JP3551507B2 - 自動演奏ピアノ - Google Patents
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- G10F—AUTOMATIC MUSICAL INSTRUMENTS
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- G10F1/02—Pianofortes with keyboard
Description
【産業上の利用分野】
この発明は、同一鍵において極めて短い間隔の連打が可能な自動演奏ピアノに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的に、自動演奏ピアノには、電磁作動式のソレノイドが各鍵にそれぞれ設けられており、これらのソレノイドを、自動演奏データにしたがってそれぞれ駆動し、実際に鍵を押下・リリースすることにより自動演奏を行なうようになっている。
【0003】
(自動ピアノの機械的構成)
まず、かかる自動演奏ピアノの機械的構成の概略について、図3を参照して説明する。図3は、ある1つの鍵についての構成を示す側端面図であり、ここでは、アップライト型ピアノのものを例示している。なお、かかる構成は、ピアノの88鍵についてそれぞれ同一である。
【0004】
この図に示すように、押鍵により鍵100は、ピアノ本体に対し固定された支持部材101上の支点101aを中心として反時計回りに回動するようなっており、この回動は、図において実線で示されるレスト位置から2点鎖線で示されるエンド位置まで行なわれる。ここで、レスト位置とは、鍵に対し何の操作も加えられなければ、自然復帰(正確に言えば、後述するウィッペン112に加わる荷重により復帰)する鍵の位置をいう。一方、支持部材101の右方にあって、鍵100の上部には、ピアノ本体に対して固定されたソレノイド90が設けられる。このソレノイド90へ通電(オン)することによりプランジャ91が図の下方に作動し、鍵100をエンド位置まで押鍵する一方、通電を遮断(オフ)することによって、図示しないスプリングによりプランジャ91が図の上方に復元し、鍵100のレスト位置への復帰を許可するようになっている。
【0005】
符号110は、押鍵操作により弦Sに打弦等の動作を行なうハンマアッセンブリである。このハンマアッセンブリ110は、自動演奏ピアノに限らず、普通のアコースティクピアノと同様なものであって、すでに周知なものであるので、ここでは、その構成の詳細については説明を省略し、その動作についてのみ説明する。なお、動作説明のみについて言及するのは、後述する問題点と密接に関係するためである。
【0006】
はじめに、図3において、演奏者またはソレノイド90のオンにより鍵が徐々に押下されると、鍵100は支点101aを中心に時計回りに回動する。これにより、鍵の左方に設けられたキャプスタン111はウィッペン112を押し上げて、ウィッペン112がピアノ本体の固定軸113を中心に反時計回りに回動する。このため、ダンパースプーン114が左方向に動いて、ダンパーレバー115を押すので、ダンパーレバー115は、バネ116による反時計方向の付勢に逆らって時計回りに、ピアノ本体に対して固定された軸117を中心に回動する結果、ダンパーヘッド118が弦Sから離れる。したがって、押鍵過程において、弦Sは無拘束状態となる。
【0007】
一方、押鍵によるウィッペン112の反時計回りの回動によって、ジャック121がバット122を突き上げる。これにより、ハンマヘッド123が図において反時計回りに回動し、ハンマ123aが弦Sを打撃する。このウィッペン112の反時計回りの回動途中において、ジャック小121aがレギュレーティングボタン124に当接する。このため、ジャック121は、レギュレーティングボタン124を力点とし、軸121bを支点として時計回りに回動するので、ジャック121の上端面が、バット122の当接面122aから図中右方向へ逃げ、非当接位置へと移動する。そして、打弦後のハンマアッセンブリ110の回復動作は、キャッチャ127がバックチェック126に当接することにより一時停止される。
【0008】
次に、演奏者またはソレノイド90のオフにより押鍵状態が徐々に解かれると、この復帰動作に伴って、ウィッペン112が時計回りに回動する。これにより、バックチェック126はキャッチャ127を開放する一方、ジャック小121aとレギュレーティングボタン124と当接が徐々に解除され、これに伴って、ジャック121はバネ121cの付勢により反時計回りに回動し、ジャック121の上端部は再びバット122の下部に入り込んで、次の打弦操作に備えられる。
【0009】
一方、この復帰動作におけるウィッペン112の時計回りの回動により、ダンパースプーン115が右方向に動くので、ダンパーヘッド118は、バネ116の付勢によって弦Sを再び抑える。したがって、離鍵過程において弦Sは再び拘束状態となるので、打弦による弦の振動が抑止されて、消音されることとなる。
【0010】
