JPH04342122A - 水素化非晶質シリコン薄膜の製造方法 - Google Patents

水素化非晶質シリコン薄膜の製造方法

Info

Publication number
JPH04342122A
JPH04342122A JP3140681A JP14068191A JPH04342122A JP H04342122 A JPH04342122 A JP H04342122A JP 3140681 A JP3140681 A JP 3140681A JP 14068191 A JP14068191 A JP 14068191A JP H04342122 A JPH04342122 A JP H04342122A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hydrogen
film
amorphous silicon
gas
thin film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP3140681A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasutomo Fujiyama
藤山 靖朋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP3140681A priority Critical patent/JPH04342122A/ja
Publication of JPH04342122A publication Critical patent/JPH04342122A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、機能性膜、特に画像入
力用ラインセンサー、撮像デバイス、太陽電池、光セン
サー、電子写真用感光体デバイス、および薄膜トランジ
スター等の半導体電子デバイスの用途に有用な水素化非
晶質シリコン薄膜の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体膜、絶縁膜、光導電膜、磁
性膜、あるいは金属膜等の非晶質および多結晶質の機能
性膜は、所望される物理的特性や用途等の観点から個々
に適した成膜法が採用されている。
【0003】例えば、必要に応じて水素原子(H)等の
補償剤で不対電子が補償された非晶質や多結晶質の非単
結晶シリコン(以後「NON−Si:H」と略記し、そ
のなかでも殊に非晶質シリコンを示す場合には「a−S
i:H」、多結晶質シリコンを示す場合には「poly
−Si:H」と記す)膜等のシリコン堆積膜(尚、いわ
ゆる微結晶シリコン(μc−Si:H)は、a−Si:
Hの範疇にはいる)の形成には、真空蒸着法、プラズマ
化学気相成長法(以後、「プラズマCVD法」と略記す
る)、熱化学気相成長法(以後、「熱CVD法」と略記
する)、反応性スパッタリング法、イオンプレーティン
グ法、光CVD法等が試みられており、一般的には、プ
ラズマCVD法が広く用いられており、企業化されてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】周知のごとく、a−S
i:Hにおける水素(H)の役割は、その結晶構造上の
特徴であるところの不規則網目構造を保持するに当たっ
て必要となるシリコン原子の不対電子(いわゆるダング
リング・ボンド)と結合してこれを補償し、非晶質半導
体に特有の局在準位密度を低減することにある。
【0005】また、これら水素は、一般にプラズマCV
D法により形成したa−Si:H膜中に10〜20原子
%(at.%)程度含有されており、シリコン原子とS
i−H結合あるいはSi−H2 結合の形態で結合して
いることが分かっている。
【0006】ところが、近年、これら水素原子が、隣接
するシリコン原子どうしの結合角や結合距離に「ゆらぎ
」を生ぜしめ、a−Si:H特有の価電子帯側の裾状の
準位を形成することが指摘されている。また、内面に水
素原子が結合した微小空孔(いわゆるマイクロ・ボイド
)や、界面にSi−H2 結合の形態で水素が多数存在
している微結晶粒界などの、中、長距離の巨視的構造で
とらえた構造欠陥が、伝導帯側の裾状の準位の形成およ
びa−Si:Hの移動度やライフ・タイム等の電気特性
に深く関与していると考えられている。さらにまた、a
−Si:Hに特有の性質である光照射下でのスピン密度
の増加(いわゆる光劣化)も、近年の研究から、水素と
シリコンとの電気陰性度の違いから生ずるというモデル
が提唱されている。このように、最近の水素に対する認
識は、a−Si:Hに含有される水素の濃度をいかに低
減し、緻密で且つ微小構造欠陥の少ない不規則網目構造
を形成するかという課題を提起している。
