JP3603375B2 - 鍵盤楽器 - Google Patents

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    • G10F1/02Pianofortes with keyboard

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、記憶手段に記憶させた演奏データに基づいて鍵をソレノイド駆動する自動演奏ピアノの機能と、押鍵したときにハンマが打弦するか否かを選択することができる消音演奏の機能とを兼ね備えた鍵盤楽器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の自動演奏ピアノは、フロッピィディスク等の記憶手段に記憶した複数のイベントデータからなる演奏データを読み出し、この読み出されたイベントデータに基づいて鍵やペダルをソレノイドで駆動するように構成されている。図7は、従来の自動演奏ピアノにおける、記憶手段からイベントデータが読み出された後の処理手順を示すものであって、イベントデータが読み出される毎に起動されるものである。自動演奏ピアノでは、まず、読み出されたイベントデータが鍵盤のものであるのか鍵盤以外のものであるかを判定する(ステップS1)。そして、イベントが鍵盤のものでない場合には、例えばペダルを駆動するなど各イベントに応じた鍵盤駆動以外の処理を行う(ステップS2)。一方、イベントが鍵盤のものである場合には、ステップS3へ進んで鍵を駆動するための所定の処理を行う。
【0003】
すなわち、CPUは、ROMに記憶させた変換テーブルを参照し、この変換テーブルによって演奏データのうち押鍵速度あるいはハンマ速度を示す速度データをキーベロシティに変換する(ステップS3)。変換されたキーベロシティは、ソレノイドに供給する励磁電流を示すものであり、所定のインターフェイスを介してソレノイドに供給されることにより、データの値に応じた速度で鍵が駆動される(ステップS4)。これにより、鍵の動作が通常のアコースティックピアノと同等のアクション機構を介してハンマに伝達され、ハンマによる打弦が行われて楽音が発生する。
【0004】
また、ハンマが弦を打撃する直前にハンマの回動をストッパにより阻止するようにして、鍵が押下されても打弦音が発生されないようにした消音機構を有する鍵盤楽器も知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記自動演奏ピアノに上記消音機構を搭載することが考えられる。このようにすると、演奏データに基づく鍵駆動を行う際に消音機構によりハンマの回動を阻止するようにして、鍵を駆動しつつ打弦音を発生させないようにする自動演奏が可能となる。しかしながら、この場合、打弦音が発生しないため、ハンマがストッパに当接する際の音、あるいはソレノイドが動くことによる種々の摺動音や衝突音(例えば、ソレノイドとコイルボビンとの摺動音、鍵と棚板との衝突音など)が聞こえてしまうという問題があった。そして、この問題は、キーベロシティが大きいときに顕著であった。
【0006】
この発明は上記した従来のピアノプレーヤが有する問題点を解決するためになされたもので、消音演奏状態で自動演奏を行う場合の異音の発生を抑制することができる鍵盤楽器を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の鍵盤楽器は、鍵と、前記鍵の動作をハンマに伝達して同ハンマにより被打撃部を打撃させる打弦機構とを有する鍵盤楽器において、鍵の動作速度を示す速度データを少なくとも含む演奏データを順次発生する演奏データ発生手段と、鍵を駆動する鍵駆動部と、上記鍵の動作に応じて上記ハンマが上記被打撃体を打撃する通常演奏状態と上記鍵が動作しても上記ハンマが上記被打撃体を打撃しない消音演奏状態とを選択可能にする消音機構と、上記演奏データ発生手段から発生された演奏データに基づいて楽音信号を発生する音源手段と、上記演奏データ発生手段から発生された演奏データの速度データに応じた速度で上記鍵駆動部により鍵を駆動させる制御手段とを具備し、上記制御手段は、消音演奏状態のときには通常演奏状態のときに比して鍵の駆動速度を抑制することを特徴としている。
【0008】
請求項2に記載の鍵盤楽器は、請求項1記載の鍵盤楽器において、さらに、前記速度データを該速度データが増加するに従って増加する出力速度信号に変換するための第1および第2の変換データを記憶した記憶手段を具備し、上記第2の変換データは上記第1の変換データに比して前記鍵駆動部による鍵の駆動速度を抑制するものとされ、前記制御手段は、通常演奏状態において上記速度データを上記第1の変換データを用いて出力速度信号に変換し、消音演奏状態において上記速度データを上記第2の変換データを用いて出力速度信号に変換し、これら出力速度信号を用いて上記鍵駆動部により鍵を駆動させることを特徴としている。
【0009】
請求項3に記載の鍵盤楽器は、鍵と、前記鍵の動作をハンマに伝達して同ハンマにより被打撃部を打撃させる打弦機構とを有する鍵盤楽器において、鍵の動作速度を示す速度データを少なくとも含む演奏データを順次発生する演奏データ発生手段と、鍵を駆動する鍵駆動部と、上記鍵の動作に応じて上記ハンマが上記被打撃体を打撃する通常演奏状態と上記鍵が動作しても上記ハンマが上記被打撃体を打撃しない消音演奏状態とを選択可能にする消音機構と、上記演奏データ発生手段から発生された演奏データに基づいて楽音信号を発生する音源手段と、上記演奏データ発生手段から発生された演奏データの速度データに応じた速度で上記鍵駆動部により鍵を駆動させる制御手段と、前記速度データを該速度データが増加するに従って増加する出力速度信号に変換するための第1および第2の変換データを記憶した記憶手段とを具備し、前記第1の変換データは、自動演奏の再生音量の設定範囲に分けて複数設定され、前記第2の変換データは、前記速度データがとりうる最小値のときの出力速度信号の値が、当該最小値において上記複数の第1の変換データを用いて変換した出力速度信号のうちの最小のもの以上であり、上記速度データがとりうる最大値のときの出力速度信号の値が、当該最大値において上記複数の第1の変換データを用いて変換した出力速度信号の最小のものと最大のものの中間の値となるように設定されていることを特徴としている。
