JPH08160942A - 自動演奏ピアノ - Google Patents

自動演奏ピアノ

Info

Publication number
JPH08160942A
JPH08160942A JP6298511A JP29851194A JPH08160942A JP H08160942 A JPH08160942 A JP H08160942A JP 6298511 A JP6298511 A JP 6298511A JP 29851194 A JP29851194 A JP 29851194A JP H08160942 A JPH08160942 A JP H08160942A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
data
key
sound
input
note
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP6298511A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3551507B2 (ja
Inventor
Tomoya Sasaki
智也 佐々木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yamaha Corp
Original Assignee
Yamaha Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yamaha Corp filed Critical Yamaha Corp
Priority to JP29851194A priority Critical patent/JP3551507B2/ja
Priority to US08/565,390 priority patent/US5648621A/en
Publication of JPH08160942A publication Critical patent/JPH08160942A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3551507B2 publication Critical patent/JP3551507B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G10MUSICAL INSTRUMENTS; ACOUSTICS
    • G10FAUTOMATIC MUSICAL INSTRUMENTS
    • G10F1/00Automatic musical instruments
    • G10F1/02Pianofortes with keyboard

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Acoustics & Sound (AREA)
  • Multimedia (AREA)
  • Electrophonic Musical Instruments (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 自動演奏ピアノにおいて、同一鍵での極めて
短い間隔の連打を可能にする。 【構成】 発音の音高および発音の大きさを示す各デー
タにしたがって鍵を押鍵し、この鍵の押下によるハンマ
の打弦によって楽音を発生する自動演奏ピアノは、ま
ず、ステップSa2において、発音間隔tが、ハンマア
ッセンブリの復帰動作に必要な時間よりも短いか否かが
判別し、短いと判別した場合には、ステップSa4にお
いて当該発音の大きさを示すベロシティNV1、NV2
それぞれ所定値αを加算して、この加算された値にした
がって鍵を押鍵する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、同一鍵において極め
て短い間隔の連打が可能な自動演奏ピアノに関する。
【0002】
【従来の技術】一般的に、自動演奏ピアノには、電磁作
動式のソレノイドが各鍵にそれぞれ設けられており、こ
れらのソレノイドを、自動演奏データにしたがってそれ
ぞれ駆動し、実際に鍵を押下・リリースすることにより
自動演奏を行なうようになっている。
【0003】(自動ピアノの機械的構成)まず、かかる
自動演奏ピアノの機械的構成の概略について、図3を参
照して説明する。図3は、ある1つの鍵についての構成
を示す側端面図であり、ここでは、アップライト型ピア
ノのものを例示している。なお、かかる構成は、ピアノ
の88鍵についてそれぞれ同一である。
【0004】この図に示すように、押鍵により鍵100
は、ピアノ本体に対し固定された支持部材101上の支
点101aを中心として反時計回りに回動するようなっ
ており、この回動は、図において実線で示されるレスト
位置から2点鎖線で示されるエンド位置まで行なわれ
る。ここで、レスト位置とは、鍵に対し何の操作も加え
られなければ、自然復帰(正確に言えば、後述するウィ
ッペン112に加わる荷重により復帰)する鍵の位置を
いう。一方、支持部材101の右方にあって、鍵100
の上部には、ピアノ本体に対して固定されたソレノイド
90が設けられる。このソレノイド90へ通電(オン)
することによりプランジャ91が図の下方に作動し、鍵
100をエンド位置まで押鍵する一方、通電を遮断(オ
フ)することによって、図示しないスプリングによりプ
ランジャ91が図の上方に復元し、鍵100のレスト位
置への復帰を許可するようになっている。
【0005】符号110は、押鍵操作により弦Sに打弦
等の動作を行なうハンマアッセンブリである。このハン
マアッセンブリ110は、自動演奏ピアノに限らず、普
通のアコースティクピアノと同様なものであって、すで
に周知なものであるので、ここでは、その構成の詳細に
ついては説明を省略し、その動作についてのみ説明す
る。なお、動作説明のみについて言及するのは、後述す
る問題点と密接に関係するためである。
【0006】はじめに、図3において、演奏者またはソ
レノイド90のオンにより鍵が徐々に押下されると、鍵
100は支点101aを中心に時計回りに回動する。こ
れにより、鍵の左方に設けられたキャプスタン111は
ウィッペン112を押し上げて、ウィッペン112がピ
アノ本体の固定軸113を中心に反時計回りに回動す
る。このため、ダンパースプーン114が左方向に動い
て、ダンパーレバー115を押すので、ダンパーレバー
115は、バネ116による反時計方向の付勢に逆らっ
て時計回りに、ピアノ本体に対して固定された軸117
を中心に回動する結果、ダンパーヘッド118が弦Sか
ら離れる。したがって、押鍵過程において、弦Sは無拘
束状態となる。
【0007】一方、押鍵によるウィッペン112の反時
