JP2003066947A - 鍵盤楽器の消音装置 - Google Patents

鍵盤楽器の消音装置

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JP2003066947A
JP2003066947A JP2002233511A JP2002233511A JP2003066947A JP 2003066947 A JP2003066947 A JP 2003066947A JP 2002233511 A JP2002233511 A JP 2002233511A JP 2002233511 A JP2002233511 A JP 2002233511A JP 2003066947 A JP2003066947 A JP 2003066947A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 通常演奏と消音演奏を選択的に切り替えるこ
とができる鍵盤楽器の消音装置を提供する。 【解決手段】 鍵盤4の押鍵操作に連動して動作するハ
ンマーアッセンブリ13によって弦3を打撃する鍵盤楽
器に設けられる消音装置60であって、前記弦3と前記
ハンマーアッセンブリ13の間に配設され、通常演奏時
にはハンマー38による打弦を阻止せず、消音演奏時に
ハンマー38が打弦する直前にハンマーアッセンブリ1
3の回動を阻止する打弦阻止手段61と、この打弦阻止
手段61を移動させ通常演奏状態から消音演奏状態もし
くはこの逆の状態に切り替える切替手段62を備えてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、鍵盤に連動して
動作し弦を打撃するアクション機構を備えた鍵盤楽器の
消音装置に関し、特にハンマーによって弦を打撃する通
常演奏と、打弦直前にハンマーを停止させ弦を打撃しな
い非打弦演奏(消音演奏)を選択的に切り替えることが
できるようにしたグランドピアノ等の鍵盤楽器の消音装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】鍵盤の押鍵操作に連動して動作するアク
ション機構によって弦を打撃するグランドピアノ、アッ
プライトピアノ等の鍵盤楽器においては、演奏音量が大
きいことから、演奏音量を選択的に小さくする弱音機構
を備えている。この弱音機構は、グランドピアノの場
合、ペダル操作によってアクション機構全体を鍵盤筬と
共に鍵盤の並設方向に移動させ、ハンマーが打撃する弦
の本数を減ずることで演奏音の弱音化を図っている。一
方、アップライトピアノにおいてはペダル操作によって
マフラーフェルトを弦とハンマーとの間に選択的に介在
させるかもしくはハンマーアッセンブリを初期位置に係
止するハンマーレールを弦側に移動させて弦とハンマー
との距離を短縮することにより、ハンマーの弦に対する
打撃力を弱め、演奏音の弱音化を図っている。
【0003】また、最近では楽器の多様化に伴い、例え
ば米国特許第2,250,065号に記載されているよ
うに押鍵操作するのみで打弦音を完全に発生させないよ
うにした鍵盤楽器が提案されている。この鍵盤楽器は、
グランドピアノにおいて打弦音を発生させない消音演奏
時にハンマーアッセンブリを予め持ち上げてハンマーロ
ーラをジャックから離間させておき、押鍵操作時にジャ
ックがハンマーアッセンブリを突き上げないようにする
ことにより、ハンマーが弦を打撃せず、打弦音を発生さ
せない演奏(消音演奏)を実現できるようにしたもので
ある。そして、このような鍵盤楽器に、自動演奏ピアノ
に用いられるキーセンサ、ハンマーセンサ等のセンサを
組み込んでおくことにより、消音しない通常演奏時(弱
音演奏時も含む)においてはアコースティック(生)ピ
アノの演奏を楽しむことができ、消音演奏時にはセンサ
によって楽音制御回路を制御し電子音を発生させる電子
ピアノの演奏を楽しむことができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来の鍵盤楽器は打弦しない消音演奏時に予めハンマ
ーアッセンブリを持ち上げておくので、押鍵操作しても
ジャックがハンマーアッセンブリを突き上げず、そのた
め通常演奏時のアフタータッチ感および抵抗感が得られ
ないという欠点があった。なお、狭義のアフタータッチ
とは、ジャックがハンマーローラの下部から一時脱進す
る時の「カクッ」とした感じを云う。広義にはレットオ
フ(ハンマーが弦の近くまで回動して触れずに回動復帰
する運動)も含めた一連の動きを云う。
【0005】そこで、このような問題点を解決する方法
として、本出願人はハンマーアッセンブリによる打弦を
選択的に阻止する阻止手段と、この阻止手段に連動して
動作しレギュレチングボタンとジャック小との間に選択
的に介装されるスペーサとを設け、消音演奏時にジャッ
ク小とレギュレチングボタンとの間にスペーサを介装す
ることにより、ジャックがハンマーアッセンブリから脱
進する時期を通常演奏時よりも早め、阻止手段によって
ハンマーアッセンブリの打弦を阻止することでアフター
タッチ感を阻害することなく打弦音を発生させない消音
演奏と通常演奏を切り替えることができるようにした鍵
盤楽器を既に提案している(特願平4−215400
号)。しかしながら、このような鍵盤楽器においては消
音演奏時にどの鍵にも一律に同じ厚さのスペーサをジャ
