JP4576058B2 - 変位検出機能を備えた可変形状鏡 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、静電引力によって変形する反射面と上部電極を有する可撓性薄膜と、該可撓性薄膜に対向して配置された制御電極とを備えていて、該制御電極に印加する電圧を制御することにより前記反射面を適宜変形させることが出来るように構成した可変形状鏡の反射面の変位検出機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の可変形状鏡は、特開平2−101402号公報等に開示されており、半導体製造技術を利用した所謂MEMS(Micro Electro-Mechanical System)技術を適用することにより、低コスト,高精度且つ超小型に製作することが出来るため、光ピックアップ等のマイクロオプティックスに適用される微小な光学系や小型の携帯機器などへの応用が期待されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような静電引力により形状を変化させる可変形状鏡においては、その変化量は両電極間に働く静電引力と可撓性薄膜の張力との釣り合いで決まるが、最適な形状に変化させるためには、高電圧(通常のICデバイス等に比較して高電圧であるという意味)を広範囲に亘って安定に制御する必要がある。特にこのような可変形状鏡を超小型の器機に適用する場合、電源としては電池などのように低容量低電圧のものしかない場合が多く、このような低容量低電圧源から高電圧源を作るのは圧電トランスなどの電圧変換素子の小型化に伴い容易に実現することは出来るものの、このような昇圧方法で高電圧を広範囲に亘って安定且つ高精度に制御することは、非常に困難である。
【0004】
本発明は、従来技術の有するこのような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、可変形状鏡の反射面の変位を検出してこれをフィードバックすることにより、可変形状鏡の形状を高精度に制御することを可能にする可変形状鏡を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明による変位検出機能を備えた可変形状鏡は、静電引力によって変形する反射面と上部電極を有する可撓性薄膜と、該可撓性薄膜に対向して配置された制御電極と静電容量検出電極を備えた可変形状鏡において、前記制御電極と前記静電容量検出電極とを兼用するとともに、前記反射面を変形させる定電圧に前記静電容量を検出するための高周波電圧を重畳することで、前記上部電極と前記静電容量検出電極との間の静電容量から前記反射面の変位を検出するように構成したことを特徴としている。この構成により、非接触で変位が検出できるため可変形状鏡に影響を与えることがなく、しかも他に検出機構を設けることなく変位量を検出することが出来る。また、可変形状鏡の構造上何の変更を加えることなしに変位検出を行うことが出来る。
また、本発明による変位検出機能を備えた可変形状鏡は、前記反射面を変形させる定電圧に、前記反射面の共振周波数よりも遥に高い周波数を有する前記静電容量を検出するための高周波電圧を重畳すると共に、前記上部電極の接地側に抵抗を接続して、該抵抗を介して流れる電流の位相と振幅から前記反射面の変位量を検出し得るようにしたことを特徴としている。この構成により、電圧印加電極と静電容量検出電極を兼用させることが出来る。
また、本発明による変位検出機能を備えた可変形状鏡は、前記の静電容量検出電極に前記反射面の共振周波数よりも遥に高い周波数の高周波電圧を印加すると共に、前記上部電極の接地側に抵抗を接続して、該抵抗を介して流れる電流の位相と振幅から前記反射面の変位量を検出し得るようにしたことを特徴としている。この構成により、高電圧制御回路と高周波電源を分離することが出来る。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図示した実施例に基づき説明する。図1は本発明に係る可変形状鏡の実施例と静電容量検出回路を含む電子回路部を備えた、反射面兼上部電極を含む上部基板と電圧制御回路及び高周波重畳回路を含む電子回路部を備えた、静電容量検出電極を兼ねた制御電極を含む下部基板とを離間させて示した斜視図、図2は図1のII−IIに沿う断面図、図3は上記電子回路部に備えられた電圧制御回路、高周波重畳回路及び静電容量検出回路と上部電極及び制御電極との相互の接続関係を略示したブロック図、図4は電圧制御回路の一例を示す配線図、図5は本発明に係る高周波重畳回路及び静電容量検出回路の上記実施例の等価回路図である。
【0007】
図1及び図2において、1は制御電極2と電子回路部3と複数の外部リード電極4と絶縁膜1´ を備えた下部基板、5は外部リード電極7と電子回路部10を備え、反射面兼上部電極6を含む可撓性薄膜8と該薄膜8を図2に示す如く支持する上部基板である。図3において、9は高電圧源9aとリファレンス電圧9bとを備えていて制御電極2に印加される定電圧10aを制御する電圧制御回路、10は定電圧10aと高周波電源10bとを備えていて定電圧10aに静電容量を検出する高周波を重畳する高周波重畳回路、6Aは制御電極2と上部電極6との間の静電容量の変化を検出する静電容量検出回路である。なお、上記下部基板、上部基板、電圧制御回路、高周波重畳回路及び静電容量検出回路は何れも周知の半導体製造技術を利用して製作され、電圧制御回路及び高周波重畳回路は同技術を用いて電子回路部3にまとめて下部基板1と一体に製作され、静電容量検出回路は同技術を用いて電子回路部3’に上部基板5と一体に製作され得る。
【0008】
図4において、9Aは高電圧源9aに接続されていて負荷抵抗R2及びR3に流れる制御電流Isを制御する制御素子、9Bは制御素子9Aの駆動電流Idを制御する駆動素子、9Cは+端子9cに印加されるリファレンス電圧Vrefと−端子に印加される出力電圧Voutを負荷抵抗R2及びR3で分圧して得られるモニター電圧Vmとを入力として駆動素子9Bの駆動量を制御する差動増幅器である。図5において、10は高周波重畳回路の等価回路である。また、6bは+端子が接地され−端子が抵抗R4を介して上部電極6に接続された差動増幅器である。これら抵抗R4、R5および増幅器6bにより電流−電圧変換がなされ、静電容量検出出力端6aからは電圧が出力される。
【0009】
次に、上記装置の作用を説明する。高電圧源9aは100ボルト程度の定電圧源であり、リファレンス電圧(Vref)9bは5ボルト程度の可変電圧であって、これらの電圧は外部リード電極4に印加され、電圧制御回路9へ供給される。そして、この電圧制御回路9からリファレンス電圧Vrefに対応して制御された高電圧10aに高周波電源10bが重畳され制御電極2に印加され、上部電極6との間に生じる静電引力により反射面の形状が変化する。また、リファレンス電圧Vrefを変えることにより上部電極及び反射面6の変形量(変位量)を制御することが出来る。また、高周波を上部電極及び反射面の機械的共振周波数よりも遥かに高い周波数にすることで重畳された高周波は変形量(変位量)に対して何ら影響を与えない。
【0010】
この場合、制御電極2と上部電極6はコンデンサと等価になり、これら両電極間には、高周波重畳回路10により高電圧10aに反射面の機械的共振周波数よりも遥に高い周波数の高周波電源10bが重畳され印加されているため電流が流れる。また、上部電極6は抵抗R4を通して接地されているのと等価になる。つまり、制御電極2と上部電極6からなるコンデンサと抵抗R4の直列回路となるので、コンデンサの静電容量が変化すると抵抗R4を流れる電流の振幅および位相が変化する。換言すると、この電流の振幅変化や位相変化から制御電極2と上部電極6との間の静電容量を知ることが出来る。この静電容量は制御電極2と上部電極6との間の距離に反比例するので、結局は両電極間の距離即ち反射面の変位を検出できる結果となる。従って、静電容量検出回路6Aの静電容量検出出力6aで検出された静電容量の変化量から反射面6の変形量(変位量)を算出することができ、延いては変形した反射面6の形状を常時モニターすることが可能となる。
【0011】
この実施例によれば、非接触状態で反射面単体の変位を検出することが出来るので、反射面の形状に何らの影響も及ぼさないという利点がある。また、反射面側に付加的な構成をとる必要がないので、反射面に歪みなどを生じさせる心配はない。更に、レーザ変位計やインピーダンス変調型の検出器等他の検出器を用いる必要がなく、廉価に製作することが出来る。また、変位を反射像等から検出する場合は反射像を取得しそれを解析するために他に検出機構を設けなければならないが、本発明実施例によれば、可変形状鏡単体で検出することができる。
【0012】
