JP3467571B2 - 薄膜トランジスタの製造方法 - Google Patents
薄膜トランジスタの製造方法Info
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Description
ックス方式の液晶ディスプレイや、イメージセンサや、
液晶シャッターアレイや、3次元集積素子などに応用さ
れる薄膜トランジスタの製造方法に関する。
ティブマトリクス型の液晶表示体の絵素に応用されてい
るように、次のような利点を有することが知られてい
る。
を透過するような透明の基板上に均一な特性のトランジ
スタを形成できる。P−N接合面積を小さくすること
により、浮遊容量を小さくできる。
基板上に薄膜トランジスタを形成して、同じ基板上に絵
素トランジスタや、同じ基板上にこの絵素を駆動するた
めの薄膜トランジスタによるC−MOS回路を構成して
いる例もある。ところが、このC−MOS回路は100
0℃以上の温度で形成したゲート絶縁膜や、イオン注入
後の不純物の活性化を行っているため、歪点が800℃
以下の安価な大面積のガラス基板が使えない欠点があっ
た。
価であることから、これに代わるものとして、溶融水晶
板や、Si基板を1000℃以上温度で酸化して形成し
た非晶質SiO2膜やSi基板上に堆積した非晶質Si
O2膜あるいは非晶質SiN膜を用い、これらの上に半
導体薄体を形成する方法が提案されている。ところが、
これらSiO2膜やSiN膜は単結晶でないため、その
上にシリコン層を被着形成し1000℃以上の温度のプ
ロセスで結晶化すると基板上には多結晶が成長する。こ
の多結晶の粒径は数10nmであり、このうえにMOS
トランジスタを形成しても、そのキャリア移動度はバル
クシリコン上のMOSトランジスタの数分の1程度であ
る。
ス基板用に、歪点が850℃以下の安価なガラス基板上
のMOSトランジスタでは、1000℃以上のプロセス
を利用することが出来ないので、減圧化学気相成長法で
シリコン層を堆積しても、多結晶の粒径は高々数nmで
あるため、この上にMOSトランジスタを形成しても、
そのキャリア移動度は、バルクシリコン上のMOSトラ
ンジスタの数十分の1程度である。
等をシリコン薄膜上を走査し、該薄膜の溶融再固化を行
うことにより、結晶粒径を増大させ単結晶化する方法が
検討されている。この方法によれば、絶縁基板上に高品
質シリコン単結晶相を、または高品質多結晶を形成で
き、それを用いて作成した素子の特性も向上し、バルク
シリコンに作成した素子の特性と同程度まで改善され
る。さらにこの方法では、素子を積層化することが可能
となりいわゆる3次元ICの実現が可能となる。そして
高密度、高速、多機能などの特徴を持つ回路が得られる
ようになる。
動領域のシリコン層の結晶化に応用し、MOSトランジ
スタの高性能化を試みた第1の従来例として公開特許公
報昭61−78119、「半導体の製造方法」が挙げら
れる。
ンジスタの形成のために、自己整合型の構造を得るため
に、イオン注入法により不純物を注入し、レーザービー
ムの照射によって薄膜トランジスタのソース領域および
ドレイン領域を形成する試みがなされている。この方法
によれば、600℃以下の低温プロセスにより、自己整
合型の薄膜トランジスタを形成できる。
ース・ドレイン領域に注入された不純物の活性化に応用
した第2の従来例として、Extended Abstracts of the
22nd(1990 International) Conference on Solid State
Devices and Materials,Sendai,1990,pp.971-974 「La
rge Area Doping Process for Fabricating of p-SiTF
T's Using Bucket Ion Source and XeCl Excimer Laser
Annealing」が挙げられる。
がら説明する。CVD法により多結晶シリコン層を石英
よりも低融点の耐熱性ガラス601に形成し、図6aの
ように短波長のレーザー604を照射して多結晶シリコ
ン層の表面部を結晶化し、次に、図6bのようにシリコ
ンイオン注入605して上記レーザー照射したシリコン
層の下部領域607を非晶質化し、次にこのシリコン層
を600℃で15時間程度の熱処理を施して非晶質部を
固相成長させて結晶粒子の粒径の増大608を試みてい
る。薄膜トランジスタの能動領域の膜厚が100nm以
下、特に20〜50nmの膜厚であるときに実行移動度
が大きな良好な電気的特性が得られることは周知の事実
である。従来例では膜厚が数十nm程度の薄膜シリコン
層を得るために、図6eのように上記に示した固相成長
工程が終了した多結晶シリコン層に対し、表面を燐酸に
てエッチング処理を施している。一般に、固相成長を施
した多結晶シリコン層は、TEM(電子透過顕微鏡)に
よる観察では粒径数μm程度の大きな結晶粒が得られる
ことは知られているが、結晶粒界(グレンバウンダリ)
ばかりでなく結晶粒内部には極めて多数の微細な欠陥が
存在している。このため、薄膜トランジスタの電気的特
性、例えば実行移動度の増加のために従来例では上記の
固相成長後の多結晶シリコン層を水素化処理を試みてい
る。従来例ではこの水素化処理を図6dあるいは図6e
の工程が終了した段階で施し、上記多結晶シリコン層の
良質化を実現する試みをしている。
た多結晶シリコン層を薄膜トランジスタの形成に応用し
ているが、不純物ドープ多結晶シリコン層により形成さ
れたゲート電極をマスクとしたセルフアライン法により
ソース領域とドレイン領域を形成して図6gのように薄
膜トランジスタを形成している。
な問題点があった。すなわち、CVD法により形成した
多結晶シリコン層に短波長のレーザー光を照射して表面
部のみを結晶化させ、シリコンイオンの注入により、上
記シリコン層の下部領域を非晶質化した後に固相成長処
理して大粒径の結晶粒を得ようと試みている。しかしな
がら、エキシマレーザーのビームアニールによるアニー
