JP4547857B2 - トランジスタの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、トランジスタの製造方法及びこの製造方法により製造されたトランジスタに関し、更には、このトランジスタを備えた半導体集積回路、表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示装置や有機EL表示装置などの電気光学装置の基板に、安価なガラスや樹脂等を用いて比較的に大型の透明基板を用いることが検討されている。これ等の基板は耐熱温度が相対的に低い。このため、この基板に集積される薄膜トランジスタ(TFT)などの半導体装置や各種のデバイスを低温プロセスによって製造する技術の開発がなされている(例えば、特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】
特開平9−199729号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、薄膜トランジスタ等の積層構造を有する素子では層内、又は層間の界面の構造欠陥などによって素子の性能が損なわれることがある。例えば、TFTでは、ゲート絶縁膜と、ゲート絶縁膜と半導体膜との界面(MOS界面)の構造欠陥がトランジスタの電気的特性や特性のばらつきに影響を及ぼす。そして、これらの構造欠陥が素子の電気的特性や特性のばらつきに影響を及ぼす。特に、低温プロセスでトランジスタを製造する場合、良質な半導体膜及び膜界面を得ることは難しく、十分な電気的特性を得ることは困難であった。
【0005】
本発明は、上述の課題に鑑み創案されたもので、低温プロセスによって良好な電気的特性を得られるようにした、トランジスタの製造方法を提供することを目的とし、更には、このようなトランジスタやこのトランジスタを備えた半導体集積回路,表示装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
トランジスタの特性を低下させる要因のうち、半導体膜のMOS界面(半導体膜とゲート絶縁膜との界面)における欠陥準位を低減すべく、本出願人は、トランジスタの能動層となる半導体膜の上に、TEOS(テトラエトキシシラン)及び酸素を原材料とする酸化シリコンを平行平板プラズマ法にて堆積してゲート絶縁膜を形成し、このゲート絶縁膜上に該ゲート絶縁膜中に浸透したガスの分解を促す金属膜又は半導体膜を形成して低温熱処理を行なうことによりトランジスタを製造する方法を既に出願している。このような方法によれば、ゲート絶縁膜中の酸素,水素,水蒸気等のガスがこの上に形成された金属膜の触媒作用により分解されて除去されるとともに、この過程で生成された水素ラジカル、ヒドロキシラジカル、水素イオン、ヒドロキシイオン等の種々の化学種により、膜や界面に存在するダングリングボンドが終端されるため、MOS界面の欠陥準位を大きく減少させることができる。
【0007】
これに対して、本発明者らは、このような界面準位の存在とトランジスタ特性との関係について鋭意研究努力を重ねた結果、半導体膜の裏面側界面(MOS界面と反対側の界面)における界面準位の存在によってもトランジスタの特性は大きく影響されることを突き止めた。
図5は、TFT特性と、裏面側界面の準位密度Dbk及びMOS界面の準位密度Dfrとの関係をデバイスシミュレーションにより解析した結果を示す図である。図5において、左側縦軸はIds(TFTのソース−ドレイン間の電流)の対数目盛り、右側縦軸は同じIdsをわかりやすくするために線形目盛りとしたものを示している。対数メモリ、線形目盛りそれぞれのプロットのうち一番左側のプロットのみDfr=Dbk=1×1010cm−2eV−1とした場合を表しており、その他のプロットはDfr=1×1012cm−2eV−1で固定し、Dbkのみを変化させたときのIdsの変化を示している。
【0008】
図5からわかるように、トランジスタのSパラメータやしきい値電圧Vthは、従来から注目されていたMOS界面の準位密度Dfrばかりでなく、裏面側界面の準位密度Dbkにも大きく依存する。このため、Dfrばかりではなく、DfrとともにDbkをも低減することが、閾値電圧やSパラメータ等のTFT特性の改善には極めて有効な手段となる。
そこで、本発明者らは、能動層となる半導体膜の裏面側(MOS界面と反対側)に絶縁膜を介して金属膜又は半導体膜を設け、低温熱処理により上記絶縁膜中に浸透したガスの分解を促すことで、裏面側界面の界面準位密度を低減する方法に想到した。
【0009】
すなわち、本発明のトランジスタの製造方法は、基板に、金属膜又は半導体膜を含む第1の界面改質膜を形成する工程と、上記第1の界面改質膜の上に第1の絶縁膜を形成する工程と、上記絶縁膜の上に半導体膜を形成する工程と、上記半導体膜の上に第2の絶縁膜を形成する工程とを備え、上記半導体膜を形成する工程以降に熱処理を行なうことを特徴とする。
【0010】