また、この実施例によれば、制御電極と静電容量(変位)検出電極とが兼用されているから、可変形状鏡の構造を変更することなく検出を行うことができ、更に、反射面を変形させるための定電圧に静電容量を検出するための高周波電圧を重畳させ、上部電極兼反射面側で抵抗を通して電流をモニターし、且つ電流の位相及び振幅により上部電極と制御電極との間の静電容量即ち反射面の変位を検出するようにしているから、装置全体を簡素に構成することが出来る。
【0013】
図6乃至図8は本発明の第1参考例を示しており、図6(a)は下部基板の平面図、図6(b)は図6(a)のVI−VI線断面図、図7は定電圧と高周波電源を一体に構成した場合の各要素の接続を示す等価回路図、図8は定電圧と高周波電源を別体に構成した場合の各要素の接続を示す等価回路図である。図において、上記実施例と実質上同一の構成要素には同一符号を付し、それらについての説明は省略されている。
【0014】
この第1参考例は、図示の如く下部基板1上に絶縁膜1´を介して制御電極2と静電容量検出電極2´とが別々に同一層に形成されていて、定電圧10aと高周波電源10bとが一体に構成されている(図7)か、定電圧10aと高周波電源10bとが別体に構成されている(図8)点で、上記実施例と異なる。作用は、上記実施例の場合と同様であるので、説明を省略する。この第1参考例によれば、静電容量検出電極2´を1つのみ形成することで制御電極2の形状に関係なく静電容量検出電極2´位置の変位をピンポイントで検出することが出来る。また、静電容量検出電極2´を複数形成し、順次高周波を印加することで複数の位置の変位をピンポイントで検出することが出来るという利点がある。また、図8のように高電圧と高周波電源を別々に構成することで、高周波重畳回路を省略することができ、より簡単な構成となる。
【0015】
図9及び図10は本発明の第2参考例を示しており、図9(a)は下部基板の平面図、図9(b)は図9(a)のIX−IX線断面図、図10は各要素の接続を示す等価回路図である。図9及び図10において、既述の実施例及び参考例と実質上同一の構成要素には同一符号を付し、それらについての説明は省略されている。
【0016】
この第2参考例は、図9(b)に示す如く下部基板1上に絶縁膜1´を介して制御電極2と静電容量検出電極2´とが別々に違う層に形成されていて、定電圧10aと高周波電源10bとが別に構成されて並列に接続されている(図10)点で、既述の実施例及び参考例の何れとも異なる。この第2参考例では、可変形状鏡を構成する制御電極に抵抗を介して高電圧が印加されているため、静電容量検出電極2´に高周波電圧が印加されると制御電極の電位が変化する。この変化が上部電極を通して静電容量検出回路で電流変化としてモニターされる。この電流の位相及び振幅により静電容量即ち反射面の変位が検出される。この第2参考例によれば、反射面を変形させるための定電圧と静電容量を検出するための高周波電源を別に構成しているので、高電圧の制御回路と静電容量検出回路とを分離することができるため、高周波重畳回路を省略することができ、より簡単な構成となり、回路配置の自由度が増すという利点がある。
【0017】
次に、本発明に係る反射面の検出装置を適用し得る可変形状鏡の各種構成例について説明する。
【0018】
図11は本発明を適用し得る可変形状鏡の他の例を用いたデジタルカメラのケプラー式ファインダーの概略構成図である。もちろん、この可変形状鏡は銀塩フィルムカメラにも使える。まず、この可変形状鏡11について説明する。
【0019】
可変形状鏡11は、アルミコーティングされた薄膜(反射面)11aと複数の電極11bからなる光学特性可変形状鏡(以下、単に可変形状鏡と言う)であり、12は各電極11bにそれぞれ接続された複数の可変抵抗器、13は可変抵抗器14と電源スイッチ15を介して薄膜11aと電極11b間に接続された電源、16は複数の可変抵抗器12の抵抗値を制御するための演算装置、17,18及び19はそれぞれ演算装置16に接続された温度センサー、湿度センサー及び距離センサーで、これらは図示のように配設されて1つの光学装置を構成している。
【0020】
なお、対物レンズ20、接眼レンズ21、プリズム22、二等辺直角プリズム23、ミラー24及び可変形状鏡11の各面は、平面でなくてもよく、球面、回転対称非球面の他、光軸に対して偏心した球面、平面、回転対称非球面、あるいは、対称面を有する非球面、対称面を1つだけ有する非球面、対称面のない非球面、自由曲面、微分不可能な点又は線を有する面等、いかなる形状をしていてもよく、さらに、反射面でも屈折面でも光に何らかの影響を与え得る面ならばよい。以下、これらの面を総称して拡張曲面という。
【0021】
また、薄膜11aは、例えば、P.Rai-choudhury編、Handbook of
Michrolithography, Michromachining and Michrofabrication,
Volume 2:Michromachining and Michrofabrication,P495,Fig.8.58, SPIE PRESS刊やOptics Communication, 140巻(1997年)P187〜190に記載されているメンブレインミラーのように、複数の電極11bとの間に電圧が印加されると、静電気力により薄膜11aが変形してその面形状が変化するようになっており、これにより、観察者の視度に合わせたピント調整ができるだけでなく、さらに、レンズ21,20及び/又はプリズム22、二等辺直角プリズム23、ミラー24の温度や湿度変化による変形や屈折率の変化、あるいは、レンズ枠の伸縮や変形及び光学素子、枠等の部品の組立誤差による結像性能の低下が抑制され、常に適正にピント調整並びにピント調整で生じた収差の補正が行われ得る。
なお、電極11bの形は、例えば図13,14に示すように、薄膜11aの変形のさせ方に応じて選べばよい。
【0022】
本例によれば、物体からの光は、対物レンズ20及びプリズム22の各入射面と射出面で屈折され、可変形状鏡11で反射され、プリズム22を透過して、二等辺直角プリズム23でさらに反射され(図11中、光路中の+印は、紙面の裏側へ向かって光線が進むことを示している)、ミラー24で反射され、接眼レンズ21を介して眼に入射するようになっている。このように、レンズ21,20、プリズム22,23、及び可変形状鏡11によって、本例の光学装置の観察光学系を構成しており、これらの各光学素子の面形状と肉厚を最適化することにより、物体面の収差を最小にすることができるようになっている。
【0023】
すなわち、反射面としての薄膜11aの形状は、結像性能が最適になるように演算装置16からの信号により各可変抵抗器14の抵抗値を変化させることにより制御される。すなわち、演算装置16へ、温度センサー17、湿度センサー18及び距離サンサー19から周囲温度及び湿度並びに物体までの距離に応じた大きさの信号が入力され、演算装置16は、これらの入力信号に基づき周囲の温度及び湿度条件と物体までの距離による結像性能の低下を補償すべく、薄膜11aの形状が決定されるような電圧を電極11bに印加するように、可変抵抗器14の抵抗値を決定するための信号を出力する。このように、薄膜11aは電極11bに印加される電圧すなわち静電気力で変形させられるため、その形状は状況により非球面を含む様々な形状をとり、印加される電圧の極性を変えれば凸面とすることもできる。なお、距離センサー19はなくてもよく、その場合、固体撮像素子25からの像の信号の高周波成分が略最大になるように、デジタルカメラの撮像レンズ26を動かし、その位置から逆に物体距離を算出し、可変形状鏡を変形させて観察者の眼にピントが合うようにすればよい。
【0024】
また、薄膜11aをポリイミド等の合成樹脂で製作すれば、低電圧でも大きな変形が可能であるので好都合である。なお、プリズム22と可変形状鏡11を一体的に形成してユニット化することができる。
【0025】
また、図示を省略したが、可変形状鏡11の基板上に固体撮像素子25をリソグラフィープロセスにより一体的に形成してもよい。
【0026】
また、レンズ21,20、プリズム22,23、ミラー24は、プラスチックモールド等で形成することにより任意の所望形状の曲面を容易に形成することができ、製作も簡単である。なお、本例の撮像装置では、レンズ21,20がプリズム22から離れて形成されているが、レンズ21,20を設けることなく収差を除去することができるようにプリズム22,23、ミラー24、可変形状鏡11を設計すれば、プリズム22,23、可変形状鏡11は1つの光学ブロックとなり、組立が容易となる。また、レンズ21,20、プリズム22,23、ミラー24の一部あるいは全部をガラスで作製してもよく、このように構成すれば、さらに精度の良い撮像装置が得られる。
【0027】
なお、図11の例では、演算装置16、温度センサー17、湿度センサー18、距離センサー19を設け、温湿度変化、物体距離の変化等も可変形状鏡11で補償するようにしたが、そうではなくてもよい。つまり、演算装置16、温度センサー17、湿度センサー18、距離センサー19を省き、観察者の視度変化のみを可変形状鏡11で補正するようにしてもよい。
