成例では、流体161を保持する基板の一部分を圧電材料で変形させて、液溜168を不要としたところに大きなメリットがある。
なお、図35に示した構成例にもいえることであるが、透明基板163,165はレンズとして構成しても、或いは平面で構成してもよい。
図38は本発明の実施の形態にかかる光学装置の光学系に適用可能な光学特性可変光学素子のさらに他の構成例であって圧電材料からなる2枚の薄板200A,200Bを用いた可変焦点レンズの概略構成図である。
本構成例の可変焦点レンズによれば、薄板200Aと200Bの材料の方向性を反転させることで、変形量を大きくし、大きな可変焦点範囲が得られるというメリットがある。
なお、図38中、204はレンズ形状の透明基板である。
本構成例においても、紙面の右側の透明電極59は基板202よりも小さく形成されている。
なお、図36〜図38の構成例において、基板202、薄板200,200A,200Bの厚さを不均一にして、電圧を掛けたときの変形のさせかたをコントロールしてもよい。
そのようにすれば、レンズの収差補正等もすることができ、便利である。
図39は本発明の実施の形態にかかる光学装置の光学系に適用可能な可変焦点レンズのさらに他の構成例を示す概略構成図である。
本構成例の可変焦点レンズ207は、例えばシリコンゴムやアクリルエラストマー等の電歪材料206を用いて構成されている。
このように構成された可変焦点レンズ207は、電圧が低いときには、図39に示すように、凸レンズとして作用し、電圧を上げると、図40に示すように、電歪材料206が上下方向に伸びて左右方向に縮むので、焦点距離が伸びる。従って、可変焦点レンズとして動作する。
従って、本構成例の可変焦点レンズによれば、大電源を必要としないので消費電力が小さくて済むというメリットがある。
以上述べた図32〜図40に示した可変焦点レンズに共通して言えるのは、レンズとして作用する媒質の形状が変化することで、可変焦点を実現していることである。屈折率が変化する可変焦点レンズに比べて、焦点距離変化の範囲が自由に選べる、大きさが自由に選べる、等のメリットがある。
図41は本発明の実施の形態にかかる光学装置の光学系に適用可能な光学特性可変光学素子のさらに他の構成例であってフォトメカニカル効果を用いた可変焦点レンズの概略構成図である。
本構成例の可変焦点レンズ214は、透明弾性体208,209でアゾベンゼン210が挟まれており、アゾベンゼン210には、透明なスペーサー211を経由して紫外光が照射されるようになっている。
図41中、212,213はそれぞれ中心波長がλ1,λ2の例えば紫外LED、紫外半導体レーザー等の紫外光源である。
本構成例において、中心波長がλ1の紫外光が図42(a)に示すトランス型のアゾベンゼンに照射されると、アゾベンゼン210は、図42(b)に示すシス型に変化して体積が減少する。このため、可変焦点レンズ214の形状は薄くなり、凸レンズ作用が減少する。
一方、中心波長がλ2の紫外光がシス型のアゾベンゼン210に照射されると、アゾベンゼン210はシス型からトランス型に変化して、体積が増加する。このため、可変焦点レンズ214の形状は厚くなり、凸レンズ作用が増加する。
このようにして、本構成例の光学素子214は可変焦点レンズとして作用する。
また、可変焦点レンズ214では、透明弾性体208,209の空気との境界面で紫外光が全反射するので外部に光がもれず、効率がよい。
図43は本発明の実施の形態にかかる光学装置の光学系に適用可能な可変ミラーのさらに他の構成例を示す概略構成図である。本構成例では、デジタルカメラの撮像光学系に用いられるものとして説明する。なお、図43中、411は可変抵抗器を内蔵した駆動回路、414は演算装置、415は温度センサー、416は湿度センサー、417は距離センサー、424は振れセンサーである。