計回りの回動によって、ジャック121がバット122
を突き上げる。これにより、ハンマヘッド123が図に
おいて反時計回りに回動し、ハンマ123aが弦Sを打
撃する。このウィッペン112の反時計回りの回動途中
において、ジャック小121aがレギュレーティングボ
タン124に当接する。このため、ジャック121は、
レギュレーティングボタン124を力点とし、軸121
bを支点として時計回りに回動するので、ジャック12
1の上端面が、バット122の当接面122aから図中
右方向へ逃げ、非当接位置へと移動する。そして、打弦
後のハンマアッセンブリ110の回復動作は、キャッチ
ャ125がバックチェック126に当接することにより
一時停止される。
【0008】次に、演奏者またはソレノイド90のオフ
により押鍵状態が徐々に解かれると、この復帰動作に伴
って、ウィッペン112が時計回りに回動する。これに
より、バックチェック126はキャッチャ127を開放
する一方、ジャック小121aとレギュレーティングボ
タン124と当接が徐々に解除され、これに伴って、ジ
ャック121はバネ121cの付勢により反時計回りに
回動し、ジャック121の上端部は再びバット122の
下部に入り込んで、次の打弦操作に備えられる。
【0009】一方、この復帰動作におけるウィッペン1
12の時計回りの回動により、ダンパースプーン115
が右方向に動くので、ダンパーヘッド118は、バネ1
16の付勢によって弦Sを再び抑える。したがって、離
鍵過程において弦Sは再び拘束状態となるので、打弦に
よる弦の振動が抑止されて、消音されることとなる。
【0010】このように、ハンマアッセンブリ110で
は、押鍵過程において、弦Sを無拘束状態とした後に打
弦を行なう一方、打弦後の離鍵過程において、次の打弦
に備える復帰動作を行ないつつ弦を拘束状態とする。こ
こで、打弦時における鍵100からハンマヘッド123
への力の伝達は、鍵100→キャプスタン111→ウィ
ッペン112→ジャック121→バット122→ハンマ
ヘッド123という経路で行なわれるが、打弦後におけ
るジャック121とバット122との当接は、離鍵によ
ってはじめて復帰するようになっている。
【0011】このため、離鍵が不十分な状態で鍵100
が再度押下された場合、ジャック121は、バット12
2との当接が不完全な状態で、あるいは当接しない状態
でバット122を押し上げることになる。この場合にお
いて、当接が不完全状態では、ハンマによる打弦の大き
さは、鍵100の押鍵速度に対応しないものとなり、ま
た、当接しない状態では打弦そのものが行なわれなくな
る。このようなハンマアッセンブリ110の構成は、欠
点というよりむしろピアノ固有の特徴というべきもので
あり、自動演奏ピアノの前提でもある。なお、弦の拘
束、およびその解除は、図示しないダンパペダルによっ
ても一括して行なわれるが、本願とは直接関係ないので
説明を省略する。
【0012】(従来の自動ピアノの電気的構成)次に、
従来の自動演奏ピアノの電気的構成について説明する。
図4は、従来の自動演奏ピアノの電気的構成を示すブロ
ック図である。この図において、符号10はCPUであ
り、バス11を介して、各部を制御するようになってい
る。符号12は、自動演奏ピアノとはインターフェイス
13を介して外部接続されたシーケンサであり、自動演
奏データを演奏の進行タイミングに一致させて字義通り
シーケンシャルに出力する。ここで、シーケンサ12
は、例えば、MIDI規格にしたがった自動演奏データ
を出力する。
【0013】ここで、自動演奏ピアノに供給される自動
演奏データについて説明する。一般に、自動演奏データ
と言えば種々のものがあるが、自動演奏ピアノにおいて
重要なのものは、発音開始を指示するノートオンおよび
発音終了を指示するノートオフである。ノートオンは、
発音すべき楽音の音高を示すキーコードと、発音の大き
さを示すオンベロシティとを伴い、これらデータを入力
することにより、その入力タイミングにて発生させるべ
き楽音の音高および大きさが規定されるようになってい
る。また、ノートオフは、消音すべき楽音の音高を示す
キーコードと、消音させる際の消音速度を示すオフベロ
シティとを伴い、このデータを入力することによって、
その入力タイミングにて消音させるべき音高および度合
いが規定されるようになっている。したがって、ノート
オンおよびノートオフはペアで考えられるべきである。
【0014】次に、符号14はROMであり、CPU1
0のための制御プログラムのほか、オンベロシティをそ
れぞれタッチデータおよびアタックディレイに変換する
テーブル(図5(a)および(b)参照)を記憶する。
ここで、タッチデータとは、ソレノイド90(図3参
照)を駆動する駆動データのうち、ノートオンに伴うオ
ンベロシティに対応してどのくらいの強さで駆動させる
のかを規定するデータであり、また、アタックディレイ
とは、ソレノイド90への通電を開始してからハンマ1
23aが打弦するであろう時刻までの期間を規定するデ
ータである。さらに、ROM14は、図示したテーブル
のほかに、オフベロシティをそれぞれリリースディレイ
およびリリースデータに変換するテーブル(図示省略)
も記憶する。ここでリリースディレイとは、ソレノイド
90によるリリースの開始からキーオフまでの時間を規
定するデータであり、また、リリースデータとは、ソレ
ノイド90によるリリース時に、スプリングの復元力に
対抗する駆動力の大きさを規定するデータである。
【0015】なお、これらの変換テーブルは予め実験的
に求められた対応関係により求められている。また、同
じ強さで打弦しても、音高(周波数)が変化すると、聴
感的な音の強さも変化するので、タッチデータおよびア
タックディレイへの変換テーブルは、キーコードに対応
してそれぞれ設けられる。したがって、ROM14は、
88組のテーブルを記憶することになる。
【0016】符号15はRAMであり、各種レジスタや
データを一時的に記憶する。符号16はD/A変換部で
あり、ソレノイドへの駆動データをアナログ信号に変換
する。符号17はソレノイド群であり、88鍵にそれぞ
れ設けられたソレノイド90を総称する。
【0017】次に、かかる構成における基本的な発音動
作について説明する。まず、自動演奏データのうちノー
トオンが供給されると、その供給に伴うオンベロシティ
がキーコードに対応するタッチデータに変換され、この
タッチデータはアナログ電圧に変換されて、キーコード
に対応するソレノイド90に供給される。これにより、
プランジャ91が、鍵100をエンド位置まで徐々に押
下し、これによりハンマ123aが回動し弦Sを打撃し
て、楽音が発生する。プランジャ91の作動速度は、ソ
レノイドへの駆動電圧に依存するので、この際の押鍵速
