JP2009265650A - 楽音制御方法及び楽音制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ソレノイドが駆動されても弦が発音されなかったら、電気振動が音響変換手段より放音されて、音抜けが補われる。
【解決手段】読み出された音高情報及びタッチ情報によって、この音高情報に応じたソレノイド26がオン駆動されても(ステップ03、04、05)、所定時間後(ステップ06)、上記音高情報に応じた発音/タッチ検出機構30から発音検出信号が発生せず、弦14が発音されなければ(ステップ07)、上記音高情報及びタッチ情報が上記トーンジェネレータ80へ送られ、加振体56及び響板から同じ音高の楽音が発音される(ステップ08)。これにより、発音されなかった弦14と同じ音高かつ同じタッチの楽音が電子的に発音され、ソレノイド26による自動演奏の音抜けが補われる。上記発音検出信号が送られてくれば(ステップ07)、弦14が発音されているので、上記音高情報及びタッチ情報は送られず電子発音はされない。
【選択図】図7
【解決手段】読み出された音高情報及びタッチ情報によって、この音高情報に応じたソレノイド26がオン駆動されても(ステップ03、04、05)、所定時間後(ステップ06)、上記音高情報に応じた発音/タッチ検出機構30から発音検出信号が発生せず、弦14が発音されなければ(ステップ07)、上記音高情報及びタッチ情報が上記トーンジェネレータ80へ送られ、加振体56及び響板から同じ音高の楽音が発音される(ステップ08)。これにより、発音されなかった弦14と同じ音高かつ同じタッチの楽音が電子的に発音され、ソレノイド26による自動演奏の音抜けが補われる。上記発音検出信号が送られてくれば(ステップ07)、弦14が発音されているので、上記音高情報及びタッチ情報は送られず電子発音はされない。
【選択図】図7
Description
本発明は、楽音制御方法及び楽音制御装置に関し、特に演奏情報に基づいて、鍵盤機構またはアクション機構をオン/オフ駆動させて弦を発音させるものに関する。
従来、このような楽音制御装置では、複数の鍵の下に駆動手段例えばソレノイドを配置し、このソレノイドが励起されてプランジャーが動かされて鍵が操作される。この鍵操作によって、アクション機構のハンマーが弦を打って弦が発音される。
このソレノイドに送り込まれる励起信号の大きさが制御されると、ハンマーが弦を打つ強さまたは速さが変化し、弦の発音量つまり音量が変化する。このソレノイドに送り込まれる励起信号の大きさを小さくすると、一部の弦では音が出ず、他の弦では音が出て、音が抜けたり、連打のような特殊な鍵操作の楽音が再現できなくなったり、音色までが変わってしまったりしていた。
上記課題を解決するため、本件発明では、鍵盤機構またはアクション機構のオン駆動によって、弦が発音したか否かを検出し、この検出によって、弦が発音していないことが検出されたら、音響変換手段を駆動して、上記発音していない弦とほぼ同じ音高の電気振動を発生するようにした。
これにより、駆動手段の駆動の強さ/速さが弱くて、弦が発音されなかったら、代わりに音響変換手段より電気振動が空気振動に変換されて放音されるので、一部の弦では音が出ず、他の弦では音が出て、音が抜けることがなくなる。
また、本願発明では、鍵操作を許容するととともに複数の鍵盤機構または複数のアクション機構が弦を発音させるのを一律に禁止する禁止機構を備え、この禁止機構が作動されて、上記複数の弦の発音が一律に禁止されたときも、上記音響変換手段を駆動するようにした。
これにより、弦発音と音響変換手段による発音とが複数の鍵/弦にわたって一律に切換えられる。また、鍵操作によって弦発音を行なわず鍵操作によって電子発音を行なう消音ピアノと、本発明の楽音制御装置とを兼用できる。
さらに、本願発明では、上記弦が発音したか否かを検出する検出手段は、さらに、上記複数の鍵盤機構または複数のアクション機構において、鍵操作の強さまたは速さを検出し、この検出されたタッチに基づいて、上記電気振動の振幅の大きさまたは高調波成分の含有量を制御するようにした。
これにより、弦が発音していないとき、電気振動を発生させるだけでなく、この電気振動が鍵操作のタッチに応じた振幅の大きさまたは高調波成分の含有量とされて、鍵タッチが反映される。
このような弦の音抜けの補てんが行われる場合でも、音響変換手段による電子発音される場合でも、駆動手段(ソレノイド)及び鍵盤機構は駆動されていて、鍵はオン/オフ動作して動いているので、鍵が動いて楽音が発音されるように見えるようにすることができる。弦発音及び上記電気振動による電子発音いずれのときでも、駆動手段(ソレノイド)及び鍵盤機構は駆動されている。
(1)鍵盤機構1…、アクション機構(打鍵機構)2…及びダンパー機構3…
図1は楽音制御装置/楽音装置/消音ピアノの全体を示し、図2は複数の鍵盤機構1…、複数のアクション機構(打鍵機構)2…及び複数のダンパー機構3…を示す。図2の鍵盤機構1…、アクション機構2…及びダンパー機構3…は、単一にみえるが、奥に同じ機構が鍵7…と同じ数配置されている。
図1は楽音制御装置/楽音装置/消音ピアノの全体を示し、図2は複数の鍵盤機構1…、複数のアクション機構(打鍵機構)2…及び複数のダンパー機構3…を示す。図2の鍵盤機構1…、アクション機構2…及びダンパー機構3…は、単一にみえるが、奥に同じ機構が鍵7…と同じ数配置されている。
筬6の上に配置された多数の水平方向に延びる鍵7…は揺動可能となっており、この各鍵7…の奥の上側には水平方向に延びるそれぞれウィッペン8…がセンターレール9に回動可能に支持されている。
ウィッペン8…の回動先端には、上方に延びるジャック10…がさらに回動可能に取り付けられ、このジャック10…はウィッペン8…とともに、キーオン/発音開始によって持ち上げられ、ジャック10…の先端が回動可能なハンマーバット11…を押し上げられる。
これによりハンマーバット11…とともにハンマーシャンク12…が奥方へ回動され、ハンマーヘッド13…が弦14…を叩く。上記ハンマーシャンク12…の手前には、内部空洞のハンマーレール15が固定されており、このハンマーレール15の奥面には上記ハンマーシャンク12…が受け止められる。
センターレール9の上面には上下に延びるダンパーレバー21…が回動可能に支持されるとともに、上記弦14…方向に付勢されている。このダンパーレバー21…の上先端にはダンパーヘッド22…が固定され、このダンパーヘッド22…は上記弦14…に当接している。
キーオン/発音開始によってダンパーヘッド22…は弦14…から離れ、弦14…の振動が許容され発音され、キーオフ/発音終了によってダンパーヘッド22…は弦14…に接触し、弦14…の振動が止められ止音される。
上記鍵7…の奥の下側にはそれぞれソレノイド(駆動手段)26…が配置され、このソレノイド26…がオン/オフ駆動され、プランジャーが出/没されると、鍵7…がオン/オフ操作され、上記ハンマーヘッド13…が上記弦14…を打ったり離れたりして、ダンパーヘッド22…が弦14…から離れたり押さえたりして、弦14…が発音/消音される。
このソレノイド26…は、演奏情報の音高情報に基づいて、いずれかが選択されてオン/オフ駆動される。また、ソレノイド26…は、演奏情報の発音開始情報に応じたタイミングでオン駆動され、演奏情報の発音終了情報に応じたタイミングでオフ駆動される。
したがって、演奏情報の楽音の音高情報と発音開始情報及び発音終了情報に基づいて、上記複数の鍵盤機構1…、複数のアクション機構(打鍵機構)2…及び複数のダンパー機構3…のいずれかが選択されて、キーオン駆動またはキーオフ駆動され、弦14…のいずれかが発音/消音される。この発音/消音される弦14…は、上記音高情報に応じている。
上記ハンマーバット11…から手前方向にはバックストップ23…が突設され、このバックストップ23…の上には、複数の突起を有する板状の光シャッター31…がそれぞれ突設されている。一方、上記ハンマーレール15の下側にはフォトカプラ32…が配置されている。
上記鍵盤機構1…及びアクション機構2…のキーオン駆動/キーオフ駆動の時に、光シャッター31…がフォトカプラ32…を通過して、フォトカプラ32…からこの光シャッター31…の各通過に基づいて発音検出信号が取り込まれる。この発音検出信号はキーオン時だけでなくキーオフ時も取り込まれ、消音検出信号も含む。
上記ソレノイド26…のオン駆動、上記鍵盤機構1…及びアクション機構2…のオン駆動によって、上記弦14…が発音すれば、この発音検出信号が発生して取り込まれ、上記弦14…が発音しなければ、この発音検出信号は発生せず取り込まれない。
この発音検出信号が発生しなかったら、発音していない弦と同じ/ほぼ同じ音高の電気振動が発生されて加振体56が駆動されて機械振動が発生され、響板から空気振動が発生されて楽音が放音/発音される。この発音検出信号が発生したら、上記発音していない弦とほぼ同じ音高の電気振動は発生されず、加振体56は駆動されず響板から楽音が放音/発音されない。
上記鍵盤機構1…及びアクション機構2…のキーオン駆動/キーオフ駆動の時に、光シャッター31…の複数の突起がフォトカプラ32…を順次通過して、フォトカプラ32…からこの複数の突起の通過の間隔時間に基づいて通過速度に応じたタッチデータが取り込まれる。