このように、ハンマアッセンブリ110では、押鍵過程において、弦Sを無拘束状態とした後に打弦を行なう一方、打弦後の離鍵過程において、次の打弦に備える復帰動作を行ないつつ弦を拘束状態とする。ここで、打弦時における鍵100からハンマヘッド123への力の伝達は、鍵100→キャプスタン111→ウィッペン112→ジャック121→バット122→ハンマヘッド123という経路で行なわれるが、打弦後におけるジャック121とバット122との当接は、離鍵によってはじめて復帰するようになっている。
【0011】
このため、離鍵が不十分な状態で鍵100が再度押下された場合、ジャック121は、バット122との当接が不完全な状態で、あるいは当接しない状態でバット122を押し上げることになる。この場合において、当接が不完全状態では、ハンマによる打弦の大きさは、鍵100の押鍵速度に対応しないものとなり、また、当接しない状態では打弦そのものが行なわれなくなる。このようなハンマアッセンブリ110の構成は、欠点というよりむしろピアノ固有の特徴というべきものであり、自動演奏ピアノの前提でもある。なお、弦の拘束、およびその解除は、図示しないダンパペダルによっても一括して行なわれるが、本願とは直接関係ないので説明を省略する。
【0012】
(従来の自動ピアノの電気的構成)
次に、従来の自動演奏ピアノの電気的構成について説明する。図4は、従来の自動演奏ピアノの電気的構成を示すブロック図である。この図において、符号10はCPUであり、バス11を介して、各部を制御するようになっている。符号12は、自動演奏ピアノとはインターフェイス13を介して外部接続されたシーケンサであり、自動演奏データを演奏の進行タイミングに一致させて字義通りシーケンシャルに出力する。ここで、シーケンサ12は、例えば、MIDI規格にしたがった自動演奏データを出力する。
【0013】
ここで、自動演奏ピアノに供給される自動演奏データについて説明する。一般に、自動演奏データと言えば種々のものがあるが、自動演奏ピアノにおいて重要なのものは、発音開始を指示するノートオンおよび発音終了を指示するノートオフである。ノートオンは、発音すべき楽音の音高を示すキーコードと、発音の大きさを示すオンベロシティとを伴い、これらデータを入力することにより、その入力タイミングにて発生させるべき楽音の音高および大きさが規定されるようになっている。また、ノートオフは、消音すべき楽音の音高を示すキーコードと、消音させる際の消音速度を示すオフベロシティとを伴い、このデータを入力することによって、その入力タイミングにて消音させるべき音高および度合いが規定されるようになっている。したがって、ノートオンおよびノートオフはペアで考えられるべきである。
【0014】
次に、符号14はROMであり、CPU10のための制御プログラムのほか、オンベロシティをそれぞれタッチデータおよびアタックディレイに変換するテーブル(図5(a)および(b)参照)を記憶する。ここで、タッチデータとは、ソレノイド90(図3参照)を駆動する駆動データのうち、ノートオンに伴うオンベロシティに対応してどのくらいの強さで駆動させるのかを規定するデータであり、また、アタックディレイとは、ソレノイド90への通電を開始してからハンマ123aが打弦するであろう時刻までの期間を規定するデータである。さらに、ROM14は、図示したテーブルのほかに、オフベロシティをそれぞれリリースディレイおよびリリースデータに変換するテーブル(図示省略)も記憶する。ここでリリースディレイとは、ソレノイド90によるリリースの開始からキーオフまでの時間を規定するデータであり、また、リリースデータとは、ソレノイド90によるリリース時に、スプリングの復元力に対抗する駆動力の大きさを規定するデータである。
【0015】
なお、これらの変換テーブルは予め実験的に求められた対応関係により求められている。また、同じ強さで打弦しても、音高(周波数)が変化すると、聴感的な音の強さも変化するので、タッチデータおよびアタックディレイへの変換テーブルは、キーコードに対応してそれぞれ設けられる。したがって、ROM14は、88組のテーブルを記憶することになる。
【0016】
符号15はRAMであり、各種レジスタやデータを一時的に記憶する。符号16はD/A変換部であり、ソレノイドへの駆動データをアナログ信号に変換する。符号17はソレノイド群であり、88鍵にそれぞれ設けられたソレノイド90を総称する。
【0017】
次に、かかる構成における基本的な発音動作について説明する。まず、自動演奏データのうちノートオンが供給されると、その供給に伴うオンベロシティがキーコードに対応するタッチデータに変換され、このタッチデータはアナログ電圧に変換されて、キーコードに対応するソレノイド90に供給される。これにより、プランジャ91が、鍵100をエンド位置まで徐々に押下し、これによりハンマ123aが回動し弦Sを打撃して、楽音が発生する。プランジャ91の作動速度は、ソレノイドへの駆動電圧に依存するので、この際の押鍵速度は、タッチデータに依存することになる。そして、ハンマの回動速度は押鍵速度に比例し、また、発音の大きさは、ハンマの回動速度により定まるから、結局、打撃による発音の大きさは、オンベロシティに対応するものとなる。
【0018】