ルされたシリコン層606の結晶粒の大きさは100n
m程度であり、イオン注入後の固相成長の工程では、シ
リコン層606の一つ一つの結晶が核となって非晶質層
607が結晶化するため、従来例の固相成長により得ら
れる結晶の粒径は、シリコン層606の大きさに制限さ
れて、結局固相成長により得られる結晶の粒径は高々1
00nmとなり、従来例が目的とする大粒径の結晶は得
られない。また、固相成長による結晶は、その内部に微
細な欠陥が多数発生するので、従来例による方法では内
部に結晶欠陥を多数存在する、粒径が100nmの結晶
が得られるに過ぎない。
上を図るために、上記の方法で結晶化されたシリコン層
を燐酸でエッチングして薄膜化しているが、燐酸による
エッチング速度がわずか0.2〜0.3Å/分であるた
め、100nmの初期の膜厚を20nm〜50nmにす
るためには160分から400分も時間がかかる。17
0℃の燐酸溶液の状態の時経変化に対する管理が困難な
ばかりでなく、いわゆるスループットが極めて低くなる
欠点がある。
らすため、多結晶シリコン膜が形成されていない裏面か
ら、ガラスの構成成分、例えばアルミニウムイオン、カ
ルシウムイオン、ナトリウムイオンなどが燐酸液中に溶
解し、上記燐酸でエッチングされた多結晶シリコン膜表
面に上記のイオンが付着し、多結晶シリコン層の品質を
著しく低下させる問題点がある。よって、この方法を応
用して作製された薄膜トランジスタのサブスレッショル
ド特性は低下してしまう。
いは図6eの燐酸による多結晶シリコン層の薄膜工程終
了後に、結晶粒界に生じている結晶欠陥、シリコン原子
の未結合手、いわゆるトラップを減少させるため水素化
処理を施し、この工程の終了の後、不純物ドーピング多
結晶によりゲート電極を形成している。不純物ドーピン
グ多結晶シリコンの形成には600℃程度の温度が必要
であるが、450℃以上の温度の熱処理で水素原子はシ
リコン原子から解離してしまう。よって、従来例の方法
による薄膜トランジスタの形成方法では、多結晶シリコ
ン膜中の水素原子が抜けるため、固相成長によって結晶
の粒径の増大を試みているのにもかかわらず、電気的特
性が極めて低い薄膜トランジスタとなる問題があった。
露出したソース・ドレイン領域のシリコン薄膜にバケッ
トイオンソース装置を用いて不純物をイオン注入し、ア
ルゴンレーザーのビームアニールによりこの不純物を活
性化して、ゲート電極に対して自己整合的にソース・ド
レイン領域を形成している。イオン注入法ではシリコン
薄膜の深さy方向に注入されたイオンが、y軸とは傾い
た方向にチャネリングするいわゆる2次元的なチャネリ
ングをするために、図7aに示すようにゲート電極下
の、ソース領域とチャンネル領域の境界部、およびドレ
イン領域とチャンネル領域の境界部にも不純物が注入さ
れるが、第2の実施例のようにレーザービームを照射す
ることによりシリコン層に注入された不純物を活性化す
ると、上記に述べた境界領域の不純物が活性化されず、
図7bに示すように不純物が活性化されず欠陥が存在す
る領域710が残ることになる。よって、第2の従来例
により製作された薄膜トランジスタは、ゲート電極下の
ドレイン領域とチャンネル領域の境界部分の欠陥のため
に、ゲート電圧がオフ状態において、ソース・ドレイン
間のリーク電流が大きくなる問題点があった。
鑑み安価なガラス基板が使用できるプロセス温度で、ゲ
ート電極に対して、ソース領域およびドレイン領域を自
己整合的に形成する薄膜トランジスタの製造方法を提供
するものである。また、本発明は、基板全面に渡って均
一に、ソース領域およびドレイン領域を自己整合的に形
成する薄膜トランジスタの製造方法を提供するものであ
る。また、本発明は、欠陥を有しない良質な多結晶シリ
コン薄膜により、移動度の大きい電気的特性の優れた薄
膜トランジスタの製造方法を提供するものである。ま
た、本発明は、安価なガラス基板が使用できるプロセス
温度で、ソース・ドレイン間のリーク電流の発生が少な
い自己整合型の薄膜トランジスタの製造方法を提供する
ものである。
タの製造方法は、基板上にシリコン層を形成する工程
と、 前記シリコン層にエネルギービームを照射して結
晶化させる工程と、前記シリコン層上にゲート絶縁膜を
介してゲート電極を形成する工程と、前記シリコン層に
不純物をイオン注入する工程と、前記イオン注入された
シリコン層にエネルギービームを照射し不純物を活性化
させソース領域及びドレイン領域を形成する工程と、前
記エネルギービームが照射されたイオン注入シリコン層
を700〜800℃の温度で、5分〜10分のラピッド
サーマルアニーリング法で熱処理し、エネルギービーム
非照射領域の不純物を活性化させる工程と、を具備した
ことを特徴とする。また、前記シリコン層にエネルギー
ビームを照射して結晶化させる工程の後工程として、熱
処理を行う工程を更に設けるとよい。
説明する。図1および図2は本発明の実施例の中核とな
る部分の説明を、図3、図4および図5は、図1および
図2の方法を応用した第1、第2および第3の薄膜トラ
ンジスタの製造方法の実施例をそれぞれ示す。
多結晶シリコン層の製造工程を示す断面図である。図1
aに示すが如くあらかじめ洗浄した絶縁性基板、例えば
透明なガラス基板101上に常圧化学気層成長法によっ
て二酸化珪素膜102を基板温度200〜350℃の温
度で200nmの厚さで被着形成する。
基板温度550〜650℃で膜厚10nm〜50nmの
シリコン層103を被着形成する。薄膜トランジスタの
閾値を制御するために、不純物をイオン注入法などで該
シリコン層103中に導入してもよい。
を該シリコン層に照射する。エネルギービームとして
は、例えば波長308nmのXeClエキシマレーザー
が挙げられる。減圧化学気相成長法により形成されたシ
リコン層の場合のビームアニール条件は、パルスレーザ
ーのパルス幅は50nsecであり、該シリコン層10
3の直前のパルスレーザーの個々のパルスのエネルギー
強度は200〜700mJcm-2であり、より適当な強
