JP4654513B2 - 楽器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、楽器に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、生活環境を保全する上で、騒音が重要課題となっている。騒音は、心理的、精神的な影響が主体となっていることから感覚公害といわれ、各種公害苦情件数の中でも大きな比重を占めている。最近では、交通騒音からピアノ、ペット等の近隣騒音まで、その発生源も多様化している。
このような背景の下、交通分野においては、騒音レベルの低い電気自動車等の開発が進められており、また、音楽分野においては、消音演奏機能(ヘッドホン、電子音源を利用した演奏機能)を具備したピアノが広く普及しており、これにより静寂な環境が実現されつつある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した電気自動車においては、騒音レベルが低いために、走行音が他の自動車の走行音にかき消されてしまうという、いわゆる音のマスキング効果により接触事故を誘発する恐れがある。このような問題を解消するため、車両の走行と共に、常時警告音を発する電気自動車が提案されているが、静寂な環境下では該警告音が騒音の原因となってしまう。
一方、消音演奏機能を具備するピアノにおいては、消音演奏を行うか否かの判断はユーザに委ねられていたため、周囲が静寂であるにもかかわらず、これに気づかないユーザが大音量で通常演奏(打弦による演奏等)を行い、周囲の人々に迷惑をかけてしまうといった問題が生じていた。また、周囲が静寂な状態から騒々しい状態へ変化したにもかかわらず、これに気づかないユーザが消音演奏、若しくは小音量で通常演奏を行っていた場合には、演奏音が聞き取れなくなってしまう等の問題が生じていた。
本発明は、以上説明した事情を鑑みてなされたものであり、周囲環境の物理量を検出することにより、適切な発音が可能な報知装置、楽器、及び車両用発音装置を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上述した問題を解決するため、請求項1に記載の楽器は、演奏操作子と、ユーザによる前記演奏操作子の操作に応じた音を発生する発音手段と、前記発音手段の周囲環境の明暗を検出する検出手段と、前記検出手段の検出結果に応じて、前記発音手段の推奨設定をユーザに報知する報知手段とを具備することを特徴とする。
【0006】
また、請求項2に記載の楽器は、演奏操作子と、前記演奏操作子の運動を伝達するアクションを動作させて弦を打弦する打弦部と、操作された前記演奏操作子に対応した電子音を発音する電子発音部を有し、前記打弦部で弦が打弦されて発音するモード、前記電子発音部で発音するモードまたは前記打弦部と前記電子発音部の両方で発音するモードのいずれかで、ユーザによる前記演奏操作子の操作に応じた音を発生する発音手段と、前記発音手段の周囲環境の物理量を検出するセンサから供給される検出結果を受信する受信手段と、前記受信手段によって受信された検出結果に基づいて、前記発音手段のモードと前記発音手段の発生する音の音量のうち一方の推奨設定、または両方の推奨設定をユーザに報知し、予め定められた時間帯においては該時間帯に報知すべき前記推奨設定をユーザに報知する報知手段とを具備することを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を自動ピアノ及び電気自動車に適用した場合について説明する。
かかる実施の形態は、本発明の一態様を示すものであり、この発明を限定するものではなく、本発明に係る技術的思想の範囲で任意に変更可能である。
【0014】
A.第1の実施形態
(1)実施形態の構成
A−1.自動ピアノ200
図1は、本実施形態に係る自動ピアノ200の外観構成を示す図であり、図2は、自動ピアノ200の主要部の構成を示す図である。
自動ピアノ200は、鍵1の運動をハンマ2に伝達するアクションメカニズム3と、ハンマ2によって打撃される弦4と、弦4の駆動を阻止するためのダンパ5と、打弦後のハンマ2の暴れを防止するバックチェック6と、後述するサーボコントローラ12によって制御され、鍵1を駆動するソレノイド7と、鍵1の運動を検出するキーセンサ8を備えており、これらの構成は、一般的な自動ピアノと同様である。
また、この自動ピアノ200は、ストッパ9とモータ(図示略)によって構成される消音機構10を備えており、後述するコントローラ300がモータを回転させることにより(図2に破線で示す、ストッパ9)、ハンマ2による打弦を阻止することが可能となっている。
【0015】
さらに、この自動ピアノ200には、自動ピアノ200の周囲の所定の物理量(例えば、騒音レベル等)を検出する周囲環境測定装置100がケーブル10を介して接続されている(図1参照)。この周囲環境測定装置100は、例えばホテルのロビー等に設置され、ロビーにおける騒音レベル等を検出する。自動ピアノ200は、ロビーの隣室等に設置されており、周囲環境装置100からケーブル10を介して供給される検出結果に基づいて、周囲環境装置100の設置されたロビーの騒音レベル等を把握し、種々の制御(後述する)を実行する。
【0016】
A−2. コントローラ300
図3は、本実施形態に係るコントローラの概要構成を示すブロック図である。
コントローラは、自動ピアノ各部を制御するCPU301と、各種制御プログラム、制御データ等を格納するROM302と、各種データを一時的に格納するRAM303と、種々の制御用スイッチが設けられたパネルスイッチ部304と、CPU301から供給されるキー番号(=キーコード)、ベロシティ(押鍵の強さに対応したデータ)、キーオン信号、ハンマーオン、キーオフ信号等の演奏制御データに基づいて楽音信号を生成し、スピーカSPあるいはヘッドホンHPに供給する音源回路310とを具備している。
【0017】
