JP4307783B2 - レンズ鏡胴 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばレンズ鏡胴に関し、詳しくはミラーを介して光路が屈曲された屈曲光学系のレンズ鏡胴において、例えば、該ミラーの反射面を静電力によって凹面変形させ、該ミラーの屈折力を変化させることによりAF(オートフォーカス機能を達成させるなど、該ミラーによってAF(オートフォーカス)を機能させるズームレンズあるいは単焦点光学系の鏡胴等に関する。さらに詳しくは、可変焦点レンズ、可変焦点回折光学素子、可変偏角プリズム、可変焦点ミラー等の光学特性可変光学素子、及びこれらの光学特性可変光学素子を含む光学系を備えた、例えば眼鏡、ビデオプロジェクター、デジタルカメラ、テレビカメラ、内視鏡、望遠鏡、カメラのファインダー、光情報処理装置等の光学装置に用いるズームレンズ、あるいは単焦点光学系の鏡胴等に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の屈曲光学系においては、ズームに寄与する光学系保持鏡枠に、絞り、シャッタ開閉駆動部及びそれらを駆動させる駆動源を有する駆動部を共に保持する構造になっていたため、駆動源を有する駆動部からの電気信号等を不図示のカメラ電装本体部に送るためには、駆動源を有する駆動部と、不図示のカメラ本体電装部とを可撓性があり折れ曲がり可能なFPC等の電気回線で接続する必要があった。
また、従来のズーム光学保持鏡枠構造として、ズーム光学系保持鏡枠に、駆動源を有する駆動部と、光軸移動させるズーム駆動部とを搭載した構造が知られている。そして、ズーム駆動部と不図示のカメラ本体電装部との電気回線の接続は上記と同様に可撓性があり折れ曲がり可能なFPC等を用いた接続方法が採用されている。
【0003】
また、従来の光学系保持鏡枠は、駆動源を有するズーム、シャッタ及び絞りの駆動部、検出部が、固定枠部、ズーム光学系保持部にそれぞれ分離されて配置される構造になっていた。
【0004】
また、従来の可変ミラーを用いて光路を屈曲させた屈曲光学系では、シャッタ及び絞りを可変ミラーに隣接しかつ対面する位置に配置する構造に関し、光学系が屈曲するためのスペース上の制約から、絞り開閉機構は、ターレットタイプを採用している。また、従来の絞り機構として2枚羽根を採用したものも知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の屈曲光学系においては、ズーム光学系保持鏡枠部に搭載されたズーム、シャッタ及び絞りの駆動部(駆動源を有する駆動部と開閉駆動部。以下、同じ。)とカメラ本体電装部をフレキ等の伸縮自在の部材で連結する必要があったため、ズーム光学系を含む全体の鏡枠部、シャッタ及び絞り開閉駆動部、ズーム、シャッタ及び絞りの駆動源を有する駆動部を個別に組み立てることができず、スペース上、組み立てコスト面での不具合が大きかった。
また、鏡枠組み立て時に上記開閉駆動部、駆動源を有する駆動部を鏡枠部に組み込むため、組み込みの際の変形や位置ずれ等によって光学系の品質を損ないやすいという不具合があった。また、ズーム、シャッタ及び絞りの駆動源を有する駆動部を個別管理できず、組みあがり時の品質のみがチェック品質になるため、歩留まりが悪いという不具合があった。
【0006】
また、ズーム、シャッタ及び絞りの駆動部、それらの検出部が分離搭載される構造になっていて、電装部の集中実装ができないため、電気系としてまとめてチェックできないという品質管理上の不具合があり、更にスペース上も個別配置になることによる制約を受けやすく不利であった。
【0007】
更に、屈曲光学系のズームに寄与する光学系保持鏡枠部の可変ミラーに隣接しかつ対面する位置にシャッタ及び絞りを配置する構成において、スペース上の制約から絞り開閉機構として構成されたターレットタイプや2枚羽根機構では、絞り口径の無段階化や絞り口径の高精度化を達成することができなかった。
【0008】
そこで、本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、ズーム光学系を含む全体の鏡枠部、シャッタ及び絞り開閉駆動部、ズーム、シャッタ及び絞りの駆動源を有する駆動部を個別に組み立てることができ、スペース上、組み立てコスト面で有利とすることができ、また、電装部の集中実装ができ、スペース上、品質管理上有利とすることができ、更に、絞り口径の無段階化や絞り口径の高精度化を達成することができるレンズ鏡胴を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本第1の発明によるレンズ鏡胴は、ミラーを介して光路が被写体側と撮像素子側とに分離された屈曲光学系のレンズ鏡胴において、絞り羽根と絞り駆動部材を有する絞りと、シャッタ羽根とシャッタ駆動部材を有するシャッタと、前記屈曲光学系のうちの一部の光学系を駆動する光学系駆動部材を有し、前記一部の光学系は、前記ミラーと前記撮像素子の間に配置され、前記絞り羽根及び前記シャッタ羽根は、前記一部の光学系に配置され、前記一部の光学系前記シャッタ羽根及び前記絞り羽根を駆動させる駆動源を有する駆動部を、一つのユニットとして固定部に配置し、前記駆動部は、前記ミラーを挟んで前記一部の光学系と対向する位置に配置され、前記絞り羽根、前記シャッタ羽根及び前記一部の光学系は、前記各駆動部材を介して前記各駆動源と接続されていることを特徴とする。
【0010】
また、本第2の発明によるレンズ鏡胴は、前記一部の光学系を保持する鏡枠と、前記シャッタ羽根及び前記絞り羽根保持するシャッタ絞り基板を有し、前記鏡枠と前記シャッタ絞り基板を、前記各駆動部材を介して前記固定部に対して機械的に接続させるように構成したことを特徴とする。
【0011】
また、本第3の発明によるレンズ鏡胴は、前記シャッタ羽根は虹彩タイプであり、前記シャッタ絞り基板を、前記一部の光学系を構成するレンズのうち前記ミラーに最も近接するレンズの前記ミラーに対面する位置に配置したことを特徴とする。
【0012】
また、本第4の発明によるズームレンズ鏡胴は、前記ミラーが可変ミラーであることを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
実施形態の説明に先立ち、本発明の作用効果を説明する。
本発明のレンズ鏡胴によれば、駆動源を有するズーム、シャッタ、絞りの駆動部とその検出部を一つのユニットとして固定部に配置したので、固定部上で該駆動部、検出部を電気回線で結合させるだけで足り、従来のように光軸を移動させるズーム光学系保持部材や折り曲げ可能なFPC等で結線する必要がなく、駆動部と被駆動部とを機械的に接続させるだけで、個別に組み立て及び管理することができ、従来のようなスペース上、組み立てコスト面での不具合を解消でき、歩留まりが向上する。
【0014】
また、駆動源を有するズーム、シャッタ及び絞りの駆動部とそれらの検出部とを一つのユニットとして基盤にまとめて配置することにより、電気系としてまとめてチェックでき品質管理しやすくなり、更に、スペース上の制約を受けににくくすることができる。
【0015】
また、屈曲光学系の可変ミラーに隣接したスペースにシャッタ及び絞りを配置し、絞り羽根を3枚以上にすることにより、従来のターレット絞り機構タイプと比べて絞り口径を無段階化でき、また、2枚羽根のものに比べて口径の精度を向上させることができる。
【0016】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
図1、図2は本発明の一実施形態にかかるレンズ鏡胴におけるレンズ群を構成する光学部材の配置を示す構成図であり、図1は望遠(長焦点)時、図2は広角(短焦点)時の状態を示している。
本実施形態のレンズ鏡胴に用いるズーム光学系は、被写体側より順に、レンズL1を備えた第1群G1と、可変ミラーMと、レンズL2〜L5を備えた第2群G2と、レンズL6とフィルタF1〜F3とを備えた第3群G3と、撮像素子として用いたCCDとを有して構成されている。なお、図1、2中、C11はCCD面である。また、図1、2では、可変ミラーMは反射面M11を備える可変ミラー構成部材M1のみ示し、その他の可変ミラー構成部材は省略して示すこととする。
そして、本実施形態のズーム光学系では、第1群G1を経た被写体側光路からの光が可変ミラーMの反射面M11で反射して、撮像素子側光路に屈曲され、第2群G2、第3群G3を経てCCD面C11で結像するようになっている。また、第2群G2が、光軸に沿って移動することによりズームを行なうように構成されている。
【0017】
また、本実施形態のズーム光学系では、可変ミラーMの反射面M11の形状を変形させることで物体距離が変った場合のピント合わせとズームに伴うピント移動を補償するように構成されており、モータでピント合わせを行なう場合より消費電力を小さくできるメリットがある。また、可変ミラーMの反射面M11の形状は自由曲面にすると光学系の収差補正上有利である。また、第1群G1は凹レンズを含んでおり、凹作用を持っている。第2群G2は凸レンズを含んでおり、凸作用を持っている。
【0018】
さらに、本実施例のズームレンズ鏡胴では、第2群のレンズL2と可変ミラーMに対面する位置にシャッタ羽根SH1及び絞り羽根SE1が配置されている。
【0019】
図3は本実施形態のレンズ鏡胴の各構成部材を組み込んだ状態の全体構成を示す正面図、図4は図3のレンズ鏡胴を上方からみた図であり、それぞれ、シャッタ駆動部材とシャッタ被駆動部材との係合状態、絞り駆動部材と絞り被駆動部材との係合状態、及びシャッタ、絞りが開閉したときの状態を示している。なお、ここでは、概略構成を述べ、詳細については後述することとする。
本実施形態のレンズ鏡胴では、鏡枠基盤K4に、可変ミラー構成部材M1,M2,M3と、1群枠K1とを具備するとともに、ロッドK5を介して、2群枠K2と、3群枠K3と、CCD枠C2と、CCD保持枠C12を保持して鏡枠部組構造が構成されている。
【0020】
また、可変ミラーMの背部(入射側とは反対側)には、ズームモータZM1、シャッタモータSHM1及び絞りモータSEM1が配置され、それぞれギアトレイン部及びモータ部をまとめてモータカバー及びギアカバー(図3において不図示)に収納されており、これらモータカバー及びギアカバーが駆動基板KB1に搭載されており、これらのモータZM1,SHM1,SEM1と駆動基板KB1及びそれらのギアトレイン部とで、駆動部を有する駆動部ユニットを構成している。駆動部ユニットは、駆動基板KB1を介して鏡枠基盤K4に固定されている。
【0021】
また、図4に示すように、シャッタ・絞り基盤SE5には、シャッタ部材(シャッタ駆動部材SH5、シャッタ被駆動部材SH2)及び絞り部材(絞り駆動部材SE4、絞り被駆動部材SE3)が搭載されている。そして、これらでシャッタ羽根SH1、絞り羽根SE1の開閉駆動部を収納したユニットを構成している。このシャッタ及び絞りユニットは、シャッタ・絞り基盤SE5を介して2群枠K2に固定されている。
【0022】
以下、図3,4で示した各構成部材の詳細な構成について説明する。
図5〜図11は本実施形態のレンズ鏡胴に組み込まれているシャッタ駆動機構を示す図であり、図5は望遠(長焦点)時におけるシャッタが開いた状態を図3と同じ側からみた図、図6は広角(短焦点)時におけるシャッタが閉じた状態を図3と同じ側からみた図、図7は図5の右側面図、図8はシャッタが開いたときのシャッタ羽根部の状態を示す上面図、図9は図8の主にシャッタ羽根を示す図、図10は図8の下面図、図11はシャッタが閉じたときのシャッタ羽根部の状態を示す上面図である。
【0023】
本実施形態のシャッタ駆動機構では、図5〜図7に示すように、シャッタモータSHM1が、ギアトレインSHM11,SHM21,SHM31,SHM32を介してシャッタ駆動部材SH5のラックギア係合部SH51に係合している。
シャッタ駆動部材SH5には、ガイド穴SH52が設けられている。そして、シャッタ駆動部材SH5は、駆動基板KB1に固定された2つのガイドピンGK11を介してガイド穴SH52の長手方向に沿って往復移動可能に構成されている。
【0024】
シャッタ被駆動部材SH2は、図7に示すように、シャッタ基盤SH3の突起嵌合部SH301に回動可能に嵌合されている。また、ワッシャSH201がシャッタ被駆動部材SH2が突起嵌合部SH301から外れないように突起嵌合部に取り付けられている。
そして、シャッタ羽根部は、シャッタ基盤SH3の突起嵌合部SH301に回動可能に嵌合されたシャッタ被駆動部材SH2が突起嵌合部SH301の周囲を回動することによってシャッタ羽根SH1を光軸に対し垂直方向に回動させることによってシャッタを開閉させるようになっている。
また、シャッタ被駆動部材SH2は、シャッタばねSH31によって閉じ方向に付勢され、シャッタ被駆動部材係合部SH21が、シャッタ駆動部材SH5のシャッタ駆動部材係合部SH53と係合している。
【0025】
シャッタ羽根SH1は、2枚設けられており、それぞれシャッタ羽根穴SH11を介してシャッタ基盤SH3のシャッタ羽根突起嵌合部SH32に回動可能に嵌合されている。また、シャッタ羽根カム穴SH122が、シャッタ被駆動部材SH2のシャッタ羽根係合突起SH22と係合している。
また、シャッタカバーSH4が、シャッタ羽根SH1をシャッタ基盤SH3とで挟むようにしてシャッタ・絞りユニット固定ビスSE52を介してシャッタ基盤SH3に固着されており、シャッタ羽根SH1をシャッタ羽根突起嵌合部SH32から外れないように抑えている。
そして、2枚のシャッタ羽根SH1は、シャッタ基盤SH3のシャッタ羽根突起嵌合部SH32に嵌合したシャッタ羽根穴SH11を中心として回動させられたときに、シャッタ被駆動部材SH2のシャッタ羽根係合突起SH22とシャッタ羽根カム穴SH12にガイドされて、光軸に対し垂直方向に回動して光路を開き(図8、9)、あるいは閉じる(図11)ようになっている。
【0026】
