JP3438308B2 - 鍵盤楽器 - Google Patents

鍵盤楽器

Info

Publication number
JP3438308B2
JP3438308B2 JP08572294A JP8572294A JP3438308B2 JP 3438308 B2 JP3438308 B2 JP 3438308B2 JP 08572294 A JP08572294 A JP 08572294A JP 8572294 A JP8572294 A JP 8572294A JP 3438308 B2 JP3438308 B2 JP 3438308B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hammer
key
string
optical sensor
performance
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP08572294A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH07271347A (ja
Inventor
伸郎 杉山
潔 河村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yamaha Corp
Original Assignee
Yamaha Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yamaha Corp filed Critical Yamaha Corp
Priority to JP08572294A priority Critical patent/JP3438308B2/ja
Priority to US08/411,551 priority patent/US5552559A/en
Publication of JPH07271347A publication Critical patent/JPH07271347A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3438308B2 publication Critical patent/JP3438308B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G10MUSICAL INSTRUMENTS; ACOUSTICS
    • G10CPIANOS, HARPSICHORDS, SPINETS OR SIMILAR STRINGED MUSICAL INSTRUMENTS WITH ONE OR MORE KEYBOARDS
    • G10C3/00Details or accessories
    • G10C3/16Actions

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、通常の演奏と押鍵し
ても打弦しない消音演奏とを行うことができるピアノ等
の鍵盤楽器に係わり、特に、消音演奏時と通常演奏時に
おける押鍵の検出を正確に行うことができる鍵盤楽器に
関する。
【0002】
【従来の技術】上記のような消音演奏ピアノは、押鍵に
より回動したハンマが弦に当たる手前でハンマアッセン
ブリのそれ以上の回動を阻止する機構を備えている。こ
のような消音機構を使用する消音演奏では、打弦音を発
生しない代わりに鍵等の動作をセンサで検知し、押鍵に
対応した音高および強弱を持った楽音を電子的に発生す
ることができるようになっている。従来の消音機構付き
ピアノにおいては、例えば光センサなどのセンサを各鍵
の下側に配置し、このセンサで鍵の下面に取り付けたシ
ャッタの動作のタイミングおよび動作速度を検出するキ
ーセンサ方式が採用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、鍵の操
作とハンマの動作とは必ずしも一致しないため、上記キ
ーセンサ方式では、連打などの特殊な打鍵を行った場合
に発音のタイミングがずれたり楽音の強弱が不正確にな
ったりするという問題があった。たとえば、鍵を小刻み
に動かして連打する場合には、打鍵ストロークが短いた
めアコースティックピアノではさほど大きな楽音は発生
しないが、鍵の動作速度が速いためキーセンサ方式では
その速度に応じた大きな楽音を発生してしまうことがあ
る。そこで、自動ピアノなどで採用されているハンマの
動作を検出するハンマセンサ方式を消音演奏ピアノに適
用することが考えられる。しかしながら、消音演奏ピア
ノでは通常演奏時と消音演奏時とでハンマの回動端の位
置が異なるため、たとえば、ハンマの検出位置を消音演
奏の状態で設定すると、通常演奏時では打弦のかなり手
前でハンマが検出されることになり、通常演奏の記録が
不正確になってしまうという問題があった。
【0004】
【発明の目的】この発明は上記従来のキーセンサ方式の
問題を解決するためになされたもので、消音演奏におい
て通常演奏時と変わらない楽音を発生することができ、
しかも、通常演奏が行われた場合にその演奏を正確に記
録することができる鍵盤楽器を提供することを目的とし
ている。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の鍵盤楽
器は、鍵と、この鍵が押されたときに回動して対応する
弦を打撃するハンマ機構と、このハンマ機構が所定以上
回動するのを阻止することにより、ハンマ機構のハンマ
が弦を打撃しない状態を選択することができる消音手段
と、ハンマが弦を打撃する手前の所定位置においてハン
マ機構の所定箇所を検出する検出手段とを備え、検出手
段に、ハンマが弦を打撃する手前でハンマ機構の所定箇
所を検出する第1の検出位置と、ハンマ機構が回動する
のを阻止される位置よりも手前の所定位置においてハン
マ機構の所定箇所を検出する第2の検出位置とのいずれ
かを選択する選択手段を具備したことを特徴としてい
る。
【0006】請求項2に記載の鍵盤楽器は、検出手段
に、ハンマ機構のハンマシャンクに設けられたシャッタ
部材と、このシャッタ部材により光軸が横切られる光セ
ンサとを具備し、選択手段は、鍵とハンマ機構の中間に
配置され、かつ、下端部が鍵盤楽器のフレームに回動可
能に支持されることにより上端部がハンマ機構側および
その反対側へ向けて回動可能とされた枠体を具備し、こ
の枠体の上端部に光センサを設けたことを特徴としてい
る。
【0007】請求項3に記載の鍵盤楽器は、検出手段
に、ハンマ機構のハンマシャンクに設けられたシャッタ
部材と、このシャッタ部材により光軸が横切られる光セ
ンサとを具備し、選択手段は、鍵とハンマ機構の中間に
配置され、かつ、鍵盤楽器のフレームにハンマ機構側お
よびその反対側へ摺動可能に支持された枠体を具備し、
この枠体の上端部に光センサを設けたことを特徴として
いる。
【0008】請求項4に記載の鍵盤楽器は、検出手段
に、ハンマ機構のハンマシャンクに設けられたシャッタ
部材と、このシャッタ部材により光軸が横切られる光セ
ンサとを具備し、シャッタ部材は、打弦による演奏時に
光軸を横切る第1の縁部と、この第1の縁部よりも弦寄
りに位置することにより、打弦を行わない消音演奏時に
光軸を横切る第2の縁部とを有し、光センサは、第1の
縁部に光軸が横切られる第1の光センサと、第2の縁部
に光軸が横切られる第2の光センサとを有することを特
徴としている。
【0009】請求項5に記載の鍵盤楽器は、検出手段
に、ハンマ機構のハンマシャンクに設けられたシャッタ
部材と、このシャッタ部材により光軸が横切られる光セ
ンサとを具備し、シャッタ部材は、その回動方向に向け
て連設された複数のスリットを有し、選択手段は、消音
手段を用いた消音演奏状態のときにシャッタの先端縁に
より光センサが遮光されるタイミングとスリットのうち
先端縁側に位置するものが光軸を横切ることにより遮光
状態が解除されるタイミングとを検出する第2の検出位
置と、消音手段を用いない通常演奏状態のときに上記先
端縁側のスリットよりも後端側に位置するスリットの縁
部により光センサが遮光されるタイミングと、上記スリ
ットが光軸を横切ることにより遮光が解除されるタイミ
ングとを検出する第1の検出位置とを選択するコントロ
ーラを有することを特徴ととしている。
【0010】請求項6に記載の鍵盤楽器は、検出手段
に、ハンマ機構のハンマシャンクにその軸方向に互いに
離間して設けられた第1のシャッタ部材および第2のシ
ャッタ部材と、打弦による演奏時に第1のシャッタによ
り光軸が横切られる第1の光センサと、この第1の光セ
ンサよりも弦寄りに位置することにより、打弦を行わな
い消音演奏時に第2のシャッタにより光軸が横切られる
第2の光センサとを具備したことを特徴としている。
【0011】請求項7に記載の鍵盤楽器は、鍵と、この
鍵が押されたときに回動して対応する弦を打撃するハン
マ機構と、このハンマ機構が所定以上回動するのを阻止
することにより、ハンマ機構のハンマが上記弦を打撃し
ない状態を選択することができる消音手段と、上記ハン
マが上記弦を打撃する手前の所定位置において上記ハン
マ機構の所定箇所を検出する検出手段とを備え、上記検
出手段に、上記ハンマが上記弦を打撃する手前で上記ハ
ンマ機構の所定箇所を検出する第1の検出位置と、ハン
マ機構が回動するのを阻止される位置よりも手前の所定
位置において上記ハンマ機構の所定箇所を検出する第2
の検出位置とのいずれかを選択する選択手段を設けると
ともに、上記検出手段が、上記第2の検出位置において
上記ハンマの所定箇所を検出した場合は、その検出タイ
ミングを所定時間遅らせた検出信号を出力する検出タイ
ミング遅延手段を具備していることを特徴とする。
【0012】
【作用】請求項1に記載の鍵盤楽器にあっては、通常演
奏時には、第1の検出位置を選択することにより、ハン
マが弦を打撃する手前でハンマ機構の所定箇所を検出す
ることができる。また、消音演奏時には、第2の検出位
置を選択することにより、ハンマ機構がそれ以上回動す
るのを阻止される位置よりも手前の所定位置においてハ
ンマ機構の所定箇所を検出することができる。このよう
に、上記構成の鍵盤楽器にあっては、通常演奏および消
音演奏のそれぞれの場合においてハンマ機構の回動端直
前でその検出を行うことができるので、ハンマ機構の動
作を正確に検出することができる。よって、消音演奏状
態では電子的手段により通常演奏時と変わらない楽音を
発生することができ、通常演奏状態ではその演奏を正確
に記録することができる。
【0013】また、請求項2に記載の鍵盤楽器にあって
は、光センサを回動させて第1、第2の検出位置を選択
する構成であり、また、請求項3に記載の鍵盤楽器にあ
っては、光センサを摺動させて第1、第2の検出位置を
選択する構成であるため、検出位置が2カ所であるにも
拘わらずシャッタおよび光センサを1組しか必要とせ
ず、したがって、故障の少ない信頼性に優れた鍵盤楽器
を提供することができる。
【0014】また、請求項4に記載の鍵盤楽器にあって
は、光センサの光軸を横切るシャッタの縁部を2段に構
成し、一方の縁部を消音演奏用、他方の縁部を通常演奏
用として使用するから、光センサの移動機構を必要とせ
ず、機械的構成が簡略化され保守点検等の労力を低減す
ることができる。
【0015】また、請求項5に記載の鍵盤楽器にあって
は、シャッタに複数のスリットを設け、このようなスリ
ットにより繰り返される光センサの遮光および受光のう
ちから、通常演奏状態または消音演奏状態で検出すべき
遮光および受光のタイミングをコントローラで検出する
から、光センサの移動機構を必要としないばかりか光セ
ンサも1つで足り、したがって、構成が一層簡略化さ
れ、製造コストおよび保守点検費用を大幅に低減するこ
とができる。さらに、遮光と受光のタイミングの時間的
ずれに基づいてハンマ機構の打弦速度を計算することが
できるので、ハンマ機構の動作をよりリアルに検出する
ことができる。
【0016】また、請求項6に記載の鍵盤楽器にあって
は、シャッタおよび光センサを消音演奏用と通常演奏用
とに別個に配置しているから、それぞれの演奏状態での
検出位置を別個に調整することができ、その調整作業を
容易に行うことができる。
【0017】また、請求項7に記載の鍵盤楽器にあって
は、第2の検出位置において上記ハンマの所定箇所が検
出された場合は、その検出タイミングを所定時間遅延さ
せた検出信号が出力されるので、上記第1、第2の検出
位置における検出タイミングを一致させることができ
る。
【0018】
【実施例】A.第1実施例 以下、この発明の第1実施例を図1ないし図6を参照し
ながら説明する。図1および図2は、アップライトピア
ノの1つの鍵の動作をハンマに伝達して弦を打撃するハ
ンマアクション部の構成を示し、図1は通常演奏状態の
初期位置を示す側断面図、図2は消音演奏状態の初期位
置を示す側断面図である。また、図1および図2におい
て(B)は、(A)の矢印B方向矢視である。図に示す