次に、基本的な消音動作について説明する。先ほど述べたように、自動演奏ピアノに限らず、ピアノの一般的な消音動作は、離鍵過程においてダンパーヘッド118が弦Sを拘束することにより行なわれる。この消音動作を行なうためソレノイド90には、打弦後、当該鍵100の押鍵状態を保持するのに必要な分だけの電圧が供給されるとともに、ノートオフが供給されたならば、これに伴うオフベロシティに対応した微弱電圧が供給される。この微弱電圧によって、プランジャ91の復元力が減殺され、さらに、微弱電圧の高低によって、減殺の度合いが変化するので、結局、離鍵速度は、オフベロシティに対応し、この離鍵速度にしたがってダンパヘッド118が弦Sを拘束して、消音動作が行なわれることになる。
【0019】
以上が発音および消音動作の基本的な説明である。「基本的な」としたのは、実際には、このような単純な動作では済まないからである。上述したように、発音動作は、ノートオンが供給されてから、オンベロシティに対応したタッチデータでソレノイドが駆動され、これにより実際に鍵が押鍵され、ハンマが回動して打弦を行なうことによって、楽音が発生するようになっている。ここで、タッチデータはオンベロシティに依存しており、タッチデータは、オンベロシティが大きくなるにつれて、大きくなるように設定されている(図5(a)参照)。このため、ソレノイドへの通電が開始された時点から実際に打弦による楽音が発生するまでの時間は、オンベロシティが大きくなるにつれて短くなる。すなわち、ソレノイドの通電開始から楽音発生までの時間は、オンベロシティによって変化するのである。
【0020】
同様なことは消音動作についても言える。上述したように、消音動作は、オフベロシティに対応した微弱電圧によってソレノイドを復帰速度を減殺させ、これにより離鍵させ、ダンパヘッド123aで弦Sを拘束することにより行なわれるようになっており、この際の離鍵速度は、オフベロシティに依存している。また、弦Sの拘束開始点は、エンド位置からレスト位置に復帰する過程の途中にある。このため、ソレノイドへの微弱電圧を供給した時点から実際に消音が行なわれるまでの時間は、オフベロシティによって変化するのである。
【0021】
自動演奏データは、その曲の進行に合わせて単に時系列に供給されるのみであるので、このままでは、ノートオンの供給タイミングに対応する楽音発生、およびノートオフの供給タイミングに対応する消音動作を行なうことができない。そこで、自動演奏ピアノでは、自動演奏データの供給タイミングに対して、一定の時間(例えば「0.5秒」)だけ遅延させた独自の時間系が設定される。すなわち、供給された自動演奏データに従う動作を、一定時間遅延させて行なうようになっている。図4におけるタイマ18は、この時間系を設定するために用いられる。
【0022】
そこで、この時間系における動作について図6を参照して説明する。ここでは、ある音高の1つの鍵に着目した場合の動作について説明する。まず、自動演奏データが図6(a)に示すようなタイミングにて自動演奏ピアノに供給されたとする。ここで、同図に示す自動演奏データは、その立ち上がりのタイミングN1、N2がノートオンを、その立ち下がりのタイミングF1、F2がノートオフをそれぞれ示すものとする。さらに比較説明のため、タイミングN1のノートオンに伴うオンベロシティNV1は、タイミングN2のノートオンに伴うオンベロシティNV2よりも小とし、タイミングF1のノートオフに伴うオフベロシティFV1も、タイミングF2のノートオフ伴うオフベロシティFV2よりも小とする。
【0023】
かかる自動演奏データの供給を受けると、自動演奏ピアノでは、同図(b)に示されるように、自動演奏データの供給タイミングに対し、「0.5秒」だけ遅延させた時間系が設定され、この時間系に一致して発音・消音動作が行なわれるように、ソレノイド90が制御される。詳細には、次のように行なわれる。
【0024】
まず、自動演奏データのうち、タイミングN1においてノートオンの供給を受けると、CPU10は、ROM14の変換テーブルにより、オンベロシティNV1に対応するタッチデータT1およびアタックディレイA1をそれぞれキーコードに対応して求める。次に、CPU10は、ノートオンの供給タイミングN1より「0.5秒」遅延させたタイミングN1’に対して、アタックディレイA1だけ時間的に先行させたタイミングα1を逆算して求め、このタイミングα1に至った時点において、求めたタッチデータT1で示される値でソレノイド90への通電を開始する(同図(c)参照)。
【0025】
これにより、同図(d)に示すように、鍵100が、タイミングα1においてレスト位置から徐々に押下され、この押下に伴い、同図(e)に示すように、ハンマ123aが、図3に示した鍵100のレスト位置に対応するホーム位置から回動し始める。
【0026】
そして、同図(d)に示すように、タイミングα1からアタックディレイA1の期間を経過したタイミングN1’において、鍵100がエンド位置まで押下され、これに伴い、同図(e)に示すように、ハンマが弦Sに到達する。すなわち打弦が行なわれ楽音が発生する。厳密に言えば、押鍵過程において、エンド位置に到達する寸前で打弦が行なわれる。以後、ソレノイド90への駆動データは、押鍵を維持するに十分な値Mとなる。このため、鍵100は、エンド位置で保持される一方、ハンマ123aは、反動により打撃時の回動速度に応じた速度でホーム位置側に戻る。ここで、打撃時の回動速度と戻り時の回動速度とは、略一致する。
【0027】