また、コントローラ300は、各鍵1に対応して設けられたキーセンサ8の受光状態に応じた信号をCPU301に出力するセンサI/F220と、CPU301制御の下、消音機構10を駆動し、打弦/非打弦状態を切り換える消音機構駆動回路208と、コンパクトディスク、フロッピーディスク等の記録媒体251に対して演奏情報の書き込み/読み出しを行うディスクドライバ250と、RAM303に一時的に格納された演奏情報に基づいてソレノイド駆動信号を生成し、生成した駆動信号をソレノイド7に供給することによって自動演奏を可能とするサーボコントローラ12とを具備している。
【0018】
さらに、コントローラ300は、CPU301の制御の下、各種メッセージや自動ピアノの状態(例えば、演奏状態等)を表示する液晶表示装置305を具備している。この液晶表示装置305の表面には、透明なタッチパネル306が配設されており、ユーザは該液晶表示装置305に表示される表示画面を確認しながらタッチパネル306を操作することができるようになっている。
【0019】
図4は、液晶表示装置305に表示される演奏モード設定画面を例示した図である。
同図に示すように、液晶表示装置305の演奏モード設定画面には、「打弦音演奏モード」、「電子音演奏モード」、「組み合わせ演奏モード」等の各種の演奏モードが表示される。
打弦音演奏モード(「1」)は、鍵1の押下操作に応じ、対応する音高の弦4がハンマ2によって打弦される演奏モードである。ユーザがタッチパネル306を操作して打弦音演奏モード(図4に示す、「1」)を選択すると、コントローラ300は消音機構10を駆動し、打弦を阻止しない待避位置にストッパ9を移動させる(図2に実線で示す、ストッパ9参照)。
電子音演奏モード(「2」)は、鍵1の押下操作に応じ、対応する電子音信号が音源回路310からスピーカSPまたはヘッドホンHPに出力される演奏モードである。ユーザがタッチパネル306を操作して電子音演奏モード(図4に示す、「2」)を選択すると、コントローラ300は消音機構10を駆動し、打弦を阻止する阻止位置にストッパ9を移動させると共に(図2に破線で示す、ストッパ9参照)、音源回路310を動作状態に設定する。
【0020】
組み合わせ演奏モード(「3」)は、鍵1の押下操作に応じ、対応する音高の弦4がハンマ2によって打弦される一方、鍵1の押下操作に応じ、対応する電子音信号が音源回路310からスピーカSPまたはヘッドホンHPに出力される演奏モードであり、ハンマ2による打弦音と、該打弦音に対応する電子音が同時に発音されるようになっている。
なお、ユーザは、タッチパネル306を操作することにより、音源回路310において生成される電子音信号をスピーカSPから出力するか、またはヘッドホンHPから出力するか等の選択が可能であるが、以下の説明は、音源回路310において生成された電子音信号が、初期状態においてスピーカSPから出力される場合を想定している。
【0021】
再び図3に戻り、コントローラ300は、さらに外部機器I/F223を具備している。外部機器I/F223は、MIDI端子、パーソナルコンピュータ接続用の接続端子等の他、周囲環境測定装置100用の接続端子を備えている。この外部機器I/F223に周囲環境測定装置100が接続されることにより、コントローラ300は、周囲環境測定装置100に対するコマンド等の送信、及び周囲環境測定装置100からの検出結果の受信等が可能となる。
【0022】
A−3.周囲環境測定装置100
周囲環境測定装置100は、自動ピアノ200の周囲の所定の物理量を検出する装置である。本実施形態に係る周囲環境測定装置100は、マイクロフォンを備えており、マイクロフォンに入力される音を電気信号に変換し、変換した電気信号のレベルを測定することにより周囲の騒音レベルを検出する。周囲環境測定装置100によって騒音レベルが検出されると、該検出結果は測定値SとしてCPU301に読み込まれる。なお、本実施形態では、周囲環境測定装置100において検出された騒音レベルをCPU301が測定値Sとして読み込む場合を想定しているが、例えば周囲環境測定装置100が検出した周囲の騒音レベルを常時、あるいは所定時間間隔で自動ピアノ200に出力するように構成しても良い。
【0023】
CPU301は、測定値Sを読み込むと、測定値Sを検索キーとしてRAM303に格納されている騒音基準テーブルTAを検索する。
図5は、RAM303に格納されている騒音基準テーブルTAを説明するための図である。
騒音基準テーブルTAは、周囲環境測定装置100において測定された騒音レベルと、ユーザに推奨すべき演奏モード、音量等に関する設定(以下、適宜これらを推奨設定という)情報とを対応付けたテーブルである。
【0024】
例えば、図5に示す内容が騒音基準テーブルTAに格納されている場合、周囲環境装置100によって騒音レベルが40〜50dB(静かな住宅地の昼)であることが検出されると、CPU301は、「騒音レベル;40〜50」に対応する推奨設定情報を参照し、演奏モードを「電子音演奏モード」に設定すると共に、電子音の音量レベルを「4」に設定することをユーザに推奨し、一方、周囲環境装置100によって騒音レベルが80〜90dB(騒々しい街頭)であることが検出されると、CPU301は、「騒音レベル;80〜90」に対応する推奨設定情報を参照し、演奏モードを「組み合わせモード」に設定すると共に、電子音の音量レベルを「7」に設定することをユーザに推奨する。さらに、周囲環境装置100によって騒音レベルが30dB以下(静かな住宅地の夜)であることが検出されると、CPU301は、「騒音レベル;30以下」に対応する推奨設定情報を参照し、演奏モードを「電子音演奏モード」に設定すると共に、出力設定をスピーカSPからヘッドホンHPへ切り換えるべき旨をユーザに推奨する。
【0025】
このように、CPU301は、周囲環境測定装置100から測定値Sを読み込むと、該騒音基準テーブルTAを参照し、測定値Sに応じた推奨設定情報を読み出す。そして、CPU301は、読み出した推奨設定情報に係るメッセージ(以下、推奨設定メッセージという)を作成し、液晶表示装置305に表示することで、ユーザに推奨設定を報知する。以下、本実施形態に係る自動ピアノ200がユーザに推奨設定を報知するまでの動作を詳細に説明する。
【0026】
(2)実施形態の動作
