JP3460962B2 - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

半導体装置の製造方法

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JP3460962B2 JP01364499A JP1364499A JP3460962B2 JP 3460962 B2 JP3460962 B2 JP 3460962B2 JP 01364499 A JP01364499 A JP 01364499A JP 1364499 A JP1364499 A JP 1364499A JP 3460962 B2 JP3460962 B2 JP 3460962B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体装置の製造
方法に関し、より詳細には、アモルファスシリコン膜を
結晶化した結晶性シリコン膜を活性領域とする半導体装
置の製造方法に関する。本発明は、特に、絶縁性表面を
有する基板上に設けられた薄膜トランジスタ(TFT)
を用いた半導体装置、例えば、アクティブマトリクス型
の液晶表示装置、密着型イメージセンサー、および三次
元ICなどの製造に利用され得る。
【0002】
【従来の技術】近年、高解像度の大型液晶表示装置、高
速で高解像度の密着型イメージセンサー、三次元ICな
どへの実現に向けて、ガラス等の絶縁性基板上に高性能
な半導体素子を形成することが試みられている。これら
の装置に用いられる半導体素子には薄膜状のシリコン半
導体を用いるのが一般的である。薄膜状のシリコン半導
体としては、アモルファスシリコン半導体(a−Si)
からなるものと結晶性を有するシリコン膜からなるもの
の2つに大別される。
【0003】アモルファスシリコン半導体は作製温度が
低く、気相法で比較的容易に作製することが可能で量産
性に富むため最も一般的に用いられている。しかしなが
ら、アモルファス半導体は、導電性等の物性が結晶性を
有するシリコン半導体に比べて劣るという問題があっ
た。従って、今後、より高速特性を得るためには、結晶
性を有するシリコン半導体からなる半導体装置の製造方
法の確立が強く求められていた。なお、結晶性を有する
シリコン半導体としては、多結晶シリコン、微結晶シリ
コン等が知られている。
【0004】これら結晶性を有する薄膜状のシリコン半
導体を得る方法としては、以下の3つの方法が知られて
いる。 (1)成膜時に結晶性を有する膜を基板に直接成膜す
る。 (2)予め基板に成膜したアモルファス半導体膜に強い
光エネルギーを加えることによって、アモルファス半導
体を結晶化する。 (3)予めアモルファス半導体膜を基板に成膜してお
き、これを加熱して、熱エネルギーを加えることによっ
て、アモルファス半導体を結晶化する。
【0005】しかしながら、(1)の方法では、成膜工
程と同時に結晶化が進行するので、大粒径の結晶性シリ
コンを得るには厚膜化が不可欠であり、良好な半導体物
性を有する膜を基板上に全面にわたって成膜すること
は、技術的に困難である。また、成膜温度が600℃以
上と高く、安価なガラス基板が使用できないため、より
高価な基板を使用しなければならず、コストが増大する
という問題があった。
【0006】これに対して、(2)の方法では、溶融固
化過程の結晶化現象を利用しているので、得られる結晶
粒径は小さいが、結晶粒界が良好に処理されて、高品質
な結晶性シリコンを得ることができる。このような方法
においては、エキシマーレーザーが現在最も一般的に利
用されている。この場合、レーザーの安定性が十分では
ないので、大面積基板の全面を均一に処理する際に、均
一な結晶性を有するシリコン膜を得ることが難しく、従
って、同一基板上に均一な特性の複数の半導体素子を得
ることが困難であるという問題点がある。さらにこの場
合、レーザー光の照射面積が小さいので、スループット
が低いという問題点がある。
【0007】これら(1)および(2)の方法に対し
て、(3)の方法は、大面積基板に適用できるという利
点を有する。しかしながら、(3)の方法は、アモルフ
ァスシリコンの結晶化のために、600℃以上の高温で
数十時間にわたる加熱処理を必要とする。すなわち、安
価なガラス基板を使用して製造コストを削減し、かつス
ループットを向上させるためには、加熱結晶化処理にお
いて、処理温度を低下させ、かつ処理時間を短縮化させ
るという相反する問題点を同時に解決しなければならな
い。これに加えて、(3)の方法では、固相結晶化現象
を利用しているので、結晶粒が基板面に平行に広がっ
て、得られる結晶粒径は比較的大きい(数μmにもおよ
ぶ)が、結晶粒界が良好に処理されないという問題があ
る。より詳細には、(3)の方法に従って成長した結晶
粒同士がぶつかり合って、粒界が形成され、この粒界は
キャリアに対するトラップ準位として働くので、キャリ
アの移動度を低下させるという問題がある。
【0008】上記(3)の方法を応用して、より低温か
つ短時間の加熱処理で、高品質で均一な結晶性を有する
シリコン膜を作製する方法が、特開平6−333824
号公報、特開平6−333825号公報、および特開平
8−330602号公報などで提案されている。これら
の公報によれば、アモルファスシリコン膜の表面に、ニ
ッケル等の金属元素を微量に導入し、その後、加熱処理
を行なうことによって、600℃以下の低い処理温度
で、かつ数時間程度の短い処理時間で、アモルファスシ
リコンの結晶化を行なっている。
【0009】上記の方法における結晶化機構は、まず早
期に金属元素を核とした結晶核が発生し、その後、その
金属元素が触媒となって結晶成長を促進して、結晶化が
急激に進行することによると理解される。本明細書にわ
たって、このような機能を有する金属元素を触媒元素と
呼ぶものとする。これらの触媒元素を用いて結晶化され
た結晶性シリコン膜は、通常の固相成長法で結晶化され
たシリコン膜が双晶構造であるのに対して、何本もの柱
状結晶で構成されている。さらに、それぞれの柱状結晶
内部は単結晶に近い状態となっており、良好な結晶性を
有している。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上述のような、触媒元
素を用いたシリコン膜の結晶化方法は、低温短時間処理
で実施されるという点で非常に有効なものである。しか
しながら、このような方法に従って作製された結晶性シ
リコンを用いたトランジスタは、トランジスタ特性の安
定性および信頼性に問題がある。この原因としては、結
晶性シリコン膜中の不純物が挙げられる。
【0011】不純物としては、触媒元素そのものが挙げ
られる。上記のような触媒元素は、加熱結晶化工程にお
いてアモルファスシリコン膜の結晶化を促進し、その
後、結晶粒界にトラップされて、粒界付近に偏在した状
態で、結晶性シリコン膜中に残留する。トランジスタな
どの半導体装置の活性領域(素子領域)を形成する結晶
性シリコン膜中に、これらの触媒元素が多量に存在して
いることは、この半導体装置の信頼性および/または電
気的安定性を阻害し、好ましくない。
【0012】特に、ニッケル、コバルト、白金などのア
モルファスシリコン膜の結晶化の促進能力の高い元素
は、シリコン膜中で、バンドギャップの中央付近に不純
物準位を形成して、TFT特性に悪影響を与える。特
に、TFTを、このような触媒元素を用いて結晶化した
シリコン膜で作製した場合、残留触媒元素の影響によっ
て、主に、TFTオフ動作時におけるリーク電流の増
大、信頼性の低下などの現象が現れる。触媒元素は、T
FT素子のチャネル領域の結晶性を向上させるので、電
