JP3433903B2 - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

半導体装置の製造方法

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JP3433903B2
JP3433903B2 JP25816898A JP25816898A JP3433903B2 JP 3433903 B2 JP3433903 B2 JP 3433903B2 JP 25816898 A JP25816898 A JP 25816898A JP 25816898 A JP25816898 A JP 25816898A JP 3433903 B2 JP3433903 B2 JP 3433903B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、半導体装置の製
造方法に関する。さらに詳しく言えは、アモルファスシ
リコン膜を結晶化した結晶性シリコン膜を活性領域とす
る半導体装置の製造方法に関する。特に、この発明は、
絶縁表面を有する基坂上に設けられた薄膜トランジスタ
(TFT)を用いた半導体装置に有効であり、アクティブ
マトリックス型の液晶表示装置,密着型イメージセンサ
ーあるいは三次元IC(集積回路)等に利用できる。
【0002】
【従来の技術】近年、大型で高解像度の液晶表示装置
や、高速で高解像度の密着型イメージセンサや、三次元
IC等の実現に向けて、ガラス等の絶縁基板上に高性能
な半導体素子を形成することが試みられている。通常、
上述の装置に用いられる半導体素子には、薄膜状のシリ
コン半導体を用いるのが一般的である。尚、上記薄膜状
のシリコン半導体としては、アモルファスシリコン半導
体(a−Si)から成るものと結晶性を有するシリコン膜
から成るものとの2つに大別される。
【0003】上記アモルファスシリコン半導体は、作成
温度が低いために気相法で比較的容易に作成することが
可能であり、量産性に富むために最も一般的に用いられ
ている。しかしながら、結晶性を有するシリコン半導体
に比べて導電性等の物性が劣るために、今後、上述の装
置のより高速特性を実現するために、上記結晶性を有す
るシリコン半導体からなる薄膜状半導体装置の作成方法
の確立が強く求められている。尚、結晶性を有するシリ
コン半導体としては、多結晶シリコンおよび微結晶シリ
コン等が知られている。
【0004】上記結晶性を有する薄膜状のシリコン半導
体を得る方法として、 (1)成膜時に結晶性を有する膜を直接成膜する。 (2)アモルファスな半導体膜を成膜しておき、強光を
照射して、そのエネルギーによって結晶性を有せしめ
る。 (3)アモルファスな半導体膜を成膜しておき、熱エネ
ルギーを加えることによって結晶性を有せしめる。 といった方法が知られている。
【0005】しかしながら、上記(1)の方法において
は、成膜工程と同時に結晶化が進行するので、大粒径の
結晶性シリコンを得るには厚膜化が不可欠であり、良好
な半導体物性を有する膜を基板上に全面に渡って成膜す
ることが技術的に困難である。また、成膜温度が600
℃以上と高く、安価なガラス基板を使用できないという
コスト上の問題がある。
【0006】また、上記(2)の方法においては、溶融固
化過程の結晶化現象を利用するために、小粒径ながら粒
界が良好に処理され、高品質な結晶性シリコンが得られ
る。しかしながら、現在最も一般的に利用されているエ
キシマーレーザを使用する場合を例に取ると、レーザ光
の安定性が十分ではないので大面積基板の全面を均一に
処理して均一な結晶性を有するシリコン膜を得ることが
難しく、同一基坂上に均一な特性の複数の半導体素子を
得ることが困難であるという問題がある。さらに、レー
ザ光の照射面積が小さくスループットが低いという問題
がある。
【0007】また、上記(3)の方法においては、上記
(1),(2)の方法に比べると大面積に対応できるという
利点はあるが、結晶化には600℃以上の高温で数十時
間に亘る加熱処理が必要である。すなわち、安価なガラ
ス基板の使用とスループットの向上には、加熱温度を下
げて短時間で結晶化させるという相反する問題点を同時
に解決しなければならない。さらに、(3)の方法におい
ては、固相結晶化現象を利用するために、結晶粒は基板
面に平行に広がり数μmの粒径を持つものさえ現れる。
ところが、成長した結晶粒同士がぶつかり合って粒界が
形成されるため、その粒界はキャリアに対するトラップ
準位として働き、TFTの移動度を低下させる原因にな
る。
【0008】上記(3)の方法を応用して、より低温かつ
短時間の加熱処理で、高品質であって均一な結晶性を有
するシリコン膜を作成する方法が、特開平6−3338
24号公報,特開平6−333825号公報および特開
平8−330602号公報で提案されている。これらの
公報においては、アモルファスシリコン膜の表面にニッ
ケル等の金属元素を徴量に導入し、然る後に加熱処理を
行なうことによって、600℃以下の低温で且つ数時間
程度の処理時間で結晶化を行なっている。
【0009】上記結晶化のメカニズムは、先ず金属元素
を核とした結晶核発生が早期に起こり、その後その金属
元素が触媒となって結晶成長を促して、結晶化が急激に
進行することで理解される。その意味で、今後これらの
金属元素を触媒元素と呼ぶ。これらの触媒元素によって
結晶化が助長されて、結晶成長した結晶性シリコン膜
は、通常の固相成長法によって結晶化したシリコン膜が
双晶構造であるのに対して、何本もの柱状結晶で構成さ
れており、夫々の柱状結晶内部は単結晶に近い状態にな
っている。
【0010】特に、上記特開平6−333824号公報
においては、上記触媒元素をアモルファスシリコン膜の
一部に選択導入して加熱することで触媒元素が導入され
た領域のみを選択的に結晶化し、他の部分をアモルファ
スシリコン膜の状態に残したまま、さらに加熱時間を延
長することによって上記触媒元素導入領域から横方向
(つまり、基板面に対して平行な方向)に結晶成長を行な
わせている。すなわち、選択的に触媒元素を導入するこ
とによって結晶成長方向および結晶粒界を制御している
訳であり、この横方向結晶成長領域の内部では結晶方向
が略一方向に揃った柱状結晶がひしめき合っており、触
媒元素が直接導入されてランダムに核発生が起きた領域
に比べ、結晶性が良好であり、その横方同結晶領域のシ
リコン膜を活性領域として用いることで高性能な半導体
素子を得ている。
【0011】ここで、上記3つの公報においては、アモ
ルファスシリコンの結晶化に用いた触媒元素を、結晶化
工程後にゲッタリング除去する方法に注目しており、特
開平6−333824号公報および特開平6−3338
25号公報では、リン・シリサイドガラス(PSG)膜を
シリコン膜の上層・下層に夫々配置し、熱処理を施すこ
とによって触媒元素のゲッタリングを行っている。ま
た、特開平8−330602号公報では、TFT作成工
程において、素子領域内のソース/ドレイン領域にリン
イオンをドーピングし、その後熱処理を行なうことによ
りゲッタリングを行っている。
【0012】上記3つの公報によって得られる結晶性シ
リコンTFTの構造はコプレーナ構造である。これは、
半導体層より上方にゲート電極が形成されるため、ソー
ス/ドレイン領域をイオン注入法等によってゲート電極
と自己整合的に形成しやすいためである。また、触媒元
素を用いない加熱処理によって結晶化を行なう場合、6
00℃以上の高温で数十時間加熱処理を行なう必要があ
り、コプレーナ構造TFTではゲートメタルを成膜する
前にプロセス最高温度となる結晶化工程を行なうことが
できるという利点がある。
【0013】上述の結晶性シリコンTFTに対して、ア
モルファスシリコンTFTでは逆スタガ構造(ボトムゲ
ート型)が主流となっている。逆スタガ構造TFTで
は、トランジスタ動作にとって重要な界面である半導体
層/ゲート絶縁膜界面を低温デポ工程で連続的に形成す
ることができ、安定性に優れたTFTが得られるという
利点がある。また、逆スタガ構造TFTにおいて、自己
整合的にソース/ドレイン領域を形成する技術として
は、 (a)ゲート電極をマスクとした裏面露光によってゲー
ト電極を覆うイオン注入ストッパ膜をシリコン膜上に形
成し、不純物をイオン注入する。 (b)ゲート電極をマスクとした裏面露光によってゲー
ト電極を覆うエッチングストッパ膜をシリコン膜上に形
成し、不純物をドープした不純物シリコン膜をシリコン
膜上に形成してエッチングストッパ膜上で分断する。 等が一般に用いられている。
【0014】上記逆スタガ構造(ボトムゲート型)におい
て触媒元素を用いて結晶化を行う方法が特開平6−26
7978号公報で提案されている。ところが、この方法
は不純物領域のみを触媒元素を用いて結晶化を行うもの
であり、チャネル領域はアモルファスシリコンである。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の触媒元素を
用いたシリコン膜の結晶化方法は非常に有効なものでは
あるが、得られるトランジスタ特性の安定性および信頼
