(1)鍵盤機構1…、アクション機構(打鍵機構)2…及びダンパー機構3…
図1は楽音制御装置/楽音装置/消音ピアノの全体を示し、図2は複数の鍵盤機構1…、複数のアクション機構(打鍵機構)2…及び複数のダンパー機構3…を示す。図2の鍵盤機構1…、アクション機構2…及びダンパー機構3…は、単一にみえるが、奥に同じ機構が鍵7…と同じ数配置されている。
筬6の上に配置された多数の水平方向に延びる鍵7…は揺動可能となっており、この各鍵7…の奥の上側には水平方向に延びるそれぞれウィッペン8…がセンターレール9に回動可能に支持されている。
ウィッペン8…の回動先端には、上方に延びるジャック10…がさらに回動可能に取り付けられ、このジャック10…はウィッペン8…とともに、キーオン/発音開始によって持ち上げられ、ジャック10…の先端が回動可能なハンマーバット11…を押し上げられる。
これによりハンマーバット11…とともにハンマーシャンク12…が奥方へ回動され、ハンマーヘッド13…が弦14…を叩き、弦14…の発音が許容される。上記ハンマーシャンク12…の手前には、内部空洞のハンマーレール15が固定されており、このハンマーレール15の奥面には上記ハンマーシャンク12…が受け止められる。
センターレール9の上面には上下に延びるダンパーレバー21…が回動可能に支持されるとともに、上記弦14…方向に付勢されている。このダンパーレバー21…の上先端にはダンパーヘッド22…が固定され、このダンパーヘッド22…は上記弦14…に当接している。
キーオン/発音開始によってダンパーヘッド22…は弦14…から離れ、弦14…の振動が許容され発音され、キーオフ/発音終了によってダンパーヘッド22…は弦14…に接触し、弦14…の振動が止められ止音される。
上記鍵7…の奥の下側にはそれぞれソレノイド(駆動手段)26…が配置され、このソレノイド26…がオン/オフ駆動され、プランジャーが出/没されると、鍵7…がオン/オフ操作され、上記ハンマーヘッド13…が上記弦14…を打ったり離れたりして、ダンパーヘッド22…が弦14…から離れたり押さえたりして、弦14…が発音/消音が許容される。
このソレノイド26…は、演奏情報(自動演奏情報または手動演奏情報)の音高情報に基づいて、いずれかが選択されてオン/オフ駆動される。また、ソレノイド26…は、演奏情報の発音開始情報に応じたタイミングでオン駆動され、演奏情報の発音終了情報に応じたタイミングでオフ駆動される。この場合、手動演奏情報は、MIDIシステムを通じて接続された手動演奏されている他の楽器から送られてくる。
したがって、演奏情報の楽音の音高情報と発音開始情報及び発音終了情報に基づいて、上記複数の鍵盤機構1…、複数のアクション機構(打鍵機構)2…及び複数のダンパー機構3…のいずれかが選択されて、キーオン駆動またはキーオフ駆動され、弦14…のいずれかが発音/消音が許容される。この発音/消音される弦14…は、上記音高情報に応じている。
上記ハンマーバット11…から手前方向にはバックストップ23…が突設され、このバックストップ23…の上には、複数の突起を有する板状の光シャッター31…がそれぞれ突設されている。一方、上記ハンマーレール15の下側にはフォトカプラ32…が配置されている。
上記鍵盤機構1…及びアクション機構2…のキーオン駆動/キーオフ駆動の時に、光シャッター31…の複数の突起がフォトカプラ32…を順次通過して、フォトカプラ32…からこの複数の突起の通過の間隔時間に基づいて通過速度に応じたタッチデータが取り込まれる。
鍵盤機構1…及びアクション機構2…が速くまたは強くオン操作/オフ操作されると、フォトカプラ32…からのタッチデータが大きい値となり、鍵盤機構1…及びアクション機構2…が遅くまたは弱くオン操作/オフ操作されると、フォトカプラ32…からのタッチデータが小さい値となる。
このようなフォトカプラ32…及び光シャッター31…からなるタッチ検出機構30は、特開平9−68981号明細書及び図面、特開平4−291300号公報、特開平4−372994号公報などに示されている。
(2)楽音制御装置/楽音装置/消音ピアノの全体
図1は楽音制御装置/楽音装置/消音ピアノの全体を示す。上記フォトカプラ32…及び光シャッター31…からなるタッチ検出機構30と、次述する止音機構40(禁止機構)は楽音制御装置の内部上方に配置される。上記ソレノイド26…の傍には鍵駆動制御装置53が配置されていて、ソレノイドが26…が駆動される
操作パネル54には、後述する音量ボリューム61(インクリメントスイッチ66またはデクリメントスイッチ67を含む。以下同じ)が設けられ、この音量ボリューム61からの音量制御データは、電子音源装置55に入力され、上記鍵駆動制御装置53を通じてソレノイド26…に送り込まれるソレノイド駆動信号の大きさが変更され、上記弦14…を打つ強さ/速さが変更され、強く/速くされたり、弱く/遅くされたりして、弦14…の振動量/発音量が変更される。なお、図1では省略されているが、鍵駆動制御装置53から各ソレノイド26…には接続線が設けられている。
電子音源装置55では、上記演奏情報に基づいて、電気振動(電気信号/電気音響信号/電気波形信号/電気音響振動/電気音響波形信号等を含む。以下同じ)が生成され、この電気振動は加振体(音響変換手段)56に送り込まれ、機械振動(機械的振動波形/機械的音響振動/音響波形/振動音響/音響振動等を含む。以下同じ)に電磁的に変換される。この加振体56は楽音制御装置の響板に接合されており、響板ではこの機械振動が空気振動(音響波形/振動音響/音響振動/振動波形/機械的空気振動波形/機械的音響空気振動等を含む。以下同じ)となり放音される。この加振体56は、電気振動を機械振動に変換して、接触する響板/物体を振動させて同響板/物体より音(空気振動)を放射させるもので、自身は通常音を出さない。
この加振体56(電磁駆動ユニット/電磁駆動体)の構造及び取り付け構造は、特願2007−176758号明細書及び図面、特願2007−158002号明細書及び図面、特願2007−122921号明細書及び図面、特願2007−114952号明細書及び図面、特願2007−6863号明細書及び図面などに示されている。この加振体56は、スピーカー、ツィータ、平板スピーカー、圧電素子スピーカー、ヘッドフォン、イヤホン等、演奏者の耳付近で発音させる機構、電気振動を電磁的または圧電的などで機械振動/空気振動に変換するものでもよく、取り付けられる数は多数でも複数でもよい。
上記タッチ検出機構30のフォトカプラ32…からタッチデータは、電子音源装置55に送られ、上記演奏情報に基づく電気振動の振幅の大きさ、レベル、波形、高調波成分、高調波成分の含有量が変更される。この変更は、楽音制御装置が止音されて鍵7…の操作によって電子的にのみ発音される消音機能が選択されたときに行なわれる。
楽音制御装置の前面下部の止音ペダル47…(禁止手動機構)、その他のペダルのオン/オフ/ハーフ状態は、止音検出スイッチ50その他のスイッチ/センサーで検出され、この検出信号はペダル駆動制御装置57に送られ、場合によってペダルソレノイド58を通じて、止音、ミュート、ダンパーなど機能が達成されるように、楽音制御装置内の機構が切り換えられる。また、ペダル駆動制御装置57から上記鍵駆動制御装置53へも制御信号が送られ、ソレノイド駆動信号の大きさが変更される。
(3)止音機構40(禁止機構)
図3、図4、図5及び図6は止音機構40を示す。上記ハンマーシャンク12…の奥側には、板状のハンマーストップレール41(止音機構)が前後動可能に固定されており、このハンマーストップレール41が前動すると、上記ハンマーヘッド13…が弦14…を打つ前に、ハンマーシャンク12…がハンマーストップレール41にあたって、弦14…の発音が禁止/止音される。
このハンマーストップレール41が後動すると、上記ハンマーヘッド13…の弦14…への打ち/打弦が許容され弦14…の発音が許容される。なお、上記センターレール9、上記ハンマーレール15及びハンマーストップレール41はピアノ(楽音制御装置/楽音装置)内のアクションブラケット(図示せず)の間に架け渡されている。
このハンマーストップレール41の楽音制御装置内の端には、側方へ突出する電動レバー42が連結固定されている。この電動レバー42の先端にはギア歯43が形成され、このギア歯43にはモーター44のシャフトのウォ−ムギア45が噛み合っている。
図4(b)に示すように、モーター44が正回転されると、電動レバー42が下動され、ハンマーストップレール41が前動されて、ハンマーヘッド13…が弦14…を打つのを禁止され、弦14…の発音が禁止/止音される。図4(a)に示すように、モーター44が逆回転されると、電動レバー42が上動され、ハンマーストップレール41が後動されて、ハンマーヘッド13…が弦14…を打つのが許容され、弦14…の発音が許容される。
図6に示すように、上記ハンマーストップレール41の他の端には、側方へ突出する手動レバー46が連結固定されている。楽音制御装置の前面中央下部の止音ペダル47(またはミュートペダルなど)は基端で軸支され、この止音ペダル47の中央と上記手動レバー46の先端とはワイヤー48及びコイルバネ49とで繋がれている。
コイルバネ49は止音ペダル47と手動レバー46とを接近させるように付勢している。止音ペダル47の中央下には止音検出スイッチ50が設置され、止音ペダル47の押下げが検出される。止音ペダル47の中央下にもコイルバネ59が取り付けられ、止音ペダル47が上方へ付勢される。
図4(b)に示すように、止音ペダル47が押下げられると、ハンマーストップレール41が前動されて、全鍵7…のオン操作/オフ操作が許容されるにもかかわらず、全ハンマーヘッド13…が全弦14…を打つのを一律に禁止され、全弦14…の発音が一律に禁止/止音される。図4(a)に示すように、止音ペダル47が上方へ復帰されると、ハンマーストップレール41が後動されて、全鍵7…のオン操作によって、全ハンマーヘッド13…が全弦14…を打つのが一律に許容され、弦14…の発音が一律に許容される。