本構成例の可変ミラー45は、支持台423で外周側が支持されたアクリルエラストマー等の有機材料からなる電歪材料453と間を隔てて分割電極409bを設け、電歪材料453の上に順に電極452、変形可能な基板451を設け、さらにその上に入射光を反射するアルミニウム等の金属の薄膜からなる反射膜450を設けた4層構造として構成されている。
このように構成すると、分割電極409bを電歪材料453と一体化した場合に比べて、反射膜450の面形状が滑らかになり、光学的に収差を発生させにくくなるというメリットがある。
なお、変形可能な基板451と電極452の配置は逆でも良い。
また、図43中、449は光学系の変倍、あるいはズームを行なう釦であり、可変ミラー45は、釦449を使用者が押すことで反射膜450の形を変形させて、変倍あるいは、ズームをすることができるように演算装置414を介して制御されている。
なお、アクリルエラストマー等の有機材料からなる電歪材料のかわりに既に述べたチタン酸バリウム等の圧電材料を用いてもよい。
なお、本発明の光学装置に適用可能な可変ミラーに共通して言えることであるが、反射面の変形する部分を反射面に垂直な方向から見た時の形は、軸上光線の入射面の方向に長い形状、たとえば楕円、卵形、多角形、等にするのが良い。なぜなら、図18に示した構成例のように、可変ミラーは斜入射で用いる場合が多いが、このとき発生する収差を抑えるためには、反射面の形状は回転楕円面、回転放物面、回転双曲面に近い形が良く、そのように可変ミラーを変形させる為には、反射面の変形する部分を反射面に垂直な方向から見た時の形を、軸上光線の入射面の方向に長い形状にしておくのが良いからである。
図44(a),(b)は本発明の実施の形態にかかる光学装置の光学系に適用可能な電磁駆動型の可変ミラーの構造を示した図である。
図44(b)は反射膜の反対側から見た図であり、変形部材にコイル(電極)が設けられて駆動回路から電流を流すことで永久磁石の磁場とで電磁力を生じ、ミラー形状が変化するようになっている。
コイルは薄膜コイル等を用いると製作が容易で、かつ、剛性を下げられるのでミラーが変形し易くて良い。
最後に、本発明で用いる用語の定義を述べておく。
光学装置とは、光学系あるいは光学素子を含む装置のことである。光学装置単体で機能しなくてもよい。つまり、装置の一部でもよい。
光学装置には、撮像装置、観察装置、表示装置、照明装置、信号処理装置、光情報処理装置等が含まれる。
撮像装置の例としては、フィルムカメラ、デジタルカメラ、PDA用デジタルカメラ、ロボットの眼、レンズ交換式デジタル一眼レフカメラ、テレビカメラ、動画記録装置、電子動画記録装置、カムコーダ、VTRカメラ、携帯電話のデジタルカメラ、携帯電話のテレビカメラ、電子内視鏡、カプセル内視鏡、車載カメラ、人工衛星のカメラ、惑星探査機のカメラ、宇宙探査機のカメラ、監視装置のカメラ、各種センサーの眼、録音装置のデジタルカメラ、人工視覚、レーザ走査型顕微鏡等がある。デジカメ、カード型デジカメ、テレビカメラ、VTRカメラ、動画記録カメラ、携帯電話のデジタルカメラ、携帯電話のテレビカメラ、車載カメラ、人工衛星のカメラ、惑星探査機のカメラ、宇宙探査機のカメラ、録音装置のデジタルカメラなどはいずれも電子撮像装置の一例である。
観察装置の例としては、顕微鏡、望遠鏡、眼鏡、双眼鏡、ルーペ、ファイバースコープ、ファインダー、ビューファインダー、コンタクトレンズ、眼内レンズ、人工視覚等がある。
表示装置の例としては、液晶ディスプレイ、ビューファインダー、ゲームマシン(ソニー社製プレイステーション)、ビデオプロジェクター、液晶プロジェクター、頭部装着型画像表示装置(head mounted display:HMD)、PDA(携帯情報端末)、携帯電話、人工視覚等がある。
照明装置の例としては、カメラのストロボ、自動車のヘッドライト、内視鏡光源、顕微鏡光源等がある。
