JPH04342121A - 水素化非晶質シリコン薄膜の製造方法 - Google Patents

水素化非晶質シリコン薄膜の製造方法

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JPH04342121A
JPH04342121A JP3140680A JP14068091A JPH04342121A JP H04342121 A JPH04342121 A JP H04342121A JP 3140680 A JP3140680 A JP 3140680A JP 14068091 A JP14068091 A JP 14068091A JP H04342121 A JPH04342121 A JP H04342121A
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JP
Japan
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film
hydrogen
gas
atomic
amorphous silicon
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JP3140680A
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English (en)
Inventor
Yasutomo Fujiyama
藤山 靖朋
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Original Assignee
Canon Inc
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Publication date
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy

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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、機能性膜、特に画像入
力用ラインセンサー、撮像デバイス、太陽電池、光セン
サー、電子写真用感光体デバイス、および薄膜トランジ
スター等の半導体電子デバイスの用途に有用な水素化非
晶質シリコン薄膜の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体膜、絶縁膜、光導電膜、磁
性膜、あるいは金属膜等の非晶質および多結晶質の機能
性膜は、所望される物理的特性や用途等の観点から個々
に適した成膜法が採用されている。
【0003】例えば、必要に応じて水素原子(H)等の
補償剤で不対電子が補償された非晶質や多結晶質の非単
結晶シリコン(以後「NON−Si:H」と略記し、そ
のなかでも殊に非晶質シリコンを示す場合には「a−S
i:H」、多結晶質シリコンを示す場合には「poly
−Si:H」と記す)膜等のシリコン堆積膜(尚、いわ
ゆる微結晶シリコン(μc−Si:H)は、a−Si:
Hの範疇にはいる)の形成には、真空蒸着法、プラズマ
化学気相成長法(以後、「プラズマCVD法」と略記す
る)、熱化学気相成長法(以後、「熱CVD法」と略記
する)、反応性スパッタリング法、イオンプレーティン
グ法、光CVD法等が試みられており、一般的には、プ
ラズマCVD法が広く用いられており、企業化されてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】周知のごとく、a−S
i:Hにおける水素(H)の役割は、その結晶構造上の
特徴であるところの不規則網目構造を保持するに当たっ
て必要となるシリコン原子の不対電子(いわゆるダング
リング・ボンド)と結合してこれを補償し、非晶質半導
体に特有の局在準位密度を低減することにある。
【0005】従来、10−2Torr程度の圧力で、シ
ラン(SiH4 )ガスを成膜基板近傍で1350℃程
度に加熱されたタングステン、モリブデン、あるいはタ
ンタル等からなるヒータにより熱分解してSiH2 前
駆体を生成し、これを200℃程度に加熱保持された成