ック小とレギュレチングボタンとの間に介挿させている
ので、通常演奏時用に調整されたレギュレチングボタン
とジャック小の相対的関係を維持することができないと
いう問題があった。すなわち、消音演奏時においてジャ
ック小がスペーサに突き当たると、このスペーサが圧縮
されてその板厚が変化し、また一律に同じ厚さのスペー
サであって、ある剛性があるため、左右の鍵の影響を受
けて、ジャック小とレギュレチングボタンとの相対的関
係も変化する。その結果、消音演奏時のアフタータッチ
感を通常演奏時と同様に保つことができなくなる。
【0006】したがって、この発明は上記したような従
来の問題点に鑑みてなされたもので、その目的とすると
ころは、通常演奏時と消音演奏時のいずれにおいても良
好なアフタータッチ感と安定した打弦動作を得ることが
できるようにした鍵盤楽器の消音装置を提供することに
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
第1の発明は、鍵盤の押鍵操作に連動して動作するハン
マーアッセンブリによって弦を打撃する鍵盤楽器に設け
られる消音装置であって、前記弦と前記ハンマーアッセ
ンブリの間に配設され、通常演奏時にはハンマーによる
打弦を阻止せず、消音演奏時にハンマーが打弦する直前
にハンマーアッセンブリの回動を阻止する打弦阻止手段
であって、全てのアクション機構に対応して弦の並設方
向に横断延設されたストッパ部材と、該ストッパ部材に
おいて前記ハンマーアッセンブリの打弦時に回動する部
材との衝突面に設けられた複数のクッション部材とを有
するものと、前記打弦阻止手段を移動させ通常演奏状態
から消音演奏状態もしくはこの逆の状態に切り替える切
替手段とを備えていることを特徴とするものである。ま
た、第2の発明は、前記打弦阻止手段が、シャフトと該
シャフトを保持する軸受部材と該軸受部材を鍵盤楽器に
固定するための固定手段とを備え、前記切替手段は、前
記鍵盤楽器に備えられる操作部と連結され、前記打弦阻
止手段を移動させるための駆動力を伝達するための伝達
手段と、該伝達手段が駆動力を伝達可能とすべく移動可
能に保持する保持手段と、該保持手段を前記鍵盤楽器に
固定する固定手段とを備えていることを特徴とするもの
である。また、第3の発明は、消音演奏時にジャックが
脱進する時期を通常演奏時と消音演奏状態とで変更する
変更手段を有することを特徴とするものである。また、
第4の発明は、前記切替手段が前記打弦阻止手段と変更
手段とを連動して動作させることを特徴とするものであ
る。また、第5の発明は、消音装置が設けられる鍵盤楽
器には、消音演奏時の演奏操作を検出する検出手段と、
消音演奏時に電子音を発生させるための電子音源とが設
けられることを特徴とするものである。さらに、第6の
発明は、前記切替手段が通常演奏状態と消音演奏状態と
の切替時に前記打弦阻止手段を弦の配列方向に移動させ
るものである。
【0008】打弦阻止手段は通常演奏時にハンマーによ
る打弦を阻止せず、消音演奏時にハンマーが打弦する直
前にアクション機構のハンマーアッセンブリの回動を阻
止する。したがって、ハンマーは弦を打撃せず、消音演
奏を可能にする。距離変更手段はレギュレチングレール
とレギュレチングボタンとからなるレギュレチングアッ
センブリを消音演奏時にジャック小側に移動させること
により、ジャック小とレギュレチングボタンとの距離を
短縮する。レギュレチングレールとレギュレチングボタ
ンはジャック小に対して一体的に接近・離間するので、
通常演奏時用に調整されたレギュレチングボタンとジャ
ック小との相対的関係はそのまま維持される。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、この発明を図面に示す実施
の形態に基づいて詳細に説明する。図1はこの発明に係
る鍵盤楽器の消音装置の一実施の形態を示すアクション
機構部の通常演奏時の側断面図、図2は打弦阻止手段と
その切替手段の斜視図、図3は打弦阻止手段の取付け構
造を示す側断面図、図4はレギュレチングアッセンブリ
を消音演奏状態に切り替えた状態を示す側断面図であ
る。これらの図において、棚板1上には鍵盤筬2が配設
されており、その上に各音高の弦3に対応する88鍵全
ての鍵盤4が、その略中央部をバランスキーピン5によ
り上下揺動自在に支持されて配設されている。各音高の
弦3は、鍵盤4の上方に配設された不図示のフレームに
チューニングピンとフレームピンを介して略水平に張設
されている。弦3の下方には全ての弦3に対して共通に
延在するサポートレール6が鍵盤4の後端部上方に位置
して横断延設されており、このサポートレール6に鍵盤
4に連動して動作し対応する弦3を打撃するアクション
機構7が配設され、またその後方には通常弦3の自由振
動を阻止し、打弦時に弦3を解放するダンパー機構8が
配設されている。
【0010】前記サポートレール6は、棚板1上に不図
示のアクション台を介して鍵盤4の並設方向に並設され
た複数個、例えば3〜4つのブラケット10の後端部上
面に略水平に設置固定されることにより全てのブラケッ
ト10を連結している。また、これらのブラケット10
は、その前端部上面に同じく全ての鍵盤4に対して共通
に延在するよう横断延設されたシャンクレール11によ
っても互いに連結されている。そして、このブラケット
10は、左右方向に移動可能とされており、弱音演奏時
