JP3584722B2 - 高分子ゲル組成物、その製造方法及びそれを用いた光学素子 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、刺激の付与により体積変化する高分子ゲルを含有する組成物、それを用いた光学素子及びその製造方法に関する。本発明の高分子ゲル組成物は、表示素子、記録素子、調光素子やセンサーなどの光学素子の材料として有用なものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、pH、イオン濃度強度、化学物質の吸脱着、溶媒の添加または熱、光、電流もしくは電界の付与等によって体積変化(膨潤、収縮)を起こす高分子ゲル材料(以下、刺激応答性高分子ゲルという)が知られており、その機能材料としての応用が期待されている。これらの材料は、例えば、「機能性高分子ゲル」シーエムシー出版に総説として記載されている。この刺激応答性高分子ゲルの用途としては、ドラッグデリバリーシステムなどの薬の担持体、医療材料、インクの添加剤、機能膜、人工筋肉、表示素子、記録素子、アクチュエータ、ポンプなどが検討されている。一般に、水や電解質等の液体中に存在する刺激応答性高分子ゲルに刺激を付与することにより、該高分子ゲルは相転移等を起こし、ゲル内部への液体の吸収あるいは排出によって、体積、大きさ、形状を変化させることができる。
【0003】
刺激応答性高分子ゲルの材料としては、ポリアクリル酸系、ポリビニルスルホン酸系、ポリアクリルアミドアルキルスルホン酸系、ポリマレイン酸系、ポリビニルアルコール−ポリアクリル酸複合系などの各金属塩などのイオン解離基を有する高分子化合物、セルロース系、ポリアクリルアミド系、ポリN−アルキル置換アクリルアミド系、ポリビニルメチルエーテル系などの高分子化合物、あるいは光などによってイオン解離する基を有する高分子化合物の架橋体が知られている。また、刺激応答性高分子ゲルの形態としては、粒子、繊維、立方体などの成形体が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
これら従来の刺激応答性高分子ゲルの課題の一つは、体積変化に要する応答速度が遅く、数分から数時間かかってしまうことである。高分子ゲルの応答速度はその大きさに依存し、大きさが小さくなるにつれて高速化することが知られているため、高分子ゲルの形態を微粒子にして高速化を狙う検討がされているが、微粒子を用いると凝集が生じやすく利用が困難であること、凝集によって応答速度が低下することなどの問題がある。さらに、高分子ゲルの構造を多孔質化して液体の出入りを容易にし、高速化を狙う検討もされているが、高速化には限界があり、用途が限られていた。
【0005】
さらに、刺激応答性高分子ゲルの他の課題は、その作動原理から液体中で使用しなければはならず、その利用分野が制限されることである。例えば、表示素子や記録素子等に利用する場合、2枚の支持基板間に高分子ゲルと液体を封入しなければならず(特開昭61−149926号公報、特公平7−95172公報、特開平5−173190公報など)、素子構成が煩雑になり高価となること、あるいは液漏れなどが起こり信頼性の低下を招く恐れもあることなどの問題があった。
【0006】
したがって、本発明の目的は、このような従来技術の課題を解決し、高速応答性を有し、しかも粒子の凝集などが起こらず、素子構成上の制約もない刺激応答性高分子ゲルを含む高分子ゲル組成物、それを利用した光学素子、及びその製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、刺激応答性高分子ゲルと液体を含む領域と、その領域を覆う隔離部材とを有する高分子ゲル組成物を用いることにより、上記目的を達成し得ることを見出し、本発明を完成させた。
【0008】
すなわち、本発明は、刺激の付与により液体を吸収・放出して体積変化することで入射光の透過性または吸収効率を変化させる架橋された高分子ゲルと液体を含む領域と、前記領域を覆う隔離部材とを有することを特徴とする光学素子用高分子ゲル組成物、
前記高分子ゲル組成物からなることを特徴とする光学素子、および
刺激の付与により液体を吸収・放出して体積変化することで入射光の透過性または吸収効率を変化させる架橋された高分子ゲルと液体との膨潤混合物を、それを溶解しないマトリックス材料の液体溶液中に分散させた後、マトリックス材料を固化することを特徴とする前記高分子ゲル組成物の製造方法からなる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳しく説明する。
本発明の高分子ゲル組成物は、刺激の付与により液体を吸収・放出して体積変化する高分子ゲル(刺激応答性高分子ゲル)と液体を含む領域と、その領域を覆う隔離部材とを有することを特徴とするものである。
【0010】
本発明の高分子ゲル組成物の構成形態例を、図1を参照して説明する。
図1(a)は、隔離部材をマトリックスとしたものを示す図であり、マトリックス2の内部に、高分子ゲルと液体との混合物1が相分離状に隔離されて存在している。
図1(b)は、隔離部材をマイクロカプセル膜としたものを示す図であり、高分子からなるカプセル膜5の内部に高分子ゲル4と液体3が封入されている。
図1(c)は、図1(b)の組成物において、高分子からなるカプセル膜5の内部に、液体3と着色された高分子ゲル4’が封入されているものを示す図である。
図1(d)は、図1(b)の組成物において、高分子からなるカプセル膜5の内部に着色されている高分子ゲルおよび着色されている液体が封入されているものを示す図である。
図1(e)は、高分子ゲルと液体の混合物を封入したマイクロカプセル6をマトリックス2中に分散したものを示す図である。
【0011】
次に、本発明の高分子ゲル組成物の構成材料とその製造法について、詳細に説明する。
本発明において使用することができる高分子ゲルとしては、pH、イオン濃度変化、化学物質の吸脱着、溶媒の添加、または光、熱、電流や電界の付与などの刺激によって、液体を吸収・放出して体積変化(膨潤・収縮)するものが好ましい。本発明において、高分子ゲルの体積変化は一方的なものでも可逆的なものであってもよい。以下に、本発明において使用することができる高分子ゲルの具体例を示す。