度としては300〜600mJcm-2である。該シリコ
ン層103の同一箇所に照射されるパルスの回数は複数
回であっても構わない。ビームアニールしているとき、
該シリコン層103の周辺の酸素の分圧は10ー5mmH
g以下である。あるいは、ビームアニールしていると
き、該シリコン層103の周辺は、He、Ne、Ar、
Kr、Xeあるいはこれらの混合ガスである不活性ガス
雰囲気である。
いはその近傍に酸素が存在すると、ビームアニールによ
って該シリコン層103の温度が上昇したとき、酸素あ
るいは窒素が反応し不純物として該シリコン層中に取り
込まれ良好なシリコン層が得られない。よって、シリコ
ン層をアニールするときには、できる限り真空中あるい
は不活性ガス雰囲気でアニールするとよい。ただし、レ
ーザーアニール後フッ酸などで結晶化したシリコン層の
表面を除去する場合には、酸素雰囲気あるいは窒素雰囲
気あるいは大気中でもビームアニール可能である。
マレーザーに限ることはなく、ArFエキシマレーザ
ー、KrFエキシマレーザー、YAGレーザーなども利
用することができる。
にシリコン層は、結晶形態がシェブロン構造の多結晶シ
リコン層105になる。
位障壁は約3.1eVであるので,ビームアニールする
ときのエネルギービームが例えば波長が308nmのエ
キシマレーザーのような紫外光の場合、シリコン層の電
子が二酸化珪素膜102に注入されて、シリコン層の二
酸化珪素の界面と反対側の界面には正の電荷を保持する
ようになる。このため、この正電荷を消滅させない限
り、できあがった薄膜トランジスタのゲート電圧に対す
るドレイン電流の特性はデプレションの傾向を示してし
まう。よって、エネルギービームとして特に紫外光を用
いる場合には、このシリコン中の正孔を消滅させること
が必要になる。二酸化珪素ではなく窒化珪素や窒化酸化
珪素に被着形成されたシリコン層に、あるいはガラス基
板上に直接被着形成されたシリコン層に紫外光を照射し
ても同様な現象が生じるので、上記の理由でシリコン中
に発生した正孔を消滅することが必要になる。
力、および多結晶シリコン層105と二酸化珪素膜10
2の間に存在する多数の不整合、および多結晶シリコン
層を構成する結晶粒子の粒界に存在する不整合、および
多結晶シリコン粒子中に存在する点欠陥および正孔を減
少または消滅させるため、熱処理を施す。該熱処理の条
件としては、例えば300〜650℃の温度で、時間は
10分から20時間、試料周囲の雰囲気は窒素ガス中あ
るいは不活性ガス中あるいは水素を含んだ不活性ガス中
である。基板に伸縮や反りなどの問題がなければ20時
間を超える時間でも構わない。または、700〜800
℃の温度で5〜10分のラピッドサーマルアニーリング
法でも十分な効果があり、しかも、前記の条件では安価
なガラス基板を使用できる。この熱処理により、多結晶
シリコン層105は、結晶欠陥がほとんどなく、結晶粒
界や、シリコン層と二酸化珪素の不整合性が少ない電気
的特性に優れた良質な多結晶シリコン層106を得るこ
とができる。
不純物をシリコン層中にイオン注入する工程が終了した
後にレーザービームによりシリコン層中の不純物を活性
化し、2次元にチャネルした不純物を熱処理により活性
化する工程を、図2によって説明する。
に絶縁膜204を通してゲート電極205に対して自己
整合的に不純物をイオン注入する。例えばシリコン層2
03の膜厚が50nmであり絶縁膜204の膜厚150
nmであり不純物がリンである場合のイオン注入する条
件は、イオン打ち込み量が3×1015cm-2であり、加
速電圧は120KeVである。
に不純物が注入された領域207および208が形成さ
れる。領域208は不純物が斜め方向にチャネルを起こ
してゲート電極下部にイオン注入された領域である。
るためにレーザービーム209を図5cのように基板の
ゲート電極が形成されている側から照射する。レーザー
ビームの照射により領域207の不純物は活性化され不
純物ドーピング多結晶シリコン210が形成されるが、
ゲート電極下の領域208の不純物はレーザービームが
照射されず、また領域207で発生した熱の領域208
への熱伝導も不十分なので領域208の不純物は活性化
されないか不十分な活性化状態である。不純物が活性化
されない領域208が存在すると、この領域208が抵
抗となるため薄膜トランジスタのオン電流が減少し、ま
た、ドレイン領域をチャンネル領域の境界部に多数の欠
陥が存在することになるので、ゲート電圧のオフ領域で
ソース・ドレインのリーク電流が極めて大きくなる問題
が生じてしまう。
化するために、熱処理工程を施す。熱処理工程の条件と
しては、300〜650℃の温度で、時間は10分から
20時間、試料周囲の雰囲気は窒素ガス中あるいは不活
性ガス中あるいは水素を含んだ不活性ガス中である。基
板に伸縮や反りなどの問題がなければ20時間を超える
時間で熱処理しても構わない。または、700〜800
℃の温度で5〜10分のラピッドサーマルアニーリング
法でも十分な効果があり、しかも、前記の条件では安価
なガラス基板を使用できる。この熱処理により、該領域
208の不純物は活性化され結晶欠陥の極めて少ない良
質なシリコン層が得られる。この結果本発明によってオ
ン電流が大きく、ゲート電圧のオフ領域でソース・ドレ
インのリーク電流が少ない電気的特性に優れた薄膜トラ
ンジスタを製造することができる。
210の結晶が結晶化の成長核となるので、事実上30
0〜650℃の温度で、時間は10分から数時間の熱処
理でも十分である。
ランジスタの製造方法について述べる。
の実施例である。図4は薄膜トランジスタの第2の製造
方法の実施例である。図5は薄膜トランジスタの第3の
製造方法の実施例である。
スタの製造工程を示す断面図である。図3aに示すが如
くあらかじめ洗浄した絶縁性基板、例えば透明なガラス
基板301上に常圧化学気相成長法によって二酸化珪素
膜302を基板温度200〜350℃の温度で200n
mの厚さで被着形成する。
基板温度550〜650℃で膜厚150nmのn型のシ