自動ピアノ200の演奏を所望するユーザは、まずパネルスイッチ304の推奨設定ボタン(図示略)を押下する。CPU301は、推奨設定ボタンが押下されたことを検知すると、RAM303に定義されているレジスタ、フラグ等を初期化すると共に、騒音レベルの測定を開始すべき旨のコマンド(以下、測定開始コマンドという)を生成し、外部機器I/F223を介して周囲環境測定装置100に供給する。
周囲環境測定装置100は、ケーブル10を介して測定開始コマンドを受け取ると、マイクロフォンから入力される音を電気信号に変換し、変換した電気信号のレベルを測定することにより、騒音レベルの検出を開始する。
【0027】
一方、CPU301は、周囲環境測定装置100に測定開始コマンドを出力すると、ROM302に格納されている推奨設定報知処理プログラムに従い、推奨設定報知処理を実行する。
図6は、推奨設定報知処理のフローを示すフローチャートである。
CPU301は、ステップS1において、周囲環境測定装置100が検出した騒音レベルに対応する測定値Sを読み込むと、読み込んだ測定値Sを検索キーとして、RAM303に格納されている騒音基準テーブルTA(図5参照)を検索する(ステップS2)。CPU301は、読み込んだ測定値Sが、例えば48dBであり、騒音レベルが40〜50dBの範囲内にあると判断すると、該騒音レベルに対応付けられている推奨設定情報(演奏モード;「電子音演奏モード」、音量レベル;「4」)を読み出す。そして、CPU301は、読み出した推奨設定情報に基づき、推奨設定メッセージを作成し、これを液晶表示装置305に表示して(ステップS3)、処理を終了する。
【0028】
図7は、液晶表示装置305に推奨設定メッセージが表示された画面を例示した図である。
同図に示すように、表示画面には、推奨設定メッセージ及びメッセージ内容に即した設定を行うか否かを選択するための選択ボタン(図7に示す、「YES」ボタン、「NO」ボタン)が表示されている。
ユーザは、この推奨設定メッセージから周囲環境は静寂であり、上記推奨設定に基づく演奏を行うべきであると判断すると、表示画面に表示されている「YES」ボタンを押下する。CPU301は、「YES」ボタンが押下されたことを検出すると、上記推奨設定に基づく制御を実行する。具体的には、演奏モードとして「電子音演奏モード」が選択され、音量レベルとして「4」が選択されたことを検知すると、CPU301は、消音機構駆動回路208に駆動電流を供給し、図示せぬモータを回転させて打弦を阻止する阻止位置にストッパ9を移動させると共に、音源回路310を動作状態に設定し、音量レベルを「4」に調整する。
【0029】
一方、ユーザによって「NO」ボタンが押下されると、CPU301は、前掲図4に示す表示画面を液晶表示装置305に表示する。この場合、ユーザは、マニュアル操作で表示画面に表示されている複数の演奏モードから1の演奏モードを選択すると共に、パネルスイッチ304を操作することにより音量等を調整し、演奏に係る設定を行う。なお、演奏モードの選択、音量レベルの調整等が行われた後の動作については、従来の自動ピアノと同様であるため、説明を省略する。
【0030】
以上説明したように、本実施形態に係る自動ピアノ200は、ユーザが演奏を開始する前に、周囲環境の騒音レベル等を把握する。自動ピアノのRAM303には、騒音レベルと、推奨設定情報とが対応付けられた騒音基準テーブルTAが格納されており、自動ピアノ200は、周囲環境測定装置が検出した騒音レベルを読み込むと、該騒音基準テーブルTAを参照し、推奨設定メッセージを液晶表示装置305に表示することにより、推奨設定をユーザに報知する。
【0031】
従って、ユーザは、演奏を開始する際、液晶表示装置305に表示される推奨設定メッセージを確認することにより、周囲の騒音レベルに応じた最適な演奏モードを選択し、最適な音量調整等を行うことができ、これにより、例えば周囲の環境が静寂であるにも関わらず、これに気づかないユーザが大音量でピアノを演奏し、周囲の人々に迷惑をかけてしまうといった問題を抑制することが可能となる。
【0032】
また、逆に周囲が騒々しい場合には、例えば音量を上げて演奏すべき推奨設定メッセージが液晶表示装置305に表示される。ユーザは該メッセージに基づく設定を行うことにより、演奏音が聞き取れなくなってしまうといった問題を抑制することが可能となる。
【0033】
また、推奨設定メッセージが表示される表示画面の下方には、メッセージ内容に即した設定を行うか否かを選択するための選択ボタン(図7に示す、「YES」ボタン、「NO」ボタン)が表示される。ユーザは、メッセージ内容に即した設定を行うべきであると判断した場合、「YES」ボタンを押下するという簡単な操作で、最適な演奏モードを選択し、最適な音量調整等を行うことができる。
【0034】
(3)変形例
以上この発明の一実施形態について説明したが、上記実施形態はあくまで例示であり、上記実施形態に対しては、本発明の趣旨から逸脱しない範囲で様々な変形を加えることができる。変形例としては、例えば以下のようなものが考えられる。
【0035】
<変形例1>
上述した本実施形態に係る自動ピアノ200は、ユーザがパネルスイッチ304の推奨設定ボタン(図示略)を押下することにより、図6に示す推奨設定報知処理を実行する構成であったが、例えば図示せぬタイマを利用することにより、所定時間間隔で推奨設定報知処理を実行するように構成しても良い。
例えば、演奏途中において検出された騒音レベルが、演奏を開始する際に検出された騒音レベルと比較して低くなった場合には、音量を抑えて演奏すべき旨のメッセージを液晶表示装置305に表示する一方、演奏途中において検出された騒音レベルが、演奏を開始する際に検出された騒音レベルと比較して高くなった場合には、音量を上げて演奏すべき旨のメッセージを液晶表示装置305に表示する。
このように、液晶表示装置305に表示するメッセージ内容を所定時間間隔で切り換えることにより、上述した問題、すなわち自動ピアノ200周囲の環境が静寂であるにも関わらず、これに気づかないユーザが大音量で演奏し、周囲の人々に迷惑をかけてしまうといった問題をさらに抑制することが可能となる。
【0036】
<変形例2>
