JP3040247B2 - シリコン薄膜の製造法 - Google Patents
シリコン薄膜の製造法Info
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- JP3040247B2 JP3040247B2 JP4071622A JP7162292A JP3040247B2 JP 3040247 B2 JP3040247 B2 JP 3040247B2 JP 4071622 A JP4071622 A JP 4071622A JP 7162292 A JP7162292 A JP 7162292A JP 3040247 B2 JP3040247 B2 JP 3040247B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、シリコン薄膜の新規な
製造方法に関する。詳しくは、非晶質系光電変換素子に
おける光電気変換層として使用した場合に、光電気変換
特性の光照射による低下が少なく、且つ、少数キャリア
ー(正孔)の輸送特性に優れたシリコン薄膜を効率よく
得ることが可能なシリコン薄膜の製造方法である。
製造方法に関する。詳しくは、非晶質系光電変換素子に
おける光電気変換層として使用した場合に、光電気変換
特性の光照射による低下が少なく、且つ、少数キャリア
ー(正孔)の輸送特性に優れたシリコン薄膜を効率よく
得ることが可能なシリコン薄膜の製造方法である。
【0002】
【従来の技術】従来、非晶質系光電変換素子の光電変換
層としてのシリコン薄膜の製造方法としては、ケミカル
・ベーパー・デポジション(以下、CVDという)、具
体的には、プラズマCVD法、光CVD法、ECRCV
D法、熱CVD法等が知られている。そのうち、プラズ
マCVD法は、他の方法と比較して高品質のシリコン薄
膜が、大面積で得られるため、好適に使用されている。
層としてのシリコン薄膜の製造方法としては、ケミカル
・ベーパー・デポジション(以下、CVDという)、具
体的には、プラズマCVD法、光CVD法、ECRCV
D法、熱CVD法等が知られている。そのうち、プラズ
マCVD法は、他の方法と比較して高品質のシリコン薄
膜が、大面積で得られるため、好適に使用されている。
【0003】上記プラズマCVD法によるシリコン薄膜
の形成は、プラズマ領域内にシラン化合物ガスを供給し
てシリコンを析出することにより行われる。
の形成は、プラズマ領域内にシラン化合物ガスを供給し
てシリコンを析出することにより行われる。
【0004】しかしながら、かかる方法によって得られ
たシリコン薄膜は、光電変換層として使用した場合、ア
プライド・フィジックス・レター(Appl.Phy
s.Lett.)31、292〜294頁(1977)
において確認されている様に、光照射によって経時的に
光導電率が低下する、いわゆる光劣化が起こり、素子と
しての信頼性に問題があった。そのため、大電力用エネ
ルギー源としての実用化には及んでいない。
たシリコン薄膜は、光電変換層として使用した場合、ア
プライド・フィジックス・レター(Appl.Phy
s.Lett.)31、292〜294頁(1977)
において確認されている様に、光照射によって経時的に
光導電率が低下する、いわゆる光劣化が起こり、素子と
しての信頼性に問題があった。そのため、大電力用エネ
ルギー源としての実用化には及んでいない。
【0005】このような光電変換層の光劣化を改善する
方法として、ジャパニーズ・ジャナルオブ・アプライド
・フィジックスJpn.Appl.Phys.30(1
991)L881〜L884には、希釈ガスとして、プ
ラズマ化された水素とアルゴンとの混合ガスを連続的に
プラズマ領域に供給しながら、シラン化合物を断続的に
プラズマ発生領域に供給して、該プラズマ発生領域にお
いてシリコンを析出することにより、得られるシリコン
薄膜の光劣化を防止する方法が提案されている。
方法として、ジャパニーズ・ジャナルオブ・アプライド
・フィジックスJpn.Appl.Phys.30(1