このタッチデータは、上記鍵盤機構1…及びアクション機構2…のオン駆動によって、上記弦14…が発音すれば発生して取り込まれ、上記弦14…が発音しなければ、タッチデータは発生せず取り込まれない。したがって、このタッチデータは、弦14…が発音したか否かを検出した上記発音検出信号ともなる。
発音検出信号は、光シャッター31…の複数の突起のうち、キーオン時に最初に通過する突起による信号、二番目以降に通過する突起による信号、いずれでもよいが、通常は最後に通過する突起による信号となる。これに対して、タッチデータは光シャッター31…の複数の突起の各通過の間隔時間に基づいている。消音検出信号は、上記光シャッター31…の複数の突起のうち、キーオフ時に最初に通過する突起による信号、二番目以降に通過する突起による信号、いずれでもよいが、通常は最後に通過する突起による信号となる。
鍵盤機構1…及びアクション機構2…が速くまたは強くオン操作/オフ操作されると、フォトカプラ32…からのタッチデータ/発音検出信号が大きい値となり、鍵盤機構1…及びアクション機構2…が遅くまたは弱くオン操作/オフ操作されると、フォトカプラ32…からのタッチデータ/発音検出信号が小さい値となる。
このようなフォトカプラ32…及び光シャッター31…からなる発音/タッチ検出機構30は、特開平9−68981号明細書及び図面、特開平4−291300号公報、特開平4−372994号公報などに示されている。
(2)楽音制御装置/楽音装置/消音ピアノの全体
図1は楽音制御装置/楽音装置/消音ピアノの全体を示す。上記フォトカプラ32…及び光シャッター31…からなる発音/タッチ検出機構30と、次述する止音機構40(禁止機構)は楽音制御装置の内部上方に配置される。上記ソレノイド26…の傍には鍵駆動制御装置53が配置されていて、ソレノイドが26…が駆動される。
図1は楽音制御装置/楽音装置/消音ピアノの全体を示す。上記フォトカプラ32…及び光シャッター31…からなる発音/タッチ検出機構30と、次述する止音機構40(禁止機構)は楽音制御装置の内部上方に配置される。上記ソレノイド26…の傍には鍵駆動制御装置53が配置されていて、ソレノイドが26…が駆動される。
操作パネル54には、後述する音量ボリューム(図示せず)が設けられ、この音量ボリュームからの音量制御データは、電子音源装置55に入力され、上記鍵駆動制御装置53を通じてソレノイド26…に送り込まれるソレノイド駆動信号の大きさが変更され、上記弦14…を打つ強さ/速さが変更され、弦14…の振動量/発音量が変更される。なお、図1では省略されているが、鍵駆動制御装置53から各ソレノイド26…には接続線が設けられている。
電子音源装置55では、上記演奏情報に基づいて、電気振動(電気信号/電気音響信号/電気波形信号/電気音響振動/電気音響波形信号等を含む。以下同じ)が生成され、この電気振動は加振体(音響変換手段)56に送り込まれ、機械振動(機械的振動波形/機械的音響振動/音響波形/振動音響/音響振動等を含む。以下同じ)に電磁的に変換される。この加振体56は楽音制御装置の響板に接合されており、響板ではこの機械振動が空気振動(音響波形/振動音響/音響振動/振動波形/機械的空気振動波形/機械的音響空気振動等を含む。以下同じ)となり放音される。この加振体56は、電気振動を機械振動に変換して、接触する響板/物体を振動させて同響板/物体より音(空気振動)を放射させるもので、自身は通常音を出さない。
この加振体56(電磁駆動ユニット/電磁駆動体)の構造及び取り付け構造は、特願2007−176758号明細書及び図面、特願2007−158002号明細書及び図面、特願2007−122921号明細書及び図面、特願2007−114952号明細書及び図面、特願2007−6863号明細書及び図面などに示されている。この加振体56は、スピーカー、ツィータ、平板スピーカー、圧電素子スピーカー、ヘッドフォン、イヤホン等、演奏者の耳付近で発音させる機構、電気音響信号/電気波形信号を電磁的または圧電的などで音響/空気振動に変換するものでもよく、取り付けられる数は多数でも複数でもよい。
上記発音/タッチ検出機構30のフォトカプラ32…から発音検出信号が発生されなかったとき、上記演奏情報が、電子音源装置55に送られ、上記演奏情報に基づく電気振動の周波数/周期などが決定/変更される。この決定/変更は、上記弦14…発音の時に、上述の発音/消音されなかったときに行なわれる。この場合、手動演奏時には、上記演奏情報に代えて弦14…の音抜けを補てんする所定のタッチデータによって上記決定/変更が行われてもよい。
上記発音/タッチ検出機構30のフォトカプラ32…からのタッチデータは、電子音源装置55に送られ、上記電気振動の振幅の大きさ、レベル、波形、高調波成分、高調波成分の含有量が決定/変更される。この決定/変更は、楽音制御装置が止音されて鍵7…の操作によって電子的に発音される消音機能が選択されたときに行なわれる。この場合、自動演奏時には、上記読み出される演奏情報の中のタッチデータによって、上記決定/変更が行われてもよい。
上記ソレノイド26…がオン駆動して、上記鍵盤機構1…及びアクション機構2…がオン駆動し、上記弦14…が発音すれば、光シャッター31はフォトカプラ32…を通過し、フォトカプラ32…から発音検出信号が発生して電子音源装置55に送られるので、電子音源装置55から電気振動は発生しない。
上記ソレノイド26…がオン駆動して、上記鍵盤機構1…及びアクション機構2…がオン駆動しても、この駆動が不十分で上記弦14…が発音しなければ、光シャッター31はフォトカプラ32…を通過せず、フォトカプラ32…から発音検出信号が発生せず電子音源装置55に送られないので、電子音源装置55から電気振動が発生する。
鍵7…、鍵盤機構1…、アクション機構2…、ダンパー機構3、ソレノイド(駆動手段)26…、発音/タッチ検出機構30…すなわち光シャッター31…、フォトカプラ32…は、それぞれ同じ数ずつ設けられ、ソレノイド26…とフォトカプラ32…とは一対一で対応していて、各鍵7…つまり各音高に対応している。
したがって、各ソレノイド26…へ送られるオン駆動信号と、このソレノイド26…に対応するフォトカプラ32…から発音検出信号が得られなければ、電子音源装置55から電気振動が発生する。また、各ソレノイド26…へ送られるオン駆動信号と、このソレノイド26…に対応するフォトカプラ32…から発音検出信号が得られれば、電子音源装置55から電気振動は発生しない。
この電気振動の音高は、上記駆動信号が送られるソレノイド26…に対応した音高、または上記フォトカプラ32…に対応した音高に応じていて、電気振動の周波数はこの音高に応じている。
楽音制御装置の前面下部の止音ペダル47…(禁止機構)、その他のペダルのオン/オフ/ハーフ状態は、止音検出スイッチ50その他のスイッチ/センサーで検出され、この検出信号はペダル駆動制御装置57に送られ、場合によってペダルソレノイド58を通じて、止音、ミュート、ダンパーなど機能が達成されるように、楽音制御装置内の機構が切り換えられる。また、ペダル駆動制御装置57から上記鍵駆動制御装置53へも制御信号が送られ、ソレノイド駆動信号の大きさが変更される。
(3)止音機構40(禁止機構)
図3及び図4は止音機構40を示す。上記ハンマーシャンク12…の奥側には、板状のハンマーストップレール41(止音機構)が前後動可能に固定されており、このハンマーストップレール41が前動すると、上記ハンマーヘッド13…が弦14…を打つ前に、ハンマーシャンク12…がハンマーストップレール41にあたって、弦14…の発音が禁止/止音される。
図3及び図4は止音機構40を示す。上記ハンマーシャンク12…の奥側には、板状のハンマーストップレール41(止音機構)が前後動可能に固定されており、このハンマーストップレール41が前動すると、上記ハンマーヘッド13…が弦14…を打つ前に、ハンマーシャンク12…がハンマーストップレール41にあたって、弦14…の発音が禁止/止音される。
このハンマーストップレール41が後動すると、上記ハンマーヘッド13…の弦14…への打ち/打弦が許容される。なお、上記センターレール9、上記ハンマーレール15及びハンマーストップレール41はピアノ(楽音制御装置/楽音装置)内のアクションブラケット(図示せず)の間に架け渡されている。
図3に示すように、上記ハンマーストップレール41の他の端には、側方へ突出する手動レバー46が連結固定されている。楽音制御装置の前面中央下部の止音ペダル47(またはミュートペダルなど)は基端で軸支され、この止音ペダル47の中央と上記手動レバー46の先端とはワイヤー48及びコイルバネ49とで繋がれている。
コイルバネ49は止音ペダル47と手動レバー46とを接近させるように付勢している。止音ペダル47の中央下には止音検出スイッチ50が設置され、止音ペダル47の押下げが検出される。止音ペダル47の中央下にもコイルバネ59が取り付けられ、止音ペダル47が上方へ付勢される。
図4(b)に示すように、止音ペダル47が押下げられると、ハンマーストップレール41が前動されて、全鍵7…のオン操作/オフ操作が許容されるにもかかわらず、全ハンマーヘッド13…が全弦14…を打つのが一律に禁止され、全弦14…の発音が一律に禁止/止音される。図4(a)に示すように、止音ペダル47が上方へ復帰されると、全ハンマーストップレール41が後動されて、全鍵7…のオン操作によって、ハンマーヘッド13…が全弦14…を打つのが一律に許容され、弦14…の発音が一律に許容される。
