JPH0765037B2 - 可逆性感熱発消色組成物 - Google Patents

可逆性感熱発消色組成物

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JPH0765037B2
JPH0765037B2 JP2158971A JP15897190A JPH0765037B2 JP H0765037 B2 JPH0765037 B2 JP H0765037B2 JP 2158971 A JP2158971 A JP 2158971A JP 15897190 A JP15897190 A JP 15897190A JP H0765037 B2 JPH0765037 B2 JP H0765037B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は可逆性感熱発消色組成物に関する。
更に詳しくは、短時間の加熱により発色し、長時間の加
熱により消色する可逆性感熱発消色組成物に関する。
(従来の技術) 従来より、可逆性発消色材料によついては、例えば、特
開昭58−191190号公報、特開昭60−193691号公報、米国
特許明細書3,666,525号、特開昭54−119377号公報、特
開昭63−39377号公報、特開昭63−41186号公報、米国特
許明細書4,028,118号、特開昭50−81157号公報、特開昭
50−105555号公報等に記載されている。
しかし、上記の文献のうち、米国特許明細書4,028,118
号、特開昭50−81157号公報、特開昭50−105555号公報
に記載された方法においては、形成される画像は温度に
よって変化するものであり、一旦形成した画像を常温下
で保存することができず、その画像のメモリー性に欠け
る。
また、特開昭58−191190号公報、特開昭60−193691号公
報、米国特許明細書3,666,525号に記載されたものは、
発色剤、顕色剤およびバインダーから成る記録層を設け
て成り、必要に応じて低蒸気圧溶剤又は熱溶融物質を添
加してなるものであり、その発色は熱を用いて行うが、
消色は水、水蒸気またはある種の有機溶剤によって行う
もので、熱エネルギーの制御によって発色と消色の双方
を繰り返すことのできるものではない。
さらに、特開昭54−119377号公報、特開昭63−39377号
公報、特開昭63−41186号公報に記載されているもの
は、樹脂母材とこの樹脂母材中に分散された有機低分子
物質とを主成分とする感熱層を有するもので、熱エネル
ギーによって感熱層の透明度を可逆的に変化させて発色
および消色を行うものである。すなわち、化学的に発色
・消色を行うものではない。
(発明が解決しようとする課題) そこで、本発明は、発色と消色の双方を熱のみによりコ
ントロールできる可逆性感熱発消色組成物を提供するこ
とを目的とする。
(課題を解決するための手段) この目的達成のため、本発明は、フェノール性水酸基及
びカルボキシル基のうち少なくとも一つの酸性基とアミ
ノ基から成る塩基性基を有する顕消色剤、及びロイコ化
合物から成る可逆性感熱発消色組成物であって、該アミ
ノ基が二級のアミノ基又は三級のアミノ基であることを
特徴とする可逆性感熱発消色組成物を提供する。
(発明の詳述) 本発明に係る組成物は、顕消色剤、及びロイコ化合物と
から構成される。
顕消色剤は、熱によりロイコ化合物の発色反応および消
色反応を生じるものである。このため、フェノール性水
酸基及びカルボキシキ基のうち少なくとも一つの酸性基
とアミノ基から成る塩基性基を有する。すなわち、フェ
ノール性水酸基またはカルボキシル基は熱のエネルギー
によって無色のロイコ化合物のラクトン環を開環させ、
無色から有色に発色させる。しかし、ラクトン環が開環
した化合物は、塩基性物質に接触すると、元のラクトン
環のある無色の化合物に戻る。
顕消色剤はフェノール性水酸基又はカルボキシル基から