ハンマアクション部は、鍵10と、この鍵10の動作に
より駆動される打弦機構20と、この打弦機構20の動
作により駆動されて弦Sを打撃するハンマアッセンブリ
40と、弦Sを押すダンパー機構50とから概略構成さ
れている。鍵10は、棚板11の上面に配置されて鍵盤
の全長にわたって延在する支持部材(図示せず)に回動
自在に支持されている。そして、押鍵することにより鍵
10の後端部(図1において右端部)が上昇し、そこに
取り付けたキャプスタン12が以下に述べる打弦機構2
0を押し上げるようになってる。
【0019】図において符号15はアクションブラケッ
トであり、このアクションブラケット15は、アップラ
イトピアノの両側およびそれらの中間部の複数位置に配
置されている。アクションブラケット15にはセンター
レール16が架設され、これらアクションブラケット1
5とセンターレール16とによってハンマアクション部
の骨組みが構成されている。センターレール16の下端
部には、各鍵10について1個づつウイペンフレンジ2
2が取り付けられている。ウイペンフレンジ22の下端
部には、長手方向をアップライトピアノの前後方向へ向
けたウイペン23の一端部がピン22aによって回動自
在に支持されている。ウイペン23は板状をなし、その
他端部の下面にはウイペンヒール24が取り付けられて
いる。ウイペンヒール24は、その下面がキャプスタン
12に支持されることにより、ウイペン23を略水平な
初期位置に保っている。
【0020】また、ウイペン23には、上方へ向けて突
出するジャックフレンジ25が取り付けられ、ジャック
フレンジ25の上端部には、略L字状をなすジャック2
6がその屈曲部近傍において回動自在に支持されてい
る。ジャック26は、斜め上方に向けて延在するジャッ
ク大26aと、このジャック大26aに対してほぼ直交
するジャック小26aとから構成されている。ジャック
26は、ウイペン23に取り付けたジャックスプリング
27によりジャック小26bが押し上げられることによ
り、図中時計回りの回転方向に付勢されている。また、
ジャック26は、センターレール16にジャックストッ
プレール28を介して取り付けられたジャックストップ
フェルト29により、その回動範囲が規制されている。
なお、ジャックストップフェルト29の位置は、ジャッ
クストップレールスクリュー30を回転させることによ
り調整可能となっている。
【0021】一方、センターレール16には、ブラケッ
ト31を介して鍵盤10の全長にわたって延在するレギ
ュレーティングレール32が取り付けられている。レギ
ュレーティングレール32には、スクリュウ33により
上下方向の位置が調整可能とされたレギュレーティング
ボタン34が取り付けられ、レギュレーティングボタン
34の下端面には、ウイペン23が所定位置まで回動し
たときにジャック小26bの先端部が当接するフェルト
パッド35が取り付けられている。
【0022】次に、図中符号41はハンマアッセンブリ
40の基部を構成するバットである。バット41は、セ
ンターレール16に取り付けたバットフレンジ42にセ
ンターピン42aを介して回転自在に取り付けられてい
る。バット41には、斜め上方へ向けて延在するハンマ
シャンク43が取り付けられ、ハンマシャンク43の上
端部にはハンマ44が取り付けられている。また、バッ
ト41には、ハンマシャンク43と略直交するキャッチ
ャシャンク45が取り付けられ、キャッチャシャンク4
5の先端部にはキャッチャ46が取り付けられている。
また、バット41の右上端部には、これを反時計回りの
回転方向へ付勢するバットスプリング47が取り付けら
れている。さらに、バット41の下面には、バットアン
ダーフェルト41aとこれを覆うバットアンダークロス
41bとが取り付けられ、バットアンダークロス41b
にはジャック大26aの上端面が当接している。
【0023】一方、アクションブラケット15には鍵盤
の全長にわたって延在するハンマレール36がハンマレ
ールヒンジ36aを介して取り付けられている。ハンマ
レール36には、プランジャ37がハンマアッセンブリ
40毎に取り付けられている。このプランジャ37は、
ホルダー37aにより軸方向へ移動可能に支持され、か
つ、その内側の端部がホルダー37a内に設けたゴムな
どの吸振性の充填部材(図示せず)に支持されている。
この構成のもとに、打弦して跳ね返されたハンマ44の
ハンマシャンク43はプランジャ37に当接し、ホルダ
ー37a内の充填部材がハンマ44の運動エネルギーを
吸収してハンマシャンク43の跳ね返りを防止するよう
になっている。なお、ハンマレールヒンジ36aは、後
述するキャッチャー46用ストッパ66を避けるために
L字状に形成されている。そして、ハンマアッセンブリ
40は、バットスプリング47の付勢力により、そのハ
ンマシャンク43をプランジャ37に当接させた初期位
置に保持されている。また、ウイペン23の自由端に
は、初期位置へ回動復帰するハンマアッセンブリ40の
キャッチャ46を弾性的に受けとめるバックチェック3
8が取り付けられている。さらに、バックチェック38
の隣には、ブライドルワイヤ39aが取り付けられ、ブ
ライドルワイヤ39aの上端部とキャッチャ46とはブ
ライドルテープ39bで連結されている。ブライドルテ
ープ39bは、ハンマアッセンブリ40の回動復帰をウ
イペン23の回動復帰に追従させることにより、ハンマ
アッセンブリ40の跳ね返りに起因する弦Sの二度打ち
を防止するためのものである。
【0024】次に、センターフレーム16には、長手方
向を上下方向へ向けたダンパーレバー51が図示しない
ダンパーレバーフレンジによって回動自在に支持され、
ダンパーレバー51の上端部には、ダンパーワイヤ52
を介してダンパー53が取り付けられている。ダンパー
レバー51は、これとダンパーレバーフレンジに取り付
けたダンパーレバースプリング54によって時計回りの
回動方向へ付勢され、これにより、通常はダンパー53
が弦Sを押さえて他の弦Sが打弦されたときの共振を防
止している。一方、押鍵によりウイペン23が時計方向
へ回動すると、ウイペンに取り付けたダンパースプーン
55がダンパーレバー51をダンパーレバースプリング
54の付勢力に抗して反時計回りの方向へ回転させ、ダ
ンパー53を弦Sから離間させる。その後、ハンマ44
が弦Sを打撃して打弦音が発生する。なお、図中符号5
6はダンパーロッドであり、このダンパーロッド56
は、たとえば、ペダルで駆動されることにより全てのダ
ンパー53を弦Sから離間させるものである。
【0025】以上はアップライトピアノにおけるハンマ
アクション部の一般的な構成であるが、本発明の実施例
に係るハンマアクション部は、上記構成に加えて以下の
消音機構60を有している。すなわち、各アクションブ
ラケット15の側面には取付金具61が取り付けられ、
取付金具61には軸受62が取り付けられている。な
お、図中符号62aは軸受62の内張りであり、この内
張り62aは例えばフェルトで構成されている。軸受6
2には、軸63が回転自在に支持されている。消音機構
60は、後述するハンマセンサユニット72と同様に、
レバー64を鍵盤の下側に配置したペダルあるいはノブ
で操作することにより機械的に軸63を回転させるよう
にしてもよく(図4(C)参照)、軸63をモータ等を用
いて電気的に回転させるようにしてもよい(図4(A)参
照)。また、軸63の外周面には、スペーサ65を介し
てストッパ66が固定されている。ストッパ66は、例
えばフェルトなどで構成されたクッション材66aと合
成皮革などで構成されたパット66bとからなってい
る。このように構成された消音機構60においては、ス
トッパ66を水平方向へ向けることにより、ハンマアッ
センブリ40の通常の回動が許容される通常演奏状態と
することができる。一方、図1に示す状態から軸63を
回転させてストッパ66を下方へ向けることにより、回
動するキャッチャ46がストッパ66に当接し、ハンマ
アッセンブリ40のそれ以上の回動が阻止される消音演
奏状態とすることができる。
【0026】さらに、この実施例のアップライトピアノ
には、ハンマアッセンブリ40の動作を検出するハンマ
検出部(検出手段)70が備えられている。すなわち、
ハンマシャンク43の軸方向中間部には、シャッタ71
が取り付けられている。シャッタ71はL字状をなし、
その先端部には素材を矩形状に切り欠いて窓(スリッ
ト)71aが形成されている。一方、センターレール1
6の上面には、図3に詳細に示すハンマセンサユニット
(選択手段)72が取り付けられている。図3に示すよ
うに、センターレール16の上面には複数の軸受73が
互いに所定間隔離間して取り付けられている。図5は軸
受73の詳細を示す組立図である。図に示すように、軸
受73は、センターレール16に形成したネジ孔16a
に螺合するネジ73aで取り付けられた座板73bと、
この座板73bにネジ73cで取り付けられ、中央部が
円弧状に盛り上がった支持部73dと、フェルトなどの
布で構成された内張り73eとから構成されている。こ
の軸受73には鍵盤の全長にわたって延在する軸74が
回転自在に支持されている。軸74には、複数の支柱7
5,…が軸受73に隣接して固定されている。なお、ハ
ンマアクション部は、図4(A)に示すように、低音部
L、中音部Mおよび高音部Hの3つのセクションに区分
され、各セクションどうしの間にはアップライトピアノ
のフレーム、アクションブラケットなどが配置される隙
間が設けられている。そして、支柱75はそのような隙
間に配置されている。
【0027】支柱75,…の上端部にはケーシング76
が取り付けられている。ケーシング76は、側断面形状
がコ字状をなし、その側面にはシャッタ71が挿通され
るスリット76aが形成されている。ケーシング76の
内側には、光センサ77がその発光部と受光部とでスリ
ット76aを挟むようにして取り付けられている。光セ
ンサ77の発光部および受光部には、光軸を共通にした
光ファイバの端面が露出しており、この光ファイバの他
方の端面は、各々、コントローラ(図示略)に設けられ
た発光素子あるいは受光素子に対向している。これによ
り、発光素子で発光させられた光は、発光用の光ファイ
バを介して発光部に導かれ、発光部から受光部に向けて
一定光量の光が投射されている。また、受光部で受光さ
れた光は、受光用のファイバを介して受光素子に導か
れ、受光部における受光状態が検出される。なお、図中
符号78はダンパーワイヤ52を弾性的に受けとめるフ
ェルトである。
【0028】このように構成されたハンマセンサユニッ
ト72は、たとえば図4(A)に示すように、アクショ
ンブラケット15に取り付けられたモータ79を軸74
に接続することにより所定角度の範囲で回動可能に構成
される。あるいは、図4(C)に示すように、軸74の
端部にレバー80を取り付け、このレバー80を鍵盤の
下側に配置したペダル81で操作することにより軸74
を回動させるように構成することもできる。この場合に
は、図4(C)に示すように、レバー80の一端部は、
ネジ82でアクションブラケット15に取り付けた引張
バネ83に取り付けられる一方、レバー80の他端部
は、ワイヤ84a,84b,84cおよびリンクプレー
ト85a,85bを介してペダル81に接続される。そ
して、ハンマセンサユニット72は、その軸74を中心
に回動させることにより、図1に示す通常演奏状態と、
図1に示す状態からハンマアクション部側へ所定角度傾
斜した消音演奏状態という2種類の姿勢をとることがで
きるようになっている。
【0029】次に、上記構成のアップライトピアノの動
作について説明する。押鍵が行われるとウイペン23は
キャプスタン12によって突き上げられ、ピン22aを
中心として時計回りに回動する。これにより、ジャック
大26aがバット41を突き上げてハンマアッセンブリ
40を時計回りの方向へ回転させ、ハンマ44が押鍵さ
れた鍵10に対応する弦Sを打撃する。この打弦操作時
において、ジャック26は、その回動途中にジャック小
26bがレギュレーティングボタン34に当接すること
によりそれ以上の時計方向への回動が阻まれる。一方、
ウイペン23は回動を継続しているため、ジャック26
は、レギュレーティングボタン34を支点としてウイペ
ン23に対して反時計方向へ相対的に回動し、これによ
り、ジャック大26bの上端面がバット41の下面から
図中左方向へ逃げ、バット41との非当接位置に移動す
る。そして、ハンマ44による打弦後のハンマアッセン
ブリ40の回動復帰の動作は、キャッチャー46がバッ
クチェック38に当接することにより一時的に停止さ
れ、その間にジャック26は、鍵10の復帰動作に伴う
ウイペン23の回動復帰に連動し、ジャック大26bの
上端部は再びバット41の下部に入り込み、次の打弦動
作を可能にする。
【0030】上記したハンマ44の打弦タイミングおよ
び速度は、次のようにしてハンマ検出部70により検出
される。ハンマ44が弦Sに近づくとハンマシャンク4
