JP3429034B2 - 半導体膜の製造方法 - Google Patents

半導体膜の製造方法

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JP3429034B2 JP25198493A JP25198493A JP3429034B2 JP 3429034 B2 JP3429034 B2 JP 3429034B2 JP 25198493 A JP25198493 A JP 25198493A JP 25198493 A JP25198493 A JP 25198493A JP 3429034 B2 JP3429034 B2 JP 3429034B2
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【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、液晶表示装置に用いら
れる薄膜トランジスタ(以下TFTと称する)およびそ
の製造方法、並びに液晶表示装置、並びにこのTFTを
製造するために用いられる装置に関する。 【0002】 【従来の技術】液晶表示装置においては、解像度の高い
映像を表示するために、各々の画素に対してTFT等の
能動素子が設けられる。このTFTは大面積に渡って多
数形成することができ、非常に大量の画素を制御するこ
とができる。 【0003】従来、このTFTの半導体膜としては、高
周波(RF)放電を用いた反応性プラズマ化学的気相成
長法(RF−PCVD法)により形成されるアモルファ
スシリコン(a−Si)膜や、熱化学的気相成長法(熱
CVD法)等により形成したa−Si膜を、固相成長法
またはレーザーアニール法により再結晶化した多結晶シ
リコン(poly−Si)膜等が用いられてきた。 【0004】一方、微結晶相を含むシリコン(μc(マ
イクロクリスタル)−Si)膜が、RF−PCVD法に
より、高RF電力および高水素希釈条件を用いて作製さ
れている。このμc−Si膜をpin構造を有するアモ
ルファス太陽電池に用いることにより、アモルファス太
陽電池の開放電圧が増大し、光電変換効率が向上するこ
とが知られている。また、RF電力が高く、水素希釈率
が高いほどμc−Si膜が形成され易いことが知られて
いる。 【0005】微結晶相を含むシリコン膜を高RF電力お
よび高水素希釈条件を用いて作製する場合に、シリコン
の結晶化は基板の種類と膜厚に依存する。例えばB25
を0.7%含んだSiH4を20sccm、H2を800
sccm、基板温度を260℃、RFパワー密度を0.
04W/cm2、圧力を100Paとする成膜条件で作
製したp型シリコン膜の膜厚と暗導電率との関係は、以
下の表1に示すようになる。 【0006】 【表1】 【0007】上記表1から、上述の条件で形成したp型
シリコン膜は、膜厚が1000オングストローム以上に
なると、膜厚500オングストローム以下のものより*
**桁程度大きい暗導電率を有することがわかる。この
ことから、上述の条件で形成したp型シリコン膜は、膜
厚が500オングストローム以下の場合にはa−Siと
なり、1000オングストローム以上の場合には、50
0オングストローム以上の膜厚のa−Siが形成された
上にμc−Siが形成されていると考えられる。 【0008】また、PH3を0.5%含んだSiH4を2
0sccm、H21400sccm、基板温度260
℃、RFパワー密度0.05W/cm2、圧力110P
aの成膜条件で作製したn型シリコン膜の膜厚と暗導電
率との関係は、以下の表2に示すようになる。 【0009】 【表2】 【0010】表2から、このn型シリコン膜は、膜厚が
200オングストローム以下の場合にはa−Siとな
り、それ以上の膜厚では、約200オングストローム程
度の膜厚のa−Siが形成されて、その上に、μc−S
iが形成されていると考えられる。 【0011】このように、μc−Siが形成され易い条
件である、高RF電力、高水素希釈条件下でも、通常の
P−CVD装置を用いて連続成膜する場合には、成膜開
始より500オングストローム以内で、a−Siを微結
晶化してμc−Siを得るのは困難であった。 【0012】一般に、TFTにおいては、絶縁膜に接触
した非常に薄い半導体膜での電界効果移動度(field-ef
fect mobility)が、TFTのオン電流の大きさを決定