991)L881〜L884には、希釈ガスとして、プ
ラズマ化された水素とアルゴンとの混合ガスを連続的に
プラズマ領域に供給しながら、シラン化合物を断続的に
プラズマ発生領域に供給して、該プラズマ発生領域にお
いてシリコンを析出することにより、得られるシリコン
薄膜の光劣化を防止する方法が提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記方
法によれば、光劣化に関する問題は大幅に改善される
が、光劣化の防止効果を十分発揮するためには、シラン
化合物を断続的にプラズマ発生領域に供給する操作を必
須としていた。そのため、シラン化合物ガスのプラズマ
発生領域への供給によるシリコンの析出時間より、シラ
ン化合物ガスを供給していない時間(プラズマ処理時
間)の方が長く、シリコン膜の形成に多大の時間を要す
るという問題を有する。
法によれば、光劣化に関する問題は大幅に改善される
が、光劣化の防止効果を十分発揮するためには、シラン
化合物を断続的にプラズマ発生領域に供給する操作を必
須としていた。そのため、シラン化合物ガスのプラズマ
発生領域への供給によるシリコンの析出時間より、シラ
ン化合物ガスを供給していない時間(プラズマ処理時
間)の方が長く、シリコン膜の形成に多大の時間を要す
るという問題を有する。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、非晶質系
光電変換素子における光電気変換層として使用した場合
に、光電気変換特性の光照射による低下が少ないシリコ
ン薄膜を効率よく得ることが可能なシリコン薄膜の製造
方法を開発すべく、研究を重ねた。その結果、希釈ガス
としてプラズマ化された不活性ガスを使用し、該希釈ガ
スと原料ガスであるシラン化合物ガスとのプラズマ領域
における流量比を調節することにより、該シラン化合物
ガスを連続的に供給した場合でも、光劣化が前記方法と
同等に低減されたシリコン薄膜が効率よく得られること
を見い出し、本発明を完成するに至った。
光電変換素子における光電気変換層として使用した場合
に、光電気変換特性の光照射による低下が少ないシリコ
ン薄膜を効率よく得ることが可能なシリコン薄膜の製造
方法を開発すべく、研究を重ねた。その結果、希釈ガス
としてプラズマ化された不活性ガスを使用し、該希釈ガ
スと原料ガスであるシラン化合物ガスとのプラズマ領域
における流量比を調節することにより、該シラン化合物
ガスを連続的に供給した場合でも、光劣化が前記方法と
同等に低減されたシリコン薄膜が効率よく得られること
を見い出し、本発明を完成するに至った。
【0008】即ち、本発明は、プラズマ発生領域に、シ
ラン化合物ガスとプラズマ化された不活性ガスとを、該
シラン化合物ガスと不活性ガスとの流量比が3.5〜5
0となるように連続的に供給しながら、該プラズマ発生
領域内においてシリコンを析出させることを特徴とする
シリコン薄膜の製造方法である。
ラン化合物ガスとプラズマ化された不活性ガスとを、該
シラン化合物ガスと不活性ガスとの流量比が3.5〜5
0となるように連続的に供給しながら、該プラズマ発生
領域内においてシリコンを析出させることを特徴とする
シリコン薄膜の製造方法である。
【0009】本発明において、プラズマ発生領域は、シ
ラン化合物ガスを分解してプラズマ化できる状態に維持
されている領域をいう。かかるプラズマ発生領域は、一
般に、該シラン化合物ガスのプラズマ化の制御が容易な
高周波放電、直流放電等により形成することが好まし
い。具体的には、対向する電極に電圧を印加することに
よって、該電極間にプラズマ発生領域を形成することが
できる。この場合、プラズマ発生領域を形成する電極間
の投入電力密度は、供給されるシラン化合物ガスのプラ
ズマ化が可能で、且つ該シラン化合物ガスの分解が急激
に起こらない範囲が好ましい。一般には、0.01mW
〜5W/cm3の範囲より選択するとよい。また、該プ
ラズマ発生領域の圧力は、通常0.1mr〜10Tor
rの範囲より選択することが好ましい。