【0028】
次に、可変形状鏡11の別の構成について述べる。
【0029】
図12は本発明を適用し得る可変形状鏡11の他の例を示しており、この例では、薄膜11aと電極11bとの間に圧電素子11cが介装されていて、これらが支持台27上に設けられている。そして、圧電素子11cに加わる電圧を各電極11b毎に変えることにより、圧電素子11cに部分的に異なる伸縮を生じさせて、薄膜11aの形状を変えることができるようになっている。電極11bの形は、図13に示すように、同心分割であってもよいし、図14に示すように、矩形分割であってもよく、その他、適宜の形のものを選択することができる。図12中、28は演算装置16に接続された振れ(ブレ)センサーであって、例えばデジタルカメラの振れを検知し、振れによる像の乱れを補償するように薄膜11aを変形させるべく、演算装置16及び可変抵抗器12を介して電極11bに印加される電圧を変化させる。このとき、温度センサー17、湿度センサー18及び距離センサー19からの信号も同時に考慮され、ピント合わせ、温湿度補償等が行われる。この場合、薄膜11aには圧電素子11cの変形に伴う応力が加わるので、薄膜11aの厚さはある程度厚めに作られて相応の強度を持たせるようにするのが良い。
【0030】
図15は本発明を適用し得る可変形状鏡11の更に他の実施例を示している。
この例は、薄膜11aと電極11bの間に介置される圧電素子が逆方向の圧電特性を持つ材料で作られた2枚の圧電素子11c及び11c’で構成されている点で、図12に示された例とは異なる。すなわち、圧電素子11cと11c’が強誘電性結晶で作られているとすれば、結晶軸の向きが互いに逆になるように配置される。この場合、圧電素子11cと11c’は電圧が印加されると逆方向に伸縮するので、薄膜11aを変形させる力が図12に示した例の場合よりも強くなり、結果的にミラー表面の形を大きく変えることができるという利点がある。
【0031】
圧電素子11c,11c’に用いる材料としては、例えばチタン酸バリウム、ロッシエル塩、水晶、電気石、リン酸二水素カリウム(KDP)、リン酸二水素アンモニウム(ADP)、ニオブ酸リチウム等の圧電物質、同物質の多結晶体、同物質の結晶、PbZrO3とPbTiO3の固溶体の圧電セラミックス、二フッ化ポリビニール(PVDF)等の有機圧電物質、上記以外の強誘電体等があり、特に有機圧電物質はヤング率が小さく、低電圧でも大きな変形が可能であるので、好ましい。なお、これらの圧電素子を利用する場合、厚さを不均一にすれば、上記の例において薄膜11aの形状を適切に変形させることも可能である。
【0032】
また、圧電素子11c,11c’の材質としては、ポリウレタン、シリコンゴム、アクリルエラストマー、PZT、PLZT、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等の高分子圧電体、シアン化ビニリデン共重合体、ビニリデンフルオライドとトリフルオロエチレンの共重合体等が用いられる。
圧電性を有する有機材料や、圧電性を有する合成樹脂、圧電性を有するエラストマー等を用いると可変形状鏡面の大きな変形が実現できてよい。
【0033】
なお、図12、16の圧電素子11cに電歪材料、例えば、アクリルエラストマー、シリコンゴム等を用いる場合には、図12に破線で示すように、圧電素子11cを別の基板11c−1と電歪材料11c−2を貼り合わせた構造にしてもよい。
【0034】
図16は本発明を適用し得る可変形状鏡11の更に他の例を示している。この例では、圧電素子11cが薄膜11aと電極11dとにより挟持され、薄膜11aと電極11d間に演算装置16により制御される駆動回路29を介して電圧が印加されるようになっており、さらにこれとは別に、支持台27上に設けられた電極11bにも演算装置16により制御される駆動回路29を介して電圧が印加されるように構成されている。したがって、この例では、薄膜11aは電極11dとの間に印加される電圧と電極11bに印加される電圧による静電気力とにより二重に変形され得、上記の例に示した何れのものよりもより多くの変形パターンが可能であり、かつ、応答性も速いという利点がある。
【0035】
そして、薄膜11a、電極11d間の電圧の符号を変えれば、可変形状鏡を凸面にも凹面にも変形させることができる。その場合、大きな変形を圧電効果で行ない、微細な形状変化を静電気力で行なうようにしてもよい。また、凸面の変形には圧電効果を主に用い、凹面の変形には静電気力を主に用いるようにしてもよい。なお、電極11dは電極11bのように複数の電極から構成されてもよい。
この様子を図16に示した。なお、ここでは、圧電効果と電歪効果、電歪をすべてまとめて圧電効果と述べている。従って、電歪材料も圧電材料に含むものとする。
【0036】
図17は本発明を適用し得る可変形状鏡11の更に他の例を示している。この例は、電磁気力を利用して反射面の形状を変化させ得るようにしたもので、支持台27の内部底面上には永久磁石30が、頂面上には窒化シリコン又はポリイミド等からなる基板11eの周縁部が載置固定されており、基板11eの表面にはアルミニウム等の金属コートで作られた薄膜11aが付設されていて、可変形状鏡11を構成している。基板11eの下面には複数のコイル31が配設されており、これらのコイル31はそれぞれ駆動回路32を介して演算装置16に接続されている。したがって、各センサー17,18,19,28からの信号によって演算装置16において求められる光学系の変化に対応した演算装置16からの出力信号により、各駆動回路32から各コイル31にそれぞれ適当な電流が供給されると、永久磁石30との間に働く電磁気力で各コイル31は反発又は吸着され、基板11e及び薄膜11aを変形させる。
【0037】
この場合、各コイル31はそれぞれ異なる量の電流を流すようにすることもできる。また、コイル31は1個でもよいし、永久磁石30を基板11eに付設しコイル31を支持台27の内部底面側に設けるようにしても良い。また、コイル31はリソグラフィー等の手法で作るとよく、さらに、コイル31には強磁性体よりなる鉄心を入れるようにしてもよい。
【0038】
この場合、薄膜コイル31の巻密度を、図18に示すように、場所によって変化させることにより、基板11e及び薄膜11aに所望の変形を与えるようにすることもできる。また、コイル31は1個でも良いし、また、これらのコイル31には強磁性体よりなる鉄心を挿入しても良い。
【0039】
図19は本発明を適用し得る可変形状鏡11の更に他の例を示している。この例では、基板11eは鉄等の強磁性体で作られており、反射膜としての薄膜11aはアルミニウム等からなっている。この場合、薄膜コイルを設けなくても済むから、構造が簡単で、製造コストを低減することが出来る。また、電源スイッチ15を切換え兼電源開閉用スイッチに置換すれば、コイル31に流れる電流の方向を変えることができ、基板11e及び薄膜11aの形状を自由に変えることができる。図20はこの実施例におけるコイル31の配置を示し、図21はコイル31の他の配置例を示しているが、これらの配置は、図17に示した実施例にも適用することができる。なお、図22は、図17に示した例において、コイル31の配置を図21に示したようにした場合に適する永久磁石30の配置を示している。すなわち、図22に示すように、永久磁石30を放射状に配置すれば、図17に示した例に比べて、微妙な変形を基板11e及び薄膜11aに与えることができる。また、このように電磁気力を用いて基板11e及び薄膜11aを変形させる場合(図11及び図19の例)は、静電気力を用いた場合よりも低電圧で駆動できるという利点がある。
【0040】
以上いくつかの可変形状鏡の例を述べたが、反射面の形を変形させるのに、図16の例に示すように、2種類以上の力を用いるようにしてもよい。つまり静電気力、電磁力、圧電効果、磁歪、流体の圧力、電場、磁場、温度変化、電磁波等のうちから2つ以上を同時に用いて可変形状鏡の反射面を変形させても良い。つまり2つ以上の異なる駆動方法を用いて光学特性可変光学素子を作れば、大きな変形と微細な変形とを同時に実現でき、精度の良い鏡面が実現できる。
【0041】
図23は、本発明を適用し得る可変形状鏡11の更に他の例を用いた撮像系、例えば携帯電話のデジタルカメラ、カプセル内視鏡、電子内視鏡、パソコン用デジタルカメラ、PDA用デジタルカメラ等に用いられる撮像系の概略構成を示している。
この撮像系は、可変形状鏡11と、レンズ20と、固体撮像素子25と、制御系32とで一つの撮像ユニット33を構成している。この撮像ユニット33では、レンズ20を通った物体からの光は可変形状鏡11で集光され、固体撮像素子25の上に結像する。可変形状鏡11は、光学特性可変光学素子の一種であり、可変焦点ミラーとも呼ばれている。