上記図4(b)に示す、弦14…の発音が禁止/止音されるときでも、図2のソレノイド26…は駆動されており、鍵盤機構1…、アクション機構2…、タッチ検出機構30…、ハンマーヘッド13などはオン/オフ駆動されている。ハンマーストップレール41によって、ハンマーヘッド13が弦14を打つのが禁止されるのみである。これにより、弦14…が発音されないときでも、鍵盤機構1…またはアクション機構2…はオン/オフ駆動されて、電気振動が放音されるので、鍵盤機構1…またはアクション機構2…の駆動によって発音されているように見せることができる。
図5は止音機構40(禁止機構)の第二実施例を示す。上記電動レバー42の先端は、モーター51のシャフトの先端から側方に固定突出したリンク52の先端に、折曲り伸縮可能にクランク・リンク連結されている。モーター51の回転量はステップモーター、サーボモーターなどで正逆回転角度/正逆回転量が規制されている。
(4)操作パネル54の音量ボリューム61
図7は上記操作パネル54の音量ボリューム61を示す。この音量ボリューム61が操作されると、上記ソレノイド(駆動手段)26…に送られるソレノイド駆動信号の大きさ/レベル/振幅が変更され、音量ボリューム61がインクリメントされるとソレノイド駆動信号が大きくされ、音量ボリューム61がデクリメントされるとソレノイド駆動信号が小さくされる。
つまり、上記全部の複数のソレノイド26…にわたって一律に発音量が制御される。すなわち、同じ演奏情報(レベル情報、タッチ情報)が発生されても、この音量ボリューム61は、全ソレノイド26…の駆動の強さを強くしたり弱くしたり制御する、またはこの全ソレノイド26…の駆動の速さを速くしたり遅くしたり制御する。
音量ボリューム61の音量データが下所定値Vd未満にされると、モーター44、51が正回転され、ハンマーストップレール41が前動されて、弦14…の発音が禁止される。そして、代わりに加振体56へ、上記演奏情報に基づく電気振動が送られ、楽音制御装置の響板から楽音が放音される。以下この状態を「電子ピアノ」状態/モードという。この場合、上記ソレノイド26…へソレノイド駆動信号が送信されず/送信が禁止され、ソレノイド26…が駆動されなく/駆動が禁止されてもよい。
また、音量ボリューム61の音量データが上所定値Vuを越えると、モーター44、51が逆回転され、ハンマーストップレール41が後動されて、弦14…の発音が許容される。そして、代わりに加振体56への上記電気振動の送信が禁止され、楽音制御装置の響板からの放音が禁止される。以下この状態を「生ピアノ」状態/モードという。この場合、上記禁止が解除されて、上記ソレノイド26…へソレノイド駆動信号が送信され/送信が許容され、ソレノイド26…が駆動され/駆動が許容されてもよい。
音量ボリューム61の上記所定値Vd、Vuに対応した箇所、つまり「電子ピアノ」状態/モードと「生ピアノ」状態/モードとの切り換りの境界には、チェンジマーク62が明示/表記/表示されている。この音量ボリューム61の「電子ピアノ」状態/モード側にはモードLED63が設けられ、音量ボリューム61が回されて、「電子ピアノ」状態/モードに切り換ったときに点灯される。
なおこのモードLED63は、「生ピアノ」状態/モード側に設けられてもよいし、両状態/モード側に設けられてもよい。この両状態/モード側に設けられるときには、2つのモードLED63の色が異なるなど、表示状態が切換えられてもよい。
図8は上記音量ボリューム61の第二実施例を示す。この実施例では、音量をインクリメントするインクリメントスイッチ66と音量をデクリメントするデクリメントスイッチ67と、これらのスイッチ66と67との間に一列に配置された複数例えば6個または8個のインジケータ(LED)68…、69…とからなっている。
インジケータ68…、69…は、複数のいずれか一つが点灯され、インクリメントスイッチ66を繰り返し押すと、点灯箇所が右に移動し、音量データが大きくされ、デクリメントスイッチ67を繰り返し押すと、点灯箇所が左に移動し、音量データが小さくされる。
音量データが大きくされて上所定値Vuを越えると、インジケータ68…側が点灯され、上記「生ピアノ」状態/モードとなる。音量データが小さくされて下所定値Vdにされると、インジケータ69…側が点灯され、上記「電子ピアノ」状態/モードとなる。
インジケータ68…、69…のうち、インクリメントスイッチ66側のインジケータ68…の色とデクリメントスイッチ67側のインジケータ69…の色とは異なっている。「電子ピアノ」状態/モードと「生ピアノ」状態/モードとの切り換りの境界には、チェンジマーク62が明示/表記/表示されている。
以上のように、モードLED63、インジケータ68…、69…は、上記「電子ピアノ」状態/モードの表示状態と上記「生ピアノ」状態/モードの表示状態とは異なる。この場合、表示色の違いのほか、点滅と点灯の違い、液晶ディスプレイで文字、記号、図形などで上記両モードの違いを表示する、両モードを表す文字、記号に近接した2つのLEDのいずれかの点灯などで、表示状態が切換えられてもよい。
これにより、モードLED63、インジケータ68…、69…は、上記弦14…の発音が禁止されて、上記加振体(電磁変換手段)56を駆動させるときの表示状態と、これ以外のときの、上記加振体(電磁変換手段)56の駆動を停止させて、上記弦14…の発音が許容されるときの表示状態とを切換えて表示することになる。
(5)電子音源装置55の全体回路70
図9は、上記電子音源装置55の全体回路70、楽音制御方法を実現する全体回路、楽音制御方法のためのコンピュータプログラムを実行する全体回路、楽音制御装置、楽音装置または電子楽器などの全体回路70を示す。
上述の音量ボリューム61、スイッチ66…、67…、止音検出スイッチ50、ペダルセンサは、スイッチスキャン回路71でスキャンされ、操作量、オン/オフがコントローラ(CPU)72によって検出される。上記フォトカプラ32…などのタッチ検出機構30はタッチスキャン回路73でスキャンされ、コントローラ72によってタッチデータが検出される。
上記ソレノイド26…、モーター44、51、ペダルソレノイド58は、コントローラ72によって、駆動ドライバ74を通じて駆動される。この駆動ドライバ74には、上述の鍵駆動制御装置53、ペダル駆動制御装置57が含まれる。上記モードLED63、インジケータ68…、69…は、コントローラ72によって、表示ドライバ75を通じて表示制御される。
この駆動ドライバ74には上記演奏情報及び音量ボリューム61からの音量データが送られてストアされ、演奏情報の音高情報に応じた鍵駆動制御装置53及びソレノイド26…が、演奏情報のタッチ情報及び音量ボリューム61の音量データに応じた大きさ/駆動量で駆動される。
プログラム/データ記憶部76には、上記演奏情報、楽音波形信号などが記憶され、場合によってミディ回路78から送られてきた、演奏情報、楽音波形信号が書き込まれる。このプログラム/データ記憶部76の演奏情報、楽音波形信号は、情報記憶部77に直接またはバスラインを介してコピーされて、他の装置に組み込まれ、トーンジェネレータ80に転送される。
プログラム/データ記憶部76(内部記憶媒体/手段)はROMまたは書き込み可能なRAM、フラッシュメモリまたはEEPROM等の記憶装置からなり、光ディスクまたは磁気ディスク等の着脱自在な情報記憶部77(外部記憶媒体/手段)に記憶されるコンピュータのプログラムが書き写され記憶される(インストール/転送される)。
またプログラム/データ記憶部76には外部の電子楽器またはコンピュータから上記ミディ回路78または送受信装置を介して送信されるプログラムも記憶される(インストール/転送される)。このプログラムの記憶媒体は通信媒体も含む。
ミディ(MIDI)回路78は、外部接続された電子楽器、機器との間で演奏情報や楽音波形信号の送受を行うためのインターフェースである。この演奏情報はMIDI(ミュージカルインスツルメントデジタルインターフェース)規格のもので、この演奏情報に基づいた発音も行われる。
演奏情報の中の音楽的ファクタ情報は、コントローラ72へ送られ、各種信号、データ、パラメータの切り換えが行われ、楽音の内容が決定される。音楽的ファクタ情報、演奏情報(楽音発生情報)及び楽音制御情報はコントローラ72で処理され、各種データがトーンジェネレータ80へ送られ、楽音波形信号がサウンドシステム79を通じて加振体56で発音される。
上記演奏情報は、少なくとも楽音の音高情報/音高データ、発音開始情報/ステップタイムデータ及び発音終了情報/ゲートタイムデータとからなり、所定の音色情報に応じた波形で、上記音高情報に応じた周期で、上記電気振動が、上記発音開始情報に応じたタイミングで開始され、上記発音終了情報に応じたタイミングで終了される。
コントローラ72はCPU、DSP(デジタルシグナルプロセッサ)、ROM及び/またはRAMなどからなっている。このようなコントローラ72は、図9の回路ごとに分散されて設けられてもよい。
上記演奏情報(楽音発生情報)の音楽的ファクタ(因子)情報は、音高(音域/鍵域)情報(音高決定因子)、音色情報、タッチ情報(タッチデータ)、発音時間情報、演奏分野情報、発音数情報、共鳴度情報などである。発音時間情報は楽音の発音開始からの経過時間を示す。上記楽音波形信号の波形は、上述の音色、タッチ、音高(音域/鍵域)、発音時間、演奏分野、発音数、共鳴度などの情報によって、切り換えられ変化される。
(6)楽音制御処理
図10及び図11は上記コントローラ(CPU)72によって実行される楽音制御処理のフローチャートを示す。この楽音制御処理は、本楽音制御装置の電源オンによって開始され、電源オフまで繰り返し実行される。まず、プログラム/データ記憶部76の初期化など種々のイニシャライズ処理が行われる(ステップ01)。