【0007】その具体的な手段としては、例えば、田中
らが、雑誌「マテリアルズ・サイエンス・リポート (
Materials Science Reports
)」第2巻(1989年)の第139頁に発表している
ように、原料ガスとしてシラン系ガスに水素分子ガスを
混合して希釈したものを用い、これを真空中でグロー放
電分解して300℃以下に加熱した基板上にa−Si:
H膜を堆積させる方法がある。 この方法の特徴は、従来から行われてきた様に、シラン
(SiH4 )ガス分子をグロー放電分解して生成した
前駆体であるSiH3 ラジカルが堆積表面の過剰結合
水素原子を引き抜く過程に加えて、前記混合した水素分
子のグロー放電分解の結果生成した原子状水素により、
更に水素の引き抜き過程を促進することで、堆積表面層
の過剰な水素の濃度を低減することにある。
【0008】本発明者らも、この手法に則って原料ガス
としてSiH4 ガス20sccm及びH2 ガス18
0sccmを供給し(このときの希釈率はシラン/水素
流量比で10%である)、圧力0.3Torr、高周波
電力密度0.06W/cm2 、基板温度250℃、堆
積速度0.5Å/secの条件で、厚み6000Åのa
−Si:H膜をガラス基板上に堆積させたところ、膜中
含有水素量が12at.%のa−Si:H膜を得た。純
粋シランガスを用い同一条件のグロー放電分解で堆積し
た(堆積速度3Å/sec)膜の膜中含有水素量が18
at.%程度であったことから、水素希釈法によってa
−Si:H膜の含有水素量が低減できることを確認した
。 しかし、その物性は、光照射下での導電率がわずかに大
きく、光学的バンドギャップEgoptがわずかに小さ
く、また一定光電流法(CPM)によるDOS(バンド
中央付近の主にダングリング・ボンドに起因する局在準
位の密度)値がわずかに減少した以外は、際立った改善
はみられなかった。しかも、工業的利用の見地からは、
堆積速度の低下という新たな欠点が発生した。また、更
に基板温度を300℃以上にすると、周知のごとくシラ
ン希釈率の低下に比例して微結晶化を促進し、ダングリ
ング・ボンドに起因するスピン密度が増加することから
、不規則網目構造を緻密に形成することが難しい。
【0009】a−Si:H膜を300℃以上の高温で加
熱すると、膜に含有されていた水素が放出されることが
一般によく知られている。シラン系ガスを主な原料ガス
とするプラズマCVD法によって形成されたa−Si:
H膜の場合、その含有水素が加熱、放出されると、スピ
ン密度が増加し、ダングリング・ボンドが増加すること
が知られている。堆積中の水素放出を避けるため、一般
に堆積中の基板温度は300℃以下に保持されることが
多い。
【0010】水素の放出形態は、ベイヤー(W.Bey
er)らが、雑誌「ジャーナル・オブ・ノン・クリスタ
リン・ソリッズ (Journal of Non−C
rystalline Solids)」第59&60
巻(1983年)の第161〜168頁に発表している
データによると、加熱温度370℃付近と、堆積中の基
板温度により異なるが600℃付近に放出のピークを持
つ。370℃付近と600℃付近では放出のメカニズム
が異なり、370℃付近では水素は主に分子状水素(H
2 )として膜表面及び最表面層から直接脱離、放出す
るか、あるいは膜中のSi−H2 結合、Si−H3 
結合、(SiH2 )n 結合(ここで、nは整数)が
切断することで分子状水素が生成し、前記のボイドをた
どって拡散し、表面に達して放出されるものと考えられ
る。一方、600℃付近では放出される分子状水素の起
源は、膜中の原子状水素であると考えられる。加熱によ
り複数のSi−H結合が切断することで原子状水素(a
tm.H)が生成し、不規則網目構造内を拡散し、表面
に達したところで他の原子状水素と結合して分子状水素
となり、表面から離脱、放出されるものと考えられる。 このとき、原子状水素を切断したシリコン原子が隣接し
て複数存在すると、Si−Si結合が復興することも考
えられる。しかしながら、水素含有量がせいぜい20%
を上限とし、その結合形態がSi−H結合以外にも存在
し、なおかつSi−H結合がたまたま隣接して存在する
確率を想定すると、水素原子及び水素分子が放出される
ことでダングリング・ボンドがこれに伴って増加するこ
とも理解できる。
【0011】また、特公平2−27824号公報に見ら
れる様に、グロー放電法で形成したa−Si:H膜を4
00〜550℃の範囲内の温度で熱処理した後、水素プ
ラズマ中で水素プラズマに対してa−Si:H膜が負電
位となる様に電圧を印加しながらアニールする方法が提
案されているが、工業的に利用される様な数1000Å
程度の厚い膜に対しては、膜形成後のアニール処理であ
るため、膜厚方向の含有水素量分布を均一にできないと