【0042】
この例によれば、物体距離が変わっても可変形状鏡11を変形させることでピント合わせをすることができ、レンズをモータ等で駆動する必要がなく、小型化、軽量化、低消費電力化の点で優れている。また、この撮像ユニット33は撮像系としてすべての例で用いることができる。また、可変形状鏡11を複数用いることでズーム、変倍の撮像系、光学系を作ることができる。
なお、図23では、制御系32にコイルを用いたトランスの昇圧回路を含む制御系の構成例を示している。特に積層型圧電トランスを用いると、小型化できてよい。昇圧回路は全ての電気を用いる可変形状鏡、可変焦点レンズに用いることができるが、特に静電気力、圧電効果を用いる場合の可変形状鏡、可変焦点レンズに有用である。
【0043】
図24は本発明を適用し得る可変形状鏡の更に他の例に係る、マイクロポンプ34で流体35を出し入れし、レンズ面を変形させる可変形状鏡36の概略構成図である。この例によれば、レンズ面を大きく変形させることが可能になるというメリットがある。
マイクロポンプ34は、例えば、マイクロマシンの技術で作られた小型のポンプで、電力で動くように構成されている。流体35は、反射膜37と基板との間に挟まれている。38は液溜である。
マイクロマシンの技術で作られたポンプの例としては、熱変形を利用したもの、圧電材料を用いたもの、静電気力を用いたものなどがある。
【0044】
図25はマイクロポンプ34の一構成例を示す概略図である。このマイクロポンプ43では、振動板39は静電気力、圧電効果等の電気力により振動する。図25では静電気力により振動する例を示しており、図中、40,41は電極である。また、点線は変形した時の振動板39を示している。振動板39の振動に伴い、2つの弁42,43が開閉し、流体35を右から左へ送るようになっている。
【0045】
本例の可変形状鏡36では、反射膜37が流体35の量に応じて凹凸に変形することで、可変形状鏡として機能する。可変形状鏡36は流体35により駆動される。流体としては、シリコンオイル、空気、水、ゼリー、等の有機物、無機物を用いることができる。
【0046】
なお、静電気力、圧電効果を用いた可変形状鏡、可変焦点レンズなどにおいては、駆動用に高電圧が必要になる場合がある。その場合には、例えば図24に示すように、昇圧用のトランス、あるいは圧電トランス等を用いて制御系を構成するとよい。
また、反射用の薄膜11aは、変形しない部分にも設けておくと、可変形状鏡の形状を干渉計等で測定する場合に、基準面として使うことができ便利である。
【0047】
次に、本発明を適用し得る可変焦点レンズについて説明する。
図26は本発明を適用し得る可変焦点レンズの原理的構成を示す図である。この可変焦点レンズ44は、第1,第2の面としてのレンズ面45a,45bを有する第1のレンズ45と、第3,第4の面としてのレンズ面46a,46bを有する第2のレンズ46と、これらレンズ間に透明電極47,48を介して設けた高分子分散液晶層49とを有し、入射光を第1,第2のレンズ45,46を経て収束させるものである。透明電極47,48は、スイッチ50を介して交流電源51に接続して、高分子分散液晶層49に交流電界を選択的に印加するようにする。なお、高分子分散液晶層49は、それぞれ液晶分子52を含む球状、多面体等の任意の形状の多数の微小な高分子セル53を有して構成され、その体積は、高分子セル53を構成する高分子および液晶分子52がそれぞれ占める体積の和に一致させてある。
【0048】
ここで、高分子セル53の大きさは、例えば球状とする場合、その平均の直径Dを、使用する光の波長をλとするとき、例えば、
2nm≦D≦λ/5 …(1)
とする。すなわち、液晶分子52の大きさは、2nm程度以上であるので、平均の直径Dの下限値は、2nm以上とする。また、平均の直径Dの上限値は、可変焦点レンズ44の光軸方向における高分子分散液晶層49の厚さtにも依存するが、波長λに比べて大きいと、高分子の屈折率と液晶分子52の屈折率との差により、高分子セル53の境界面で光が散乱して高分子分散液晶層49が不透明になってしまうため、後述するように、好ましくはλ/5以下とする。可変焦点レンズが用いられる光学製品によっては高精度を要求しない場合もあり、そのとき平均の直径Dは波長λ以下でよい。なお、高分子分散液晶層49の透明度は、厚さtが厚いほど悪くなる。
【0049】
また、液晶分子52としては、例えば、一軸性のネマティック液晶分子を用いる。この液晶分子52の屈折率楕円体は、図27に示すような形状となり、
ox=noy=no …(2)
である。ただし、noは常光線の屈折率、noxおよびnoyは、常光線を含む面内での互いに直交する方向の屈折率である。
【0050】
ここで、図26に示すように、スイッチ50をオフ、すなわち高分子分散液晶層49に電界を印加しない状態では、液晶分子52が様々な方向を向いているので、入射光に対する高分子分散液晶層49の屈折率は高く、屈折力の強いレンズとなる。これに対し、図28に示すように、スイッチ50をオンとして高分子分散液晶層49に交流電界を印加すると、液晶分子52は、屈折率楕円体の長軸方向が可変焦点レンズ44の光軸と平行となるように配向するので、屈折率が低くなり、屈折力の弱いレンズとなる。
【0051】
なお、高分子分散液晶層49に印加する電圧は、例えば、図29に示すように、可変抵抗器54により段階的あるいは連続的に変化させることもできる。このようにすれば、印加電圧が高くなるにつれて、液晶分子52は、その楕円長軸が徐々に可変焦点レンズ44の光軸と平行となるように配向するので、屈折力を段階的あるいは連続的に変えることができる。
【0052】
ここで、図26に示す状態、すなわち高分子分散液晶層49に電界を印加しない状態での、液晶分子52の平均屈折率nLC’は、図27に示すように屈折率楕円体の長軸方向の屈折率をnzとすると、およそ
(nox+noy+nZ)/3≡nLC’ …(3)
となる。また、上記(2)式が成り立つときの平均屈折率nLCは、nzを異常光線の屈折率neと表して、
(2no+ne)/3≡nLC …(4)
で与えられる。このとき、高分子分散液晶層49の屈折率nAは、高分子セル53を構成する高分子の屈折率をnPとし、高分子分散液晶層49の体積に占める液晶分子52の体積の割合をffとすると、マックスウェル・ガーネットの法則により、
A=ff・nLC’+(1−ff)nP …(5)
で与えられる。
【0053】
したがって、図29に示すように、レンズ45および46の内側の面、すなわち高分子分散液晶層49側の面の曲率半径を、それぞれR1およびR2とすると、可変焦点レンズ44の焦点距離f1は、
1/f1=(nA−1)(1/R1−1/R2) …(6)
で与えられる。なお、R1およびR2は、曲率中心が像点側にあるとき、正とする。また、レンズ45および46の外側の面による屈折は除いている。つまり、高分子分散液晶層49のみによるレンズの焦点距離が、(6)式で与えられる。
【0054】
また、常光線の平均屈折率を、
(nox+noy)/2=no’ …(7)
とすれば、図28に示す状態、すなわち高分子分散液晶層49に電界を印加した状態での、高分子分散液晶層49の屈折率nBは、
B=ff・no’+(1−ff)nP …(8)
で与えられるので、この場合の高分子分散液晶層49のみによるレンズの焦点距離f2は、
1/f2=(nB−1)(1/R1−1/R2) …(9)
で与えられる。なお、高分子分散液晶層49に、図28におけるよりも低い電圧を印加する場合の焦点距離は、(6)式で与えられる焦点距離f1と、(9)式で与えられる焦点距離f2との間の値となる。
【0055】
上記(6)および(9)式から、高分子分散液晶層49による焦点距離の変化率は、
|(f2−f1)/f2|=|(nB−nA)/(nB−1)| …(10)
で与えられる。したがって、この変化率を大きくするには、|nB−nA|を大きくすればよい。ここで、
B−nA=ff(no’−nLC’) …(11)
であるから、|no’−nLC’|を大きくすれば、変化率を大きくすることができる。実用的には、nBが、1.3〜2程度であるから、
0.01≦|no’−nLC’|≦10 …(12)
とすれば、ff=0.5のとき、高分子分散液晶層49による焦点距離を、0.5%以上変えることができるので、効果的な可変焦点レンズを得ることができる。なお、|no’−nLC’|は、液晶物質の制限から、10を越えることはできない。
【0056】