本製造方法によれば、第1の界面改質膜と半導体膜との界面(半導体膜の裏面側の界面)における界面準位密度を低減できる。これは、熱処理工程において、第1の界面改質膜として用いられた金属膜又は半導体膜の触媒的な作用により生成された水素ラジカル,ヒドロキシラジカル,水素イオン,ヒドロキシアニオン等の種々の化学種によって、トランジスタの能動層となる半導体膜の裏面側界面に存在するダングリングボンドが終端されるためと考えられる。これにより、高温プロセスによることなく良質な膜及び膜界面を得ることができ、図5に示すように、トランジスタの閾値電圧やSパラメータを低減することができる。
なお、第1の絶縁膜上にゲート電極を形成することで、上記半導体膜を能動層とし上記第2の絶縁膜をゲート絶縁膜とするトランジスタが構成される。
【0011】
また、上記第1の界面改質膜をゲート電極として用い、能動層となる上記半導体膜の上下両側にゲート電極を備えた所謂デュアルゲート型のトランジスタを構成してもよい。この場合、第1の界面改質膜及び第1の絶縁膜がそれぞれ第1のゲート電極,第1のゲート絶縁膜として構成され、第2の絶縁膜及びこの第2の絶縁膜の上に形成されるゲート電極がそれぞれ第2のゲート絶縁膜,第2のゲート電極として構成される。
【0012】
ところで、上記第1の界面改質膜としては、アルミニウム及びマグネシウムの内の少なくとも1つの元素を含む金属膜を用いることが好ましい。このように比較的活性な金属を用いることで、例えば金や白金等の化学的に安定な金属を用いた場合に比べて、上述した触媒的な作用をより効果的に発揮することができる。このような金属膜としては、アルミニウムやマグネシウム、或いは、アルミニウム又はマグネシウムを含む合金等の構成を例示することができる。
【0013】
また、上記第1の界面改質膜として、4族元素の半導体膜を用いてもよい。これにより、トランジスタの能動層への不純物の拡散の影響を回避することができる。第1の界面改質膜には、例えばシリコンやゲルマニウムを用いることが望ましい。ただし、第1の界面改質膜として用いる半導体膜は、シリコンやゲルマニウムを単体で用いるものに限らず、シリコン又はゲルマニウムの内の少なくとも一つを含む半導体膜であればよい。
【0014】
また、上記第2の絶縁膜の上に金属膜又は半導体膜を含む第2の界面改質膜を形成し、この後、上記熱処理を行なうようにしてもよい。
トランジスタの電気特性は、能動層となる半導体膜と第2の絶縁膜(この場合、ゲート絶縁膜として機能する)との界面(MOS界面)の状態によっても影響を受けるが、本製造方法によれば、熱処理工程において、第2の界面改質膜として用いた金属膜又は半導体膜の触媒的な作用により良質なゲート絶縁膜及び膜界面を得ることができる。これにより、MOS界面の欠陥密度の低減、ゲート絶縁膜の電荷密度の低減、絶縁耐圧の高耐圧化等を実現できる。
【0015】
上記第2の界面改質膜としては、上記第1の界面改質膜と同様に、アルミニウム及びマグネシウムの内の少なくとも1つの元素を含む材料とすることが好ましく、これにより、大きな触媒作用が得られる。
また、第2の界面改質膜として、4族元素の半導体膜を用いてもよい。これにより、トランジスタの能動層への不純物の拡散の影響を回避することができる。
上記第2の界面改質膜は、ゲート電極として用いることが好ましい。このように第2の界面改質膜をゲート電極として流用することで、新たにゲート電極を形成する手間を省き、製造工程を簡略化することができる。
同様に、上記第1の界面改質膜をゲート電極として用いてもよい。この場合、上記半導体膜を能動層とし上記第1の絶縁膜をゲート絶縁膜とするトランジスタが構成される。或いは、上記第1及び第2の界面改質膜を共にゲート電極として用いてもよい。この場合、能動層となる半導体膜の上下両側にゲート電極が配置された所謂デュアルゲート型のトランジスタが構成される。
【0016】
なお、上記第1又は第2の絶縁膜は、例えばテトラエトキシシラン(TEOS)及び酸素を原材料として平行平板プラズマCVD法により形成することが好ましい。この場合、上記各絶縁膜を形成する過程で生じた水分等は、第1,第2の界面改質材により分解される。そして、この結果生じた水素ラジカル等により、界面等の欠陥が修復される。
また、上述した熱処理工程は300℃以上、450℃以下で行なわれることが望ましい。本製造方法によれば、界面準位密度が大きく低減され、閾値電圧やSパラメータ等のトランジスタの電気特性を最大限高めることができる。
【0017】
本発明のトランジスタは上述の方法により製造されたことを特徴とする。また、本発明の半導体集積回路は、上述のトランジスタを備えたことを特徴とする。さらに、本発明の表示装置は、上述のトランジスタを備えたことを特徴とする。
本構成によれば、トランジスタの優れた電気特性により、均一で高品質な表示が実現されるだけでなく、高機能なデバイスを実現することが可能となる。