いう欠点があった。
【0012】この様に、従来技術では、未だに緻密化と
含有水素量の低減とを同時には達成し得ていないため、
水素低減による膜特性の大幅改善がみられないという欠
点があった。
【0013】本発明は、以上の様な従来技術の問題点に
鑑み、緻密で水素含有量の少ないa−Si:H膜を得る
ことを目的とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、この様
な目的は、シラン系ガスからなる原料ガスをグロー放電
分解して成膜基板上に水素化非晶質シリコン薄膜を堆積
させる水素化非晶質シリコン薄膜の製造方法において、
前記成膜基板を加熱保持して水素化非晶質シリコン薄膜
を堆積させる第1の工程と、前記原料ガスのグロー放電
分解を行いながら原子状水素及び/または原子状重水素
に前記成膜基板をさらす第2の工程とを交互に繰り返し
て行うことを特徴とする、水素化非晶質シリコン薄膜の
製造方法、により達成される。
【0015】本発明においては、前記成膜基板の加熱温
度は例えば300〜600℃である。また、本発明にお
いては、前記原料ガスにドーピングガスを混合し且つ前
記成膜基板の加熱温度を250〜550℃とすることに
より、価電子制御された水素化非晶質シリコン薄膜を得
ることができる。更に、本発明においては、前記第1の
工程1回において堆積される堆積層の厚みが10〜60
Åであり、前記第2の工程1回において堆積される堆積
層の厚みが20Å未満であるのが好ましい。本発明にお
いて、前記原子状水素及び/または原子状重水素の生成
を、前記原料ガスのグロー放電分解とは別の手段で、分
子状水素ガス及び/または分子状重水素ガスをグロー放
電分解することにより行うことができ、また別法として
前記原料ガスのグロー放電分解とは別の手段で、分子状
水素ガス及び/または分子状重水素ガスを熱分解するこ
とにより行うことができる。
【0016】
【作用】本発明は、膜成長時に基板を加熱し、特に30
0〜600℃の高温に加熱することにより、成長表面層
の過剰結合水素をSi−H結合を保存したまま分子状水
素として、脱離、放出することで、膜中含有水素量を低
減し、これに引き続いて原子状水素にさらすことで、成
長層及びその直下の内部層にこれを注入、拡散させるこ
とにより、複数のSi−H結合を切断してSi−Si結
合の復興を促すとともに、シリコン原子の不対電子を原
子状水素により補償することで、緻密で且つ膜中含有水
素量を低減した不規則網目構造を有するa−Si:H膜
を形成するものである。尚、シラン系ガスとしては、シ
ラン(SiH4 )ガス以外に、ジシラン(Si2 H
6 )ガスやトリシラン(Si3 H8 )ガス等の高
次シランガスを使用することもできる。
【0017】一方、原子状重水素(atm.D)にさら
した場合も、原子状重水素の拡散、放出ピークが原子状
水素の場合よりも高温側にシフトすること以外は、原子
状水素にさらした場合と同等の作用をなす。
【0018】ここで、成長層が安定した不規則網目構造
を形成するためには、成膜条件にもよるが、第1の工程
で数原子層程度の厚み即ち10〜60Å程度の厚みの形
成が必要であり、余り厚くすると内部層が形成されるた
め、ここに分子状水素が閉じ込められて放出されなくな
り、本発明の作用を十分には発揮することができない。 また、原子状水素にさらす第2の工程では、原子状水素
が成長表面に到達したSiH3 前駆体と反応し、Si
H4 ガス分子として再放出され、堆積速度が低下する
ために、20Å程度の厚みのa−Si:H膜を堆積する
時間でも、原子状水素は十分に上記作用を完了する。尚
、原子状水素または原子状重水素は、その荷電状態にか
かわらず使用することができる。
【0019】また、ドーピングを行う場合には、分子状
水素の放出ピークが更に50℃程度低温側にシフトする
ことから、基板温度を250〜550℃とすることで、
同様の効果が得られる。
【0020】
【実施例】図1は、本発明の一実施例に用いるプラズマ
CVD装置を示す断面図である。真空槽11の内部には
、成膜石英基板1がセットされた金属製基板ホルダー1
2を支持する電気的に接地された上部電極13が配置さ
れている。該上部電極13には成膜基板1及び基板ホル
ダー12を加熱保持するためのヒータ14が内蔵されて
いる。また、上部電極13と対向して、これと平行に、
高周波電源15が接続された下部電極16が配置されて
いる。また、真空槽11には、原料ガス導入管17が接
続されている。該原料ガス導入管17には、高速開閉バ
ルブ20を介して水素ガス導入管18が接続されている
。真空槽11には、更に排気管19が接続されており、
該排気管19には、コンダクタンス・バルブ21を介し
て真空ポンプ22が接続されている。尚、この装置には
