JP3579994B2 - 鍵盤楽器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、回動するハンマシャンク等をストッパに当てて打弦音を発生させない消音演奏状態と、ハンマによる打弦を行う通常演奏状態とをストッパを回動させて選択することができるようにしたピアノ等の鍵盤楽器に係わり、特に、ストッパとその周囲の部材との間に適切な機構の切換えと適切な隙間を設けることができる鍵盤楽器に関する。
【0002】
【従来の技術】
図9は上記のように構成されたアップライトピアノのストッパ機構の低音側の部分を示す図である。図中符号1はアップライトピアノのセンターレールに取り付けられるブラケットであり、ブラケット1には軸受2が設けられている。軸受2には軸3が回転自在に支持され、このような軸3は高音側にも同様に設けられている。そして、2つの軸3には、ストッパレール4が架設され、ストッパレール4には、一側に緩衝材5aが貼着されたストッパ5が取り付けられている。低音側の軸3にはアーム6の中間部が取り付けられ、アーム6の一端部は、アップライトピアノの例えば側板(親板)に取り付けたコイルバネ7によって下方へ向けて引っ張られている。また、アーム6の他端部は、ワイヤ8,…によって消音ペダルPに接続されている。
【0003】
上記構成のアップライトピアノでは、消音ペダルPを踏まない通常演奏状態のときはコイルバネ7の付勢力によってストッパ5が下方を向いているから、鍵を押下するとハンマHが回動して弦Sを打撃する。一方、ペダルPを踏み込むと、アーム6がコイルバネ7の付勢力に抗して図中反時計方向へ回動し、ストッパ5が略水平方向を向く消音演奏状態となる(図9に示す状態)。これにより、押鍵によって回動したハンマHは、ハンマヘッドHaが弦Sに達する手前でハンマシャンクHbがストッパ5に当接して跳ね返される。したがって、消音演奏状態での演奏では打弦音は発生しないが、ハンマHおよび鍵の動作を光センサ等によって検出することにより、電子音源から楽音が発生させられ、スピーカやヘッドホンによって演奏を聞くことができるようになっている。
【0004】
また、図10は上述のアップライトピアノと同様に構成されたグランドピアノのストッパ機構の高音側の部分を示す図である。図中符号10は側板10aを支持する曲練支柱、11は響板である。支柱10には、ブラケット11を介して軸受12が取り付けられている。軸受12にはストッパ軸13が回転自在に支持され、ストッパ軸13には、緩衝材14aが貼着されたストッパ14が取り付けられている。また、ストッパ軸13には半径方向へ向けて突出するアーム15が固定され、このアーム15は図示しないスプリングによって低音側から見て反時計方向に付勢させてもよい。
【0005】
一方、グランドピアノの棚板(図示略)の下面には、チューブ16aにワイヤ16bを挿通させたワイヤアッセンブリ16の操作ツマミ16cが取り付けられ、ワイヤ16aの先端部はアーム15に取り付けられている。そして、低音側の支柱にも上述のものと同等の構成が配置され、2つの軸受12でストッパ軸13を支持するとともに、2本のワイヤ16bを引っ張ってストッパ14を回動させるようになっている。
このように構成されたグランドピアノにおいても、ストッパ14を略水平方向に向けることにより通常演奏状態とすることができ、操作ツマミ16cを引いてストッパ14を略下方へ向けることにより、回動するハンマシャンクHaをストッパ14で止める消音演奏状態とすることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、ペダルや操作ツマミのストロークはピアノの機種によって決まっているから、ペダル等のストロークが大きくてストッパの回動量が大きい場合には、通常演奏状態にしたときにストッパがより弦に近い位置、つまり、弦に対向してハンマ側に配置されているダンパーに近い位置まで移動することになる。このため、ダンパーの取付位置のばらつきによって、ダンパーが駆動されて弦から離間した際にストッパに当接する可能性があった。
【0007】
また、ストッパは、できるだけハンマヘッドの近くに配置してハンマシャンクから受ける力を小さくする必要があり、このためにストッパは、回動するハンマヘッドに干渉しない限界の位置に配置され、ダンパーよりもやや上方に位置することになる。ところが、アップライトピアノでは、中音部の3〜4キー分のハンマヘッドは低音部のハンマヘッドよりも高い位置に配置される。これにより、ダンパーは低温から高音まで略水平に配置されるが、ハンマヘッドの位置に合わせて上記した中音部のダンパーも高い位置に配置されている。このため、中音部ではダンパがストッパに近接し、ストッパを略下方へ向ける通常演奏では、中音部のダンパーの取付位置のばらつきによって、ダンパーが駆動されて弦から離間した際にストッパに当接する可能性があった。
【0008】