ラン化合物ガスを分解してプラズマ化できる状態に維持
されている領域をいう。かかるプラズマ発生領域は、一
般に、該シラン化合物ガスのプラズマ化の制御が容易な
高周波放電、直流放電等により形成することが好まし
い。具体的には、対向する電極に電圧を印加することに
よって、該電極間にプラズマ発生領域を形成することが
できる。この場合、プラズマ発生領域を形成する電極間
の投入電力密度は、供給されるシラン化合物ガスのプラ
ズマ化が可能で、且つ該シラン化合物ガスの分解が急激
に起こらない範囲が好ましい。一般には、0.01mW
〜5W/cm3の範囲より選択するとよい。また、該プ
ラズマ発生領域の圧力は、通常0.1mr〜10Tor
rの範囲より選択することが好ましい。
【0010】上記プラズマ発生領域には、シラン化合物
ガスとプラズマ化された不活性ガスとが連続的に供給さ
れる。
ガスとプラズマ化された不活性ガスとが連続的に供給さ
れる。
【0011】本発明において、シラン化合物ガスを構成
するシラン化合物は、プラズマ発生領域にガス状で供給
が可能な公知のシラン化合物が特に制限なく使用され
る。例えば、モノシラン、ジシラン、トリシラン、テト
ラシラン等のシラン類、そのハロゲン化物等が挙げられ
る。特に、上記のシラン類が好適に使用される。
するシラン化合物は、プラズマ発生領域にガス状で供給
が可能な公知のシラン化合物が特に制限なく使用され
る。例えば、モノシラン、ジシラン、トリシラン、テト
ラシラン等のシラン類、そのハロゲン化物等が挙げられ
る。特に、上記のシラン類が好適に使用される。
【0012】上記シラン化合物は、ガス化された状態で
そのままプラズマ発生領域に供給するのが一般的である
が、本発明の効果を著しく阻害しない範囲で水素や不活
性ガスで希釈して供給することも可能である。
そのままプラズマ発生領域に供給するのが一般的である
が、本発明の効果を著しく阻害しない範囲で水素や不活
性ガスで希釈して供給することも可能である。
【0013】また、本発明において、不活性ガスは、ヘ
リウム、アルゴン、ネオン、キセノン等の公知の不活性
ガスが使用できる。そのうち、特に、ヘリウムが好適で
ある。
リウム、アルゴン、ネオン、キセノン等の公知の不活性
ガスが使用できる。そのうち、特に、ヘリウムが好適で
ある。
【0014】上記不活性ガスは、予めプラズマ化して活
性化された状態でプラズマ領域に供給することが本発明
の目的を達成するために重要である。即ち、不活性ガス
をプラズマ化することなくプラズマ発生領域に供給した
場合には、形成されるシリコン薄膜の該不活性ガスのプ
ラズマ化による光劣化防止効果等の本発明の効果は十分
発揮されない。また、プラズマ発生領域において、シラ
ン化合物ガスと共に該不活性ガスをプラズマ化しようと
した場合には、高い投入電力を必要とし、シラン化合物
のプラズマ化が過度に進行し、上記と同様に、本発明の
効果が十分に発揮されない。本発明にあっては、不活性
ガスを予めプラズマ化してプラズマ発生領域に供給する
ことにより、シラン化合物ガスのプラズマ化を適度に制
御しながら、プラズマ化された不活性ガスをプラズマ発
生領域に共存させることができる。
性化された状態でプラズマ領域に供給することが本発明
の目的を達成するために重要である。即ち、不活性ガス
をプラズマ化することなくプラズマ発生領域に供給した
場合には、形成されるシリコン薄膜の該不活性ガスのプ
ラズマ化による光劣化防止効果等の本発明の効果は十分
発揮されない。また、プラズマ発生領域において、シラ
ン化合物ガスと共に該不活性ガスをプラズマ化しようと
した場合には、高い投入電力を必要とし、シラン化合物
のプラズマ化が過度に進行し、上記と同様に、本発明の
効果が十分に発揮されない。本発明にあっては、不活性
ガスを予めプラズマ化してプラズマ発生領域に供給する
ことにより、シラン化合物ガスのプラズマ化を適度に制
御しながら、プラズマ化された不活性ガスをプラズマ発
生領域に共存させることができる。
【0015】不活性ガスのプラズマ化の方法は、公知の
