JP2002228816A - 可変形状鏡の駆動装置 - Google Patents

可変形状鏡の駆動装置

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JP2002228816A
JP2002228816A JP2001020426A JP2001020426A JP2002228816A JP 2002228816 A JP2002228816 A JP 2002228816A JP 2001020426 A JP2001020426 A JP 2001020426A JP 2001020426 A JP2001020426 A JP 2001020426A JP 2002228816 A JP2002228816 A JP 2002228816A
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deformable mirror
lens
voltage
electrode
liquid crystal
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Takeshi Musashi
剛 八道
Takeshi Nakane
毅 中根
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Olympus Corp
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Olympus Optical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】可変形状鏡を構成する部品の精度及び組み立て
精度および撮影条件に影響されることなく、可変形状鏡
としての光学性能を高精度に保つことができ、しかも、
安価な光学装置にも適用可能な可変形状鏡の駆動装置を
提供する。 【解決手段】静電引力により変形する反射面と、該反射
面の形状を制御する電極とを有してなる可変形状鏡と、
前記可変形状鏡を駆動する駆動手段と、前記反射面の形
状変位に係るデータを予め記憶する記憶手段14と、前
記記憶手段に記憶されたデータに基づいて前記駆動手段
の駆動条件を補正する補正手段(d110、d111
…、d11n、…)と、を有して構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、可変形状鏡の駆動
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体プロセスを用いて、例えば
静電気等の電気的な力で鏡の反射面を変形させて所望の
光学特性を得ることのできる、小型の機器に適用可能な
可変形状鏡が提案されている。この可変形状鏡を用いれ
ば、省スペース化による小型化や簡単な構成で高速応答
できる可変形状鏡の特徴を生かした機器が提供できる可
能性がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、デジタルカメ
ラの光学系に可変形状鏡を、例えば、AF(オートフォ
ーカス)構成部材などの光学部材に用いた場合、可変形
状鏡自体の組み立て誤差等を要因として光学性能が設計
値とおりに高精度にでない場合がある。逆に、誤差を抑
えるためには可変形状鏡を構成する部品の精度及び組み
立て精度が要求され、コストアップになるため、安価な
機器には不向きである。
【0004】また、カメラ等の撮影光学系に可変形状鏡
を組込んだ場合には、カメラを長期間放置した後に撮影
したときや、可変形状鏡を駆動後の画像を確認したとき
等に、正常な光学特性が得られない場合がある。
【0005】さらに、可変形状鏡に精度が要求される露
光動作の場合や、長時間同じ姿勢を保持する長秒時露光
動作の場合、漏れ電流による電圧変化から反射面の光学
特性が変化して画像の精度を保つために無視できなくな
る程悪影響を及ぼす。
【0006】そこで、本発明はこれらの問題点に鑑み、
可変形状鏡を構成する部品の精度及び組み立て精度およ
び撮影条件に影響されることなく、可変形状鏡としての
光学性能を高精度に保つことができ、しかも、安価な光
学装置にも適用可能な可変形状鏡の駆動装置を提供する
ことを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明による可変形状鏡の駆動装置は、静電引力に
より変形する反射面と、該反射面の形状を制御する電極
とを有してなる可変形状鏡と、前記可変形状鏡を駆動す
る駆動手段と、前記反射面の形状変位に係るデータを予
め記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶されたデー
タに基づいて前記駆動手段の駆動条件を補正する補正手
段と、を有することを特徴とする。
【0008】また、本発明による可変形状鏡の駆動装置
は、前記記憶手段が、前記駆動手段により初期状態で所
望の反射面形状を得るためのデータを記憶することを特
徴とする。
【0009】また、本発明による可変形状鏡の駆動装置
は、前記駆動手段が、撮影前に前記記憶手段に記憶され
たデータに基づいて前記電極を初期状態に駆動すること
を特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を用いて説明する。図1は本発明の一実施形態にかかる
可変形状鏡の駆動装置を用いたカメラのシステム概略構
成図である。本発明の可変形状鏡の駆動装置を備えたカ
メラは、未図示の絞り及びメカシャッタを有する撮影レ
ンズ系1と、該撮影レンズ1の焦点位置を調整するため
のモータとモータドライバーとを備えたレンズ駆動部2
と、CCDイメージセンサ等の撮像素子3と、撮像素子
3を駆動して画像信号を得る撮像回路4と、アナログ画
像信号をデジタル画像信号に変換するA/D変換器6
と、画像信号を一時的に蓄えておくためのバッファメモ
リ7と、ストロボ発光回路8と、画像処理を行なうため
のDSP(デジタル・シグナル・プロセッサ)20と、
RISC−マイクロプロセッサ19と、データ圧縮伸長
回路15と、カードスロットに装着された着脱式メモリ
カードとアクセスするためのI/F(インターフェー
ス)16と、デジタル画像信号を画像表示したりビデオ
出力端子からビデオ信号を出力するための画像データを
記憶するビデオメモリ18と、外部入出力端子を介して
外部機器とデータ入出力を行なうためのI/F17など
を備えている。
【0011】更に、前記カメラは、撮影時に撮像素子3
の露出量を求めるためのAE部5と、ストロボ発光回路
8と、動作モード等の撮影情報を表示するためのモード
LCD9と、撮影、再生等に係る各種動作を行なうため
の操作部10と、可変形状鏡ユニット11と、カメラ各
部及び可変形状鏡11に対して電源供給を行なうための
電源回路12を備えている。そして、前記カメラの撮
影、再生等の動作に伴う各部の制御を行なうためのシス
テムコントローラ13を備えている。操作部10には、
撮影の開始及び記録を指示する未図示のレリーズ釦、モ
ード設定操作部等が設けられている。
【0012】図2は本実施形態のカメラに用いる可変形
状鏡を構成する電極の配置関係及び電圧制御を行なう電
源回路部のブロック図である。可変形状鏡11は、反射
面23と上部電極21とを備えた可撓性薄膜と、それに
対向して配置された制御電極である下部電極22とその
制御回路からなる制御基板を備え、この制御基板と図1
に示す電源回路12及びシステムコントローラ13とが
接続されている。
【0013】図2において、高圧電源Vpは100V程
度の定電圧源であり、リファレンス電圧Vrefは5V
程度の可変電圧である。また、駆動電圧VDは電圧制御
回路部24を駆動させるための電圧源である。これら高
電圧源Vp、リファレンス電圧Vref、駆動電圧源V
Dは印加され電圧制御回路部24へ供給される。電圧制
御回路部24には、高耐圧の電圧制御トランジスタ25
と制御回路26が形成されており、この電圧制御回路部
24により低電圧であるリファレンス電圧Vrefに対
応した出力電圧になるように高電圧源Vpを電圧制御し
制御電極である下部電極22へ印加する。また、クロッ
ク入力端子CKがリファレンス電圧Vrefの変化と同
期したパルス電圧であるタイミングパルスを発するよう
になっている。また、電圧制御回路部24には、上述の
高耐圧の電圧制御トランジスタ25と制御回路26の他
にタイミング発生回路27と高耐圧のスイッチング用ト
ランジスタ28が形成されている。また、電源回路に
は、データ入力端子DT及びデータ格納用バッファが設
けられていて、撮影条件に応じてデータ入力端子DTを
介して、可変形状鏡の誤差を補正した駆動電圧値が格納
されたデータ格納用バッファより、データ入力値に該当
する補正駆動電圧値を制御回路26に送り、その補正駆
動電圧値によりリファレンス電圧を補正することができ
るようになっている。
【0014】このように構成された可変形状鏡(電圧制
御回路部を含む)において、分割した制御電極である下
部電極22のうちの任意の電極に印加する電圧に応じた
リファレンス電圧Vrefを入力し、電圧制御トランジ
スタ25と制御回路26により出力電圧を制御する。こ
れと同期してタイミングパルスを入力し、タイミング発
生回路27の出力により該当制御電極に対応するスイッ
チング用トランジスタ28をON状態にする。一定時間
を経過してから該当スイッチング用トランジスタ28を
OFF状態にし、電圧制御トランジスタ25の出力と制
御電極の接続を断ち、制御電極へ印加した電圧を一定に
保つ。これにより該当制御電極に電圧制御された電圧が
印加される。このリファレンス電圧による電圧制御とタ
イミングパルスによるスイッチング用トランジスタ28
のON−OFFを時系列に行うことで分割した全ての制
御電極に任意の電圧を印加することができる。なお、こ
の場合の電圧制御回路の各部のタイミングチャートを図
3に示す。図3においては、分割した電極のうちの任意
の2つの電極について示してある。
【0015】ここで、可変形状鏡では負荷成分が対向電
極によるキャパシタンス成分であり、また対向電極に印
加する電圧は直流電圧であるため、分割した制御電極の
印加電圧を時系列に制御しても、各々の電極に印加され
る電圧を一定に保つことは容易にできる。これら電圧制
御回路を一体化することで、外部から電源と制御信号を
供給するだけで複数に分割した制御電極を有する可変形
状鏡を駆動することができ、また、制御電極の分割数が
増加してもそれに応じて制御回路を増やす必要は無く、
タイミング発生回路の簡単な変更とスイッチング用トラ
ンジスタの増設で電圧制御をすることができるため、省
スペース化することができ、小型化に適した可変形状鏡
を提供することができる。なお、図2においては、上部
電極21を1枚で構成し下部電極22を複数枚で構成し
たが、これとは逆に、上部電極21を複数の電極に分割
しこれに図2に示すような回路を接続し、下部電極22
を1枚の電極で構成し、下部電極22が反射面21を備
えるようにしてもよい。
【0016】図4は本実施形態のカメラに用いる可変形
状鏡の電極部を示す説明図であり、(a)〜(e)は、図2に
示す上部電極21の変形状態を示す側面図、(f)及び(g)
は図2に示す下部電極22の配置構成を示す平面図であ
る。可変形状鏡の複数の下部電極22は、図4(f)に示
すように、変形形状に応じて碁盤目状に分割されて構成
してもよく、または、図4(g)に示すように、同心円状
に分割されて構成してもよい。また、上部電極21は、
図4(a)に示すように、全体が対向電極側に平行に引っ
張られるように駆動させてもよく、または、図4(b),
(c)に示すように片側部分が対向電極側に引っ張られる
ように駆動させてもよく、さらには、図4(d),(e)に示
すように、対向電極に対し、凹状または凸状に変形させ
てもよい。
【0017】図5は本実施形態の可変形状鏡の駆動装置