【0010】
【作用】
請求項1に記載の鍵盤楽器にあっては、消音演奏状態での自動演奏では、制御手段が通常演奏状態のときに比して鍵の駆動速度が抑制されるように鍵駆動部を抑制するから、ハンマ機構が消音機構に当接する際の音や種々の摺動音が低減される。
【0011】
請求項2記載の鍵盤楽器にあっては、消音演奏状態での自動演奏では、通常演奏状態のときよりも鍵の駆動速度を抑制した第2の変換データを用いて速度データを出力速度信号に変換するから、ハンマ機構が消音機構に当接する際の音や種々の摺動音が低減される。
【0012】
請求項3に記載の鍵盤楽器にあっては、通常演奏状態で再生音量の大きい範囲では、その範囲に対応する第1の変換データが用いられ、変換後の出力速度信号が大きくなる。よって、再生音量の設定に対応する鍵の動作が与えられ、それに応じて大きな打弦音が発せられる。このように、通常演奏状態では、再生音量の設定に応じて変換後の出力速度信号が増減するため、再生音量の設定に応じた音量の打弦音が発せられる。
【0013】
一方、消音演奏状態においては、第2の変換データによって変換された出力速度信号は、速度データが最大値をとる場合に各第1の変換データを用いて変換した出力速度信号の最小のものと最大のものの中間の値となり、再生音の音量が大きい場合の鍵の駆動速度が抑制される。このように、請求項3に記載の鍵盤楽器では、鍵の自然な動作を確保しつつその動作を抑制して異音の発生を抑制することができる。また、消音演奏状態において速度データが最小値をとる場合、すなわち、再生音の音量が最小となる場合には、第2の変換データを用いて変換した出力速度信号は、各第1の変換データを用いて変換した出力速度信号のうちの最小のもの以上であるから、通常演奏状態と同等以上の鍵の動作を得ることができ、鍵の自然な動作を再現することができる。
【0014】
【実施例】
以下、この発明の一実施例を図1ないし図6を参照しながら説明する。この実施例は本発明をアップライトピアノに適用したもので、次の機能を有している。
(a)通常のアップライトピアノとしての機能
(b)記憶手段に記憶させた演奏データまたは外部機器から入力される演奏データに基づいて鍵を駆動し、打弦音を発生させて自動演奏を行う機能
(c)押鍵がなされても打弦を行わずに楽音を電子音源から発生させる機能
(d)演奏データに基づく鍵の駆動がなされても打弦を行わずに楽音を電子的音源から発生させる機能
(e)上記(a)および(c)の場合において、鍵イベントを演奏データとして記録する機能
特に、実施例のアップライトピアノは、本発明の特徴である(f)消音演奏状態で自動演奏を行う場合に、鍵の駆動速度を抑制する機能を有している。まず、実施例のアップライトピアノの機械的構成について説明する。
【0015】
(1)ハンマアクション部の構成
図1は、アップライトピアノの1つの鍵の動作をハンマに伝達して弦を打撃するハンマアクション部の構成を示す側断面図である。図に示すハンマアクション部は、鍵10と、この鍵10の動作により駆動される打弦機構20と、この打弦機構20の動作により駆動されて弦Sを打撃するハンマアッセンブリ40と、弦Sを押すダンパー機構50とから概略構成されている。
【0016】
鍵10は、棚板11の上面に配置されて鍵盤の全長にわたって延在する支持部材(図示せず)に回動自在に支持されている。そして、押鍵することにより鍵10の後端部(図1において右端部)が上昇し、そこに取り付けたキャプスタン12が以下に述べる打弦機構20を押し上げるようになっている。
【0017】
図において符号15はアクションブラケットであり、このアクションブラケット15は、アップライトピアノの両側およびそれらの中間部の複数位置に配置されている。アクションブラケット15にはセンターレール16が架設され、これらアクションブラケット15とセンターレール16とによってハンマアクション部の骨組みが構成されている。センターレール16の下端部には、各鍵10について1個づつウイペンフレンジ22が取り付けられている。ウイペンフレンジ22の下端部には、長手方向をアップライトピアノの前後方向へ向けたウイペン23の一端部がピン22aによって回動自在に支持されている。ウイペン23は板状をなし、その他端部の下面にはウイペンヒール24が取り付けられている。ウイペンヒール24は、その下面がキャプスタン12に支持されることにより、ウイペン23を略水平な初期位置に保っている。
【0018】
また、ウイペン23には、上方へ向けて突出するジャックフレンジ25が取り付けられ、ジャックフレンジ25の上端部には、略L字状をなすジャック26がその屈曲部近傍において回動自在に支持されている。ジャック26は、斜め上方に向けて延在するジャック大26aと、このジャック大26aに対してほぼ直交するジャック小26aとから構成されている。ジャック26は、ウイペン23に取り付けたジャックスプリング27によりジャック小26bが押し上げられることにより、図中時計回りの回転方向に付勢されている。また、ジャック26は、センターレール16にジャックストップレール28を介して取り付けられたジャックストップフェルト29により、その回動範囲が規制されている。なお、ジャックストップフェルト29の位置は、ジャックストップレールスクリュー30を回転させることにより調整可能となっている。
【0019】