そして、このように構成された本実施形態のシャッタ駆動機構では、シャッタ駆動部材SH5が、シャッタモータSHM1の回動によってガイド穴SH52の長手方向に往復移動し、シャッタ駆動部材係合部SH53を介してシャッタ被駆動部材係合部SH21との係合状態を変化させて図7に示すシャッタ被駆動部材SH2を駆動させることによって図9、11に示すシャッタ羽根SH1を光軸に対し垂直方向に回動させてシャッタを開閉する。なお、図5のシャッタ駆動部材SH5及びシャッタ被駆動部材係合部SH21はシャッタが開いたときの位置、図6のシャッタ駆動部材SH5はシャッタが閉じたときの位置にある。
【0027】
図12〜図18は本実施形態のレンズ鏡胴に組み込まれている絞り機構を示す図であり、図12は望遠(長焦点)時における絞り状態を図3と同じ側からみた図、図13は広角(短焦点)時における絞り状態を図3と同じ側からみた図、図14は図12の絞り部を主に示す右側面図、図15は絞りを開いたときの絞り羽根部の状態を示す上面図、図16は絞りを閉じたときの絞り羽根部の状態を示す上面図、図17は絞りを開いたときの絞り羽根部の状態を示す下面図、図18は絞りを閉じたときの絞り羽根部の状態を示す下面図である。
【0028】
本実施形態の絞り駆動機構では、図12〜図14に示すように、絞りモータSEM1が、ギアトレインSEM11,SEM21,SEM22,SEM31を介して絞り駆動部材SE4のラックギア係合部SE41に係合している。
絞り駆動部材SE4には、ガイド穴SE42が設けられている。そして、絞り駆動部材SE4は、駆動基板KB1に固定された2つのガイドピンGK12を介してガイド穴SE42の長手方向に沿って往復移動可能に構成されている。
【0029】
図14に示すように、絞りモータSEM1には、回転方向に放射状に細分化された切り欠き部(不図示)を有する絞り検出板SEM121が設けられている。また、絞りモータSEM1には、絞り検出板SE121の軌道上に、絞り検出部としてフォトインタラプタSEM4が搭載されており、絞りモータSEM1の回転を検出制御することで細分化された絞り口径を制御することができるようになっている。
【0030】
絞り基盤SE2は、2群枠K2に固着されたシャッタ・絞り基盤SE5に搭載されている。
絞り基盤SE2の内周には、絞り被駆動部材SE3が回動可能に嵌合されている。絞り被駆動部材SE3には、図18に示すように、パッチン部材SE34が絞り基盤SE2の内周に設けられた溝SE22に嵌合されている。パッチン部材SE34は、パッチン回転止めSE341を介して絞り基盤SE2に対し固定されている。また、絞り被駆動部材SE3には、パッチンバネ受けSE35がパッチン部材SE34を抑えるようにしてカシメ固着されている。
また、絞り被駆動部材SE3には、図14に示すように、絞り被駆動ピンSE31が嵌合穴SE30に挿入固着されて設けられており、絞り被駆動ピンSE31は、図15に示すように、絞り駆動部材SE4の絞り駆動部材係合部SE43と係合している。また、絞り被駆動部材SE3は、図13、17に示すように、絞りばね受けSE32と絞りばねSE33とパッチンバネ受けSE35とを介して、絞り羽根SE1を閉じる方向(図15、16において左回転方向)に付勢されている。
【0031】
絞り羽根SE1は、図15、図16に示すように、3枚設けられており、それぞれ絞り羽根穴SE11を介して絞り基盤SE2の絞り羽根突起嵌合部SE21に回動可能に嵌合されている。また、絞り羽根カム穴SE12が、絞り被駆動部材SE3の絞り羽根係合突起SE301と係合している。
そして、3枚の絞り羽根SE1は、絞り基盤SE2の絞り羽根突起嵌合部SE21に嵌合した絞り羽根穴SE11を中心として回動させられたときに、絞り被駆動部材SE3の絞り羽根係合突起SE301と絞り羽根カム穴SE12にガイドされて、光軸に対し垂直方向に回動して光路を開き(図15)、あるいは閉じる(図16)ようになっている。
【0032】
そして、このように構成された本実施形態の絞り駆動機構では、絞り駆動部材SE4が、絞りモータSEM1の回動によってガイド穴SE42の長手方向に往復移動し、絞り駆動部材係合部SE43を介して絞り被駆動ピンSE31との係合状態を変化させて絞り被駆動部材SE3を光軸を中心に回動させることによって絞り羽根SE1を光軸に対し垂直方向に回動させて絞りを開閉する。
【0033】
図19〜図22は本実施形態のレンズ鏡胴に組み込まれているズーム駆動機構を示す図であり、図19は望遠(長焦点)時におけるズーム駆動状態を図3と同じ側からみた図、図20は広角(短焦点)時におけるズーム駆動状態を図3と同じ側からみた図、図21は図19の右側面図、図22はズーム駆動機構の下面図である。
【0034】
本実施形態のズーム駆動機構では、図19〜図21に示すように、ズームモータZM1が、ギアトレインZM11,ZM21,ZM22,ZM31,ZM32,ZM41を介してズーム駆動部材Z1のラックギア係合部Z11に係合している。
ズーム駆動部材Z1には、ズーム駆動部材ラック穴Z112が可変ミラーMの反射面M11〜第3群G3を通る光軸に沿う方向に細長く設けられている。そして、ズーム駆動部材Z1は、駆動基板KB1に固定された2つのガイドピンGK13を介してズーム駆動部材ラック穴Z112に嵌合され、その長手方向に沿って往復移動可能に構成されている。
また、ズーム駆動部材Z1には、ズーム駆動部材組み立て穴Z13及びズーム駆動部材カム穴Z12が設けられている。ズーム駆動部材カム穴Z12には、ズーム駆動部材組み立て穴Z13から挿し込み、図21、22に示す2群枠穴K201に固着されたズーム被駆動部材である2群枠被駆動ピンK21が嵌合している。そして、2群枠被駆動ピンK21を介して、ズーム駆動部材Z1の光軸に沿う方向への移動に2群枠K2が連動するように構成されている。
【0035】
ズームモータZM1には、図21に示すように、回転方向に細分化された切り欠き部(不図示)を有するズーム検出板ZM121が設けられている。
また、ズームモータZM1には、ズーム検出板ZM121の軌道上に、ズーム検出フォトインタラプタZM5が備えられており、ズームモータZM1の回転を検出制御することで焦点位置を制御することができるようになっている。
【0036】
そして、このように構成された本実施形態のズーム駆動機構では、2群枠K2が、ズームモータZM1の回動によって、ズーム駆動部材Z1に設けられたズーム駆動部材組み立て穴Z13に係合する2群枠被駆動ピンK2を介して2群枠K2を光軸方向に沿って往復移動させ、その際にズーム検出フォトインタラプタZM5を介して所望のズーム位置に第2群枠K2内のレンズL2〜L5を移動制御する。
なお、本実施形態においては、第2群G2をモータを用いて動かす構成としたが、モータでなく手動で動かしてもよい。手動にした場合には、消費電力を小さくすることができるというメリットがある。
【0037】
図23、24は本実施形態のレンズ鏡胴におけるレンズ枠の位置関係を示す図であり、図23は望遠(長焦点)時におけるレンズ枠の位置関係を図3と同じ側からみた図、図24は広角(短焦点)時におけるレンズ枠の位置関係を図3と同じ側からみた図である。図25は1群枠K1の鏡枠基盤K4への固定状態を示す右側面図である。図26は鏡枠基盤K4と2群枠K2に対するロッドK5、スリーブK22の位置関係を示す下面図である。
【0038】
鏡枠基盤K4には、ロッド受けK41がカシメ固着されている。ロッド受けK41には、ロッドK5が嵌め込まれ、その一端部K51が固着されている。
2群枠K2には、スリーブK22が固着されている。ロッドK5は、スリーブK22に精密嵌合されており、2群枠K2が光軸方向に沿って移動可能に構成されている。
また、ロッドK5の他端部K52は、3群枠K3の嵌合穴K31に固着され、さらにその先端がCCD枠C2のロッド受けC21に固着されている。
CCD枠C2には、3群枠K3とCCD保持枠C12が嵌合固定されている。
そして、2群枠K2は、図19〜21に示すズームモータZM1の回動によって、ズーム駆動部材Z1に設けられたズーム駆動部材組み立て穴Z13に係合する2群枠被駆動ピンK21を介して光軸方向への力が加えられたときに、ロッドK5に沿って往復移動する。
すなわち、本実施形態のレンズ鏡胴では、ズームを第2群G2の移動のみにより行っている。
なお、本実施形態とは異なり、ズームのために第2群G2を手動で動かすように構成する場合には、第2群G2を構成するレンズの位置を検出するためのエンコーダを設けるとよい。エンコーダで検出した第2群G2を構成するレンズの位置を基にして可変ミラーMを最適な形状に変形させることでズーム状態の収差とピント移動を補償することができる。
また、本実施形態のように、第2群G2を電動で動かすように構成する場合でも、同様に第2群G2を構成するレンズの位置を検出するためのエンコーダを設け、可変ミラーMを最適な形状にすればよい。
【0039】
なお、1群枠K1は、図23、25に示すように、鏡枠基板K4に、固定ビスK11を介して取り付けられている。
【0040】
図27〜図30は本実施形態のズームレンズ鏡胴におけるズームモータZM1、シャッタモータSHM1及び絞りモータSEM1のギアトレイン部を収納し、駆動基板KB1に固定するギアカバーの構造を示す図であり、図27は図3と同じ側からみた図、図28は図27の右側面図、図29は図27の上面図、図30は図27の左側面図である。
ズームモータZM1のギアトレインSHM11,SHM21,SHM31,SHM32、シャッタモータSHM1のギアトレインSEM11,SEM21,SEM22,SEM31及び絞りモータSEM1のギアトレインギアトレインZM11,ZM21,ZM22,ZM31,ZM32,ZM41を構成するそれぞれのギアSHM11,SHM2,SHM3,SEM11,SEM2,SEM3,ZM11,ZM2,ZM3,ZM4は、それぞれの中心を通る軸の一端を駆動基板KB1の所定位置にそれぞれ設けられた穴に嵌め込み、他端をギアカバーZK1の所定位置にそれぞれ設けられた穴に嵌め込み、さらに、ギアカバーZK1をギアカバー固定ビスKB12を介して駆動基板KB1に固定することで、ギアカバーZK1に収納され、かつ、駆動基板KB1に対して回動可能に位置が固定されている。また、駆動基板KB1は、駆動基板固定ビスKB14を介して鏡枠基盤K4に固定されている。
【0041】
図31〜図33は本実施形態のズームレンズ鏡胴におけるモータ部を収納し、駆動基板KB1に固定する構造を示す図であり、図31は図3と同じ側からみた図、図32は図31の右側面図、図33は図31の左側面図である。
ズームモータZM1、シャッタモータSHM1及び絞りモータSEM1は、それぞれモータカバーZK2の所定箇所に収納され、さらに、モータカバーZK2を2つのモータカバー固定ビスKB13を介して駆動基板KB1に固定することで、駆動基板KB1に対して位置が固定されている。
また、絞りモータSEM1のフォトインタラプタSEM4は、2つの取り付け穴SEM41をモータカバーZK2に設けられた2つのモータカバーボスZK21に嵌合してモータカバーZK2に固着されている。
また、ズームモータZM1のフォトインタラプタZM5は2つの取り付け穴ZM51をモータカバーZK2に設けられた2つのモータカバーボスZK22に嵌合してモータカバーZK2に固着されている。
【0042】
図34〜図43は本実施形態のレンズ鏡胴に用いる可変ミラー構成部材M1,M2,M3をユニットとして可変ミラー保持部M4に保持する構造と該可変ミラー保持部M4及びミラーケースM5を鏡枠基盤K4に保持する構造を示す図であり、図34は可変ミラー保持部M4を図3と同じ側から見た図、図35は図34の右側面図、図36は図34の上面図、図37は図34の左側面図、図38は図34の下面図、図39は可変ミラー保持部M4に取り付けたミラーケースM5を図3と同じ側から見た図、図40は図39の右側面図、図41は図39の上面図、図42は図39の左側面図、図43は図39の下面図である。
可変ミラー構成部材M1,M2,M3を可変ミラー保持部M4に収納し、次いで、可変ミラー保持部M4に設けられた4つの取り付け穴M41,M42にミラーケースM5に設けられた4つのミラーケースボスM51,M52を挿入し固着することよって、可変ミラーMをミラーケースに収納した一つのユニットが構成されている。
また、可変ミラー保持部M4が、上端部が2つのミラーケース固定ビスK42を介して鏡枠基盤K4に固着されるとともに、下端部に形成された2つのミラー保持部ボスM43が鏡枠基板K4の取り付け穴K43に挿入、固着されており、可変ミラーユニットは、鏡枠基板K4に固定されている。
【0043】
図44〜47は本実施形態のズームレンズ鏡胴におけるシャッタ・絞りユニットを示す図であり、図44はシャッタ・絞りユニットを固定する構造と2群枠K2への固着構造を示す図3と同じ側から見た図、図45はシャッタ・絞りユニットを示す図44の右側面図、図46は図44の上面図、図47は図44の下面図である。
シャッタカバーSH4、シャッタ基盤SH3及び絞り基盤SE2は、2つのシャッタ・絞りユニット固定ビスSE52を介してシャッタ・絞り基盤SE5に一体的に固定され、シャッタ・絞りユニットとして構成されている。
シャッタ・絞りユニットは、シャッタ・絞り基盤SE5に設けられた4つのシャッタ・絞り基盤ボスSE51を2群枠K2に設けられた4つの取り付け穴K201に挿入し固着することによって、2群枠K2に固定されている。
【0044】
その他、CCD部は、内部にCCDを装備したCCD保持枠C12と、図示を省略した、放熱板と、CCD基盤と、CCD基盤に実装されたCCD電装部品とを備えている。なお、CCDの向きは、光軸に垂直であるとともにCCDの撮像エリアの短辺方向が例えば図3の紙面に平行になるようにすると、光学系の収差を減らすことができてよい。つまり、撮像素子の撮像エリアの短辺方向が可変ミラーへ入射する軸上光線の入射面に平行であればよい。また、CDDの代わりにC−MOS等の固体撮像素子を用いてもよい。