界効果移動度、およびオン電流の立ち上がり係数(S係
数)などの電流駆動能力を向上させるが、その一方で、
オフ特性、信頼性、および安定性などを悪化させる原因
となる。
【0013】上記のような触媒元素不純物の問題を解決
する方法として、上述した3つの公報では、触媒元素を
集める効果(ゲッタリング効果)を有するリン原子を用
いて触媒元素を除去する方法を開示している。この方法
は、アモルファスシリコンの結晶化のために利用した触
媒元素を、結晶化が終結して触媒元素が不要になったと
ころで、シリコン膜から除去するという考えに基づいて
いる。しかし、実際には、大量の触媒元素をゲッタリン
グによって完全に除去するのは大変困難である。 具体
的には、特開平6−333824号公報、特開平6−3
33825号公報では、触媒元素をゲッタリングするリ
ンを、PSG(phospho-silicate glass)膜の形態で用
いる方法が記載されている。ここで、PSG膜とシリコ
ン膜とが直接に接していると、PSG膜中のリンがシリ
コン膜中に拡散導入されるので、シリコン膜とPSG膜
とは、その間に酸化シリコン膜を挟んで設置されてい
る。しかし、特開平6−33384号公報、特開平6−
33825号公報に記されているような、酸化シリコン
膜を介して触媒元素をゲッタリングする方法は、実際に
はほとんど効果が無い。この理由は、触媒元素の酸化シ
リコン膜中の拡散速度が、シリコン膜中の拡散速度に比
べて、非常に遅いことが挙げられる。代表的な触媒元素
であるニッケルの場合、酸化シリコン膜中の拡散速度
は、シリコン膜中の拡散速度に比べて5桁以上も低い。
【0014】これに対して、特開平8−330602号
公報では、触媒元素をゲッタリングするリンとして、T
FT活性領域のソース/ドレイン領域にドーピングされ
たリンを用いる方法が記載されている。この方法によれ
ば、シリコン膜中にリンがドーピングされているので、
触媒元素の拡散速度を低下させることがなく、ある程度
のゲッタリング効果が得られる。しかし、この方法で
は、リンがTFT活性領域のソース/ドレイン領域にド
ーピングされているので、素子領域の内部に触媒元素が
ゲッタリングされることになる。これにより、素子領域
の内部に触媒元素が集まった領域が残留するので、十分
なTFTの信頼性を得ることができない。さらに、この
方法では、ドレイン領域とチャネル領域との間の接合部
にある触媒元素は、リンがドーピングされないので、そ
のまま触媒元素が残留することになる。従って、この方
法では、TFTリーク電流増大の問題を解決できない。
【0015】さらに、上述した3つの公報では、触媒元
素を用いた結晶化のための加熱処理工程の後で、さら
に、ゲッタリング効果を有する元素を用いて、触媒元素
をゲッタリングするための加熱処理工程を必要とする。
従って、従来の技術では、2回の加熱処理工程を必要と
するので、スループットが非常に遅い。またこれらの方
法によれば、結晶化のための加熱処理工程の後、基板を
室温まで冷却している。触媒元素は、加熱処理の間には
シリコン中に溶解している。しかし、基板(シリコンを
含む)が冷却されるにつれて、触媒元素のシリコンに対
する固溶限界が低下するので、触媒元素の偏析が生じ
る。触媒元素の偏析により、続くゲッタリングのための
加熱工程における、ゲッタリング効率が低下するという
問題がある。さらに、この触媒元素が偏析した領域が、
素子のチャネル領域、およびチャネル領域とドレイン領
域との接合部に存在する場合には、TFTのリーク電流
を増大させる大きな原因になる。
【0016】本発明は、上記課題を解決するためになさ
れたものであり、本発明の目的は、触媒元素によるアモ
ルファスシリコンの結晶化、およびゲッタリング効果を
有する元素による触媒元素のゲッタリングを行う、半導
体装置の製造方法であって、触媒元素の偏析を防止し、
TFTのリーク電流が低減され、スループットが向上し
た、半導体装置を製造する方法を提供することにある。
本発明のさらなる目的は、上記半導体装置の製造方法で
あって、絶縁表面を有する基板上に非常に高性能で高信
頼性を有する半導体装置を、より高い歩留まりで作製す
る製造方法を提供することにある。
【0017】なお、本明細書にわたって、用語「ゲッタ
リング元素」とは、触媒元素を集める(ゲッタリングす
る)効果を有する元素をいうものとする。また、用語
「シリコン」は、アモルファスシリコンおよび結晶性シ
リコンの両方を包含するものとする。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明の半導体装置の製
造方法は、アモルファスシリコン膜を、触媒元素を用い
て結晶化して、結晶性シリコン膜を形成する工程を包含
する半導体装置の製造方法であって、絶縁性表面を有す
る基板上にアモルファスシリコン膜を形成する工程と、
該アモルファスシリコン膜の所定の領域にゲッタリング
元素を導入する工程と、該アモルファスシリコン膜の全
に触媒元素を導入する工程と、該触媒元素が導入され
た該アモルファスシリコン膜を加熱して、結晶化するこ
とにより結晶性シリコン膜を形成する結晶化工程と、該
触媒元素と該ゲッタリング元素とを含む該アモルファス
シリコン膜を加熱して、該アモルファスシリコン膜の該
所定の領域に該触媒元素を集めるゲッタリング工程とを
包含し、該結晶化工程と該ゲッタリング工程とは、単一
の加熱工程で行われ、これにより、上記課題が解決され
る。
【0019】上記触媒元素を導入する工程は、上記アモ
ルファスシリコン膜の上に、触媒元素含有膜を形成する
工程と、該触媒元素含有膜と該アモルファスシリコン膜
とを加熱して、該触媒元素含有膜から該アモルファスシ
リコン膜へ触媒元素を熱導入して、結晶核を形成する結
晶核形成工程とを包含し、上記ゲッタリング元素を導入
する工程は、該触媒元素含有膜の上にマスク膜を形成す
る工程と、該マスク膜をパターニングして、該アモルフ
ァスシリコン膜の上記所定の領域の上に形成されたマス
ク膜を除去する工程と、該パターニングされたマスク膜
を用いて、上記ゲッタリング元素を該アモルファスシリ
コン膜の該所定の領域に導入する工程とを包含し、上記
加熱工程は、該結晶核形成工程を包含し、該アモルファ
スシリコン膜の上に、該触媒元素含有膜と該パターニン
グされたマスク膜とが配設され、かつ、該アモルファス
シリコン膜の該所定の領域にゲッタリング元素が導入さ
れた状態で行われ、上記方法は、該加熱工程の後に、上
記結晶性シリコン膜から、該パターニングされたマスク
膜を除去する工程と、該結晶性シリコン膜の少なくとも
該所定の領域を除去する工程とをさらに包含してもよ
い。
【0020】上記ゲッタリング元素を導入する工程は、
上記アモルファスシリコン膜の上にマスク膜を形成する
工程と、該マスク膜をパターニングして、該アモルファ
スシリコン膜の上記所定の領域の上に形成されたマスク
膜を除去する工程と、該パターニングされたマスク膜を
用いて、上記ゲッタリング元素を該アモルファスシリコ
ン膜の該所定の領域に導入する工程と、該アモルファス
シリコン膜から該パターニングされたマスク膜を除去す
る工程とを包含し、上記触媒元素を導入する工程は、該
ゲッタリング元素が導入された該アモルファスシリコン
膜の上に、触媒元素含有膜を形成する工程と、該触媒元
素含有膜と該アモルファスシリコン膜とを加熱して、該
触媒元素含有膜から該アモルファスシリコン膜へ触媒元
素を熱導入して、結晶核を形成する結晶核形成工程とを
包含し、上記加熱工程は、該結晶核形成工程を包含し、
該アモルファスシリコン膜の上に、該触媒元素含有膜が
配設され、該マスク膜が配設されず、かつ、該アモルフ