なお、上述のトランジスタを用いて透過型の表示装置を構成する場合、上記第1の界面改質膜は非表示領域(複数の画素により構成される表示領域の外側の領域や画素間の領域等、表示に寄与しない領域)に設けることが好ましく、これにより、画素の開口率を高めて明るい表示を実現することができる。ただし、半導体集積回路や反射型又は自発光型の表示装置に適用する場合には、上記界面改質膜の配置を任意に設定できることは言うまでもない。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1,図2は本発明の一実施形態に係るトランジスタの製造方法を示す工程図、図3は本製造方法により製造されたトランジスタをスイッチング素子として備える表示装置を示す図、図4は上記表示装置を表示部として備えた電子機器の例を示す図である。なお、以下の全ての図面においては、図面を見やすくするために、各構成要素の膜厚や寸法の比率等は適宜異ならせてある。
【0019】
(金属層、半導体薄膜の形成)
本発明の製造方法では、図1(a)に示すように、まず、基板10の上に金属膜又は半導体膜からなる第1の界面改質膜11を形成する。基板10としては、石英基板,ガラス基板,耐熱プラスチック等の透明な基板や、半導体基板,セラミックス基板,金属基板等の不透明な基板のいずれを用いることもできる。なお、本半導体装置を例えば透過型の表示装置に用いる場合には、基板10を透明基板とする。
【0020】
界面改質膜11は、後述する下地保護膜12中の、例えば、水蒸気HOや酸素O等の不純物の熱処理過程における分解又は除去を促進するものである。この界面改質膜11は、不純物の分解又は除去を促進する材料であれば良く、特に限定されないが、金属膜又は半導体膜が好ましい。界面改質膜11を金属膜とする場合には、例えばアルミニウムAl、マグネシウムMg、あるいはアルミニウムとマグネシウムとの合金、アルミニウムまたはマグネシウムを含む合金、またはアルミニウムまたはマグネシウムの窒化物または酸化物などを使用できる。また、界面改質膜11を半導体膜とする場合には、シリコンやゲルマニウムを好適に用いることができる。勿論、シリコンとゲルマニウムとの化合物や、シリコン又はゲルマニウムと他の4族元素との化合物を用いてもよい。
【0021】
この界面改質膜11によって、下地保護膜12中、又は下地保護膜12と後述する半導体膜13との界面における欠陥準位密度を減少させることが可能となる。欠陥準位が減少する理由としては、下地絶縁膜12中の水素H,酸素O,水分HOが、後述の熱処理時に上記金属膜(又は半導体膜)11の触媒的な作用によって分解し、生成した水素ラジカル、ヒドロキシラジカル、水素イオン、ヒドロキシアニオン等の種々の化学種により、膜中や膜界面に存在するダングリングボンドを終端するためと考えられる。
【0022】
界面改質膜11の形成方法はスパッタ法、蒸着法、CVD法等、どのような方法を用いてもよいが、金属膜からなる界面改質膜11を広い面積に堆積する方法としてはスパッタ法が有効である。上述したように、金属種はアルミニウムやマグネシウムなどの比較的活性な金属を用いるのがより好ましい。ただし、アルカリ金属のような下地保護膜12中を移動していわゆる可動イオンとなるような金属は絶縁膜としての膜質を劣化させるため、界面改質膜としての使用は好ましくない。
【0023】
一方、半導体膜(例えばシリコン膜)からなる界面改質膜11を広い面積に堆積する方法としてはPECVD法が最も一般的である。PECVD法でシリコン膜を堆積する場合には、モノゲルマン等を原料ガスとして、基板温度100℃〜500℃程度で堆積することが可能である。界面改質膜として用いる半導体膜はアモルファスシリコン(a−Si)等の非晶質の半導体であることが望ましい。結晶質の半導体であっても、後で行なわれる熱処理工程において、界面の改質効果は得られるが、非晶質の方がその効果は大きく、又、非晶質であれば低温プロセスでも容易に形成することが可能であり、成膜装置も安価で大面積化が容易である等、多くのメリットを有している。なお、GaAs(ガリウム砒素)等の化合物半導体は、後の熱処理工程等で装置を汚染したり、後述の酸化シリコン膜15やトランジスタの能動層となる半導体膜13に拡散したりする結果、トランジスタの電気的特性に影響を及ぼす虞があるため、界面改質膜としての使用は好ましくない。
【0024】
なお、本トランジスタを透過型表示装置における画素スイッチング素子として用いる場合、界面改質膜11は、チャネル領域に対応する位置を残してパターニングにより除去することが望ましい。このように界面改質膜11を非表示領域にのみ設けるようにすることで、開口率の高い明るい表示が可能となる。
【0025】
次に、図1(b)に示すように、界面改質膜11の上に第1の絶縁膜として下地保護膜12を形成する。下地保護膜12は、下地の基板中に含まれるナトリウム等の可動のイオンが後述の半導体膜13中に混入しないようにする。下地保護膜12は酸化シリコン膜(SiO:0<x≦2)や窒化シリコン膜(Si:0<x≦4)等の絶縁性物質である。
【0026】
下地保護膜12は、金属膜11上に常圧気層成長法(APCVD法)、低圧化学気層堆積法(LPCVD法)、プラズマ化学気相堆積法(PECVD法)等のCVD法あるいはスパッタ法などによって形成できる。