次に、このようにして発生した楽音を、消音させる旨を示すノートオフがタイミングF1において供給されると、CPU10は、ROM14における変換テーブルにより、当該ノートオフに伴うオフベロシティFV1から、リリースデータU1およびリリースディレイB1をそれぞれ求める。次に、CPU10は、ノートオフの供給タイミングF1より「0.5秒」遅延させたタイミングF1’に対して、リリースディレイB1だけ時間的に先行させたタイミングβ1を逆算して求め、このタイミングβ1に至った時点において、求めたリリースデータU1で示される値でソレノイド90への通電を開始する(同図(c)参照)。もっとも、このリリースデータU1は微弱であるので、押鍵状態を維持することはできず、したがって、プランジャ91は復元して、離鍵が行なわれる。このため、復元は、ソレノイド90の復元力からリリースデータU1により駆動力を減じた力によって行なわれる。
【0028】
これにより、同図(d)に示すように、鍵100が、タイミングβ1においてエンド位置から徐々に上昇し、この上昇過程すなわち離鍵過程において、キーオフ位置を通過することにより、タイミングF1’において、オフベロシティFV1の示す離鍵速度でダンパヘッド118が弦Sを拘束する。
【0029】
そして、次のノートオンの自動演奏データが供給されたならば、再び同じ動作が繰り返される。この際、ノートオンに伴うオンベロシティNV2が、前述のように、先のオンベロシティNV1よりも大きければ、押鍵速度を高速に行なうべくタッチデータT2はT1よりも大きく、その分、アタックディレイA2はA1より短く設定される。また、ノートオフに伴うオフベロシティFV2が、先のオフベロシティFV1よりも大きければ、離鍵速度を高速に行なう必要から、減殺力を小さくするべくリリースデータU2はU1よりも小さく、その分、リリースディレイB2はB1より短く設定される。これらの動作は、ノートオンあるいはノートオフに伴うキーコードにしたがって、88鍵についてそれぞれ行なわれる。
【0030】
このようにして、自動演奏ピアノでは、自動演奏データの供給タイミングに対して「0.5秒」遅延させたタイミングで正確に発音・消音が行なわれるようになっている。逆に言えば、以上の動作説明でも判るように、あるノートオンに対応した発音を正確に行なうには、実際の発音よりもアタックディレイだけ時間を先行させてソレノイドの駆動を開始させる必要がある。
【0031】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、自動演奏データは、他の楽器(ピアノとは限らない)の演奏により採取されたものもあれば、ユーザが独自に手入力したものあり、必ずしも自動演奏ピアノの特性を考慮したものであるとは限らない。このため、図7(a)に示されるように、同一鍵に対する発音の間隔t、すなわちノートオンの供給タイミングN10から、次のノートオンの供給タイミングN11までの時間が極端に短かくなる場合がある。この場合、先に説明したように、演奏タイミングは同図(b)に示すようになり、また、駆動データは同図(c)に示すように生成・供給されるので、鍵の動きは同図(d)に示すようになる。これらについては問題はない。ところが、ハンマ123aについては、図(e)に示すようにホーム位置に戻らない内に、次の押鍵動作が行なわれてしまう。
【0032】
さらに、ノートオンが短い間隔で連続すると、ハンマ123aは、図(d)に示す鍵100の動作に追従できなくなる。このため、タイミングN11’で発音が行なうことができず、最悪、タイミングN12’で打撃そのものを行なうことができずに、いわゆる「音抜け」の現象が発生する。したがって、従来の自動演奏ピアノにおいて、同一音高での発音指令があった場合には、自動演奏データにしたがった自動演奏を行なうことができないときがある、という欠点があった。
【0033】
この発明は、上述した問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、同一鍵において極めて短い間隔の連打が可能な自動演奏ピアノを提供することにある。
【0034】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために、請求項1に記載の発明にあっては、発音の音高および発音の大きさを示すデータを順次入力する入力手段と、入力された発音の音高を示すデータに対応する鍵を、入力された発音の大きさを示すデータに対応した速度で押下操作する鍵操作手段であって、当該鍵の押下によるハンマの打弦によって楽音を発生させる鍵操作手段と、前記入力手段により入力されたデータにしたがって前記鍵操作手段が同一音高の鍵を操作した場合にハンマが当該データにより示される通りの弦の連打を行なえるか否かを、前記データが示す各発音の時間間隔とハンマの動作に応じた所定の時間との比較結果に基づいて判別する判別手段と、前記弦の連打を行なえないと前記判別手段が判別した場合に、当該発音の大きさを示すデータを、当該データが示す発音の大きさよりも大きいデータに変換する変換手段と、この変換したデータを、前記発音の大きさを示すデータに置き換える置換手段とを具備することを特徴としている。
【0035】