する。この半導体膜の厚みは、通常のTFTでは、10
00オングストローム以下であり、好ましくは約200
〜600オングストロームである。従って、上述したよ
うな高RF電力および高水素希釈条件の下でTFTの半
導体膜を形成した場合には、この半導体膜はa−Siと
なるため、TFTのオン電流を大きくすることができな
いと考えられる。 【0013】また、以下の文献(1)には、通常のRF
−PCVD装置を用いて、シリコン膜の形成と水素プラ
ズマ処理とを繰り返すことにより、μc−Si膜を形成
することができることが示されている。 【0014】(1)K. Nomoto, Y. Urano, J. L. Guizo
t, G. Ganguly and A. Matsuda:Japanese Journal of A
pplied PhysicsVol. 29, No. 8, August, 1990, pp. L1
372-L1375."Role of Hydrogen Atoms in the Formation
Process ofHydrogenated Microcrystalline Silicon" 文献(1)に記載されている方法では、SiH4のみを
用いてa−Si膜を形成し、そのa−Si膜に水素プラ
ズマ処理を行い、さらに水素プラズマ処理から一定時間
が経った後に次のa−Si膜の形成を行っている。しか
し、この方法をTFTに用いた例は報告されていない。 【0015】 【発明が解決しようとする課題】ところで、大型で高精
細な液晶表示を作成するには、短時間のゲートスイッチ
ング時間で液晶層および蓄積コンデンサからなる容量を
充電する必要がある。しかし、半導体膜として上記a−
Si膜を用いたTFTでは、半導体膜の電界効果移動度
が小さいため、オン電流を大きくすることができない。
このようなTFTにおいては、オン電流を大きくするた
めにTFTを大きくする必要があるが、これは液晶表示
装置の開口率の減少につながる。 【0016】一方、半導体膜としてpoly−Si膜を
用いたTFTでは、半導体膜の電界効果移動度が大きい
ためにTFTのオン電流を大きくすることができる。し
かし、a−Si膜を固相成長法によって結晶化してpo
ly−Si膜を得るためには、600℃以上で10時間
程度の熱処理を行う必要がある。このため、通常のガラ
ス基板を用いることが困難であり、大面積のTFTを得
ることができない。また、a−Si膜をレーザーアニー
ル法により再結晶化してpoly−Si膜を得る場合に
は、高価で処理速度の遅いレーザーアニール装置を用い
る必要があり、大量生産には適さない。 【0017】本発明は、このような現状に鑑みてなされ
たものであり、その目的はオン電流を向上でき、安価で
大量生産に適したTFT及びその製造方法、並びにこの
TFTを備えた大型かつ高精細な液晶表示装置の製造方
法、さらにこのTFTを製造するために用いられる装置
を提供することにある。 【0018】 【課題を解決するための手段】本発明の半導体膜の製造
方法は、水素希釈率200以上で100オングストロー
ム以下の厚さの微結晶相を含むシリコン層を形成する第
1の成膜工程と、形成された該シリコン層上に、水素希
釈率2〜100で微結晶相を有するシリコン層を形成す
る第2の成膜工程とを包含しており、そのことによって
上記目的が達成される。 【0019】 【0020】 【0021】 【0022】 【0023】 【0024】 【0025】 【0026】 【0027】 【0028】 【0029】 【0030】 【作用】本発明のTFTでは、微結晶相を有するシリコ
ン膜を非常に薄く形成し、これを半導体膜として用い
る。この微結晶相を有するシリコン膜、即ちμc−Si
膜は、a−Si膜の形成と、a−Si膜への水素プラズ
マ処理とを繰り返すことにより形成される。また、ま
ず、水素希釈率200以上の条件でシリコン膜を形成
し、水素希釈率を2〜100に変更して、先に形成した
シリコン膜上で正膜を続けることによっても形成するこ
とができる。 【0031】このようにして形成したμc−Si膜をT
FTの半導体膜として用いると、a−Si膜からなる半
導体膜と比べて電界効果移動度が大きいために、TFT
の御電流が向上する。また、成膜にはRF−CVD装置
を用いるため、低温でμc−Si膜が形成される。よっ
て、ガラス基板を使用することができ大面積の基板にT