3に取り付けたシャッタ71がハンマセンサーユニット
72のケーシング76のスリット76aに挿入され、図
6に一点鎖線で示すように、シャッタ71の先端縁が光
センサ77の光軸Pを横切る。この結果、光センサ77
の受光部が遮光され、その遮光タイミングがコントロー
ラによって検出される。そのときのハンマ44およびハ
ンマシャンク43の位置を図6においてM1で示す。そ
の後、ハンマシャンク43がさらに回動し、図6に二点
鎖線で示すように、シャッタ71の窓71aが光軸Pを
横切る。この結果、光センサ77の受光部が再び受光状
態になり、その受光タイミングがコントローラによって
検出される。そのときのハンマ44およびハンマシャン
ク43の位置をM2で示す。
【0031】以上のようにして、コントローラにおいて
は、光センサ77の遮光タイミングと受光タイミングと
が検出される。そして、受光タイミングを打弦タイミン
グHtとして出力するとともに、遮光から受光までの時
間から打弦速度Hvを算出して出力する。この打弦タイ
ミングHtと打弦速度Hvは、押下された鍵10を示す
キーコードおよびデータの発生タイミングを示す時間デ
ータとともに、演奏情報としてメモリに記録されるよう
になっている。なお、離鍵のタイミングの検出は従来と
同様にキーセンサにより行い、離された鍵10を示すキ
ーコードおよび離鍵されたタイミングを示す時間データ
とともに、演奏情報としてメモリに記録されるようにな
っている。
【0032】ここで、打弦タイミングの検出および打弦
速度の検出は、上述したような光センサ77の受光部が
遮光状態から再び受光状態になったタイミングに応じて
行うようにしなくてもよく、鍵10が押下されてシャッ
タ71の窓71aが光軸Pを横切り、光センサ77の受
光部が遮光状態から受光状態になった後に再び遮光状態
になったタイミングに応じて行うようにしてもよい。
【0033】次に、消音演奏状態にするには、まず、ス
トッパ66を図1の水平状態から回転させて図2に示す
ように下方へ向けるとともに、ハンマセンサユニット7
2をハンマアクション部側へ所定角度回動させる。この
状態で押鍵が行われると、ウイペン23はキャプスタン
12によって突き上げられ、ピン22aを中心として時
計回りに回動する。これにより、ジャック大26aがバ
ット41を突き上げてハンマアッセンブリ40を時計回
りの方向へ回転させる。次に、ジャック小26bがレギ
ュレーティングボタン34に当接することにより、ジャ
ック大26bの上端面がバット41の下面から図中左方
向へ逃げる。その間、ハンマアッセンブリ40は慣性力
で回動を続けるが、弦Sに当たる手前でキャッチャー4
6がストッパ66に当接し、反時計回りの方向へ跳ね返
される。その後のハンマアッセンブリ40等の復帰動作
は通常演奏の場合と同じである。
【0034】消音演奏の場合には、ハンマ44は弦Sに
当たる手前で跳ね返されるが、上記のようにハンマセン
サユニット72がハンマアッセンブリ40側へ傾けられ
ているので、通常演奏の場合と同様に、シャッタ71の
先端縁および窓71aは、光センサ77の光軸Pを通過
する。例えば、図6のMS1およびMS2は、シャッタ
71により光センサ77の光軸Pが遮られたときおよび
窓71aが横切って再び受光されたときのハンマ44の
先端部の位置を示す。この結果、コントローラは、前述
した場合と全く同様にして、打弦タイミングHtおよび
打弦速度Hvを検出する。そして、この打弦タイミング
Htおよび打弦速度Hvは、操作された鍵を示すキーコ
ードとともに音源回路(図示略)に供給され、これによ
り、鍵操作に対応した楽音信号が発せられる。したがっ
て、演奏者は、ヘッドホン等により自己の演奏を聞くこ
とができる。この場合、音源が発生する楽音信号を、当
該アップライトピアノの楽音波形と同様に設定しておけ
ば、演奏者は通常演奏のときと同様の楽音をヘッドホン
を介して聞くことができる。このように、ハンマ44
は、MS2で示す位置を通過した直後に跳ね返されるの
で、打弦音は発生しないが同様の楽音をヘッドホン等に
より聞くことができる。
【0035】また、消音演奏の場合においても、通常演
奏の場合と同様に、打弦タイミングHt、打弦速度Hv
および離鍵タイミングは、キーコードおよび時間データ
とともに演奏情報としてメモリに記憶されるようになっ
ている。これにより、通常演奏の場合のみならず、消音
演奏の場合においても、演奏の記録を行うことができ
る。
【0036】上記構成のアップライトピアノでは、通常
演奏時にはハンマ44が弦Sに当たる直前の第1の検出
位置、消音演奏時にはハンマアッセンブリ40がストッ
パ66で跳ね返される直前の第2の検出位置に配置する
ように構成しているので、通常演奏においては実際の演
奏とほぼ同じ演奏情報を記録することができる。また、
消音演奏時においては、連打等の特殊な打鍵を行って
も、通常演奏と変わらないタイミングおよび強弱の楽音
を発生することができる。
【0037】特に上記実施例では、ハンマセンサユニッ
ト72を回動可能に構成することにより、ハンマセンサ
ユニット72が通常演奏時の第1の検出位置と消音演奏
時の第2の検出位置に配置されるように構成しているの
で、検出位置が2カ所あるにも拘わらず1つのシャッタ
71および光センサ77でハンマセンサユニット72を
構成することができ、したがって、故障が少なく信頼性
の高いアップライトピアノを提供することができる。
【0038】なお、上記実施例においては、消音演奏時
にハンマの先端がストッパに当接して跳ね返される位置
(以下、「ストップ位置」と称する)の直前のMS2を
通過した時点に打弦タイミングHtを発生するようにし
て、ストップ位置にハンマ44が到達するタイミングと
打弦タイミングHtが発生されるタイミングとを略一致
させるようにしている。しかしながら、ストッパ66の
取付位置にばらつきがある場合には、ストップ位置とM
S2との間の距離が各鍵10毎に異なってしまい、スト
ップ位置にハンマ44が到達するタイミングと打弦タイ
ミングHtが発生されるタイミングとが一致しなくな
る。そこで、このような場合には、ストップ位置とMS
2との間の距離に応じて打弦タイミングHtの発生を遅
延させるようにすればよい。遅延させる時間は、ストッ
プ位置とMS2との距離を実測し、この距離を打弦速度
により除算して求める等すればよい。
【0039】B.第2実施例 次に、本発明の第2実施例について図7を参照して説明
する。この図に示すアップライトピアノは、ハンマセン
サユニット90をハンマアッセンブリ40と弦Sとの中
間に配置し、ハンマセンサユニット90をそれらの方向
へ摺動可能に配置した点のみにおいて前記実施例と異な
っている。よって、前記実施例と同等の構成要素には同
符号を付してその説明を省略する。図7に示すように、
センターレール16には基台91が取り付けられてい
る。基台91は断面形状がコ字状をなし、その内部に
は、センターレール16の長手方向と直交する水平な軸
92が複数取り付けられている(図では1つのみ示
す)。そして、この軸92には、以下の構成を有するハ
ンマセンサユニット90がその軸方向に摺動自在に取り
付けられている。すなわち、軸92にはスライダ93が
軸方向に摺動自在に取り付けられ、スライダ92にはブ
ラケット92aが取り付けられている。ブラケット92
aには、断面略コ字状をなすケーシング94が取り付け
られ、ケーシング94の内側には光センサ95が取り付
けられている。また、ケーシング94の下側には、光セ
ンサ95に取り付けた光ファイバを支持するためのチュ
ーブ96が取り付けられている。なお、図示はしないが
ケーシング94には前記実施例と同様にシャッタ71が
挿通されるスリットが形成されている。
【0040】上記のように構成されたハンマセンサユニ
ット90は、図示しないコイルスプリング等の弾性部材
によって弦S側へ付勢され、センターレール16等にブ
ラケット97を介して取り付けられたストッパ98に当
接させられることにより、通常演奏時のハンマシャンク
43の動作を検出する第1の検出位置に位置している。
一方、コントローラ200には、鍵盤の下側などに配置
されたノブ(図示せず)に接続されたワイヤ99の端部
が取り付けられ、ノブを引いてハンマセンサユニット9
0をハンマアッセンブリ40側へ移動させ、基台91に
取り付けたストッパ91aに当接させられることによ
り、消音演奏時のハンマシャンク43の動作を検出する
第2の検出位置に移動させられる。そして、このような
アップライトピアノにおいても前記実施例と同等の効果
を奏することができる。
【0041】C.第3実施例 次に、本発明の第3実施例について図8を参照しながら
説明する。この実施例のアップライトピアノは、ハンマ
センサユニット100の位置を固定したもので、ハンマ
センサユニット100のケーシング101はその両側で
アクションブラケット15に取り付けた固定具17に取
り付けられている。そして、このアップライトピアノ
は、第1、第2の検出位置を得るために、シャッタ10
2を、弦S側に突出した上半部(以下、「シャッタ上」
と称する)102aと、一段奥まった下半部(以下、
「シャッタ下」と称する)102bの2段に形成すると
ともに、光センサ103,103を上下に2列配置した
もので、シャッタ上102aで消音演奏時におけるハン
マシャンク43の動作、シャッタ下102bで通常演奏
時のハンマシャンク43の動作を検出するように構成し
たものである。なお、図中符号102cは窓である。
【0042】ここで、シャッタ上102aの先端は、ハ
ンマ44の先端がMS1の位置に来たときに光軸を遮光
し、シャッタ上102aの窓102cは、ハンマ44の
先端がMS2の位置に来たときに光センサ103を受光
状態にする。また、シャッタ下102bの先端は、ハン
マ44の先端がM1の位置に来たときに光センサ103
の光軸を遮光し、シャッタ下102bの窓102cは、
ハンマ44の先端がM2の位置に来たときに光センサ1
03を受光状態にする。これにより、鍵10を押下する
と、まず、シャッタ上102aの先端が光軸を遮光し、
次に、シャッタ下102bの先端が光軸を遮光し、続い
て、シャッタ上102aの窓102cが光センサ103
を受光状態にし、最後に、シャッタ下102bの窓10
2cが光センサ103を受光状態にする。そして、通常
演奏時と消音演奏時とで使用する光センサ103を切り
替えることにより、それぞれの演奏状態でハンマシャン
ク43の動作の検出を行うことができるようになってい
る。
【0043】この実施例でも前記実施例と同等の効果を
得ることができる。特に、この実施例では、ハンマセン
サユニット100を移動させる機構を必要としないの
で、機械的な構成が簡略化され調整作業を容易に行うこ
とができるという利点がある。
【0044】D.第4実施例 次に、本発明の第4実施例について図9を参照しながら
説明する。図9に示すアップライトピアノもハンマセン
サユニット110を取付具17に固定したものである。
このアップライトピアノは、シャッタ111に2つの窓
111a,111bを互いに離間して形成し、光センサ
112を1列配置したものである。そして、消音演奏時
には、シャッタ111の先端縁が光センサ112の光軸
を横切ったときに光センサ111の受光部が遮光され、
その遮光タイミングがコントローラ200によって検出
される。次に、窓111aが光軸を横切ると受光部が再
び受光状態になり、その受光タイミングがコントローラ
200によって検出される。
【0045】一方、通常演奏時には、コントローラ20
0は上記遮光タイミングおよび受光タイミングを検出し
てもこれを出力しないように制御する。その代わりに、
窓111aの縁部が光軸を横切って受光部が遮光された
ときのタイミングと、窓111bが光軸を横切って受光
部が受光状態となるタイミングに基づき、打弦タイミン
グHtと打弦速度Hvを出力する。
【0046】上記構成のアップライトピアノにおいても
機械的構成が簡略化され、調整作業を容易に行うことが
できるのは勿論のこと、ハンマセンサユニット110の
移動機構を必要としないばかりか、光センサ111も1
列だけ配置すれば良いので、構成が一層簡略化され、製
造コストおよび保守点検費用を大幅に低減することがで
きるという利点がある。
【0047】E.第5実施例 次に、本発明の第5実施例について図10を参照しがら
説明する。この図に示すアップライトピアノは、ハンマ
センサユニット120を取付具17に固定したもので、
通常演奏用のシャッタ121(以下、「シャッタ下」と
称する)と消音演奏用のシャッタ(以下、「シャッタ
上」と称する)122とをハンマシャンク43の軸方向
に互いに離間して配置し、これらシャッタ下121、お
よびシャッタ上122の位置に合わせて光センサ12
3,124を配置して概略構成されている。なお、図中
符号121a,122aは窓である。
【0048】ここで、シャッタ上122の先端は、ハン
マ44の先端がMS1の位置に来たときに光センサ12