本発明では、特に、TEOS(テトラエトキシシラン;Si(OC)を用いた平行平板型RFプラズマCVDを用いて酸化シリコン膜(SiO)を下地保護膜12として形成することが望ましい。後述するように、このプロセスと、この後の工程で行う熱処理とを組み合わせることによって、能動層となる半導体膜13の裏面側界面の改善を図ることができる。
【0027】
この場合、真空プラズマ室で使用するガスはTEOS、酸素ガスOであり、ヘリウムHe、アルゴンArなどの希釈ガスを混入させても構わない。成膜時の真空度は100Pa〜200Pa程度とし、成膜時の基板温度は300℃から400℃程度が望ましい。このような条件で成膜することにより、高絶縁耐圧、低電荷密度の高品質な酸化シリコン膜12を得ることが可能となる。
【0028】
次に、図1(c)に示すように、下地保護膜12の上に、トランジスタの能動層となる半導体膜13を形成する。半導体膜13としては、シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)等の4族の単体の半導体膜の他に、シリコン・ゲルマニウム(SiGe1−x:0<x<1。)やシリコン・カーバイド(Si1−x:0<x<1)やゲルマニウムカーバイド(Ge1−x:0<x<1)等の4族の元素複合体の半導体膜、ガリウム・ヒ素(GaAs)やインジウム・アンチモン(InSb)等の3族元素と5族元素との複合化合物半導体膜、又は、カドミウム・セレン(CdSe)等の2族元素と6族元素との複合体化合物半導体膜等を用いることができる。
【0029】
また、シリコン・ゲルマニウム・ガリウム・ヒ素(SiGeGaAs:x+y+z=1)等のように上述の化合物半導体を更に複合化したものやこれ等の半導体膜にリン(P)、ヒ素(As)、アンチモン(Sb)等のドナー元素を添加したN型半導体膜、あるいはホウ素、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)等のアクセプタ元素を添加したP型半導体膜を用いることも可能である。
【0030】
これ等半導体膜13は、APCVD法、LPCVD法、PECVD法等のCVD法、あるいはスパッタ法や蒸着法などのPVD法で形成する。
半導体膜13としてシリコン膜を用いる場合、LPCVD法では、基板温度を400℃程度から700℃程度としてジシラン(Si)等を原料としてシリコンを堆積する。PECVD法ではモノシラン(SiH)等を原料として基板温度が100℃程度から500℃程度でシリコンを堆積可能である。
【0031】
スパッタ法を用いるときには、基板温度は室温から400℃程度である。このように、堆積した半導体膜13の初期状態は非晶質や混晶質、微結晶質、あるいは多結晶質など様々な状態があるが、初期状態はいずれの状態であっても良い。半導体膜13の膜厚は、それを半導体薄膜トランジスタに用いるときには20nmから100nm程度が適当である。
【0032】
(半導体薄膜の結晶化)
次に、堆積した半導体膜13の結晶化を行う。ここで、「結晶化」という言葉は、非晶質の半導体膜に対して熱エネルギを与え、多結晶あるいは単結晶の半導体膜に変質させること、更に、微結晶膜や多結晶膜の半導体膜に対して熱エネルギを与えて、結晶膜の膜質の改善や溶融固化による再結晶化を行うことについても用いられる。本明細書では、非晶質の結晶化のみならず、多結晶質や微結晶質の結晶化をも含めて総て結晶化と称することに留意すべきである。
【0033】
半導体膜13結晶化の工程は、いわゆるレーザ照射による方法や固相成長による方法によって実現することができるが、これに限定されない。
一例として、ポリシリコンTFT製造方法のうち低温プロセスで行えるレーザ照射による結晶化方法について説明する。
【0034】
半導体膜13が形成された基板を図示しないレーザ照射チャンバにセットする。レーザ照射チャンバは一部分が石英の窓によってできており、真空中若しくは非酸化性ガスによってチャンバ内の雰囲気を置換した後にこの石英窓からレーザ光を照射する。このレーザ光は半導体膜13の膜表面で強く吸収され、下地絶縁膜12や基板10に殆ど吸収されないことが望ましい。このレーザ光として紫外線域あるいはその近傍の波長を持つエキシマレーザ、アルゴンイオンレーザ、YAGレーザ高調波等が好ましい。また、半導体膜13を高温に加熱すると同時に基板10へのダメージを防ぐためには大出力で極短時間のパルス発振であることが必要となる。上記レーザ光の中でも、特に、キセノン・クロライド(XeCl)レーザ(波長308nm)やクリプトンフロライド(KrF)レーザ(波長248nm)等のエキシマレーザが最も適している。
【0035】
これ等のレーザ光の照射方法について説明する。レーザパルスの強度半値幅は10ns程度から500ns程度の極短時間である。レーザ照射は基板10を室温(25℃)程度から400℃の間で行う。レーザ照射の一回の照射面積は対角5mm□程度から60mm□程度の正方形状又は長方形状である。
【0036】