膜基板上に堆積させ構造的に良好なa−Si:H膜を形
成する熱CVD法(いわゆるHOMO−CVD法)は、
a−Si:H膜の形成法として工業的にも利用されてい
るプラズマCVD法に比べて、プラズマ中で生成するイ
オン種によるa−Si:H膜へのイオン・ダメージを受
けないことから、高品質a−Si:H膜の形成方法とし
て期待されている。
【0006】ところが、前記SiH2 前駆体が自然分
解するために、a−Si:H膜中に多数のSi−Hポリ
マーが形成され、微小欠陥(いわゆるボイド)の多い膜
を形成してしまい、膜中含有水素量CH が11〜18
原子%(at.%)程度と、プラズマCVD法により形
成されたa−Si:H膜の膜中含有水素量と比較しても
大差がないにもかかわらず、照射光強度100mW/c
mの白色光下で測定した明導電率σphは10−6〜1
0−7シーメンス/cm(s/cm)程度とプラズマC
VD法で形成したa−Si:H膜と比較して2桁程度劣
る膜しか作製できないという問題点があった。
【0007】また、近年、プラズマCVD法で形成した
a−Si:H膜の研究から、これら水素原子が、隣接す
るシリコン原子どうしの結合角や結合距離に「ゆらぎ」
を生ぜしめ、a−Si:H特有の価電子帯側の裾状の準
位を形成することが指摘されている。また、内面に水素
原子が結合した微小空孔や、界面にSi−H2 結合の
形態で水素が多数存在している微結晶粒界などの、中、
長距離の巨視的構造でとらえた構造欠陥が、伝導帯側の
裾状の準位の形成およびa−Si:Hの移動度やライフ
・タイム等の電気特性に深く関与していると考えられて
いる。さらにまた、a−Si:Hに特有の性質である光
照射下でのスピン密度の増加(いわゆる光劣化)も、近
年の研究から、水素とシリコンとの電気陰性度の違いか
ら生ずるというモデルが提唱されている。このように、
最近の水素に対する認識は、a−Si:Hに含有される
水素の濃度をいかに低減し、緻密で且つ微小構造欠陥の
少ない不規則網目構造を形成するかという課題を提起し
ている。これに関しては、熱CVD法で形成したa−S
i:H膜も例外ではない。
【0008】本発明は、以上の様な従来技術の問題点に
鑑み、緻密で水素含有量の少ないa−Si:H膜を得る
ことを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、この様
な目的は、シラン系ガスからなる原料ガスを成膜基板近
傍において熱分解して該成膜基板上に水素化非晶質シリ
コン薄膜を堆積させる水素化非晶質シリコン薄膜の製造
方法において、前記成膜基板を150〜300℃に加熱
保持して水素化非晶質シリコン薄膜を堆積させる第1の
工程と、前記原料ガスの熱分解を行いながら原子状水素
及び/または原子状重水素に前記成膜基板をさらす第2
の工程とを交互に繰り返して行うことを特徴とする、水
素化非晶質シリコン薄膜の製造方法、により達成される
【0010】本発明においては、前記第1の工程1回に
おいて堆積される堆積層の厚みが10〜60Åであり、
前記第2の工程1回において堆積される堆積層の厚みが
20Å未満であるのが好ましい。また、本発明において
は、前記原子状水素及び/または原子状重水素の生成を
、前記原料ガスの熱分解とは別の手段で、分子状水素ガ
ス及び/または分子状重水素ガスをグロー放電分解する
ことにより行うことができ、また別法として前記原料ガ
スの熱分解とは別の手段で、分子状水素ガス及び/また
は分子状重水素ガスを前記原料ガスの熱分解温度より更
に高い温度で熱分解することにより行うことができる。
【0011】
【作用】本発明は、シラン系ガスの熱分解により生成し
たSiH2 前駆体を直接成膜基板表面に堆積させ原子
状水素を作用させて水素分子(H2 )ガスを脱離、放
出しながら不規則網目構造を形成する表面反応主体の熱
CVD法(HOMO−CVD法)等において、成長層の
一部がSi−Hポリマーへと自然分解する過程において
、前記原料ガスとは別に生成した原子状水素を表面から
注入、拡散させることにより、成長層に残留するSi−
Hポリマー及びマイクロ・ボイド内面の結合水素等を切
断して、水素分子を生成して放出させてSi−Si結合
の復興を促すとともに、シリコン原子の不対電子を原子