成る酸性基を有し、またアミノ基から成る塩基性基を有
することから、発色反応と消色反応は、恐らく、加熱に
より同時に生じている。加熱状況下で、発色反応の反応
速度は消色反応の反応速度よりも速く、このため、短時
間加熱して冷却すると、発色状態が維持されると推測で
きる。また、加熱状況下で、平衡状態は消色状態である
と推測される。このため、長時間の加熱により消色し、
この消色状態は常温に冷却した後も維持される。この反
応速度式は、g(t)=A{exp(−t/τ)−exp(−
t/τ)}で現すことができる。式中、g(t)は発色
濃度、tは加熱時間、τ及びτは顕消色剤の種類で
決まる定数、Aは定数である。なお、発色反応に引続き
消色反応が生じていると考えても同様の式を誘導でき
る。
また、基材となるプラスチック等を損傷することのなり
比較的定温で消色可能であって、発色状態と消色状態の
コントラストを充分大きくするため、顕消色剤の有する
アミノ基は二級のアミノ基又は三級のアミノ基であるこ
とを必要とする。なお、二級のアミノ基とは、−NH2
示される基の水素原子のうちいずれか一方をアルキル基
等で置換した基をいい、三級のアミノ基とはその両方の
水素原子を置換した基をいう。
かかる顕消色剤は、酸性基と塩基性基の双方を一分子中
に有する化合物であっても良く、また、酸性基を有する
化合物(酸性物質)と塩基性基を有する化合物(塩基性
物質)の円、錯塩、または混合物であっても良い。もっ
とも、酸性物質と塩基性物質は、これらを混合した場合
も互いに結合して塩又は錯塩を形成していると考えられ
る。
酸性基と塩基性基の双方を一分子中に有する化合物とし
ては、下記一般式〔1〕で表されるアミノフェノールあ
るいはアミノ安息香酸又は下記一般式〔3〕で表される
ヒドロキシアミノ安息香酸が挙げられる。
(式中、Xは水酸基あるいはカルボキシル基を表し、R1
はアルキル基またはアリル基を表す) (式中、R1はアルキル基またはアリル基を表す) 上記一般式〔1〕で表されるアミノフェノールあるいは
アミノ安息香酸としては、具体的には、2−(メチルア
ミノ)−フェノール、3−(メチルアミノ)−フェノー
ル、4−(メチルアミノ)−フェノール、2−(エチル
アミノ)−フェノール、3−(エチルアミノ)−フェノ
ール、4−(エチルアミノ)−フェノール、2−(プロ
ピルアミノ)−フェノール、3−(プロピルアミノ)−
フェノール、4−(プロピルアミノ)−フェノール、2
−(ブチルアミノ)−フェノール、3−(ブチルアミ
ノ)−フェノール、4−(ブチルアミノ)−フェノール
等のアミノフェノール、2−(メチルアミノ)−安息香
酸、3−(メチルアミノ)−安息香酸、4−(メチルア
ミノ)−安息香酸、2−(エチルアミノ)−安息香酸、
3−(エチルアミノ)−安息香酸、4−(エチルアミ
ノ)−安息香酸、2−(プロピルアミノ)−安息香酸、
3−(プロピルアミノ)−安息香酸、4−(プロピルア
ミノ)−安息香酸、2−(ブチルアミノ)−安息香酸、
3−(ブチルアミノ)−安息香酸、4−(ブチルアミ
ノ)−安息香酸等のアミノ安息香酸を挙げることができ
る。
一般式〔3〕で表されるヒドロキシアミノ安息香酸とし
ては、例えば、2−ヒドロキシ−3−(メチルアミノ)
−安息香酸、2−(メチルアミノ)−3−ヒドロキシ安
息香酸、2−(メチルアミノ)−4−ヒドロキシ安息香
酸、2−ヒドロキシ−4−(メチルアミノ)−安息香
酸、2−ヒドロキ−6−(メチルアミノ)−安息香酸、
3−(メチルアミノ)−4−ヒドロキシ安息香酸、3−
ヒドロキシ−5−(メチルアミノ)−安息香酸、2−ヒ
ドロキシ−3−(エチルアミノ)−安息香酸、2−(エ
チルアミノ)−3−ヒドロキシ安息香酸、2−(エチル
アミノ)−4−ヒドロキシ安息香酸、2−ヒドロキシ−
4−(エチルアミノ)−安息香酸、2−ヒドロキシ−6
−(エチルアミノ)−安息香酸、3−(エチルアミノ)
−4−ヒドロキシ安息香酸、3−ヒドロキシ−5−(エ