(4)操作パネル54の発音検出表示装置61
図5は上記操作パネル54のLED形式の発音検出表示装置61を示す。発音検出表示装置61は鍵7…、ソレノイド26…、フォトカプラ32…、発音/タッチ検出機構73、鍵盤機構1…、アクション機構2…と同じ数設けられている。
図5は上記操作パネル54のLED形式の発音検出表示装置61を示す。発音検出表示装置61は鍵7…、ソレノイド26…、フォトカプラ32…、発音/タッチ検出機構73、鍵盤機構1…、アクション機構2…と同じ数設けられている。
ソレノイド26…に駆動信号が送られたにもかかわらず、対応するフォトカプラ32…から発音検出信号が検出されないと、対応する発音検出表示装置61が点灯する。この点灯によって、どの音高の楽音が発音されなかったかがわかる。
これにより、操作者は自動演奏において、ソレノイド26…が駆動されたにもかかわらず、対応する弦14…が発音せず、電子音源装置55から電気振動が発生して加振体56を通じて響板から発音されれば、この状況が発音検出表示装置61の点灯によって操作者に知らされる。
以上のように、発音検出表示装置61における表示状態は、ソレノイド26…が駆動されて弦14…が発音され電気振動が発生されず加振体56が駆動しないときの表示状態と、ソレノイド26…が駆動されて弦14…が発音されず電気振動が発生され加振体56が駆動されるときの表示状態とは異なる。
この場合、表示色の違いのほか、点滅と点灯の違い、液晶ディスプレイで文字、記号、図形などで上記両モードの違いを表示する、両モードを表す文字、記号に近接した2つのLEDのいずれかの点灯などで、表示状態が切換えられてもよい。発音検出表示装置61は、音高ごとに設けられるのではなく、オクターブごとに設けられ、音域ごとに設けられ、全鍵7…で一つだけ設けられてもよい。
(5)電子音源装置55の全体回路70
図6は、上記電子音源装置55の全体回路70、楽音制御方法を実現する全体回路、楽音制御方法のためのコンピュータプログラムを実行する全体回路、楽音制御装置、楽音装置または電子楽器などの全体回路70を示す。
図6は、上記電子音源装置55の全体回路70、楽音制御方法を実現する全体回路、楽音制御方法のためのコンピュータプログラムを実行する全体回路、楽音制御装置、楽音装置または電子楽器などの全体回路70を示す。
上述の止音検出スイッチ50、ペダルセンサは、スイッチスキャン回路71でスキャンされ、操作量、オン/オフがコントローラ(CPU)72によって検出される。上記フォトカプラ32…などの発音/タッチ検出機構30はタッチスキャン回路73でスキャンされ、コントローラ72によって発音検出信号/タッチデータが検出される。
上記ソレノイド26…、ペダルソレノイド58は、コントローラ72によって、駆動ドライバ74を通じて駆動される。この駆動ドライバ74には、上述の鍵駆動制御装置53、ペダル駆動制御装置57が含まれる。上記発音検出表示装置61は、コントローラ72によって、表示ドライバ75を通じて表示制御される。
プログラム/データ記憶部76には、上記演奏情報、楽音波形信号などが記憶され、場合によってミディ回路78から送られてきた、演奏情報、楽音波形信号が書き込まれる。このプログラム/データ記憶部76の演奏情報、楽音波形信号は、情報記憶部77に直接またはバスラインを介してコピーされて、他の装置に組み込まれ、トーンジェネレータ80に転送される。
プログラム/データ記憶部76(内部記憶媒体/手段)はROMまたは書き込み可能なRAM、フラッシュメモリまたはEEPROM等の記憶装置からなり、光ディスクまたは磁気ディスク等の着脱自在な情報記憶部77(外部記憶媒体/手段)に記憶されるコンピュータのプログラムが書き写され記憶される(インストール/転送される)。
またプログラム/データ記憶部76には外部の電子楽器またはコンピュータから上記ミディ回路78または送受信装置を介して送信されるプログラムも記憶される(インストール/転送される)。このプログラムの記憶媒体は通信媒体も含む。
ミディ(MIDI)回路78は、外部接続された電子楽器、機器との間で演奏情報や楽音波形信号の送受を行うためのインターフェースである。この演奏情報はMIDI(ミュージカルインスツルメントデジタルインターフェース)規格のもので、この演奏情報に基づいた発音も行われる。
演奏情報の中の音楽的ファクタ情報は、コントローラ72へ送られ、各種信号、データ、パラメータの切り換えが行われ、楽音の内容が決定される。音楽的ファクタ情報、演奏情報(楽音発生情報)及び楽音制御情報はコントローラ72で処理され、各種データがトーンジェネレータ80へ送られ、楽音波形信号がサウンドシステム79を通じて加振体56で発音される。
上記演奏情報は、少なくとも楽音の音高情報/音高データ、発音開始情報/ステップタイムデータ及び発音終了情報/ゲートタイムデータとからなり、所定の音色情報に応じた波形で、上記音高情報に応じた周期で、上記電気振動が、上記発音開始情報に応じたタイミングで開始され、上記発音終了情報に応じたタイミングで終了される。
コントローラ72はCPU、DSP(デジタルシグナルプロセッサ)、ROM及び/またはRAMなどからなっている。このようなコントローラ72は、図6の回路ごとに分散されて設けられてもよい。
上記演奏情報(楽音発生情報)の音楽的ファクタ(因子)情報は、音高(音域/鍵域)情報(音高決定因子)、音色情報、タッチ情報(タッチデータ)、発音時間情報、演奏分野情報、発音数情報、共鳴度情報などである。発音時間情報は楽音の発音開始からの経過時間を示す。上記楽音波形信号の波形は、上述の音色、タッチ、音高(音域/鍵域)、発音時間、演奏分野、発音数、共鳴度などの情報によって、切り換えられ変化される。
(6)楽音制御処理
図7及び図8は上記コントローラ(CPU)72によって実行される楽音制御処理のフローチャートを示す。この楽音制御処理は、本楽音制御装置の電源オンによって開始され、電源オフまで繰り返し実行される。まず、プログラム/データ記憶部76の初期化など種々のイニシャライズ処理が行われる(ステップ01)。
図7及び図8は上記コントローラ(CPU)72によって実行される楽音制御処理のフローチャートを示す。この楽音制御処理は、本楽音制御装置の電源オンによって開始され、電源オフまで繰り返し実行される。まず、プログラム/データ記憶部76の初期化など種々のイニシャライズ処理が行われる(ステップ01)。
次いで、操作パネル54のモードスイッチ(図示せず)で、自動演奏モードが選択されているとき(ステップ02)、上記演奏情報が読み出され(ステップ03)、演奏開始情報、音高情報及びタッチ情報が読み出されれば(ステップ04)、この音高情報に応じたソレノイド26に、鍵駆動制御装置53を通じて、図10に示すタッチ情報に応じた大きさ/振幅でオン駆動信号が送られる(ステップ05)。
これにより、音高情報に対応したソレノイド26…がタッチ情報に応じた強さ/速さで駆動され、鍵盤機構1…及びアクション機構2…を通じて、対応する弦14…が打弦されて発音される。
ここで所定時間待機される(ステップ06)。この待機時間は例えば押鍵から打弦まで要する時間であり、上記楽音制御装置の鍵盤機構1…及びアクション機構2…の機械的反応性/機械的即応性などに応じて決められ、さらに上記タッチ情報に応じて変更される。
例えば、フォルテッシモなら0.3秒、フォルテなら0.4秒、メゾフォルテなら0.5秒、スタンダートなら0.6秒、メゾピアノなら0.7秒、ピアノなら0.8秒、ピアニッシモなら0.9秒に設定される。これは一例でありこの秒数/時間に限定されない。この場合この時間を調整する調整手段が操作パネル54に設けられてもよい。
また、この待機時間は上記音高情報に応じて変更される。例えば、音高C7なら0.3秒、音高C6なら0.4秒、音高C5なら0.5秒、音高C4なら0.6秒、音高C3なら0.7秒、音高C2なら0.8秒、音高C1なら0.9秒に設定される。これは一例でありこの秒数/時間に限定されない。この場合この時間を調整する調整手段が操作パネル54に設けられてもよい。
この所定時間経過後に、上記発音/タッチ検出機構30のフォトカプラ32から発音検出信号が送られていなければ(ステップ07)、上記演奏情報の演奏開始情報、音高情報及びタッチ情報が上記トーンジェネレータ80へ送られる(ステップ08)。
これにより、この音高情報及びタッチ情報に応じた電気振動が発生されて、加振体56が駆動されて響板から楽音が放音/発音される。したがって、発音されなかった弦14…と同じ音高かつ同じタッチの楽音が電子的に発音され、ソレノイド26…による自動演奏の音抜けが補われる。この場合、電気振動の音色は楽音制御装置の弦14…の発音音色と同じとされる。しかし、場合によって異なっていてもよい。
上記所定時間経過後に、上記発音/タッチ検出機構30のフォトカプラ32から発音検出信号が送られてくれば(ステップ07)、弦14…が発音されているので、上記演奏情報の演奏開始情報、音高情報及びタッチ情報は上記トーンジェネレータ80へ送られない。