次に、上記(1)式の上限値の根拠について説明する。「Solar Energy Materials and Solar Cells」31巻,Wilson and Eck,1993, Eleevier Science Publishers B.v.発行の第197 〜214 頁、「Transmission variation using scattering/transparent switching films 」には、高分子分散液晶の大きさを変化させたときの透過率τの変化が示されている。そして、かかる文献の第206 頁、図6には、高分子分散液晶の半径をrとし、t=300μm、ff=0.5、nP =1.45、nLC=1.585、λ=500nmとするとき、透過率τは、理論値で、r=5nm(D=λ/50、D・t=λ・6μm(ただし、Dおよびλの単位はnm、以下も同じ))のときτ≒90%となり、r=25nm(D=λ/10)のときτ≒50%になることが示されている。
【0057】
ここで、例えば、t=150μmの場合を推定してみると、透過率τがtの指数関数で変化すると仮定して、t=150μmの場合の透過率τを推定してみると、r=25nm(D=λ/10、D・t=λ・15μm)のときτ≒71%となる。また、t=75μmの場合は、同様に、r=25nm(D=λ/10、D・t=λ・7.5μm)のときτ≒80%となる。
【0058】
これらの結果から、
D・t≦λ・15μm …(13)
であれば、τは70%〜80%以上となり、レンズとして十分実用になる。したがって、例えば、t=75μmの場合は、D≦λ/5で、十分な透過率が得られることになる。
【0059】
また、高分子分散液晶層49の透過率は、nPの値がnLC’の値に近いほど良くなる。一方、no’とnPとが異なる値になると、高分子分散液晶層49の透過率は悪くなる。図26の状態と図28の状態とで、平均して高分子分散液晶層49の透過率が良くなるのは、
P=(no’+nLC’)/2 …(14)
を満足するときである。
【0060】
ここで、可変焦点レンズ44は、レンズとして使用するものであるから、図26の状態でも、図28の状態でも、透過率はほぼ同じで、かつ高い方が良い。そのためには、高分子セル53を構成する高分子の材料および液晶分子52の材料に制限があるが、実用的には、
o’≦nP≦nLC’ …(15)
とすればよい。
【0061】
上記(14)式を満足すれば、上記(13)式は、さらに緩和され、
D・t≦λ・60μm …(16)
であれば良いことになる。なぜなら、フレネルの反射則によれば、反射率は屈折率差の2乗に比例するので、高分子セル53を構成する高分子と液晶分子52との境界での光の反射、すなわち高分子分散液晶層49の透過率の減少は、およそ上記の高分子と液晶分子52との屈折率の差の2乗に比例するからである。
【0062】
以上は、no’≒1.45、nLC’≒1.585の場合であったが、より一般的に定式化すると、
D・t≦λ・15μm・(1.585−1.45)2/(nu−nP2 …(17)
であればよい。ただし、(nu−nP2は、(nLC’−nP2と(no’−nP2とのうち、大きい方である。
【0063】
また、可変焦点レンズ44の焦点距離変化を大きくするには、ffの値が大きい方が良いが、ff=1では、高分子の体積がゼロとなり、高分子セル53を形成できなくなるので、
0.1≦ff≦0.999 …(18)
とする。一方、ffは、小さいほどτは向上するので、上記(17)式は、好ましくは、
4×10-6〔μm〕2≦D・t≦λ・45μm・(1.585−1.45)2/(nu−nP)2…(19)とする。なお、tの下限値は、図26から明らかなように、t=Dで、Dは、上述したように2nm以上であるので、D・tの下限値は、(2×10-3μm)2、すなわち4×10-6〔μm〕2となる。
【0064】
なお、物質の光学特性を屈折率で表す近似が成り立つのは、「岩波科学ライブラリー8 小惑星がやってくる」向井正著,1994,岩波書店発行の第58頁に記載されているように、Dが10nm〜5nmより大きい場合である。また、Dが500λを越えると、光の散乱は幾何学的となり、高分子セル518を構成する高分子と液晶分子517との界面での光の散乱がフレネルの反射式に従って増大するので、Dは、実用的には、
7nm≦D≦500λ …(20)
とする。
【0065】
図30は、図29に示す可変焦点レンズ44を用いるデジタルカメラ用の撮像光学系の構成を示すものである。この撮像光学系においては、物体(図示せず)の像を、絞り55、可変焦点レンズ44およびレンズ56を介して、例えばCCDよりなる固体撮像素子57上に結像させる。なお、図30では、液晶分子の図示を省略してある。
【0066】
かかる撮像光学系によれば、可変抵抗器54により可変焦点レンズ44の高分子分散液晶層49に印加する交流電圧を調整して、可変焦点レンズ44の焦点距離を変えることより、可変焦点レンズ44およびレンズ56を光軸方向に移動させることなく、例えば、無限遠から600mmまでの物体距離に対して、連続的に合焦させることが可能となる。
【0067】
図31は本発明を適用し得る可変焦点回折光学素子の一例の構成を示す図である。この可変焦点回折光学素子58は、平行な第1,第2の面59a,59bを有する第1の透明基板59と、光の波長オーダーの溝深さを有する断面鋸歯波状のリング状回折格子を形成した第3の面60aおよび平坦な第4の面60bを有する第2の透明基板60とを有し、入射光を第1,第2の透明基板59,60を経て出射させるものである。第1,第2の透明基板59,60間には、図26で説明したのと同様に、透明電極47,48を介して高分子分散液晶層49を設け、透明電極47,48をスイッチ50を経て交流電源51に接続して、高分子分散液晶層49に交流電界を印加するようにする。
【0068】
かかる構成において、可変焦点回折光学素子58に入射する光線は、第3の面60aの格子ピッチをpとし、mを整数とすると、
psinθ=mλ …(21)
を満たす角度θだけ偏向されて出射される。また、溝深さをh、透明基板60の屈折率をn60とし、kを整数とすると、
h(nA−n60)=mλ …(22)
h(nB−n60)=kλ …(23)
を満たせば、波長λで回折効率が100%となり、フレアの発生を防止することができる。
【0069】
ここで、上記(22)および(23)式の両辺の差を求めると、
h(nA−nB)=(m−k)λ …(24)
が得られる。したがって、例えば、λ=500nm、nA=1.55、nB=1.5とすると、
0.05h=(m−k)・500nm
となり、m=1,k=0とすると、
h=10000nm=10μm
となる。この場合、透明基板60の屈折率n60は、上記(22)式から、n60=1.5であればよい。また、可変焦点回折光学素子58の周辺部における格子ピッチpを10μmとすると、θ≒2.87°となり、Fナンバーが10のレンズを得ることができる。
【0070】
かかる、可変焦点回折光学素子58は、高分子分散液晶層49への印加電圧のオン・オフで光路長が変わるので、例えば、レンズ系の光束が平行でない部分に配置して、ピント調整を行うのに用いたり、レンズ系全体の焦点距離等を変えるのに用いることができる。
【0071】
なお、この実施形態において、上記(22)〜(24)式は、実用上、
0.7mλ≦h(nA−n33)≦1.4mλ …(25)
0.7kλ≦h(nB−n33)≦1.4kλ …(26)
0.7(m−k)λ≦h(nA−nB)≦1.4(m−k)λ …(27)
を満たせば良い。
【0072】
また、ツイストネマティック液晶を用いる可変焦点レンズもある。図32および図33は、この場合の可変焦点眼鏡61の構成を示すものであり、可変焦点レンズ62は、レンズ63および64と、これらレンズの内面上にそれぞれ透明電極65,66を介して設けた配向膜67,68と、これら配向膜間に設けたツイストネマティック液晶層69とを有して構成し、その透明電極65,66を可変抵抗器54を経て交流電源51に接続して、ツイストネマティック液晶層69に交流電界を印加するようにする。
【0073】
かかる構成において、ツイストネマティック液晶層69に印加する電圧を高くすると、液晶分子70は、図32に示すようにホメオトロピック配向となり、図33に示す印加電圧が低いツイストネマティック状態の場合に比べて、ツイストネマティック液晶層69の屈折率は小さくなり、焦点距離が長くなる。
【0074】
ここで、図32に示すツイストネマティック状態における液晶分子70の螺旋ピッチPは、光の波長λに比べて同じ程度か十分小さくする必要があるので、例えば、
2nm≦P≦2λ/3 …(28)
とする。なお、この条件の下限値は、液晶分子の大きさで決まり、上限値は、入射光が自然光の場合に、図33の状態でツイストネマティック液晶層69が等方媒質として振る舞うために必要な値であり、この上限値の条件を満たさないと、可変焦点レンズ62は偏光方向によって焦点距離の異なるレンズとなり、これがため二重像が形成されてぼけた像しか得られなくなる。
【0075】
図34(A)は、本発明を適用し得る可変偏角プリズムの構成を示すものである。