性に問題がある。その原因として、ゲート絶縁膜/半導
体層界面の欠陥と不純物との2点が挙げられる。
【0016】上記ゲート絶縁膜/半導体層界面の欠陥に
ついては、シリコンウェハ上に素子を作成する1Cプロ
セスの場合には、シリコン膜の熱酸化によってゲート絶
縁膜の作成を行うことにより、欠陥の少ないゲート絶縁
膜/半導体層界面を得ることができる。ところが、安価
なガラス基板上にTFTを作成する場合には、プロセス
温度がガラスの歪点以下に制限されるために高温を必要
とする熱酸化工程を行うことができず、プラズマ化学気
相成長法(PECVD法:以下、単にプラズマCVD法
と言う)等によって成膜しなければならない。上述した
特開平6−333824号公報,特開平6−33382
5号公報および特開平8−330602号公報の場合は
コプレーナ構造であるために、ゲート絶縁膜形成前に活
性領域を形成(パターニング)する必要があり、トランジ
スタ動作にとって重要な界面を形成するゲート絶縁膜/
半導体層を連続的に成膜することは困難である。また、
ゲート絶縁膜/半導体層を連続成膜するとしても、チャ
ネル面は半導体層上面であるために、引き続き行われる
ゲート絶縁膜形成の際にプラズマ等によってチャネル面
がダメージを受ける可能性が高い。そのため、ゲート絶
縁膜/半導体層の界面を清浄な欠陥の少ないものにする
ことは難しい。また、トランジスタ特性の向上,安定化
および信頼性の確保のためにゲート絶縁膜/半導体層形
成後に熱処理を行う必要があり、スループットが低下す
るという問題もある。
【0017】もう一つの問題点である不純物について
は、触媒元素そのものが問題となる。すなわち、上述の
ような触媒元熱は、アモルファスシリコン膜の結晶化に
は大きく貢献するが、その後は結晶粒界内に偏在して結
晶性シリコン膜中に残留する。半導体装置の活性領域
(素子領域)を形成する結晶性シリコン膜中に上記触媒元
素が多量に存在していることは、上記結晶性シリコン膜
等の半導体を用いた装置の信頼性や電気的安定性を阻害
するものであり、もちろん好ましいことではない。
【0018】特に、ニッケル,コバルト,白金等のアモル
ファスシリコン膜の結晶化を促す元素として効率よく作
用する元素は、シリコン膜中においてバンドギャップ中
央付近に不純物準位を形成する。したがって、これらの
触媒元素により結晶化したシリコン膜でTFTを作成す
ると、残留触媒元素によって主にTFTオフ動作時にお
けるリーク電流の増大や信頼性の低下等の現象が現れ
る。すなわち、上記触媒元素の存在は、TFT素子にお
いてチャネル領域の結晶性を向上させるために、電界効
果移動度やオン電流の立ち上がり係数(S係数)等の電流
駆動能力は向上させるのではあるが、その代償としてオ
フ特性および信頼性を悪化させる原因となるのである。
【0019】この触媒元素による不純物の問題を解決す
る方法として、上記3つの公報においては、リン原子に
よるゲッタリング除去工程によって上記触媒元素を除去
している。これは、結晶化のために利用した触処元素
を、不要になった時点でシリコン膜から除去するという
発想てある。しかしながら、実際問題として、大量の触
媒元素を完全にゲッタリング除去するのは大変困難であ
る。
【0020】例えば、上記特開平6−333824号公
報および特開平6−333825号公報においては、ゲ
ッタリングに際してPSG膜を用いている。ここで、P
SG膜とシリコン膜とが直接接触していると、リンがシ
リコン膜中にも拡散導入されるため、シリコン膜とPS
G膜との間に酸化シリコン膜を介して設置されることに
なる。ところが、代表的な触媒元素であるニッケルを例
にとると、酸化シリコン膜中の拡散速度はシリコン膜中
に比べ5桁以上も低い値であり、上述のごとく酸化シリ
コン膜を介して触媒元素をゲッタリングする方法は実際
には殆ど効果が無いのである。それに比べて、特開平8
−330602号公報においては、TFT活性領域のソ
ース/ドレイン領域にドーピングされたリンを用いるた
め、シリコン膜中においてある程度のゲッタリング効果
は得られる。ところが、素子領域形成内に触媒元素がゲ
ッタリングされて逆に集まった領域が残るため、TFT
の信頼性から言えば不十分である。さらにドレイン領域
とチャネル領域間の接合部に触媒元素が存在することに
なるので、ドーピングされたリンを用いて触媒元素をゲ
ッタリングする方法では、TFTリーク電流増大の問題
点も全く解決することができないのである。
【0021】さらに、上記3つの公報はコプレーナ構造
であるので、ガラス基板上に半導体層を形成した場合、
ガラス中に存在するアルカリ金属イオン等の不純物の影
響でトランジスタ特性の安定性および信頼性が悪化する
という問題がある。このガラス中の不純物の影響をなく
すために、ガラス上に絶縁膜を成膜(ベースコート膜)
し、その上に半導体層を形成することが提案されてい
る。ところが、本発明者らが行った実験では、上記ベー
スコート膜による充分な不純物のブロッキング効果は得
られなかった。さらに高い信頼性を得るには上記べース
コート膜を加熱処理する必要があり、スルーブットの面
で不利になる。
【0022】一方、上記逆スタガ構造の場合、ソース/
ドレイン領域形成のために、ゲート電極を覆うマスク膜
をシリコン膜上にイオン注入ストッパ膜もしくはエッチ
ングストッパ膜として形成する必要があり工数が増え
る。また、シリコン膜を成膜してからマスク膜を成膜す
るまでシリコン膜表面は剥き出し状態であり、マスク膜
/半導体層(バックチャネル)界面を清浄で欠陥の少ない
ものにすることは困難である。また、通常の熱処理で結
晶成長させる場合は600℃以上の熱処理を数十時間行
う必要が有り、ゲート電極の材料として特に耐熱性の高
い限られた材料しか用いることができないという問題も
ある。
【0023】そこで、この発明の目的は、絶縁表面を有
する基板上に、ゲート絶縁膜/半導体層界面の欠陥や不
純物の無い非常に高性能で高信頼性を有する半導体装置
を歩留まりよく作成する半導体装置の製造方法を提供す
ることにある。
【0024】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に係る発明の半導体装置の製造方法は、絶
縁表面を有する基板上にゲート電極を形成する工程と、
上記ゲート電極を覆うゲート絶縁膜を形成する工程と、
上記ゲート絶縁膜上にアモルファスシリコン膜を形成す
る工程と、このアモルファスシリコン膜上に酸化シリコ
ン膜あるいは窒化シリコン膜からなる第1のマスクを形
成する工程と、上記アモルファスシリコン膜における
記第1のマスクによって設定される第1の所定領域に当
該アモルファスシリコン膜の結晶化を助長する触媒元素
を選択的に導入する工程と、第1の加熱処理を行って上
記アモルファスシリコン膜を結晶成長させる工程と、上
記第1の所定領域に,上記触媒元素を集める効果を持つ
元素を選択的に導入する工程と、第2の加熱処理を行っ
て,上記結晶成長して成る結晶性シリコン膜に拡散して
いる上記触媒元素を上記第1の所定領域に集める工程
と、上記結晶性シリコン膜上の上記第1のマスクをパタ
ーニングして上記ゲート電極を覆う第2のマスクを形成
する工程と、上記結晶性シリコン膜における上記第2の
マスクで設定される第2の所定領域に,3族元素あるい
は5族元素をドープしてソース領域とドレイン領域とを
形成する工程と、上記結晶性シリコン膜における上記第
1の所定領域以外の領域を用いて,上記ソース領域とド
レイン領域とを含む活性領域を形成する工程を備えたこ
とを特徴としている。
【0025】上記構成によれば、絶縁表面を有する基板
上に、ゲート電極,ゲート絶縁膜および結晶性シリコン
で成る活性領域が順次形成された逆スタガ構造の半導体
装置が形成される。その場合に、ゲート絶縁膜と半導体
層(アモルファスシリコン膜)とは低温デポ工程によって
連続的に形成され、安定性に優れた半導体装置が得られ
る。さらに、特性の向上,安定化および信頼性の確保の
ためにゲート絶縁膜/半導体層形成後に行われる熱処理
が、上記アモルファスシリコン膜結晶化時における第1
の加熱処理で代行される。こうして、スループットの向
上と界面欠陥の低減とが図られる。また、得られる半導
体装置は上記逆スタガ構造であるために、重要な界面で
ある半導体層/ゲート絶縁膜界面に対する基板からの不
純物が、下側に位置する上記ゲート電極およびゲート絶
縁膜によって十分にブロッキングされる。
【0026】さらに、上記触媒元素を集める効果を持つ
元素を導入して上記触媒元素を集めるに際して、触媒元
素濃度が非常に高いために上記活性領域として使用でき
ない上記触媒元素の導入領域でもある第1の所定領域に
集められる。こうして、触媒元素が拡散している領域と
同じシリコン膜を用いて効率的に触媒元素を移動させて
ゲッタリングが行われる。
【0027】さらに、上記ゲート電極を覆う第2のマス
クは、上記触媒元素およびこの触媒元素を集める元素の
選択導入時に用いる上記第1のマスクをパターニングし
て形成される。したがって、上記結晶性シリコンに対す
る不純物ドープ用のマスクを形成するための特別なデポ
工程が省略される。