請求項2に記載の発明にあっては、発音の音高および発音の大きさを示すデータを順次入力する入力手段と、入力された発音の音高を示すデータに対応する鍵を、入力された発音の大きさを示すデータに対応した速度で押下操作する鍵操作手段であって、当該鍵の押下によるハンマの打弦によって楽音を発生させる鍵操作手段と、前記入力手段により入力されたデータにしたがって前記鍵操作手段が同一音高の鍵を操作した場合にハンマが当該データにより示される通りの弦の連打を行なえるか否かを、前記データが示す各発音の時間間隔とハンマの動作に応じた所定の時間との比較結果に基づいて判別する判別手段と、前記弦の連打を行なえないと前記判別手段が判別した場合に、当該データに基づいた押下による発音の直後に当該鍵のリリースを行なうように前記鍵操作手段に指令する指令手段とを具備することを特徴としている。
【0036】
請求項3に記載の発明にあっては、請求項1または2記載の発明において、前記判別手段は、各データが入力される時間間隔により同一音高に対応する発音の間隔を求めるとともに、先の発音の大きさを示すデータに対応して、ハンマが回動開始から打弦までに要する往時間を求め、さらに、後の発音の大きさを示すデータに対応して、ハンマが回動開始から打弦までに要する往時間を求め、双方の往時間の和を求めて、双方の往時間の和が発音の間隔より長いときに、前記ハンマが弦の連打を行えないと判別することを特徴としている。
【0037】
【作用】
請求項1に記載の発明によれば、入力手段により入力されたデータにしたがって鍵操作手段が同一音高の鍵を操作した場合にハンマが当該データにより示される通りの弦の連打を行なえないと、判別手段により判別されたときには、変換手段が、発音の大きさを示すデータを当該データが示す発音の大きさよりも大きいデータに変換し、置換手段が入力されたデータと置き換える。この結果、入力された発音の音高を示すデータに対応する鍵は、鍵操作手段によって、入力手段により入力された発音の大きさを示すデータよりも高い速度で押下される。このため、ハンマは、より高い速度で打弦を行なって戻るので、打弦後の復帰に要する時間を短縮することができ、短い間隔の連打への対応が可能となる。
【0038】
請求項2に記載の発明によれば、入力手段により入力されたデータにしたがって鍵操作手段が同一音高の鍵を操作した場合にハンマが当該データにより示される通りの弦の連打を行なえないと、判別手段により判別されたときには、鍵操作手段が、押下による発音直後に当該鍵をリリースする。このため、当該鍵は、いつまでも押下されることなく直ちに復帰するので、打弦後の復帰に要する時間を短縮することができ、短い間隔の連打への対応が可能となる。
【0039】
一般に、ハンマの確実な復帰動作が行なわれて、押鍵操作に対応してハンマに打弦を行なわせるには、発音の間隔が、先の発音のためにハンマが打弦から回動前の位置までの復帰に要する復時間と後の発音のためにハンマが回動開始から打弦までに要する往時間との和よりも長いことが必要とされる。
ところで、ハンマは、鍵の押鍵にしたがって打弦を行なう一方、打弦後では、反動により打弦前の略回動速度で元の位置に戻ろうとする。すなわち、発音のためのハンマの復時間は、当該発音のためのハンマの往時間とほぼ同じである。
このため、前記和、すなわち復帰動作に必要な最低時間は、先と後との発音のために要するハンマの往時間の和として間接的に求めることができる。ハンマの往時間は、当該発音の大きさに依存するので、結局、先と後との発音の大きさを示す各データから、復帰動作に必要な時間を求めることができる。請求項3に記載の発明によれば、これを根拠として、先と後との発音の大きさを示す各データから復帰動作に必要な時間を求め、さらに求めた時間と発音の間隔とを比較することによって、ハンマが弦の連打を行なえるか否かを判別している。
【0040】
【実施例】
以下、図面を参照してこの発明による一実施例について説明する。この実施例は、基本的構成そのものについては、図3および図4とほぼ同様であり、後述するとき以外の通常時では、次のような動作が行なわれる。
【0041】
すなわち、図4において、CPU100は、シーケンサ12からインターフェイス13を介して自動演奏データを順次入力し、この供給される自動演奏データに基づきソレノイド群17に供給すべき駆動データを生成して、D/A変換部16に供給する。
【0042】
このとき、供給された自動演奏データがノートオンであったならば、CPU100は、そのノートオンに伴うキーコードおよびオンベロシティにしたがい、図5(a)および(b)に示される変換テーブルを参照してタッチデータおよびアタックディレイを求め、このアタックディレイに応じたタイミングにおいて、タッチデータに応じたレベルの駆動データを生成する。このようにして求めた駆動データは、D/A変換部16によりアナログ信号に変換されて、キーコードに対応するソレノイド90に供給される。これにより、当該ソレノイド90はタッチデータにしたがった速度で鍵を押下するので、シーケンサ12により順次供給される自動演奏データに基づく発音が行なわれる。
【0043】