上述した本実施形態に係る自動ピアノ200は、周囲環境測定装置100から測定値Sを読み込むと、RAM303に格納されている騒音基準テーブルTAを参照して推奨設定メッセージを作成したが、該騒音基準テーブルTAを利用することなく推奨設定メッセージを作成することも可能である。
図8は、変形例2に係る推奨設定報知処理のフローを示すフローチャートである。
本変形例は、上述した変形例1と同様、図示せぬタイマを利用し、所定時間間隔で推奨設定報知処理を実行する場合を想定している。
CPU301は、ステップSa1において、周囲環境測定装置100が検出した騒音レベルに対応する測定値S1を読み込むと、読み込んだ測定値S1と前回周囲環境測定装置100が検出した測定値S0との差分Aを求め、差分の絶対値|A|がRAM303に格納されている基準差分値A0以下であるか否かを判断する(ステップSa2)。
【0037】
CPU301は、ステップSa2において、求めた差分の絶対値|A|が、基準差分値A0以下であると判断すると、ステップSa3をスキップして処理を終了する。一方、ステップSa2において、求めた差分の絶対値|A|が、基準差分値A0よりも大きいと判断すると、CPU301は、その求めた差分の符号を参照し、騒音レベルが低くなったのか、あるいは高くなったのかを判断する(例えば、符号が「+」であれば、騒音レベルが低くなったと判断する等)。CPU301は、この判断結果に基づき、例えば音量を抑えて演奏すべき旨の推奨設定メッセージを作成し、これを液晶表示装置305に表示して(ステップSa3)、処理を終了する。
【0038】
図9は、液晶表示装置305に表示される画面を例示した図である。
同図に示すように、表示画面の上方には、騒音レベルが低下した旨のメッセージ及び音量を抑えて演奏すべき旨の推奨設定メッセージが表示される。ユーザは、この表示画面の内容を確認すると、パネルスイッチ304を操作し、音量を抑えて演奏するための設定を行う。
このように、今回検出した騒音レベルと前回検出した騒音レベルとの差分Aを求め、求めた差分の絶対値|A|が基準差分値A0よりも大きくなった場合にのみ、上述したメッセージを液晶表示装置305に表示するようにしても良い。なお、本変形例では、騒音レベルが低下した旨のメッセージ、及び音量を抑えて演奏すべき旨の推奨設定メッセージを表示する場合について説明を行ったが、いずれか一方のメッセージ(例えば、騒音レベルが低下した旨のメッセージ)のみを表示するようにしても良い。
【0039】
<変形例3>
図10は、変形例3に係る推奨設定報知処理のフローを示すフローチャートである。
同図に示す推奨設定報知処理フローは、前掲図8に示す推奨設定報知処理フローに対してステップSb3、ステップSb4を設けたものである。上述した変形例2では、求めた差分の絶対値|A|が基準差分値A0よりも大きくなった場合にのみ、推奨設定メッセージを表示していたため、例えば図11(a)、図11(b)に示すように、騒音レベルが緩やかに変化していく場合には、表示画面に推奨設定メッセージは表示されない。本変形例では、騒音レベルが緩やかに変化していく場合であっても、所定条件の下に、推奨設定メッセージの表示を行う。
【0040】
CPU301は、ステップSa2において、求めた差分の絶対値|A|が、基準差分値A0以下であると判断すると、ステップSb3に進み、測定値S1が、RAM303に格納されている騒音基準レベルの最低値Sminとを比較する。CPU301は、ステップSb3において、測定値S1が騒音基準レベルの最低値Sminよりも小さいと判断すると、ステップSa3に進み、検出した騒音レベル(測定値S1)が騒音基準レベルの最低値Sminを下回った旨のメッセージ及び音量を抑えて演奏すべき旨の推奨設定メッセージを作成し、作成したメッセージを液晶表示装置305に表示して処理を終了する。
【0041】
一方、CPU301は、ステップSb3において、測定値S1が騒音基準レベルの最低値Smin以上であると判断すると、ステップSb4に進み、測定値S1と、RAM303に格納されている騒音基準レベルの最高値Smaxとを比較する。CPU301は、ステップSb4において、測定値S1が騒音基準レベルの最高値Smaxよりも大きいと判断すると、ステップSa3に進み、検出した騒音レベルが騒音基準レベルの最高値Smaxを上回った旨のメッセージ及び音量を上げて演奏すべき旨の推奨設定メッセージを作成し、作成したメッセージを液晶表示装置305に表示して処理を終了する。なお、CPU301は、ステップSb4において、測定値S1が騒音基準レベルの最高値Smaxよりも小さいと判断した場合には、ステップSa3をスキップし、処理を終了する。
【0042】
以上説明したように、RAM303に格納されている騒音基準レベルの最低値Smin及び騒音基準レベルの最高値Smaxを利用することにより、上記メッセージを表示するか否かを判断するようにしても良い。
【0043】
<変形例4>
また、本実施形態では、周囲環境の物理量を検出する手段として、騒音レベルを検出するマイクロフォンを例示したが、例えば周囲の状況を撮像する撮像手段(例えば、ビデオカメラ等)を用いることができる。撮像手段を用いた場合、コントローラ300は、該撮像手段から供給される画像データに基づき、人の動き等を検出し、検出した結果に基づき演奏に係る推奨設定メッセージを液晶表示装置305に表示する。このように、撮像手段から供給される自動ピアノ200周囲の画像データに基づき、推奨設定メッセージを表示するように構成しても良い。
【0044】
また、他の検出手段として光の明暗を検出する光センサを用いることができる。光センサを用いた場合、コントローラ300は、該光センサから供給される検出結果に基づき、自動ピアノ200が設置された部屋の照明の明暗や、天候に影響されやすい外光の明暗を検出し、検出結果に基づき演奏に係る推奨設定メッセージを液晶表示装置305に表示する。例えば、部屋の照明が暗いことを検出した場合には、小さな音量で演奏すべき旨の推奨設定メッセージを液晶表示装置305に表示する。
【0045】