ァスシリコンの該所定の領域に、該ゲッタリング元素が
導入された状態で行われ、上記方法は、該加熱工程の後
に、該結晶性シリコン膜の少なくとも該所定の領域を除
去する工程をさらに包含してもよい。
【0021】上記ゲッタリング元素はリンであることが
好ましい。
【0022】上記少なくとも所定の領域を除去する工程
は、上記結晶性シリコン膜をパターニングして、半導体
装置の活性領域を形成する工程を包含してもよい。
【0023】上記少なくとも所定の領域を除去する工程
は、上記結晶性シリコン膜をエッチングして、少なくと
も該所定の領域を含む該結晶性シリコン膜と、上記触媒
元素と、該触媒元素のシリサイド化合物とを除去する工
程を包含してもよい。
【0024】上記少なくとも所定の領域を除去する工程
は、塩素ガスあるいはBCl3およびHClを含む塩素
系ガスを用いるリアクティブイオンエッチング法により
行われてもよい。
【0025】上記加熱工程は、上記アモルファスシリコ
ン膜および/または上記結晶性シリコン膜の内部で、上
記触媒元素が拡散し、上記ゲッタリング元素が拡散せ
ず、かつ、自然核発生が生じないような温度および時間
範囲内で行われることが好ましい。
【0026】上記加熱工程は、520℃以上、620℃
以下の温度範囲内で行なわれることが好ましい。
【0027】上記アモルファスシリコン膜は、25nm
以上、80nm以下の厚さを有することが好ましい。
【0028】上記活性領域に含有される触媒元素の濃度
は、1×1016atom/cm3以下であることが好ま
しい。
【0029】上記触媒元素は、Ni、Co、Pd、P
t、Cu、Ag、Au、In、Sn、Al、およびSb
からなる群から選択される、1種以上の元素であること
が好ましい。
【0030】上記触媒元素は、少なくともNiを含むこ
とが好ましい。
【0031】以下、本発明の作用について説明する。
【0032】本発明の方法によれば、同一の加熱工程に
おいて、触媒元素によりアモルファスシリコン膜が結晶
化されて、これにより結晶性シリコン膜が形成され、か
つ、ゲッタリング元素の導入された所定の領域に触媒元
素が集められる。この加熱工程における結晶化およびゲ
ッタリング機構は、以下のように説明される。
【0033】まず、触媒元素とアモルファスシリコンと
の反応によって、触媒元素のシリサイドが形成される。
この触媒元素のシリサイドは、結晶化の初期において、
結晶核として機能する。触媒元素は、その単独状態で
は、アモルファスシリコン結晶化のための触媒として作
用せず、シリコンと結合してシリサイドを形成すること
によって、触媒作用を有するようになると考えられる。
この理由は、触媒元素のシリサイドが有する結晶構造
が、アモルファスシリコンを結晶化する際の一種の鋳型
の様に作用して結晶化を促進すると考えられるからであ
る。
【0034】上記の結晶核(触媒元素のシリサイド)を
構成している触媒元素は、アモルファスシリコン/結晶
性シリコンの界面に存在する。これは、ケミカルポテン
シャルの相違の点で、アモルファスシリコン/結晶性シ
リコンの界面に存在することにより、エネルギー的に最
も安定な状態が得られるという理由による。
【0035】アモルファスシリコンの結晶化が進行する
につれて、アモルファスシリコン/結晶性シリコンの界
面は移動し、同時に、結晶核を構成している触媒元素も
移動する。これにより、アモルファスシリコンの更なる
結晶化が促進されることになる。シリコン膜の全体が結
晶化されて、アモルファスシリコン/結晶性シリコンの
界面が消滅すると、触媒元素は、ゲッタリング元素によ
ってゲッタリングされて、所定の領域に集められる。こ
の加熱工程においては、シリコンに対する触媒元素の固
溶度が十分に高いので、触媒元素が偏析することもな
い。
【0036】従って、本発明によれば、触媒元素を利用
したアモルファスシリコンの結晶化工程と、触媒元素を
ゲッタリング元素によって、ゲッタリングする工程を、
1回の加熱工程によって同時に行うことができる。これ
により、従来、2回必要であった加熱工程を1回に削減
することができ、スループットを向上させることができ
る。また、従来の方法では、上記の結晶化工程と触媒元
素ゲッタリング工程との間に、室温付近まで冷却される
冷却工程が存在する。この冷却工程中に、触媒元素のシ
リコンに対する固溶度が低下して、触媒元素の偏析が起
こり得るという問題があった。これに対して、本発明に
よれば、上記の結晶化工程と触媒元素ゲッタリング工程
とは同一の加熱工程で行われ、加熱工程の間に触媒元素
が所定の領域の内部にゲッタリングされている。従っ
て、その後に冷却工程を経ても、触媒元素の偏析は、こ
の所定領域以外では決して起こらない。よって、本発明
によれば、触媒元素の偏析によるトラップ準位が形成さ
れないので、TFTのリーク電流を低減することができ
る。
【0037】本発明のある実施態様においては、実施形
態2に後述するように、上記の加熱工程は、アモルファ
スシリコン膜の上に、触媒元素含有膜とパターニングさ
れたマスク膜とが配設され、かつ、アモルファスシリコ
ン膜の所定の領域にゲッタリング元素が導入された状態
で行われる。これにより、アモルファスシリコン膜の上
にマスク膜が配設された状態で加熱処理を行うことがで
きるので、加熱装置からアモルファスシリコン膜(すな
わち、得られる結晶性シリコン膜)への汚染を防止する
ことができる。このマスク膜としては、酸化シリコン膜
などが使用され得る。さらに、本実施態様においては、
ゲッタリング元素が導入された結晶性シリコン膜の所定
の領域、すなわち、上記の加熱工程によって、触媒元素
がゲッタリングされた領域を少なくとも除去している。
これによって、触媒元素およびゲッタリング元素が存在
しない半導体装置を得ることが可能となる。従って、リ
ーク電流の少ない安定した特性の高性能半導体素子を実
現できる。
【0038】本発明のある実施態様においては、実施形
態1に後述するように、アモルファスシリコン膜の上
に、触媒元素含有膜が配設され、マスク膜が配設され
ず、かつ、アモルファスシリコンの所定の領域に、ゲッ
タリング元素が導入された状態で行われる。この方法
は、マスク膜がフォトレジストなどからなり、マスク膜
を備えた状態で加熱処理を行うことができず、従って、
加熱工程に先だってマスク膜を剥離する必要がある場合
に好適に用いられる。上述の実施態様のように、マスク
膜とアモルファスシリコン膜との間に触媒元素含有膜を
配設する場合は、マスク膜の剥離と同時に触媒元素含有
膜も剥離されるので、マスク膜を剥離した後に加熱結晶
化を行っても、効果的な触媒作用が得られない。これに
対して、本実施態様によれば、アモルファスシリコン膜
の上に、触媒元素含有膜が配設され、マスク膜が配設さ
れず、かつ、アモルファスシリコンの所定の領域の内部
に、ゲッタリング元素が導入された状態で、加熱するこ
とができる。特にマスク膜としてフォトレジストを用い
た場合は、成膜工程などを必要とせず、さらに工程数を
削減することが可能となる。さらに、加熱工程の間、ア
モルファス(または結晶性)シリコン膜の上には何も配
設されずに、露出されているので、シリコン膜上はスト
レスフリーとなり、安定した触媒元素による結晶成長お
よび触媒元素のゲッタリングが可能となる。さらに、本
実施態様においても、ゲッタリング元素が導入された結
晶性シリコン膜の所定の領域、すなわち、上記の加熱工
程によって、触媒元素がゲッタリングされた領域を少な
くとも除去している。これによって、触媒元素およびゲ
ッタリング元素が存在しない半導体装置を得ることが可
能となる。従って、リーク電流の少ない安定した特性の
高性能半導体素子を実現できる。