一方、供給された自動演奏データがノートオフであったならば、CPU100は、そのノートオフに伴うキーコードおよびオフベロシティにしたがい、変換テーブルを参照してリリースデータおよびリリースディレイを求め、このリリースディレイに応じたタイミングにおいて、リリースデータに応じた微弱レベルの駆動データを生成する。このようにして生成された駆動データは、D/A変換部16によりアナログ信号に変換されて、キーコードに対応するソレノイド90に供給される。これにより、当該ソレノイド90がリリースデータにしたがった駆動力に反発して復元する結果、リリースデータに依存した速度で離鍵が行なわれるので、シーケンサ12により順次供給される自動演奏データに基づく消音が行なわれる。
【0044】
くわえて、この実施例におけるCPU100は、従来のCPU10と比べてさらに、次のような動作も行なう。すなわち、CPU100は、順次供給された自動演奏データから発音の間隔tを求めるとともに、この間隔tが所定時間以下となった場合には、自動演奏データにしたがってソレノイド90を駆動しても、ハンマ123aが戻ってきておらず、正常な打弦が行なわれないと判断して、供給されたデータの発音タイミングだけは尊重しつつも、それ以外のオン・オフベロシティ等を変更・無視するようになっている。
【0045】
そこで、これらの動作の相違点を中心にして説明する。図1は、この動作を説明するためのフローチャートである。この図に示される判別ルーチンは、先のノートオンの供給から一定の時間(本実施例では、0.5秒)以内に、同一音高における次のノートオンが供給された場合に起動されるものである。詳細には、この判別ルーチンは、あるノートオンの供給を受けた後に、当該ノートオンに対応してソレノイドへの通電を開始する前であって、次のノートオンが供給された場合に起動される。
【0046】
まず、この判別ルーチンが起動されると、ステップSa1において、ノートオンの間隔tが求められる。すなわち、ノートオンが供給された時点から次のノートオンが供給された時間までの間隔tがタイマ18により計測される。そして、次のステップSa2において、この発音間隔tが、先のノートオンのオンベロシティに対応するアタックディレイA1と、後のノートオンのオンベロシティに対応するアタックディレイA2とを加算した時間よりも短いか否かが判別される。
【0047】
ここで、ステップSa2の判断根拠について説明する。一般に、ハンマ123aにおいて確実な復帰を行なわせ、押鍵操作に対応してハンマ123aを回動させるには、発音の間隔tが、先の発音のためにハンマ123aが打弦から回動前の位置までの復帰に要する復時間と後の発音のためにハンマ123aが回動開始から打弦までに要する往時間との和よりも長いことが必要とされる。なお、この際のハンマ123aの往・復時間は、スタッカート演奏、すなわち押鍵後ただちに離鍵する演奏を基準としている。
【0048】
前述したように、ハンマ123aは、鍵の押鍵にしたがって回動し、この回動により打弦を行なう一方、打弦後では、反動により打弦前の略回動速度で回動前の位置に戻ろうとする。すなわち、発音のためのハンマ123aの復時間は、当該発音のための往時間とほぼ同じである。
【0049】
このため、前記和、すなわち復帰動作に必要な最低時間は、先と後との発音のために要するハンマ123aの往時間の和として間接的に求めることができる。ハンマ123aの往時間は、これすなわちアタックディレイであり、図5(b)で示されるように、当該発音の大きさを示すオンベロシティが大なるほど短くなる。したがって、先と後とのオンベロシティを変換したアタックディレイ同士を加算することによって、ハンマ123aの復帰に必要な時間を求めることができる。このようにして、ステップSa2では、発音間隔tが、ハンマ123aの往復時間よりも短いか否かが判別されているのである。
【0050】
この判別結果が「No」ならば、CPU100は、ハンマ123aの復帰が完全な状態で、次のノートオンに対応する打弦が行なわれる(であろう)と予想する。すなわち、自動演奏データにしたがってソレノイド90を駆動しても問題ないと判断する。このため、ステップSa3において、CPU100は、先と後との各ノートオンに対応するオンベロシティNV1、NV2にしたがって駆動データを生成し、D/A変換部16に供給して、このルーチンを終了する。
【0051】
一方、ステップSa2の判別結果が「Yes」ならば、CPU100は、ハンマ123aの復帰が不完全な状態のまま、次のノートオンに対応する打弦が行なわれる(であろう)と予想する。すなわち、自動演奏データにしたがった自動演奏を行なうことができないと判断し、このためステップSa4にスキップする。ステップSa4において、CPU100は、先と後との各ノートオンに対応するオンベロシティNV1、NV2の値にそれぞれ一定値「α」を加算して、供給されたデータが示す発音の大きさよりも大きいデータに変換する。そして、CPU100は、各発音を行なうための駆動データを、変換後のオンベロシティ(NV1+α)、(NV2+α)にしたがって生成し、D/A変換部16に供給する。すなわち、CPU100は、オンベロシティNV1、NV2をより大きい値に変換するとともに、変換後の値を供給されたデータに置き換えて駆動データを生成するのである。
【0052】
そして、CPU100は、ステップSa5において、変換後のオンベロシティに対応して生成した駆動データを、アタックディレイの期間だけ供給したらゼロとする。この後には、この判別ルーチンは終了する。
【0053】
