JP2002265805A - 高分子ゲル組成物、およびその製造方法、樹脂組成物、並びに光学素子 - Google Patents

高分子ゲル組成物、およびその製造方法、樹脂組成物、並びに光学素子

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JP2002265805A
JP2002265805A JP2001061847A JP2001061847A JP2002265805A JP 2002265805 A JP2002265805 A JP 2002265805A JP 2001061847 A JP2001061847 A JP 2001061847A JP 2001061847 A JP2001061847 A JP 2001061847A JP 2002265805 A JP2002265805 A JP 2002265805A
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polymer gel
gel composition
liquid
swelling
swelling liquid
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JP2001061847A
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English (en)
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Rie Ishii
理恵 石井
Akimasa Komura
晃雅 小村
Shoichiro Fujiwara
将一郎 藤原
Masahiro Moriyama
正洋 森山
Hiroaki Tsutsui
浩明 筒井
Kazushirou Akashi
量磁郎 明石
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Fujifilm Business Innovation Corp
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Fuji Xerox Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高分子ゲルと膨潤液体とからなる高分子ゲ
ル組成物において、環境状態により、体積変化の繰り返
し特性が劣化しない高分子ゲル組成物、それを用いた樹
脂組成物、光学素子を提供する。 高分子ゲルの刺激による体積変化率及び/又は相転移
温度を制御することを特徴とする高分子ゲル組成物の製
造方法を提供する。 【解決手段】 所定の高分子ゲルと、膨潤液体と、を
含み、高分子ゲルの最大膨潤時における吸液量が高分子
ゲル1g当たり80g以下であること、又は、膨潤液体
の凝固点が−10℃以下であること、を特徴とする高分
子ゲル組成物、それを用いた樹脂組成物、光学素子。 所定の高分子ゲルと、膨潤液体と、を混合する高分子
ゲル組成物の製造方法において、膨潤液体に、酸性化合
物、及び/又は、水溶性の有機化合物を添加量する工程
があり、当該添加量を調整することを特徴とする高分子
ゲル組成物の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、温度変化により可
逆的に液体を吸収・放出して体積変化を生ずる高分子ゲ
ルを含む高分子ゲル組成物、高分子ゲル組成物の製造方
法、および樹脂組成物、並びに、これらを用いた光学素
子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、pH、イオン濃度強度、化学
物質の吸脱着、溶媒の添加または熱、光、電流もしくは
電界の付与等によって体積変化(膨潤、収縮)を起こす
高分子ゲル材料(以下、刺激応答性高分子ゲルという)
が知られており、その機能材料としての応用が期待され
ている。これらの材料は、例えば、「機能性高分子ゲ
ル」(シーエムシー)出版に総説として記載されてい
る。この刺激応答性高分子ゲルの用途としては、ドラッ
グデリバリーシステムなどの薬の担持体、医療材料、イ
ンクの添加剤、機能膜、人工筋肉、表示素子、記録素
子、アクチュエータ、ポンプなどが検討されている。一
般に、水や電解質等の液体中に存在する刺激応答性高分
子ゲルに刺激を付与することにより、該高分子ゲルは相
転移等を起こし、ゲル内部への液体の吸収あるいは排出
によって、体積、大きさ、形状を変化させることができ
る。
【0003】本発明者等は、これまでに、刺激応答性高
分子ゲルと膨潤液体からなる高分子ゲル組成物をその製
造方法と共に提案し、更に該高分子ゲル組成物を表示素
子、記録素子、調光素子やセンサーなどの光学素子とし
て用いる提案を行ってきた(特開平11−236559
号公報、特開平11−228850号公報)。また、少
なくとも水素結合性基を有する高分子ゲルを含み、温度
変化により水素結合性の変化や溶媒和の変化が起こり、
高温で膨潤状態、低温で収縮状態をとる高分子ゲルをと
りあげ、気温に応じて調光作用を示すガラスやフィルム
などの調光素子や熱応答性表示素子の材料として提案を
行っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】これら少なくとも水素
結合性基を有する高分子からなる高分子ゲルと膨潤液体
からなる高分子ゲル組成物は、高温下に長時間放置、あ
るいは、低温下に放置した時、体積変化の繰り返し特性
が低下する、つまり、環境状態により劣化するという現
象が発生する場合がある。
【0005】従って、本発明は、従来技術の上記課題を
解決せんとするものであり、環境状態により、体積変化
の繰り返し特性が劣化しない、高分子ゲル組成物、並び
に、該高分子ゲル組成物を用いた樹脂組成物、光学素子
を提供することを目的とする。
【0006】一方、これら高分子ゲル組成物を光学素子
などに用いる場合には、用途に応じて、高分子ゲルの刺
激による体積変化率(膨潤時の体積/収縮時の体積)や
相転移温度を制御したいという要望がある。
【0007】従って、本発明は、高分子ゲルの刺激によ
る体積変化率(膨潤時の体積/収縮時の体積)や相転移
温度を制御することが可能な高分子ゲル組成物の製造方
法を提供することを他の目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記高分
子ゲル組成物の体積変化の繰り返し特性が低下する原因
が、下記原因であることを突き止めた。 高分子ゲル組成物を高温状態に長時間放置した時に
は、高分子ゲルが最大膨潤状態の吸液量以上に過大に吸
液し、冷却による高分子ゲルの収縮が起こらなくなる。 高分子ゲル組成物を低温状態に放置した時には、膨
潤液体の凝固が起こり、高分子ゲルの熱変化による体積
変化が起こらなくなる。
【0009】上記及びの問題点は、それぞれ、ある
いは、双方とも、以下の本発明により達成できる。さら
に、上記及びの問題点を達成する過程において、高
分子ゲルの刺激による体積変化率(膨潤時の体積/収縮
時の体積)や相転移温度を制御することも達成できるこ
とが判明した。すなわち本発明は、 <1> 温度変化に応じて液体を吸収または放出するこ
とにより可逆的な体積変化が生じる特性を有し、かつ、
少なくとも1つの水素結合性基を有する高分子ゲルと、
膨潤液体と、を含む高分子ゲル組成物であって、前記高
分子ゲルの最大膨潤時における吸液量が、高分子ゲル1
g当たり膨潤液体80g以下であることを特徴とする高
分子ゲル組成物である。 <2> 前記膨潤液体のpHが、5以下であることを特
徴とする<1>に記載の高分子ゲル組成物である。
【0010】<3> 前記膨潤液体が、少なくとも一種
の酸性化合物を含有する液体であることを特徴とする<
1>または<2>に記載の高分子ゲル組成物である。 <4> 前記膨潤液体が、少なくとも一種の酸性高分子
を含有する液体であることを特徴とする<1>または<
2>に記載の高分子ゲル組成物である。
【0011】<5> 前記膨潤液体が、繰り返し単位中
にカルボキシル基を有する高分子を含有する液体である
ことを特徴とする<1>または<2>に記載の高分子ゲ
ル組成物である。 <6> 前記膨潤液体が、ポリアクリル酸、および/ま
たは、ポリメタクリル酸を含有する液体であることを特
徴とする<1>または<2>に記載の高分子ゲル組成物
である。
【0012】<7> 前記膨潤液体の凝固点が、−10
℃以下であることを特徴とする<1>〜<6>の何れか
に記載の高分子ゲル組成物である。
【0013】<8> 温度変化に応じて液体を吸収また
は放出することにより可逆的な体積変化が生じる特性を
有し、かつ、少なくとも1つの水素結合性基を有する高
分子ゲルと、膨潤液体と、からなる高分子ゲル組成物に
おいて、膨潤液体の凝固点が、−10℃以下であること
を特徴とする高分子ゲル組成物である。
【0014】<9> 前記膨潤液体が、水溶性の有機化
合物を含有することを特徴とする<7>または<8>に
記載の高分子ゲル組成物である。 <10> 前記膨潤液体が、アルコール溶液であること
を特徴とする<7>または<8>に記載の高分子ゲル組
成物である。
【0015】<11> 前記高分子ゲルの内部に調光用
材料が含まれていることを特徴とする<1>〜<10>