に棚板1の下方に配設されたシフトペダル(図示せず)
の踏み込み操作によって前記鍵盤筬2と一体に鍵盤4の
並設方向、例えば高音弦側に所定量移動され、ハンマー
18が打撃する弦3の本数を減ずるよう構成されてい
る。
【0011】前記アクション機構7は、鍵盤4の押鍵操
作によって回動されるウイペン12と、弦3を打撃する
ハンマーアッセンブリ13と、押鍵操作に伴いウイペン
12と共に上昇し前記ハンマーアッセンブリ13を突き
上げ回動させるジャック14と、打弦動作後回動復帰し
てくるハンマーアッセンブリ13を受け止め初期位置に
復帰させるレペティションレバー15と、打弦動作時に
前記ジャック14をハンマーアッセンブリ13から一時
的に脱進させるレギュレチングアッセンブリ16等で構
成されている。
【0012】前記ウイペン12は、前記サポートレール
6に固定されたサポートフレンジ17の上端に基端部
(後端)がピン18を介して上下方向に回動自在に軸支
されており、遊端(前端)側下面に一体的に設けられた
ウイペンヒール12Aが鍵盤4の後端部上面に植設され
たキャプスタン19上に載置されることにより通常略水
平に保持されている。そして、ウイペン12の基端部上
面にはハンマーシャンクストップフェルト20がサポー
ト付木21を介して配設されている。
【0013】前記ジャック14は、側面視L字状に屈曲
形成されて、その下端屈曲部がウイペン12の前端にピ
ン22を介して前後方向に回動自在に軸支されると共
に、レペティションスプリング23によって図1反時計
方向の回動習性を付与されている。ジャック14の上方
に向かって延在する一腕14Aは、前記レペティション
レバー15の前端部に上下面に貫通して形成された長孔
24に下方から挿入されており、その上面14a(図
4)が前記ハンマーアッセンブリ13を構成するハンマ
ーシャンク25の基部側下面に配設されたハンマーロー
ラ26の下面に当接している。ジャック14のもう一方
の腕14Bは前方に向かって略水平に伸び、その前端部
が前記レギュレチングアッセンブリ16の下方に位置し
てジャック小27を形成している。そして、ジャック1
4は、一腕14Aの中間部に取り付けられたレペティシ
ョンボタン28がウイペン12上に植設されたジャック
ストップ29に前記レペティションスプリング23のば
ね力により通常圧接されることにより反時計方向の回動
を制限され初期位置に保持されている。
【0014】前記レペティションレバー15は、ウイペ
ン8の略中央部に突設されたレペティションレバーフレ
ンジ31の上端にセンターピン32を介して中央部が上
下方向に回動自在に軸支されると共に、前記レペティシ
ョンスプリング23により図1反時計方向の回動習性を
付与されている。レペティションレバー15の後端部に
は通常前記レペティションスプリング23のばね力によ
ってウイペン12の基部側上面に圧接されるレペティシ
ョンボタン33が配設されており、これによってレペテ
ィションレバー15の反時計方向の回動を制限し、初期
位置に係止している。
【0015】前記ハンマーアッセンブリ13は、前記ハ
ンマーシャンク25と、このハンマーシャンク25の基
端部下面に配設された前記ハンマーローラ26と、前記
ハンマーシャンク25の遊端に配設されたハンマー38
等で構成されており、前記ハンマーシャンク25の基端
部が前記シャンクレール11の上面に後述するブラケッ
ト71と共に固定されたシャンクフレンジ36の後端に
ピン37を介して上下方向に回動自在に軸支され、ハン
マーローラ26が通常レペティションレバー15の前端
部上面に載置されることで初期位置に係止されている。
鍵盤4の押鍵操作に伴いウイペン12がキャプスタン1
9により突き上げられてピン18を中心として反時計方
向に上昇回動すると、ジャック14がハンマーローラ2
6を下から突き上げてハンマーアッセンブリ13を時計
方向に上昇回動させ、これによってハンマー38が押鍵
操作された鍵盤4に対応する弦3を打撃する。打弦動作
途中において、ジャック14は、ジャック小27がレギ
ュレチングアッセンブリ16により上昇運動を阻止され
ることにより、レペティションスプリング23に抗して
時計方向に回動され、これによってジャック14の上端
がハンマーローラ26の下部から一時的に脱進する。こ
の時、押鍵操作している指は「カクッ」という感触、す
なわちアフタータッチ感を受け、ジャック14が脱進し
たことを知ることができる。また、この脱進によってハ
ンマーアッセンブリ13の負荷がなくなるため、押鍵操
作力は軽くなる。ジャック14の脱進時期は、通常演奏
時において、ハンマー38が弦1に2〜3mm程度まで
接近したときとされる。そして、打弦動作後、弦3の反
発力および自重によって回動復帰するハンマーアッセン
ブリ13は、ハンマーローラ26がレペティションレバ
ー15によって受け止められることにより初期位置へと
復帰する。この時、レペティションレバー15は、ハン
マーアッセンブリ13の落下衝撃によりセンターピン3
2を中心としてレペティションスプリング23に抗して
時計方向に回動されることにより、前記落下衝撃を吸収
緩和し、ハンマーローラ26の跳ね返りを防止すると共
に同一鍵による早い連打を可能にしている。また、前記
ジャック14は、ハンマー38による打弦動作後鍵盤4
の復帰動作に伴うウイペン12の回動下降に連動して回
