JP4489750B2 - シリコン膜の作製方法、半導体装置の作製方法及び光電変換装置の作製方法 - Google Patents

シリコン膜の作製方法、半導体装置の作製方法及び光電変換装置の作製方法 Download PDF

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Description

本明細書で開示する発明は、太陽電池や薄膜トランジスタの構成材料に用いられる微結晶シリコン膜、および微結晶シリコン膜の作製方法に関するものである。
従来より、非晶質シリコンと結晶シリコンとの中間的な性質を示す材料として微結晶シリコンが知られている。微結晶シリコンの作製方法は、例えば特公平3−8102号公報や特開昭57−67020号公報に示されているように、シランガスと水素ガスを用い、この混合ガスをグロー放電分解し、基板上に微結晶シリコン膜を堆積させるプラズマCVD法が知られている。この方法で微結晶シリコン膜を作製するには、被膜が形成される反応空間に供給される前記混合ガスのシランガスに対する水素ガスの割合を数十から数百倍にするとともに、高密度の電力を投入してグロー放電を発生させることに特徴がある。またこの時、価電子制御を目的として前記混合ガス中にジボランやフォスフィン等のガスを添加すると、ドーピングが効率良く行われ、非晶質シリコンでは実現できない高い電気伝導度を得ることが可能となる。従って、微結晶シリコン膜は太陽電池や薄膜トランジスタを構成するP型やN型に価電子制御されたドープ層にしばしば適用されている。
特公平3−8102号公報 特開昭57−67020号公報
微結晶シリコン膜の作製においては、原料のシランガスが希釈されているので、成膜速度はシランガスの供給量でほぼ決まり、非晶質シリコン膜の成膜速度に比べ低下してしまう。その成膜速度は、およそ0.01nm/secから0.1nm/secの範囲である。この範囲以下の成膜速度では実用的でなく、またこれ以上の成膜速度では微結晶シリコン膜は形成されない。
成膜速度を速くするには、シランガスの濃度を高めたり、投入放電電力を高めたりする技術が考えられる。しかし、微結晶シリコン膜が形成される条件は範囲が限られており、その条件から外れると形成される膜の結晶粒径は小さくなってしまう。また、結晶密度が低下して良質な微結晶シリコン膜を得ることが出来なくなってしまう。
また、微結晶シリコン膜は成膜時にジボランやフォスフィン等のドーピングガスを同時に添加することで、価電子制御が可能となりP型やN型の導電性の膜を得ることができるが、これらドーピングガスの内、特にジボランを添加した場合には、微結晶化がなされにくいという経験的な事実がある。
微結晶シリコン膜はしばしば太陽電池のP型層やN型層として応用されているが、通常その厚さは光吸収損失を低減させる目的から、10nmから厚くても50nm程度とされていた。しかし、このような膜厚の場合、微結晶シリコン膜は下地の材料との相互作用により、微結晶化が十分成されないことが問題となる。
例えば、PIN接合を有する太陽電池を作製する場合には、I型の非晶質シリコン膜上に10nm程度のP型層を堆積して、いわゆるヘテロ接合を形成するわけであるが、非晶質膜上に微結晶の膜を堆積すると、格子歪みが発生し、堆積初期段階の領域は十分に微結晶化せず非晶質成分が支配的となってしまう。従って、従来技術によって作製された太陽電池の微結晶シリコン層は、必ずしも十分な特性を有してはいなかった。
また、PIN接合のすべてを微結晶シリコンで作製する太陽電池も作製可能ではあるが、微結晶シリコン膜の光学的特性との関係から、I型層の膜厚は少なくとも1000nm程度好ましくはそれ以上必要とされる。しかし、そもそも微結晶シリコン膜の成膜速度が遅いのでこのような構成は実用的ではない。例えば、微結晶シリコン膜の代表的な成膜速度である0.03nm/secの成膜条件を使用した場合、1000nmの厚さの膜を堆積するためには9時間以上の時間が必要となってしまいその実用性は大きく低下する。
従って、上記の課題を解決するために、本明細書で開示する発明では、結晶性の優れた良質な微結晶シリコン膜を作製すると共に、微結晶シリコン膜の成膜速度の向上を課題とる。また、本明細書で開示する発明では、太陽電池のP型層やN型層、または薄膜トランジスタ等の薄膜素子において結晶性の良好な微結晶シリコン膜を作製することを課題とする。