【0028】また、請求項2に係る発明の半導体装置の
製造方法は、絶縁表面を有する基板上にゲート電極を形
成する工程と、上記ゲート電極を覆うゲート絶縁膜を形
成する工程と、上記ゲート絶縁膜上にアモルファスシリ
コン膜を形成する工程と、このアモルファスシリコン膜
上に酸化シリコン膜あるいは窒化シリコン膜からなる第
1のマスクを形成する工程と、上記アモルファスシリコ
ン膜における上記第1のマスクによって設定される所定
領域に,当該アモルファスシリコン膜の結晶化を助長す
る触媒元素を選択的に導入する工程と、第1の加熱処理
を行って上記アモルファスシリコン膜を結晶成長させる
工程と、上記所定領域に,上記触媒元素を集める効果を
持つ元素を選択的に導入する工程と、第2の加熱処理を
行って,上記結晶成長して成る結晶性シリコン膜に拡散
している上記触媒元素を上記所定領域に集める工程と、
上記結晶性シリコン膜上の上記第1のマスクをパターニ
グして上記ゲート電極を覆う第2のマスクを形成する
工程と、上記結晶性シリコン膜および第2のマスクの上
に,3族元素あるいは5族元素がドーピングされた不純
物シリコン膜を形成する工程と、上記不純物シリコン膜
を上記第2のマスク上で分離してソース領域とドレイン
領域とを形成する工程と、上記結晶性シリコン膜におけ
る上記所定領域以外の領域を用いて,上記ソース領域と
ドレイン領域とに重なる活性領域を形成する工程を備え
たことを特徴としている。
【0029】上記構成によれば、逆スタガ構造の半導体
装置が形成される。したがって、請求項1に係る発明の
場合と同様に、低温デポ工程によるゲート絶縁膜と半導
体層との連続的形成と、ゲート絶縁膜/半導体層形成後
における熱処理の上記第1の加熱処理による代行と、基
板から半導体層/ゲート絶縁膜界面への不純物のゲート
絶縁膜によるブロッキングが行われる。こうして、スル
ープットの向上と界面欠陥の低減とを図り、安定性に優
れた半導体装置が得られる。
【0030】さらに、上記触媒元素を集める際に、触媒
元素濃度が非常に高いために上記活性領域として使用で
きない上記触媒元素の導入領域でもある所定領域に集め
ることによって、触媒元素が拡散している領域と同じシ
リコン膜を用いて効率的に触媒元素を移動させてゲッタ
リングが行われる。
【0031】さらに、上記ゲート電極を覆う第2のマス
クは、上記触媒元素およびこの触媒元素を集める元素の
選択導入時に用いる上記第1のマスクをパターニングし
て形成される。したがって、上記不純物シリコン膜分離
用のマスクを形成するための特別なデポ工程が省略され
る。
【0032】また、請求項3に係る発明は、請求項1あ
るいは請求項2に係る発明の半導体装置の製造方法おい
て、上記触媒元素を集める効果を持つ元素としてリンを
用いることを特徴としている。
【0033】上記構成によれば、上記触媒元素を集める
効果を持つ元素の中で最も触媒元素を集める効果が大き
いリンを使用することによって、不純物が少なく信頼性
の高い半導体装置が作成される。
【0034】また、請求項4に係る発明は、請求項1あ
るいは請求項2に係る発明の半導体装置の製造方法にお
いて、上記アモルファスシリコン膜における上記触媒元
素を選択的に導入する所定領域は,所定の間隔で設けら
れた少なくとも2個所の領域であり、上記所定の間隔
は,上記所定領域から上記アモルファスシリコン膜内を
結晶が成長する距離の2倍よりも狭くなっていることを
特徴としている。
【0035】上記構成によれば、上記触媒元素を選択的
に導入する所定領域の間隔が、上記所定領域から上記ア
モルファスシリコン膜内を結晶が成長する距離の2倍よ
りも狭く設定されているため、互いに隣接する2つの触
媒元素導入領域から上記アモルファスシリコン膜内を成
長した結晶の先端同士が両触媒元素導入領域の中間部で
ぶつかり合うことになる。その結果、上記両触媒元素導
入領域の間には、触媒元素が最も安定して存在する上記
アモルファスシリコン膜と結晶性シリコン膜との境界は
形成されない。したがって、上記アモルファスシリコン
膜の結晶化終了後における上記触媒元素のゲッタリング
が効果的に行われる。
【0036】また、請求項5に係る発明は、請求項1あ
るいは請求項2に係る発明の半導体装置の製造方法にお
いて、上記ゲート電極を覆う第2のマスクを形成する際
に行われるパターニングは、上記触媒元素およびこの触
媒元素を集める元素の選択導入時に用いる上記第1の
スク上にポジ型のフォトレジストを塗布し、基板裏面よ
り露光して現像した後に上記露光されない部分を除去
し、残ったフォトレジストを用いて行うことを特徴とし
ている。
【0037】上記構成によれば、上記ゲート電極をマス
クとして自己整合的に不純物ドープ用あるいは不純物シ
リコン膜分離用のマスクが形成される。こうして、不純
物ドープ用あるいは不純物シリコン膜分離用のマスクと
上記ゲート電極との位置合わせが正確に行われ、延いて
は上記ゲート電極とチャネル領域との位置合わせが正確
に行われる。
【0038】また、請求項6に係る発明は、請求項1あ
るいは請求項2に係る発明の半導体装置の製造方法にお
いて、上記3族元素あるいは5族元素がドーピングされ
た上記結晶性シリコン膜あるいは不純物シリコン膜に活
性領域を形成する工程は、上記第2の加熱処理後におい
て上記触媒元素が存在している領域の結晶性シリコン膜
を除去する工程と上記活性領域のパターニング工程とを
兼ねていることを特徴としている。
【0039】上記構成によれば、上記触媒元素が存在し
ている領域の結晶性シリコン膜を除去する工程と上記活
性領域のパターニング工程とを兼ねることによって、工
程の短縮化が図られる。さらに、上記触媒元素が存在し
ていない領域の結晶性シリコン膜を用いて上記活性領域
のパターニングを行うことによって、上記触媒元素が存
在している領域の結晶性シリコン膜が一括して完全に除
去される。こうして、上記活性領域に対する上記触媒元
素による汚染量が低減される。
【0040】また、請求項7に係る発明は、請求項1あ
るいは請求項2に係る発明の半導体装置の製造方法にお
いて、上記3族元素あるいは5族元素がドーピングされ
た上記結晶性シリコン膜あるいは不純物シリコン膜に活
性領域を形成する工程は、上記触媒元素導入領域におけ
る結晶化シリコンと、上記触媒元素およびこの触媒元素
のシリサイド化合物が存在している結晶性シリコンと
が、除去されるようなエッチング工程を含んでいること
を特徴としている。
【0041】上記構成によれば、エッチングによって、
上記結晶化シリコンと、上記触媒元素およびこの触媒元
素のシリサイド化合物が存在している結晶性シリコンと
が除去されるため、シリコン膜中に残っている上記触媒
元素が完全に除去される。こうして、リーク電流が少な
く、信頼性の高い半導体装置が作成される。
【0042】また、請求項8に係る発明は、請求項7
係る発明の半導体装置の製造方法において、上記エッチ
ング工程は、塩素ガスあるいはBCl3,HCl等の塩素系
ガスを用いたRIE(リアクティブ・イオン・エッチング)
法によって行われることを特徴としている。
【0043】上記構成によれば、上記シリコン膜,触媒
元素および触媒元素のシリサイド化合物が同時に精度よ
くエッチングされて、シリコン膜中に残っている上記触
媒元素が完全に除去される。
【0044】また、請求項9に係る発明は、請求項1あ
るいは請求項2に係る発明の半導体装置の製造方法にお
いて、上記第1の加熱処理は,上記触媒元素が上記アモ
ルファスシリコン膜中を拡散でき,且つ,上記アモルファ
スシリコン膜に自然核が発生しないような温度および時
間で行われ、上記第2の加熱処理は,上記結晶性シリコ
ン膜中を触媒元素は拡散するが,上記触媒元素を集める
効果を持つ元素は拡散しないような温度で行われること
を特徴としている。
【0045】上記構成によれば、上記アモルファスシリ
コン膜の結晶成長時に自然核は発生しない。したがっ
て、成長した結晶性シリコンが自然核に衝突して曲がっ
たり分岐したりして、結晶性が悪化したり、上記触媒元
素がトラップされたりすることはない。さらに、上記触
媒元素を集めるための元素が拡散することがなく、効率
良く、精度よく上記触媒元素のゲッタリングが行われ
る。
【0046】また、請求項10に係る発明は、請求項9
に係る発明の半導体装置の製造方法において、上記第1
の加熱処理は,540℃〜600℃の温度範囲内で行な
われる一方、上記第2の加熱処理は,580℃〜700
℃の温度範囲内で行われることを特徴としている。
【0047】上記構成によれば、上記第1の加熱処理時
において、上記アモルファスシリコン膜中に自然核が発
生することはない。さらに、上記第2の加熱処理におい
て、上記触媒元素を集めるための元素が結晶性シリコン
中に拡散することはない。
【0048】また、請求項11に係る発明は、請求項1
あるいは請求項2に係る発明の半導体装置の製造方法に
おいて、上記アモルファスシリコン膜の厚さは、25nm
以上80nm以下であることを特徴としている。
【0049】上記構成によれば、上記アモルファスシリ
コン膜の厚さは25nm以上であるため、上記触媒元素の