リコン層を被着形成する。該n型のシリコン層に含まれ
る不純物としては、リン、ヒ素、アンチモンが挙げられ
る。ついで該n型のシリコン層をパターニングして、薄
膜トランジスタのソース領域及びドレイン領域となる島
上の領域303及び304を形成する。
04の形成法は上記に限られるものでなく、例えば、該
二酸化珪素膜302上に、i型のシリコン層を減圧化学
気層成長法で例えば基板温度450〜650℃で、膜厚
150nmの厚さで被着形成する。上記i−型のシリコ
ン層を形成する原料ガスとして、SiH4もしくはSi2
H4もしくは、SiH4とSi2H4の混合ガスが使用でき
る。ついで該i型のシリコン層中に、イオン注入法によ
って例えば、加速電圧120keVで、10 15〜1016
cm-2の濃度で不純物を導入する。ついで、上記シリコ
ン中にイオン注入された不純物を活性化するために、基
板温度600℃で窒素雰囲気中で2時間の熱アニールを
する。前記i型シリコン中に注入された不純物を、レー
ザービームなどのエネルギービームによって活性化する
こともできる。ついで、該シリコン層をパターニングし
てソース領域303及びドレイン領域304を形成す
る。p型の薄膜トランジスタを形成する場合には、前記
のイオン注入の工程に於いて、n型の不純物の代わりに
p型の不純物例えばホウ素をイオン注入してソース領域
303及びドレイン領域304を形成すればよい。
%のHF溶液で該ソース領域及びドレイン領域の表面に
形成された自然酸化膜を除去する。
るシリコン層を例えば減圧化学気層成長法で例えば基板
温度600℃で例えば膜厚15nm〜70nmで前記ソ
ース領域303及びドレイン領域304が形成された基
板を覆うように被着形成する。該シリコン層を形成する
ための原料ガスとして、SiH4、もしくはSi2H4、
もしくはSiH4とSi2H4の混合ガスが使用できる。
圧化学気相成長法に限られることなく、グロー放電によ
るモノシランの分解により形成された水素を含有する非
晶質のシリコン層や、スパッタ法によるシリコン層でも
本発明は適用できる。
値を制御するために、該シリコン層を形成後、例えばイ
オン打ち込み法により必要量の不純物を注入する。
と該ドレイン領域304の架け橋となるように図3bの
如く島上にパターニングし、シリコン層305を形成す
る。次に、図3cに示すように、該シリコン層305に
レーザービーム306を照射して結晶化する。該レーザ
ービーム306には、波長308nmのXeClエキシ
マパルスレーザーを用いる。減圧化学気相成長法により
形成されたシリコン層の場合のビームアニール条件は、
パルスレーザーのパルス幅は50nsecであり、該シ
リコン層305の直前のパルスレーザーの個々のパルス
のエネルギー強度は200〜600mJcm-2であり、
より適当な強度としては300〜500mJcm-2であ
る。該シリコン層305の同一箇所に照射されるパルス
の回数は複数回であっても構わない。ビームアニールし
ているとき、該シリコン層305の周辺の酸素の分圧は
10ー5mmHg以下である。あるいは、ビームアニール
しているとき、該シリコン層305の周辺は、He、N
e、Ar、Kr、Xeあるいはこれらの混合ガスである
不活性ガス雰囲気である。
いはその近傍に酸素が存在すると、ビームアニールによ
って該シリコン層305の温度が上昇したとき、酸素あ
るいは窒素が反応し不純物として該シリコン層305中
に取り込まれ良好なシリコン層が得られない。よって、
シリコン層をアニールするときには、できる限り真空中
あるいは不活性ガス雰囲気でアニールするとよい。ただ
し、レーザーアニール後フッ酸などで結晶化したシリコ
ン層305の表面を除去する場合には、酸素雰囲気、窒
素雰囲気あるいは大気中でもビームアニール可能であ
る。
マレーザーに限ることはなく、ArFエキシマレーザ
ー、KrFエキシマレーザー、YAGレーザーなども利
用することができる。
にシリコン層305は多結晶シリコン層306になる。
る応力と、および多結晶シリコン層306と二酸化珪素
膜302の間に存在する多数の不整合、および多結晶シ
リコン層を構成する結晶粒子の粒界に存在する不整合、
および多結晶シリコン粒子中に存在する点欠陥および正
孔を減少または消滅させるため、熱処理を施す。該熱処
理の条件としては、実施例図1で示しながら説明した条
件で行えばよい。
303および該ドレイン領域304および該多結晶シリ
コン層307を覆うようにゲート絶縁膜308を、例え
ば常圧化学気相成長法によって、例えば基板温度300
℃で例えば膜厚150nmの二酸化珪素膜を被着形成す
る。該ゲート絶縁膜308の形成方法および形成材料は
上記に限られるものではない。たとえば、電子サイクロ
トロン共鳴CVD法によってSiO2を被着形成しても
ゲート絶縁膜308として使用可能である。さらに、ま
ず電子サイクロトロン共鳴法(ECR法)によるSiO
2を該ソース領域303および該ドレイン領域304お
よび該多結晶シリコン膜307を覆うように被着形成
し、さらに常圧化学気相成長法によってSiO2を被着
形成した、2層構造のゲート絶縁膜でも良い。また、E
CR法によるSiO2の1層をゲート絶縁膜308とし
てもよい。次に、図3fに示すようにゲート電極309
を形成する。例えば不純物を導入したシリコン薄膜を該
ゲート絶縁膜308を覆うように被着形成し、続いてパ
ターニングする。該不純物が導入されたシリコン層とし
ては、リンを不純物として減圧化学気相成長法により形
成されたシリコン層や、PECVD法により形成された
リンを含む非晶質のシリコン層あるいは微結晶シリコン
層などがある。該ゲート電極の厚みは300〜400n
mである。図3fに示すように、該ゲート電極309と
該ソース領域303が、薄膜の積層方向について重なり
がないいわゆるオフセット構造にする。同様に該ゲート
電極とドレイン領域304についてもオフセット構造と
する。
307のオフセット構造部分に、該ゲート電極309に
対して自己整合的に該ゲート絶縁膜308を貫いてイオ