【0012】
pH変化によって刺激応答する高分子ゲルとしては、電解質系高分子ゲルが好ましく、その例としては、ポリ(メタ)アクリル酸の架橋物やその金属塩、(メタ)アクリル酸と(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸アルキルエステルなどとの共重合体の架橋物やその金属塩、ポリマレイン酸の架橋物やその金属塩、マレイン酸と(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸アルキルエステルなどとの共重合体の架橋物やその金属塩、ポリビニルスルホン酸の架橋物やビニルスルホン酸と(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸アルキルエステルなどとの共重合体の架橋物、ポリビニルベンゼンスルホン酸の架橋物やその金属塩、ビニルベンゼンスルホン酸と(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸アルキルエステルなどとの共重合体の架橋物やその金属塩、ポリアクリルアミドアルキルスルホン酸の架橋物やその金属塩、アクリルアミドアルキルスルホン酸と(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸アルキルエステルなどとの共重合体の架橋物やその金属塩、ポリジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドの架橋物やその塩酸塩、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドと(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸アルキルエステルなどとの共重合体の架橋物やその金属や塩酸塩、ポリジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドとポリビニルアルコールとの複合体の架橋物やその塩酸塩、ポリビニルアルコールとポリ(メタ)アクリル酸との複合体の架橋物やその金属塩、カルボキシアルキルセルロース金属塩の架橋物、ポリ(メタ)アクリロニトリルの架橋物の部分加水分解物やその金属塩などが挙げられる。これらの中でも、ポリ(メタ)アクリル酸系高分子材料は好ましく使用される。
尚、pH変化は、液体の電気分解や添加される化合物の酸化還元反応などの電極反応、あるいは、導電性高分子の酸化還元反応、さらには、pHを変化させる化学物質の添加によるものであることが好ましい。
【0013】
イオン濃度変化によって刺激応答する高分子ゲルとしては、前記したpH変化による刺激応答性高分子ゲルと同様なイオン性高分子材料が使用できる。また、イオン濃度変化としては、金属塩等の添加によるものが好ましい。
【0014】
また、化学物質の吸脱着によって刺激応答する高分子ゲルとしては、強イオン性高分子ゲルが好ましく、その例として、ポリビニルスルホン酸の架橋物やビニルスルホン酸と(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸アルキルエステルなどとの共重合体の架橋物、ポリビニルベンゼンスルホン酸の架橋物やビニルベンゼンスルホン酸と(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸アルキルエステルなどとの共重合体の架橋物、ポリ(メタ)アクリルアミドアルキルスルホン酸の架橋物や(メタ)アクリルアミドアルキルスルホン酸と(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸アルキルエステルなどとの共重合体の架橋物などが挙げられる。特に、ポリアクリルアミドアルキルスルホン酸系高分子が好ましく使用される。
この場合、化学物質としては、界面活性剤、例えば、n−ドデシルピリジニウムクロライドなどのアルキルピリジン塩、アルキルアンモニウム塩、フェニルアンモニウム塩、テトラフェニルホスフォニウムクロライドなどのホスホニウム塩などのカチオン性界面活性剤を使用することができる。
【0015】
また、溶媒の添加により刺激応答する高分子ゲルとしては、一般にほとんどの高分子ゲルが挙げられ、その高分子ゲルの良溶媒と貧溶媒を利用することで膨潤、収縮を引き起こすことが可能である。
【0016】
また、電気による酸化・還元によって刺激応答する高分子ゲルとしては、カチオン性高分子ゲルと電子受容性化合物とのCT錯体(電荷移動錯体)が好ましく、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドなどアミノ置換(メタ)アクリルアミドの架橋物、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートやジメチルアミノプロピルアクリレートなどの(メタ)アクリル酸アミノ置換アルキルエステルの架橋物、ポリスチレンの架橋物、ポリビニルピリジンの架橋物、ポリビニルカルバゾールの架橋物、ポリジメチルアミノスチレンの架橋物などが挙げられ、特に、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレートなどのジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート系高分子は好ましい。これらは、ベンゾキノン、7,7,8,8−テトラシアノキノジメタン(TCNQ)、テトラシアノエチレン、クロラニル、トリニトロベンゼン、無水マレイン酸やヨウ素などの電子受容性化合物とを組み合わせて使用することができる。
【0017】
また、光の付与によって刺激応答する高分子ゲルとしては、トリアリールメタン誘導体やスピロベンゾピラン誘導体などの光によってイオン解離する基を有する親水性高分子化合物の架橋物が好ましく、その例として、ビニル置換トリアリールメタンロイコ誘導体と(メタ)アクリルアミドとの共重合体の架橋物などが挙げられる。
