JPH0897427A - 薄膜半導体素子および薄膜トランジスタ並びにその製造方法 - Google Patents

薄膜半導体素子および薄膜トランジスタ並びにその製造方法

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JPH0897427A
JPH0897427A JP22702894A JP22702894A JPH0897427A JP H0897427 A JPH0897427 A JP H0897427A JP 22702894 A JP22702894 A JP 22702894A JP 22702894 A JP22702894 A JP 22702894A JP H0897427 A JPH0897427 A JP H0897427A
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thin film
semiconductor
semiconductor film
electrode
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JP22702894A
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Masahiro Date
昌浩 伊達
Takashi Itoga
隆志 糸賀
Masaki Fujiwara
正樹 藤原
Yukihiko Nakada
行彦 中田
Michihide Ayukawa
通英 鮎川
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Original Assignee
Sharp Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】接合部の抵抗値が格段に低減された薄膜半導体
素子を提供し、製造工数が格段に低減された薄膜半導体
素子の製造方法を提供する。 【構成】原料ガス導入ライン42の圧空バルブ43が開
状態で、圧空バルブ44が閉状態の時には、原料ガスが
反応室51に導入される。逆に、圧空バルブ43が閉状
態で、圧空バルブ44が開状態の時には、原料ガスが反
応室51内部に導入されることなく、直接排気ポンプ4
5により排気される。圧空バルブ43、44の開閉を前
記タイマ54が接続された制御装置53により制御し、
所定の期間に亘り、原料ガスを反応室51に導入でき、
その次のある所定の期間は水素ガスのみが反応室に導入
される。このような成膜装置40において、アノード電
極46とカソード電極47との間に、高周波電源48に
より高周波電力を印加する。このとき、原料ガスが反応
室51に導入されている期間には、原料ガスがプラズマ
49により分解されて、基板50上にシリコン膜が成膜
される。また、水素ガスのみが導入されている期間に
は、上記シリコン膜は、水素プラズマ処理されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、薄膜半導体素子および
その製造方法に関するものであり、特に薄膜トランジス
タを用いた液晶ディスプレイ(TFT−LCD)等に応
用される薄膜半導体素子および薄膜トランジスタ並びに
その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】薄膜半導体素子の従来技術を薄膜トラン
ジスタを例にとって説明する。また、従来の薄膜トラン
ジスタの製造方法を図11および図12を参照して説明
する。
【0003】図11に示す逆スタガ型薄膜トランジスタ
の場合、絶縁性基板101上にゲート電極102、ゲー
ト絶縁膜103、真性非晶質シリコン薄膜104、チャ
ネル保護膜105、およびソース領域106aとドレイ
ン領域106bとを有するn型非晶質シリコン薄膜10
6がこの順序で形成されている。n型非晶質シリコン薄
膜106の前記ソース領域106aおよびドレイン領域
106bをそれぞれ部分的に被覆するn型非晶質シリコ
ン薄膜106の所定の領域の上には、ソース電極107
aおよびドレイン電極107bがそれぞれ形成されてい
る。更に、前記ソース電極107aおよびドレイン電極
107bのいずれかに接続された絵素電極108が形成
される。
【0004】この従来技術に於いて、n型非晶質シリコ
ン薄膜106はプラズマCVD(化学的気相成長)法を
用いて、前記チャネル保護膜105を被覆して形成され
る。その後、n型非晶質シリコン薄膜106に対するパ
ターンニングが行われ、図11に示す逆スタガ型薄膜ト
ランジスタが構成される。
【0005】図12に示す薄膜トランジスタの場合、絶
縁性基板201上にゲート電極202、ゲート絶縁膜2
03、シリコン半導体薄膜204、チャネル保護膜20
5、ソース領域206aとドレイン領域206bとを有
するn型ドーピング層206がこの順序に配置されてい
る。前記n型ドーピング層206のソース領域206a
とドレイン領域206bとを部分的に被覆してソース電
極207a、ドレイン電極207bが形成される。前記
ソース電極207aおよびドレイン電極207bの少な
くともいずれかに接続された絵素電極208が形成され
る。
【0006】ここで、例えばn型ドーピング層206
は、チャネル保護膜205をマスクにし、水素希釈のホ
スフィンのような不純物を含む気体を放電分解し、生成
したイオンを加速し真性シリコン半導体薄膜に注入する
ことにより形成される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】図11の薄膜トランジ
スタを製造する場合、チャネル保護層105に重ね合わ
せてn型非晶質シリコン薄膜106はP−CVD法で成
膜され、その後、パターニングする工程が必要であると
いう問題点を有していると共に、チャネル保護膜105
と重ね合わせる位置合わせ上のマージン等によりチャネ
ル等が長くなり、オン電流が小さくなる問題点があっ
た。
【0008】また、図11の薄膜トランジスタは、その
平面視の構成に関して、ドレイン電極107bとゲート
電極102とが重なる領域が発生する。その重なった領
域で寄生容量が発生して表示に多大な影響を与えてしま
う。また、n型非結晶質シリコンの成膜時のダストが絶
縁性基板101上に残存するなどして成膜不良が発生
し、薄膜トランジスタの製造上の歩留りを低下させる原
因にもなる。
【0009】図12の薄膜トランジスタを製造する場
合、特公平1−32661号や特公平4−54375号
に示されているように、真性シリコン半導体薄膜へ不純
物をイオン注入しソース領域206aとドレイン領域2
06bとを有するn型ドーピング層206を形成するよ
うにしているため、上記の従来技術におけるP−CVD
法を用いる場合の成膜時の前記不具合の発生を原因とす
る製造上の歩留り低下は解消される。またこの従来技術
は、図12に示されるように、チャネル保護膜205に
n型非晶質シリコン薄膜206を重ね合わせない構成で
あるので、前記チャネル長を小さくしている。
【0010】しかし、通常、真性非晶質シリコンや良質
でない微結晶層を含むシリコン膜に不純物イオンを注入
して形成したn型ドーピング層206は電気抵抗値が高
いことが知られている。このため、前記n型ドーピング
層206の部分での電圧降下が発生し、薄膜トランジス
タのオン電流が十分に得られず、該n型ドーピング層2
06を用いる薄膜トランジスタにおいてチャネル長を短
くしても、それによるオン電流の増大が少ないという動
作特性上の問題が発生する。
【0011】また特開昭63−168052号に示され
ているように、n+層を低抵抗にするために、別途、低
抵抗シリサイド層を形成する製造方法では、該低抵抗シ
リサイド層の成膜工程とエッチング工程等が必要とな
り、製造時の工数の増大と、コストの増加が発生すると
ともに、シリサイド層の抵抗が十分低くならないため、
チャネル長短縮による前記オン電流を増大させる効果が
得られない。
【0012】本発明は上記の問題点を解消するためにな
されたものであり、その第1の目的は、接合部の抵抗値
が格段に低減された薄膜半導体素子および薄膜トランジ
スタを提供することであり、製造工数が低減された薄膜