また、デジタルカメラ,TVカメラのデザイン面を考慮して、CCDの撮像エリアの長辺方向が図3の紙面に平行にしてももちろんよい。例えば、ストロボの配置を考えると、撮像素子の撮像エリアの長辺方向が可変ミラーへ入射する軸上光線の入射面に平行である方がよい。
【0045】
このように構成された本実施形態のレンズ鏡胴によれば、レンズ鏡枠を構成する1群枠K1、2群枠K2、3群枠K3、ロッドK5、CCD保持枠C12、ミラー保持部M4を鏡枠基盤K4に搭載し、さらにそれとは別に、モータ類(ZM1,SHM1,SEM1)、ギアトレイン類(ZM2等,SHM2等,SEM2等)及びシャッタ、絞り、ズーム駆動部材類(SH5,SE4,Z1)を駆動基板KB01にそれぞれ分離搭載して、鏡枠部からこれら駆動部材を電気回線で接続しないで構成できる。このため、本実施形態のレンズ鏡胴によれば、従来のレンズ鏡胴のような鏡枠内でのFPC等の伸び縮みによるスペース上の不利や、内面反射等の品質上の不利を解消することができる。
【0046】
また、本実施形態のレンズ鏡胴によれば、シャッタ、絞り、ズーム駆動部材類(SH5,SE4,Z1)を駆動基板KB01に搭載して、鏡枠基盤K4には直接組み込まないようにしたので、従来のレンズ鏡胴のような鏡枠内にモータやFPC等の光学系を構成しない部材の組み込み変形や位置ずれ等による光学系の品質を損なうことがなくなる。
【0047】
また、本実施形態のレンズ鏡胴によれば、駆動部が鏡枠部と分離しているため、最終的な全体の組み上がりを待つことなく、それぞれ単独で鏡枠治具や駆動治具を介して個別に検査できる。このため、歩留まりが向上し生産コスト面で有利となる。
【0048】
また、本実施形態のレンズ鏡胴によれば、鏡枠基盤K4に対し、1群枠K1、ミラー保持部M4及びロッドK5に支持される鏡枠(K2,K3等)をそれぞれ分離して組み立てることができるようにしたので、それぞれの構成部材を多数種類標準化して揃えておき、目的に応じて組み合せることができる。
また、本実施形態のレンズ鏡胴によれば、鏡枠部と駆動部をそれぞれ別箇に組み立てて調整すればよく、鏡枠部と駆動部との組み込み時に調整が不要となる。
【0049】
また、本実施形態のレンズ鏡胴によれば、モータ等の駆動部材を1つのユニットとして構成したので、電装系を1箇所に集中して収納して、標準化することができ、電気系としてまとめて管理検査できる。また、ユニット化したことに伴い、自動組み立てやすくなる。
【0050】
また、本実施形態のレンズ鏡胴によれば、可変ミラーM1に隣接、対面しズーム駆動する2群枠にシャッタ及び絞りをユニットで配置し、絞りを3枚羽根の虹彩タイプで構成したので、従来のレンズ鏡胴に設けられていたターレットタイプの絞りに比べて、無段階の絞り口径を得ることができる。
また、2枚羽根の絞りに比べて精度の良い口径比を得ることができる。
また、シャッタ及び絞りをユニットとして構成したことにより標準化を図ることができる。
【0051】
以上の本発明の実施形態では、1つのレンズ群のみが移動するズーム光学系の例を示したが、2つ以上のレンズ群が移動するズームレンズにも本発明は適用できる。
また、以上の実施形態では、可変ミラーを1つ含む光学系の例を示したが、可変ミラーを2つ以上含むズーム光学系にも本発明は適用できる。
また、ズーム光学系に限らず、単焦点の光学系にも本発明は適用できる。
【0052】
図48は本発明のズームレンズ鏡胴に適用可能なズームレンズ鏡枠部の光学部材の他の例を示す概略構成図である。
本実施例のズームレンズ鏡枠11は、可変ミラー12を介して物体距離の変動に伴うピントのズレを補正し、変倍レンズ13とコンペンセータ14を光軸に沿って動かすことによって、ズームを行なうように構成されている。
可変ミラー12は、位置を固定された凹レンズ16とレンズ17とに挟まれており、変倍レンズ13が動いてもゴミ等が可変ミラー12の表面に落ちないように構成されている。
【0053】
絞り18と、シャッタ19は、レンズ16のすぐ後方に配置されており、絞り18と、シャッタ19が動いてもゴミ等が可変ミラー12の表面に落ちないように構成されている。
レンズ20は、非球面レンズでもって、近点フォーカス時においても像面歪曲が生じないように構成され、位置を固定されている。
なお、絞り18と、シャッタ19は、変倍レンズ13とともに動いてもよく、或いは、動かないように固定されていてもよい。なお、図中、15は固体撮像素子である。
【0054】
次に、本発明のズームレンズ鏡胴を用いるズーム光学系に適用可能な可変ミラー、可変焦点レンズの構成例について説明する。
【0055】
図49は本発明のズームレンズ鏡胴を用いるズーム光学系に適用可能な可変ミラーとして光学特性可変ミラーを用いたデジタルカメラのケプラー式ファインダーの概略構成図である。本実施例の構成は、もちろん、銀塩フィルムカメラにも使うことができる。まず、光学特性可変形状鏡409について説明する。
【0056】
光学特性可変形状鏡409は、アルミコーティング等で作られた薄膜(反射面)409aと複数の電極409bからなる光学特性可変形状鏡(以下、単に可変形状鏡と言う。)であり、411は各電極409bにそれぞれ接続された複数の可変抵抗器、412は可変抵抗器411と電源スイッチ413を介して電極409kと電極409b間に接続された電源、414は複数の可変抵抗器411の抵抗値を制御するための演算装置、415,416及び417はそれぞれ演算装置414に接続された温度センサー、湿度センサー及び距離センサーで、これらは図示のように配設されて1つの光学装置を構成している。
【0057】
なお、対物レンズ902、接眼レンズ901、及び、プリズム404、二等辺直角プリズム405、ミラー406及び可変形状鏡の各面は、平面でなくてもよく、球面、回転対称非球面の他、光軸に対して偏心した球面、平面、回転対称非球面、あるいは、対称面を有する非球面、対称面を1つだけ有する非球面、対称面のない非球面、自由曲面、微分不可能な点又は線を有する面等、いかなる形状をしていてもよく、さらに、反射面でも屈折面でも光に何らかの影響を与え得る面ならばよい。以下、これらの面を総称して拡張曲面という。
【0058】
また、薄膜409aは、例えば、P.Rai-choudhury編、Handbook of MichrolithoGraphy, MichromachininG and Michrofabrication, Volume 2:MichromachininG and Michrofabrication,P495,FiG.8.58, SPIE PRESS刊やOptics Communication, 140巻(1997年)P187〜190に記載されているメンブレインミラーのように、複数の電極409bと電極409kの間に電圧が印加されると、静電気力により薄膜409aが変形してその面形状が変化するようになっており、これにより、観察者の視度に合わせたピント調整ができるだけでなく、さらに、レンズ901,902及び/又はプリズム404、二等辺直角プリズム405、ミラー406の温度や湿度変化による変形や屈折率の変化、あるいは、レンズ枠の伸縮や変形及び光学素子、枠等の部品の組立誤差による結像性能の低下が抑制され、常に適正にピント調整並びにピント調整で生じた収差の補正が行われ得る。
なお、電極409bの形は、例えば図51、52に示すように、薄膜409aの変形のさせ方に応じて選べばよい。
【0059】
本実施例によれば、物体からの光は、対物レンズ902及びプリズム404の各入射面と射出面で屈折され、可変形状鏡409で反射され、プリズム404を透過して、二等辺直角プリズム405でさらに反射され(図49中、光路中の+印は、紙面の裏側へ向かって光線が進むことを示している。)、ミラー406で反射され、接眼レンズ901を介して眼に入射するようになっている。このように、レンズ901,902、プリズム404,405、及び、可変形状鏡409によって、本実施例の光学装置の観察光学系を構成しており、これらの各光学素子の面形状と肉厚を最適化することにより、物体面の収差を最小にすることができるようになっている。
【0060】
すなわち、反射面としての薄膜409aの形状は、結像性能が最適になるように演算装置414からの信号により各可変抵抗器411の抵抗値を変化させることにより制御される。すなわち、演算装置414へ、温度センサー415、湿度センサー416及び距離サンサー417から周囲温度及び湿度並びに物体までの距離に応じた大きさの信号が入力され、演算装置414は、これらの入力信号に基づき周囲の温度及び湿度条件と物体までの距離による結像性能の低下を補償すべく、薄膜409aの形状が決定されるような電圧を電極409bに印加するように、可変抵抗器411の抵抗値を決定するための信号を出力する。このように、薄膜409aは電極409bに印加される電圧すなわち静電気力で変形させられるため、その形状は状況により非球面を含む様々な形状をとり、印加される電圧の極性を変えれば凸面とすることもできる。なお、距離センサー417はなくてもよく、その場合、固体撮像素子408からの像の信号の高周波成分が略最大になるように、デジタルカメラの撮像レンズ403を動かし、その位置から逆に物体距離を算出し、可変形状鏡を変形させて観察者の眼にピントが合うようにすればよい。なお、可変形状鏡409は、リソグラフィーを用いて作ると、加工精度が良く、良い品質のものが得られやすく、良い。
【0061】
また、変形する基板409jをポリイミド等の合成樹脂で製作すれば、低電圧でも大きな変形が可能であるので好都合である。なお、プリズム404と可変形状鏡409を一体的に形成してユニット化すると組み立て上便利である。
また、図49の例では、変形する基板409jをはさんで反射面409aと変形する電極409kを別に設けて一体化しているので、製造法がいくつか選べるメリットがある。また、反射面409aで変形する電極409kを兼ねるようにしても良い。両者が1つになるので、構造が簡単になるメリットがある。
【0062】
また、図示を省略したが、可変形状鏡409の基板上に固体撮像素子408をリソグラフィープロセスにより一体的に形成してもよい。
【0063】
また、レンズ901,902、プリズム404,405、ミラー406は、プラスチックモールド等で形成することにより任意の所望形状の曲面を容易に形成することができ、製作も簡単である。なお、本実施例の撮像装置では、レンズ901,902がプリズム404から離れて形成されているが、レンズ901,902を設けることなく収差を除去することができるようにプリズム404,405、ミラー406、可変形状鏡409を設計すれば、プリズム404,405、可変形状鏡409は1つの光学ブロックとなり、組立が容易となる。また、レンズ901,902、プリズム404,405、ミラー406の一部あるいは全部をガラスで作製してもよく、このように構成すれば、さらに精度の良い撮像装置が得られる。また、可変形状鏡の反射面の形状は、自由曲面に構成するのがよい。なぜなら、収差補正が容易にでき、有利だからである。
本発明で使用する自由曲面とは以下の式で定義されるものである。この定義式のZ軸が自由曲面の軸となる。
【0064】
Figure 0004307783
ここで、(a)式の第1項は球面項、第2項は自由曲面項である。Mは2以上の自然数である。
球面項中、
c:頂点の曲率
k:コーニック定数(円錐定数)
r=√(X2 +Y2
である。
【0065】
自由曲面項は、
Figure 0004307783
ただし、Cj (jは2以上の整数)は係数である。
上記自由曲面は、一般的には、X−Z面、Y−Z面共に対称面を持つことはないが、Xの奇数次項を全て0にすることによって、Y−Z面と平行な対称面が1つだけ存在する自由曲面となる。また、Yの奇数次項を全て0にすることによって、X−Z面と平行な対称面が1つだけ存在する自由曲面となる。
【0066】
なお、図49の例では、演算装置414、温度センサー415、湿度センサー416、距離センサー417を設け、温湿度変化、物体距離の変化等も可変形状鏡409で補償するようにしたが、そうではなくてもよい。つまり、演算装置414、温度センサー415、湿度センサー416、距離センサー417を省き、観察者の視度変化のみを可変形状鏡409で補正するようにしてもよい。
【0067】
図50は本発明のズームレンズ鏡胴を用いるズーム光学系にかかる可変ミラーとして適用可能な可変形状鏡409の他の実施例を示す概略構成図である。
本実施例の可変形状鏡は、薄膜409aと電極409bとの間に圧電素子409cが介装されていて、これらが支持台423上に設けられている。そして、圧電素子409cに加わる電圧を各電極409b毎に変えることにより、圧電素子409cに部分的に異なる伸縮を生じさせて、薄膜409aの形状を変えることができるようになっている。電極409bの形は、図51に示すように、同心分割であってもよいし、図52に示すように、矩形分割であってもよく、その他、適宜の形のものを選択することができる。図50中、424は演算装置414に接続された振れ(ブレ)センサーであって、例えばデジタルカメラの振れを検知し、振れによる像の乱れを補償するように薄膜409aを変形させるべく、演算装置414及び可変抵抗器411を介して電極409bに印加される電圧を変化させる。このとき、温度センサー415、湿度センサー416及び距離センサー417からの信号も同時に考慮され、ピント合わせ、温湿度補償等が行われる。この場合、薄膜409aには圧電素子409cの変形に伴う応力が加わるので、薄膜409aの厚さはある程度厚めに作られて相応の強度を持たせるようにするのがよい。
【0068】
図53は本発明のズームレンズ鏡胴を用いるズーム光学系にかかる可変ミラーとして適用可能な可変形状鏡409のさらに他の実施例を示す概略構成図である。
本実施例の可変形状鏡は、薄膜409aと電極409bの間に介置される圧電素子が逆方向の圧電特性を持つ材料で作られた2枚の圧電素子409c及び409c’で構成されている点で、図50に示された実施例の可変形状鏡とは異なる。すなわち、圧電素子409cと409c’が強誘電性結晶で作られているとすれば、結晶軸の向きが互いに逆になるように配置される。この場合、圧電素子409cと409c’は電圧が印加されると逆方向に伸縮するので、薄膜409aを変形させる力が図50に示した実施例の場合よりも強くなり、結果的にミラー表面の形を大きく変えることができるという利点がある。