を備えたカメラにおいて、可変形状鏡を測距部に用いた
例を示す説明図である。測距部は、三角測距の原理によ
り、所定の基線長だけ離れたレンズを透過した光を内蔵
したセンサーで検出することにより被写体までの距離に
相応する信号を検出することができるように構成されて
いる。より具体的に説明すると、赤外(IR)発光ダイ
オード31からの赤外光を可変形状鏡11の反射面32
で反射させて、投光レンズ33、投光用窓34を経て被
写体(図において、矢印a,b,cの延長線上にあるた
め図示を省略してある)に照射し、被写体で反射され、
受光窓35、受光レンズ36を経た光(矢印a’,
b’,c’で示す)をPSDなどの受光器37で受光
し、その出力により被写体までの距離を検出するように
構成されている。このとき可変形状鏡11の下部電極2
2を制御して反射面32をa,b,cの各方向へ投光さ
れるように駆動する。なお、図5においては、測定対象
となる被写体を紙面において行方向に走査した状態を示
しているが、列方向に走査させることも勿論可能であ
る。従って、可変形状鏡を用いることで、撮影画面上で
測定対象を走査してそれぞれの箇所での焦点距離を測定
することができる。
【0018】図6、7は本実施形態の可変形状鏡の駆動
装置を備えたカメラにおいて、可変形状鏡を撮像部に用
いた例を示す概略構成図である。図6の例では、撮像素
子の前に配置する撮像レンズ系1が、レンズ41と、可
変形状鏡42と、レンズ群43と、赤外カットフィルタ
ー44と、ローパスフィルター45とで構成されてい
る。そして、可変形状鏡42の反射面の形状を測距部を
介して得られた被写体までの距離に応じた電圧を可変形
状鏡42に備えられた電極に印加して凹状に変形させる
ことで、反射面のパワーを変えてオートフォーカスを行
うことができる。また、図7の例では、撮像素子の前に
配置する撮像レンズ系1が、レンズ51と、傾き可変な
可変形状鏡52と、レンズ群53と、赤外カットフィル
ター54と、ローパスフィルター55とで構成されてい
る。そして、図7の例では、傾き可変な可変形状鏡52
の反射面を、ヨー方向、ピッチ方向の角速度を夫々検出
する2つの角速度センサを介して得られた手ブレ量に応
じて電圧を傾き可変な可変形状鏡52に備えられた電極
に印加して、傾けることによって手ブレ量を補正するこ
ともできる。このように構成すれば、撮像レンズ系1を
構成するレンズ群43,53を移動させることなく所望
の焦点位置に調整することができ、その分レンズ駆動部
材等を省くことができ撮影レンズ構成を簡単にすること
ができる。
【0019】このような可変形状鏡を駆動させた場合、
上述のように可変形状鏡を構成する電極等の構成部材自
体の製造誤差や構成部材の組み立て誤差等により、光学
性能が設計値とおりに高精度にでない場合がある。可変
形状鏡の駆動のさせかたによっては、例えばその後に可
変形状鏡を初期状態に戻しても所定の平面形状が得られ
なくなるようなことが生じる虞れがある。
【0020】このため、本実施形態にかかる可変形状鏡
の駆動装置では、カメラに可変形状鏡を組み込んだ後
に、可変形状鏡を構成する個々の電極及び反射鏡の単体
及び組み立て誤差を初期状態及び各撮影条件に応じた状
態において測定し、通常の平面形状(初期状態)及び各
撮影条件における変形形状の設計値との誤差を補正する
ための、可変形状鏡を構成する各電極に印加する補正電
圧を、予め図1に示すEEPROM14に格納してお
き、撮影条件等に応じて可変形状鏡を構成する各電極に
印加する設計値上の電圧値を補正するように構成されて
いる。
【0021】更に、オートフォーカス用、手ブレ補正用
として、可変形状鏡を撮影部に用いた場合には、可変形
状鏡によって分離される前群のレンズと後群のレンズの
組み立て後の偏心、傾きを補正する補正電圧を予め図1
に示すEEPROM14に格納しておき、可変形状鏡を
駆動させるときに可変形状鏡を構成する各電極に印加す
る設計値上の電圧値を補正することにより撮影レンズの
性能を向上させることができる。
【0022】図8は本実施形態の可変形状鏡の駆動装置
の要部であるEEPROM14内部の記憶データ構成を
示す概念図である。可変形状鏡を構成する下部電極が図
3(f)に示すように碁盤目状(碁盤目の数は図3の個数
に限定されず任意に設定しうる)に分割されて構成され
ているものとし、それぞれの電極をG11、G12…と示し
てある。また、可変形状鏡製造時における組み立て誤差
や構成する個々の電極自体の製造誤差により、例えば、
各電極面が設計上平坦となる初期状態に補正するために
各電極に印加することが必要な駆動電圧値(補正電圧
値)をd110、d120……と示してある。また、図5に示
すような被写体の測距位置が1からnまでありそのとき
の各電極の姿勢が1からnまであるとし、その各電極に
おけるそれぞれの測距位置における駆動電圧値をd111
〜d11nd121〜d12n……と示してある。これらの駆動
電圧値は、可変形状鏡の製造時及びカメラの組み立て時
に計測し、そのデータを図1に示すEEPROM14に
記憶させておく。なお、このような駆動電圧値は、可変
形状鏡を図5に示すように測距部に組み込んだ場合の他
に、図6、7に示すように撮影レンズ系に組み込んだ場
合においても、それぞれの電極をG’11、G’12…に対
し、同様に初期状態の駆動電圧値d’110、d’120……
及び各焦点距離1〜nに応じた各電極の姿勢1〜nにお
ける駆動電圧値d’111〜d’11n、d’121〜d’12n
…を計測してEEPROM14に記憶させておく。
【0023】図9は本実施形態の可変形状鏡の駆動装置
を備えたカメラにおける撮影時の駆動制御を示すフロー
チャートである。図9において、カメラをONすると、
まず、カメラのEEPROM14に記憶されていた諸デ
ータを読み出す(ステップS1)。これらのデータに上
述の駆動電圧値が含まれている。次いで、モード選択画
面が例えば図1に示すカメラのモードLCD9に表示さ
れ、撮影者はモード選択を行う。そこで、撮影者により
選択されたモードをチェックする(ステップS2)。撮
影モードが選択されない場合には、図1に示す電源回路
12からの電源のうち駆動電源などの可変形状鏡の駆動
部の電源をOFFにして図2に示す電圧制御回路部24
に電源が供給されないようにし(ステップS3)、その
後に選択された各種モードの処理を行う(ステップS
4)。なお、モード選択には、撮影モード、撮影画像の
再生モード、各種数値の設定モード、及び外部との通信
モード等があるが、ここでは説明の便宜上、撮影モード
を選択した場合について説明する。
【0024】撮影モードが選択された場合には、可変形
状鏡の駆動部の電源をONにし、測距部、撮影レンズ系
の夫々に設けた可変形状鏡を構成する図2に示す各電極
22に対しEEPROM14から予め読み出しておいた
所定の駆動電圧値(図8におけるd110、d120……、
d’110、d’120……)でもって、所定のタイミングを
もって電圧制御回路部24に電圧を印加し(ステップS
5)、反射面23の向き及び変形状態をほぼ設計値通り
の初期状態にする(ステップS6)。その後、ストロボ
充電処理を開始する(ステップS7)。次いで、レリー
ズ釦が半押しされているか否かのチェックを行い、レリ
ーズ釦が半押しされるまでこの処理を繰りかえす(ステ
ップS8)。レリーズ釦が半押しされている場合には、
測距処理を行う(ステップS9)。
【0025】図10は本実施形態の可変形状鏡の駆動装
置を備えたカメラにおける測距処理のフローチャートで
ある。測距処理では、初期処理として測定位置カウンタ
nに1をセットする(ステップS91)。次に、ストロ
ボが充電中であるか否かのチェックを行い(ステップS
92)、充電中の場合は充電が完了するまで待つ(ステ
ップS93)。
【0026】ストロボの充電が完了、またはストロボ充
電動作をしていない場合には、先ず、測距部に設けた可
変形状鏡の駆動部の電源をONして、EPROM14よ
り予め読み出しておいた所定の駆動電圧値(図8におけ
るd110、d120……)でもって、所定のタイミングをも
って電圧制御回路部204に電源を供給し(ステップS
94)、反射鏡の向き及び変形状態をほぼ設計値通りの
初期状態にする(ステップS95)。
【0027】次に、測定位置カウンタnに対応する位置
(例えば、図5のa,b,cのいずれかの位置)の距離
が計測できるように反射面23の形状を変化させること
ができるようにEEPROM14より予め読み出してお
いた所定の駆動電圧値(図8におけるd111〜d11n、d
121〜d12n……のうちの該当データ)でもって、電圧制
御回路部24に電源を供給して各電極22を駆動し(ス
テップS96,S97)、該当位置での測定対象となる
被写体の測距を行う(ステップS98)。そして、図5
に示す受光器37の出力信号に基づく測定値を読み出し
て(ステップS99)、図1に示すバッファメモリ7に
一時的に格納する(ステップS100)。
【0028】その後、測定位置カウンタnに1をプラス
し(ステップS101)、測定対象となる被写体につい
ての撮影画面内の全領域の測距が終了するまで(図にお
いてはnが3に達するまで)、該当位置の測距を行い、
その測定値をバッファメモリ7に格納するまでの処理を
繰り返す(ステップS102)。なお、撮影画面内の領
域の走査は、行及び列の2次元で行なってもよい。ま
た、a,b,cの各位置のうち、aの位置は初期状態の
位置としてもよく、この場合は残りのb,cの位置に対
する変位を行なえばよいので、位置の設定回数を減らす
こともできる。
【0029】次に、得られた各測距値より図1に示す撮
影レンズ系1を介して所望位置の被写体が撮像素子に結
像するように駆動すべき撮像レンズ系1の一部を構成す
る可変形状鏡の該当電極部への印加電圧を算出し(ステ
ップS103)、その後、測距部の可変形状鏡1の駆動
部の電源をOFFにする(ステップS104)。これに
より測距処理(ステップS9)が終了する。
【0030】なお、上記ストロボ充電チェックに際し、
ストロボ充電中の場合は、ストロボ充電を一時停止させ
て、測距部の可変形状鏡の駆動以降の処理を優先し、駆
動電圧値(図8におけるd111〜d11nd121〜d12n
…のうちの該当データ)を介して反射面23の形状を変
化させた後、該当位置の測距を行い、その測定値をバッ
ファメモリに格納する処理を行い、得られた測定値より
撮像レンズ系1の一部を構成する可変形状鏡の各電極部
への印加電圧を算出し(ステップS99〜ステップS1
03)、可変形状鏡の駆動部の電源をOFFにした(ス
テップS104)後にストロボ充電を再開するようにし
てもよい。
【0031】測距処理(ステップS9)が終了後、図9
に示すように測光処理(ステップS10)を行う。その
後、ストロボ撮影の場合にはストロボが充電中であるか
否かのチェックを行い(ステップS11)、充電中の場
合は充電が完了するまで待つ(ステップS12)。スト
ロボ充電が完了しているとき、又は完了したときは、レ
リーズ釦が全押しされるまで処理を待つ(ステップS1
3)。
【0032】レリーズ釦が全押しされた場合には、所望
の位置の被写体が撮影レンズ系1を介して撮像素子3に
結像するように、ズーム処理を行なう(ステップS1
4)。
【0033】図11は本実施形態の可変形状鏡の駆動装
置を備えたカメラにおけるズーム処理のフローチャート
である。ズーム処理においては、初期処理として測定位
置カウンタnに1をセットする(ステップS141)。
次に、撮影レンズ系1の一部を構成する可変形状鏡の駆
動部の電源をONして、EPROM14より予め読み出
しておいた所定の駆動電圧値(図8におけるd’110
d’120……)でもって、所定のタイミングをもって電
圧制御回路部24に電源を供給し(ステップS14
2)、反射鏡の向き及び変形状態をほぼ設計値通りの初
期状態にする(ステップS143)。
【0034】その後、測距処理で得られた演算値より、
対応するEEPROM14より予め読み出しておいた所