状水素により補償することで、緻密で且つ膜中含有水素
量を低減した不規則網目構造を有するa−Si:H膜を
形成するものである。尚、シラン系ガスとしては、シラ
ン(SiH4 )ガス以外に、ジシラン(Si2 H6
 )ガスやトリシラン(Si3 H8 )ガス等の高次
シランガスを使用することもできる。
【0012】一方、原子状重水素(atm.D)にさら
した場合も、膜表面から脱離、放出するガス分子がH2
 分子以外にHD分子あるいはD2 分子の形態をとる
以外は原子状水素にさらした場合と全く同じ作用をする
【0013】ここで、成長層が安定した不規則網目構造
を形成するためには、成膜条件にもよるが、第1の工程
で数原子層程度の厚み即ち10〜60Å程度の厚みの形
成が必要であり、余り厚くすると内部層が形成されるた
め、ここに分子状水素が閉じ込められて放出されなくな
り、本発明の作用を十分には発揮することができない。 また、原子状水素にさらす第2の工程では、原子状水素
が成長表面に到達したSiH2 前駆体と反応し、Si
H4 ガス分子として再放出され、堆積速度が低下する
ために、20Å程度の厚みのa−Si:H膜を堆積する
時間でも、原子状水素は十分に上記作用を完了する。尚
、原子状水素または原子状重水素は、その荷電状態にか
かわらず使用することができるが、熱CVD法の特徴が
イオン・ダメージ・フリーであることを考慮すると、電
気的に中性である方が好ましい。
【0014】また、ドーピングを行う場合には、従来の
熱CVD法と同様、原料ガスにジボラン(B2 H6 
)ガスあるいはホスフィン(PH3 )ガスを混合して
熱分解して価電子制御を行うことができる。
【0015】
【実施例】図1は、本発明の一実施例に用いる熱CVD
装置を示す断面図である。堆積管11の内部には、成膜
用ガラス基板1を支持し、その温度を一定に保持する恒
温台12がある。該恒温台12には基板1を加熱保持す
るためのヒータ13及び冷却管14が内蔵されている。 該冷却管14の内部にはオイルが流れている。基板1の
近傍には基板温度モニター用の熱電対15が設置されて
おり、これをモニターしてヒータ13の加熱温度と冷却
管14内のオイル流量とを調整して基板温度を一定に保
持することができる。基板1の真上20mmの位置には
タングステン製リボン・ヒータ16が設置されており、
直流定電流電源17により2000℃まで加熱できる。 尚、リボン・ヒータ16の表面は、a−Si:H膜への
タングステンの混入を防ぐため、アルミナ・セラミック
ス材(図示されていない)により被覆されている。堆積
管11の端部には原料ガス導入管18及び原子状水素導
入管19が接続されており、堆積管11のもう一方の端
部には排気管20が接続されている。原料ガス導入管1
8には高速開閉バルブ21が接続されており、原子状水
素導入管19には高速開閉バルブ21’及び他の真空排
気装置(図示されていない)に接続されたT字配管22
、さらには周波数2.45GHzのマイクロ波電源23
に接続されたアプリケータ型放電管24が接続されてい
る。また、排気管20には、コンダクタンス・バルブ2
5を介して真空ポンプ26が接続されている。
【0016】この装置を用いて行われた本発明の一実施
例を、図2を参照して述べる。
【0017】まず、基板1を恒温台12の上に設置し、
堆積管11の扉を閉めてコンダクタンス・バルブ25を
全開にして真空ポンプ26でその内部を真空に排気し、
堆積管11内のリボン・ヒータ16及びヒータ13に通
電し、冷却管14内にオイルを流して、熱電対15をモ
ニターしながら恒温台12上の基板1の温度が250℃
になる様に調整した。次に、高速開閉バルブ21’を開
け、水素ガスを50sccmの流量で堆積管11内に導
入し、コンダクタンス・バルブ25の開口度を調節して
堆積管11内の圧力を1.00Torrに調整した。こ
の状態で、1時間ほど水素ガスを流し続け、リボン・ヒ
ータ16の温度が1350℃になる様に直流定電流電源
17の電流値を調整すると同時に、その輻射熱により基
板1の温度が上昇するため、冷却管14のオイル流量を
調整して冷却し基板温度を250℃に保持した。
【0018】次に、リボン・ヒータ16及び基板1の温
度が安定したところで、マイクロ波電源23からアプリ
ケータ型放電管24にマイクロ波電力を供給し、放電管