半導体素子の製造方法および薄膜トランジスタの製造方
法を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明の薄膜半
導体素子は、導電率が5×10-10/Ω・cm以上であ
る微結晶相を含むi型シリコン膜に不純物がイオンドー
ピングされたドーピング領域が配置され接合が形成され
た構成を有しており、そのことによって上記目的を達成
することができる。
【0014】請求項2の発明の薄膜トランジスタは、基
板と、ソース電極及びドレイン電極と、該ゲート電極と
ソース電極及びドレイン電極の間に形成された絶縁膜
と、半導体膜とを備えた薄膜トランジスタであって、
該半導体膜は該絶縁膜から予め定める範囲内の部分に、
導電率が5×10-10/Ω・cm以上である微結晶相を
含むi型シリコン膜を備え、該半導体膜において不純物
がそれぞれイオンドーピングされたソース領域およびド
レイン領域が相互に予め定める間隔をあけて配置されて
いる構成を有しており、そのことによって上記目的を達
成することができる。
【0015】請求項3の発明の薄膜半導体素子は、結合
水素量が10原子%以下の微結晶相を含むi型シリコン
膜に、不純物がイオンドーピングされた不純物領域が配
置されることによって接合が形成された構成を有してお
り、そのことによって上記目的を達成することができ
る。
【0016】請求項4の薄膜トランジスタは、基板と、
該基板上に形成されたゲート電極、ソース電極、及びド
レイン電極と、該ゲート電極、ソース電極及びドレイン
電極の間に形成された絶縁膜と、半導体膜とを備えた薄
膜トランジスタであって、該半導体膜は該絶縁膜から5
0nm以内の部分に、結合水素量が10%以下の微結晶
相を含むi型シリコン膜から形成され、該半導体膜に不
純物がイオンドーピングされたソース領域およびドレイ
ン領域が、相互に予め定める間隔をあけて配置された構
成を有しており、そのことによって上記目的を達成する
ことができる。
【0017】請求項5の薄膜半導体素子は、結晶体積分
率が10%以上の微結晶相を含むi型シリコン膜に不純
物がイオンドーピングされた不純物領域が配置されたこ
とにより接合が形成された構成を有しており、そのこと
によって上記目的を達成することができる。
【0018】請求項6の薄膜トランジスタは、基板と、
該基板上に形成されたゲート電極、ソース電極、及びド
レイン電極と、該ゲート電極、ソース電極及びドレイン
電極の間に形成された絶縁膜と、半導体膜とを備えた薄
膜トランジスタであって、該半導体膜は該絶縁膜から5
0nm以内の部分に、結晶体積分率が10%以上の微結
晶相を含むi型シリコン膜から形成され、該半導体膜に
不純物がイオンドーピングされたソース領域およびドレ
イン領域が、相互に予め定める間隔をあけて配置されて
おり、そのことによって上記目的を達成することができ
る。
【0019】請求項7の発明の薄膜半導体素子の製造方
法は、プラズマ化学的気相成長装置の反応室に導入した
シリコン元素を含む原料ガスをプラズマにより分解し
て、シリコン層を形成する工程と、該反応室に水素ガス
を導入して、該シリコン層に水素プラズマ処理を行い、
該シリコン層を微結晶化する工程とを繰り返すことによ
り、微結晶相を含むi型シリコン層を有する半導体膜を
形成し、該半導体層に不純物をイオンドーピングするこ
とにより該半導体層内に接合を形成する工程を含んでお
り、そのことによって上記目的を達成することができ
る。
【0020】請求項8の発明の薄膜トランジスタの製造
方法は、基板と、該基板上に形成されたゲート電極、ソ
ース電極、及びドレイン電極と、該ゲート電極とソース
電極及びドレイン電極の間に形成された絶縁膜と半導体
膜とを備えた薄膜トランジスタの製造方法であって、プ
ラズマ化学的気相成長装置の反応室に導入したシリコン
元素を含む原料ガスをプラズマにより分解して、該絶縁
膜上にシリコン層を形成する工程と、該反応室に水素ガ
スを導入して、該シリコン層に水素プラズマ処理を行う
工程と、該シリコン層を微結晶化する工程とを繰り返す
ことにより、微結晶相を含むi型シリコン層を有する半
導体膜を形成し、該半導体膜に、相互に予め定める間隔
をあけた位置に不純物をイオンドーピングすることによ
り、ソース領域およびドレイン領域を相互に予め定める
間隔をあけて形成する工程とを含んでおり、そのことに
よって上記目的を達成することができる。
【0021】請求項9の発明の薄膜半導体素子の製造方
法は、請求項7に記載の薄膜半導体素子の製造方法にお
いて、前記半導体膜を形成する前に水素プラズマ処理を
施す工程をさらに包含する場合がある。
【0022】請求項10の発明の薄膜トランジスタの製
造方法は、請求項8に記載の薄膜トランジスタの製造方
法において、前記半導体膜を形成する前に、水素プラズ
マ処理を施す工程をさらに包含する場合がある。
【0023】請求項11の発明の薄膜トランジスタの製
造方法は、請求項8に記載の薄膜半導体素子の製造方法
において、前記絶縁膜の上に前記シリコン層を形成する
工程において、該シリコン層を1回に0.1nmから5
nmの範囲内の厚さに形成する工程と、その後、水素プ
ラズマ処理を行う工程とが繰り返されるようにされてお
り、そのことによって上記目的を達成することができ
る。
【0024】請求項12の発明の薄膜半導体素子の製造
方法は、水素希釈率1/200以下で10nm以下の厚
さの微結晶相を含むシリコン層を形成する第1の成膜工
程と、形成された該シリコン層上に、水素希釈率1/2
〜1/200で微結晶相を含むシリコン層を形成する第
2の成膜工程とを含む工程により半導体膜を形成し、該
半導体膜に不純物をイオンドーピングすることにより、
該半導体膜中に接合を形成するようにしており、そのこ
とによって上記目的を達成することができる。
【0025】請求項13の発明の薄膜トランジスタの製
造方法は、基板と、該基板上に形成されたゲート電極、
ソース電極、及びドレイン電極と、該ゲート電極とソー
ス電極及びドレイン電極の間に形成された絶縁膜と半導
体膜とを備えた薄膜トランジスタの製造方法であって、
水素希釈率(SiH4/H2)1/200以下で10nm
以下の厚さの微結晶相を含むシリコン層を形成する第1
の成膜工程と、形成された該シリコン層上に、水素希釈
率1/2〜1/200で微結晶相を含むシリコン層を形
成する第2の成膜工程とを含む工程によって半導体膜を
形成し、該半導体膜に、相互に予め定める間隔をあけて
不純物をイオンドーピングしてソース領域およびドレイ
ン領域を形成するようにしており、そのことによって上
記目的を達成することができる。
【0026】請求項14の発明の薄膜半導体素子の製造
方法では、水素希釈率(SiH4/H2)1/30以下で
微結晶相を含むシリコン半導体膜を形成し、該半導体膜
に不純物をイオンドーピングすることにより、該半導体
膜中に接合を形成するようにしており、そのことによっ
て上記目的を達成することができる。
【0027】請求項15の発明の薄膜トランジスタの製
造方法では、基板と、該基板上に形成されたゲート電極
と、ソース電極及びドレイン電極と、該ゲート電極、ソ
ース電極及びドレイン電極の間に形成された絶縁膜と半
導体膜とを備えた薄膜トランジスタの製造方法であっ
て、水素希釈率(SiH4/H2)1/30以下で微結晶
を含むシリコン半導体膜を形成し、該半導体膜に不純物
をイオンドーピングすることにより、該半導体膜中に接
合を形成するようにしており、そのことによって上記目
的を達成することができる。
【0028】請求項16の発明の薄膜半導体素子では、
波長400nmの光の吸収係数が3.7×105cmー1
以下である微結晶相を含むi型シリコン半導体膜が形成
され、該半導体膜に不純物がイオンドーピングされた不
純物領域が配置されることによって接合が形成されてお
り、そのことによって上記目的を達成することができ
る。
【0029】請求項17の発明の薄膜トランジスタで
は、基板と、該基板上に形成されたゲート電極と、ソー
ス電極及びドレイン電極と、該ゲート電極、該ソース電
極及びドレイン電極の間に形成された絶縁膜と半導体膜
とを備えた薄膜トランジスタであって、該半導体膜は該
絶縁膜から50nm以内の部分に、波長400nmの光
吸収係数が3.7×105cmー1 以下である微結晶相を