この可変偏角プリズム71は、第1,第2の面72a,72bを有する入射側の第1の透明基板72と、第3,第4の面73a,73bを有する出射側の平行平板状の第2の透明基板73とを有する。入射側の透明基板72の内面(第2の面)72bはフレネル状に形成し、この透明基板72と出射側の透明基板73との間に、図26で説明したのと同様に、透明電極47,48を介して高分子分散液晶層49を設ける。透明電極47,48は、可変抵抗器54を経て交流電源51に接続され、これにより高分子分散液晶層49に交流電界を印加して、可変偏角プリズム71を透過する光の偏角を制御するようにする。なお、図34(A)では、透明基板72の内面722bをフレネル状に形成したが、例えば、図34(B)に示すように、透明基板72および73の内面を相対的に傾斜させた傾斜面を有する通常のプリズム状に形成することもできるし、あるいは図35に示した回折格子状に形成することもできる。回折格子状に形成する場合には、上記の(21)〜(27)式が同様にあてはまる。
【0076】
かかる構成の可変偏角プリズム71は、例えば、TVカメラ、デジタルカメラ、フィルムカメラ、双眼鏡等のブレ防止用として有効に用いることができる。この場合、可変偏角プリズム71の屈折方向(偏向方向)は、上下方向とするのが望ましいが、さらに性能を向上させるためには、2個の可変偏角プリズム71を偏向方向を異ならせて、例えば図35に示すように、上下および左右の直交する方向で屈折角を変えるように配置するのが望ましい。なお、図34および図35では、液晶分子の図示を省略してある。
【0077】
図36は本発明を適用し得る可変焦点レンズとしての可変焦点ミラーを示すものである。この可変焦点ミラー74は、第1,第2の面75a,75bを有する第1の透明基板75と、第3,第4の面76a,76bを有する第2の透明基板76とを有する。第1の透明基板75は、平板状またはレンズ状に形成して、内面(第2の面)75bに透明電極47を設け、第2の透明基板76は、内面(第3の面)76aを凹面状に形成して、該凹面上に反射膜77を施し、さらにこの反射膜77上に透明電極48を設ける。透明電極47,48間には、図26で説明したのと同様に、高分子分散液晶層49を設け、これら透明電極47,48をスイッチ50および可変抵抗器54を経て交流電源51に接続して、高分子分散液晶層49に交流電界を印加するようにする。なお、図36では、液晶分子の図示を省略してある。
【0078】
かかる構成によれば、透明基板75側から入射する光線は、反射膜77により高分子分散液晶層49を折り返す光路となるので、高分子分散液晶層49の作用を2回もたせることができると共に、高分子分散液晶層49への印加電圧を変えることにより、反射光の焦点位置を変えることができる。この場合、可変焦点ミラー74に入射した光線は、高分子分散液晶層49を2回透過するので、高分子分散液晶層49の厚さの2倍をtとすれば、上記の各式を同様に用いることができる。なお、透明基板75または76の内面を、図34に示したように回折格子状にして、高分子分散液晶層49の厚さを薄くすることもできる。このようにすれば、散乱光をより少なくできる利点がある。
【0079】
なお、以上の説明では、液晶の劣化を防止するため、電源として交流電源51を用いて、液晶に交流電界を印加するようにしたが、直流電源を用いて液晶に直流電界を印加するようにすることもできる。また、液晶分子の方向を変える方法としては、電圧を変化させること以外に、液晶にかける電場の周波数、液晶にかける磁場の強さ・周波数、あるいは液晶の温度等を変化させることによってもよい。以上に示した実施形態において、高分子分散液晶は液状ではなく固体に近いものもあるので、その場合はレンズ45,46の一方、透明基板59、レンズ60、レンズ63,64の一方、図34(A)における透明基板73、図34(B)における透明基板72,73の一方、透明基板75,76の一方はなくてもよい。
【0080】
図37は本発明を適用し得る更に他の例に係る、可変焦点レンズ78を用いた撮像ユニット79の概略構成図である。本例では、レンズ80と可変焦点レンズ78とで、撮像レンズを構成している。そして、この撮像レンズと固体撮像素子57とで撮像ユニット79を構成している。可変焦点レンズ78は、透明部材81と圧電性のある合成樹脂等の柔らかい透明物質82とで、光を透過する流体あるいはゼリー状物質83を挟んで構成されている。
【0081】
流体あるいはゼリー状物質83としては、シリコンオイル、弾性ゴム、ゼリー、水等を用いることができる。透明物質82の両面には透明電極84が設けられており、回路85を介して電圧を加えることで、透明物質82の圧電効果により透明物質82が変形し、可変焦点レンズ78の焦点距離が変わるようになっている。
従って、本実施例によれば、物体距離が変わった場合でも光学系をモーター等で動かすことなくフォーカスができ、小型、軽量、消費電力が少ない点で優れている。
【0082】
なお、図37中、86は流体をためるシリンダーである。また、透明物質82の材質としては、ポリウレタン、シリコンゴム、アクリルエラストマー、PZT、PLZT、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等の高分子圧電体、シアン化ビニリデン共重合体、ビニリデンフルオライドとトリフルオロエチレンの共重合体等が用いられる。
圧電性を有する有機材料や、圧電性を有する合成樹脂、圧電性を有するエラストマー等を用いると可変焦点レンズ面の大きな変形が実現できてよい。
可変焦点レンズには透明な圧電材料を用いるとよい。
【0083】
なお、図37の例で、可変焦点レンズ78は、シリンンダー86を設けるかわりに、図38に示すように、支援部材87を設けてシリンダー86を省略した構造にしてもよい。
支援部材87は、間に透明電極84を挟んで、透明物質82の一部の周辺部分を固定している。本例によれば、透明物質82に電圧をかけることによって、透明物質82が変形しても、図39に示すように、可変焦点レンズ78全体の体積が変わらないように変形するため、シリンダー86が不要になる。なお、図38、39中、88は変形可能な部材で、弾性体、アコーディオン状の合成樹脂または金属等でできている。
【0084】
図37、図38に示す例では、電圧を逆に印加すると透明物質82は逆向きに変形するので凹レンズにすることも可能である。
なお、透明物質82に電歪材料、例えば、アクリルエラストマー、シリコンゴム等を用いる場合は、透明物質82を透明基板と電歪材料を貼り合わせた構造にするとよい。
【0085】
図40は本発明を適用し得る可変焦点レンズの更に他の例に係る、マイクロポンプ89で流体90を出し入れし、レンズ面を変形させる可変焦点レンズ78の概略構成図である。
マイクロポンプ89は、例えば、マイクロマシンの技術で作られた小型のポンプで、電力で動くように構成されている。流体90は、透明基板91と、弾性体92との間に挟まれている。図40中、93は弾性体92を保護するための透明基板で、設けなくてもよい。
マイクロマシンの技術で作られたポンプの例としては、熱変形を利用したもの、圧電材料を用いたもの、静電気力を用いたものなどがある。
【0086】
そして、図24で示したようなマイクロポンプ34を、例えば、図40に示す可変焦点レンズ78に用いるマイクロポンプ89のように、2つ用いればよい。
【0087】
なお、静電気力、圧電効果を用いた可変焦点レンズなどにおいては、駆動用に高電圧が必要になる場合がある。その場合には、昇圧用のトランス、あるいは圧電トランス等を用いて制御系を構成するとよい。
特に積層型圧電トランスを用いると小型にできてよい。
【0088】
図41は本発明を適用し得る光学特性可変光学素子の他の例であって圧電材料94を用いた可変焦点レンズ78の概略構成図である。
圧電材料94には透明物質82と同様の材料が用いられており、圧電材料94は、透明で柔らかい基板95の上に設けられている。なお、この基板95には、合成樹脂、有機材料を用いるのが望ましい。
本例においては、2つの透明電極84を介して電圧を圧電材料94に加えることで圧電材料94は変形し、図41において凸レンズとしての作用を持っている。
【0089】
なお、基板95の形をあらかじめ凸状に形成しておき、かつ、2つの透明電極84のうち、少なくとも一方の電極の大きさを基板95と異ならせておく、例えば、一方の透明電極84を基板95よりも小さくしておくと、電圧を切ったときに、図42に示すように、2つの透明電極84が対向する所定部分だけが凹状に変形して凹レンズの作用を持つようになり、可変焦点レンズとして動作する。
このとき基板95は、流体90の体積が変化しないように変形するので、液溜38が不要になるというメリットがある。
【0090】
本例では、流体90を保持する基板の一部分を圧電材料で変形させて、液溜38を不要としたところに大きなメリットがある。
なお、図41の例にも言えることであるが、透明基板91,93はレンズとして構成しても、或いは平面で構成してもよい。
【0091】
図43は本発明を適用し得る光学特性可変光学素子の更に他の例であって圧電材料からなる2枚の薄板94A,94Bを用いた可変焦点レンズの概略構成図である。