以上の処理は、全ての鍵7…、ソレノイド26…、フォトカプラ32…、発音/タッチ検出機構30…、鍵盤機構1…、アクション機構2…ごとに、時分割で並行して処理される。これにより、全ソレノイド26…ごとに並行して音抜けチェック/抜け音補填が実行される。なお、このステップ14〜18のキーオフ処理では、キーオフタッチの検出・送出は省略されてもよいし、ステップ16の所定時間経過の検出は省略されてもよい。
また、上記ステップ03で、演奏終了情報、音高情報及びタッチ情報が読み出されれば(ステップ14)、この音高情報に応じたソレノイド26に鍵駆動制御装置53を通じて送られていたオン駆動信号はオフ駆動される(ステップ15)。
これにより、音高情報に対応したソレノイド26…がタッチ情報に応じた強さ/速さで開放され(キーオフタッチ)、鍵盤機構1…及びアクション機構2…を通じて、対応する弦14…にダンパーヘッド22が当接し、弦14…の発音が終了する。
ここでも所定時間待機される(ステップ16)。この待機時間は例えば離鍵からダンパーヘッド22が当接まで要する時間であり、上記楽音制御装置のダンパー機構3…の機械的反応性/機械的即応性などに応じて決められ、さらに上記タッチ情報に応じて変更される。
例えば、フォルテッシモなら0.3秒、フォルテなら0.4秒、メゾフォルテなら0.5秒、スタンダートなら0.6秒、メゾピアノなら0.7秒、ピアノなら0.8秒、ピアニッシモなら0.9秒に設定される。これは一例でありこの秒数/時間に限定されない。この場合この時間を調整する調整手段が操作パネル54に設けられてもよい。
また、この待機時間は上記音高情報に応じて変更される。例えば、音高C7なら0.3秒、音高C6なら0.4秒、音高C5なら0.5秒、音高C4なら0.6秒、音高C3なら0.7秒、音高C2なら0.8秒、音高C1なら0.9秒に設定される。これは一例でありこの秒数/時間に限定されない。この場合この時間を調整する調整手段が操作パネル54に設けられてもよい。
この所定時間経過後に、上記発音/タッチ検出機構30のフォトカプラ32から発音検出信号(消音検出信号)が送られなければ(ステップ17)、上記演奏情報の演奏終了情報、音高情報及びタッチ情報が上記トーンジェネレータ80へ送られる(ステップ18)。
これにより、この音高情報及びタッチ情報に応じた既に発生されていた電気振動が終了/リリースされて、加振体56の駆動が終了されて響板からの楽音の放音/発音が終了される。したがって、発音されなかった弦14…と同じ音高かつ同じタッチで、電子的に発音されていた楽音が終了され、ソレノイド26…による自動演奏の補われた音抜けがリリースする。この場合、電気振動の音色は楽音制御装置の弦14…の発音音色と同じとされる。しかし、場合によって異なっていてもよい。
上記所定時間経過後に、上記発音/タッチ検出機構30のフォトカプラ32から発音検出信号(消音検出信号)が送られてくれば(ステップ17)、発音されていた弦14…がダンパーヘッド22で発音終了されているので、上記演奏情報の演奏終了情報、音高情報及びタッチ情報は上記トーンジェネレータ80へ送られない。
なお、場合によって、押鍵操作/キー音操作が通常または速くて、離鍵操作/キーオフ操作がゆっくりで、弦14…が発音され、電気振動が発生されていないにもかかわらず、発音検出信号(消音検出信号)が送られてこないこともある。この場合には、上記演奏情報の演奏終了情報、音高情報及びタッチ情報が上記トーンジェネレータ80へ送られても(ステップ18)、対応する音高の発音中の情報がないため、実際には上記電気振動の終了/リリースはなされない。
また、場合によって、押鍵操作/キー音操作がゆっくりで、離鍵操作/キーオフ操作が通常または速くて、弦14…が発音されず、電気振動が発生されているにもかかわらず、発音検出信号(消音検出信号)が送られてくることもある。この場合にも、上記演奏情報の演奏終了情報、音高情報及びタッチ情報が上記トーンジェネレータ80へ送られるようにしてもよい(ステップ18)。そうすると、ステップ17の発音検出信号(消音検出信号)の検出判定はされず、ステップ16でYESの後、全てステップ18の電気振動の終了処理に入ることになる。
以上の処理は、全ての鍵7…、ソレノイド26…、フォトカプラ32…、発音/タッチ検出機構30…、鍵盤機構1…、アクション機構2…ごとに、時分割で並行して処理される。これにより、全ソレノイド26…ごとに並行して音抜けチェック/抜け音補填が、発音終了においても実行される。
次いで、止音ペダル47が演奏者によって押されて、止音検出スイッチ50のオンが、スイッチスキャン回路71で検出されると(ステップ21)、止音手動演奏モードが設定され(ステップ22)、ハンマーストップレール41が前動して、ハンマーヘッド13…が弦14…を打つのが禁止され、止音手動演奏モード処理がなされる(ステップ23)。
この止音手動演奏モード処理では、鍵7…がオン操作/オフ操作されると、光シャッター31…がフォトカプラ32…を通過して、発音/タッチ検出機構30からコントローラ72によって、タッチ情報/タッチデータ、音高情報/音高データなどが検出され、トーンジェネレータ80へ送り込まれる。
これにより、ヘッドフォン(図示せず)から楽音が放音され、場合によって加振体56が駆動され響板から楽音が放音される。この時、トーンジェネレータ80で生成される電気振動の振幅の大きさ、レベルが音量データに基づいて変更されてもよい。
この結果、止音機構40が止音検出スイッチ50(禁止機構)によって、手動でも作動されることになる。この止音検出スイッチ50が作動されて、上記弦14…の発音が禁止されたときも、上記ヘッドフォンまたは加振体(音響変換手段)56が駆動されることになる。
この時、上記音高データのトーンジェネレータ80へ送り込みには、所定の遅延時間分遅延される。この遅延される所定の遅延時間データは、鍵盤機構1の鍵操作から上記弦14…の発音までの時間に応じている。このように発音開始タイミングが遅延されると、発音終了タイミングも同じ時間遅延される。
次いで、止音ペダル47が演奏者によって開放されて、止音検出スイッチ50のオフが、スイッチスキャン回路71で検出されると(ステップ26)、通常手動演奏モードが設定され(ステップ27)、ハンマーストップレール41が後動して、ハンマーヘッド13…が弦14…を打つのが許容され、通常手動演奏モード処理がなされる(ステップ28)。
通常手動演奏モード処理では、鍵7…がオン操作されると、ハンマーヘッド13…が弦14…を打ち、弦14…が発音される。鍵7…がオフ操作されると、ダンパーヘッド22…が弦14…を押さえ、弦14…が消音される。
なお、上記図8のステップ21〜28の止音/止音解除処理は、自動演奏のほか、手動演奏でも実行される。このような止音/止音解除の切り替えによって、自動演奏でも、手動演奏でも、弦14…発音/消音と、電子発音/消音とが切り換えられる。
このようなステップ08、18の弦14…の音抜けの補てんが行われる場合でも、加振体56(音響変換手段)による電子発音される場合でも、ソレノイド26…(駆動手段)、鍵盤機構1及びアクション機構(打鍵機構)2は駆動されていて、鍵7…はオン/オフ動作して動いているので、鍵7…が動いて楽音が発音されるように見えるようにすることができる。
このような楽音制御処理は、演奏情報を読み出して自動演奏が行われるときだけでなく、手動演奏のときでも行われる。この場合、鍵7の下など、鍵7付近に、上記発音/タッチ検出機構30と同じ検出機構が設けられ、鍵7の押鍵/オン、離鍵/オフが検出される。
この鍵7の押鍵/オンの検出は図7のステップ04で実行され、鍵7の離鍵/オフの検出は図7のステップ14で実行される。そして、ステップ03、05、15は実行されない。ステップ02では手動演奏モードか否かが判定される。ステップ06〜08、16〜18、21〜28の処理は、この手動演奏でも実行される。
こうして、手動演奏においても、鍵7…の駆動の強さ/速さが弱くて、弦14…が発音されなかったら、代わりに加振体56(音響変換手段)より電気振動が空気振動に変換されて放音されるので、一部の弦14…では音が出ず、他の弦14…では音が出て、音が抜けることがなくなる。
このような鍵7…は、演奏者によって、複数の鍵盤機構1または複数のアクション機構2のいずれかが選択されて手動によってオン/オフ駆動され、複数の弦14…のいずれかが発音される。
また、上記ステップ06〜08(16〜18)で弦14…の音抜けが補てんされたら、当該音高については、これ以降、無条件にステップ08の音抜けの補てん処理が実行されてもよい。この場合、ステップ08のあと、場合によってステップ18のあとに、当該弦14…の音抜けが補てんされた音高がプログラム/データ記憶部76にストアされる。
そして、ステップ04(14)のあとに、読み出された演奏情報の音高または手動演奏操作された音高が、このストアされた音高と同じであれば、ステップ05〜07(15〜17)を飛び越してステップ08(18)に進み、直ちに当該音高の電子音が発音される。
また、この音抜けが補てんされた音高以上の全ての楽音につき、音抜けが補てんされてもよい。この場合、ステップ04(14)のあとに、読み出された演奏情報の音高または手動演奏操作された音高が、上記ストアされた音高以上であれば、ステップ05〜07(15〜17)を飛び越してステップ08(18)に進み、直ちに当該音高の電子音が発音される。