【0039】本発明において、ゲッタリング元素として
は、リン、硫黄、ヒ素、セレン等を使用することによ
り、同様の効果が得られ得る。これらの元素の中でも、
最も大きい触媒元素のゲッタリング効果を有するリンを
使用することが特に好ましい。
【0040】本発明のある実施態様においては、少なく
とも所定の領域を除去する工程は、上記結晶性シリコン
膜をパターニングして、半導体装置の活性領域を形成す
る工程を含み、上記除去工程と、上記活性領域形成工程
とが同時に行われることがさらに好ましい。これによ
り、工程数をさらに削減することができるだけでなく、
不必要な領域をすべて除去することができて、素子領域
への触媒元素による汚染をさらに低減できる。この除去
工程では、シリコン膜が除去されても、触媒元素が除去
されずに残留していると、触媒元素の拡散によって活性
領域が汚染される恐れがあるので、エッチングの対象と
なるシリコン膜と触媒元素とのエッチング選択性を考慮
することが重要である。
【0041】触媒元素の多くは、シリサイド化合物とし
てシリコン中に存在しているので、シリコン膜、触媒元
素および触媒元素のシリサイド化合物が同時に除去され
ることが好ましい。この方法としては、フッ化水素酸と
硝酸との混合液によるウェットエッチング法があるが、
微細加工には不適切である。これに対して、ドライエッ
チング法は、微細加工に適しているので好ましい。特
に、塩素ガスあるいはBCl3およびHClを含む塩素
系ガスを用いるリアクティブイオンエッチング(RI
E)法を用いることにより、シリコン膜と共に、触媒元
素および触媒元素のシリサイド化合物も同時にエッチン
グされて、エッチング残渣のない洗浄な状態のエッチン
グ領域が得られ得る。
【0042】本発明のある実施形態においては、上記加
熱工程は、アモルファスシリコン膜および/または結晶
性シリコン膜の内部で、触媒元素が拡散し、ゲッタリン
グ元素が拡散せず、かつ、自然核発生が生じないような
温度および時間範囲内で行われる。好ましくは、約56
0℃で0〜約20時間、約580℃で0〜約14時間、
約600℃で0〜約5時間である。このような温度およ
び時間範囲内では、自然核発生が生じないことが、光学
顕微鏡により観察され得る。触媒元素を所定の領域にゲ
ッタリングするためには、処理温度が高いほど、触媒元
素の熱拡散係数が高くなるので、より高温で処理するこ
とによりより高いゲッタリング効果が得られ得る。しか
し、処理温度が高すぎると、所定の領域に導入されたゲ
ッタリング元素の熱拡散をも招き、ゲッタリング元素が
所定の領域から拡散してチャネル領域に達し得る。本実
施態様によれば、アモルファスシリコン膜および/また
は結晶性シリコン膜の内部で、触媒元素は拡散するが、
ゲッタリング元素は拡散しないような温度範囲で行われ
るので、ゲッタリング元素を所定の領域に留めることが
でき、かつ、触媒元素を所定の領域の内部にゲッタリン
グすることができる。また、アモルファスシリコン膜の
中で自然核発生が生じると、触媒元素により成長してき
た結晶は自然核発生により生じた核と衝突して、成長結
晶の曲がりおよび/または分岐が生じる。これにより、
得られる結晶性シリコンの結晶性が悪化するとともに、
その衝突位置に触媒元素がトラップされて、触媒元素の
ゲッタリング効率が低下し得る。具体的には、この加熱
工程は、520〜620℃の温度範囲内で行われること
が好ましい。
【0043】本発明において、アモルファスシリコン膜
は、25〜80nmの厚さを有することが好ましい。膜
厚が、25nmより薄い場合には、アモルファスシリコ
ンから得られる結晶性シリコンの結晶成長が十分に得ら
れない。一方、膜厚が、80nmより厚い場合には、得
られる結晶性シリコン中の柱状結晶構造が、2層構造と
なるので、結晶性の悪化および/または触媒元素の残留
などの問題が生じる。本発明の目的の一つは、半導体装
置の活性領域における触媒元素濃度を大幅に低減するこ
とにある。その目的から、最終的に得られる活性領域に
含有される触媒元素の濃度は、1×1016atoms/
cm3以下となることが望ましい。従来法によれば、活
性領域に含有される触媒元素の濃度は、1×1017〜1
×1018atoms/cm3程度であり、これにより、
TFT素子におけるリーク電流の増大および/または特
性劣化などが生じていた。この影響をなくすには、活性
領域に含有される触媒元素の濃度は、1×1016ato
ms/cm3以下の濃度である必要がある。本発明のよ
うに、アモルファスシリコンの膜厚を、25〜80nm
とすることにより、これらの問題を回避することができ
る。
【0044】さらに、本発明において、触媒元素として
は、Ni、Co、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、I
n、Sn、Al、およびSbからなる群から選択され
る、1種または複数の元素を使用することにより、同様
の効果が得られ得る。これらの元素は、微量でも結晶化
を促進する効果を十分に有する。これらの元素の中で
も、Niを使用することが特に好ましい。Niは2つの
Siと化合して、NiSi2で表されるシリサイドを形
成する。NiSi2は螢石型の結晶構造を有し、単結晶
シリコンのダイヤモンド構造と非常に類似している。し
かも、NiSi2の格子定数は、5.406Aであり、
結晶シリコンの格子定数(5.430A)と非常に近
い。すなわち、NiSi2はアモルファスシリコン膜を
結晶化させる際に、最適な鋳型となる。この理由によ
り、Niを使用することが特に好ましい。
【0045】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態を図1〜図4A
および図4Bを参照しながら、以下に説明する。
【0046】(実施形態1)本実施形態においては、N
チャネル型TFTを備える半導体装置の製造方法につい
て、より詳細には、画素用TFTを備える液晶表示装置
用アクティブマトリクス基板の製造方法について、図1
および図2を参照しながら説明する。Nチャネル型TF
Tを備える半導体装置のうち、特に、液晶表示用アクテ
ィブマトリクス基板は、基板の上に数十万から数百万の
Nチャネル型TFTを均一に作製する必要がある。な
お、本実施形態で説明されるTFTは、他のアクティブ
マトリクス型のドライバー回路、画素部分、および薄膜
集積回路を構成する素子などにも利用可能である。
【0047】図1(a)〜(d)は、本実施形態によ
る、画素用TFTを備える液晶表示用アクティブマトリ
クス基板100の製造方法を説明する概略部分平面図で
ある。実際には、液晶表示用アクティブマトリクス基板
には数十万個以上のTFTが形成されるが、図1(a)
〜(d)では、3行×4列の計12個のTFTについて
説明するものとする。図2は、図1(d)のA−A’線
に沿ったTFT断面における、製造工程図である。図1
および図2において、製造工程は図1(a)〜(d)お
よび図2(a)〜(f)の順に進行する。
【0048】まず、図2(a)に示すように、ガラス基
板(コーニング1737)1の上面全体に、プラズマC
VD法により厚さ約25〜約80nm、本実施形態では
約30nmの真性(I型)のアモルファスシリコン膜
(a−Si膜)2を成膜した。
【0049】次に、図1(a)および図2(b)に示す
ように、a−Si膜2の上に、フォトレジストをパター
ニングしてマスク膜3を島状に形成した。これにより、
マスク膜3のスルーホールを介してa−Si膜2が網目
状に露出された領域2aと、マスク膜3で覆われたa−
Si膜2の露出されていない領域2bとが形成された。