導入によって十分な結晶成長が得られる。さらに、上記
アモルファスシリコン膜の厚さは80nm以下であるた
め、柱状結晶が二層構造にはならず、結晶性の悪化や触
媒元素の残留等の問題は生じない。
【0050】また、請求項12に係る発明は、請求項1
あるいは請求項2に係る発明の半導体装置の製造方法に
おいて、上記第1の加熱処理による上記アモルファスシ
リコン膜の結晶成長方向は、得られる半導体装置におけ
るキャリアの移動方向と略平行であることを特徴として
いる。
【0051】上記構成によれば、上記アモルファスシリ
コン膜の結晶成長方向とキャリアの移動方向とが略平行
であるため、上記キャリアの移動方向にはトラップとな
るような結晶粒界は殆ど存在しない。したがって、より
高移動度の半導体装置が得られる。
【0052】また、請求項13に係る発明は、請求項1
あるいは請求項2に係る発明の半導体装置の製造方法に
おいて、得られる半導体装置における上記活性領域中の
触媒元素の濃度は、1×1016atoms/cm3以下であるこ
とを特徴としている。
【0053】上記構成によれば、上記活性領域中に残っ
ている上記触媒元素の濃度が1×1016atoms/cm3以下
であるため、リーク電流の増大や特性劣化等の無い半導
体装置が得られる。
【0054】また、請求項14に係る発明は、請求項1
あるいは請求項2に係る発明の半導体装置の製造方法に
おいて、上記アモルファスシリコン膜の結晶化を助長す
る触媒元素は、Ni,Co,Pd,Pt,Cu,Ag,Au,In,Sn,
AlおよびSbのうち一種または複数種の元素であること
を特徴としている。
【0055】上記構成によれば、上記アモルファスシリ
コン膜にNi,Co,Pd,Pt,Cu,Ag,Au,In,Sn,Alお
よびSbのうち一種または複数種の元素が導入され、微
量で上記アモルファスシリコン膜の結晶化助長効果が得
られる。
【0056】また、請求項15に係る発明は、請求項1
に係る発明の半導体装置の製造方法において、上記触
媒元素として、少なくともNiを用いることを特徴とし
ている。
【0057】通常、上記触媒元素はシリサイド化するこ
とによってアモルファスシリコン膜の結晶成長を助長す
る。上記構成によれば、触媒元素Niのシリサイド化合
物であるNiSi2の結晶構造は種々の触媒元素のシリサ
イド化合物中最も単結晶シリコンの結晶構造と類似して
おり、その格子定数も結晶シリコンの格子定数に非常に
近い。したがって、上記NiSi2はアモルファスシリコ
ン膜の結晶化に最高の鋳型として作用し、上記アモルフ
ァスシリコン膜の結晶化が大いに促進される。
【0058】また、請求項16に係る発明は、請求項1
あるいは請求項2に係る発明の半導体装置の製造方法に
おいて、上記第1の加熱処理によって、上記ゲート絶縁
膜およびアモルファスシリコン膜を形成した後における
熱処理を代行することを特徴としている。
【0059】通常、半導体装置特性の向上,安定化およ
び信頼性の確保のために、ゲート絶縁膜/半導体層形成
後に熱処理を加える必要がある。上記構成によれば、こ
の熱処理を上記第1の加熱処理で代行することによっ
て、スループットの向上および界面欠陥の低減が図られ
る。
【0060】
【発明の実施の形態】以下、この発明を図示の実施の形
態により詳細に説明する。 <第1実施の形態> 本実施の形態は、この発明の半導体装置の製造方法を、
ガラス基板上にN型TFTを作成する工程に適用したも
のである。本実施の形態におけるTFTは、アクティブ
マトリックス型のドライバ回路や画素部分は勿論のこ
と、薄膜集積回路を構成する素子としても利用可能であ
る。尚、本実施の形態においては、それらの代表とし
て、基坂上に数十万から数百万のN型TFTを特に均一
に作成する必要がある液晶表示装置用アクティブマトリ
ックス基坂上の画素用TFTを例に説明する。
【0061】図1および図2は、本実施の形態における
アクティブマトリックス基板上の画素TFT作成工程の
概要を示す平面図である。実際には数十万個以上のTF
Tで構成されるのであるが、本実施の形態においては3
行×4列の12個のTFTに簡略化して説明する。ま
た、図3および図4は、図1および図2における任意の
1個のTFTに関するA−A矢視断面図である。尚、何
れの図も、(a)〜(f)の順で作成工程が進行する。
【0062】先ず、図3(a)に示すように、ガラス基板
(コーニング1737)1上に厚さ300nm〜800nm
(例えば、400nmとする)のタンタル膜を形成し、これ
をパターニングしてゲート電極2を形成する。さらに、
上記タンタル膜の表面を陽極酸化して、厚さ100nm〜
300nm(例えば、200nmとする)の陽極酸化膜3を形
成する。さらに、プラズマCVD法によって、ゲート絶
縁膜として厚さ20nm〜150nm(例えば、80nmとす
る)の酸化シリコン膜4をゲート電極2を覆うように形
成する。引き続き、プラズマCVD法によって、厚さ2
5nm〜80nm(例えば、40nmとする)の真性(I型)のア
モルファスシリコン膜(a−Si膜)5を成膜する。そし
て、さらにその上に、酸化シリコン膜もしくは窒化シリ
コン膜等のマスク膜6を形成する。本実施の形態におい
ては、マスク膜6として酸化シリコン膜を用い、その厚
さを50nm〜250nm(例えば、150nmとする)とし
た。
【0063】次に、上記a−Si膜5上の酸化シリコン
膜6をパターニングして、マスク6aを得る。ここで、
マスク6aのスルーホールを通して、スリット状にa−
Si膜5が露呈される。図3(b)は任意のTFTの状態を
示しているが、その状態を上方から見ると、図1(a)お
よび図1(b)に示すように、マスク膜6のスルーホール
で形成されるスリットは、複数本(図1では3本)のゲー
ト電極2に対向して形成されている。そして、マスク膜
6のスルーホールを通してa−Si膜5がスリット状に
露呈しており、他の部分はマスクされている。
【0064】その後、図3(b)に示すように、上記a−
Si膜5におけるマスク6aから露呈している領域7(以
下、スリット領域と言う)に、触媒元素として作用する
ニッケル8を、スパッタ法によって表面濃度l×l013
〜l×l015atoms/cm2(例えば、7×l013atoms/cm2
とする)になるように添加する。そうした後、不活性雰
囲気下で540℃〜620℃で数時間の加熱処理を施
す。本実施の形態においては、窒素雰囲気下で580℃
にて4時間の熱処理を行った。
【0065】この加熱処理によって、図3(b)に示すよ
うに、上記スリット領域7内においては、a−Si膜5
の表面に添加されたニッケルのシリサイド化が起こり、
それを核としたa−Si膜5の選択結晶化が起きて、シ
ード領域ともいえる結晶化領域5aが形成される。引き
続いて、a−Si膜5におけるスリット領域7から矢印
(イ)の方向に(つまり、ガラス基板1に平行な水平方向)
に結晶成長が起こる。そうすると、図1(a)に示すよう
に、スリット領域7を中心として上記水平方同に結晶成
長した結晶性シリコン膜5bが形成され、最終的には、
隣接するスリット領域7'を中心として成長してきた結
晶性シリコン膜5bとぶつかり合い、両スリット領域7,
7'間において結晶粒界5cを形成する。一方、最も外側
に存在するスリット領域7から外側へも結晶性シリコン
膜5bの成長が起こり、当該結晶性シリコン膜5bの成長
が停止すると、スリット領域7より外側には結晶性シリ
コン膜5bが到達しなかった領域が残る。その領域はa
−Si膜5の領域として残って、結晶性シリコン膜5bと
a−Si膜5との両領域の境界に成長先端領域5dが生じ
る。
【0066】その場合、図1(a)において最も右側のラ
インのゲート電極2に関して、右側に位置するスリット
領域7は最外側のスリット領域であり、この外側にはス
リット領域は存在しない。一方、左側には隣接するスリ
ット領域7'が存在する。ここで、スリット領域7から
スリット領域7'に向かって成長した結晶性シリコン膜
5bは、2つのスリット領域7,7'で挟まれている。一
方、スリット領域7からスリット領域7'とは反対側に
向かって成長した結晶性シリコン膜5bの成長先端領域
5dは、a−Si膜5の領域との境界に位置している。本
実施の形態においては、少なくとも2つのスリット領域
7,7'に挟まれている内側の結晶性シリコン膜5bと、
成長端がa−Si膜5の領域との境界に位置している外
側の結晶性シリコン膜5bとにおいて、後のゲッタリン
グ効果が大きく異なるために、以下、上記内側の結晶性
シリコン膜5bを結晶性シリコン膜5eと称する一方、上
記外側の結晶性シリコン膜5bを結晶性シリコン膜5fと
称して、両者を区別することにする。ここで、図3およ
び図4に示すTFTは、図1(a)において最も右側のラ
インのゲート電極2に形成されるTFTであるとする。
尚、本実施の形態における上記加熱処理による上記水平
方向への結晶性シリコン膜5bの成長距離は、70μm程
度である。
【0067】次に、図3(c)に示すように、上記ガラス
基板1に向かってリン9をドーピングする。ここで、上
記ニッケル選択導入に用いたマスク6aを再度利用し