さらに、この音抜けが補てんされた音高以下の全ての音高の楽音につき、音抜けが補てんされてもよい。この場合、ステップ04(14)のあとに、読み出された演奏情報の音高または手動演奏操作された音高が、上記ストアされた音高以下であれば、ステップ05〜07(15〜17)を飛び越してステップ08(18)に進み、直ちに当該音高の電子音が発音される。
上記ステップ06〜08(16〜18)で弦14…の音抜けが補てんされたら、全てのソレノイド26…の駆動量が大きくされてもよい。この場合、次述する図9の鍵駆動制御装置53のパルス幅高さレジスタ98、118にストアされるパルス幅・高さデータが全ての鍵7…及び弦14…にわたって大きくされる。
これにより、図10に示すソレノイド駆動信号のアタックレベルAL、アタックタイムAT、サスティーンレベルSL等が数%乃至数十%大きくされ、ソレノイド26…の駆動量が大きくされ、ソレノイド26…が駆動しても、ハンマーヘッド13が弦14…を打たないということがなくなる。
(7)鍵駆動制御装置53及びソレノイド26
図9は鍵駆動制御装置53及びソレノイド26の回路構成を示す。この図9は1つの鍵7に設けられる回路であり、この図9の回路は全鍵7…ごとに設けられている。上記ソレノイド26…にはダイオード91が並列に接続され、このダイオード91のカソード(−)側は、抵抗92を介してプラスの定電圧源93に接続されている。このダイオード91のアノード(+)側は、NPN型のトランジスタ94のコレクタに接続されており、このトランジスタ94のエミッタはアースされている。
図9は鍵駆動制御装置53及びソレノイド26の回路構成を示す。この図9は1つの鍵7に設けられる回路であり、この図9の回路は全鍵7…ごとに設けられている。上記ソレノイド26…にはダイオード91が並列に接続され、このダイオード91のカソード(−)側は、抵抗92を介してプラスの定電圧源93に接続されている。このダイオード91のアノード(+)側は、NPN型のトランジスタ94のコレクタに接続されており、このトランジスタ94のエミッタはアースされている。
上記トランジスタ94のベースにはディレイ回路95、115を通じてプラグラマブルなワンパルス発生回路96、116が接続されている。ワンパルス発生回路96、116はフリップフロップ回路などと電圧可変回路などとからなり、出力されるパルス信号の長さと振幅(電圧)とが可変となっている。
このワンパルス発生回路96、116には、パルス幅高さレジスタ98、118からのデータが入力され、このパルス幅高さレジスタ98、118にはパルス幅と高さとを決定するパルス幅・高さデータがストアされ、このパルス幅・高さデータが上記ワンパルス発生回路96、116(フリップフロップ回路)に送られて、出力されるワンパルス信号の長さと振幅(電圧)とが決定変更される。
ワンパルス信号の長さはフリップフロップ回路のセットからリセットまでの時間長であり、このセットからリセットまではタイムカウンタなどによって計時され、このタイムカウントのオーバーフロー信号が、このリセット信号となる。セット信号は、上記演奏情報の中からキーオンが読み出されたとき、または発生されたときに発生される。
上記ディレイ回路95、115はFIFOバッファまたはBBDなどからなっており、ワンパルス発生回路96、116からのワンパルス信号が遅延されて出力される。このディレイ回路95、115にはディレイレジスタ97、117からのデータが入力され、このディレイレジスタ97、117にはディレイ回路95、115のディレイ時間/ディレイ量を決定するパルスディレイデータがストアされ、このパルスディレイデータが上記ディレイ回路95、115に送られて、上記ワンパルス信号の遅延量が決定変更される。
上記二組の回路群のうち、ディレイ回路95、ワンパルス発生回路96、ディレイレジスタ97、パルス幅高さレジスタ98には、アタックレベルAL及びアタックタイムATに応じたパルス幅高さデータがストアされ、さらにディレイタイムDTに応じたパルスディレイデータがストアされる。これにより、ディレイ回路95から図10の前半のアタック部分に相当したワンパルス信号が出力される。
また、上記二組の回路群のうち、ディレイ回路115、ワンパルス発生回路116、ディレイレジスタ117、パルス幅高さレジスタ118には、サスティーンレベルSLに応じたパルス幅高さデータがストアされ、さらにディレイタイムDTまたはディレイタイムDT+アタックタイムATに応じたパルスディレイデータがストアされる。これにより、ディレイ回路115から図10の後半のサスティーン部分に相当したワンパルス信号が出力される。
これらの二つのワンパルス信号は、図10に信号のように合成(論理和)されて、上記トランジスタ94のベースに送られる。ここで、サスティーン部分に相当したワンパルス信号のパルス幅に応じたデータは、上記演奏情報の中からキーオフが読み出されたとき。または発生されたときに、当該ワンパルス信号を終了させる信号が上記ワンパルス信号(フリップフロップ回路)に送り込まれて、パルス幅が係合一定される。
なお、上記の回路において、パルス幅高さレジスタ98にアタックレベルAL及びアタックタイムATに応じたパルス幅高さデータがストアされたのち、タイムカウント処理によってアタックタイムAT経過後にサスティーンレベルSLに応じたパルス幅高さデータがストアされてもよい。
またなお、上記ディレイ回路95、115とトランジスタ94との間にPWMジェネレータが介在されてもよい。このPWMジェネレータからは、入力値に応じたデューティ比のパルス列が発生される。
(8)ソレノイド26…の駆動信号
図10はソレノイド26…の駆動信号を示す。上記演奏情報のタッチデータが、…、フォルテッシモ、フォルテ、メゾフォルテ、スタンダード(ノーマル)、メゾピアノ、ピアノ、ピアニッシモ、…、と変化すると、ソレノイド26…の駆動信号の先頭のアタック部分のレベル/振幅が、…、非常に大きい、大きい、やや大きい、普通、やや小さい、小さい、非常に小さい、…、と変化する。
図10はソレノイド26…の駆動信号を示す。上記演奏情報のタッチデータが、…、フォルテッシモ、フォルテ、メゾフォルテ、スタンダード(ノーマル)、メゾピアノ、ピアノ、ピアニッシモ、…、と変化すると、ソレノイド26…の駆動信号の先頭のアタック部分のレベル/振幅が、…、非常に大きい、大きい、やや大きい、普通、やや小さい、小さい、非常に小さい、…、と変化する。
ソレノイド26…の駆動信号の中央から末尾のサスティーン部分は変化しない。このソレノイド26…の駆動信号の先頭のアタック部分のレベル/振幅が小さくなると、ソレノイド26…が駆動されたにもかかわらず、対応する弦14…が発音しないことがおき、演奏に音抜けが生じる。
ソレノイド26…の駆動信号の先頭のアタック部分のレベル/振幅は、音量ボリューム(図示せず)などで、音量が一律に大きくされると、ソレノイド26…の駆動信号の先頭のアタック部分のレベル/振幅が大きくなり、音量が一律に小さくされると、ソレノイド26…の駆動信号の先頭のアタック部分のレベル/振幅が小さくなる。この場合も、ソレノイド26…の駆動信号の中央から末尾のサスティーン部分は変化しない。
音量ボリューム(図示せず)が操作されて、変更された新音量データは、駆動ドライバ74に送られてストアされ、鍵駆動制御装置53によってこの音量データに応じた大きさでソレノイド26…が駆動される。
音量が一律に大きくされると、ソレノイド26…の駆動信号の先頭のアタック部分のレベル/振幅が大きくなり、音量が一律に小さくされると、ソレノイド26…の駆動信号の先頭のアタック部分のレベル/振幅が小さくなる。ソレノイド26…の駆動信号の中央から末尾のサスティーン部分は変化しない。
(9)ソレノイド26…の駆動信号の決定因子(パルス幅・高さデータ)
図11〜図14は、上記ソレノイド26…駆動信号のアタックレベルAL、アタックタイムAT、サスティーンレベルSL、ディレイタイムDT、つまり上記パルス幅・高さデータを決定するためのコンバートテーブル101、102、103、104を示す。このコンバートテーブル101、102、103、104は、上記駆動ドライバ74の中、またはプログラム/データ記憶部76の中などに設けられている。
図11〜図14は、上記ソレノイド26…駆動信号のアタックレベルAL、アタックタイムAT、サスティーンレベルSL、ディレイタイムDT、つまり上記パルス幅・高さデータを決定するためのコンバートテーブル101、102、103、104を示す。このコンバートテーブル101、102、103、104は、上記駆動ドライバ74の中、またはプログラム/データ記憶部76の中などに設けられている。
図11は絶対音量データVXからアタックレベルALを求めるコンバートテーブル101を示す。絶対音量データVXは上記音量ボリューム(図示せず)などによって入力された音量データと上記演奏情報の中のタッチ情報(ベロシティなど)とを乗算したものである。アタックレベルALは絶対音量データVXにほぼ比例するが、絶対音量データVXが小さい部分では比例割合が大きく、絶対音量データVXが大きくなるに従ってアタックレベルALが急激に大きくなり、絶対音量データVXが大きい部分では、絶対音量データVXが大きくなるに従ってアタックレベルALが緩やかに大きくなる。
このような絶対音量データVXから変換されたアタックレベルALは、上記図9の鍵駆動制御装置53の回路のパルス幅高さレジスタ98にストアされ、ワンパルス信号の高さが決定される。これにより、ソレノイド26…駆動信号のアタックレベルALは、音量ボリュームなどの音量データまたは演奏情報の中のタッチ情報に応じて変更制御される。