含むi型シリコン膜を備え、該半導体膜において不純物
がそれぞれイオンドーピングされたソース領域およびド
レイン領域が、相互に予め定める間隔をあけて配置され
た構成を有しており、そのことによって上記目的を達成
することができる。
【0030】請求項18の発明の薄膜半導体素子では、
微結晶相を有し、かつ基板面に対して{111}配向性
を持つ結晶粒が最も多いi型シリコン半導体膜が形成さ
れ、該半導体膜に不純物がイオンドーピングされた不純
物領域が配置されることによって接合が形成されてお
り、そのことによって上記目的を達成することができ
る。
【0031】請求項19の発明の薄膜トランジスタで
は、基板と、該基板上に形成されたゲート電極と、ソー
ス電極及びドレイン電極と、該ゲート電極、該ソース電
極及びドレイン電極の間に形成された絶縁膜と半導体膜
とを備えた薄膜トランジスタであって、該半導体膜は該
絶縁膜から50nm以内の部分に、微結晶相を有し、か
つ基板面に対して{111}配向性を持つ結晶粒が最も
多いi型シリコン膜を備え、該半導体膜において不純物
がそれぞれイオンドーピングされたソース領域およびド
レイン領域が、相互に予め定める間隔をあけて配置され
た構成を有するので、そのことによって上記目的を達成
することができる。
【0032】
【作用】請求項1の発明によれば、導電率が5×10
-10/Ω・cm以上である微結晶相を含むi型シリコン
膜に不純物がイオンドーピングされたドーピング領域が
配置され接合が形成されている。従って、従来のアモル
ファスシリコン半導体層ではなく、良質の微結晶相を含
むシリコン膜に不純物をイオンドーピングして接合を形
成しているので、前記微結晶相を含むシリコン膜を低抵
抗化することができる。
【0033】請求項2の発明によれば、半導体膜は絶縁
膜から予め定める範囲内の部分に、導電率が5×10
-10/Ω・cm以上である微結晶相を含むi型シリコン
膜を備えており、前記半導体膜において不純物がそれぞ
れイオンドーピングされたソース領域およびドレイン領
域が相互に予め定める間隔をあけて配置されている。こ
れにより、前記微結晶相を含むi型シリコン膜の低抵抗
化を図ることができる。
【0034】請求項3の発明の薄膜半導体素子は、結合
水素量が10原子%以下の微結晶相を含むi型シリコン
膜に、不純物がイオンドーピングされた不純物領域が配
置されることによって接合が形成された構成を有してい
る。このことは、i型シリコン膜中のa−Si成分と結
晶Si成分との内、結晶Si成分の体積比率が大きいこ
とを示している。従って、i型シリコン膜の低抵抗化を
図ることができる。
【0035】請求項4の薄膜トランジスタに備えられる
半導体膜は、絶縁膜から50nm以内の部分に、結合水
素量が10%以下の微結晶相を含むi型シリコン膜から
形成され、該半導体膜に不純物がイオンドーピングされ
たソース領域およびドレイン領域が、相互に予め定める
間隔をあけて配置されている。これは、i型シリコン膜
中のa−Si成分と結晶Si成分との内、結合水素量が
0である結晶Si成分の体積比率が大きいことを示して
いる。従って、i型シリコン膜の低抵抗化を図ることが
できる。
【0036】請求項5の薄膜半導体素子は、結晶体積分
率が10%以上の微結晶相を含むi型シリコン膜に不純
物がイオンドーピングされた不純物領域が配置されたこ
とにより接合が形成された構成を有している。従って、
i型シリコン膜の低抵抗化が達成されている。
【0037】請求項6の薄膜トランジスタに備えられる
半導体膜は、絶縁膜から50nm以内の部分に、結晶体
積分率が10%以上の微結晶相を含むi型シリコン膜か
ら形成され、該半導体膜に不純物がイオンドーピングさ
れたソース領域およびドレイン領域が、相互に予め定め
る間隔をあけて配置されている。従って、i型シリコン
膜の低抵抗化を達成することができる。
【0038】請求項7の発明の薄膜半導体素子の製造方
法によれば、プラズマ化学的気相成長装置の反応室に導
入したシリコン元素を含む原料ガスをプラズマにより分
解して、シリコン層を形成する工程と、該反応室に水素
ガスを導入して、該シリコン層に水素プラズマ処理を行
い、該シリコン層を微結晶化する工程とを繰り返すこと
により、微結晶相を含むi型シリコン層を有する半導体
膜を形成する。更に、前記半導体層に不純物をイオンド
ーピングすることにより該半導体層内に接合を形成して
いる。従って、i型シリコン層および不純物がドーピン
グされた領域のいずれにおいても、前記微結晶相を含む
i型シリコン層を含んでいるので、i型シリコン層およ
び不純物がドーピングされた領域のいずれにおいても、
導電率の低抵抗化を図ることができる。
【0039】請求項8の発明の薄膜トランジスタの製造
方法は、プラズマ化学的気相成長装置の反応室に導入し
たシリコン元素を含む原料ガスをプラズマにより分解し
て、該絶縁膜上にシリコン層を形成する工程と、該反応
室に水素ガスを導入して、該シリコン層に水素プラズマ
処理を行う工程と、該シリコン層を微結晶化する工程と
を繰り返すことにより、微結晶相を含むi型シリコン層
を有する半導体膜を形成する。また、前記半導体膜に、
相互に予め定める間隔をあけた位置に不純物をイオンド
ーピングすることにより、ソース領域およびドレイン領
域を相互に予め定める間隔をあけて形成する。これによ
り、ソース領域およびドレイン領域のいずれも、微結晶
相を含むi型シリコン層を有する半導体膜から構成され
ている。従って、ソース領域およびドレイン領域の導電
率を低抵抗化することができる。
【0040】請求項9の発明の薄膜半導体素子の製造方
法は、請求項7の薄膜半導体素子の製造方法において、
半導体膜を形成する前に該半導体膜が形成される対象物
に水素プラズマ処理を施す工程をさらに包含している。
これにより、得られたTFTに於ける電圧/電流特性に
於ける低電圧領域の立ち上がり時に不所望な電流変動が
現れる確率が減少する。即ち、良好な接合が形成されて
いる。
【0041】請求項10の発明の薄膜トランジスタの製
造方法は、請求項8の薄膜半導体素子の製造方法におい
て、半導体膜を形成する前に、水素プラズマ処理を施す
工程をさらに包含している。これにより、請求項9の発
明の場合と同様に、良好な接合が形成されている。
【0042】請求項11の発明の薄膜トランジスタの製
造方法は、請求項8の薄膜半導体素子の製造方法におい
て、絶縁膜の上にシリコン層を形成する工程において、
該シリコン層を1回に0.1nmから5nmの範囲内の
厚さに形成する工程と、その後、水素プラズマ処理を行
う工程とが繰り返されるようにする。これにより、水素
プラズマ処理によって、従来の連続成膜技術では実用上
困難であった成膜開始直後の領域においても、シリコン
膜が微結晶化される。従って、該シリコン膜の低抵抗化
を連続成膜技術を用いつつ、達成することができる。
【0043】請求項12の発明の薄膜半導体素子の製造
方法は、第1の成膜工程で、水素希釈率1/200以下
で10nm以下の厚さの微結晶相を含むシリコン層を形
成し、第2の成膜工程で、形成された該シリコン層上
に、水素希釈率1/2〜1/200で微結晶相を含むシ
リコン層を形成し半導体膜を形成するようにしている。
また、半導体膜に不純物をイオンドーピングすることに
より、該半導体膜中に接合を形成するようにしている。
これにより、最初は低い成長速度で成膜開始から所定膜
厚となるまでμc−Si膜を形成するため、続いて形成
されるシリコン膜も、先に形成されたμc−Si膜の影
響を受けて微結晶相を含むものとなる。従って、前記請
求項8に関して説明した作用と同様な作用を達成できる
に加え、微結晶化されたシリコン膜を所望の厚さに形成
することもできる。
【0044】請求項13の発明の薄膜トランジスタの製
造方法は、第1の成膜工程で、水素希釈率(SiH4
2)1/200以下で10nm以下の厚さの微結晶相
を含むシリコン層を形成し、第2の成膜工程で、前記形
成された該シリコン層上に、水素希釈率1/2〜1/2
00で微結晶相を含むシリコン層を形成して半導体膜を
形成している。更に、該半導体膜に、相互に予め定める
間隔をあけて不純物をイオンドーピングしてソース領域
およびドレイン領域を形成するようにしている。これに