次いで、操作パネル54のモードスイッチ(図示せず)で、自動演奏モードが選択されているとき(ステップ02)、音量ボリューム61若しくはインクリメントスイッチ66またはデクリメントスイッチ67が操作されると(ステップ03)、インジケータ68…、69…の表示が変更される(ステップ04)。
新たに検出された音量データが旧音量データより小さく下所定値Vd未満になると(ステップ05)、モードLED63の表示が変更される(ステップ06)。次いで、電子ピアノモード処理がなされ(ステップ07)、新音量データが鍵駆動制御装置53、トーンジェネレータ80及びプログラム/データ記憶部76に書込まれて、音量が変更される(ステップ08)。この新音量データが次に上記旧音量データになる。
電子ピアノモード処理では、駆動ドライバ74を通じて、モーター44、51が正回転/順回転され、ハンマーストップレール41が前動して、ハンマーヘッド13…が弦14…を打つことが禁止され、弦14…の発音が禁止される。この場合、ソレノイド26…の駆動が禁止されてもよい。
同時に、プログラム/データ記憶部76から読み出された演奏情報の音高情報/音高データ、音色情報/音色データ、タッチ情報/タッチデータ、発音開始情報/ステップタイムデータ、発音終了情報/ゲートタイムデータなどがトーンジェネレータ80へ送り込まれ、サウンドシステム79の加振体56が駆動され響板から楽音が放音され、またはヘッドフォンから楽音が放音される。
この時、発音開始情報/ステップタイムデータには、所定の遅延時間データが加算/付加されて遅延される。この加算/付加される所定の遅延時間データは、鍵盤機構1の鍵操作から上記弦14…の発音までの時間に応じている。このように発音開始情報/ステップタイムデータに遅延時間データが加算/付加されると、発音終了タイミングも同じ時間遅延される。
またこの時、トーンジェネレータ80で生成される電気振動の振幅の大きさ、レベルが上記演奏情報の中のタッチ情報に応じて決定されると共に、上記音量データに基づいて変更される。これにより、音量が小さくされたとき、弦14…の発音が禁止され、ソレノイド26…の駆動が不安定にならず、一部の弦14…では音が出ず、他の弦14…では音が出て、音が抜けることがなくなり、連打のような特殊な鍵操作の音でも再現でき、音色も変わらない。
また、音量ボリューム61で音量が下所定値Vd未満に小さくされて、止音機構(禁止機構)40が、上記鍵盤機構1、アクション機構(打鍵機構)2が上記弦14…を発音させるのが禁止/停止され、音量ボリューム61と止音機構(禁止機構)40とが連動作動されて、上記ステップ07の処理は禁止連動手段となる。
このステップ07の弦14…の発音が禁止/止音されるときでも、図2のソレノイド26…は駆動されており、鍵盤機構1…、アクション機構2…、タッチ検出機構30…、ハンマーヘッド13などはオン/オフ駆動されている。ハンマーストップレール41によって、ハンマーヘッド13が弦14を打つのが禁止されるのみである。
これにより、弦14…が発音されないときでも、鍵盤機構1…またはアクション機構2…はオン/オフ駆動されて、電気振動が放音されるので、鍵盤機構1…またはアクション機構2…の駆動によって発音されているように見せることができる。
上記ステップ08における、変更された新音量データは、駆動ドライバ74には送られず、駆動ドライバ74には一定値の音量データ例えばピアニッシモまたはピアノ、その他の強さに応じた音量データがストアされる。したがって、弦14…の発音の禁止/止音時のソレノイド26…の駆動量は変化せず一定である。しかし、この変更された新音量データは、駆動ドライバ74に送られてストアされ、鍵駆動制御装置53によってこの音量データに応じた大きさでソレノイド26…が駆動されてもよい。
これにより、実際に放音される電気振動の音量に応じた大きさで鍵盤機構1…またはアクション機構2…が駆動され、この鍵盤機構1…またはアクション機構2…の駆動量の大きさに応じた音量で発音されているように見せることができる。この場合、ソレノイド26…(駆動手段)の駆動が禁止/停止されてもよい。
さらに、新たに検出された音量データが旧音量データより大きく上所定値Vuを越えると(ステップ15)、モードLED63の表示が変更される(ステップ16)。次いで、生ピアノモード処理がなされ(ステップ17)、新音量データが鍵駆動制御装置53、トーンジェネレータ80及びプログラム/データ記憶部76に書込まれ、音量が変更される(ステップ18)。この新音量データが次に上記旧音量データになる。
生ピアノモード処理では、駆動ドライバ74を通じて、モーター44、51が逆回転され、ハンマーストップレール41が後動して、ハンマーヘッド13…が弦14…を打つことが許容され、ソレノイド26…の駆動が許容され、弦14…の発音が許容される。この時、鍵駆動制御装置53で生成されるソレノイド駆動信号の振幅の大きさ、レベルが上記音量データに基づいて変更される。
同時に、プログラム/データ記憶部76から読み出された演奏情報の音高情報、音色情報、タッチ情報などがトーンジェネレータ80へ送り込まれるのが禁止され、加振体56が駆動されず、響板またはヘッドフォンから楽音が放音されなくなる。この時、トーンジェネレータ80で生成される電気振動の振幅の大きさ、レベルが上記音量データに基づいて変更される。
これにより、音量が大きくされたとき、弦…の発音が許容され、ソレノイド26…の駆動が安定し、全ての弦14…で音が出て、音が抜けることがなくなり、連打のような特殊な鍵操作の音でも再現でき、音色も変わらない。
上記演奏情報のステップタイムデータに応じた時間が経過して発音開始タイミングになると、ソレノイド26…がオン駆動され、ハンマーヘッド13…が弦14…を打ち、弦14…が発音される。演奏情報のゲートタイムデータに応じた時間が経過して発音終了タイミングになると、ソレノイド26…の駆動がオフされ、ダンパーヘッド22…が弦14…を押さえ、弦14…が消音される。
このステップ17及び18の弦14…の発音が許容されるときでも、図2のソレノイド26…は駆動され、鍵盤機構1…、アクション機構2…、タッチ検出機構30…、ハンマーヘッド13などはオン/オフ駆動されている。ハンマーストップレール41は後動されて、ハンマーヘッド13が弦14を打つのが許容される。
上記ステップ18における、変更された新音量データは、駆動ドライバ74に送られストアされる。したがって、弦14…の発音の許容時のソレノイド26…の駆動量は上記演奏情報の中のタッチ情報に応じて決定されると共に、この音量データに基づいて変更される。これにより、上記演奏情報のタッチ情報及び音量ボリューム61で変更された音量データに応じた大きさ/駆動量でソレノイド26…が駆動され、同じく弦14…の打弦量及び音量が形成される。
以上のように、音量ボリューム61で電気振動の音量が制御されたり、ソレノイド26…の駆動量が制御されたりすることが、切り換えられる。なお、弦14…の発音が禁止されるとき、駆動ドライバ74には一定値の音量データが送られると、音量ボリューム61で電気振動の音量が制御されるが、ソレノイド26…の駆動量は制御されないことになる。しかし、弦14…の発音が許容されるとき、上記ステップ18のソレノイド26…が上記演奏情報に基づいて駆動される場合には、ソレノイド26…の駆動量及び弦14…の音量が音量ボリューム61によって制御される。
上記上所定値Vuは下所定値Vdより大きい。これは、上記ソレノイド26…にヒステリシス特性があるため、音量データが大きく変更されるときと、小さく変更されるときとで、ソレノイド26…の駆動が不安定になるポイントがずれるためである。上所定値Vuは下所定値Vdとの差は、ソレノイド26…にヒステリシス特性が大きいほど大きくされ、小さいほど小さくされる。
なお、上所定値Vuは場合によって下所定値Vdに一致させてもよいし、下所定値Vdは場合によって上所定値Vuに一致させてもよいし、この上所定値Vuは場合によって下所定値Vdと同じ値でもよい。
上記ハンマーストップレール41が下がると、図6の手動レバー46も下動するが、コイルバネ49が緩んで縮むので、ワイヤー48は動かず、止音ペダル47が押されることはなく、止音検出スイッチ50がオンされることはない。
また、止音ペダル47が演奏者によって押されて、止音検出スイッチ50のオンが、スイッチスキャン回路71で検出されると(ステップ21)、止音手動演奏モードが設定され(ステップ22)、ハンマーストップレール41が前動して、ハンマーヘッド13…が弦14…を打つのが禁止され、止音手動演奏モード処理がなされる(ステップ23)。
この止音手動演奏モード処理では、鍵7…がオン操作/オフ操作されると、光シャッター31…がフォトカプラ32…を通過して、タッチ検出機構30からコントローラ72によって、タッチ情報/タッチデータ、音高情報/音高データなどが検出され、トーンジェネレータ80へ送り込まれる。このような光シャッター31…がフォトカプラ32…などによって検出される情報/データも、上記演奏情報に含まれる。
これにより、ヘッドフォン(図示せず)から楽音が放音され、場合によって加振体56が駆動され響板から楽音が放音される。この時、トーンジェネレータ80で生成される電気振動の振幅の大きさ、レベルが上記音量データに基づいて変更されてもよい。
この結果、止音機構40が止音検出スイッチ50(禁止手動機構)によって、手動でも作動されることになる。この止音検出スイッチ50が作動されて、上記弦14…の発音が禁止されたときも、上記ヘッドフォンまたは加振体(電磁変換手段)56が駆動されることになる。
しかも、このときのタッチは、上記演奏情報の中のタッチ情報ではなく、実際に駆動されたアクション機構2のタッチに基づき、このタッチに応じてトーンジェネレータ80及びサウンドシステム79から発音される。この発音される楽音は手動演奏のほか、上記演奏情報に基づいてソレノイド26…が駆動される自動演奏もある。