一方、センターレール16には、ブラケット31を介して鍵盤10の全長にわたって延在するレギュレーティングレール32が取り付けられている。レギュレーティングレール32には、スクリュウ33により上下方向の位置が調整可能とされたレギュレーティングボタン34が取り付けられ、レギュレーティングボタン34の下端面には、ウイペン23が所定位置まで回動したときにジャック小26bの先端部が当接するフェルトパッド35が取り付けられている。
【0020】
次に、図中符号41はハンマアッセンブリ(ハンマ機構)40の基部を構成するバットである。バット41は、センターレール16に取り付けたバットフレンジ42にセンターピン42aを介して回転自在に取り付けられている。バット41には、斜め上方へ向けて延在するハンマシャンク43が取り付けられ、ハンマシャンク43の上端部にはハンマ44が取り付けられている。また、バット41には、ハンマシャンク43と略直交するキャッチャシャンク45が取り付けられ、キャッチャシャンク45の先端部にはキャッチャ46が取り付けられている。また、バット41の右上端部には、これを反時計回りの回転方向へ付勢するバットスプリング47が取り付けられている。さらに、バット41の下面には、バットアンダーフェルト41aとこれを覆うバットアンダークロス41bとが取り付けられ、バットアンダークロス41bにはジャック大26aの上端面が当接している。
【0021】
一方、アクションブラケット15には鍵盤の全長にわたって延在するハンマレール36がハンマレールヒンジ36aを介して取り付けられている。ハンマレール36には、プランジャ37がハンマアッセンブリ40毎に取り付けられている。このプランジャ37は、ホルダー37aにより軸方向へ移動可能に支持され、かつ、その内側の端部がホルダー37a内に設けたゴムなどの吸振性の充填部材(図示せず)に支持されている。この構成のもとに、打弦して跳ね返されたハンマ44のハンマシャンク43はプランジャ37に当接し、ホルダー37a内の充填部材がハンマ44の運動エネルギーを吸収してハンマシャンク43の跳ね返りを防止するようになっている。なお、ハンマレールヒンジ36aは、後述するキャッチャー46用ストッパ66を避けるためにL字状に形成されている。そして、ハンマアッセンブリ40は、バットスプリング47の付勢力により、そのハンマシャンク43をプランジャ37に当接させた初期位置に保持されている。
【0022】
また、ウイペン23の自由端には、初期位置へ回動復帰するハンマアッセンブリ40のキャッチャ46を弾性的に受けとめるバックチェック38が取り付けられている。さらに、バックチェック38の隣には、ブライドルワイヤ39aが取り付けられ、ブライドルワイヤ39aの上端部とキャッチャ46とはブライドルテープ39bで連結されている。ブライドルテープ39bは、ハンマアッセンブリ40の回動復帰をウイペン23の回動復帰に追従させることにより、ハンマアッセンブリ40の跳ね返りに起因する弦Sの二度打ちを防止するためのものである。
【0023】
次に、センターフレーム16には、長手方向を上下方向へ向けたダンパーレバー51が図示しないダンパーレバーフレンジによって回動自在に支持され、ダンパーレバー51の上端部には、ダンパーワイヤ52を介してダンパー53が取り付けられている。ダンパーレバー51は、これとダンパーレバーフレンジに取り付けたダンパーレバースプリング54によって時計回りの回動方向へ付勢され、これにより、通常はダンパー53が弦Sを押さえて他の弦Sが打弦されたときの共振を防止している。
【0024】
一方、押鍵によりウイペン23が時計方向へ回動すると、ウイペンに取り付けたダンパースプーン55がダンパーレバー51をダンパーレバースプリング54の付勢力に抗して反時計回りの方向へ回転させ、ダンパー53を弦Sから離間させる。その後、ハンマ44が弦Sを打撃して打弦音が発生する。なお、図中符号56はダンパーロッドであり、このダンパーロッド56は、たとえば、ペダルで駆動されることにより全てのダンパー53を弦Sから離間させるものである。
【0025】
以上はアップライトピアノにおけるハンマアクション部の一般的な構成であるが、実施例のアップライトピアノは、上記構成に加えて以下の消音機構60を有している。すなわち、各アクションブラケットには、軸63が回転自在に支持され、軸63の一端部には、軸63を回転させるモータM(図1では図示略)の回転軸が取り付けられている。
【0026】
また、軸63の外周面には、スペーサ65を介してストッパ66が固定されている。ストッパ66は、例えばフェルトなどで構成されたクッション材66aと、このクッション材66aの上面に設けられ、クッション材66aを保護するための合成皮革などで構成されたパット66bとからなっている。このように構成された消音機構60においては、ストッパ66を略水平方向へ向けることにより(図1に実線で図示)、ハンマアッセンブリ40の通常の回動が許容される通常演奏状態とすることができる。一方、図1に示す状態から軸63を回転させてストッパ66を略下方へ向けることにより(図1に二点鎖線で図示)、回動するキャッチャ46がストッパ66に当接し、ハンマアッセンブリ40のそれ以上の回動が阻止される消音演奏状態とすることができる。
【0027】
次に、ハンマシャンク43の軸方向中間部には、シャッタ71が取り付けられている。シャッタ71はL字状をなし、その先端部には素材を矩形状に切り欠いて窓71aが形成されている。一方、ハンマシャンク43とダンパ53の中間部には、ハンマセンサ72が配置されている。図1において符号73はケーシングである。ケーシング73は、側断面形状がコ字状をなして鍵盤の全長にわたって延在している。ケーシング73の両端部は、アクションブラケット15に取り付けられている。
【0028】
