JPH06206373A - 可逆性感熱記録材料 - Google Patents

可逆性感熱記録材料

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JPH06206373A
JPH06206373A JP5002436A JP243693A JPH06206373A JP H06206373 A JPH06206373 A JP H06206373A JP 5002436 A JP5002436 A JP 5002436A JP 243693 A JP243693 A JP 243693A JP H06206373 A JPH06206373 A JP H06206373A
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JP
Japan
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group
compd
acid
color
leuco dye
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JP5002436A
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English (en)
Inventor
Soichi Hasegawa
宗一 長谷川
Kiyohiko Tanno
清彦 丹野
Hiroshi Uchiyama
博 内山
Daiji Sugiuchi
大司 杉内
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Maxell Sliontec Ltd
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Maxell Sliontec Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】どのような湿度の雰囲気で発色と消色とを多数
回繰り返して行っても白地が汚染することなく最初の印
字品質を保持することのできる可逆性感熱記録材料を提
供すること。 【構成】上記目的は、ロイコ色素と、フェノール性水酸
基、カルボキシル基の少なくとも何れか一方を有する化
合物とアミン化合物との錯塩と、下記一般式で表される
化合物とを記録層に含有することを特徴とする可逆性感
熱記録材料とすることによって達成することができる。 【化5】 (上記構造式中、R 及び R'は水素原子、低級アルキル
基、低級アルコキシ基、ハロゲン原子を、X は水素原
子、ハロゲン原子を、Y はメチレン基、エチレン基をそ
れぞれ示す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は画像形成感熱記録材料に
係り、特に、熱エネルギーの違いによって画像の形成及
び消去を行うことの可能な可逆性感熱記録材料に関す
る。
【0002】
【従来の技術】可逆性感熱記録材料については、これま
でに、特開昭 58‐191190号公報、特開昭 60‐193691号
公報、米国特許明細書第3,666,525号、特開昭 54‐1193
77号公報、特開昭 63‐39377号公報、特開昭 63‐41186
号公報、米国特許明細書第4,028,118号、特開昭 58‐81
157号公報、特開昭 50‐105555号公報、国際公開 WO90/
11898号公報等に開示がなされている。
【0003】しかし、上記公報の内、前3者に記載され
ている内容は、ロイコ色素、顕色剤及び結着剤からなる
記録層を設けてなり、必要に応じて低蒸気圧溶媒または
熱溶融物質を添加してなるものであって、その発色は熱
エネルギーを用いて行い、消色は水、水蒸気またはある
種の有機溶媒によって行うものである。この方法は消色
に水蒸気や有機溶媒を用いるため、プリンタ等の装置に
消色機構を組み込もうとする場合機構が極めて複雑にな
る。また、空気中の水分による意図しない消色が起ると
いう欠点がある。また、米国特許明細書第4,028,118号
〜特開昭 50‐105555号公報の3者に開示されている内
容は、形成される画像は温度によって変動するものであ
り、画像の形成が不十分であった。
【0004】発色、消色を熱エネルギーの制御のみで行