したがって、本発明は、ストッパをダンパーに対して適切な隙間をもって配置することができ、よって、演奏時のストッパとダンパーとの当接を確実に防止することができる鍵盤楽器を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の鍵盤楽器は、回動して弦を打撃するハンマ機構と、上記ハンマ機構が上記弦を打撃する手前で上記ハンマ機構に当接してハンマ機構のそれ以上の回動を阻止するストッパと、上記ストッパをそのストッパ軸の回りに回動させることにより、上記ストッパを上記ハンマ機構の回動経路に配置する通常演奏状態と、上記ストッパを上記ハンマ機構の回動経路から退避させる消音演奏状態とを切り替える駆動軸とを具備した鍵盤楽器において、上記駆動軸と上記ストッパ軸との相対的な位置を可変とし、上記駆動軸に第1の部材を設けるとともに、上記ストッパ軸に第2の部材を設け、上記第1の部材および第2の部材は、上記駆動軸の回転方向で互いの相対移動を阻むとともに上記駆動軸の半径方向で相対移動可能に係合していることを特徴としている。
【0010】
請求項2に記載の鍵盤楽器は、回動して上下方向に張設された弦を打撃するハンマと、上記ハンマが上記弦を打撃する手前で上記ハンマのハンマシャンクに当接してハンマのそれ以上の回動を阻止するストッパとを備え、上記ストッパをそのストッパ軸回りに回動させることにより、上記ストッパを上記ハンマシャンクの回動経路に配置する通常演奏状態と、上記ストッパを上記ハンマシャンクの回動経路から退避させる消音演奏状態とを切り替えるようにした鍵盤楽器において、上記ストッパ軸を、低音側の弦から高音側の弦へ向かって上り勾配となるように傾斜させたことを特徴としている。
【0011】
なお、請求項2においてストッパ軸を傾斜させる代わりに、ストッパ軸を低音側の第1ストッパ軸と高音側の第2ストッパ軸により構成し、上記第1、第2ストッパ軸の上下方向の位置と水平方向に対する角度の少なくともいずれか一方を互いに異ならることもできる(請求項3)。
【0012】
(作用)
請求項1に記載の鍵盤楽器においては、第1の部材と第2の部材とが駆動軸の回転方向で互いに相対移動せず、かつ、駆動軸の半径方向で相対移動可能であるから、駆動軸とストッパ軸とがずれている場合や互いに傾斜している場合であっても、駆動軸の回転はストッパ軸に伝達され、駆動軸が1回転するとストッパ軸も1回転する。しかしながら、駆動軸とストッパ軸とがずれている場合や互いに傾斜している場合には、駆動軸の単位回動角度に対するストッパ軸の回動角度は等しくならない。すなわち、駆動軸が1回転する間のある角度範囲では駆動軸の回動角度よりもストッパの回動角度の方が大きくなり、また、他の角度範囲では駆動軸の回動角度よりもストッパの回動角度の方が小さくなる。
本発明の鍵盤楽器においては、駆動軸とストッパ軸との相対的な位置が可変であるから、両者の相対位置を適宜設定することにより、駆動軸の回動角度に対するストッパ軸の回動角度を変更することができる。したがって、駆動軸の回動角度が変更できない場合であっても、ストッパ軸の回動角度を適宜調整してストッパとその周囲の部材とが当接しないようにすることができる。
さらに、アクションブラケット等の内部フレーム間にストッパを設け、フレームを避けて第1、第2の部材を設けることができるので、フレームの位置や形状に制約を受けることなくストッパを配置することができるという利点もある。
【0013】
請求項2に記載の鍵盤楽器においては、ストッパ軸を低音側の弦から高音側の弦へ向かって上り勾配となるように傾斜させるているから、中音部のハンマヘッドとダンパーとが低音部よりも高い位置に配置されている場合には、両者の上下方向の隙間に対してあまり偏らずにストッパを延在させることができ、よって、ダンパーとストッパとの間に適切な隙間を設けることができる。
また、中音部および高音部でのストッパの位置をハンマヘッドに近付けることができるという利点もある。特に、ハンマヘッドは、低音側から高音側へ移るに従って漸次小さくなる(すなわち、上下方向の幅が小さくなる)ように形成されるのが通常であるから、ストッパ軸を上記のように傾斜させることにより、回動するハンマヘッドに干渉しない限界の位置にストッパを配置することができる。また、請求項3の鍵盤楽器においても、第1、第2ストッパ軸の高さや傾きを適宜設定することにより、上記と同等の作用、効果を奏する。
【0014】
【発明の実施の形態】
(1)第1の実施の形態
A.実施の形態の構成
▲1▼アクションの構成
以下、図1ないし図5を参照して本発明の第1の実施の形態について説明する。図1および図2は、実施の形態のアップライトピアノのハンマアクション部を示す断面図である。図において符号20はセンターレールであり、センターレール20はアップライトピアノの全幅に亘って延在している。センターレール20の両側には、アクションブラケット21が支持されている。また、センターレール20の下端部には、各鍵(図示略)について1個づつウイペンフレンジ22が取り付けられている。ウイペンフレンジ22の下端部には、長手方向をアップライトピアノの前後方向へ向けたウイペン23の一端部がピン22aによって回動自在に支持されている。ウイペン23は板状をなし、その他端部の下面にはウイペンヒール24が取り付けられている。ウイペンヒール24の下面は、押鍵により上昇する鍵の後端部により押し上げられるようになっている。