て、リン9をスリット領域7内に選択的にドーピンす
る。この場合、ドービンガスとしてホスフィン(PH3)
を用い、加速電圧を5kV〜20kV(例えば、10kV)
とし、ドーズ量を5×l015cm-2〜l×l017cm-2(例
えば、5×l016cm-2)とする。その際に、マスク6aで
覆われた陽極酸化膜3,酸化シリコン膜4,結晶性シリコ
ン膜5b,結晶粒界5c,成長先端領域5d及びa−Si膜5
にはリン9は注入されず、上記シード領域としての結晶
化領域5aのみに注入される。そして、さらに、不活性
雰囲気下で580℃〜700℃の温度で数時間から数十
時間の加熱処理を施す。本実施の形態においては、窒素
雰囲気で600℃にて12時間の加熱処理を行った。
【0068】この加熱処理において、図3(c)に示すよ
うに、ドーピングされたリン9によってシリコン中に拡
散しているニッケルが引き寄せられる。すなわち、矢印
(ロ)で示す方向(つまり、結晶性シリコン膜5bの成長方
向とは逆方向)にニッケルが引き寄せられ、シード領域
7においてリンによってトラップされる。ところが、最
外端の成長先端領域5dでは外側にa−Si膜5の領域が
存在するため、当該加熱処理によって、さらに上記水平
方向への結晶性シリコン膜5bの成長が起きて更にニッ
ケルが拡散してしまい、上記外側の結晶性シリコン膜5
fではゲッタリングを十分に行うことができないのであ
る。
【0069】次に、上記マスクである酸化シリコン膜6
a上のニッケル8を0.5%の低度フッ酸で除去し、さら
に、図4(d)に示すように、酸化シリコン膜6aをゲート
電極2のみを覆うようにパターニングしてイオン注入ス
トッパ膜6cを形成する。その際のパターニングは次の
ようにして行う。すなわち、酸化シリコン膜6a上にポ
ジ型レジストを形成し、ゲート電極2をマスクとしたセ
ルフアライメント方式によって上記ポジ型レジストのパ
ターニングを行う。そして、エッチャントとして、十分
に下層と選択性のある1:10バッファードフッ酸を用
い、ウエットエッチングによってイオン注入ストッパ膜
6cのパターニングを行うのである。この段階におい
て、後に活性領域となる結晶性シリコン膜5e中のニッ
ケル濃度を2次イオン質量分析法(SIMS)によって測
定した結果、測定下限である5×l015atoms/cm3以下
であった。
【0070】引き続いて、図4(d)に示すように、イオ
ンドーピング法によって、イオン注入ストッパ膜6cを
マスクとして不純物(リン)10を注入する。その場合
に、ドーピングガスとしてホスフィン(PH3)を用い、
加速送電圧を60kV〜90kV(例えば、80kV)と
し、ドーズ量を1×1015cm-2〜8×1015cm-2(例え
ば、2×l015cm-2)とする。この工程において、結晶
性シリコン膜5eにおける不純物(リン)10が注入され
た領域11は、後にTFTのソース/ドレイン領域とな
り、イオン注入ストッパ膜6cでマスクされて不純物(リ
ン)10が注入されていない領域12は、後にTFTの
チャネル領域となる。
【0071】ここで、図4(e)に示すように、結晶性シ
リコン膜5eにおける不要な部分を除去して素子間分離
を行う。すなわち、この工程によって、ニッケルがゲッ
タリングされて存在しない結晶性シリコン膜5eを用い
て、図1(b)に13で示すような配置でTFTの活性領
域(チャネル領域14、ソース15/ドレイン16領域)
となる島状の結晶性シリコン膜5gが形成され、図2(c)
および図4(e)の状態が得られる。ここで重要なこと
は、活性領域として結晶性シリコン膜5eを用いること
である。そのために、結晶性シリコン膜中におけるニッ
ケルの残っている結晶化領域5a,結晶粒界5c,結晶性シ
リコン膜5fおよび成長先端領域5dを全てエッチングに
よって除去することになり、基板上から拡散ニッケルを
取り除くことができ、後工程でのニッケルの汚染を完全
に抑えることができるのである。
【0072】その後、レーザ光17の照射によるアニー
ルで、イオン注入された不純物の活性化を行うと同時
に、不純物導入によって結晶性が劣化した領域の結晶性
改善を行う。その場合、レーザとしてXeClエキシマー
レーザ(波長308nm、パルス幅40nsec)を用い、エネ
ルギー密度150〜400mJ/cm2(例えば、250m
J/cm2とする)で照射する。ここで、N型不純物(リン)
領域であるソース領域15及びドレイン領域16のシー
ト抵抗は、200〜800Ω/cm2であった。
【0073】続いて、図4(f)に示すように、厚さ60
0nm程度の酸化シリコン膜又は窒化シリコン膜をプラズ
マCVD法によって成膜して、層間絶縁膜18を形成す
る。さらに層間絶縁膜18にコンタクトホールを形成
し、例えば窒化チタンとアルミニウムとの二層膜等の金
属材料によって、TFTのソース電極配線19を形成す
る。本TFTは画素電極をスイッチングする素子である
ため、もう一方のドレイン電極配線としては透明電極で
あるITO(インジュウム錫酸化物)等の画素電極20を
設ける。
【0074】最後に、1気圧の水素雰囲気中において3
50℃、30分間のアニールを行って、図4(f)に示す
ようなTFT21が完成する。このTFT21を保護す
るために、TFT21上に窒化シリコン膜等からなる保
護膜を必要に応じて形成しても差し支えない。
【0075】上述のように、本実施の形態においては、
絶縁表面を有するガラス基板1上にゲート電極2および
ゲート電極2を覆うゲート絶縁膜としての酸化シリコン
膜4を形成し、更にその上にa−Si膜5及びマスク膜
としての酸化シリコン膜6を形成する。そして、a−S
i膜5における所定の領域上のマスク膜6をスリット状
に開口してスルーホールを設け、このスルーホールから
a−Si膜5のスリット領域7に結晶化を助長する触媒
元素としてのニッケル8を選択的に導入する。その後、
第1の加熱処理を行ってa−Si膜5をスリット領域7
からその周辺部へと基板表面に対して平行な方向に結晶
成長させて結晶化領域5aおよび結晶性シリコン膜5bを
得る。
【0076】次に、上記マスク6aのスルーホールから
結晶化領域5aに、触媒元素(ニッケル)を集める効果を
持つ元素としてリン9を導入する。そして、第2の加熱
処理を行って、シリコン膜中に拡散しているニッケル8
をリン9によって結晶化領域5aに引き戻す。そうした
後、結晶性シリコン膜5bのうち触媒元素のゲッタリン
グ効果が大きい結晶性シリコン膜5eに対して、自己整
合的にソース/ドレイン領域を形成する。すなわち、ゲ
ート電極2をマスクとした裏面露光によってポジ形レジ
ストのパターニングを行い、ウェットエッチングによっ
て触媒元素の選択導入に用いたマスク6aをパターニン
グしてイオン注入ストッパ膜6cを形成する。そして、
結晶性シリコン膜5eに不純物としてのリン10をイオ
ン注入して、ソース領域15とドレイン領域16とを形
成するのである。
【0077】こうして、本実施の形態によれば、上記触
媒元素を用いて結晶化されたシリコン膜によって逆スタ
ガ構造TFTを形成できるのである。ここで、逆スタガ
構造TFTは、トランジスタ動作にとって重要な界面で
ある半導体層/ゲート絶縁膜界面を低温デポ工程によっ
て連続的に形成することができ、安定性に優れたTFT
を得ることができる。さらに、通常、トランジス夕特性
の向上,安定化および信頼性の確保のために、半導体層/
ゲート絶縁膜形成後に熱処理を加える必要があるが、本
実施の形態においては、この熱処理をa−Si膜5結晶
化時の上記第1の加熱処理で代行することができ、スル
ープットの向上および界面欠陥の低減を図ることが可能
である。
【0078】また、逆スタガ構造TFTにおいて自己整
合的にソース/ドレイン領域を形成するには、本実施の
形態のようにゲート電極2をマスクとした裏面露光によ
って注入ストッパ膜6cを形成して結晶性シリコン膜5e
にイオン注入を行なうか、または、ゲート電極2をマス
クとした裏面露光によってエッチングストッパ膜を形成
し、この上に不純物シリコン膜を形成してエッチングス
トッパ膜上で分離を行う必要がある。何れの場合にも、
本実施の形態においては、注入ストッパ膜6cあるいは
エッチングストッパ膜を触媒元素の選択導入時に用いた
マスク6aをパターニングすることによって形成するの
である。こうすることによって、ストッパ膜形成のため
の特別なデポ工程を必要としないために工程数が増える
ことが無い。また、プロセスを通して、シリコン膜(a
−Si膜5あるいは結晶性シリコン膜5e)におけるチャ
ネル部となる領域を常にマスク膜6あるいはマスク膜6
aが覆っているために、この部分のシリコン膜が剥き出
しになることを防止できる。したがって、マスク6a/半
導体層(バックチャネル)界面が清浄で欠陥が少なくな
り、プロセス安定性を非常に優れたものにできる。
【0079】さらに、本実施の形態におけるa−Si膜
5の結晶化は触媒元素(ニッケル)を用いた結晶化であ
り、600℃以下の低温で数時間の熱処理によって行う
ことができる。そのため、触媒元素無しで行う結晶化に
比較して、ゲート電極2として用いることができる金属
の自由度が高い。
