JP3499103B2 - 半導体装置 - Google Patents

半導体装置

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JP3499103B2
JP3499103B2 JP03754497A JP3754497A JP3499103B2 JP 3499103 B2 JP3499103 B2 JP 3499103B2 JP 03754497 A JP03754497 A JP 03754497A JP 3754497 A JP3754497 A JP 3754497A JP 3499103 B2 JP3499103 B2 JP 3499103B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高出力用半導体装
置に関し、特にソースインダクタンスを低減した高出力
用FETに関する。
【0002】
【従来の技術】図9は、バイアホール8を形成して接地
された裏面ヒートシンクメッキ12に接続されたソース
パッド6を、ゲートパッド4の間に設けた従来構造の高
出力FETの平面図であり、図10は、図9のA−A’
における断面図である。図中、1はゲートフィンガー
(ゲート電極)、2はドレイン電極、3はソース電極、
4はゲートパッド、5はドレインパッド、6はソースパ
ッド、7はソースエアブリッジ配線、8はバイアホー
ル、9はゲートフィーダ部、10はドレインフィーダ
部、11は半絶縁性GaAs基板、12は裏面ヒートシ
ンクメッキ、13はオーミックメタル(ソース)、14
は配線メタル、15はソースパッド部配線メタル、18
はドレインパッド部配線メタルであり、通常、ソースパ
ッド6とゲートパッド4は、ゲート電極1、ドレイン電
極2、ソース電極3等を形成した活性層領域の同方向
(図9では上側)に配置される構造となる。
【0003】かかる構造の高出力FETにおいて高利得
(Gamax)化を図るためには、Ls(ソースインダク
タンス)の低減が重要であり、一般には、図9に示すよ
うに、バイアホール8が接続されたソースパッド6を複
数設けて、単位バイアホールに接続されるソース電極3
の数を低減する構造が用いられている。即ち、図9は、
14本のゲートフィンガー2に対応するソース電極3が
接続されたソースパッド6をゲートパッド4間に設け、
それぞれバイアホール8に接続して接地する構造であ
り、各ソース電極3とバイアホール8を形成したソース
パッド6の接続は、図10の断面図に示すように、エア
ブリッジ配線7によりゲートフィーダ部9をまたいで行
われる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】かかる高出力FETを
高周波帯域で使用する場合には、一般の周波数帯域で使
用する場合に比べて更に単位バイアホール8に接続され
るソース電極3の数を減らして(単位ゲート幅当たりの
バイアホール8数を増やして)、Lsを低減することが
必要となるが、ゲートパッド1の大きさはアセンブリ
時、ソースパッド6の大きさはバイアホール形成時のプ
ロセス上の制約でそれぞれの最小寸法が決まっているた
め、ゲートパッド1、ソースパッド6を小型化してソー
スパッド6の数およびソースパッドに接続されたバイア
ホール8の数を増加するには一定の限界がある。そこ
で、本発明はソースパッドおよびゲートパッドの大きさ
を変更することなく、単位バイアホールに接続されるソ
ース電極数を減らし、Lsを低減した高利得の高出力用
FETを形成することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで、発明者らは鋭意
研究の結果、ソースパッドを、ドレインパッド側にも形
成することにより、ソースパッドおよびゲートパッドの
寸法を変更せずにバイアホールを形成したソースパッド
数を増やすことができ、単位バイアホール当たりに接続
されるソース電極数を減らしLsを低減できることを見
出し、本発明を完成した。