FTを形成することができる。 【0032】 【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を説明
する。 【0033】(実施例1)まず、μc−Si膜の形成工
程について以下に説明する。 【0034】この工程においては、通常のRF−PCV
D装置ではなく、図1に示すようなRF−PCVD成膜
装置を用いる。この成膜装置は、通常のRF−PCVD
装置の構成に加え、水素ガス導入ライン1と原料ガス導
入ライン2の2つのガス導入ラインを備える。 【0035】この装置では、原料ガス導入ライン2の圧
空バルブ3が開状態で、圧空バルブ4が閉状態のときに
は、水素ガスと共に原料ガスも反応室30に導入され
る。逆に、圧空バルブ3が閉状態で、圧空バルブ4が開
状態のときには、原料ガスは、直接排気ポンプ5により
排出され、反応室30に導入されるのは水素ガスのみで
ある。圧空バルブ3及び4は、タイマ31に接続された
制御装置32によって制御される。その制御により、圧
空バルブ3及び4は、ある設定時間は原料ガスと水素ガ
スの両方が反応室30に導入され、その導入に続いて、
ある設定時間は水素ガスのみが反応室30に導入される
ように開閉する。 【0036】図1に示すRF−PCVD成膜装置におい
て、アノード電極6とカソード電極7との間には、高周
波電源8によって電力が供給され、プラズマ9が発生す
る。原料ガス及び水素ガスが反応室30に導入されてい
る間には、原料ガス、水素ガス共にプラズマ9中で分解
され、基板10上にa−Si膜が形成される。また、水
素ガスのみが導入されている間には、基板10上に形成
されたa−Si膜が水素プラズマ処理される。このよう
なa−Si膜の形成と水素プラズマ処理とを繰り返すこ
とにより、所望の厚さのμc−Si膜を得ることができ
る。 【0037】本実施例におけるμc−Si膜の形成を、
以下に、より詳細に説明する。まず、図1に示すRF−
PCVD装置の原料導入ライン2から、原料ガスとして
モノシラン(SiH4)1sccm、並びにドーピング
ガスとしてガスドーピング比1%のジボラン(B26
を反応室30に導入した。同時に、水素ガス導入ライン
1から水素(H2)100sccmを反応室30に導入
し、基板温度を300℃、RFパワー密度を1W/cm
2、圧力を100Paとする条件下で、基板10上に1
0オングストロームのSi膜を形成した。続いて、圧空
バルブ3を閉状態に、圧空バルブ4を開状態に切り替え
て原料ガスの導入を停止し、H2100sccmのみを
導入して、先に形成されたSi膜に水素プラズマ処理を
行った。このようなSi膜の形成と水素プラズマ処理か
らなるサイクルを繰り返して、最終的に膜厚500オン
グストロームのSi膜を形成した。 【0038】図2に、1サイクルにおいて水素プラズマ
処理が行われる時間と、上述のようにして形成されたシ
リコン膜の暗導電率との関係を示す。ここでは、200
Wの電力を供給した。この図から、水素プラズマ処理を
1サイクルあたり50秒程度行うことにより、シリコン
膜の暗導電率は約7桁程度急激に上昇し、1×10-3
/cm以上の暗導電率が得られることがわかる。このこ
とは、非常に薄い膜中では、50秒程度の水素プラズマ
処理によって結晶構造が変化し、従来の連続成膜では微
結晶化が困難であった成膜開始から500オングストロ
ーム以内の領域においても、シリコン膜が微結晶化され
ていることを示している。 【0039】本実施例では、1サイクルにつきSi膜を
10オングストローム形成したが、上述のように水素プ
ラズマ処理により膜の結晶構造を変化させる場合の膜厚
は1〜1000オングストローム、好ましくは、5〜1
00オングストロームであればよい。 【0040】上述したサイクルを繰り返すことにより形
成されたμc−Si膜における結合水素量を、赤外吸収
スペクトル法により定量したところ、通常のa−Si膜
における結合水素量は13〜20原子%であるのに対
し、4〜10原子%となった。これは、μc−Si膜中
に混在するa−Siと結晶Siのうち、結晶Siの結合
水素量がほぼ0%となるためである。 【0041】さらに、上述のようにして形成された膜の
組成分析を行い、また、この膜を反射電子線回折及びラ
マン分光法によって分析した。この結果、上述のように
して形成された膜が微結晶相を含むシリコン膜であるこ
とを確認した。 【0042】このμc−Si膜のラマンスペクトルを、
480cm-1付近のa−Siに特有のブロードなピーク