図12は絶対音量データVXからアタックタイムATを求めるコンバートテーブル102を示す。アタックタイムATは絶対音量データVXにほぼ比例するが、絶対音量データVXが大きくなるに従って比例割合が徐々に大きくなっていく。このような絶対音量データVXから変換されたアタックタイムATは、上記図9の鍵駆動制御装置53の回路のパルス幅高さレジスタ98にストアされ、ワンパルス信号の幅が決定される。これにより、ソレノイド26…駆動信号のアタックタイムATは、音量ボリューム(図示せず)などの音量データまたは演奏情報の中のタッチ情報に応じて変更制御される。
図13はキーナンバ(音高)からサスティーンレベルSLを求めるコンバートテーブル103を示す。サスティーンレベルSLは多少の凹凸があるものの、キーナンバ(音高)が大きくなるにしたがって、徐々に小さくなる。これは、高音になるほど、鍵7、鍵盤機構1または/及びアクション機構2の重さが徐々に軽くなるためである。このようなキーナンバ(音高)から変換されたサスティーンレベルSLは、上記図9の鍵駆動制御装置53の回路のパルス幅高さレジスタ118にストアされ、ワンパルス信号の高さが決定される。これにより、ソレノイド26…駆動信号のサスティーンレベルSLは、キーナンバ(音高)に応じて変更制御される。
図14は絶対音量データVXからディレイタイムDTを求めるコンバートテーブル104を示す。ディレイタイムDTは絶対音量データVXにほぼ比例するが、絶対音量データVXが大きくなるに従って比例割合が徐々に小さくなっていく。このような絶対音量データVXから変換されたディレイタイムDTは、上記図9の鍵駆動制御装置53の回路のディレイレジスタ97、117にストアされ、ワンパルス信号の遅延時間が決定される。これにより、ソレノイド26…駆動信号のディレイタイムDTは、音量ボリューム(図示せず)などの音量データまたは演奏情報の中のタッチ情報に応じて変更制御される。
このように絶対音量データVXには上記演奏情報の中のタッチ情報(ベロシティ)の因子が含まれているので、タッチ情報が変更されると、ソレノイド26…の駆動信号(ワンパルス)のディレイタイムDTが変更され、タッチ情報が大きくなるほどディレイタイムDTが大きくなる。これにより、タッチが小さくなるほど、発音開始操作/打鍵/キーオンから打弦/発音までの時間、消音開始操作/キーオフ/離鍵から止弦/消音までの時間が長くなるのが、補正されて矯正され、これらの時間が音量データにかかわらずほぼ一定とされ、打弦タイミング/発音タイミング/止弦タイミング/消音タイミングがそろえられる。
また絶対音量データVXには音量ボリューム(図示せず)の音量データの因子が含まれているので、音量ボリュームの音量データが変更されると、ソレノイド26…の駆動信号(ワンパルス)のディレイタイムDTが変更され、音量データが大きくなるほどディレイタイムDTが大きくなる。これにより、音量が小さくなるほど、発音開始操作/打鍵/キーオンから打弦/発音までの時間、消音開始操作/キーオフ/離鍵から止弦/消音までの時間が長くなるのが、補正されて矯正され、これらの時間が音量データにかかわらずほぼ一定とされ、打弦タイミング/発音タイミング/止弦タイミング/消音タイミングがそろえられる。
(10)他の実施の形態
本件発明は上記実施例に限定されず、本件発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、上記楽音制御処理は、演奏情報に基づいてピアノ内のソレノイド26…が駆動されて自動演奏されるときに行なわれるが、これ以外のときに実行されてもよい。例えば、上記止音手動演奏モード処理に行なわれてもよい。
本件発明は上記実施例に限定されず、本件発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、上記楽音制御処理は、演奏情報に基づいてピアノ内のソレノイド26…が駆動されて自動演奏されるときに行なわれるが、これ以外のときに実行されてもよい。例えば、上記止音手動演奏モード処理に行なわれてもよい。
止音手動演奏モード処理と通常手動演奏モード処理とを切換える手段は、上記止音ペダル47のほか、レバー、ホイール、ダイヤル、ハンドル、スイッチであってもよい。スイッチにおいては、上記モーター(図示せず)が正回転/逆回転される。上記止音ペダル47は、ダンパーペダル、サスティンペダル、ミュートペダル、ソフトペダル等と兼用されてもよい。
弦14…の発音が禁止されるときには、上記ソレノイド26…は、鍵盤機構1…、アクション機構2…、タッチ検出機構30…、ハンマーヘッド13などの一部または全部はオン/オフ駆動されなくてもよい。この場合、上記ステップ05においてソレノイド26…に駆動信号が送られなくなるか、または、ハンマーストップレール41と同じストップレールが鍵盤機構1…またはアクション機構2…の中などに設けられ、これらのオン駆動/オフ駆動が禁止される。
上記図11〜図14のコンバートテーブル101、102、103、104のアタックレベルAL、アタックタイムAT、サスティーンレベルSL、ディレイタイムDTの特性は、これらのものに限られず、上述のものと逆の特性であってもよいし、上述のものと異なる特性であってもよい。図10のソレノイド26…の駆動信号の形状は上記のものに限られず、多数の階段状の形状、三角形波、鋸波など、どのような形状であってもよい。
本発明の楽音制御装置は、アップライトピアノのほか、グランドピアノ、オルガン、電子ピアノ、電子オルガン、チェンバロなどの鍵盤楽器でも適用される。上記鍵7…は、電子弦楽器の弦、電子吹奏(管)楽器の管、電子打楽器(パッド等)の打、コンピュータのキーボードで代用されてもよい。
本発明は電子楽器またはコンピュータなどにおいて実施され得る。上記各図の回路の機能はソフトウエア(フローチャート)によって実施されても良いし、上記各図のフローチャートの機能はハードウエア(回路)によって実施されてもよい。各請求項記載の発明は、当該発明をコンピュータに実行させるコンピュータプログラムを記憶した媒体、コンピュータプログラムの通信装置(方法)、楽音発生装置(方法)、楽音制御装置(方法)としても実現可能である。
音量ボリュームは、テンキーによる入力、スライドスイッチ、ベンダー、表示画面に表示されてマウスなどで操作されるスライドスイッチのアイコン、インクリメントスイッチのアイコン、デクリメントスイッチのアイコンなど、音量データを変更できればどのようなスタイルでもよい。
上記ソレノイド26…は、鍵7…の奥下のほか、手前下など、鍵盤機構1…をオン/オフ駆動して弦14…を発音できれば、鍵盤機構1…のどの位置に設けられてもよいし、ハンマーシャンク12、バックストップ23など、アクション機構2…をオン/オフ駆動して弦14…を発音できれば、アクション機構2…のどの位置に設けられてもよい。
ソレノイド26…は、リニアモーター、モーターとピニオンとラックなど、鍵7…の駆動及び弦14…の発音をできればどのような機構でもよい。音量ボリュームで制御される音量は、ソレノイド26…の全部のほか、ソレノイド26…の一部であってもよい。この場合、ソレノイド26…が上鍵盤、下鍵盤、足鍵盤などに分けられ、この鍵盤ごとに音量制御がなされる。
光シャッター31及びフォトカプラ32からなる発音/タッチ検出機構30は、ハンマーシャンク12、ハンマーヘッド13、ウィッペン8などのアクション機構30、鍵7の奥または手前の下面または上面などの鍵盤機構1などに設けられてもよい。
発音/タッチ検出機構30は、光センサー/位置センサーによるもののほか、圧電素子などの圧力センサー、差動トランス、差動キャパシタなどの変位センサー、ホール素子などの磁気変化センサー、加速度センサー、速度センサーなどによってもよい。
ハンマーストップレール41、手動レバー46などの止音機構(禁止機構)40は、バックストップ23、ハンマーヘッド13、ウィッペン8などのアクション機構30、鍵7の奥または手前の下面または上面などの鍵盤機構1などに設けられてもよい。
手動レバー46、ワイヤー48、コイルバネ49、59、止音検出スイッチ50などは、止音ペダル(禁止手動機構)47に設けられるほか、ダンパーペダル、サスティンペダル、ミュートペダル、ソフトペダル、レバー、ホイール、ダイヤル、ハンドル、スイッチに設けられてもよい。
図7のステップ08で、弦14…が発音されないときにトーンジェネレータ80へ送られる音高情報及びタッチ情報は多少変更されてもよい。これにより、弦14…の発音音色/タッチセンスと電気振動、加振体56、響板の発音音色/タッチセンスとのギャップが埋められる。
上記図7のステップ14〜18の処理の全部または一部は省略されてもよいし、ステップ04〜08の処理の全部または一部は省略されてもよいし、ステップ21〜23の処理の全部または一部は省略されてもよいし、ステップ26〜28の処理の全部または一部は省略されてもよい。
図6の全体回路70、図1及び図2の楽音制御装置の一部は省略されてもよく、例えば止音検出スイッチ50、ペダルセンサ、ペダルソレノイド58、スイッチスキャン回路71、表示ドライバ75、発音検出表示装置61、ミディ回路78などが省略されても良いし、ハンマーストップレール41、手動レバー46、止音ペダル(禁止機構)47、ワイヤー48、コイルバネ49、59、止音検出スイッチ50、止音機構(禁止機構)40、ハンマーストップレール41、手動レバー46などの一部または全部が省略されてもよい。