の何れかに記載の高分子ゲル組成物である。 <12> 前記高分子ゲルの少なくとも一部が、少なく
とも互いに水素結合する高分子の相互侵入網目構造体で
あることを特徴とする<1>〜<11>の何れかに記載
の高分子ゲル組成物である。
【0016】<13> <1>〜<12>の何れかに記
載の高分子ゲル組成物と、樹脂とからなることを特徴と
する樹脂組成物である。 <14> <1>〜<12>の何れかに記載の高分子ゲ
ル組成物を含有することを特徴とする光学素子である。
【0017】<15> <1>〜<12>の何れかに記
載の高分子ゲル組成物が、一対の基板間に挟持されてい
ることを特徴とする<14>に記載の光学素子である。 <16> <13>に記載の樹脂組成物をフィルム状に
成形してなることを特徴とする<14>に記載の光学素
子である。
【0018】<17> 温度変化に応じて液体を吸収ま
たは放出することにより可逆的な体積変化が生じる特性
を有し、かつ、少なくとも1つの水素結合性基を有する
高分子ゲルと、膨潤液体と、を混合することにより高分
子ゲル組成物を製造する高分子ゲル組成物の製造方法で
あって、前記膨潤液体に、少なくとも一種の酸性化合
物、および/または、少なくとも一種の水溶性の有機化
合物を添加する工程を含み、かつ、前記酸性化合物、お
よび/または、前記水溶性の有機化合物の添加量を調整
することで、製造される高分子ゲル組成物中の高分子ゲ
ルの相転移温度および/または体積変化率を制御するこ
とを特徴とする高分子ゲル組成物の製造方法。
【0019】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を詳細に説明す
る。 [高分子ゲル組成物]本発明の高分子ゲル組成物は、少
なくとも1つの水素結合性基を有する高分子ゲルと、膨
潤液体と、が含まれてなる。
【0020】先ず、本発明に用いる[高分子ゲル]につ
いて説明する。本発明で使用可能な高分子ゲルは、少な
くとも1つの水素結合性基を有し、温度変化により水素
結合性の変化による相転移特性を有するものであり、温
度変化に応じて高分子ゲルの膨潤体としての体積が可逆
的に変化する。実際の体積相転移挙動は、高温時に膨潤
液体を吸収して膨潤状態となり、低温時に膨潤液体を脱
離して収縮状態となるものである。
【0021】このような高分子ゲルを例示すれば、少な
くとも一部が水素結合性基を有する高分子の相互侵入網
目構造体(IPN)や、少なくとも水素結合性基を有す
る高分子のブロック共重合体ゲルなどが挙げられ、その
中でも相互侵入網目構造体が、好ましい。
【0022】水素結合性基を有する高分子としては、繰
り返し単位中に、スルホン酸基、リン酸基、カルボキシ
ル基、アミノ基、ヒドロキシル基、アミド基、エステル
基、エチレンオキシド等を含むものである。例示すれ
ば、スルホン酸基、リン酸基、カルボキシル基などを含
むポリビニルスルホン酸、ポリリン酸、ポリアクリル
酸、ポリメタクリル酸、ポリ−L−グルタミン酸、ポリ
マレイン酸、ポリフマル酸等の酸性高分子、アミノ基を
有するポリビニルアミンやポリエチレンイミン、ポリ−
L−リシン、ポリ(N−アルキル−4−ビニルピリジニ
ウムクロライド)、ポリビニルベンジルトリメチルアン
モニウムクロライド)、その他ポリビニルアルコール、
ポリ(メタ)アクリルアミドおよびその誘導体、ポリビ
ニルピロリドン、ポリエチレンオキシドや、これらを含
む共重合体などが挙げられるが、これらに限定されるも
のではない。なお、本明細書において、”(メタ)アク
リル”なる記述は、”アクリル”および”メタクリル”
のいずれをも含むことを意味するものである。
【0023】少なくとも水素結合性基を有する高分子ゲ
ルの相互侵入網目構造体ゲルの具体例としては、ポリ
(メタ)アクリルアミドあるいはその誘導体の架橋体と
ポリ(メタ)アクリル酸の架橋体からなる相互侵入網目
構造体およびその部分中和物(アクリル酸単位を部分的
に塩としたもの。以下同様。)、ポリ(メタ)アクリル
アミドあるいはその誘導体を含む共重合体の架橋体とポ
リ(メタ)アクリル酸の架橋体からなる相互侵入網目構
造体およびその部分中和物、ポリ(メタ)アクリルアミ
ドあるいはその誘導体の架橋体とポリマレイン酸などの
架橋体からなる相互侵入網目構造体およびその部分中和
物、ポリ(メタ)アクリルアミドあるいはその誘導体を
含む共重合体の架橋体とポリマレイン酸の架橋体からな
る相互侵入網目構造体およびその部分中和物、ポリ(メ
タ)アクリルアミドあるいはその誘導体の架橋体とポリ
フマル酸の架橋体からなる相互侵入網目構造体およびそ
の部分中和物(アクリル酸単位を部分的に塩としたも
の)、ポリ(メタ)アクリルアミドあるいはその誘導体
を含む共重合体の架橋体とポリフマル酸の架橋体からな
る相互侵入網目構造体およびその部分中和物(アクリル
酸単位を部分的に塩としたもの)、などが挙げられる
が、これらに限定されるものではない。
【0024】少なくとも水素結合性基を有する高分子ゲ
ルのブロック共重合体ゲルの具体例としては、少なくと
もポリ(メタ)アクリルアミドあるいはその誘導体とポ
リ(メタ)アクリル酸を含む共重合体からなる架橋体、
ポリ(メタ)アクリルアミドあるいはその誘導体とポリ
マレイン酸を含む共重合体からなる架橋体、ポリ(メ
タ)アクリルアミドあるいはその誘導体とポリフマル酸
を含む共重合体からなる架橋体等が挙げられるが、これ
らに限定されるものではない。
【0025】さらに、温度変化に応じて複数の相転移点
を示すゲルも好ましく使用できる。このようなゲルとし
ては例えば、ポリ[N−イソプロピルアクリルアミド]
などのポリ[N−アルキル置換(メタ)アクリルアミ
ド]の架橋体とポリ(メタ)アクリル酸の架橋体との相
互侵入網目構造体などが挙げられる。これらのゲルは、
温度上昇にともない膨潤−収縮−膨潤という2つの相転
移点を示すことが知られている。
【0026】前記高分子ゲルの刺激による体積変化率は
大きいものが調光特性上好ましく、膨潤時および収縮時
の体積比が、5以上が好ましく、10以上がより好まし
く、15以上がさらに好ましい。但し、高分子ゲルの吸
液(水)量が、後述する範囲内に制御されていることが
必要である。尚、体積変化率については、後述するよう
に膨潤液体に水溶性の有機化合物や酸性化合物を添加す
ることで制御が可能である。一方、体積変化を示す温度
(相転移温度)の好ましい範囲は、−30℃〜300℃
の範囲から選択され、特に好ましくは−10℃から20
0℃の範囲である。該相転移温度の制御は、高分子ゲル
の構造、組成により種々の設計も可能であるが、後述す
るように膨潤液体に水溶性の有機化合物や酸性化合物を
添加することで制御が可能である。
【0027】高分子ゲルはそれ自身でも体積変化にとも
ない光散乱性が変化するという調光能を示すが、より大
きな調光特性や色変化を発現するために調光用材料を高
分子ゲルに添加することが好ましい。
【0028】使用可能な調光用材料としては、染料、顔
料や光散乱材などが挙げられる。また調光用材料は高分
子ゲルに物理的あるいは化学的に固定化されることが好
ましい。使用可能な染料としては、例えば、黒色のニグ
ロシン系染料や赤、緑、青、シアン、マゼンタ、イエロ
ーなどのカラー染料であるアゾ染料、アントラキノン系
染料、インジゴ系染料、フタロシアニン系染料、カルボ
ニウム染料、キノンイミン染料、メチン染料、キノリン
染料、ニトロ染料、ベンゾキノン染料、ナフトキノン染
料、ナフタルイミド染料、ペリノン染料などが挙げら
れ、特に光吸収係数が高いものが望ましい。
【0029】染料の好適な具体例としては、例えば、
C.I.ダイレクトイエロー1、8、11、12、2
4、26、27、28、33、39、44、50、5
8、85、86、87、88、89、98、157;
C.I.アシッドイエロー1、3、7、11、17、1
9、23、25、29、38、44、79、127、1
44、245;C.I.ベイシックイエロー1、2、1
1、34;C.I.フードイエロー4;C.I.リアク
ティブイエロー37;C.I.ソルベントイエロー6、
9、17、31、35、100、102、103、10
5;C.I.ダイレクトレッド1、2、4、9、11、
13、17、20、23、24、28、31、33、3
7、39、44、46、62、63、75、79、8
0、81、83、84、89、95、99、113、1
97、201、218、220、224、225、22
6、227、228、229、230、231;C.
I.アシッドレッド1、6、8、9、13、14、1
8、26、27、35、37、42、52、82、8
5、87、89、92、97、106、111、11
4、115、118、134、158、186、24
9、254、289;C.I.ベイシックレッド1、
2、9、12、14、17、18、37;C.I.フー
ドレッド14、C.I.リアクティブレッド23、18
0;C.I.ソルベントレッド5、16、17、18、
19、22、23、143、145、146、149、
150、151、157、158;C.I.ダイレクト
ブルー1、2、6、15、22、25、41、71、7
6、78、86、87、90、98、163、165、
199、202;C.I.アシッドブルー1、7、9、
22、23、25、29、40、41、43、45、7
8、80、82、92、93、127、249;C.