【0069】
圧電素子409c,409c’に用いる材料としては、例えばチタン酸バリウム、ロッシエル塩、水晶、電気石、リン酸二水素カリウム(KDP)、リン酸二水素アンモニウム(ADP)、ニオブ酸リチウム等の圧電物質、同物質の多結晶体、同物質の結晶、PbZrO3とPbTiO3の固溶体の圧電セラミックス、二フッ化ポリビニール(PVDF)等の有機圧電物質、上記以外の強誘電体等があり、特に有機圧電物質はヤング率が小さく、低電圧でも大きな変形が可能であるので、好ましい。なお、これらの圧電素子を利用する場合、厚さを不均一にすれば、上記実施例において薄膜409aの形状を適切に変形させることも可能である。
【0070】
また、圧電素子409c,409c’の材質としては、ポリウレタン、シリコンゴム、アクリルエラストマー、PZT、PLZT、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等の高分子圧電体、シアン化ビニリデン共重合体、ビニリデンフルオライドとトリフルオロエチレンの共重合体等が用いられる。
圧電性を有する有機材料や、圧電性を有する合成樹脂、圧電性を有するエラストマー等を用いると可変形状鏡面の大きな変形が実現できてよい。
【0071】
なお、図50、54の圧電素子409cに電歪材料、例えば、アクリルエラストマー、シリコンゴム等を用いる場合には、圧電素子409cを別の基板409c−1と電歪材料409c−2を貼り合わせた構造にしてもよい。
【0072】
図54は本発明のズームレンズ鏡胴を用いるズーム光学系にかかる可変ミラーとして適用可能な可変形状鏡409のさらに他の実施例を示す概略構成図である。
本実施例の可変形状鏡は、圧電素子409cが薄膜409aと電極409dとにより挟持され、薄膜409aと電極409d間に演算装置414により制御される駆動回路425を介して電圧が印加されるようになっており、さらにこれとは別に、支持台423上に設けられた電極409bにも演算装置414により制御される駆動回路425を介して電圧が印加されるように構成されている。したがって、本実施例では、薄膜409aは電極409dとの間に印加される電圧と電極409bに印加される電圧による静電気力とにより二重に変形され得、上記実施例に示した何れのものよりもより多くの変形パターンが可能であり、かつ、応答性も速いという利点がある。
【0073】
そして、薄膜409a、電極409d間の電圧の符号を変えれば、可変形状鏡を凸面にも凹面にも変形させることができる。その場合、大きな変形を圧電効果で行ない、微細な形状変化を静電気力で行なってもよい。また、凸面の変形には圧電効果を主に用い、凹面の変形には静電気力を主に用いてもよい。なお、電極409dは電極409bのように複数の電極から構成されてもよい。この様子を図54に示した。なお、本願では、圧電効果と電歪効果、電歪をすべてまとめて圧電効果と述べている。従って、電歪材料も圧電材料に含むものとする。
【0074】
図55は本発明のズームレンズ鏡胴を用いるズーム光学系にかかる可変ミラーとして適用可能な可変形状鏡409のさらに他の実施例を示す概略構成図である。
本実施例の可変形状鏡は、電磁気力を利用して反射面の形状を変化させ得るようにしたもので、支持台423の内部底面上には永久磁石426が、頂面上には窒化シリコン又はポリイミド等からなる基板409eの周縁部が載置固定されており、基板409eの表面にはアルミニウム等の金属コートで作られた薄膜409aが付設されていて、可変形状鏡409を構成している。基板409eの下面には複数のコイル427が配設されており、これらのコイル427はそれぞれ駆動回路428を介して演算装置414に接続されている。したがって、各センサー415,416,417,424からの信号によって演算装置414において求められる光学系の変化に対応した演算装置414からの出力信号により、各駆動回路428から各コイル427にそれぞれ適当な電流が供給されると、永久磁石426との間に働く電磁気力で各コイル427は反発又は吸着され、基板409e及び薄膜409aを変形させる。
【0075】
この場合、各コイル427はそれぞれ異なる量の電流を流すようにすることもできる。また、コイル427は1個でもよいし、永久磁石426を基板409eに付設しコイル427を支持台423の内部底面側に設けるようにしてもよい。また、コイル427はリソグラフィー等の手法で作るとよく、さらに、コイル427には強磁性体よりなる鉄心を入れるようにしてもよい。
【0076】
この場合、薄膜コイル427の巻密度を、図56に示すように、場所によって変化させることにより、基板409e及び薄膜409aに所望の変形を与えるようにすることもできる。また、コイル427は1個でもよいし、また、これらのコイル427には強磁性体よりなる鉄心を挿入してもよい。
【0077】
図57は本発明のズームレンズ鏡胴を用いるズーム光学系にかかる可変ミラーとして適用可能な可変形状鏡409のさらに他の実施例を示す概略構成図である。
本実施例の可変形状鏡では、基板409eは鉄等の強磁性体で作られており、反射膜としての薄膜409aはアルミニウム等からなっている。この場合、薄膜コイルを設けなくてもすむから、構造が簡単で、製造コストを低減することができる。また、電源スイッチ413を切換え兼電源開閉用スイッチに置換すれば、コイル427に流れる電流の方向を変えることができ、基板409e及び薄膜409aの形状を自由に変えることができる。図58は本実施例におけるコイル427の配置を示し、図59はコイル427の他の配置例を示しているが、これらの配置は、図55に示した実施例にも適用することができる。なお、図60は、図55に示した実施例において、コイル427の配置を図59に示したようにした場合に適する永久磁石426の配置を示している。すなわち、図60に示すように、永久磁石426を放射状に配置すれば、図55に示した実施例に比べて、微妙な変形を基板409e及び薄膜409aに与えることができる。また、このように電磁気力を用いて基板409e及び薄膜409aを変形させる場合(図55及び図57の実施例)は、静電気力を用いた場合よりも低電圧で駆動できるという利点がある。
【0078】
以上いくつかの可変形状鏡の実施例を述べたが、ミラーの形を変形させるのに、図54の例に示すように、2種類以上の力を用いてもよい。つまり静電気力、電磁力、圧電効果、磁歪、流体の圧力、電場、磁場、温度変化、電磁波等のうちから2つ以上を同時に用いて可変形状鏡を変形させてもよい。つまり2つ以上の異なる駆動方法を用いて光学特性可変光学素子を作れば、大きな変形と微細な変形とを同時に実現でき、精度の良い鏡面が実現できる。
【0079】
図61は本発明のさらに他の実施例に係る、ズームレンズ鏡胴を用いるズーム光学系に適用可能な可変ミラーとして可変形状鏡409を用いた撮像系、例えば携帯電話のデジタルカメラ、カプセル内視鏡、電子内視鏡、パソコン用デジタルカメラ、PDA用デジタルカメラ等に用いられる撮像系の概略構成図である。
本実施例の撮像系は、可変形状鏡409と、レンズ902と、固体撮像素子408と、制御系103とで一つの撮像ユニット104を構成している。本実施例の撮像ユニット104では、レンズ102を通った物体からの光は可変形状鏡409で集光され、固体撮像素子408の上に結像する。可変形状鏡409は、光学特性可変光学素子の一種であり、可変焦点ミラーとも呼ばれている。
【0080】
本実施例によれば、物体距離が変わっても可変形状鏡409を変形させることでピント合わせをすることができ、レンズをモータ等で駆動する必要がなく、小型化、軽量化、低消費電力化の点で優れている。また、撮像ユニット104は本発明の撮像系としてすべての実施例で用いることができる。また、可変形状鏡409を複数用いることでズーム、変倍の撮像系、光学系を作ることができる。
なお、図61では、制御系103にコイルを用いたトランスの昇圧回路を含む制御系の構成例を示している。特に積層型圧電トランスを用いると、小型化できてよい。昇圧回路は本発明のすべての電気を用いる可変形状鏡、可変焦点レンズに用いることができるが、特に静電気力、圧電効果を用いる場合の可変形状鏡、可変焦点レンズに有用である。なお、可変形状鏡409でピント合わせを行なう為には、例えば固体撮像素子408に物体像を結像させ、可変形状鏡409の焦点距離を変化させながら物体像の高周波成分が最大になる状態を見つければよい。高周波成分を検出するには、固体撮像素子408にマイクロコンピュータ等を含む処理回路を接続し、その中で高周波成分を検出すればよい。
【0081】
図62は本発明のズームレンズ鏡胴を用いるズーム光学系に係る可変ミラーとして適用可能なさらに他の実施例に係る、マイクロポンプ180で流体161を出し入れし、ミラー面を変形させる可変形状鏡188の概略構成図である。本実施例によれば、ミラー面を大きく変形させることが可能になるというメリットがある。
マイクロポンプ180は、例えば、マイクロマシンの技術で作られた小型のポンプで、電力で動くように構成されている。
マイクロマシンの技術で作られたポンプの例としては、熱変形を利用したもの、圧電材料を用いたもの、静電気力を用いたものなどがある。
【0082】
図63は本発明のズームレンズ鏡胴を用いるズーム光学系の可変ミラーに適用可能なマイクロポンプの一実施例を示す概略構成図である。本実施例のマイクロポンプ180では、振動板181は静電気力、圧電効果等の電気力により振動する。図63では静電気力により振動する例を示しており、図63中、182,183は電極である。また、点線は変形した時の振動板181を示している。振動板181の振動に伴い、2つの弁184,185が開閉し、流体161を右から左へ送るようになっている。
【0083】
本実施例の可変形状鏡188では、反射膜189が流体161の量に応じて凹凸に変形することで、可変形状鏡として機能する。可変形状鏡188は流体161で駆動されている。流体としては、シリコンオイル、空気、水、ゼリー、等の有機物、無機物を用いることができる。
【0084】
なお、静電気力、圧電効果を用いた可変形状鏡、可変焦点レンズなどにおいては、駆動用に高電圧が必要になる場合がある。その場合には、例えば図61に示すように、昇圧用のトランス、あるいは圧電トランス等を用いて制御系を構成するとよい。
また、反射用の薄膜409aは、変形しない部分にも設けておくと、可変形状鏡の形状を干渉計等で測定する場合に、基準面として使うことができ便利である。
【0085】
図64は本発明にかかるズームレンズ鏡胴を用いるズーム光学系に適用可能な可変焦点レンズの原理的構成を示す図である。この可変焦点レンズ511は、第1,第2の面としてのレンズ面508a,508bを有する第1のレンズ512aと、第3,第4の面としてのレンズ面509a,509bを有する第2のレンズ512bと、これらレンズ間に透明電極513a,513bを介して設けた高分子分散液晶層514とを有し、入射光を第1,第2のレンズ512a,512bを経て収束させるものである。透明電極513a,513bは、スイッチ515を介して交流電源516に接続して、高分子分散液晶層514に交流電界を選択的に印加するようにする。なお、高分子分散液晶層514は、それぞれ液晶分子517を含む球状、多面体等の任意の形状の多数の微小な高分子セル518を有して構成し、その体積は、高分子セル518を構成する高分子および液晶分子517がそれぞれ占める体積の和に一致させる。
【0086】
ここで、高分子セル518の大きさは、例えば球状とする場合、その平均の直径Dを、使用する光の波長をλとするとき、例えば、
2nm≦D≦λ/5 …(1)
とする。すなわち、液晶分子517の大きさは、2nm程度以上であるので、平均の直径Dの下限値は、2nm以上とする。また、Dの上限値は、可変焦点レンズ511の光軸方向における高分子分散液晶層514の厚さtにも依存するが、λに比べて大きいと、高分子の屈折率と液晶分子517の屈折率との差により、高分子セル518の境界面で光が散乱して高分子分散液晶層514が不透明になってしまうため、後述するように、好ましくはλ/5以下とする。可変焦点レンズが用いられる光学製品によっては高精度を要求しない場合もあり、そのときDはλ以下でよい。なお、高分子分散液晶層514の透明度は、厚さtが厚いほど悪くなる。
【0087】
また、液晶分子517は、例えば、一軸性のネマティック液晶分子を用いる。この液晶分子517の屈折率楕円体は、図65に示すような形状となり、
ox=noy=no …(2)
である。ただし、noは常光線の屈折率を示し、noxおよびnoyは、常光線を含む面内での互いに直交する方向の屈折率を示す。
【0088】
ここで、図64に示すように、スイッチ515をオフ、すなわち高分子分散液晶層514に電界を印加しない状態では、液晶分子517が様々な方向を向いているので、入射光に対する高分子分散液晶層514の屈折率は高く、屈折力の強いレンズとなる。これに対し、図66に示すように、スイッチ515をオンとして高分子分散液晶層514に交流電界を印加すると、液晶分子517は、屈折率楕円体の長軸方向が可変焦点レンズ511の光軸と平行となるように配向するので、屈折率が低くなり、屈折力の弱いレンズとなる。
【0089】
なお、高分子分散液晶層514に印加する電圧は、例えば、図67に示すように、可変抵抗器519により段階的あるいは連続的に変化させることもできる。このようにすれば、印加電圧が高くなるにつれて、液晶分子517は、その楕円長軸が徐々に可変焦点レンズ511の光軸と平行となるように配向するので、屈折力を段階的あるいは連続的に変えることができる。
【0090】
ここで、図64に示す状態、すなわち高分子分散液晶層514に電界を印加しない状態での、液晶分子517の平均屈折率nLC’は、図65に示すように屈折率楕円体の長軸方向の屈折率をnzとすると、およそ