動復帰することにより、上端が再びハンマーローラ26
の下部に入り込み、次の打弦動作を可能にする。
【0016】前記レギュレチングアッセンブリ16は、
前記シャンクレール11の内側に88鍵のアクション機
構7を複数個のアクション機構7にグループ化した複数
のアクション毎に延在するよう横断延設されたレギュレ
チングレール40(図6参照)と、各アクション機構7
のジャック14のジャック小27に対応して前記レギュ
レチングレール40の下面側にレギュレチングスクリュ
ウ41を介して高さ調整可能に配設された複数個のレギ
ュレチングボタン42とで構成されている。レギュレチ
ングボタン42と前記ジャック小27との距離dは、通
常演奏時においてハンマー38が弦1に2〜3mm程度
まで接近した際にジャック14がハンマーローラ26の
下部から脱進する距離(3〜5mm)に各アクション機
構7毎に設定されており、図4に示す消音演奏時に後述
する距離変更手段63によってレギュレチングアッセン
ブリ16がジャック小27に接近されることにより、ハ
ンマー38が弦3に8〜15mm程度まで接近した際に
ジャック小27がハンマーローラ26の下部から脱進す
る距離d’に変更される。この距離d’は、1〜3mm
程度とされる。なお、レギュレチングボタン42を手で
回すと、レギュレチングボタン42がレギュレチングス
クリュウ41に沿って上下して前記距離dを微調整する
ことができ、距離dを大きくすると、ジャック14の脱
進時期が遅くなり、反対に小さくすると早くなる。
【0017】なお、前記鍵盤4の後端部上面には打弦動
作後弦3の反発力およびハンマーアッセンブリ13の自
重により回動復帰するハンマー38を弾性的に受け止め
るバックチェック43がバックチェックワイヤ44を介
して配設されている。
【0018】前記ダンパー機構8は、ダンパーレバーレ
ール50に配設されたダンパーレバーフレンジ51に後
端がピン52を介して上下方向に回動自在に軸支され、
前端が鍵盤4の後端部上方に延在するダンパーレバー5
3と、このダンパーレバー53の前端側に配設されたダ
ンパーブロック54と、このダンパーブロック54にダ
ンパーワイヤ55を介して配設されたダンパー56等で
構成されている。ダンパー56は通常前記弦3を上方か
ら押圧することにより、弦3の自由な振動を阻止してお
り、鍵盤4の押鍵操作時にダンパーレバー53が鍵盤4
の後端4aによって突き上げられて反時計方向に回動さ
れると、上昇して弦3から離間するよう構成されてい
る。そして、このダンパー56の離間後、前記ハンマー
38が弦3を打撃することで、通常演奏を可能にしてい
る。なお、上記したアクション機構7およびダンパー機
構8は、従来のグランドピアノのアクション機構、ダン
パー機構と全く同様である。
【0019】さて、この発明においては、上記した通常
演奏時のアフタータッチ感を阻害しないで打弦音を発生
させない消音演奏を可能にする装置、すなわち消音装置
60を備えている。この消音装置60は、弦3とハンマ
ーアッセンブリ13の間に配設され、通常演奏時にはハ
ンマー38による打弦を阻止せず消音演奏時にハンマー
38が打弦する直前にハンマーアッセンブリ13の回動
を阻止する打弦阻止手段61と、打弦阻止手段61を鍵
盤4の並設方向に移動させ通常演奏状態から消音演奏状
態もしくはこの逆の状態に切り替える切替手段62と、
消音演奏時に前記レギュレチングアッセンブリ16をジ
ャック小27側に移動させて前記距離dをd’に変更す
る距離変更手段63とで構成されている。
【0020】図2および図3おいて、前記打弦阻止手段
61は、全てのアクション機構7に対応して弦3の並設
方向に移動自在に横断延設された板状のハンマーシャン
クストッパ64を備え、このハンマーシャンクストッパ
64の前端部下面には同ストッパ64の剛性を高めるた
め補強板65が固定され、下面後端部には複数個のクッ
ション部材66がアクション割り、すなわちアクション
機構7の配列ピッチ(約13mm)と略同一ピッチにて
並列配置されている。ハンマーシャンクストッパ64
は、その両端および中間の3箇所、合計5箇所にそれぞ
れ設けられたステー67によって保持されている。ステ
ー67は、金属板の折り曲げ加工等により正面視下向き
コ字状に形成されることにより下面および前後面が開放
して互いに平行な前後一対のシャフト68A,68Bを
有し、上面に前記ハンマーシャンクストッパ64が止め
ねじ69によって固定されている。前記シャフト68
A,68Bは、軸受部材70と前記ブラケット71とに
よって軸線方向、すなわち鍵盤4の配列方向に移動自在
に保持されている。軸受部材70は、図3に示すように
側面視Ω型に形成されて、その湾曲部内に前記シャフト
68A,68Bが円筒状のクロス72を介して摺動自在
に挿通されており、両端部が前記ブラケット71に止め
ねじ73によって固定されている。前記ブラケット71
は、各ステー67に対応してアクション機構7の上方に
配設されるもので、その前端部が止めねじ74によって
前記シャンクレール11の上面にシャンクフレンジ36
と共に固定され、また前端に設けられた折曲部71aが
同じくシャンクレール11の前面に止めねじ75によっ
て固定される一方、後端部がブラケット受け部材76上
に止めねじ77によって固定されている。ブラケット受
け部材76は、ビス78によって前記サポートレール6