I.ベイシックブルー1、3、5、7、9、22、2
4、25、26、28、29;C.I.フードブルー
2;C.I.ソルベントブルー22、63、78、83
〜86、191、194、195、104;C.I.ダ
イレクトブラック2、7、19、22、24、32、3
8、51、56、63、71、74、75、77、10
8、154、168、171;C.I.アシッドブラッ
ク1、2、7、24、26、29、31、44、48、
50、52、94;C.I.ベイシックブラック2、
8;C.I.フードブラック1、2;C.I.リアクテ
ィブブラック31;C.I.フードバイオレット2;
C.I.ソルベントバイオレット31、33、37;
C.I.ソルベントグリーン24、25;C.I.ソル
ベントブラウン3、9等が挙げられる。これらの染料
は、単独で使用してもよく、所望とする色を得るために
混合して使用してもよい。
【0030】また、染料を高分子ゲルに固定化するため
に、不飽和二重結合基などの重合可能な基を有した構造
の染料や高分子ゲルと反応可能ないわゆる反応性染料な
どが好ましく使用される。高分子ゲル中に含有させる染
料の好ましい濃度は、3質量%から50質量%の範囲で
あり、特に好ましくは5質量%から30質量%の範囲で
ある。かかる染料濃度は少なくとも高分子ゲルの乾燥あ
るいは収縮状態において飽和吸収濃度以上であることが
望ましい。ここで、飽和吸収濃度以上とは、特定の光路
長のもとにおける染料濃度と光学濃度(あるいは光吸収
量)の関係が一次直線の関係から大きく乖離するような
高い染料濃度の領域を示す。
【0031】一方、顔料および光散乱材の好適な具体例
としては、黒色顔料であるブロンズ粉、チタンブラッ
ク、各種カーボンブラック(チャネルブラック、ファー
ネスブラック等)、白色顔料である酸化チタン、シリカ
などの金属酸化物、炭酸カルシウムや金属紛などの光散
乱材やカラー顔料である例えば、フタロシアニン系のシ
アン顔料、ベンジジン系のイエロー顔料、ローダミン系
のマゼンタ顔料、あるいはこの他にもアントラキノン
系、アゾ系、アゾ金属錯体、フタロシアニン系、キナク
リドン系、ペリレン系、インジゴ系、イソインドリノン
系、キナクリドン系、アリルアミド系などの各種顔料や
光散乱材を挙げることができる。
【0032】例えば、イエロー系顔料としては、縮合ア
ゾ化合物、イソインドリノン化合物、アンスラキノン化
合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、アリルアミド化合
物に代表される化合物が用いられる。より詳細には、
C.I.ピグメントイエロー12、13、14、15、
17、62、74、83、93、94、95、109、
110、111、128、129、147、168等が
好適に用いられる。
【0033】またマゼンタ系顔料としては、縮合アゾ化
合物、ジケトピロロピロール化合物、アンスラキノン化
合物、キナクリドン化合物、レーキ顔料、ナフトール化
合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合
物、ペリレン化合物が用いられる。より詳細には、C.
I.ピグメントレッド2、3、5、6、7、23、4
8:2、48:3、48:4、57:1、81:1、1
44、146、166、169、177、184、18
5、202、206、220、221、254が特に好
ましい。
【0034】シアン系顔料としては、銅フタロシアニン
化合物及びその誘導体、アンスラキノン化合物、塩基染
料レーキ化合物等が利用できる。具体的には、例えば顔
料としては、C.I.ピグメントブルー1、7、15、
15:1、15:2、15:3、15:4、60、6
2、66等が特に好適に用いられる。
【0035】また、使用する顔料や光散乱材の粒径は、
1次粒子の平均粒径で0.001μm〜1μmのものが
好ましく、特に0.01μm〜0.5μmのものが好ま
しい。これは粒径が0.001μm未満では高分子ゲル
からの流出が起こりやすく、また、1μmを超えると発
色特性が悪くなる恐れがあるためである。
【0036】また、前記したように顔料や光散乱材は高
分子ゲル中に含有され、高分子ゲルから流出しないこと
が必要である。そのためには高分子ゲルの架橋密度を最
適化して顔料や光散乱材を高分子網目中に物理的に閉じ
込めること、高分子ゲルとの電気的、イオン的、その他
物理的な相互作用が高い顔料や光散乱材を用いること、
表面を化学修飾した顔料や光散乱材を用いることなどが
好ましい。例えば、表面を化学修飾した顔料や光散乱材
としては、表面にビニル基などの不飽和基や不対電子
(ラジカル)などの高分子ゲルと化学結合する基を導入
したものや、高分子材料をグラフト結合したものなどが
挙げられる。
【0037】前記高分子ゲル中に含有される顔料や光散
乱材の量は、染料と同様に少なくとも液体を含まない状
態の高分子ゲル中において飽和吸収濃度以上(あるいは
飽和光散乱濃度以上)の濃度が好ましい。飽和吸収濃度
以上(あるいは飽和光散乱濃度以上)にするためには、
顔料や光散乱材の光吸収係数や光散乱係数にも依存する
が、一般的には3質量%〜95質量%の範囲が好まし
く、5質量%〜80質量%の範囲がより好ましい。顔料
あるいは光散乱材の濃度が3質量%未満であると、飽和
吸収濃度以上(あるいは飽和光散乱濃度以上)とはなら
ず高分子ゲルの体積変化にともなう調光特性が得られな
い。一方、濃度が95質量%を超えると、高分子ゲルの
応答速度や体積変化率が低下してしまう恐れがある。
【0038】このような調光用材料を含む高分子ゲル
は、架橋前の高分子に調光用材料を均一に分散、混合し
た後に架橋する方法や重合時に高分子前駆体モノマ組成
物に調光用材料を添加して重合する方法によって製造す
ることができる。重合時において顔料や光散乱材を添加
する場合には前記したように重合性基や不対電子(ラジ
カル)をもつ顔料や光散乱材を使用し、高分子ゲルに化
学結合することも好ましく実施される。
【0039】調光用材料は高分子ゲル中に極力均一に分
散されていることが好ましい。特に、高分子への分散に
際して、機械的混練法、攪拌法あるいは分散剤などを利
用して均一に分散させることが望ましい。
【0040】本発明で使用可能な高分子ゲルの形状は、
特に限定されるものではないが、応答速度や加工性の容
易性からは粒子状であることが好ましい。具体的形状と
しては、球体、立方体、楕円体、多面体、多孔質体、繊
維状、星状、針状、中空状などのものが適用できる。粒
子の好ましい大きさは、膨潤液体を含まない状態におい
て体積平均粒径で0.1μm〜1mmの範囲、より好ま
しくは1μm〜500μmの範囲である。粒径が0.1
μm未満であると粒子のハンドリングが困難になる、優
れた光学特性が得られないなどの問題を生じる場合があ
る。一方、粒径が1mmよりも大きくなると、体積変化
に要する応答速度が大幅に遅くなってしまうなどの問題
を生じる場合がある。
【0041】粒子状の高分子ゲルは、高分子ゲルを物理
的粉砕法によって粉砕する方法や架橋前の高分子を物理
的粉砕法や化学的粉砕法によって粒子化した後に架橋し
てゲルとする方法、あるいは乳化重合法、懸濁重合法、
分散重合法などの粒子化重合法などの一般的な方法によ
って製造することができる。
【0042】なお、高分子を架橋させるためには、種々
の架橋剤(多官能性化合物)を重合時あるいは重合後に
添加し反応させる、あるいは高分子に電子線、γ線など
の放射線を照射する、加熱する、さらには過酸化物を添
加するなどの一般的な方法が適用できる。
【0043】また、刺激応答による体積変化特性をより
高速にするために、従来技術と同様に高分子ゲルを多孔
質化して液体の出入りを向上させることも好ましい。一
般に、膨潤した高分子ゲルを凍結乾燥する方法で多孔質
化することができる。
【0044】次に、本発明の高分子ゲル組成物で、高分
子ゲルとともに使用される膨潤液体について説明する。
本発明は、高分子ゲルの膨潤状態における過大膨潤(過
剰膨潤)に起因する体積変化の繰り返し特性劣化を防ぐ
ことが、目的であり、そのためには、高分子ゲルの最大
膨潤時の吸液(水)量が、高分子ゲル1g当たり、膨潤
液体80g以下、より好ましくは50g以下、さらに好
ましくは30g以下に制御する必要がある。ここでいう
「高分子ゲル」とは、内部に調光用材料を含む場合に
は、調光用材料を含む高分子ゲル全体を意味する。な
お、上記吸液量の定義で用いた高分子ゲル1gは、高分
子ゲル内に膨潤液体が全く含有されていない、乾燥高分
子ゲル1g(但し、内部に調光材料を含む場合には、乾
燥高分子ゲルとの合計)を指す。
【0045】本発明に用いられる高分子ゲルの最大膨潤
時の吸液量を制御する方法としては、下記方法が挙げら
れる。 高分子ゲルの網目の密度を高くする。 高分子ゲルの膨潤液体に対する親和力を低下させ
る。 膨潤液体を酸性液体にする。 の具体的方法としては、高分子ゲルの作製時に、モノ
マー濃度を上げる、架橋剤濃度を上げる等が挙げられ
る。の具体的方法としては、疎水性の高いモノマーを
共重合成分として加えて作製する等があげられる。ま
た、調光用材料を含む高分子ゲルの場合は、調光用材料