本例の可変焦点レンズは、薄板94Aと94Bの材料の方向性を反転させることで、変形量を大きくし、大きな可変焦点範囲が得られるというメリットがある。
なお、図43中、96はレンズ形状の透明基板である。本例においても、紙面の右側の透明電極84は基板95よりも小さく形成されている。
【0092】
なお、図41〜図43に示された例において、基板95、薄板94,94A,94Bの厚さを不均一にして、電圧を掛けたときの変形のさせかたをコントロールしてもよい。
そのようにすれば、レンズの収差補正等もすることができ、便利である。
【0093】
図44は本発明を適用し得る可変焦点レンズの更に他の実施例を示す概略構成図である。
本実施例の可変焦点レンズ78は、例えばシリコンゴムやアクリルエラストマー等の電歪材料97を用いて構成されている。
本実施例の構成によれば、電圧が低いときには、図44に示すように、凸レンズとして作用し、電圧を上げると、図45に示すように、電歪材料97が上下方向に伸びて左右方向に縮むので、焦点距離が伸びる。従って、可変焦点レンズとして動作する。
本例の可変焦点レンズによれば、大電源を必要としないので消費電力が小さくて済むというメリットがある。
【0094】
図46は本発明を適用し得る光学特性可変光学素子のさらに他の例であってフォトニカル効果を用いた可変焦点レンズの概略構成図である。
本例の可変焦点レンズ78は、透明弾性体98,99でアゾベンゼン100が挟まれており、アゾベンゼン100には、透明なスペーサー101を経由して紫外光が照射されるようになっている。
図46中、102,103はそれぞれ中心波長がλ1,λ2の例えば紫外LED、紫外半導体レーザー等の紫外光源である。
【0095】
本例において、中心波長がλ1の紫外光が図47(A)に示すトランス型のアゾベンゼンに照射されると、アゾベンゼン210は、図47(B)に示すシス型に変化して体積が減少する。このため、可変焦点レンズ78の形状は薄くなり、凸レンズ作用が減少する。
一方、中心波長がλ2の紫外光がシス型のアゾベンゼン100に照射されると、アゾベンゼン100はシス型からトランス型に変化して、体積が増加する。このため、可変焦点レンズ78の形状は厚くなり、凸レンズ作用が増加する。
このようにして、本例の光学素子は可変焦点レンズとして作用する。
また、可変焦点レンズ78では、透明弾性体98,99の空気との境界面で紫外光が全反射するので外部に光がもれず、効率がよい。
【0096】
以上述べた各例の可変焦点レンズにおいては、透明電極84等は複数に分割されていてもよい。そして、分割された透明電極のそれぞれに異なる電圧を加えることによって、光学装置のピント合わせ、ズーム、変倍のみならず、振れ補正、製造誤差による光学性能の低下の補償、収差の補正等が可能になる。
【0097】
次に、本発明を適用し得る可変焦点レンズに用いる透明電極の分割例を図48〜51を用いて説明する。
図48の例は、透明電極84を同心状に分割した例を示している。周辺部にいくほど輪帯の幅が狭くなっている。これは収差を補正しやすくするためである。
【0098】
図49の例は、輪帯をさらに分割したもので、電極の境界線が3つずつ一点に集まるように分けてある部分を含んでいる。このようにすると、圧電材料94の形状が滑らかに変化するので収差の少ないレンズが得られる。
【0099】
図50の例は、透明電極84を6角形に分割したもので、上記と同様の理由により電極の境界線が3つずつ一点で集まるように分けてある部分を含んでいる。
【0100】
なお、図48、49の例においてそれぞれ分割された一つ一つの電極84A、84B、84C……は、ほぼ同じ面積にした方が収差補正上有利である。このため、分割された電極のうち最も面積の大きい電極と最も面積の小さい電極との面積比は100:1以内に抑えるのがよい。
また、電極分割の配列は、図48、49、50の例のように、対称の中心の電極84Aを包むようにすると円形レンズの場合、特に収差補正上有利となる。
また、一点に集まる透明電極の境界線が相互になす角が90°よりも大きくなるようにしてもよい。
また、図51の例に示すように、電極の分割は格子状にしてもよい。このような分割形態にすれば、簡単に製作できるというメリットがある。
【0101】
また、光学系の収差或いは振れを充分に補正するには、透明分割電極84A、84B,84Cの個数は多い方が良く、2次収差を補正するためには最低7個の分割電極、3次収差を補正するためには最低9個の分割電極、4次収差を補正するためには最低13個の分割電極、5次収差を補正するためには最低16個の分割電極、7次収差を補正するためには最低25個の分割電極が必要となる。
なお、2次収差とは、ティルト、非点収差、コマ収差のx方向,y方向の2方向の成分である。ただし、低コストの商品では最低でも3つの分割電極があれば、大きな収差又は大きな振れは補正できる。
【0102】
最後に、本発明で用いる用語の定義を述べておく。
【0103】
光学装置とは、光学系あるいは光学素子を含む装置のことである。光学装置単体で機能しなくてもよい。つまり、装置の一部でもよい。
【0104】
光学装置には、撮像装置、観察装置、表示装置、照明装置、信号処理装置等が含まれる。
【0105】
撮像装置の例としては、フィルムカメラ、デジタルカメラ、ロボットの眼、レンズ交換式デジタル一眼レフカメラ、テレビカメラ、動画記録装置、電子動画記録装置、カムコーダ、VTRカメラ、電子内視鏡等がある。デジカメ、カード型デジカメ、テレビカメラ、VTRカメラ、動画記録カメラなどはいずれも電子撮像装置の一例である。
【0106】
観察装置の例としては、顕微鏡、望遠鏡、眼鏡、双眼鏡、ルーペ、ファイバースコープ、ファインダー、ビューファインダー等がある。
【0107】
表示装置の例としては、液晶ディスプレイ、ビューファインダー、ゲームマシン(ソニー社製プレイステーション)、ビデオプロジェクター、液晶プロジェクター、頭部装着型画像表示装置(head mounted display:HMD)、PDA(携帯情報端末)、携帯電話等がある。
【0108】
照明装置の例としては、カメラのストロボ、自動車のヘッドライト、内視鏡光源、顕微鏡光源等がある。
【0109】
信号処理装置の例としては、携帯電話、パソコン、ゲームマシン、光ディスクの読取・書込装置、光計算機の演算装置等がある。
【0110】
撮像素子は、例えばCCD、撮像管、固体撮像素子、写真フィルム等を指す。
また、平行平面板はプリズムの1つに含まれるものとする。観察者の変化には、視度の変化を含むものとする。被写体の変化には、被写体となる物体距離の変化、物体の移動、物体の動き、振動、物体のぶれ等を含むものとする。
【0111】
拡張曲面の定義は以下の通りである。
球面、平面、回転対称非球面のほか、光軸に対して偏心した球面、平面、回転対称非球面、あるいは対称面を有する非球面、対称面を1つだけ有する非球面、対称面のない非球面、自由曲面、微分不可能な点、線を有する面等、いかなる形をしていても良い。反射面でも、屈折面でも、光になんらかの影響を与えうる面ならば良い。
上述の各例では、これらを総称して拡張曲面と呼ぶことにする。
【0112】
光学特性可変光学素子とは、可変焦点レンズ、可変形状鏡、面形状の変わる偏光プリズム、頂角可変プリズム、光偏向作用の変わる可変回折光学素子、つまり可変HOE,可変DOE等を含む。
【0113】
可変焦点レンズには、焦点距離が変化せず、収差量が変化するような可変レンズも含むものとする。可変形状鏡についても同様である。
要するに、光学素子で、光の反射、屈折、回折等の光偏向作用が変化しうるものを光学特性可変光学素子と呼ぶ。
【0114】
情報発信装置とは、携帯電話、固定式の電話、ゲームマシン、テレビ、ラジカセ、ステレオ等のリモコンや、パソコン、パソコンのキーボード、マウス、タッチパネル等の何らかの情報を入力し、送信することができる装置を指す。
撮像装置のついたテレビモニター、パソコンのモニター、デイスプレも含むものとする。
情報発信装置は、信号処理装置の中に含まれる。
【0115】
【発明の効果】
上述の如く本発明によれば、可変形状鏡の電極間の静電容量から反射面の変位を精度良く検出することができ、これをフィードバックすることにより可変形状鏡の形状を高精度に制御することの可能な可変形状鏡装置を提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明に係る可変形状鏡の実施例と静電容量検出回路を含む電子回路部を備えた、反射面兼上部電極を含む上部基板と電圧制御回路及び高周波重畳回路を含む電子回路部を備えた、静電容量検出電極を兼ねた制御電極を含む下部基板とを離間させて示した斜視図である。
【図2】 図1のII−IIに沿う断面図である。
【図3】 電子回路部に備えられた電圧制御回路と高周波重畳回路及び静電容量検出回路と上部電極及び制御電極との相互の接続関係を略示したブロック図である。