【0015】
また、ウイペン23には、上方へ向けて突出するジャックフレンジ25が取り付けられ、ジャックフレンジ25の上端部には、略L字状をなすジャック26がその屈曲部近傍においてピン26cにより回動自在に支持されている。ジャック26は、斜め上方に向けて延在するジャック大26aと、このジャック大26aに対してほぼ直交するジャック小26aとから構成されている。そして、ウイペン23に取り付けたジャックスプリング27によってジャック小26bが押し上げられることにより、ジャック26は時計方向に付勢されている。また、センターレール20には、ネジ28aによって図中斜め左右方向に位置調整可能とされたジャックストップレール28が取り付けられ、ジャックストップレール28には、ジャック26の回動範囲を規制するジャックストップフェルト29が取り付けられている。
【0016】
また、センターレール20には、アップライトピアノの全幅に亘って延在するレギュレーティングレール32がレギュレーティングブラケット32aによって取り付けられ、レギュレーティングレール32には、スクリュウ33により上下方向の位置が調整可能とされたレギュレーティングボタン34が取り付けられている。レギュレーティングボタン34の下端面には、ウイペン23が所定位置まで回動したときにジャック小26bの先端部が当接するようになっている。
【0017】
▲2▼ハンマアッセンブリの構成
次に、図中符号41はハンマアッセンブリ(ハンマ機構)40の基部を構成するバットである。バット41は、センターレール20に取り付けたバットフレンジ42にセンターピン42aを介して回動自在に取り付けられている。バット41には、斜め上方へ向けて延在するハンマシャンク43aと、このハンマシャンク43aの上端部に取り付けられたハンマヘッド43bからなるハンマ43が取り付けられている。
【0018】
次に、バット41には、ハンマシャンク43aと略直交するキャッチャシャンク45が取り付けられ、キャッチャシャンク45の先端部にはキャッチャ46が取り付けられている。また、バット41の右上端部には、これを反時計方向へ付勢するバットスプリング47が取り付けられている。さらに、バット41の下面には、バットアンダーフェルト41aとこれを覆うバットアンダースキン41bとが取り付けられ、バットアンダースキン41bにはジャック大26aの上端面が当接している。
【0019】
次に、アクションブラケット21には、アップライトピアノの全幅にわたって延在するハンマレール36がアーム36aによって取り付けられ、ハンマレール36には、ハンマシャンク43aを受けて跳返りを防止するハンマレール緩衝材37が取り付けられている。そして、鍵を押さない状態でハンマアッセンブリ40は、バットスプリング47の付勢力によりハンマシャンク43をハンマレール緩衝材37に当接させた状態で保持されている。
【0020】
また、ウイペン23の自由端には、打弦後に回動復帰するハンマアッセンブリ40のキャッチャ46を受けとめるバックチェック38が取り付けられている。さらに、バックチェック38の隣には、ブライドルワイヤ39aが取り付けられ、ブライドルワイヤ39aの上端部とキャッチャ46とはブライドルテープ39bで連結されている。ブライドルテープ39bは、ハンマアッセンブリ40の回動復帰をウイペン23の回動復帰に追従させることにより、ハンマアッセンブリ40の跳ね返りに起因する弦Sの二度打ちを防止するためのものである。
【0021】
▲3▼ダンパー機構の構成
図中符号51はダンパーレバーであり、ダンパーレバー51は、センターレール20に取り付けられたダンパーフレンジ52に、ピン52aによって回動自在に支持されている。また、ダンパーレバー51は、ダンパーレバーフレンジ52に取り付けたダンパーレバースプリング54によって図1中時計方向へ付勢されている。また、ウイペン23の端部には、上端部をダンパーレバー51の下端部に接触させたダンパースプーン55が取り付けられている。
【0022】
また、センターレール20の左側部には軸受56aが取り付けられ、軸受56aには、ダンパーロッド56が回動自在に支持されている。ダンパーロッド56にはレバー57が固定され、レバー57の自由端は、ラウドペダル(図示略)と連動して上下方向へ移動するパイプ57aと接続されている。この構成のもとに、ラウドペダルを踏むとレバー57が図中反時計方向へ回動し、ダンパーロッド56が各鍵毎に設けられたダンパーレバー51を全て図中反時計方向へ回動させる。これにより、ダンパーレバー51の上端部にダンパーワイヤー58aを介して取り付けられたダンパ58が弦Sから離間する。図中符号59はダンパーの弦Sに対する位置を調整するダンパースクリューであり、図では弦Sから離間した状態を示している。そして、ダンパースクリュー59とハンマ43の間には、ストッパ60が配置されている。以下、このストッパ60を備えたストッパ機構の構成を図3ないし図6を参照して説明する。
