JP6305275B2 - 電子楽器における音声アシスト装置及びプログラム - Google Patents
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Description
すなわち、操作ボタン(サウンドセレクトキー)1を押しながら鍵盤2のいずれかの鍵を押すことで、予め各鍵に割り当てられた音色や音設定(残響効果や音響効果の設定)に変更することができる。例えば、操作ボタン1を押しながら鍵A0(音色選択)を押せば、コンサートグランドピアノ1の音色に設定することができる。
また、設定変更時に特に発音することがないため、変更を確認するためには、実際に鍵盤を押して演奏する必要があった。
そのため、電子楽器のユーザーは、設定変更するために時間を取られ、煩わしさを感じてしまうという課題が存在した。
更に、設定変更に割り当てられた鍵が分かり難いため、目的の設定変更とは異なる鍵を押してしまうということが生じ易かった。
押された鍵から予め鍵に対応して決められた操作設定の変更状態を認識する変更状態認識部と、
前記操作設定の設定項目名称を音声データとして記憶する設定項目名称記憶部と、
前記変更状態に対応する設定項目名称を発音する発音部と、を備えるとともに、
前記変更状態認識部は、前記鍵の押下以前に前記操作ボタンの予め設定された時間以上の押下を検出する音声アシスト認識部を有し、前記押下の検出時に前記発音部が前記設定項目名称を発音することを特徴としている。
押された鍵から予め鍵に対応して決められた音色選択や音設定の変更状態を認識する変更状態認識部と、
前記音色選択や音設定の設定項目名称を音声データとして記憶する設定項目名称記憶部と、
前記変更状態に対応する設定項目名称を発音する発音部と、を備えるとともに、
前記変更状態認識部は、前記鍵の押下以前に前記操作ボタンの予め設定された時間以上の押下を検出する音声アシスト認識部を有し、前記押下の検出時に前記発音部が前記設定項目名称を発音することを特徴としている。
前記発音部は、前記操作ボタンの予め設定された時間以上の押下を検出した時、音声アシストモードが適用されたことを告知することを特徴としている。
前記告知は発話によりなされることを特徴としている。
前記予め設定された時間は3秒であることを特徴としている。
前記変更状態に応じてその影響が分かり易い音のフレーズが複数記憶されるフレーズ記憶部を備え、
前記発音部は、前記変更状態に対応するフレーズを発音し、その後に前記音色選択や音設定の設定項目名称を発音することを特徴としている。
すなわち、鍵の押下以前に操作ボタンが3秒以上押された場合は、ユーザーが操作に躓いた状況であると認識して音声アシストモードが適用され、3秒未満の場合は、ユーザーが鍵盤におけるどの鍵に何の設定項目が割り当てられているかを理解していると認識し、音声アシストを行わないようにすることができる。
図1は、音声アシスト装置が搭載されたディジタルピアノ(電子楽器)の主要なハードウエア構成を示すブロック図であり、バス30に対して、CPU10、ROM11、RAM12、キースキャン回路16、音源18、ディジタル信号処理回路19を接続して構成されている。
また、このCPU10には、専用線によって、音色選択や音設定(残響効果や音響効果の設定)に際して使用する操作ボタン1、発音に対してダンパペダル効果を付与するためのペダル14、及び、外部装置との間のMIDIデータ受け渡し制御を行うためのMIDIインタフェース回路15が接続されている。
鍵盤2は、演奏者が楽音の音高を指示する複数の鍵と、この鍵に連動して開閉するキースイッチにより構成されている。鍵盤2は、キースイッチの状態をスキャンしてキーデータとして出力するキースキャン回路16に接続されている。
デュアル設定82の鍵は、異なる種類の音(例えば、ピアノとオルガン)を重ねて発音させることを選択する他、異なる音のバランス状態(どちらの音を強く又は弱く設定するか)や、バランスのリセット(同じバランスにする)が設定できる。
リバーブ設定83の鍵は、各種室内(例えば、コンサートホール等)における音の響き(残響)が再現できるように残響効果を選択できる。
ブリリアンス設定86(「オフ」「−」「+」)に対応するコントロール鍵は、音色の明るさを調節できる。
キーデータは、操作ボタン1が押されている状態の場合は、イベントのあった鍵を特定するキーナンバにより音色選択や音設定等を行うデータとして使用される。
また、操作ボタン1が押されていない状態の場合は、イベントのあった鍵を特定するキーナンバ及び鍵の押下の強さ(速さ)を示すタッチデータを生成するために使用される。作成されたキーナンバ及びタッチデータは、周波数データ及びエンベロープデータに変換されて音源18に送られ、キーオン/キーオフに伴う押鍵/離鍵処理等に用いられる。