4の光軸を遮光し、シャッタ上122の窓122aは、
ハンマ44の先端がMS2の位置に来たときに光センサ
124を受光状態にする。また、シャッタ下121の先
端は、ハンマ44の先端がM1の位置に来たときに光セ
ンサ123の光軸を遮光し、シャッタ121下の窓12
1aは、ハンマ44の先端がM2の位置に来たときに光
センサ123を受光状態にする。これにより、鍵10を
押下すると、まず、シャッタ上122の先端が光軸を遮
光し、次に、シャッタ下121の先端が光軸を遮光し、
続いて、シャッタ上122の窓122aが光センサ12
4を受光状態にし、最後に、シャッタ下121の窓12
1aが光センサ123を受光状態にする。そして、通常
演奏時と消音演奏時とで使用する光センサ123,12
4を切り替えることにより、それぞれの演奏状態でハン
マシャンク43の動作の検出を行うことができるように
なっている。
【0049】上記構成のアップライトピアノにおいても
機械的構成が簡略化されるという利点がある。特に上記
実施例では、2つのシャッタ121,122と2つの光
センサ123,124によりハンマセンサユニット12
0を構成しているので、通常演奏時と消音演奏時のハン
マシャンク43の検出位置の調整を個別に行うことがで
き、その調整作業を容易に行うことができるという利点
がある。
【0050】F.第6実施例 次に、図11を参照して本発明の第6実施例について説
明する。この実施例は、図11に示すように、キャッチ
ャー46の動作を検出するように構成したものである。
このアップライトピアノでは、キャッチャー46の端面
に図8に示すものと同様の二段のシャッタ130が取り
付けられ、例えばハンマレール36等に取り付けられた
ブラケット131の下面に光センサ132が取り付けら
れている。なお、図中符号133は光センサ132に取
り付けた光ファイバを支持するチューブである。このア
ップライトピアノでは、前記実施例と同様の効果を得る
ことができるのは勿論のこと、空間が比較的多いキャッ
チャー46側に光センサ132等を配置しているので、
それらの取付作業や保守点検作業を容易に行うことがで
きるという利点がある。
【0051】ところで、消音演奏状態を得るための構成
は、前記実施例のようにキャッチャー46をストッパ6
6に当接させるものに限らず、任意の構成を適用するこ
とができる。たとえば、図12(A)に示すように、ハ
ンマシャンク43に当接するストッパ140を図中矢印
方向へ回動可能な軸141に取り付けたり、同図(B)
に示すように、ハンマ44の基部に突起142を形成
し、この突起142を図中矢印方向に回動可能なストッ
パ143に当接させるように構成することもできる。ま
た、同図(C)に示すように、ハンマシャンク43の上
端部に所定長の紐144を掛けてストッパとしてもよ
い。この場合、紐144は、ハンマレールにブラケット
145を介して取り付けたプーリ146に巻回され、プ
ーリ146を手動あるいはモータなどで回転させること
により、通常演奏状態と消音演奏状態とを選択するよう
に構成される。さらに、同図(D)に示すように、キャ
ッチャー46を水平方向に摺動可能なストッパ147に
当接させるように構成してもよく、また、同図(E)に
示すように、矢印方向へ摺動可能なストッパ148を弦
Sに近接して配置し、このストッパ148にハンマ44
を当接させるように構成してもよい。
【0052】G.第7実施例 (1)実施例の構成 次に、この発明の第7実施例について説明する。この実
施例の機械的構成は、図1〜図6に示す第1の実施例と
ほぼ同様であるが、図13に示すように、ストッパ66
をモータMによって回動するように構成されているとと
もに、鍵を駆動するためのソレノイドSOLによって自
動演奏ができるように構成されている。
【0053】また、鍵10の下部には、図14に示すよ
うに、板状のシャッタKSが設けられており、このシャ
ッタKSに対向する棚板11の上面には、キーセンサK
SEが設けられている。キーセンサKSEには上下方向
に所定距離隔てて光センサが設けられており(図示
略)、鍵10が押下されると、はじめに上方の光センサ
が遮光され、次いで、下方の光センサが遮光される。逆
に、離鍵時には、まず下方の光センサが受光状態にな
り、ついで、上方の光センサが受光状態になる。この実
施例においては、後述するように、キーセンサKSEの
出力信号に基づいてキーオフを検出するようになってい
る。
【0054】次に、図15は、この実施例におけるコン
トローラの構成を示すブロック図であり、図示のコント
ローラ200は、光センサ77(図13参照)の遮光、
受光状態から打弦タイミングHtおよび打弦速度Hvを
検出し、これに基づいて電子的に楽音信号を発生する。
この動作については、第1の実施例におけるコントロー
ラと同様である。また、この実施例におけるコントロー
ラ200は、後述するように自動演奏等の種々の処理を
行うように構成されている。以下、コントローラ200
について詳細に説明する。
【0055】図15において、201は装置各部を制御
するCPUである。202はCPU201において用い
られるプログラムが記憶されているROMであり、20
3は各種データが一時記憶されるRAMである。204
は、各種操作子から構成されるパネルスイッチ部であ
り、消音演奏を指示する消音スイッチSW1、演奏デー
タの記録を指示する記録スイッチSW2および演奏デー
タの再生を指示する再生スイッチSW3等を有してい
る。
【0056】205は、センサインターフェイスであ
り、各ハンマに対応して設けられている光センサ77の
受光状態に応じた信号をCPU201に出力する。この
場合、CPU201は、センサインターフェイス205
から供給される信号に基づいて、いずれの鍵が操作され
たかを認識し、これに対応したキーコードKCを出力す
るとともに、遮光/受光タイミングから打弦タイミング
Htおよび打弦速度Hvを検出する。そして、打弦タイ
ミングHtに対応した時刻にキーオン信号KONを出力
し、打弦速度Hvに対応するキーベロシティKVを出力
する。また、CPU201は、キーセンサKSEの信号
をセンサインターフェイス205から受けると、これに
基づいてキーオフタイミングを示すキーオフ信号KOF
を出力する。すなわち、キーセンサKSE内の上方と下
方の光センサがともに遮光された状態から上方の光セン
サが受光状態に変化したタイミングでキーオフ信号KO
Fを出力する。
【0057】206はMIDIインターフェイスであ
り、キーコードKC、キーオン信号KON、キーオフ信
号KOFおよび打弦速度Hvに応じたキーベロシティK
VをMIDI信号にして外部機器に出力する。また、外
部機器からMIDI信号が供給されると、これからキー
コードKC、キーベロシティKV等を抽出してCPU2
01へ転送する。アクチェータインターフェイス207
は、CPU201の制御のもとに、図13に示すソレノ
イドSOLに励磁電流を供給する。この場合の励磁電流
は、キーオン信号KONが出力されるタイミングにおい
て、キーベロシティKVに対応した電流値となるように
制御される。また、キーオフ信号KOFが出力される
と、励磁電流は停止され、ソレノイドSOLが非励磁状
態になる。モータ駆動回路208は、CPU201の制
御のもとに、モータ79およびモータMを回転させる。
【0058】次に、209は外部記憶装置であり、例え
ば、フロッピーディスクドライバが用いられる。この外
部記憶装置209は、記憶媒体(例えば、フロッピーデ
ィスク等)から演奏データを読みとると、RAM203
の所定エリアに転送(ダイレクトメモリアクセス)す
る。また、外部記憶装置209は、CPU201の制御
のもとに、RAM203の所定エリアに記録された演奏
データを記録媒体に書き込む。
【0059】210は、音源回路であり、CPU201
から供給されるキーコードKC、キーオン信号KON、
キーオフ信号KOFおよびキーベロシティKVに応じた
楽音信号を作成する回路である。音源回路210は、当
該アップライトピアノと同様の楽音波形を記憶するとと
もに、他の楽器の楽音波形も記憶している。音色の選択
は、パネルスイッチ部204内の音色指定スイッチ(図
示略)によって行われ、指定された音色に対応する楽音
波形が選択される。この場合、キーオン信号KONが供
給された時点から、キーコードKCに応じた速度で波形
の読み出しが行われる。この結果、読み出される波形デ
ータは、キーコードKCに対応する周波数を有する。ま
た、キーベロシティKVに応じて波形の振幅やエンベロ
ープが制御される。このようにして、押鍵タッチに応じ
た楽音信号が形成される。また、キーオフ信号KOFが
供給されると、楽音信号を停止させるか、あるいは、所
定のエンベロープに従って楽音信号を減衰させる。いず
れの制御を行うかは、選択された音色によって決定され
る。そして、この音源回路210で作成された楽音信号
は、スピーカSPまたはヘッドホンHHに供給されて楽
音として発せられる。
【0060】(2)実施例の動作 次に、上述した構成によるこの実施例の動作について説
明する。 a:演奏/記録処理 (通常演奏モード)図16は、この実施例における演奏
/記録処理を示すフローチャートである。まず、ステッ
プSPa1において、各種レジスタ等の初期化を行うと
ともに、モータ79およびモータMを初期位置、すなわ
ち、通常演奏時の位置にする。次に、ステップSPa2
に移り、消音演奏が指定されているか否かが判定され
る。この場合、図15に示す消音スイッチSW1が押さ
れると消音演奏が指示され、また、再び消音スイッチS
W1が押されると消音演奏が解除されるようになってい
る。すなわち、消音スイッチSW1が押される毎に、通
常演奏と消音演奏が交互に指示されるようになってい
る。また、前述したステップSPa1の初期設定におい
ては、通常演奏が指定される。
【0061】ステップSPa2の判定が、「NO」の場
合は、すなわち、通常演奏が指示されている場合は、ス
テップSPa3に進み、モータ79およびモータMを初
期位置へ回転させる。ただし、これらが既に初期位置に
ある場合には、このステップSPa3の処理は行われな
い。次に、ステップSPa5に進み、外部出力が指示さ
れているか否かが判定される。外部出力指示は、外部機
器へMIDI信号を出力する指示であり、図15に示す
パネルスイッチ部204内の所定のスイッチにより、そ
の指示がなされる。
【0062】この判定が「NO」の場合は、ステップS
Pa7に進み、演奏データの記録が指示されているか否
かが判定される。この指示は、図15に示すパネルスイ
ッチ部204の記録スイッチSW2によって行われる。
この判定が「NO」の場合は、ステップSPa2に戻
り、以後、パネルスイッチ部204のスイッチによる指
示に変更がない限り、ステップSPa2→SPa3→S
Pa5→SPa7を循環する。この循環処理において
は、本実施例は通常のアップライトピアノと同様に機能
し、演奏者の鍵操作に従った打弦が行われる。
【0063】次に、外部出力を指示するスイッチがオン
されると、ステップSPa5の判定が「YES」とな
り、ステップSPa6の処理が追加される。ステップS
Pa6においては、MIDIインターフェイス206が
CPU201から供給されるキーコードKC、キーオン
信号KON、キーオフ信号KOFおよびキーベロシティ
KVに対応したMIDI信号を外部へ出力する。この場
合、CPU201が出力するキーオン信号KONは、光
センサ77が図13(あるいは図1)に示す位置にある
ときに検出される打弦タイミングHtに対応したもので
ある。すなわち、ハンマ44が図6に示すM2に示す位
置に達したタイミングに対応したものである。
【0064】ステップSPa6の処理が追加された状態
では、外部機器へMIDI信号が送出されるから、アッ
プライトピアノの通常の演奏に加えて、電子楽器等の演
奏を重ねることができる。また、メロディ情報から和音
や調を検出し、これに基づいて自動伴奏を行う自動伴奏
装置が開発されているが、このような自動伴奏装置に本
実施例のMIDI信号を供給すれば、アップライトピア
ノのメロディ演奏に対し、自動的に伴奏を付与すること
ができる。
【0065】一方、図15に示す記録スイッチSW2が
オンされると、ステップSPa7の判定が「YES」と
なり、ステップSPa8の処理が追加される。ステップ
SPa8においては、演奏記録処理がなされる。すなわ
ち、CPU201は、センサインターフェイス205か
ら供給される信号に基づいて、次の処理を行う。
【0066】まず、光センサ77から信号が得られた場
合は、打弦タイミングHtに対応した時刻にキーオン信
号KONを出力し、打弦速度Hvに対応するキーベロシ
ティKVを出力する。そして、キーオン信号KON、キ
ーベロシティKVとともに、押下された鍵のキーコード
KCを一組にしてRAM203の所定エリアに書き込
む。この際、それ以前にキーオンまたはキーオフが記録
されていた場合は、それらとの時間間隔(以下、デュレ