、真空槽11以外に、金属製基板ホルダー12を成膜基
板1ごと大気中から搬入及び搬出するために、ゲートバ
ルブで真空槽11と接続された第2の真空槽が併設され
ているが、本発明の作用とは直接関係ないので図示を省
略した。また、この第2の真空槽には金属製基板ホルダ
ー12ごと成膜基板1を搬送する手段が備えられている
が、これも同じ理由で図示を省略した。
【0021】この装置を用いて行われた本発明の一実施
例を、図2を参照して述べる。
【0022】まず、コンダクタンス・バルブ21を全開
にして、真空ポンプ22で内部を真空排気した真空槽1
1のヒータ14に通電し、上部電極13を加熱保持した
。次に、ゲートバルブ(図示せず)を全開にし、真空に
排気した第2の真空槽(図示せず)内の基板ホルダー1
2を搬送手段(図示せず)により真空槽11内に移送し
、上部電極13により支持した。その後、搬送手段を第
2の真空槽内へと戻し、ゲートバルブを閉じた。
【0023】この状態で、1時間加熱し、基板温度が安
定したところで、原料ガス導入管17からシラン(Si
H4 )ガスを100sccmの流量で導入した。この
状態で、真空槽11内の圧力は0.01Torrであっ
た。次に、コンダクタンス・バルブ21の開口度を調節
して真空槽11内の圧力を0.10Torrに調整した
。このとき、基板温度は400℃で安定していた。ここ
で、周波数13.56MHzの高周波電源15から電力
密度0.06W/cm2 の高周波電界を下部電極16
に印加し、上部電極13との間でグロー放電を生ぜしめ
た。このグロー放電により、シランガスが分解し、図2
の(a)に示す様に、SiH3 前駆体3が生成し、基
板1上にa−Si:H膜の成長層2が堆積速度3Å/s
ecで堆積した。このとき、a−Si:Hに特有の不規
則網目構造の大枠ができあがる。しかも、この成長層2
の表面からは400℃という高温のため、分子状水素5
が枯渇するまで脱離、放出され、成長層2に含有される
水素はSi−H結合が主体となって存在するのみとなる
が、構造的自由度がなくなるために微小空孔などの構造
欠陥や微結晶相を多く含み、緻密とはいい難い。
【0024】次に、グロー放電を開始してから16秒後
に、この成長層2の厚みが50Åに到達し、内部層4が
形成され始めたところで、高速開閉バルブ20を開け、
水素ガス導入管18から分子状水素ガスを100scc
mの流量で導入した。このとき、グロー放電中の真空槽
11内の圧力は0.18Torrになり、真空槽11内
に導入された分子状水素ガスはグロー放電により分解し
て、図2の(b)に示す様に、原子状水素7を生成し、
成長層2の表面はこの原子状水素7にさらされることに
なる。分子状水素ガスが導入されることで、堆積条件は
50%水素希釈ガスを使用した場合と同様の状態になる
。このとき堆積する成長層を特に原子状水素処理層6と
呼ぶ。原子状水素の一部は成長表面に到達して、既に表
面に付着していたSiH3 前駆体と結合して再びSi
H4 ガスを生成するため、堆積速度を0.8Å/se
c程度に低下させるが、同時にそれ以外の原子状水素は
成長表面から更に膜中に拡散することができ、原子状水
素処理中に前記成長層2及び内部層4に到達することが
できる。成長層2に達した原子状水素8は、微小空孔内
のSi−H結合を切断してSi−Si結合を復興させ、
これらを凝縮することで、緻密な不規則網目構造を実現
する。このとき、原子状水素8と結合したSi−H結合
の水素原子9は、水素分子5となり徐々につぶれていく
複数の微小空孔内を伝わって原子状水素処理層6の表面
に達し、膜外に放出される。一方、内部層4に達した原
子状水素8’は、主にシリコン原子の不対電子と結合し
て、これを補償する。但し、原子状水素処理層6は、内
部層が形成され始めると、高温で微結晶シリコン相を形
成しやすくなるため、またあまり長い時間原子状水素7
にさらすと、拡散した原子状水素8’がSi−Si結合
までも切断して残留するため、処理時間を25秒間とし
、堆積する膜の厚みを20Å未満とした。
【0025】次に、高速開閉バルブ20を閉じて、分子
状水素の供給を停止し、図2の(c)に示す様に、第1
の工程に戻し、シランガスのみ100sccmの流量で
、成長層2を堆積させた。成長層2の厚みが内部層4が
形成される程度に厚くなると、図2の(b)において堆
積した原子状水素処理層6以下の層は構造が安定し、緻
密で構造欠陥の少ない不規則網目構造を有する低水素含
有a−Si:H膜10となる。この様にして膜厚600
0Åの低水素含有a−Si:H膜を成膜基板1上に堆積
させた後、高周波電力及びシランガスの供給を停止して
堆積を完了し、基板1を第2の真空槽(図示せず)から
大気中に搬出した。
【0026】同様にして、赤外吸収分光法(FT−IR
法)による膜中含有水素量の測定のため、n型単結晶シ