が膨潤液体に対する親和力を低下させる効果を有してお
り、調光用材料濃度を高くすることでも吸液量を小さく
することが可能である。
【0046】上記高分子ゲルの吸液量を制御する方法と
しては、の膨潤液体を酸性液体にする方法が好まし
い。以下、の方法について、詳しく説明する。
【0047】高分子ゲルの膨潤状態における体積変化の
繰り返し特性劣化を防ぐために必要な程度まで、高分子
ゲルの最大膨潤時の吸液量を制御するためには、膨潤液
体をpH5以下にすることが好ましく、pH4以下にす
ることがさらに好ましい。このようにpHを下げる手段
としては、膨潤液体に酸性化合物を添加する方法が好ま
しい。また、膨潤液体に酸性化合物を添加することによ
り、高分子ゲルの相転移温度が、膨潤液体に酸性化合物
を添加しない場合に比べ上昇する。一方、体積変化率
は、膨潤液体に酸性化合物を添加しない場合に比べ減少
する。つまり、酸性化合物の種類や、酸性化合物の添加
量によって、高分子ゲルの最大膨潤時の吸液量を制御す
ることができると共に、相転移温度や体積変化率を制御
することもできる。
【0048】上記酸性化合物は、水溶性であることが必
要で、無機酸、有機酸、酸性高分子などが挙げられる。
酸性化合物の添加量の好ましい範囲は、その種類によっ
て異なるが、一般的には、添加された酸性化合物を含め
た膨潤液体全体の質量に対する、添加された酸性化合物
の質量比が、0.001〜50質量%、より好ましく
は、0.01〜30質量%である。
【0049】上記無機酸の具体例としては、塩酸、硫
酸、リン酸、しょう酸等が挙げられ、中でも、塩酸、リ
ン酸が好ましい。上記有機酸の具体例としては、酢酸、
プロピオン酸、酪酸、吉草酸、安息香酸、フェニル酢
酸、アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、ジメチル硫
酸、ジエチル硫酸、p−トルエンスルホン酸等が挙げら
れ、中でも、酢酸が好ましい。
【0050】上記酸性高分子は、希薄溶液でpHが5以
下になることが好ましく。また、分子量の好ましい範囲
は、重量平均分子量で、好ましくは500〜10000
00、より好ましくは1000〜100000の範囲内
である。具体的には、ポリビニルスルホン酸、ポリリン
酸、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリ−L−グルタミン
酸、ポリマレイン酸、ポリフマル酸、またこれらを少な
くとも含む共重合体等の酸性高分子が挙げられ、中で
も、繰り返し単位中にカルボキシル基を含むポリ(メ
タ)アクリル酸、ポリ−L−グルタミン酸、ポリマレイ
ン酸、ポリフマル酸、ポリ(メタ)アクリル酸を含む共
重合体等が好ましく、ポリ(メタ)アクリル酸が、特に
好ましい。
【0051】上記高分子が、ポリ(メタ)アクリル酸で
ある場合の、膨潤液体に対する添加量は、酸性化合物を
含む膨潤液体の総質量に対し、0.001〜50質量%
であることが好ましく、0.01〜30質量%であるこ
とがより好ましい。
【0052】これら酸性化合物の中でも酸性高分子が好
ましい。酸性高分子であると、ゲルと相互作用を有すた
め、劣化防止が増強される。
【0053】一方、膨潤液体の凝固に起因する、高分子
ゲルの体積変化の繰り返し特性劣化を防ぐ目的で、凝固
点が−10℃以下であることが好ましい。一般的に、少
なくとも水素結合性基を有する高分子からなる架橋体の
膨潤液体として凝固点0℃の純水が用いられるので、凝
固点降下の目的で、少なくとも水溶性の有機化合物を添
加することが好ましい。
【0054】上記水溶性の有機化合物としては、酸性、
或いは、中性であることが好ましい。該水溶性の有機化
合物としては、アルコール、ケトン、エーテル、エステ
ル、アミドや、これらの官能基を繰り返し単位中に含む
高分子等が該当する。具体的には、メチルアルコール、
エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコ
ール、エチレングリコール、プロピレングリコール、エ
チレングリコールモノエチルエーテルなどのアルコール
類;アセトンやメチルエチルケトンなどのケトン類;テ
トラヒドロフラン(THF)、1,4−ジオキサン、ジ
エチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル
などのエーテル類;酢酸エチルなどのエステル類;ジメ
チルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルス
ルホキシド、アセトニトリル、尿素等が挙げられる。ま
た、ポリビニルアルコール、ポリ(メタ)アクリルアミ
ドやその誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリエチレン
オキシドやこれら高分子を含む共重合体を用いることも
好ましい。これらのうち、特にメチルアルコール、エチ
ルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコー
ル、エチレングリコール、プロピレングリコール、エチ
レングリコールモノエチルエーテルなどアルコール類、
ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミドなどが好
ましい。また、2種類以上の有機化合物を混合して用い
てもよい。
【0055】膨潤液体として純水と上記水溶性の有機化
合物とを混合して用いる場合、その混合比は任意に選択
される。所望の膨潤液体の凝固点、高分子ゲルの体積変
化率、相転移温度になるように量を調整することが好ま
しい。純水に上記水溶性の有機化合物を混合した膨潤液
体を用いることによって、高分子ゲルの相転移温度が純
水のみの膨潤液体を用いた場合に比べ降下する。一方、
高分子ゲルの体積変化率については、純水のみの膨潤液
体を用いた場合に比べ変化がない場合や上昇、減少する
場合があり、特に、酸性化合物が添加されている膨潤液
体にさらに上記水溶性の有機化合物を混合した場合、酸
性化合物を添加することにより減少した体積変化率があ
る程度回復する。つまり、上記水溶性の有機化合物の種
類や、純水と上記水溶性の有機化合物との混合比によっ
て、膨潤液体の凝固点を制御することができると共に、
高分子ゲルの相転移温度や体積変化率を制御することも
できる。膨潤液体の凝固点降下の観点から、有機化合物
の中でも、メチルアルコール、エチルアルコール、プロ
ピルアルコール、ブチルアルコール、エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、エチレングリコールモノエ
チルエーテルなどのアルコール類の添加が好ましい。さ
らに、これらアルコール類の添加量が、アルコール類を
含んだ膨潤液体全体の質量に対するアルコールの質量比
で、10質量%以上になることがより好ましい。
【0056】具体的には、膨潤液体としてエチレングリ
コール30質量%水溶液を用いると−15℃まで不凍で
あり、通常の気温条件下では、膨潤液体が凝固せず、膨
潤液体の凝固による高分子ゲルの体積変化の繰り返し特
性の劣化が起こらない。また、エチレングリコール添加
により、高分子ゲルの相転移温度が、膨潤液体が純水の
みである場合に比べおよそ20℃下がるが、体積変化率
には変化がない。
【0057】本発明の高分子ゲル組成物としては、膨潤
液体が、pH5以下で、且つ、水溶性の有機化合物を含
有していることが好ましい。該膨潤液体からなる高分子
ゲル組成物は、高分子ゲルの過大膨潤に起因する体積変
化の繰り返し特性劣化を防ぐことが可能であり、さら
に、膨潤液体の凝固に起因する体積変化の繰り返し特性
劣化を防ぐことも可能である。
【0058】また、膨潤液体に、上記酸性化合物および
上記水溶性の有機化合物を、それぞれ単独で、または両
者から複数選択し、添加あるいは混合させることによ
り、高分子ゲルの相転移温度や体積変化率を、所望の範
囲に制御することも可能である。
【0059】本発明の高分子ゲル組成物においては、高
分子ゲルと膨潤液体との好ましい混合比の範囲は重量比
で1:2000〜1:1(高分子ゲル:膨潤液体)であ
る。
【0060】膨潤液体には、必要に応じて塩、アルカ
リ、界面活性剤、分散安定剤、防腐剤、抗菌剤、或い
は、酸化防止や紫外線吸収などを目的とした安定剤等各
種添加剤を添加しても構わない。
【0061】[樹脂組成物]以上説明した本発明の高分
子ゲル組成物は、そのままで光学素子に適用することも
できるが、さらに樹脂を含む樹脂組成物とすることも好
適である。該樹脂組成物としては、本発明の高分子ゲル
組成物を樹脂中に分散したもの、あるいは、高分子膜で
カプセル化したマイクロカプセルなどが挙げられる。こ
のように樹脂組成物とすることで、その利用形態を拡大
することができる。
【0062】樹脂中に本発明の高分子ゲル組成物を分散
させた樹脂組成物を得る場合には、該高分子ゲル組成物
をこれと非相溶な樹脂あるいは樹脂前駆体に混合し、樹
脂あるいは樹脂前駆体を乾燥あるいは重合をさせて硬化
させる。このようにして調光性を有する樹脂組成物を調
製することができる。図1に、樹脂中に高分子ゲルと膨