【0050】次に、図2(b)を続いて参照して、ガラ
ス基板1に向かってマスク膜3の上方から(図中矢印で
示す)、リンをドーピングした。ここで、リンはマスク
膜3に覆われた領域2bには注入されず、領域2aのみ
に選択的に注入された。この工程において、ドーピング
ガスとしてホスフィン(PH3)を用い、加速電圧を約
5〜約20kV、例えば約10kVとし、ドーズ量を約
5×1015〜約1×1017cm-2、例えば約5×1016
cm-2として行った。本実施形態において、このリンが
ゲッタリング元素となる。
【0051】マスク膜3を剥離した後、図2(c)に示
すように、a−Si膜2の上面に、回転塗布法によりニ
ッケルを表面濃度約1×1012〜約1×1014atom
s/cm2、本実施形態では3×1012atoms/c
2で添加して、ニッケル含有膜5を形成した。本実施
形態において、このニッケルが触媒元素となる。ここ
で、ニッケル含有膜5は、島状に存在する不連続膜であ
る。
【0052】その後、この基板を不活性雰囲気下で約5
20〜約620℃の温度で数時間にわたって加熱処理し
た。本実施形態では、窒素雰囲気下で約580℃の温度
で約1時間熱処理した後、そのまま温度を上げて約60
0℃として約5時間の熱処理を行った。その後、基板を
室温まで冷却した。
【0053】この加熱工程において、a−Si膜2は結
晶化されて、結晶性シリコン膜4となる。この結晶化機
構を以下に説明する。まず、ニッケル含有膜5のニッケ
ルが、その下にあるa−Si膜2のシリコンでシリサイ
ド化される。このニッケルのシリサイド(図示せず)が
核となって、a−Si膜2のアモルファスシリコンの結
晶化が進行する。アモルファスシリコンの結晶化は、核
から周辺領域へと進行し、最終的にはa−Si膜2は、
その全体が結晶化して、結晶性シリコン膜4となる。こ
の結晶化は、自然核発生が生じない温度および時間条件
下で行われるので、触媒元素であるニッケルによって結
晶化が起こっている。なお、図2(c)において、結晶
性シリコン膜4は、領域4aと4bとからなり、これら
は、それぞれ領域2aと2bとに対応している。
【0054】この加熱工程において、核であるニッケル
のシリサイドは、図2(c)に示すように、リンがドー
ピングされた領域4a(または領域2a)に集まる。こ
の理由は、リンがニッケルを引き寄せ、次いでリンとニ
ッケルの化合物が形成されること、すなわちリンがニッ
ケルをトラップする作用を有することによる。ニッケル
のシリサイドは、熱拡散によって移動し、領域4a(ま
たは領域2a)の中のリンによってトラップされて、こ
の領域に集められる(すなわち、ゲッタリングされ
る)。この加熱工程においては、結晶性シリコンに対す
るニッケルの固溶度は、高温下で十分大きいので、ニッ
ケルの偏析はほとんど起こらない。続く冷却工程におい
て、基板温度の低下に依存して、結晶性シリコンに対す
るニッケルの固溶度が低下するので、ニッケルの偏析が
起こり得る。しかし、ニッケルは既に加熱工程中に、リ
ンのゲッタリング効果によって、領域4aに集められて
いるので、冷却工程中にニッケルの偏析が起きたとして
も、ニッケルの偏析は、領域4aの内部のみで起こる。
【0055】冷却工程の後で、図1(b)および図2
(d)に示すように、結晶性シリコン膜4を島状にパタ
ーニングして、TFTの活性領域となる領域4cを形成
し、これにより、ニッケル含有膜5、ニッケルのシリサ
イド(図示せず)、結晶性シリコン膜の不要な部分を除
去し、且つ素子間分離を形成した。ここで、結晶性シリ
コン膜の不要な部分とは、リンによってゲッタリングさ
れたニッケルを含有する領域4aを含み、好ましくは、
領域4aの周囲に位置する領域4bの一部をも含む部分
である。この除去工程は、ドライエッチング(リアクテ
ィブイオンエッチング)により行った。詳細には、RF
パワー:約1500W、圧力:約20mTorr、BC
3流量:約140sccmでエッチングし、さらに引
き続いて、RFパワー:約400W、圧力:約95mT
orr、CF4/O2流量:約100/300sccmで
エッチングした。
【0056】この段階で、領域4cの中のニッケル濃度
を2次イオン質量分析法(SIMS)により測定する
と、測定下限である5×1015atoms/cm3以下
の値を示した。従って、TFTの活性領域となる領域4
cには、ニッケルが含有されておらず、ニッケル(およ
びリン)は基板から完全に除去された。ニッケルを基板
から除去することにより、後工程におけるニッケルによ
るTFT活性領域の汚染を完全に抑えることができる。
【0057】次いで、図2(d)を続いて参照して、レ
ーザー光(図中矢印で示す)を照射して、TFT活性領
域となる領域4cの結晶性を助長させた。上述のよう
に、ニッケルは基板上から除去されているので、この工
程の間に、ニッケルの析出、再拡散、オートドープが起
こることもない。ここで、レーザー光としては、XeC
lエキシマーレーザー(波長約308nm、パルス幅約
40nm)を用いた。レーザー光の照射条件は、照射時
の温度を約200〜約450℃、本実施形態では約40
0℃とし、レーザビームのエネルギー密度を250〜4
50mJ/cm2、本実施形態では約360mJ/cm2
とした。レーザビームのサイズおよび形状は、基板上で
約150mm×約1mmのほぼ楕円形状とした。この長
軸方向に対して垂直方向に、約0.1mmのステップ幅
でレーザ光を走査させて、基板へのレーザ照射を順次行
なった。すなわち、領域4cの任意の一点において、計
10回の照射を行った。
【0058】次に、図2(e)を参照して、プラズマC
VD法によって、ゲート絶縁膜として酸化シリコン膜6
を、結晶性シリコン領域4cを覆うように、厚さ約20
〜約150nm、本実施形態では約100nmで形成し
た。その後、ゲート絶縁膜6の自身のパルク特性と、ゲ
ート絶縁膜6/結晶性シリコン領域4cの界面特性とを
向上させるために、不活性ガス雰囲気下で、温度約40
0〜約600℃で、約30〜約120分間、この基板を
アニールした。本実施形態では、N2雰囲気下で、温度
約450℃で60分間とした。
【0059】次いで、図1(c)に示すように、スパッ
タリング法によって、厚さ約400〜約800nm、本
実施形態では約600nmのアルミニウム膜をパターニ
ング形成することによって、ゲート電極であるアルミニ
ウム電極7と、ゲートバスラインとを一体的に形成し
た。その後、図2(e)に示すように、ゲート電極(ア
ルミニウム電極)7およびこれと一体形成されたゲート
バスラインを陽極酸化して、その露出表面上に酸化物層
8を形成した。この陽極酸化工程は、酒石酸を約1〜5
%含有するエチレングリコール溶液中で、まず、一定電
流の下で約220Vまで電圧を上昇させ、その状態を約
1時間保持して行われた。このようにして得られた酸化
物層8は約200nmの厚さを有していた。酸化物層8
の厚さは、後述のイオンドーピング工程において、オフ
セットゲート領域を形成する厚さに等しいので、上記陽
極酸化工程の条件を適切に設定することにより、所望の
オフセット領域の長さが得られる。フォトリソグラフィ
ー技術によってオフセット領域厚さを制御する場合、ア
ライメント精度の限界によって、1μm以下の精度で制
御することは通常不可能である。これに対して、上記方
法によれば、セルフアラインで容易に制御することが可
能となる。
【0060】次いで、イオンドーピング法により、ゲー
ト電極7およびその周囲にある酸化物層8をマスクとし
て、基板上面から不純物(リン)を注入した。これによ
り、図2(e)に示すように、不純物が注入された領域
10および11と、不純物が注入されていない領域9と