リコン基板を用いてa−Si:H膜を堆積した。
【0027】図3は、上記実施例の方法で基板温度を2
00℃から700℃まで100℃おきに変えて作製した
a−Si:H膜の、基板温度変化に対する、膜中含有水
素量CH (at.%)の変化、光学的バンドギャップ
Egopt(eV)の変化、及びラマン散乱スペクトル
の光学フォノンモード(TOモード)の半値幅ΔωTO
(cm−1)の変化の測定結果を示す。膜中含有水素量
CH は基板温度300℃あたりから3at.%に低下
し、基板温度400℃以上では2at.%程度にまで減
少している。原子状水素にさらさないことを除いて同一
成膜条件で得た膜の水素含有量は基板温度300℃にお
いて11%程度であったことから、低温側での低下は主
に微小空孔内からの水素放出によるものと考えられる。 また、光学的バンドギャップEgoptはほぼ膜中含有
水素量の低下とともに小さくなり、300〜600℃の
範囲で1.6eVとほぼ一定であるが、更に高温になる
と小さくなる。結合角の散乱を表し、結晶粒径の変化を
捕らえる1つの手段であるラマン散乱スペクトルにおけ
るのアモルファス(波数475cm−1)の光学フォノ
ンモードの半値幅ΔωTOは、600℃までは不規則網
目構造特有の幅の広いピークを示すが、700℃では、
このピークが消え、代わりに520cm−1に鋭いピー
クが出現し微結晶化が始まった。このことから、膜中含
有水素量を低減し、且つ緻密な不規則網目構造を形成す
るために好適な温度範囲が300〜600℃であること
が分かる。
【0028】また、図4は、同じく基板温度変化に対す
る、a−Si:H膜の活性化エネルギーEad(eV)
の変化、最小金属伝導度σ0 (s/cm)の変化、一
定光電流法(CPM)で測定した価電子帯裾準位分布を
表すアーバック・テールの傾きE0 (meV)と不対
電子(ダングリング・ボンド)が作るバンド中央付近の
局在準位の密度DOS(1/cm3 )値の変化を示す
。活性化エネルギーEadはあまり大きな変化を示さな
いが、400〜500℃に最小値を持ち、ほぼ0.7e
Vとn− 型の伝導を示した。また、絶対零度のときの
伝導度を前記活性化エネルギー及び暗導電率から算出し
た最小金属伝導度σ0 は、やはり400℃付近に最大
106 オーダーのピークを持っている。これは、大き
な移動度を示唆するものである。また、アーバック・テ
ールの傾きE0 も、基板温度400〜500℃に最小
値を持ち、膜中含有水素量の低下とともに「ゆらぎ」が
改善されたことを示している。更にまた、DOS値も4
00℃付近で最小となり、1014のオーダーとなった
。これは、従来の方法で作製した場合のDOS値が10
15のオーダーであったことと比較すると、緻密な不規
則網目構造の形成と並行して不対電子の補償が行われる
ことを示唆している。 以上のことから、原子状水素処理の基板温度条件として
は、400℃程度を選択するのが望ましい。そして、こ
の条件で作製したa−Si:H膜は、強度100mW/
cm2 の光照射下での光導電率σphが1.6×10
−4シーメンス/cm(s/cm)であり、移動度μは
0.2cm2 /V・secであった。また、光照射1
5時間後の光導電率は、初期値に対して半桁程度低下し
ただけであり、光劣化が極めて少なかった。
【0029】次に、本発明の他の実施例を示す。
【0030】シランガス100sccmとともにアルゴ
ンガスで希釈したジボラン(B2 H6 )ガス100
sccmを原料ガス導入管17から供給し、コンダクタ
ンス・バルブの21で真空槽11内の圧力が0.10T
orrになる様に調整して、a−Si:H膜へのドーピ
ングを行った。赤外吸収分光法による測定から、ボロン
をドーピングした場合には、しない場合に比べて50℃
程度低温側から膜中含有水素量の低下がみられた。また
、ラマン散乱スペクトルの測定において、600℃から
520cm−1に鋭いピークが現れ、微結晶化が始まる
ことが分かった。基板温度300℃の時の暗導電率σd
 は8×10−2s/cmであった。
【0031】また、シランガス100sccmとともに
アルゴンガスで希釈したホスフィン(PH3 )ガス1
00sccmを原料ガス導入管17から供給し、コンダ
クタンス・バルブ21で真空槽11内の圧力が0.10
Torrになる様に調整して、a−Si:H膜へのドー
ピングを行った。この場合も、膜中水素含有量及びラマ
ン散乱スペクトルは、前記ボロンドーピングの場合と同
様の傾向を示した。また、基板温度300℃の時の暗導
電率σd は3×10−2s/cmであった。
【0032】尚、原子状水素または原子状重水素の生成
方法としては、前記実施例における方法以外に、図5に
示す様に、水素ガス導入管18を原料ガス導入管17と
は分離して独立に真空槽11に接続し、水素ガス導入管