潤液体とからなる本発明の高分子ゲル組成物を分散した
樹脂組成物の構成例を示す。図1において、2は高分子
ゲルおよび膨潤液体からなる高分子ゲル組成物であり、
4は樹脂である。
【0063】また、上記方法以外にも、例えばあらかじ
め高分子ゲルと膨潤液体とからなる高分子ゲル組成物を
マイクロカプセル化し、これをマトリックス材料として
の樹脂中に分散することも可能である。樹脂と、高分子
ゲルおよび膨潤液体からなる高分子ゲル組成物との組成
比は、重量比で1/50〜50/1[樹脂/(高分子ゲ
ル+膨潤液体)、あるいは、マトリックス材料/(高分
子ゲルおよび膨潤液体を含むカプセル)]の範囲が好ま
しい。
【0064】一方、マイクロカプセル化は、高分子材料
の不溶化を利用したいわゆるコアセルベーション法、分
散粒子の界面で重合を行いカプセル膜を形成するいわゆ
る界面重合マイクロカプセル化法、in situマイ
クロカプセル化重合法、液中乾燥法、液中硬化被覆マイ
クロカプセル化法、気体中に液滴を噴霧することでその
表面にカプセル膜を形成するスプレードライングマイク
ロカプセル化法などにより実施することができる。これ
ら技術の詳細は「近藤 保著、新版マイクロカプセルそ
の製法・性質・応用 三共出版」などの成書に記述され
ている。マイクロカプセルを構成する高分子膜(樹脂)
の厚みとしては、1nm〜20μmの範囲が好ましく、
より好ましくは1nm〜10μmの範囲である。マイク
ロカプセルの好ましい大きさは、重量平均粒径で、好ま
しくは1μm〜5mmの範囲、より好ましくは10μm
〜2mmの範囲である。
【0065】カプセル材料と、高分子ゲルおよび膨潤液
体の混合物との配合比は、重量比で1/200〜5/1
[カプセル材料/(高分子ゲル+膨潤液体)]の範囲が
好ましい。カプセル化した樹脂組成物は、その形態のま
ま、あるいは他の樹脂(マトリックス材料)中に分散す
ることで様々な用途に応用できる。
【0066】前記した樹脂組成物に好ましく使用する樹
脂(マイクロカプセル膜としての樹脂を含む)として
は、熱硬化樹脂、紫外線硬化樹脂、電子線硬化樹脂、ポ
リエステル、ポリイミド、ポリメタクリル酸メチルなど
のアクリル樹脂、ポリスチレンおよびその誘導体、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリ塩化ビニ
ル、ポリ塩化ビニリデン、ポリカーボネート、ポリエー
テルスルフォン、セルロース誘導体、フッ素系樹脂など
が挙げられる。これらの樹脂は、樹脂と種々の溶剤との
混合物やゲル状物であっても構わない。また、これらの
樹脂は、光透過性の高い材料であることが好ましい。高
分子ゲルを含む膨潤液体と前記樹脂との界面での光散乱
を少なくして透明性を高くするために、高分子ゲルを含
む膨潤液体と前記樹脂との屈折率の差を0.2以下にす
ることが好ましい。より好ましくは屈折率の差が0.1
以下であり、特に好ましくは0.01以下である。
【0067】[光学素子]本発明の高分子ゲル組成物の
応用形態である、本発明の光学素子について説明する。
本発明の光学素子は、本発明の高分子ゲル組成物を含む
ことを特徴とするものである。まず、前記樹脂組成物を
用いた例について、説明する。前記樹脂組成物は、フィ
ルム状、繊維状など様々な構造で、光学素子として利用
することができる。特にフィルム状とする場合は、フィ
ルム状の種々の基材表面、あるいは、フィルム状の一対
の基材間に、前記樹脂組成物を所望の厚みで形成するこ
とで、安定かつ耐久性に優れる調光フィルム(光学素
子)とすることができる。また、基材を用いず前記樹脂
組成物のみでフィルム状に成形して調光フィルム(光学
素子)とすることもできる。なお、本発明において、
「フィルム状」というときは、可撓性を有するいわゆる
フィルム状のほか、ある程度硬さを有するいわゆる板状
のものも含む概念とする。
【0068】図2に、フィルム状の基材に前記調光樹脂
組成物を形成した構成の調光フィルムの拡大断面図を示
す。図2において、8はフィルム状の基材であり、その
表面に、高分子ゲル組成物2と、樹脂4からなる樹脂組
成物層6が形成され、全体としてフィルム状の光学素子
である調光フィルムを成している。なお、図2におい
て、図1と同一の機能を有する部材には、同一の符号が
付されており、その詳細な説明は省略することとする。
また、図2に示す構成の他にも、既述の如く前記樹脂組
成物のみからなる構成や、フィルム状の一対の基材間に
前記樹脂組成物が挟持された構成であってもよい。さら
に、保護層、防汚染層、紫外線吸収層、帯電防止層、高
分子ゲル組成物を含有する膨潤液体の蒸発を防ぐ蒸発防
止層などの他の構成層が形成されていても構わない。
【0069】これら基材としては、ポリエステル、ポリ
イミド、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレン、ポリ
プロピレン、ポリエチレン、ポリアミド、ポリ塩化ビニ
ル、ポリ塩化ビニリデン、ポリカーボネート、ポリエー
テルスルフォン、セルロース誘導体、フッ素樹脂、シリ
コーン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリアセタール系樹
脂、金属フィルムなどを使用することができる。
【0070】上記蒸発防止層の材料としては、特に限定
されないが、例えばガラス、セラミックのような無機材
料や、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンイソ
フタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート、ポ
リブチレンテレフタレートやこれらの共重合体等のポリ
エステル、ポリカーボネート、ポリエーテルサルホン、
ポリサルホン、ポリイミド、ポリアリレート等が使用で
きる。なおこれら封止部材の材料は、ガスバリア性の高
いものが好ましく使用でき、特に樹脂の場合は内部に含
まれる膨潤液体の蒸気のガスバリア性の高いものが好ま
しい。また、フィルム状の光学素子(調光素子)におけ
る各層の好ましい厚みを詳記すると、基材としては10
μm〜10mmの範囲から選択され、樹脂組成物層は5
μm〜10mmの範囲から選択される。
【0071】次に、本発明の高分子ゲル組成物自体をそ
のまま用いた光学素子について説明する。図3は、本発
明の高分子ゲル組成物自体をそのまま用いた本発明の光
学素子の構成例を示す模式断面図であり、2枚の基板間
に本発明の高分子ゲル組成物が封入されている例であ
る。図3において、16および16’は、基板であり、
基板16,16’間に、高分子ゲル10と膨潤液体12
とからなる高分子ゲル組成物14が挟持されている。
【0072】高分子ゲル組成物中の高分子ゲル10は、
基板16および/または16’表面(あるいは後述する
刺激付与手段表面、以下、単に「基板表面等」と省略す
る。)に固定されていることが好ましい。このとき高分
子ゲル10は、図3に示すように基板16のみに固定さ
れていても、基板16,16’の双方に固定されていて
も構わない。
【0073】高分子ゲル10の固定は、種々の二官能性
化合物や接着剤を利用したり、あるいは物理的な手段で
行うことができる。例えば、反応性シランカップリング
剤により基板16表面等をあらかじめ処理することで官
能基を導入し、これと粒子状の高分子ゲル10の官能基
とを反応させることにより共有結合させることが可能で
ある。その他にも、種々の多官能性化合物や接着剤によ
り高分子ゲル10を固定する方法や、基板16表面等を
立体的に加工して、高分子ゲル10を物理的に固定する
ことも可能である。
【0074】なお、高分子ゲル10を固定する際、基板
表面等と密着させすぎると、応答特性が低下する場合が
あるため、空間を空けるために基板表面等を立体的に加
工し、その凸部に結合させる手段や、長鎖化合物(スペ
ーサー)を介して高分子ゲル10を、空間を設けて結合
させる手段も好ましく実施される。
【0075】基板16,16’としては、ポリエステ
ル、ポリイミド、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレ
ン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアミド、ポリ
塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリカーボネート、
ポリエーテルスルフォン、セルロース誘導体などの高分
子のフィルムや板状基板、ガラス基板、金属基板、セラ
ミック基板などの無機基板を使用することができる。
【0076】なお、基板16,16’のうち少なくとも
一方は、光学的に透明であることが、光学素子として機
能させる上で必要である。また、透過型光学素子の場合
は、双方の基板が透明であることが好ましい。基板1
6,16’の厚みや大きさは、所望する光学素子によっ
て様々なものが利用でき、特に限定されないが、厚みの
好ましい範囲としては、10μmから20mmである。
【0077】本発明の光学素子は、例えば気温の変化、
太陽光量の変化など自然エネルギーによって調光や表示