度は、タッチデータに依存することになる。そして、ハ
ンマの回動速度は押鍵速度に比例し、また、発音の大き
さは、ハンマの回動速度により定まるから、結局、打撃
による発音の大きさは、オンベロシティに対応するもの
となる。
【0018】次に、基本的な消音動作について説明す
る。先ほど述べたように、自動演奏ピアノに限らず、ピ
アノの一般的な消音動作は、離鍵過程においてダンパー
ヘッド118が弦Sを拘束することにより行なわれる。
この消音動作を行なうためソレノイド90には、打弦
後、当該鍵100の押鍵状態を保持するのに必要な分だ
けの電圧が供給されるとともに、ノートオフが供給され
たならば、これに伴うオフベロシティに対応した微弱電
圧が供給される。この微弱電圧によって、プランジャ9
1の復元力が減殺され、さらに、微弱電圧の高低によっ
て、減殺の度合いが変化するので、結局、離鍵速度は、
オフベロシティに対応し、この離鍵速度にしたがってダ
ンパヘッド118が弦Sを拘束して、消音動作が行なわ
れることになる。
【0019】以上が発音および消音動作の基本的な説明
である。「基本的な」としたのは、実際には、このよう
な単純な動作では済まないからである。上述したよう
に、発音動作は、ノートオンが供給されてから、オンベ
ロシティに対応したタッチデータでソレノイドが駆動さ
れ、これにより実際に鍵が押鍵され、ハンマが回動して
打弦を行なうことによって、楽音が発生するようになっ
ている。ここで、タッチデータはオンベロシティに依存
しており、タッチデータは、オンベロシティが大きくな
るにつれて、大きくなるように設定されている(図5
(a)参照)。このため、ソレノイドへの通電が開始さ
れた時点から実際に打弦による楽音が発生するまでの時
間は、オンベロシティが大きくなるにつれて短くなる。
すなわち、ソレノイドの通電開始から楽音発生までの時
間は、オンベロシティによって変化するのである。
【0020】同様なことは消音動作についても言える。
上述したように、消音動作は、オフベロシティに対応し
た微弱電圧によってソレノイドを復帰速度を減殺させ、
これにより離鍵させ、ダンパヘッド123aで弦Sを拘
束することにより行なわれるようになっており、この際
の離鍵速度は、オフベロシティに依存している。また、
弦Sの拘束開始点は、エンド位置からレスト位置に復帰
する過程の途中にある。このため、ソレノイドへの微弱
電圧を供給した時点から実際に消音が行なわれるまでの
時間は、オフベロシティによって変化するのである。
【0021】自動演奏データは、その曲の進行に合わせ
て単に時系列に供給されるのみであるので、このままで
は、ノートオンの供給タイミングに対応する楽音発生、
およびノートオフの供給タイミングに対応する消音動作
を行なうことができない。そこで、自動演奏ピアノで
は、自動演奏データの供給タイミングに対して、一定の
時間(例えば「0.5秒」)だけ遅延させた独自の時間
系が設定される。すなわち、供給された自動演奏データ
に従う動作を、一定時間遅延させて行なうようになって
いる。図4におけるタイマ18は、この時間系を設定す
るために用いられる。
【0022】そこで、この時間系における動作について
図6を参照して説明する。ここでは、ある音高の1つの
鍵に着目した場合の動作について説明する。まず、自動
演奏データが図6(a)に示すようなタイミングにて自
動演奏ピアノに供給されたとする。ここで、同図に示す
自動演奏データは、その立ち上がりのタイミングN1
2がノートオンを、その立ち下がりのタイミングF1
2がノートオフをそれぞれ示すものとする。さらに比
較説明のため、タイミングN1のノートオンに伴うオン
ベロシティNV1は、タイミングN2のノートオンに伴う
オンベロシティNV2よりも小とし、タイミングF1のノ
ートオフに伴うオフベロシティFV1も、タイミングF2
のノートオフ伴うオフベロシティFV2よりも小とす
る。
【0023】かかる自動演奏データの供給を受けると、
自動演奏ピアノでは、同図(b)に示されるように、自
動演奏データの供給タイミングに対し、「0.5秒」だ
け遅延させた時間系が設定され、この時間系に一致して
発音・消音動作が行なわれるように、ソレノイド90が
制御される。詳細には、次のように行なわれる。
【0024】まず、自動演奏データのうち、タイミング
1においてノートオンの供給を受けると、CPU10
は、ROM14の変換テーブルにより、オンベロシティ
NV1に対応するタッチデータT1およびアタックディレ
イA1をそれぞれキーコードに対応して求める。次に、
CPU10は、ノートオンの供給タイミングN1より
「0.5秒」遅延させたタイミングN1’に対して、ア
タックディレイA1だけ時間的に先行させたタイミング
α1を逆算して求め、このタイミングα1に至った時点に
おいて、求めたタッチデータT1で示される値でソレノ
イド90への通電を開始する(同図(c)参照)。
【0025】これにより、同図(d)に示すように、鍵
100が、タイミングα1においてレスト位置から徐々
に押下され、この押下に伴い、同図(e)に示すよう
に、ハンマ123aが、図3に示した鍵100のレスト
位置に対応するホーム位置から回動し始める。
【0026】そして、同図(d)に示すように、タイミ
ングα1からアタックディレイA1の期間を経過したタイ
ミングN1’において、鍵100がエンド位置まで押下
され、これに伴い、同図(e)に示すように、ハンマが
弦Sに到達する。すなわち打弦が行なわれ楽音が発生す
る。厳密に言えば、押鍵過程において、エンド位置に到
達する寸前で打弦が行なわれる。以後、ソレノイド90
への駆動データは、押鍵を維持するに十分な値Mとな
る。このため、鍵100は、エンド位置で保持される一
方、ハンマ123aは、反動により打撃時の回動速度に
応じた速度でホーム位置側に戻る。ここで、打撃時の回
動速度と戻り時の回動速度とは、略一致する。
【0027】次に、このようにして発生した楽音を、消
音させる旨を示すノートオフがタイミングF1において
供給されると、CPU10は、ROM14における変換
テーブルにより、当該ノートオフに伴うオフベロシティ
FV1から、リリースデータU1およびリリースディレイ
1をそれぞれ求める。次に、CPU10は、ノートオ
フの供給タイミングF1より「0.5秒」遅延させたタ
イミングF1’に対して、リリースディレイB1だけ時間
的に先行させたタイミングβ1を逆算して求め、このタ
イミングβ1に至った時点において、求めたリリースデ
ータU1で示される値でソレノイド90への通電を開始
する(同図(c)参照)。もっとも、このリリースデー
タU1は微弱であるので、押鍵状態を維持することはで
きず、したがって、プランジャ91は復元して、離鍵が
行なわれる。このため、復元は、ソレノイド90の復元
力からリリースデータU1により駆動力を減じた力によ