が形成された。領域10および11は、TFTのソース
/ドレイン領域として機能し、領域9は、TFTのチャ
ネル領域として機能する。このイオンドーピング工程に
おいては、ドーピングガスとしてホスフィン(PH3
を用いた。ここで、加速電圧を約60〜約90kV、本
実施形態では約80kV、ドーズ量を約1×1015〜約
8×1015cm-2、本実施形態では約2×1015cm-2
とした。
【0061】その後、レーザー光照射により基板をアニ
ールして、領域10および11にイオン注入により導入
された不純物を活性化すると同時に、不純物導入により
結晶性が劣化した領域10および11の結晶性を改善し
た。ここで、レーザーとしてXeClエキシマーレーザ
ー(波長約308nm、パルス幅約40nsec)を用
いて、エネルギー密度約150〜400mJ/cm2
本実施形態では約250mJ/cm2で照射した。この
とき、N型不純物(リン)が導入された領域10および
11のシート抵抗の測定値は、約200〜約800Ω/
cm2であった。
【0062】次いで、図2(f)を参照して、プラズマ
CVD法によって、酸化シリコン膜または窒化シリコン
膜を厚さ約600nmで基板上面に成膜して、層間絶縁
膜12を形成した。層間絶縁膜12とゲート絶縁膜6と
を通るコンタクトホールを介して、ソース領域10と導
通するように、層間絶縁膜12の上にソース電極/配線
13を形成した。このソース電極/配線13は、金属材
料、例えば、窒化チタンとアルミニウムの二層膜からな
る。一方、層間絶縁膜12とゲート絶縁膜6とを通るコ
ンタクトホールを介して、ドレイン領域11と導通する
ように、層間絶縁膜12の上に、ITOからなる透明電
極などの画素電極14を設けた。
【0063】最後に、1気圧の水素雰囲気下で温度約3
50℃、約30分間のアニールを行って、図1(d)お
よび図2(f)に示す液晶表示用アクティブマトリクス
基板100を作製した。本実施形態液晶表示用アクティ
ブマトリクス基板100においては、複数の画素TFT
(Nチャネル型TFT)がマトリクス状に形成され、画
素TFTの各々は、ゲート電極7、チャネル領域9、ソ
ース領域10、およびドレイン領域を有している。TF
Tを保護するために、TFT上に窒化シリコン膜などか
らなる保護膜を必要に応じて形成してもよい。
【0064】(実施形態2)本実施形態においては、N
チャネル型TFTとPチャネル型TFTを相補的に構成
したCMOS構造の回路を備える半導体装置の製造方法
について、図3および図4を参照しながら説明する。こ
のようなCMOS回路は、アクティブマトリクス型の液
晶周辺回路や、一般の薄膜集積回路を形成するものであ
る。
【0065】図3は、本実施形態による半導体装置20
0の製造方法を説明する概略平面図である。図4Aおよ
び図4Bは、図3のA−A’に沿った断面における、半
導体装置200の製造工程図であり、この製造工程は、
(a)〜(i)の順に進行する。
【0066】まず、図4A(a)に示すように、ガラス
基板(コーニング1737)21の上面全体に、プラズ
マCVD法により厚さ約25〜約80nm、本実施形態
では約30nmの真性(I型)のアモルファスシリコン
膜(a−Si膜)22を成膜した。
【0067】次に、図4A(b)に示すように、a−S
i膜22の上面に、回転塗布法によりニッケルを表面濃
度約1×1012〜約1×1014atoms/cm2、本
実施形態では3×1012atoms/cm2で添加し
て、ニッケル含有膜25を形成した。本実施形態におい
て、このニッケルが触媒元素となる。
【0068】次に、プラズマCVD法により、ニッケル
含有膜25の上に酸化シリコン膜を、厚さ約80〜約1
50nm、本実施形態では約100nmで成膜した。そ
の後、図4A(c)に示すように、この酸化シリコン膜
をフォトレジストによりパターニングしてマスク膜23
を島状に形成した。図4A(c)は任意のTFTの状態
を示し、マスク膜23のスルーホールを介してa−Si
膜22が網目状に露出された領域22aと、マスク膜2
3で覆われたa−Si膜22の露出されていない領域2
2bとが形成されている。
【0069】次に、図4A(c)を続いて参照して、ガ
ラス基板21に向かってマスク膜23の上方から(図中
矢印で示す)、リンをドーピングした。ここで、リンは
マスク膜23に覆われた領域22bには注入されず、領
域22aのみに選択的に注入された。この工程におい
て、ドーピングガスとしてホスフィン(PH3)を用
い、加速電圧を約5〜約20kV、本実施形態では約1
0kVとし、ドーズ量を約5×1015〜約1×1017
-2、本実施形態では約5×1016cm-2として行っ
た。本実施形態において、このリンがゲッタリング元素
となる。
【0070】その後、この基板を不活性雰囲気下で約5
20〜約620℃の温度で数時間にわたって加熱処理し
た。本実施形態では、窒素雰囲気下で約580℃の温度
で約1時間熱処理した後、そのまま温度を上げて約60
0℃として約6時間の熱処理を行った。その後、基板を
室温まで冷却した。
【0071】この加熱工程において、図4A(d)に示
すように、a−Si膜22は結晶化されて、結晶性シリ
コン膜24となる。なお、図4A(d)において、結晶
性シリコン膜24は、領域24aと24bとからなり、
これらは、それぞれ領域22aと22bとに対応してい
る。ここで、結晶化の核を形成したニッケルはリンにゲ
ッタリングされて、領域24aに集められた。なお、こ
の領域24aおよび24bの上面から見た場合の境界
を、図3に点線で示す。この結晶化機構は、実施形態1
で上述した機構とほぼ同じ機構であるので、異なる点を
中心に以下に説明する。リンの選択導入のマスク膜とし
て、実施形態1ではフォトレジストを使用したが、本実
施形態では酸化シリコン膜を使用している。さらに、実
施形態1では、結晶化工程に先だってマスク膜を剥離し
たが、本実施形態では、マスク膜を備えたまま熱処理し
てアモルファスシリコンを結晶化している。従って、本
実施形態では、結晶化されるシリコン表面をマスクで被
覆することができるので、熱処理の間に結晶性シリコン
24の中に導入される汚染を最低限にすることができ
る。
【0072】冷却工程の後で、マスク膜23、ニッケル
含有膜25、およびニッケルのシリサイド(図示せず)
をバッファードフッ酸で除去した後、図3および図4A
(e)を参照して、結晶性シリコン膜24を島状にパタ
ーニングして、それぞれN型およびP型のTFTの活性
領域となる領域24nおよび24pを形成し、これによ
り、結晶性シリコン膜の不要な部分を除去し且つ素子間
分離を形成した。ここで、結晶性シリコン膜の不要な部
分とは実施形態1と同様に、リンによってゲッタリング
されたニッケルを含有する領域24aを含み、好ましく
は、領域24aの周囲に位置する領域24bの一部をも
含む部分である。この除去工程は、ドライエッチング
(リアクティブイオンエッチング)により、実施形態1
と同じエッチング条件で行った。
【0073】この段階で、領域24nおよび24pの中
のニッケル濃度を2次イオン質量分析法(SIMS)に
より測定すると、測定下限である5×1015atoms
/cm3以下の値を示した。従って、TFTの活性領域
となる領域24nおよび24pには、ニッケルが含有さ
れておらず、ニッケル(およびリン)は基板から完全に
除去された。ニッケルを基板から除去することにより、
後工程における、ニッケルによるTFT活性領域の汚染
を完全に抑えることができる。
【0074】次いで、図4A(e)を続いて参照して、
レーザー光(図中矢印で示す)を照射して、TFT活性