方法が特に制限なく採用される。例えば、高周波放電、
マイクロ波放電、直流放電等によりプラズマ化する方法
が挙げられる。そのうち、マイクロ波放電による方法
は、プラズマ化された不活性ガスの密度が高く、且つ、
10-2Torr以下の低圧領域においても安定なプラズ
マを得ることが可能であるため操作範囲も広い等の理由
で、特に有効である。
方法が特に制限なく採用される。例えば、高周波放電、
マイクロ波放電、直流放電等によりプラズマ化する方法
が挙げられる。そのうち、マイクロ波放電による方法
は、プラズマ化された不活性ガスの密度が高く、且つ、
10-2Torr以下の低圧領域においても安定なプラズ
マを得ることが可能であるため操作範囲も広い等の理由
で、特に有効である。
【0016】上記不活性ガスのプラズマ化における投入
電力は高いほど好ましい。例えば、上記マイクロ波放電
によるプラズマ化において、投入電力は、50W以上、
特に100〜500Wが好ましい。
電力は高いほど好ましい。例えば、上記マイクロ波放電
によるプラズマ化において、投入電力は、50W以上、
特に100〜500Wが好ましい。
【0017】本発明において、重要な要件は、前記プラ
ズマ発生領域に供給するシラン化合物ガスと不活性ガス
との流量比が3.5〜50、好ましくは、3.5〜10
となるように連続的に供給しながら、該プラズマ発生領
域内においてシリコンを析出させることである。即ち、
かかる流量比が3.5未満の場合、得られるシリコン薄
膜の光劣化の防止効果が殆ど発揮されず、また、該流量
比が50を越えた場合、シリコン薄膜の析出速度が著し
く低下し、効率よくシリコン薄膜を形成することが困難
となる。
ズマ発生領域に供給するシラン化合物ガスと不活性ガス
との流量比が3.5〜50、好ましくは、3.5〜10
となるように連続的に供給しながら、該プラズマ発生領
域内においてシリコンを析出させることである。即ち、
かかる流量比が3.5未満の場合、得られるシリコン薄
膜の光劣化の防止効果が殆ど発揮されず、また、該流量
比が50を越えた場合、シリコン薄膜の析出速度が著し
く低下し、効率よくシリコン薄膜を形成することが困難
となる。
【0018】また、本発明において、プラズマ発生領域
内でのシリコンの析出は、上記した条件を満足するもの
であれば、その他の条件は公知の方法が特に制限なく採
用される。例えば、シリコンの析出は、プラズマ発生領
域内に基板を設置し、該基板上に行われる。かかる基板
は、特に限定されるものではなく、素子形成時のプロセ
スおよび用途に応じて適宜決定される。一般に、形成さ
れるシリコン薄膜を非晶質系光電変換素子における光電
気変換層として使用する場合には、石英硝子、青板ガラ
ス、単結晶基板、多結晶基板、金属、セラミックス、耐
熱性ポリマー等が使用できる。また、基板温度は、一般
に300〜500℃の温度が採用される。
内でのシリコンの析出は、上記した条件を満足するもの
であれば、その他の条件は公知の方法が特に制限なく採
用される。例えば、シリコンの析出は、プラズマ発生領
域内に基板を設置し、該基板上に行われる。かかる基板
は、特に限定されるものではなく、素子形成時のプロセ
スおよび用途に応じて適宜決定される。一般に、形成さ
れるシリコン薄膜を非晶質系光電変換素子における光電
気変換層として使用する場合には、石英硝子、青板ガラ
ス、単結晶基板、多結晶基板、金属、セラミックス、耐
熱性ポリマー等が使用できる。また、基板温度は、一般
に300〜500℃の温度が採用される。
【0019】本発明の方法を実施するための装置は特に
制限されない。代表的な装置を例示すれば、図1に示す
装置が挙げられる。即ち、図1に示す装置は、マイクロ
波電源を用いたプラズマ化装置4を備えた不活性ガス供
給導管6、シラン化合物供給導管5及び真空ポンプ10
が接続し、高周波電源を用いた対向する高周波発生電極
8を有するケーシングにより構成される。また、高周波
発生電極8の内部には、基板11を所定の温度に加熱す
るためのヒーター9が設けられる。不活性ガス1は、流