チルアミノ)−安息香酸、2−ヒドロキシ−3−(プロ
ピルアミノ)−安息香酸、2−(プロピルアミノ)−3
−ヒドロキシ安息香酸、2−(プロピルアミノ)−4−
ヒドロキシ安息香酸、2−ヒドロキシ−4−(プロピル
アミノ)−安息香酸、2−ヒドロキシ−6−(プロピル
アミノ)−安息香酸、3−(プロピルアミノ)−4−ヒ
ドロキシ安息香酸、3−ヒドロキシ−5−(プロピルア
ミノ)−安息香酸、2−ヒドロキシ−3−(ブチルアミ
ノ)−安息香酸、2−(ブチルアミノ)−3−ヒドロキ
シ安息香酸、2−(ブチルアミノ)−4−ヒドロキシ安
息香酸、2−ヒドロキシ−4−(ブチルアミノ)−安息
香酸、2−ヒドロキシ−6−(ブチルアミノ)−安息香
酸、3−(ブチルアミノ)−4−ヒドロキシ安息香酸、
3−ヒドロキシ−5−(ブチルアミノ)−安息香酸等が
挙げられる。
顕消色剤が酸性物質と塩基性物質の塩、錯塩、または混
合物から成る場合には、そのような酸性物質としては、
下記一般式〔A〕または〔B〕で表される化合物または
これらのエステルが挙げられる。
(式中、nは1〜3の整数、好ましくは2又は3を表
す。) (式中、R2は水素原子又はメチル基を表し、n1は0〜6
の整数を表す。) 上記一般式〔A〕で表される化合物としては、具体的に
は、2−ヒドロキシ安息香酸、3−ヒドロキシ安息香
酸、4−ヒドロキシ安息香酸等(n=1);3,4−ジヒド
ロキシ安息香酸、3,5−ジヒドロキシ安息香酸、2,3−ジ
ヒドロキシ安息香酸、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、2,5
−ジヒドロキシ安息香酸、2,6−ジヒドロキシ安息香
酸、3,6−ジヒドロキシ安息香酸、4,5−ジヒドロキシ安
息香酸、4,6−ジヒドロキシ安息香酸、4−ヒドロキシ
サリチル酸、5−ヒドロキシサリチル酸等(n=2);
没食子酸等(n=3)が挙げられる。
また、上記一般式〔A〕で表される化合物のエステルと
しては、没食子酸ヘキシル、没食子酸ヘプチル、没食子
酸オクチル、没食子酸ノニル、没食子酸デシル、没食子
酸ウンデシル、没食子酸ラウリル、没食子酸トリデシ
ル、没食子酸テトラデシル、没食子酸ペンタデシル、没
食子酸セチル、没食子酸ヘプタデシル、没食子酸ステア
リル等が例示できる。
また、上記一般式〔B〕で表される化合物としては、2,
2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン酸、2,2−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸、3,3−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸、4,4−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン酸、4,4−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン酸、5,5−ビスヒ
ドロキシフェニル)ペンタン酸、5,5−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)ヘキサン酸、6,6−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)ヘプタン酸、7,7−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)ヘプタン酸、8,8−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)オクタン酸、7,7−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)オクタン酸、8,8−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)ノナン酸等が挙げられる。