うことができれば、意図する通りに記録、消去ができる
ことになるが、このような技術として、上記公報中特開
昭 54‐119377号公報〜特開昭63‐41186号公報の3者に
記載されているような、樹脂母剤と該母剤中に分散させ
た有機低分子物質とを主成分とする感熱層を有し、熱エ
ネルギーによって感熱層の光拡散性を可逆的に変化させ
て画像形成及び消去を行うものや、国際公開 WO 90/118
98号公報に記載されているような、ロイコ色素と共に発
色、消色両方の機能を有する分子または錯塩を発・消色
剤として含有する感熱層を有し、ロイコ色素の可逆反応
によって発色と消色とを行うものがある。しかし、前者
は、光の拡散状態の変化によって画像を形成するため、
該画像の目視によるコントラストが著しく低く、また、
色画像を得ることができない。これに対し、後者は色素
によって画像を形成するので、目視によるコントラスト
が高く、また、色画像の形成が可能である。この方法で
は、短時間(10ミリ秒以下)加熱することにより発色し、
長時間(1秒程度)加熱することで消色することができ
る。また、発色と消色は繰り返して行うことができる。
【0005】ところが、特に低湿度の雰囲気において高
濃度画像の消色を行った後に記録した画像がかすかに残
留するため、繰返し回数が少ない場合はそれほど問題に
はならないが、多数回発色と消色とを繰り返すと白地が
汚染してしまうという問題点があった。
【0006】消色を助長する作用を有する物質として
は、特開平 4‐46986号公報に開示されているように、
モンタン酸ワックスや高級脂肪酸アミドなどがあるが、
これらの物質は消色温度を低くする効果はあるけれど
も、消色後の画像の残留をなくす効果はない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】以上述べたように、ロ
イコ色素の可逆反応によって発色と消色とを行う従来の
可逆性感熱記録材料では、特に低湿度の雰囲気で多数回
発色と消色とを繰り返すと白地が汚染するという問題点
があった。本発明の目的は、上記従来技術の有していた
課題を解決して、どのような湿度の雰囲気で発色と消色
とを多数回繰り返し行っても白地が汚染することなく最
初の印字品質を保持することのできる可逆性感熱記録材
料を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的は、ロイコ色素
と、フェノール性水酸基、カルボキシル基の少なくとも
何れか一方を有する化合物とアミン化合物との錯塩と、
下記一般式で表される化合物とを記録層に含有すること
を特徴とする可逆性感熱記録材料とすることによって達
成することができる。
【0009】
【化2】
【0010】(上記構造式中、R 及び R'は水素原子、低
級アルキル基、低級アルコキシ基、ハロゲン原子を、X
は水素原子、ハロゲン原子を、Y はメチレン基、エチレ
ン基をそれぞれ示す。) 上記の一般式で表される化合物の具体例としては下記の
ような物質を挙げることができるが、本発明はこれらの
例に限定されるものではない。
【0011】4‐ベンジルビフェニル、4‐β‐フェネチ
ルビフェニル、4‐メトキシ‐4'‐ベンジルビフェニ
ル、4‐メトキシ‐4'‐β‐フェネチルビフェニル、4‐
エトキシ‐4'‐ベンジルビフェニル、4‐メトキシ‐4'
‐(p‐メチルベンジル)ビフェニル、4‐メトキシ‐4'‐
(p‐メトキシベンジル)ビフェニル、4‐メトキシ‐4'‐
(p‐クロロベンジル)ビフェニル、3‐クロロ‐4‐メト
キシ‐4'‐ベンジルビフェニル、3‐クロロ‐4‐メトキ
シ‐4'‐β‐フェネチルビフェニル、3‐クロロ‐4‐エ
トキシ‐4'‐ベンジルビフェニル、3‐クロロ‐4‐メト
キシ‐4'‐(p‐メチルベンジル)ビフェニル、3‐クロロ
‐4‐メトキシ‐4'‐(p‐メトキシベンジル)ビフェニ
ル、3‐クロロ‐4‐メトキシ‐4'‐(p‐クロロベンジ
ル)ビフェニル。
【0012】これらの化合物の添加量は、多すぎると発
色濃度の低下を来たし、少なすぎるとその効果は十分で
はない。本化合物の添加量はロイコ色素の重量の10〜40
0%が適当である。
【0013】本発明の可逆性感熱記録材料においては発
・消色剤として有機酸とアミン化合物との錯塩を使用す
るが、この中、有機酸は少なくともフェノール性水酸
基、カルボキシル基の何れか一方を有する化合物であ