ーションという)を併せて書き込む。なお、以下におい
ては、キーオンまたはキーオフに関する情報をイベント
データという。
【0067】一方、CPU201は、キーセンサKSE
の信号に基づいて、キーオフ信号KOFを出力し、離鍵
された鍵を示すキーコードKCとともにRAM203の
所定エリアに書き込む。この際、それ以前のイベントデ
ータとの間隔を示すデュレーションデータも併せて書き
込む。
【0068】以上のようにして、演奏に従って順次イベ
ントデータが書き込まれていき、RAM203の所定エ
リアには、当該演奏に対する演奏データが蓄積される。
このように、ステップSPa8の処理が行われる場合
は、演奏者は、自己が演奏するアップライトピアノの打
弦音を聞きながら、その演奏情報を記録することができ
る。また、外部出力を指示するスイッチと記録スイッチ
SW2の双方がオンされた場合は、RAM203内に演
奏データを書き込むとともに、アップライトピアノの音
に電子楽器等の音を加えて演奏を楽しむことができる。
なお、外部機器としてシーケンサー等の演奏情報記録装
置を用いれば、MIDIインターフェイス206から出
力されるMIDI信号を順次記録することもできる。
【0069】(消音演奏モード)一方、図15に示す消
音スイッチSW1が押されて、ステップSPa2の判定
が「YES」になると、ステップSPa3に代えてステ
ップSPa4の処理が行われる。すなわち、CPU20
1の制御のもとに、モータ駆動回路208がモータ79
およびモータMを回転させる。この結果、レバー66お
よび光センサ77が、各々図2に示す位置に回動する。
この結果、押鍵があってもハンマ44は打弦直前で戻さ
れ、また、光センサ77は図6に示すMS2の位置で受
光状態になる。したがって、光センサ77の出力信号に
基づいて検出される打弦タイミングHtは、通常演奏時
よりも若干早くなる。
【0070】そこで、このステップSPa4において
は、キーオンタイミング変更指示がなされる。すなわ
ち、M2とMS2は所定距離離間しているので、この距
離を打弦速度で除算して得られた解(時間)だけキーオ
ン信号を遅延させて発生する。例えば、M2とMS2と
の距離が10mmである場合、打弦速度が5m/sec
であれば、キーオン信号は2msec遅延され、打弦速
度が0.05m/secであれば、キーオン信号は20
0msec遅延される。これにより、消音演奏時におい
て検出された打弦タイミングおよび打弦速度に基づき、
ハンマがストッパに阻止されないと仮定した場合のハン
マが弦に当接するであろうタイミングを推定することが
できるので、通常演奏時と消音演奏時とでキーオン信号
の発生タイミングを一致させることができる。
【0071】上記のような変更指示により、CPU20
1は、キーオン信号を発生する場合に、ROM202内
に予め記憶されているテーブル(あるいは、定数、数
式)を参照して、打弦タイミングHtより少し遅れたタ
イミングでキーオン信号KONを発生する。すなわち、
キーオン信号KONの発生を通常演奏時と同様のタイミ
ングに補正する。そして、ROM202内のテーブル
は、例えば、打弦速度Hvに応じた遅延時間を出力する
ように構成される。なお、テーブルに代えて打弦速度H
vを変数にした数式を記憶しておき、これに基づいて遅
延時間を出力するようにしても全く同様の処理内容とな
る。また、打弦速度Hvの違いよる遅延時間の誤差が問
題にならない場合は、予め実験等で求めた一定の遅延時
間を記憶させておいてもよい。
【0072】また、ステップSPa4においては、音源
回路210による楽音信号発生処理が指示される。この
結果、イベントが発生する毎に、キーコードKC、キー
オン信号KON、キーベロシティKVあるいはキーオフ
信号KOFが音源回路210に供給され、これらに対応
した楽音信号が形成される。したがって、演奏者はスピ
ーカSPあるいはヘッドホンHHにより、自己の演奏を
聞くことができる。
【0073】そして、MIDI信号の外部出力指示がな
く、演奏記録の指示もない場合は、ステップSPa2→
SPa4→SPa5→SPa7→SPa2を循環し、音
源回路210による消音演奏だけが行われる。この場
合、キーオン信号KONの発生タイミングが打弦タイミ
ングHtより遅れるようになっているので、通常演奏の
発音タイミングと同じタイミングにおいて電子楽音が発
生される。
【0074】次に、消音演奏が指定されている状態で、
MIDI信号の外部出力が指示されると、通常演奏の場
合と同様にして、ステップSPa6の処理を行う。ただ
し、この時出力されるMIDI信号中のキーオン情報
は、打弦タイミングHtより少し遅れたタイミングを示
すものとなるから、通常演奏時と同じタイミングとな
る。
【0075】また、記録スイッチSW2が押された場合
は、前述の場合と同様にしてステップSPa8の記録処
理が行われるが、キーオン信号KONが発生されるタイ
ミングは、前述のように通常演奏時よりも遅いものとな
る。したがって、このようにして記録された演奏データ
を再生した場合であっても、通常演奏において記録した
場合と全く同様の発音タイミングを得ることができる。
【0076】ところで、消音演奏時にステップSPa6
の処理が行われると、外部の電子楽器等の音源を自由に
使うことができるから、ピアノの音色とは違った演奏を
楽しむことができる。また、外部機器としてシーケンサ
ー等を用いれば、消音状態で演奏情報の記録を行うこと
ができる。また、消音演奏時にステップSPa8の処理
が行われると、外部に音を出さずに、ピアノ演奏を記録
することができる。
【0077】b:自動演奏処理 (通常演奏モード)次に、この実施例の自動演奏処理に
ついて説明する。自動演奏処理は、前述したステップS
Pa8の演奏記録処理によりRAM203の所定エリア
に転送された演奏データまたは外部記憶装置209から
RAM203の所定エリアに転送された演奏データに基
づく処理である。
【0078】まず、パネルスイッチ部204の再生スイ
ッチSW3が操作されて自動演奏の開始が指示される
と、図17に示すサブルーチンが起動される。はじめ
に、ステップSPb1においては、各種レジスタ等の初
期化が行われるとともに、モータ79およびモータMを
初期位置、すなわち、通常演奏時の位置にする処理が行
われる。また、ステップSPb1においては、自動演奏
のテンポ設定が行われる。
【0079】次に、ステップSPb2に移り、消音演奏
が指定されているか否かが判定される。「NO」の場
合、すなわち、通常演奏が指示されている場合は、ステ
ップSPb3に進み、モータ79およびモータMを初期
位置へ回転させる。ただし、これらが既に初期位置にあ
る場合には、このステップSPb3の処理は行われな
い。次に、ステップSPb4に進み、演奏データの読み
出し処理を行う。演奏データの読み出しは、割込処理ル
ーチンによって行われる。割込は、テンポに対応したテ
ンポクロックによって行われ、例えば、4分音符あたり
24回の割込が行われる。
【0080】読出処理は、RAM203内の演奏データ
を先頭データから順次読み出す処理である。より具体的
に言えば、デュレーションデータ読み出すと、テンポク
ロックが出力される毎にそれを減算し、0になった時点
で次のイベントデータを読み出す。そして、その後に次
のデュレーションデータを読出し、以後同様の動作を行
う。これにより、記録時と同様のタイミングでイベント
データが読み出される。
【0081】次に、ステップSPb5においては、ステ
ップSPb4で読み出されたイベントデータに応じてソ
レノイドSOL(図14参照)への励磁電流の供給/停
止が制御される。以後は、ステップSPb2〜SPb5
の処理が循環され、これにより、演奏データに対応して
ソレノイドSOLが駆動される。したがって、ソレノイ
ドSOLに応じて鍵10が上下動し、これに応じて、打
弦が行われる。すなわち、アップライトピアノによる自
動演奏が行われる。
【0082】(消音演奏モード)一方、消音スイッチS
W1が押されて消音が指示されると、ステップSPb2
の判定が「YES」となり、ステップSPb6の処理が
行われる。ステップSPb6においては、CPU201
の制御のもとに、モータ駆動回路208がモータMを回
転させる。この結果、レバー66が、図2に示す位置に
回動し、押鍵があってもハンマ44は打弦直前で戻され
る。
【0083】次に、ステップSPb7に進み、演奏デー
タ読出が行われる。この処理は、前述したステップSP
b4の処理と全く同様である。そして、ステップSPb
8に進むと、音源回路210による楽音信号発生処理が
行われる。この結果、イベントデータが読み出される毎
に、キーコードKC、キーオン信号KON、キーベロシ
ティKVあるいはキーオフ信号KOFが音源回路210
に供給され、これらに対応した楽音信号が形成される。
したがって、演奏者はスピーカSPあるいはヘッドホン
HHにより、再生された演奏を聞くことができる。この
ように、消音状態で電子的な音源によって自動演奏を聞
くことができる。また、所望の音色を選択して再生演奏
を楽しむことができる。
【0084】(3)第7実施例の変形例 この実施例においては、キーオン信号KONの発生タイ
ミングを遅らせるようにしたが、打弦タイミングHtを
書き換え、これに基づいて各種処理を行うように構成し
てもよく、また、消音演奏モードにおいて演奏記録処理
を行う際に、打弦タイミングHtが発生した時点で、キ
ーオン信号KONおよびキーベロシティKVをRAM2
03に書き込むとともにデュレーションデータを以前の
イベントとの時間間隔に発音タイミングの遅延時間を加
味してRAMに書き込むようにしてもよい。さらに、フ
ォトインタプタ77の検出位置の変動に伴って打弦速度
Hvに誤差が生じるときは、打弦タイミングHtの場合
と同様の補正処理してもよい。
【0085】H.第8実施例 次に、本発明の第8実施例について図18を参照しなが
ら説明する。図18は本発明をグランドピアノに適用し
た例を示し、グランドピアノの1つの鍵の動作をハンマ
に伝達して弦を打撃するハンマアクション部の構成を示
す側断面図である。図18において鍵321は、鍵盤の
全長にわたって延在する図示しない支持フレームに支持
され、押鍵することにより支持フレームを支点として図
中時計回りの方向に回動するようになってる。
【0086】次に、図18において符号307Aはサポ
ートレールであり、サポートレール307Aの端部に
は、長手方向を鍵321に沿う方向へ向けたウイペン3
07の左端部がピン307Bにより回動自在に支持され
ている。ウイペン307の自由端には、略L字状をなす
ジャック308がその屈曲部分近傍において回転自在に
取り付けられている。ジャック308は、斜め上方に向
けて延在するジャック大308Aと、このジャック大3
08Aに対してほぼ直交するジャック小308Bとから
構成されている。
【0087】また、ウイペン307の中央部には支柱3
07Cが取り付けられ、支柱307Cの上端部には、レ
ペティションレバー306の中間部が回転自在に取り付
けられている。レペティションレバー306の一端部に
は、上下方向に向けて貫通する長孔306Aが形成さ
れ、長孔306Aには、ジャック大308Aの上端部が
挿入されている。
【0088】次に、図中符号310はシャンクレールで
ある。シャンクレール310にはハンマフレンジ303
が取り付けられ、ハンマフレンジ303の端部には、先
端部にハンマヘッド301が固定されたハンマシャンク
302が上下方向に回動自在に取り付けられている。ハ
ンマシャンク302の基端部には、下方へ突出させられ
たローラー305が回転自在に取り付けられている。ロ
ーラー305の下面は、ジャック大308Aの上端面と
僅かな隙間を持った状態でレペティションレバー306
の上面に当接させられている。
【0089】さらに、シャンクレール310には、鍵盤
の全長にわたって延在するレギュレーティングレール3
11が取り付けられている。レギュレーティングレール
311には、上下方向の位置が調整可能なレギュレーテ
ィングボタン309が取り付けられ、レギュレーティン
グボタン309の下端面には、ジャック308Aの先端
部が当接するフェルトパッド309Aが取り付けられて
いる。
【0090】次に、符号220は消音機構である。消音
機構220は、鍵盤の全長にわたって延在する軸220
Bを備えている。軸220Bにはストッパ220Aが取
り付けられ、ストッパ220Aの先端面には合成皮革な
どで構成されたクッション材220Cが固定されてい
る。消音機構220は、前記第1実施例と同様に、軸2
20Bの端部にレバーを取り付け、このレバーを鍵盤の
下側に配置したペダルあるいはノブで操作することによ
り機械的に軸220Bを回転させるようにしてもよく
(図4(C)参照)、軸220Bをモータ等を用いて電気
的に回転させるようにしてもよい(図4(A)参照)。
【0091】このように構成された消音機構220にお
いては、ストッパ220Aを略水平方向へ向けることに