【0006】即ち、本発明は、GaAs基板上に、複数
のゲートフィンガ電極と、該各フィンガゲート電極を挟
むように並列形成された複数のソース電極および複数の
ドレイン電極とからなるマルチフィンガパターンを有す
る活性層領域と、上記活性層領域の第1の外部領域に上
記活性層領域に沿って間隔をおいて配設され、上記各ゲ
ートフィンガ電極に接続された複数のゲートパッドと、
上記活性層領域を挟んで上記第1の外部領域と対向する
第2の外部領域に上記活性層領域に沿って間隔をおいて
配設され、上記各ドレイン電極に接続された複数のドレ
インパッドと、上記第1の外部領域および第2の外部領
域に上記活性層領域に沿って間隔をおいて配設され、上
記各ソース電極に接続された複数の接地されたソースパ
ッドとを有することを特徴とする半導体装置である。こ
のように、ドレイン電極に接続される配線をエアブリッ
ジ構造で越えて、活性層領域のドレインパッド側にもソ
ースパッドを形成することにより、半導体装置に形成さ
れるソースパッドの数を増やすことが可能となり、結果
的に各ソースパッドに設けられている、裏面接地電極に
接続されるバイアホールの数を増やすことが可能とな
り、Lsを低減し、半導体装置の最大有能電力利得(G
max)を大きくすることが可能となる。
【0007】上記複数のゲートパッドは、上記複数のソ
ースパッドに沿って該ソースパッドの外方に設けられ、
更に上記複数のソースパッド間にそれぞれ設けられた第
1の配線により上記複数のゲートフィンガ電極に接続さ
れ、上記複数のドレインパッドが、上記複数のソースパ
ッドに沿って該ソースパッドの外方に設けられ、更に上
記複数のソースパッド間にそれぞれ設けられた第2の配
線により上記複数のドレイン電極に接続されることが好
ましい。かかる構造を用いることにより、ソースパッド
相互間の間隔を狭くし、ソースパッドを密に形成するこ
とが可能となり、結果的に半導体装置に形成するソース
パッドの数を増加することが可能となり、Lsの低減を
図り最大有能電力利得(Gamax)を大きくすることが
可能となる。
【0008】また、本発明は、上記複数のゲートパッド
に代えて、少なくとも複数の上記第1の配線に接続さ
れ、上記複数のソースパッドに沿って延在して設けられ
た1または2以上の共有型のゲートパッドを有し、およ
び/または、上記複数のドレインパッドに代えて、少な
くとも複数の上記第2の配線に接続され、上記複数のソ
ースパッドに沿って延在して設けられた1または2以上
の共有型のドレインパッドを有することを特徴とする半
導体装置でもある。このように、ゲートパッドおよび/
またはドレインパッドを共有型ゲートパッドおよび/ま
たは共有型ドレインパッドとして形成することにより、
ゲートパッド、ドレインパッドの面積を広くすることが
可能となり、かかる半導体装置と、外部の電極等を接続
するためのワイアボンディングの数を増加することがで
き、ワイアボンディングの寄生インダクタンスの低減が
可能となる。
【0009】上記共有型のゲートパッドは、該ゲートパ
ッドにそれぞれ接続された複数の上記第1の配線を電気
的に分離する抵抗領域を有することが好ましい。ゲート
パッドを共有型にした場合、ゲート入力信号にループ発
振が発生する場合があるため、ゲートパッドに抵抗領域
を設け、ゲートパッドに接続された複数の第1の配線を
電気的に分離することにより、上記ループ発振の発生を
防止することが可能となる。
【0010】また、本発明は、上記複数のゲートパッド
が、直線形状の上記複数のソース電極と接続した上記第
1の外部領域の複数のソースパッドの間にそれぞれ設け
られ、上記複数のドレインパッドが、上記第1の外部領
域の複数のソースパッドと未接続の直線形状のソース電
極と接続した上記第2の外部領域の上記複数のソースパ
ッドの間にそれぞれ設けられることを特徴とする半導体
装置でもある。従来構造では、必ずしもソース電極の延
長上にソースパッドが形成されるわけではなかったた
め、一部のソース電極は途中で曲げてソースパッドに接