【0018】
また、熱の付与によって刺激応答する高分子ゲルとしては、LCST(下限臨界共融温度)を有する高分子の架橋物が好ましく、その例として、ポリN−イソプロピル(メタ)アクリルアミドなどのポリアルキル置換(メタ)アクリルアミドの架橋物やアルキル置換(メタ)アクリルアミドと(メタ)アクリル酸やその金属塩、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸アルキルエステルなどとの共重合体の架橋物、ポリビニルメチルエーテルの架橋物、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのアルキル置換セルロース誘導体の架橋物などが挙げられる。これらの中でも、ポリN−イソプロピル(メタ)アクリルアミドは好ましい。
【0019】
本発明の刺激応答性高分子ゲルの体積変化量は特に限定されないが、高いほど好ましく、膨潤時および収縮時の体積比が10以上、特に20以上のものが好ましい。
また、本発明の刺激応答性高分子ゲルの体積変化は、一方的であるものでも可逆的であるものでもよいが、調光素子や表示素子などに利用する場合は、可逆的なものであることが好ましい。
【0020】
また、本発明では、刺激応答性高分子ゲルの形態は特に限定されないが、刺激応答特性を考慮すると、粒子の形態として使用することが特に好ましい。その粒子の形態も特に限定されないが、球体、楕円体、多面体、多孔質体、繊維状、星状、針状、中空状などのものを使用することができる。
【0021】
本発明において用いられる刺激応答性高分子ゲルは、乾燥状態で平均粒径が0.01μm〜5mmの範囲、特に、0.01μm〜1mmの範囲の粒子であることが好ましい。平均粒子径が0.01μm未満となると、光学的な特性を得ることができなくなり、凝集等を起こしやすくなり、かつ、使用する場合にその扱いが困難となる。一方、5mmを超えると、応答速度が遅くなってしまう問題が生じる。
【0022】
これらの高分子ゲルの粒子は、高分子ゲルを物理的粉砕法等で粒子化する方法、架橋前の高分子を化学的粉砕法等によって粒子化した後に架橋して高分子ゲル粒子を得る方法、あるいは乳化重合法、懸濁重合法、分散重合法などの粒子化重合法などの一般的な粒子化方法によって製造することができる。また、架橋前の高分子をノズル口金等によって押し出して繊維化し、これを架橋した後に粉砕する方法、あるいは前記繊維を粉砕して粒子化した後に架橋する方法によって高分子ゲル粒子を製造することも可能である。
【0023】
尚、表示素子や記録素子に用いる場合には、これらの高分子ゲルに顔料や染料などの色材を添加して、着色することが好ましい。さらに着色の方法としては、高分子ゲルの乾燥時または収縮時に、飽和吸収濃度以上となる濃度の色材を添加して着色することが好ましい。このような濃度の色材を添加させることによって、高分子ゲルの膨潤・収縮により光学濃度を変化させることができる。飽和吸収濃度以上となる色材濃度は、一般に5重量%以上であり、5重量%〜95重量%の範囲を高分子ゲルに添加することが好ましい。5重量%未満となると、色剤を添加した効果が得られず、95重量%を超えると、高分子ゲルの特性が低下してしまう恐れがある。
【0024】
着色のために使用する色材としては各種の顔料や染料が挙げられ、無機系顔料、有機系顔料、塩基性染料、酸性染料、分散染料、反応性染料などが好ましい。これらの具体例としては、酸化チタンなどの金属酸化物、ブロンズ粉、カーボンブラックやアントラキノン系、アゾ系、フタロシアニン系、キナクリドン系、ペリレン系、インジゴ系などの各顔料や染料などが挙げられ、特に、顔料はその添加による高分子ゲルの刺激応答性に与える影響が比較的小さいので好ましい。顔料を用いる場合、その粒径は、1次粒子の平均粒径で0.001μm〜1μmのものが好ましい。
【0025】
また、これらの色材として、分子内に酸基、水酸基、アミノ基、チオール基、ハロゲン、ニトロ基、カルボニル基などの極性基を有し、高分子ゲル内において色材濃度が高い場合に凝集体を形成しやすい特性のものも好ましく使用することができる。このような色材の例としては、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、スルホン酸基を有するフタロシアニン系顔料、アゾ系顔料等を挙げることができる。
さらに、高分子ゲルに共有結合するための付加反応性基や重合性基を有する色材や、高分子ゲルとイオン結合などの相互作用する基を有する色材などの各種の化学修飾した色材を用いることも好ましい。
【0026】
尚、上記の色材は、高分子ゲル(あるいはその液体による膨潤体)内部に存在し、膨潤・収縮によっても高分子ゲルの外部に移動しないものであることが好ましい。このためには、前記したように、高分子ゲルに色材を共有結合する方法、イオン結合する方法、高分子ゲルの網目内部に物理的に保持する方法などによって色剤を添加することが好ましい。特に色材として顔料を用いる場合は、高分子ゲルの架橋密度を適宜選択し、顔料の粒径よりも小さい網目を形成させることにより、顔料を安定に保持することができる。
【0027】
このような色材を含有する高分子ゲルは、架橋前の高分子中に色材を均一に分散、混合した後に架橋する方法や、重合時に、高分子前駆体モノマー組成物に色材や重合性基を有する色材を添加して重合する方法によって製造することができる。色材は、着色材料中に均一に分散されていることが好ましく、特に、高分子への分散に際して、機械的混練法、攪拌法を用いて、または界面活性剤や両親媒性高分子等の分散剤などを利用して均一に分散させることが望ましい。
尚、色材を含有する高分子ゲルの粒子は、前記した粒子化方法と同様の方法により製造することができる。
【0028】