と、520cm-1の結晶Siのピーク、すなわちSi−
Si結合のシャープなピークとに分割して、これらの積
分強度比からこのμc−Si膜における結晶Siの比率
を表す結晶体積分率を測定した。この結果、通常のCV
D法により通常のa−Si膜成膜条件の下で形成したa
−Si膜、及び前述したように水素プラズマ処理を行わ
ずにP−CVD法により500μm以下の厚さに形成さ
れたシリコン膜では結晶体積分率が0%であるのに対
し、上述のように高RF電力、高水素希釈率でのa−S
i膜の形成と水素プラズマ処理とを繰り返して形成され
たμc−Si膜においては結晶体積分率が10%以上と
なり、最高では70%のμc−Si膜が得られた。 【0043】上述の方法では、a−Si膜を形成する際
に、ドーピングガスとしてジボラン(B26)を用いる
ことによりp型のμc−Si膜を形成したが、ジボラン
(B26)に代えてホスフィン(PH3)ガスを用いる
ことにより、n型のμc−Si膜を形成することができ
る。また、ドーピングガスを用いなければ、i型のμc
−Si膜が得られる。このi型のμc−Si膜の導電率
は5×10-9S/cm以上である。 【0044】上述の文献(1)では、H2がシリコン膜
の微結晶化に及ぼす影響を解析するために、水素プラズ
マ処理の終了後、ある程度の時間が経ってから次のシリ
コン膜の形成を開始している。このため、文献(1)の
方法ではスループットが低下する。これに対して、本実
施例の方法によると、a−Si膜の形成と水素プラズマ
処理との間に時間をおかずに行うので、スループットが
低下することはない。 【0045】また、上述の文献(1)では、SiH4
2の導入を切り替えて、a−Si膜形成時にはSiH4
のみを、水素プラズマ処理時にはH2のみを反応室に導
入するために、反応室内の圧力変動が大きくなってしま
うという問題がある。しかし、本実施例では、通常のR
F−PCVD装置に水素ガス導入ライン1、原料ガス導
入ライン2を設け、原料ガス導入ライン2のバルブ3、
4の開閉をタイマ31に接続されている制御装置32に
よって制御するので、原料ガスの導入のみを停止させる
ことが可能になる。これにより、反応室30に導入され
る原料ガス、水素ガスの総流量は、a−Si膜形成時と
水素プラズマ処理時とでは1%程度しか変化せず、反応
室30内の圧力変動を抑えることができる。 【0046】(実施例2)成膜開始時点から微結晶相を
含んだシリコン膜を形成する他の方法について以下に説
明する。 【0047】まず、RF−PCVD装置の反応室にSi
4を含む原料ガスと水素ガスとを導入し、水素希釈率
2 /SiH 4 比)200以上、パワー密度0.03〜
1.5W/cm2(好ましくは0.1〜0.3W/c
2)の条件で、シリコン膜を約100オングストロー
ム形成する。その後、水素希釈率が2〜100になるよ
うに水素ガス流量を変更し、パワー密度0.03〜1.
5W/cm2の条件で、先に形成したシリコン膜上でシ
リコン膜の形成を行う。 【0048】本実施例では、最初に、SiH4の流量を
1sccm、H2の流量を1000sccmとし、パワ
ー密度1W/cm2、基板温度300℃、圧力100P
aの条件でシリコン膜を約100オングストローム形成
した。続いて、H2の流量を70sccmに変更して、
先に形成したシリコン膜の上で、シリコン膜を形成し、
最終的に膜厚100オングストロームのシリコン膜を形
成した。 【0049】上述のようにして形成したシリコン膜を、
実施例1と同じように赤外吸収スペクトル法、反射電子
線回折、ラマン分光法等によって解析したところ、この
シリコン膜がμc−Si膜であることが確認された。こ
のμc−Si膜の結合水素量は0原子%、結晶体積分率
は30%以上となった。また、このi型μc−Si膜の
暗導電率を測定したところ2×10ー8S/cm以上とな
り、上述の方法によって非常に良好な暗導電率が得られ
た。 【0050】本実施例では、まず、水素希釈率を200
以上と非常に高くしてシリコン膜の形成を行うため、成
膜速度は0.05オングストローム/sec以下と非常
に遅くなるが、成膜開始から約100オングストローム
以下のところからμc−Si膜を得ることができる。こ
のように、最初に、非常に高い水素希釈率で、成膜開始
から約100オングストロームのところまでμc−Si
膜を形成するため、続いて形成されるシリコン膜も、先
に形成されたμc−Si膜の影響を受けて微結晶相を含