音声アシスト機能は、ディジタルピアノにおいて音色選択や音設定を変更するに際して、設定項目の内容を音声で自動的に発音する機能である。この音声アシスト機能は、操作ボタン1、鍵盤2、変更状態認識部3、設定項目名称記憶部4、発音部5を備えることで実現される。また、音色選択や音設定の変更状態を認識する変更状態認識部3には、音声アシストを行うかどうかを決定する音声アシスト認識部6を備えている。
サウンドプレビュー機能は、ディジタルピアノにおいて音色選択や音設定を変更した際に、そのサンプル音をフレーズとして自動的に発音する機能である。このサウンドプレビュー機能は、設定内容毎に決められたサンプル音のデータがフレーズ(発音データ)として設定項目名称記憶部4に記憶されることで実現される。
変更状態認識部3は、ROM11に格納された音声アシストプログラム及びサウンドプレビュープログラムによりCPU10で実行される処理のためのものであり、操作ボタン1及び鍵(鍵盤2におけるいずれかの鍵)の押下を検出した際、押された鍵から予め鍵に対応して決められた音色選択や音設定の変更状態を認識し、フレーズ記憶部4から変更状態に応じた発音データを取り込む。
例えば、設定項目のブリリアンス設定86に対応する各鍵「C♯5」(オフ)、「F♯5」(マイナス)、「G♯5」(プラス)で発音する音声データの場合、図3に示すように、波形メモリ40における音声データ1として「ブリリアンス」が記憶され、音声データ2として「オフ」「マイナス」「プラス」が記憶され、シーケンスデータとして、「ブリリアンスオフ」「ブリリアンスマイナス」「ブリリアンスオン」が保存されている。
例えば、音色選択81に対応する各鍵(A0〜A1等)により設定変更が行われる場合のフレーズとしては、C4,E4,G4,C5音高によるアルペジオ(ドミソドの和音を低音から順次鳴らす)が発音データとして記憶されている。音色の場合、和音のアルペジオによる発音が相違を分かり易くするからである。
残響効果に関するリバーブ設定82に対応する各鍵(B2〜A3)により設定変更が行われる場合のフレーズとしては、C5音高(ド)のみが発音される発音データが記憶されている。単独の「ド」を発音させることで、その余韻の違いを分かり易くするためである。
設定項目84のダンパーノイズ設定に対応する鍵F4により設定変更が行われる場合のフレーズとしては、C5音高(ド)のみが発音される発音データが記憶されている。
設定項目84のストリングレゾナンス設定に対応する鍵G4により設定変更が行われる場合のフレーズとしては、C4鍵(ド)を押しながら発音されるG4,A4,B4,C5音高によるアルペジオ(ソラシドの和音を低音から順次鳴らす)が発音データとして記憶されている。C4鍵(ド)に対する共鳴音を聞き取るためである。
設定項目84のキーアクションノイズ設定に対応する鍵B4により設定変更が行われる場合のフレーズとしては、C4音高(ド)のみが発音される発音データが記憶されている。
初期化処理では、CPU10内部のレジスタやフラグのクリア処理、RAM12内に定義された各種バッファ、レジスタ及びフラグ等に対する初期値設定処理、音源18に初期値を設定して不要な音が発音されるのを防止する処理等が行われる。
操作ボタンイベント処理では、操作ボタン1の押下操作により、音声アシストの適用の有無、及び、サウンドプレビュー機能の実行開始が選択される。
すなわち、操作ボタンイベント処理では、図6のフローチャートに示すように、先ず、操作ボタン1が「オン又はオフ操作された」か否かを判断する(ステップ101)。操作ボタン1がオン又はオフ操作されずに「なにもされない」場合(状態変化が無)は、リターンからこのフローチャートを抜ける。
操作ボタン1が「オン又はオフ操作された」場合(状態変化が有)は、続いて、操作ボタン1の押下(スイッチオン)の有無を検出する(ステップ102)。
操作ボタン1が押下されている場合は、音声アシストが行われる音声アシストモードであるか否かが判断される(ステップ103)。
また、ステップ102において、操作ボタン1の押下が無い場合は、操作ボタン1が3秒間長押されるかどうかのカウントをストップする(ステップ105)。
設定項目の設定内容が変更されたかどうかを判断し(ステップ107)、設定変更された場合は設定変更内容を確定する(ステップ108)。
鍵盤イベント処理では、鍵盤2に関する操作、すなわち、音色選択や音設定等の設定操作、及び、鍵盤における各鍵の押下による発音操作に対応する処理が行われる。鍵盤イベント処理の処理手順について図7に示す。
音色選択や音設定に関する設定変更の処理では、予め設定項目名称記憶部4に記憶された設定項目に対応した音声データが発話される。この音声データは、上述したように、各設定項目の内容を示す単語で構成されている。
また、音声データの発話は、予め設定項目名称記憶部4に記憶されたフレーズのサンプル音の発音の後に行われる。
音色選択や音設定に関する設定変更の処理では、予め設定項目名称記憶部4に記憶されたフレーズのサンプル音が発音される。また、フレーズは、上述したように、設定変更の変更状態に応じて、その影響が分かり易い和音のアルペジオや音高としているため、変更状態を聴覚で容易に確認することができる。