本発明の組成物において、刺激の付与により液体を吸収・排出して体積変化する高分子ゲルと液体とを含む領域を覆う隔離部材の材料としては、各種高分子材料、セラミック、ガラスなどの無機材料を利用することができるが、特に、光透過性の高い材料であることが好ましい。また、隔離部材は、複数種類の材料からなるものであっても、複数の層からなるものであってもよい。隔離部材としては、マトリックスやマイクロカプセル膜を例示することができる。
【0029】
隔離部材がマトリックスであるものの態様を、図1(a)および(e)に示し、隔離部材がカプセル膜であるものの態様を、図1(b)、(c)および(d)に示す。図1(e)に示す態様は、図1(c)に示すものを、マトリックス中に分散させたものである。
【0030】
図1(a)、(e)の態様における隔離部材であるマトリックスの材料としては、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリフッ化ビニリデンやその異種共重合体、ポリテトラフルオロエチレン、ポリスチレンやその異種共重合体、ポリメチルメタクリレートやその異種共重合体、ポリアミド系樹脂、シリコーン系樹脂、アクリル系やビニル系の熱、紫外線や電子線硬化性樹脂、シラン系ゾルゲル組成物などの他、セラミック、ガラス等の無機材料が挙げられる。これらの中でも、高分子材料(樹脂)は好ましい。尚、マトリックスの材料は架橋されたものであってもよい。
【0031】
また、図1(a)、(e)に示す態様の高分子ゲル組成物は、高分子ゲルと液体との混合物または後記する高分子ゲルと液体を内包するマイクロカプセルを、マトリックス材料中に分散し、固化する方法によって形成することができる。図1(a)に示す態様の高分子ゲル組成物は、例えば、高分子ゲルと液体との膨潤混合物を、これを溶解しないマトリックス材料の液体溶液中で混合、分散し、高分子ゲルの膨潤物を相分離状に分散した後に、乾燥させることまたは紫外線や熱を付与することによってマトリックス材料を固化する方法により製造することができる。
【0032】
一方、図1(e)に示す態様の高分子ゲル組成物は、高分子ゲルと液体とを含む領域をマイクロカプセル膜で覆うマイクロカプセルを製造した後、上記図1(a)のものと同様にして形成することが可能である。図1(e)の態様のものは、高分子ゲルと液体との混合物がカプセル内部に内包されているので、マトリックス材料の選択範囲やプロセスの自由度はより広がるので好ましい。例えば、図1(e)のものは、マイクロカプセルを、加熱溶融したマトリックス材料中に分散し、冷却して固化する方法によって形成することも可能である。
【0033】
図1(a)、(e)の態様のような、隔離部材がマトリックスである高分子ゲル組成物において、マトリックス材料と高分子ゲル組成物との重量比は、1/50〜50/1[マトリックス材料/(高分子ゲル+液体)、または、マトリックス材料/(高分子ゲルと液体を含むカプセル)]の範囲とすることが好ましい。図1(a)、(e)の態様では、このような樹脂やガラスなどの固体マトリックス中に高分子ゲルと液体との混合物やさらにそれを内部に含むカプセルを隔離、保持した構成においても、高分子ゲルの刺激応答機能は妨げられることがない。
【0034】
一方、隔離部材がカプセル膜である図1(b)〜図(d)に示す態様の高分子ゲル組成物は、従来から公知のカプセル化法あるいはマイクロカプセルの製造方法によって製造することができる。
【0035】
カプセル膜は、高分子膜であることが好ましく、特に、光透過性を持つ高分子膜であることが好ましい。このような高分子膜の主材料として用いることができるものとして、ポリ酢酸ビニル、セルロースアセテートブチレート、スチレン−マレイン酸共重合体、ベンジルセルロース、エチルセルロース、ポリエチレン、ポリスチレン、ゴム、ニトロセルロース、ポリメチルメタクリレート、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリウレア、ポリエーテル、アルギン酸、ペクチン、カラギーナン、キサンタンなどの多糖類、ポリビニルアルコール、ゼラチン、アルブミンなどのタンパク質、エポキシ樹脂などが挙げられる。これらの中でも、ポリアミド、ポリウレタン、ポリウレア、多糖類、ポリビニルアルコールは好ましい。また、このような高分子膜材料に、無機粒子、フィラーなどの各種添加材を加えてもよい。
【0036】
カプセル膜は、カプセル内部の高分子ゲルの粒子および液体を保持する機能以外に、イオンや化学物質の透過機能を有するものであってもよい。さらに、用途によっては、カプセル内部あるいは外部の液体の透過機能を有するものであってもよい。
また、カプセル膜の厚みは、1nm〜20μmの範囲、特に、1nm〜10μmの範囲であることが好ましい。また、カプセルの大きさは、平均粒径で0.02μm〜10mm、特に、0.02μm〜2mmの範囲であることが好ましい。
【0037】
カプセル膜を構成する高分子膜の材料と、高分子ゲル及び液体の混合物との配合比は、その重量比で1/200〜5/1[高分子材料 /(高分子ゲル+液体)]の範囲であることが好ましい。
【0038】
カプセルの内部に含有される高分子ゲルが粒子状である場合、その粒子の数はカプセル1個あたり1粒子であってもよく、また性能を低下させない範囲で複数個の粒子であってもよい。さらに、複数の異なった色に着色された高分子ゲルの粒子が1カプセル内に含有されていても構わない。
【0039】
マイクロカプセルの製造方法としては、高分子材料の不溶化を利用したいわゆるコアセルベーション法、分散粒子の界面で重合を行いカプセル膜を形成するいわゆる界面重合マイクロカプセル化法、in situマイクロカプセル化重合法、液中硬化被覆マイクロカプセル化法、気体中に液滴を噴霧することでその表面にカプセル膜を形成するスプレードライングマイクロカプセル化法などが挙げられる。これらの技術の詳細は、近藤 保著、「新版 マイクロカプセル その製法・性質・応用」、三共出版などの成書に記述されている。
【0040】