量調節計3で流量を調節されながら、プラズマ化装置4
によってプラズマ化されて不活性ガス供給導管6より、
高周波発生電極8間に形成されたプラズマ発生領域7に
連続的に供給され、シラン化合物ガス2は、流量調節計
3で流量を調節されながら、シラン化合物供給導管5よ
り、プラズマ発生領域7に連続的に供給される。該プラ
ズマ発生領域では、ヒーター9によって所定の温度に加
熱された基板11が設けられ、該基板上にシリコンが析
出する。尚、真空ポンプ10により、該プラズマ発生領
域の真空度は、所定の圧力に調節される。、シラン化合
物ガスとプラズマ化された不活性ガスとを、前記条件下
に連続的に供給することにより、該プラズマ発生領域内
に設置した基板上にシリコンが析出し、シリコン薄膜が
形成される。
制限されない。代表的な装置を例示すれば、図1に示す
装置が挙げられる。即ち、図1に示す装置は、マイクロ
波電源を用いたプラズマ化装置4を備えた不活性ガス供
給導管6、シラン化合物供給導管5及び真空ポンプ10
が接続し、高周波電源を用いた対向する高周波発生電極
8を有するケーシングにより構成される。また、高周波
発生電極8の内部には、基板11を所定の温度に加熱す
るためのヒーター9が設けられる。不活性ガス1は、流
量調節計3で流量を調節されながら、プラズマ化装置4
によってプラズマ化されて不活性ガス供給導管6より、
高周波発生電極8間に形成されたプラズマ発生領域7に
連続的に供給され、シラン化合物ガス2は、流量調節計
3で流量を調節されながら、シラン化合物供給導管5よ
り、プラズマ発生領域7に連続的に供給される。該プラ
ズマ発生領域では、ヒーター9によって所定の温度に加
熱された基板11が設けられ、該基板上にシリコンが析
出する。尚、真空ポンプ10により、該プラズマ発生領
域の真空度は、所定の圧力に調節される。、シラン化合
物ガスとプラズマ化された不活性ガスとを、前記条件下
に連続的に供給することにより、該プラズマ発生領域内
に設置した基板上にシリコンが析出し、シリコン薄膜が
形成される。
【0020】
【効果】以上の説明より理解されるように、本発明によ
れば、非晶質系光電変換素子における光電気変換層とし
て使用した場合に、光電気変換特性の光照射による低下
が少ないシリコン薄膜を得ることが可能である。しか
も、シリコンを連続して析出することができるので、従
来の方法に比べ、早い製膜速度でシリコン薄膜を形成す
ることができ、その工業的価値は極めて大きいものであ
る。
れば、非晶質系光電変換素子における光電気変換層とし
て使用した場合に、光電気変換特性の光照射による低下
が少ないシリコン薄膜を得ることが可能である。しか
も、シリコンを連続して析出することができるので、従
来の方法に比べ、早い製膜速度でシリコン薄膜を形成す
ることができ、その工業的価値は極めて大きいものであ
る。
【0021】また、本発明の方法によって得られたシリ
コン薄膜は、少数キャリアー(正孔)の輸送特性に優
れ、しかも、両極性拡散長の著しい増加効果を示すた
め、非晶質系光電変換素子における光電気変換層として
使用した場合に、光電変換効率の改善が期待される。
コン薄膜は、少数キャリアー(正孔)の輸送特性に優
れ、しかも、両極性拡散長の著しい増加効果を示すた
め、非晶質系光電変換素子における光電気変換層として
使用した場合に、光電変換効率の改善が期待される。
【0022】
【実施例】本発明を更に具体的に説明するため、実施例
を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。
を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。
【0023】尚、実施例及び比較例において、得られた
シリコン薄膜の光劣化特性、少数キャリアー(正孔)の
輸送特性、両極性拡散長は、以下の方法によって測定し
た。 (1)光劣化特性 シリコン薄膜に疑似太陽光(AM−1)100mW/c
m2を照射し、光電流の光照射時間依存性を調べた。光
照射時間を1000分行い、その間の経時変化を測定し