内にて水素プラズマを生起させ、原子状水素を生成した
。次に、高速開閉バルブ21’を閉じ、T字配管22か
ら他の真空排気装置に原子状水素を捨て、アプリケータ
型放電管24内の水素プラズマを維持した。高速開閉バ
ルブ21’を閉じたと同時に高速開閉バルブ21を開け
て、原料ガス導入管18からシランガスを50sccm
の流量で、堆積管11内に導入し、且つコンダクタンス
・バルブ25の開口度を調節して堆積管11内の圧力を
1.00Torrに調整した。導入したシランガスはリ
ボン・ヒータ16の熱により解離し、図2の(a)に示
す様に、最も解離エネルギーの低いSiH2 前駆体2
及び分子状水素3が生成する。これらSiH2 前駆体
2は基板1に到達し、これが膜表面のSi−H結合に置
き換わる挿入反応にて堆積速度2.4Å/secでa−
Si:H膜の成長層4が堆積した。このとき、a−Si
:Hに特有の不規則網目構造の大枠ができあがる。表面
にはSi−H2 結合が多く、また成長層4自体もSi
−Si結合への構造緩和過程にあり、SiH2 の自然
分解によりSi−Hポリマーが増加したり、内面にSi
−H結合を多数有する微小空孔を多く含有するなど多量
の水素を含有する。更に堆積を継続すると、これら表面
近傍の過剰水素原子の一部は他の過剰水素原子とともに
水素分子を形成し、膜外に脱離、放出されるが、構造緩
和が更に進んだ成長層4の内部では、基板1に近い層か
ら徐々に構造的自由度を確保しながら凝固し始めるため
に、不規則網目構造を有する内部層4’が形成される。 300℃程度の温度では、この成長層4及び内部層4’
の結合水素原子の自発的な解離は起こらず、10〜20
%程度の水素原子がSi−Hポリマーや微小空孔を形成
する形で膜中に残留することになる。
【0019】原料ガスを導入してから21秒後、成長層
4の厚みが50Åに到達し、内部層4’が形成され始め
たところで、高速開閉バルブ21’を開け、堆積管11
内にマイクロ波放電により水素ガスをプラズマ分解して
得た原子状水素6を導入すると、図2の(b)に示す様
に、成長層4の表面はこの原子状水素にさらされること
になる。この原子状水素6の一部は堆積空間内のSiH
2 前駆体2と気相反応してシラン(SiH4 )ガス
を形成し、原子状水素処理層5の堆積速度を0.4Å/
sec程度に低下させるが、同時にそれ以外の原子状水
素6は成長表面から更に膜中に拡散することができ、原
子状水素処理中に前記成長層4及び内部層4’に到達す
ることができる。成長層4に達した原子状水素7は、S
i−Hポリマーや微小空孔内のSi−H結合を切断して
Si−Si結合を復興させ、これらを凝縮することで、
緻密な不規則網目構造を実現する。このとき、原子状水
素8と結合したSi−H結合の水素原子7’は、水素分
子8となり徐々につぶれていくポリマー内や複数の微小
空孔内を伝わって原子状水素処理層5の表面に達し、膜
外に放出される。一方、内部層4’に達した原子状水素
7は、主にシリコン原子の不対電子と結合して、これを
補償するが、原子状水素は殆ど成長層の水素の追い出し
に使用されることや、原子状水素処理時間が50秒間(
原子状水素処理層5の膜厚は20Å)と短いことから、
その量は極めて少ない。この原子状水素処理により膜中
含有水素の量が減少する。但し、あまり長い時間原子状
水素6にさらすと、注入した原子状水素7が内部層4’
のSi−Si結合までも切断して残留し、逆に不対電子
を発生させる原因になり本発明の効果を十分には発揮す
ることができなくなる。堆積膜の構造や処理条件にもよ
るが、成長層4の全域に外部から注入した原子状水素7
が拡散できる時間であることが望ましい。また、この間
に堆積する膜の厚みは、微結晶化を避けるため、単原子
層程度が好ましい。原子状水素処理中に高速開閉バルブ
21を閉じて原料シランガスの供給を停止することもで
きるが、上述の様に原子状水素によるSiH2 前駆体
の再ガス化により堆積速度が極端に低下することから、
原料ガスの供給を停止する必要はない。
【0020】次に、高速開閉バルブ21’を閉じて、原
子状水素6の供給を停止し、図2の(c)に示す様に、
第1の工程(原料ガスのみによる堆積工程)に戻し、成
長層4を堆積させた。成長層4の厚みが内部層4’が形