信号処理装置の例としては、携帯電話、パソコン、ゲームマシン、光ディスクの読取・書込装置、光計算機の演算装置、光インターコネクション装置、光情報処理装置、PDA等がある。
情報発信装置とは、携帯電話、固定式の電話、ゲームマシン、テレビ、ラジカセ、ステレオ等のリモコンや、パソコン、パソコンのキーボード、マウス、タッチパネル等の何らかの情報を入力し、送信することができる装置を指す。
撮像装置のついたテレビモニター、パソコンのモニター、ディスプレイも含むものとする。
情報発信装置は、信号処理装置の中に含まれる。
撮像素子は、例えばCCD、撮像管、固体撮像素子、写真フィルム等を指す。また、平行平面板はプリズムの1つに含まれるものとする。観察者の変化には、視度の変化を含むものとする。被写体の変化には、被写体となる物体距離の変化、物体の移動、物体の動き、振動、物体のぶれ等を含むものとする。
拡張曲面の定義は以下の通りである。
球面、平面、回転対称非球面のほか、光軸に対して偏心した球面、平面、回転対称非球面、あるいは対称面を有する非球面、対称面を1つだけ有する非球面、対称面のない非球面、自由曲面、微分不可能な点、線を有する面等、いかなる形をしていても良い。反射面でも、屈折面でも、光になんらかの影響を与えうる面ならば良い。
本発明では、これらを総称して拡張曲面と呼ぶことにする。
光学特性可変光学素子とは、可変焦点レンズ、可変ミラー、面形状の変わる偏向プリズム、頂角可変プリズム、光偏向作用の変わる可変回折光学素子、つまり可変HOE,可変DOE等を含む。
可変焦点レンズには、焦点距離が変化せず、収差量が変化するような可変レンズも含むものとする。可変ミラーには、焦点距離が変化せず、収差量が変化するようなミラー、可変焦点レンズに反射面を設けたミラー、形状の変わらない可変焦点ミラー、形状の変わる形状可変ミラー等を含むものとする。
要するに、光学素子で、光の反射、屈折、回折等の光偏向作用が変化しうるものを光学特性可変光学素子と呼ぶ。
本発明は、特許請求範囲に記載の特徴の他に下記の特徴も有する。
(1)前記透明電極が複数の電極からなる請求項1に記載の光学特性可変光学素子。
(2)静電気力で駆動される上記(1)に記載の光学特性可変光学素子。
(3)光源からの光を光学特性可変光学素子の変化する光学面あるいは前記光学面と一体化された部材に入射させ、出射光の位置を検出器によって検出することで、前記変化する光学面の形状あるいは傾き、あるいは変形量を検出する検出装置。
(4)超音波測長器、あるいはレーザ測長器を用いた光学特性可変光学素子の光偏向作用を検出する検出装置。
(5)前記光学特性可変光学素子が透過型の光学特性可変光学素子である請求項2、上記(3)又は(4)の何れかに記載の検出装置。
(6)前記光学特性可変光学素子が反射型の光学特性可変光学素子である請求項2、上記(3)及び(4)の何れかに記載の検出装置。
(7)前記光源の光の波長が、前記検出装置を搭載する光学装置の利用光の波長と異なることを特徴とする請求項2、上記(3)乃至(6)の何れかに記載の検出装置。
(8)光学特性可変光学素子を有し、物体の実像を結像しそれを虚像として観察する光学装置において、虚像を観察する人の目の収差も含めて光学系全体の収差を補正することを特徴とする光学装置。
(9)光学特性可変光学素子を駆動する設定値を観察者、あるいは観察条件ごとに記憶装置に記憶することを特徴とする請求項3又は上記(8)に記載の光学装置。
(10)光学特性可変光学素子を駆動する設定値を観察者、あるいは観察条件ごとに決定するプロセスを実行してから観察を行なうことを特徴とする請求項3又は上記(8)に記載の光学装置。
(11)透過型の光学特性可変光学素子を用いた請求項3、上記(8)乃至(10)の何れかに記載の光学装置。