(nox+noy+nZ)/3≡nLC’ …(3)
となる。また、上記(2)式が成り立つときの平均屈折率nLCは、nzを異常光線の屈折率neと表して、
(2no+ne)/3≡nLC …(4)
で与えられる。このとき、高分子分散液晶層514の屈折率nAは、高分子セル518を構成する高分子の屈折率をnPとし、高分子分散液晶層514の体積に占める液晶分子517の体積の割合をffとすると、マックスウェル・ガーネットの法則により、
A=ff・nLC’+(1−ff)nP …(5)
で与えられる。
【0091】
したがって、図67に示すように、レンズ512aおよび512bの内側の面、すなわち高分子分散液晶層514側の面の曲率半径を、それぞれR1およびR2とすると、可変焦点レンズ511の焦点距離f1は、
1/f1=(nA−1)(1/R1−1/R2) …(6)
で与えられる。なお、R1およびR2は、曲率中心が像点側にあるとき、正とする。また、レンズ512aおよび512bの外側の面による屈折は除いている。つまり、高分子分散液晶層514のみによるレンズの焦点距離が、(6)式で与えられる。
【0092】
また、常光線の平均屈折率を、
(nox+noy)/2=no’ …(7)
とすれば、図66に示す状態、すなわち高分子分散液晶層514に電界を印加した状態での、高分子分散液晶層514の屈折率nBは、
B=ff・no’+(1−ff)nP …(8)
で与えられるので、この場合の高分子分散液晶層514のみによるレンズの焦点距離f2は、
1/f2=(nB−1)(1/R1−1/R2) …(9)
で与えられる。なお、高分子分散液晶層514に、図66におけるよりも低い電圧を印加する場合の焦点距離は、(6)式で与えられる焦点距離f1と、(9)式で与えられる焦点距離f2との間の値となる。
【0093】
上記(6)および(9)式から、高分子分散液晶層514による焦点距離の変化率は、
|(f2−f1)/f2|=|(nB−nA)/(nB−1)| …(10)
で与えられる。したがって、この変化率を大きくするには、|nB−nA|を大きくすればよい。ここで、
B−nA=ff(no’−nLC’) …(11)
であるから、|no’−nLC’|を大きくすれば、変化率を大きくすることができる。実用的には、nBが、1.3〜2程度であるから、
0.01≦|no’−nLC’|≦10 …(12)
とすれば、ff=0.5のとき、高分子分散液晶層514による焦点距離を、0.5%以上変えることができるので、効果的な可変焦点レンズを得ることができる。なお、|no’−nLC’|は、液晶物質の制限から、10を越えることはできない。
【0094】
次に、上記(1)式の上限値の根拠について説明する。「Solar EnerGy Materials and Solar Cells」31巻,Wilson and Eck,1993, Eleevier Science Publishers B.v.発行の第197 〜214 頁、「Transmission variation usinG scatterinG/transparent switchinG films 」には、高分子分散液晶の大きさを変化させたときの透過率τの変化が示されている。そして、かかる文献の第206 頁、図6には、高分子分散液晶の半径をrとし、t=300μm、ff=0.5、nP =1.45、nLC=1.585、λ=500nmとするとき、透過率τは、理論値で、r=5nm(D=λ/50、D・t=λ・6μm(ただし、Dおよびλの単位はnm、以下も同じ))のときτ≒90%となり、r=25nm(D=λ/10)のときτ≒50%になることが示されている。
【0095】
ここで、例えば、t=150μmの場合を推定してみると、透過率τがtの指数関数で変化すると仮定して、t=150μmの場合の透過率τを推定してみると、r=25nm(D=λ/10、D・t=λ・15μm)のときτ≒71%となる。また、t=75μmの場合は、同様に、r=25nm(D=λ/10、D・t=λ・7.5μm)のときτ≒80%となる。
【0096】
これらの結果から、
D・t≦λ・15μm …(13)
であれば、τは70%〜80%以上となり、レンズとして十分実用になる。したがって、例えば、t=75μmの場合は、D≦λ/5で、十分な透過率が得られることになる。
【0097】
また、高分子分散液晶層514の透過率は、nPの値がnLC’の値に近いほど良くなる。一方、no’とnPとが異なる値になると、高分子分散液晶層514の透過率は悪くなる。図64の状態と図66の状態とで、平均して高分子分散液晶層514の透過率が良くなるのは、
P=(no’+nLC’)/2 …(14)
を満足するときである。
【0098】
ここで、可変焦点レンズ511は、レンズとして使用するものであるから、図64の状態でも、図66の状態でも、透過率はほぼ同じで、かつ高い方が良い。そのためには、高分子セル518を構成する高分子の材料および液晶分子517の材料に制限があるが、実用的には、
o’≦nP≦nLC’ …(15)
とすればよい。
【0099】
上記(14)式を満足すれば、上記(13)式は、さらに緩和され、
D・t≦λ・60μm …(16)
であれば良いことになる。なぜなら、フレネルの反射則によれば、反射率は屈折率差の2乗に比例するので、高分子セル518を構成する高分子と液晶分子517との境界での光の反射、すなわち高分子分散液晶層514の透過率の減少は、およそ上記の高分子と液晶分子517との屈折率の差の2乗に比例するからである。
【0100】
以上は、no’≒1.45、nLC’≒1.585の場合であったが、より一般的に定式化すると、
D・t≦λ・15μm・(1.585−1.45)2/(nu−nP2 …(17)
であればよい。ただし、(nu−nP2は、(nLC’−nP2と(no’−nP2とのうち、大きい方である。
【0101】
また、可変焦点レンズ511の焦点距離変化を大きくするには、ffの値が大きい方が良いが、ff=1では、高分子の体積がゼロとなり、高分子セル518を形成できなくなるので、
0.1≦ff≦0.999 …(18)
とする。一方、ffは、小さいほどτは向上するので、上記(17)式は、好ましくは、
4×10-6〔μm〕2≦D・t≦λ・45μm・(1.585−1.45)2/(nu−nP)2…(19)
とする。なお、tの下限値は、図64から明らかなように、t=Dで、Dは、上述したように2nm以上であるので、D・tの下限値は、(2×10-3μm)2、すなわち4×10-6〔μm〕2となる。
【0102】
なお、物質の光学特性を屈折率で表す近似が成り立つのは、「岩波科学ライブラリー8 小惑星がやってくる」向井正著,1994,岩波書店発行の第58頁に記載されているように、Dが10nm〜5nmより大きい場合である。また、Dが500λを越えると、光の散乱は幾何学的となり、高分子セル518を構成する高分子と液晶分子517との界面での光の散乱がフレネルの反射式に従って増大するので、Dは、実用的には、
7nm≦D≦500λ …(20)
とする。
【0103】
図68は図67に示す可変焦点レンズ511を用いたデジタルカメラ用の撮像光学系の構成を示すものである。この撮像光学系においては、物体(図示せず)の像を、絞り521、可変焦点レンズ511およびレンズ522を介して、例えばCCDよりなる固体撮像素子523上に結像させる。なお、図68では、液晶分子の図示を省略してある。
【0104】
かかる撮像光学系によれば、可変抵抗器519により可変焦点レンズ511の高分子分散液晶層514に印加する交流電圧を調整して、可変焦点レンズ511の焦点距離を変えることより、可変焦点レンズ511およびレンズ522を光軸方向に移動させることなく、例えば、無限遠から600mmまでの物体距離に対して、連続的に合焦させることが可能となる。
【0105】
図69は本発明にかかるズームレンズ鏡胴を用いるズーム光学系に適用可能な可変焦点回折光学素子の一例の構成を示す図である。
この可変焦点回折光学素子531は、平行な第1,第2の面532a,532bを有する第1の透明基板532と、光の波長オーダーの溝深さを有する断面鋸歯波状のリング状回折格子を形成した第3の面533aおよび平坦な第4の面533bを有する第2の透明基板533とを有し、入射光を第1,第2の透明基板532,533を経て出射させるものである。第1,第2の透明基板532,533間には、図64で説明したと同様に、透明電極513a,513bを介して高分子分散液晶層514を設け、透明電極513a,513bをスイッチ515を経て交流電源516に接続して、高分子分散液晶層514に交流電界を印加するようにする。
【0106】
かかる構成において、可変焦点回折光学素子531に入射する光線は、第3の面533aの格子ピッチをpとし、mを整数とすると、
psinθ=mλ …(21)
を満たす角度θだけ偏向されて出射される。また、溝深さをh、透明基板33の屈折率をn33とし、kを整数とすると、
h(nA−n33)=mλ …(22)
h(nB−n33)=kλ …(23)
を満たせば、波長λで回折効率が100%となり、フレアの発生を防止することができる。
【0107】
ここで、上記(22)および(23)式の両辺の差を求めると、
h(nA−nB)=(m−k)λ …(24)
が得られる。したがって、例えば、λ=500nm、nA=1.55、nB=1.5とすると、
0.05h=(m−k)・500nm
となり、m=1,k=0とすると、
h=10000nm=10μm
となる。この場合、透明基板533の屈折率n33は、上記(22)式から、n33=1.5であればよい。また、可変焦点回折光学素子531の周辺部における格子ピッチpを10μmとすると、θ≒2.87°となり、Fナンバーが10のレンズを得ることができる。
【0108】
かかる可変焦点回折光学素子531は、高分子分散液晶層514への印加電圧のオン・オフで光路長が変わるので、例えば、レンズ系の光束が平行でない部分に配置して、ピント調整を行うのに用いたり、レンズ系全体の焦点距離等を変えるのに用いることができる。
【0109】
なお、この実施形態において、上記(22)〜(24)式は、実用上、
0.7mλ≦h(nA−n33)≦1.4mλ …(25)
0.7kλ≦h(nB−n33)≦1.4kλ …(26)
0.7(m−k)λ≦h(nA−nB)≦1.4(m−k)λ …(27)
を満たせば良い。
【0110】
また、ツイストネマティック液晶を用いる可変焦点レンズもある。図70および図71は、この場合の可変焦点眼鏡550の構成を示すものであり、可変焦点レンズ551は、レンズ552および553と、これらレンズの内面上にそれぞれ透明電極513a,513bを介して設けた配向膜539a,539bと、これら配向膜間に設けたツイストネマティック液晶層554とを有して構成し、その透明電極513a,513bを可変抵抗器519を経て交流電源516に接続して、ツイストネマティック液晶層554に交流電界を印加するようにする。
【0111】
かかる構成において、ツイストネマティック液晶層554に印加する電圧を高くすると、液晶分子555は、図71に示すようにホメオトロピック配向となり、図70に示す印加電圧が低いツイストネマティック状態の場合に比べて、ツイストネマティック液晶層554の屈折率は小さくなり、焦点距離が長くなる。
【0112】
ここで、図70に示すツイストネマティック状態における液晶分子555の螺旋ピッチPは、光の波長λに比べて同じ程度か十分小さくする必要があるので、例えば、
2nm≦P≦2λ/3 …(28)
とする。なお、この条件の下限値は、液晶分子の大きさで決まり、上限値は、入射光が自然光の場合に、図70の状態でツイストネマティック液晶層554が等方媒質として振る舞うために必要な値であり、この上限値の条件を満たさないと、可変焦点レンズ551は偏光方向によって焦点距離の異なるレンズとなり、これがため二重像が形成されてぼけた像しか得られなくなる。
【0113】
図72(a)は本発明にかかるズームレンズ鏡胴を用いるズーム光学系に適用可能な可変偏角プリズムの構成を示すものである。この可変偏角プリズム561は、第1,第2の面562a,562bを有する入射側の第1の透明基板562と、第3,第4の面563a,563bを有する出射側の平行平板状の第2の透明基板563とを有する。入射側の透明基板562の内面(第2の面)562bは、フレネル状に形成し、この透明基板562と出射側の透明基板563との間に、図64で説明したと同様に、透明電極513a,513bを介して高分子分散液晶層514を設ける。透明電極513a,513bは、可変抵抗器519を経て交流電源516に接続し、これにより高分子分散液晶層514に交流電界を印加して、可変偏角プリズム561を透過する光の偏角を制御するようにする。なお、図72(a)では、透明基板562の内面562bをフレネル状に形成したが、例えば、図72(b)に示すように、透明基板562および563の内面を相対的に傾斜させた傾斜面を有する通常のプリズム状に形成することもできるし、あるいは図69に示した回折格子状に形成することもできる。回折格子状に形成する場合には、上記の(21)〜(27)式が同様にあてはまる。
【0114】
かかる構成の可変偏角プリズム561は、例えば、TVカメラ、デジタルカメラ、フィルムカメラ、双眼鏡等のブレ防止用として有効に用いることができる。この場合、可変偏角プリズム561の屈折方向(偏向方向)は、上下方向とするのが望ましいが、さらに性能を向上させるためには、2個の可変偏角プリズム561を偏向方向を異ならせて、例えば図73に示すように、上下および左右の直交する方向で屈折角を変えるように配置するのが望ましい。なお、図72および図73では、液晶分子の図示を省略してある。
【0115】