定の駆動電圧値(図8におけるd’111〜d’11n、d’
121〜d’12n……のうちの該当データ)でもって、電圧
制御回路部24に電源を供給して駆動して(ステップS
144,S145)該当電極(図8におけるG’11
G’12……のうちの該当データ)に印加して該当ミラー
形状を、図1に示すレンズ駆動部2が撮影レンズ系1を
駆動させるのと同じ効果を奏するように変形させる(ズ
ーム駆動)。
【0035】その後、測定位置カウンタnに1をプラス
し(ステップS146)、測定対象となる被写体につい
ての撮影画面内の全領域の測距が終了するまで(図にお
いてはnが3に達するまで)、該当位置の測距を行い、
その測定値をメモリに格納するまでの処理を繰り返す
(ステップS147)。なお、撮影レンズを構成する可
変形状鏡の各電極によるズーム駆動は、行及び列の2次
元で行なってもよい。その後、撮影レンズ系の一部を構
成する可変形状鏡の駆動部の電源をOFFにする(ステ
ップS148)。これにより測距処理(ステップS1
4)が終了する。
【0036】なお、レンズ駆動部2は、上記駆動のほか
に、撮影レンズ系1を変倍駆動、さらには、沈胴、沈胴
位置から撮影位置への撮像レンズ系1を構成するレンズ
の駆動も行なうことができるようになっている。
【0037】図9において、ズーム処理終了後に、露光
処理を行う(ステップS15)。露光処理では、測光処
理で得られた値に応じて決定した絞りの開口及びシャッ
タースピードに基づいて、メカシャッタの駆動、撮像素
子3の制御、ストロボ発光等の露光動作を行ない、得ら
れた画像信号に基づいて画像処理を行なう(ステップS
16)。その後、撮像された画像を画像表示し(ステッ
プS17)、必要に応じて撮影者の操作によりメモリカ
ード等の記録媒体に記録する(ステップS18)。
【0038】この間、各可変形状鏡の駆動部の電源は、
OFF状態を保持している。そして、画像情報の記録が
終了した(ステップS19)後に、各可変形状鏡の駆動
部の電源をONして可変形状鏡を構成する電極により反
射面の向きや変形状態を初期化し(ステップS20)、
その後、各可変形状鏡の駆動部の電源をOFFにして一
駒の撮影処理が終了する。
【0039】従って、本実施例の可変形状鏡駆動装置に
よれば、可変形状鏡を製造後及びカメラに組み込み後の
調整時に光学誤差を補正するよう、各電極の制御電圧の
補正値を記憶する記憶部を有し、また、予め記憶された
各電極の駆動電圧値を読み出し、これに基づいて駆動制
御するようにしたので、光学系の誤差の補正を簡単に行
うことができる。また、撮影モード選択時や、レリーズ
スイッチの半押し時やモニター出力時等の撮影前に、各
電極を初期化する動作を行うようにしたので、前回の撮
影等の設定に影響されずに狙いの効果が得られる。
【0040】なお、本発明の可変形状鏡の駆動回路は、
更に、精度が要求される動作や長秒時露光動作の場合の
リークによる電圧変化を抑えるために、図2に示すよう
に、各電極22を流れる電圧をモニタするためのモニタ
出力手段としてモニターフィードバック用出力端子MO
Nを設け、さらに図12に示すようにモニターフィード
バック用のスイッチング用トランジスタ46を設けると
ともに、タイミング発生回路27でのスイッチングを回
路A群とB群のいずれかに対して行なうように選択する
選択回路をタイミング発生回路27に内蔵して、各電極
22を流れる電圧の出力端子MONにおけるモニタ状態
に基づいて電圧制御することができるように構成すると
好ましい。
【0041】図12においてA群が選択された場合に
は、スイッチング用トランジスタ28を介して各制御電
極へ電圧が印加され、B群が選択された場合には、スイ
ッチング用トランジスタ46を介して選択された制御電
極の電圧がモニターフィードバック用出力端子MONに
接続した図示しないモニタ手段を介してモニタされる。
このようにすれば、保持電圧状態に関する情報をアナロ
グまたはデジタルで外部からモニタでき、電圧制御に精
度が要求される場合や使用環境により電圧値が影響を受
けるような場合であっても、簡単に状態の判断ができる
ので、例えば、モニタの結果より、各電極に印加すべき
所定の電圧値を下回りそうな電極に再度電圧を印加する
ようにすることで、精度の高い電圧制御が可能となる。
【0042】その他、本発明に用いる可変形状鏡は、静
電引力で駆動する構成の他に、例えば、電磁気力で駆動
する構成や、圧電効果を用いて構成したものなど、電気
的な力を用いて反射面を駆動させることができるものを
用いても勿論よい。
【0043】なお、本発明における可変形状鏡駆動装置
のシーケンス制御は、撮像系の一部を構成するレンズに
可変焦点レンズを設け、電気的な力により変形してレン
ズ系の焦点位置を変えるように構成された可変焦点レン
ズの駆動装置のシーケンス制御にも適用できる。
【0044】次に、本発明の駆動装置に適用可能な可変
形状鏡、可変焦点レンズの構成例について説明する。
【0045】まず、本発明の駆動装置に適用可能な可変
形状鏡について説明する。図13は本発明の駆動装置を
適用した光学装置の他の実施例にかかる、光学特性ミラ
ーを用いたデジタルカメラのケプラー式ファインダーの
概略構成図である。もちろん、銀塩フィルムカメラにも
使える。まず、光学特性可変形状鏡409について説明
する。
【0046】光学特性可変形状鏡409は、アルミコー
ティングされた薄膜(反射面)409aと複数の電極4
09bからなる光学特性可変形状鏡(以下、単に可変形
状鏡と言う。)であり、411は各電極409bにそれ
ぞれ接続された複数の可変抵抗器、412は可変抵抗器
411と電源スイッチ413を介して薄膜409aと電
極409b間に接続された電源、414は複数の可変抵
抗器411の抵抗値を制御するための演算装置、41
5,416及び417はそれぞれ演算装置414に接続
された温度センサー、湿度センサー及び距離センサー
で、これらは図示のように配設されて1つの光学装置を
構成している。
【0047】なお、対物レンズ902、接眼レンズ90
1、及び、プリズム404、二等辺直角プリズム40
5、ミラー406及び可変形状鏡の各面は、平面でなく
てもよく、球面、回転対称非球面の他、光軸に対して偏
心した球面、平面、回転対称非球面、あるいは、対称面
を有する非球面、対称面を1つだけ有する非球面、対称
面のない非球面、自由曲面、微分不可能な点又は線を有
する面等、いかなる形状をしていてもよく、さらに、反
射面でも屈折面でも光に何らかの影響を与え得る面なら
ばよい。以下、これらの面を総称して拡張曲面という。
【0048】また、薄膜409aは、例えば、P.Rai-ch
oudhury編、Handbook of Michrolithography, Michroma
chining and Michrofabrication, Volume 2:Michromach
ining and Michrofabrication,P495,Fig.8.58, SPIE PR
ESS刊やOptics Communication, 140巻(1997年)P187〜
190に記載されているメンブレインミラーのように、複
数の電極409bとの間に電圧が印加されると、静電気
力により薄膜409aが変形してその面形状が変化する
ようになっており、これにより、観察者の視度に合わせ
たピント調整ができるだけでなく、さらに、レンズ90
1,902及び/又はプリズム404、二等辺直角プリ
ズム405、ミラー406の温度や湿度変化による変形
や屈折率の変化、あるいは、レンズ枠の伸縮や変形及び
光学素子、枠等の部品の組立誤差による結像性能の低下
が抑制され、常に適正にピント調整並びにピント調整で
生じた収差の補正が行われ得る。なお、電極409bの
形は、例えば図15、16に示すように、薄膜409a
の変形のさせ方に応じて選べばよい。
【0049】本実施例によれば、物体からの光は、対物
レンズ902及びプリズム404の各入射面と射出面で
屈折され、可変形状鏡409で反射され、プリズム40
4を透過して、二等辺直角プリズム405でさらに反射
され(図13中、光路中の+印は、紙面の裏側へ向かっ
て光線が進むことを示している。)、ミラー406で反
射され、接眼レンズ901を介して眼に入射するように
なっている。このように、レンズ901,902、プリ
ズム404,405、及び、可変形状鏡409によっ
て、本実施例の光学装置の観察光学系を構成しており、
これらの各光学素子の面形状と肉厚を最適化することに
より、物体面の収差を最小にすることができるようにな
っている。
【0050】すなわち、反射面としての薄膜409aの
形状は、結像性能が最適になるように演算装置414か
らの信号により各可変抵抗器411の抵抗値を変化させ
ることにより制御される。すなわち、演算装置414
へ、温度センサー415、湿度センサー416及び距離
サンサー417から周囲温度及び湿度並びに物体までの
距離に応じた大きさの信号が入力され、演算装置414
は、これらの入力信号に基づき周囲の温度及び湿度条件
と物体までの距離による結像性能の低下を補償すべく、
薄膜409aの形状が決定されるような電圧を電極40
9bに印加するように、可変抵抗器411の抵抗値を決
定するための信号を出力する。このように、薄膜409
aは電極409bに印加される電圧すなわち静電気力で
変形させられるため、その形状は状況により非球面を含
む様々な形状をとり、印加される電圧の極性を変えれば
凸面とすることもできる。なお、距離センサー417は
なくてもよく、その場合、固体撮像素子408からの像
の信号の高周波成分が略最大になるように、デジタルカ
メラの撮像レンズ403を動かし、その位置から逆に物
体距離を算出し、可変形状鏡を変形させて観察者の眼に
ピントが合うようにすればよい。
【0051】また、薄膜409aをポリイミド等の合成
樹脂で製作すれば、低電圧でも大きな変形が可能である
ので好都合である。なお、プリズム404と可変形状鏡
409を一体的に形成してユニット化することができ
る。
【0052】また、図示を省略したが、可変形状鏡40
9の基板上に固体撮像素子408をリソグラフィープロ
セスにより一体的に形成してもよい。
【0053】また、レンズ901,902、プリズム4
04,405、ミラー406は、プラスチックモールド
等で形成することにより任意の所望形状の曲面を用意に
形成することができ、製作も簡単である。なお、本実施
例の撮像装置では、レンズ901,902がプリズム4
04から離れて形成されているが、レンズ901,90
2を設けることなく収差を除去することができるように
プリズム404,405、ミラー406、可変形状鏡4
09を設計すれば、プリズム404,405、可変形状
鏡409は1つの光学ブロックとなり、組立が容易とな
る。また、レンズ901,902、プリズム404,4
05、ミラー406の一部あるいは全部をガラスで作製
してもよく、このように構成すれば、さらに精度の良い
撮像装置が得られる。
【0054】なお、図13の例では、演算装置414、
温度センサー415、湿度センサー416、距離センサ
ー417を設け、温湿度変化、物体距離の変化等も可変
形状鏡409で補償するようにしたが、そうではなくて
もよい。つまり、演算装置414、温度センサー41
5、湿度センサー416、距離センサー417を省き、
観察者の視度変化のみを可変形状鏡409で補正するよ
うにしてもよい。
【0055】次に、可変形状鏡409の別の構成につい
て述べる。
【0056】図14は本発明の駆動装置に適用可能な可
変形状鏡409の他の実施例を示しており、この実施例
では、薄膜409aと電極409bとの間に圧電素子4
09cが介装されていて、これらが支持台423上に設
けられている。そして、圧電素子409cに加わる電圧
を各電極409b毎に変えることにより、圧電素子40
9cに部分的に異なる伸縮を生じさせて、薄膜409a
の形状を変えることができるようになっている。電極4