ケーシング73の側面には、シャッタ71が挿通されるスリット(図示略)が形成されている。また、ケーシング73の内側には、光センサ77がその発光部と受光部とで各スリットをそれぞれ挟むようにして各スリット毎に取り付けられている。光センサ77の発光部および受光部には、光軸を共通にした光ファイバの端面が露出しており、この光ファイバの他方の端面は、各々、コントローラ200(図3参照)に設けられた発光素子あるいは受光素子に対向している。これにより、発光素子で発光させられた光は、発光用の光ファイバを介して発光部に導かれ、発光部から受光部に向けて一定光量の光が投射されている。また、受光部で受光された光は、受光用の光ファイバを介して受光素子に導かれ、受光部における受光状態が検出される。なお、図中符号78はダンパーワイヤ52を弾性的に受けとめるフェルトである。
【0029】
(2)鍵盤部の構成
次に、図2は鍵盤の下側の構成を示す図である。この実施例のアップライトピアノは、鍵を駆動するためのソレノイドSOLによって自動演奏ができるように構成されている。また、図2に示すように、鍵盤の下側には、シャッタKSが設けられており、このシャッタKSに対向する棚板11の上面には、キーセンサKSEが設けられている。キーセンサKSEには上下方向に所定距離隔てて光センサが設けられており(図示略)、鍵10が押下されると、はじめに上方の光センサが遮光され、次いで、下方の光センサが遮光される。逆に、離鍵時には、まず下方の光センサが受光状態になり、ついで、上方の光センサが受光状態になる。この実施例においては、後述するように、キーセンサKSEの出力信号に基づいてキーオフを検出するようになっている。
【0030】
(3)コントローラの構成
次に、図3は、この実施例におけるコントローラ200の構成を示すブロック図であり、図示のコントローラ200は、光センサ77の遮光状態から打弦タイミングHtおよび打弦速度Hvを検出し、これに基づいてMIDIデータを発生する。また、この実施例におけるコントローラ200は、後述するように自動演奏等の種々の処理を行うように構成されている。以下、コントローラ200について詳細に説明する。
【0031】
図3において、201は装置各部を制御するCPUである。202はCPU201において用いられるプログラムが記憶されているROMであり、203は各種データが一時記憶されるRAMである。RAM203はCPU201が行う制御に使用される制御データの記憶エリアとして使用される。204は各種操作子から構成されたパネルスイッチ部であり、消音演奏を指示する消音スイッチSW1、演奏データの記録を指示する記録スイッチSW2および演奏データの再生を指示する再生スイッチSW3を有している。また、パネルスイッチ部204は、自動演奏における再生音の音量および消音演奏時の音量を調整するための音量ダイヤルVOLを有している。
【0032】
次に、205は、センサインターフェイスであり、各ハンマシャンク43に対応して設けられている光センサ77の受光状態に応じた信号をCPU201に出力する。この場合、CPU201は、センサインターフェイス205から供給される信号に基づいて、いずれの鍵が操作されたかを認識するとともに、遮光タイミングから打弦タイミングHtを検出するとともに打弦速度Hvを算出する。また、CPU201は、キーセンサKSEの信号をセンサインターフェイス205から受けると、これに基づいてキーオフタイミングを認識する。そして、CPU201は、それらの演奏データから各イベントのMIDIデータを発生する。
【0033】
206はMIDIインターフェイスであり、自動演奏において再生されるMIDIイベントの外部装置への送信、および外部装置から供給されるMIDIイベントの受信を行う。アクチュエータインターフェイス207は、CPU201の制御のもとに、図2に示すソレノイドSOLに励磁電流を供給する。モータ駆動回路208は、CPU201の制御のもとに消音スイッチSW1の操作に応答してモータMを回転させ、通常演奏状態と消音演奏状態とを切り替える。
【0034】
次に、209は外部記憶装置であり、例えば、フロッピーディスクドライバが用いられる。この外部記憶装置209は、記憶媒体(例えば、フロッピーディスク等)から演奏データを読みとると、RAM203の所定エリアに転送(ダイレクトメモリアクセス)する。また、外部記憶装置209は、CPU201の制御のもとに、RAM203の所定エリアに記録された演奏データを記録媒体に書き込む。
【0035】
210は、音源回路であり、CPU201から供給されるMIDIデータに応じた楽音信号を合成する回路である。音源回路210は、このアップライトピアノと同様の楽音波形を記憶するとともに、他の楽器の楽音波形も記憶している。音色の選択は、操作パネル204内の各種スイッチによって行われ、指定された音色に対応する楽音波形が選択される。この音源回路210で作成された楽音信号は、スピーカSPまたはヘッドホンHHに供給されて楽音として発せられる。
【0036】
(4)実施例の動作
次に、上述した構成による第1実施例の動作について説明する。
a.ハンマアクション部の動作
(通常演奏時)
押鍵が行われるとウイペン23はキャプスタン12によって突き上げられ、ピン22aを中心として時計回りに回動する。これにより、ジャック大26aがバット41を突き上げてハンマアッセンブリ40を時計回りの方向へ回動させ、ハンマ44が押鍵された鍵10に対応する弦Sを打撃する。この打弦操作時において、その回動途中にジャック小26bがレギュレーティングボタン34に当接することにより、ジャック26の時計方向への回動が阻まれる。一方、ウイペン23は回動を継続しているため、ジャック26は、レギュレーティングボタン34を支点としてウイペン23に対して反時計方向へ相対的に回動し、これにより、ジャック大26bの上端面がバット41の下面から図中左方向へ逃げ、バット41との非当接位置に移動する。そして、ハンマ44による打弦後のハンマアッセンブリ40の回動復帰の動作は、キャッチャー46がバックチェック38に当接することにより一時的に停止され、その間にジャック26は、鍵10の復帰動作に伴うウイペン23の回動復帰に連動し、ジャック大26bの上端部は再びバット41の下部に入り込み、次の打弦動作を可能にする。