図74は本発明にかかるズームレンズ鏡胴を用いるズーム光学系に適用可能な可変焦点レンズを応用した可変焦点ミラーを示すものである。この可変焦点ミラー565は、第1,第2の面566a,566bを有する第1の透明基板566と、第3,第4の面567a,567bを有する第2の透明基板567とを有する。第1の透明基板566は、平板状またはレンズ状に形成して、内面(第2の面)566bに透明電極513aを設け、第2の透明基板567は、内面(第3の面)567aを凹面状に形成して、該凹面上に反射膜568を施し、さらにこの反射膜568上に透明電極513bを設ける。透明電極513a,513b間には、図64で説明したと同様に、高分子分散液晶層514を設け、これら透明電極513a,513bをスイッチ515および可変抵抗器519を経て交流電源516に接続して、高分子分散液晶層514に交流電界を印加するようにする。なお、図74では、液晶分子の図示を省略してある。
【0116】
かかる構成によれば、透明基板566側から入射する光線は、反射膜568により高分子分散液晶層514を折り返す光路となるので、高分子分散液晶層514の作用を2回もたせることができると共に、高分子分散液晶層514への印加電圧を変えることにより、反射光の焦点位置を変えることができる。この場合、可変焦点ミラー565に入射した光線は、高分子分散液晶層514を2回透過するので、高分子分散液晶層514の厚さの2倍をtとすれば、上記の各式を同様に用いることができる。なお、透明基板566または567の内面を、図69に示したように回折格子状にして、高分子分散液晶層514の厚さを薄くすることもできる。このようにすれば、散乱光をより少なくできる利点がある。
【0117】
なお、以上の説明では、液晶の劣化を防止するため、電源として交流電源516を用いて、液晶に交流電界を印加するようにしたが、直流電源を用いて液晶に直流電界を印加するようにすることもできる。また、液晶分子の方向を変える方法としては、電圧を変化させること以外に、液晶にかける電場の周波数、液晶にかける磁場の強さ・周波数、あるいは液晶の温度等を変化させることによってもよい。以上に示した実施形態において、高分子分散液晶は液状ではなく固体に近いものもあるので、その場合はレンズ512a,512bの一方、透明基板532、レンズ538、レンズ552,553の一方、図72(a)における透明基板563、図72(b)における透明基板562,563の一方、透明基板566,567の一方はなくてもよい。
以上図64から図74で述べたような、媒質の屈折率が変化することで、光学素子の焦点距離等が変化するタイプの光学素子のメリットは、形状が変化しないため機械設計が容易である、機械的構造が簡単になる、等である。
【0118】
図75は本発明のズームレンズ鏡胴を用いるズーム光学系に適用可能な可変焦点レンズのさらに他の実施例に係る、可変焦点レンズ140を用いた撮像ユニット141の概略構成図である。撮像ユニット141は本発明の撮像系として用いることができる。
本実施例では、レンズ102と可変焦点レンズ140とで、撮像レンズを構成している。そして、この撮像レンズと固体撮像素子408とで撮像ユニット141を構成している。可変焦点レンズ140は、透明部材142と圧電性のある合成樹脂等の柔らかい透明物質143とで、光を透過する流体あるいはゼリー状物質144を挟んで構成されている。
【0119】
流体あるいはゼリー状物質144としては、シリコンオイル、弾性ゴム、ゼリー、水等を用いることができる。透明物質143の両面には透明電極145が設けられており、回路103’を介して電圧を加えることで、透明物質143の圧電効果により透明物質143が変形し、可変焦点レンズ140の焦点距離が変わるようになっている。
従って、本実施例によれば、物体距離が変わった場合でも光学系をモーター等で動かすことなくフォーカスができ、小型、軽量、消費電力が少ない点で優れている。
【0120】
なお、図75中、145は透明電極、146は流体をためるシリンダーである。また、透明物質143の材質としては、ポリウレタン、シリコンゴム、アクリルエラストマー、PZT、PLZT、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等の高分子圧電体、シアン化ビニリデン共重合体、ビニリデンフルオライドとトリフルオロエチレンの共重合体等が用いられる。
圧電性を有する有機材料や、圧電性を有する合成樹脂、圧電性を有するエラストマー等を用いると可変焦点レンズ面の大きな変形が実現できてよい。
可変焦点レンズには透明な圧電材料を用いるとよい。
【0121】
なお、図75の例で、可変焦点レンズ140は、シリンンダー146を設けるかわりに、図76に示すように、支援部材147を設けてシリンダー146を省略した構造にしてもよい。
支援部材147は、間に透明電極145を挟んで、透明物質143の一部の周辺部分を固定している。本実施例によれば、透明物質143に電圧をかけることによって、透明物質143が変形しても、図77に示すように、可変焦点レンズ140全体の体積が変わらないように変形するため、シリンダー146が不要になる。なお、図76、77中、148は変形可能な部材で、弾性体、アコーディオン状の合成樹脂または金属等でできている。
【0122】
図75、76に示す実施例では、電圧を逆に印加すると透明物質143は逆向きに変形するので凹レンズにすることも可能である。
なお、透明物質143に電歪材料、例えば、アクリルエラストマー、シリコンゴム等を用いる場合は、透明物質143を透明基板と電歪材料を貼り合わせた構造にするとよい。
【0123】
図78は本発明のズームレンズ鏡胴を用いるズーム光学系に適用可能な可変焦点レンズのさらに他の実施例に係る、マイクロポンプ160で流体161を出し入れし、レンズ面を変形させる可変焦点レンズ167の概略構成図である。
マイクロポンプ160は、例えば、マイクロマシンの技術で作られた小型のポンプで、電力で動くように構成されている。流体161は、透明基板163と、弾性体164との間に挟まれている。図78中、165は弾性体164を保護するための透明基板で、設けなくてもよい。
マイクロマシンの技術で作られたポンプの例としては、熱変形を利用したもの、圧電材料を用いたもの、静電気力を用いたものなどがある。
【0124】
そして、図63で示したようなマイクロポンプ180を、例えば、図78に示す可変焦点レンズに用いるマイクロポンプ160のように、2つ用いればよい。
【0125】
なお、静電気力、圧電効果を用いた可変焦点レンズなどにおいては、駆動用に高電圧が必要になる場合がある。その場合には、昇圧用のトランス、あるいは圧電トランス等を用いて制御系を構成するとよい。
特に積層型圧電トランスを用いると小型にできてよい。
【0126】
図79は本発明にかかるズームレンズ鏡胴を用いるズーム光学系に適用可能な光学特性可変光学素子の他の実施例であって圧電材料200を用いた可変焦点レンズ201の概略構成図である。
圧電材料200には透明物質143と同様の材料が用いられており、圧電材料200は、透明で柔らかい基板202の上に設けられている。なお、基板202には、合成樹脂、有機材料を用いるのが望ましい。
本実施例においては、2つの透明電極59を介して電圧を圧電材料200に加えることで圧電材料200は変形し、図79において凸レンズとしての作用を持っている。
【0127】
なお、基板202の形をあらかじめ凸状に形成しておき、かつ、2つの透明電極59のうち、少なくとも一方の電極の大きさを基板202と異ならせておく、例えば、一方の透明電極59を基板202よりも小さくしておくと、電圧を切ったときに、図80に示すように、2つの透明電極59が対向する所定部分だけが凹状に変形して凹レンズの作用を持つようになり、可変焦点レンズとして動作する。
このとき基板202は、流体161の体積が変化しないように変形するので、液溜168が不要になるというメリットがある。
【0128】
本実施例では、流体161を保持する基板の一部分を圧電材料で変形させて、液溜168を不要としたところに大きなメリットがある。
なお、図78の実施例にも言えることであるが、透明基板163,165はレンズとして構成しても、或いは平面で構成してもよい。
【0129】
図81は本発明にかかるズームレンズ鏡胴を用いるズーム光学系に適用可能な光学特性可変光学素子のさらに他の実施例であって圧電材料からなる2枚の薄板200A,200Bを用いた可変焦点レンズの概略構成図である。
本実施例の可変焦点レンズは、薄板200Aと200Bの材料の方向性を反転させることで、変形量を大きくし、大きな可変焦点範囲が得られるというメリットがある。
なお、図81中、204はレンズ形状の透明基板である。
本実施例においても、紙面の右側の透明電極59は基板202よりも小さく形成されている。
【0130】
なお、図79〜図81の実施例において、基板202、薄板200,200A,200Bの厚さを不均一にして、電圧を掛けたときの変形のさせかたをコントロールしてもよい。
そのようにすれば、レンズの収差補正等もすることができ、便利である。
【0131】
図82は本発明にかかるズームレンズ鏡胴を用いるズーム光学系に適用可能な可変焦点レンズのさらに他の実施例を示す概略構成図である。
本実施例の可変焦点レンズ207は、例えばシリコンゴムやアクリルエラストマー等の電歪材料206を用いて構成されている。
本実施例の構成によれば、電圧が低いときには、図82に示すように、凸レンズとして作用し、電圧を上げると、図83に示すように、電歪材料206が上下方向に伸びて左右方向に縮むので、焦点距離が伸びる。従って、可変焦点レンズとして動作する。
本実施例の可変焦点レンズによれば、大電源を必要としないので消費電力が小さくて済むというメリットがある。
以上述べた図75から図83の可変焦点レンズに共通して言えるのは、レンズとして作用する媒質の形状が変化することで、可変焦点を実現していることである。屈折率が変化する可変焦点レンズに比べ、焦点距離変化の範囲が自由に選べる、大きさが自由に選べる、等のメリットがある。
【0132】
図84は本発明にかかるズームレンズ鏡胴を用いるズーム光学系に適用可能な光学特性可変光学素子のさらに他の実施例であってフォトメカニカル効果を用いた可変焦点レンズの概略構成図である。
本実施例の可変焦点レンズ214は、透明弾性体208,209でアゾベンゼン210が挟まれており、アゾベンゼン210には、透明なスペーサー211を経由して光が照射されるようになっている。
図84中、212,213はそれぞれ中心波長がλ1,λ2の例えばLED、半導体レーザー等の光源である。
【0133】
本実施例において、中心波長がλ1の光が図85(a)に示すトランス型のアゾベンゼンに照射されると、アゾベンゼン210は、図85(b)に示すシス型に変化して体積が減少する。このため、可変焦点レンズ214の形状はうすくなり、凸レンズ作用が減少する。
一方、中心波長がλ2の光がシス型のアゾベンゼン210に照射されると、アゾベンゼン210はシス型からトランス型に変化して、体積が増加する。このため、可変焦点レンズ214の形状は厚くなり、凸レンズ作用が増加する。
このようにして、本実施例の光学素子214は可変焦点レンズとして作用する。
また、可変焦点レンズ214では、透明弾性体208,209の空気との境界面で光が全反射するので外部に光がもれず、効率がよい。
【0134】
図86は本発明にかかるズームレンズ鏡胴を用いるズーム光学系に可変ミラーとして適用可能な可変形状鏡のさらに他の実施例を示す概略構成図である。本実施例では、デジタルカメラに用いられるものとして説明する。なお、図86中、411は可変抵抗器、414は演算装置、415は温度センサー、416は湿度センサー、417は距離センサー、424は振れセンサーである。
本実施例の可変形状鏡45は、アクリルエラストマー等の有機材料からなる電歪材料453と間を隔てて分割電極409bを設け、電歪材料453の上に順に電極452、変形可能な基板451を設け、さらにその上に入射光を反射するアルミニウム等の金属からなる反射膜450を設けて構成されている。
このように構成すると、分割電極409bを電歪材料453と一体化した場合に比べて、反射膜450の面形状が滑らかになり、光学的に収差を発生させにくくなるというメリットがある。
なお、変形可能な基板451と電極452の配置は逆でも良い。
また、図86中、449は光学系の変倍、あるいはズームを行なう釦であり、可変形状鏡45は、釦449を使用者が押すことで反射膜450の形を変形させて、変倍あるいは、ズームをすることができるように演算装置414を介して制御されている。
なお、アクリルエラストマー等の有機材料からなる電歪材料のかわりに既に述べたチタン酸バリウム等の圧電材料を用いてもよい。
【0135】
なお本願の可変形状鏡に共通して言えることであるが、反射面の変形する部分を反射面に垂直な方向から見た時の形は、軸上光線の入射面の方向に長い形状、たとえば楕円、卵形、多角形、等にするのが良い。なぜなら図49の例のように可変形状鏡は斜入射で用いる場合が多いが、このとき発生する収差を抑えるためには、反射面の形状は回転楕円面、回転放物面、回転双曲面に近い形が良く、そのように可変形状鏡を変形させる為には、反射面の変形する部分を反射面に垂直な方向から見た時の形を、軸上光線の入射面の方向に長い形状にしておくのが良いからである。
【0136】
最後に、本発明で用いる用語の定義を述べておく。
【0137】
光学装置とは、光学系あるいは光学素子を含む装置のことである。光学装置単体で機能しなくてもよい。つまり、装置の一部でもよい。
【0138】
光学装置には、撮像装置、観察装置、表示装置、照明装置、信号処理装置等が含まれる。
【0139】
撮像装置の例としては、フィルムカメラ、デジタルカメラ、ロボットの眼、レンズ交換式デジタル一眼レフカメラ、テレビカメラ、動画記録装置、電子動画記録装置、カムコーダ、VTRカメラ、電子内視鏡等がある。デジカメ、カード型デジカメ、テレビカメラ、VTRカメラ、動画記録カメラなどはいずれも電子撮像装置の一例である。
【0140】
観察装置の例としては、顕微鏡、望遠鏡、眼鏡、双眼鏡、ルーペ、ファイバースコープ、ファインダー、ビューファインダー等がある。