領域となる領域24nおよび24pの結晶性を助長させ
た。上述のように、ニッケルは基板上から除去されてい
るので、この工程の間に、ニッケルの析出、再拡散、オ
ートドープが起こることもない。ここで、用いたレーザ
ー光およびレーザ光の照射条件は、実施形態1と同じで
あるので省略する。
【0075】次に、プラズマCVD法によって、ゲート
絶縁膜として酸化シリコン膜26を、結晶性シリコン領
域24nおよび24pを覆うように、厚さ約20〜約1
50nm、本実施形態では約100nmで形成した。そ
の後、ゲート絶縁膜26の自身のパルク特性と、ゲート
絶縁膜26/結晶性シリコン領域24nおよび24pの
界面特性とを向上させるために、不活性ガス雰囲気下
で、温度約400〜約600℃で、約30〜約120分
間、この基板をアニールした。本実施形態では、N2
囲気下で、温度約450℃で60分間とした。
【0076】次いで、図3に示すように、スパッタリン
グ法によって、厚さ約400〜約800nm、本実施形
態では約600nmのアルミニウム膜をパターニング形
成することによって、ゲート電極であるアルミニウム電
極27nおよび27pと、ゲートバスラインとを一体的
に形成した。その後、図4B(f)を参照して、ゲート
電極(アルミニウム電極)27nおよび27pならびに
これと一体形成されたゲートバスラインを陽極酸化し
て、その露出表面上に酸化物層28nおよび28pをそ
れぞれ形成した。この陽極酸化条件は、実施形態1と同
じであるので省略する。
【0077】次いで、イオンドーピング法により、ゲー
ト電極27nおよび27pならびにその周囲にある酸化
物層28nおよび28pをマスクとして、基板上面から
不純物(リンおよびホウ素)を注入した。この工程は、
Nチャネル型TFTのみを形成する実施形態1とは異な
り、N型およびP型のTFTを形成する、2段階のイオ
ンドーピング工程からなり、以下により詳細に説明す
る。
【0078】まず、図4B(g)に示すように、Pチャ
ネル型TFTとなる領域を覆うように、イオン注入スト
ッパ膜として機能するフォトレジスト38を形成した。
次いで、イオンドーピング法により、ゲート電極27n
およびその周囲にある酸化物層28nならびにフォトレ
ジスト38をマスクとして、基板上面から不純物(リ
ン)を注入した。これにより、図4B(g)に示すよう
に、不純物が注入された領域30nおよび31nと、不
純物が注入されていない領域29nとが形成された。領
域30nおよび31nは、Nチャネル型TFTのソース
/ドレイン領域として機能し、領域29nは、Nチャネ
ル型TFTのチャネル領域として機能する。このイオン
ドーピング工程においては、ドーピングガスとしてホス
フィン(PH3)を用いた。ここで、加速電圧を約60
〜約90kV、本実施形態では約80kV、ドーズ量を
約1×1015〜約8×1015cm-2、本実施形態では約
2×1015cm-2とした。その後、フォトレジスト38
を基板から剥離した。
【0079】次に、図4B(h)に示すように、Nチャ
ネル型TFTとなる領域を覆うように、イオン注入スト
ッパ膜として機能するフォトレジスト39を形成した。
次いで、イオンドーピング法により、ゲート電極27p
およびその周囲にある酸化物層28pならびにフォトレ
ジスト39をマスクとして、基板上面から不純物(ホウ
素)を注入した。これにより、図4B(h)に示すよう
に、不純物が注入された領域30pおよび31pと、不
純物が注入されていない領域29pとが形成された。領
域30pおよび31pは、Pチャネル型TFTのソース
/ドレイン領域として機能し、領域29pは、Pチャネ
ル型TFTのチャネル領域として機能する。このイオン
ドーピング工程においては、ドーピングガスとしてジボ
ラン(B 26)を用いた。ここで、加速電圧を約40〜
約80kV、本実施形態では約65kV、ドーズ量を約
1×1015〜約8×1015cm-2、本実施形態では約5
×1015cm-2とした。その後、フォトレジスト39を
基板から剥離した。
【0080】上記のイオンドーピング工程の後で、レー
ザー光照射により基板をアニールして、領域10および
11にイオン注入により導入された不純物を活性化する
と同時に、不純物導入により結晶性が劣化した領域30
n、31p、30p、および31pの結晶性を改善し
た。ここで、用いたレーザー光およびレーザ光の照射条
件は、実施形態1と同じであるので省略する。
【0081】次いで、図4B(i)を参照して、プラズ
マCVD法によって、酸化シリコン膜または窒化シリコ
ン膜を厚さ約600nmで基板上面に成膜して、層間絶
縁膜32を形成した。層間絶縁膜32とゲート絶縁膜2
6とを通るコンタクトホールを介して、ソース/ドレイ
ン領域30n、31n、30p、および31pと導通す
るように、層間絶縁膜32の上に電極/配線33、3
4、および35を形成した。この電極/配線33、3
4、および35は、金属材料、例えば、窒化チタンとア
ルミニウムの二層膜からなる。
【0082】最後に、1気圧の水素雰囲気下で温度約3
50℃、約30分間のアニールを行って、図3および図
4B(i)に示す、Nチャネル型TFT40nとPチャ
ネル型TFT40pを備える半導体装置200を作製し
た。これらのTFTを保護するために、TFT上に窒化
シリコン膜などからなる保護膜を必要に応じて形成して
もよい。
【0083】以上、本発明による2つの実施形態につい
て説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるも
のではなく、本発明の技術的思想に基づく各種の変形が
可能である。
【0084】また、上述した実施形態1および2では、
触媒元素(ニッケル)の添加方法としてスピンコート法
を用いたが、スパッタ法を用いてもよい。また、触媒元
素としてニッケルを用いたが、コバルト、パラジウム、
白金、銅、銀、金、インジウム、スズ、アルミニウム、
およびアンチモンを用いても同様の効果が得られる。さ
らに、触媒元素として、これらの元素を組み合わせて用
いてもよい。
【0085】
【発明の効果】本発明によれば、触媒元素の偏析を抑制
することにより、リーク電流の少ない安定した特性を有
するドライバモノリシック型アクティブマトリクス液晶
表示装置などの高性能半導体装置が実現され、さらに、
高集積度の高性能半導体装置を簡便なプロセスで製造す
ることができる。加えて、本発明の半導体装置の製造方
法によれば、熱処理工程を削減できるので、スループッ
トと良品率を大きく向上でき、製造コストを削減するこ
とが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(d)は、実施形態1の画素用TFT
を備える液晶表示用アクティブマトリクス基板の製造方
法を説明する概略部分平面図である。
【図2】(a)〜(f)は、図1(d)のA−A’線に
沿ったTFT断面における、液晶表示用アクティブマト
リクス基板の製造工程図である。
【図3】実施形態2のCMOS回路を備える半導体装置
を説明する概略平面図である。
【図4A】(a)〜(e)は、図3のA−A’に沿った
断面における、半導体装置の製造工程図である。
【図4B】(f)〜(i)は、図3のA−A’に沿った
断面における、半導体装置の製造工程図である。
【符号の説明】