って行なわれる。
【0028】これにより、同図(d)に示すように、鍵
100が、タイミングβ1においてエンド位置から徐々
に上昇し、この上昇過程すなわち離鍵過程において、キ
ーオフ位置を通過することにより、タイミングF1’に
おいて、オフベロシティFV1の示す離鍵速度でダンパ
ヘッド118が弦Sを拘束する。
【0029】そして、次のノートオンの自動演奏データ
が供給されたならば、再び同じ動作が繰り返される。こ
の際、ノートオンに伴うオンベロシティNV2が、前述
のように、先のオンベロシティNV1よりも大きけれ
ば、押鍵速度を高速に行なうべくタッチデータT2はT1
よりも大きく、その分、アタックディレイA2はA1より
短く設定される。また、ノートオフに伴うオフベロシテ
ィFV2が、先のオフベロシティFV1よりも大きけれ
ば、離鍵速度を高速に行なう必要から、減殺力を小さく
するべくリリースデータU2はU1よりも小さく、その
分、リリースディレイB2はB1より短く設定される。こ
れらの動作は、ノートオンあるいはノートオフに伴うキ
ーコードにしたがって、88鍵についてそれぞれ行なわ
れる。
【0030】このようにして、自動演奏ピアノでは、自
動演奏データの供給タイミングに対して「0.5秒」遅
延させたタイミングで正確に発音・消音が行なわれるよ
うになっている。逆に言えば、以上の動作説明でも判る
ように、あるノートオンに対応した発音を正確に行なう
には、実際の発音よりもアタックディレイだけ時間を先
行させてソレノイドの駆動を開始させる必要がある。
【0031】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、自動演
奏データは、他の楽器(ピアノとは限らない)の演奏に
より採取されたものもあれば、ユーザが独自に手入力し
たものあり、必ずしも自動演奏ピアノの特性を考慮した
ものであるとは限らない。このため、図7(a)に示さ
れるように、同一鍵に対する発音の間隔t、すなわちノ
ートオンの供給タイミングN10から、次のノートオンの
供給タイミングN11までの時間が極端に短かくなる場合
がある。この場合、先に説明したように、演奏タイミン
グは同図(b)に示すようになり、また、駆動データは
同図(c)に示すように生成・供給されるので、鍵の動
きは同図(d)に示すようになる。これらについては問
題はない。ところが、ハンマ123aについては、図
(e)に示すようにホーム位置に戻らない内に、次の押
鍵動作が行なわれてしまう。
【0032】さらに、ノートオンが短い間隔で連続する
と、ハンマ123aは、図(d)に示す鍵100の動作
に追従できなくなる。このため、タイミングN11’で発
音が行なうことができず、最悪、タイミングN12’で打
撃そのものを行なうことができずに、いわゆる「音抜
け」の現象が発生する。したがって、従来の自動演奏ピ
アノにおいて、同一音高での発音指令があった場合に
は、自動演奏データにしたがった自動演奏を行なうこと
ができないときがある、という欠点があった。
【0033】この発明は、上述した問題に鑑みてなされ
たもので、その目的とするところは、同一鍵において極
めて短い間隔の連打が可能な自動演奏ピアノを提供する
ことにある。
【0034】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、請求項1に記載の発明にあっては、発音の音高
および発音の大きさを示すデータを順次入力する入力手
段と、入力された発音の音高を示すデータに対応する鍵
を、入力された発音の大きさを示すデータに対応した速
度で押下操作する鍵操作手段であって、当該鍵の押下に
よるハンマの打弦によって楽音を発生させる鍵操作手段
と、前記鍵操作手段が前記入力手段により入力されたデ
ータにしたがって、同一音高の鍵を操作した場合に、当
該データにより示される通りの発音が行なわれるか否か
を予想する予想手段と、この予想手段により、データに
より示される通りの発音が行なわれないと予想されたと
きには、当該発音の大きさを示すデータを、当該データ
が示す発音の大きさよりも大きいデータに変換する変換
手段と、この変換したデータを、前記発音の大きさを示
すデータに置き換える置換手段とを具備することを特徴
としている。
【0035】請求項2に記載に発明にあっては、発音の
音高および発音の大きさを示すデータを順次入力する入
力手段と、入力された発音の音高を示すデータに対応す
る鍵を、入力された発音の大きさを示すデータに対応し
た速度で押下操作する鍵操作手段であって、当該鍵の押
下によるハンマの打弦によって楽音を発生させる鍵操作
手段と、前記鍵操作手段が、前記入力手段により入力さ
れたデータにしたがって、同一音高の鍵を操作した場合
に、同一音高の鍵に対し、当該データにより示される通
りの発音が行なわれるか否かを予想する予想手段と、こ
の予想手段により、データにより示される通りの発音が
行なわれないと予想されたときには、当該データに基づ
いた押下による発音直後に当該鍵のリリースを行なうよ
うに、前記鍵操作手段に指令する指令手段とを具備する
ことを特徴としている。
【0036】請求項3に記載の発明にあっては、請求項
1または2記載の発明において、前記予想手段は、各デ
ータが入力される時間間隔により同一音高に対応する発
音の間隔を求めるとともに、先の発音の大きさを示すデ
ータに対応して、ハンマが回動開始から打弦までに要す
る往時間を求め、さらに、後の発音の大きさを示すデー
タに対応して、ハンマが回動開始から打弦までに要する
往時間を求め、双方の往時間の和を求めて、双方の往時
間の和が発音の間隔より長いときに、当該データにより
示される通りの発音が同一音高の鍵に対して行なわれな
いと予想することを特徴としている。
【0037】
【作用】請求項1に記載の発明によれば、鍵操作手段が
入力手段により入力されたデータにしたがって鍵を操作
した場合に、当該データにより示される通りの発音が同
一音高の鍵に対して行なわれないと、予想手段により予
想されたときには、変換手段が、発音の大きさを示すデ
ータを当該データが示す発音の大きさよりも大きいデー
タに変換し、置換手段が入力されたデータと置き換え
る。この結果、入力された発音の音高を示すデータに対
応する鍵は、鍵操作手段によって、入力手段により入力
された発音の大きさを示すデータよりも高い速度で押下
される。このため、ハンマは、より高い速度で打弦を行
なって戻るので、打弦後の復帰に要する時間を短縮する
ことができ、短い間隔の連打への対応が可能となる。
【0038】請求項2に記載の発明によれば、鍵操作手
段が入力手段により入力されたデータにしたがって鍵を
操作した場合に、当該データにより示される通りの発音
が同一音高の鍵に対して行なわれないと、予想手段によ