また、塩基性物質は加熱条件下にロイコ化合物を消色さ
せるものである。基材となるプラスチック等を損傷する
ことのない比較的低温で消色可能であって、発色状態と
消色状態のコントラストを充分大きくするため、二級ア
ミンまたは三級アミンを使用する。
二級アミンとしては、例えば、ジメチルアミン、ジエチ
ルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ジペン
チルアミン、ジヘキシルアミン、ジオクチルアミン、ジ
ノニルアミン、ジデシルアミン、ジドデシルアミン、ジ
テトラデシルアミン、ジヘキサデシルアミン、ジオクチ
ルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ビス(2−エチル
ヘキシル)アミン、ジベンジルアミン、モルホリン、2
−メチルモルホリン、3−メチルモルホリン、2,6−ジ
メチルモルホリン、3,5−ジメチルモルホリン、ピペリ
ジン、2−メチルピペリジン、3−メチルヒペリジン、
4−メチルピペリジン、2,6−ジメチルピペリジン、3,5
−ジメチルピペリジン、4,4−ジメチルピペリジン、2
−エチルモルホリン、3−エチルモルホリン、2,6−ジ
エチルモルホリン、3,5−ジエチルモルホリン、2−エ
チルピペリジン、3−エチルピペリジン、4−エチルヒ
ペリジン、2,6−ジエチルピペリジン、3,5−ジエチルピ
ペリジン、4,4−ジエチルピペリジン、N−メチルオク
チルアミン、N−メチルデシルアミン、N−メチルドデ
シルアミン、N−メチルドデシルアミン、N−メチルテ
トラデシルアミン、N−メチルヘキサデシルアミン、N
−メチルオクタルデシルアミン、N−エチルヘキシルア
ミン、N−エチルシクロヘキシルアミン、N−エチルオ
クチルアミン、N−エチルデシルアミン、N−エチルド
デシルアミン、N−エチルテトラデシルアミン、N−エ
チルヘキシルデシルアミン、N−エチルオクタデシルア
ミン、N−プロピルブチルアミン、N−プロピルエキシ
ルアミン、N−プロピルシクロヘキシルアミン、N−プ
ロピルオクチルアミン、N−プロピルデシルアミン、N
−プロピルドデシルアミン、N−プロピルテトラデシル
アミン、N−プロピルヘキサデシルアミン、N−プロピ
ルオクタデシルアミン、N−ブチルオクチルアミン、N
−ブチルデシルアミン、N−ブチルドデシルアミン、N
−ブチルテトラデシルアミン、N−ブチルヘキサデシル
アミン、N−ブチルオクチルアミンなどを挙げることが
できる。
また、三級アミンとしては、例えば、トリメチルアミ
ン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチ
ルアミン、トリペンチルアミン、トリヘキシルアミン、
トリヘプチルアミン、トリオクチルアミン、トリノニル
アミン、トリデシルアミン、トリドデシルアミン、トリ
テトラデシルアミン、トリヘキサデシルアミン、トリオ
クチルアミン、ジメチルヘキシルアミン、ジメチルシク
ロヘキシルアミン、ジメチルオクチルアミン、ジメチル
デシルアミン、ジメチルドデシルアミン、ジメチルテト
ラデシルアミン、ジメチルヘキサデシルアミン、ジメチ
ルオクタデシルアミン、ジエチルヘキシルアミン、ジエ
チルシクロヘキシルアミン、ジエチルオクチルアミン、
ジエチルデシルアミン、ジエチルドデシルアミン、ジエ
チルテトラデシルアミン、ジエチルヘキサデシルアミ
ン、ジエチルオクタデシルアミン、ジプロピルエチルア
ミン、ジブチルメチルアミン、ジヘキシルメチルアミ
ン、ジオクチルメチルアミン、ジデシルメチルアミン、
ジドヅシルメチルアミン、ジテトラデシルメチルアミ
ン、ジヘキサデシルメチルアミン等を挙げることができ
る。
ロイコ化合物は加熱により、発色及び消色するもので、
例えば、クリスタルバイオレットラクトン、3−インド
リノ−3−p−ジメチルアミノフェニル−6−ジメチル