例えば、一回のレーザ照射で8mm□程度の正方形の面積が結晶化できるビームを用いた場合について説明する。一箇所に一発のレーザ照射を行った後、基板とレーザとの位置を相対的に水平方向に僅かにずらす。この後、再び一発のレーザ照射を行う。このショットアンドスキャンを連続的に繰り返すことによって大面積の基板にも対応できる。より具体的には、各照射毎に照射領域を1%程度から99%程度ずらしてショットを繰り返す。
【0037】
最初に水平方向(X方向)に走査した後、次に、垂直方向(Y方向)に適当な量だけずらし、再び、水平方向に所定量ずらしつつショットアンドスキャンを連続的に行う。以後、これを繰り返して基板全面に第1回のレーザ照射を行う。
【0038】
この第1回目のレーザ照射エネルギ密度はキセノン・クロライドレーザの場合、50mJ/cm程度から600mJ/cm程度の間が好ましい。第1回目のレーザ照射が終了した後、必要に応じて第2回目のレーザ照射を全面に施す。
【0039】
第2回目のレーザ照射を行う場合、そのエネルギ密度は第1回目よりも高い値が好ましく、100mJ/cm程度から1000mJ/cm程度の間としても良い。走査方法は第1回目のレーザ照射と同じで正方向形状の照射領域をY方向とX方向に適当量ずらせて走査する。
【0040】
更に、必要に応じてエネルギー密度をより高くした第3回目或いは第4回目のレーザ照射を行うことも可能である。こうした多段階レーザ照射法を用いるとレーザ照射領域端部に起因するばらつきを完全に消失させることが可能になる。
【0041】
多段階レーザ照射の各回目の照射に限らず通常の一段階照射でも、レーザ照射は総て半導体膜13が完全溶融するエネルギー密度より5%程度低いエネルギーで行う。シリコン膜を一旦完全溶融させてしまうと、液体シリコン膜が過冷却状態に陥り、結果として高い密度の結晶核発生が起こる。
【0042】
このような現象により形成されるpoly−Si膜は極めて小さな結晶粒が高密度で存在する、いわゆる微結晶という形態になる。このようなpoly−Si膜は結晶粒界が多いため膜中欠陥(主にはダングリングボンド)が大量に存在し、TFTとしては使用に耐えない膜となってしまう。
【0043】
以上は正方形状のレーザビームを用いたレーザ結晶化法を述べたが、照射領域形状を幅100μm程度以上で長さが数10cm以上のライン状とし、このライン状レーザ光を走査して結晶化を進めても良い。この場合、各照射葎のビームの幅方向の重なりはビーム幅の5%程度から95%程度とする。ビーム幅が100μmでビーム毎の重なり量が90%で有れば、一回の照射毎にビームは10μm進むので同一点は10回のレーザ照射を受けることとなる。
【0044】
一般的に半導体膜を基板全体で均一に結晶化させるには少なくとも5回程度以上のレーザ照射が望ましいので、照射毎のビームの重なり量は80%程度以上が求められる。高い結晶性の多結晶膜を確実に得るには同一点が10回程度から30回程度の照射が行われる様に重なり量を90%程度から97%程度へと調整するのが好ましい。ラインビームを用いることによって1方向のスキャニングで広い面積の結晶化ができるので、前述の正方形ビームに比べてスループットを高められるというメリットが得られる。
【0045】
また、このように多数回の照射を繰り返すことによって、半導体膜中に注入された不純物の活性化率も高めることができる。このときの最大照射エネルギー密度は前述の条件を踏襲する。
【0046】
(素子分離工程)
次に、TFTの領域を画定する素子分離を行う。素子分離技術としてはLOCOS法、フィールドシールド法、STI法などを使用することもできるが、ここでは、TFT製造工程で一般的なフォトリソグラフィーおよびエッチングにより素子分離を行う方法について説明する。
【0047】
図1(d)に示すように、フォトリソグラフィーによりトランジスタの能動層となる領域部分だけが残るように、フォトレジスト14によるマスクパターンを形成する。
【0048】
次に、図1(e)に示すように、このレジスト14をマスクとしてウェットまたはドライエッチングにより半導体膜13をエッチングする。その後、図1(f)に示すように、フォトレジスト14を剥離する。
【0049】
(ゲート絶縁膜形成)
次に、図1(g)に示すように、半導体膜13の形成後に、この上にTFTのゲート絶縁層として第2の絶縁膜15を形成する。
【0050】
絶縁膜15の形成方法としては基板10上に常圧化学気相堆積法(APCVD法〉や低圧化学気相堆積法(LPCVD法)、プラズマ化学気相堆積法(PECVD法)等のCVD法或いはスパッタ法等により、絶縁材料を堆積する。いずれの方法を用いても絶縁膜の形成は可能である。
【0051】
本発明では、特に、TEOSを用いた平行平板型RFプラズマCVDを用いて酸化シリコン膜(SiO)を絶縁膜15として形成する。後述するように、このプロセスと、この後の工程で行う金属層堆積及び熱処理とを組み合わせることによって、MOS界面の改善を図ることができる。
【0052】
この場合、真空プラズマ室で使用するガスはTEOS(テトラエトキシシラン;Si(OC))、酸素ガスOであり、ヘリウムHe、アルゴンArなどの希釈ガスを混入させても構わない。成膜時の真空度は100から200Pa程度とし、成膜時の基板温度は300℃から400℃程度が望ましい。このような条件で成膜することにより、高絶縁耐圧、低電荷密度の高品質な酸化シリコン膜(ゲート絶縁膜)15を得ることが可能となる。