上に高さ調整可能に配設されている。また、前記ブラケ
ット71の後端部は、L字状に折曲されて前記ステー6
7の取付部を形成しており、その垂直部71bと水平部
71cに前記各シャフト68A,68Bを保持する前記
軸受部材70がそれぞれ固定されている。
【0021】図1において、前記ブラケット71の上方
には消音演奏時に用いられる複数個のハンマーセンサ8
0が各アクション機構7のハンマーシャンク25に対応
して配設されている。このハンマーセンサ80は、発光
素子と受光素子(図示せず)とを備え、打弦動作時にハ
ンマーシャンク25上に配設されたシャッタ81が発光
素子から出射し受光素子によって受光される光を遮るこ
とによりアクション機構7、言い換えれば鍵盤4の動き
を検出し、その出力信号によって電子音源から電子音を
発音させるように構成されている。なお、このようなハ
ンマーセンサ80は従来周知であるため、これ以上の説
明を省略する。
【0022】再び図2において、前記切替手段62は、
通常演奏状態から消音演奏状態もしくはこの逆の状態に
切り替える際、前記打弦阻止手段61をアクション割り
の半ピッチだけ左または右方向に移動させるもので、回
動レバー91を備えている。この回動レバー91は、前
記シャンクレール11に配設された軸受部材92によっ
て中間部が回転自在に軸支された軸93と、この軸93
の後端に一体的に設けられ、複数個のステー67の一
つ、例えばハンマーシャンクストッパ64の中央部を保
持しているステー67に下方から挿入係合される板状の
操作部94とで構成されている。前記軸93の前端には
ボール96を回動自在に保持するレバー95の一端が止
めねじ97によって固定されている。ボール96は、ワ
イヤ98の一端に固定されている。ワイヤ98のボール
側端部は、前記シャンクレール11に上端が固定された
ブラケット99の下端に着脱可能に配設されたワイヤケ
ース100によって摺動自在に保持され、他端側が前記
アクション機構7等を収納する不図示の楽器本体内から
棚板1の下面に沿って外部に導出され、摘み101に連
結されている。摘み101は棚板1の前端部下面適宜箇
所に固定されたホルダ102によって前後移動自在に保
持されており、通常演奏時において図2に示す引っ込ん
だ位置に設定保持されている。この時、回動レバー91
の操作部94は略垂直に設定保持されている。この状態
において、ハンマーシャンクストッパ64は、通常演奏
位置に設定保持されており、クッション部材66をハン
マーシャンク25間に位置させている。レバー101を
手で手前側に所定量引くと、回動レバー91が図2反時
計方向に所要角度回動され、これによって操作部94が
ステー67を左方にアクション割りの半ピッチだけ移動
させ、各クッション部材66をハンマーシャンク25に
対応一致させる。
【0023】図1および図4において、前記距離変更手
段63は、全てのアクション機構7に対応して弦3の並
設方向に横断延設された回動軸110を備えている。こ
の回動軸110は、シャンクレール11の前面に第1ブ
ラケット111を介して配設された第2ブラケット11
2の前端部上面に軸受部材113によって回動自在に保
持されて配設されている。
【0024】前記第1ブラケット111は、金属板の折
り曲げ加工によって図5に示す如き形状に形成されるこ
とにより、垂直な前面板部111a、前下がりに傾斜し
後方斜め上方に延在する上板部111b、後方に延在す
る水平な底板部111cおよび左右一対の側板部111
d,111eを一体に有し、上板部111bと底板部1
1cに設けられたねじ孔114,115にねじ込まれる
ビス116,117によって前記シャンクレール11の
前端部上面および下端面に固定され、両側板部111
d,111eがシャンクレール11の前面に当接されて
いる。ビス116,117の先端部はそれぞれ円錐形
で、前記シャンクレール11の前端部上面および下端面
に形成された小さな円錐形凹部118,119にそれぞ
れ係入されることにより、第1ブラケット111の位置
ズレを防止している。そして、このような第1ブラケッ
ト111は、図6に示すように回動軸110の両端部
と、隣接する各セクションI〜IV間に対して1ずつ、
さらに各セクションI〜IVに対して2または3つ、合
計16配設されている。
【0025】前記第2ブラケット112は、金属板の折
り曲げ加工によって図7に示す如く側面視L字型に形成
されることにより、垂直板部112aおよび垂直板部1
12aの前端に連結された前方に延在する水平板部11
2bとを一体に有し、垂直板部112aに形成された長
溝121に止めねじ(図示せず)が挿通され前記第1ブ
ラケット111の前面板部111aに設けられたねじ孔
122にねじ込まれることにより、前記回動軸110の
各端部と隣接する各セクションI〜IV間にそれぞれ位
置して配設されている前記第1ブラケット111の前面
に固定されている。なお、各アクションのセクション割
りは、ピアノフレームの位置に応じて決定される。
【0026】図4において、前記軸受部材113は前記
各第2ブラケット112にそれぞれ配設されるもので、
側面視Ω型に形成されてその両端固定部が前記第2ブラ
ケット112の前面板部112bに形成されたねじ孔1
24にねじ込まれる一対の止めねじ125によって第2
ブラケット112の前端部上面に固定され、前記回動軸
110を回動自在に保持している。軸受部材113の湾