なお、上記タッチは、タッチ検出機構30で検出されたタッチではなく、上記演奏情報の中のタッチ情報が使われてもよい。この場合には、演奏情報の中のタッチ情報が、トーンジェネレータ80へ送り込まれる。
この時、上記音高データのトーンジェネレータ80へ送り込みには、所定の遅延時間分遅延される。この遅延される所定の遅延時間データは、鍵盤機構1の鍵操作から上記弦14…の発音までの時間に応じている。このように発音開始タイミングが遅延されると、発音終了タイミングも同じ時間遅延される。
上記上所定値Vu及び下所定値Vdにおいて、電子ピアノモードにおける音量と生ピアノモードにおける音量とはほぼ同じ特性にされている。このほぼ同じ特性とは、電子ピアノモードでも生ピアノモードでも、…、ピアニッシモ、ピアノ、メゾピアノ、スタンダード、メゾフォルテ、フォルテ、フォルテッシモ、…において同じ音量となる特性である。この同じ特性は後述する(9)音量ボリューム61の入力特性(第二実施例)に詳述してある。
これにより、音量ボリューム61を操作して、入力される音量データが上所定値Vu及び下所定値Vdを超えて、電子ピアノモードと生ピアノモードとで切り換えられるとき、音量が変わってしまうことがなくなり、電子ピアノモードと生ピアノモードとで同じ音量特性で制御操作及び切り換え操作ができる。
次いで、止音ペダル47が演奏者によって開放されて、止音検出スイッチ50のオフが、スイッチスキャン回路71で検出されると(ステップ26)、通常手動演奏モードが設定され(ステップ27)、ハンマーストップレール41が後動して、ハンマーヘッド13…が弦14…を打つのが許容され、通常手動演奏モード処理がなされる(ステップ28)。この後その他の処理が実行されて、処理は上記ステップ02に戻る。
通常手動演奏モード処理では、鍵7…がオン操作されると、ハンマーヘッド13…が弦14…を打ち、弦14…が発音される。鍵7…がオフ操作されると、ダンパーヘッド22…が弦14…を押さえ、弦14…が消音される。
上記ステップ23の止音手動演奏モード処理では、上記ソレノイド26…が上記演奏情報に基づいて駆動され、この演奏情報に基づいてトーンジェネレータ80から電気振動が出力されてもよい。このとき、鍵盤機構1…、アクション機構2…、タッチ検出機構30…、ハンマーヘッド13などは、上記演奏情報に基づいて上記一定の音量データで自動的にオン/オフ駆動され、ハンマーストップレール41によって、ハンマーヘッド13が弦14を打つのが禁止されている。
これにより、弦14…が発音されないときでも、鍵盤機構1…またはアクション機構2…は自動的にオン/オフ駆動されて、電気振動が放音されるので、鍵盤機構1…またはアクション機構2…の駆動によって発音されているように見せることができる。ここで、駆動ドライバ74には一定値の音量データ例えばピアニッシモまたはピアノ、その他の強さに応じた音量データがストアされてもよい。この場合には、弦14…の発音の禁止/止音時のソレノイド26…の駆動量は変化せず一定である。
上記ステップ28の通常手動演奏モード処理では、上記ソレノイド26…が上記演奏情報に基づいて駆動される。このとき、鍵盤機構1…、アクション機構2…、タッチ検出機構30…、ハンマーヘッド13などは自動的にオン/オフ駆動され、ハンマーヘッド13が弦14を打つのが許容されている。これにより、鍵盤機構1…またはアクション機構2…は自動的にオン/オフ駆動されて、弦14…が発音される。
以上のような場合でも、音量ボリューム61で電気振動の音量が制御されたり、ソレノイド26…の駆動量が制御されたりする。ここで、上記ステップ23の止音手動演奏モード処理での駆動ドライバ74に一定値の音量データが送られる場合であって、弦14…の発音が禁止されるとき、音量ボリューム61で電気振動の音量が制御されるが、ソレノイド26…の駆動量は制御されないことになる。しかし、弦14…の発音が許容されるとき、すなわち上記ステップ28の通常手動演奏モード処理で、ソレノイド26…が上記演奏情報に基づいて駆動される場合には、ソレノイド26…の駆動量及び弦14…の音量が音量ボリューム61によって制御される。
(7)鍵駆動制御装置53及びソレノイド26
図12は鍵駆動制御装置53及びソレノイド26の回路構成を示す。この図12は1つの鍵7に設けられる回路であり、この図12の回路は全鍵7…ごとに設けられている。上記ソレノイド26…にはダイオード91が並列に接続され、このダイオード91のカソード(−)側は、抵抗92を介してプラスの定電圧源93に接続されている。このダイオード91のアノード(+)側は、NPN型のトランジスタ94のコレクタに接続されており、このトランジスタ94のエミッタはアースされている。
上記トランジスタ94のベースにはディレイ回路95、115を通じてプラグラマブルなワンパルス発生回路96、116が接続されている。ワンパルス発生回路96、116はフリップフロップ回路などと電圧可変回路などとからなり、出力されるパルス信号の長さと振幅(電圧)とが可変となっている。
このワンパルス発生回路96、116には、パルス幅高さレジスタ98、118からのデータが入力され、このパルス幅高さレジスタ98、118にはパルス幅と高さとを決定するパルス幅・高さデータがストアされ、このパルス幅・高さデータが上記ワンパルス発生回路96、116(フリップフロップ回路)に送られて、出力されるワンパルス信号の長さと振幅(電圧)とが決定変更される。
ワンパルス信号の長さはフリップフロップ回路のセットからリセットまでの時間長であり、このセットからリセットまではタイムカウンタなどによって計時され、このタイムカウントのオーバーフロー信号が、このリセット信号となる。セット信号は、上記演奏情報の中からキーオンが読み出されたとき、または発生されたときに発生される。
上記ディレイ回路95、115はFIFOバッファまたはBBDなどからなっており、ワンパルス発生回路96、116からのワンパルス信号が遅延されて出力される。このディレイ回路95、115にはディレイレジスタ97、117からのデータが入力され、このディレイレジスタ97、117にはディレイ回路95、115のディレイ時間/ディレイ量を決定するパルスディレイデータがストアされ、このパルスディレイデータが上記ディレイ回路95、115に送られて、上記ワンパルス信号の遅延量が決定変更される。
上記二組の回路群のうち、ディレイ回路95、ワンパルス発生回路96、ディレイレジスタ97、パルス幅高さレジスタ98には、アタックレベルAL及びアタックタイムATに応じたパルス幅高さデータがストアされ、さらにディレイタイムDTに応じたパルスディレイデータがストアされる。これにより、ディレイ回路95から図13の前半のアタック部分に相当したワンパルス信号が出力される。
また、上記二組の回路群のうち、ディレイ回路115、ワンパルス発生回路116、ディレイレジスタ117、パルス幅高さレジスタ118には、サスティーンレベルSLに応じたパルス幅高さデータがストアされ、さらにディレイタイムDTまたはディレイタイムDT+アタックタイムATに応じたパルスディレイデータがストアされる。これにより、ディレイ回路115から図13の後半のサスティーン部分に相当したワンパルス信号が出力される。
これらの二つのワンパルス信号は、図13に信号のように合成(論理和)されて、上記トランジスタ94のベースに送られる。ここで、サスティーン部分に相当したワンパルス信号のパルス幅に応じたデータは、上記演奏情報の中からキーオフが読み出されたとき。または発生されたときに、当該ワンパルス信号を終了させる信号が上記ワンパルス信号(フリップフロップ回路)に送り込まれて、パルス幅が係合一定される。
なお、上記の回路において、パルス幅高さレジスタ98にアタックレベルAL及びアタックタイムATに応じたパルス幅高さデータがストアされたのち、タイムカウント処理によってアタックタイムAT経過後にサスティーンレベルSLに応じたパルス幅高さデータがストアされてもよい。
またなお、上記ディレイ回路95、115とトランジスタ94との間にPWMジェネレータが介在されてもよい。このPWMジェネレータからは、入力値に応じたデューティ比のパルス列が発生される。
(8)ソレノイド26…の駆動信号
図13はソレノイド26…の駆動信号を示す。上記音量ボリューム61、インクリメントスイッチ66、デクリメントスイッチ67が操作されて、変更された新音量データは、駆動ドライバ74に送られてストアされ、鍵駆動制御装置53によってこの音量データに応じた大きさでソレノイド26…が駆動される。
音量が一律に大きくされると、ソレノイド26…の駆動信号の先頭のアタック部分のレベル/振幅が大きくなり、音量が一律に小さくされると、ソレノイド26…の駆動信号の先頭のアタック部分のレベル/振幅が小さくなる。ソレノイド26…の駆動信号の中央から末尾のサスティーン部分は変化しない。
この駆動信号の先頭のアタック部分のレベル/振幅が、下所定値Vdに応じたレベル/振幅未満になると、上記電子ピアノモード/状態にされる。この駆動信号の先頭のアタック部分のレベル/振幅が、上所定値Vuに応じたレベル/振幅を越えると、上記生ピアノモード/状態にされる。
このようなソレノイド26…の駆動信号レベル/振幅が制御されると、複数のソレノイド26…(駆動手段)にわたって一律に発音量が制御されるほか、複数の弦14…、複数の鍵盤機構1…、複数のアクション機構2…にわたって一律に発音量/音量/タッチが制御されることになる。
この図13の駆動信号は上述の先頭のアタック部分とこれに繋がるサスティーン部分とに分けられる。そして、このアタックの高さ(振幅)はアタックレベルAL、アタックの長さはアタックタイムAT、サスティーンの高さ(振幅)はサスティーンレベルSLと呼ばれる。サスティーンの長さは、キーオフ/離鍵のタイミングまでとなる。そして、キーオンタイミングから上記アタックの先頭までの時間はディレイタイムDTと呼ばれる。このディレイタイムDTの分だけ上記サスティーンの長さも遅れる。