続していたが、本発明の構造を用いることにより、ソー
ス電極を直線状態でソースパッドに接続することができ
るため、各ソース電極の長さの相違によって発生してい
た各ソース電極毎のLsのばらつきを均一にすることが
可能となるとともに、ゲートからの入力信号がドレイン
からの出力信号として出力されるまでの電流経路の長さ
がソース電極によっては異ならないため、位相の揃った
ドレイン出力信号を得ることが可能となる。
【0011】上記各ゲートパッドは、上記複数のゲート
フィンガ電極に接続され上記活性層領域の上記第1の外
部領域に該活性層領域に沿って設けられた配線に、上記
各ゲートパッドからの配線距離が等しくなるような複数
の配線でそれぞれ接続されるものであっても良い。かか
る構造を用いることによっても位相の揃ったドレイン出
力信号を得ることが可能となる。
【0012】また、本発明は、GaAs基板上に、複数
のゲートフィンガ電極と、該各フィンガゲート電極を挟
むように並列形成された複数のソース電極および複数の
ドレイン電極とからなるマルチフィンガパターンを有す
る活性層領域と、上記活性層領域の第1の外部領域に上
記活性層領域に沿って間隔をおいて配設された複数のゲ
ートパッドと、上記活性層領域を挟んで上記第1の外部
領域と対向する第2の外部領域に上記活性層領域に沿っ
て間隔をおいて配設された複数のドレインパッドと、上
記各ゲートパッドと隣接するゲートパッドとの間の少な
くとも一方に設けられたスタブ調整手段と、上記活性層
領域を挟んで対向して設けられた各ゲートパッド間領域
または各ドレインパッド間領域の少なくとも一方にそれ
ぞれ設けられた複数の接地されたソースパッドとを有す
ることを特徴とする半導体装置でもある。このように、
本発明では、従来ゲートパッドの横に配置されていたソ
ースパッドをドレインパッド側に移すことが可能となる
ため、従来ソースパッドが形成されていた領域にゲート
信号の整合手段を有するスタブ領域を形成することが可
能となる。これにより、従来は半導体装置の外部に別途
設けていたスタブ領域をゲートパッド近傍に配置するこ
とができ、ゲート信号の整合を容易に行うことが可能と
なる。尚、図6ではゲート側のソースパッドに対向する
ドレイン側領域には、ソースパッドを設けていないが、
かかる領域にソースパッドを設ける構成を採ることも可
能である。
【0013】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.図1、2に、本発明の実施の形態1にか
かる半導体装置の平面図および断面図を示す。図1は、
Lsの低減を図るためにバイアホール8を形成したソー
スパッド6を、ゲートパッド4間およびドレインパッド
5間の双方に形成することを特徴とした半導体装置の平
面図であり、図2は、図1中のA−A’に沿った側面図
である。図中、1はゲートフィンガー(ゲート電極)、
2はドレイン電極、3はソース電極、4はゲートパッ
ド、5はドレインパッド、6はソースパッド、7はソー
スエアブリッジ配線、8はバイアホ−ル、9はゲートフ
ィーダ部、10はドレインフィーダ部、11は半絶縁性
GaAs基板、12は裏面ヒートシンクメッキ、13は
オーミックメタル(ソース)、14は配線メタル、15
はソースパッド部配線メタルである。
【0014】図9に示す従来構造のFETでは、一般
に、最大有能電力利得(Gamax)は等価回路パラメー
タを用いて、以下の式1のように表される。
【数1】 そこで、本実施の形態では、式中のLs(ソースインダ
クタンス)を低減することにより、最大有能電力利得
(Gamax)を大きくすることを目的とする。即ち、本
実施の形態では、図1に示した平面図の上部のゲートパ
ッド4、ソースパッド6、バイアホール8は、従来の半
導体装置と同様の寸法で配置されているが、更に、図1
の下部のドレインパッド5間にも活性層領域を挾んで対
向するようにソースパッド6およびバイアホール8が形
成されていることを特徴としている。各ソース電極から