【0053】
(第2の界面改質膜形成、熱処理)
次に、図1(h)に示すように、ゲート絶縁膜15上に第2の第2の界面改質膜16を堆積する。ここで、界面改質膜16は、界面改質膜11と同様に、酸化シリコン膜15中の、例えば、水蒸気HOや酸素O等の不純物の熱処理過程における分解又は除去を促進する。この界面改質膜16としては、上述した界面改質膜11と同様の材料を用いることができ、同様の方法で形成される。そして、この界面改質膜16によって、酸化シリコン膜15中、又は酸化シリコン膜15と半導体膜13との界面における欠陥準位を減少させることが可能となる。
【0054】
次に、300℃以上450℃以下の温度で10分以上熱処理を行う。熱処理時の雰囲気はどのような雰囲気であっても構わない。処理温度が300℃を下回る場合には、十分な界面改質効果が得られず、処理温度が450℃を超える場合には、膜質を劣化させる虞がある。特に、上記熱処理は、350℃以上の温度で20分以上行うことが望ましい。この熱処理を行うことにより、酸化シリコン膜15の絶縁耐圧、電荷密度の良好な特性を保ったまま、下地保護膜12と半導体膜13との界面、及び、半導体膜13と酸化シリコン膜15との界面の欠陥準位密度を低減させることができる。
【0055】
後述するが、実験により、第2の界面改質膜16としてアルミニウム(Al)を堆積した後、400℃で1時間熱処理を行うことによって、半導体膜13と酸化シリコン膜15との界面における界面準位密度が3×1010(cm−2eV−1)以下にまで低減することを確認した。また、第1の界面改質膜11としてアルミニウムを堆積した場合、下地保護膜12と半導体膜13との界面における界面準位密度は、同様に3×1010(cm−2eV−1)程度となり、第1の金属膜11を形成しない場合(下地保護膜と半導体膜との界面における界面準位密度は5×1011(cm−2eV−1)程度)に比べて、1桁以上改善されることを確認した。これらの界面準位密度は1000℃程度のプロセス温度が必要とされるシリコンとシリコンの熱酸化膜との界面準位密度にも匹敵する極めて低い値であり、良好な界面が形成されているといえる。
【0056】
(第2の界面改質膜除去)
次に、図1(i)に示すように、第2の界面改質膜16を除去する。この後の工程との相性を考慮し、あるいは、よりゲート配線膜として好ましい材料を使用したい場合に、前工程の界面改質膜16を全面エッチングにより除去する。
【0057】
(ゲート配線形成)
そして、図2(j)に示すように、スパッタ法、CVD法、蒸着法等により、酸化シリコン膜(ゲート絶縁膜)15の上に、タンタル、アルミニウム、チタンなどの金属、金属窒化物、ポリシリコン等のゲート配線膜(ゲート電極)17を形成し、これをパターニングする(図2(k)参照)。なお、前工程で使用した界面改質膜16をそのままゲート配線膜17の全部もしくは一部として使用してもよく、これにより、工程数を減らすことができる。
【0058】
(不純物注入、活性化工程)
引き続いて半導体膜15に不純物イオン注入を行ってソース・ドレイン領域を形成する。このとき、ゲート電極17がイオン注入のマスクとなっているので、チャンネルはゲート電極下のみに形成される自己整合構造となる。不純物イオン注入は質量非分離型イオン注入装置を用いて注入不純物元素の水素化物と水素を注入するイオン・ドーピング法と、質量分離型イオン注入装置を用いて所望の不純物元素のみを注入するイオン打ち込み法の二種類が適応され得る。イオン・ドーピング法の原料ガスとしては水素中に希釈された濃度0.1%程度から10%程度のホスフィン(PH)やジボラン(B)等の注入不純物元素の水素化物を用いる。ゲート絶縁膜を安定に保つ為には、イオン・ドーピング法及びイオン打ち込み法のいずれにおいても、イオン注入時の基板温度は350℃以下であることが好ましい。CMOSTFTを作成するときはポリイミド樹脂等の適当なマスク材を用いてNMOS又はPMOSの一方を交互にマスクで覆い、上述の方法にてそれぞれのイオン注入を行う。
【0059】
次に、不純物の活性化を行う。活性化の方法としてはレーザ照射による方法や300℃以上の炉で加熱する(低温熱処理)方法、ランプによる高速熱処理法などがあるが、適当な方法を選択することができる。
【0060】
(以降の工程)
ここまでの工程で半導体膜13の素子分離が完了し、ゲート配線膜16の形成も完了している。
【0061】
次に、図2(l)に示すように、基板10上にCVD法などによって酸化シリコンを堆積し、層間絶縁膜18を形成する。
【0062】
そして、図2(m)に示すように、層間絶縁膜18およびゲート絶縁膜15のソース、ドレイン部分にコンタクトホールを開孔し、アルミニウム等の金属をスパッタ法やPVD法等によって堆積して配線膜19を形成する。
【0063】