09bの形は、図15に示すように、同心分割であって
もよいし、図16に示すように、矩形分割であってもよ
く、その他、適宜の形のものを選択することができる。
図14中、424は演算装置414に接続された振れ
(ブレ)センサーであって、例えばデジタルカメラの振
れを検知し、振れによる像の乱れを補償するように薄膜
409aを変形させるべく、演算装置414及び可変抵
抗器411を介して電極409bに印加される電圧を変
化させる。このとき、温度センサー415、湿度センサ
ー416及び距離センサー417からの信号も同時に考
慮され、ピント合わせ、温湿度補償等が行われる。この
場合、薄膜409aには圧電素子409cの変形に伴う
応力が加わるので、薄膜409aの厚さはある程度厚め
に作られて相応の強度を持たせるようにするのがよい。
【0057】図17は本発明の駆動装置に適用可能な可
変形状鏡409のさらに他の実施例を示している。この
実施例は、薄膜409aと電極409bの間に介置され
る圧電素子が逆方向の圧電特性を持つ材料で作られた2
枚の圧電素子409c及び409c’で構成されている
点で、図14に示された実施例とは異なる。すなわち、
圧電素子409cと409c’が強誘電性結晶で作られ
ているとすれば、結晶軸の向きが互いに逆になるように
配置される。この場合、圧電素子409cと409c’
は電圧が印加されると逆方向に伸縮するので、薄膜40
9aを変形させる力が図14に示した実施例の場合より
も強くなり、結果的にミラー表面の形を大きく変えるこ
とができるという利点がある。
【0058】圧電素子409c,409c’に用いる材
料としては、例えばチタン酸バリウム、ロッシエル塩、
水晶、電気石、リン酸二水素カリウム(KDP)、リン
酸二水素アンモニウム(ADP)、ニオブ酸リチウム等
の圧電物質、同物質の多結晶体、同物質の結晶、PbZ
rO3とPbTiO3の固溶体の圧電セラミックス、二フ
ッ化ポリビニール(PVDF)等の有機圧電物質、上記
以外の強誘電体等があり、特に有機圧電物質はヤング率
が小さく、低電圧でも大きな変形が可能であるので、好
ましい。なお、これらの圧電素子を利用する場合、厚さ
を不均一にすれば、上記実施例において薄膜409aの
形状を適切に変形させることも可能である。
【0059】また、圧電素子409c,409c’の材
質としては、ポリウレタン、シリコンゴム、アクリルエ
ラストマー、PZT、PLZT、ポリフッ化ビニリデン
(PVDF)等の高分子圧電体、シアン化ビニリデン共
重合体、ビニリデンフルオライドとトリフルオロエチレ
ンの共重合体等が用いられる。圧電性を有する有機材料
や、圧電性を有する合成樹脂、圧電性を有するエラスト
マー等を用いると可変形状鏡面の大きな変形が実現でき
てよい。
【0060】なお、図14、18の圧電素子409cに
電歪材料、例えば、アクリルエラストマー、シリコンゴ
ム等を用いる場合には、圧電素子409cを別の基板4
09c−1と電歪材料409c−2を貼り合わせた構造
にしてもよい。
【0061】図18は本発明の駆動装置に適用可能な可
変形状鏡409のさらに他の実施例を示している。この
実施例では、圧電素子409cが薄膜409aと電極4
09dとにより挟持され、薄膜409aと電極409d
間に演算装置414により制御される駆動回路425を
介して電圧が印加されるようになっており、さらにこれ
とは別に、支持台423上に設けられた電極409bに
も演算装置414により制御される駆動回路425を介
して電圧が印加されるように構成されている。したがっ
て、この実施例では、薄膜409aは電極409dとの
間に印加される電圧と電極409bに印加される電圧に
よる静電気力とにより二重に変形され得、上記実施例に
示した何れのものよりもより多くの変形パターンが可能
であり、かつ、応答性も速いという利点がある。
【0062】そして、薄膜409a、電極409d間の
電圧の符号を変えれば、可変形状鏡を凸面にも凹面にも
変形させることができる。その場合、大きな変形を圧電
効果で行ない、微細な形状変化を静電気力で行なっても
よい。また、凸面の変形には圧電効果を主に用い、凹面
の変形には静電気力を主に用いてもよい。なお、電極4
09dは電極409bのように複数の電極から構成され
てもよい。この様子を図18に示した。なお、本願で
は、圧電効果と電歪効果、電歪をすべてまとめて圧電効
果と述べている。従って、電歪材料も圧電材料に含むも
のとする。
【0063】図19は本発明の駆動装置に適用可能な可
変形状鏡409のさらに他の実施例を示している。この
実施例は、電磁気力を利用して反射面の形状を変化させ
得るようにしたもので、支持台423の内部底面上には
永久磁石426が、頂面上には窒化シリコン又はポリイ
ミド等からなる基板409eの周縁部が載置固定されて
おり、基板409eの表面にはアルミニウム等の金属コ
ートで作られた薄膜409aが付設されていて、可変形
状鏡409を構成している。基板409eの下面には複
数のコイル427が配設されており、これらのコイル4
27はそれぞれ駆動回路428を介して演算装置414
に接続されている。したがって、各センサー415,4
16,417,424からの信号によって演算装置41
4において求められる光学系の変化に対応した演算装置
414からの出力信号により、各駆動回路428から各
コイル427にそれぞれ適当な電流が供給されると、永
久磁石426との間に働く電磁気力で各コイル427は
反発又は吸着され、基板409e及び薄膜409aを変
形させる。
【0064】この場合、各コイル427はそれぞれ異な
る量の電流を流すようにすることもできる。また、コイ
ル427は1個でもよいし、永久磁石426を基板40
9eに付設しコイル427を支持台423の内部底面側
に設けるようにしてもよい。また、コイル427はリソ
グラフィー等の手法で作るとよく、さらに、コイル42
7には強磁性体よりなる鉄心を入れるようにしてもよ
い。
【0065】この場合、薄膜コイル427の巻密度を、
図20に示すように、場所によって変化させることによ
り、基板409e及び薄膜409aに所望の変形を与え
るようにすることもできる。また、コイル427は1個
でもよいし、また、これらのコイル427には強磁性体
よりなる鉄心を挿入してもよい。
【0066】図21は本発明の駆動装置に適用可能な可
変形状鏡409のさらに他の実施例を示している。この
実施例では、基板409eは鉄等の強磁性体で作られて
おり、反射膜としての薄膜409aはアルミニウム等か
らなっている。この場合、薄膜コイルを設けなくてもす
むから、構造が簡単で、製造コストを低減することがで
きる。また、電源スイッチ413を切換え兼電源開閉用
スイッチに置換すれば、コイル427に流れる電流の方
向を変えることができ、基板409e及び薄膜409a
の形状を自由に変えることができる。図22はこの実施
例におけるコイル427の配置を示し、図23はコイル
427の他の配置例を示しているが、これらの配置は、
図19に示した実施例にも適用することができる。な
お、図24は、図19に示した実施例において、コイル
427の配置を図23に示したようにした場合に適する
永久磁石426の配置を示している。すなわち、図24
に示すように、永久磁石426を放射状に配置すれば、
図19に示した実施例に比べて、微妙な変形を基板40
9e及び薄膜409aに与えることができる。また、こ
のように電磁気力を用いて基板409e及び薄膜409
aを変形させる場合(図13及び図21の実施例)は、
静電気力を用いた場合よりも低電圧で駆動できるという
利点がある。
【0067】以上いくつかの可変形状鏡の実施例を述べ
たが、ミラーの形を変形させるのに、図18の例に示す
ように、2種類以上の力を用いてもよい。つまり静電気
力、電磁力、圧電効果、磁歪、流体の圧力、電場、磁
場、温度変化、電磁波等のうちから2つ以上を同時に用
いて可変形状鏡を変形させてもよい。つまり2つ以上の
異なる駆動方法を用いて光学特性可変光学素子を作れ
ば、大きな変形と微細な変形とを同時に実現でき、精度
の良い鏡面が実現できる。
【0068】図25は本発明のさらに他の実施例に係
る、駆動装置に適用可能な可変形状鏡409を用いた撮
像系、例えば携帯電話のデジタルカメラ、カプセル内視
鏡、電子内視鏡、パソコン用デジタルカメラ、PDA用
デジタルカメラ等に用いられる撮像系の概略構成図であ
る。本実施例の撮像系は、可変形状鏡409と、レンズ
902と、固体撮像素子408と、制御系103とで一
つの撮像ユニット104を構成している。本実施例の撮
像ユニット104では、レンズ102を通った物体から
の光は可変形状鏡409で集光され、固体撮像素子40
8の上に結像する。可変形状鏡409は、光学特性可変
光学素子の一種であり、可変焦点ミラーとも呼ばれてい
る。
【0069】本実施例によれば、物体距離が変わっても
可変形状鏡409を変形させることでピント合わせをす
ることができ、レンズをモータ等で駆動する必要がな
く、小型化、軽量化、低消費電力化の点で優れている。
また、撮像ユニット104は本発明の撮像系としてすべ
ての実施例で用いることができる。また、可変形状鏡4
09を複数用いることでズーム、変倍の撮像系、光学系
を作ることができる。なお、図25では、制御系103
にコイルを用いたトランスの昇圧回路を含む制御系の構
成例を示している。特に積層型圧電トランスを用いる
と、小型化できてよい。昇圧回路は本発明のすべての電
気を用いる可変形状鏡、可変焦点レンズに用いることが
できるが、特に静電気力、圧電効果を用いる場合の可変
形状鏡、可変焦点レンズに有用である。
【0070】図26は本発明の駆動装置に適用可能な可
変形状鏡のさらに他の実施例に係る、マイクロポンプ1
80で流体161を出し入れし、レンズ面を変形させる
可変形状鏡188の概略構成図である。本実施例によれ
ば、レンズ面を大きく変形させることが可能になるとい
うメリットがある。マイクロポンプ180は、例えば、
マイクロマシンの技術で作られた小型のポンプで、電力
で動くように構成されている。流体161は、透明基板
163と、弾性体164との間に挟まれている。マイク
ロマシンの技術で作られたポンプの例としては、熱変形
を利用したもの、圧電材料を用いたもの、静電気力を用
いたものなどがある。
【0071】図27は本発明の駆動装置に適用可能なマ
イクロポンプの一実施例を示す概略構成図である。本実
施例のマイクロポンプ180では、振動板181は静電
気力、圧電効果等の電気力により振動する。図27では
静電気力により振動する例を示しており、図27中、1
82,183は電極である。また、点線は変形した時の
振動板181を示している。振動板181の振動に伴
い、2つの弁184,185が開閉し、流体161を右
から左へ送るようになっている。
【0072】本実施例の可変形状鏡188では、反射膜
189が流体161の量に応じて凹凸に変形すること
で、可変形状鏡として機能する。可変形状鏡188は流
体161で駆動されている。流体としては、シリコンオ
イル、空気、水、ゼリー、等の有機物、無機物を用いる
ことができる。
【0073】なお、静電気力、圧電効果を用いた可変形
状鏡、可変焦点レンズなどにおいては、駆動用に高電圧
が必要になる場合がある。その場合には、例えば図24
に示すように、昇圧用のトランス、あるいは圧電トラン
ス等を用いて制御系を構成するとよい。また、反射用の
薄膜409aは、変形しない部分にも設けておくと、可
変形状鏡の形状を干渉計等で測定する場合に、基準面と
して使うことができ便利である。
【0074】次に、本発明の駆動装置に適用可能な可変
焦点レンズについて説明する。図28は本発明の駆動装
置に適用可能な可変焦点レンズの原理的構成を示す図で
ある。この可変焦点レンズ511は、第1,第2の面と
してのレンズ面508a,508bを有する第1のレン
ズ512aと、第3,第4の面としてのレンズ面509
a,509bを有する第2のレンズ512bと、これら