ゲートパッド4間に設けられたソースパッド6への接続
は、従来と同様、図2に示すようにエアブリッジ構造の
Auメッキ7により、ゲートフィーダ部9をまたぐ構造
を用いている。また、同様に、ドレインパッド5間に設
けられたソースパッド6への接続も、図2に示すよう
に、エアブリッジ構造のAuメッキ7により、ドレイン
フィーダ部10をまたぐ構造を用いている。
【0015】ここで、図9、10に示す従来構造のFE
Tでは、ドレイン電極7およびドレインフィーダ部10
の抵抗を低減するために、ドレイン電極7およびドレイ
ンフィーダ部10上にAuメッキ層を形成していたが、
本実施の形態では、ソースエアブリッジ7がドレインフ
ィーダ部10をまたぐため、ドレインフィーダ部10は
メッキ層を形成せずに配線メタルのみで形成する必要が
ある。従って、ここで注意が必要なのは、Auメッキ層
を有しないドレインフィーダ部10が、そこを流れる電
流密度に十分耐えうる断面積を有しているかどうかであ
る。即ち、MIL−STD(MIL−M−38510
H)によれば、半導体装置のAu部の電流密度は6×1
5A/cm2以下に押さえることが必要であるが、通常
動作時にFETを流れる電流密度を300mA/mm、
単位ゲート幅を最大300μm、ユニットゲート本数1
4本で見積もると、ドレインフィーダ部10に最大流れ
る電流は630mAとなり、ドレインフィーダ部10の
Au配線厚を2μm、幅を60μmとすることにより電
流密度を6×105A/cm2以下に押さえた構造とする
ことができる。そこで、本実施の形態では、ドレインフ
ィーダ部10の電流密度が6×105A/cm2以下にな
るようにドレインフィーダ部10を形成し、これによ
り、従来ドレインフィーダ部10上に形成していたメッ
キ層の形成を不要とし、ドレインフィーダ部10をエア
ブリッジ7でまたぐことによりゲートパッド5間にもソ
ースパッド6を形成することを特徴としている。このよ
うな構造を用いることにより、従来の半導体装置に比べ
て、単位バイアホール当たりに接続されるソース電極数
を1/2に低減することができ、Lsを従来の半導体装
置の約1/2に低減することが可能となり、高周波動作
時における高出力FETの高利得化(Gamaxの増大)
を実現することができる。
【0016】実施の形態2.図3に、本発明の実施の形
態1を更に発展させ、高性能化を図った実施の形態2に
かかる高出力FETの平面図を示す。本実施の形態にか
かる半導体装置では、Lsの低減を図るためソースパッ
ド6およびバイアホール8を活性層領域を挟んでゲート
パッド4側およびドレインパッド5側の両方に形成し、
かつゲートパッド4およびドレインパッド5をソースパ
ッドの外側に形成することを特徴とする。図中、図1と
同一符号は、同一または相当部分を示す。
【0017】実施の形態1と同様に、ゲートパッド4側
およびドレインパッド5側の双方に、活性層領域を挾ん
で対向するようにソースパッド6、バイアホール8が設
けてられており、ドレインフィーダ部10はメッキ層を
形成せずに配線メタルのみで形成している。本実施の形
態の特徴は、ゲートパッド4、ドレインパッド5をソー
スパッドの外側に引き出すことにより、ソースパッド間
隔を縮小し、ソースパッド6を密に形成し、これによっ
てソースパッド6およびバイアホール8の数を増やして
単位バイアホール当たりの接続されるソース電極3数を
減少させることである。即ち、ゲートフィーダ9とゲー
トパッド4を接続する配線は、電流密度を考慮してもゲ
ートフィーダ部10と同等の幅(100μm程度)で十
分であり、また、ドレインフィーダ10とドレインパッ
ド5を接続する配線は配線メタル上にAuメッキにより
厚みを増すことが可能なため、ゲートフィーダ10部よ
り細く(30μm程度)することが可能であり、これに
より図3に示すようにソースパッド6間の距離を縮小す
ることができ、バイアホール8に接続されたソースパッ
ド6の数を増やすことが可能となる。