次に、図2(n)に示すように、配線膜19をパターニングし、ソース・ドレイン電極及び配線19を形成する。そして、この上に、酸化シリコン、窒化シリコン、PSG等を堆積して保護膜20を形成することにより薄膜トランジスタが完成する。
【0064】
なお、本実施の形態の説明では上記のような工程順としたが、例えば、ゲート絶縁膜15の形成後に素子分離を行う、あるいは、ゲート配線膜15の形成前に、レジストマスクあるいはその他メタルマスクなどを利用して不純物注入を行うなど、工程順を適宜に入れ変えてもよい。
【0065】
また、結晶化直後あるいはゲート絶縁膜15の形成直後などにプラズマ処理などによって膜質を改善する工程を含んでもよい。
【0066】
更に、ゲート絶縁膜15の形成直後の界面改質膜16をそのままゲート配線17の全部もしくは、一部として使用する場合で、その後の工程において300℃以上、10分以上の熱処理を行う工程がある場合には上述した界面改質膜16形成直後の熱処理工程は省略することができる。すなわち、上述した界面改質膜16の形成後の熱処理は、ゲート配線膜17(あるいは16)のパターニングを行う前、又は、行った後、あるいはトランジスタの製造工程、複数のトランジスタを備えたパネルの製造工程が完了するまでのいずれかの適宜な時期に行うこととしても良い。また、半導体膜13の裏面側界面のみを改質する場合には、上記熱処理工程を半導体膜13の形成直後に行なうことも可能である。
【0067】
以上説明したように、従来のTFT製造技術では半導体膜13の裏面側界面やMOS界面の欠陥密度の低減と、ゲート絶縁膜の電荷密度の低減、絶縁耐圧の高耐圧化とを同時に実現することが困難であり、トランジスタの高性能化には限界があった。本発明により、低温プロセスで良好な界面状態が得られ、高性能なトランジスクを低温プロセスで製作することが可能となった。
【0068】
本発明の低温製造プロセスによって製造されたTFTは、特に、低温製造プロセスが望まれる大型ガラス基板を用いた液晶表示装置や有機EL表示装置に使用して好都合である。
【0069】
〈液晶表示装置〉
以下に、上述のトランジスタを備える表示装置の例について説明する。
図3は、本発明の表示装置の一例であるアクティブマトリクス型の液晶表示装置の構成を示す断面図である。
【0070】
図3に示す液晶表示装置は、一対の基板間に光変調層としての液晶層を保持したものであり、一方の基板をなすTFTアレイ基板10と、これに対向配置された対向基板20とを備えている。
【0071】
TFTアレイ基板10には、走査線(図示略)や信号線19aが縦横に設けられ、これらの配線により碁盤目状に区画された各領域に、ITO(インジウム錫酸化物)等の透明導電膜或いはアルミニウム等の高反射率の金属膜からなる画素電極19bと、この画素電極19bをスイッチングするTFT(薄膜トランジスタ)1とが形成され、更に、これらの配線や画素電極21を覆うように配向膜22が形成されている。
【0072】
TFT1は、界面改質膜としての金属膜11と、酸化シリコンからなる下地保護膜12と、シリコンからなる半導体膜13と、酸化シリコンからなるゲート絶縁膜15と、ポリシリコンからなるゲート電極17とが、基板10側から順に積層されて構成されている。半導体膜13中央部の、ゲート電極17に対向する領域はチャネル領域(能動層)13aとして機能する。また、半導体膜13の両端部の領域には、不純物イオンが高濃度にドープされており、高濃度ソース領域13d,高濃度ドレイン領域13eが形成されている。
【0073】
また、TFT1はLDD(Lightly Doped Drain)構造を有しており、チャネル領域13aと高濃度ソース領域13d,高濃度ドレイン領域13eとの間の領域には、不純物イオンが低濃度にドープされ、それぞれ低濃度ソース領域13b,低濃度ドレイン領域13cが形成されている。
【0074】
また、図1に示すように、ゲート電極17、ゲート絶縁膜15及び下地保護膜12の上には、半導体膜13に通じるコンタクトホールH1,H2の形成された層間絶縁膜18が積層されている。この層間絶縁膜18上にはソース電極(信号線)19aが形成されており、コンタクトホールH1を介して高濃度ソース領域13dと導通している。さらに、ソース電極19a及び層間絶縁膜18の上には、半導体膜13に通じるコンタクトホールH2の形成された第2の層間絶縁膜20が積層されている。そして、このように構成された第2層間絶縁膜20の上に画素電極19bが形成されており、コンタクトホールH2を介して高濃度ドレイン領域13eと導通している。
【0075】
このTFT1は、上述の製造方法により製造されており、半導体膜13の裏面側の界面及びMOS界面は、欠陥密度(界面準位密度)が十分小さい状態となっている。
【0076】
一方、対向基板30には、対向するTFTアレイ基板10の配線部及び素子部の形成領域に対応して、Cr等からなる遮光膜31が縦横に形成されている。また、この遮光膜31を覆うように、基板30全面に対向電極32と配向膜33とが順に積層されている。
【0077】
そして、TFTアレイ基板10と対向基板30とは、スペーサ(図示略)を介して対向配置され、これらの基板の間に液晶を封入して液晶層40が形成されている。