レンズ間に透明電極513a,513bを介して設けた
高分子分散液晶層514とを有し、入射光を第1,第2
のレンズ512a,512bを経て収束させるものであ
る。透明電極513a,513bは、スイッチ515を
介して交流電源516に接続して、高分子分散液晶層5
14に交流電界を選択的に印加するようにする。なお、
高分子分散液晶層514は、それぞれ液晶分子517を
含む球状、多面体等の任意の形状の多数の微小な高分子
セル518を有して構成し、その体積は、高分子セル5
18を構成する高分子および液晶分子517がそれぞれ
占める体積の和に一致させる。
【0075】ここで、高分子セル518の大きさは、例
えば球状とする場合、その平均の直径Dを、使用する光
の波長をλとするとき、例えば、 2nm≦D≦λ/5 …(1) とする。すなわち、液晶分子517の大きさは、2nm
程度以上であるので、平均の直径Dの下限値は、2nm
以上とする。また、Dの上限値は、可変焦点レンズ51
1の光軸方向における高分子分散液晶層514の厚さt
にも依存するが、λに比べて大きいと、高分子の屈折率
と液晶分子517の屈折率との差により、高分子セル5
18の境界面で光が散乱して高分子分散液晶層514が
不透明になってしまうため、後述するように、好ましく
はλ/5以下とする。可変焦点レンズが用いられる光学
製品によっては高精度を要求しない場合もあり、そのと
きDはλ以下でよい。なお、高分子分散液晶層514の
透明度は、厚さtが厚いほど悪くなる。
【0076】また、液晶分子517は、例えば、一軸性
のネマティック液晶分子を用いる。この液晶分子517
の屈折率楕円体は、図29に示すような形状となり、 nox=noy=no …(2) である。ただし、noは常光線の屈折率を示し、nox
よびnoyは、常光線を含む面内での互いに直交する方向
の屈折率を示す。
【0077】ここで、図28に示すように、スイッチ5
15をオフ、すなわち高分子分散液晶層514に電界を
印加しない状態では、液晶分子517が様々な方向を向
いているので、入射光に対する高分子分散液晶層514
の屈折率は高く、屈折力の強いレンズとなる。これに対
し、図30に示すように、スイッチ515をオンとして
高分子分散液晶層514に交流電界を印加すると、液晶
分子517は、屈折率楕円体の長軸方向が可変焦点レン
ズ511の光軸と平行となるように配向するので、屈折
率が低くなり、屈折力の弱いレンズとなる。
【0078】なお、高分子分散液晶層514に印加する
電圧は、例えば、図31に示すように、可変抵抗器51
9により段階的あるいは連続的に変化させることもでき
る。このようにすれば、印加電圧が高くなるにつれて、
液晶分子517は、その楕円長軸が徐々に可変焦点レン
ズ511の光軸と平行となるように配向するので、屈折
力を段階的あるいは連続的に変えることができる。
【0079】ここで、図28に示す状態、すなわち高分
子分散液晶層514に電界を印加しない状態での、液晶
分子517の平均屈折率nLC’は、図29に示すように
屈折率楕円体の長軸方向の屈折率をnzとすると、およ
そ (nox+noy+nZ)/3≡nLC’ …(3) となる。また、上記(2)式が成り立つときの平均屈折率
LCは、nzを異常光線の屈折率neと表して、 (2no+ne)/3≡nLC …(4) で与えられる。このとき、高分子分散液晶層514の屈
折率nAは、高分子セル518を構成する高分子の屈折
率をnPとし、高分子分散液晶層514の体積に占める
液晶分子517の体積の割合をffとすると、マックス
ウェル・ガーネットの法則により、 nA=ff・nLC’+(1−ff)nP …(5) で与えられる。
【0080】したがって、図31に示すように、レンズ
512aおよび512bの内側の面、すなわち高分子分
散液晶層514側の面の曲率半径を、それぞれR1およ
びR2とすると、可変焦点レンズ511の焦点距離f
1は、 1/f1=(nA−1)(1/R1−1/R2) …(6) で与えられる。なお、R1およびR2は、曲率中心が像点
側にあるとき、正とする。また、レンズ512aおよび
512bの外側の面による屈折は除いている。つまり、
高分子分散液晶層514のみによるレンズの焦点距離
が、(6)式で与えられる。
【0081】また、常光線の平均屈折率を、 (nox+noy)/2=no’ …(7) とすれば、図30に示す状態、すなわち高分子分散液晶
層514に電界を印加した状態での、高分子分散液晶層
514の屈折率nBは、 nB=ff・no’+(1−ff)nP …(8) で与えられるので、この場合の高分子分散液晶層514
のみによるレンズの焦点距離f2は、 1/f2=(nB−1)(1/R1−1/R2) …(9) で与えられる。なお、高分子分散液晶層514に、図3
0におけるよりも低い電圧を印加する場合の焦点距離
は、(6)式で与えられる焦点距離f1と、(9)式で与えら
れる焦点距離f2との間の値となる。
【0082】上記(6)および(9)式から、高分子分散液晶
層514による焦点距離の変化率は、 |(f2−f1)/f2|=|(nB−nA)/(nB−1)| …(10) で与えられる。したがって、この変化率を大きくするに
は、|nB−nA|を大きくすればよい。ここで、 nB−nA=ff(no’−nLC’) …(11) であるから、|no’−nLC’|を大きくすれば、変化
率を大きくすることができる。実用的には、nBが、
1.3〜2程度であるから、 0.01≦|no’−nLC’|≦10 …(12) とすれば、ff=0.5のとき、高分子分散液晶層51
4による焦点距離を、0.5%以上変えることができる
ので、効果的な可変焦点レンズを得ることができる。な
お、|no’−nLC’|は、液晶物質の制限から、10
を越えることはできない。
【0083】次に、上記(1)式の上限値の根拠について
説明する。「Solar Energy Materials and Solar Cell
s」31巻,Wilson and Eck,1993, Eleevier Science Publ
ishersB.v.発行の第197 〜214 頁、「Transmission var
iation using scattering/transparent switching film
s 」には、高分子分散液晶の大きさを変化させたときの
透過率τの変化が示されている。そして、かかる文献の
第206 頁、図6には、高分子分散液晶の半径をrとし、
t=300μm、ff=0.5、nP =1.45、nLC
=1.585、λ=500nmとするとき、透過率τ
は、理論値で、r=5nm(D=λ/50、D・t=λ
・6μm(ただし、Dおよびλの単位はnm、以下も同
じ))のときτ≒90%となり、r=25nm(D=λ
/10)のときτ≒50%になることが示されている。
【0084】ここで、例えば、t=150μmの場合を
推定してみると、透過率τがtの指数関数で変化すると
仮定して、t=150μmの場合の透過率τを推定して
みると、r=25nm(D=λ/10、D・t=λ・1
5μm)のときτ≒71%となる。また、t=75μm
の場合は、同様に、r=25nm(D=λ/10、D・
t=λ・7.5μm)のときτ≒80%となる。
【0085】これらの結果から、 D・t≦λ・15μm …(13) であれば、τは70%〜80%以上となり、レンズとし
て十分実用になる。したがって、例えば、t=75μm
の場合は、D≦λ/5で、十分な透過率が得られること
になる。
【0086】また、高分子分散液晶層514の透過率
は、nPの値がnLC’の値に近いほど良くなる。一方、
o’とnPとが異なる値になると、高分子分散液晶層5
14の透過率は悪くなる。図28の状態と図30の状態
とで、平均して高分子分散液晶層514の透過率が良く
なるのは、 nP=(no’+nLC’)/2 …(14) を満足するときである。
【0087】ここで、可変焦点レンズ511は、レンズ
として使用するものであるから、図28の状態でも、図
30の状態でも、透過率はほぼ同じで、かつ高い方が良
い。そのためには、高分子セル518を構成する高分子
の材料および液晶分子517の材料に制限があるが、実
用的には、 no’≦nP≦nLC’ …(15) とすればよい。
【0088】上記(14)式を満足すれば、上記(13)式は、
さらに緩和され、 D・t≦λ・60μm …(16) であれば良いことになる。なぜなら、フレネルの反射則
によれば、反射率は屈折率差の2乗に比例するので、高
分子セル518を構成する高分子と液晶分子517との
境界での光の反射、すなわち高分子分散液晶層514の
透過率の減少は、およそ上記の高分子と液晶分子517
との屈折率の差の2乗に比例するからである。
【0089】以上は、no’≒1.45、nLC’≒1.
585の場合であったが、より一般的に定式化すると、 D・t≦λ・15μm・(1.585−1.45)2/(nu−nP2 …(17) であればよい。ただし、(nu−nP2は、(nLC’−
P2と(no’−nP2とのうち、大きい方である。
【0090】また、可変焦点レンズ511の焦点距離変
化を大きくするには、ffの値が大きい方が良いが、f
f=1では、高分子の体積がゼロとなり、高分子セル5
18を形成できなくなるので、 0.1≦ff≦0.999 …(18) とする。一方、ffは、小さいほどτは向上するので、
上記(17)式は、好ましくは、 4×10-6〔μm〕2≦D・t≦λ・45μm・(1.585−1.45)2/(nu−nP)2…(19) とする。なお、tの下限値は、図28から明らかなよう
に、t=Dで、Dは、上述したように2nm以上である
ので、D・tの下限値は、(2×10-3μm)2、すな
わち4×10-6〔μm〕2となる。
【0091】なお、物質の光学特性を屈折率で表す近似
が成り立つのは、「岩波科学ライブラリー8 小惑星が
やってくる」向井正著,1994,岩波書店発行の第58頁に
記載されているように、Dが10nm〜5nmより大き
い場合である。また、Dが500λを越えると、光の散
乱は幾何学的となり、高分子セル518を構成する高分
子と液晶分子517との界面での光の散乱がフレネルの
反射式に従って増大するので、Dは、実用的には、 7nm≦D≦500λ …(20) とする。
【0092】図32は、図31に示す可変焦点レンズ5
11を用いるデジタルカメラ用の撮像光学系の構成を示
すものである。この撮像光学系においては、物体(図示
せず)の像を、絞り521、可変焦点レンズ511およ
びレンズ522を介して、例えばCCDよりなる固体撮
像素子523上に結像させる。なお、図32では、液晶
分子の図示を省略してある。
【0093】かかる撮像光学系によれば、可変抵抗器5
19により可変焦点レンズ511の高分子分散液晶層5
14に印加する交流電圧を調整して、可変焦点レンズ5
11の焦点距離を変えることより、可変焦点レンズ51
1およびレンズ522を光軸方向に移動させることな
く、例えば、無限遠から600mmまでの物体距離に対
して、連続的に合焦させることが可能となる。
【0094】図33は本発明の駆動装置に適用可能な可
変焦点回折光学素子の一例の構成を示す図である。この
可変焦点回折光学素子531は、平行な第1,第2の面
532a,532bを有する第1の透明基板532と、
光の波長オーダーの溝深さを有する断面鋸歯波状のリン
グ状回折格子を形成した第3の面533aおよび平坦な
第4の面533bを有する第2の透明基板533とを有
し、入射光を第1,第2の透明基板532,533を経
て出射させるものである。第1,第2の透明基板53
2,533間には、図28で説明したと同様に、透明電
極513a,513bを介して高分子分散液晶層514
を設け、透明電極513a,513bをスイッチ515
を経て交流電源516に接続して、高分子分散液晶層5
14に交流電界を印加するようにする。
【0095】かかる構成において、可変焦点回折光学素
子531に入射する光線は、第3の面533aの格子ピ