【0023】
▲4▼ストッパ機構の構成
図3(A)はストッパ機構をアップライトピアノの演奏者側から見た図であり、図2の矢印A方向矢視である。図3(A)において符号19は、このアップライトピアノの側板であり、側板19にはL字状をなすステー61がネジ62により取り付けられている。ステー61の上面には、2つの軸受63,63がネジ64,…によって取り付けられ、軸受63,63には駆動軸65が回転自在に支持されている。軸受63から突出した駆動軸65の端部には、ネジ65aが形成されるとともに、L字状に屈曲したレバー66(第1の部材)が一対のロックナット67,67によって取り付けられている。
【0024】
図5はレバー66の回動機構を説明するためのストッパ機構の斜視図である。レバー66の屈曲部近傍には溝66aが形成され、溝66aにはクッション材66bが固定されている。溝66aには、消音ペダル(図示略)に接続されたワイヤ69の端部が接続されている。一方、レバー66の溝66aと反対側の端部にはフック66cが形成され、フック66cには、例えばアクションブラケット21などに取り付けたコイルバネ68が掛けられており、これによりレバー66は図5において時計方向へ付勢されている。なお、図5は消音ペダルを踏み込んだ状態を示し、消音ペダルは、1回踏むことによって踏み込んだ状態が前土台等のロック機構によって保持され、再度踏み込むと、ロック機構が解除されて元の踏んでいない状態に戻るようになっている。また、消音ペダルを踏み込んだときにレバー66はほぼ90゜回動するようになっている。
【0025】
次に、図3(A)に示すように、アクションブラケット21には、ステー70が取り付けられている。ステー70は、板状をなしてアクションブラケット21にネジ71,71によって取り付けられた基部70aと、基部70aの両側に溶接などによって固定されたコ字状をなす台座70b,70bとからなっている。台座70b,70bには、軸受72がネジ73,73によって取り付けられ、軸受72には、ストッパ軸74が回転自在に支持されている。そして、ストッパ軸74にストッパレール75が固定され、ストッパレール75の一側にクッション76が固定されることにより、ストッパ60が構成されている。
【0026】
次に、ストッパ軸74には、一対のクランパ77,78がネジ79,79によって取り付けられている。クランパ77,78とストッパ軸74とは、ネジ79,79を締め付けることにより互いに相対回転しないように固定されるが、アップライトピアノにストッパ機構を組み付ける際には、ネジ79,79を緩めてストッパ60の角度の調整が行われる。ストッパ60の向きは、消音ペダルを踏み込んだときのレバー66の回動端で、水平方向に対してやや下方へ向けて傾斜した方向とされる。
【0027】
一方のクランパ77の一側には、ストッパ軸74と直交する方向へ延出してレバー66に係合するアーム(第2の部材)77aが形成されている。すなわち、レバー66の屈曲した自由端には、ストッパ軸74と平行に切り込まれた切欠66dが形成され、切欠66dにはクッション材66eが固定されている。そして、切欠66dにクランパ77のアーム77aが挿入されることにより、駆動軸65とストッパ軸74とがずれていても両者の間で回転力が互いに伝達されるようになっている。この構成のもとに、消音ペダルを踏んでレバー66をコイルバネ68の付勢力に抗して回動させると、ストッパ60が略水平方向を向いた図5に示す消音演奏状態となる。また、消音ペダルを再度踏んで元の状態に復帰させると、コイルバネ68の付勢力によってレバーが図5に示す状態から時計回りの方向へ回動し、ストッパ60が略下方を向く通常演奏状態となる。
なお、以上はストッパ機構の高音側の部分の構成である。低音側のアクションブラケット21には、上記と同じステー70および軸受72が設けられ、ストッパ軸74の他端部を回転自在に支持している。
【0028】
ここで、駆動軸65とストッパ軸74の相対的な位置関係には図6に示す3つの態様があり、どの態様となるかはステー61を側板19に、あるいはステー70をアクションブラケット21に取り付けるときの位置によって決定される。図6(A)は、駆動軸65とストッパ軸74が一直線上に並んでいる状態を示し、この場合には、駆動軸65が回動した角度と同じ角度ストッパ軸74が回転する。次に、図6(B)は、平面視でストッパ軸74が駆動軸65に対してレバー66の自由端側へ寸法A偏っている状態を示し、この場合には、駆動軸65が図6(B)に示す状態から90゜回動すると、ストッパ軸74は90゜よりも大きい角度回動する。また、図6(C)は、平面視でストッパ軸74が駆動軸65に対してレバー66の自由端と反対側へ寸法B偏っている状態を示し、この場合には、駆動軸65が図6(B)に示す状態から90゜回動すると、ストッパ軸74は90゜よりも小さい角度回動する。そして、駆動軸65に対するストッパ軸74の相対的位置を変更することにより、駆動軸65の回動角度に対するストッパ60の回動角度を連続的に設定することができる。