【0018】本実施の形態にかかる半導体装置では、実
施の形態1と同様に、ドレイン側にもバイアホ−ル8を
設けることにより従来の半導体装置に比べ、バイアホ−
ル8が接続されたソースパッド6を2倍に増やすことが
できるとともに、ゲートパッド4、ドレインパッド5を
ソースパッド6より外側に引き出すことにより、実施の
形態1よりも更にバイアホ−ル8の接続されたソースパ
ッド6を増加させることが可能となり、Lsを従来の半
導体装置の1/2以下に低減することが可能となり、高
周波動作時における高出力FETの高利得化を実現する
ことができる。
【0019】実施の形態3.図4に、実施の形態2を更
に発展させ、高性能化を図った実施の形態3にかかる半
導体装置の平面図を示す。図中、図1と同一符号は同一
または相当箇所を示す。本実施の形態3では、Ls低減
化を図るためソースパッド6およびバイアホ−ル8をゲ
ートパッド側およびドレインパッド側の双方に形成する
とともに、ゲートパッド4およびドレインパッド5をソ
ースパッドの外側に形成し、かつ各ゲートパッド及びド
レインパッドを接続して一体化することを特徴とする。
【0020】基本構成は実施の形態2と同様であり、そ
れに加えて個々のゲートパッドおよび個々のドレインパ
ッドが一体化されているため、実施の形態2と同様のL
sの低減効果に加え、従来では各ゲートパッド、ドレイ
ンパッド毎にしか接続できなかった外部と接続するため
のボンディングワイヤを一体化されて面積の広くなった
各パッド部に密に接続することができ、ボンディングワ
イヤ部のインダクタンスの低減を図ることが可能とな
り、この結果、半導体装置全体のインダクタンスが低減
され、最大有能電力利得(Gamax)が向上し、高出力
FETの更なる高性能化を実現することができる。
【0021】実施の形態4.図5に、実施の形態3を更
に発展させ、高性能化を図った実施の形態4にかかる半
導体装置の平面図を示す。図中、図1と同一符号は、同
一または相当箇所を示す。
【0022】本実施の形態4にかかる半導体装置の基本
構成は、実施の形態3と同様であり、加えて、実施の形
態3に示した一体化されたゲートパッド部を抵抗16に
より電気的に分離することを特徴とする。かかる実施の
形態4では、実施の形態3と同様に、ボンディングワイ
ヤの数を増やすことを可能としてボンディングワイヤの
寄生インダクタンスを低減する効果を有するとともに、
各ゲートパッドを電気的に絶縁分離した状態で一体化し
てゲートパッド4が形成されることにより、ゲートから
入力されるRF入力信号において発生するループ発振を
抑制することが可能となる。
【0023】実施の形態5.図6に、実施の形態1を発
展させ、更に高性能化を図った実施の形態4にかかる半
導体装置の平面図を示す。図中、図1と同一符号は、同
一または相当箇所を、また17はスタブ調整領域を示
す。
【0024】実施の形態1では、ゲートパッド4間およ
びドレインパッド5間に、活性層領域を挾んで対向する
ようにバイアホール8が接続されたソースパッド6を設
けていたが、本実施の形態5では、ゲート側、ドレイン
側のソースパッドをそれぞれ図6のように互い違いにな
るように配置することを特徴としている。かかる構造を
採ることにより、ゲートパッド4間には、一つ置きにソ
ースパッド6の無い領域を確保することができ、その領
域をスタブ調整領域17として使用することが可能とな
る。即ち、使用周波数帯域が20GHzを越えるような
ミリ波領域の場合、従来、半導体装置の外部に別途設け
られていたゲート信号整合用のスタブ(図示せず)を、
ゲート1から距離を離さずにゲート1近傍に形成してゲ
ート信号の整合をとった方が、正確かつ容易にスタブの
調整をすることができる。従って、図6に示すように、
ソースパッド6の数を減少することなく、ゲートパッド
4の間にスタブ調整領域17を形成することが可能とな
り、即ちLsを大きくせずに、スタブ調整領域17をゲ
ートパッド4横に形成することが可能となり、入力信号
の整合をゲート近傍にて効果的に行うことが可能とな