ッチをpとし、mを整数とすると、 psinθ=mλ …(21) を満たす角度θだけ偏向されて出射される。また、溝深
さをh、透明基板33の屈折率をn33とし、kを整数と
すると、 h(nA−n33)=mλ …(22) h(nB−n33)=kλ …(23) を満たせば、波長λで回折効率が100%となり、フレ
アの発生を防止することができる。
【0096】ここで、上記(22)および(23)式の両辺の差
を求めると、 h(nA−nB)=(m−k)λ …(24) が得られる。したがって、例えば、λ=500nm、n
A=1.55、nB=1.5とすると、 0.05h=(m−k)・500nm となり、m=1,k=0とすると、 h=10000nm=10μm となる。この場合、透明基板533の屈折率n33は、上
記(22)式から、n33=1.5であればよい。また、可変
焦点回折光学素子531の周辺部における格子ピッチp
を10μmとすると、θ≒2.87°となり、Fナンバ
ーが10のレンズを得ることができる。
【0097】かかる、可変焦点回折光学素子531は、
高分子分散液晶層514への印加電圧のオン・オフで光
路長が変わるので、例えば、レンズ系の光束が平行でな
い部分に配置して、ピント調整を行うのに用いたり、レ
ンズ系全体の焦点距離等を変えるのに用いることができ
る。
【0098】なお、この実施形態において、上記(22)〜
(24)式は、実用上、 0.7mλ≦h(nA−n33)≦1.4mλ …(25) 0.7kλ≦h(nB−n33)≦1.4kλ …(26) 0.7(m−k)λ≦h(nA−nB)≦1.4(m−k)λ …(27) を満たせば良い。
【0099】また、ツイストネマティック液晶を用いる
可変焦点レンズもある。図34および図35は、この場
合の可変焦点眼鏡550の構成を示すものであり、可変
焦点レンズ551は、レンズ552および553と、こ
れらレンズの内面上にそれぞれ透明電極513a,51
3bを介して設けた配向膜539a,539bと、これ
ら配向膜間に設けたツイストネマティック液晶層554
とを有して構成し、その透明電極513a,513bを
可変抵抗器519を経て交流電源516に接続して、ツ
イストネマティック液晶層554に交流電界を印加する
ようにする。
【0100】かかる構成において、ツイストネマティッ
ク液晶層554に印加する電圧を高くすると、液晶分子
555は、図35に示すようにホメオトロピック配向と
なり、図34に示す印加電圧が低いツイストネマティッ
ク状態の場合に比べて、ツイストネマティック液晶層5
54の屈折率は小さくなり、焦点距離が長くなる。
【0101】ここで、図34に示すツイストネマティッ
ク状態における液晶分子555の螺旋ピッチPは、光の
波長λに比べて同じ程度か十分小さくする必要があるの
で、例えば、 2nm≦P≦2λ/3 …(28) とする。なお、この条件の下限値は、液晶分子の大きさ
で決まり、上限値は、入射光が自然光の場合に、図34
の状態でツイストネマティック液晶層554が等方媒質
として振る舞うために必要な値であり、この上限値の条
件を満たさないと、可変焦点レンズ551は偏光方向に
よって焦点距離の異なるレンズとなり、これがため二重
像が形成されてぼけた像しか得られなくなる。
【0102】図36(a)は、本発明の駆動装置に適用可
能な可変偏角プリズムの構成を示すものである。この可
変偏角プリズム561は、第1,第2の面562a,5
62bを有する入射側の第1の透明基板562と、第
3,第4の面563a,563bを有する出射側の平行
平板状の第2の透明基板563とを有する。入射側の透
明基板562の内面(第2の面)562bは、フレネル
状に形成し、この透明基板562と出射側の透明基板5
63との間に、図28で説明したと同様に、透明電極5
13a,513bを介して高分子分散液晶層514を設
ける。透明電極513a,513bは、可変抵抗器51
9を経て交流電源516に接続し、これにより高分子分
散液晶層514に交流電界を印加して、可変偏角プリズ
ム561を透過する光の偏角を制御するようにする。な
お、図36(a)では、透明基板562の内面562bを
フレネル状に形成したが、例えば、図36(b)に示すよ
うに、透明基板562および563の内面を相対的に傾
斜させた傾斜面を有する通常のプリズム状に形成するこ
ともできるし、あるいは図33に示した回折格子状に形
成することもできる。回折格子状に形成する場合には、
上記の(21)〜(27)式が同様にあてはまる。
【0103】かかる構成の可変偏角プリズム561は、
例えば、TVカメラ、デジタルカメラ、フィルムカメ
ラ、双眼鏡等のブレ防止用として有効に用いることがで
きる。この場合、可変偏角プリズム561の屈折方向
(偏向方向)は、上下方向とするのが望ましいが、さら
に性能を向上させるためには、2個の可変偏角プリズム
561を偏向方向を異ならせて、例えば図37に示すよ
うに、上下および左右の直交する方向で屈折角を変える
ように配置するのが望ましい。なお、図36および図3
7では、液晶分子の図示を省略してある。
【0104】図38は本発明の駆動装置に適用可能な可
変焦点レンズとしての可変焦点ミラーを示すものであ
る。この可変焦点ミラー565は、第1,第2の面56
6a,566bを有する第1の透明基板566と、第
3,第4の面567a,567bを有する第2の透明基
板567とを有する。第1の透明基板566は、平板状
またはレンズ状に形成して、内面(第2の面)566b
に透明電極513aを設け、第2の透明基板567は、
内面(第3の面)567aを凹面状に形成して、該凹面
上に反射膜568を施し、さらにこの反射膜568上に
透明電極513bを設ける。透明電極513a,513
b間には、図28で説明したと同様に、高分子分散液晶
層514を設け、これら透明電極513a,513bを
スイッチ515および可変抵抗器519を経て交流電源
516に接続して、高分子分散液晶層514に交流電界
を印加するようにする。なお、図38では、液晶分子の
図示を省略してある。
【0105】かかる構成によれば、透明基板566側か
ら入射する光線は、反射膜568により高分子分散液晶
層514を折り返す光路となるので、高分子分散液晶層
514の作用を2回もたせることができると共に、高分
子分散液晶層514への印加電圧を変えることにより、
反射光の焦点位置を変えることができる。この場合、可
変焦点ミラー565に入射した光線は、高分子分散液晶
層514を2回透過するので、高分子分散液晶層514
の厚さの2倍をtとすれば、上記の各式を同様に用いる
ことができる。なお、透明基板566または567の内
面を、図33に示したように回折格子状にして、高分子
分散液晶層514の厚さを薄くすることもできる。この
ようにすれば、散乱光をより少なくできる利点がある。
【0106】なお、以上の説明では、液晶の劣化を防止
するため、電源として交流電源516を用いて、液晶に
交流電界を印加するようにしたが、直流電源を用いて液
晶に直流電界を印加するようにすることもできる。ま
た、液晶分子の方向を変える方法としては、電圧を変化
させること以外に、液晶にかける電場の周波数、液晶に
かける磁場の強さ・周波数、あるいは液晶の温度等を変
化させることによってもよい。以上に示した実施形態に
おいて、高分子分散液晶は液状ではなく固体に近いもの
もあるので、その場合はレンズ512a,512bの一
方、透明基板532、レンズ538、レンズ552,5
53の一方、図36(a)における透明基板563、図3
6(b)における透明基板562,563の一方、透明基
板566,567の一方はなくてもよい。
【0107】図39は本発明の駆動装置に適用可能なさ
らに他の実施例に係る、可変焦点レンズ140を用いた
撮像ユニット141の概略構成図である。撮像ユニット
141は本発明の撮像系として用いることができる。本
実施例では、レンズ102と可変焦点レンズ140と
で、撮像レンズを構成している。そして、この撮像レン
ズと固体撮像素子408とで撮像ユニット141を構成
している。可変焦点レンズ140は、透明部材142と
圧電性のある合成樹脂等の柔らかい透明物質143と
で、光を透過する流体あるいはゼリー状物質144を挟
んで構成されている。
【0108】流体あるいはゼリー状物質144として
は、シリコンオイル、弾性ゴム、ゼリー、水等を用いる
ことができる。透明物質143の両面には透明電極14
5が設けられており、回路103’を介して電圧を加え
ることで、透明物質143の圧電効果により透明物質1
43が変形し、可変焦点レンズ140の焦点距離が変わ
るようになっている。従って、本実施例によれば、物体
距離が変わった場合でも光学系をモーター等で動かすこ
となくフォーカスができ、小型、軽量、消費電力が少な
い点で優れている。
【0109】なお、図39中、145は透明電極、14
6は流体をためるシリンダーである。また、透明物質1
43の材質としては、ポリウレタン、シリコンゴム、ア
クリルエラストマー、PZT、PLZT、ポリフッ化ビ
ニリデン(PVDF)等の高分子圧電体、シアン化ビニ
リデン共重合体、ビニリデンフルオライドとトリフルオ
ロエチレンの共重合体等が用いられる。圧電性を有する
有機材料や、圧電性を有する合成樹脂、圧電性を有する
エラストマー等を用いると可変焦点レンズ面の大きな変
形が実現できてよい。可変焦点レンズには透明な圧電材
料を用いるとよい。
【0110】なお、図39の例で、可変焦点レンズ14
0は、シリンンダー146を設けるかわりに、図40に
示すように、支援部材147を設けてシリンダー146
を省略した構造にしてもよい。支援部材147は、間に
透明電極145を挟んで、透明物質143の一部の周辺
部分を固定している。本実施例によれば、透明物質14
3に電圧をかけることによって、透明物質143が変形
しても、図41に示すように、可変焦点レンズ140全
体の体積が変わらないように変形するため、シリンダー
146が不要になる。なお、図40、41中、148は
変形可能な部材で、弾性体、アコーディオン状の合成樹
脂または金属等でできている。
【0111】図39、図40に示す実施例では、電圧を
逆に印加すると透明物質143は逆向きに変形するので
凹レンズにすることも可能である。なお、透明物質14
3に電歪材料、例えば、アクリルエラストマー、シリコ
ンゴム等を用いる場合は、透明物質143を透明基板と
電歪材料を貼り合わせた構造にするとよい。
【0112】図42は本発明の駆動装置に適用可能な可
変焦点レンズのさらに他の実施例に係る、マイクロポン
プ160で流体161を出し入れし、レンズ面を変形さ
せる可変焦点レンズ162の概略構成図である。マイク
ロポンプ160は、例えば、マイクロマシンの技術で作
られた小型のポンプで、電力で動くように構成されてい
る。流体161は、透明基板163と、弾性体164と
の間に挟まれている。図42中、165は弾性体164
を保護するための透明基板で、設けなくてもよい。マイ
クロマシンの技術で作られたポンプの例としては、熱変
形を利用したもの、圧電材料を用いたもの、静電気力を
用いたものなどがある。
【0113】そして、図27で示したようなマイクロポ
ンプ180を、例えば、図42に示す可変焦点レンズに
用いるマイクロポンプ160のように、2つ用いればよ
い。
【0114】なお、静電気力、圧電効果を用いた可変焦
点レンズなどにおいては、駆動用に高電圧が必要になる
場合がある。その場合には、昇圧用のトランス、あるい
は圧電トランス等を用いて制御系を構成するとよい。特
に積層型圧電トランスを用いると小型にできてよい。
【0115】図43は本発明の駆動装置に適用可能な光
学特性可変光学素子の他の実施例であって圧電材料20
0を用いた可変焦点レンズ201の概略構成図である。
圧電材料200には透明物質143と同様の材料が用い
られており、圧電材料200は、透明で柔らかい基板2
02の上に設けられている。なお、基板202には、合