【0029】
B.第1の実施の形態の動作
▲1▼ストッパ機構の調整
次に、上述した構成のストッパ機構をアップライトピアノに組み付けたときの調整方法を説明する。まず、消音演奏状態におけるストッパ60の位置を調整する。図2に示すように、ストッパ60を略水平方向へ向け、ストッパ60にハンマシャンク43aが当接したときのハンマヘッド43bの先端と弦Sとの距離Cを定められた寸法に設定する。また、ハンマシャンク43aがストッパ60に面で均一に当接するようにする。そのために、ネジ71,71を緩めてアクションブラケット21に対するステー70の水平方向および垂直方向の位置を調整するとともに、ネジ79,79を緩めて消音演奏状態にしたときのストッパ60の向きを調整する。なお、ネジ71を挿通させるためにアクションブラケット21に形成する孔は、調整代を確保するためにネジ71の直径よりも大径に形成しておく。あるいは、所定の方向に横長な長孔を形成しておいても良い。また、ストッパ60の水平方向の位置のみを調整する場合には、ネジ73を挿通させるためにステー70の台座70b、あるいは軸受72に形成する孔を水平方向に横長な長孔を形成するようにすれば良い。
【0030】
次に、通常演奏状態におけるストッパ60の位置を調整する。まず、消音演奏状態と通常演奏状態とを切り替えたときにストッパ60の回動角度が少ないと、通常演奏状態で回動するハンマシャンク43aがストッパ60の下縁部に当接することがある。たとえば、図6(C)に示す状態では、駆動軸65の回動角度が90゜であってもストッパ軸74の回動角度は90゜よりも小さいから、上記したような当接が生じ易くなる。そこで、この場合には、通常演奏状態(図6(C)の状態からレバー66を紙面と直交する手前側へ約90゜回動させた状態)で駆動軸65をストッパ軸74側へ移動させてゆく。これに伴ってストッパ60がハンマシャンク43aから離れる方向へ回動するから、両者に適切な隙間ができるまで駆動軸65を移動させる。なお、このような調整を行うために、ネジ62を挿通させるためにステー61あるいは軸受63に形成する孔を水平方向に横長な長孔にしておく。
【0031】
次に、消音演奏状態と通常演奏状態とを切り替えたときにストッパ60の回動角度が大きいと、演奏により弦Sから離れたダンパー58のダンパースクリュー59がストッパ60に当接することがある。たとえば、図6(B)に示す状態では、駆動軸65の回動角度が90゜であってもストッパ軸74の回動角度は90゜よりも大きいから、上記のような当接が生じ易くなる。そこで、この場合には、通常演奏状態で駆動軸65をストッパ軸74に対して離間する方向へ移動させてゆく。これに伴ってストッパ60がダンパースクリュー59から離れる方向へ回動するから、両者に適切な隙間ができるまで駆動軸65を移動させる。
このようにして、ストッパ60を消音演奏状態から通常演奏状態に戻す際の回動角度を調整することにより、ハンマシャンク43aとダンパースクリュー59がストッパ60に当接しないようにする。
【0032】
▲2▼通常演奏状態での動作
次に、上記構成のアップライトピアノの通常演奏状態での動作について説明する。通常演奏においては、押鍵が行われるとウイペン23は鍵の後端部によって突き上げられ、ピン22aを中心として時計方向に回動する。これにより、ジャック大26aがバット41を突き上げてハンマアッセンブリ40を時計方向へ回動させ、ハンマシャンク43bが押鍵された鍵10に対応する弦Sを打撃する。このとき、ハンマシャンク43aとストッパ60との間には適切な隙間が設けられているので、両者が当接するようなことがない。
【0033】
上述した打弦動作において、ジャック26は、その回動途中にジャック小26bがレギュレーティングボタン34に当接することにより反時計方向へ回動し、これにより、ジャック大26bの上端面がバット41の下面から図中左方向へ逃げる。そして、ハンマ43が自由運動をして弦Sを打撃した後、ハンマアッセンブリ40のキャッチャー46がバックチェック38に受けとめられ、その間に、ジャック大26bの上端部は再びバット41の下部に入り込んで次の打弦動作を可能にする。
【0034】
また、押鍵が行われてウイペン23が回動すると、ダンパースプーン55がダンパーレバー51を図1中反時計方向へ回動させ、ダンパ58を押鍵に対応する弦Sから離間させる。これにより、ダンパースクリュー59はストッパ60に接近するが、両者の間には適切な隙間が設けられているので当接するようなことはがない。