図13の駆動信号のレベルはフォルテとピアノの中間の普通の強さの時のものである。したがって、ソレノイド26…に送られる演奏情報のタッチデータが、…、フォルッテシモ、フォルテ、メゾフォルテ、メゾピアノ、ピアノ、ピアニッシモ、…と変化すれば、上記音量データが変化しなくても、図13の駆動信号のレベルは変化する。
なお、ソレノイド26…の駆動信号の中央から末尾のサスティーン部分は変化してもよい。この場合、この駆動信号の先頭のアタック部分が、上所定値Vuまたは下所定値Vdに応じたレベル/振幅を未満/越えたときに、上記モード/状態が切換えられる。しかし、この駆動信号の中央のサスティーン部分が、上所定値Vuまたは下所定値Vdに応じたレベル/振幅を未満/越えたときに、上記モード/状態が切換えられてもよい。
また、駆動信号の中央のサスティーン部分が、上所定値Vuに応じたレベル/振幅を越えたときに、上記生ピアノモード/状態に切換えられ、駆動信号の先頭のアタック部分が下所定値Vdに応じたレベル/振幅未満になったときに、上記電子ピアノモード/状態に切換えられてもよい。
さらに、駆動信号の先頭のアタック部分が、上所定値Vuに応じたレベル/振幅を越えたときに、上記生ピアノモード/状態に切換えられ、駆動信号の中央のサスティーン部分が下所定値Vdに応じたレベル/振幅未満になったときに、上記電子ピアノモード/状態に切換えられてもよい。
またさらに、駆動信号の中央のサスティーン部分が、下所定値Vdに応じたレベル/振幅を越えたときに、上記生ピアノモード/状態に切換えられ、駆動信号の先頭のアタック部分が上所定値Vuに応じたレベル/振幅未満になったときに、上記電子ピアノモード/状態に切換えられてもよい。
さらにまた、駆動信号の先頭のアタック部分が、下所定値Vdに応じたレベル/振幅を越えたときに、上記生ピアノモード/状態に切換えられ、駆動信号の中央のサスティーン部分が上所定値Vuに応じたレベル/振幅未満になったときに、上記電子ピアノモード/状態に切換えられてもよい。
(9)ソレノイド26…の駆動信号の決定因子(パルス幅・高さデータ)
図14〜図17は、上記ソレノイド26…駆動信号のアタックレベルAL、アタックタイムAT、サスティーンレベルSL、ディレイタイムDT、つまり上記パルス幅・高さデータを決定するためのコンバートテーブル101、102、103、104を示す。このコンバートテーブル101、102、103、104は、上記駆動ドライバ74の中、またはプログラム/データ記憶部76の中などに設けられている。
図14は絶対音量データVXからアタックレベルALを求めるコンバートテーブル101を示す。絶対音量データVXは上記音量ボリューム61などによって入力された音量データと上記演奏情報の中のタッチ情報(ベロシティなど)とを乗算したものである。アタックレベルALは絶対音量データVXにほぼ比例するが、絶対音量データVXが小さい部分では比例割合が大きく、絶対音量データVXが大きくなるに従ってアタックレベルALが急激に大きくなり、絶対音量データVXが大きい部分では、絶対音量データVXが大きくなるに従ってアタックレベルALが緩やかに大きくなる。
このような絶対音量データVXから変換されたアタックレベルALは、上記図12の鍵駆動制御装置53の回路のパルス幅高さレジスタ98にストアされ、ワンパルス信号の高さが決定される。これにより、ソレノイド26…駆動信号のアタックレベルALは、音量ボリューム61などの音量データまたは演奏情報の中のタッチ情報に応じて変更制御される。
図15は絶対音量データVXからアタックタイムATを求めるコンバートテーブル102を示す。アタックタイムATは絶対音量データVXにほぼ比例するが、絶対音量データVXが大きくなるに従って比例割合が徐々に大きくなっていく。このような絶対音量データVXから変換されたアタックタイムATは、上記図12の鍵駆動制御装置53の回路のパルス幅高さレジスタ98にストアされ、ワンパルス信号の幅が決定される。これにより、ソレノイド26…駆動信号のアタックタイムATは、音量ボリューム61などの音量データまたは演奏情報の中のタッチ情報に応じて変更制御される。
図16はキーナンバ(音高)からサスティーンレベルSLを求めるコンバートテーブル103を示す。サスティーンレベルSLは多少の凹凸があるものの、キーナンバ(音高)が大きくなるにしたがって、徐々に小さくなる。これは、高音になるほど、鍵7、鍵盤機構1または/及びアクション機構2の重さが徐々に軽くなるためである。このようなキーナンバ(音高)から変換されたサスティーンレベルSLは、上記図12の鍵駆動制御装置53の回路のパルス幅高さレジスタ98にストアされ、ワンパルス信号の高さが決定される。これにより、ソレノイド26…駆動信号のサスティーンレベルSLは、キーナンバ(音高)に応じて変更制御される。
図17は絶対音量データVXからディレイタイムDTを求めるコンバートテーブル104を示す。ディレイタイムDTは絶対音量データVXにほぼ比例するが、絶対音量データVXが大きくなるに従って比例割合が徐々に小さくなっていく。このような絶対音量データVXから変換されたディレイタイムDTは、上記図12の鍵駆動制御装置53の回路のディレイレジスタ97、117にストアされ、ワンパルス信号の遅延時間が決定される。これにより、ソレノイド26…駆動信号のディレイタイムDTは、音量ボリューム61などの音量データまたは演奏情報の中のタッチ情報に応じて変更制御される。
このように絶対音量データVXには上記演奏情報の中のタッチ情報(ベロシティ)の因子が含まれているので、タッチ情報が変更されると、ソレノイド26…の駆動信号(ワンパルス)のディレイタイムDTが変更され、タッチ情報が大きくなるほどディレイタイムDTが大きくなる。これにより、タッチが小さくなるほど、発音開始操作/打鍵/キーオンから打弦/発音までの時間、消音開始操作/キーオフ/離鍵から止弦/消音までの時間が長くなるのが、補正されて矯正され、これらの時間が音量データにかかわらずほぼ一定とされ、打弦タイミング/発音タイミング/止弦タイミング/消音タイミングがそろえられる。
また絶対音量データVXには音量ボリューム61(スイッチ66、67)の音量データの因子が含まれているので、音量ボリューム61の音量データが変更されると、ソレノイド26…の駆動信号(ワンパルス)のディレイタイムDTが変更され、音量データが大きくなるほどディレイタイムDTが大きくなる。これにより、音量が小さくなるほど、発音開始操作/打鍵/キーオンから打弦/発音までの時間、消音開始操作/キーオフ/離鍵から止弦/消音までの時間が長くなるのが、補正されて矯正され、これらの時間が音量データにかかわらずほぼ一定とされ、打弦タイミング/発音タイミング/止弦タイミング/消音タイミングがそろえられる。
以上のように、音量ボリューム61によって、電子ピアノモードのときの音量と生ピアノモードのときの音量以外に、ソレノイド26…の駆動信号(ワンパルス)のディレイタイムDTも変更することができ、1つの操作子で二種類の音量とディレイ量とを変更制御できる。また音量の制御変化に応じて、ソレノイド26…の駆動信号(ワンパルス)のディレイタイムDTも変更されることができることにもなる。
(10)楽音制御処理(第二実施例)
図18は上記コントローラ(CPU)72によって実行される楽音制御処理のフローチャートの第二実施例を示す。この楽音制御処理は、本楽音制御装置の電源オンによって開始され、電源オフまで繰り返し実行される。まず、プログラム/データ記憶部76の初期化など種々のイニシャライズ処理が行われる(ステップ31)。
次いで、上記ステップ03と同様に、音量ボリューム61若しくはインクリメントスイッチ66またはデクリメントスイッチ67が操作されると(ステップ32)、新音量データが鍵駆動制御装置53、トーンジェネレータ80及びプログラム/データ記憶部76に書込まれ、音量が変更される(ステップ33)。
そして、自動演奏の電子ピアノモードのとき(ステップ34)、上記ステップ33で書き込まれた音量データが取り込まれ(ステップ35)、上記ステップ07と同じ電子ピアノモード処理がなされる(ステップ36)。これにより、上記ステップ33で設定された音量データで電子音が発音される。また、自動演奏の生ピアノモードのとき(ステップ37)、上記ステップ33で書き込まれた音量データが取り込まれ(ステップ38)、上記ステップ17と同じ生ピアノモード処理がなされる(ステップ39)。これにより、上記ステップ33で設定された音量データで弦音が発音される。
これにより、1つの音量ボリューム61で、電子ピアノモードの電子音と生ピアノモードの弦音との音量をそれぞれ切り換えることができる。この後その他の処理が実行されて(ステップ41)、処理は上記ステップ32に戻る。上記電子ピアノモードと生ピアノモードとの切り換えは、上述の止音ペダル47によって行われる。
上記ステップ34〜36の電子ピアノモードにおいては、自動演奏ではなく、手動で鍵7…がオン/オフ操作されて、トーンジェネレータ80及びサウンドシステム79を通じて電子音が発音/消音されてもよい。この手動演奏(消音ピアノ)のときでも、音量データが取り込まれ(ステップ35)、音量制御が実行される。この手動演奏(消音ピアノ)と上記電子ピアノモードと生ピアノモードとの切り換えは、音量ボリューム61(スイッチ66、67)に近傍に設けられた、別のモード切換えスイッチ(図示せず)によって行われる。
上述の図18のステップ36及び上記図10のステップ07における、上記演奏情報に基づく電子ピアノモード処理における電気振動のキーオン/キーオフのタイミングに対しては、一定のディレイタイムデータが付加されて遅延される。この一定のディレイタイムデータは、図17のディレイタイムDTの中で一番大きい値、もっとも高音の値またはもっとも操作量の軽い鍵の値に設定される。