【0037】
上記したハンマシャンク43の動作は、次のようにして光センサ77により検出される。ハンマ44が弦Sに近づくとハンマシャンク43に取り付けたシャッタ71がハンマセンサ72のケーシング73のスリット73aに挿入され、シャッタ71の先端縁が光センサ77の光軸Pを横切る。この結果、光センサ77の受光部が遮光され、その遮光タイミングがCPU201によって検出される。その後、ハンマシャンク43がさらに回動し、シャッタ71の窓71aが光軸Pを横切り、光センサ77の受光部が再び受光状態になる。次いで光センサ77の受光部がシャッタ71により遮光され、その遮光タイミングがCPU201によって検出される。その後ハンマシャンク43はさらに回動して弦Sを打撃する。
【0038】
以上のようにして、CPU201は、光センサ77の2回の遮光タイミングを検出する。そして、2回目の遮光タイミングを打弦タイミングHtとして検出するとともに、1回目の遮光から2回目の遮光までの時間から打弦速度Hvを算出する。この打弦タイミングHtと打弦速度Hvは、押下された鍵10を示すキーコードとともに演奏データとしてRAM203または外部記憶装置209に記録され、あるいはMIDIインターフェース206を介して外部に出力されるようになっている。なお、離鍵のタイミングは、キーセンサKSEにより検出され、離された鍵10を示すキーコードおよび離鍵されたタイミングを示す時間データとともに、演奏データとしてRAM203または外部記憶装置209に記録され、あるいはMIDIインターフェース206を介して外部に出力されるようになっている。
【0039】
(消音演奏時)
次に、消音演奏状態にするには、まず、ストッパ66を図1の略水平状態から回転させて一点鎖線で示すように略下方へ向ける。この状態で押鍵が行われると、ウイペン23はキャプスタン12によって突き上げられ、ピン22aを中心として時計回りに回動する。これにより、ジャック大26aがバット41を突き上げてハンマアッセンブリ40を時計回りの方向へ回転させる。次に、ジャック小26bがレギュレーティングボタン34に当接することにより、ジャック大26bの上端面がバット41の下面から図中左方向へ逃げる。その間、ハンマアッセンブリ40は慣性力で回動を続けるが、弦Sに当たる手前でキャッチャー46がストッパ66に当接し、反時計回りの方向へ跳ね返される。その後のハンマアッセンブリ40等の復帰動作は通常演奏の場合と同じである。
【0040】
消音演奏の場合には、ハンマシャンク43はストッパ66により跳ね返されるが、ハンマシャンク43が跳ね返されるまでの間に、シャッタ71は光センサ77を2回遮光する。この2回の遮光はCPU201により検出され、CPU201は、前述した場合と全く同様にして、打弦タイミングHtを検出し打弦速度Hvを算出する。この打弦タイミングHtおよび打弦速度Hvは、操作された鍵を示すキーコードとともにMIDIデータに変換されて音源回路210に供給され、これにより、鍵操作に対応した楽音信号が発せられる。なお、この楽音信号の音量は、パネルスイッチ部204の音量ダイヤルVOLの操作に応じて制御される。このように、ハンマ44の機械的動作に対応させて楽音を発生させるので、演奏者は、アコースティックピアノを引くような感覚で押鍵による楽音をヘッドホン等で聞くことができる。この場合、音源回路210が発生する楽音信号を、このアップライトピアノの楽音波形と同様に設定しておけば、演奏者は通常演奏のときと同様の楽音をヘッドホンHH等を介して聞くことができる。
【0041】
また、消音演奏の場合においても、通常演奏の場合と同様に、打弦タイミングHt、打弦速度Hvおよび離鍵タイミングは、演奏データとしてRAM203または外部記憶装置209に記録され、あるいはMIDIインターフェース206を介して外部に出力されるようになっている。これにより、通常演奏の場合のみならず、消音演奏の場合においても、演奏の記録あるいは外部機器の制御を行うことができる。
【0042】
b:自動演奏処理
(通常演奏モード)
次に、この実施例の自動演奏処理について説明する。自動演奏処理は、RAM203の所定エリアに転送された演奏データまたは外部記憶装置209からRAM203の所定エリアに転送された演奏データに基づく処理である。まず、パネルスイッチ部204の再生スイッチSW3が操作されて自動演奏の開始が指示されると、図示しない別の処理ルーチンにおいて演奏データの読み出し処理が行われる。この場合において、演奏データの読み出しは、割込処理ルーチンによって行われる。割込は、テンポに対応したテンポクロックによって行われ、例えば、4分音符あたり24回の割込が行われる。読出処理は、RAM203内の演奏データを先頭データから順次読み出す処理である。
【0043】
より具体的に言えば、演奏データは、イベントの種類(鍵盤/ペダル,オン/オフ等)、キーコード、キーベロシティ等からなる複数のイベントデータと、各イベントデータの再生時間間隔を示すデュレーションデータとからなり、デュレーションデータを読み出すと、テンポクロックが出力される毎にそれを減算し、0になった時点で次の演奏データを読み出す。そして、その後に次のデュレーションデータを読み出し、以後同様の動作を行う。このようにして記録時と同様のタイミングで、すなわち、打弦タイミングHtとほぼ同じタイミングで演奏データを読み出す。そして、上記処理によりイベントデータが読み出される毎に、図4に示すサブルーチンが起動される。
【0044】
はじめに、ステップSa1においては、演奏データに基づく処理が鍵盤のイベントか否かを判定する。処理が鍵盤のイベントでない場合には、ステップSa1での判定結果は「NO」となり、ステップSa2へ進んでペダルを駆動するなどイベントに応じた鍵駆動以外の処理を行う。