【0035】
▲3▼消音演奏状態での動作
次に、通常演奏状態における動作を説明する。通常演奏状態から消音演奏状態に切り替えるには消音ペダルを踏み込む。これにより、図5に示すレバー66が回動してストッパ軸74が同一方向へ回動し、ストッパ60は図5に示すように略水平方向を向く。この場合、消音ペダルのストロークはアップライトピアノの機種により決まっており、レバー66の回動角度もペダルのストロークに応じて決定される。この実施の形態では、ストッパ軸24に対する駆動軸65の位置を調整することによって、レバー66の回動角度に対するストッパ60の回動角度が増減されている(ただし、同じ場合もある)。
【0036】
消音演奏状態で押鍵が行われると、ウイペン23は鍵の後端部によって突き上げられ、ピン22aを中心として時計回りに回動する。これにより、ジャック大26aがバット41を突き上げてハンマアッセンブリ40を時計回りの方向へ回転させる。次に、ジャック小26bがレギュレーティングボタン35に当接することにより、ジャック大26bの上端面がバット41の下面から図中左方向へ逃げる。その間、ハンマアッセンブリ40は慣性力で回動を続けるが、弦Sの手前でハンマシャンク43aがストッパ60に当接して跳ね返される。
【0037】
なお、上述した演奏では、ハンマ43が弦Sを打撃する打弦音は発生しないが、鍵やハンマの動作がセンサで検知され、押鍵に対応した音高および音量を持った楽音が電子的に発生させられるようになっている。したがって、演奏者は自分の演奏をスピーカやヘッドホンによって聴くことができる。
【0038】
▲4▼実施の形態の利点
上記構成のアップライトピアノにおいては、駆動軸65とストッパ軸74との相対的な位置が可変であるから、両者の相対位置を適宜設定することにより、駆動軸65の回動角度に対するストッパ軸74の回動角度を異ならせたり同じにしたりすることができる。したがって、駆動軸65の回動角度が変更できなくても、ストッパ軸74の回動角度を適宜設定してストッパ60にハンマシャンク43aやダンパースクリュー59が当接しないようにすることができる。
さらに、アクションブラケット21どうしの間にストッパ60を配置し、ストッパ軸74と駆動軸65とをレバー66とアーム77aとでアクションブラケット21を迂回するようにして連結しているから、アクションブラケット21の形状や位置に制約を受けることなくストッパ60を適切な位置に配置することができる。
加えて、最初に消音演奏状態におけるストッパ60の位置および向きを調整し、次にストッパ60の回動量を調整するようにしているので、ストッパ60の調整作業を素早く行うことができる。
【0039】
(2)第2の実施の形態
次に、図7を参照して本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、第2の実施の形態のアップライトピアノは、ストッパ機構の構成だけが第1の実施の形態と異なっており、その他の構成は図1に示すものと同じである。そこで、第2の実施の形態は図1を併用して説明する。
図7はアップライトピアノのハンマアクション部の上部をアップライトピアノの演奏者側から見た図である。図に示すように、中音部Bの3〜4キー分のハンマヘッド43b,…は、低音部Aおよび高音部Cのハンマヘッド43b,…よりも高い位置に配置されている。すなわち、低音部Aおよび高音部Cのハンマヘッド43b,…は、全て一定の高さに配置されている。また、中音部Bのハンマヘッド43bは、低音部Aのハンマヘッド43b,…から一段高い位置に配置され、このハンマヘッド43bから高音部C側へ向かうに従って、ハンマヘッド43bの高さが漸次低くなるようになされている。また、図1に示すダンパー58は、ハンマヘッド43bから下方へほぼ一定距離離れた位置に配置されている。さらに、ハンマヘッド43bの大きさ(上下方向の幅)は、低音側から高音側へ向かうに従って漸次小さくなっている。加えて、図7に二点鎖線で示すハンマヘッド43b,…の包絡線のうち、下側の包絡線は、低音部Aおよび高音部Cにおいて右上がりに傾斜しており、また、その傾きは、低音部Aおよび高音部Cにおいて一致している。
【0040】
次に、アップライトピアノの両側に配置された側板19には、ステー80がそれぞれ取り付けられ、高音側のステー80は低音側のステー80よりも高い位置に配置されている。各ステー80には軸受81が取り付けられ、軸受81には、ストッパ82のストッパ軸83が回転自在に支持されている。なお、図中符号84はストッパレール、85はクッションである。ストッパ軸83の低音側の端部には、アーム86が取り付けられている。アーム86の自由端には、消音ペダルに接続されたワイヤ(それぞれ図示略)が接続されており、消音ペダルを踏み込むことによって、ストッパ82を図中紙面と直交する手前側へ回動させるようになっている。