次に、ステップSa4およびSa5の処理による具体的な動作についてそれぞれ図2を参照して説明する。同図(a)に示すように、あるノートオンのデータ供給から、0.5秒以内に同一音高において次のノートオンのデータ供給がされた場合であって、このままでは、おそらくノートオンのタイミング通りには打弦ができないであろうと判別された場合(ステップSa2の判別結果が「Yes」の場合)について考える。上述したように、この場合には、供給されたノートオンに伴うオンベロシティNV1、NV2にそれぞれ「α」が加算されて、この加算値が新たなオンベロシティとみなされる。
【0054】
変換後のオンベロシティを、タッチデータおよびアタックディレイに変換すると、同図(c)に示すような駆動データが得られる。比較のため「α」を加算しない場合の駆動データを破線で示す。オンベロシティが「α」だけ加算されて大きくなるので、この図に示すように、タッチデータがより大きくなる一方、アタックディレイはより短くなる。そして、この駆動データにしたがってソレノイド90が制御されるので、鍵は、同図(d)に示すように、より高い速度であって、発音タイミングにより近いタイミングで押下される。このため、ハンマ123aも、同図(e)に示すように、より高い速度で打弦を行ない、打弦後は反動によりほぼ同じ速度で回動する。
【0055】
このように、より高い速度で打弦が行なわれる結果、必然的に打弦に要するハンマ123aの往復時間も短くなる。したがって、ハンマが戻りきらない状態で次の打弦を行なうと予想される間隔tであっても、実際には、ハンマが戻りきった状態で次の打弦が行なわれるので、自動演奏データ通りのタイミングで自動演奏を行なうことが可能となる。以上が、ステップSa4の処理による効果である。
【0056】
しかし、ステップSa4の処理により、ノートオンに伴うオンベロシティに比べてハンマ123aの復帰時間を短くしても、そのノートオンと対となるノートオフが次のノートオンの直前で発生するならば、ノートオフの動作と、次のノートオンのためのアタックディレイでの動作とが重なってしまう場合があり得る。この場合、離鍵途中で、次の押鍵動作が行なわれてしまうことになる。前述のように、ハンマアッセンブリ110の復帰動作、特にジャック121とバット122との当接は、鍵100の離鍵によって行なわれるので、離鍵が途中で打ち切られて押鍵された場合、当該押鍵速度は、押鍵速度がオンベロシティに対応しないものとなり、最悪、打撃そのものが行なわれなくなる。すなわち、この場合でも、「音抜け」の現象が発生する可能性がある。この場合の不都合を回避するために行なわれるが、次のステップSa5の処理である。
【0057】
ステップSa2の判別結果が「Yes」の場合には、ステップSa4の処理の後、ステップSa5において、変換後のオンベロシティに対応して生成した駆動データが、アタックディレイの期間だけ供給されたならば、すなわち、打弦のタイミングN10’、N11’、N12’に至ったならばゼロとされる(図2(c)参照)。これにより、ハンマ123aによる打弦直後には、ノートオフが無視されて、最高速度の離鍵が行なわれる(図2(d)参照)。このように、実際の発音直後に直ちに離鍵が行なわれるので、離鍵途中で、次の押鍵動作が行なわれてしまう不都合が回避される。
【0058】
このように、本実施例では、同一鍵の発音間隔が短かくなると、ステップSa4の処理により発音が一時的に大きくなり、また、ステップSa5の処理により、消音が直ちに行なわれる。しかし、同一鍵の連打においては、発音のタイミングが乱れたり、発音されない等というように、自動演奏データのタイミング通りの発音が行なわれるか否かが問題となるのであって、これに比べれば、ステップSa4あるいはSa5による問題は、たいした問題ではない。
【0059】
また、このステップSa4あるいはSa5の処理は、同一鍵の連打を可能にする点に対して、それぞれ独立して寄与する。すなわち、いずれか一方の処理によっても、同一鍵の連打を可能にする。本実施例のように、両方の処理を行なえば、さらに確実性を増す。
【0060】
なお、本実施例において、後のノートオンとの間隔tが求められる前に(特に、オンベロシティが小さい場合を考えると、アタックディレイが長くなるので)、先のノートオンのための駆動データが生成されてしまう印象を受けるかもしれないが、図2は、説明の便宜上こうなっただけである。実際には、小さいオンベロシティであって、連打が行なわれるオンベロシティに対応するアタックディレイは、図5(b)に示されるように、長くても0.15secである。このため、次のノートオンが供給されたときには、まだ駆動データが生成されず、ソレノイド90が駆動されていない場合がほとんどである。
【0061】
また、実際には、打弦に要するハンマの往復時間は、オンベロシティが小さい場合を鑑みても、せいぜい0.3〜0.4secであるので、先のノートオンのデータ供給から次のノートオンのデータ供給まで、限度の0.5秒である場合には、オンベロシティを加算しない構成としても良い。この場合であっても、タイミング通りに打弦を行なうことは可能である。
【0062】