【0045】
演奏データに基づく処理が鍵盤のイベントである場合には、ステップSa1での判定結果は「YES」となり、ステップSa3へ進んで消音演奏が指示されているか否かを判定する。ここで、消音演奏は、パネルスイッチ部204の消音スイッチSW1が押されると指示され、再び消音スイッチが押されると解除されるようになっている。消音演奏が指示されていない場合には、ステップSa3での判定結果は「NO」となり、ステップSa4へ進んで後述する処理を行う。
【0046】
すなわち、ステップSa4は、図5に示すように、ROM202に記憶させた変換テーブルを用いて演奏データである打弦速度HvをキーベロシティKVに変換する処理である。図5(A)は、音量ダイヤルVOLの音量の設定が大きい場合、同図(B)は音量の設定が中程度の場合、同図(C)は音量の設定が小さい場合に使用する変換テーブルをそれぞれ示す。このように、自動演奏処理においては、音量ダイヤルVOLを調節して音量の設定がある値に達すると変換テーブルが切り替わり、自動演奏の音量が段階的に変化するようになっている。
【0047】
図5(A)〜(C)を比較すると、音量の設定が大きい範囲では、打弦速度Hvに対するキーベロシティKVの比は大きくなっている。さらに詳しくは、音量設定の大きな範囲に移るに従って、打弦速度Hvの最小値におけるキーベロシティKVの値は僅かに増加し、かつ、打弦速度Hvに対するキーベロシティKVの増加率が大きくなっている。このため、音量の設定を変更すると、打弦速度Hvが小さい範囲ではキーベロシティKVの差は小さいが、打弦速度Hvが大きくなるにつれてキーベロシティKVの差が大きくなる。そして、このような変換テーブルを使用することにより、音量設定を小さくしても小さな音が打弦音として確実に再生されるとともに、中程度以上の音は音量設定に応じた大きさで再生される。
【0048】
さて、ステップSa4においては、音量ダイヤルVOLの音量の設定に応じて図5(A)〜(C)のいずれかの変換テーブルを選択し、選択した変換テーブルから打弦速度Hvに対応するキーベロシティKVの値を読み出す。たとえば、音量設定が大きい場合には打弦速度Hvに対してキーベロシティKVを読み出し、音量設定が中程度の場合にはキーベロシティKV、音量設定が小さい場合にはキーベロシティKVを読み出す(ただし、KV>KV>KV)。
【0049】
次に、ステップSa5へ進むとCPU201は、上記キーベロシティKVとともに上述の割込処理で読み出した演奏データからキーコードKC、キーオン信号KONおよびキーオフ信号KOFを出力し、これによってソレノイドSOLへの励磁電流の供給/停止を制御する。その際、キーベロシティKVの大きさに対応する励磁電流がソレノイドSOLに供給され、励磁電流の大きさに対応する速度で鍵10が駆動される。これにより、キーベロシティKVの大きさに対応した速度でハンマ44が回動し、弦Sを打撃して打弦音を発する。このように、打弦速度Hvと音量設定の大小に対応してソレノイドSOLが駆動され、これに応じて鍵10が上下動して打弦が行われ、アップライトピアノによる自動演奏が行われる。
【0050】
(消音演奏モード)
次に、消音演奏が指示されている場合には、ステップSa3での判定結果は「YES」となり、ステップSa6へ進んで消音演奏用の変換テーブルを参照してキーベロシティKVの変換を行う。図6(A)は消音演奏用の変換テーブルを示す図であり、消音演奏が指示されている場合には、音量設定の大小に拘わらず図6(A)に示す一つの変換テーブルを用いる。図6(A)に示すように、打弦速度Hvが最小のときのキーベロシティKVは、図5に示す変換テーブルのいずれのキーベロシティKVよりも大きく、かつ、打弦速度Hvに対するキーベロシティKVの増加率は図5(C)に示すものの増加率よりもわずかに大きい。また、打弦速度Hvが最大のときのキーベロシティKVは、図5(B)に示すものよりも小さい。このため、消音演奏用の変換テーブルのキーベロシティKVは、打弦速度Hvが小さい範囲では通常演奏用の変換テーブルのキーベロシティKVよりも大きく、打弦速度Hvが大きい範囲では、音量設定が中程度の変換テーブルのキーベロシティKVと、音量設定が小さい場合の変換テーブルのキーベロシティKVの中間に位置することになる。
【0051】
ここで、キーベロシティKVが小さすぎると演奏データにより連打が指示されたときに演奏データの指示に追従した鍵動作が行われなくなるため、図6(A)における打弦速度Hvが最小のときのキーベロシティKVは、連打性能が損なわれない程度に小さな値が採用される。なお、この値は、前述したように、図5に示す変換テーブルのいずれのキーベロシティKVよりも大きくなる。この結果として、図6(A)における打弦速度Hvが最小のときのキーベロシティKVは、打弦速度が最小であっても連打性能は損なわれない。また、図6(A)における打弦速度Hvが最大のときのキーベロシティKVは、そのキーベロシティKVで鍵10を駆動した場合に雑音が発生しない(あるいは雑音が微少で問題にならない)値の最大値が採用される。
【0052】
次に、図6(B)は、消音演奏用の変換テーブルの他の例であり、打弦速度Hvに対するキーベロシティKVを連打性能が損なわれない程度に小さな値で一定にしたものである。この変換テーブルによれば、どの打弦速度Hvに対しても鍵10は同じ速度で動作するので視覚的に問題はあるが、ソレノイドSolの発熱を最小にすることができる。
【0053】