1 ガラス基板 2 アモルファスシリコン膜(a−Si膜) 2a 領域 2b 領域 3 マスク膜 4 結晶性シリコン膜 4a 領域 4b 領域 4c 領域 5 ニッケル含有膜 6 酸化シリコン膜(ゲート絶縁膜) 7 ゲート電極(アルミニウム電極) 8 酸化物層 9 チャネル領域 10 ソース領域 11 ドレイン領域 12 層間絶縁膜 13 ソース電極/配線 14 画素電極 100 液晶表示用アクティブマトリクス基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 坂本 弘美 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シャープ株式会社内 (56)参考文献 特開 平11−97352(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/20

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アモルファスシリコン膜を、触媒元素を
    用いて結晶化して、結晶性シリコン膜を形成する工程を
    包含する半導体装置の製造方法であって、 絶縁性表面を有する基板上にアモルファスシリコン膜を
    形成する工程と、 該アモルファスシリコン膜の所定の領域にゲッタリング
    元素を導入する工程と、 該アモルファスシリコン膜の全面に触媒元素を導入する
    工程と、 該触媒元素が導入された該アモルファスシリコン膜を加
    熱して、結晶化することにより結晶性シリコン膜を形成
    する結晶化工程と、 該触媒元素と該ゲッタリング元素とを含む該アモルファ
    スシリコン膜を加熱して、該アモルファスシリコン膜の
    該所定の領域に該触媒元素を集めるゲッタリング工程と
    を包含し、 該結晶化工程と該ゲッタリング工程とは、単一の加熱工
    程で行われる、半導体装置の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記触媒元素を導入する工程は、前記ア
    モルファスシリコン膜の上に、触媒元素含有膜を形成す
    る工程と、該触媒元素含有膜と該アモルファスシリコン
    膜とを加熱して、結晶核を形成する結晶核形成工程とを
    包含し、 前記ゲッタリング元素を導入する工程は、該触媒元素含
    有膜の上にマスク膜を形成する工程と、該マスク膜をパ
    ターニングして、該アモルファスシリコン膜の前記所定
    の領域の上に形成されたマスク膜を除去する工程と、該
    パターニングされたマスク膜を用いて、前記ゲッタリン
    グ元素を該アモルファスシリコン膜の該所定の領域に導
    入する工程とを包含し、 前記加熱工程は、該結晶核形成工程を包含し、該アモル
    ファスシリコン膜の上に、該触媒元素含有膜と該パター
    ニングされたマスク膜とが配設され、かつ、該アモルフ
    ァスシリコン膜の該所定の領域にゲッタリング元素が導
    入された状態で行われ、 前記方法は、該加熱工程の後に、前記結晶性シリコン膜
    から、該パターニングされたマスク膜を除去する工程
    と、該結晶性シリコン膜の少なくとも該所定の領域を除
    去する工程とをさらに包含する、請求項1に記載の半導
    体装置の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記ゲッタリング元素を導入する工程
    は、前記アモルファスシリコン膜の上にマスク膜を形成
    する工程と、該マスク膜をパターニングして、該アモル
    ファスシリコン膜の前記所定の領域の上に形成されたマ
    スク膜を除去する工程と、該パターニングされたマスク
    膜を用いて、前記ゲッタリング元素を該アモルファスシ
    リコン膜の該所定の領域に導入する工程と、該アモルフ
    ァスシリコン膜から該パターニングされたマスク膜を除
    去する工程とを包含し、 前記触媒元素を導入する工程は、該ゲッタリング元素が
    導入された該アモルファスシリコン膜の上に、触媒元素
    含有膜を形成する工程と、該触媒元素含有膜と該アモル
    ファスシリコン膜とを加熱して、結晶核を形成する結晶
    核形成工程とを包含し、 前記加熱工程は、該結晶核形成工程を包含し、該アモル
    ファスシリコン膜の上に、該触媒元素含有膜が配設さ
    れ、該マスク膜が配設されず、かつ、該アモルファスシ
    リコンの該所定の領域に、該ゲッタリング元素が導入さ
    れた状態で行われ、 前記方法は、該加熱工程の後に、該結晶性シリコン膜の
    少なくとも該所定の領域を除去する工程をさらに包含す
    る、請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記ゲッタリング元素はリンである、請
    求項2または3のいずれかに記載の半導体装置の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 前記少なくとも所定の領域を除去する工
    程は、前記結晶性シリコン膜をパターニングして、半導
    体装置の活性領域を形成する工程を包含する、請求項2
    または3のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記少なくとも所定の領域を除去する工
    程は、前記結晶性シリコン膜をエッチングして、少なく
    とも該所定の領域を含む該結晶性シリコン膜と、前記触
    媒元素と、該触媒元素のシリサイド化合物とを除去する
    工程を包含する、請求項2または3のいずれかに記載の
    半導体装置の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記少なくとも所定の領域を除去する工
    程は、塩素ガスあるいはBCl3およびHClを含む塩
    素系ガスを用いるリアクティブイオンエッチング法によ
    り行われる、請求項5または6のいずれかに記載の半導
    体装置の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記加熱工程は、前記アモルファスシリ
    コン膜および/または前記結晶性シリコン膜の内部で、
    前記触媒元素が拡散し、前記ゲッタリング元素が拡散せ
    ず、かつ、自然核発生が生じないような温度および時間
    範囲内で行われる、請求項2または3のいずれかに記載
    の半導体装置の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記加熱工程は、520℃以上、620
    ℃以下の温度範囲内で行なわれる、請求項8に記載の半
    導体装置の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記アモルファスシリコン膜は、25
    nm以上、80nm以下の厚さを有する、請求項2また
    は3のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記活性領域に含有される触媒元素の
    濃度は、1×1016atom/cm3以下である、請求
    項5に記載の半導体装置の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記触媒元素は、Ni、Co、Pd、
    Pt、Cu、Ag、Au、In、Sn、Al、およびS
    bからなる群から選択される、1種以上の元素である、
    請求項2または3のいずれかに記載の半導体装置の製造
    方法。
  13. 【請求項13】 前記触媒元素は、少なくともNiを含
    む、請求項12に記載の半導体装置の製造方法。
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