むものとなる。また、μc−Si膜が成膜開始から約1
00オングストローム形成されたところで水素希釈率を
2〜100に変更するため、成膜速度も0.2〜0.3
オングストローム/secに上げることができる。この
ようにして、成膜開始から100オングストローム以下
より微結晶化されたシリコン膜を、所望の厚さに形成す
ることができる。 【0051】図3に、上述の実施例1に示す方法により
半導体膜が形成されたTFTを備えている液晶表示装置
の要部を示す。 【0052】この液晶表示装置は、ガラス基板11の上
に、ゲート電極12が形成され、ゲート電極12の表面
には陽極酸化膜13が形成されている。このような状態
の基板11全面を覆ってゲート絶縁膜14が形成されて
いる。ゲート絶縁膜14の上でゲート電極12と重畳す
るように、p型μc−Si半導体層15が形成されてい
る。半導体層15上の中央部には、エッチングストッパ
16が形成され、エッチングストッパ16の端部と半導
体層15の一部とを覆って、エッチングストッパ16上
で分断された状態で、ソース薄膜17aおよびドレイン
薄膜17bが形成されている。 【0053】ソース薄膜17a上にはソース電極18a
が形成され、ドレイン薄膜17b上にはドレイン電極1
8bが形成されている。ソース電極の上には保護膜20
aが形成され、ドレイン電極18bの上には絵素電極2
0bが形成され、さらに、最上層として基板11全面を
覆って、保護膜21が形成されている。 【0054】上述するような液晶表示装置は、以下のよ
うにして作製される。 【0055】まず、ガラス基板11上にスパッタリング
により、厚み約300nmにタンタル(Ta)薄膜を形
成し、それをホトリソグラフィーとエッチングによりパ
ターンニングして、ゲート電極12を形成する。その
後、その状態の基板11を酒石酸アンモニウム溶液中に
浸漬し、外部より電流を流して陽極酸化する。これによ
り、ゲート電極12上に厚み300nmの陽極酸化絶縁
膜13が形成される。 【0056】次に、図4に示すような、インライン式C
VD装置を用いて、窒化シリコン(Si34)膜14、
μc−Si膜15及びエッチングストッパ16用のSi
34膜を形成する。まず、ロード室22からガラス基板
11をSiN4成膜室23に搬入し、SiN4成膜室にお
いて、モノシラン(SiH4)、アンモニア(NH3)及
び水素(H2)を導入してプラズマ放電する。これによ
り、300nmの厚さのSi34ゲート絶縁膜14が形
成される。 【0057】次に、ガラス基板11をμc−Si成膜室
24に搬入し、先に形成したゲート絶縁膜14上にμc
−Si膜15を形成する。形成条件は、原料ガスとして
モノシラン(SiH4)1sccm、ドーピングガスと
してガスドーピング比1%のジボラン(B26)を用
い、水素(H2)の流量を100sccmとし、パワー
密度は0.7W/cm2、基板温度は300℃、圧力は
100Paとした。このような条件の下で、まず、1サ
イクル当り20オングストロームのa−Si膜を成長さ
せる。続いて、パワー密度0.7W/cm2の電力を印
加して、水素プラズマ処理を50秒程度行う。このよう
なa−Si膜の形成と水素プラズマ処理とを繰り返し
て、膜厚300オングストロームのp型μc−Si膜1
5を形成する。 【0058】その後、ガラス基板11をSi34成膜室
25に搬入し、成膜室25にモノシラン(SiH4)、
アンモニア(NH3)および水素(H2)を導入し、プラ
ズマ放電により厚み300nmのSi34膜をμc−S
i膜15上に形成する。Si34膜の形成が完了する
と、ガラス基板11をアンロード室26より搬出し、S
34膜をパターニングして、エッチングストッパ16
とする。続いて、CVD法などによりn+−ドープSi
膜を形成し、パターニングして、ソース薄膜17a、ド
レイン薄膜17bとする。 【0059】次に、スパッタリング法により、チタン
(Ti)を厚み約300nmに積層し、パターニングし
てソース電極18aおよびドレイン電極18bを形成す
る。ここでは、チャネル長を10μm、チャネル幅を4
0μmとして形成した。 【0060】その後、錫(Sn)5%を含む酸化インジ
ウムのターゲットを用いて、酸素雰囲気下でスパッタリ
ングして、酸化インジウムを厚さ約70nmに形成し、
パターニングすることにより、ソース電極18a上には
保護膜20aを、ドレイン電極18b上には絵素電極2