り、例えば下記一般式(A)または(B)で表される化合物ま
たはこれらのエステルを挙げることができる。
【0014】
【化3】
【0015】(式中、n は1〜3の整数を表す。)
【0016】
【化4】
【0017】(式中、R1は水素原子またはメチル基を表
し、m は0〜6の整数を表す。) 上記一般式(イ)で表される化合物としては下記のものを
挙げることができる。
【0018】n =1 2‐ヒドロキシ安息香酸、3‐ヒドロキシ安息香酸、4‐
ヒドロキシ安息香酸等 。n =2 3,4‐ジヒドロキシ安息香酸、2,4‐ジヒドロキシ安息香
酸、2,5‐ジヒドロキシ安息香酸、2,6‐ジヒドロキシ安
息香酸、3,6‐ジヒドロキシ安息香酸、4,5‐ジヒドロキ
シ安息香酸、4,6‐ジヒドロキシ安息香酸、4‐ヒドロキ
シサリチル酸、5‐ヒドロキシサリチル酸等 n =3 没食子酸、フロログルシノール等。
【0019】なお、上記一般式(イ)で表される化合物の
エステルとしては、没食子酸ヘキシル、没食子酸ヘプチ
ル、没食子酸オクチル、没食子酸ノニル、没食子酸デシ
ル、没食子酸ラウリル、没食子酸テトラデシル、没食子
酸セチル、没食子酸ステアリルなどを挙げることができ
る。
【0020】また、上記一般式(ロ)で表される化合物と
しては、2,2‐ビス(4‐ヒドロキシフェニル)酢酸、2,2
‐ビス(4‐ヒドロキシフェニル)プロピオン酸、3,3‐ビ
ス(4‐ヒドロキシフェニル)プロピオン酸、4,4‐ビス(4
‐ヒドロキシフェニル)ブタン酸、4,4‐ビス(4‐ヒドロ
キシフェニル)ヘプタン酸、5,5‐ビス(4‐ヒドロキシフ
ェニル)ペンタン酸、5,5‐ビス(4‐ヒドロキシフェニ
ル)ヘキサン酸、6,6‐ビス(4‐ヒドロキシフェニル)ヘ
プタン酸、7,7‐ビス(4‐ヒドロキシフェニル)ヘプタン
酸、8,8‐ビス(4‐ヒドロキシフェニル)オクタン酸、8,
8‐ビス(4‐ヒドロキシフェニル)ノナン酸等を挙げるこ
とができる。
【0021】これらの有機酸と錯塩を形成させるための
アミン化合物は、分子中にアミノ基を1個または複数個
有する化合物であるが、このような化合物の中で次のも
のを用いた場合に、特に優れた消色特性を得ることがで
きる。
【0022】(イ) 直鎖または分岐した、炭素数8以上
のアルキル基を有するアルキルアミンで、例えば、オク
チルアミン、デシルアミン、ラウリルアミン、テトラデ
シルアミン、セチルアミン、ステアリルアミン、4,4‐
ジプロピルオクチルアミン、5‐エチルドデシルアミ
ン、2,6‐ジエチルデシルアミン、2,4,6‐トリブチルオ
クチルアミン等。
【0023】(ロ) エーテル結合を含む直鎖または分岐
したアルキル基を有する含エーテルアルキルアミンで、
例えば、メトキシプロピルアミン、エトキシプロピルア
ミン、2‐エチルヘキサオキシプロピルアミン、ドデシ
ルオキシプロピルアミン等。
【0024】(ハ) チオエーテル結合を含む直鎖または
分岐したアルキル基を有する含チオエーテルアルキルア
ミンで、例えば、メタチオキシプロピルアミン、エタチ
オキシプロピルアミン、2‐エチルヘキシルチオキシプ
ロピルアミン、ドデシルチオキシプロピルアミン等。
【0025】(ニ) 2級または3級アミンで、例えば、
ジオクチルアミン、N‐エチルデシルアミン、N,N‐メチ
ルヘキサデシルアミン、トリブチルアミン等。
【0026】また、ロイコ色素は従来からある感熱紙や
感圧紙に普通に使用されているもので良く、例えば、ク
リスタルバイオレットラクトン、3‐インドリノ‐3‐p
‐ジメチルアミノフェニル‐6‐ジメチルアミノフタリ
ド、3‐ジエチルアミノ‐7‐クロロフルオラン、2‐(2
‐フルオロフェニルアミン)‐6‐ジエチルアミノフルオ
ラン、2‐(2‐フルオロフェニルアミノ)‐6‐ジ‐n‐ブ
チルアミノフルオラン、3‐ジエチルアミノ‐7‐シクロ
ヘキシルアミノフルオラン、3‐ジエチルアミノ‐5‐メ
チル‐7‐t‐ブチルフルオラン、3‐ジエチルアミノ‐6
‐メチル‐7‐アニリノフルオラン、3‐ジエチルアミノ
‐6‐メチル‐7‐p‐ブチルアニリノフルオラン、3‐シ
クロヘキシルアミノ‐6‐クロロフルオラン、2‐アニリ
ノ‐3‐メチル‐6‐(N‐エチル‐p‐トルイジノ)‐フル
オラン、3‐ピロリジノ‐6‐メチル‐7‐アニリノフル
オラン、3‐ピロリジノ‐7‐シクロヘキシルアミノフル
オラン、3‐N‐メチルシクロヘキシルアミノ‐6‐メチ