本明細書で開示する発明は、上記課題を解決するための手段として、従来のプラズマCVD法を用い、従来以上の良質な微結晶シリコン膜を作製する為に、膜の微結晶化を促進させる手段として、成膜時に珪素の結晶化を助長する金属元素を添加する。
上記金属元素としては、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Pt、Cu、Auから選ばれた一種または複数種類の元素を利用することができる。特にNiを利用することはその効果の高さと再現性の高さとから非常に好ましいものとなる。
上記の金属元素を利用することにより、微結晶化が容易に進行し、さらに成膜速度を向上させることができる。その結果、10nm程度の薄膜においても結晶性の優れた良質な微結晶シリコン膜を得ることができる。
金属元素としてニッケルを利用する場合、ニッケルを主成分とする化合物の気体を従来のプラズマCVD法の技術を使用して、原料ガス中に同時に添加することで、堆積される膜中に添加する。その濃度は5×1016cm-3〜5×1019cm-3の濃度が適当である。この濃度範囲よりも少ない場合は、顕著な効果は観測されず、また多い場合には膜の特性はかえって悪化する。
また、ニッケルを添加するための、他の方法としては、やはり同様に従来のプラズマCVD法を基本として、さらにグロー放電が形成される空間にニッケル等の金属元素によるフィラメントを設け、成膜中に高温に加熱することで、膜中に添加することも可能である。
本明細書で開示する発明は、一般に称される太陽電池のみではなく、原理的には同様な機能を有する光電変換装置、即ち、光を電気エネルギーに変換する機能を有する光センサー等の光電変換装置に利用することができる。
以上の説明から明らかなように、本明細書に開示する発明によれば、微結晶シリコン膜をプラズマCVD法で堆積させる時、反応ガス中にシリコンの微結晶化を促進させる金属元素を同時に添加させることにより、金属元素が結晶成長の核となり、この金属元素が添加されない場合に比べ微結晶シリコン膜を容易に作製することができる。
即ち、金属元素が微結晶の成長の核となることにより、従来の成膜法とくらべ、成膜速度を速くすることが可能となる。また、触媒元素が微結晶の成長の核となることにより、膜堆積時の最初から微結晶化がなされ、10nm程度の薄膜においても良質な微結晶膜が得られる。
微結晶性が向上することにより、微結晶シリコン膜の電気的特性が向上し、P型やN型に価電子制御された膜に対し、ドーピングが効果的に行われ、従来よりも低抵抗の膜を得ることができる。
このような特徴は、太陽電池や薄膜トランジスタのP型層やN型層に使用することによって、素子の特性を向上させることができる。例えば、PIN接合を有する太陽電池の光入射側の層では、その厚さを10nm程度とするが、従来の技術では十分結晶化せず、開放電圧を低下させていたのに対し、本明細書で開示する発明の微結晶シリコン膜を用いることで、微結晶性が改善され、開放電圧が向上する。このような効果により、太陽電池の光入射側に形成される窓層の厚さを十分薄くすることが可能となる。
(作用)
微結晶シリコン膜をプラズマCVD法で堆積する時、反応ガス中にシリコンの微結晶化を促進する金属元素を同時に添加することにより、当該金属元素が結晶成長の核となり、当該金属元素が添加されない場合に比べ微結晶化が容易に進行する。さらに微結晶化は堆積された膜の初期の極めて薄い段階から起こる。そして金属元素が結晶成長の核となることにより、微結晶シリコン膜の成膜速度を速くすることが容易となる。
結晶性が向上することは、膜の電気的特性に対し、例えばP型やN型に価電子制御された膜では、ドーピングが効果的になされ、従来よりも低抵抗の膜の作製が可能となる。さらに従来の膜と同程度の電気的特性がより薄い膜厚で実現できる。
さらにこのような特徴は、太陽電池のP型層やN型層として使用される微結晶シリコン膜に対して効果的に作用する。通常これらのドープ層は10nmからせいぜい50nmの厚さで形成されるが、このような厚さでは従来十分結晶化しなかったのに対し、本明細書で開示する発明の方法に従えば、結晶性が大きく改善される。このような効果により、太陽電池の光入射側に形成されるP型またはN型の微結晶シリコン層に対してはその厚さを十分薄くすることが可能となる。