曲部と回動軸110との間には円筒状のブッシングクロ
ス126が介在されており、これにより回動時の摺動雑
音の発生を防止している。
【0027】前記回動軸110には前記レギュレチング
アッセンブリ16を保持する複数個の保持部材130が
配設されている。保持部材130は、金属板の折り曲げ
加工によって図8に示す如き形状に形成されることによ
り、前後方向に延在する水平基部130a、水平基部1
30aの前端に上方に向かって折曲された垂直部13
b、垂直部130bの上端に前方に向かって折曲された
水平部130c、水平基部130aの後端に上方に向か
って連接されたレール取付部130dとを一体に有し、
水平基部130aが前記回動軸110に不図示の止めね
じによって固定されている。このため、水平基部130
aにはねじ取付孔132が形成されている。また、水平
基部130aの後端部下面にはワイヤ133の一端が連
結されるワイヤ取付部134が螺合等により固着され一
体的に垂設されている。ワイヤ133は、レギュレチン
グアッセンブリ16を通常演奏状態と消音演奏状態に切
り換える操作手段を構成するもので、上記した打弦阻止
手段61のワイヤ98と同様、棚板1の下面前端部に導
出され摘み101に接続されており、これによって打弦
阻止手段61と距離変更手段63は連動する。取付部材
130のレール取付部130dは、上端部が前記シャン
クレール11の内側に下方より挿入されてその前面部裏
面と近接対向しており、この上端部裏面側に前記レギュ
レチングレール40が不図示の止めねじによって固定さ
れている。また、取付部材130の水平部130cの上
面中央にはピン135が突設されており、このピン13
5には取付部材130を図4時計方向に付勢するばね1
36の下端が嵌装されている。そして、このような取付
部材130は、前記各セクションI〜IVにそれぞれ配
設された前記各第1ブラケット111と対応一致するよ
う回動軸110にそれぞれ固定配置されている。
【0028】前記各セクションI〜IVにそれぞれ配設
された前記各第1ブラケット111には、第3ブラケッ
ト140が前記取付部材130に対応して配設されてい
る。この第3ブラケット140は、金属板の折り曲げ加
工によって図9に示す如く側面視逆L字型に形成される
ことにより、垂直板部140aおよび垂直板部140a
の上端に連結された前方に延在する水平板部140bと
を一体に有し、垂直板部140aに形成された長溝14
1に止めねじ(図示せず)が挿通され各セクションI〜
IVに設けられた前記第1ブラケット111の前面板部
111aにそれぞれ固定されており、水平板部140b
の前端部下面には前記ばね136の上端が圧接されてい
る。なお、回動軸110に対する第1〜第3ブラケッ
ト、保持部材130の取り付け位置は図6に示している
通りである。
【0029】前記レギュレチングレール40の上面には
クロス142が固着されており、このクロス142は通
常演奏状態において図1に示すようにシャンクレール1
1の下面に前記ばね136のばね力によって圧接されて
いる。また、レギュレチングレール40は、全てのアク
ション機構7に対応して弦3の並設方向に横断延設され
ておらず、各セクション毎に分断されている。
【0030】前記取付部材130の水平基部130aの
後端部下方には取付部材130の反時計方向の回動を制
限するストッパ144が配設されている。このストッパ
144は、全てのアクション機構7に対応して弦3の並
設方向に横断延設されたレール145上に各取付部材1
30に対応してそれぞれ植設された止めねじで構成され
ている。
【0031】次に、上記構成からなる消音装置60の動
作について説明する。通常演奏時においては、摘み10
1が棚板1の下面側に引っ込んでおり、この状態におい
てハンマーシャンクストッパ64は高音弦側に設定保持
され、各クッション部材66をアクション機構7の隣接
するハンマーシャンク25間に位置させている。したが
って、この状態で鍵盤4を押鍵操作し、ジャック14が
ハンマーアッセンブリ13を突上げ回動させても、ハン
マーシャンク25がクッション部材66に当接してそれ
以上の回動を阻止されることがなく、ハンマー38によ
り弦3を打撃することができる。また、この時、レギュ
レチングアッセンブリ16は、図1に示す通常演奏位置
に保設定保持されることにより、レギュレチングボタン
42とジャック小27との距離を通常演奏時の距離dに
設定している。したがって、上述した通り押鍵操作に連
動してハンマーアッセンブリ13がジャック14によっ
て突き上げられると、その打弦動作途中にジャック14
がハンマーローラ26の下部から一時脱進し、「カク
ッ」というアフタータッチ感を得ることができる。
【0032】次に、図2において切替手段62の摘み1
01を手前側に引いてワイヤ98を引っ張ると、レバー
95および回動レバー91が反時計方向に所定角度一体
に回動し、操作部94がステー67を低音弦側に押圧移
動させる。このため、ハンマーシャンクストッパ64も
ステー67と一体に移動する。このハンマーシャンクス
トッパ64の移動量は上記した通りアクション割りの略
半ピッチに設定されているので、各クッション部材66
が各アクション機構7のハンマーシャンク25と対応一
致し、もって通常演奏状態から消音演奏状態に切り替わ
る。
【0033】この場合、ハンマーシャンクストッパ64