ル‐7‐アニリノフルオラン、3‐N‐エチルベンジルア
ミノ‐6‐メチル‐7‐アニリノフルオラン等を挙げるこ
とができる。
【0027】また、結着剤には、ポリビニルアルコー
ル、ゼラチン、カゼイン等の水溶性樹脂や、アクリル樹
脂、ポリエステル樹脂、セルロース誘導体、ビニル樹
脂、スチレン樹脂等、製膜可能な樹脂であれば何でも使
用することができる。
【0028】なお、必要に応じて、その他の添加剤を添
加することができる。
【0029】
【作用】ロイコ色素、発・消色剤及び結着剤を記録層の
主成分とする可逆性感熱記録材料に感熱プリンター等を
用いて記録操作を行うと、印字部分だけが極めて短時間
だけ加熱され、その際に、ロイコ色素と発・消色剤とが
化学反応して、可視光に吸収を有する色素が生成され、
画像が形成される。
【0030】次に、これをホットプレート等で数秒間加
熱すると、画像を形成している色素が発・消色剤と反応
して、再びロイコ色素に戻る。
【0031】つまり、ロイコ色素は発・消色剤と反応し
て色素になり(発色反応)、該色素が発・消色剤と再び反
応してロイコ色素になる(消色反応)、というように可逆
的に反応する。
【0032】発色反応は比較的高温下で極めて速く起
る。これに対して消色反応は比較的低温下でも起り、反
応速度が遅い。従って、極めて短時間の加熱であれば発
色反応が起り、長時間の加熱であれば消色反応が起る。
【0033】発色反応と消色反応とは競合して起る反応
である。従って、極めて短時間(10ミリ秒以下)の加熱で
は支配的な発色反応と僅かな消色反応とが起るが、これ
による発色濃度低下は僅かなため、実用上影響はない。
同様に、長時間(1〜数秒)の加熱においては支配的な消
色反応とともに僅かに発色反応が起り、消色後にも僅か
に色素が残留する。色素が僅かでも残留すると記録した
文字が消色後にかすかに残ることになり、発色と消色と
を多数回繰り返すと白地が汚染してしまうことになる。
【0034】可逆性感熱記録材料を本発明構成の記録材
料とすることによって、特に低湿度の雰囲気で多数回発
色と消色とを繰り返した場合の白地の汚染を改善するこ
とができる。この理由は明らかではないが、上記化合物
を添加した場合、溶融後、疎水性の該化合物が顕減色剤
と相溶することで、長時間加熱における消色反応速度を
発色反応速度に比べて極めて高速にすることが推定でき
る。
【0035】
【実施例】以下、本発明の可逆性感熱記録材料につい
て、実施例によって具体的に説明する。
【0036】
【実施例1】A 液 3‐ジブチルアミノ‐6‐メチル‐7‐アニリノフルオラン …10部 メタクリル樹脂(三菱レイヨン製ダイヤナール BR‐106) …5部 トルエン …40部B 液 顕減色剤(没食子酸とオクタデシルアミンとの錯塩) …10部 メタクリル樹脂(三菱レイヨン製ダイヤナール BR‐106) …7.5部 トルエン …40部C 液 4‐ベンジルビフェニル …10部 メタクリル樹脂(三菱レイヨン製ダイヤナール BR‐106) …5部 トルエン …40部 上記組成の A 液及び B 液を、それぞれ、ボールミルを
用いて20時間粉砕し分散した後、A 液1部、B 液4部、
C 液1部の割合で十分に混合して記録層塗工液を調製し
た。この塗工液を、ワイヤバーを用いて、厚さ75μmの
白色加工したポリエステルフィルム上に乾燥重量が8g/
m2となるように塗布、乾燥して地肌被りのない可逆性感
熱記録シート(表1の試料1)を作製した。
【0037】また、上記感熱記録シート1の作製の C
液における 4‐ベンジルビフェニルを表1に示す化合物
2〜4に代えた以外は同様にして、感熱記録シート(表
1の試料2〜4)を作製した。また、上記 C 液におい
て、添加剤を全く加えないで作製した感熱記録シート
(表1の試料5)も比較のために作製した。
【0038】上記のようにして作製した感熱記録シート
試料1〜5を温度20℃ 湿度30%の室内に24時間放置し
た後、同室内でセイコーエプソン製感熱プリンタ AP‐8
50を用いて印字し、マクベス製反射光学濃度計で印字部
分の反射光学濃度の測定を行った。次に、100℃に温度
を調節した熱ロールを通過させることによる消去と上記
と同様の印字を50回繰り返した後、消去した感熱記録シ
ートの反射光学濃度を測定した。表1に、各シート試料
についての印字部分の反射光学濃度と、印字及び消去を