(12)反射型の光学特性可変光学素子を用いた請求項3、上記(8)乃至(10)の何れかに記載の光学装置。
(13)前記光学装置が顕微鏡である請求項3、上記(8)乃至(12)の何れかに記載の光学装置。
(14)前記光学装置が望遠鏡である請求項3、上記(8)乃至(12)の何れかに記載の光学装置。
(15)前記光学装置が双眼鏡である請求項3、上記(8)乃至(12)の何れかに記載の光学装置。
(16)請求項1、上記(1)又は(2)に記載の光学特性可変光学素子を有する請求項3、上記(8)乃至(11)の何れか又は上記(13)乃至(15)の何れかに記載の光学装置。
(17)請求項2、上記(3)乃至(7)の何れかに記載の検出装置を備えた請求項3、上記(8)乃至(15)の何れかに記載の光学装置。
(18)ブレ補正を行う請求項3、上記(8)乃至(17)の何れかに記載の光学装置。
(19)光学特性可変光学素子を備えた内視鏡。
(20)光学特性可変光学素子を備えたカプセル内視鏡。
(21)透過型の光学特性可変光学素子を用いた内視鏡。
(22)透過型の光学特性可変光学素子を用いたカプセル内視鏡。
(23)反射型の光学特性可変光学素子を用いた内視鏡。
(24)反射型の光学特性可変光学素子を用いたカプセル内視鏡。
(25)ぶれ補正機能を有する内視鏡。
(26)ぶれ補正機能を有するカプセル内視鏡。
(27)請求項1、上記(1)又は(2)に記載の光学特性可変光学素子を備えた内視鏡。
(28)請求項1、上記(1)又は(2)に記載の光学特性可変光学素子を備えたカプセル内視鏡。
(29)光偏向作用の変化する光学特性可変光学素子の光学面の傾きを検出する機構を、前記光学面の光入射側に設けたことを特徴とする光学特性可変光学素子。
(30)光偏向作用の変化する光学特性可変光学素子の光学面の傾きを検出する機構を、前記光学面の光入射面と反対側に設けたことを特徴とする光学特性可変光学素子。
(31)光学面の傾きを検出するために光と光検出器を用いることを特徴とする検出機構を設けた、光学特性可変光学素子。
(32)前記光学特性可変光学素子が反射型の光学特性可変光学素子であることを特徴とする上記(29)乃至(31)の何れかに記載の光学特性可変光学素子。
(33)前記光学特性可変光学素子が透過型の光学特性可変光学素子であることを特徴とする上記(29)乃至(31)の何れかに記載の光学特性可変光学素子。
本発明の一実施例にかかる光学装置として可変焦点レンズを用いた顕微鏡の概略構成図である。 本発明にかかる光学特性可変光学素子としての可変焦点レンズの一例の詳細図である。 本発明の他の実施例にかかる光学装置として形状可変ミラーを用いた反射望遠鏡の概略構成図である。 本発明の他の実施例にかかる光学装置として可変焦点レンズ又は可変ミラーを用いたカプセル内視鏡の概略構成図である。 本発明にかかる光学特性可変光学素子の光偏向作用検出機構の一例を示す概略図である。 本発明の光学装置に用いる光学系に適用可能な光学特性可変光学素子として形状可変ミラーの一構成例を示す概略図である。 可変ミラー409の他の構成例を示す概略図である。 図6及び図7の可変ミラーに用いる電極の一形態を示す説明図である。 図6及び図7の可変ミラーに用いる電極の他の形態を示す説明図である。 可変ミラー409のさらに他の構成例を示す概略図である。 可変ミラー409のさらに他の構成例を示す概略図である。 可変ミラー409のさらに他の構成例を示す概略図である。 図12の構成例における薄膜コイル427の巻密度の状態を示す説明図である。 可変ミラー409のさらに他の構成例を示す概略図である。 図14の構成例におけるコイル427の一配置例を示す説明図である。 図14の構成例におけるコイル427の他の配置例を示す説明図である。 図12に示した構成例において、コイル427の配置を図16に示した構成例のようにした場合に好適な永久磁石426の配置を示す説明図である。 