た。
シリコン薄膜の光劣化特性、少数キャリアー(正孔)の
輸送特性、両極性拡散長は、以下の方法によって測定し
た。 (1)光劣化特性 シリコン薄膜に疑似太陽光(AM−1)100mW/c
m2を照射し、光電流の光照射時間依存性を調べた。光
照射時間を1000分行い、その間の経時変化を測定し
た。
【0024】(2)少数キャリアー(正孔)の輸送特性 ソーラ・セルズ(Sollar cells)2,30
1(1980)に記載の過渡光電流測定法に準じて測定
し、正孔ドリフト移動度として示した。
1(1980)に記載の過渡光電流測定法に準じて測定
し、正孔ドリフト移動度として示した。
【0025】(3)両極性拡散長 フィジカル・レビュー(PHYS.REV.)B38
8296〜8304頁に記載のSSPG(STEDY
STATE PHOTO CARRIER GRATI
NG)法に準じて測定した。
8296〜8304頁に記載のSSPG(STEDY
STATE PHOTO CARRIER GRATI
NG)法に準じて測定した。
【0026】実施例1 図1に示す装置を使用して以下の条件でシリコン薄膜を
形成した。
形成した。
【0027】先ず、主原料として100%モノシランガ
スを流量10SCCMでプラズマ発生領域に連続的に供
給すると共に、マイクロ波投入電力300Wでプラズマ
化したヘリウムを流量40SCCMでプラズマ発生領域
に供給した。装置内の反応圧力は280mTorrに調
節し、基板温度320℃、電極における高周波投入電力
を5Wに設定し、約2μmの膜厚となるようにシリコン
を析出させた。尚、基板には、石英硝子、および単結晶
シリコンをそれぞれ使用した。
スを流量10SCCMでプラズマ発生領域に連続的に供
給すると共に、マイクロ波投入電力300Wでプラズマ
化したヘリウムを流量40SCCMでプラズマ発生領域
に供給した。装置内の反応圧力は280mTorrに調
節し、基板温度320℃、電極における高周波投入電力
を5Wに設定し、約2μmの膜厚となるようにシリコン
を析出させた。尚、基板には、石英硝子、および単結晶
シリコンをそれぞれ使用した。
【0028】その結果、膜形成速度は3オングストロー
ム/秒であった。これに対して、シラン類の供給を断続
的に行う従来の方法では、該製膜速度が1/5以下であ
った。
ム/秒であった。これに対して、シラン類の供給を断続
的に行う従来の方法では、該製膜速度が1/5以下であ
った。
【0029】また、形成されたシリコン薄膜中に存在す
る結合水素の含有量を測定するために単結晶シリコン基
板上に形成した薄膜のフーリエ変換赤外吸収スペクトル
測定を行った。また、光学的測定、電気的測定を、それ
ぞれ石英硝子上に形成されたシリコン薄膜について行っ
た。その際、電気的測定のために、シリコン薄膜の一部
に電極を形成した。
る結合水素の含有量を測定するために単結晶シリコン基
板上に形成した薄膜のフーリエ変換赤外吸収スペクトル
測定を行った。また、光学的測定、電気的測定を、それ
ぞれ石英硝子上に形成されたシリコン薄膜について行っ
た。その際、電気的測定のために、シリコン薄膜の一部
に電極を形成した。
【0030】以上の測定の結果、本発明により得られた
シリコン薄膜の特性は、光学的バンドギャップ1.67
eV、膜中含有結合水素量7.0at.%、疑似太陽光
(AM−1)100mW/cm2照射下における光導電
率7.1×10-5S/cm、暗導電率2×10-11S/
cm、活性化エネルギー0.98eVであった。
シリコン薄膜の特性は、光学的バンドギャップ1.67
eV、膜中含有結合水素量7.0at.%、疑似太陽光
(AM−1)100mW/cm2照射下における光導電
率7.1×10-5S/cm、暗導電率2×10-11S/
cm、活性化エネルギー0.98eVであった。
【0031】また、両極性拡散長は1700オングスト
ローム、正孔ドリフト移動度0.02cm2/V・sで
あった。
ローム、正孔ドリフト移動度0.02cm2/V・sで
あった。
【0032】更に、得られたシリコン薄膜の光安定性の