上記ステップ08及び18での、加振体(電磁変換手段)56への電気振動(電気波形信号)の遅れる所定時間、つまり遅延時間は、上記鍵盤機構1の鍵7…操作から弦14…発音までの時間に応じているが、場合によって、この時間より短くても長くても良い。この場合この時間を調整する調整手段が操作パネル54に設けられてもよい。
(11)他の発明の効果
[1]複数の鍵盤機構または複数のアクション機構のいずれかを選択してオン/オフ駆動し、複数の弦のいずれかを発音させる複数の駆動手段と、 演奏情報に基づいて、電気振動を空気振動に変換して放音する音響変換手段と、を備え、 上記鍵盤機構またはアクション機構のオン駆動によって、弦が発音したか否かを検出し、 この検出において、弦が発音していないことが検出されたら、上記音響変換手段を駆動して、上記発音していない弦とほぼ同じ音高の電気振動を発生することを特徴とする楽音制御方法。
[1]複数の鍵盤機構または複数のアクション機構のいずれかを選択してオン/オフ駆動し、複数の弦のいずれかを発音させる複数の駆動手段と、 演奏情報に基づいて、電気振動を空気振動に変換して放音する音響変換手段と、を備え、 上記鍵盤機構またはアクション機構のオン駆動によって、弦が発音したか否かを検出し、 この検出において、弦が発音していないことが検出されたら、上記音響変換手段を駆動して、上記発音していない弦とほぼ同じ音高の電気振動を発生することを特徴とする楽音制御方法。
[2]複数の鍵盤機構または複数のアクション機構のいずれかを選択してオン/オフ駆動し、複数の弦のいずれかを発音させる複数の駆動手段と、 演奏情報に基づいて、電気振動を空気振動に変換して放音する音響変換手段と、 上記鍵盤機構またはアクション機構のオン駆動によって、弦が発音したか否かを検出する検出手段と、 この検出手段によって、弦が発音していないことが検出されたら、上記音響変換手段を駆動して、上記発音していない弦とほぼ同じ音高の電気振動を発生する第一の切換手段とを備えたことを特徴とする楽音制御装置。
[3]上記演奏情報は、少なくとも楽音の音高情報と発音開始情報及び発音終了情報とからなり、この音高情報に応じた弦の鍵盤機構またはアクション機構を、この上記発音開始情報に応じたタイミングでオン駆動し、この発音終了情報に応じたタイミングでオフ駆動することを特徴とする請求項2記載の楽音制御装置。これにより、演奏情報に基づいて弦発音が可能となる。
[4]上記演奏情報は、少なくとも楽音の音高情報と発音開始情報及び発音終了情報とからなり、所定の音色情報に応じた波形で、上記音高情報に応じた周期で、上記電気振動を、上記発音開始情報に応じたタイミングで開始し、上記発音終了情報に応じたタイミングで終了することを特徴とする請求項3記載の楽音制御装置。これにより、演奏情報に基づいて音響変換手段による発音が可能となるし、演奏情報に基づいて弦発音も音響変換手段による発音も可能となるし、同じ演奏情報に基づいて弦発音と音響変換手段による発音とが容易に切換えられる。
[5]上記音響変換手段は、スピーカー、または上記電気振動を空気振動に変換して、接触する響板を振動させて同響板より音を放射する加振体であることを特徴とする請求項2、3または4記載の楽音制御装置。これにより、弦発音に代わる音響変換手段を状況に応じて種々選択できる。
[6]鍵操作を許容するととともに上記複数の鍵盤機構または上記複数のアクション機構が弦を発音させるのを一律に禁止する禁止機構と、 この禁止機構が作動されて、上記複数の弦の発音が一律に禁止されたときも、上記音響変換手段を駆動する第二の切換え手段とをさらに備えたことを特徴とする請求項2、3、4または5記載の楽音制御装置。これにより、手動でも弦発音と音響変換手段による発音とが切換えられる。また、手動の鍵操作によって弦発音を行なわず電子発音を行なう消音ピアノと、本発明の楽音制御装置とを兼用できる。
[7]上記検出手段は、さらに、上記複数の鍵盤機構または複数のアクション機構において、鍵操作の強さまたは速さを検出し、 この検出されたタッチに基づいて、上記電気振動の振幅の大きさまたは高調波成分の含有量を制御するタッチ制御手段とを備えたことを特徴とする請求項2、3、4、5または6記載の楽音制御装置。これにより、上記弦の発音検出とタッチ検出とを同じ手段で実行できる。また、鍵操作に応じて音響変換手段による発音が可能となり、しかも鍵タッチが音響変換手段による発音に反映される。
[8]上記検出手段の検出結果、または上記第一の切換え手段の切換え状態を表示する表示手段であって、 上記弦が発音されないときの表示状態と、弦が発音されたときの表示状態とを切換えて表示する、または音響変換手段を駆動するときの表示状態と、音響変換手段を駆動しないときの表示状態とを切換えて表示し、この表示を上記鍵盤機構または上記アクション機構ごとに表示する表示手段をさらに備えたことを特徴とする請求項2、3、4、5、6または7記載の楽音制御装置。これにより、駆動手段による自動演奏で音抜けがあったとき即座に知ることができる。
[9]上記駆動手段のオン駆動から、弦が発音したか否かの検出まで、所定の時間を待機することを特徴とする請求項2、3、4、5、6、7または8記載の楽音制御装置。これにより、駆動手段による自動演奏の音抜けを漏れなく正確に検出できる。
[10]上記駆動手段のオフ駆動から、弦の発音が終了したか否かの検出まで、所定の時間を待機することを特徴とする請求項2、3、4、5、6、7、8または9記載の楽音制御装置。これにより、駆動手段による自動演奏の発音終了においても音抜けを漏れなく正確に検出できる。
[11]上記待機する所定時間は、音高またはタッチによって異なることを特徴とする請求項9または10記載の楽音制御装置。駆動手段による自動演奏の音抜けを音高またはタッチに応じて漏れなく正確に検出でき、駆動手段のオン駆動/オフ駆動から、弦が発音開始/発音終了の検出までの時間が音高またはタッチに応じて変化しても対応できる。
[12]上記駆動手段は、発生される演奏情報に基づいて、複数の鍵盤機構または複数のアクション機構のいずれかを選択してオン/オフ駆動し、複数の弦のいずれかを発音させることを特徴とする請求項2、3、4、5、6、7、8、9、10または11記載の楽音制御装置。これにより、自動演奏につき、弦の音抜けの補てんが行われる。
[13]上記駆動手段は、演奏者によって、複数の鍵盤機構または複数のアクション機構のいずれかが選択されて手動によってオン/オフ駆動され、複数の弦のいずれかが発音されることを特徴とする請求項2、3、4、5、6、7、8、9、10または11記載の楽音制御装置。これにより、手動演奏につき、弦の音抜けの補てんが行われる。
[14]上記第一の切換手段によって、上記発音していない弦とほぼ同じ音高の電気振動が発生された音高を記憶し、当該音高と同じ音高の演奏情報が再び発生されたら、または当該音高と同じ音高の楽音が演奏者によって手動で発生されたら、ほぼ同じ音高の電気振動を発生させることを特徴とする請求項2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12または13記載の楽音制御装置。これにより、いったん音抜けが補てんされた音高については、次回以降迅速かつ正確に音抜け補てんが行われる。
[15]上記この検出手段によって、弦が発音していないことが検出されたら、上記駆動手段の駆動量を大きくすることを特徴とする請求項2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13または14記載の楽音制御装置。これにより、弦を打つ駆動量が大きくされて、次回以降、弦の音抜けがなくなる。
ソレノイド26…が駆動されても弦が発音されなかったら、電気振動が音響変換手段より放音されて、音抜けが補われる。読み出された音高情報及びタッチ情報によって、この音高情報に応じたソレノイド26…がオン駆動されても(ステップ03、04、05)、所定時間後(ステップ06)、上記音高情報に応じた発音/タッチ検出機構30…から発音検出信号が発生せず、弦14…が発音されなければ(ステップ07)、上記音高情報及びタッチ情報が上記トーンジェネレータ80へ送られ、加振体56及び響板から同じ音高の楽音が発音される(ステップ08)。
これにより、発音されなかった弦14…と同じ音高かつ同じタッチの楽音が電子的に発音され、ソレノイド26…による自動演奏の音抜けが補われる。上記発音検出信号が送られてくれば(ステップ07)、弦14…が発音されているので、上記音高情報及びタッチ情報は上記トーンジェネレータ80へ送られず電子発音はされない。このような音抜けの補てんは自動演奏のほか手動演奏でも行われる。
1…鍵盤機構、2…アクション機構(打鍵機構)、
3…ダンパー機構、6…筬、7…鍵、8…ウィッペン、
9…センターレール、10…ジャック、
11…ハンマーバット、12…ハンマーシャンク、
13…ハンマーヘッド、14…弦、
15…ハンマーレール、21…ダンパーレバー、
22…ダンパーヘッド、23…バックストップ、
26…ソレノイド(駆動手段)、30…発音/タッチ検出機構、
31…光シャッター、32…フォトカプラ、