この場合、上記ディレイタイムデータは各演奏情報の中の各楽音情報(ノートデータ)の中のキーオンタイミングを示すステップタイムデータに対して一律に加算されていく。そして、キーオフタイミングを示すゲートタイムデータがキーオンタイミングからの音楽的時間を示すものであれば、ゲートタイムデータにはこのディレイタイムデータは加算されない。このゲートタイムデータが小節の先頭からの音楽的時間を示すものであれば、ゲートタイムデータにこのディレイタイムデータが加算される。
また、上記ステップタイムデータは小節の先頭からの音楽的時間を示すものであれば、ステップタイムデータにこのディレイタイムデータが加算される。しかし、ステップタイムデータが直前の楽音のキーオン、またはキーオフからの音楽的時間を示すものであれば、曲の先頭の楽音のステップタイムデータにのみこのディレイタイムデータが加算される。このような処理は、上記ステップ07及びステップ36の電子ピアノモードで実行される。
これにより、ソレノイド26…による発音/消音のタイミングに対して、トーンジェネレータ80及びサウンドシステム79による電気振動の発音/消音のタイミングも一致させて、タイミングをほぼ一定にすることができる。したがって、生ピアノの発音(図10のステップ07、図18のステップ39)と電子ピアノの発音(図10のステップ17、図18のステップ36)とで切り換えられるとき、発音/消音のタイミングが変わってしまうことがなくなり、ソノレノイド26…の発音/消音とトーンジェネレータ80の発音/消音とで同じタイミングで制御操作及び切り換え操作ができる。
以上のことは、複数の本楽音装置による合奏であって、電子ピアノモードにある装置と生ピアノモードにある装置との合奏でも同様である。また、本楽音装置と電子ピアノモードと同じ形態の楽音装置との合奏や、電子ピアノモードにある装置と生ピアノモードにある装置との合奏でも同様である。また、本楽音装置と生ピアノモードと同じ形態の楽音装置との合奏でも同様である。このような発音/消音のタイミングの整合は、MIDIの各チャンネルごとに実行されてもよい。さらにまた、生ピアノモードにある装置と電子楽器音(伴奏)(ベース、ドラム、シンバルなど)の合奏でも発音/消音タイミングを合わせて演奏することができる。
(11)音量ボリューム61の入力特性(第二実施例)
図19は音量ボリューム61の入力特性Aおよび入力特性Eを示す。この入力特性A及びEのデータはコンバーターとして、上記プログラム/データ記憶部76の中に構成されていたり、または駆動ドライバ74の中に構成されたりして、音量ボリューム61から入力された音量データがこの入力特性AまたはEに沿って変換される。
上記ステップ34の電子ピアノモードでの音量データの書き込みでは、図19のEの特性が選択される。この特性Eでは入力音量データがほぼ正比例の関係で変換されて変換音量データが上記ステップ34の新音量データとして出力され書き込まれる。
また、上記ステップ39の生ピアノモードでの音量データの書き込みでは、図19のAの特性が選択される。この特性Aでは入力音量データがほぼ正比例の関係で変換されて変換音量データが出力されるが、入力音量データが所定値Ia以下になると、この正比例関係ではなくなり、入力音量データがどんな値になっても、出力される変換音量データはほぼ一定値となって飽和し一定の特定値Oaが出力され続ける。
音量データが、この一定の特定値Oaより小さくなると、ソレノイド26…に送り込まれる励起信号の大きさが小さくなって、一部または全部の弦14…で音が出なくなる。したがって、音量ボリューム61を回して操作して、音量データが小さくなっても、生ピアノモードにおいて弦14…が打たれず音が出ないまたは抜けることがなくなる。
この場合、入力所定値Ia以下または出力特定値Oa以下にならないように、音量ボリューム61の回転量が規制されてもよい。しかし、電子ピアノモードでは入力所定値Ia以下または出力特定値Oa以下でも、発音が可能であるため、入力所定値Ia以下または出力特定値Oa以下にできるように、音量ボリューム61の回転量が許容されたほうがよい。
これにより、1つの音量ボリューム61によって、電気振動の音量大きさも、ソレノイド26…の駆動量及び弦14…の打弦量/発音量の音量大きさも変更制御できる。しかも、入力所定値Ia以上または出力特定値Oa以上の正比例特性において、電子ピアノモードにおける音量と生ピアノモードにおける音量とはほぼ同じ特性にされている。
このほぼ同じ特性とは、電子ピアノモードでも生ピアノモードでも、…、ピアニッシモ、ピアノ、メゾピアノ、スタンダード、メゾフォルテ、フォルテ、フォルテッシモ、…において同じ音量となる特性である。例えば、音量ボリューム61の操作位置が、生ピアノモードでピアニッシモの音量であれば、この操作位置は、電子ピアノモードに切り替えられても全く同じピアニッシモの音量となる。
音量ボリューム61の操作位置が、生ピアノモードでピアノの音量であれば、この操作位置は、電子ピアノモードに切り替えられても全く同じピアノの音量となる。音量ボリューム61の操作位置が、生ピアノモードでメゾピアノの音量であれば、この操作位置は、電子ピアノモードに切り替えられても全く同じメゾピアノの音量となる。音量ボリューム61の操作位置が、生ピアノモードでフォルッテシモの音量であれば、この操作位置は、電子ピアノモードに切り替えられても全く同じフォルッテシモの音量となる。
他の操作位置及び音量に応じても同様である。このような、音量ボリューム61における電子ピアノモードでも生ピアノモードでもほぼ同じ音量となる設定は、例えば以下のように行われる。まず、生ピアノモードにおいて、実際に出力される音量の大きさを計測する。次いで、音量ボリューム61の操作位置を変えないで、サウンドシステム79(加振体56)から同じ音量が出るまで、トーンジェネレータ80またはサウンドシステム79内のレベル調整回路/音量回路/アンプなどを調整する。
以上の調整は、スタンダードの音量で実行されるが、音量ボリューム61を回転操作して、上記ピアニッシモからフォルテッシモまで複数段階で実行し、これらの平均をとって、トーンジェネレータ80またはサウンドシステム79内のレベル調整回路/音量回路/アンプなどを調整してもよい。
これにより、音量ボリューム61を操作しなくて、電子ピアノモードと生ピアノモードとで切り換えたとき、音量が変わってしまうことがなくなり、電子ピアノモードと生ピアノモードとで同じ音量特性で制御操作及び切り換え操作ができる。
以上のように音量ボリューム61の同じ操作状態において、ソレノイド26…による発音量と、トーンジェネレータ80及び/またはサウンドシステム79による発音量とが同じ音量となる制御特性となっている。この音量制御の操作によって、入力音量データが所定量Iaより小さくされたら、上記ソレノイド26…の駆動量または弦14…の発音量は出力特定値Oaより小さくされず、上記トーンジェネレータ80及び/またはサウンドシステム79の発音量は当該出力特定値Oaより小さくされる。
なお、このような入力特性A及びEのデータは、情報記憶部77などに記憶されてもよい。また、このような入力特性A及びEのデータは、プログラム/データ記憶部76または情報記憶部77などに演算式として記憶され、この演算式に基づいて、音量ボリューム61から入力された音量データが変換されてもよい。
また、図19の入力所定値Ia及び出力特定値Oa以上の正比例特性部分は正比例に限らず、n乗(n=1/2、1/3、1/4、…、0.7、0.8、0.9、…、1.1、1.2、1.3、…、2、3、4、…)に比例する関係でもよいし、一部飽和する特性があってもよく、ソレノイド26…による発音量と、トーンジェネレータ80及び/またはサウンドシステム79による発音量とが同じ音量となる制御特性であればよい。
上述のように図19の入力特性A及びEは、入力所定値Ia以上、または出力特定値Oa以上では、一致している。しかし、入力特性Aと入力特性Eとは、異なっていてもよい。このような入力特性A及びEは、入力される電気信号は入力所定値Ia以下まで変化するが、出力されるソレノイド26…の駆動信号は出力特定値Oa以下にはならないというものである。
さらに、図19の入力所定値Ia及び出力特定値Oa以下の飽和特性部分は、一定値特性ではなく、緩やかに変化する特性、例えば入力音量データが増加するに従って、出力音量データがわずかに正比例でまたは上記n乗(n=1/2、1/3、1/4、…、0.7、0.8、0.9、…、1.1、1.2、1.3、…、2、3、4、…)で増加する特性などであってもよい。いずれにせよ、入力音量データが所定量Iaより小さくされたら、上記ソレノイド26…の駆動量または弦14…の発音量は出力特定値Oaより小さくされなければよい。
また、上記電子ピアノモードにおける音量と生ピアノモードにおける音量とは同じ特性にされるのではなく、一部または全部異なる特性であってもよい。これにより、電子ピアノモードにあった最適な音量特性と、生ピアノモードにあった最適な音量特性との両方を選択できる。
この第二実施例の他の構成、作用、効果は、上記第一実施例と同じであり、これらの説明は本実施例でも記載されているものとするし、本実施例の記載内容も上記第一実施例にも記載されているものとする。第二実施例で記載されていないことは、この他の実施例が参照されるし、第一実施例で記載されていないことは、当該第一実施例以外の実施例が参照される。
(12)他の実施の形態
本件発明は上記実施例に限定されず、本件発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、上記楽音制御処理は、演奏情報に基づいてピアノ内のソレノイド26…が駆動されて自動演奏されるときに行なわれるが、これ以外のときに実行されてもよい。例えば、上記止音手動演奏モード処理に行なわれてもよい。