測定結果を表1に示す。
測定結果を表1に示す。
【0033】実施例2 実施例1において、プラズマ化するヘリウムガスの流量
のみを60SCCMに変更した以外は、同様な条件でシ
リコン薄膜の形成を行った。尚、ヘリウム流量を変更し
たことにより成膜室内の圧力上昇が確認されたが、真空
ポンプ(メカニカルブースターポンプ)の吸引力を制御
することにより反応圧力は実施例1同様280mTor
rとした。以上の条件により1.5μmのシリコン薄膜
を得た。その結果、製膜速度は、3オングストローム/
秒であった。
のみを60SCCMに変更した以外は、同様な条件でシ
リコン薄膜の形成を行った。尚、ヘリウム流量を変更し
たことにより成膜室内の圧力上昇が確認されたが、真空
ポンプ(メカニカルブースターポンプ)の吸引力を制御
することにより反応圧力は実施例1同様280mTor
rとした。以上の条件により1.5μmのシリコン薄膜
を得た。その結果、製膜速度は、3オングストローム/
秒であった。
【0034】また、得られたシリコン薄膜の評価は、実
施例1と同様に行った。その結果、光学的バンドギャッ
プ1.68eV、膜中含有水素量7.7at.%、疑似
太陽光(AM−1)100mW/cm2照射下における
光導電率3.9×10-5S/cm、暗導電率2×10
-11S/cm、活性化エネルギー1.00eV、両極性
拡散長1450オングストローム、正孔ドリフト移動度
0.02cm2/V・sであった。 また、得られたシ
リコン薄膜の光安定性の測定結果を表1に併せて示す。
施例1と同様に行った。その結果、光学的バンドギャッ
プ1.68eV、膜中含有水素量7.7at.%、疑似
太陽光(AM−1)100mW/cm2照射下における
光導電率3.9×10-5S/cm、暗導電率2×10
-11S/cm、活性化エネルギー1.00eV、両極性
拡散長1450オングストローム、正孔ドリフト移動度
0.02cm2/V・sであった。 また、得られたシ
リコン薄膜の光安定性の測定結果を表1に併せて示す。
【0035】比較例1 実施例1において、プラズマ化するヘリウムガスの流量
のみを10SCCMに変更した以外は、同様な条件でシ
リコン薄膜の形成を行った。尚、ヘリウム流量を変更し
たことにより成膜室内の圧力降下が確認されたが、真空
ポンプ(メカニカルブースターポンプ)の吸引力を制御
することにより反応圧力は実施例1同様280mTor
rとした。以上の条件により1.5μmのシリコン薄膜
を得た。得られたシリコン薄膜の評価は、実施例1と同
様に行った。その結果、光学的バンドギャップ1.68
eV、膜中含有水素量6.7at.%、疑似太陽光(A
M−1)100mW/cm2照射下における光導電率
3.5×10-5S/cm、暗導電率1×10-11S/c
m、両極性拡散長800オングストローム、正孔ドリフ
ト移動度0.002cm2/V・sであった。 また、
得られたシリコン薄膜の光安定性の測定結果を表1に併
せて示す。
のみを10SCCMに変更した以外は、同様な条件でシ
リコン薄膜の形成を行った。尚、ヘリウム流量を変更し
たことにより成膜室内の圧力降下が確認されたが、真空
ポンプ(メカニカルブースターポンプ)の吸引力を制御
することにより反応圧力は実施例1同様280mTor
rとした。以上の条件により1.5μmのシリコン薄膜
を得た。得られたシリコン薄膜の評価は、実施例1と同
様に行った。その結果、光学的バンドギャップ1.68
eV、膜中含有水素量6.7at.%、疑似太陽光(A
M−1)100mW/cm2照射下における光導電率
3.5×10-5S/cm、暗導電率1×10-11S/c
m、両極性拡散長800オングストローム、正孔ドリフ
ト移動度0.002cm2/V・sであった。 また、
得られたシリコン薄膜の光安定性の測定結果を表1に併
せて示す。
【0036】比較例2 実施例1において、プラズマ化するヘリウムガスを水素
に変更した以外は、同様な条件でシリコン薄膜の形成を
行った。
に変更した以外は、同様な条件でシリコン薄膜の形成を
行った。