【0080】さらに、不純物に関して言えば、上記第2
の加熱処理によって触媒元素を引き戻す際に、触媒元素
濃度が非常に高いために素子領域としては使用できない
触媒元素導入領域(スリット領域7:結晶化領域5a)に
触媒元素を集めるようにしている。したがって、触媒元
素が拡散している領域と同じシリコン膜の一部分でゲッ
タリングすることができ、効率的に触媒元素を移動させ
ることができるのである。また、レイアウト的にも特別
なゲッタリングスペースを必要とはしない。更には、ト
ランジスタ動作にとって重要な界面である半導体層/ゲ
ート絶縁膜界面に対するガラス基板1からの不純物に対
しても、本実施の形態によって得られるTFTは逆スタ
ガ構造であるために、上記半導体層/ゲート絶縁膜界面
の下側に位置するゲート電極2およびゲート絶縁膜4に
よって十分にブロッキングできるのである。
【0081】尚、上記触媒元素を集める効果を有する元
素としてはリン,硫黄,ヒ素あるいはセレン等が使用可能
であるが、これらの元素の中でもリンが触媒元素を集め
る効果が最も大きいので、リンを用いるのが最も望まし
い。
【0082】ここで、本実施の形態においては、上記a
−Si膜5の所定の領域に触媒元素を選沢的に導入する
場合に、複数(少なくとも2個以上)の触媒元素導入領域
を設け、第1の加熱処理によって、a−Si膜5を上記
複数の触媒元素導入領域から周辺領域へ上記水平方向に
結晶成長を行なわせ、隣接する触媒元素導入領域から進
行してきた結晶性シリコン膜5b同士が互いにぶつかり
合うようにし、二つの触媒元素導入領域で挟まれた領域
の結晶性シリコン膜5eを用いて活性領域(素子領域)を
形成するようにしている。こうすることによって、以下
の理由から、大きな触媒元素のゲッタリング効果を得る
ことができるのである。
【0083】すなわち、本実施の形態においては、上記
触媒元素導入領域に、さらにリンを導入して、一旦結晶
成長のために拡散した触媒元素を元の触媒元素導入領域
に引き戻すようにしている。ところで、上記触媒元素
は、ケミカルポテンシャルの相違からa−Si膜5と結
晶性シリコン膜5bとの境界に存在するのが最もエネル
ギーが安定している。そして、この境界が存在する場合
には、上記触媒元素導入領域にリンをドープして触媒元
素を引き戻そうとしても上記境界に存在する触媒元素は
エネルギー的に安定なために引き戻されず、さらにa−
Si膜5の領域へと拡散する。したがって、上記水平方
向への結晶成長後における結晶先端部は、隣接する触媒
元素導入領域側から成長してきた結晶シリコン膜5bと
ぶつかり合って、結晶性シリコン膜5b/結晶性シリコン
膜5bの境界で形成されるのが最も望ましい。そして、
このように、隣接する触媒元素導入領域に挟まれた結晶
シリコン膜5eにおいて最も大きな触媒元素のゲッタリ
ング効果が得られるのである。
【0084】また、本実施の形態においては、上記触媒
元素をa−Si膜5に導入する際には所定の領域にスリ
ット状の閉口を有するマスク6aによって行い、後にゲ
ッタリング用のリンを選択導入する際にも同一のマスク
6aを用いて行うようにしている。したがって、リンの
選択導入用マスクの形成工程を無くすことができると共
に、触媒元素の導入領域とゲッタリング時の集合領域と
を自己整合的に完全一致させることができる。そのた
め、後に触媒元素が拡散しているシリコン膜を除去する
際に、触媒元素集合領域である結晶化領域5aを除去す
ることによって、基坂上から触媒元素(ニッケル)を除去
することが可能となるのである。尚、上記マスク6aを
形成するためのマスク膜6としては酸化シリコン膜また
は窒化シリコン膜が望ましく、これらの膜は十分なバリ
アとして機能すると共に、半導体であるシリコン膜に与
える影響も最も少ない。
【0085】尚、その場合における上記触媒元素拡散シ
リコン膜除去工程は、本TFTの活性領域パターニング
工程をも兼ねるようにする。こうすることによって、工
程の短縮だけではなく、触媒元素集合領域である結晶化
領域5aと触媒元素拡散領域である結晶性シリコン膜5f
と結晶シリコン膜5b同士がぶつかり合った領域である
結晶粒界5c等の触媒元素が残留している不要領域を総
て一括して除去でき、素子領域への触媒元素の汚染量を
確実に低減できるのである。
【0086】ここで、上記触媒元素拡散シリコン膜はエ
ッチングによって除去するのであるが、その場合に上記
所定領域のシリコン膜が除去されても触媒元素が残って
いると残った触媒元素が基坂上を拡散してしまうので、
触媒元素を完全に除去する必要がある。そして、触媒元
素を完全に除去するためには、除去対象となるシリコン
膜と触媒元素とのエッチング性が問題となる。多くの触
媒元素はシリサイド化合物としてシリコン膜中に存在し
ているので、シリコン膜,触媒元素および触媒元素のシ
リサイド化合物が同時に除去されることが望ましい。こ
のようにシリコン膜,触媒元素およびシリサイド化合物
を同時に除去する方法として、フッ化水素酸と硝酸との
混合液によるウェットエッチング除去法が考えられる。
しかしながら、ウェットエッチングは微細加工には不利
であり、ドライエッチンクによる除去が望ましい。本実
施の形態においては、塩素ガスやBCl3,HCl等の塩素
系ガスを用いたRIE法によって行う。こうすることに
よって、シリコン膜と共に触媒元素およびシリサイド化
合物も同時にエッチングでき、除去領域において残存の
ない洗浄な状態を得ることができる。
【0087】上述のように、本実施の形態においては、
上記a−Si膜5の結晶成長工程および触媒元素の引き
戻し工程が重要な工程となる。したがって、前者での第
1の加熱処理と後者での第2の加熱処理との条件を、下
記のごとく管理する必要がある。先ず、a−Si膜5の
結晶成長時において自然核発生が生じると、触媒元素に
よって上記水平方向に成長した結晶性シリコン膜5bと
自然核とが衝突し、結晶性シリコン膜5bに曲がりや分
岐が生じて結晶性が悪化すると共に、その衝突位置に触
媒元素がトラップされてしまう。そこで、第1の加熱処
理は、触媒元素はa−Si膜5中を拡散するが、a−Si
膜5中で自然核発生が生じないような温度で行う必要が
ある。具体的には、540℃〜620℃の範囲内である
必要がある。
【0088】また、上記触媒元素の引き戻し時において
は、温度が高いほど触媒元素が結晶性シリコン膜5b中
を拡散して十分なゲッタリング効果が得られるのである
が、余りに温度が高すぎると触媒元素を集めるための元
素であるリンもチャネル領域に拡散してしまう。そこ
で、第2の加熱処理は、結晶性シリコン膜5b中を触媒
元素は拡散するがリンは拡散しないような温度で行う必
要がある。具体的には、580℃〜700℃の範囲内で
ある必要がある。
【0089】さらに、本実施の形態における上記a−S
i膜5の膜厚は25nm〜80nmの範囲内にあることが望
ましい。これは、25nmより薄いと十分な結晶成長が得
られず、80nmより厚いと柱状結晶が二層構造となって
結晶性の悪化や触媒元素の残留という問題が生ずるため
である。
【0090】さらに、本実施の形態において、より高移
動度、より高性能な半導体装置を得るためには、上記触
媒元素による結晶性シリコン膜5bの成長方向と形成後
の半導体装置におけるキャリアの移動方向とが略平行と
なることが望ましい。そうすることによって、キャリア
の移動方向にはトラップとなるような結晶粒界が理論上
存在しないことになる。実際には、ある程度の柱状結晶
の曲がりや分岐が含まれるが、結晶粒界等のトラップ量
は確実に減少し、より高移動度の半導体装置が得られる
のである。
【0091】この発明における目的の一つは、半導体装
置の活性領域における残留触媒元素濃度の大幅な低減を
図ることである。その目的から、最終的な活性領域中の
触媒元素濃度は1×1016atoms/cm3以下となるように
管理する必要がある。従来の触媒元素を用いたシリコン
の結晶化法における活性領域中の触媒元素濃度はl×l
17〜l×l018atoms/cm3程度であり、TFT素子に
適用した場合にはリーク電流の増大や特性劣化等の影響
が起きている。このような影響をなくすには1×1016
atoms/cm3以下の濃度であればよい。
【0092】尚、本実施の形態で使用可能な上記触媒元
素としては、Ni、Co、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、I
n、Sn、Al、Sb等が在り、これらから選ばれた一種ま
たは複数種の元素を用いることによって、徴量で結晶化
助長の効果を得ることができる。上記元素の中でも、N
iによって顕著な効果を得ることができる。この理由と
して次のようなモデルが考えられる。触媒元素は単独で
は作用せず、シリコンと結合してシリサイド化すること
で結晶成長を助長する。その時の結晶構造が、a−Si
膜結晶化時に一種の鋳型のように作用して結晶化を促す
のである。ニッケルNiはシリコンSiとシリサイド化合
物NiSi2を形成する。NiSi2の結晶構造は螢石型の結
晶構造であって、単結晶シリコンのダイヤモンド構造と
非常に類似している。しかも、NiSi2の格子定数は5.