【図4】 電圧制御回路の一例を示す配線図である。
【図5】 本発明に係る高周波重畳回路と静電容量検出回路の上記実施例の等価回路図である。
【図6】 本発明の第1参考例を示しており、図6(a)は下部基板の平面図、図6(b)は図6(a)のVI−VI線断面図である。
【図7】 第1参考例において定電圧と高周波電源を一体に構成した場合の各要素の接続を示す等価回路図である。
【図8】 第1参考例において定電圧源と高周波電源を別体に構成した場合の各要素の接続を示す等価回路図である。
【図9】 本発明の第2参考例を示しており、図9(a)は下部基板の平面図、図9(b)は図9(a)のIX−IX線断面図である。
【図10】 第2参考例における各要素の接続を示す等価回路図である。
【図11】 本発明を適用し得る光学特性ミラーを用いたデジタルカメラのケプラー式ファインダーの概略構成図である。
【図12】 本発明を適用し得る可変形状鏡の他の例を示す概略構成図である。
【図13】 図12に示した可変形状鏡に用いる電極の一形態を示す説明図である。
【図14】 図12に示した可変形状鏡に用いる電極の他の形態を示す説明図である。
【図15】 本発明を適用し得る可変形状鏡の更に他の例を示す概略構成図である。
【図16】 本発明を適用し得る可変形状鏡の更に他の例を示す概略構成図である。
【図17】 本発明を適用し得る可変形状鏡の更に他の例を示す概略構成図である。
【図18】 図17に示した可変形状鏡における薄膜コイルの巻密度の状態を示す説明図である。
【図19】 本発明を適用し得る可変形状鏡の更に他の例を示す概略構成図である。
【図20】 図19に示した可変形状鏡におけるコイルの一配置例を示す説明図である。
【図21】 図19に示した可変形状鏡におけるコイルの他の配置例を示す説明図である。
【図22】 図19に示した例において、コイルの配置を図21に示したようにした場合に適する永久磁石の配置を示す説明図である。
【図23】 本発明を適用し得る可変形状鏡を用いた撮像系、例えば携帯電話のデジタルカメラ、カプセル内視鏡、電子内視鏡、パソコン用デジタルカメラ、PDA用デジタルカメラ等に用いられる撮像系の概略構成図である。
【図24】 本発明を適用し得る可変形状鏡の更に他の例に係る、マイクロポンプで流体を出し入れし、レンズ面を変形させる可変形状鏡の概略構成図である。
【図25】 図24に示したマイクロポンプの一具体例を示す概略構成図である。
【図26】 本発明を適用し得る可変焦点レンズの一例の原理的構成を示す図である。
【図27】 一軸性のネマティック液晶分子の屈折率楕円体を示す図である。
【図28】 図26に示す高分子分散液晶層に電界を印加した状態を示す図である。
【図29】 図26に示す高分子分散液晶層への印加電圧を可変にする場合の一例の構成を示す図である。
【図30】 本発明を適用し得る可変焦点レンズを用いるデジタルカメラ用の撮像光学系の一例の構成を示す図である。
【図31】 本発明を適用し得る可変焦点回折光学素子の一例の構成を示す図である。
【図32】 本発明を適用し得るツイストネマティック液晶を用いた可変焦点レンズを有する可変焦点眼鏡の構成を示す図である。
【図33】 図32に示すツイストネマティック液晶層への印加電圧を高くした時の液晶分子の配向状態を示す図である。
【図34】 本発明を適用し得る可変偏角プリズムの二つの例の構成を示す図である。
【図35】 図34に示す可変偏角プリズムの使用状態を説明するための図である。
【図36】 本発明を適用し得る可変焦点レンズとしての可変焦点ミラーの一例の構成を示す図である。
【図37】 本発明を適用し得る更に他の例に係る、可変焦点レンズを用いた撮像ユニットの概略構成図である。
【図38】 図37に示した例における可変焦点レンズの変形例を示す説明図である。
【図39】 図38に示した可変焦点レンズが変形した状態を示す説明図である。
【図40】 本発明を適用し得る可変焦点レンズの更に他の例に係る、マイクロポンプで流体を出し入れし、レンズ面を変形させる可変焦点レンズの概略構成図である。
【図41】 本発明を適用し得る光学特性可変光学素子の他の例であって圧電材料を用いた可変焦点レンズの概略構成図である。
【図42】 図41の変形例に係る可変焦点レンズの状態説明図である。
【図43】 本発明を適用し得る光学特性可変光学素子の更に他の例であって圧電材料からなる2枚の薄板を用いた可変焦点レンズの概略構成図である。
【図44】 本発明を適用し得る可変焦点レンズの更に他の例を示す概略構成図である。
【図45】 図44に示した例に係る可変焦点レンズの状態説明図である。
【図46】 本発明を適用し得る光学特性可変光学素子の更に他の例であって、フォトニカル効果を用いた可変焦点レンズの概略構成図である。
【図47】 図46に示した可変焦点レンズに用いるアゾベンゼンの構造を示す説明図であり、(A)はトランス型、(B)はシス型を示している。
【図48】 本発明を適用し得る可変焦点レンズに用いる透明電極の一分割例を示す説明図である。
【図49】 本発明を適用し得る可変焦点レンズに用いる透明電極の他の分割例を示す説明図である。
【図50】 本発明を適用し得る可変焦点レンズに用いる透明電極のさらに他の分割例を示す説明図である。
【図51】 本発明を適用し得る可変焦点レンズに用いる透明電極のさらに他の分割例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 圧電制御基板
1´ 絶縁層
2 圧電制御電極
2´ 静電容量検出電極
3 電圧制御回路
4,7 外部リード電極
5 上部基板
6 反射面兼上部電極
6A 静電容量検出回路
6a 静電容量検出出力端
8 可撓性薄膜
9 電圧制御回路
9a 高圧電源
9b 駆動電源
9c リファレンス電圧源
10 変位量検出回路
10a 定電圧
10b 高周波電源
11 可変形状鏡
11a 薄膜(反射面)
11b,40,41 電極
11c 圧電素子
12,14 可変抵抗器
13 電源
15 電源スイッチ
16 演算装置
17 温度センサー
18 湿度センサー
19 距離センサー
20 対物レンズ
21 接眼レンズ
22,23 プリズム
24 ミラー
25,57 固体撮像素子
26 撮像レンズ
27 支持台
28 振れセンサー
29,32 駆動回路
30 永久磁石
31 コイル
33,79 撮像ユニット
34 マイクロポンプ
35,90 流体
36 可変形状鏡
37 反射膜
38 液溜
39 振動板
42,43 弁
44,62,78 可変焦点レンズ
45,46,56,63,64,80 レンズ
45a,45b,46a,46b レンズ面
47,48,65,66,84 透明電極
49 高分子分散液晶層
50 スイッチ
51 交流電源
52,70 液晶分子
53 高分子セル
54 可変抵抗器
55 絞り
58 可変焦点回折光学素子
59,60,72,73,75,76,91,93 透明基板
61 可変焦点眼鏡
67,68 配向膜
69 ツイストネマティック液晶層
71 可変偏角プリズム
74 可変焦点ミラー
77 反射膜
81 透明部材
82 透明物質
83 流体又はゼリー状物質
85 回路
86 シリンダー
87 支援部材
88 変形可能な部材
89 マイクロポンプ
92 弾性体
94 圧電材料
94A,94B 薄板
95 透明で柔らかい基板
96 レンズ形状の透明基板
97 電歪材料
98,99 透明弾性体
100 アドベンゼン
101 スペーサー
102,103 紫外光源

Claims (3)

  1. 静電引力によって変形する反射面と上部電極を有する可撓性薄膜と、該可撓性薄膜に対向して配置された制御電極と静電容量検出電極を備えた可変形状鏡において、前記制御電極と前記静電容量検出電極とを兼用するとともに、前記反射面を変形させる定電圧に前記静電容量を検出するための高周波電圧を重畳することで、前記上部電極と前記静電容量検出電極との間の静電容量から前記反射面の変位を検出するように構成したことを特徴とする変位検出機能を備えた可変形状鏡。
  2. 前記反射面を変形させる定電圧に、前記反射面の機械的共振周波数よりも遥に高い周波数を有する前記静電容量を検出するための高周波電圧を重畳すると共に、前記上部電極の接地側に抵抗を接続して、該抵抗を介して流れる電流の位相と振幅から前記反射面の変位量を検出し得るようにしたことを特徴とする請求項1に記載の変位検出機能を備えた可変形状鏡。
  3. 前記の静電容量検出電極に前記反射面の機械的共振周波数よりも遥に高い周波数の高周波電圧を印加すると共に、前記上部電極の接地側に抵抗を接続して、該抵抗を介して流れる電流の位相と振幅から前記反射面の変位量を検出し得るようにしたことを特徴とする請求項1に記載の変位検出機能を備えた可変形状鏡。
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