より、ハンマシャンク302の通常の回動が許容される
通常演奏状態とすることができ、図18に示す状態から
軸220Bを回転させてストッパ220Bを略下方へ向
けることにより、回動するハンマシャンク302がスト
ッパ220Aに当接し、ハンマシャンク302のそれ以
上の回動が阻止される消音演奏状態とすることができ
る。
【0092】次に、ハンマシャンク302の軸方向中間
部には、前記第1実施例のものと同じシャッタ71が取
り付けられている。一方、シャンクレール310の上面
には、側面視L字状のブラケット330が取り付けられ
ている。ブラケット330には、図3に示すものと同様
に、複数の軸受331が鍵321の並んだ方向(紙面と
直交する方向)へ互いに所定間隔離間して取り付けられ
ている。軸受331には、フェルトなどの布で構成され
た内張り332を介して鍵盤の全長にわたって延在する
軸333が回転自在に支持されている。軸333には、
図3に示すものと同様に、互いに離間した複数の支柱3
34が固定されている。
【0093】支柱334の上端部には支持板335が取
り付けられている。支持板335には、シャッタ71が
挿通されるスリット(図示略)が形成されている。支持
板335の一方の面には、前記第1実施例と同じ光セン
サ77がその発光部と受光部とでスリットを挟むように
して取り付けられている。このように構成されたハンマ
センサユニット340は、図4に示すものと同等の構成
により軸333を中心に回動させられ、図18に示す通
常演奏状態と、その状態からハンマシャンク302側へ
所定角度傾斜した消音演奏状態という2種類の姿勢をと
ることができるようになっている。
【0094】次に、上記構成のグランドピアノの動作に
ついて説明する。押鍵が行われるとウイペン307はキ
ャプスタン320によって突き上げられ、ピン307B
を中心として反時計回りに回動する。これにより、ジャ
ック大308Aがローラ305を突き上げてハンマシャ
ンク302を時計回りの方向へ回転させ、ハンマヘッド
301が押鍵された鍵321に対応する弦Sを打撃す
る。この打弦操作時において、ハンマヘッド301が弦
Sを打撃する手前でジャック小308Bがレギュレーテ
ィングボタン309の下端面に係合してジャック308
が時計方向に回転し、これによって、ジャック大308
Aの上端部が右方向へ逃げ、ローラー305との非当接
位置に移動する。
【0095】次に、弦Sを打撃したハンマヘッド301
は、弦Sの反発力と自重により下降し、ウイペン307
の端部に取り付けたクッション322に当接して静止す
る。その際ローラー305は、レペティションレバー3
06の長孔306A内に収容されている。次に、離鍵す
るとウイペン307が時計方向に、ハンマシャンク30
2が反時計方向へ回動する。これに伴って、ジャック小
308Bとレギュレーティングボタン309との係合状
態が徐々に解除され、ジャック大308Aが反時計方向
に回転してローラー305の真下側へ移動し、押鍵前の
初期位置に戻る。
【0096】上記動作においてハンマ301の打弦タイ
ミングおよび速度は次のようにして検出される。すなわ
ち、ハンマ301が弦Sを打弦する直前でハンマシャン
ク302に取り付けたシャッタ71が支持板335のス
リットに挿入され、シャッタ71の先端縁が光センサ7
7の光軸Pを横切る。この結果、光センサ77の受光部
が遮光され、その遮光タイミングがコントローラ(図示
略)によって検出される。その後、ハンマシャンク30
2がさらに回動し、シャッタ71の窓71aが光軸Pを
横切る。この結果、光センサ77の受光部が再び受光状
態になり、その受光タイミングがコントローラによって
検出される。こうして、光センサ77の遮光タイミング
と受光タイミングとが検出され、受光タイミングを打弦
タイミングHtとして出力するとともに、遮光から受光
までの時間から打弦速度Hvを算出して出力する。この
打弦タイミングHtと打弦速度Hvは、押下された鍵3
21を示すキーコードおよびデータの発生タイミングを
示す時間データとともに、演奏情報としてメモリに記録
されるようになっている。なお、この実施例においても
離鍵のタイミングの検出は従来と同様にキーセンサによ
り行い、離された鍵321を示すキーコードおよび離鍵
されたタイミングを示す時間データとともに、演奏情報
としてメモリに記録されるようになっている。
【0097】また、この実施例においても、打弦タイミ
ングの検出および打弦速度の検出は、上述したような光
センサ77の受光部が遮光状態から再び受光状態になっ
たタイミングに応じて行うようにしなくてもよく、鍵3
21が押下されてシャッタ71の窓71aが光軸Pを横
切り、光センサ77の受光部が遮光状態から受光状態に
なった後に再び遮光状態になったタイミングに応じて行
うようにしてもよい。
【0098】次に、消音演奏状態にするには、まず、ス
トッパ220Aを図18の略水平状態から回転させて図
中二点鎖線で示すように下方へ向けるとともに、ハンマ
センサユニット340をハンマシャンク302側へ所定
角度回動させる。この状態で押鍵が行われると、ウイペ
ン307はキャプスタン320によって突き上げられ、
ピン307Bを中心として反時計回りに回動する。これ
により、ジャック大308Aがローラ305を突き上げ
てハンマシャンク302を時計回りの方向へ回転させ
る。次に、ジャック小308Bがレギュレーティングボ
タン309Aに当接することにより、ジャック大308
Aの上端面がローラ305の下面から図中右方向へ逃げ
る。その間、ハンマシャンク302は慣性力で回動を続
けるが、弦Sに当たる直前でストッパ220Aに当接
し、反時計回りの方向へ跳ね返される。その後のハンマ
シャンク302等の復帰動作は通常演奏の場合と同じで
ある。
【0099】消音演奏の場合には、ハンマ301は弦S
に当たる直前で跳ね返されるが、上記のようにハンマセ
ンサユニット340がハンマシャンク302側へ傾けら
れているので、通常演奏の場合と同様に、シャッタ71
の先端縁および窓71aは、光センサ77の光軸Pを通
過する。この結果、コントローラは、前述した場合と全
く同様にして、打弦タイミングHtおよび打弦速度Hv
を検出する。そして、この打弦タイミングHtおよび打
弦速度Hvは、操作された鍵を示すキーコードとともに
音源回路(図示略)に供給され、これにより、鍵操作に
対応した楽音信号が発せられる。したがって、この実施
例においても、演奏者は、ヘッドホン等により自己の演
奏を聞くことができる。この場合も、音源が発生する楽
音信号を、当該グランドピアノの楽音波形と同様に設定
しておけば、演奏者は通常演奏のときと同様の楽音をヘ
ッドホンを介して聞くことができる。
【0100】また、消音演奏の場合においても、通常演
奏の場合と同様に、打弦タイミングHt、打弦速度Hv
および離鍵タイミングは、キーコードおよび時間データ
とともに演奏情報としてメモリに記憶されるようになっ
ている。これにより、通常演奏の場合のみならず、消音
演奏の場合においても、演奏の記録を行うことができ
る。
【0101】上記構成のグランドピアノにおいても、通
常演奏時にはハンマ301が弦Sに当たる直前の第1の
検出位置、消音演奏時にはハンマシャンク302がスト
ッパ220Aで跳ね返される直前の第2の検出位置に配
置するように構成しているので、通常演奏においては実
際の演奏とほぼ同じ演奏情報を記録することができる。
また、消音演奏時においては、連打等の特殊な打鍵を行
っても、通常演奏と変わらないタイミングおよび強弱の
楽音を発生することができる。
【0102】I.変形例 ところで、前記各実施例は全て本発明をアップライトピ
アノまたはグランドピアノに適用したものであるが、そ
の他、チェンバロ、チェレスタ、オルガンなどあらゆる
鍵盤楽器に適用することができる。また、上記各実施例
では、ハンマセンサユニットによりハンマの打弦のタイ
ミングと打弦速度の両方を検出するように構成している
が、いずれか一方を検出するように構成しても良い。ま
た、その場合には、キーセンサにより他方を検出するよ
うに構成することができる。例えば、第7実施例のキー
センサにおいて、キーベロシティは、上方の光センサが
遮光されてから下方の光センサが遮光されるまでの時間
を計測することにより求め、キーオン信号は、下方の光
センサが遮光されたタイミングで発生するようにすれば
よい。
【0103】さらに、第1〜第7実施例において、ジャ
ック大26aがバット41の下面から離脱する時点での
ハンマと弦との離間距離を調節する機構を設けても良
い。この場合には、レギュレーティングブラケット31
を回動可能とすることにより、レギュレーティングボタ
ン34とジャック小26bとの離間距離を調節するよう
に構成することができる。あるいは、レギュレーティン
グボタン34とレギュレーティングレール32との間に
スペーサを介装するように構成することもできる。ま
た、このスペーサの改装やレギュレーティングボタンの
調整を、第7実施例におけるモータ駆動回路208によ
って電動で行うように構成してもよい。そして、以上の
ような変形は第8実施例のグランドピアノの場合も同様
に可能である。
【0104】加えて、センサは上述した光センサに限ら
ずその種類は任意であるが、鍵あるいはハンマの動きを
規制しないようにするため、光センサのように非接触式
のものが望ましい。また、光センサは、上述した光ファ
イバを用いたものに限らずその種類は任意であり、発光
素子と受光素子とを一定間隔離間して対向させたフォト
インタラプタ等を用いてもよい。
【0105】
【発明の効果】以上説明したようにこの発明の鍵盤楽器
においては、鍵と、この鍵が押されたときに回動して対
応する弦を打撃するハンマ機構と、このハンマ機構が所
定以上回動するのを阻止することにより、ハンマ機構の
ハンマが弦を打撃しない状態を選択することができる消
音手段と、ハンマが弦を打撃する手前の所定位置におい
てハンマ機構の所定箇所を検出する検出手段とを備え、
検出手段に、ハンマが弦を打撃する手前でハンマ機構の
所定箇所を検出する第1の検出位置と、ハンマ機構が回
動するのを阻止される位置よりも手前の所定位置におい
てハンマ機構の所定箇所を検出する第2の検出位置との
いずれかを選択する選択手段を具備しているから、消音
演奏において通常演奏時と変わらない楽音を発生するこ
とができ、しかも、通常演奏が行われた場合にその演奏
を正確に記録することができる等の効果を得ることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施例の鍵盤楽器の通常演奏状
態の初期位置を示す側断面図である。
【図2】 鍵盤楽器の消音演奏状態の初期位置を示す側
断面図である。
【図3】 第1実施例におけるハンマセンサユニットの
詳細を示す斜視図である。
【図4】 (A)は第1実施例におけるハンマセンサユ
ニットの全体を示す斜視図、(B)は軸受の詳細を示す
斜視図、(C)はハンマセンサユニットを回動させるた
めの駆動機構の例を示す図である。
【図5】 センターフレームに取り付けられた軸受を示
す組立図である。
【図6】 第1実施例におけるシャッタの動作を説明す
るための側面図である。
【図7】 本発明の第2実施例の要部を示す側面図であ
る。
【図8】 本発明の第3実施例の要部を示す側面図であ
る。
【図9】 本発明の第4実施例の要部を示す側面図であ
る。
【図10】 本発明の第5実施例の要部を示す側面図で
ある。
【図11】 第6実施例の要部を示す側面図である。
【図12】 前記実施例の変形例の側面図である。
【図13】 本発明の第7実施例の鍵盤楽器の通常演奏
状態の初期位置を示す側断面図である。
【図14】 第7実施例の要部の構成を示す概略側面図
である。
【図15】 第7実施例の電気的構成を示すブロック図
である。
【図16】 第7実施例の動作を示すフローチャートで
ある。
【図17】 第7実施例の動作を示すフローチャートで
ある。
【図18】 第8実施例の要部を示す側断面図である。
【符号の説明】
10…鍵、20…打弦機構、、40…ハンマアッセンブ
リ(ハンマ機構)、43…ハンマシャンク、44…ハン
マ、60…消音機構(消音手段)、70…ハンマ検出部
(検出手段)、71…シャッタ、72…ハンマセンサユ
ニット(選択手段)、71a…窓(スリット)、77…
光センサ、S…弦。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−311571(JP,A) 特開 平7−92971(JP,A) 特開 平6−59667(JP,A) 特開 平5−2387(JP,A) 特開 平3−68999(JP,A) 特開 昭62−231294(JP,A) 特開 昭59−24894(JP,A) 実開 平5−71893(JP,U) 実開 平5−52892(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G10C 3/16 G10C 3/00 G10H 1/34