止音手動演奏モード処理と通常手動演奏モード処理とを切換える手段は、上記止音ペダル47のほか、レバー、ホイール、ダイヤル、ハンドル、スイッチであってもよい。スイッチにおいては、上記モーター44、51が正回転/逆回転される。上記止音ペダル47は、ダンパーペダル、サスティンペダル、ミュートペダル、ソフトペダル等と兼用されてもよい。
弦14…の発音が禁止されるときには、上記ソレノイド26…は、鍵盤機構1…、アクション機構2…、タッチ検出機構30…、ハンマーヘッド13などの一部または全部はオン/オフ駆動されなくてもよい。この場合、上記ステップ07においてソレノイド26…に駆動信号が送られなくなるか、または、ハンマーストップレール41と同じストップレールが鍵盤機構1…またはアクション機構2…の中などに設けられ、これらのオン駆動/オフ駆動が禁止される。
上記図14〜図17のコンバートテーブル101、102、103、104のアタックレベルAL、アタックタイムAT、サスティーンレベルSL、ディレイタイムDTの特性は、これらのものに限られず、上述のものと逆の特性であってもよいし、上述のものと異なる特性であってもよい。図13のソレノイド26…の駆動信号の形状は上記のものに限られず、多数の階段状の形状、三角形波、鋸波など、どのような形状であってもよい。
図12のソレノイド26…を駆動する鍵駆動制御装置53は、図12に限られず、ソレノイド26…を駆動できれば、どのような回路であってもよい。図18の処理ではステップ33の新音量データの書き込みは省略され、ステップ35、38で直接、新音量データの書き込み及び取り込みが行われてもよい。ステップ35、38の新音量データの書き込みまたは取り込みは、ステップ36、39の電子ピアノモード処理、生ピアノモード処理の後に実行されてもよい。
図10のステップ03の後にステップ33と同じ新音量データ書き込みがなされてもよいし、図10のステップ07、17の前に、ステップ08、18の新音量データの書き込み及び取り込みが行われてもよい。
本発明の楽音制御装置は、アップライトピアノのほか、グランドピアノ、オルガン、電子ピアノ、電子オルガン、チェンバロなどの鍵盤楽器でも適用される。上記鍵7…は、電子弦楽器の弦、電子吹奏(管)楽器の管、電子打楽器(パッド等)の打、コンピュータのキーボードで代用されてもよい。
本発明は電子楽器またはコンピュータなどにおいて実施され得る。上記各図の回路の機能はソフトウエア(フローチャート)によって実施されても良いし、上記各図のフローチャートの機能はハードウエア(回路)によって実施されてもよい。各請求項記載の発明は、当該発明をコンピュータに実行させるコンピュータプログラムを記憶した媒体、コンピュータプログラムの通信装置(方法)、楽音発生装置(方法)、楽音制御装置(方法)としても実現可能である。
音量ボリューム61、インクリメントスイッチ66、デクリメントスイッチ67は、テンキーによる入力、スライドスイッチ、ベンダー、表示画面に表示されてマウスなどで操作されるスライドスイッチのアイコン、インクリメントスイッチのアイコン、デクリメントスイッチのアイコンなど、音量データを変更できればどのようなスタイルでもよい。
上記ソレノイド26…は、鍵7…の奥下のほか、手前下など、鍵盤機構1…をオン/オフ駆動して弦14…を発音できれば、鍵盤機構1…のどの位置に設けられてもよいし、ハンマーシャンク12、バックストップ23など、アクション機構2…をオン/オフ駆動して弦14…を発音できれば、アクション機構2…のどの位置に設けられてもよい。
ソレノイド26…は、リニアモーター、モーターとピニオンとラックなど、鍵7…の駆動及び弦14…の発音をできればどのような機構でもよい。音量ボリューム61、インクリメントスイッチ66、デクリメントスイッチ67で制御される音量は、ソレノイド26…の全部のほか、ソレノイド26…の一部であってもよい。この場合、ソレノイド26…が上鍵盤、下鍵盤、足鍵盤などに分けられ、この鍵盤ごとに音量制御がなされる。
光シャッター31及びフォトカプラ32からなるタッチ検出機構30は、ハンマーシャンク12、ハンマーヘッド13、ウィッペン8などのアクション機構30、鍵7の奥または手前の下面または上面などの鍵盤機構1などに設けられてもよい。
タッチ検出機構30は、光センサー/位置センサーによるもののほか、圧電素子などの圧力センサー、差動トランス、差動キャパシタなどの変位センサー、ホール素子などの磁気変化センサー、加速度センサー、速度センサーなどによってもよい。
ハンマーストップレール41、電動レバー42、手動レバー46、モーター51などの止音機構(禁止機構)40は、バックストップ23、ハンマーヘッド13、ウィッペン8などのアクション機構30、鍵7の奥または手前の下面または上面などの鍵盤機構1などに設けられてもよい。
手動レバー46、ワイヤー48、コイルバネ49、59、止音検出スイッチ50などは、止音ペダル(禁止手動機構)47に設けられるほか、ダンパーペダル、サスティンペダル、ミュートペダル、ソフトペダル、レバー、ホイール、ダイヤル、ハンドル、スイッチに設けられてもよい。
上記ステップ07での、加振体(電磁変換手段)56への電気振動(電気波形信号)の遅れる所定時間、つまり遅延時間は、上記鍵盤機構1の鍵7…操作から弦14…発音までの時間に応じているが、場合によって、この時間より短くても長くても良い。この場合この時間を調整する調整手段が操作パネル54に設けられてもよい。
図9の全体回路70、図1及び図2の楽音制御装置の一部は省略されてもよく、例えば止音検出スイッチ50、ペダルセンサ、スイッチスキャン回路71、表示ドライバ75、モードLED63、インジケータ68…、69…、ペダルソレノイド58、ミディ回路78、タッチ検出機構30、タッチスキャン回路73、光シャッター31、フォトカプラ32などが省略されても良いし、手動レバー46、止音ペダル(禁止機構)47、ワイヤー48、コイルバネ49、59、止音検出スイッチ50、止音機構(禁止機構)40、ハンマーストップレール41、電動レバー42、ギア歯43、モーター44、51、リンク52、ウォ−ムギア45などの一部または全部が省略されてもよい。
(13)他の発明の効果
[1]演奏情報に基づいて、複数の鍵盤機構または複数のアクション機構のいずれかを選択してオン/オフ駆動し、複数の弦のいずれかを発音させる複数の駆動手段と、 上記演奏情報に基づいて、電気振動(電気波形信号)を機械振動/空気振動(音響波形)に変換して放音する音響変換手段と、を備え、 上記複数の駆動手段にわたって一律に発音量を制御し、 この制御によって、上記発音量が所定量より小さくされたら、上記駆動手段の駆動の強さが所定量より弱くされたら、または上記駆動手段の駆動の速さが所定量より遅くされたら、上記弦の発音を禁止して、上記音響変換手段を駆動し、これ以外のときには、上記音響変換手段の駆動を停止して、上記弦の発音を許容することを特徴とする楽音制御方法。
[2]演奏情報に基づいて、複数の鍵盤機構または複数のアクション機構のいずれかを選択してオン/オフ駆動し、複数の弦のいずれかを発音させる複数の駆動手段と、 上記演奏情報に基づいて、電気振動(電気波形信号)を機械振動/空気振動(音響波形)に変換して放音する音響変換手段と、 上記複数の駆動手段にわたって一律に発音量を制御する制御手段と、 この制御手段の制御によって、上記発音量が所定量より小さくされたら、上記駆動手段の駆動の強さが所定量より弱くされたら、または上記駆動手段の駆動の速さが所定量より遅くされたら、上記弦の発音を禁止して、上記音響変換手段を駆動し、これ以外のときには、上記音響変換手段の駆動を停止して、上記弦の発音を許容する第一の切換え手段とを備えたことを特徴とする楽音制御装置。
[3]演奏情報に基づいて、複数の鍵盤機構または複数のアクション機構のいずれかを選択してオン/オフ駆動し、複数の弦のいずれかを発音させる複数の駆動手段と、 上記演奏情報に基づいて、電気振動(電気波形信号)を機械振動/空気振動(音響波形)に変換して放音する音響変換手段と、を備え、 上記複数の駆動手段にわたって、及び上記音響変換手段において、一律に発音量を制御し、この制御は、同じ操作状態において、駆動手段による発音量と、音響変換手段による発音量とがほぼ同じ音量となる制御特性であり、 この制御の操作によって、発音量が所定量より小さくされたら、上記駆動手段の駆動量または発音量を特定値より小さくせず、上記音響変換手段の発音量は当該特定値より小さくすることを特徴とする楽音制御方法。これにより、制御手段を操作しなくて、駆動手段の発音と音響変換手段の発音とで切り換えたとき、音量が変わってしまうことがなくなり、駆動手段の発音と音響変換手段の発音とで同じ音量特性で制御操作及び切り換え操作ができる。
[4]演奏情報に基づいて、複数の鍵盤機構または複数のアクション機構のいずれかを選択してオン/オフ駆動し、複数の弦のいずれかを発音させる複数の駆動手段と、 上記演奏情報に基づいて、電気振動(電気波形信号)を機械振動/空気振動(音響波形)に変換して放音する音響変換手段と、 上記複数の駆動手段にわたって、及び上記音響変換手段において、一律に発音量を制御する制御手段であって、この制御手段は、同じ操作状態において、駆動手段による発音量と、音響変換手段による発音量とがほぼ同じ音量となる制御特性であり、 この制御手段の操作によって、上記発音量が所定量より小さくされたら、上記駆動手段の駆動量または発音量を特定値より小さくせず、上記音響変換手段の発音量は当該特定値より小さくすることを特徴とする楽音制御装置。これにより、制御手段を操作しなくて、駆動手段の発音と音響変換手段の発音とで切り換えたとき、音量が変わってしまうことがなくなり、駆動手段の発音と音響変換手段の発音とで同じ音量特性で制御操作及び切り換え操作ができる。