【0141】
表示装置の例としては、液晶ディスプレイ、ビューファインダー、ゲームマシン(ソニー社製プレイステーション)、ビデオプロジェクター、液晶プロジェクター、頭部装着型画像表示装置(head mounted display:HMD)、PDA(携帯情報端末)、携帯電話等がある。
【0142】
照明装置の例としては、カメラのストロボ、自動車のヘッドライト、内視鏡光源、顕微鏡光源等がある。
【0143】
信号処理装置の例としては、携帯電話、パソコン、ゲームマシン、光ディスクの読取・書込装置、光計算機の演算装置等がある。
【0144】
なお、本願の光学系は小型軽量なので、電子撮像装置、信号処理装置、特に、デジタルカメラ、携帯電話の撮像系に用いると効果がある。
【0145】
撮像素子は、例えばCCD、撮像管、固体撮像素子、写真フィルム等を指す。また、平行平面板はプリズムの1つに含まれるものとする。観察者の変化には、視度の変化を含むものとする。被写体の変化には、被写体となる物体距離の変化、物体の移動、物体の動き、振動、物体のぶれ等を含むものとする。
【0146】
拡張曲面の定義は以下の通りである。
球面、平面、回転対称非球面のほか、光軸に対して偏心した球面、平面、回転対称非球面、あるいは対称面を有する非球面、対称面を1つだけ有する非球面、対称面のない非球面、自由曲面、微分不可能な点、線を有する面等、いかなる形をしていても良い。反射面でも、屈折面でも、光になんらかの影響を与えうる面ならば良い。
本発明では、これらを総称して拡張曲面と呼ぶことにする。
【0147】
光学特性可変光学素子とは、可変焦点レンズ、可変形状鏡、面形状の変わる偏光プリズム、頂角可変プリズム、光偏向作用の変わる可変回折光学素子、つまり可変HOE,可変DOE等を含む。
【0148】
可変焦点レンズには、焦点距離が変化せず、収差量が変化するような可変レンズも含むものとする。可変形状鏡についても同様である。
要するに、光学素子で、光の反射、屈折、回折等の光偏向作用が変化しうるものを光学特性可変光学素子と呼ぶ。
【0149】
情報発信装置とは、携帯電話、固定式の電話、ゲームマシン、テレビ、ラジカセ、ステレオ等のリモコンや、パソコン、パソコンのキーボード、マウス、タッチパネル等の何らかの情報を入力し、送信することができる装置を指す。
撮像装置のついたテレビモニター、パソコンのモニター、ディスプレイも含むものとする。
情報発信装置は、信号処理装置の中に含まれる。
【0150】
以上説明したように、本発明のズームレンズ鏡胴又はズームレンズ鏡枠は、特許請求の範囲に記載された発明の他に、次に示すような特徴も備えている。
【0151】
(1)ミラーを介して光路が被写体側と撮像素子側とに分離された屈曲光学系のレンズ鏡胴において、ズーム駆動される光学系、シャッタ及び絞りを駆動させる駆動部を、ズーム駆動によっては移動しない固定部に配置したことを特徴とするレンズ鏡胴。
【0152】
(2)ミラーを介して光路が被写体側と撮影素子側とに分離された屈曲光学系のレンズ鏡胴において、シャッタと絞りを、ズーム駆動される光学系を構成するレンズのうち前記ミラーに最も近接するレンズの前記ミラーに対面する位置に配置したことを特徴とするレンズ鏡胴。
【0153】
(3)ミラーを介して光路が被写体側と撮影素子側とに分離された屈曲光学系のレンズ鏡胴において、
シャッタと絞りを、前記ミラーよりも撮像素子寄りで、前記ミラーに最も近い固定の光学素子あるいは固定の光学素子群よりも撮像素子寄りに配置したことを特徴とするレンズ鏡胴。
【0154】
(4)ミラーを介して光路が被写体側と撮像素子側とに分離された屈曲光学系のレンズ鏡胴において、絞り及び絞りを駆動する駆動部を、ズーム駆動によっては移動しない固定部に配置したことを特徴とするレンズ鏡胴。
【0155】
(5)前記ミラーが可変ミラーであることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載のレンズ鏡胴。
【0156】
(6)前記可変ミラーが、静電気力、電磁気力、圧電効果、電歪、流体のいずれかによって駆動されることを特徴とする請求項4又は上記(5)に記載のレンズ鏡胴。
【0157】
(7)前記可変ミラーの変形する光反射部材が、有機材料を用いて構成されていることを特徴とする請求項4、上記(5)、(6)のいずれかに記載のレンズ鏡胴。
【0158】
(8)前記ズーム駆動される光学系が、凹レンズ作用をもつレンズ群と、前記可変ミラーを含む光学素子の群と、光軸にほぼ沿って移動するレンズ群とを含んで構成されていることを特徴とする請求項4、上記(1)又は(2)に従属する上記(5)〜(7)のいずれかに記載のレンズ鏡胴。
【0159】
(9)前記屈曲光学系が、物体側から順に、凹レンズを含むレンズ群と、前記可変ミラーを含む群と、光軸にほぼ沿って移動する凸レンズを含むレンズ群とを含んで構成されていることを特徴とする請求項4、上記(5)〜(8)のいずれかに記載のレンズ鏡胴。
【0160】
(10)前記光軸にほぼ沿って移動するレンズ群が1つであることを特徴とする上記(9)に記載のレンズ鏡胴。
【0161】
(11)前記ズーム駆動される光学系が移動するレンズ群を含み、モーターまたは手動で前記移動するレンズ群を駆動するようにしたことを特徴とする請求項1〜4、上記(1)、(2)、請求項1〜4、上記(1)、(2)のいずれかに従属する上記(5)〜(10)のいずれかに記載のレンズ鏡胴。
【0162】
(12)可変ミラーを複数個含むことを特徴とする請求項1〜4、上記(1)〜(11)のいずれかに記載のレンズ鏡胴。
【0163】
(13)複数の移動するレンズ群を含むことを特徴とする請求項1〜4、上記(1)〜(12)のいずれかに記載のレンズ鏡胴。
【0164】
(14)撮像素子の撮像エリアの短辺または長辺方向が、前記可変ミラーへ入射する軸上光線の入射面とほぼ平行(±5度以内)であることを特徴とする請求項4、上記(5)〜(10)、請求項4、上記(5)〜(10)のいずれかに従属する上記(11)のいずれかに記載のレンズ鏡胴。
【0165】
(15)前記可変ミラーの形状が、所定の状態において自由曲面となることを特徴とする請求項4、上記(5)〜(10)、請求項4、上記(5)〜(10)のいずれかに従属する上記(11)、上記(14)のいずれかに記載のレンズ鏡胴。
【0166】
(16)前記ズーム駆動される光学系がレトロフォーカスタイプであることを特徴とする請求項1〜4、上記(1)、(2)、請求項1〜4、上記(1)、(2)のいずれかに従属する上記(5)〜(10)、(12)、(13)、請求項4、上記(1)、(2)のいずれかに従属する(14)、(15)、上記(11)のいずれかに記載のレンズ鏡胴。
【0167】
(17)ズーム駆動される光学系における移動するレンズ群を手動または電動で駆動する場合に移動するレンズ群の位置を検出するためのエンコーダーを備えた上記(8)、上記(8)に従属する上記(9)、(10)、(11)、上記(8)、上記(8)に従属する上記(9)、上記(10)、(11)のいずれかに従属する上記(12)〜(16)のいずれかに記載の可変ミラーを有するレンズ鏡胴に用いるズーム駆動される光学系。
【0168】
(18)検出したレンズ群の位置に応じて前記可変ミラーを所望の値に変形させることを特徴とする上記(17)に記載のズーム駆動される光学系。
【0169】
(19)前記絞りが前記可変ミラーに対して移動しないことを特徴とする請求項4、上記(5)〜(10)、(14)、(15)、(17)、(18)、請求項4、上記(5)〜(10)のいずれかに従属する上記(11)〜(13)、(16)のいずれかに記載のレンズ鏡胴に用いる光学系。
【0170】
(20)絞りとシャッタとが凸レンズ群よりも撮像素子よりも遠くに配置されることを特徴とする請求項1〜4、上記(1)〜(19)のいずれかに記載のレンズ鏡胴。
【0171】
(21)絞りとシャッタとが凹レンズ群よりも撮像素子寄りに配置されていることを特徴とする請求項1〜4、上記(1)〜(20)のいずれかに記載のレンズ鏡胴。
【0172】
(22)撮像素子上に物体像を結像させて、可変ミラーの焦点距離を変化させながら物体像の高周波成分が最大になる状態を探すことで、ピント位置を検出するようにしたことを特徴とする請求項1〜4、上記(1)〜(21)のいずれかに記載のレンズ鏡胴に用いる光学系を備えた撮像装置。
【0173】
【発明の効果】
本発明によれば、レンズ鏡枠を構成する1群枠、2群枠、3群枠、ロッド、CCD保持枠、ミラー保持部を鏡枠基盤に搭載し、さらにそれとは別に、モータ類、ギアトレイン類及びシャッタ、絞り、ズーム駆動部材類を駆動基板にそれぞれ分離搭載して、鏡枠部からこれら駆動部材を電気回線で接続しないで構成できる。このため、従来のレンズ鏡胴のような鏡枠内でのFPC等の伸び縮みによるスペース上の不利や、内面反射等の品質上の不利を解消することができる。
【0174】
また、本発明によれば、シャッタ、絞り、ズーム駆動部材類を駆動基板に搭載して、鏡枠基盤には直接組み込まないようにしたので、従来のレンズ鏡胴のような鏡枠内にモータやFPC等の光学系を構成しない部材の組み込み変形や位置ずれ等による光学系の品質を損なうことがなくなる。
【0175】
また、本発明によれば、駆動部が鏡枠部と分離しているため、最終的な全体の組み上がりを待つことなく、それぞれ単独で鏡枠治具や駆動治具を介して個別に検査できる。このため、歩留まりが向上し生産コスト面で有利となる。
【0176】
また、本発明によれば、鏡枠基盤に対し、1群枠、ミラー保持部及びロッドに支持されるレンズ鏡枠をそれぞれ分離して組み立てることができるようにしたので、それぞれの構成部材を多数種類標準化して揃えておき、目的に応じて組み合せることができる。
また、本発明によれば、鏡枠部と駆動部をそれぞれ別箇に組み立てて調整すればよく、鏡枠部と駆動部との組み込み時に調整が不要となる。
【0177】
また、本発明によれば、モータ等の駆動部材を1つのユニットとして構成したので、電装系を1箇所に集中して収納して、標準化することができ、電気系としてまとめて管理検査できる。また、ユニット化したことに伴い、自動組み立てやすくなる。
【0178】
また、本発明によれば、可変ミラーに隣接、対面しズーム駆動する2群枠にシャッタ及び絞りをユニットで配置し、絞りを3枚羽根の虹彩タイプで構成したので、従来のレンズ鏡胴に設けられていたターレットタイプの絞りに比べて、無段階の絞り口径を得ることができる。
また、2枚羽根の絞りに比べて精度の良い口径比を得ることができる。
また、シャッタ及び絞りをユニットとして構成したことにより標準化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかるズームレンズ鏡胴におけるレンズ群を構成する光学部材の配置を示す構成図であり、望遠(長焦点)時の状態を示している。
【図2】図1の構成における広角(短焦点)時の状態を示す図である。
【図3】本実施形態のレンズ鏡胴の各構成部材を組み込んだ状態の全体構成を示す正面図である。
【図4】図3のレンズ鏡胴を上方からみた図である。
【図5】本実施形態のレンズ鏡胴に組み込まれているシャッタ駆動機構の望遠(長焦点)時におけるシャッタが開いた状態を図3と同じ側からみた図である。
【図6】本実施形態のレンズ鏡胴に組み込まれているシャッタ駆動機構の広角(短焦点)時におけるシャッタが閉じた状態を図3と同じ側からみた図である。
【図7】図5の右側面図である。
【図8】本実施形態のレンズ鏡胴に組み込まれているシャッタ駆動機構のシャッタが開いたときのシャッタ羽根部の状態を示す上面図である。
【図9】図8の主にシャッタを示す図である。
【図10】図8の下面図である。
【図11】本実施形態のレンズ鏡胴に組み込まれているシャッタ駆動機構のシャッタが閉じたときのシャッタ羽根部の状態を示す上面図である。
【図12】本実施形態のレンズ鏡胴に組み込まれている絞り機構の望遠(長焦点)時における絞り状態を図3と同じ側からみた図である。
【図13】本実施形態のレンズ鏡胴に組み込まれている絞り機構の広角(短焦点)時における絞り状態を図3と同じ側からみた図である。
【図14】図12の絞り部を主に示す右側面図である。
【図15】本実施形態のレンズ鏡胴に組み込まれている絞り機構の絞りを開いたときの絞り羽根部の状態を示す上面図である。
【図16】本実施形態のレンズ鏡胴に組み込まれている絞り機構の絞りを閉じたときの絞り羽根部の状態を示す上面図である。
【図17】本実施形態のレンズ鏡胴に組み込まれている絞り機構の絞りを開いたときの絞り羽根部の状態を示す下面図である。
【図18】本実施形態のレンズ鏡胴に組み込まれている絞り機構の絞りを閉じたときの絞り羽根部の状態を示す下面図である。
【図19】本実施形態のレンズ鏡胴に組み込まれているズーム駆動機構の望遠(長焦点)時におけるズーム駆動状態を図3と同じ側からみた図である。
【図20】本実施形態のレンズ鏡胴に組み込まれているズーム駆動機構の広角(短焦点)時におけるズーム駆動状態を図3と同じ側からみた図である。
【図21】図19の右側面図である。
【図22】本実施形態のレンズ鏡胴に組み込まれているズーム駆動機構の下面図である。
【図23】本実施形態のレンズ鏡胴の望遠(長焦点)時におけるレンズ枠の位置関係を図3と同じ側からみた図である。
【図24】本実施形態のレンズ鏡胴の広角(短焦点)時におけるレンズ枠の位置関係を図3と同じ側からみた図である。
【図25】本実施形態のズームレンズ鏡胴における1群枠K1の鏡枠基盤K4への固定位置を示す右側面図である。
【図26】本実施形態のズームレンズ鏡胴における鏡枠基盤K4と2群枠K2に対するロッドK5、スリーブK22の位置関係を示す下面図である。
【図27】本実施形態のズームレンズ鏡胴におけるズームモータZM1、シャッタモータSHM1及び絞りモータSEM1のギアトレイン部を収納し、駆動基板KB1に固定するギアカバーの構造を図3と同じ側からみた図である。
【図28】図27の右側面図である。
【図29】図27の上面図である。