なお、上述した実施例では、自動演奏データにしたがった自動演奏が行なうことが可能か否かを、先と後との発音のために要するハンマの往時間の和を求め、この和をハンマアッセンブリの復帰に要する時間と推定して、ノートオンの間隔tとの長短を比較することにより判別したが、本願は、これに限られない。例えば、直接に、先の発音においてハンマが打弦後からホーム位置まで戻る復時間と、後の発音においてハンマがホーム位置から打弦するまでの往時間との和を求めて、これをノートオンの間隔tと比較するようにしても良い。
【0063】
また、上述した実施例においては、ノートオンの間隔tで、自動演奏データにしたがって自動演奏を行なうことが不可能であると判断された場合に、先と後との各ノートオンに伴うオンベロシティNV1,NV2の双方に一定値「α」を加算する構成としたが、どちらか一方のみに加算する構成としても良い。
【0064】
また、上述した実施例では、ステップSa2での判別結果が「No」の場合には、ベロシティに一律にαを加算する構成としたが、時間間隔tが小さくなるほど「α」を大きくするような構成としても良い。この場合、先の発音の復時間(あるいは往時間)と後の発音の往時間との和に着目し、この和と時間間隔tとの比に応じて「α」を制御するように構成すると、正確な制御が可能となる。
【0065】
さらに、上述した実施例においては、ノートオンの間隔tで、自動演奏データにしたがって自動演奏を行なうことが不可能であると判断された場合に、ノートオンに伴うオンベロシティに一定値「α」を加算する構成としたが、例えば、一定値「β(β>1)」を乗算する構成としても良い。この方が、ノートオンに伴って供給された変換前のオンベロシティと変換後のオンベロシティとの比が一定となるので好適である。要は、オンベロシティを大きくさえすれば良いのである。
【0066】
【発明の効果】
以上説明したようにこの発明によれば、入力されたデータにしたがって同一音高の鍵を操作したならばハンマが弦の連打を行なえないと判別された場合には、打弦後の復帰に要する時間を短縮する操作が行なわれるので、より短い間隔の連打への対応が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例における判別ルーチンを示すフローチャートである。
【図2】同実施例における動作を説明するための図である。
【図3】自動演奏ピアノにおけるハンマアッセンブリの構成を示す側端面図である。
【図4】自動演奏ピアノにおける電気的構成を示すブロック図である。
【図5】従来の自動演奏ピアノの動作を説明するための図である。
【図6】従来の自動演奏ピアノの連打時の動作を説明するための図である。
【図7】(a)は、ベロシティからタッチデータへの変換を行なうテーブルの特性を示す図であり、(b)は、ベロシティからアタックディレイへの変換を行なうテーブルの特性を示す図である。
【符号の説明】
13……インターフェイス(入力手段)、
90……ソレノイド(鍵操作手段)、
100……CPU(予想手段、変換手段、置換手段、指令手段)
Claims (3)
- 発音の音高および発音の大きさを示すデータを順次入力する入力手段と、
入力された発音の音高を示すデータに対応する鍵を、入力された発音の大きさを示すデータに対応した速度で押下操作する鍵操作手段であって、当該鍵の押下によるハンマの打弦によって楽音を発生させる鍵操作手段と、
前記入力手段により入力されたデータにしたがって前記鍵操作手段が同一音高の鍵を操作した場合にハンマが当該データにより示される通りの弦の連打を行なえるか否かを、前記データが示す各発音の時間間隔とハンマの動作に応じた所定の時間との比較結果に基づいて判別する判別手段と、
前記弦の連打を行なえないと前記判別手段が判別した場合に、当該発音の大きさを示すデータを、当該データが示す発音の大きさよりも大きいデータに変換する変換手段と、
この変換したデータを、前記発音の大きさを示すデータに置き換える置換手段と
を具備することを特徴とする自動演奏ピアノ。 - 発音の音高および発音の大きさを示すデータを順次入力する入力手段と、
入力された発音の音高を示すデータに対応する鍵を、入力された発音の大きさを示すデータに対応した速度で押下操作する鍵操作手段であって、当該鍵の押下によるハンマの打弦によって楽音を発生させる鍵操作手段と、
前記入力手段により入力されたデータにしたがって前記鍵操作手段が同一音高の鍵を操作した場合にハンマが当該データにより示される通りの弦の連打を行なえるか否かを、前記データが示す各発音の時間間隔とハンマの動作に応じた所定の時間との比較結果に基づいて判別する判別手段と、
前記弦の連打を行なえないと前記判別手段が判別した場合に、当該データに基づいた押下による発音の直後に当該鍵のリリースを行なうように前記鍵操作手段に指令する指令手段と
を具備することを特徴とする自動演奏ピアノ。 - 前記判別手段は、各データが入力される時間間隔により同一音高に対応する発音の間隔を求めるとともに、
先の発音の大きさを示すデータに対応して、ハンマが回動開始から打弦までに要する往時間を求め、さらに、後の発音の大きさを示すデータに対応して、ハンマが回動開始から打弦までに要する往時間を求め、双方の往時間の和を求めて、双方の往時間の和が発音の間隔より長いときに、前記ハンマが弦の連打を行なえないと判別することを特徴とする請求項1または2記載の自動演奏ピアノ。
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