本発明の高分子ゲル組成物がマイクロカプセルである場合の具体的製造方法としては、あらかじめ調製された高分子ゲルの粒子と液体との混合液体、または高分子ゲルの粒子を液体で膨潤させた膨潤体を、カプセル用高分子化合物を含む溶液中に添加して、コアセルベーション処理することでカプセルを形成する方法;高分子ゲル粒子と液体およびカプセル用高分子前駆体との混合液体を、前記前駆体との反応する物質を含む溶液に添加し、界面重合によってカプセルを形成する方法;高分子ゲル粒子と液体およびカプセル用高分子との混合液体を、前記高分子との反応する物質を含む溶液に添加し、高分子を不溶化または架橋することでカプセルを形成する方法などが挙げられる。また、カプセル化過程においては、攪拌機による攪拌方法、微細な径をもつノズルからカプセル用組成物を吐出してカプセルを形成する方法、あるいはカプセル用組成物を噴霧してカプセルを形成する方法などによって、所望の粒径や形状のカプセルを形成することができる。
【0041】
本発明の組成物に使用される液体としては、水、電解質水溶液、アルコール、ケトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホオキシド、アセトニトリル、プロピレンカードネートやその他の芳香族系有機溶剤、脂肪族系有機溶剤やそれらの混合物が使用できる。また、液体には高分子ゲルに吸脱する界面活性剤、溶液のpH変化を促進するためのビオロゲン誘導体などの酸化還元剤、酸、アルカリ、塩、および分散安定剤、酸化防止や紫外線吸収などの安定剤などを添加してもよい。さらに、種々顔料や白色顔料や染料などの色素を添加することもできる。
【0042】
高分子ゲルと液体との混合比は、重量比で1/2000〜1/1 (高分子ゲル/液体)の範囲とすることが好ましい。重量比が1/2000を超えると、組成物の機械的強度などの物性低下の恐れがあり、1/1未満になると、刺激応答による体積変化の応答速度が低下する恐れがある。
【0043】
本発明の高分子ゲル組成物は、図2に例示するように、隔離された高分子ゲル4’が、刺激によって膨潤(a)および収縮(b)による体積変化を引き起こし、光の透過性等を散乱や回折によって変化させることができる。また、高分子ゲルに飽和吸収濃度以上の色材を含有させた場合は、高分子ゲルの体積変化に応じて光の吸収効率が変化し色濃度を変化させることができる。具体的には高分子ゲルの膨潤時には光学濃度が高くなり(発色する)、収縮時には光学濃度が低くなる(消色する)。したがって、本発明の高分子ゲル組成物は、調光素子、表示素子などの光学素子として利用することができる。
【0044】
次に、本発明の高分子ゲル組成物を用いた光学素子について説明する。
図1(a)、(e)の形態の高分子ゲル組成物は固体であるため、自己保持性をもち、フイルム状や板状などの形に加工して、基板を用いずにそのままで、光学素子として利用することができる。さらに、強度、耐久性や機能の向上のために、他の基材上に本発明の組成物を層状に形成すること、あるいは2枚の基材間に本組成物を層状に挟持することで光学素子とすることもできる。
【0045】
一方、図1(b)、(c)、(d)のようなカプセル状の組成物の場合は、むしろ、基板上に成形するか、2枚の基板間に挟持して光学素子とすることが好ましい。このような光学素子の構成例を図3に示す。図3(a)は、基板8上に高分子ゲル組成物7を層状に形成した構成例を示す。図3(b)は2枚の基板8の間にスぺーサー9を介して高分子ゲル組成物7を層状に形成した構成例を示す。図3(b)の構成においては、2枚の基板8間に、高分子ゲル組成物の他に、種々の液体や気体を充填することが可能である。
【0046】
上記の光学素子の構成例において、高分子ゲル組成物またはそれよりなる層の厚みの好ましい範囲は、1μm〜500μm、特に、2μm〜200μmの範囲である。1μmよりも小さいと、調光性能が低下し、500μmを超えると、応答特性などが低下する恐れがある。
【0047】
尚、基板としては、特に限定されないが、ポリエステル、ポリイミド、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ナイロン、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニルなどのフイルムや板状基板やガラス、金属、セラミックなどを使用することができ、特に、光透過性の基板を利用することが好ましい。
本発明の光学素子に付与される刺激は、自然界の刺激でも、人為的な刺激でもよい。光、熱、化学物質などの自然界の刺激を利用する場合には、調光素子や光シャッター、センサーなどに利用することができる。一方、人為的な刺激のを利用する場合には、素子の内部あるいは外部から熱、光、電場などを付与する手段を講じることで、上記の用途にも、表示素子、記録素子、光変調素子などの用途にも応用することが可能となる。
【0048】
(作用)
本発明によれば、刺激の付与により液体を吸収・排出して体積変化する高分子ゲルと液体とを含む領域を、隔離部材によって相分離マトリックス状あるいはカプセル状に保持せしめることにより、当該高分子ゲルの機能を向上させることができる。これは、高分子ゲルと液体との混合物が微小な領域として隔離され、独立に存在することにより、従来の高分子ゲル粒子で問題となっていた凝集による粗大化が抑制され、応答速度や繰り返し安定性が低下する等の問題を防止できるからである。また、高分子材料やガラスなどの固体マトリックス中に、高分子ゲルの刺激応答機能を妨げることなく、高分子ゲルと液体との混合物を隔離し、保持することにより、固体状の自己保持性の材料として用途範囲を格段に広げることができる。
【0049】
【実施例】
(実施例1)
(高分子ゲル粒子の製造)
熱による刺激応答性高分子ゲルの粒子を、以下に示すように、逆相懸濁重合によって製造した。
主モノマーとして、N−イソプロピルアクリルアミド10g、架橋剤として、メチレンビスアクリルアミド0.05gを用い、これに蒸留水20g、過硫酸アンモニウム0.1gを添加し、攪拌混合して水溶液を調製した。
ソルビトール系界面活性剤(ソルゲン50:第一工業製薬(株)製)2.0gをシクロヘキサン200mlに溶解した溶液を窒素置換された反応容器に加え、これに、先に調製した水溶液を添加し、回転式攪拌羽根を用いて高速攪拌して乳化させた。