51回繰り返した後の反射光学濃度とを合わせて示した。
【0039】
【表1】
【0040】表1の結果から、本発明使用の添加化合物
を添加した可逆性感熱記録シート1〜4は、低湿度の雰
囲気で印字と消去とを多数回繰り返しても、白地の汚染
のない優れたものであることが確認された。これに対
し、上記添加化合物を添加しなかった可逆性感熱記録シ
ート試料5は印字と消去とを多数回繰り返すと、白地の
汚染を生じた。なお、感熱記録シート試料1〜5の何れ
においても、繰り返して行った印字は鮮明であった。
【0041】
【実施例2】A 液 2‐(2‐クロロフェニルアミノ)‐6‐ジエチルアミノフルオラン …10部 ポリビニルアルコール …2部 蒸留水 …40部B 液 顕減色剤(2,2‐ビス(4‐ヒドロキシフェニル)酢酸とテトラデシル アミンとの錯塩 …10部 微粉シリカ(日本シリカ製 Nipsil E743) …10部 ポリビニルアルコール …10部 蒸留水 …10部C 液 4‐ベンジルビフェニル …10部 ポリビニルアルコール …2部 蒸留水 …40部 上記組成の A 液及び B 液を、それぞれ、ボールミルを
用いて20時間粉砕、分散させた後、これらの分散液を A
液2部、B 液5部、C 液1部の割合で十分混合して、
記録層塗工液を調製した。この塗工液を、ワイヤバーを
用いて、厚さ100μmの白色加工ポリエステルフィルム上
に乾燥重量が8g/m2となるように塗布、乾燥して、地肌
被りのない可逆性感熱記録シート(表2の試料6)を作製
した。
【0042】また、上記感熱記録シート試料6の作製に
おいて、C 液の 4‐ベンジルフェニルを表2に示す化合
物に代えた以外は同様にして、感熱記録シート(表2の
試料7〜9)を作製した。また、特開平4‐46986号公報
に開示されている化合物の一例として、エチレンビスス
テアリン酸アミドを感熱記録層に添加したものを感熱記
録シート試料10として作製した。
【0043】上記のようにして作製した感熱記録シート
試料6〜10のそれぞれについて、実施例1の場合と同様
にして、印字部分の反射光学濃度及び印字・消去を51回
繰り返した後の反射光学濃度を測定した結果を表2に示
した。本実施例の感熱記録シート6〜9も、実施例1の
試料1〜4の場合と同様に、優れた繰返し特性を示し
た。
【0044】これに対し、感熱記録シート試料10は、印
字部分の反射光学濃度がやや低く、印字・消去を51回繰
り返すと白地がかなり汚染する。このことから、本実施
例使用の添加化合物は特開平4‐46986号公報に開示され
ている化合物と本質的に異なるものであることが確認さ
れた。
【0045】
【表2】
【0046】
【発明の効果】以上述べてきたように、可逆性感熱記録
材料を本発明構成の記録材料とすることによって、従来
技術の有していた課題を解決して、どのような湿度の雰
囲気において印字・消去を多数回繰り返しても白地の汚
染がなく、鮮明に印字することのできる可逆性感熱記録
材料を提供することができた。
【0047】また、近年、都市ゴミの急増や地球環境保
全の立場から、OA 機器等による紙の大量消費が問題に
なっているが、本発明の材料が普及することにより、紙
の使用量を大幅に減少させ得ることが期待できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 杉内 大司 神奈川県川崎市多摩区登戸3819番地 株式 会社スリオンテック内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ロイコ色素と、フェノール性水酸基、カル
    ボキシル基の少なくとも何れか一方を有する化合物とア
    ミン化合物との錯塩と、下記一般式で表される化合物と
    を記録層に含有することを特徴とする可逆性感熱記録材
    料。 【化1】 (上記構造式中、R 及び R'は水素原子、低級アルキル
    基、低級アルコキシ基、ハロゲン原子を、X は水素原
    子、ハロゲン原子を、Y はメチレン基、エチレン基をそ
    れぞれ示す。)
JP5002436A 1993-01-11 1993-01-11 可逆性感熱記録材料 Pending JPH06206373A (ja)

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