[5]上記演奏情報は、少なくとも楽音の音高情報と発音開始情報及び発音終了情報とからなり、この音高情報に応じた弦の鍵盤機構またはアクション機構を、この上記発音開始情報に応じたタイミングでオン駆動し、この発音終了情報に応じたタイミングでオフ駆動することを特徴とする請求項2または4記載の楽音制御装置。これにより、演奏情報に基づいて弦発音が可能となる。
[6] 上記演奏情報は、少なくとも楽音の音高情報と発音開始情報及び発音終了情報とからなり、上記電気振動は、所定の音色情報に応じた波形であるとともに、上記音高情報に応じた周期であり、当該電気振動を、上記発音開始情報に応じたタイミングで開始し、上記発音終了情報に応じたタイミングで終了することを特徴とする請求項5記載の楽音制御装置。これにより、演奏情報に基づいて音響変換手段による発音が可能となるし、演奏情報に基づいて弦発音も音響変換手段による発音も可能となるし、同じ演奏情報に基づいて弦発音と音響変換手段による発音とが容易に切換えられる。
[7]上記音響変換手段は、スピーカー、または上記電気振動を機械的変化に変換して、接触する響板を振動させて同響板より音を放射する加振体であることを特徴とする請求項2、4、5または6記載の楽音制御装置。これにより、弦発音に代わる音響変換手段を状況に応じて種々選択できる。
[8]上記複数の鍵盤機構または複数のアクション機構において、鍵操作の強さまたは速さを検出するタッチ検出手段と、 このタッチ検出手段での検出結果に基づいて、上記電気振動の振幅の大きさまたは高調波成分の含有量を制御するタッチ制御手段とを備えたことを特徴とする請求項2、4、5、6または7記載の楽音制御装置。これにより、鍵操作に応じて音響変換手段による発音が可能となり、しかも鍵タッチが音響変換手段による発音に反映される。
[9]鍵操作を許容するとともに上記複数の鍵盤機構または上記複数のアクション機構が上記弦の発音を一律に禁止する禁止機構と、 上記第一の切換え手段の切換えによる弦の発音が禁止されるときに、当該第一の切換え手段とこの禁止機構とが連動作動されるように、上記弦の発音を一律に禁止する禁止連動手段をさらに備えたことを特徴とする請求項2、4、5、6、7または8記載の楽音制御装置。これにより、駆動手段の駆動が停止されるとき、弦の発音が連動して禁止され、二重に発音が禁止される。
[10] 上記禁止機構を手動でも作動させる禁止手動機構と、 この禁止手動機構が作動されて、上記弦の発音が一律に禁止されたときも、上記音響変換手段を駆動する第二の切換え手段とをさらに備えたことを特徴とする請求項9記載の楽音制御装置。これにより、手動でも弦発音と音響変換手段による発音とが切換えられる。また、手動の鍵操作によって弦発音を行なわず電子発音を行なう消音ピアノと、本発明の楽音制御装置とを兼用できる。
[11]上記第一の切換え手段の切換え状態を表示する表示手段であって、上記弦の発音が禁止されて、上記音響変換手段が駆動されるときの表示状態と、これ以外のときの、上記音響変換手段の駆動が停止されて、上記弦の発音が許容されるときの表示状態とを切換えて表示する表示手段をさらに備えたことを特徴とする請求項2、4、5、6、7、8、9または10記載の楽音制御装置。これにより、駆動手段が駆動可能なときと、音響変換手段が駆動可能なときとが、視覚的に即座に識別され得る。
[12]上記電気振動は、上記演奏情報の上記発音開始情報に応じたタイミングより所定の時間遅れて開始し、上記発音終了情報に応じたタイミングより所定の時間遅れて終了し、この遅れる所定時間は、上記鍵盤機構の鍵操作から上記弦発音までの時間に応じていることを特徴とする請求項2、4、5、6、7、8、9、10または11記載の楽音制御装置。これにより、弦発音タイミング/消音タイミングと音響変換手段による発音タイミング/消音タイミングとにズレがなくなり、上記発音量制御によって、弦発音するときと音響変換手段を駆動するときとが切り替わるときに、発音タイミング/消音タイミングにズレがなくなる。
[13]上記駆動手段の駆動は、上記演奏情報の上記発音開始情報に応じたタイミングより所定の時間遅れて開始し、上記発音終了情報に応じたタイミングより所定の時間遅れて終了し、この遅れる所定の時間は、上記複数の駆動手段にわたって一律に発音量を制御する制御手段の制御量に応じて変更され、 または上記演奏情報の中のタッチ情報の大きさに応じて変更されることを特徴とする請求項2、4、5、6、7、8、9、10、11または12記載の楽音制御装置。これにより、発音開始操作(キーオン/打鍵)から打弦/発音、消音開始操作(キーオフ/離鍵)から止弦/消音までの時間は、音量またはタッチの大きさに応じて変化するが、これを補正/矯正して、発音タイミング/消音タイミングをほぼ一定に揃えることができる。
[14]上記複数の駆動手段にわたって一律に発音量を制御する制御手段は、上記音響変換手段の電気振動の発音量を変更する、上記駆動手段の駆動量の大きさを変更する、または/及び上記演奏情報の上記発音開始情報に応じたタイミングより遅れる所定の時間の大きさを変更することを特徴とする請求項2、4、5、6、7、8、9、10、11、12または13記載の楽音制御装置。これにより、1つの制御手段で、音響変換手段の電気振動の発音量の大きさと、駆動手段の駆動量の大きさと、発音開始情報に応じたタイミングより遅れる所定の時間の大きさとの3つの因子を変更制御できる。
[15]上記駆動手段の駆動の強さまたは発音量が大きく変更されるときの上記所定量は、小さく変更されるときの上記所定量より大きいことを特徴とする請求項2、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13または14記載の楽音制御装置。これにより、駆動手段にヒステリシス特性があって、音量データが大きく変更されるときと、小さく変更されるときとで、同じ特性にできる。
[16]上記弦の発音が禁止され上記電気振動が放音されるときでも、上記駆動手段は駆動され、上記鍵盤機構またはアクション機構はオン/オフ駆動されることを特徴とする請求項2、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14または15記載の楽音制御装置。これにより、弦が発音されないときでも、鍵盤機構またはアクション機構はオン/オフ駆動されて、電気振動が放音されるので、鍵盤機構またはアクション機構の駆動によって発音されているように見せることができる。
[17]上記弦の発音が禁止されるときには、上記複数の駆動手段にわたって一律に発音量を制御する制御手段によって、上記音響変換手段の電気振動の発音量が変更されて、上記駆動手段の駆動量の大きさは変更されず、 上記弦の発音が許容されるときには、上記複数の駆動手段にわたって一律に発音量を制御する制御手段によって、上記駆動手段の駆動量の大きさが変更されることを特徴とする請求項2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15または16記載の楽音制御装置。これにより、1つの制御手段によって、音響変換手段の電気振動の発音量と、駆動手段の駆動量の大きさとを、変更制御できる。
[18]上記弦の発音を禁止して、上記音響変換手段を駆動する切換えにおいて、切り換えの前後における、上記駆動手段による発音量と、上記音響変換手段による発音量とはほぼ同じ音量となることを特徴とする請求項2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16または17記載の楽音制御装置。これにより、駆動手段の発音と音響変換手段の発音とで切り換えられるとき、音量が変わってしまうことがなくなり、駆動手段の発音と音響変換手段の発音とで同じ音量特性で制御操作及び切り換え操作ができる。
[19]上記音響変換手段によって電気振動に変換される上記演奏情報は、上記駆動手段によって駆動される鍵盤機構またはアクション機構の駆動から検出された情報であることを特徴とする請求項2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17または18記載の楽音制御装置。これにより、実際の鍵盤機構またはアクション機構の駆動内容に応じた電気振動/電子音を発生できる。
[20]上記楽音制御装置は、手動によって鍵盤機構及び複数のアクション機構がオン/オフ駆動され、これにより複数の弦のいずれかが発音される通常手動演奏状態と、これにより電気振動が発生されて音響波形に変換されて放音される状態とが切換えられる止音手動演奏状態とを切換える禁止手動機構を備えたことを特徴とする請求項2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18または19記載の楽音制御装置。これにより、弦発音と音響変換手段による発音との切換える機構が、通常手動演奏状態と止音手動演奏状態との切換えにも兼用され得る。
[21]上記複数の駆動手段にわたって一律に発音量を制御する制御手段は、複数の弦、複数の鍵盤機構、複数のアクション機構、複数の駆動手段にわたって一律に発音量/音量/タッチを制御することを特徴とする請求項2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19または20記載の楽音制御装置。これでも同様に発音量/音量/タッチを制御できる。
[22]上記複数の駆動手段にわたって一律に発音量を制御する制御手段は、上記の同じ演奏情報が上記駆動手段に入力されても、この駆動手段の駆動の強さを強くしたり弱くしたりする、またはこの駆動手段の駆動の速さを速くしたり遅くしたりすることを特徴とする請求項2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20または21記載の楽音制御装置。これでも同様に発音量/音量/タッチを制御できる。