図6(C)は消音演奏用の変換テーブルの更に他の例である。図6(C)においては、打弦速度Hvが最大のときのキーベロシティKVおよび打弦速度Hvが最小のときのキーベロシティKVは図6(A)と同様に決定されるとともに、ある打弦速度Hv1以上では、打弦速度Hvが最大のときのキーベロシティKVで一定とし、ある打弦速度Hv1以下では打弦速度Hvが最小のときのキーベロシティKVから打弦速度Hvが最大のときのキーベロシティKVまで線形に変化する。これは、図6(A)のように打弦速度Hvが最小のときのキーベロシティKVから打弦速度Hvが最大のときのキーベロシティKVまで直線で結ぶようにすると、この直線の傾きが小さくならざるを得ず、打弦速度Hvの変化に比して実際の鍵10の変化が乏しい。しかしながら、図6(C)では、実用上あまり使われない打弦速度Hv1以上については、打弦速度Hvが最大のときのキーベロシティKVで一定とすることで、実用上頻繁に用いられる打弦速度Hv1以下の直線の傾きを大きくし、打弦速度Hvの変化に対する実際の鍵10の速度の変化を大きくするようにしている。
【0054】
総じて、図6(A)〜(C)は、打弦速度Hvが大きい範囲では衝突音の発生およびソレノイドSolの発熱という問題の解決が重要なため鍵10の駆動速度を抑制し、打弦速度が小さい範囲では忠実な再生が重要なため鍵10の駆動速度を増加させるものである。
【0055】
そして、ステップSa6では、上記のような変換テーブルを参照して打弦速度Hvに対応するキーベロシティKVを読み出す。また、このときに、キーベロシティKV、キーコードKC、キーオン信号KONおよびキーオフ信号KOFはMIDIデータに変換されて音源回路210に送出される。ここで、音源回路210に送出されるキーベロシティKVは、図6の変換テーブルを参照するのではなく、打弦速度Hvを単にMIDIデータに変換するに過ぎない。これにより、音源回路210では、このキーベロシティKV、キーコードKC、キーオン信号KONおよびキーオフ信号に基づき楽音信号を発生し、スピーカSP等から発音される。なお、この楽音の音量は、パネルスイッチ部204の音量ダイヤルVOLの操作に応じて制御される。
【0056】
次に、ステップSa5へ進んでソレノイドSOLによる鍵10の駆動を行う。ステップSa5では、ステップSa6で図6のような変換テーブルを参照することにより変換したキーベロシティKVとともに、割込処理で読み出した演奏データからキーコードKC、キーオン信号KONおよびキーオフ信号KOFを出力し、これによってソレノイドSOLへの励磁電流の供給/停止を制御する。その際、キーベロシティKVの大きさに対応する励磁電流がソレノイドSOLに供給され、励磁電流の大きさに対応する速度で鍵10が駆動される。これにより、キーベロシティKVの大きさに対応した速度でハンマ44が回動するが、ハンマシャンク43がストッパ66に当接してハンマは弦Sの手前で跳ね返される。したがって、ハンマ44による弦Sの打弦音は発生しない。
【0057】
以上のように、本発明は、「消音演奏時においては演奏データに従って鍵を駆動しても打弦されないため、鍵は打弦タイミングに従って動作していればよく、鍵の駆動速度をある程度抑制してもよい」という知見に基づいてなされたものであり、消音演奏用の変換テーブルが上述のように設定されているため、キーベロシティKVが最大であってもハンマアッセンブリ40がストッパ66に当接して発生する衝突音などの雑音は、ほとんど外部に漏れないかあるいは漏れたとしても気にならない程度のものである。また、打弦速度Hvが中程度以上の範囲では、図5(B)に示す音量設定が中程度の場合よりもキーベロシティKVが小さく、ソレノイドSOLへの励磁電流が小さくなる。よって、消音演奏状態で自動演奏を行う場合のソレノイドSOLの発熱を抑制することができ、ソレノイドSOLおよびその周辺機器への影響を少なくすることができる。
【0058】
特に、上記実施例では、打弦速度Hvが最小のときの消音演奏用の変換テーブルのキーベロシティKVは、通常演奏用の変換テーブルのキーベロシティKVと同等以上であるから、その場合でも通常演奏の場合と同等の自然な鍵の動作を再現することができる。このように、上記構成の鍵盤楽器では、鍵10の自然な動作を確保しつつその動作を抑制して、異音の発生ならびにソレノイドSOLの発熱を抑制することができる。
【0059】
また、上記実施例では、消音演奏時においては通常演奏時よりも鍵10の駆動速度を抑制するようにしたが、音源回路210で発生される楽音信号の音量は打弦速度Hvを単にMIDIデータに変換しただけであるので、スピーカSP等から発生される楽音は打弦速度Hvに忠実に対応したものとなり、聴取者に何ら違和感を与えない。
【0060】
D.変更例
本発明は、前記閣実施例に限定されるものではなく、以下のような種々の変更が可能である。
▲1▼上記実施例では変換テーブルを用いて打弦速度HvをキーベロシティKVに変換しているが、ROM202に計算式あるいは定数を記憶させておいてキーベロシティKVを計算するように制御することもできる。
▲2▼自動演奏処理における通常演奏モードの変換テーブルを3つ設定しているが、その数は任意である。また、音量設定の値を第3のパラメータとし、各音量におけるキーベロシティKVおよび打弦速度Hvの関係をマップ化してROM202に記憶させておくこともできる。
▲3▼上記実施例では音量ダイヤルVOLで音量を設定できるようにしたが、音量が調整できなくても、要は、通常演奏状態における鍵動作に比して消音演奏状態における鍵動作が抑制されていればよい。
▲4▼上記実施例では通常演奏用の複数の変換テーブルとは別に消音演奏用の変換テーブルを用意するようにしたが、これに限らず、通常演奏用の複数の変換テーブルのなかから消音演奏用の変換テーブルを選択するようにしてもよい。この場合には、他の変換テーブルに比して鍵動作を抑制する変換テーブル、図5(A)〜(C)で言えば図5(C)を選択するようにすればよい。
▲5▼上記実施例では、鍵盤のイベントについてのみ駆動速度を抑制するようにしたが、本発明はペダルのイベントについても同様に適用可能である。