り予想されたときには、鍵操作手段が、押下による発音
直後に当該鍵をリリースする。このため、当該鍵は、い
つまでも押下されることなく直ちに復帰するので、打弦
後の復帰に要する時間を短縮することができ、短い間隔
の連打への対応が可能となる。
【0039】一般に、ハンマの確実な復帰動作が行なわ
れて、押鍵操作に対応してハンマに打弦を行なわせるに
は、発音の間隔が、先の発音のためにハンマが打弦から
回動前の位置までの復帰に要する復時間と後の発音のた
めにハンマが回動開始から打弦までに要する往時間との
和よりも長いことが必要とされる。ところで、ハンマ
は、鍵の押鍵にしたがって打弦を行なう一方、打弦後で
は、反動により打弦前の略回動速度で元の位置に戻ろう
とする。すなわち、発音のためのハンマの復時間は、当
該発音のためのハンマの往時間とほぼ同じである。この
ため、前記和、すなわち復帰動作に必要な最低時間は、
先と後との発音のために要するハンマの往時間の和とし
て間接的に求めることができる。ハンマの往時間は、当
該発音の大きさに依存するので、結局、先と後との発音
の大きさを示す各データから、復帰動作に必要な時間を
求めることができる。請求項3に記載の発明によれば、
これを根拠として、先と後との発音の大きさを示す各デ
ータから復帰動作に必要な時間を求め、さらに求めた時
間と発音の間隔とを比較することによって、入力手段に
より入力されたデータ通りに鍵操作手段が鍵を操作し
て、正常な打弦が行なわれるか否かを予想している。
【0040】
【実施例】以下、図面を参照してこの発明による一実施
例について説明する。この実施例は、基本的構成そのも
のについては、図3および図4とほぼ同様であり、後述
するとき以外の通常時では、次のような動作が行なわれ
る。
【0041】すなわち、図4において、CPU100
は、シーケンサ12からインターフェイス13を介して
自動演奏データを順次入力し、この供給される自動演奏
データに基づきソレノイド群17に供給すべき駆動デー
タを生成して、D/A変換部16に供給する。
【0042】このとき、供給された自動演奏データがノ
ートオンであったならば、CPU100は、そのノート
オンに伴うキーコードおよびオンベロシティにしたが
い、図5(a)および(b)に示される変換テーブルを
参照してタッチデータおよびアタックディレイを求め、
このアタックディレイに応じたタイミングにおいて、タ
ッチデータに応じたレベルの駆動データを生成する。こ
のようにして求めた駆動データは、D/A変換部16に
よりアナログ信号に変換されて、キーコードに対応する
ソレノイド90に供給される。これにより、当該ソレノ
イド90はタッチデータにしたがった速度で鍵を押下す
るので、シーケンサ12により順次供給される自動演奏
データに基づく発音が行なわれる。
【0043】一方、供給された自動演奏データがノート
オフであったならば、CPU100は、そのノートオフ
に伴うキーコードおよびオフベロシティにしたがい、変
換テーブルを参照してリリースデータおよびリリースデ
ィレイを求め、このリリースディレイに応じたタイミン
グにおいて、リリースデータに応じた微弱レベルの駆動
データを生成する。このようにして生成された駆動デー
タは、D/A変換部16によりアナログ信号に変換され
て、キーコードに対応するソレノイド90に供給され
る。これにより、当該ソレノイド90がリリースデータ
にしたがった駆動力に反発して復元する結果、リリース
データに依存した速度で離鍵が行なわれるので、シーケ
ンサ12により順次供給される自動演奏データに基づく
消音が行なわれる。
【0044】くわえて、この実施例におけるCPU10
0は、従来のCPU10と比べてさらに、次のような動
作も行なう。すなわち、CPU100は、順次供給され
た自動演奏データから発音の間隔tを求めるとともに、
この間隔tが所定時間以下となった場合には、自動演奏
データにしたがってソレノイド90を駆動しても、ハン
マ123aが戻ってきておらず、正常な打弦が行なわれ
ないと判断して、供給されたデータの発音タイミングだ
けは尊重しつつも、それ以外のオン・オフベロシティ等
を変更・無視するようになっている。
【0045】そこで、これらの動作の相違点を中心にし
て説明する。図1は、この動作を説明するためのフロー
チャートである。この図に示される判別ルーチンは、先
のノートオンの供給から一定の時間(本実施例では、
0.5秒)以内に、同一音高における次のノートオンが
供給された場合に起動されるものである。詳細には、こ
の判別ルーチンは、あるノートオンの供給を受けた後
に、当該ノートオンに対応してソレノイドへの通電を開
始する前であって、次のノートオンが供給された場合に
起動される。
【0046】まず、この判別ルーチンが起動されると、
ステップSa1において、ノートオンの間隔tが求めら
れる。すなわち、ノートオンが供給された時点から次の
ノートオンが供給された時間までの間隔tがタイマ18
により計測される。そして、次のステップSa2におい
て、この発音間隔tが、先のノートオンのオンベロシテ
ィに対応するアタックディレイA1と、後のノートオン
のオンベロシティに対応するアタックディレイA2とを
加算した時間よりも短いか否かが判別される。
【0047】ここで、ステップSa2の判断根拠につい
て説明する。一般に、ハンマ123aにおいて確実な復
帰を行なわせ、押鍵操作に対応してハンマ123aを回
動させるには、発音の間隔tが、先の発音のためにハン
マ123aが打弦から回動前の位置までの復帰に要する
復時間と後の発音のためにハンマ123aが回動開始か
ら打弦までに要する往時間との和よりも長いことが必要
とされる。なお、この際のハンマ123aの往・復時間
は、スタッカート演奏、すなわち押鍵後ただちに離鍵す
る演奏を基準としている。
【0048】前述したように、ハンマ123aは、鍵の
押鍵にしたがって回動し、この回動により打弦を行なう
一方、打弦後では、反動により打弦前の略回動速度で回
動前の位置に戻ろうとする。すなわち、発音のためのハ
ンマ123aの復時間は、当該発音のための往時間とほ
ぼ同じである。
【0049】このため、前記和、すなわち復帰動作に必
要な最低時間は、先と後との発音のために要するハンマ
123aの往時間の和として間接的に求めることができ
る。ハンマ123aの往時間は、これすなわちアタック
ディレイであり、図5(b)で示されるように、当該発
音の大きさを示すオンベロシティが大なるほど短くな
る。したがって、先と後とのオンベロシティを変換した
アタックディレイ同士を加算することによって、ハンマ
123aの復帰に必要な時間を求めることができる。こ
のようにして、ステップSa2では、発音間隔tが、ハ
ンマ123aの往復時間よりも短いか否かが判別されて
いるのである。