ン注入330する。製作する薄膜トランジスタがn型の
場合には、イオン種としてリンなどがある。例えば、リ
ンの場合、該ゲート絶縁膜306の厚さが150nmの
場合、イオン注入する条件は加速電圧120keVでイ
オン注入量が1×10 15〜1×1016cm-3である。
また、製作する薄膜トランジスタがp型の場合には、イ
オン注入するイオン種として、ホウ素などがある。例え
ばホウ素の場合には、イオン注入する条件は加速電圧4
0keVで、イオン注入量が1×1015〜1×1016c
m-3である。図3gに示すように、ゲート電極309に
対して自己整合的に不純物が注入された領域311及び
312が形成される。
いる不純物を活性化する。
12シリコン層の厚みが25nm程度であると、イオン
注入された不純物の熱アニールによる活性化は、例えば
前記の様なイオン注入条件で、窒素雰囲気中で600℃
で60時間以上もしくは700℃で2時間のアニール条
件が必要である。このアニール条件では、不純物をゲー
ト電極に対して自己整合的に注入したとしても不純物の
チャンネルの横方向の拡散が大きくなり、結局ゲート電
極とソース電極の間、およびゲート電極とドレイン電極
の間で寄生容量が発生してしまう。歪点が600℃前後
の安価なガラス基板上に薄膜トランジスタを製作するに
は、前記熱アニールによる活性化条件は適当ではない。
り該領域311および312に注入された不純物を活性
化する。レーザービーム条件は、波長308nm、半値
幅50nsのXeClエキシマレーザーを、300〜6
00mJcm-2のビームエネルギー強度で、大気中で基
板上に照射する。薄膜トランジスタに照射されるレーザ
ービームのパルスの数は適当に複数回であってもよい。
レーザービームによって活性化された該309および3
10のシート抵抗は0.01〜0.05Ωcm-1であり、薄膜ト
ランジスタとして十分使用可能な抵抗値である。レーザ
ービームには前記のXeClエキシマレーザーに限るこ
となく、ArFエキシマレーザー、KrFエキシマレー
ザー、紫外線と同じ領域に波長を持つYAGレーザーの
高調波などを不純物の活性化に用いることができる。前
記レーザービームの照射により、領域311および31
2は不純物を含む多結晶シリコン膜314および315
になる。
ービームの照射により、不純物を含んだシリコン層によ
って形成されたゲート電極も同時にアニールされ、抵抗
が減少する。シリコン層で形成されたゲート電極の厚み
は300nm程度なのでレーザービームエネルギーは活
性領域のシリコン層には到達しない。
施す。この熱処理により、ゲート電極下の斜め方向にチ
ャネルした不純物も活性化され結晶欠陥の極めて少ない
良質なシリコン層が得られる。この結果本発明によって
オン電流が大きく、ゲート電圧のオフ領域でソース・ド
レインのリーク電流が少ない電気的特性に優れた薄膜ト
ランジスタを製造することができる。
領域が既に結晶化されているのでこれが結晶の成長核と
なるので、事実上300〜650℃の温度で、時間は1
0分から数時間の熱処理でも十分である。
9が形成された基板上に被着形成する。層間絶縁膜の材
料として、例えば、常圧化学気相成長法で形成された例
えば膜厚500nmのSiO2がある。さらに、電子サ
イクロトロン共鳴法、スパッタ法、減圧化学気相成長法
などにより形成されたSiO2や、PSG、SiNxを層
間絶縁膜316としても良い。
03および該ドレイン領域304に該層間絶縁膜316
と該ゲート絶縁膜308を貫くようにコンタクト用の窓
部を設けた後、電極となる金属薄膜例えばアルミニウム
薄膜を被着形成し、パターニングしてソース電極317
およびドレイン電極318をそれぞれ形成する。薄膜ト
ランジスタを、アクティブマトリックス方式の液晶表示
体の絵素に用いる場合には、該ドレイン電極318の構
成材料として例えば、インジウム−スズの酸化物(IT
O)を材料にした透明電極を用いることができる。該I
TO薄膜をスパッタ法により被着形成し、パターンエッ
チングし、ついでソース電極材料であるアルミニウム薄
膜をスパッタ法により被着形成しパターンエッチングに
よりソース電極を形成する。
ン電極318が形成された基板を覆うように、パッシベ
ーション膜、例えば窒化膜319を50nm被着形成す
る。該パッシベーション膜は一層に限ることはなく材料
が異なった薄膜を重ねた複数の層が積み重なったもので
も良い。たとえば、まずスパッタ法によって厚さ200
nmのSiO2を該ソース電極317及びドレイン電極
312を覆うように被着形成し、続いて有機高分子膜を
被着形成してパッシベーション膜として用いることもで
きる。該パッシベーション膜319は薄膜トランジスタ
の外界からの汚染を防止するために、さらにこの薄膜ト
ランジスタがアクティブマトリックス方式の液晶表示体
の絵素に用いられる場合には、液晶分子に薄膜トランジ
スタが発生する直流電圧の印加を低減する目的がある。
えば300℃で1時間の熱処理を施して図3iの様に目
的とする薄膜トランジスタを得る。ただし、パッシベー
ション膜に300℃で分解する有機高分子膜を使用する
場合には、該有機高分子膜を形成する前に上記の水素処
理をすることが必要である。
ジスタの製造例であるが、n型の薄膜トランジスタとp
型の薄膜トランジスタを同一基板上に形成し、各々の薄
膜トランジスタのゲート電極とソース電極あるいはドレ
イン電極を適当な配線材料で配線および接続することに
よって、C−MOS回路を構成することができる。
スタの第2の製造方法の工程を示す断面図である。図4
aに示すが如くあらかじめ洗浄した絶縁性基板、例えば
透明なガラス基板401上に例えば常圧化学気相成長法
によって二酸化珪素膜402を例えば基板温度200〜
350℃の温度で例えば200nmの厚さで被着形成す
る。
学気相成長法で例えば基板温度450〜650℃で例え
ば膜厚15nm〜70nmで該二酸化珪素膜402を覆
うように被着形成する。該シリコン層403を形成する
ための原料ガスとして、SiH4、もしくはSi2H4、