アミノフタリド、3−シエチルアミノ−7−クロロフル
オラン、2−(2−フルオロフェニルアミノ)−6−ジ
エチルアミノフルオラン、2−(2−フルオロフェニ
ル)−6−ジ−n−ブチルアミノフルオラン、3−ジエ
チルアミノ−7−シクロヘキシルアミノフルオラン、3
−ジエチルアミノ−5−メチル−7−t−ブチルフルオ
ラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノ
フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−ブ
チルアニリノフルオラン、3−シクロヘキシルアミノ−
6−クロロフルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6
−(N−エチル−p−トルイジノ)−フルオラン、3−
ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3
−ピロリジノ−7−シクロヘキシルアミノフルオラン、
3−N−メチルシロヘキシルアミノ−6−メチル−7−
アニリノフルオラン、3−N−エチルペンチルアミノ−
6−メチル−7−アニリノフルオラン等を挙げることが
できる。
本発明の組成物は、更にバインダーを含有することがで
きる。このようなバインダーとしては、水または有機溶
剤に溶解する一般に用いられる高分子材料を用いること
ができる。このような高分子材料としては、具体的に
は、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、エチル
セルロース、酢酸セルロース、ポリスチレン、ポリ塩化
ビニル、線状飽和ポリエステル、ポリメタクリル酸メチ
ル、ポリメタクリル酸エチル等のメタクリル樹脂の単独
または共重合物、ポリウレタン、ポリビニルブチラー
ル、ニトロセルロース等の熱可塑性樹脂が挙げられる。
本発明の組成物は、酸性物質、塩基性物質、ロイコ化合
物、必要なバインダーを混合して得ることができる。
酸性物質と塩基性物質は、それぞれ別個に添加混合して
も良いが、予め反応させて両者の塩または錯塩として添
加混合することが望ましい。両者のそれぞれに含まれる
不純物が除去し易く、組成物の特性を一定に設計し易い
からである。
酸性物質と塩基性物質は当量混合することが望ましい。
ロイコ化合物は、酸性物質と塩基性物質の合計量1重量
部に対し、0.1〜1.0重量部混合することが望ましい。ま
た、バインダーは酸性物質と塩基性物質の合計量1重量
部に対して5重量部以下で良い。
本発明の組成物は、水または有機溶剤等の適当な溶剤に
溶解または分散して塗料とし、この塗料を適当な支持体
上に塗工して記録層として用いることができる。塗工に
当たって、塗料には、増粘剤、顔料などの液性改良剤を
添加することができる。支持体としては、紙の外、プラ
スチックカード等のプラスチック材料を使用することが
できる。塗工は、バーコード、ブレードコート、エアー
ナイフコート、グラビアコート、ロールコート等の周知
の塗工方法により可能である。塗布量は、乾燥後の重量
で4〜10g/m2が好適である。
この記録層の上に、記録層を保護するため、保護層を設
けることができる。例えば、ワックス、上述の熱可塑性
樹脂、あるいは熱硬化性樹脂や紫外線硬化性樹脂等の硬
化性樹脂である。
この記録層は、短時間の加熱により発色する。発色に必
要な加熱は極めて短い時間のもので、例えば、サーマル
ヘッドにより数ミリ秒から数百ミリ秒の加熱で良い。温
度は、通常のサーマルヘッドの加熱温度と同等で良く、
通常300℃程度である。
また、この記録層は長時間の加熱により消色する。長時
間の加熱とは、発色に必要な時間に比べて長い時間の加
熱という意味であり、この消色に必要な「長時間の加
熱」もわずか1〜数秒に過ぎない。消色に必要な温度は
80〜110℃であり、この消色未満の温度ではほとんど消
色せず、発色情報が充分に維持できる。