18に1500℃に加熱できる熱分解炉23を接続して
、ここで水素ガスを熱分解して原子状水素を生成し、こ
れを真空槽11に供給して前記基板1を原子状水素にさ
らすこともできる。
【0033】更にまた、図6に示す様に、前記水素ガス
導入管18の高速開閉バルブ20の上流側に他の真空排
気ポンプ(図示せず)にその一端が接続されたT字配管
24を接続し、更にその水素ガス供給側に周波数2.4
5GHzのマイクロ波電源25に接続したアプリケータ
(放電管)26を接続し、その内部に水素ガスを供給し
て、これをマイクロ波プラズマにより分解して原子状水
素を生成し、高速開閉バルブ20を介して真空槽11に
供給して前記基板1を原子状水素にさらすこともできる
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、シラン系ガスを原料と
し、これをグロー放電分解して加熱保持した基板上にa
−Si:H膜を堆積させる第1の工程と、前記原料ガス
のグロー放電分解を行いながら原子状水素及び/または
原子状重水素に前記成膜基板をさらす第2の工程とを交
互に繰り返して行うことで、成長層及びその直下の内部
層に原子状水素及び/または原子状重水素を注入、拡散
せしめ、複数のSi−H結合を切断してSi−Si結合
の復興を促し、且つシリコン原子の不対電子を原子状水
素及び/または原子状重水素により補償し、緻密で水素
含有量の少ないa−Si:H膜を作製することができ、
局在準位密度が極めて少なく、従来のものの数倍の光導
電率及び数百倍の移動度をもち且つ光劣化の少ない優れ
た膜を製造できることから、光電変換特性に優れ光劣化
の少ない光センサーや太陽電池、更には高速応答性能に
優れたTFTなどを実現する上で、極めて有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施に用いる装置の断面図である。
【図2】本発明の工程の説明のための模式的断面図であ
る。
【図3】本発明の実施により得られるa−Si:H膜の
特性の一例を示す図である。
【図4】本発明の実施により得られるa−Si:H膜の
特性の一例を示す図である。
【図5】本発明の実施に用いる装置の断面図である。
【図6】本発明の実施に用いる装置の断面図である。
【符号の説明】
1    成膜基板 2    成長層 3    SiH3 前駆体 4    内部層 5    分子状水素 6    原子状水素処理層 7,8,8’,9    原子状水素 11    真空槽 12    基板ホルダー 13    上部電極 14    ヒータ 15    高周波電源 16    下部電極 17    原料ガス導入管 18    水素ガス導入管 19    排気管 20    高速開閉バルブ 21    コンダクタンス・バルブ 22    真空ポンプ 23    熱分解炉 24    T字配管 25    マイクロ波電源 26    アプリケータ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  シラン系ガスからなる原料ガスをグロ
    ー放電分解して成膜基板上に水素化非晶質シリコン薄膜
    を堆積させる水素化非晶質シリコン薄膜の製造方法にお
    いて、前記成膜基板を加熱保持して水素化非晶質シリコ
    ン薄膜を堆積させる第1の工程と、前記原料ガスのグロ
    ー放電分解を行いながら原子状水素及び/または原子状
    重水素に前記成膜基板をさらす第2の工程とを交互に繰
    り返して行うことを特徴とする、水素化非晶質シリコン
    薄膜の製造方法。
  2. 【請求項2】  前記成膜基板の加熱温度が300〜6
    00℃であることを特徴とする、請求項1に記載の水素
    化非晶質シリコン薄膜の製造方法。
  3. 【請求項3】  前記原料ガスにドーピングガスを混合
    し且つ前記成膜基板の加熱温度を250〜550℃とす
    ることにより、価電子制御された水素化非晶質シリコン
    薄膜を得ることを特徴とする、請求項1に記載の水素化
    非晶質シリコン薄膜の製造方法。
  4. 【請求項4】  前記第1の工程1回において堆積され
    る堆積層の厚みが10〜60Åであり、前記第2の工程
    1回において堆積される堆積層の厚みが20Å未満であ
    ることを特徴とする、請求項1〜請求項3のいずれかに
    記載の水素化非晶質シリコン薄膜の製造方法。
  5. 【請求項5】  前記原子状水素及び/または原子状重
    水素の生成を、前記原料ガスのグロー放電分解とは別の
    手段で、分子状水素ガス及び/または分子状重水素ガス
    をグロー放電分解することにより行うことを特徴とする