より、前記請求項8に関して説明した作用と同様な作用
を達成できるに加え、微結晶化されたシリコン膜を所望
の厚さに形成することもできる。
【0045】請求項14の発明の薄膜半導体素子の製造
方法は、水素希釈率(SiH4/H2)1/30以下で微
結晶相を含むシリコン半導体膜を形成し、該半導体膜に
不純物をイオンドーピングすることにより、該半導体膜
中に接合を形成する。
【0046】従って、i型シリコン層および不純物がド
ーピングされた領域のいずれにおいても、前記微結晶相
を含むi型シリコン層を含んでいるので、i型シリコン
層および不純物がドーピングされた領域のいずれにおい
ても、導電率の低抵抗化を図ることができる。微結晶化
されたシリコン膜を所望の厚さに形成することもでき
る。
【0047】請求項15の発明の薄膜半導体素子の製造
方法では、基板と、該基板上に形成されたゲート電極
と、ソース電極、及びドレイン電極と、これらのゲート
電極、ソース電極及びドレイン電極の間に形成された絶
縁膜と半導体膜とを順次形成するに際して、水素希釈率
(SiH4/H2)1/30以下で微結晶を含むシリコン
半導体膜を形成し、該半導体膜に不純物をイオンドーピ
ングすることにより、該半導体膜中に接合を形成する。
【0048】これにより、ソース領域およびドレイン領
域のいずれも、微結晶を含むシリコン層を有する半導体
膜から構成されている。従って、ソース領域およびドレ
イン領域の導電率を低抵抗化することができる。
【0049】請求項16の発明の薄膜半導体素子は、波
長400nmの光の吸収係数が3.7×105cmー1
下である微結晶相を含むi型シリコン半導体膜に不純物
がイオンドーピングされた不純物領域が配置されること
によって接合が形成された構成を有している。このこと
は、i型シリコン半導体膜の導電率が高くなることを示
している。従って、i型シリコン膜の低抵抗化を図るこ
とができる。
【0050】請求項17の薄膜トランジスタに備えられ
る半導体膜は、絶縁膜から50nm以内の部分に、波長
400nmの光吸収係数が3.7×105cmー1 以下で
ある微結晶相を含むi型シリコン膜を備え、該半導体膜
において不純物がそれぞれイオンドーピングされたソー
ス領域およびドレイン領域が、相互に予め定める間隔を
あけて配置されている。これは、i型シリコン膜の導電
率が高くなることを示している。従って、i型シリコン
膜の低抵抗化を図ることができる。
【0051】請求項18の薄膜半導体素子は、微結晶相
を有し、かつ基板面に対して{111}配向性を持つ結
晶粒が最も多いi型シリコン半導体膜が形成され、該半
導体膜に不純物がイオンドーピングされた不純物領域が
配置されることによって接合が形成されている。従っ
て、i型シリコン膜の低抵抗化が達成されている。
【0052】請求項19の薄膜トランジスタに備えられ
る半導体膜は、絶縁膜から50nm以内の部分に、微結
晶相を有し、かつ基板面に対して{111}配向性を持
つ結晶粒が最も多いi型シリコン膜を備え、該半導体膜
において不純物がそれぞれイオンドーピングされたソー
ス領域およびドレイン領域が、相互に予め定める間隔を
あけて配置されている。従って、i型シリコン膜の低抵
抗化を達成することができる。
【0053】
【実施例】本発明の実施例について、図1〜図10を参
照して以下に説明する。
【0054】(実施例1)図1に本発明の薄膜半導体素
子の一実施例として、TFT−LCDに用いられている
TFTマトリクス基板の一例として、逆スタガ型構造の
TFTの断面図を示す。図1に示すように、本実施例で
は、絶縁基板301に透明な硝子基板を用いた。次に絶
縁基板301の片面にTa25からなるベースコート絶
縁膜302を膜厚300nmで形成する。この上にスパ
ッタ装置にて、ベースコート絶縁膜302上に膜厚が3
00nmになるようにスパッタ電力および絶縁基板30
1の搬送速度を設定し、タンタル(Ta)からなる金属
薄膜を成膜する。その後、金属薄膜をフォトリソグラフ
ィ工程により、所定形状にパターニングしてゲート電極
303を形成する。その後、ゲート電極303に陽極酸
化処理を施し、陽極酸化膜304を形成する。
【0055】次にRF−PCVD法によりSi34膜3
05を膜厚300nmで、i型微結晶シリコン(μc−
Si)膜306を膜厚50nmで、Si34膜307を
膜厚200nmでそれぞれ成膜し三層連続成膜を行う。
【0056】ここでi型μc−Si膜306の形成工程
について、以下に詳細に説明する。この工程において、
図2に示すような本実施例に特有のRF−PCVD成膜
装置40を用いる。この成膜装置40では、通常のRF
−PCVD装置に、水素ガス導入ライン41と、原料ガ
ス導入ライン42との2つのガス導入ライン41、42
とが設けられている。前記水素ガス導入ライン41と、
原料ガス導入ライン42とは、それぞれ独立に反応室5
1の内部に連通されている。前記水素ガス導入ライン4
1には圧空バルブ55が設けられ水素ガスを通流または
遮断する。原料ガス導入ライン42には圧空バルブ43
が設けられ原料ガスを通流または遮断する。原料ガス導
入ライン42に於いて前記圧空バルブ43よりも原料ガ
スの通流方向上流側で分岐ライン52が設けられ、分岐
ライン52には圧空バルブ44が設けられている。圧空
バルブ44は分岐ライン52に於ける原料ガスを通流ま
たは遮断する。
【0057】このような圧空バルブ43、44、55の
通流および遮断動作を制御するために、圧空バルブ4
3、44、55にはマイクロコンピュータ等からなる制
御装置53が接続されており、制御装置53には、後述
される原料ガスが反応室51に導かれる期間或いは水素
ガスのみが反応室内に導かれる期間を計時するためのタ
イマ54が接続されている。一方、反応室51には排気
ポンプ45が接続されており、反応室51内部のガスを
排出できると共に、前記分岐ライン52が排気ポンプ4
5に接続されている。
【0058】反応室51内には、外部の高周波電源48
に接続されたアノード電極46とカソード電極47とが
配置され、アノード電極46のカソード電極47側に基
板50が固定される。前記高周波電源48から高周波電
力をアノード電極46およびカソード電極47の間に加
えることにより、これらのアノード電源46およびカソ
ード電源47との間にプラズマ49が形成される。
【0059】以下、本実施例の成膜装置40の基本的動
作について説明する。図3は、成膜装置40の動作を説
明するタイミングチャートである。以下の説明に、図2
および図3を併せて参照する。
【0060】本実施例では、図3(b)に示すように、
水素ガスの供給のための圧空バルブ55は、常に開放さ
れ水素ガスを常に通流する状態である。図3(c)で
は、実線で圧空バルブ43の開放または遮断状態を示
し、破線で圧空バルブ44の開放または遮断状態を示
す。図3(c)で示すように、前記原料ガス導入ライン
42の圧空バルブ43が開状態で、図3(c)の破線で
示す圧空バルブ44が閉状態の時には、原料ガスが反応
室51に導入される。逆に、圧空バルブ43が閉状態
で、圧空バルブ44が開状態の時には、原料ガスが反応
室51内部に導入されることなく、直接排気ポンプ45
により排気される。原料ガスが開閉されるだけでなく、
閉状態のときに排気されることにより、反応室内の圧力
変動を抑制できる。圧空バルブ43、44の開閉を前記
タイマ54が接続された制御装置53により制御するだ
けで、図3における期間t1のある設定時間に亘り、原
料ガスを反応室51に導入でき、図3における期間t2
のある設定時間は、水素ガスのみが反応室に導入され
る。
【0061】図3(a)に示されるように、このような
成膜装置40において、アノード電極46とカソード電
極47との間に、高周波電源48により高周波電力を印
加する。このとき、原料ガスが反応室51に導入されて
いる図3(c)の期間t1で規定される期間には、原料
ガスがプラズマ49により分解されて、基板50上にシ
リコン膜が成膜される。また、水素ガスのみが導入され
ている図3(c)の期間t2で規定される期間には、上
記シリコン膜は、水素プラズマ処理されている。図3で
示されている時間以外の期間における成膜条件はSiH
4:130sccm、H2:13000sccm、圧力9