本発明の光学装置の光学系に適用可能な可変ミラー409の概略構成図である。 可変ミラーのさらに他の構成例に係る、マイクロポンプ180で流体161を出し入れし、レンズ面を変形させる可変形状鏡188の概略構成図である。 マイクロポンプの一構成例を示す概略構成図である。 本発明の光学装置の光学系に適用可能な可変焦点レンズの原理的構成を示す図である。 一軸性のネマティック液晶分子の屈折率楕円体を示す図である。 図21に示す高分子分散液晶層に電界を印加状態を示す図である。 図21に示す高分子分散液晶層への印加電圧を可変にする場合の一構成例を示す図である。 本発明の光学装置に可変焦点レンズを用いたデジタルカメラ用の撮像光学系の一構成例を示す図である。 本発明の光学装置の光学系に適用可能な可変焦点回折光学素子の一構成例を示す図である。 ツイストネマティック液晶を用いる可変焦点レンズを有する可変焦点眼鏡の構成例を示す図である。 図27に示すツイストネマティック液晶層への印加電圧を高くしたときの液晶分子の配向状態を示す図である。 本発明の光学装置の光学系に適用可能な可変偏角プリズムの二つの構成例を示す図である。 図29に示す可変偏角プリズムの使用態様を説明するための図である。 本発明の光学装置の光学系に適用可能な可変焦点レンズとして機能できる可変焦点ミラーの一構成例を示す図である。 本発明の光学装置の光学系に他の構成例の可変焦点レンズ140を用いた撮像光学系の概略構成図である。 図32の構成例における可変焦点レンズの変形例を示す説明図である。 図33の可変焦点レンズが変形した状態を示す説明図である。 本発明の光学装置の光学系に適用可能な可変焦点レンズのさらに他の構成例に係る、マイクロポンプ160で流体161を出し入れし、レンズ面を変形させる可変焦点レンズ162の概略図である。 本発明の光学装置の光学系に適用可能な光学特性可変光学素子の他の構成例であって圧電材料200を用いた可変焦点レンズ201の概略図である。 図36の変形例に係る可変焦点レンズの状態説明図である。 本発明の光学装置の光学系に適用可能な光学特性可変光学素子のさらに他の構成例であって圧電材料からなる2枚の薄板200A,200Bを用いた可変焦点レンズの概略図である。 本発明の光学装置の光学系に適用可能な可変焦点レンズのさらに他の構成例を示す概略図である。 図39の構成例に係る可変焦点レンズの状態説明図である。 本発明の光学装置の光学系に適用可能な光学特性可変光学素子のさらに他の構成例であってフォトニカル効果を用いた可変焦点レンズの概略図である。 図41の構成例に係る可変焦点レンズに用いるアゾベンゼンの構造を示す説明図であり、(a)はトランス型、(b)はシス型を示している。 本発明の光学装置の光学系に適用可能な可変ミラーのさらに他の構成例を示す概略図である。 本発明の実施の形態にかかる光学装置の光学系に適用可能な電磁駆動型の可変ミラーの構造を示した図であり、(a)は側面図、(b)は反射膜の反対側から見た図である。
符号の説明
45 可変ミラー
59 透明電極
102 レンズ
103 制御系
103’ 回路
104,141 撮像ユニット
140 可変焦点レンズ
142 透明部材
143 透明物質
144 透明弾性体
145 電極
146 シリンダー
147 支援部材
148 外周側が変形可能な部材
160 マイクロポンプ
161 流体
162 可変焦点レンズ
163 メニスカスレンズ
164 弾性体
165 透明基板(レンズ)
168 制御装置(液溜)
180 マイクロポンプ
181 振動板
182,183 電極
184,185 弁
188 可変ミラー
189 膜
189a 支持台
200 圧電材料
200A,200B 薄板
201 可変焦点レンズ
202 基板
206 電歪材料
207 可変焦点レンズ
208,209 透明弾性体
210 アゾベンゼン
