JP5320786B2 - 電子楽器 - Google Patents
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代表的なものとしては、鍵の回動動作に連動する擬似ハンマーアームを各鍵の下方や後方に設けることによって、押鍵時に荷重を与えるというものである。
これらは、いずれもアコースティックピアノの打弦機構(ハンマーやジャックなどから構成される)の構造に起因する操作感を模したものである。
この弦の振動は、押鍵操作の強さが強いほど大きく、また低音(弦が太い)ほどよく伝わるものである。
アコースティックピアノに習熟した者は、音を耳で聴くことに加えて、鍵やペダルに伝わる弦の振動を指先や足先で感じ取りながら、離鍵のタイミングを測ったりペダルの操作量を変化させたりすることがある。
したがって、アコースティックピアノだけを演奏してきた者が初めて電子鍵盤楽器を演奏したときには違和感を覚え、ピアノを弾いているという実感が湧かない、といった問題があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、アコースティックピアノに代表されるアコースティック楽器の操作感を極めて忠実に再現することを課題とする。
A.第1実施形態
図1は、本発明を適用した電子鍵盤楽器の第1実施形態の外観図であり、図1(b)は正面外観図であり、図1(a)は図1(b)におけるA−A矢視の断面図である。
楽器本体1は、複数の白鍵と黒鍵とからなる鍵盤部2を有し、この鍵盤部2に対する演奏者の押鍵操作に応じて、押鍵位置に対応した音高の楽音信号を電気的に生成する音源を内蔵している(図示省略)。
この第2の背板7の左右上部には円形の開口部が形成され、その開口部には音源にて生成された楽音信号を放音するためのスピーカ8がそれぞれ取り付けられている。
そして、第1の背板6と第2の背板7の間には、スピーカ8背面とペダル5後端部とをつなぐダクト9を形成する隔壁10が設けられている。
これにより、演奏者は、あたかもアコースティックピアノの弦振動がペダル5に伝わっているような感触を得ることができる。
図2は、本発明を適用した電子鍵盤楽器の第2実施形態の外観図であり、図2(b)は上面外観図であり、図2(a)は図2(b)におけるB−B矢視の断面図である。
楽器本体1の楽器ケース11の手前側(図2における右方向)には上方に向けた長方形の開口部が形成されており、この開口部から露出するように複数の白鍵と黒鍵とからなる鍵盤部2が載置されている。さらに、楽器本体1には、この鍵盤部2に対する演奏者の押鍵操作に応じて、押鍵位置に対応した音高の楽音信号を電気的に生成する音源が内蔵されている(図示省略)。
そして、楽器ケース11の上面板12と下面板13との間には、スピーカ8背面と鍵盤部2の後端部とをつなぐダクト9を形成する隔壁10が設けられている。
これにより、演奏者は、あたかもアコースティックピアノの弦振動が鍵盤部2に伝わっているような感触を得ることができる。
図3は、本発明を適用した電子鍵盤楽器の第3実施形態の外観断面図である。
上述した第1実施形態と同様に、楽器本体1は鍵盤部2を有し、この鍵盤部2の下方にはペダル5が載置されている。鍵盤部2およびペダル5の後端部(図3における左端)には、図示しない音源からの楽音信号に応答して振動する振動素子14が取り付けられている。
なお、この振動素子14は、ソレノイドやモータのように電気信号に応じて駆動するものであればどのようなものでもよい。
CPU15は電子鍵盤楽器全体の動作を制御するものであり、ROM16はCPU15を動作させるためのプログラムや後述する音源にて処理される楽音波形やエンベロープ波形の元データなどを記憶するものであり、RAM17はCPU15の動作時にデータを一時的に記憶するものである。
演奏操作子は鍵盤部2とペダル5とからなり、音源18は演奏操作子の操作に応じてROM16から読み出された楽音波形およびエンベロープ波形の元データを用いてCPU15の指示に従って楽音信号を電気的に生成する。この音源18での楽音信号生成の動作は周知の手法であるので詳細な説明は省略する。そしてこれら、CPU15、ROM16、RAM17、演奏操作子、音源18は、バスライン19を介して接続されている。
CPU15は、押鍵された鍵の位置が所定位置よりも低いときは、生成された楽音信号の全てを駆動回路21に送出するよう音源18に指示する。これによって、駆動回路21は発音開始から消音終了までの全区間において駆動信号を振動素子14に送出する。一方、押鍵された鍵の位置が所定位置よりも高いときは、生成された楽音信号の一部のみを駆動回路21に送出するよう音源18に指示する。これによって、駆動回路21は発音開始から消音終了までの区間の一部分においてのみ駆動信号を振動素子14に送出する。
押鍵操作による発音開始時においては、打弦直後ということで振幅が急激に立ち上がり(アタック部)、その直後に少し減衰し(ディケイ部)、その後に安定した状態となり(サスティン部)、離鍵操作などによって減衰して消音される(リリース部)。
このように構成した理由は、アコースティックピアノは、押鍵直後は楽音の高低に関係なく鍵盤部2やペダル5が振動し、その後は中低音の楽音であれば弦の振動が継続して鍵盤部2やペダル5に伝わり、高音の楽音であれば弦の振動は鍵盤部2やペダル5に殆ど伝わらないからである。
これにより、演奏者は、あたかもアコースティックピアノの弦振動が鍵盤部2やペダル5に伝わっているような感触を得ることができる。
また、押鍵時の押鍵強度に基づいてエンベロープ波形の振幅を制御するようにし、この振幅の大きさに応じて駆動回路21の出力する駆動信号を変化させて、振動素子14の振動の大きさを制御するようにすれば、リアルなアコースティックピアノの演奏感触が得られるようになる。
さらに、鍵盤部2とペダル5とで振動の大きさを異ならせるようにすれば、よりリアルなアコースティックピアノの演奏感触が得られるようになる。
5 ペダル
6 第1の背板
7 第2の背板
8 スピーカ
9 ダクト
10 隔壁
14 振動素子
15 CPU
18 音源
21 駆動回路
Claims (1)
- 楽器本体に設けられた鍵盤部と、
前記鍵盤部に対する押鍵操作に応じた音高の楽音を生成する音源と、
前記楽器本体の両側端にそれぞれ取り付けられた脚板と、
前記両脚板下端に取り付けられ、中空部を有する底板と、
前記底板の中央部分に載置されたペダルと、
前記楽器本体、脚板及び底板で囲われる部分に取り付けられた第1の背板と、
前記第1の背板の前側に所定の空隙をおいて取り付けられ、かつ左右上部には開口部が形成された第2の背板と、
前記開口部に取り付けられ、前記音源にて生成された楽音を放音するためのスピーカと、
前記第1及び第2の背板の間に設けられ、前記スピーカ背面と前記ペダル後端部とをつなぐダクトを形成するための隔壁と、
を有することを特徴とする電子楽器。
Priority Applications (1)
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