JP2008116814A - 鍵盤楽器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】フレームに対して揺動可能に支持された鍵を複数備える鍵盤部7と、作動部材の動作に基づいて音源から生の音を発生させるように構成された発音部13と、各鍵に設けられてその押鍵動作を検出する押鍵動作検出手段25と、該押鍵動作検出手段25において前記押鍵動作が検出された際に該押鍵動作検出手段25から出力される押鍵動作信号に基づいて、前記作動部材を駆動して前記音源から生の音を発生させる駆動制御手段37とを備えることを特徴とする鍵盤楽器1を提供する。
【選択図】図3
Description
なお、上述した課題は、特許文献1に記載されたものでは解決することができない。すなわち、特許文献1に記載のものでは自動演奏の際にアクチュエータにより鍵の駆動を行うだけの構成となっているため、手動演奏において鍵の駆動に必要な力を軽減することはできない。
請求項1に係る発明は、フレームに対して揺動可能に支持された鍵を複数備える鍵盤部と、作動部材の動作に基づいて音源から生の音を発生させるように構成された発音部と、各鍵に設けられてその押鍵動作を検出する押鍵動作検出手段と、該押鍵動作検出手段において前記押鍵動作が検出された際に該押鍵動作検出手段から出力される押鍵動作信号に基づいて、前記作動部材を駆動して前記音源から生の音を発生させる駆動制御手段とを備えることを特徴とする鍵盤楽器を提案している。
この発明に係る鍵盤楽器において、手指で押鍵した際には、この押鍵動作の検出結果である押鍵動作信号に基づいて、駆動制御手段が作動部材を駆動して音源から生の音を発生させる。すなわち、鍵と作動部材とが、機械的に相互に分離されているため、従来の自然鍵盤楽器のように、押鍵の際に作動部材の重さや付勢力が鍵に伝達されることはない。したがって、鍵盤部の鍵を揺動させる力のみにより音源から生の音を発生させることができ、押鍵の際には作動部材の重さや付勢力に左右されない鍵のタッチ感を得ることができる。
また、鍵盤部と発音部とを機械的に独立して構成することができるため、演奏者は自身の好みに対応する鍵のタッチ感を有する鍵盤部を選択することができ、また、鍵のタッチ感を変えることなく様々な音色を選択して演奏することも可能となる。
また、発音部に備える音源の数に対して鍵盤部に備える鍵の数を少なくすることができるため、オクターブセレクタにおいて選択される音源を切り換えることで、音源の数が多くても腕を大きく動かさずに演奏を容易に行うことができる。
鍵盤部7の各鍵3は、図2に示すように、その後端3b側を支点F1としてAB方向に揺動できるようになっている。また、鍵3には、これを初期位置に復帰させるためのスプリングや錘(いずれも不図示)が取り付けられており、鍵3をA方向に付勢するようになっている。すなわち、この鍵盤楽器1では、手指により鍵3の前端3a側の表面3cを押すことで、鍵3をA方向とは逆向き(B方向)に揺動させる押鍵動作ができるようになっている。
感圧センサ17は、フィルム状に形成されて鍵3の表面3cに貼り付けられており、例えば、手指により鍵3の表面3cを押し付ける圧力を電圧に変換する圧電素子により構成される。この感圧センサ17においては、手指が鍵3の表面3cに接触して押し付けられているかどうかを検出できる、すなわち、押鍵動作を検出できるようになっている。
ホール素子21は、鍵3が押されていない初期位置に配されている状態で磁石23から最も遠くに位置し、鍵3をB方向に揺動させることで磁石23に近づくようになっている。そして、このホール素子21において検出される電圧の大きさは、磁石23から離れている程小さく、磁石23に近づく程大きくなる。したがって、この位置センサ19においては、鍵3の揺動位置を電圧の大きさとして検出できるようになっている。
各鍵3に設けられる感圧センサ17及び位置センサ19は、鍵3の押鍵動作を検出するセンサユニット(押鍵動作検出手段)25を構成しており、感圧センサ17及び位置センサ19においてそれぞれ検出される電圧信号は、それぞれ押鍵動作信号として後述する制御部35に出力されるようになっている。
このように構成される発音部13には、各ハンマー9をD方向に駆動するアクチュエータ27が設けられている。このアクチュエータ27は、ハンマー9の下方に配置されてフレームに固定されたソレノイドコイル29と、ソレノイドコイル29に挿通されてハンマー9に当接する磁性体のプランジャ31とから構成されている。
なお、ソレノイドコイル29に電流が流れていない状態においては、プランジャ31が所定位置に配されてハンマー9のC方向への揺動を規制する規制部材としての役割も果たす。
メモリ部33に記憶される参照データは、上記押鍵動作信号と、アクチュエータ27の動作を制御する駆動制御信号とを相互に対応づけたデータテーブルである。なお、押鍵動作信号には、上述したセンサユニット25において検出される鍵3への押鍵圧力や鍵3の揺動位置の他に、鍵3の揺動速度や揺動加速度が含まれている。これら鍵3の揺動速度や揺動加速度は、位置センサ19による鍵3の揺動位置の検出結果に基づいて制御部35において算出することができる。