なお、ストッパ82を回動させる構成として、図3ないし図5に示す構成を用いることもでき、その場合には、アクションブラケットの形状や位置によってストッパ82の配置に制約を受けないという利点がある。
【0041】
軸受80が上記のように配置されているため、ストッパ82は低音側から高音側へ向かうに従って上り勾配となるように傾斜している。また、この傾斜角度は、前述した低音部Aおよび高音部Cのハンマヘッド43b,…の下側の包絡線の傾きと略一致している。したがって、中音部Bのハンマヘッド43b,…とダンパー58,…とが低音部Aおよび高音部Cのものよりも高い位置に配置されているにも拘わらず、両者の上下方向の隙間に対してあまり偏らずにストッパ82を延在させることができる。よって、ダンパー58とストッパ82との間に適切な隙間が設定され、ダンパ58が駆動されてストッパ82側へ移動したときに、ダンパースクリュー59がストッパ82に当接しないようにすることができる。また、回動するハンマヘッド43bに干渉しない限界の位置に、ストッパ82を配置することができる。これにより、消音演奏時にハンマシャンクがストッパ82に当接した際のハンマシャンクのたわみを小さくすることができるので、ストッパ82の位置を弦側へ近付けることができる。
【0042】
(3)第2の実施の形態の変形例
図8は第2の実施の形態の変形例を示す。この変形例では、アップライトピアノの両側に配置されたアクションブラケット21,21と、低音部Aと中、高音部B,Cとの境界に配置されたアクションブラケット21との間に、第1ストッパ90と第2ストッパ95が配置されている。低音側のアクションブラケット21には、軸受93がステー92を介して取り付けられている。また、中間のアクションブラケット21には、軸受97がステー98を介して上記軸受93よりもやや高い位置に取り付けられている。そして、これら軸受93,97には、第1ストッパ90の第1ストッパ軸91が回動自在かつ低音部Aのハンマヘッド43b,…の下側の包絡線と略平行に支持されている。
【0043】
第2ストッパ95の第2ストッパ軸96は、高音側と中間のアクションブラケット21,21にステー100を介して取り付けられた軸受99によって回動自在かつ水平に支持されている。なお、第2ストッパ軸96の高さは、中音部Bのハンマヘッド43b,…の下側の包絡線の最下点に合わせられている。第1ストッパ軸91の低音側の端部には、アーム94が取り付けられている。アーム94の自由端には、消音ペダルに接続されたワイヤ(それぞれ図示略)が接続されており、消音ペダルを踏み込むことによって、第1ストッパ90を図中紙面と直交する手前側へ回動させるようになっている。また、第2ストッパ軸96の高音側の端部には、アーム101が取り付けられている。アーム101の自由端には、消音ペダルに接続されたワイヤ(それぞれ図示略)が接続されており、消音ペダルを踏み込むことによって、第2ストッパ95を図中紙面と直交する手前側へ回動させるようになっている。なお、第1ストッパ90および第2ストッパ95を回動させる構成として、図3ないし図5に示す構成を用いることもできる。
【0044】
上記構成のアップライトピアノでは、第2ストッパ95を中音部Bのハンマヘッド43,b…の下側の包絡線の最下点に合わせて水平に配置したので、中音部Bにおけるストッパの位置を第2の実施の形態よりも高くすることができる。これにより、低音部Aおよび高音部Cよりもダンパー58,…の位置が高い中音部Bにおいて、ダンパー58とストッパとの間の隙間を第2の実施の形態よりも大きくすることが可能となるので、ダンパー58が駆動されて第2ストッパ95側へ移動したときに、ダンパースクリュー59が第2ストッパ95に当接しないようにすることができる。
なお、上記の例では、ストッパを第1ストッパ90と第2ストッパ95の2つに分割したが、分割数は3以上であっても良い。分割数を増やすことによって、ハンマヘッド43bおよびダンパー58の高さに合わせてきめ細かくストッパの高さを設定することができるので、ダンパー58とストッパの間の隙間をより広げることが可能になるとともに、ストッパをハンマヘッド43bにより近付けて配置することが可能となる。
【0045】
(4)その他の変形例
▲1▼第1の実施の形態では、駆動軸65とストッパ軸74とを平行に配置しているが、たとえば駆動軸65をストッパ軸74に対して傾斜させることもできる。この場合において、駆動軸65とストッパ軸74とをユニバーサルジョイント(フック継手)で接続することができる。ユニバーサルジョイントでは、入力軸と出力軸とのなす角度を変化させることにより、入力回動角度に対する出力回動角度を調整することができる。よって、本発明にユニバーサルジョイントを適用する場合には、駆動軸65を傾動可能に構成すれば良い。