もしくはSiH4とSi2H4の混合ガスが使用できる。
圧化学気相成長法に限られることなく、グロー放電によ
るモノシランの分解により形成された水素を含有する非
晶質のシリコン層や、スパッタ法によるシリコン層でも
本発明は適用できる。
すようにレーザービーム404を照射して結晶化する。
該レーザービーム404には、波長308nmのXe−
Clエキシマパルスレーザーを用いる。減圧化学気相成
長法により形成されたシリコン層の場合のビームアニー
ル条件は、パルスレーザーのパルス幅は50nsecで
あり、該シリコン層403の直前のパルスレーザーの個
々のパルスのエネルギー強度は200〜600mJcm
-2であり、より適当な強度としては300〜500mJ
cm-2である。該シリコン層403の同一箇所に照射さ
れるパルスの回数は複数回であっても構わない。実施例
1と同じ理由で、ビームアニールしているとき、該シリ
コン層403の周辺の酸素の分圧は10ー5mmHg以下
である。ビームアニールしているとき該シリコン層40
3の表面及びその周辺の酸素の分圧は10ー5mmHg以
下である。あるいは、ビームアニールしているとき、該
シリコン層403の周辺は、He、Ne、Ar、Kr、
Xeあるいはこれらの混合ガスである不活性ガス雰囲気
である。
マレーザーに限ることはなく、ArFエキシマレーザ
ー、KrFエキシマレーザー、YAGレーザーなども利
用することができる。
図4cに示すような多結晶シリコン層405となる。本
実施例では、該シリコン層403をビームアニールした
後にパターニングしているが、あらかじめ該シリコン層
を島状にパターニングしたのちに、前記のようにビーム
アニールして多結晶シリコン層405を形成することも
できる。
施して該シリコン層405を良質化する。
リコン層405を覆うようにゲート絶縁膜406を、例
えば常圧化学気相成長法によって、例えば基板温度30
0℃で例えば膜厚150nmの二酸化珪素膜を被着形成
する。該ゲート絶縁膜406の形成方法および形成材料
は上記に限られるものではない。たとえば、電子サイク
ロトロン共鳴CVD法によってSiO2を被着形成して
もゲート絶縁膜408として使用可能である。ECR法
により形成された二酸化珪素膜1層でゲート絶縁膜40
8を形成してもよい。
7を形成する。例えば不純物を導入したシリコン薄膜を
該ゲート絶縁膜408を覆うように被着形成し、続いて
パターニングする。該不純物が導入されたシリコン層と
しては、リンを不純物として減圧化学気相成長法により
形成されたシリコン層や、PECVD法により形成され
たリンを含む非晶質のシリコン層などがある。該ゲート
電極の厚みは300〜400nmである。
に対して自己整合的に該ゲート絶縁膜406を貫いてイ
オン注入408する。製作する薄膜トランジスタがn型
の場合には、イオン種としてリンなどがある。例えば、
リンの場合、該ゲート絶縁膜406の厚さが150nm
の場合、イオン注入する条件は加速電圧120keVで
イオン注入量が1×1015〜1×1016cm-3である。
また、製作する薄膜トランジスタがp型の場合には、
イオン注入するイオン種として、ホウ素などがある。例
えばホウ素の場合には、イオン注入する条件は加速電圧
40keVで、イオン注入量が1×1015〜1×1016
cm-3である。図4fに示すように、ゲート電極407
に対して自己整合的に不純物が注入された領域409及
び410が形成される。
いる不純物を活性化する。
10のシリコン層の厚みが25nm程度であると、イオ
ン注入にされた不純物を熱アニールによって活性化する
には、例えば前記の様なイオン注入条件で、窒素雰囲気
中で600℃で60時間以上、もしくは700℃で2時
間のアニールが必要である。歪点が600℃前後の安価
なガラス基板上に薄膜トランジスタを製作するには、こ
の熱アニールによる活性化は適当ではない。
り該領域409および410に注入された不純物を活性
化する。レーザービーム条件は、波長308nm、半値
幅50nsのXeClエキシマレーザーを、300〜6
00mJcm-2のビームエネルギー強度で、大気中で基
板上に照射する。薄膜トランジスタに照射されるレーザ
ービームのパルスの数は適当に複数回であってもよい。
レーザービームによって活性化された該409および4
10のシート抵抗は0.01〜0.05Ωcm-1であり、薄膜ト
ランジスタとして十分使用可能な抵抗値である。レーザ
ービームには前記のXeClエキシマレーザーに限るこ
となく、ArFエキシマレーザー、KrFエキシマレー
ザー、紫外線と同じ領域に波長を持つYAGレーザーの
高調波などを不純物の活性化に用いることができる。前
記レーザービームの照射により、領域409および41
0は、不純物を含む多結晶シリコン膜で構成されたソー
ス領域412およびドレイン領域413となる。
ン層中に、斜め方向にチャネルして注入された不純物を
活性化するために、図2で示しながら説明した方法で熱
処理を施す。
ービームの照射により、不純物を含んだシリコン層によ
って形成されたゲート電極も同時にアニールされ、抵抗
が減少する。シリコン層で形成されたゲート電極の厚み
は300nm程度なのでレーザービームエネルギーは活
性シリコン層には到達しない。
7が形成された基板上に被着形成する。層間絶縁膜の材
料として、例えば、常圧化学気相成長法で形成された例
えば膜厚500nmのSiO2がある。さらに、電子サ
イクロトロン共鳴法、スパッタ法、減圧化学気相成長法
などにより形成されたSiO2や、PSG、SiNxを層
間絶縁膜414としても良い。
12および該ドレイン領域413に該層間絶縁膜414
と該ゲート絶縁膜405を貫くようにコンタクト用の窓
部を設けた後、電極となる金属薄膜例えばアルミニウム
薄膜を被着形成し、パターニングしてソース電極415
およびドレイン電極416をそれぞれ形成する。薄膜ト
ランジスタを、アクティブマトリックス方式の液晶表示
体の絵素に用いる場合には、該ドレイン電極416の構
成材料として例えば、インジウム−スズの酸化物(IT