また、駆動制御信号は、アクチュエータ27のソレノイドコイル29に流す電流の大きさを示す信号であり、アクチュエータ27の動作に基づくハンマー9の揺動位置や揺動速度、揺動加速度に対応するようになっている。
また、このデータテーブルにおいては、鍵3のB方向への揺動速度や揺動加速度とハンマー9の揺動速度や揺動加速度とがそれぞれ対応づけられている。すなわち、鍵3の揺動速度や揺動加速度が大きい程、ハンマー9の揺動速度や揺動加速度が大きくなるように対応づけられている。
上述したアクチュエータ27、メモリ部33及び制御部35は、センサユニット25において押鍵動作が検出された際に、センサユニット25から出力される押鍵動作信号に基づいて、ハンマー9を駆動して弦11から生の音を発生させる駆動制御手段37を構成している。
なお、上記実施形態においては、メモリ部33及び制御部35が鍵盤部7に設けられるとしたが、センサユニット25から制御部35に押鍵動作信号が出力されるように構成されているため、例えば、メモリ部33及び制御部35は鍵盤部7から機械的に分離して構成されるとしても構わない。また、これらメモリ部33及び制御部35は、例えば発音部13に設けられるとしてもよい。
このオクターブセレクタ43においては、例えばオクターブ単位で鍵3を音源に対応づけて選択するようになっている。すなわち、フルサイズのピアノと同じ7オクターブ分の弦の数(88個)を備える発音部13に対して、鍵盤部7が2オクターブ分の鍵3の数(24個)しか備えていない場合には、オクターブセレクタ43を操作することで、任意の2オクターブ分の弦11が2オクターブ分の鍵3に対応づけられることになる。この構成の場合には、オクターブセレクタ43において選択された弦11がハンマー9によって叩かれるように、制御部35がこれに対応するアクチュエータ27に駆動制御信号を出力すればよい。
また、発音部13に備える弦11の数に対して鍵盤部7に備える鍵3の数を少なくすることができるため、オクターブセレクタ43において選択される弦11を切り換えることで、弦11の数が多くても腕を大きく動かさずに演奏を容易に行うことができる。
さらに、各鍵3には、その揺動位置を検出する位置センサ19が設けられるとしたが、これに限ることはなく、少なくとも鍵3の動作状態を検出できる動作検出センサが設けられていればよい。
また、鍵3には、例えば図6に示すように、鍵3の前端3a側の裏面3dにMEMS(Micro Electro Mechanical System)型の加速度センサ51が動作検出センサとして設けられるとしても構わない。
なお、各鍵3には、これら位置センサ19、速度センサ49、加速度センサ51のいずれか1つのみを設けるとしても良いし、位置センサ19、速度センサ49、加速度センサ51を組み合わせて設けられるとしてもよい。
ここで、パレット83は不図示のバネによって穴75を塞ぐように付勢されている。また、発音部71には、穴75が開くようにパレット83を駆動するアクチュエータ85が設けられている。このアクチュエータ85は、例えば上記実施形態と同様のソレノイドコイル87及びプランジャ89によって構成されており、プランジャ89の先端がパレット83に固定されている。
なお、パレット83の駆動は、上記構成のアクチュエータ85に限らず、例えば上述した高分子アクチュエータ53や形状記憶ワイヤ59、超音波モータ、電磁モータ、表面弾性波モータ等により行うことができる。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
Claims (3)
- フレームに対して揺動可能に支持された鍵を複数備える鍵盤部と、
作動部材の動作に基づいて音源から生の音を発生させるように構成された発音部と、
各鍵に設けられてその押鍵動作を検出する押鍵動作検出手段と、
該押鍵動作検出手段において前記押鍵動作が検出された際に該押鍵動作検出手段から出力される押鍵動作信号に基づいて、前記作動部材を駆動して前記音源から生の音を発生させる駆動制御手段とを備えることを特徴とする鍵盤楽器。 - 前記駆動制御手段が、
前記発音部に設けられて前記作動部材を駆動するアクチュエータと、
前記押鍵動作信号及び前記アクチュエータの動作を制御する駆動制御信号を相互に対応づけて記憶したメモリ部と、
前記押鍵動作が検出された際に出力される前記押鍵動作信号に基づいて、これに対応する前記駆動制御信号を前記メモリ部から前記アクチュエータに出力して、前記アクチュエータの動作を制御する制御部とを備えることを特徴とする請求項1に記載の鍵盤楽器。 - 前記鍵盤部の各鍵に対応させる前記発音部の各音源をオクターブ単位で選択するオクターブセレクタを備え、
前記駆動制御手段が、前記オクターブセレクタにおいて選択された前記音源から生の音を発生させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の鍵盤楽器。
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