を行うことができるが、刺激付与手段を設けることで、
能動的に調光することもできる。この場合、刺激付与手
段は、高分子ゲルに実質的に熱を付与するものであり、
通電発熱抵抗体のほか、与えられたエネルギーにより最
終的に熱が付与されるものであればよく、光付与、電磁
波付与、磁場付与などの各種手段が挙げられる。なかで
も特に通電発熱抵抗体が好ましく適用され、具体的には
Ni−Cr合金などに代表される金属層、硼化タンタ
ル、窒化タンタル、酸化タンタルやITOなどの金属酸
化物層、カーボン層などに代表されるの発熱抵抗体層が
好ましく用いられ、これらの通電発熱抵抗体に配線し電
圧を印加することにより、通電発熱抵抗体を発熱させる
ことができる。また、光付与は、レーザー、LED、E
Lなどの発光素子層を用いることにより、磁界や電磁波
の付与は電磁コイル、電極等を設けることにより、それ
ぞれ実現できる。
【0078】また、前記した刺激付与手段は、パターン
化、セグメント化させて、任意の部位を調光させること
も好ましく実施される。また、これらのパターンに対応
して特定の特性の高分子ゲルを配置(固定化)すること
も好ましく実施される。図3に示す構成の光学素子に
は、その他、様々な層を形成しても構わない。例えば、
光学素子の保護を目的とした保護層、防汚染層、紫外線
吸収層、帯電防止層などが挙げられる。
【0079】図3に示す構成の光学素子のように、端部
が封止部材18で封止されていることが望ましい。封止
部材で端部を封止することにより、膨潤液体12の蒸発
を防止することができ、光学素子全体としての耐久性が
向上する。封止部材18は、光学素子の端部全体を覆う
状態で形成されていてもよい。
【0080】封止部材の材料としては、前記端部に塗布
後、放置・加熱・紫外線照射等の手段により硬化するも
のを用いることが好ましく、通常の接着剤、熱硬化性樹
脂、紫外線硬化性樹脂等を挙げることができる。例示す
ると、1層で封止を行うときの封止材として、末端に反
応基を有するイソブチレンオリゴマーを主体とした熱硬
化型弾性シーリング材や、アクリル系紫外線硬化樹脂等
が挙げられる。また、2層で封止するときの封止材とし
て、高分子ゲル組成物と接触する1次封止にポリイソブ
チレン系シーラント等、2次封止としてアクリル樹脂等
が挙げられる。
【0081】次に、図3に示す光学素子を例に挙げて、
その代表的な作製方法を説明する。2枚の基板16,1
6’を用意し、この少なくとも一方の基板16表面に、
前記いずれかの方法で、粒子状の高分子ゲル10を固定
する。次に、該高分子ゲル10を固定した基板16をも
う一方の基板16’と、一定の間隔を設けて貼り合わせ
てセルを作製する。この時の基板16,16’間の間隔
は、一般的には、5μm〜10mmから選択される。
【0082】このように2枚の基板16,16’の間隔
を設定するためには、所望の間隙となるような大きさ
のスペーサー粒子を2枚の基板16および/または1
6’に散布する、フィルムスペーサーを2枚の基板1
6および16’間に挟み込む、基板16等の表面に基
板16および16’を貼り合わせた際、所望の間隙が生
ずるような形状の立体的な構造体を形成しておく、など
の手段が好ましいものとして挙げられる。なお、2枚の
基板16および16’を貼り合わせる際、特定の開口部
を除き周囲を接着剤、紫外線硬化樹脂、あるいは熱硬化
樹脂で封止することが好ましい。一部残された開口部か
ら減圧注入法等で膨潤液体を注入し、その後、前記開口
部を封止することで、図3に示す構成の光学素子を作製
することができる。
【0083】
【実施例】(着色IPN高分子ゲル粒子Aの調製)調光
用材料を含有した感熱型(高温膨潤型)高分子ゲルの粒
子を以下のようなプロセスにより製造した。アクリルア
ミド1.0g、架橋剤としてメチレンビスアクリルアミ
ド1.0mg、蒸留水0.575g、および調光用材料
として青色顔料(大日本インキ社製、マイクロカプセル
化青色顔料)13.5質量%の水分散液3.425gを
攪拌混合した水溶液を調製した。ソルビトール系界面活
性剤(ソルゲン50:第一工業製薬(株)製)2.37
5gをトルエン300mlに溶解した溶液を、窒素置換
された反応容器に加え、これに、先に調製した水溶液を
添加し、回転式攪拌羽根を用いて1200rpmで30
分攪拌して懸濁させた。上記の水溶液をフラスコ中に入
れ、窒素置換により酸素を除いた上で、重合開始剤であ
る過硫酸アンモニウム0.004gを水0.5mlに溶
解したものを添加後、70℃に加熱し、3時間重合を行
った。重合終了後、大量のアセトンで洗浄することで精
製を行い、さらに乾燥させて調光用材料を含有したアク
リルアミドゲルの粒子を得た。
【0084】次に、アクリル酸1.5g、架橋剤として
メチレンビスアクリルアミド0.0015g、および蒸
留水5.5gを加え、窒素置換後、これに過硫酸アンモ
ニウム0.006gを水0.5gに溶解したものを添加
した。この混合液に前記得られたアクリルアミドゲルの
粒子0.5gを加えて、混合液を70℃に加熱し、3時
間重合を行いIPN高分子ゲル粒子を調製した。得られ
たIPN高分子ゲル粒子を大量の蒸留水中に投入し、加
熱・冷却を行いIPN高分子ゲル粒子を膨潤収縮させ、
これをろ過する操作を繰り返すことで精製を行った。
【0085】得られたIPN高分子ゲル粒子の乾燥時の
粒径は約15μmであった。このIPN高分子ゲル粒子
を大量の純水に加えて膨潤させた。温度10℃における
平衡膨潤時の吸液量は約4g/g(「g/g」とは、高
分子ゲル1g当たりの吸液量の単位を表す。以下同
様。)であった。これを60℃に加熱するとさらに膨潤
し、約100g/gの吸液量を示すことがわかった。ま
た、相転移温度は22℃付近であった。つまり、相転移
温度よりも高温では膨潤し、低温では収縮する。この変
化は可逆的であり、10℃と60℃の体積変化率、言い
換えれば、膨潤時および収縮時の体積変化率は、約27
倍(粒径変化率は約3倍)であった。
【0086】(着色IPN高分子ゲル粒子Bの調製)調
光用材料を含有した感熱型(高温膨潤型)高分子ゲルB
の粒子を以下のようなプロセスにより製造した。調光用
材料を含有したアクリルアミドゲルは高分子ゲル粒子A
に用いたものと同様に作製した。アクリル酸1.5g、
架橋剤としてメチレンビスアクリルアミド0.003
g、および蒸留水4.5gを加え、窒素置換後、これに
過硫酸アンモニウム0.006gを水0.5gに溶解し
たものを添加した。この混合液に前記得られたアクリル
アミドゲルの粒子0.5gを加えて、混合液を70℃に
加熱し、3時間重合を行いIPN高分子ゲル粒子を調製
した。得られたIPN高分子ゲル粒子は大量の蒸留水中
に投入し、加熱・冷却を行いIPN高分子ゲル粒子を膨
潤収縮させ、これをろ過する操作を繰り返すことで精製
を行った。
【0087】得られたIPN高分子ゲル粒子の乾燥時の
粒径は約15μmであった。このIPN高分子ゲル粒子
を大量の純水に加えて膨潤させた。温度10℃における
平衡膨潤時の吸液量は約3g/gであった。これを60
℃に加熱するとさらに膨潤し、約30g/gの吸液量を
示すことがわかった。また、相転移温度は28℃付近で
あった。つまり、相転移温度よりも高温では膨潤し、低
温では収縮する。この変化は可逆的であり、10℃と6
0℃の体積変化率は、約10倍(粒径変化率は約2.2
倍)であった。
【0088】(実施例1)着色IPN高分子ゲル粒子A
0.1gを0.2質量%ポリアクリル酸(重量平均分子
量25000)水溶液10g(pH3.3)中で膨潤さ
せて高分子ゲル組成物を調製し、これをアンプル中にい
れ、熱刺激による体積変化特性を調べたところ、相転移
温度は30℃付近で、10℃と60℃の体積変化率は、
約20倍であった。調光特性は、30℃より低い温度で
は透明、30℃より高い温度では青色に着色した。膨潤
液体が純水のみの場合に比べ、相転移温度上昇し、体積
変化率は減少した。最大膨潤時の高分子ゲルの吸液量は
50g/gだった。この高分子ゲル組成物を、着色IP
N高分子ゲルAが膨潤状態である温度60℃で20時間
加熱後、10℃と60℃の体積変化率と相転移温度を測
定したところ、加熱前と変化なく体積変化率は20倍
で、相転移温度は30℃付近だった。その後、60℃に
昇温し、10℃に降温するという工程を、100回繰り
返し、同様に体積変化率を測定したところ、体積変化率
は20倍であり、全く劣化はなかった。
【0089】(実施例2)着色IPN高分子ゲル粒子A
を塩酸水溶液(pH3)に含浸させ、高分子ゲル組成物
を調製し、これをアンプル中にいれ、熱刺激による体積
変化特性を調べたところ、相転移温度は45℃付近で、
10℃と60℃の体積変化率は12倍であった。最大膨
潤時の高分子ゲルの吸液量は40g/gだった。この高
分子ゲル組成物を、高分子ゲルAが膨潤状態である温度
60℃で20時間加熱後、10℃と60℃の体積変化率
と相転移温度を測定したところ、加熱前と変化なく体積
変化率は12倍で、相転移温度は45℃付近だった。そ
の後、60℃に昇温し、10℃に降温するという工程
を、100回繰り返し、同様に体積変化率を測定したと
ころ、体積変化率は12倍であり、全く劣化はなかっ