また、他の検出手段として、温度を検出する温度センサや湿度を検出する湿度センサを用いることができる。この温度センサや湿度センサを用いた場合、コントローラ300は、該温度センサや湿度センサから供給される検出結果に基づき、自動ピアノ200が設置された場所の温度や湿度を検出し、検出結果に基づき演奏に係る推奨設定メッセージを液晶表示装置305に表示する。
また、他の検出手段として、磁気量を検出する磁気センサ、大気圧を検出する圧力センサ等を用いることもでき、これらのセンサ以外であっても、周囲環境の何らかの物理量を測定することができるものであれば、本発明に適用することが可能である。
【0046】
さらに、物理量を測定する手段として、時間を計測する計時タイマを用いることにより、例えば以下に示す制御が可能となる。
ユーザは、タッチパネル等を操作することにより、特に静かな環境を維持すべき時間帯(例えば、子供が勉強する時間帯等)を自動ピアノに入力しておく。計時タイマは、時間の計測を行い、設定した時刻になると、その旨をCPU301に通知する。CPU301は、該通知を受け取ると、設定時刻になった旨のメッセージ及び該設定時刻に報知すべき推奨設定メッセージを液晶表示装置305に表示する。ユーザは、表示された文字メッセージを確認し、演奏モードの設定等を行う。
このように、推奨設定文字メッセージを、ユーザによって設定された時間帯に液晶表示装置305に表示するようにしても良い。
【0047】
<変形例5>
また、本実施形態は、自動ピアノ200と周囲環境測定装置100をケーブル10等を用いて有線接続することにより、データの授受を行う構成であったが、無線通信(例えば、IEEE802.11b、Bluetooth、White Cap、IEEE802.11a、Wireless 1394)や、赤外線通信(例えば、IrDA)等を利用してデータの授受を行うように構成しても良い。また、自動ピアノ200に周囲環境測定装置100を搭載した構成としても良く、さらには自動ピアノ200の本体上面、演奏面等に周囲環境測定装置100を配設しても良い。
なお、自動ピアノ200の本体上面、演奏面等に周囲環境測定装置100を配設した場合には、ユーザの演奏音と周囲の騒音と区別する必要があるため、例えば指向性の強いマイクロフォンを演奏者側(すなわち、マイクロフォンに演奏音が入力されにくい方向)に向けて配置する等により、騒音レベルを測定するようにしても良い。
【0048】
<変形例6>
また、上述した本実施形態では、本発明をグランドピアノタイプの自動ピアノ200に適用した場合について説明を行ったが、例えばアップライトピアノ等にも適用可能である。また、本発明は鍵盤楽器に限らず、あらゆる楽器(例えば、ヴァイオリン等の弦楽器、ドラム等の打楽器、トランペット等の管楽器等)に適用可能である。
【0049】
<変形例7>
また、上述した本実施形態では、文字メッセージを液晶表示装置300に表示することにより、推奨設定をユーザに報知したが、例えばLED等を点滅させることにより、推奨設定をユーザに報知するようにしても良い。また、文字メッセージの代わりに、例えば音声メッセージ、警告音等を利用して報知することも可能である。音声メッセージ、警告音等を利用してユーザに報知する場合には、表示手段は不要であるため、表示装置を備えていない楽器に対して本発明を容易に適用することができる。
【0050】
B.第2の実施形態
上述した第1の実施形態に係る自動ピアノは、周囲環境測定装置が検出した騒音レベルに応じて、演奏に関する推奨設定等をユーザに報知する構成であった。これに対し、第2の実施形態に係る自動ピアノは、周囲環境測定装置が検出した騒音レベルに応じて、演奏モード、音量等の切り換えを自動制御する。なお、本実施形態に係る自動ピアノの構成は、第1の実施形態に係る自動ピアノの構成(前掲図1〜図3参照)と同様であるため、説明を省略する。
【0051】
図12は、CPU301が実行する演奏制御処理のフローを示すフローチャートである。同図に示す演奏制御処理フローは、前掲図6に示すステップS3の代わりに、ステップSc3を設けたものである。その他のステップは、前掲図6と同様であるため、対応するステップには同一符号を付し、説明を省略する。
CPU301は、ステップS1において、周囲環境測定装置100から測定値S0を読み込むと、読み込んだ測定値を検索キーとして、RAM303に格納されている騒音基準テーブルTA(図5参照)を検索する。CPU301は、読み込んだ測定値S0(=48dB)に基づき、例えば演奏モードを「打弦音演奏モード」から「電子音演奏モード」に切り換え、電子音の音量レベルを「4」に設定すべきであると判断すると、消音機構駆動回路208に駆動電流を供給し、図示せぬモータを回転させ、打弦を阻止する阻止位置にストッパ9を移動させると共に、音源回路310を動作状態に設定し、音量レベルを「4」に調整して(ステップSc3)、処理を終了する。
【0052】
このように、周囲環境測定装置100が検知した騒音レベルに応じて、演奏モード、音量等を自動制御することにより、ユーザは常に周囲の環境を気にすることなく、演奏することが可能となる。また、本実施形態によれば、演奏に関する推奨設定をユーザに報知する必要がないため、液晶表示装置305等の報知手段を備えていない自動ピアノ等に対しても適用可能である。
【0053】
<変形例1>
上述した本実施形態では、周囲の騒音レベルに応じてストッパ9の駆動を制御していたが、ピアノに搭載される他の機械的な発音機構に関わる構成を周囲の環境に応じて制御しても良い。例えば、従来より、上記ストッパ9が打弦を阻止ししない阻止位置にあるときに、打弦音演奏モードで演奏する時よりも脱進タイミングを早くする脱進タイミング調整機構を備えたピアノが数多く提案されている。この脱進タイミング調整機構を備えたピアノに本実施形態を適用した場合には、上記ストッパだけではなく、当該脱進タイミング調整機構を併せて制御するように構成することも可能である。
【0054】
また、脱進タイミングを調整する機構として、弱音演奏を可能とする機構(以下、弱音機構という)が、例えば特開平7−319452号公報に開示されている。係る公報に開示されている弱音機構には、通常のレギュレーチングボタンに加え、第2レギュレーチングボタンが設けられており、弱音演奏時に第2レギュレーチングボタンをジャックの移動範囲に侵入させて脱進タイミングを早くし、これにより弱音演奏を実現している。このような弱音機構を備えたピアノに本発明を適用する場合には、周囲環境測定装置100によって検知された騒音レベルが低い場合に、自動的に上記第2レギュレーチングボタンをジャックの移動範囲内の位置に移動させ、弱音演奏を実現すればよい。