上述の表示装置は、画素電極19bが高い電気特性を有するトランジスタ1により駆動されるため、高品質な表示が得られる。
【0078】
次に、上述の表示装置を備えた電子機器の例について説明する。
〈モバイル型コンピュータ〉
図4は、上述した実施形態に係るトランジスタを含む表示装置を備えたモバイル型のパーソナルコンピュータ(情報処理装置)の構成を示す斜視図である。同図において、パーソナルコンピュータ1100は、キーボード1102を備えた本体部1104と、上述した表示装置1106を備えた表示装置ユニットとから構成されている。表示装置は、上述のトランジスタにより駆動されるため、高品質な表示が得られる。
【0079】
なお、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
例えば、図1では、半導体膜13のパターニング後にゲート絶縁膜15,第2の金属膜16を形成しているが、パターニングはゲート絶縁膜15堆積後、第2の金属膜16堆積後、熱処理後のいずれであってもよい。
【0080】
また、上記実施形態では、トランジスタとしてトップゲート型の構造を例示したが、本発明はこれに限定されず、ボトムゲート型,デュアルゲート型の構造としてもよい。また、ボトムゲート型の構造とした場合、第1の金属膜11はパターニングによりゲート電極として用いることができる。
さらに、上記実施形態では、金属膜を第1の絶縁膜12の下層側と第2の絶縁膜15の上層側との双方に形成したが、第1の絶縁膜12の下層側だけでもトランジスタの特性が向上することは分かっており、第2の界面改質膜16は省略してもよい。
【0081】
また、本発明はTFTのみならず、高品質な酸化シリコン/シリコン界面、酸化シリコン膜のバルク特性が必要とされる全ての半導体素子や半導体装置に適用可能である。特に、低温での形成が必須の場合には極めて有効な手段である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係るトランジスタの製造方法を説明するための工程図である。
【図2】 同、工程図である。
【図3】 本発明の表示装置の一例である液晶表示装置の断面図である。
【図4】 同、表示装置を備えた電子機器の一例を示す斜視図である。
【図5】 TFT特性のシミュレーション結果を示す図である。
【符号の説明】
1 トランジスタ、 10 基板、 11 第1の界面改質膜、 12 下地保護膜(第1の絶縁膜)、 13 半導体膜、 15 ゲート絶縁膜(第2の絶縁膜)、 16 第2の界面改質膜

Claims (6)

  1. 基板に、アモルファスシリコンからなる第1の界面改質膜を形成する工程と、
    上記第1の界面改質膜の上に第1の絶縁膜を形成する工程と、
    上記第1の絶縁膜の上にポリシリコンからなる第1の半導体膜を形成する工程と、
    上記第1の半導体膜の上に第2の絶縁膜を形成する工程とを備え、
    上記第1の半導体膜を形成する工程は、上記第1の絶縁膜の上に第2の半導体膜を形成する工程と、上記第2の半導体膜にレーザー光を照射して上記第2の半導体膜をポリシリコンからなる第1の半導体膜とする工程と、を有し、
    上記第1の絶縁膜を形成する工程は上記基板を400℃以下の温度に加熱して行われ、
    上記第1の絶縁膜の上に第2の半導体膜を形成する工程は上記基板を500℃以下の温度に加熱して行われ、
    上記第2の半導体膜にレーザー光を照射して上記第2の半導体膜をポリシリコンからなる上記第1の半導体膜とする工程は上記基板を400℃以下の温度に加熱して行われ、
    上記第1の半導体膜の上に第2の絶縁膜を形成する工程は上記基板を400℃以下の温度に加熱して行われ、
    上記第1の半導体膜を形成する工程以降に300℃以上450℃以下の温度で熱処理を行なうことを特徴とする、トランジスタの製造方法。
  2. 上記第2の絶縁膜の上にアモルファスシリコンからなる第2の界面改質膜を形成する工程を備え、
    上記熱処理は上記第2の界面改質膜を形成する工程以降に行なわれることを特徴とする、請求項1に記載のトランジスタの製造方法。
  3. 上記第2の界面改質膜が、ゲート電極として構成されたことを特徴とする、請求項2に記載のトランジスタの製造方法。
  4. 上記第1の絶縁膜が、テトラエトキシシラン及び酸素を原材料として平行平板プラズマCVD法により形成されたことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかの項に記載のトランジスタの製造方法。
  5. 上記第2の絶縁膜が、テトラエトキシシラン及び酸素を原材料として平行平板プラズマCVD法により形成されたことを特徴とする、請求項1〜4のいずれかの項に記載のトランジスタの製造方法。
  6. 上記第1の界面改質膜が、ゲート電極として構成されたことを特徴とする、請求項1〜のいずれかの項に記載のトランジスタの製造方法。
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