3.1Pa、RF Power 200Wである。
【0062】ここにおいて期間t1の間に成膜されるS
i膜の厚さは膜特性に大きく影響を与える。以下に、前
記Si膜の成膜膜厚と導電率との関係を説明する。図4
に水素プラズマ処理期間t2を75秒の一定時間とした
場合、1回の成膜膜厚と、導電率との関係を示す。微結
晶Si膜において結晶体積分率が大きくなればなる程、
導電率が大きくなる。本件発明者の実験によれば、導電
率が5×10-10/Ω・cm以上であるSi膜を用いて
TFTを作成したところ、ON電流が大きい良好な特性
を有するTFTを作成できた。一方、導電率が5×10
-10/Ω・cm未満のSi膜を用いて作成されたTFT
では前記ON電流が小さく、接合部の抵抗が大きいこと
が確認された。よって、導電率が5×10-10/Ω・c
m以上のSi膜はTFT作成のための膜質が良好である
と言える。図4より、この条件を満たす1回の成膜膜厚
は0.1〜5nmであればよい。
【0063】1回の成膜膜厚が0.1〜5nmであると
いうことは、1回の成膜時にSi原子層を1〜10層成
長させる事に相当する。このようなSi原子層の成膜を
実際に行うには適正な成膜時間の制御が必要である。図
5は1回の成膜処理時間とSi膜の導電率との関係を示
す図である。前記導電率が5×10-10/Ω・cm以上
とするためには、図5から1回の成膜処理時間を23秒
以下にすれば、成膜されるSi膜の導電率を導電率5×
10-10/Ω・cm以上にできる事がわかる。
【0064】この成膜と水素プラズマ処理とを繰り返す
事により、所望の厚みのμc−Si膜が得られる。
【0065】この例をあげると、上記において、原料ガ
ス流量としてモノシラン(SiH4)100〜200s
ccm、水素(H2)流量2000〜4000sccm
として、t1=10〜30秒、t2=20〜130秒程度
に選ぶ。
【0066】この様にすれば、1サイクルあたり0.1
〜5nmの非単結晶Si膜を成長させて、水素プラズマ
処理を行う事ができる。尚、この例においては、成膜と
水素プラズマ処理を10〜500回繰り返して、最終的
には膜厚50nmのμc−Si膜を得た。
【0067】図6に、成膜の間に行う水素プラズマ処理
時間と、上記のようにして形成されたi型Si膜の暗導
電率との関係を示す。成膜条件はSiH4:130sc
cm、圧力93.1Pa、RF Power 200
W、1回の成膜処理膜厚:2nmである。ここで、印加
する電力としては、200Wとした。圧力は50〜20
0Pa程度である。この図から、i型Si膜の暗導電率
は、水素プラズマ処理時間が40秒程度で、約3桁程度
急激に上昇し、5×10-10/Ω・cm以上の暗導電率
が得られる。
【0068】前述したように本実施例において、水素プ
ラズマ処理によって、シリコン膜が微結晶化されてい
る。これは、前記50nm以内の膜厚などの非常に薄い
膜では、水素プラズマ処理によって結晶構造が変化する
ことを示している。上記のような水素プラズマ処理によ
り結晶構造を変化させる場合に、膜厚0.1〜5nm、
好ましい膜厚としては、0.5〜3nmである。これは
前述した1回の成膜処理と1回の水素プラズマ処理との
組み合わせ処理を20〜1000回繰り返すのと同等で
ある。
【0069】一方、前述したような水素プラズマ処理を
用いない連続成膜を行う場合においても、高水素希釈
率、高電力条件で微結晶シリコンが得られる。ここで、
水素希釈率は、SiH4/H2比で規定される。水素希釈
率1/30、電力25Wで成膜を行ったところ、導電率
が5×10-10/Ω・cmの微結晶シリコンを得た。こ
のときの成膜速度は0.03nm/secであった。ま
た、水素希釈率1/30、電力100Wで成膜を行った
ところ、導電率1×10-9/Ω・cmの微結晶シリコン
が得られた。但し、成膜速度は、0.03nm/sec
から0.1nm/secと向上した。その他、水素希釈
率1/100、電力100Wとした場合、導電率3×1
-8/Ω・cmの微結晶シリコンが得られ、成膜速度は
0.04nm/secであった。
【0070】このように、水素希釈率1/30以下の場
合、導電率5×10-10/Ω・cm以上の微結晶シリコ
ンが得られ、これらにイオンドーピングした場合、3×
100/Ω・cm以上の導電率が得られた。
【0071】また、μc−Si膜を形成する場合、最初
の膜厚10nmの間は、水素希釈率1/200以下で基
板上に結晶核を作っておくと、引き続いての成膜におい
て上記の様に水素希釈率1/2〜1/200で成膜を行
っても、前記結晶核にSi原子が集まって微結晶を形成
するため、さらに結晶体積分率の大きいμc−Si膜が
得られる。
【0072】また、赤外吸収スペクトル法により結合水
素量を定量したところ、通常のa−Si膜では13〜2
0原子%であるのに対し、上記のようにして形成された
Si膜では8〜10原子%となった。これは、成膜され
たμc−Si膜中に混在するアモルファスSiと結晶S
iのうち、結晶Siの結合水素量がほぼ0個となるため
である。
【0073】また、本件発明者は、上記のようにして形
成されたμc−Si膜を組成分析、ラマン分光法および
反射電子線回折で分析することにより、このμc−Si
膜が微結晶相を含むシリコン膜であることを確認した。
更にこの時、ラマンスペクトルを約480cm-1付近の
a−Siに特有のブロードなピークと、520cm-1
結晶Siのピーク、すなわちSi−Si結合のシャープ
なピークとに分割して、これらの積分強度比から、μc
−Si膜中の結晶Siの比率を表す結晶体積分率を測定
した。
【0074】この結果、以下の点が明確になった。
【0075】 通常のCVD法により通常のa−Si
膜成膜条件の下で形成したa−Si膜、および水素プラ
ズマ処理を行わないP−CVD法により膜厚50nm以
下に形成した膜では結晶体積分率が0%であり、 高RF電力で、水素希釈率1/30以上で形成した
μc−Si膜は結晶体積分率が10%以下であるのに対
し、 高RF電力、水素希釈率1/30以下で形成したμ
c−Si膜は結晶体積分率が10〜50%であり、 前述したような本実施例のような、シリコン元素を
含む原料ガスをプラズマにより分解して、シリコン層を
形成する工程と、反応室に水素ガスを導入して、該シリ
コン層に水素プラズマ処理を行い、該シリコン層を微結
晶化する工程とを繰り返すことにより得られたμc−S
i膜に関して、下記の表1に示されるように結晶体積分
率が8〜60%であり、最高では70%のものが得られ
た。
【0076】
【表1】
【0077】図13は、図4に示した1回の成膜膜厚を
変えて成膜したμc−Si膜の吸収係数と導電率との関
係を示す。導電率が5×10-10/Ω・cm以上である
良質な膜質を有するμc−Si膜は、吸収係数の小さい
結晶粒が増加するため、吸収係数が他に比べて低くな
り、400nmの光の吸収係数は3.7×105/cm
以下となる。波長400nmは、これより短い波長の場
合には光学バンドギャップ付近の情報が得られるものの
吸収係数のバラツキが大きくなり相関が悪くなることよ
り、もっとも吸収係数と導電率との相関がよい波長とし
て選定した。
【0078】また、導電率が5×10-10/Ω・cm以
上であるμc−Si膜は、透過型電子顕微鏡においてマ
イクロディフラクション法によって微結晶成分の測定を
行った結果、基板面に対して{111}面配向性を持つ
結晶粒が最も多かった。
【0079】なお、上述した本実施例の製造方法によ
り、i型の良好なμc−Si層が得られる。
【0080】以下、図1を再度参照して、本実施例の逆
スタガ型構造のTFTの製造工程について、更に説明す
る。前述したように、RF−PCVD法によりSi34
膜305を膜厚300nmで、i型微結晶シリコン(μ
c−Si)膜306を膜厚50nmで、Si34膜30
7を膜厚200nmでそれぞれ成膜し三層連続成膜を行
った後、タンタル膜のパターンニングによって形成され
たゲート電極303をマスクとし、透明絶縁基板301
側から裏面露光を行い、Si34膜307をフォトリソ
グラフィ工程により、所定形状にパターニングしてチャ
ネル保護層307を形成する。
【0081】次にn+型μc−Si膜308を形成する
ために用いるイオンドーピング装置の概略断面図を図7