本実施例は、微結晶シリコン膜をガラス基板上に作製する例について示す。ここでは微結晶シリコン膜を作製するための装置として、図1に示す従来から良く知られた容量結合型のプラズマCVD装置を利用する。
なお微結晶シリコン膜を作製するための装置としては、誘導結合型の装置やマイクロ波CVD装置やECR−CVD装置を用いることも可能である。
図1に示すプラズマCVD装置は反応室101、真空排気手段102、ガス供給手段103、珪素の結晶化を助長する金属元素の供給源108、グロー放電発生手段104(高周波電源)、基板加熱手段105(ヒーター電源)が設けられている。基板106はグロー放電発生手段104のアノード電極側に設置され、基板加熱手段105により室温から300℃の温度に加熱される。
グロー放電発生手段104(高周波電源)から供給される電力は、通常13.56MHzの高周波が利用される。しかし、さらに高い周波数を利用してもよい。
微結晶シリコン膜の作製に用いるガスは、シランガスと水素ガスと金属元素となるニッケルのソースガスとを混合したものを用いる。ニッケルのソースガスとしては、ビスメチルシクロベンタジェニルニッケル(以下Bis−Niと記す)を用いる。また、シランガスの替わりにジシランガスや四フッ化シリコンガス等を用いることも可能である。さらに、ジボランやフォスフィンを添加することでP型やN型の微結晶シリコン膜を作製することも可能である。
微結晶シリコン膜の作製は、プラズマCVD法で通常行われるプロセスが適用可能であり、真空排気、基板加熱、原料ガスの供給、グロー放電の発生といった工程により行われる。
Bis−Niは専用の容器に入れられ、反応室に供給するために温度を約40℃に加熱する。この時Bis−Niの飽和蒸気圧は約0.05mmHgである。またBis−Niの反応室への供給量を制御するために、キャリアガスに水素を用いる。この水素は、前記容器中の圧力を2kgf/cm2 として、マスフローコントローラーを介して反応室へ供給する。
膜を堆積する基板にはコーニング社の#7059ガラス基板を用いる。基板106は接地されたアノード電極にセットする。成膜時の基板温度は80℃〜300℃の範囲で行う。この基板温度は、好ましくは100℃〜160℃とする。
なお、基板の加熱温度を100℃程度またはそれ以下とすると、基板としてPETフィルムに代表される樹脂材料を用いることができる。即ち、樹脂材料上に本明細書で開示する微結晶シリコン膜を成膜することができる。
反応ガスは純水素ガスを100SCCM、Bis−Niの蒸気が混合された水素ガスを100SCCM、シランガスを5SCCM導入し、反応空間における圧力を0.1Torrに保持する。
P型やN型へのドーピングはシランガスに対して0.2〜5%の割合でジボランガスやフォスフィンガスを添加することで行うことができる。放電は通常用いられる13.56MHzの高周波電源を用い、50Wの電力を投入して行う。
放電は90分間行うことにより、500nmの厚さの膜が得られる。従って、成膜速度は0.12nm/secとなる。これは従来の2倍から5倍の速度である。
以上のようにして、微結晶シリコン膜が作製される。得られた膜の結晶性についてはラマン分光法により調べると、結晶シリコンによる520cm-1のピークと、非晶質シリコンに起因する480cm-1のピークの2つが観測され、この膜が微結晶シリコンであることが確認される。
結晶性の良さはこの2つのピーク強度比をとることにより比較することができる。本方法で得られた膜は10:1の強度比が得られる。なお比較の為に測定した従来の成膜法で得られた強度比は2:1から良くても7:1程度である。
また膜中に取り込まれたニッケルの濃度を2次イオン質量分析法により測定すると、膜の厚さ方向に対して8×1017cm-3のニッケルが含有していることが観測された。
膜中に含まれるニッケルの濃度は5×1016cm-3〜5×1019cm-3が好ましい。即ち、この範囲以上の濃度では膜の微結晶性はかえって悪化する。またこれ以下の濃度ではニッケル添加による効果は観測されない。または、その効果が顕著に小さいものとなる。
またこのときニッケルのガスソースに含まれる炭素の存在も確認されるが、その濃度は6×1018cm-3である。これは、なにも添加されていない従来の微結晶シリコン膜の2倍程度の値であり、膜の特性を損なう濃度レベルではない。
本実施例では微結晶シリコン膜をガラス基板上に作製した例について示したが、このガラス基板上に形成される微結晶シリコン膜は、太陽電池や薄膜トランジスタ等の薄膜素子に適用することが可能である。
本実施例は、微結晶シリコン膜の形成に際し、プラズマCVD法で成膜時にニッケルを添加するためにニッケルフィラメントを用いた例について示す。この装置の構成を図2に示す。
図2に示すのは、従来の容量結合型のプラズマCVD装置のアノードとカソードの2つの電極間にニッケルフィラメントを設け、成膜時に電流を流し加熱させて微量のニッケルの蒸気を放出させるものである。
図2において、反応室201はロータリーポンプ、ターボ分子ポンプを併用した排気手段202により真空排気される。ガラス基板206は基板加熱手段205により加熱される。微結晶シリコン膜の作製において基板温度は80℃〜300℃の範囲で作製可能であるが、本実施例では120℃とする。
また水素ガスをガス導入手段203により反応室201に導入し、排気手段202に設けられたコンダクタンスバルブにより反応圧力を0.01Torrから10Torrの範囲で制御する。本実施例では代表的な値として1.0Torrとした。その状態でニッケルフィラメント207に電流を流し加熱する。ニッケルフィラメントは太さ1mmのものを用いる。
ニッケルフィラメントの温度は電流により制御し、色温度計を用いて温度測定をする。ニッケルフィラメントの温度は、ニッケルの融点が1455℃であることからそれ以下の温度が望ましく、700℃から1400℃の範囲で制御する。但し、温度が低い場合にはニッケルフィラメントの表面に膜の堆積が起こり、長時間の使用は困難となる。フィラメントの温度が1300℃以上の場合にはやはり膜の堆積は起こるもののその傾向は穏やかなものとなる。
このことから、ニッケルフィラメントの温度は1350℃程度が妥当であると判断される。この状態でシランガスを導入し、放電発生手段205によりグロー放電を発生させ膜の堆積を行う。ガスの流量はシランガスが5SCCMであり、水素ガスを200SCCMとして1.0Torrの圧力に制御する。放電電力は50Wの電力を投入する。成膜時間は90分であり、500nmの厚さの膜が堆積される。
以上のようにして、微結晶シリコン膜が作製される。この微結晶シリコン膜の結晶性について、ラマン分光法により調べたところ結晶シリコンによる520cm-1のピークと、非晶質シリコンに起因する480cm-1のピークの2つが観測される。結晶性の良さは相対的にこの2つのピーク強度比をとることにより比較することができる。ここでは、この2つのピーク強度比は10:1程度得られる。
比較のために測定した従来の成膜法で得られた微結晶シリコン膜では、その強度比は2:1から良くても7:1程度となる。
また、膜中に取り込まれたニッケルの濃度を2次イオン質量分析法により測定すると、膜の厚さ方向に対して8×1017cm-3のニッケルの濃度が観測される。膜中に含まれるニッケルの濃度は、5×1016cm-3〜5×1019cm-3が好ましく、この範囲以上の濃度では膜の微結晶性はかえって悪化し、またこれ以下の濃度ではニッケル添加による効果が低いものとなる。
ここでは、微結晶シリコン膜をガラス基板上に作製した例について示したが、この技術はその他の応用として太陽電池や薄膜トランジスタ等の薄膜素子に適用することが可能である。
本実施例では、微結晶シリコン膜を薄膜トランジスタに応用した例について示す。本実施例ではトップゲート型の構造について示すが、ボトムゲート型の構造においても当然適用できるものである。
本実施例では薄膜トランジスタを作製する基板301には安価なソーダガラスを用いる。このガラス基板上に公知のプラズマCVD法でI型の非晶質シリコン膜302を200nmの厚さに形成する。そしてフォトリソグラフィーの技術を用いてアイランド状に形成する。
次に実施例1に示す方法を利用して、N型の微結晶シリコン膜を全面に形成する。微結晶シリコン膜の作製に用いたガスはシランガスと水素ガスと触媒元素となるニッケルのソースガスとを混合したものである。
ニッケルのソースガスは、ビスメチルシクロベンタジェニルニッケル(以下Bis−Niと記す)を用いる。また、シランガスの替わりにジシランガスや四フッ化シリコンガス等を用いることも可能である。さらにフォスフィンをシランに対して1%添加しN型にドーピングする。
Bis−Niは専用の容器に入れられ、反応室に供給するために温度を約40℃に加熱する。このときBis−Niの飽和蒸気圧は約0.05mmHgとなる。Bis−Niの反応室への供給量を制御するたに、キャリアガスに水素を用いる。
成膜時の基板温度は80℃〜300℃の範囲で制御する。この基板温度は、好ましくは100℃〜160℃とする。使用した反応ガスの供給量は純水素ガスを100SCCM、Bis−Niの蒸気が混合された水素ガスを100SCCM、1%のフォスフィンが添加されたシランガスを5SCCM導入する。反応圧力は、0.1Torrとする。
放電は通常用いられる13.56MHzの高周波電源を用い、50Wの電力を投入して行う。堆積する膜の厚さは50nmとする。そしてフォトリソグラフィーの技術を用いソース領域303、ドレイン領域304を残すようにパターニングを行う。
次にゲイト絶縁膜305として酸化シリコン膜をスパッタリング法により100nmの厚さに堆積する。スパッタリングにはターゲットとして純度99.99%の酸化シリコンを用い、スパッタリング時の基板温度は80〜300℃、例えば150℃とする。
スパッタリング雰囲気は酸素とアルゴンで、アルゴン/酸素=0〜0.5、例えば0.1以下とする。そしてソース、ドレイン領域にそれぞれコンタクトホールを形成し、ゲイト電極306、ソース電極307、ドレイン電極308を金属材料、例えばAlや窒化チタンとAlの多層膜により形成し、薄膜トランジスタを完成させる。
本実施例は、微結晶シリコン膜をPIN接合を有する太陽電池に応用した例について示す。太陽電池の断面構造を図4に示す。太陽電池は、基板401上に金属電極402、N型微結晶シリコン層403、真性または実質的に真性な非晶質シリコン層404、P型微結晶シリコン層405、透明電極406が積層された構造となっている。基板401はソーダガラスやその他の材料としてステンレス等の金属板やプラスチックフィルム等も適用できる。裏面電極402はアルミニウムや銀等の金属が好ましく、3000Åの厚さに形成する。
さらにこのような金属上にクロムやステンレス、または酸化亜鉛等の金属が数nmの厚さで形成されているとさらに良好な特性が得られる。
PIN層は従来のプラズマCVD装置を用いて作製する。PIN層は金属電極側からN型微結晶シリコン、I型非晶質シリコン、P型微結晶シリコンの順で堆積する。それぞれの層の厚さは30nm、500nm、10nmとする。しかし、これらの膜厚は特に限定されるものではない。微結晶シリコン膜の成膜にあたっては、微結晶化を促進するための触媒元素としてニッケルをガス中に添加する。ニッケルを効果的に添加するためにビスメチルシクロベンタジェニルニッケル(Bis−Ni)を用いる。
Bis−Niは専用の容器に入れられ、反応室に供給するために温度を約40℃に加熱する。このときBis−Niの飽和蒸気圧は約0.05mmHgである。Bis−Niの反応室への供給量を制御するたに、キャリアガスに水素を用いる。前記容器中の水素の圧力を2kgf/cm2 として、マスフローコントローラーを介して反応室へ供給する。
成膜時の基板温度は80℃〜300℃の範囲で行う。この基板温度は、好ましくは100℃〜160℃とする。使用する反応ガスの供給量は純水素ガスを100SCCM、Bis−Niの蒸気が混合された水素ガスを100SCCMとし、P型層の場合にはジボランガス、またN型層の場合にはフォスフィンガスを1%添加したシランガスを5SCCM導入し1.0Torrの圧力に保持して行う。
放電は通常用いられる13.56MHzの高周波電源を用い、50Wの電力を投入して行う。また、I型の非晶質シリコン層は純シランガスを用い1.0Torr、20Wの条件で堆積する。最後に光入射側の透明電極を公知のスパッタリング法を用いITO膜を60nmの厚さに成膜して太陽電池とする。
このようにして得られる、本明細書で開示する微結晶シリコン膜を用いた太陽電池は、同じ構造で作製した従来の太陽電池と比較して開放電圧が向上する。
例えば従来の太陽電池の開放電圧は0.86Vであったのに対し、本実施例の太陽電池では0.93Vが得られる。その結果従来に比べ変換効率が約8%向上する。
本実施例は、本明細書に開示する微結晶シリコン膜をPIN接合を有する太陽電池に応用した例について示す。太陽電池の断面構造を図4に示す。太陽電池は、基板401上に金属電極402、N型微結晶シリコン層403、真性微結晶シリコン層404、P型微結晶シリコン層405、透明電極406が積層された構造となっている。基板401はソーダガラスやその他の材料としてステンレス等の金属板やプラスチックフィルム等も適用できる。