成樹脂、有機材料を用いるのが望ましい。本実施例にお
いては、2つの透明電極59を介して電圧を圧電材料2
00に加えることで圧電材料200は変形し、図43に
おいて凸レンズとしての作用を持っている。
【0116】なお、基板202の形をあらかじめ凸状に
形成しておき、かつ、2つの透明電極59のうち、少な
くとも一方の電極の大きさを基板202と異ならせてお
く、例えば、一方の透明電極59を基板202よりも小
さくしておくと、電圧を切ったときに、図44に示すよ
うに、2つの透明電極59が対向する所定部分だけが凹
状に変形して凹レンズの作用を持つようになり、可変焦
点レンズとして動作する。このとき基板202は、流体
161の体積が変化しないように変形するので、液溜1
68が不要になるというメリットがある。
【0117】本実施例では、流体161を保持する基板
の一部分を圧電材料で変形させて、液溜168を不要と
したところに大きなメリットがある。なお、図42の実
施例にも言えることであるが、透明基板163,165
はレンズとして構成しても、或いは平面で構成してもよ
い。
【0118】図45は本発明の駆動装置に適用可能な光
学特性可変光学素子のさらに他の実施例であって圧電材
料からなる2枚の薄板200A,200Bを用いた可変
焦点レンズの概略構成図である。本実施例の可変焦点レ
ンズは、薄板200Aと200Bの材料の方向性を反転
させることで、変形量を大きくし、大きな可変焦点範囲
が得られるというメリットがある。なお、図45中、2
04はレンズ形状の透明基板である。本実施例において
も、紙面の右側の透明電極59は基板202よりも小さ
く形成されている。
【0119】なお、図43〜図45の実施例において、
基板202、薄板200,200A,200Bの厚さを
不均一にして、電圧を掛けたときの変形のさせかたをコ
ントロールしてもよい。そのようにすれば、レンズの収
差補正等もすることができ、便利である。
【0120】図46は本発明の駆動装置に適用可能な可
変焦点レンズのさらに他の実施例を示す概略構成図であ
る。本実施例の可変焦点レンズ207は、例えばシリコ
ンゴムやアクリルエラストマー等の電歪材料206を用
いて構成されている。本実施例の構成によれば、電圧が
低いときには、図46に示すように、凸レンズとして作
用し、電圧を上げると、図47に示すように、電歪材料
206が上下方向に伸びて左右方向に縮むので、焦点距
離が伸びる。従って、可変焦点レンズとして動作する。
本実施例の可変焦点レンズによれば、大電源を必要とし
ないので消費電力が小さくて済むというメリットがあ
る。
【0121】図48は本発明の駆動装置に適用可能な光
学特性可変光学素子のさらに他の実施例であってフォト
ニカル効果を用いた可変焦点レンズの概略構成図であ
る。本実施例の可変焦点レンズ214は、透明弾性体2
08,209でアゾベンゼン210が挟まれており、ア
ゾベンゼン210には、透明なスペーサー211を経由
して紫外光が照射されるようになっている。図48中、
212,213はそれぞれ中心波長がλ1,λ2の例えば
紫外LED、紫外半導体レーザー等の紫外光源である。
【0122】本実施例において、中心波長がλ1の紫外
光が図49(a)に示すトランス型のアゾベンゼンに照射
されると、アゾベンゼン210は、図49(b)に示すシ
ス型に変化して体積が減少する。このため、可変焦点レ
ンズ214の形状はうすくなり、凸レンズ作用が減少す
る。一方、中心波長がλ2の紫外光がシス型のアゾベン
ゼン210に照射されると、アゾベンゼン210はシス
型からトランス型に変化して、体積が増加する。このた
め、可変焦点レンズ214の形状は厚くなり、凸レンズ
作用が増加する。このようにして、本実施例の光学素子
214は可変焦点レンズとして作用する。また、可変焦
点レンズ214では、透明弾性体208,209の空気
との境界面で紫外光が全反射するので外部に光がもれ
ず、効率がよい。
【0123】以上述べた各実施例の可変焦点レンズにお
いては、透明電極145,59,508a,509a,
513a,513b等は複数に分割されていてもよい。
そして、分割された透明電極のそれぞれに異なる電圧を
加えることによって、光学装置のピント合わせ、ズー
ム、変倍のみならず、振れ補正、製造誤差による光学性
能の低下の補償、収差の補正等が可能になる。
【0124】次に、本発明の駆動装置に適用可能な可変
焦点レンズに用いる透明電極の分割例を図50〜53を
用いて説明する。図50の例は、透明電極600を同心
状に分割した例を示している。周辺部にいくほど輪帯の
幅が狭くなっている。これは収差を補正しやすくするた
めである。
【0125】図51の例は、輪帯をさらに分割したもの
で、電極の境界線が3つずつ一点に集まるように分けて
ある部分を含んでいる。このようにすると、圧電材料2
00の形状が滑らかに変化するので収差の少ないレンズ
が得られる。
【0126】図52の例は、透明電極600を6角形に
分割したもので、上記と同様の理由により電極の境界線
が3つずつ一点で集まるように分けてある部分を含んで
いる。
【0127】なお、図51、52の例においてそれぞれ
分割された一つ一つの電極600A、600B、600
C……は、ほぼ同じ面積にした方が収差補正上有利であ
る。このため、分割された電極のうち最も面積の大きい
電極と最も面積の小さい電極との面積比は100:1以
内に抑えるのがよい。また、電極分割の配列は、図5
0、51、52の例のように、対称の中心の電極600
Aを包むようにすると円形レンズの場合、特に収差補正
上有利となる。また、一点に集まる透明電極の境界線が
相互になす角が90°よりも大きくなるようにしてもよ
い。また、図53の例に示すように、電極の分割は格子
状にしてもよい。このような分割形態にすれば、簡単に
製作できるというメリットがある。
【0128】また、光学系の収差或いは振れを充分に補
正するには、透明分割電極600の個数は多い方が良
く、2次収差を補正するためには最低7個の分割電極、
3次収差を補正するためには最低9個の分割電極、4次
収差を補正するためには最低13個の分割電極、5次収
差を補正するためには最低16個の分割電極、7次収差
を補正するためには最低25個の分割電極が必要とな
る。なお、2次収差とは、ティルト、非点収差、コマ収
差のx方向,y方向の2方向の成分である。ただし、低
コストの商品では最低でも3つの分割電極があれば、大
きな収差又は大きな振れは補正できる。
【0129】最後に、本発明で用いる用語の定義を述べ
ておく。
【0130】光学装置とは、光学系あるいは光学素子を
含む装置のことである。光学装置単体で機能しなくても
よい。つまり、装置の一部でもよい。
【0131】光学装置には、撮像装置、観察装置、表示
装置、照明装置、信号処理装置等が含まれる。
【0132】撮像装置の例としては、フィルムカメラ、
デジタルカメラ、ロボットの眼、レンズ交換式デジタル
一眼レフカメラ、テレビカメラ、動画記録装置、電子動
画記録装置、カムコーダ、VTRカメラ、電子内視鏡等
がある。デジカメ、カード型デジカメ、テレビカメラ、
VTRカメラ、動画記録カメラなどはいずれも電子撮像
装置の一例である。
【0133】観察装置の例としては、顕微鏡、望遠鏡、
眼鏡、双眼鏡、ルーペ、ファイバースコープ、ファイン
ダー、ビューファインダー等がある。
【0134】表示装置の例としては、液晶ディスプレ
イ、ビューファインダー、ゲームマシン(ソニー社製プ
レイステーション)、ビデオプロジェクター、液晶プロ
ジェクター、頭部装着型画像表示装置(head mo
unted display:HMD)、PDA(携帯
情報端末)、携帯電話等がある。
【0135】照明装置の例としては、カメラのストロ
ボ、自動車のヘッドライト、内視鏡光源、顕微鏡光源等
がある。
【0136】信号処理装置の例としては、携帯電話、パ
ソコン、ゲームマシン、光ディスクの読取・書込装置、
光計算機の演算装置等がある。
【0137】撮像素子は、例えばCCD、撮像管、固体
撮像素子、写真フィルム等を指す。また、平行平面板は
プリズムの1つに含まれるものとする。観察者の変化に
は、視度の変化を含むものとする。被写体の変化には、
被写体となる物体距離の変化、物体の移動、物体の動
き、振動、物体のぶれ等を含むものとする。
【0138】拡張曲面の定義は以下の通りである。球
面、平面、回転対称非球面のほか、光軸に対して偏心し
た球面、平面、回転対称非球面、あるいは対称面を有す
る非球面、対称面を1つだけ有する非球面、対称面のな
い非球面、自由曲面、微分不可能な点、線を有する面
等、いかなる形をしていても良い。反射面でも、屈折面
でも、光になんらかの影響を与えうる面ならば良い。本
発明では、これらを総称して拡張曲面と呼ぶことにす
る。
【0139】光学特性可変光学素子とは、可変焦点レン
ズ、可変形状鏡、面形状の変わる偏光プリズム、頂角可
変プリズム、光偏向作用の変わる可変回折光学素子、つ
まり可変HOE,可変DOE等を含む。
【0140】可変焦点レンズには、焦点距離が変化せ
ず、収差量が変化するような可変レンズも含むものとす
る。可変形状鏡についても同様である。要するに、光学
素子で、光の反射、屈折、回折等の光偏向作用が変化し
うるものを光学特性可変光学素子と呼ぶ。
【0141】情報発信装置とは、携帯電話、固定式の電
話、ゲームマシン、テレビ、ラジカセ、ステレオ等のリ
モコンや、パソコン、パソコンのキーボード、マウス、
タッチパネル等の何らかの情報を入力し、送信すること
ができる装置を指す。撮像装置のついたテレビモニタ
ー、パソコンのモニター、ディスプレイも含むものとす
る。情報発信装置は、信号処理装置の中に含まれる。
【0142】以上説明したように、本発明の可変形状鏡
駆動装置は、特許請求の範囲に記載された発明の他に、
次に示すような特徴も備えている。
【0143】(1)前記可変形状鏡は、前記電極の駆動
状態をモニタするためのモニタ出力手段を更に有するこ
とを特徴とする請求項1に記載の可変形状鏡駆動装置。
【0144】
【発明の効果】本発明の可変形状鏡駆動装置によれば、
可変形状鏡を製造後及びカメラに組み込み後の調整時に
光学誤差を補正するよう、各電極の制御電圧の補正値を
記憶する記憶部を有し、また、予め記憶された各電極の
補正電圧値を読み出し、これに基づいて駆動制御するよ
うにしたので、光学系の誤差の補正を簡単に行うことが
できる。
【0145】また、撮影モード選択時や、レリーズスイ
ッチの半押し時やモニター出力時等の撮影前に、各電極
を初期化する動作を行うようにしたので、前回の撮影等
の設定に影響されずに狙いの効果が得られる。
【0146】また、各電極の駆動状態をモニタするため
のモニタ出力手段を備えることにより、保持電位等の情
報をアナログまたはデジタルで外部からモニタでき、精
度を要求される制御や使用環境に影響される場合でも簡
単に状態の判断ができ、精度の高い制御が可能となる。
【0147】従って、本発明によれば、可変形状鏡を構
成する部品の精度及び組み立て精度および撮影条件に影
響されることなく、可変形状鏡としての光学性能を高精
度に保つことができ、しかも、安価な光学装置にも適用
可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかる可変形状鏡駆動装
置を用いたカメラのシステム概略構成図である。
【図2】本実施形態のカメラに用いる可変形状鏡を構成
する電極の配置関係及び電圧制御を行なう電源回路部の
ブロック図である。
【図3】本実施形態のカメラに用いる可変形状鏡の複数
に分割された電極を駆動するときのタイミングチャート
である。
【図4】本実施形態のカメラに用いる可変形状鏡の電極
部を示す説明図であり、(a)〜(e)は、図2に示す上部電
極21の変形状態を示す側面図、(f)及び(g)は図2に示
す下部電極22の配置構成を示す平面図である。
【図5】本実施形態の可変形状鏡駆動装置を備えたカメ
ラにおいて、可変形状鏡を測距部に用いた例を示す説明
図である。