に示す。本実施例のイオンドーピング装置は、ガス導入
口81を備え、ガス導入口81は、チャンバー82に連
通される。チャンバー82は、プラズマ源を生成するプ
ラズマ室を構成し、該チャンバー82の外部にはプラズ
マ源を励起するための高周波電源83が備えられる。チ
ャンバー82内には、プラズマ源に高周波電力を供給す
るための高周波電極84、およびイオン化効率を上げプ
ラズマ形状を整えるための磁石85が備えられ、高周波
電極84および磁石85によってプラズマ源が形成され
る。
【0082】前記高周波電源83には、プラズマ源から
イオンを引き出すための1段目のイオン加速用電源86
と、引き出されたイオンを追加速するための2段目のイ
オン加速用電源87とが直列に接続される。前記イオン
加速用電源87に更に直列に2次電子制御用の減速電源
88が接続され、該減速電源88は前記チャンバー82
内に備えられたメッシュ状の電極板89に接続されてい
る。前記高周波電極84、1段目および2段目のイオン
加速用電源86、87、および減速電源88にそれぞれ
接続された各メッシュ状電極板89の間をそれぞれ電気
的に絶縁する絶縁体90が設けられる。これらによって
イオン加速部が構成される。チャンバー82内には鉛直
方向に沿う回転軸線回りに回転駆動され、基板92が固
定されている基板ホルダー92が備えられる。
【0083】以下、図7を参照して、本実施例のイオン
ドーピング装置の動作について説明する。ガス導入口8
1より、例えば水素希釈のSiH4などの原料ガスをチ
ャンバー82内に導入し、高周波電極84に高周波電源
83からの高周波電力を印加する。これにより、励起し
たプラズマ源を形成し、各加速電極板89間でプラズマ
からのイオンを加速した後、基板ホルダー91に装着さ
れた基板92にイオンをドーピングする。
【0084】以上のようなイオンドーピング装置を用い
ることにより、試料基板の機械的走査またはイオンビー
ムの電気的走査なしで大面積基板へのイオンドーピング
が可能である。具体的には、上記のイオンドーピング装
置を用い、チャネル保護層307をマスクにし、ドーピ
ングの条件として加速電圧10keV,ドーズ量5×1
15/cm2,ガス流量20sccm(PH4/H2
5.0%)でi型μc−Si層306に不純物イオンを
ドーピングして、図1に示される不純物がドーピングさ
れていない領域306を挟んで一対のドーピング領域3
08を形成した。その後、250℃、1時間アニールを
行い、前記各ドーピング領域308が所定の形状となる
ようにパターンニングを行いソース領域およびドレイン
領域を形成する。
【0085】ここで、実際に成膜した微結晶シリコンの
成膜時間と水素プラズマ処理時間との条件とイオンドー
ピング前と後の導電率を測定した結果を前記表1に示
す。また、以下に、前記表1の内容について詳細に説明
する。
【0086】 SiH4流量130sccm、H2流量
3000sccm、Power25wにて、1回の成膜
時間20sec、水素プラズマ処理75secの条件で
繰り返し50nmの膜厚に成膜したμc−Si膜の場
合、イオンドーピング前の導電率が1×10-8/Ω・c
mであり、イオンドーピング後の導電率が2.5×10
0/Ω・cmであった。この導電率は、前述したP−C
VD法で成膜したn型微結晶シリコンとほぼ同等の値で
ある。
【0087】 1回の成膜時間20sec、水素プラ
ズマ処理50secの条件で繰り返し50nmの膜厚に
成膜したμc−Si膜の場合、イオンドーピング前の導
電率が5×10-10/Ω・cmでありイオンドーピング
後の導電率が3.0×100/Ω・cmであった。
【0088】 1回の成膜時間20sec、水素プラ
ズマ処理30secの条件で繰り返し50nmの膜厚に
成膜したμc−Si膜の場合、イオンドーピング前の導
電率が4×10-12/Ω・cmであり、イオンドーピン
グ後の導電率が1.37×10-4/Ω・cmと、n型a
−Siとほぼ同等までしか低下しなかった。
【0089】 1回の成膜時間40sec、水素プラ
ズマ処理75secの条件で繰り返し50nmの膜厚に
成膜したμc−Si膜の場合、イオンドーピング前の導
電率が1.00×10-12/Ω・cmでありイオンドー
ピング後の導電率が1.30×10-4/Ω・cmであっ
た。
【0090】本件発明者の実験によれば、前記水素プラ
ズマ処理を用いず、SiH4流量60sccm、H2流量
1800sccm、Power400wの高水素希釈、
高電力条件で50nmの膜厚に成膜したμc−Si膜の
場合、イオンドーピング前の導電率が1×10-10/Ω
・cmであり、イオンドーピング後の導電率が1.47
×10-0/Ω・cmであった。
【0091】以上のように、イオンドーピング前の導電
率が5×10-10/Ω・cm以上のシリコン膜を用いる
場合、このシリコン膜にイオンドーピングすることによ
り導電率が大幅に低抵抗化されることがわかる。しか
し、イオンドーピング前の導電率が低いi型μc−Si
では、導電率はn型a−Si膜程度までしか低下しない
ことがわかる。
【0092】このように導電率が大幅に低抵抗化される
条件で形成された図1に示される各ドーピング領域30
8の上に、Ti膜を300nmの膜厚で成膜する。そし
てフォトリソグラフィ工程によりTi膜を所定形状にパ
ターニングしてソース電極およびドレイン電極となる各
電極層309を形成する。次に、酸化インジウム(IT
O)透明導電膜をスパッタリングにて100nmの膜厚
で成膜する。そしてフォトリソグラフィ工程により酸化
インジウム透明導電膜を所定形状にパターニングして絵
素電極310を形成する。
【0093】このようにして、本実施例のTFT−LC
Dに用いられているTFTマトリクス基板が製造され
る。
【0094】上記の実施例に於いて、チャネル保護層3
07を形成し、これをマスクに真性半導体層306に不
純物イオンをドーピングした製造方法の例を示したが、
チャネル保護層307のかわりに同様の形状のフォトレ
ジストを形成し、これをマスクに真性半導体層306に
不純物イオンをドーピングすることも可能である。これ
らの結果、前記TFTと同様な特性のTFTを実現でき
る。
【0095】上記実施例1の製造方法で形成したTFT
の特性を測定した結果を、図8に示す。図8は、TFT
の導通時のドレイン電圧とドレイン電流との関係を示す
グラフである。図8において本実施例のTFTの特性を
示す曲線L1は、ドレイン電圧が10Vの場合、1.5
×10-6Aであるのに対し、従来技術のTFTの特性を
示す曲線L2は、ドレイン電圧が10Vの場合、1.0
×10-6となる。従って、本実施例の場合、半導体層と
してa−Si膜を用いた場合の1.5倍のオン電流を得
た。
【0096】また、本件発明者の実験によれば、前記ゲ
ート絶縁膜305の上に半導体膜306を形成する前
に、該ゲート絶縁膜305の上側表面に水素プラズマ処
理を3分間行った場合、得られたTFTに於けるVd−
Id特性の低電圧領域の立ち上がりにコブ等の不所望な
電流変動が現れる確率が減少し、良好な接合が形成され
ていることが確認されている。
【0097】本実施例に於いて、ソース領域およびドレ
イン領域となる前記各ドーピング領域308の抵抗値が
格段に低減されたTFTが実現される。しかも、このよ
うなTFTは、チャネル保護膜307をマスクにして各
ドーピング領域308が形成されるので、チャネル長を
高精度に短くすることができる。更に、このようなTF
Tを製造するに際して、従来技術で説明したような低抵
抗シリサイド膜のような低抵抗の薄膜を別途形成する必
要がなく、本実施例に於いて製造工数が格段に低減され
る。
【0098】(実施例2)ここで半導体膜の他の実施例
を説明する。
【0099】連続成膜を活用して微結晶相を含んだシリ
コン膜を形成する方法について以下に説明する。以下、
図2を参照する。まず、RF−PCVD装置の反応室5
1にSiH4を含む原料ガスと水素ガスとを導入し、水
素希釈率(SiH4/H2比)200以上、パワー密度
0.03〜1.5W/cm2(好ましくは0.1〜0.
3W/cm)の条件で、シリコン膜を約10nmの膜厚
で形成する。その後、水素希釈率が2〜200になるよ
うに水素ガス流量を変更し、パワー密度0.03〜1.