【0050】この判別結果が「Yes」ならば、CPU
100は、ハンマ123aの復帰が完全な状態で、次の
ノートオンに対応する打弦が行なわれる(であろう)と
予想する。すなわち、自動演奏データにしたがってソレ
ノイド90を駆動しても問題ないと判断する。このた
め、ステップSa3において、CPU100は、先と後
との各ノートオンに対応するオンベロシティNV1、N
2にしたがって駆動データを生成し、D/A変換部1
6に供給して、このルーチンを終了する。
【0051】一方、ステップSa2の判別結果が「N
o」ならば、CPU100は、ハンマ123aの復帰が
不完全な状態のまま、次のノートオンに対応する打弦が
行なわれる(であろう)と予想する。すなわち、自動演
奏データにしたがった自動演奏を行なうことができない
と判断し、このためステップSa4にスキップする。ス
テップSa4において、CPU100は、先と後との各
ノートオンに対応するオンベロシティNV1、NV2の値
にそれぞれ一定値「α」を加算して、供給されたデータ
が示す発音の大きさよりも大きいデータに変換する。そ
して、CPU100は、各発音を行なうための駆動デー
タを、変換後のオンベロシティ(NV1+α)、(NV2
+α)にしたがって生成し、D/A変換部16に供給す
る。すなわち、CPU100は、オンベロシティN
1、NV2をより大きい値に変換するとともに、変換後
の値を供給されたデータに置き換えて駆動データを生成
するのである。
【0052】そして、CPU100は、ステップSa5
において、変換後のオンベロシティに対応して生成した
駆動データを、アタックディレイの期間だけ供給したら
ゼロとする。この後には、この判別ルーチンは終了す
る。
【0053】次に、ステップSa4およびSa5の処理
による具体的な動作についてそれぞれ図2を参照して説
明する。同図(a)に示すように、あるノートオンのデ
ータ供給から、0.5秒以内に同一音高において次のノ
ートオンのデータ供給がされた場合であって、このまま
では、おそらくノートオンのタイミング通りには打弦が
できないであろうと判別された場合(ステップSa2の
判別結果が「Yes」の場合)について考える。上述し
たように、この場合には、供給されたノートオンに伴う
オンベロシティNV1、NV2にそれぞれ「α」が加算さ
れて、この加算値が新たなオンベロシティとみなされ
る。
【0054】変換後のオンベロシティを、タッチデータ
およびアタックディレイに変換すると、同図(c)に示
すような駆動データが得られる。比較のため「α」を加
算しない場合の駆動データを破線で示す。オンベロシテ
ィが「α」だけ加算されて大きくなるので、この図に示
すように、タッチデータがより大きくなる一方、アタッ
クディレイはより短くなる。そして、この駆動データに
したがってソレノイド90が制御されるので、鍵は、同
図(d)に示すように、より高い速度であって、発音タ
イミングにより近いタイミングで押下される。このた
め、ハンマ123aも、同図(e)に示すように、より
高い速度で打弦を行ない、打弦後は反動によりほぼ同じ
速度で回動する。
【0055】このように、より高い速度で打弦行なわれ
る結果、必然的に打弦に要するハンマ123aの往復時
間も短くなる。したがって、ハンマが戻りきらない状態
で次の打弦を行なうと予想される間隔tであっても、実
際には、ハンマが戻りきった状態で次の打弦が行なわれ
るので、自動演奏データ通りのタイミングで自動演奏を
行なうことが可能となる。以上が、ステップSa4の処
理による効果である。
【0056】しかし、ステップSa4の処理により、ノ
ートオンに伴うオンベロシティに比べてハンマ123a
の復帰時間を短くしても、そのノートオンと対となるノ
ートオフが次のノートオンの直前で発生するならば、ノ
ートオフの動作と、次のノートオンのためのアタックデ
ィレイでの動作とが重なってしまう場合があり得る。こ
の場合、離鍵途中で、次の押鍵動作が行なわれてしまう
ことになる。前述のように、ハンマアッセンブリ110
の復帰動作、特にジャック121とバット122との当
接は、鍵100の離鍵によって行なわれるので、離鍵が
途中で打ち切られて押鍵された場合、当該押鍵速度は、
押鍵速度がオンベロシティに対応しないものとなり、最
悪、打撃そのものが行なわれなくなる。すなわち、この
場合でも、「音抜け」の現象が発生する可能性がある。
この場合の不都合を回避するために行なわれるが、次の
ステップSa5の処理である。
【0057】ステップSa2の判別結果が「Yes」の
場合には、ステップSa4の処理の後、ステップSa5
において、変換後のオンベロシティに対応して生成した
駆動データが、アタックディレイの期間だけ供給された
ならば、すなわち、打弦のタイミングN10’、N11’、
12’に至ったならばゼロとされる(図2(c)参
照)。これにより、ハンマ123aによる打弦直後に
は、ノートオフが無視されて、最高速度の離鍵が行なわ
れる(図2(d)参照)。このように、実際の発音直後
に直ちに離鍵が行なわれるので、離鍵途中で、次の押鍵
動作が行なわれてしまう不都合が回避される。
【0058】このように、本実施例では、同一鍵の発音
間隔が短かくなると、ステップSa4の処理により発音
が一時的に大きくなり、また、ステップSa5の処理に
より、消音が直ちに行なわれる。しかし、同一鍵の連打
においては、発音のタイミングが乱れたり、発音されな
い等というように、自動演奏データのタイミング通りの
発音が行なわれるか否かが問題となるのであって、これ
に比べれば、ステップSa4あるいはSa5による問題
は、たいした問題ではない。
【0059】また、このステップSa4あるいはSa5
の処理は、同一鍵の連打を可能にする点に対して、それ
ぞれ独立して寄与する。すなわち、いずれか一方の処理
によっても、同一鍵の連打を可能にする。本実施例のよ
うに、両方の処理を行なえば、さらに確実性を増す。
【0060】なお、本実施例において、後のノートオン
との間隔tが求められる前に(特に、オンベロシティが
小さい場合を考えると、アタックディレイが長くなるの
で)、先のノートオンのための駆動データが生成されて
しまう印象を受けるかもしれないが、図2は、説明の便
宜上こうなっただけである。実際には、小さいオンベロ
シティであって、連打が行なわれるオンベロシティに対
応するアタックディレイは、図5(b)に示されるよう
に、長くても0.15secである。このため、次のノ
ートオンが供給されたときには、まだ駆動データが生成
されず、ソレノイド90が駆動されていない場合がほと
んどである。
【0061】また、実際には、打弦に要するハンマの往
復時間は、オンベロシティが小さい場合を鑑みても、せ
いぜい0.3〜0.4secであるので、先のノートオ
ンのデータ供給から次のノートオンのデータ供給まで、