O)を材料にした透明電極を用いることができる。該I
TO薄膜をスパッタ法により被着形成し、パターンエッ
チングし、ついでソース電極材料であるアルミニウム薄
膜をスパッタ法により被着形成しパターンエッチングに
よりソース電極を形成する。
ン電極416が形成された基板を覆うように、パッシベ
ーション膜417を例えば窒化膜を50nmを被着形成
する。該パッシベーション膜は一層に限ることはなく材
料が異なった薄膜を重ねた複数の層が積み重なったもの
でも良い。たとえば、まずスパッタ法によって厚さ20
0nmのSiO2を該ソース電極415及びドレイン電
極416を覆うように被着形成し、続いて有機高分子膜
を被着形成してパッシベーション膜として用いることも
できる。該パッシベーション膜417は薄膜トランジス
タの外界からの汚染を防止するために、さらにこの薄膜
トランジスタがアクティブマトリックス方式の液晶表示
体の絵素に用いられる場合には、液晶分子に薄膜トラン
ジスタが発生する直流電圧の印加を低減する目的があ
る。
えば300℃で1時間の熱処理を施して図4hの様に目
的とする薄膜トランジスタを得る。ただし、パッシベー
ション膜に300℃で分解する有機高分子膜を使用する
場合には、該有機高分子膜を形成する前に上記の水素処
理をすることが必要である。
ジスタの製造例であるが、n型の薄膜トランジスタとp
型の薄膜トランジスタを同一基板上に形成し、各々の薄
膜トランジスタのゲート電極とソース電極あるいはドレ
イン電極を適当な配線材料で配線および接続することに
よって、C−MOS回路を構成することができる。
スタの第3の製造方法の工程を示す断面図である。
3の実施例の図5aから図5dまでは薄膜トランジスタ
の製造工程の第1の実施例の図3aから図3dまでと同
じである。
説明する。
成する。例えばCrの様な金属薄膜をスパッタ法あるい
は蒸着法により該ゲート絶縁膜を覆うように被着形成
し、続いてパターニングする。金属薄膜の引っ張り内部
応力が大きいとき、例えばCrの場合には厚みが300
nmの薄膜では引っ張り応力が大きいため、段差部での
断線などの問題を生じる。そこでこのようなゲート電極
の場合は適宜厚みを薄くする必要がある。例えばCrに
よるゲート電極では厚みを150nm程度にするとよ
い。しかしながら次の図5fのイオン打ち込みの工程で
十分イオンを阻止できなくなる。この理由で、該ゲート
電極上のレジスト508をパターニングの後に残してお
く。残ったレジストの厚みは500nm以上でありイオ
ン注入の十分なマスクとなる。
に対して自己整合的に該ゲート絶縁膜506を貫いてイ
オン注入509する。製作する薄膜トランジスタがn型
の場合には、イオン種としてリンなどがある。例えば、
リンの場合、該ゲート絶縁膜506の厚さが150nm
の場合、イオン注入する条件は加速電圧120keVで
イオン注入量が1×1015〜1×1016cm-3である。
また、製作する薄膜トランジスタがp型の場合には、
イオン注入するイオン種として、ホウ素などがある。例
えばホウ素の場合には、イオン注入する条件は加速電圧
40keVで、イオン注入量が1×1015〜1×1016
cm-3である。図5fに示すように、ゲート電極507
に対して自己整合的に不純物が注入された領域510及
び511が形成される。
08を剥離する。次に、該領域510および511に注
入された不純物を活性化する。
11のシリコン層の厚みが25nm程度であると、イオ
ン注入にされた不純物を熱アニールによって活性化する
には、例えば前記の様なイオン注入条件で、窒素雰囲気
中で600℃で60時間以上、もしくは700℃で2時
間のアニールが必要である。歪点が600℃前後の安価
なガラス基板上に薄膜トランジスタを製作するには、前
記熱アニールによる活性化は適当ではない。
2により該領域510および511に注入された不純物
を活性化する。ビームアニール条件は、波長308n
m、半値幅50nsのXeClエキシマレーザーを、3
00〜600mJcm-2のビームエネルギー強度で、基
板上に照射する。該レーザービーム512の照射によっ
て大気中の気体分子と反応する材料で、ゲート電極が構
成されている場合には、真空中あるいは不活性ガス中で
レーザービームを基板に照射する。薄膜トランジスタに
照射される該レーザービーム512のパルスの数は適当
に複数回であってもよい。該レーザービーム512によ
って活性化された該510および511のシート抵抗は
0.01〜0.05Ωcm-1であり、薄膜トランジスタとして十
分使用可能な抵抗値である。レーザービームには前記の
XeClエキシマレーザーに限ることなく、ArFエキ
シマレーザー、KrFエキシマレーザー、紫外線と同じ
領域に波長を持つYAGレーザーなどを不純物の活性化
に用いることができる。前記レーザービームの照射によ
り、領域510および511は、不純物を含む多結晶シ
リコン膜で構成されたソース領域313およびドレイン
領域514となる。
電極下のシリコン層に斜め方向にチャネルした不純物を
活性化し、ゲート電極下のシリコン層中の結晶欠陥を消
滅させる。。
7が形成された基板上に被着形成する。層間絶縁膜の材
料として、例えば、常圧化学気相成長法で形成された例
えば膜厚500nmのSiO2がある。さらに、電子サ
イクロトロン共鳴法、スパッタ法、減圧化学気相成長法
などにより形成されたSiO2や、PSG、SiNxを層
間絶縁膜515としても良い。
13および該ドレイン領域514に該層間絶縁膜515
と該ゲート絶縁膜507を貫くようにコンタクト用の窓
部を設けた後、電極となる金属薄膜例えばアルミニウム
薄膜を被着形成し、パターニングしてソース電極515
およびドレイン電極516をそれぞれ形成する。薄膜ト
ランジスタを、アクティブマトリックス方式の液晶表示
体の絵素に用いる場合には、該ドレイン電極517の構
成材料として例えば、インジウム−スズの酸化物(IT
O)を材料にした透明電極を用いることができる。該I
TO薄膜をスパッタ法により被着形成し、パターンエッ