乳化後、反応系の温度を20℃に調節し、さらに攪拌しながら、これにテトラメチルエチレンジアミンの50%水溶液を添加し、重合を行なった。重合後、生成した高分子ゲル粒子を回収し、純水で洗浄を行なった。
【0050】
得られた高分子ゲル粒子の乾燥時の平均粒径は約3μmであった。また、本高分子ゲル粒子の20℃における純水吸水量は、約55g/gであった。本高分子ゲル粒子は加熱によって収縮する性質をもち、約32℃に相転移点を有していた。したがって、本高分子ゲル粒子は、相転移点よりも高い温度では収縮し、低い温度では膨潤する。この変化は可逆的であり、膨潤・収縮によって粒子の大きさは3倍以上変化するものであった。また、膨潤状態では高分子ゲル粒子は透明であるが、収縮状態では白濁する性質をもっていた。
【0051】
(高分子ゲル粒子を含む組成物の製造)
高分子ゲル粒子を含む組成物を、UV硬化樹脂を用いて下記の方法で作製した。
重合開始剤を含有する紫外線硬化樹脂(アロニックスUV:東亜合成(株)製)を50重量%含むトルエン溶液を調製した。また、前記高分子ゲル粒子0.3gに蒸留水17gを加えて、20℃において膨潤させて、高分子ゲルの膨潤粒子を調製した。この高分子ゲルの膨潤粒子を、先に調製した紫外線硬化樹脂溶液30gに加え、回転式攪拌装置を用いて、高分子ゲルの膨潤粒子を分散させた混合溶液を調製した。なお、この攪拌分散は高分子ゲルが収縮しない温度である20℃で行なった。
【0052】
得られた混合溶液を、ブレードコーターを用いて厚み100μmの透明ポリエステルフイルム上に塗布し、紫外線照射装置によって紫外線を照射することで硬化させ、厚みが約30μmのマトリックスを形成した高分子ゲル組成物を作成した。
得られた高分子ゲル組成物を顕微鏡観察によって観察したところ、膜の内部には高分子ゲルの膨潤粒子が相分離状に隔離、分散して存在することが確認できた。
【0053】
(機能評価)
このようにして作製した高分子ゲル組成物は、20℃においてはほぼ透明な状態であったが、これを40℃に加熱すると白濁した不透明状態になった。また、再び、20℃に冷却すると初期の透明状態に戻り、可逆的に変化することが判った。これらの変化を顕微鏡で観察したところ、膜中の高分子ゲルが温度変化によって膨潤・収縮しており、収縮状態(40℃)では光を散乱させることが判った。
このように、本高分子ゲル組成物では、従来の高分子ゲルでは困難であった固体樹脂中における高分子ゲルの刺激応答体積変化が可能なことも確認することができた。
したがって、本高分子ゲル組成物は、非常に簡単な構成であるにもかかわらず温度センサーや調光素子などの光学素子としての機能を有する。
【0054】
(実施例2)
(高分子ゲル粒子の製造)
pH変化、イオン濃度変化、溶媒の添加による刺激応答型高分子ゲルの粒子を、以下に示すように逆相懸濁重合によって製造した。
主モノマーとしてアクリル酸10g、水酸化ナトリウム4g、架橋剤としてメチレンビスアクリルアミド0.02gを用い、これに蒸留水20g、過硫酸アンモニウム0.1gを添加し、攪拌混合して水溶液を調製した。
ソルビトール系界面活性剤(ソルゲン50:第一工業製薬(株)製)1.0gをシクロヘキサン200mlに溶解した溶液を窒素置換された反応容器に加え、これに、先に調製した水溶液を添加し、回転式攪拌羽根を用いて10000回転で10分間、高速攪拌して乳化させた。
乳化後、反応系の温度を25℃に調節し、さらに攪拌しながら、これにテトラメチルエチレンジアミンの50%水溶液を添加し、重合を行なった。
【0055】
重合後、生成した高分子ゲル粒子を回収し、水酸化ナトリウム水溶液で中和反応を行なった後、純水で繰り返し洗浄を行ない、乾燥させた。得られた高分子ゲル粒子の乾燥時の平均粒径は約3μmであった。
この高分子ゲル粒子の純水吸水量は約300g/gであった。また、本粒子は、pH変化、塩や有機溶剤の添加によって、可逆的に膨潤・収縮することができるものであることが判った。本粒子の粒子径は、膨潤・収縮によって約6倍変化した。また、本粒子は膨潤時はほぼ透明であったが、収縮時には不均一構造を形成して、光を散乱し白濁した。
【0056】
(高分子ゲル粒子を含む組成物(マイクロカプセル)の製造)
高分子ゲル粒子を含むマイクロカプセルを、以下に示す液中硬化被膜化法によって作製した。
アルギン酸ナトリウム0.6wt%、ポリビニルアルコール10wt%、蒸留水89.4wt%からなるカプセル化水溶液100mlに、前記高分子ゲル粒子0.3gを加えて、分散溶液を調整した。硬化液として20wt%塩化カルシウム水溶液を500mlを調整し、この水溶液中に前記高分子ゲル粒子を含む分散液をノズルから滴下した。溶液を滴下すると液滴表面に硬化膜が形成され、マイクロカプセルが得られた。このマイクロカプセルを蒸留水でよく洗浄した。
得られたマイクロカプセルの平均粒径は約30μmであった。また、このマイクロカプセルを顕微鏡観察によって観察したところ、内部に高分子ゲル粒子が存在することが確認できた。
【0057】
(機能評価)
このようにして得られたマイクロカプセルを、等量の蒸留水に分散した分散液を調整し、溶液のpH変化による光学的な変化を観察した。溶液の初期pHは約7.0であり、この状態では高分子ゲルは飽和膨潤していると考えられ、ほぼ透明であった。ここに塩酸を少量添加し、pHを約3.0に変化させると、溶液は瞬時に白濁した。これを観察すると、pH変化によって、マイクロカプセルの大きさ自体は変化しないが、マイクロカプセル内部の高分子ゲルが収縮し、不均一構造を形成して光を強く散乱さることが判った。さらに、溶液に水酸化ナトリウムを加えて、再びpH7.0に変化させると、瞬時に初期の透明な溶液に戻り、可逆性があることも分かった。また、このような光学的変化は、塩化ナトリウムを溶液に添加しても起こった。また、刺激に対する応答速度も高速であった。
これらの結果から、本マイクロカプセルは、pH変化や塩濃度変化によって光散乱性を可逆的に、しかも高速に変化させる材料として利用できることが判明した。
【0058】
(実施例3)
(高分子ゲルの着色粒子の製造)
色材を含有する高分子ゲルの着色粒子を、以下に示すように逆相懸濁重合により製造した。