406Åであり、結晶シリコンの格子定数5.430Å
に非常に近い。そのために、NiSi2はa−Si膜を結晶
化させるには最高の鋳型であり、本実施の形態における
触媒元素としてNiが最も望ましいと言える。
【0093】<第2実施の形態> 本実施の形態は、この発明の半導体装置の製造方法を、
アクティブマトリックス型の液晶周辺回路や一般の薄膜
集積回路に用いられて、N型TFTとP型TFTとで相
補的に構成されたCMOS(相補型金属酸化膜半導体)構
造の回路を、ガラス基板上に作成する工程に適用したも
のである。
【0094】図5および図6は、本実施の形態における
CMOSTFT作成工程の概要を示す断面図であり、
(a)〜(f)の順で作成工程が進行する。また、図7は、図
5(b)に対応する平面図である。尚、図5および図6
は、図7におけるB−B矢視断面図である。先ず、図5
(a)に示すように、第1実施の形態と同様にして、ガラ
ス基板(コーニング1737)31上に、ゲート電極32
n,32p、陽極酸化膜33n,33p、酸化シリコン膜(ゲ
ート絶縁膜)34、a−Si膜35、マスク膜(酸化シリ
コン膜もしくは窒化シリコン膜等)36を順次形成す
る。
【0095】そして、図5(b)に示すように、第1実施
の形態と同様にマスク膜36をパターニングしてマスク
36aを得る。その場合におけるマスク36aのスルーホ
ールの形状は、第1実施の形態と同様にスリット状であ
る。但し、その形成個所は、図7に示すように、後にN
チャネル型TFTとPチャネル型TFTとのゲート電極
となる2本のゲート電極32n,32pを挟んで両側に、
ゲート電極32と平行に形成される。
【0096】以後、第1実施の形態と同様にして、上記
マスク36aの一対のスルーホールを通して、a−Si膜
35における上記一対のスルーホールから露呈している
領域(以下、スリット領域と言う)37n,37pに、ニッ
ケル38をスパッタ法によって添加する。そして、第1
の加熱処理を行い、上記スリット領域37n,37pにお
ける結晶化領域35an,35apと、結晶化領域35an,3
5apから内側へ矢印(ハ),(ニ)方向に成長した結晶性シ
リコン膜35bn,35bpとが形成される。そして、やが
て結晶性シリコン膜35bnと結晶性シリコン膜35bpと
がぶつかり合って結晶粒界35cが形成される。更に、
図7に示すように、結晶化領域35apから外側へ成長し
た結晶性シリコン膜35bpとa−Si膜35との境界に
成長先端領域35dが生じる。尚、本実施の形態におい
ても、第1実施の形態の場合と同様に、結晶性シリコン
膜35bpにおけるゲッタリング効果が大きく異なる結晶
化領域35apより内側と外側とを、結晶性シリコン膜3
5epと結晶性シリコン膜35fpとに区別する。尚、本実
施の形態における上記第1の加熱処理による上記水平方
向への結晶性シリコン膜35bの成長距離は、100μm
程度である。また、ニッケル38のスパッタ条件および
上記第1の加熱処理の条件は、夫々第1実施の形態の場
合と同様である。
【0097】次に、図5(c)に示すように、第1実施の
形態と同様に上記ニッケル選択導入時に用いたマスク3
6aを再度利用して、リン39をスリット領域37n,3
7pに選択的にドーピングする。その場合、マスク36a
で覆われた結晶性シリコン膜35bn,35bp、結晶粒界
35c、成長先端領域35dおよびa−Si膜35にリン
39は注入されす、シード領域である結晶化領域35a
n,35apのみに注入される。そして、第2の加熱処理を
行って、ドーピングされたリン39によってシリコン中
に拡散しているニッケルを矢印(ホ),(ヘ)方向に引き寄
せて、シード領域35an,35apでトラップする。この
場合も、第1実施の形態の場合と同様に、結晶化領域3
5apから外側の結晶性シリコン膜35fp中のニッケルは
エネルギー的に安定なa−Si膜35との境界に存在し
ようとして外側に成長し続けるために、結晶性シリコン
膜35fpおよび成長先端領域35dのゲッタリング効果
は低い。尚、上記リン39のドーピング条件および第2
の加熱処理の条件は、第1実施の形態の場合と同様であ
る。
【0098】次に、図6(d)に示すように、第1実施の
形態と同様にして、上記ニッケル38を除去し、マスク
36aをゲート電極32n,32pのみを覆うようにパター
ニングしてイオン注入ストッパ膜36cn,36cpを形成
する。そして、このイオン注入ストッパ膜36cn,36c
pをマスクとしたイオンドーピング法によって、結晶性
シリコン膜35bn,35epに不純物(リン40およびホウ
素41)を注入する。その場合のリン40のドーピング
条件は第1実施の形態の場合と同様である。一方、上記
ホウ素41のドーピングは、ドーピングガスとしてジボ
ラン(B26)を用い、加速電圧を40kV〜80kV(例
えば、65kV)とし、ドーズ量を1×1015cm-2〜8×
1015cm-2(例えば、5×1015cm-2)とする。ドーピン
グに際しては、図6(d),(e)に示すように、ドーピング
が不要な領域(つまり、リン40のドーピング時にはP
チャネル型TFTの領域、ホウ素41のドーピング時に
はNチャネル型TFTの領域)をフォトレジスト42あ
るいはフォトレジスト43で覆うことによって、夫々の
元素を選択的にドーピングする。こうして、不純物が注
入された領域44n,44pは、後にNチャネル型TFT
49およびPチャネル型TFT50のソース/ドレイン
領域となる。また、イオン注入ストッパ膜36cn,36c
pでマスクされて不純物が注入されない領域45n,45p
は、後にチャネル領域となる。
【0099】次に、第1実施の形態と同様に、ニッケル
38がゲッタリングされて存在しない結晶性シリコン膜
35bn,35epを用いて、図7に示すような配置で、T
FTの活性領域(即ち、チャネル領域46n,46p、ソー
ス領域47n,47p、ドレイン領域48n,48p)となる
島状の結晶性シリコン膜35gn,35gpを形成し、図6
(f)および図7に示すように素子間分離を行う。その場
合、第1実施例の場合と同様に、TFTの活性領域のパ
ターニングを結晶性シリコン膜35bn,35epのみを用
いておこなうことによって、他の触媒元素(ニッケル)が
完全にゲッタリングされていない結晶化領域35an,3
5ap、結晶性シリコン膜35fp、結晶粒界35c等の不
要な部分のシリコン膜を全てエッチング除去することに
なり、基坂上から残留触媒元素を取り除くことができ
る。したがって、後の工程での触媒元素の汚染を完全に
抑えることができる。こうして、N型の不純物領域47
n,48nおよびP型の不純物領域47p,48pが形成さ
れ、図6(f)に示すようにNチャネル型TFT49とP
チャネル型TFT50とが形成される。
【0100】その後、第1実施の形態の場合と同様にし
て、レーザー光照射によるアニールによって、上記イオ
ン注入した不純物の活性化と不純物導入により結晶性が
劣化した領域の結晶性改善を行う。続いて、層間絶縁膜
51を形成し、コンタクトホールを形成して、金属材料
でTFTの電極配線52,53,54を形成する。最後
に、アニールを行い、図6(f)に示すNチャネル型TF
T49とPチャネル型TFT50とが完成する。尚、上
記両アニールの条件は、第1実施例の形態と同じ条件で
ある。また、両TFT49,50を保護するために、両
TFT49,50上に窒化シリコン膜等の保護膜を形成
してもよい。
【0101】<第3実施の形態> 第1,第2実施の形態においては、イオンドーピング法
によってソース/ドレイン領域を形成しているが、不純
物がドープされたシリコン膜を形成することによって、
ソース/ドレイン領域を形成してもよい。本実施例の形
態は、図8(a)に示すように、第1実施例の形態と同様
にして、イオンドーピング法によって不純物が低濃度ド
ープされた低濃度ドープシリコン膜を形成する。そし
て、さらに不純物がドープされた不純物シリコン膜を上
記低濃度ドープシリコン膜上に成膜して二層構造のソー
ス/ドレイン領域を形成することによって、LDD構造
のTFTを形成するものである
【0102】先ず、第1実施の形態における図3(a)〜
図3(c)と同様にして、図8(a)に示すようにガラス基板
61上に、ゲート電極62,陽極酸化膜63,酸化シリコ
ン膜(ゲート絶縁膜)64およびa−Si膜65を順次形
成する。さらに、触媒元素であるニッケルを用いたa−
Si膜65の結晶化(以下、結晶性シリコン膜65cとな
る)、および、触媒元素(ニッケル)を集める効果のある
元素リンによる触媒元素のゲッタリングを行う。
【0103】さらに、第1実施の形態における図4(d)
と同様にして、ニッケル添加時にマスクとして用いた酸
化シリコン膜上のニッケルを除去し、さらに、上記酸化
シリコン膜をゲート電極62のみを覆うようにパターニ
ングしてイオン注入ストッパ膜66を形成する。この場
合のイオン注入ストッパ膜66の形成方法は、第1実施
の形態と全く同じである。引き続いて、第1実施の形態
と同様にイオンドーピング法によって不純物(リン)を低
濃度注入する。ドーピングガスとしてホスフィン(P
3)を用い、ドーズ量を1×l013cm-2〜8×1013cm
-2(例えば、2×1013cm-2)とする。ここで、結晶性シ
リコン膜65cのうち不純物が注入された領域67は、
後にTFTのLDD領域となる。一方、イオン注入スト
ッパ膜66でマスクされて不純物注入されていない領域
68は、後にTFTチャネル領域となる。
【0104】次に、不純物としてリンをドープした不純
物a−Si膜69をプラズマCVD法によって20nm〜
80nm(例えば、40nmとする)形成する。ここで、リン
をドープするための原料ガスは、シラン(SiH4)とホス
フィン(PH3)との混合ガスとし、シランとホスフィン
との堆積比率を1:200とした。その後、活性化のた
めに400℃〜700℃(例えば、600℃とする)で熱
処理を行う。