チングし、ついでソース電極材料であるアルミニウム薄
膜をスパッタ法により被着形成しパターンエッチングに
よりソース電極を形成する。
ン電極517が形成された基板を覆うように、パッシベ
ーション膜、例えば窒化膜518を50nm被着形成す
る。該パッシベーション膜は一層に限ることはなく材料
が異なった薄膜を重ねた複数の層が積み重なったもので
も良い。たとえば、まずスパッタ法によって厚さ200
nmのSiO2を該ソース電極516及びドレイン電極
517を覆うように被着形成し、続いて有機高分子膜を
被着形成してパッシベーション膜として用いることもで
きる。該パッシベーション膜518は薄膜トランジスタ
の外界からの汚染を防止するために、さらにこの薄膜ト
ランジスタがアクティブマトリックス方式の液晶表示体
の絵素に用いられる場合には、液晶分子に薄膜トランジ
スタが発生する直流電圧の印加を低減する目的がある。
えば300℃で1時間の熱処理を施して図5hの様に目
的とする薄膜トランジスタを得る。ただし、パッシベー
ション膜に300℃で分解する有機高分子膜を使用する
場合には、該有機高分子膜を形成する前に水素処理をす
る必要がある。
ランジスタの製造例であるが、n型の薄膜トランジスタ
とp型の薄膜トランジスタを同一基板上に形成し、各々
の薄膜トランジスタのゲート電極とソース電極あるいは
ドレイン電極を適当な配線材料で配線および接続するこ
とによって、C−MOS回路を構成することができる。
ンジスタの製造方法は、エネルギービームの照射により
シリコン層を結晶化した後に熱処理工程を施すことによ
り、シリコン層中の欠陥を消滅することができるため、
サブスレッショルド特性が優れた薄膜トランジスタが製
造することができるので、この薄膜トランジスタにより
高速動作のC−MOS回路を構成することができる。こ
の結果、アクティブマトリクス型の液晶表示体の駆動回
路を絵素と同じ安価なガラス基板に形成することができ
るので、高精細の液晶表示体を安価に製造することがで
きる。
対して自己整合的にイオン注入された不純物をレーザー
ビームにより活性化した後に、シリコン層中にイオン注
入による欠陥を消滅させるための熱処理工程により、ゲ
ート電圧がオフ領域でソース・ドレイン間のリーク電流
がなくなるため、液晶表示体の絵素電極の電化の保持が
高まるため、フリッカーがなくコントラストが高い優れ
た液晶表示体を製造することができる。
ゲート電極、およびゲート電極とドレイン電極の間の絶
縁耐圧の高い、ゲート電極に対して自己整合的な薄膜ト
ランジスタを形成することができる。
チャンネルの横方向の拡散距離が短いために、ゲート電
極のソース電極の間に生じる寄生容量と、ゲート電極と
ドレイン電極の間で生じる寄生容量が極めて小さいため
に、高速動作が可能な薄膜トランジスタを形成すること
ができる。
クティブマトリックス型の液晶表示帯の絵素に用いる場
合には、前記寄生容量の少ない自己整合的な薄膜トラン
ジスタであるために、前記画面全体に渡って、色ムラ、
フリッカー、ゲート信号の遅延などのない良質な画像を
得ることができる。
法では、絶縁基板に安価なガラスを用いることができる
ため、大面積の液晶表示体を製造することができる。
造にも適用可能である。
ン層を結晶化した後に熱処理工程によってシリコン層の
良質化に関する発明を示す図。
層中の不純物を活性化した後に熱処理工程によって斜め
方向にチャネルした不純物の活性化に関する発明を示す
図。
る第1の実施例の工程図。
る第2の実施例の工程図。
る第3の実施例の工程図。
面図。
不純物の活性化の問題点を示す図。
ム 105、203、307、405、505 多結晶シリコ
ン層 106 良質化した多
結晶シリコン層 204、308、406、506 ゲート絶縁膜 205、309、407、507 ゲート電極 207、311、312、409、410、510、511 不純物が注入
された領域 208 不純物が斜め方向に
チャネル注入した領域 210 不純物が活性
化した領域 211 不純物が活性
化した領域 303、412、513 ソース領域 304、413、514 ドレイン領域 314、315 不純物を含む
多結晶シリコン膜 316、414、518 層間絶縁膜 317、415、516 ソース電極 318、416、516 ドレイン電極 319、417、518 パッシベーシ
ョン膜
Claims (2)
- 【請求項1】 基板上にシリコン層を形成する工程と、 前記シリコン層にエネルギービームを照射して結晶化さ
せる工程と、 前記シリコン層上にゲート絶縁膜を介してゲート電極を
形成する工程と、 前記シリコン層に不純物をイオン注入する工程と、 前記イオン注入されたシリコン層にエネルギービームを
照射し不純物を活性化させソース領域及びドレイン領域
を形成する工程と、 前記エネルギービームが照射されたイオン注入シリコン
層を700〜800℃の温度で、5分〜10分のラピッ
ドサーマルアニーリング法で熱処理し、エネルギービー
ム非照射領域の不純物を活性化させる工程と、 を具備したことを特徴とする薄膜トランジスタの製造方
法。 - 【請求項2】 前記シリコン層にエネルギービームを照
射して結晶化させる工程の後工程として、熱処理を行う
工程を更に設けたことを特徴とする請求項1記載の薄膜
トランジスタの製造方法。
Priority Applications (1)
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JP2002192605A JP3467571B2 (ja) | 2002-07-01 | 2002-07-01 | 薄膜トランジスタの製造方法 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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-
2002
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