成される程度に厚くなると、図2の(b)において堆積
した原子状水素処理層5以下の層は構造が安定し、緻密
で構造欠陥の少ない不規則網目構造を有する低水素含有
a−Si:H膜9となる。この様にして膜厚6000Å
の低水素含有a−Si:H膜を成膜基板1上に堆積させ
た後、高速開閉バルブ21を閉じてシランガスの供給を
停止して堆積を完了し、高速開閉バルブ21’も閉じて
、原子状水素6の供給を停止し、リボン・ヒータ16及
びヒータ13の電源を切り、基板1を冷却し、バタフラ
イ・バルブ25を閉じて、堆積管11を大気圧に戻した
後、扉を開けて基板1を搬出した。
【0021】同様にして、赤外吸収分光法(FT−IR
法)による膜中含有水素量の測定のため、n型単結晶シ
リコン基板を用いてa−Si:H膜を堆積した。
【0022】図3は、上記実施例の方法で基板温度を1
50℃から300℃まで50℃おきに変えて作製したa
−Si:H膜の、基板温度変化に対する、膜中含有水素
量CH (at.%)の変化、及び分光光度計により測
定した光学的バンドギャップEgopt(eV)の変化
の測定結果を示す。本発明実施例(図3で実線で示され
ている)の膜中水素含有量CH は、原子状水素処理を
施さなかった場合(図3で破線で示されている)に比べ
て最低でも4at.%減少し、基板温度250℃では9
at.%であった。特に、低温側での減少率が大きくな
っている。この様に、低温側で本発明の効果が顕著に現
れたのは、もともとマイクロ・ボイドの多い膜が形成さ
れていたためであると考えられる。また、光学的バンド
ギャップは膜中含有水素量に伴って変化し、グロー放電
分解により形成されるa−Si:H膜に近い1.70e
V程度の膜が得られた。
【0023】また、図4は、同じく基板温度変化に対す
る、a−Si:H膜の活性化エネルギーEad(eV)
の変化、及びAM−1での照射光強度100mW/cm
2 での明導電率σp (s/cm)と暗導電率σd 
(s/cm)との変化を示す。活性化エネルギーEad
は基板温度の上昇とともにn− 型のままで僅かながら
小さくなり、0.7eV程度になる。また、基板温度2
50℃での明導電率σp は8×10−5s/cmに達
し、原子状処理を施さなかったもの(図4で破線で示さ
れている)に比べて1/2桁以上向上し、また暗導電率
σd は10−10 s/cmのオーダーとなって、原
子状処理を施さなかったものに比べて1桁程度低くなる
等、明/暗導電率比(いわゆるS/N比)は5桁に達し
、従来のプラズマCVD法で形成したものに匹敵するa
−Si:H膜が得られた。
【0024】図5は、同じく基板温度変化に対する、最
小金属伝導度σ0(s/cm)の変化、一定光電流法(
CPM)で測定した価電子帯側裾準位分布を表すアーバ
ック・テールの傾きE0 (meV)と不対電子(ダン
グリング・ボンド)が作るバンド中央付近の局在準位の
密度DOS(1/cm3 )値の変化を示す。絶対零度
のときの伝導度を前記活性化エネルギー及び暗導電率か
ら算出した最小金属伝導度σ0 は、殆ど基板温度によ
らず10−3s/cmのオーダーで、アーバック・テー
ルの傾きE0 も基板温度による顕著な差異は認められ
ず50meV程度であり、DOS値は250℃付近で最
小となり1.3×1015個/cm3 であり、従来の
プラズマCVD法で形成したものと同等の膜特性が得ら
れた。
【0025】次に、本発明の他の実施例を示す。
【0026】シランガス50sccmとともに水素ガス
で希釈したジボラン(B2 H6 )ガス10sccm
を原料ガス導入管18から供給し、a−Si:H膜への
ドーピングを行った。このときのドーピング量は、ジボ
ランガスとシランガスとの濃度比で3000ppmの濃
度であった。得られたa−Si:H膜は、暗導電率が1
.2×10−4s/cmで、活性化エネルギーが0.4
2eVであった。
【0027】尚、原子状水素または原子状重水素の生成
方法としては、前記実施例におけるマイクロ波プラズマ
による分解が最も効率が良いが、これ以外に、原子状水
素導入管19に接続したマイクロ波電源23及びアプリ
ケータ型放電管24の代わりに、図6に示す様に、水素
ガス分解炉として緻密性アルミナ・セラミックス管に容
量結合型電極を配置し、その一方の電極に周波数13.