5W/cm2の条件で、先に形成したシリコン膜上にシ
リコン膜の形成を行う。
【0100】このような製造方法の一例である本実施例
での具体的成膜条件は、以下の通りである。最初に、S
iH4の流量を1sccm、H2の流量を1000scc
mとし、パワー密度1W/cm2、基板温度300℃、
圧力100Paの条件でシリコン膜を約10nmの膜厚
で形成した。続いて、H2の流量を70sccmに変更
して、先に形成したシリコン膜の上で、シリコン膜を形
成し、最終的に膜厚50nmのシリコン膜を形成した。
【0101】上述のようにして形成されたシリコン膜を
赤外吸収スペクトル法、反射電子線回析、ラマン分光法
等によって解析したところ、このシリコン膜がμc−S
i膜であることが確認された。このμc−Si膜の結合
水素量は8原子%、結晶体積分率は30%以上であっ
た。また、このi型μc−Si膜の暗導電率を測定した
ところ2×10-8/Ω・cm以上となり、非常に良好な
暗導電率を有するシリコン膜が得られたことが確認され
た。
【0102】本実施例では、まず、水素希釈率を1/2
00以上と非常に高くしてシリコン膜の形成を行うた
め、成膜速度は0.005nm/sec以下と非常に遅
くなるが、成膜開始から膜厚が10nm以下であって
も、前記実施例1で説明した製造工程でμc−Si膜を
形成することができる。本実施例では、このように、最
初に非常に高い水素希釈率で、成膜開始から約10nm
の膜厚となるまでμc−Si膜を形成するため、続いて
形成されるシリコン膜も、先に形成されたμc−Si膜
の影響を受けて微結晶相を含むものとなる。また、μc
−Si膜が成膜開始から約10nm形成されたところで
水素希釈率2〜200に変更する。このため、成膜速度
を前記初期の速度に比べ、0.02〜0.03nm/s
ecに増大することができる。このようにして、成膜開
始から10nm以下の膜厚に成膜されたシリコン膜か
ら、前記実施例1で説明したように、所定の製造工程を
繰り返すことにより、微結晶化されたシリコン膜を所望
の厚さに形成することもできる。
【0103】上記各実施例は、逆スタガ構造のTFTに
ついて説明したが、膜厚が厚くなるにつれて結晶性が改
善されることにより、スタガ構造、コプラナ構造のTF
Tの方がより特性が改善されるのはもちろんである。
【0104】図9にコプラナ構造を有するTFTの断面
図を示す。本実施例のコプラナ構造のTFTは、透明硝
子などからなる透明絶縁基板1001の上に、前記実施
例1で説明された製造方法と同様な方法で形成された真
性微結晶シリコン層1002および該真性微結晶シリコ
ン層1002を挟む一対のn+微結晶シリコン層100
3が形成されている。一対のn+微結晶シリコン層10
03の個々は、ソース領域およびドレイン領域となる。
前記真性微結晶シリコン層1002を被覆し、n+微結
晶シリコン層1003に相当する位置に孔が形成された
絶縁層1004が透明絶縁基板1001の全面に形成さ
れる。前記絶縁膜1004の上に、前記絶縁膜1004
の孔を介して、各n+微結晶シリコン層1003にそれ
ぞれ接続され、ソース電極およびドレイン電極となる導
電体層1006が形成されている。
【0105】このようなコプラナ構造を有するTFTの
特性を測定した結果を、図10に示す。図10は、TF
Tの導通時のドレイン電圧とドレイン電流との関係を示
すグラフである。図10において本実施例のTFTの特
性を示す曲線L3は、ドレイン電圧が10Vの場合、
2.6×10-6Aである。従って、図8の従来技術のT
FTの特性を示す曲線L2と比較し、2.6倍のオン電
流が得られた。
【0106】このような実施例のTFTに於いても、前
記実施例1で説明した効果と同様な効果を達成すること
ができる。
【0107】また、前記各実施例では、本発明の半導体
素子をTFTとしてのみ説明してきたが、本発明による
微結晶シリコンにイオンドーピングして得られたn+
の面抵抗は、従来のアモルファスシリコンまたは微結晶
シリコンにイオンドーピングして得た面抵抗より低い。
また、本件発明者の実験により、本実施例のn+層の抵
抗の温度特性から求めた活性化エネルギーも0.05e
Vと、従来技術におけるa−Si膜へイオンドーピング
して得られた不純物層の場合の0.20eVより低く、
前記n+型の半導体特性が良好であることは明らかであ
る。このことにより、本発明により接合を形成した薄膜
半導体素子は、前記各実施例のTFTに限らず、従来品
より良好な特性が得られるのはもちろんである。本発明
の薄膜半導体素子としては、薄膜ダイオード、薄膜トラ
ンジスタ、薄膜太陽電池、薄膜フォトダイオード、薄膜
フォトダイオードアレイ、薄膜トランジスタを用いた駆
動回路等が挙げられる。
【0108】
【発明の効果】本発明は、導電率が高い等の良質の微結
晶層を含むシリコン膜に不純物をイオンドーピングする
ことにより、従来の非晶質半導体に不純物イオンを注入
し形成したn型ドーピング層より低抵抗化が実現でき、
従来より良質なn型半導体を形成でき良質なコンタクト
層および接合を形成することができる。更に、完全自己
整合型薄膜半導体素子を製造することができるので、こ
れらの半導体素子に於ける寄生容量の低減、小型化が可
能となる。また、前記低抵抗化のために低抵抗な薄膜を
別途形成する必要がなく、製造工数を格段に低減するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の逆スタガ型TFTの断面図
である。
【図2】本実施例で用いられるRF−PCVD成膜装置
40の系統図である。
【図3】RF−PCVD成膜装置40の動作を説明する
タイミングチャートである。
【図4】本実施例のTFTの製造工程に於ける1回の成
膜膜厚と導電率との関係を示すグラフである。
【図5】本実施例のTFTの製造工程に於ける1回の成
膜処理時間と導電率との関係を示すグラフである。
【図6】本実施例のTFTの製造工程に於ける水素プラ
ズマ処理時間と暗導電率との関係を示すグラフである。
【図7】本実施例で用いられるイオンドーピング装置の
系統図である。
【図8】本実施例および従来技術のTFTのON電流を
説明するグラフである。
【図9】本発明の他の実施例のコプラナ構造を有するT
FTの断面図である。
【図10】本実施例のTFTのON電流を説明するグラ
フである。
【図11】第1の従来技術のTFTの断面図である。
【図12】第2の従来技術のTFTの断面図である。
【図13】図4に示した1回の成膜膜厚を変えて成膜し
たμc−Si膜の吸収計数と導電率との関係を示すグラ
フである。
【符号の説明】
41 水素ガスライン 42 原料ガスライン 43、44、55 圧空バルブ 45 排気ポンプ 46 アノード電極 47 カソード電源 48 高周波電源 49 プラズマ 50 基板 51 反応室 53 制御装置 54 タイマ 81 ガス導入口 82 チャンバー 83 高周波電源 84 高周波電極 85 磁石 86 イオン加速用電源 87 イオン加速用電源 88 2次制御用の減速電源 89 メッシュ状の電極板 90 絶縁体 91 基本ホルダー 301 透明硝子基板 302 ベースコート膜 303 ゲート電極 304 陽極酸化膜 305 ゲート絶縁膜 306 真性微結晶シリコン層 307 チャネル保護膜 308 微結晶n+ドーピング層 309 チタン膜 310 酸化インジウム錫透明導電膜 1001 透明絶縁基板 1002 真性微結晶シリコン層 1003 n+微結晶シリコン層 1004 絶縁膜 1005 ゲート電極 1006 ソース・ドレイン電極
フロントページの続き (72)発明者 中田 行彦 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 鮎川 通英 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電率が5×10-10/Ω・cm以上で
    ある微結晶相を含むi型シリコン膜に不純物がイオンド
    ーピングされたドーピング領域が配置され接合が形成さ
    れた薄膜半導体素子。
  2. 【請求項2】 基板と、該基板上に形成されたゲート電
    極と、ソース電極及びドレイン電極及び該ケート電極、
    ソース電極及びドレイン電極の間に形成された絶縁膜と
    半導体膜とを備えた薄膜トランジスタであって、 該半導体膜は該絶縁膜から50nm以内の部分に、導電
    率が5×10-10/Ω・cm以上である微結晶相を含む
    i型シリコン膜を備え、該半導体膜において不純物がそ
    れぞれイオンドーピングされたソース領域およびドレイ
    ン領域が相互に予め定める間隔をあけて配置されている
    薄膜トランジスタ。
  3. 【請求項3】 結合水素量が10原子%以下の微結晶相
    を含むi型シリコン膜に、不純物がイオンドーピングさ
    れた不純物領域が配置されることによって接合が形成さ