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鍵と、この鍵が押されたときに回動して
    対応する弦を打撃するハンマ機構と、このハンマ機構が
    所定以上回動するのを阻止することにより、ハンマ機構
    のハンマが上記弦を打撃しない状態を選択することがで
    きる消音手段と、上記ハンマが上記弦を打撃する手前の
    所定位置において上記ハンマ機構の所定箇所を検出する
    検出手段とを備え、 上記検出手段に、上記ハンマが上記弦を打撃する手前で
    上記ハンマ機構の所定箇所を検出する第1の検出位置
    と、ハンマ機構が回動するのを阻止される位置よりも手
    前の所定位置において上記ハンマ機構の所定箇所を検出
    する第2の検出位置とのいずれかを選択する選択手段を
    具備していることを特徴とする鍵盤楽器。
  2. 【請求項2】 前記検出手段は、前記ハンマ機構のハン
    マシャンクに設けられたシャッタ部材と、このシャッタ
    部材により光軸が横切られる光センサとを具備し、上記
    選択手段は、前記鍵と上記ハンマ機構の中間に配置さ
    れ、かつ、下端部が鍵盤楽器のフレームに回動可能に支
    持されることにより上端部が上記ハンマ機構側およびそ
    の反対側へ向けて回動可能とされた枠体を具備し、この
    枠体の上端部に上記光センサを設けたことを特徴とする
    請求項1に記載の鍵盤楽器。
  3. 【請求項3】 前記検出手段は、前記ハンマ機構のハン
    マシャンクに設けられたシャッタ部材と、このシャッタ
    部材により光軸が横切られる光センサとを具備し、上記
    選択手段は、前記鍵と上記ハンマ機構の中間に配置さ
    れ、かつ、鍵盤楽器のフレームに上記ハンマ機構側およ
    びその反対側へ摺動可能に支持された枠体を具備し、こ
    の枠体の上端部に上記光センサを設けたことを特徴とす
    る請求項1に記載の鍵盤楽器。
  4. 【請求項4】 前記検出手段は、前記ハンマ機構のハン
    マシャンクに設けられたシャッタ部材と、このシャッタ
    部材により光軸が横切られる光センサとを具備し、上記
    シャッタ部材は、打弦による演奏時に上記光軸を横切る
    第1の縁部と、この第1の縁部よりも上記弦寄りに位置
    することにより、打弦を行わない消音演奏時に上記光軸
    を横切る第2の縁部とを有し、上記光センサは、上記第
    1の縁部に光軸が横切られる第1の光センサと、上記第
    2の縁部に光軸が横切られる第2の光センサとを有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の鍵盤楽器。
  5. 【請求項5】 前記検出手段は、前記ハンマ機構のハン
    マシャンクに設けられたシャッタ部材と、このシャッタ
    部材により光軸が横切られる光センサとを具備し、上記
    シャッタ部材は、その回動方向に向けて連設された複数
    のスリットを有し、前記選択手段は、前記消音手段を用
    いた消音演奏状態のときに上記シャッタの先端縁により
    光センサが遮光されるタイミングと上記スリットのうち
    シャッタの上記先端縁側に位置するものが上記光軸を横
    切ることにより遮光状態が解除されるタイミングとを検
    出する第2の検出位置と、上記消音手段を用いない通常
    演奏状態のときに上記先端縁側のスリットよりも後端側
    に位置するスリットの縁部により上記光センサが遮光さ
    れるタイミングと、上記スリットが上記光軸を横切るこ
    とにより遮光が解除されるタイミングとを検出する第1
    の検出位置とを選択するコントローラを有することを特
    徴とする請求項1に記載の鍵盤楽器。
  6. 【請求項6】 前記検出手段は、前記ハンマ機構のハン
    マシャンクにその軸方向に互いに離間して設けられた第
    1のシャッタ部材および第2のシャッタ部材と、打弦に
    よる演奏時に上記第1のシャッタにより光軸が横切られ
    る第1の光センサと、この第1の光センサよりも上記弦
    寄りに位置することにより、打弦を行わない消音演奏時
    に上記第2のシャッタにより光軸が横切られる第2の光
    センサとを有することを特徴とする請求項1に記載の鍵
    盤楽器。
  7. 【請求項7】 鍵と、この鍵が押されたときに回動して
    対応する弦を打撃するハンマ機構と、このハンマ機構が
    所定以上回動するのを阻止することにより、ハンマ機構
    のハンマが上記弦を打撃しない状態を選択することがで
    きる消音手段と、上記ハンマが上記弦を打撃する手前の
    所定位置において上記ハンマ機構の所定箇所を検出する
    検出手段とを備え、 上記検出手段に、上記ハンマが上記弦を打撃する手前で
    上記ハンマ機構の所定箇所を検出する第1の検出位置
    と、ハンマ機構が回動するのを阻止される位置よりも手
    前の所定位置において上記ハンマ機構の所定箇所を検出
    する第2の検出位置とのいずれかを選択する選択手段を
    設けるとともに、 上記検出手段が、上記第2の検出位置において上記ハン
    マの所定箇所を検出した場合は、その検出タイミングを
    所定時間遅らせた検出信号を出力する検出タイミング遅
    延手段を具備していることを特徴とする鍵盤楽器。
JP08572294A 1994-03-31 1994-03-31 鍵盤楽器 Expired - Fee Related JP3438308B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP08572294A JP3438308B2 (ja) 1994-03-31 1994-03-31 鍵盤楽器
US08/411,551 US5552559A (en) 1994-03-31 1995-03-28 Keyboard musical instrument equipped with hammer sensors changing position between recording mode and silent mode