【図30】図27の左側面図である。
【図31】本実施形態のズームレンズ鏡胴におけるモータ部を収納し、駆動基板KB1に固定する構造を図3と同じ側からみた図である。
【図32】図31の右側面図である。
【図33】図31の左側面図である。
【図34】本実施形態のズームレンズ鏡胴に用いる可変ミラー保持部M4を図3と同じ側から見た図である。
【図35】図34の右側面図である。
【図36】図34の上面図である。
【図37】図34の左側面図である。
【図38】図34の下面図である。
【図39】本実施形態のレンズ鏡胴に用いる可変ミラー保持部M4に取り付けたミラーケースM5を図3と同じ側から見た図である。
【図40】図39の右側面図である。
【図41】図39の上面図である。
【図42】図39の左側面図である。
【図43】図39の下面図である。
【図44】本実施形態のズームレンズ鏡胴におけるシャッタ・絞りユニットを固定する構造と2群枠K2への固着構造を示す図3と同じ側から見た図である。
【図45】本実施形態のズームレンズ鏡胴におけるシャッタ・絞りユニットを示す図44の右側面図である。
【図46】図44の上面図である。
【図47】図44の下面図である。
【図48】本発明のズームレンズ鏡胴に適用可能なズームレンズ鏡枠部の光学部材の他の例を示す概略構成図である。
【図49】本発明のズームレンズ鏡胴を用いるズーム光学系に適用可能な可変ミラーとして光学特性可変ミラーを用いたデジタルカメラのケプラー式ファインダーの概略構成図である。
【図50】本発明のズームレンズ鏡胴を用いるズーム光学系にかかる可変ミラーとして適用可能な可変形状鏡409の他の実施例を示す概略構成図である。
【図51】図50の実施例の可変形状鏡に用いる電極の一形態を示す説明図である。
【図52】図50の実施例の可変形状鏡に用いる電極の他の形態を示す説明図である。
【図53】本発明のズームレンズ鏡胴を用いるズーム光学系にかかる可変ミラーとして適用可能な可変形状鏡409のさらに他の実施例を示す概略構成図である。
【図54】本発明のズームレンズ鏡胴を用いるズーム光学系にかかる可変ミラーとして適用可能な可変形状鏡409のさらに他の実施例を示す概略構成図である。
【図55】本発明のズームレンズ鏡胴を用いるズーム光学系にかかる可変ミラーとして適用可能な可変形状鏡409のさらに他の実施例を示す概略構成図である。
【図56】図55の実施例における薄膜コイル427の巻密度の状態を示す説明図である。
【図57】本発明のズームレンズ鏡胴を用いるズーム光学系にかかる可変ミラーとして適用可能な可変形状鏡409のさらに他の実施例を示す概略構成図である。
【図58】図57の実施例におけるコイル427の一配置例を示す説明図である。
【図59】図57の実施例におけるコイル427の他の配置例を示す説明図である。
【図60】図55に示した実施例において、コイル427の配置を図59に示したようにした場合に適する永久磁石426の配置を示す説明図である。
【図61】本発明のさらに他の実施例に係る、ズームレンズ鏡胴を用いるズーム光学系に適用可能な可変ミラーとして可変形状鏡409を用いた撮像系、例えば携帯電話のデジタルカメラ、カプセル内視鏡、電子内視鏡、パソコン用デジタルカメラ、PDA用デジタルカメラ等に用いられる撮像系の概略構成図である。
【図62】本発明のズームレンズ鏡胴を用いるズーム光学系に係る可変ミラーとして適用可能なさらに他の実施例に係る、マイクロポンプ180で流体161を出し入れし、ミラー面を変形させる可変ミラーとして用いる可変形状鏡188の概略構成図である。
【図63】本発明のズームレンズ鏡胴を用いるズーム光学系の可変ミラーに適用可能なマイクロポンプの一実施例を示す概略構成図である。
【図64】本発明にかかるズームレンズ鏡胴を用いるズーム光学系に適用可能な可変焦点レンズの原理的構成を示す図である。
【図65】一軸性のネマティック液晶分子の屈折率楕円体を示す図である。
【図66】図62に示す高分子分散液晶層に電界を印加状態を示す図である。
【図67】図64に示す高分子分散液晶層への印加電圧を可変にする場合の一例の構成を示す図である。
【図68】図67に示す可変焦点レンズ511を用いたデジタルカメラ用の撮像光学系の構成を示す図である。
【図69】本発明にかかるズームレンズ鏡胴を用いるズーム光学系に適用可能な可変焦点回折光学素子の一例の構成を示す図である。
【図70】ツイストネマティック液晶を用いる可変焦点レンズを有する可変焦点眼鏡の構成を示す図である。
【図71】図70に示すツイストネマティック液晶層への印加電圧を高くしたときの液晶分子の配向状態を示す図である。
【図72】本発明にかかるズームレンズ鏡胴を用いるズーム光学系に適用可能な可変偏角プリズムの2つの例の構成を示す図である。
【図73】図72に示す可変偏角プリズムの使用態様を説明するための図である。
【図74】本発明にかかるズームレンズ鏡胴を用いるズーム光学系に適用可能な可変焦点レンズを応用した可変焦点ミラーを示す図である。
【図75】本発明のズームレンズ鏡胴を用いるズーム光学系に適用可能な可変焦点レンズのさらに他の実施例に係る、可変焦点レンズ140を用いた撮像ユニット141の概略構成図である。
【図76】図75の実施例における可変焦点レンズの変形例を示す説明図である。
【図77】図76の可変焦点レンズが変形した状態を示す説明図である。
【図78】本発明のズームレンズ鏡胴を用いるズーム光学系に適用可能な可変焦点レンズのさらに他の実施例に係る、マイクロポンプ160で流体161を出し入れし、レンズ面を変形させる可変焦点レンズ162の概略構成図である。
【図79】本発明にかかるズームレンズ鏡胴を用いるズーム光学系に適用可能な光学特性可変光学素子の他の実施例であって圧電材料200を用いた可変焦点レンズ201の概略構成図である。
【図80】図79の変形例に係る可変焦点レンズの状態説明図である。
【図81】本発明にかかるズームレンズ鏡胴を用いるズーム光学系に適用可能な光学特性可変光学素子のさらに他の実施例であって圧電材料からなる2枚の薄板200A,200Bを用いた可変焦点レンズの概略構成図である。
【図82】本発明にかかるズームレンズ鏡胴を用いるズーム光学系に適用可能な可変焦点レンズのさらに他の実施例を示す概略構成図である。
【図83】図82の実施例に係る可変焦点レンズの状態説明図である。
【図84】本発明にかかるズームレンズ鏡胴を用いるズーム光学系に適用可能な光学特性可変光学素子のさらに他の実施例であってフォトメカニカル効果を用いた可変焦点レンズの概略構成図である。
【図85】図84の実施例に係る可変焦点レンズに用いるアゾベンゼンの構造を示す説明図であり、(a)はトランス型、(b)はシス型を示している。
【図86】本発明にかかるズームレンズ鏡胴を用いるズーム光学系に可変ミラーとして適用可能な可変形状鏡のさらに他の実施例を示す概略構成図である。
【符号の説明】
C11 CCD面
C12 CCD保持枠
C2 CCD枠
C21 ロッド受け
F1,F2,F3 フィルタ
G1 第1群
GK11,GK12,GK13 ガイドピン
G2 第2群
G3 第3群
K1 1群枠
K11 固定ビス
K2 2群枠
K21 2群枠被駆動ピン
K201 取り付け穴
K22 スリーブ
K3 3群枠
K31 嵌合穴
K4 鏡枠基盤
K41 ロッド受け
K42 ミラーケース固定ビス
K43 取り付け穴
K5 ロッド
K51 一端部
K52 他端部
KB1 駆動基板
KB12 ギアカバー固定ビス
KB13 モータカバー固定ビス
KB14 駆動基板固定ビス
L1,L2,L3,L4,L5,L6 レンズ
M 可変ミラー
M1,M2,M3 可変ミラー構成部材
M11 可変ミラーの反射面
M4 可変ミラー保持部
M41,M42 取り付け穴
M43 ミラー保持部ボス
M5 ミラーケース
M51,M52 ミラーケースボス
ZM1 ズームモータ
ZM12 ガイド穴
SH1 シャッタ羽根
SH11 シャッタ羽根穴
SH12 シャッタ羽根カム穴
SH2 シャッタ被駆動部材
SH21 シャッタ被駆動部材係合部
SH201 ワッシャ
SH22 シャッタ羽根係合突起
SH3 シャッタ基盤
SH31 シャッタばね
SH301 突起嵌合部
SH32 シャッタ羽根突起嵌合部
SH4 シャッタカバー
SH5 シャッタ駆動部材
SH51 ラックギア係合部
SH52 ガイド穴
SH53 シャッタ駆動部材係合部
SHM1 シャッタモータ
SHM2,SHM3 ギア
SHM11,SHM21,SHM31,SHM32 ギアの歯部
SE1 絞り羽根
SE11 絞り羽根穴
SE12 絞り羽根カム穴
SE121 絞り検出板
SE2 絞り基盤
SE21 絞り羽根突起嵌合部
SE22
SE3 絞り被駆動部材
SE30 嵌合穴
SE31 絞り被駆動ピン
SE301 絞り羽根係合突起
SE32 絞りばね受け
SE33 絞りばね
SE34 パッチン部材
SE341 パッチン回転止め
SE35 パッチンバネ受け
SE4 絞り駆動部材
SE41 ラックギア係合部
SE42 ガイド穴
SE43 絞り被駆動部材係合部
SE5 シャッタ・絞り基盤
SE51 シャッタ・絞り基盤ボス
SE52 シャッタ・絞りユニット固定ビス
SEM1 絞りモータ
SEM121 絞り検出板
SEM2,SEM3 ギア
SEM11,SEM21,SEM22,SEM31 ギアの歯部
SEM41 取り付け穴
Z1 ズーム駆動部材
Z11 ラックギア係合部
Z112 ズーム駆動部材ラック穴
Z12 ズーム駆動部材カム穴
Z13 ズーム駆動部材組み立て穴
ZK1 ギアカバー
ZK2 モータカバー
ZK21,ZK22 モータカバーボス
ZM1 ズームモータ
ZM121 ズーム検出板
ZM2,ZM3,ZM4 ギア
ZM11,ZM21,ZM22,ZM31,ZM32,ZM41
ギアの歯部
ZM5 フォトインタラプタ
ZM51 取り付け穴
11 ズームレンズ鏡枠
12 可変ミラー
13 変倍レンズ
14 コンペンセータ
15 固体撮像素子
16,20 レンズ
17 凹レンズ
18 絞り
19 シャッタ
45,188 可変形状鏡
140,167,201,207,214,511,551
可変焦点レンズ
161 流体
163,165,204,532,533,562,563,566,567
透明基板
59,145,513a,513b 透明電極
102,512a,512b,522,552,553 レンズ
103 制御系
103’ 回路
104,141 撮像ユニット
142 透明部材
143 圧電性のある透明物質
144 流体あるいはゼリー状物質
146 シリンダー
147 支援部材
148 変形可能な部材
160,180 マイクロポンプ
164 弾性体
168 液溜
181 振動板
182,183,409b,409d,409k,452 電極
184,185 弁
189,450 反射膜
200 圧電材料
200A,200B 薄板
202 透明で柔らかい基板
206,409c−2 電歪材料
208,209 透明弾性体
210 アゾベンゼン
211 スペーサー
212,213 光源
403 撮像レンズ
404 プリズム
405 二等辺直角プリズム
406 ミラー
408,523 固体撮像素子
409 光学特性可変形状鏡
409a 薄膜
409c,409c’ 圧電素子
409c−1,409e 基板
409j 変形する基板
411 可変抵抗器
412 電源
413 電源スイッチ
414 演算装置
415 温度センサー
416 湿度センサー
417 距離センサー
423 支持台
424 振れセンサー
425,428 駆動回路
426 永久磁石
427 コイル
449 釦
451 変形可能な基板
453 電歪材料
508a,532a,562a,566a 第1の面
508b,532b,562b,566b 第2の面
509a,533a,563a,567a 第3の面
509b,533b,563b,567b 第4の面
514 高分子分散液晶層
515 スイッチ
516 交流電源
517 液晶分子
518 高分子セル
519 可変抵抗器
521 絞り
531 可変焦点回折光学素子
539a,539b 配向膜
550 可変焦点眼鏡
554 ツイストネマティック液晶層
555 液晶分子
561 可変偏角プリズム
565 可変焦点ミラー
568 反射膜
901 接眼レンズ
902 対物レンズ

Claims (4)

  1. ミラーを介して光路が被写体側と撮像素子側とに分離された屈曲光学系のレンズ鏡胴において、
    絞り羽根と絞り駆動部材を有する絞りと、
    シャッタ羽根とシャッタ駆動部材を有するシャッタと、
    前記屈曲光学系のうちの一部の光学系を駆動する光学系駆動部材を有し、
    前記一部の光学系は、前記ミラーと前記撮像素子の間に配置され、
    前記絞り羽根及び前記シャッタ羽根は、前記一部の光学系に配置され、
    前記一部の光学系前記シャッタ羽根及び前記絞り羽根を駆動させる駆動源を有する駆動部を、一つのユニットとして固定部に配置し
    前記駆動部は、前記ミラーを挟んで前記一部の光学系と対向する位置に配置され、前記絞り羽根、前記シャッタ羽根及び前記一部の光学系は、前記各駆動部材を介して前記各駆動源と接続されていることを特徴とするレンズ鏡胴。
  2. 前記一部の光学系を保持する鏡枠と、前記シャッタ羽根及び前記絞り羽根保持するシャッタ絞り基板を有し、前記鏡枠と前記シャッタ絞り基板を、前記各駆動部材を介して前記固定部に対して機械的に接続させるように構成したことを特徴とする請求項1に記載のレンズ鏡胴。
  3. 前記シャッタ羽根は虹彩タイプであり、前記シャッタ絞り基板を、前記一部の光学系を構成するレンズのうち前記ミラーに最も近接するレンズの前記ミラーに対面する位置に配置したことを特徴とする請求項2に記載のレンズ鏡胴。
  4. 前記ミラーが可変ミラーであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のレンズ鏡胴。
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