【0055】
<変形例2>
また、上述した本実施形態では、鍵1の押下操作に応じて対応する音高の弦4がハンマ2によって打弦される打弦音演奏モード(「1」)、鍵1の押下操作に応じて対応する電子音信号が音源回路310からスピーカSPまたはヘッドホンHPに出力される電子音演奏モード(「2」)、鍵1の押下操作に応じて対応する音高の弦4がハンマ2によって打弦される一方、鍵1の押下操作に対応する電子音信号が音源回路310からスピーカSPまたはヘッドホンHPに出力される組み合わせ演奏モード(「3」)、以上3種類の演奏モードを例示したが、例えばフロッピディスク等の記録媒体251から読み出される演奏情報に基づいてソレノイド駆動信号を生成し、生成した駆動信号をソレノイド7に供給することによって自動演奏を行う場合にも、本実施形態を適用することが可能である。
【0056】
例えば、周囲環境測定装置100によって検知された騒音レベルが低い場合、CPU301は、サーボコントローラ12に対し、音量を抑えて演奏すべき旨を通知する。サーボコントローラ12は、該通知に基づいて通常自動演奏時よりも電流値の小さな駆動電流をソレノイド7に供給する。ソレノイド7は、与えられた駆動電流に基づき弱い力で鍵1を駆動し、これにより弱音演奏が行われることとなる。このように、周囲の騒音レベルに応じて、自動演奏時の音量調整を自動制御するようにしても良い。また、本実施形態においても、上述した第1の実施形態に係る全ての変形例を適用することができる。
【0057】
C.第3の実施形態
上述した第1及び第2の実施形態では、本発明を楽器(自動ピアノ等)に適用した場合について説明を行った。以下に示す第3の実施形態では、本発明を道路交通手段(電気自動車等)に適用した場合について説明を行う。
【0058】
(1)実施形態の構成
図13は、本実施形態に係る電気自動車400の外観を示す図である。
電気自動車400には、車両用発音装置500が搭載されており、上面401には自車両周囲の騒音レベルを検出するための周囲環境測定装置520が設置されており、前面402には自車両の存在を周囲に報知する発音装置530が設置されている。
図14は、車両用発音装置500の構成を示すブロック図である。
車両用発音装置500は、コントローラ510と、周囲環境装置520と、発音装置530と、液晶表示装置540とを具備している。
コントローラ510は、CPU、ROM、RAM等から構成され、車両用発音装置各部を制御する役割を担っている。
【0059】
周囲環境測定装置520は、所定の指向性と集音範囲を有するマイクロフォンを備えており、該マイクロフォンから入力される音データを電気信号に変換し、変換した電気信号を騒音生データとしてコントローラ510に供給する。
発音装置530は、複数種類のデジタル音源又はアナログ音源(例えば、鐘の音を発生する音源、鳥の鳴き声を発生する音源、楽音を発生する音源、ブザー音を発生する音源等)及びスピーカ等を備えており、コントローラ510による制御の下、周囲の騒音レベルに応じて音の種類の切り換え、音量の調整等が可能となっている。
液晶表示装置540は、コントローラ510による制御の下、図示せぬナビゲーション装置から供給される地図情報や、自車両の現在位置を示す位置情報を表示するほか、ユーザに対する報知メッセージ等を表示する。
【0060】
(2)実施形態の動作
ユーザが運転操作を開始すると、コントローラ510は周囲環境測定装置520に対して騒音レベルを検出すべき旨のコマンドを送信する。周囲環境測定装置520は、該コマンドを受け取ると、マイクロフォンから入力される音データを電気信号に変換し、変換した電気信号を騒音生データとして順次コントローラ510に供給していく。コントローラ510は、周囲環境測定装置520から騒音生データを受け取ると、バンドパスフィルター(図示略)、ウェイティングネットワーク(A;上下のノイズカット、B;人間の耳に近いレベルをカット、C;Bよりさらに上下レベルをカット、D;航空機騒音測定用等)により大まかな騒音評価を行うと共に、騒音レベルのピーク/非ピーク時の騒音評価を行う。
【0061】
図15は、コントローラ510によって作成される騒音評価グラフSGを説明するための図である。
同図に示す騒音評価グラフSGの縦軸は、騒音レベルSPL(Sound Pressure Level)であり、横軸は時間Tである。コントローラは、周囲環境測定装置から騒音生データを受け取ると、対応する位置に順次プロットしていく。そして、コントローラ510は所定の時間間隔(図15に示す、T0)で以下に示す処理を行うことにより、騒音レベルのピーク/非ピーク時の騒音評価を行う。
【0062】
コントローラ510は、騒音生データの受信を開始してからT0経過すると、下記式(1)、式(2)を用いて、単位時間(T0)内におけるピーク平均騒音レベルSPL1及び非ピーク平均騒音レベルSPL2を算出する。
【数1】
【数2】
そして、コントローラは、求めたピーク平均騒音レベルSPL1と非ピーク平均騒音レベルSPL2とを下記式(3)に代入・計算することにより、推定騒音レベルSPL3を求め、求めた推定騒音レベルSPL3と、RAMに格納されている騒音基準テーブルTBとを比較する。コントローラ510は、このような処理をT0毎に実行していく。
【数3】
【0063】
図16は、騒音基準テーブルTBを説明するための図である。
騒音基準テーブルTBは、騒音レベルと、発音装置530に係る推奨設定情報とを対応付けたテーブルである。
推奨設定情報には、使用する音源の種類に関する情報と、音量情報とが含まれており、例えば推定騒音レベルSPL3が30dB〜40dBである場合には、使用する音源の種類を「鳥の鳴き声」にし、音量レベルを「3」に設定することを意味している。
【0064】