主モノマーとして、N−イソプロピルアクリルアミド10g、架橋剤としてメチレンビスアクリルアミド0.05gを用い、これに蒸留水20g、過硫酸アンモニウム0.1g、色材として1次粒径が約0.1μmのフタロシアニン系青色顔料6.0gを添加し、攪拌混合して水溶液を調製した。
ソルビトール系界面活性剤(ソルゲン50:第一工業製薬(株)製)1.0gをシクロヘキサン200mlに溶解した溶液を窒素置換された反応容器に加え、これに、先に調製した水溶液を添加し、回転式攪拌羽根を用いて実施例1と同様に高速攪拌して乳化させた。
乳化後、反応系の温度を20℃に調節し、さらに攪拌しながら、これにテトラメチルエチレンジアミンの50%水溶液を添加し、重合を行なった。
重合後、生成した着色高分子ゲル粒子を回収し、純水で洗浄を行なった。
【0059】
得られた高分子ゲルの着色粒子の乾燥時の平均粒径は約5μmであった。また、この着色粒子の20℃における純水吸水量は、約50g/gであった。本粒子は加熱によって収縮する性質をもち、約32℃に相転移点を有していた。すなわち、本粒子は、相転移点よりも高温では収縮し、低温では膨潤する。この変化は可逆的であり、膨潤・収縮によってゲル粒子の径は約3倍変化した。
【0060】
(高分子ゲル粒子を含む組成物(マイクロカプセル)の製造)
次に、得られた上記ゲル粒子を含むマイクロカプセルを界面重合法によって作製した。また、加熱冷却によってカプセル内の高分子ゲル粒子の大きさは可逆的に変化することも確認できた。
乾燥したゲル粒子1.0gを、0.4Mの1,6−ヘキサンジアミンと0.45Mの炭酸ナトリウムとを溶解した水溶液30mlおよび蒸留水30mlの混合液に入れ、溶液を飽和膨潤させた。この分散水溶液を、界面活性剤として、Span85を5%含有するクロロホルム−シクロヘキサン混合溶液(1/4v/v)150mlに加え、よく攪拌して乳化分散させた。この乳化液に、テレフタロイルジクロライド1.2gを前記と同じ混合溶液150mlに溶解したものを、攪拌しながら添加した。界面重合によってポリアミド膜が形成され、マイクロカプセルが得られた。このマイクロカプセルを蒸留水でよく洗浄し、乾燥させた。得られたマイクロカプセルの平均粒径は約20μmであった。
顕微鏡観察により、得られたマイクロカプセルの内部には青色に着色した高分子ゲル粒子が存在することが確認できた。また、加熱冷却によってカプセル内の高分子ゲル粒子の大きさは可逆的に変化することも確認できた。
【0061】
(実施例4)
(高分子ゲル組成物(マイクロカプセルをマトリックス中に含む組成物)の製造)
実施例3において得られたマイクロカプセル5gを、ポリビニルアルコール(PVA)の10%水溶液20mlによく分散し、これをブレードコーターを用いて透明ポリエステルフイルム上に塗布、乾燥させて厚み約50μmの固体状の塗布膜を形成した高分子ゲル組成物を作製した。
【0062】
(機能評価)
この高分子ゲル組成物は、20℃においては青色を呈していたが、50℃に加熱すると色がほぼ消えることが確認できた。また、再び、20℃まで冷却すると初期の青色に変化し、可逆的であることが分かった。
したがって、本組成物は、非常に簡単な構成であるにもかかわらず、温度センサーや調光素子、あるいは表示・記録素子等に利用できることが判った。このような、色濃度の変化はマイクロカプセル内部の着色高分子ゲル粒子が熱による体積変化することによって引き起こされるものと考えられる。
また、高分子ゲル粒子をマイクロカプセル化することにより、従来の高分子ゲルでは困難であったPVA膜などの固体樹脂中において、高分子ゲルの刺激応答体積変化が可能なことも確認することができた。
【0063】
(比較例1)
実施例2で製造した高分子ゲル粒子0.3gを蒸留水180mlに添加し、膨潤させて、本ゲル粒子が分散した溶液を調整した。
溶液の初期pHは約7.0であり、この状態では高分子ゲルは飽和膨潤していると考えられ、ほぼ透明であった。これに、塩酸を少量添加し、pHを約3.0に変化させると、溶液は徐々に白濁したが、その変化には数分を要し、実施例2のものと比べて非常に遅かった。さらに、反応が進むにつれて、高分子ゲルの収縮体は粗大な凝集体を形成してしまった。次に、溶液に水酸化ナトリウムを加えて、再びpH7.0に変化させて高分子ゲルを膨潤させたが、この凝集体の膨潤変化は著しく遅く、数時間を要した。したがって、実施例2に比べて応答速度が著しく遅いことが明らかとなった。
【0064】
(比較例2)
実施例3において製造した熱応答性着色高分子ゲル粒子をマイクロカプセル化せずに使用し、その粒子を、20℃において蒸留水で飽和膨潤させたもの5gを水溶性高分子であるポリビニルアルコール(PVA)の10%水溶液20mlによく分散し、これをブレードコーターを用いて白色ポリエステルフイルム上に塗布、乾燥させて厚み約50μmの固体状の塗布膜を形成した試料を作製した。
【0065】
この試料を実施例3と同様に温度を変えて評価したが、色変化は全く起こらなかった。また、試料のマトリックスの内部を顕微鏡で観察したところ、高分子ゲルの粒子は分散していたが、その大きさから、高分子ゲルの膨潤体から液体(水)が除去された非膨潤の粒子となっていることが分かった。このことから、水溶性高分子をマトリックス材料として使用したために、マイクロカプセル化しなかった高分子ゲル粒子中の水が、乾燥過程で移動、除去され、高分子ゲルの膨潤・収縮が行なわれなかったものと判断することができる。
【0066】
これらの結果から、実施例1のように、マトリックス材料として疎水性高分子を含む疎水性溶液を用いた場合は、高分子ゲル膨潤粒子は相分離状に隔離することが可能であるが、マトリックス材料として親水性高分子を用いる場合は、実施例3のようなカプセル化手段を用いることが必要であることが判った。
【0067】
【発明の効果】