0bを形成した。そして、Si34膜を330nmの厚
さに形成し、パターニングして保護膜21を形成した。 【0061】以上により、図3に示すようなTFTを有
する液晶表示装置の一方の基板11が形成される。 【0062】この状態で、上述するような方法で形成し
たTFTの特性を測定すると、ゲート電圧10Vを印加
した際のオン電流は、1.5×10-6A以上であり、半
導体膜としてa−Si膜を用いた場合の1.5倍の値と
することができた。 【0063】その後、カラーフィルターとブラックマト
リックス、さらにITO電極を形成した液晶表示装置の
他方の基板であるガラス板を、上記の一方の基板である
ガラス基板11と隙間を設けて貼り合わせ、その隙間に
液晶を注入する。そして、これらの基板に偏光板を貼り
付け、バックライトを取り付けることにより液晶表示装
置を作製する。 【0064】以上のように、上述する方法によると、T
FTのオン電流を向上することができるので、従来は困
難であった16インチの1280×3×1024の絵素
をもつエンジニアリングワークステーション用の液晶表
示装置を作製することができるようになる。 【0065】また、TFTの半導体膜を低温で形成する
ことができるので、基板として安価なガラス基板を用い
ることができる。 【0066】上記実施例においては、TFTの半導体膜
としてp型のμc−Si膜を用いた例について述べた
が、本発明はこれに限られず、i型またはn型のμc−
Si膜を用いることもできる。 【0067】また、ここでは、TFTの半導体膜となる
μc−Si膜を、実施例1に示す方法により形成した
が、実施例2に示す方法によって形成してもよい。 【0068】上記実施例では、逆スタガ構造のTFTを
用いて説明したが、スタガ構造のTFTでも同様の効果
が得られる。 【0069】 【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
よれば、成膜開始から500オングストローム以内のと
ころから微結晶相を含むシリコン膜を形成することがで
きる。従って、このようなシリコン膜をTFTの半導体
膜として用いることにより、電界効果移動度の優れたT
FTを、大型基板上に大量に、しかも安価に形成するこ
とができる。よって、エンジニアリングワークステーシ
ョン用に用いられる大型化・高精細化された液晶表示装
置を実現することができる。 【0070】また、通常のRF−PCVD装置に、反応
室に水素ガスを導入するためのラインと原料ガスを導入
するためのラインとを独立に設け、原料ガス導入ライン
に設けられたバルブの開閉を制御することにより原料ガ
スの導入のみを停止させることができるため、反応室の
圧力変動を極力抑えることができる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明に用いられる水素プラズマ処理が可能な
RF−PCVD装置の一例を示す図である。 【図2】水素プラズマ処理時間に対するシリコン膜の暗
導電率の変化を示す図である。 【図3】本発明の一実施例である液晶表示装置の要部断
面図である。 【図4】本発明に用いられるインラインCVD装置の図
である。 【符号の説明】 1 水素ガスライン 2 原料ガスライン 3、4 圧空バルブ 5 排気ポンプ 8 高周波電源 9 プラズマ 10 基板 11 ガラス基板 12 ゲート電極 14 ゲート絶縁膜 15 μc−Si半導体膜 18a ソース電極 18b ドレイン電極 31 タイマ 32 制御装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−266019(JP,A) 特開 平3−219622(JP,A) Jpn.J.Appl.Phys.V ol.31(1992)Part 1,No. 68,June 1992p.1948−1952

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 水素希釈率200以上で100オングス
    トローム以下の厚さの微結晶相を含むシリコン層を形成
    する第1の成膜工程と、 形成された該シリコン層上に、水素希釈率2〜100で
    微結晶相を有するシリコン層を形成する第2の成膜工程
    とを包含する半導体膜の製造方法。
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