    、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の水素化非晶質
    シリコン薄膜の製造方法。
  6. 【請求項6】  前記原子状水素及び/または原子状重
    水素の生成を、前記原料ガスのグロー放電分解とは別の
    手段で、分子状水素ガス及び/または分子状重水素ガス
    を熱分解することにより行うことを特徴とする、請求項
    1〜請求項4のいずれかに記載の水素化非晶質シリコン
    薄膜の製造方法。
JP3140681A 1991-05-17 1991-05-17 水素化非晶質シリコン薄膜の製造方法 Pending JPH04342122A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3140681A JPH04342122A (ja) 1991-05-17 1991-05-17 水素化非晶質シリコン薄膜の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3140681A JPH04342122A (ja) 1991-05-17 1991-05-17 水素化非晶質シリコン薄膜の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH04342122A true JPH04342122A (ja) 1992-11-27

Family

ID=15274285

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3140681A Pending JPH04342122A (ja) 1991-05-17 1991-05-17 水素化非晶質シリコン薄膜の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH04342122A (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6252270B1 (en) 1997-04-28 2001-06-26 Agere Systems Guardian Corp. Increased cycle specification for floating-gate and method of manufacture thereof
US6309938B1 (en) 1997-04-28 2001-10-30 Agere Systems Guardian Corp. Deuterated bipolar transistor and method of manufacture thereof
JP2004296926A (ja) * 2003-03-27 2004-10-21 Kyocera Corp 半導体薄膜およびそれを用いた光電変換素子
JP2004363579A (ja) * 2003-05-13 2004-12-24 Kyocera Corp 光電変換装置および光発電装置
JP2004363580A (ja) * 2003-05-13 2004-12-24 Kyocera Corp 光電変換装置および光発電装置
JP2004363578A (ja) * 2003-05-13 2004-12-24 Kyocera Corp 半導体薄膜およびそれを用いた光電変換装置ならびに光発電装置
JP2004363577A (ja) * 2003-05-13 2004-12-24 Kyocera Corp 半導体薄膜およびそれを用いた光電変換装置ならびに光発電装置
JP2020180820A (ja) * 2019-04-24 2020-11-05 株式会社日立製作所 電池評価システム、電池評価方法及びプログラム

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6252270B1 (en) 1997-04-28 2001-06-26 Agere Systems Guardian Corp. Increased cycle specification for floating-gate and method of manufacture thereof
US6309938B1 (en) 1997-04-28 2001-10-30 Agere Systems Guardian Corp. Deuterated bipolar transistor and method of manufacture thereof
JP2004296926A (ja) * 2003-03-27 2004-10-21 Kyocera Corp 半導体薄膜およびそれを用いた光電変換素子
JP2004363579A (ja) * 2003-05-13 2004-12-24 Kyocera Corp 光電変換装置および光発電装置