の移動量設定については、説明を省略したが、ハンマー
シャンクストッパ64の両側にストッパを設けたり、摘
み101の引出し量を規制したり、あるいはまたシャフ
ト68A,68Bを軸支する軸受部材70をステー67
の幅より小さく設定してステー67内に位置させ、これ
によりステー67の移動を規制するなど種々の方法が可
能である。
【0034】また、摘み101を手前に引いて距離変更
手段63のワイヤ133を引っ張ると、取付部材130
が図1反時計方向にばね136に抗して回動し、ストッ
パ144に当接させると、レギュレチングアッセンブリ
16が下降してレギュレチングボタン42とジャック小
27との距離を通常演奏時の距離dから消音演奏時の距
離d’に変更する。図4はこの状態を示す。
【0035】消音演奏状態において、鍵盤4を押鍵操作
し、これに連動してアクション機構7が動作し、ジャッ
ク14がハンマーアッセンブリ13を上昇回動させる
と、ハンマー38が弦3を打撃しようとする。そして、
ジャック14は打弦動作途中においてレギュレチングボ
タン42に当接して上昇を阻止されることにより時計方
向に回動してハンマーローラ26の下部から脱進する。
したがって、この時も通常演奏時と同様、「カクッ」と
いうアフタータッチ感を得ることができる。一方、ハン
マーアッセンブリ13は、ジャック14の脱進後も上昇
回動し続けようとするが、ハンマー38が弦3を打撃す
る直前にハンマーシャンク25がクッション部材66に
当接してそれ以上の回動を阻止されるため、ハンマー3
8が弦3を打撃することなく跳ね返され、初期位置に回
動復帰する。また、ジャック14もウイペン8に連動し
て下降し、上端面がハンマーローラ26の下部に再び入
り込み、初期位置に復帰する。この結果、打弦音を発し
ない消音演奏を行うことができる。
【0036】このようにこの発明に係る鍵盤楽器の消音
装置にあっては、弦3とハンマーアッセンブリ13との
間に打弦阻止手段61を鍵盤4の並設方向に移動自在に
配設し、通常演奏時に打弦阻止手段61のクッション部
材66をアクション機構7のハンマーシャンク25間に
位置させ、消音演奏時に打弦阻止手段61を移動させて
クッション部材66をハンマーシャンク25と対応一致
させ、これによってハンマー38が弦3を打撃する直前
にハンマーシャンク25の回動を阻止するように構成し
たので、通常演奏と消音演奏を楽しむことができる。ま
た、本発明はレギュレチングアッセンブリ16全体を下
降させてジャック小27とレギュレチングボタン42と
の距離をdからd’に変更しているので、スペーサを介
在させる場合に比べて通常演奏時用に調整されたジャッ
ク小27とレギュレチングボタン42との相対的関係が
変化せず、したがって、消音演奏時のアフタータッチ感
を通常演奏時と同様に保つことができる。
【0037】また、この発明はハンマーセンサ80を備
え、これによってアクション機構7の動きを検出し、そ
の検出信号によって楽音制御回路を制御し、電子音源か
ら電子音を発生させるようにしているので、グランドピ
アノのタッチ感を損なうことなく電子ピアノの演奏を楽
しむことができ、またこの時の電子音をヘッドホンで聞
いたり、スピーカから小さな音量で発音させると、日
中、夜間を問わず近隣居住者への騒音公害となることが
ない。
【0038】図10は切替手段の他の実施の形態を示す
斜視図である。この実施の形態は、上記した回動レバー
91の代わりに平板状のステー150をシャンクレール
11の上方にこれと直交するように、かつ不図示のガイ
ドによって左右方向にアクション割りの略半ピッチだけ
移動し得るように配設し、このステー150の前端にボ
ール96を回動自在に保持するブロック151を固定
し、後端をハンマーシャンクストッパ64に連結し、通
常演奏状態と消音演奏状態の切り替え時に摘み101に
よってステー150を左もしくは右方向にアクション割
りの半ピッチだけ移動させるように構成したものであ
る。その他の構成は上記実施の形態と同様である。この
ような構成においても上記実施の形態と同様に打弦阻止
手段61を通常演奏位置と消音演奏位置に移動させるこ
とができるものである。
【0039】なお、上記実施の形態はいずれも打弦阻止
手段61を移動させる切替手段62として手動操作され
る摘み101とワイヤ98を用いたが、この発明はこれ
に何等特定されるものではなく、ペダル操作によって打
弦阻止手段61を直接移動させたり、駆動モータによっ
て回動レバー91を回動させたり、ステー150をソレ
ノイドで移動させるなど種々の変更が可能である。ま
た、上記実施の形態はいずれも打弦阻止手段61を水平
方向に移動させるように構成したが、この発明はこれに
限らず、上下方向に移動させるようにしてもよい。さら
に、上記した実施の形態は、摘み101で打弦阻止手段
61と距離変更手段63を連動させるようにしたが、各
手段を異なる摘みで動作せるようにして、消音演奏時に
距離変更手段63を動作させるか否かを演奏者が選択で
きるようにしてもよい。
【0040】また、上記実施の形態は距離変更手段63
の操作をワイヤ133を用いて行うようにしたが、この
発明はこれに何等特定されるものではなく、上記打弦阻
止手段61と同様、ペダル操作によって回動軸110を
直接回動させたり、駆動モータによって回動軸110を
回動させたり、あるいはまた取付部材130をソレノイ