コントローラ510は、係る騒音基準テーブルTBを参照することにより、求めた推定騒音レベルSPL3に対応する推奨設定情報をRAMから読み出すと、読み出した推奨設定情報が、前回RAMから読み出した推奨設定情報と一致するか否かを判断する。コントローラ510は、今回読み出した推奨設定情報が、前回読み出した推奨設定情報と異なると判断した場合にのみ、推奨設定メッセージを作成し、これを液晶表示装置540に供給する。
【0065】
図17は、液晶表示装540に表示される表示画面を例示した図である。
同図に示すように、表示画面には、推奨設定メッセージ及びメッセージ内容に即した設定を行うか否かを選択するための選択ボタン(図17に示す、「YES」ボタン、「NO」ボタン)が表示される。
ユーザは、この表示内容を確認すると、表示画面に表示されている「YES」ボタンを押下する。コントローラ510は、「YES」ボタンが押下されたことを検出すると、上記推奨設定に基づき、発音装置530に対する制御を実行する。ここでは、推奨設定が、使用する音源の種類を「鳥の鳴き声」にし、音量レベルを「3」にする設定であるため、コントローラ510は、発音装置530を起動して鳥の鳴き声を発生する音源を選択すると共に、音量レベルを「3」に設定する。
【0066】
このような設定が行われると、発音装置530は、音量レベル「3」で鳥の鳴き声を発生する。発音装置530が周囲の騒音レベルに応じた音量、音源で音を発生すると、周囲に存在する歩行者等は電気自動車400の接近を認識することができ、これにより、接触事故等の危険を抑制することができる。
【0067】
以上説明したように、車両用発音装置500は、検知した周囲環境の騒音レベルに応じて、ユーザに報知すべき発音装置の音量設定を切り換える。すなわち、検知した騒音レベルが高い場合には、大音量で発音すべき旨をユーザに報知し、検知した騒音レベルが低い場合には、小音量で発音すべき旨をユーザに報知する。これにより、車両用発音装置500は、交通量が多く騒音レベルが高い場合、大音量で発音することにより歩行者に自動車の接近を認識させることができ、一方、交通量が少なく騒音レベルが低い場合には、小音量で発音することにより歩行者に自動車の接近を認識させ、かつ、近隣の人に迷惑をかけないように制御することが可能となる。
【0068】
また、発音装置530は、複数の音源を有しており、車両用発音装置500は、検知した周囲環境の騒音レベルに応じて、ユーザに報知すべき発音装置の音源設定を切り換える。これらの音源には、鳥の鳴き声を発生する音源等、心地よい聴感を与える音源が含まれており、周囲の騒音レベルに応じて係る音源を使用することにより、歩行者に心地よく自動車の接近を認識させることができる。
【0069】
(3)変形例
<変形例1>
上述した本実施形態に係る車両用発音装置500は、周囲環境の騒音レベルに応じて、発音装置530に関する推奨設定をユーザに報知する構成であったが、上述した第2の実施形態と同様、周囲環境の騒音レベルに応じて、発音装置530に関する設定(音源の種類、音量等)を自動制御するように構成しても良い。これにより、ユーザは液晶表示装置540に推奨設定メッセージが表示されたか否か等の確認が不要となり、運転に集中することができる。なお、自動制御する方法に関しては、上述した第2の実施形態と同様に説明することができるため、説明を省略する。
【0070】
<変形例2>
図18は、変形例2に係る騒音基準テーブルTCを説明するための図である。
同図に示す騒音基準テーブルTCは、前掲図16に示す推奨設定情報に発音装置530のオン/オフに関する情報を追加したものであり、検出した騒音レベルが70dB以上である場合には、発音装置530がオフする設定となっている。
騒音基準テーブルをこのように構成することで、車両用発音装置500は、交通量が少なく騒音レベルが低い場合にのみ、小さな音量で発音する。これにより、歩行者に自動車の接近を認識させると共に、車両用発音装置500から大きな騒音が発生するといった問題を抑制することが可能となる。
【0071】
<変形例3>
また、上述した本実施形態は、液晶表示装置540の表示画面に、推奨設定メッセージとメッセージ内容に即した設定を行うか否かを選択するための選択ボタンを表示する構成であったが、例えば液晶表示装置540の表示画面に、推奨設定メッセージのみを表示し、運転席の近傍に設けられた発音装置操作機構(図示略)をユーザが操作することにより、音の種類の切り換え、音量調整等を実施するようにしても良い。
【0072】
<変形例4>
また、上述した本実施形態では、文字メッセージを利用することにより、推奨設定等をユーザに報知したが、上述した本実施形態に係る変形例7と同様、音声メッセージを利用することにより、推奨設定等をユーザに報知することが可能である。例えば、車両用発音装置500に音声メッセージ出力用のスピーカ、運転するユーザの音声を入力するマイクロフォン、及びユーザの音声に関する波形データや発音装置530に係るコマンド等が登録されている音声認識装置を設け、スピーカから出力される音声メッセージに基づき、ユーザは発音装置530に係るコマンドを発声する。ユーザが発声したコマンドは、マイクロフォンを介して音声認識装置に入力され、音素解析、波形データの照合等が行われた後、解析結果がコントローラ510に出力される。コントローラ510は、音声認識装置から供給される解析結果に基づき、発音装置の音源の選択、音量調整等を行い、これにより発音装置530から騒音レベルに応じて制御された音が発せられる。
【0073】
係る構成によれば、ユーザは音声により発音装置530に係るコマンドを入力することができるため、推奨設定メッセージが液晶表示装置530に表示されたか否かの確認は不要となり、また該設定に基づく制御を実行するための入力操作も不要となる。これにより、ユーザは運転に集中することができ、周囲に対する注意が散漫になるといった問題を抑制することが可能となる。
【0074】
<変形例5>
また、上述した本実施形態に係る車両用発音装置500は、自車両周囲の騒音レベルを検出する構成であったが、例えば自車両が発する騒音のレベルを検出するように構成しても良い。具体的には、マイクロフォンを自車両側に向けて配置し、自車両が周囲に対して発する騒音をマイクロフォンが収集するように構成する。