【図6】本実施形態の可変形状鏡駆動装置を備えたカメ
ラにおいて、可変形状鏡を撮像部に用いた一例を示す概
略構成図である。
【図7】本実施形態の可変形状鏡駆動装置を備えたカメ
ラにおいて、可変形状鏡を撮像部に用いた他の例を示す
概略構成図である。
【図8】本実施形態の可変形状鏡駆動装置の要部である
EEPROM内の記憶データ構成を示す概念図である。
【図9】本実施形態の可変形状鏡駆動装置を備えたカメ
ラにおける撮影時の駆動制御を示すフローチャートであ
る。
【図10】本実施形態の可変形状鏡駆動装置を備えたカ
メラにおける測距処理のフローチャートである。
【図11】本実施形態の可変形状鏡駆動装置を備えたカ
メラにおけるズーム処理のフローチャートである。
【図12】本実施形態のカメラに用いる可変形状鏡を構
成する電極の配置関係及び電圧制御を行なう電源回路部
において各電極22を流れる電圧をモニタするための回
路構成を示すブロック図である。
【図13】本発明の駆動装置を適用した光学装置の他の
実施例にかかる、光学特性ミラーを用いたデジタルカメ
ラのケプラー式ファインダーの概略構成図である。
【図14】本発明の駆動装置に適用可能な可変形状鏡4
09の他の実施例を示す概略構成図である。
【図15】図14の実施例の可変形状鏡に用いる電極の
一形態を示す説明図である。
【図16】図14の実施例の可変形状鏡に用いる電極の
他の形態を示す説明図である。
【図17】本発明の駆動装置に適用可能な可変形状鏡4
09のさらに他の実施例を示す概略構成図である。
【図18】本発明の駆動装置に適用可能な可変形状鏡4
09のさらに他の実施例を示す概略構成図である。
【図19】本発明の駆動装置に適用可能な可変形状鏡4
09のさらに他の実施例を示す概略構成図である。
【図20】図19の実施例における薄膜コイル427の
巻密度の状態を示す説明図である。
【図21】本発明の駆動装置に適用可能な可変形状鏡4
09のさらに他の実施例を示す概略構成図である。
【図22】図21の実施例におけるコイル427の一配
置例を示す説明図である。
【図23】図21の実施例におけるコイル427の他の
配置例を示す説明図である。
【図24】図19に示した実施例において、コイル42
7の配置を図23に示したようにした場合に適する永久
磁石426の配置を示す説明図である。
【図25】本発明のさらに他の実施例に係る、駆動装置
に適用可能な可変形状鏡409を用いた撮像系、例えば
携帯電話のデジタルカメラ、カプセル内視鏡、電子内視
鏡、パソコン用デジタルカメラ、PDA用デジタルカメ
ラ等に用いられる撮像系の概略構成図である。
【図26】本発明の駆動装置に適用可能な可変形状鏡の
さらに他の実施例に係る、マイクロポンプ180で流体
161を出し入れし、レンズ面を変形させる可変形状鏡
188の概略構成図である。
【図27】本発明の駆動装置に適用可能なマイクロポン
プの一実施例を示す概略構成図である。
【図28】本発明の駆動装置に適用可能な可変焦点レン
ズの原理的構成を示す図である。
【図29】一軸性のネマティック液晶分子の屈折率楕円
体を示す図である。
【図30】図28に示す高分子分散液晶層に電界を印加
状態を示す図である。
【図31】図28に示す高分子分散液晶層への印加電圧
を可変にする場合の一例の構成を示す図である。
【図32】本発明の駆動装置に適用可能な可変焦点レン
ズを用いるデジタルカメラ用の撮像光学系の一例の構成
を示す図である。
【図33】本発明の駆動装置に適用可能な可変焦点回折
光学素子の一例の構成を示す図である。
【図34】ツイストネマティック液晶を用いる可変焦点
レンズを有する可変焦点眼鏡の構成を示す図である。
【図35】図34に示すツイストネマティック液晶層へ
の印加電圧を高くしたときの液晶分子の配向状態を示す
図である。
【図36】本発明の駆動装置に適用可能な可変偏角プリ
ズムの二つの例の構成を示す図である。
【図37】図36に示す可変偏角プリズムの使用態様を
説明するための図である。
【図38】本発明の駆動装置に適用可能な可変焦点レン
ズとしての可変焦点ミラーの一例の構成を示す図であ
る。
【図39】本発明の駆動装置に適用可能なさらに他の実
施例に係る、可変焦点レンズ140を用いた撮像ユニッ
ト141の概略構成図である。
【図40】図39の実施例における可変焦点レンズの変
形例を示す説明図である。
【図41】図40の可変焦点レンズが変形した状態を示
す説明図である。
【図42】本発明の駆動装置に適用可能な可変焦点レン
ズのさらに他の実施例に係る、マイクロポンプ160で
流体161を出し入れし、レンズ面を変形させる可変焦
点レンズ162の概略構成図である。
【図43】本発明の駆動装置に適用可能な光学特性可変
光学素子の他の実施例であって圧電材料200を用いた
可変焦点レンズ201の概略構成図である。
【図44】図43の変形例に係る可変焦点レンズの状態
説明図である。
【図45】本発明の駆動装置に適用可能な光学特性可変
光学素子のさらに他の実施例であって圧電材料からなる
2枚の薄板200A,200Bを用いた可変焦点レンズ
の概略構成図である。
【図46】本発明の駆動装置に適用可能な可変焦点レン
ズのさらに他の実施例を示す概略構成図である。
【図47】図46の実施例に係る可変焦点レンズの状態
説明図である。
【図48】本発明の駆動装置に適用可能な光学特性可変
光学素子のさらに他の実施例であってフォトニカル効果
を用いた可変焦点レンズの概略構成図である。
【図49】図48の実施例に係る可変焦点レンズに用い
るアゾベンゼンの構造を示す説明図であり、(a)はトラ
ンス型、(b)はシス型を示している。
【図50】本発明の駆動装置に適用可能な可変焦点レン
ズに用いる透明電極の一分割例を示す説明図である。
【図51】本発明の駆動装置に適用可能な可変焦点レン
ズに用いる透明電極の他の分割例を示す説明図である。
【図52】本発明の駆動装置に適用可能な可変焦点レン
ズに用いる透明電極のさらに他の分割例を示す説明図で
ある。
【図53】本発明の駆動装置に適用可能な可変焦点レン
ズに用いる透明電極のさらに他の分割例を示す説明図で
ある。
【符号の説明】
1 撮像レンズ系 2 レンズ駆動部 3 撮像素子 4 撮像回路 5 測光回路(AE) 6 A/D変換器 7 バッファメモリ 8 ストロボ発光回路 9 モードLCD 10 操作スイッチ 11,42,188 可変形状鏡 12 可変形状鏡の駆動電源部(電源回路) 13 システムコントローラ 14 EEPROM 15 データ圧縮/伸張回路 16 1/F 17 外部1/F 18 ビデオメモリ 19 RISC型マイクロチップ 20 DSP(デジタル・シグナル・プロセッ
サ) 21 上部電極 22 下部電極 23 反射面 24 電圧制御回路部 25 電圧制御トランジスタ 26 制御回路 27 タイミング発生回路 28,46 スイッチング用トランジスタ 31 赤外発光ダイオード 32 反射鏡 33 投光レンズ 34 投光用窓 35 受光窓 36 受光レンズ 37 受光器 41,51,102,512a,512b,522,5
37,538レンズ 43,53 レンズ群 44,54 赤外カットフィルター 45,55 ローパスフィルター 46,408,523,529 固体撮像素子 52 傾き可変な可変形状鏡 59,145,513a,513b,600
透明電極 103 制御系 103’ 回路 104,141 撮像ユニット 140,162,201,207,214,511,5
27可変焦点レンズ 142 透明部材 143 圧電性のある透明物質 144 流体あるいはゼリー状物質 146 シリンダー 147 支援部材 148 変形可能な部材 160,180 マイクロポンプ 161 流体 163,165,204,532,533,562,5
63,566,567透明基板 164 弾性体 168 液溜 181 振動板 182,183,409b,409d 電極 184,185 弁 189 反射膜 200 圧電材料 200A,200B 薄板 202 透明で柔らかい基板 206,409c−2 電歪材料 208,209 透明弾性体 210 アゾベンゼン 211 スペーサー 212,213 紫外光源 403 撮像レンズ 404 プリズム 405 二等辺直角プリズム 406 ミラー 409 光学特性可変形状鏡 409a 薄膜 409c,409c’ 圧電素子 409c−1,409e 基板 411 可変抵抗器 412 電源 413 電源スイッチ 414 演算装置 415 温度センサー 416 湿度センサー 417 距離センサー 423 支持台 424 振れセンサー 425,428 駆動回路 426 永久磁石 427 コイル 508a,532a,562a,566a 第
1の面 508b,532b,562b,566b 第
2の面 509a,533a,563a,567a 第
3の面 509b,533b,563b,567b 第
4の面 514 高分子分散液晶層 515 スイッチ 516 交流電源 517 液晶分子 518 高分子セル 519 可変抵抗器 521,526 絞り 525 前方レンズ 528 後方レンズ 531 可変焦点回折光学素子 535 可変焦点眼鏡 535a フレーム 536 可変焦点回折光学素子 539a,539b 配向膜 545 物体 546 測距センサ 561 可変偏角プリズム 565 可変焦点ミラー 568 反射膜 600A,600B,600C 分割された一
つ一つの電極 901 接眼レンズ 902 対物レンズ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G02B 7/02 G02B 7/02 C 2H051 F 7/09 7/10 Z 7/04 26/08 E 7/10 G03B 5/00 A 7/30 E 7/36 F 7/28 J 7/198 G02B 7/04 A 26/08 D G03B 5/00 7/11 A D J K L N 7/18 B Fターム(参考) 2H041 AA12 AB14 AB38 AC06 AZ01 AZ06 AZ08 2H042 DA02 DA11 DA12 DB14 DD05 DD08 DD11 DD12 DD13 DE00 DE09 2H043 BB07 BC01 2H044 AC00 AC04 AH00 AH13 AH18 BA00 BA01 BD00 BD01 BD20 BE01 BE04 BE09 BF01 BF05 DB00 DB04 DD01 EF01 2H049 AA04 AA43 AA55 AA61 AA63 AA64 AA68 2H051 AA05 AA07 AA08 AA11 AA12 AA14 BA47 BA67 BB14 BB19 CA18 CB11 CB28 CC08 CE14 DD20 EA28 EB10 EB13 FA01 FA07 FA09 FA60 GB01 GB02 GB03

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 静電引力により変形する反射面と、該反
    射面の形状を制御する電極とを有してなる可変形状鏡
    と、 前記可変形状鏡を駆動する駆動手段と、 前記反射面の形状変位に係るデータを予め記憶する記憶
    手段と、 前記記憶手段に記憶されたデータに基づいて前記駆動手
    段の駆動条件を補正する補正手段と、を有することを特
    徴とする可変形状鏡の駆動装置。
  2. 【請求項2】 前記記憶手段が、前記駆動手段により初
    期状態で所望の反射面形状を得るためのデータを記憶す
    ることを特徴とする請求項1に記載の可変形状鏡の駆動
    装置。
  3. 【請求項3】 前記駆動手段が、撮影前に前記記憶手段
    に記憶されたデータに基づいて前記電極を初期状態に駆
    動することを特徴とする請求項1に記載の可変形状鏡の
    駆動装置。
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