211 透明なスペーサー
212,213 紫外光源
214 可変焦点レンズ
304 駆動回路
314 物体
317 斜鏡
318 低倍接眼レンズ
319 低倍接眼レンズの視野絞り
320 人の眼
321 高倍接眼レンズ
322 高倍接眼レンズの視野絞り
323,324,325,326 レンズ群
327 駆動装置
328 反射望遠鏡
329 顕微鏡
330 形状の変らないミラー
331 光学装置
332 レンズ群(又は高倍対物レンズ)
334 鏡筒レンズ
335 視野絞り
336 レンズ群(又は接眼レンズ)
337 レボルバー
338 低倍対物レンズ
339 光路切換ミラー
341 駆動回路
342 TVカメラ
343 TVカメラのレンズ
344 対物面鏡
345 望遠鏡
403 撮像光学系
403a,403b,403e レンズ
403c 絞り
403d 可変焦点レンズ
404 プリズム
405 二等辺三角プリズム
406 ミラー
408 撮像素子
409 可変ミラー
409a 薄膜
409b,409d,409k 電極
409c,409c’ 圧電素子
409c−1,409e,409j 基板
409c−2 電歪材料
411,425a,425b 駆動回路
411a,411b 可変抵抗器
412 電源
413 電源スイッチ
414 演算回路(演算装置)
415 温度センサー
416 湿度センサー
417 距離センサー
423 支持台
424 振れセンサー
425a,425b,428 駆動回路
426 永久磁石
427,428’ コイル
449 釦
450 反射膜
451 変形可能な基板
452 電極
453 電歪材料
511,551 可変焦点レンズ
532,533,562,563,566,567 透明基板
513a,513b 透明電極
512a,512b,522,552,553 レンズ
523 固体撮像素子
508a,532a,562a,566a 第1の面
508b,532b,562b,566b 第2の面
509a,533a,563a,567a 第3の面
509b,533b,563b,567b 第4の面
514 高分子分散液晶層
515 スイッチ
516 交流電源
517 液晶分子
518 高分子セル
519 可変抵抗器
521 絞り
531 可変焦点回折光学素子
539a,539b 配向膜
550 可変焦点眼鏡
554 ツイストネマティック液晶層
555 液晶分子
561 可変偏角プリズム
565 可変焦点ミラー
568 反射膜
701 可変焦点レンズ
702 透明基板
703a,703b,703c,703d 固定電極
704 固定抵抗
705a,705b,705c,705d 可変抵抗
706, 707 スペーサ
711 記憶装置
721, 722 光偏向作用検出機構
722 光偏向作用検出機構
723 赤外線半導体レーザー
724 フォトダイオードセンサーアレイ
725 下側基板
726 LED
727 CCD
741 カプセル内視鏡
742 窓部分
743 可変焦点レンズ
900 観察光学系
901 接眼レンズ
902 対物レンズ

Claims (3)

  1. 変形する透明基板と一体化された透明電極と、前記透明基板に対向して設けられた固定電極とを有し、前記透明基板と別の透明基板の間の透明流体の形を変形させることで光屈折作用を変化させる透過型の光学特性可変光学素子。
  2. 光源からの光を光偏向作用の変化する光学特性可変光学素子に入射させ、出射光の位置を検出器によって検出することで前記光学特性可変光学素子の光偏向作用を検出する検出装置。
  3. 光学特性可変光学素子を有し、像を観察する人の目の収差も含めて、光学系全体の収差を補正するようにしたことを特徴とする光学装置。
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