ド等の駆動手段によって回動させるなど種々の変更が可
能である。
【0041】
【発明の効果】以上説明したようにこの発明に係る鍵盤
楽器の消音装置は、弦とハンマーアッセンブリの間に打
弦阻止手段を配設し、この打弦阻止手段を切替手段によ
って移動させて通常演奏状態と消音演奏状態に切り替
え、通常演奏時には打弦阻止手段がハンマーの回動を阻
止せず、消音演奏時にハンマーが弦を打撃する直前にハ
ンマーアッセンブリの回動を阻止し、またレギュレチン
グアッセンブリをジャック小に対して接近・離間自在に
配設し、消音演奏時にジャック小とレギュレチングボタ
ンとの距離を通常演奏時の距離よりも短縮し、ハンマー
の打弦動作途中でジャックをハンマーローラの下部から
脱進させるように構成したので、通常演奏と消音演奏の
いずれにおいても良好なアフタータッチ感を損なうこと
なく演奏を楽しむことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明をグランドピアノに適用した場合の一
実施の形態を示すアクション機構部の通常演奏時の側断
面図である。
【図2】打弦阻止手段と切替手段の斜視図である。
【図3】打弦阻止手段の取付構造を示す側断面図であ
る。
【図4】レギュレチングアッセンブリを消音演奏状態に
切り換えた状態を示す側断面図である。
【図5】第1ブラケットの斜視図である。
【図6】回動軸、ブラケットおよび取付部材の位置関係
を示すための図である。
【図7】第2ブラケットの斜視図である。
【図8】取付部材の斜視図である。
【図9】第3ブラケットの斜視図である。
【図10】切替手段の他の実施の形態を示す斜視図であ
る。
【符号の説明】
1 棚板 3 弦 4 鍵盤 6 サポートレール 7 アクション機構 8 ダンパー機構 12 ウイペン 13 ハンマーアッセンブリ 14 ジャック 16 レギュレチングアッセンブリ 25 ハンマーシャンク 27 ジャック小 38 ハンマー 40 レギュレチングレール 42 レギュレチングボタン 60 消音装置 61 打弦阻止手段 62 切替手段 63 距離変更手段 64 ハンマーシャンクストッパ 66 クッション部材 110 回動軸 133 ワイヤ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鍵盤の押鍵操作に連動して動作するハン
    マーアッセンブリによって弦を打撃する鍵盤楽器に設け
    られる消音装置であって、前記弦と前記ハンマーアッセ
    ンブリの間に配設され、通常演奏時にはハンマーによる
    打弦を阻止せず、消音演奏時にハンマーが打弦する直前
    にハンマーアッセンブリの回動を阻止する打弦阻止手段
    であって、全てのアクション機構に対応して弦の並設方
    向に横断延設されたストッパ部材と、該ストッパ部材に
    おいて前記ハンマーアッセンブリの打弦時に回動する部
    材との衝突面に設けられた複数のクッション部材とを有
    するものと、前記打弦阻止手段を移動させ通常演奏状態
    から消音演奏状態もしくはこの逆の状態に切り替える切
    替手段とを備えていることを特徴とする鍵盤楽器の消音
    装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の鍵盤楽器の消音装置にお
    いて、 前記打弦阻止手段は、シャフトと該シャフトを保持する
    軸受部材と該軸受部材を鍵盤楽器に固定するための固定
    手段とを備え、 前記切替手段は、前記鍵盤楽器に備えられる操作部と連
    結され、前記打弦阻止手段を移動させるための駆動力を
    伝達するための伝達手段と、該伝達手段が駆動力を伝達
    可能とすべく移動可能に保持する保持手段と、該保持手
    段を前記鍵盤楽器に固定する固定手段とを備えているこ
    とを特徴とする鍵盤楽器の消音装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の鍵盤楽器の消音装置にお
    いて、 ジャックが脱進する時期を通常演奏時と消音演奏状態と
    で変更する変更手段を有することを特徴とする鍵盤楽器
    の消音装置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の鍵盤楽器の消音装置にお
    いて、 前記切替手段は、前記打弦阻止手段と変更手段を連動し
    て動作させることを特徴とする鍵盤楽器の消音装置。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の鍵盤楽器の消音装置にお
    いて、 消音装置が設けられる鍵盤楽器には、消音演奏時の演奏
    操作を検出する検出手段と、消音演奏時に電子音を発生
    させるための電子音源とが設けられることを特徴とする
    鍵盤楽器の消音装置。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の鍵盤楽器の消音装置にお
    いて、 前記切替手段は、通常演奏状態と消音演奏状態との切替
    時に前記打弦阻止手段を弦の配列方向に移動させること
    を特徴とする鍵盤楽器の消音装置。
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