た。
【0090】(実施例3)着色IPN高分子ゲル粒子B
を純水中で膨潤させて高分子ゲル組成物を調製し、これ
をアンプル中にいれ、熱刺激による体積変化特性を調べ
たところ、相転移温度は28℃付近で、10℃と60℃
の体積変化率は約10倍であった。最大膨潤時の高分子
ゲルの吸液量は30g/gだった。この高分子ゲル組成
物を、高分子ゲルAが膨潤状態である温度60℃で20
時間加熱後、10℃と60℃の体積変化率を測定したと
ころ、加熱前と変化なく体積変化率は10倍であり、相
転移温度は28℃付近であった。その後、60℃に昇温
し、10℃に降温するという工程を、100回繰り返
し、同様に体積変化率を測定したところ、体積変化率は
10倍であり、全く劣化はなかった。
【0091】実施例1〜3の結果は、「最大膨潤時の吸
液量が高分子ゲル1g当たり、膨潤液体80g以下」で
ある本発明の高分子ゲル組成物は、最大膨潤状態になる
温度に20時間放置され、さらに、最大膨潤状態になる
温度への昇温、収縮状態になる降温というサイクルが1
00回繰り返されても、体積変化特性が劣化しないこと
を示している。
【0092】(実施例4)着色IPN高分子ゲル粒子A
を、30重量%エチレングリコールを含む水溶液中で膨
潤させて高分子ゲル組成物を調製し、これをアンプル中
にいれ、熱刺激による体積変化特性を調べたところ、相
転移温度は5℃付近で、−5℃から60℃までの体積変
化率は約25倍であった。調光特性は、5℃より低い温
度では透明、5℃より高い温度では青色に着色した。高
分子ゲルの相転移温度が純水中に比べ降下したが、体積
変化率はほぼ変化がなかった。この高分子ゲル組成物
を、−10℃に冷却した場合に、膨潤液体は凝固しなか
った。そのまま、−10℃で24時間冷却後、熱刺激に
よる体積変化特性を調べたところ、冷却前と変化なく体
積変化率は25倍で、全く劣化は起こらなかった。ま
た、相転移温度は5℃付近だった。更に60℃に昇温
し、−10℃に降温するという工程を100回繰り返
し、同様の測定を行ったところ、体積変化率は25倍
で、全く劣化は起こらなかった。
【0093】(実施例5)着色IPN高分子ゲル粒子A
を、30質量%イソプロパノールを含む水溶液中で膨潤
させて高分子ゲル組成物を調製しアンプル中にいれ、熱
刺激による体積変化特性を調べたところ、相転移温度は
20℃付近で、10℃と60℃の体積変化率は約20倍
であった。調光特性は、20℃より低い温度では透明、
20℃より高い温度では青色に着色した。高分子ゲルの
相転移温度が純水中に比べ降下した。この高分子ゲル組
成物を、−10℃に冷却したが、膨潤液体は凝固しなか
った。そのまま、−10℃で24時間冷却後、熱刺激に
よる体積変化特性を調べたところ、冷却前と変化なく体
積変化率は20倍で、全く劣化は起こらなかった。ま
た、相転移温度は20℃付近だった。更に60℃に昇温
し、−10℃に降温するという工程を100回繰り返
し、同様の測定を行ったところ全く劣化は起こらなかっ
た。
【0094】実施例4,5の結果は、水溶性の有機化合
物が含有されている膨潤液体からなる本発明の高分子ゲ
ル組成物は、−10℃に放置されても、膨潤液体が凝固
せず、冷却後の体積変化特性が、劣化しないことを示し
ている。
【0095】(実施例6)0.2質量%ポリアクリル酸
(重量平均分子量25000)水溶液7gとエチレング
リコール3gの混合溶液に、着色IPN高分子ゲル粒子
A0.1gを含浸させ高分子ゲル組成物を調製し、これ
をアンプル中にいれ、熱刺激による体積変化特性を調べ
た。相転移温度は20℃付近で、10℃と60℃の体積
変化率は20倍であった。調光特性は、20℃より高い
温度では青色、20℃より低い温度では透明に変化し
た。純水中に比べ体積変化率は減少し、相転移温度は降
下した。最大膨潤時の高分子ゲルの吸液量は60g/g
だった。この高分子ゲル組成物を、着色IPN高分子ゲ
ルAが膨潤状態である温度60℃で20時間加熱後、1
0℃と60℃の体積変化率と相転移温度を測定したとこ
ろ、加熱前と変化なく体積変化率は20倍で、相転移温
度は20℃付近だった。その後、60℃に昇温し、10
℃に降温するという工程を、100回繰り返し、体積変
化率を測定したところ、体積変化率は20倍であり、全
く劣化はなかった。また、この高分子ゲル組成物を、−
10℃に冷却した場合に、膨潤液体の凝固は起こらなか
った。そのまま、−10℃で24時間冷却後、熱刺激に
よる体積変化特性を調べたところ、冷却前と変化なく体
積変化率は20倍で、相転移温度は20℃付近だった。
更に60℃に昇温し、−10℃に降温するという工程を
100回繰り返し、同様の測定を行ったところ体積変化
率は20倍で、全く劣化は起こらなかった。
【0096】(実施例7)着色IPN高分子ゲル粒子A
0.1gを、1質量%ポリアクリル酸(重量平均分子量
25000)水溶液7gとエチレングリコール3gの混
合溶液に含浸させ高分子ゲル組成物を調製し、これをア
ンプル中にいれ、熱刺激による体積変化特性を調べとこ
ろ、相転移温度は30℃付近で、10℃と60℃の体積
変化率は15倍であった。最大膨潤時の高分子ゲルの吸
液量は45g/gだった。調光特性は、30℃より低い
温度では透明、30℃より高い温度では青色を呈し調光
作用を示した。この高分子ゲル組成物を、着色IPN高
分子ゲルAが膨潤状態である温度60℃で20時間加熱
後、10℃と60℃の体積変化率と相転移温度を測定し
たところ、加熱前と変化なく体積変化率は15倍で、相
転移温度は30℃付近だった。その後、60℃に昇温
し、10℃に降温するという工程を、100回繰り返
し、同様に体積変化率を測定したところ、体積変化率は
15倍であり、全く劣化はなかった。また、この高分子
ゲル組成物を−10℃に冷却した場合に、膨潤液体は凝
固しなかった。そのまま、−10℃で24時間冷却後、
熱刺激による体積変化特性を調べたところ、冷却前と変
化なく体積変化率は15倍で、相転移温度は30℃付近
だった。更に60℃に昇温し、−10℃に降温するしい
う工程を100回繰り返し、同様の測定をしたところ体
積変化率は15倍で、全く劣化は起こらなかった。
【0097】実施例6,7の結果は、「最大膨潤時の吸
液量が高分子ゲル1g当たり、膨潤液体80g以下であ
り」かつ「膨潤液体に水溶性の有機化合物が含有されて
いる」本発明の高分子ゲル組成物は、最大膨潤状態にな
る温度に20時間放置され、さらに、最大膨潤状態にな
る温度への昇温、収縮状態になる降温というサイクルが
100回繰り返されても、体積変化特性が劣化しないこ
とを示している。また、該高分子ゲル組成物は、−10
℃に放置されても、膨潤液体が凝固せず、冷却後の体積
変化特性は、劣化ないことを示している。さらに、実施
例6と実施例7では、該高分子ゲル組成物の体積変化
率、相転移温度が異なっており、膨潤液体に添加した添
加物の量によって、体積変化率、相転移温度を制御する
ことが可能であることも示している。
【0098】(実施例8)高分子ゲル組成物を用いた光
学フィルムを以下のプロセスで作製した。あらかじめ着
色IPN高分子ゲル粒子Aを0.2質量%ポリアクリル
酸(重量平均分子量25000)水溶液/エチレングリ
コール=7/3混合溶液に含浸させ、60℃に加熱して
膨潤状態とし、高分子ゲル中にとり込まれなかった膨潤
液体をできるだけ除いた。この膨潤ゲル粒子8g及びフ
ッ素系のUV硬化剤(日本化薬製KAYARAD FA
D−515)のフッ素系界面活性剤(セイミケミカル製
Surflon S−383)5質量%溶液20gを、
容器に入れ攪拌子を投入し、ウォーターバスで60℃に
加熱した状態で、マグネティックスターラーで攪拌して
分散させた。この分散溶液を、ブレードコーターを用い
て厚み100μmの透明ポリエステルフィルム上に塗布
し、これに100μmのスペーサー粒子を散布したもう
一枚のポリエステルフィルムを貼り合わせ、圧着させた
後に高圧水銀灯(120W/cm2、照射距離20c
m)を30秒照射して硬化を行ない調光フィルム(光学
素子)を作製した。得られた調光フィルムを0℃から6
0℃、再び0℃と温度変化させると無色、青色、無色の
色変化が可逆的に起こることが確認できた。また、昇温
・降温のサイクルを100回以上行っても何ら劣化する
ことはなかった。高分子ゲル組成物の耐久性を評価する
ために、ウェザーメーター装置(サンテストCPST:
(株)東洋精機製)を用いて、紫外線を積算時間で10
0時間照射した。その結果、組成物の変性、変色や劣化
は確認されず非常に優れていることが確認できた。尚、
本実施例の高分子ゲル組成物の構成は、実施例6と同様
である。以上から、本発明によって調光作用を示し、か
つ優れた安定性、耐久性をもつフィルム状の光学素子が
提供できることが確認できた。
【0099】(実施例9)本発明の高分子ゲル組成物を
用いた光学素子を以下のプロセスで作製した。ガラス基
板(大きさ50mm×50mm、厚み3mm)を2枚用
意した。1枚のガラス基板の表面には高分子ゲル粒子と
の接着層としてγ−アミノプロピルトリエトキシシラン
を塗布、乾燥させることで形成した。一方、ゲル粒子を
固定化するために、着色IPN高分子ゲル粒子Aを0.