【0037】得られたシリコン薄膜の評価は、実施例1
と同様に行った。その結果、光学的バンドギャップ1.
68eV、膜中含有水素量6.7at.%、疑似太陽光
(AM−1)100mW/cm2照射下における光導電
率3.5×10-5S/cm、暗導電率1×10-11S/
cm、両極性拡散長800オングストローム、正孔ドリ
フト移動度0.002cm2/V・sであった。
と同様に行った。その結果、光学的バンドギャップ1.
68eV、膜中含有水素量6.7at.%、疑似太陽光
(AM−1)100mW/cm2照射下における光導電
率3.5×10-5S/cm、暗導電率1×10-11S/
cm、両極性拡散長800オングストローム、正孔ドリ
フト移動度0.002cm2/V・sであった。
【0038】また、得られたシリコン薄膜の光安定性の
測定結果を表1に併せて示す。
測定結果を表1に併せて示す。
【0039】
【表1】
【図1】本発明の方法を実施するための代表的な装置の
概略図である。
概略図である。
1 不活性ガス 2 シラン化合物ガス 3 流量調節計 4 プラズマ化装置 5 シラン化合物供給導管 6 不活性ガス供給導管 7 プラズマ発生領域 8 高周波発生電極 9 ヒーター 10 真空ポンプ 11 基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/205
Claims (2)
- 【請求項1】プラズマ発生領域に、シラン化合物ガスと
プラズマ化された不活性ガスとを、該シラン化合物ガス
と不活性ガスとの流量比が3.5〜50となるように連
続的に供給しながら、該プラズマ発生領域内においてシ
リコンを析出させることを特徴とするシリコン薄膜の製
造方法。 - 【請求項2】プラズマ領域の投入電力密度が0.01m
W〜5W/cm2である請求項第1項記載の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4071622A JP3040247B2 (ja) | 1992-03-27 | 1992-03-27 | シリコン薄膜の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4071622A JP3040247B2 (ja) | 1992-03-27 | 1992-03-27 | シリコン薄膜の製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05275354A JPH05275354A (ja) | 1993-10-22 |
JP3040247B2 true JP3040247B2 (ja) | 2000-05-15 |
Family
ID=13465939
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4071622A Expired - Fee Related JP3040247B2 (ja) | 1992-03-27 | 1992-03-27 | シリコン薄膜の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3040247B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013033828A (ja) * | 2011-08-01 | 2013-02-14 | Tokyo Electron Ltd | 成膜方法 |
CN108070903A (zh) * | 2016-11-16 | 2018-05-25 | 北京大学 | 一种对衬底加电调控薄膜材料生长的装置 |
-
1992
- 1992-03-27 JP JP4071622A patent/JP3040247B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05275354A (ja) | 1993-10-22 |
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