る。
【0025】実施の形態6.図7に、実施の形態1を発
展させ、更に高性能化を図った実施の形態6にかかる半
導体装置の平面図を示す。図中、図1と同一符号は、同
一または相当箇所を示す。
【0026】本実施の形態では、実施の形態1におい
て、ゲートパッド4間およびドレインパッド5間に、活
性層領域を挾んで対向するように設けていたソースパッ
ド6を、図7に示すように交互に形成し、ゲートパッド
4とドレイン側のソースパッド6、ドレインパッド5と
ゲート側のソースパッド6が夫々対向するように配置し
ている。かかる構造では、図9の従来構造では平行にで
きなかったソースエアブリッジ7をすべて平行に配置し
て、ソース電極3とソースパッド6を接続することが可
能となり、各ソース電極3の長さの相違によって発生し
ていた、各ソース電極3毎のLsのばらつきを均一にす
ることが可能となる。また、ゲートパッド3とゲートパ
ッド3の間のソースパッド6に対向する位置にドレイン
パッド5が設けられているため、ゲートパッド4に入力
された入力信号が、ドレインパッド5から出力されるま
での経路長が、いずれのゲート電極1においても一定と
なり、出力側の位相をすべて揃えることが可能となる。
【0027】従って本実施の形態では、実施の形態1で
示したようなLsの低減効果を有するのに加え、各ソー
スに発生するLsが均一でかつドレイン出力側の位相が
すべて揃えた半導体装置を実現することができる。
【0028】実施の形態7.図8に、実施の形態6と同
様に、実施の形態1を発展させ、更に高性能化を図った
実施の形態7にかかる半導体装置の平面図を示す。図
中、図1と同一符号は、同一または相当箇所を示す。本
実施の形態では、図8に示すように、ゲートパッド4か
らの入力信号を二つに分割してゲートフィーダへ分配す
る構造となっている。かかる構造をとることによって
も、実施の形態6と同様に、ゲートパッド4に入力され
た入力信号が、ドレインパッド5から出力されるまでの
経路長が、いずれのゲート電極1においても一定とな
り、出力側の位相をすべて揃えることが可能となる。
【0029】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
では、ドレイン電極に接続される配線をエアブリッジ構
造で越えて、ドレイン電極側にもソースパッドを形成す
ることにより、半導体装置に形成するソースパッドの数
を増やすことが可能となり、結果的に、各ソースパッド
に設けられている裏面接地電極に接続されたバイアホー
ルの数を増やすことが可能となり、ソースインダクタン
ス(Ls)を低減し、半導体装置の最大有能電力利得
(Gamax)を大きくすることが可能となる。
【0030】特に、ゲートパッド、ドレインパッドをソ
ースパッドより外側に引き出すことにより、更にバイア
ホ−ルの接続されたソースパッドを増加させることがで
き、高周波動作時における高出力FETの高利得化を実
現することが可能となる。
【0031】また、ゲートパッド、ドレインパッドをそ
れぞれ一体化し、外部と接続するためのボンディングワ
イヤを密に接続することにより、ボンディングワイヤ部
のインダクタンスの低減を図ることができ、半導体装置
全体のインダクタンスが低減され、最大有能電力利得が
向上し、高出力FETの高性能化を実現することが可能
となる。
【0032】特に、上記一体化したゲートパッド構造で
は、各ゲートパッドを電気的に絶縁分離した状態で一体
化することにより、ゲートから入力されるRF入力信号
において発生するループ発振を抑制することが可能とな
る。
【0033】また、本発明では、直線形状のソース電極
を採用することができ、各ソースに発生するLsが均一
で、ドレイン出力側の位相が揃った半導体装置を実現す
ることが可能となる。
【0034】また、ゲートパッドからの入力信号を二つ
に分割してゲートフィーダへ分配することにより、ゲー
トパッドに入力された入力信号の伝達経路長がいずれの