2質量%ポリアクリル酸(重量平均分子量25000)
水溶液に含浸させ固形分として約1質量%の分散溶液と
した。接着層を形成したガラス基板面を上面としプラス
チック容器内に配置した。これに先の分散溶液を加え、
60℃において15時間静置したところ、着色IPN高
分子ゲル粒子がガラス基板面に固定化された。ガラス基
板を0.2質量%ポリアクリル酸(重量平均分子量25
000)水溶液で洗浄し、積層した着色IPN高分子ゲ
ル粒子を洗い落とし、略一層に着色IPN高分子ゲル粒
子が固定化されたガラス基板を得た。
【0100】ガラス基板表面を顕微鏡観察すると、ガラ
ス基板表面における着色IPN高分子ゲル粒子で固定化
された面積率は、60℃において約70%であった。な
お、面積率とは着色IPN高分子ゲル粒子の基板表面上
への投射影のガラス基板に占める面積率と定義する。残
りのガラス基板(対向ガラス基板)上に粒径100μm
の樹脂粒子スペーサを散布した後、一部の開口部を除き
外周部に紫外線硬化樹脂(日本化薬(株)製R−381
I)を塗布し、先の着色IPN高分子ゲル粒子を固定化
した基板と貼り合わせ、紫外線を照射して接着させセル
を形成した。次に、該セル内部に膨潤液体として4gの
エチレングリコールと6gの0.2質量%ポリアクリル
酸(重量平均分子量25000)水溶液の混合溶液を注
入後、前記開口部を封止し、光学素子を作製した。
【0101】一方、本実施例の膨潤液体である0.2質
量%ポリアクリル酸(重量平均分子量25000)水溶
液6gとエチレングリコール4gの混合溶液に、着色I
PN高分子ゲル粒子A0.1gを含浸させた高分子ゲル
組成物を調製し、熱刺激による体積変化特性を調べたと
ころ、相転移温度は25℃付近で、10℃と60℃の体
積変化率は20倍であった。最大膨潤時の高分子ゲルの
吸液量は65g/gだった。
【0102】上記光学素子は、温度60℃では、ゲル粒
子は膨潤しており、光学素子は青色を呈していた。波長
400nm〜800nmの範囲の光の平均透過率は約4
0%であった。温度を10℃にすると、着色IPN高分
子ゲル粒子Aが収縮し、無色に変化した。この時の前記
透過率は約80%であった。また、昇温により可逆的に
色が変化することも確認できた。さらに昇温・降温のサ
イクルを100回以上行っても何ら劣化することはなか
った。得られた光学素子の耐久性を評価するために、ウ
ェザーメーター装置(サンテストCPST:(株)東洋
精機製 700W/m2、300〜800nm)を用い
て、紫外線および可視光を積算時間で100時間照射し
た。その結果、高分子ゲル組成物の変性、変色や劣化は
確認されず非常に優れていることが確認できた。以上か
ら、本発明によって調光作用を示し、かつ優れた安定
性、耐久性をもつ光学素子が提供できることが確認でき
た。
【0103】(比較例1)着色IPN高分子ゲル粒子A
を純水中で膨潤させて高分子ゲル組成物を調製し、これ
をアンプル中にいれ、着色IPN高分子ゲルAが膨潤状
態である温度60℃で24時間加熱後、熱刺激による体
積変化特性を調べたところ、体積変化が全く起こらなく
なった。また、0℃〜60℃まで青色を示し、何ら色変
化を示さなかった。着色IPN高分子ゲル粒子Aを顕微
鏡で観察したところ、0〜60℃において全く膨潤・収
縮の変化が起きていないことが判明した。また、別に着
色IPN高分子ゲル粒子Aを純水中で膨潤させ高分子ゲ
ル組成物を調製し、これをアンプル中にいれ、−10℃
に冷却して純水を凝固させた状態で24時間おいた後、
室温で放置して膨潤液体を融解させた。熱刺激による体
積変化特性を調べたところ、体積変化が全く起こらなく
なった。また、0℃〜60℃まで青色を示し、何ら色変
化を示さなかった。着色IPN高分子ゲル粒子Aを顕微
鏡で観察したところ、0〜60℃において全く膨潤・収
縮の変化が起きていないことが判明した。
【0104】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
環境状態により、体積変化の繰り返し特性が劣化しな
い、高分子ゲル組成物、並びに、該高分子ゲル組成物を
用いた樹脂組成物、光学素子を提供することができる。
更に、本発明によれば、体積変化率や体積相転移温度を
制御することが可能な高分子ゲル組成物の製造方法を提
供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 樹脂中に高分子ゲルと膨潤液体からなる高分
子ゲル組成物を分散した、本発明の樹脂組成物の構成例
を示す模式図である。
【図2】 フィルム状の基材に高分子ゲル組成物を形成
した構成の調高フィルム(本発明の光学素子)を示す拡
大断面図である。
【図3】 本発明の高分子ゲル組成物自体をそのまま用
いた、本発明の光学素子の構成例を示す摸式断面図であ
る。
【符号の説明】
2、14 高分子ゲル組成物 4 樹脂 6 樹脂組成物 8 基材 10 高分子ゲル 12 膨潤液体 14 高分子ゲル組成物 16、16’ 基板 18 封止部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤原 将一郎 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内 (72)発明者 森山 正洋 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内 (72)発明者 筒井 浩明 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内 (72)発明者 明石 量磁郎 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内 Fターム(参考) 4J002 BE021 BE022 BG011 BG013 BG131 BG132 BH021 BH023 BJ001 BJ002 BQ001 BQ003 CH021 CH022 CL021 CM011 CM041 CM043 DD018 DE026 DF038 DG048 DH028 EC037 EC047 ED027 EE037 EF028 EF048 EF058 EF078 EH037 EL067 EL107 EP017 ER007 ET017 EV188 EV207 FD202 FD203 FD206 FD207 FD208 GP00

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 温度変化に応じて液体を吸収または放出
    することにより可逆的な体積変化が生じる特性を有し、
    かつ、少なくとも1つの水素結合性基を有する高分子ゲ
    ルと、膨潤液体と、を含む高分子ゲル組成物であって、
    前記高分子ゲルの最大膨潤時における吸液量が、高分子
    ゲル1g当たり膨潤液体80g以下であることを特徴と
    する高分子ゲル組成物。
  2. 【請求項2】 前記膨潤液体のpHが、5以下であるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の高分子ゲル組成物。
  3. 【請求項3】 前記膨潤液体が、少なくとも一種の酸性
    化合物を含有する液体であることを特徴とする請求項1
    または請求項2に記載の高分子ゲル組成物。
  4. 【請求項4】 前記膨潤液体が、少なくとも一種の酸性
    高分子を含有する液体であることを特徴とする請求項1
    または請求項2に記載の高分子ゲル組成物。
  5. 【請求項5】 前記膨潤液体が、繰り返し単位中にカル
    ボキシル基を有する高分子を含有する液体であることを
    特徴とする請求項1または請求項2に記載の高分子ゲル
    組成物。
  6. 【請求項6】 前記膨潤液体が、ポリアクリル酸、およ
    び/または、ポリメタクリル酸を含有する液体であるこ
    とを特徴とする請求項1または請求項2に記載の高分子
    ゲル組成物。
  7. 【請求項7】 前記膨潤液体の凝固点が、−10℃以下
    であることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の
    高分子ゲル組成物。
  8. 【請求項8】 温度変化に応じて液体を吸収または放出
    することにより可逆的な体積変化が生じる特性を有し、
    かつ、少なくとも1つの水素結合性基を有する高分子ゲ
    ルと、膨潤液体と、からなる高分子ゲル組成物におい
    て、膨潤液体の凝固点が、−10℃以下であることを特
    徴とする高分子ゲル組成物。
  9. 【請求項9】 前記膨潤液体が、水溶性の有機化合物を
    含有することを特徴とする請求項7または請求項8に記
    載の高分子ゲル組成物。
  10. 【請求項10】 前記膨潤液体が、アルコール溶液であ
    ることを特徴とする請求項7または請求項8に記載の高
    分子ゲル組成物。
  11. 【請求項11】 前記高分子ゲルの内部に調光用材料が
    含まれていることを特徴とする請求項1〜10の何れか
    に記載の高分子ゲル組成物。
  12. 【請求項12】 前記高分子ゲルの少なくとも一部が、
    少なくとも互いに水素結合する高分子の相互侵入網目構
    造体であることを特徴とする請求項1〜11の何れかに
    記載の高分子ゲル組成物。
  13. 【請求項13】 請求項1〜12の何れかに記載の高分
    子ゲル組成物と、樹脂とからなることを特徴とする樹脂
    組成物。
  14. 【請求項14】 請求項1〜12の何れかに記載の高分
    子ゲル組成物を含有することを特徴とする光学素子。
  15. 【請求項15】 請求項1〜12の何れかに記載の高分
    子ゲル組成物が、一対の基板間に挟持されていることを
    特徴とする請求項14に記載の光学素子。
  16. 【請求項16】 請求項13に記載の樹脂組成物をフィ
    ルム状に成形してなることを特徴とする請求項14に記
    載の光学素子。
  17. 【請求項17】 温度変化に応じて液体を吸収または放
    出することにより可逆的な体積変化が生じる特性を有
    し、かつ、少なくとも1つの水素結合性基を有する高分
    子ゲルと、膨潤液体と、を混合することにより高分子ゲ
    ル組成物を製造する高分子ゲル組成物の製造方法であっ
    て、 前記膨潤液体に、少なくとも一種の酸性化合物、および
    /または、少なくとも一種の水溶性の有機化合物を添加
    する工程を含み、かつ、前記酸性化合物、および/また
    は、前記水溶性の有機化合物の添加量を調整すること
    で、製造される高分子ゲル組成物中の高分子ゲルの相転
    移温度および/または体積変化率を制御することを特徴
    とする高分子ゲル組成物の製造方法。
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