▲6▼本実施例では、キーコード、キーオン/オフ、キーベロシティをハンマセンサ72とキーセンサKSEとで検出するようにしているが、キーセンサKSEのみで検出するようにしてもよい。
▲7▼上記実施例では、演奏者によって消音演奏が指示されたときのみ読み出された演奏データおよび光センサ77で検出された鍵動作に応じたMIDIデータを音源回路210に送出するようにしたが、通常演奏の場合においても演奏データおよびMIDIデータを音源回路210に送出するようにしてもよい。
▲8▼上記実施例では、RAM203に記憶された演奏データに基づき鍵を駆動するようにしたが、これに限らず、MIDIインターフェース206を介して外部から入力される演奏データに基づき鍵を駆動する場合においても本発明を適用できる。
▲9▼上記実施例では、消音機構としてキャッチャ46の回動をストッパ66により阻止する構成としたが、要するに、ハンマ44による打弦音を発生しないようにすればよく、例えば、ハンマシャンク43あるいはハンマ44の回動を阻止する構成としてもよい。また、消音機構を駆動する機構は、モータ等により電気的に行うのみならず、ワイヤ等を用いて機械的に行うようにしてもよい。
加えて、本発明は、アップライトピアノ以外の鍵盤楽器、例えば、グランドピアノに、チェンバロ、チェレスタ、オルガンなどあらゆる鍵盤楽器に適用することができる。
【0061】
【発明の効果】
以上説明したようにこの発明の鍵盤楽器においては、消音演奏状態で自動演奏を行った場合の雑音が抑制され、鍵駆動部の発熱を抑制することができる(請求項1、請求項2)。また、再生音が小さい場合であっても鍵を確実に動作させて鍵の自然な動作を得ることができる(請求項3)。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例のアップライトを示す側断面図である。
【図2】アップライトピアノの鍵盤の下部構造を示す側面図である。
【図3】実施例の電気的構成を示すブロック図である。
【図4】実施例の動作を示すフローチャートである。
【図5】自動演奏の通常演奏用の変換テーブルを示す図である。
【図6】(A)は自動演奏の消音演奏用の変換テーブルを示す図であり、(B)および(C)は、そのような変換テーブルの他の例を示す図である。
【図7】従来の鍵盤楽器の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10…鍵、40…ハンマアッセンブリ(ハンマ機構)、
60…打弦機構、200…コントローラ(制御手段)、
210…音源回路(音源手段)、S…弦、
SOL…ソレノイド(鍵駆動部)

Claims (3)

  1. 鍵と、前記鍵の動作をハンマに伝達して同ハンマにより被打撃部を打撃させる打弦機構とを有する鍵盤楽器において、
    鍵の動作速度を示す速度データを少なくとも含む演奏データを順次発生する演奏データ発生手段と、
    鍵を駆動する鍵駆動部と、
    上記鍵の動作に応じて上記ハンマが上記被打撃体を打撃する通常演奏状態と上記鍵が動作しても上記ハンマが上記被打撃体を打撃しない消音演奏状態とを選択可能にする消音機構と、
    上記演奏データ発生手段から発生された演奏データに基づいて楽音信号を発生する音源手段と、
    上記演奏データ発生手段から発生された演奏データの速度データに応じた速度で上記鍵駆動部により鍵を駆動させる制御手段と
    を具備し、上記制御手段は、前記速度データが所定の値以上の領域にあるときは、消音演奏状態の鍵駆動速度を通常演奏状態のときに比して抑制することを特徴とする鍵盤楽器。
  2. 請求項1記載の鍵盤楽器において、
    さらに、前記速度データを該速度データが増加するに従って増加する出力速度信号に変換するための第1および第2の変換データを記憶した記憶手段を具備し、
    前記速度データが所定の値以上の領域にあるときは上記第2の変換データは上記第1の変換データに比して前記鍵駆動部による鍵の駆動速度を抑制し、前記制御手段は、通常演奏状態において上記速度データを上記第1の変換データを用いて出力速度信号に変換し、消音演奏状態において上記速度データを上記第2の変換データを用いて出力速度信号に変換し、これら出力速度信号を用いて上記鍵駆動部により鍵を駆動させることを特徴とする鍵盤楽器。
  3. 鍵と、前記鍵の動作をハンマに伝達して同ハンマにより被打撃部を打撃させる打弦機構とを有する鍵盤楽器において、
    鍵の動作速度を示す速度データを少なくとも含む演奏データを順次発生する演奏データ発生手段と、
    鍵を駆動する鍵駆動部と、
    上記鍵の動作に応じて上記ハンマが上記被打撃体を打撃する通常演奏状態と上記鍵が動作しても上記ハンマが上記被打撃体を打撃しない消音演奏状態とを選択可能にする消音機構と、
    上記演奏データ発生手段から発生された演奏データに基づいて楽音信号を発生する音源手段と、
    上記演奏データ発生手段から発生された演奏データの速度データに応じた速度で上記鍵駆動部により鍵を駆動させる制御手段と、
    前記速度データを該速度データが増加するに従って増加する出力速度信号に変換するための第1および第2の変換データを記憶した記憶手段とを具備し、
    前記第1の変換データは、自動演奏の再生音量の設定範囲に分けて複数設定され、
    前記第2の変換データは、前記速度データがとりうる最小値のときの出力速度信号の値が、当該最小値において上記複数の第1の変換データを用いて変換した出力速度信号のうちの最小のもの以上であり、上記速度データがとりうる最大値のときの出力速度信号の値が、当該最大値において上記複数の第1の変換データを用いて変換した出力速度信号の最小のものと最大のものの中間の値となるように設定されていることを特徴とする鍵盤楽器。
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