40…止音機構(禁止機構)、41…ハンマーストップレール(禁止機構)、
46…手動レバー、47…止音ペダル(禁止機構)、
48…ワイヤー、49…コイルバネ、
50…止音検出スイッチ、53…鍵駆動制御装置、
54…操作パネル、55…電子音源装置、
56…加振体(音響変換手段)、57…ペダル駆動制御装置、
58…ペダルソレノイド、59…コイルバネ、61…発音検出表示装置、
71…スイッチスキャン回路、72…コントローラ(CPU)、
73…タッチスキャン回路、74…駆動ドライバ、
75…表示ドライバ、76…プログラム/データ記憶部、
77…情報記憶部、78…ミディ回路、
79…サウンドシステム、80…トーンジェネレータ、
91…ダイオード、92…抵抗、93…定電圧源、
94…トランジスタ、95、115…ディレイ回路、
96、116…ワンパルス発生回路(プログラマブル)、
97、117…ディレイレジスタ、98、118…パルス幅高さレジスタ、
101、102、103、104…コンバートテーブル。
3…ダンパー機構、6…筬、7…鍵、8…ウィッペン、
9…センターレール、10…ジャック、
11…ハンマーバット、12…ハンマーシャンク、
13…ハンマーヘッド、14…弦、
15…ハンマーレール、21…ダンパーレバー、
22…ダンパーヘッド、23…バックストップ、
26…ソレノイド(駆動手段)、30…発音/タッチ検出機構、
31…光シャッター、32…フォトカプラ、
40…止音機構(禁止機構)、41…ハンマーストップレール(禁止機構)、
46…手動レバー、47…止音ペダル(禁止機構)、
48…ワイヤー、49…コイルバネ、
50…止音検出スイッチ、53…鍵駆動制御装置、
54…操作パネル、55…電子音源装置、
56…加振体(音響変換手段)、57…ペダル駆動制御装置、
58…ペダルソレノイド、59…コイルバネ、61…発音検出表示装置、
71…スイッチスキャン回路、72…コントローラ(CPU)、
73…タッチスキャン回路、74…駆動ドライバ、
75…表示ドライバ、76…プログラム/データ記憶部、
77…情報記憶部、78…ミディ回路、
79…サウンドシステム、80…トーンジェネレータ、
91…ダイオード、92…抵抗、93…定電圧源、
94…トランジスタ、95、115…ディレイ回路、
96、116…ワンパルス発生回路(プログラマブル)、
97、117…ディレイレジスタ、98、118…パルス幅高さレジスタ、
101、102、103、104…コンバートテーブル。
Claims (15)
- 複数の鍵盤機構または複数のアクション機構のいずれかを選択してオン/オフ駆動し、複数の弦のいずれかを発音させる複数の駆動手段と、
演奏情報に基づいて、電気振動を空気振動に変換して放音する音響変換手段と、を備え、
上記鍵盤機構またはアクション機構のオン駆動によって、弦が発音したか否かを検出し、
この検出において、弦が発音していないことが検出されたら、上記音響変換手段を駆動して、上記発音していない弦とほぼ同じ音高の電気振動を発生することを特徴とする楽音制御方法。 - 複数の鍵盤機構または複数のアクション機構のいずれかを選択してオン/オフ駆動し、複数の弦のいずれかを発音させる複数の駆動手段と、
演奏情報に基づいて、電気振動を空気振動に変換して放音する音響変換手段と、
上記鍵盤機構またはアクション機構のオン駆動によって、弦が発音したか否かを検出する検出手段と、
この検出手段によって、弦が発音していないことが検出されたら、上記音響変換手段を駆動して、上記発音していない弦とほぼ同じ音高の電気振動を発生する第一の切換手段とを備えたことを特徴とする楽音制御装置。 - 上記演奏情報は、少なくとも楽音の音高情報と発音開始情報及び発音終了情報とからなり、この音高情報に応じた弦の鍵盤機構またはアクション機構を、この上記発音開始情報に応じたタイミングでオン駆動し、この発音終了情報に応じたタイミングでオフ駆動することを特徴とする請求項2記載の楽音制御装置。
- 上記演奏情報は、少なくとも楽音の音高情報と発音開始情報及び発音終了情報とからなり、所定の音色情報に応じた波形で、上記音高情報に応じた周期で、上記電気振動を、上記発音開始情報に応じたタイミングで開始し、上記発音終了情報に応じたタイミングで終了することを特徴とする請求項3記載の楽音制御装置。
- 上記音響変換手段は、スピーカー、または上記電気振動を空気振動に変換して、接触する響板を振動させて同響板より音を放射する加振体であることを特徴とする請求項2、3または4記載の楽音制御装置。
- 鍵操作を許容するととともに上記複数の鍵盤機構または上記複数のアクション機構が弦を発音させるのを一律に禁止する禁止機構と、
この禁止機構が作動されて、上記複数の弦の発音が一律に禁止されたときも、上記音響変換手段を駆動する第二の切換え手段とをさらに備えたことを特徴とする請求項2、3、4または5記載の楽音制御装置。 - 上記検出手段は、さらに、上記複数の鍵盤機構または複数のアクション機構において、鍵操作の強さまたは速さを検出し、
この検出されたタッチに基づいて、上記電気振動の振幅の大きさまたは高調波成分の含有量を制御するタッチ制御手段とを備えたことを特徴とする請求項2、3、4、5または6記載の楽音制御装置。 - 上記検出手段の検出結果、または上記第一の切換え手段の切換え状態を表示する表示手段であって、
上記弦が発音されないときの表示状態と、弦が発音されたときの表示状態とを切換えて表示する、または音響変換手段を駆動するときの表示状態と、音響変換手段を駆動しないときの表示状態とを切換えて表示し、この表示を上記鍵盤機構または上記アクション機構ごとに表示する表示手段をさらに備えたことを特徴とする請求項2、3、4、5、6または7記載の楽音制御装置。 - 上記駆動手段のオン駆動から、弦が発音したか否かの検出まで、所定の時間を待機することを特徴とする請求項2、3、4、5、6、7または8記載の楽音制御装置。
- 上記駆動手段のオフ駆動から、弦の発音が終了したか否かの検出まで、所定の時間を待機することを特徴とする請求項2、3、4、5、6、7、8または9記載の楽音制御装置。
- 上記待機する所定時間は、音高またはタッチによって異なることを特徴とする請求項9または10記載の楽音制御装置。
- 上記駆動手段は、発生される演奏情報に基づいて、複数の鍵盤機構または複数のアクション機構のいずれかを選択してオン/オフ駆動し、複数の弦のいずれかを発音させることを特徴とする請求項2、3、4、5、6、7、8、9、10または11記載の楽音制御装置。
- 上記駆動手段は、演奏者によって、複数の鍵盤機構または複数のアクション機構のいずれかが選択されて手動によってオン/オフ駆動され、複数の弦のいずれかが発音されることを特徴とする請求項2、3、4、5、6、7、8、9、10または11記載の楽音制御装置。
- 上記第一の切換手段によって、上記発音していない弦とほぼ同じ音高の電気振動が発生された音高を記憶し、当該音高と同じ音高の演奏情報が再び発生されたら、または当該音高と同じ音高の楽音が演奏者によって手動で発生されたら、ほぼ同じ音高の電気振動を発生させることを特徴とする請求項2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12または13記載の楽音制御装置。
- 上記この検出手段によって、弦が発音していないことが検出されたら、上記駆動手段の駆動量を大きくすることを特徴とする請求項2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13または14記載の楽音制御装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009088876A JP2009265650A (ja) | 2008-04-01 | 2009-04-01 | 楽音制御方法及び楽音制御装置 |
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JP2008094521 | 2008-04-01 | ||
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
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Family Applications (1)
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN113012668A (zh) * | 2019-12-19 | 2021-06-22 | 雅马哈株式会社 | 键盘装置及发音控制方法 |
-
2009
- 2009-04-01 JP JP2009088876A patent/JP2009265650A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN113012668A (zh) * | 2019-12-19 | 2021-06-22 | 雅马哈株式会社 | 键盘装置及发音控制方法 |
CN113012668B (zh) * | 2019-12-19 | 2023-12-29 | 雅马哈株式会社 | 键盘装置及发音控制方法 |
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