JP2004363580A (ja) * 2003-05-13 2004-12-24 Kyocera Corp 光電変換装置および光発電装置
JP2004363578A (ja) * 2003-05-13 2004-12-24 Kyocera Corp 半導体薄膜およびそれを用いた光電変換装置ならびに光発電装置
JP2004363577A (ja) * 2003-05-13 2004-12-24 Kyocera Corp 半導体薄膜およびそれを用いた光電変換装置ならびに光発電装置
JP2020180820A (ja) * 2019-04-24 2020-11-05 株式会社日立製作所 電池評価システム、電池評価方法及びプログラム

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4505950A (en) Method of manufacturing a multiple-layer, non-single-crystalline semiconductor on a substrate
JPH06105691B2 (ja) 炭素添加非晶質シリコン薄膜の製造方法
JP2533639B2 (ja) P形炭素添加非晶質シリコンの生成方法
JP2616929B2 (ja) 微結晶炭化ケイ素半導体膜の製造方法
JPH0513347A (ja) 堆積膜形成方法
JP2692091B2 (ja) 炭化ケイ素半導体膜およびその製造方法
JPH04342122A (ja) 水素化非晶質シリコン薄膜の製造方法
Li et al. Hydrogenated amorphous silicon-carbide thin films with high photo-sensitivity prepared by layer-by-layer hydrogen annealing technique
Chaudhary et al. Effect of pressure on bonding environment and carrier transport of a-Si: H thin films deposited using 27.12 MHz assisted PECVD process
JPH04342121A (ja) 水素化非晶質シリコン薄膜の製造方法
JP2953636B2 (ja) 薄膜半導体の製造法
JPH07106611A (ja) Bsf型太陽電池の製造方法
JPH04342120A (ja) 水素化非晶質シリコン薄膜の製造方法
JPH07130661A (ja) 非晶質酸化シリコン薄膜の生成方法
Chowdhury et al. Structural and transport properties of nanocrystalline silicon thin films prepared at 54.24 MHz plasma excitation frequency
Ide et al. Amorphous silicon thin films prepared by hot wire cell method and its application to solar cells
Shimizu et al. Low temperature growth of poly-crystalline film of Silicon-rich Silicon-germanium by reactive thermal chemical vapor deposition
JP3078373B2 (ja) 光電変換装置とその製造方法
JPH0831413B2 (ja) Pin型光電変換素子の製造方法
Das et al. Device quality hydrogenated amorphous silicon films deposited at high growth rates
JP3040247B2 (ja) シリコン薄膜の製造法
EP3125305A1 (en) Method for manufacturing germanium based thin film solar cells with improved light induced degradation properties
JPH04342119A (ja) 水素化非晶質シリコン薄膜の製造方法
Saha et al. Device-quality polycrystalline silicon films deposited at low process temperatures by hot-wire chemical vapor deposition
JPH1187751A (ja) 多結晶シリコン薄膜及び光電変換素子並びにこれらの製造方法