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP08572294A JP3438308B2 (ja) 1994-03-31 1994-03-31 鍵盤楽器

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07271347A JPH07271347A (ja) 1995-10-20
JP3438308B2 true JP3438308B2 (ja) 2003-08-18

Family

ID=13866742

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP08572294A Expired - Fee Related JP3438308B2 (ja) 1994-03-31 1994-03-31 鍵盤楽器

Country Status (2)

Country Link
US (1) US5552559A (ja)
JP (1) JP3438308B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8148620B2 (en) 2009-04-24 2012-04-03 Steinway Musical Instruments, Inc. Hammer stoppers and use thereof in pianos playable in acoustic and silent modes

Families Citing this family (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3336742B2 (ja) * 1994-05-18 2002-10-21 ヤマハ株式会社 鍵盤楽器
US5925844A (en) * 1995-03-29 1999-07-20 Kabushiki Kaisha Kawai Gakki Seisakusho Piano with built-in electronic musical instrument
JP3552366B2 (ja) * 1995-06-09 2004-08-11 ヤマハ株式会社 楽音制御装置
US6271447B1 (en) * 1998-10-05 2001-08-07 Yamaha Corporation Velocity calculating system for moving object widely varied in velocity method for correcting velocity and keyboard musical instrument equipped with the velocity calculating system for accurately determining loudness of sounds
JP3521826B2 (ja) * 2000-01-06 2004-04-26 ヤマハ株式会社 鍵センサのシャッタ部材取付治具および鍵センサ取付方法
JP4751781B2 (ja) * 2006-07-20 2011-08-17 株式会社河合楽器製作所 鍵盤楽器の発音制御装置
WO2009017961A1 (en) * 2007-07-31 2009-02-05 Steinway Musical Instruments, Inc. Pianos playable in acoustic and silent modes
JP5209287B2 (ja) * 2007-12-13 2013-06-12 ローランド株式会社 電子楽器の操作位置検出装置
WO2009108437A1 (en) 2008-02-27 2009-09-03 Steinway Musical Instruments, Inc. Pianos playable in acoustic and silent modes
US8541673B2 (en) * 2009-04-24 2013-09-24 Steinway Musical Instruments, Inc. Hammer stoppers for pianos having acoustic and silent modes
JP6842605B1 (ja) * 2020-04-01 2021-03-17 診断技術株式会社 構造物の打音調査用具

Family Cites Families (25)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US533661A (en) * 1895-02-05 mcchesney
US527533A (en) * 1894-05-14 1894-10-16 Martin h
US3626078A (en) * 1968-09-03 1971-12-07 Nippon Musical Instruments Mfg Combination of musical effect system and knee control
US4067253A (en) * 1976-04-02 1978-01-10 The Wurlitzer Company Electronic tone-generating system
DE3516585A1 (de) * 1984-05-15 1985-11-28 Nippon Gakki Seizo K.K., Hamamatsu, Shizuoka Daempfungsmechanismus fuer ein klavier
JPS61245194A (ja) * 1985-04-24 1986-10-31 ヤマハ株式会社 複合鍵盤楽器のペダル装置
JPS61289393A (ja) * 1985-06-17 1986-12-19 ヤマハ株式会社 鍵盤楽器
JPS6232308A (ja) * 1985-08-03 1987-02-12 Fuji Photo Film Co Ltd 位置検出装置
US4908121A (en) * 1986-05-12 1990-03-13 The M. W. Kellogg Company Flexible feed pyrolysis process
JPH079583B2 (ja) * 1987-01-29 1995-02-01 ヤマハ株式会社 電子楽器の楽音発生制御装置
DE3707591C1 (en) * 1987-03-10 1988-05-26 Seiler Ed Pianofortefab Gmbh Grand piano or piano
JPH01101590A (ja) * 1987-10-14 1989-04-19 Casio Comput Co Ltd 電子楽器
JPH0752352B2 (ja) * 1988-06-23 1995-06-05 ヤマハ株式会社 ソフトペダル効果装置
JP2890557B2 (ja) * 1989-11-30 1999-05-17 ヤマハ株式会社 鍵盤楽器の自動演奏装置
JPH07113830B2 (ja) * 1990-03-19 1995-12-06 ヤマハ株式会社 電子楽器
JPH03269584A (ja) * 1990-03-20 1991-12-02 Yamaha Corp 電子楽器
JPH0419592A (ja) * 1990-05-14 1992-01-23 Seikosha Co Ltd 走行計測装置
US5166464A (en) * 1990-11-28 1992-11-24 Casio Computer Co., Ltd. Electronic musical instrument having a reverberation
JPH0574834A (ja) * 1991-09-12 1993-03-26 Hitachi Ltd ワイヤボンダ
US5374775A (en) * 1992-06-09 1994-12-20 Yamaha Corporation Keyboard instrument for selectively producing mechanical sounds and synthetic sounds without any mechanical vibrations on music wires
US5434349A (en) * 1993-03-22 1995-07-18 Yamaha Corporation Keyboard instrument selectively entering into an acoustic mode and a silent mode through a sliding motion of a stopper
JPH06289853A (ja) * 1993-03-24 1994-10-18 Yamaha Corp 鍵盤楽器
DE69328862T2 (de) * 1993-06-03 2001-02-01 Yamaha Corp Tasteninstrument mit Fänger für stilles Spiel auf Tastatur
US5386083A (en) * 1993-11-30 1995-01-31 Yamaha Corporation Keyboard instrument having hammer stopper outwardly extending from hammer shank and method of remodeling piano into the keyboard instrument
JP3341438B2 (ja) * 1994-01-27 2002-11-05 ヤマハ株式会社 鍵盤楽器

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8148620B2 (en) 2009-04-24 2012-04-03 Steinway Musical Instruments, Inc. Hammer stoppers and use thereof in pianos playable in acoustic and silent modes

Also Published As

Publication number Publication date
US5552559A (en) 1996-09-03
JPH07271347A (ja) 1995-10-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3336742B2 (ja) 鍵盤楽器
JP3567527B2 (ja) 鍵盤楽器
JP3456243B2 (ja) 平形鍵盤楽器
JP3438308B2 (ja) 鍵盤楽器
US5428186A (en) Keyboard instrument selectively entering into acoustic sound mode and silent mode through angular motion of key bed structure
JP3430638B2 (ja) 鍵盤楽器
JP3603375B2 (ja) 鍵盤楽器
US6271447B1 (en) Velocity calculating system for moving object widely varied in velocity method for correcting velocity and keyboard musical instrument equipped with the velocity calculating system for accurately determining loudness of sounds
US6965070B2 (en) Upright keyboard instrument
US5434349A (en) Keyboard instrument selectively entering into an acoustic mode and a silent mode through a sliding motion of a stopper
JP3861906B2 (ja) 鍵盤楽器の消音装置
JP3493743B2 (ja) 鍵盤楽器
JPH07271354A (ja) アコースティック楽器の自動演奏システム
JP3279307B2 (ja) 鍵盤楽器
JP2001005458A (ja) 鍵盤楽器
JP3448948B2 (ja) 鍵盤楽器およびその消音装置
JP3693047B2 (ja) 鍵盤楽器の消音装置
JP2005134926A (ja) 鍵盤楽器の消音装置および鍵盤楽器
JP3579994B2 (ja) 鍵盤楽器
JPH11282471A (ja) 鍵盤楽器
JP3591044B2 (ja) 鍵盤楽器
JP3654268B2 (ja) 鍵盤楽器
JPH07271351A (ja) 鍵盤楽器
JP3412235B2 (ja) 鍵盤楽器
JPH07152365A (ja) 鍵盤楽器

Legal Events

Date Code Title Description
S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313532

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080613

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090613

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100613

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees