JPH0590157A - n型半導体薄膜 - Google Patents

n型半導体薄膜

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JPH0590157A
JPH0590157A JP3248860A JP24886091A JPH0590157A JP H0590157 A JPH0590157 A JP H0590157A JP 3248860 A JP3248860 A JP 3248860A JP 24886091 A JP24886091 A JP 24886091A JP H0590157 A JPH0590157 A JP H0590157A
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JP
Japan
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thin film
gas
film
silicon
group
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Application number
JP3248860A
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English (en)
Inventor
Kenji Miyaji
賢司 宮地
Yoshinori Ashida
芳徳 芦田
Noriyuki Yanagawa
紀行 柳川
Nobuhiro Fukuda
信弘 福田
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy

Abstract

(57)【要約】 【目的】 非晶質太陽電池の高性能化のために、極薄膜
状態で結晶性を有し、高キャリア密度のn型半導体薄膜
を得る。 【構成】 V族元素化合物のガスを含む放電により生成
するイオンを成長表面に照射しつつ薄膜を成膜する工程
とイオン照射のみを行う工程とを繰り返し、かつ、その
一回づつの繰り返しにおいて成膜される薄膜の厚みが1
から 100Åである全膜厚が 300Å以下のn型結晶性半導
体薄膜。 【効果】 本発明により、従来技術では不可能であった
膜厚が 300Å以下で高キャリア密度の結晶性半導体薄膜
の形成が可能となった。この薄膜を非晶質太陽電池のn
層に適用することにより、光電変換効率を改善すること
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高性能の非晶質太陽電池
に於ける、低抵抗で、かつ、高キャリア密度のn型結晶
性半導体薄膜を極薄膜状態で形成する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】非晶質太陽電池は、電卓や時計を駆動す
るための出力の小さいエネルギー供給源として既に実用
化されている。しかしながら、太陽光発電用途のよう
に、 0.1W以上のような出力の大きいエネルギー供給源
としては、性能および安定性に関しては十分とはいえ
ず、性能向上をめざして、各種の検討が実施されてい
る。太陽電池の構成としては、専ら、pin型非晶質太
陽電池が検討されているが、n層、すなわち、n型半導
体薄膜の特性改善からみた太陽電池の性能向上のために
は、このn型半導体薄膜を極薄膜で結晶化させ、高キャ
リア密度化を図り、電池内部の拡散電位の増加やn層/
電極界面特性の改善および該部での吸収の減少などが必
要である。しかしながら、プラズマCVD法などの従来
技術を用いて、このn型の結晶性薄膜を形成するには、
400 〜500 Å以上の膜厚まで形成せねばならず、該部で
の吸収が無視できず、また、キャリア密度も充分なもの
ではないのが現状である。すなわち、この膜厚以下で
は、たとえ、同じ形成条件で、形成しても、ラマン散乱
スペクトルなどから、結晶化していないことが自明とな
っている。
【0003】近年、成膜後、該膜を、マイクロ波プラズ
マや高周波プラズマ等で発生させた原子状水素で処理す
ることを繰り返すことにより、微結晶薄膜が得られるこ
とは報告されているが、これらについては、全膜厚が 3
00Å以下でも微結晶化が可能であるかは言及されていな
い(例えば、エー.アサノ「水素化アモルファスシリコ
ンおよび微結晶シリコン薄膜の網目構造に対する水素原
子の影響」、アプライド フィジックス レター、56
巻、533 〜535 頁、1990年発行 (A.Asano, "Effects of
hydrogen atoms on the network structure of hydro
genated amorphous and microcrystalline silicon thi
n films", Applied Physics letters, 56,p.533〜535
(1990))、イサム.シミズ他「低基板温度での結晶性シ
リコンの成長に対する化学反応制御」、マテリアル リ
サーチ ソサエティー シンポジウム プロシーディン
グ、164 巻、195 〜204 頁、1990年発行(I.Shimizu et
al.,"Control of Chemical Reactions for Growth of C
rystalline Si at Low Substrate Temperature , Matir
ials Research Society Symposium Proceeding Vol.16
4, p.195 〜204 (1990)))。
【0004】また、900 〜1000Åのシリコン薄膜を形成
後、イオンビームで処理することにより、微結晶薄膜が
得られることも報告されているが、これらの場合、keV
〜MeV オーダーの高エネルギ−のイオンを照射しなけれ
ばならず(例えば、ジェー.エス.イム他「アモルファ
スシリコン薄膜内でのイオン照射による結晶核生成」ア
プライド フィジックス レター、57巻、1766〜1768
頁、1990年発行 (J.S.Imet al., "Ion irradiation enh
anced crystal nucleation in amorphous Si thin film
s", Applied Physics letters, 57, p.1766 〜1768 (19
90))、シー.スピネラ他「化学気相堆積法によるアモル
ファスシリコンへのイオンビーム照射下での粒成長機
構」アプライド フィジックス レター、57巻、554 〜
556 頁、1990年発行(C.Spinella et al., "Grain growt
h kinetics during ion beam irradiation of chemical
vapor deposited amorphous silicon", Applied Physi
cs letters, 57, p.554 〜556 (1990)))、下地材料への
損傷が生じること、並びに、装置が極めて大型で高価な
ものになり、実用的でない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来不可能
であった極薄膜状態(300Å以下)で結晶性を有し、か
つ、低抵抗で、高キャリア密度の特性を有するn型半導
体薄膜を得ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため、鋭意検討した結果、イオン発生装置内
にV族元素化合物のガスを含むガスを導入し、成長表面
へ好ましくは1keV以下の低エネルギーイオンを照射しな
がら 100Å以下の極薄膜を形成後、更にイオン照射を継
続することにより膜の結晶化が促進され、その工程を繰
り返すことにより、300 Å以下の膜厚でも結晶性を有
し、かつ、低抵抗、高キャリア密度のn型半導体薄膜を
形成することが可能であることを見出し、本発明を完成
した。
【0007】本発明は、V族元素化合物と非堆積性のガ
スの混合ガスを放電させて得られた荷電粒子を含む雰囲
気で、シリコン系薄膜形成原料を供給してシリコン系薄
膜形成を行う工程(以下、成膜工程と略称する)と、該
シリコン系薄膜形成原料の供給を停止して、V族元素化
合物と非堆積性のガスの混合ガスを放電させて得られた
荷電粒子を含む雰囲気に当該薄膜形成表面をさらす工程
(以下、改質工程と略称する)とを繰り返し、かつ、そ
の一回の繰り返しにおいて形成されるシリコン系薄膜の
厚みが1から 100Åである全膜厚が 300Å以下のn型結
晶性半導体薄膜、を要旨とするものである。
【0008】本発明において、成膜工程は、その薄膜成
長をV族元素化合物と非堆積性のガスの混合ガスを放電
せしめて生成する荷電粒子を含む雰囲気で行うことに最
大の特徴を有し、薄膜形成原料の供給手段、ひいては成
膜手段自体は、特に限定されるものではない。具体的に
は、真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング
などの物理的成膜方法や光CVD、プラズマCVDなど
の化学気相成膜(CVD)法により実施される。荷電粒
子を含む雰囲気とは、V族元素化合物と非堆積性のガス
の混合ガスを放電せしめて生成する、V族元素および/
または非堆積性ガスの陽イオンまたは陰イオンを含む雰
囲気である。本発明においては、これを基板にバイアス
電圧を印加する等の手段により、成膜工程中に、基板上
に形成された薄膜表面に導く(衝突させる) ものであ
る。一方、改質工程とは、成膜工程での薄膜形成原料の
供給を停止し、V族元素化合物と非堆積性のガスの混合
ガスを放電せしめて生成する荷電粒子を含む雰囲気のみ
継続させ、基板上に形成された薄膜形成表面に導き(さ
らし)、成膜工程で形成された半導体薄膜の性質を改質
する工程である。なお、この際、V族元素化合物の分解
生成種が薄膜表面を覆っても、なんら本発明の効果を妨
げるものではない。
【0009】以下に、まず、効果的な物理的成膜方法を
説明する。前述したように、成膜工程でのV族元素化合
物と非堆積性のガスの混合ガスを放電せしめて生成する
荷電粒子を含む雰囲気の発生は、これから説明する物理
的成膜方法や化学気相成膜法と併せて行われるものであ
るが、独立に制御できるものである。しかして、これ
は、改質工程での、V族元素化合物と非堆積性のガスの
混合ガスを放電せしめて生成する荷電粒子を含む雰囲気
の発生方法と同じ発生方法であるので、効果的な発生法
などについては、後述する改質工程の具体的な項で説明
する。
【0010】成膜のための出発原料として、シリコン、
炭化シリコン、窒化シリコン、シリコン−ゲルマニウム
合金または複合粉末、シリコン−錫合金または複合粉末
などシリコンの元素や化合物、合金を効果的に用いるこ
とができる。成膜条件は、薄膜成長中に荷電粒子を含む
雰囲気にさらしながら成膜を行う以外には、とくに限定
されるものではなく、アルゴン、キセノン、ヘリウム、
ネオン、クリプトン等の希ガス、水素、炭化水素、フッ
素、窒素、酸素ガス等の雰囲気で成膜することができ
る。具体的な条件として、ガス流量は、0.1 〜100scc
m、反応圧力は、0.0001mtorr 〜100mtorrの範囲であ
る。また、成膜速度に応じて、流量、圧力、電力等の成
膜条件は適宜選択される。成膜温度の管理は、成膜中の
基板温度を管理することで行われる。温度範囲は、基本
的には制約をうけるものではないが、改質工程に適合さ
せて温度を設定することが好ましい。具体的には、500
℃以下の温度範囲で選択される。
【0011】次に、効果的な化学気相成膜法の具体的示
例をに示す。 成膜のための原料ガスとして、一般式Si
nH2n+2(nは自然数)で表されるモノラン、ジシラン、
トリシラン、テトラシランなどシラン化合物やフッ化シ
ラン、有機シラン、炭化水素、ゲルマン化合物などが用
いられる。また、希釈ガスとして、水素、重水素、フッ
素、塩素、ヘリウム、アルゴン、ネオン、キセノン、ク
リプトン、窒素などのガスを原料ガスとともに導入して
も良い。これらのガスを用いる場合には、原料ガスに対
して、0.01〜100 %(容積比率)の範囲で用いると効果
的であり、成膜速度や膜特性を考慮して適宜選択される
ものである。成膜条件については、物理的成膜方法と同
様に、薄膜成長中に荷電粒子を含む雰囲気で成膜を行う
こと以外にはとくに限定されるものではない。具体的な
条件を以下に開示する。光CVDは、低圧水銀ランプや
重水素ランプや希ガスランプなどの、波長350nm以下の
紫外光源を用いて原料ガスを分解し成膜が行われる。成
膜時の条件として、ガス流量1〜 100sccm、反応圧力15
mtorr 〜大気圧、基板温度200〜 600℃、基板の耐熱
性、成膜速度から考えられる成膜時間、改質工程の温度
等を考慮すると、より好ましくは、300 〜 500℃の範囲
において適宜選択される。また、プラズマCVDについ
て、以下に具体的に示すとおりである。放電の方式とし
て、高周波放電、直流放電、マイクロ波放電、ECR放
電等の方式を有効に用いることができる。原料ガスの流
量1〜 900sccm、反応圧力0.001mtorr〜大気圧、電力1
mW/ cm2 〜 10W/ cm2 の範囲で十分である。これらの成
膜条件は成膜速度、放電方法に応じ適宜変更されるもの
である。基板温度は 200〜 600℃であり、より好ましく
は、 300〜 500℃である。
【0012】本発明において、改質工程及び成膜工程に
おけるV族元素化合物と非堆積性のガスの混合ガスを放
電せしめて得られたこれらの荷電粒子を含む雰囲気と
は、V族元素化合物と非堆積性ガスの混合ガスを用いた
放電により、V族元素化合物および/ または非堆積性ガ
スの陽イオンまたは陰イオンからなる荷電粒子を発生さ
せ、成長表面に暴露した雰囲気である。その雰囲気中に
イオン化されていないものが存在していても、なんら本
発明の効果を妨げるものではない。この放電雰囲気に基
板( 上の薄膜 )を暴露するとともに、基板にバイアス電
圧を印加し、イオン化した成分を効果的に基板上に導く
ことは改質方法としてより好ましい手段である。しかし
て、放電を発生させる方式は高周波放電、直流放電、マ
イクロ波放電、ECR放電等を有効に利用することがで
きる。又、イオン発生装置により、効果的にイオンを発
生せしめ、これを基板表面に導くことも本発明において
は有用な方法である。具体的には、カウフマン型イオン
銃やECRイオン銃など種々のイオン発生装置が用いら
れる。
【0013】本発明において、V族元素化合物のガスと
は、ホスフィンなどのリン水素化物、三フッ化リンなど
のハロゲン化リン、トリメチルリンなどの有機リン化合
物、アルシンなどの砒素水素化物、トリメチル砒素など
の有機砒素化合物などであり、これらのガスに必要に応
じて非堆積性ガス、すなわち、水素ガス、重水素ガス、
フッ化水素ガス、フッ素ガス、三フッ化窒素、四フッ化
炭素、アルゴンガス、ネオンガス、ヘリウムガス、キセ
ノンガス、クリプトンガスなどと混合することは、本発
明の妨げとはならず、むしろより好ましい態様である。
V族元素化合物のガスとそれ以外のガスとの混合比は、
欲する薄膜の導電率、キャリア密度に併せて、適時、選
択されるが、通常、10ppm 〜20%、より好ましくは、20
0ppm〜5%の範囲に混合される。この混合比が低すぎる
場合は、V族元素の不足のため、キャリア密度の高い膜
が得られず、高抵抗の膜となる。また、この混合比が高
すぎる場合は、結晶化が阻害され、やはり、キャリア密
度の低い膜しか得られず、高抵抗の膜となる。
【0014】次に、改質工程の具体的な条件を開示す
る。放電を用いる場合には、放電電力1〜500W、V族元
素化合物と非堆積性ガスの混合ガスを流量5〜 500scc
m、圧力0.001mtorr〜大気圧の範囲において、発生維持
される。イオン銃を用いる場合には、V族元素化合物と
非堆積性ガスとの混合ガスの流量 0.1〜 50sccm 、圧力
0.0001mtorr 〜100mtorrであり、イオンの発生ならびに
十分の寿命を有する圧力範囲が用いられる。また、イオ
ンエネルギーとしては、10〜1000eVの範囲で十分であ
り、好ましくは 100〜600eVである。イオンのエネルギ
ーをこの範囲を越えて高くすると、改質の効果よりも、
イオンによる損傷やスパッタリング現象が激しくなり効
果的でない。改質工程における温度条件は基板の温度で
管理・制御される。この基板温度は、成膜工程の基板温
度と同じかあるいはより低い温度であり、室温から600
℃、好ましくは、200 〜500 ℃である。一回の成膜工程
においては、1〜 100Å、好ましくは3〜50Åの膜厚に
形成される。膜厚が 100Åを越える場合には、本発明の
効果が低下する。また、1Å未満の膜厚においては、実
用性の観点から成膜、改質の繰り返し回数が増加するの
で好ましくない。1サイクルに要する時間は、特に限定
される要件ではないが、1000秒以内である。
【0015】本発明の半導体薄膜が形成される基板は、
本発明のプロセス温度に耐えること以外には限定される
条件はない。青板ガラス、ホウケイ酸ガラス、石英ガラ
ス等の透光性の材料や金属、セラミックス、耐熱性高分
子材料等を基板として使用できる。また、太陽電池やセ
ンサー等に用いられる電極が形成された基板も本発明に
おいて有効に用いられることは勿論である。なお、本発
明を実施するために好ましい半導体薄膜製造装置の一例
を図1に示した。ここで、1は電子ビーム蒸着装置、2
はイオンビーム発生装置、3はシャッター、4は基板、
5は基板ヒーター、6はターボ分子ポンプ、7は油回転
ポンプ、8はガス流量計、9は基板バイアス電源をそれ
ぞれ示す。以下の実施例、比較例は、この装置を使用し
て実験を行った。
【0016】
【実施例】実施例1 本発明を実施するための装置を図1に示す。装置は、シ
リコンを堆積するための電子ビーム蒸着装置1及びイオ
ンを発生するためのイオン発生装置2から構成されてい
る。電子ビーム蒸着装置とイオン発生装置にシャッター
3を設け、このシャッターの開閉により、成膜と改質を
繰り返すことができる。出発原料として、高純度シリコ
ンをるつぼにセットし、電子ビームを入射し、蒸発させ
た。基板温度は、次の改質工程の温度である 200℃に設
定した。イオン発生装置に、水素ガス10sccm、V族元素
化合物として、2%ホスフィン/水素ガス 0.5sccm導入
し、圧力1×10-3 torrに調整し、イオンビーム電圧300
V、加速電圧50V印加し、イオンビームを発生させ、イオ
ンビームのシャッターを開き、基板4にイオンビームを
照射した。ここで、プローブにより、基板表面近傍にイ
オンが存在すること、すなわち、基板表面が荷電粒子を
含む雰囲気となっていることを確認した。同時に、電子
ビーム蒸着装置のシャッターを20秒開き、基板上に20Å
シリコン薄膜を蒸着した( 成膜工程 )。次に、電子ビー
ム蒸着装置のシャッターを閉じ、イオンビーム照射のみ
を10秒行った( 改質工程 )。こうして、電子ビーム蒸着
装置のシャッターの開閉を各々の時間間隔で繰り返し
た。10回の繰り返しにより約 200Åの薄膜を得た。ここ
で用いた基板は、石英ガラス基板又は酸化スズがコート
されたガラス基板を用いた。これらの試料の結晶化の有
無を調べるために、ラマン散乱スペクトルによる評価を
行った。その結果を図2に示す。図から明らかなよう
に、本試料は、シリコン結晶に起因する 520cm-1のラマ
ン散乱スペクトルが観測され、 200Åの膜厚においても
結晶性の薄膜を得られることが確認できた。また、この
薄膜の暗導電率、キャリア密度、ホ−ル移動度の測定を
行ったところ、各々、300 S/cm、5×1020cm-3、20cm2/
Vsと高導電率、高キャリア密度、高ホ−ル移動度である
ことを確認できた。
【0017】実施例2 実施例1において、一回当たりの蒸着厚みならびに改質
時間のみ変更し、それぞれ、約4Åおよび6秒とした。
蒸着厚みの変更は、電子ビーム蒸着装置のシャッターを
開く時間を変更することにより実施した。実施例1にお
いて、電子ビーム蒸着による蒸着速度が約1Å/秒と判
明したので、本実施例においては一回の成膜時間を4秒
とした。蒸着工程−改質工程の50回の繰り返しにより約
200Åの薄膜を得た。実施例1と同様のラマン散乱スペ
クトルを測定した結果、実施例1と同様に 520cm-1での
シリコン結晶特有のラマン散乱スペクトルを得た。本実
施例は、非常に効果的であるが、成膜−改質の回数が実
施例1の5倍以上と多くなっり、かつ、アモルファスシ
リコンに起因する480cm -1のラマン散乱スペクトルに対
する 520cm-1のラマン散乱スペクトルの比が半分に減少
したことから、結晶化率が減少していると判断される。
また、結晶化率の低減のため、暗導電率が1桁、キャリ
ア密度、ホ−ル移動度も約半分の値であった。
【0018】実施例3 実施例1において、一回当たりの蒸着厚みならびに改質
時間のみ変更し、それぞれ、約80Åおよび10秒とした。
蒸着厚みの変更は電子ビーム蒸着装置のシャッターを開
く時間を変更することにより実施した。実施例1におい
て、電子ビーム蒸着による蒸着速度が約1Å/秒と判明
したので、本実施例においては一回の成膜時間を80秒と
した。蒸着工程−改質工程の3回の繰り返しにより約 2
40Åの薄膜を得た。実施例1と同様のラマン散乱スペク
トルを測定した結果、実施例1と同様に 520cm-1でのシ
リコン結晶特有のラマン散乱スペクトルを得た。本実施
例は非常に効果的であり、成膜−改質の回数が実施例1
の約 1/3で工程短縮が可能であるが、アモルファスシリ
コンに起因する480cm -1のラマン散乱スペクトルに対す
る 520cm-1のラマン散乱スペクトルの比が 1/4に減少し
たことから、結晶化率が減少していると判断され、暗導
電率が約2桁、キャリア密度、ホ−ル移動度が約1桁低
下した。
【0019】比較例1 実施例1において、成膜を中断したイオン照射のみでの
改質工程を経ることなく( すなわち、イオン照射と成膜
を中断せずに行った) 、200 Åの厚みにまで形成した。
すなわち、イオンビーム蒸着装置と電子ビーム蒸着装置
のシャッターを同時に開き、実施例1において、電子ビ
ーム蒸着による蒸着速度が約1Å/秒と判明したので、
200秒後に両方のシャッターを閉じて形成を終了した。
本試料も実施例と同様にラマン散乱スペクトルを測定し
たところ、図3に示すように、 520cm-1でのシリコン結
晶特有のラマン散乱スペクトルを認められなかった。こ
の薄膜の暗導電率は3×10-3 S/cm 、キャリア密度8×
1018cm-3、ホ−ル移動度0.05 cm2/Vs と高抵抗、低キャ
リア密度、低ホ−ル移動度の特性であった。本比較例
は、成膜とイオン照射のみによる改質を繰り返すこと
が、全膜厚 300Å以下の状態で結晶性薄膜を得る上で必
須であることを明らかにしている。
【0020】比較例2 実施例1において、イオン発生装置にホスフィンガスを
導入しないで、他の条件は全く同じにして、薄膜を形成
した。本条件により得られた薄膜のラマン散乱スペクト
ルは、実施例1と同様なスペクトルが得られ、結晶薄膜
を得られたことは確認されたが、V族元素化合物が導入
されていないために、暗導電率2×10-7S/cm、キャリア
密度6×1013cm-3と極めて、高抵抗、低キャリア密度の
特性であった。本比較例は、結晶性薄膜を得るには、成
膜とイオン照射による改質の繰り返しでよいが、低抵
抗、高キャリア密度の特性を得るには、V族元素化合物
の導入が必要であることを示している。
【0021】比較例3 実施例1において、Si薄膜を 200Åの厚みにまで形成し
た後、イオン照射のみを継続した。照射のみの時間は10
00秒とした。本条件により得られた薄膜のラマン散乱ス
ペクトルも、 520cm-1でのシリコン結晶特有のスペクト
ルは認められなかった。そのため、電気的特性は、高抵
抗、低キャリア密度の特性であった。本比較例は成膜−
改質工程の繰り返しにおいて、一回当たりの膜厚に上限
があることを示すものである。
【0022】比較例4 実施例1において、成膜工程でイオン照射を行わずに膜
形成を実施した。すなわち、電子ビーム蒸着装置のシャ
ッターを20秒開き、基板上に20Åシリコン薄膜を蒸着後
( 成膜工程 )、電子ビーム蒸着装置のシャッターを閉じ
るとともに、イオンビームのシャッターを開き、イオン
ビーム照射を10秒行った( 改質工程 )。次に、イオンビ
ームのシャッターを閉じるとともに、電子ビーム蒸着装
置のシャッターを再び開けて成膜を行う。この成膜と改
質の繰り返しを10回繰り返すことにより、約 200Åの薄
膜を得た。本条件で形成した薄膜をラマン散乱スペクト
ルで測定した結果、 520cm-1でのシリコン結晶特有のラ
マン散乱スペクトルは認められなかった。また、電気的
特性は、高抵抗、低キャリア密度の特性であることがわ
かった。本比較例は、一回当たりの成膜厚みの条件を本
発明で規定する範囲に選択して、成膜−改質工程を繰り
返しても、成膜工程において、イオン照射がない場合
は、その効果が現れないことを明らかにしている。
【0023】
【発明の効果】以上の実施例ならびに比較例から明らか
なように、本方法を用いて作製した半導体薄膜は、 300
Å以下の膜厚においても、結晶性を有する薄膜であり、
かつ、低抵抗で高キャリア密度、高ホ−ル移動度の特性
を有することが確認できた。このことは、従来、困難で
あった微結晶半導体薄膜の非晶質太陽電池のn層への適
用を可能にするものであり、非晶質太陽電池の光電変換
効率の改善ならびに信頼性の向上につながるものであ
る。したがって、本発明は電力用太陽電池に要求される
高変換効率ならびに高信頼性を可能にする有力な技術を
提供できるものであり、エネルギー産業にとって、きわ
めて有用な発明であると云わざるを得ない。なお、本発
明により開示された技術的事項は、本発明の属する技術
分野の当業者にとっても、極めてインパクトの大きいも
のであると信ずる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施するための、半導体薄膜製造装置
の例を示す模式図。
【図2】実施例1で示した方法で形成された半導体薄膜
のラマン散乱スペクトルチャート。
【図3】比較例1で示した条件で形成された半導体薄膜
のラマン散乱スペクトルチャート。
【符号の説明】
1 電子ビーム蒸着装置 2 イオンビーム発生装置 3 シャッター 4 基板 5 基板ヒーター 6 ターボ分子ポンプ 7 油回転ポンプ 8 ガス流量計 9 基板バイアス電源
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年1月10日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項2
【補正方法】変更
【補正内容】
フロントページの続き (72)発明者 福田 信弘 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 V族元素化合物と非堆積性のガスの混合
    ガスを放電させて得られた荷電粒子を含む雰囲気で、シ
    リコン系薄膜形成原料を供給してシリコン系薄膜形成を
    行う工程と、該シリコン系薄膜形成原料の供給を停止し
    て、V族元素化合物と非堆積性のガスの混合ガスを放電
    させて得られた荷電粒子を含む雰囲気に当該薄膜形成表
    面をさらす工程とを繰り返し、かつ、その一回の繰り返
    しにおいて形成されるシリコン系薄膜の厚みが1から 1
    00Åである全膜厚が 300Å以下のn型結晶性半導体薄
    膜。
  2. 【請求項2】 イオン発生装置内に、V族元素化合物と
    非堆積性のガスの混合ガスを導入し、1〜100 Åの薄膜
    を、該薄膜形成表面へ低エネルギーイオンを照射しなが
    ら形成する工程と、該堆積性ガスの供給を停止して、更
    に該イオン照射を継続する工程とをくりかえす請求項1
    記載の薄膜。
  3. 【請求項3】 薄膜成長表面へ照射する低エネルギーイ
    オンが1KeV 以下である請求項3記載の薄膜。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007129246A (ja) * 2006-12-06 2007-05-24 Semiconductor Energy Lab Co Ltd 微結晶シリコン膜、半導体装置及び光電変換装置
JP2011198964A (ja) * 2010-03-18 2011-10-06 Mitsubishi Electric Corp 薄膜光電変換装置およびその製造方法

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