▲2▼第1の実施の形態において、駆動軸65を消音ペダルで回動させる構成の代わりに、図10に示すワイヤアッセンブリ16を用いることもできる。また、低音側と高音側のアクションブラケット21の中間に、さらにアクションブラケット21が設けられたアップライトピアノの場合、あるいは、このアクションブラケット21がなくとも別途ステーを設けるようにすれば、ストッパ60を低音側と高音側の2つに分けて各アクションブラケット21,21の間に配置し、2本のワイヤ16bによって各ストッパを回動させるように構成することもできる。この場合、2つのストッパ60を連結することも考えられるが、連結しないようにすると、2つのストッパ60の回動量を独立に設定することが可能となり、ストッパ60をより適正に配置することが可能になる。
▲3▼第1の実施の形態では、ハンマシャンク43aをストッパ60で止めるようにしているが、キャッチャー46あるいはキャッチャーシャンク45を止めるように構成しても良い。
▲4▼第1の実施の形態は本発明をアップライトピアノに適用したものであるが、グランドピアノにも適用することができる。また、その他、チェンバロ、チェレスタ、オルガンなどあらゆる鍵盤楽器に適用することができる。
【0046】
【発明の効果】
以上説明したようにこの発明の鍵盤楽器においては、ストッパとその周囲の部材との間に適正な隙間を設けることができ、ストッパと周囲の部材との干渉を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態のアップライトピアノを示す側断面図である。
【図2】図1に示すアップライトピアノを消音演奏状態にしたときの側断面図である。
【図3】(A)は第1の実施の形態におけるストッパ機構を示す正面図であり、(B)は(A)の矢印B方向矢視である。
【図4】(C)は図4(A)のC−C線断面図、(D)は図4(A)のD−D線断面図である。
【図5】第1の実施の形態におけるストッパ機構の斜視図である。
【図6】第1の実施の形態における駆動軸とストッパ軸との配置を示す図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態のアップライトピアノを示す正面図である。
【図8】第2の実施の形態の閉経例であるアップライトピアノを示す正面図である。
【図9】従来のアップライトピアノにおけるストッパ機構を示す斜視図である。
【図10】従来のグランドピアノにおけるストッパ機構を示す斜視図である。
【符号の説明】
40…ハンマアッセンブリ(ハンマ機構)、
43a…ハンマシャンク、44…ハンマ、43b…ハンマヘッド
60…ストッパ、65…駆動軸、66…レバー(第1の部材)、
74…ストッパ軸、77a…アーム(第2の部材)、91…第1ストッパ軸、
96…第2ストッパ軸、S…弦。
Claims (3)
- 回動して弦を打撃するハンマ機構と、
上記ハンマ機構が上記弦を打撃する手前で上記ハンマ機構に当接してハンマ機構のそれ以上の回動を阻止するストッパと、
上記ストッパをそのストッパ軸の回りに回動させることにより、上記ストッパを上記ハンマ機構の回動経路に配置する通常演奏状態と、上記ストッパを上記ハンマ機構の回動経路から退避させる消音演奏状態とを切り替える駆動軸とを具備した鍵盤楽器において、
上記駆動軸と上記ストッパ軸との相対的な位置を可変とし、
上記駆動軸に第1の部材を設けるとともに、上記ストッパ軸に第2の部材を設け、
上記第1の部材および第2の部材は、上記駆動軸の回転方向で互いの相対移動を阻むとともに上記駆動軸の半径方向で相対移動ができるように係合していることを特徴とする鍵盤楽器。 - 回動して上下方向に張設された弦を打撃するハンマと、
上記ハンマが上記弦を打撃する手前で上記ハンマのハンマシャンクに当接してハンマのそれ以上の回動を阻止するストッパとを備え、
上記ストッパをそのストッパ軸の回りに回動させることにより、上記ストッパを上記ハンマシャンクの回動経路に配置する通常演奏状態と、上記ストッパを上記ハンマシャンクの回動経路から退避させる消音演奏状態とを切り替えるようにした鍵盤楽器において、
上記ストッパ軸を、低音側の弦から高音側の弦へ向かって上り勾配となるように傾斜させたことを特徴とする鍵盤楽器。 - 回動して上下方向に張設された弦を打撃するハンマと、
上記ハンマが上記弦を打撃する手前で上記ハンマのハンマシャンクに当接してハンマのそれ以上の回動を阻止するストッパとを備え、
上記ストッパをそのストッパ軸の回りに回動させることにより、上記ストッパを上記ハンマシャンクの回動経路に配置する通常演奏状態と、上記ストッパを上記ハンマシャンクの回動経路から退避させる消音演奏状態とを切り替えるようにした鍵盤楽器において、
上記ストッパ軸を低音側の第1ストッパ軸と高音側の第2ストッパ軸により構成し、上記第1、第2ストッパ軸の上下方向の位置と水平方向に対する角度の少なくともいずれか一方を互いに異ならせたことを特徴とする鍵盤楽器。
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