    れている薄膜半導体素子。
  4. 【請求項4】 基板と、該基板上に形成されたゲート電
    極、ソース電極、及びドレイン電極と、該ゲート電極、
    ソース電極及びドレイン電極の間に形成された絶縁膜
    と、半導体膜とを備えた薄膜トランジスタであって、 該半導体膜は該絶縁膜から50nm以内の部分に、結合
    水素量が10%以下の微結晶相を含むi型シリコン膜か
    ら形成され、該半導体膜に不純物がイオンドーピングさ
    れたソース領域およびドレイン領域が、相互に予め定め
    る間隔をあけて配置されている薄膜トランジスタ。
  5. 【請求項5】 結晶体積分率が10%以上の微結晶相を
    含むi型シリコン膜に不純物がイオンドーピングされた
    不純物領域が配置されたことにより接合が形成された薄
    膜半導体素子。
  6. 【請求項6】 基板と、該基板上に形成されたゲート電
    極、ソース電極、及びドレイン電極と、該ゲート電極、
    ソース電極及びドレイン電極の間に形成された絶縁膜
    と、半導体膜とを備えた薄膜トランジスタであって、 該半導体膜は該絶縁膜から50nm以内の部分に、結晶
    体積分率が10%以上の微結晶相を含むi型シリコン膜
    から形成され、該半導体膜に不純物がイオンドーピング
    されたソース領域およびドレイン領域が、相互に予め定
    める間隔をあけて配置されている薄膜トランジスタ。
  7. 【請求項7】 プラズマ化学的気相成長装置の反応室に
    導入したシリコン元素を含む原料ガスをプラズマにより
    分解して、シリコン層を形成する工程と、該反応室に水
    素ガスを導入して、該シリコン層に水素プラズマ処理を
    行い、該シリコン層を微結晶化する工程とを繰り返すこ
    とにより、微結晶相を含むi型シリコン層を有する半導
    体膜を形成し、 該半導体層に不純物をイオンドーピングすることにより
    該半導体層内に接合を形成した薄膜半導体素子の製造方
    法。
  8. 【請求項8】 基板と、該基板上に形成されたゲート電
    極、ソース電極、及びドレイン電極と、該ゲート電極、
    ソース電極及びドレイン電極の間に形成された絶縁膜と
    半導体膜とを備えた薄膜トランジスタの製造方法であっ
    て、 プラズマ化学的気相成長装置の反応室に導入したシリコ
    ン元素を含む原料ガスをプラズマにより分解して、該絶
    縁膜上にシリコン層を形成する工程と、該反応室に水素
    ガスを導入して、該シリコン層に水素プラズマ処理を行
    い、該シリコン層を微結晶化する工程とを繰り返すこと
    により、微結晶相を含むi型シリコン層を有する半導体
    膜を形成し、 該半導体膜に、相互に予め定める間隔をあけた位置に不
    純物をイオンドーピングすることにより、ソース領域お
    よびドレイン領域を相互に予め定める間隔をあけて形成
    する工程とを含む薄膜トランジスタの製造方法。
  9. 【請求項9】 前記半導体膜を形成する前に水素プラズ
    マ処理を施す工程をさらに包含する請求項7に記載の薄
    膜半導体素子の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記半導体膜を形成する前に、水素プ
    ラズマ処理を施す工程をさらに包含する請求項8に記載
    の薄膜トランジスタの製造方法。
  11. 【請求項11】 前記絶縁膜の上に前記シリコン層を形
    成する工程において、該シリコン層を1回に0.1nm
    から5nmの範囲内の厚さに形成する工程と、その後、
    水素プラズマ処理を行う工程とが繰り返される請求項8
    に記載の薄膜トランジスタの製造方法。
  12. 【請求項12】 水素希釈率(SiH4/H2)1/20
    0以下で10nm以下の厚さの微結晶相を含むシリコン
    層を形成する第1の成膜工程と、形成された該シリコン
    層上に、水素希釈率1/2〜1/200で微結晶相を含
    むシリコン層を形成する第2の成膜工程とを含む工程に
    より半導体膜を形成し、該半導体膜に不純物をイオンド
    ーピングすることにより、該半導体膜中に接合を形成す
    る薄膜半導体素子の製造方法。
  13. 【請求項13】 基板と、該基板上に形成されたゲート
    電極、ソース電極、及びドレイン電極と、該ゲート電
    極、ソース電極及びドレイン電極の間に形成された絶縁
    膜と半導体膜とを備えた薄膜トランジスタの製造方法で
    あって、 水素希釈率(SiH4/H2)1/200以下で10nm
    以下の厚さの微結晶相を含むシリコン層を形成する第1
    の成膜工程と、形成された該シリコン層上に、水素希釈
    率1/2〜1/200で微結晶相を含むシリコン層を形
    成する第2の成膜工程とを含む工程によって半導体膜を
    形成し、 該半導体膜に、相互に予め定める間隔をあけて不純物を
    イオンドーピングしてソース領域およびドレイン領域を
    形成する薄膜トランジスタの製造方法。
  14. 【請求項14】 水素希釈率(SiH4/H2)1/30
    以下で微結晶相を含むシリコン半導体膜を形成し、該半
    導体膜に不純物をイオンドーピングすることにより、該
    半導体膜中に接合を形成する薄膜半導体素子の製造方
    法。
  15. 【請求項15】 基板と、該基板上に形成されたゲート
    電極と、ソース電極及びドレイン電極と、該ゲート電
    極、ソース電極及びドレイン電極の間に形成された絶縁
    膜と半導体膜とを備えた薄膜トランジスタの製造方法で
    あって、 水素希釈率(SiH4/H2)1/30以下で微結晶を含
    むシリコン半導体膜を形成し、該半導体膜に不純物をイ
    オンドーピングすることにより、該半導体膜中に接合を
    形成する薄膜トランジスタの製造方法。
  16. 【請求項16】 波長400nmの光の吸収係数が3.
    7×105cmー1以下である微結晶相を含むi型シリコ
    ン半導体膜が形成され、該半導体膜に不純物がイオンド
    ーピングされた不純物領域が配置されることによって接
    合が形成されている薄膜半導体素子。
  17. 【請求項17】 基板と、該基板上に形成されたゲート
    電極と、ソース電極及びドレイン電極と、該ゲート電
    極、該ソース電極及びドレイン電極の間に形成された絶
    縁膜と半導体膜とを備えた薄膜トランジスタであって、 該半導体膜は該絶縁膜から50nm以内の部分に、波長
    400nmの光吸収係数が3.7×105cmー1 以下で
    ある微結晶相を含むi型シリコン膜を備え、該半導体膜
    において不純物がそれぞれイオンドーピングされたソー
    ス領域およびドレイン領域が、相互に予め定める間隔を
    あけて配置されている薄膜トランジスタ。
  18. 【請求項18】 微結晶相を有し、かつ基板面に対して
    {111}配向性を持つ結晶粒が最も多いi型シリコン
    半導体膜が形成され、該半導体膜に不純物がイオンドー
    ピングされた不純物領域が配置されることによって接合
    が形成されている薄膜半導体素子。
  19. 【請求項19】 基板と、該基板上に形成されたゲート
    電極と、ソース電極及びドレイン電極と、該ゲート電
    極、該ソース電極及びドレイン電極の間に形成された絶
    縁膜と半導体膜とを備えた薄膜トランジスタであって、 該半導体膜は該絶縁膜から50nm以内の部分に、微結
    晶相を有し、かつ基板面に対して{111}配向性を持
    つ結晶粒が最も多いi型シリコン膜を備え、該半導体膜
    において不純物がそれぞれイオンドーピングされたソー
    ス領域およびドレイン領域が、相互に予め定める間隔を
    あけて配置されている薄膜トランジスタ。
JP22702894A 1994-07-27 1994-09-21 薄膜半導体素子および薄膜トランジスタ並びにその製造方法 Pending JPH0897427A (ja)

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KR1019950023601A KR960005955A (ko) 1994-07-27 1995-07-27 박막 반도체 소자, 박막 트랜지스터 및 그의 제조방법
TW084107780A TW363276B (en) 1994-07-27 1995-07-27 Thin-film semiconductor device, thin-film transistor and method for fabricating the same
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