(実施例1) 上記A液及びB液をサンドミルでそれぞれ1時間粉砕及
び分散した後、A液1重量部、B液4重量部を十分に混
合して塗工液を製造した。この塗工液を、厚さ250μm
の白色ポリ塩化ビニルシート上に、メイヤーバーを用い
て、乾燥膜厚5.5μmとなる様に塗工乾燥して、地肌か
ぶりのない可逆性シートを製造した。
(実施例2) B液として下記組成のものを用いた外は実施例1と同様
の方法で可逆性シートを製造した。
(実施例3) 上記A液及びB液をサンドミルでそれぞれ1時間粉砕及
び分散した後、A液1重量部、B液7重量部を十分に混
合して塗工液を製造した。この塗工液を、坪量60g/m2
上質紙上に、メイヤーバーを用いて、乾燥膜厚7.5μm
となる様に塗工乾燥して、地肌カブリのない可逆性シー
トを製造した。
(実施例4) B液として下記組成のものを用いた外は実施例3と同様
の方法で可逆性シートを製造した。
(実施例5) 上記A液及びB液をサンドミルでそれぞれ1時間粉砕及
び分散した後、A液1.0重量部、B液5.0重量部を十分に
混合して塗工液を製造した。この塗工液を、厚さ188μ
mの白色ポリエステルシート上に、メイヤーバーを用い
て、乾燥膜厚7.0μmとなる様に塗工乾燥して、地肌カ
ブリのない可逆性シートを製造した。
(実施例6) C液 メタクリル樹脂 10.0重量部 炭酸カルシウム 10.0重量部 トルエン 40.0重量部 上記A液及びB液をサンドミルでそれぞれ1時間粉砕及
び分散した後、A液1.0重量部、B液2.5重量部を十分に
混合して塗工液を製造した。この塗工液を、厚さ188μ
mの白色ポリエステルシート上に、メイヤーバーを用い
て、乾燥膜厚6.0μmとなる様に塗工乾燥した。次い
で、C液を、メイヤーバーを用いて、乾燥膜厚1.5μm
となるように塗布乾燥して、地肌カブリのない可逆性シ
ートを製造した。
(評価) 実施例1〜4及び比較例1、2のシートを以下の方法に
より評価した。
すなわち、それぞれのシートをサーマルシュミレーター
(印字条件:印加電圧0.47W/dot、パルス幅2.5msec ON/
OFF、サーマルヘッド:東芝(株)製薄膜ヘッド(348
Ω)、ドット密度:6dot/mm)を用いて、10mm幅のベタに
印字した。
次に、120℃に加熱されている熱印板で1秒間押圧して
消色した。
発色と消色を数十回繰り返した後、画像部分とその周辺
のコントラストを測定した。
すなわち、発色状態の反射濃度と消色状態の反射濃度
を、反射濃度計(MACBETH社製RD−918)で測定した。コ
ントラストCはこの画像部分(発色部分)の反射濃度を
Icとし、画像の周辺(消色部分)の反射濃度をIdとし
て、以下の式により計算したものである。
この発色濃度と消色濃度のコントラストを第1表に示
す。
なお、表中「色相」は発色時の色相、「ベース」は発色
前の反射濃度を意味する。
(効果) 以上のように、本発明によれば、熱のみによって発色・
消色を繰り返すことのできる可逆性発消色組成物を得る
ことができる。このため、ディスプレーや電子黒板はも
とより、偽造防止が必要なカード類、プリペイドカード
などの残高表示媒体として利用できる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フェノール性水酸基及びカルボキシル基の
    うち少なくとも一つの酸性基とアミノ基から成る塩基性
    基を有する顕消色剤、及びロイコ化合物から成る可逆性
    感熱発消色組成物であって、該アミノ基が二級のアミノ
    基又は三級のアミノ基であることを特徴とする可逆性感
    熱発消色組成物。
JP2158971A 1990-06-18 1990-06-18 可逆性感熱発消色組成物 Expired - Fee Related JPH0765037B2 (ja)

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