本発明により、刺激応答性高分子ゲルとそれに吸収・放出される液体とを隔離部材によって相分離マトリックス状またはマイクロカプセル状に保持せしめることにより、高分子ゲルの凝集が起こらず、応答速度や繰り返し安定性が低下することのない高分子ゲル組成物を得ることができる。本発明の高分子ゲル組成物は、そのままで、または基板上もしくは基板間に設けることにより、光学素子として利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高分子ゲル組成物を示す図であり、(a)は、高分子ゲル粒子と液体を含む領域がマトリックス内に分散したもの、(b)は、該領域がマイクロカプセル膜内に存在するもの、(c)は、(b)において高分子ゲル粒子が着色されたもの、(d)は、(b)において高分子ゲル粒子と液体が着色されたもの、(e)は、(b)のマイクロカプセルがマトリックス内に分散したものを示す。
【図2】本発明の高分子ゲル組成物において、実施例の着色高分子ゲル粒子の膨潤時(a)と、収縮時(b)を示す図である。
【図3】本発明の光学素子を示す図であり、(a)は、基板上に本発明の高分子ゲル組成物が設けられたもの、(b)は、基板間に本発明の高分子ゲル組成物が設けられたものを示す。
【符号の説明】
1 高分子ゲル粒子と液体の混合物
2 マトリックス
3 液体
3’ 着色液体
4 高分子ゲル粒子
4’ 着色高分子ゲル粒子
5 マイクロカプセル膜
6 高分子ゲルと液体の混合物を含むマイクロカプセル
7 高分子ゲル組成物
8 基板
Claims (23)
- 刺激の付与により液体を吸収・放出して体積変化することで入射光の透過性または吸収効率を変化させる架橋された高分子ゲルと液体を含む領域と、前記領域を覆う隔離部材とを有することを特徴とする光学素子用高分子ゲル組成物。
- 前記隔離部材が、マトリックスであることを特徴とする請求項1記載の光学素子用高分子ゲル組成物。
- 前記マトリックスが、前記領域を複数含むことを特徴とする請求項2記載の光学素子用高分子ゲル組成物。
- 前記隔離部材が、マイクロカプセル膜であることを特徴とする請求1記載の光学素子用高分子ゲル組成物。
- 前記光学素子用高分子ゲル組成物が、マイクロカプセルを構成することを特徴とする請求項4記載の光学素子用高分子ゲル組成物。
- 前記マイクロカプセル膜が高分子からなることを特徴とする請求項4記載の光学素子用高分子ゲル組成物。
- 前記マイクロカプセルがマトリックス中に分散されていることを特徴とする請求項5記載の光学素子用高分子ゲル組成物。
- 前記隔離部材が、光透過性であることを特徴とする請求項1記載の光学素子用高分子ゲル組成物。
- 前記架橋された高分子ゲルが、乾燥状態で平均粒径0.01μm〜5mmを有する粒子であることを特徴とする請求項1記載の光学素子用高分子ゲル組成物。
- 前記刺激の付与が、pH変化、イオン濃度変化、化学物質の吸脱着、溶媒の添加または光、熱、電流もしくは電界の付与であることを特徴とする請求項1記載の光学素子用高分子ゲル組成物。
- 刺激の付与により液体を吸収・放出して体積変化することで入射光の透過性または吸収効率を変化させる架橋された高分子ゲルと液体を含む領域と前記領域を覆う隔離部材とを有する高分子ゲル組成物からなる光学素子。
- 刺激の付与により液体を吸収・放出して体積変化することで入射光の透過性または吸収効率を変化させる架橋された高分子ゲルと液体を含む領域と前記領域を覆う隔離部材とを有する高分子ゲル組成物を、基材上または基材間に設けてなる光学素子。
- 前記高分子ゲル組成物が、マイクロカプセルを構成することを特徴とする請求項11または12記載の光学素子。
- 前記隔離部材が、マトリックスであることを特徴とする請求項11または12記載の光学素子。
- 前記隔離部材が光透過性であることを特徴とする請求項11または12記載の光学素子。
- 前記マイクロカプセルがマトリックス中に分散されていることを特徴とする請求項13記載の光学素子。
- 前記架橋された高分子ゲルが、乾燥状態において平均粒径0.01μm〜5mmを有する粒子であることを特徴とする請求項11または12記載の光学素子。
- 前記刺激の付与が、pH変化、イオン濃度変化、化学物質の吸脱着、溶媒の添加または光、熱、電流もしくは電界の付与であることを特徴とする請求項11または12記載の光学素子。
- 前記刺激の付与により液体を吸収・放出して体積変化することで入射光の透過性または吸収効率を変化させる架橋された高分子ゲルと前記液体との膨潤混合物を、それを溶解しないマトリックス材料の液体溶液中に分散させた後、前記マトリックス材料を固化することを特徴とする請求項1または2記載の光学素子用高分子ゲル組成物の製造方法。
- 前記刺激の付与により液体を吸収・放出して体積変化することで入射光の透過性または吸収効率を変化させる架橋された高分子ゲルと前記液体との膨潤混合物をマイクロカプセル膜中に含むマイクロカプセルを、それを溶解しないマトリックス材料の液体溶液中に分散させた後、前記マトリックス材料を固化することを特徴とする請求項1または7記載の光学素子用高分子ゲル組成物の製造方法。
- 前記刺激の付与により液体を吸収・放出して体積変化することで入射光の透過性または吸収効率を変化させる架橋された高分子ゲルが、色材を含み刺激の付与により液体を吸収・放出して体積変化することで入射光の透過性または吸収効率を変化させる架橋された高分子ゲルであることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の光学素子用高分子ゲル組成物。
- 前記刺激の付与により液体を吸収・放出して体積変化することで入射光の透過性または吸収効率を変化させる架橋された高分子ゲルが、色材を含み刺激の付与により液体を吸収・放出して体積変化することで入射光の透過性または吸収効率を変化させる架橋された高分子ゲルであることを特徴とする請求項11〜18のいずれかに記載の光学素子。
- 請求項21記載の高分子ゲル組成物の製造方法であって、前記高分子ゲルと液体との膨潤混合物をマイクロカプセル膜中に含むマイクロカプセルを、それを溶解しないマトリックス材料の液体溶液中に分散させた後、前記マトリックス材料を固化することを特徴とする高分子ゲル組成物の製造方法。
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