コントローラ510は、周囲環境測定装置520に対して騒音レベルを検出すべき旨のコマンドを送信する。周囲環境測定装置520は、該コマンドに基づきマイクロフォンから入力される音(すなわち、自車両が周囲に対して発する音)を電気信号に変換し、変換した電気信号を騒音生データとして順次コントローラ510に供給していく。コントローラ510は、周囲環境測定装置520から騒音生データを受け取ると、該騒音生データに基づき騒音レベルを検出し、RAMに格納されている騒音基準テーブルTD(図19参照)とを比較する。
【0075】
上述したように本変形例に係る車両用発音装置500は、自車両が発する騒音のレベルを検出するため、騒音基準テーブルTDを構成する推奨設定情報と、前掲図16に示す騒音基準テーブルTBを構成する推奨設定情報とは異なっている。
コントローラ510は、このような騒音基準テーブルTDを参照することにより、検出した騒音レベルに対応する推奨設定情報をRAMから読み出すと、読み出した推奨設定情報が、前回読み出した推奨設定情報と一致するか否かを判断する。コントローラ510は、今回読み出した推奨設定情報が、前回読み出した推奨設定情報とは異なると判断した場合にのみ、今回読み出した推奨設定メッセージを作成し、これを液晶表示装置540に表示する。なお、この後の動作については、上述した本実施形態と同様に説明することができるため、割愛する。
【0076】
以上説明したように、本変形例に係る車両用発音装置500は、自車両が発する騒音のレベルを検知し、検知した騒音レベルに応じ、発音装置530に係る推奨設定をユーザに報知する。ユーザによって該推奨設定に基づく設定が行われると、発音装置530は周囲に存在する歩行者等に自動車の接近を報知すべく、発音を開始する。これにより、上述した本実施形態と同様、歩行者等は、自動車の接近を認識することができ、接触事故等の危険を抑制することができる。
【0077】
また、本変形例に上述した変形例1を適用することにより、自車両が発する騒音のレベルに応じて、発音装置530に関する設定(音源の種類、音量等)を自動制御するように構成しても良い。これにより、ユーザは推奨設定メッセージが液晶表示装置540に表示されたか否か等の確認が不要となり、運転に集中することができる。
【0078】
<変形例6>
また、本実施形態では、道路交通手段の一例として、電気自動車を例示したが、例えば内燃機関を動力とする自動車、自転車、バイク、車椅子、三輪車、歩行介助機等、あらゆる道路交通手段に本実施形態を適用することが可能である。なお、本実施形態においても、上述した第1及び第2の実施形態に係る変形例を適用することができるのは、言うまでもない。
【0079】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、発音装置の発音に係る設定に関し、周囲の環境に応じて最適な設定を行うことができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施形態における自動ピアノの外観構成を示す図である。
【図2】 同実施形態に係る自動ピアノの主要部の構成を示す図である。
【図3】 同実施形態に係るコントローラの概要構成を示す図である。
【図4】 同実施形態に係る液晶表示装置の表示例を示す図である。
【図5】 同実施形態に係る騒音基準テーブルを説明するための図である。
【図6】 同実施形態に係る推奨設定報知処理のフローを示すフローチャートである。
【図7】 同実施形態に係る液晶表示装置の表示例を示す図である。
【図8】 同実施形態における変形例2に係る推奨設定報知処理のフローを示すフローチャートである。
【図9】 同変形例に係る液晶表示装置の表示例を示す図である。
【図10】 同実施形態における変形例3に係る推奨設定報知処理のフローを示すフローチャートである。
【図11】 同変形例に係る騒音レベル推移グラフを示す図である。
【図12】 第2の実施形態における演奏制御処理のフローを示すフローチャートである。
【図13】 第3の実施形態における電気自動車400の外観を示す図である。
【図14】 同実施形態に係る車両用発音装置の構成を示すブロック図である。
【図15】 同実施形態に係る騒音評価グラフを説明するための図である。
【図16】 同実施形態に係る騒音基準テーブルを説明するための図である。
【図17】 同実施形態における液晶表示装置の表示例を示す図である。
【図18】 同実施形態における変形例2に係る騒音基準テーブルを説明するための図である。
【図19】 同実施形態における変形例5に係る騒音基準テーブルを説明するための図である。
【符号の説明】
200・・・自動ピアノ、100、520・・・周囲環境測定装置、300、510・・・コントローラ、305、540・・・液晶表示装置、500・・・車両用発音装置、530・・・発音装置。
Claims (2)
- 演奏操作子と、
ユーザによる前記演奏操作子の操作に応じた音を発生する発音手段と、
前記発音手段の周囲環境の明暗を検出する検出手段と、
前記検出手段の検出結果に応じて、前記発音手段の推奨設定をユーザに報知する報知手段と
を具備することを特徴とする楽器。 - 演奏操作子と、
前記演奏操作子の運動を伝達するアクションを動作させて弦を打弦する打弦部と、操作された前記演奏操作子に対応した電子音を発音する電子発音部を有し、前記打弦部で弦が打弦されて発音するモード、前記電子発音部で発音するモードまたは前記打弦部と前記電子発音部の両方で発音するモードのいずれかで、ユーザによる前記演奏操作子の操作に応じた音を発生する発音手段と、
前記発音手段の周囲環境の物理量を検出するセンサから供給される検出結果を受信する受信手段と、
前記受信手段によって受信された検出結果に基づいて、前記発音手段のモードと前記発音手段の発生する音の音量のうち一方の推奨設定、または両方の推奨設定をユーザに報知し、予め定められた時間帯においては該時間帯に報知すべき前記推奨設定をユーザに報知する報知手段と
を具備することを特徴とする楽器。
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