限度の0.5秒である場合には、オンベロシティを加算
しない構成としても良い。この場合であっても、タイミ
ング通りに打弦を行なうことは可能である。
【0062】なお、上述した実施例では、自動演奏デー
タにしたがった自動演奏が行なうことが可能か否かを、
先と後との発音のために要するハンマの往時間の和を求
め、この和をハンマアッセンブリの復帰に要する時間と
推定して、ノートオンの間隔tとの長短を比較すること
により判別したが、本願は、これに限られない。例え
ば、直接に、先の発音においてハンマが打弦後からホー
ム位置まで戻る復時間と、後の発音においてハンマがホ
ーム位置から打弦するまでの往時間との和を求めて、こ
れをノートオンの間隔tと比較するようにしても良い。
【0063】また、上述した実施例においては、ノート
オンの間隔tで、自動演奏データにしたがって自動演奏
を行なうことが不可能であると判断された場合に、先と
後との各ノートオンに伴うオンベロシティNV1,NV2
の双方に一定値「α」を加算する構成としたが、どちら
か一方のみに加算する構成としても良い。
【0064】また、上述した実施例では、ステップSa
2での判別結果が「No」の場合には、ベロシティに一
律にαを加算する構成としたが、時間間隔tが小さくな
るほど「α」を大きくするような構成としても良い。こ
の場合、先の発音の復時間(あるいは往時間)と後の発
音の往時間との和に着目し、この和と時間間隔tとの比
に応じて「α」を制御するように構成すると、正確な制
御が可能となる。
【0065】さらに、上述した実施例においては、ノー
トオンの間隔tで、自動演奏データにしたがって自動演
奏を行なうことが不可能であると判断された場合に、ノ
ートオンに伴うオンベロシティに一定値「α」を加算す
る構成としたが、例えば、一定値「β(β>1)」を乗
算する構成としても良い。この方が、ノートオンに伴っ
て供給された変換前のオンベロシティと変換後のオンベ
ロシティとの比が一定となるので好適である。要は、オ
ンベロシティを大きくさえすれば良いのである。
【0066】
【発明の効果】以上説明したようにこの発明によれば、
入力されたデータに示される通りに鍵を操作したなら
ば、正常な打弦が行なわれないと予想されたた場合に
は、打弦後の復帰に要する時間を短縮する操作が行なわ
れるので、より短い間隔の連打への対応が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施例における判別ルーチンを示
すフローチャートである。
【図2】 同実施例における動作を説明するための図で
ある。
【図3】 自動演奏ピアノにおけるハンマアッセンブリ
の構成を示す側端面図である。
【図4】 自動演奏ピアノにおける電気的構成を示すブ
ロック図である。
【図5】 従来の自動演奏ピアノの動作を説明するため
の図である。
【図6】 従来の自動演奏ピアノの連打時の動作を説明
するための図である。
【図7】 (a)は、ベロシティからタッチデータへの
変換を行なうテーブルの特性を示す図であり、(b)
は、ベロシティからアタックディレイへの変換を行なう
テーブルの特性を示す図である。
【符号の説明】
13……インターフェイス(入力手段)、 90……ソレノイド(鍵操作手段)、 100……CPU(予想手段、変換手段、置換手段、指
令手段)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発音の音高および発音の大きさを示すデ
    ータを順次入力する入力手段と、 入力された発音の音高を示すデータに対応する鍵を、入
    力された発音の大きさを示すデータに対応した速度で押
    下操作する鍵操作手段であって、当該鍵の押下によるハ
    ンマの打弦によって楽音を発生させる鍵操作手段と、 前記鍵操作手段が前記入力手段により入力されたデータ
    にしたがって、同一音高の鍵を操作した場合に、当該デ
    ータにより示される通りの発音が行なわれるか否かを予
    想する予想手段と、 この予想手段により、データにより示される通りの発音
    が行なわれないと予想されたときには、当該発音の大き
    さを示すデータを、当該データが示す発音の大きさより
    も大きいデータに変換する変換手段と、 この変換したデータを、前記発音の大きさを示すデータ
    に置き換える置換手段とを具備することを特徴とする自
    動演奏ピアノ。
  2. 【請求項2】 発音の音高および発音の大きさを示すデ
    ータを順次入力する入力手段と、 入力された発音の音高を示すデータに対応する鍵を、入
    力された発音の大きさを示すデータに対応した速度で押
    下操作する鍵操作手段であって、当該鍵の押下によるハ
    ンマの打弦によって楽音を発生させる鍵操作手段と、 前記鍵操作手段が、前記入力手段により入力されたデー
    タにしたがって、同一音高の鍵を操作した場合に、同一
    音高の鍵に対し、当該データにより示される通りの発音
    が行なわれるか否かを予想する予想手段と、 この予想手段により、データにより示される通りの発音
    が行なわれないと予想されたときには、当該データに基
    づいた押下による発音直後に当該鍵のリリースを行なう
    ように、前記鍵操作手段に指令する指令手段とを具備す
    ることを特徴とする自動演奏ピアノ。
  3. 【請求項3】 前記予想手段は、各データが入力される
    時間間隔により同一音高に対応する発音の間隔を求める
    とともに、 先の発音の大きさを示すデータに対応して、ハンマが回
    動開始から打弦までに要する往時間を求め、さらに、後
    の発音の大きさを示すデータに対応して、ハンマが回動
    開始から打弦までに要する往時間を求め、双方の往時間
    の和を求めて、双方の往時間の和が発音の間隔より長い
    ときに、当該データにより示される通りの発音が同一音
    高の鍵に対して行なわれないと予想することを特徴とす
    る請求項1または2記載の自動演奏ピアノ。
JP29851194A 1994-12-01 1994-12-01 自動演奏ピアノ Expired - Lifetime JP3551507B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29851194A JP3551507B2 (ja) 1994-12-01 1994-12-01 自動演奏ピアノ
US08/565,390 US5648621A (en) 1994-12-01 1995-11-30 Automatic player piano exactly reproducing music recorded on other musical instrument