56MHzの高周波電源27を接続した高周波放電管2
8を用い、これを原子状水素導入管19に接続して、水
素ガスを分解してもよい。但し、この場合は、前記マイ
クロ波放電を用いる場合に比べてプラズマの電子密度が
低いため、水素分子の分解効率が低下することを考慮し
て、高出力の高周波電力を投入するのがよい。
【0028】更にまた、上記実施例装置以外に、グロー
放電による分解に頼らず、やはり原子状水素の生成も熱
エネルギーを用いて実施する場合は、前記マイクロ波電
源23及びアプリケータ型放電管24の代わりに、図7
に示す様に、石英管から成る高温イメージ炉29を使用
することができる。水素分子の解離エネルギーが高いた
め、2000℃以上に加熱する。
【0029】尚、前記実施例では、シランガスを熱分解
する温度を1350℃とした。これは、更に高温にする
と堆積速度は速くなるものの、SiH2 以外の前駆体
も生成されるため、膜質が低下する傾向にあるからであ
る。
【0030】
【発明の効果】本発明によれば、シラン系ガスを原料と
し、これを熱分解して150〜300℃に加熱保持した
基板上にa−Si:H膜を堆積させる第1の工程と、前
記原料ガスの熱分解を行いながら原子状水素及び/また
は原子状重水素に前記成膜基板をさらす第2の工程とを
交互に繰り返して行うことで、成長層及びその直下の内
部層に原子状水素及び/または原子状重水素を注入、拡
散せしめ、Si−Hポリマーの結合水素やマイクロ・ボ
イド内面の複数のSi−H結合を切断してSi−Si結
合の復興を促し、緻密で水素含有量の少ないa−Si:
H膜を作製することができ、従来の熱CVD法では作製
できなかった様な、局在準位密度が少なく明/暗導電率
比に優れた膜を製造できることから、光電変換特性に優
れた光センサーや太陽電池、更には高速応答性能に優れ
たTFTなどを実現する上で、極めて有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施に用いる装置の断面図である。
【図2】本発明の工程の説明のための模式的断面図であ
る。
【図3】本発明の実施により得られるa−Si:H膜の
特性の一例を示す図である。
【図4】本発明の実施により得られるa−Si:H膜の
特性の一例を示す図である。
【図5】本発明の実施により得られるa−Si:H膜の
特性の一例を示す図である。
【図6】本発明の実施に用いる装置の断面図である。
【図7】本発明の実施に用いる装置の断面図である。
【符号の説明】
1    成膜基板 2    SiH2 前駆体 3    分子状水素 4    成長層 4’  内部層 5    原子状水素処理層 6,7,7’    原子状水素 8    分子状水素 11    堆積管 12    恒温台 13    ヒータ 14    冷却管 15    熱電対 16    リボン・ヒータ 17    ヒータ電源 18    原料ガス導入管 19    原子状水素導入管 20    排気管 21,21’    高速開閉バルブ 22    T字配管 23    マイクロ波電源 24    アプリケータ型放電管 25    コンダクタンス・バルブ 26    真空ポンプ 27    高周波電源 28    容量結合型高周波放電管 29    高温イメージ炉

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  シラン系ガスからなる原料ガスを成膜
    基板近傍において熱分解して該成膜基板上に水素化非晶
    質シリコン薄膜を堆積させる水素化非晶質シリコン薄膜
    の製造方法において、前記成膜基板を150〜300℃
    に加熱保持して水素化非晶質シリコン薄膜を堆積させる
    第1の工程と、前記原料ガスの熱分解を行いながら原子
    状水素及び/または原子状重水素に前記成膜基板をさら
    す第2の工程とを交互に繰り返して行うことを特徴とす
    る、水素化非晶質シリコン薄膜の製造方法。
  2. 【請求項2】  前記第1の工程1回において堆積され
    る堆積層の厚みが10〜60Åであり、前記第2の工程
    1回において堆積される堆積層の厚みが20Å未満であ
    ることを特徴とする、請求項1に記載の水素化非晶質シ
    リコン薄膜の製造方法。
  3. 【請求項3】  前記原子状水素及び/または原子状重
    水素の生成を、前記原料ガスの熱分解とは別の手段で、
    分子状水素ガス及び/または分子状重水素ガスをグロー
    放電分解することにより行うことを特徴とする、請求項
    1または請求項2に記載の水素化非晶質シリコン薄膜の
    製造方法。
  4. 【請求項4】  前記原子状水素及び/または原子状重
    水素の生成を、前記原料ガスの熱分解とは別の手段で、
    分子状水素ガス及び/または分子状重水素ガスを前記原
    料ガスの熱分解温度より更に高い温度で熱分解すること
    により行うことを特徴とする、請求項1または請求項2
    に記載の水素化非晶質シリコン薄膜の製造方法。
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