ゲート電極においても一定となり、出力側の位相を揃え
ることが可能となる。
【0035】また、本発明では、ゲートパッド間に一つ
置きにソースパッドの無い領域を確保することができる
ため、その領域をスタブ調整領域として使用することが
でき、入力信号の整合をゲート近傍で効果的に行うこと
が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1にかかる半導体装置の
平面図である。
【図2】 本発明の実施の形態1にかかる半導体装置の
断面側面図である。
【図3】 本発明の実施の形態2にかかる半導体装置の
平面図である。
【図4】 本発明の実施の形態3にかかる半導体装置の
平面図である。
【図5】 本発明の実施の形態4にかかる半導体装置の
平面図である。
【図6】 本発明の実施の形態5にかかる半導体装置の
平面図である。
【図7】 本発明の実施の形態6にかかる半導体装置の
平面図である。
【図8】 本発明の実施の形態7にかかる半導体装置の
平面図である。
【図9】 従来の半導体装置の平面図である。
【図10】 従来の半導体装置の断面側面図である。
【符号の説明】
1 ゲートフィンガー(ゲート電極)、2 ドレイン電
極、3 ソース電極、4 ゲートパッド、5 ドレイン
パッド、6 ソースパッド、7 ソースエアブリッジ配
線、8 バイアホール、9 ゲートフィーダ部、10
ドレインフィーダ部、11 半絶縁性GaAs基板、1
2 裏面ヒートシンクメッキ、13 オーミックメタル
(ソース)、14 配線メタル、15 ソースパッド部
配線メタル、16 抵抗、17 スタブ形成領域、18
ドレインパッド部配線メタル。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−8064(JP,A) 特開 昭62−274806(JP,A) 特開 平7−111271(JP,A) 特開 平7−240369(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/338 H01L 29/80 - 29/812

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 GaAs基板上に、 複数のゲートフィンガ電極と、該各フィンガゲート電極
    を挟むように並列形成された複数のソース電極および複
    数のドレイン電極とからなるマルチフィンガパターンを
    有する活性層領域と、 上記活性層領域の第1の外部領域に上記活性層領域に沿
    って間隔をおいて配設され、上記各ゲートフィンガ電極
    に接続された複数のゲートパッドと、 上記活性層領域を挟んで上記第1の外部領域と対向する
    第2の外部領域に上記活性層領域に沿って間隔をおいて
    配設され、上記各ドレイン電極に接続された複数のドレ
    インパッドと、 上記第1の外部領域および第2の外部領域に上記活性層
    領域に沿って間隔をおいて配設され、上記各ソース電極
    に接続された複数の接地されたソースパッドとを有し、 上記複数のゲートパッドが、直線形状の上記複数のソー
    ス電極と接続した上記第1の外部領域の複数のソースパ
    ッドの間にそれぞれ設けられ、 上記複数のドレインパッドが、上記第1の外部領域の複
    数のソースパッドと未接続の直線形状のソース電極と接
    続した上記第2の外部領域の上記複数のソースパッドの
    間にそれぞれ設けられることを特徴とする半導体装置。
  2. 【請求項2】 上記各ゲートパッドが、上記複数のゲー
    トフィンガ電極に接続され上記活性層領域の上記第1の
    外部領域に該活性層領域に沿って設けられた配線に、上
    記各ゲートパッドからの配線距離が等しくなるような複
    数の配線でそれぞれ接続されることを特徴とする請求項
    1に記載の半導体装置。
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