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29851194A JP3551507B2 (ja) 1994-12-01 1994-12-01 自動演奏ピアノ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08160942A true JPH08160942A (ja) 1996-06-21
JP3551507B2 JP3551507B2 (ja) 2004-08-11

Family

ID=17860672

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP29851194A Expired - Lifetime JP3551507B2 (ja) 1994-12-01 1994-12-01 自動演奏ピアノ

Country Status (2)

Country Link
US (1) US5648621A (ja)
JP (1) JP3551507B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005208569A (ja) * 2003-12-24 2005-08-04 Yamaha Corp 楽器及び発音指示情報を生成するための方法及び該方法をコンピュータで実行するためのプログラム。
US7557280B2 (en) 2006-01-26 2009-07-07 Yamaha Corporation Automatic player musical instrument producing short tones without missing tone and automatic playing system used therein
WO2024034285A1 (ja) * 2022-08-12 2024-02-15 ヤマハ株式会社 自動演奏ピアノ、自動演奏方法および自動演奏プログラム

Families Citing this family (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20060272469A1 (en) * 1998-09-04 2006-12-07 David Meisel Key actuation systems for keyboard instruments
US6194643B1 (en) * 1998-09-04 2001-02-27 David Meisel Key actuation systems for keyboard instruments
US6888052B2 (en) 1998-09-04 2005-05-03 David Meisel Key actuation systems for keyboard instruments
US6781046B2 (en) * 1998-09-04 2004-08-24 David Meisel Key actuation systems for keyboard instruments
US6472589B1 (en) 1999-01-12 2002-10-29 Overture Music Systems, Inc. Method and apparatus for sensing, controlling and recording key motion in a keyboard musical instrument
US6384305B1 (en) * 1999-05-19 2002-05-07 Overture Music Systems, Inc. Method and apparatus for sensing key movement in a musical keyboard
JP4691780B2 (ja) * 2000-12-25 2011-06-01 ヤマハ株式会社 鍵盤楽器の鍵盤装置
US6737571B2 (en) * 2001-11-30 2004-05-18 Yamaha Corporation Music recorder and music player for ensemble on the basis of different sorts of music data
JP3823855B2 (ja) * 2002-03-18 2006-09-20 ヤマハ株式会社 記録装置、再生装置、記録方法、再生方法及び同期再生システム
US7285718B2 (en) * 2003-12-22 2007-10-23 Yamaha Corporation Keyboard musical instrument and other-type musical instrument, and method for generating tone-generation instructing information
JP4222210B2 (ja) * 2004-01-06 2009-02-12 ヤマハ株式会社 演奏システム
JP4531415B2 (ja) * 2004-02-19 2010-08-25 株式会社河合楽器製作所 自動演奏装置
US7217880B2 (en) * 2005-01-20 2007-05-15 Burgett, Inc. Previous event feedback system for electronic player piano systems
US7439426B2 (en) * 2005-02-15 2008-10-21 David Meisel Actuation system for keyboard pedal lyre
JP4967406B2 (ja) * 2006-03-27 2012-07-04 ヤマハ株式会社 鍵盤楽器
WO2009108437A1 (en) 2008-02-27 2009-09-03 Steinway Musical Instruments, Inc. Pianos playable in acoustic and silent modes
US8541673B2 (en) 2009-04-24 2013-09-24 Steinway Musical Instruments, Inc. Hammer stoppers for pianos having acoustic and silent modes
US8148620B2 (en) 2009-04-24 2012-04-03 Steinway Musical Instruments, Inc. Hammer stoppers and use thereof in pianos playable in acoustic and silent modes

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03196098A (ja) * 1989-12-25 1991-08-27 Casio Comput Co Ltd オーディオ再生装置内蔵型電子楽器
US5374775A (en) * 1992-06-09 1994-12-20 Yamaha Corporation Keyboard instrument for selectively producing mechanical sounds and synthetic sounds without any mechanical vibrations on music wires
US5568138A (en) * 1993-01-14 1996-10-22 Yamaha Corporation Servo-controlling system incorporated in keyboard instrument for processing parallel input signals in time sharing fashion

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005208569A (ja) * 2003-12-24 2005-08-04 Yamaha Corp 楽器及び発音指示情報を生成するための方法及び該方法をコンピュータで実行するためのプログラム。
US7557280B2 (en) 2006-01-26 2009-07-07 Yamaha Corporation Automatic player musical instrument producing short tones without missing tone and automatic playing system used therein
WO2024034285A1 (ja) * 2022-08-12 2024-02-15 ヤマハ株式会社 自動演奏ピアノ、自動演奏方法および自動演奏プログラム

Also Published As

Publication number Publication date
JP3551507B2 (ja) 2004-08-11
US5648621A (en) 1997-07-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3551507B2 (ja) 自動演奏ピアノ
US5612502A (en) Keyboard musical instrument estimating hammer impact and timing for tone-generation from one of hammer motion and key motion
JP5028849B2 (ja) 鍵盤楽器のペダルのハーフポイント特定方法及び装置
JP4967406B2 (ja) 鍵盤楽器
JP5162938B2 (ja) 楽音発生装置及び鍵盤楽器
JP4687474B2 (ja) 鍵盤楽器
JP3587167B2 (ja) 電子楽器
JP2007256360A (ja) 鍵盤楽器
JP2006267447A (ja) 鍵盤楽器
JP2014112221A (ja) 発音機構における打撃部材のための駆動制御装置
US5335574A (en) Self playing piano and an apparatus for automatic playing of a piano
JP3596015B2 (ja) 自動ピアノ
US8653353B2 (en) Electronic keyboard musical instrument
JP3541411B2 (ja) 自動ピアノ
JP2005292803A (ja) 自動ピアノ及び鍵を自動的に操作するためのプログラム
JP2855384B2 (ja) 自動演奏ピアノ
JP2006227205A (ja) 楽音制御装置、楽音制御方法及び楽音制御のためのコンピュータプログラム
JP5657868B2 (ja) 楽音制御方法及び楽音制御装置
JP2003271140A (ja) 楽器の自動演奏装置
JPH04134495A (ja) 楽音信号発生装置
JPH08335079A (ja) 電子鍵盤楽器
JP3861897B2 (ja) 演奏データ加工装置
JP3821116B2 (ja) 自動ピアノ
JP2009265650A (ja) 楽音制御方法及び楽音制御装置
JP2024025541A (ja) 自動演奏ピアノ、自動演奏方法および自動演奏プログラム

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040120

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040322

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040406

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040419

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313532

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090514

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100514

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110514

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130514

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140514

Year of fee payment: 10

EXPY Cancellation because of completion of term