また、操作ボタン(サウンドセレクトキー)1を指で押しながら(操作A)、鍵盤2の鍵G1を指で押下(操作B)した場合、鍵G1は音色選択における「モダンピアノ」のピアノ音に対応しているので、音色として「モダンピアノ」が設定され、「モダンピアノ」のピアノ音によるC4,E4,G4,C5音高によるアルペジオ(ドミソドの和音を低音から順次鳴らす)がサウンドプレビューとして発音される。
操作ボタン3秒長押し処理では、図9に示すように、操作ボタン1を3秒間長押ししたかが判断され、3秒間の長押しがあった場合、音声アシストモードに入り、操作ボタン1の3秒長押しのためのカウントはストップする(ステップ302)。そして、この時点で、図10に示されるように、発音部5が「音声アシストモード」と音声で発話し、操作ボタン1に設けたモニタ部1aが点滅する。
音声アシストモードが適用されたことを発話で告知するとともに、モニタ部1aが点滅することで、この状態で鍵を押せば、鍵に対応する設定項目名称が発音される音声アシストが受けられることを認識することができる。
また、音声アシストモードに入った場合、操作ボタン1の物理的な押下を解除しても音声アシストモードが維持され、鍵盤2の鍵のみの押下で目的とする音色や音設定等の設定項目を選択することができる。
なお、操作ボタン1が押下され、3秒経過前に鍵盤2の鍵が押されると、3秒のカウントはストップし、その後に操作ボタン1を押し続けても音声アシストモードに突入することはない。
この音声アシストは、操作ボタン1の長押し時に常時行われるのではなく、3秒以上の長押しを必要としているので、ユーザーが操作に困った時のみ音声データを発話してサポートすることができる。
設定項目変更の操作に慣れ、どの設定がどの鍵に割り当てられているかを迷わない場合は、操作ボタン1の長押し時間が3秒未満となり、音声アシストモードに入ることなく、音声を聞く煩わしさを無くして素早い操作を可能とすることができる。
また、設定内容を表示する操作パネルを持たないタイプの電子楽器においても、音色選択や音設定の変更について、変更したことを確実に認識することができる。
この場合、設定項目名称記憶部4に曲名や操作内容を音声データとして記録し、鍵盤2の鍵の押下で、自動演奏される楽曲が選択される場合は、曲名(練習曲を含む)が発話され、電子楽器に関する各種操作設定の場合は、例えば、「オートパワーオフ30分」のような音声データが発話される。
Claims (7)
- 鍵盤と、各種設定を行う操作ボタンとを備え、前記操作ボタンを押しながら前記鍵盤の中の一つの鍵を押すことで、予め鍵に対応する操作設定が行われる電子楽器において、
押された鍵から予め鍵に対応して決められた操作設定の変更状態を認識する変更状態認識部と、
前記操作設定の設定項目名称を音声データとして記憶する設定項目名称記憶部と、
前記変更状態に対応する設定項目名称を発音する発音部と、を備えるとともに、
前記変更状態認識部は、前記鍵の押下以前に前記操作ボタンの予め設定された時間以上の押下を検出する音声アシスト認識部を有し、前記押下の検出時に前記発音部が前記設定項目名称を発音する
ことを特徴とする音声アシスト装置。 - 鍵盤と、音色選択や音設定を行う操作ボタンとを備え、前記操作ボタンを押しながら前記鍵盤の中の一つの鍵を押すことで、予め鍵に対応する音色選択や音設定を行う電子楽器において、
押された鍵から予め鍵に対応して決められた音色選択や音設定の変更状態を認識する変更状態認識部と、
前記音色選択や音設定の設定項目名称を音声データとして記憶する設定項目名称記憶部と、
前記変更状態に対応する設定項目名称を発音する発音部と、を備えるとともに、
前記変更状態認識部は、前記鍵の押下以前に前記操作ボタンの予め設定された時間以上の押下を検出する音声アシスト認識部を有し、前記押下の検出時に前記発音部が前記設定項目名称を発音する
ことを特徴とする音声アシスト装置。 - 前記発音部は、前記操作ボタンの予め設定された時間以上の押下を検出した時、音声アシストモードが適用されたことを告知する請求項1又は請求項2に記載の音声アシスト装置。
- 前記告知は発話によりなされる請求項3に記載の音声アシスト装置。
- 前記予め設定された時間は3秒である請求項1又は請求項2に記載の音声アシスト装置。
- 前記変更状態に応じてその影響が分かり易い音のフレーズが複数記憶されるフレーズ記憶部を備え、
前記発音部は、前記変更状態に対応するフレーズを発音し、その後に前記音色選択や音設定の設定項目名称を発音する請求項2に記載の音声アシスト装置。 - 請求項1又は請求項2に記載の各部の機能をコンピュータに構築させることを特徴とする音声アシストプログラム。
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