裏面電極402はアルミニウムや銀等の金属が好ましく、3000Åの厚さに形成する。さらにこのような金属上にクロムやステンレス、または酸化亜鉛等の金属が数nmの厚さで形成されているとさらに良好な特性が得られた。
PIN層は従来のプラズマCVD装置を用いて作製する。PIN層は金属電極側からN型微結晶シリコン、I型微結晶シリコン、P型微結晶シリコンの順で堆積する。それぞれの層の厚さは30nm、1000nm、10nmとする。なお、これらの膜厚は特に限定されるものではない。
微結晶シリコン膜の成膜にあたっては、微結晶化を促進するための金属元素としてニッケルをガス中に添加する。ニッケルを効果的に添加するためにビスメチルシクロベンタジェニルニッケル(Bic−Ni)を用いる。
Bis−Niは専用の容器に入れられ、反応室に供給するために温度を約40℃に加熱する。この時Bis−Niの飽和蒸気圧は約0.05mmHgとする。Bis−Niの反応室への供給量を制御するために、キャリアガスに水素を用いる。成膜時の基板温度は80℃〜300℃の範囲で行うが、好ましくは100℃〜160℃とする。使用した反応ガスの供給量は純水素ガスを100SCCM、Bis−Niの蒸気が混合された水素ガスを100SCCMとし、P型層の場合にはジボランガス、またN型層の場合にはフォスフィンガスを1%の添加したシランガスを5SCCM導入する。また反応圧力は1.0Torrとする。
放電は通常用いられる13.56MHzの高周波電源を用い、50Wの電力を投入して行う。このときの成膜速度は0.12nm/secとなる。これは従来の成膜法に比べ約3.5倍となる。このように本明細書に開示する発明を利用すると、プロセスのスループットが大幅に向上させることができる。最後に光入射側の透明電極を公知のスパッタリング法を用いITO膜を60nmの厚さに成膜して太陽電池とする。
実施例1で用いたプラズマCVD装置を示す図 実施例2で用いたプラズマCVD装置を示す図 実施例3で作製した薄膜トランジスタの断面構造を示す図 実施例4、実施例5で作製した太陽電池の断面構造を示す図
符号の説明
101、201・・・反応室
102、202・・・排気手段
103、203・・・ガス供給手段
104、204・・・放電発生手段
105、205・・・基板加熱手段
106、206・・・基板
108・・・・・・・触媒元素供給源
207・・・・・・・ニッケルフィラメント及び加熱手段
301・・・・・・・基板
302・・・・・・・非晶質シリコン層
303・・・・・・・ソース領域
304・・・・・・・ドレイン領域
305・・・・・・・ゲート絶縁膜
306・・・・・・・ゲート電極
307・・・・・・・ソース電極
308・・・・・・・ドレイン電極
401・・・・・・・基板
402・・・・・・・金属電極
403・・・・・・・N型半導体層
404・・・・・・・真性半導体層
405・・・・・・・P型半導体層
406・・・・・・・透明電極

Claims (3)

  1. 反応室にシリコンを含む反応ガスと、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Pt、Cu、Auから選ばれた一種又は複数種類の元素が含まれた気体を、水素をキャリアガスとして導入し、プラズマCVD法により、微結晶シリコン膜を形成することを特徴とするシリコン膜の作製方法。
  2. 反応室にシリコンを含む反応ガスと、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Pt、Cu、Auから選ばれた一種又は複数種類の元素が含まれた気体を、水素をキャリアガスとして導入し、プラズマCVD法により、微結晶シリコン膜を形成し、
    前記微結晶シリコン膜を用いてトランジスタを形成することを特徴とする半導体装置の作製方法。
  3. 反応室にシリコンを含む反応ガスと、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Pt、Cu、Auから選ばれた一種又は複数種類の元素が含まれた気体を、水素をキャリアガスとして導入し、プラズマCVD法により、微結晶シリコン膜を形成し、
    前記微結晶シリコン膜を用いてPIN層を形成することを特徴とする光電変換装置の作製方法。
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