【0105】以後、第1実施の形態における図4(f)と
同様にして、TFTチャネル領域以外の不要な部分のシ
リコン膜を除去して素子間分離をした後、不純物シリコ
ン膜69をゲート電極62上で分離してソース/ドレイ
ン領域を形成する。その場合に、不純物シリコン膜69
下にはイオン注入ストッパ膜66が在り、これがエツチ
ングストッパ膜となってエッチングが停止する。そのた
めに、結晶性シリコン膜65cがダメージを受けること
が無く、安定したエッチングを行うことができる。さら
に、第1実施の形態と同様にして層間絶縁膜70を形成
し、コンタクトホールを形成して電極配線71,72を
形成する。最後に、アニールを行って、図8(b)に示す
ようなLDD構造TFT73が完成する。
【0106】以上、この発明に基づく3つの実施の形態
に付いて説明した。しかしながら、この発明は上述の実
施の形態に限定されるものではなく、この発明の技術的
思想に基づく各種の変形が可能である。例えば、上記各
実施の形態においてはニッケルの添加方法としてスパッ
タ法を用いているが、ニッケル塩を溶かした溶液をスピ
ンコート法によって添加してもよい。また、触媒元素と
してニッケルを用いたが、コバルト,パラジウム,白金,
銅,銀,金,インジウム,スズ,アルミニウム,アンチモンお
よびこれらの元素の組み合わせでも同様の効果を得るこ
とができる。
【0107】
【発明の効果】以上より明らかなように、請求項1に係
る発明の半導体装置の製造方法は、絶縁表面を有する基
板上にゲート電極,ゲート絶縁膜及びa−Si膜を順次形
成し、このa−Si膜上に第1のマスクを形成し、上記
a−Si膜における第1の所定領域に触媒元素を選択的
に導入し、第1の加熱処理によって上記a−Si膜を結
晶成長させ、上記触媒元素を集める効果を持つ元素を上
記第1の所定領域に選択的に導入し、拡散している上記
触媒元素を第2の加熱処理によって上記第1の所定領域
に集め、上記結晶成長して成る結晶性シリコン膜上の上
記第1のマスクをパターニングしてゲート電極を覆う
2のマスクを形成し、この第2のマスクを用いて上記結
晶性シリコン膜の第2の所定領域に不純物元素をドープ
してソース領域とドレイン領域とを形成し、上記結晶性
シリコン膜における上記第1の所定領域以外の領域を用
いて活性領域を形成するので、絶縁表面を有する基板上
に、ゲート電極と、ゲート絶縁膜と、a−Si膜を触媒
元素を用いて結晶成長させた結晶性シリコンで成る活性
領域とが順次形成された、逆スタガ構造の半導体装置を
製造できる。
【0108】その場合に、上記ゲート絶縁膜と半導体層
(a−Si膜)とは低温デポ工程によって連続的に形成で
き、両層の界面欠陥の低減を図って安定性に優れた半導
体装置を得ることができる。さらに、特性の向上,安定
化および信頼性の確保のためにゲート絶縁膜/半導体層
形成後に行う熱処理を上記第1の加熱処理で代行するこ
とができ、スループットの向上と上記界面欠陥の低減と
を図ることができる。尚、得られる半導体装置は逆スタ
ガ構造であるため、上記半導体層/ゲート絶縁膜界面に
対する基板からの不純物を上記ゲート電極およびゲート
絶縁膜によって十分にブロッキングできる。
【0109】さらに、拡散している触媒元素を集める場
合に、触媒元素濃度が非常に高いために上記活性領域と
して使用できない第1の所定領域(触媒元素の導入領域)
に集めるようにしている。したがって、上記触媒元素が
拡散している領域と同じシリコン膜を用いて効率的に触
媒元素を移動させることができ、触媒元素のゲッタリン
グ効果を高めることができる。
【0110】さらに、上記結晶性シリコン膜上に形成さ
れて上記ゲート電極を覆う第2のマスクを、上記触媒元
素およびこの触媒元素を集める元素の選択導入用の上記
第1のマスクをパターニングして形成するので、不純物
ドープ時に使用するマスクを形成するための特別なデポ
工程を省略できる。
【0111】すなわち、この発明によれば、リーク電流
の少ない安定した特性を有する高性能で高信頼性の半導
体装置を、簡単な製造プロセスによって歩留まりよく作
成することができる。特に、液晶表示装置に適用するこ
とによって、アクティブマトリックス基板に要求される
高性能化や高集積化を満足し、同一基板上にアクティブ
マトリックス部と周辺駆動回路部とを構成するドライバ
モノリシック型アクティブマトリックス基板を実現でき
る。したがって、液晶表示モジュールのコンパクト化、
高性能化、低コスト化を図ることができる。
【0112】また、請求項2に係る発明の半導体装置の
製造方法は、絶縁表面を有する基板上にゲート電極,ゲ
ート絶縁膜およびa−Si膜を順次形成し、このa−Si
膜上に第1のマスクを形成し、上記a−Si膜における
所定領域に触媒元素を選択的に導入し、第1の加熱処理
によって上記a−Si膜を結晶成長させ、上記触媒元素
を集める効果を持つ元素を上記所定領域に選択的に導入
し、拡散している上記触媒元素を第2の加熱処理によっ
て上記所定領域に集め、上記結晶成長して成る結晶性シ
リコン膜上の上記第1のマスクをパターニングして上記
ゲート電極を覆う第2のマスクを形成し、上記結晶性シ
リコン膜及び上記第2のマスクの上に不純物シリコン膜
を形成し、この不純物シリコン膜を上記第2のマスク上
で分離してソース領域とドレイン領域とを形成し、上記
結晶性シリコン膜における上記所定領域以外の領域を用
いて活性領域を形成するので、逆スタガ構造の半導体装
置を形成できる。
【0113】したがって、請求項1に係る発明の場合と
同様に、低温デポ工程によるゲート絶縁膜と半導体層と
の連続的形成と、ゲート絶縁膜/半導体層形成後におけ
る熱処理の上記第1の加熱処理による代行を行って、ス
ループットの向上と上記両層の界面欠陥の低減とを図る
ことができる。さらに、上記触媒元素が拡散している領
域と同じシリコン膜を用いて効率的に触媒元素を移動さ
せて、触媒元素のゲッタリング効果を高めることができ
る。また、得られる半導体装置は逆スタガ構造であるた
めに、上記半導体層/ゲート絶縁膜界面に対する基板か
らの不純物を上記ゲート電極およびゲート絶縁膜によっ
て十分にブロッキングできる。
【0114】さらに、上記結晶性シリコン膜上に形成さ
れて上記ゲート電極を覆う第2のマスクを、上記触媒元
素およびこの触媒元素を集める元素の選択導入用の上記
第1のマスクをパターニングして形成するので、不純物
シリコン膜分離時に使用するマスクを形成するための特
別なデポ工程を省略できる。
【0115】また、請求項3に係る発明の半導体装置の
製造方法は、上記触媒元素を集める効果を持つ元素とし
て最も効果が大きいリンを用いるので、不純物が非常に
少なく信頼性の高い半導体装置を作成できる。
【0116】また、請求項4に係る発明の半導体装置の
製造方法は、上記a−Si膜における上記触媒元素を選
択的に導入する所定領域を少なくとも2個所設け、上記
所定領域間の間隔を上記所定領域から上記a−Si膜内
を結晶が成長する距離の2倍よりも狭くしたので、互い
に隣接する2つの触媒元素導入領域の間には、触媒元素
が最も安定して存在するa−Si膜と結晶性シリコン膜
との境界は形成されない。したがって、上記両触媒元素
導入領域の間に存在する触媒元素のゲッタリングを効果
的に行うことができる。
【0117】また、請求項5に係る発明の半導体装置の
製造方法における上記ゲート電極を覆う第2のマスクを
形成する際に行われるパターニングは、上記ゲート電極
をマスクとして自己整合的に行うので、不純物元素ドー
プ用あるいは不純物シリコン膜分離用のマスクと上記ゲ
ート電極との位置合わせ、つまりは上記ゲート電極とチ
ャネル領域との位置合わせを正確に行うことができる。
【0118】また、請求項6に係る発明の半導体装置の
製造方法は、上記不純物元素がドーピングされた結晶性
シリコン膜あるいは不純物シリコン膜に活性領域を形成
する工程は、上記第2の加熱処理後において上記触媒元
素が存在している領域の結晶性シリコン膜を除去する工
程と上記活性領域のパターニング工程とを兼ねているの
で、工程の短縮化を図ることができる。さらに、上記触
媒元素が存在していない領域の結晶性シリコン膜を用い
て上記活性領域のパターニングを行うことによって、上
記触媒元素が存在している領域の結晶性シリコン膜を一
括して完全に除去でき、上記活性領域に対する上記触媒
元素による汚染量を低減できる。
【0119】また、請求項7に係る発明の半導体装置の
製造方法は、上記不純物元素がドーピングされた結晶性
シリコン膜あるいは不純物シリコン膜に活性領域を形成
する工程は、上記触媒元素導入領域における結晶化シリ
コンと、上記触媒元素及びこの触媒元素のシリサイド化
合物が存在している結晶性シリコンとが、除去されるよ
うなエッチング工程を含んでいるので、シリコン膜中に
残っている上記触媒元素をエッチングによって完全に除
去できる。したがって、リーク電流が少なく、信頼性の
高い半導体装置を作成できる。
【0120】また、請求項8に係る発明の半導体装置の
製造方法における上記活性領域形成時に行われるエッチ
ング工程は、塩素ガスあるいはBCl3,HCl等の塩素系
ガスを用いたRIE法によって行われるので、上記シリ
コン膜,触媒元素および触媒元素のシリサイド化合物を
同時に精度よくエッチングでき、シリコン膜中に残って
いる上記触媒元素を完全に除去できる。
【0121】また、請求項9に係る発明の半導体装置の
製造方法は、上記第1の加熱処理を、上記a−Si膜に
自然核が発生しない温度および時間で行うので、成長し
た結晶性シリコンが上記自然核に衝突して曲がったり分
岐したりすることを防止できる。したがって、結晶性が
悪化したり、上記触媒元素がトラップされたりすること
がない。さらに、上記第2の加熱処理を、上記触媒元素
を集める効果を持つ元素が拡散しない温度で行うので、
上記元素の拡散を防止して、効率良く、精度よく、上記
触媒元素のゲッタリングを行うことができる。
【0122】また、請求項10に係る発明の半導体装置
の製造方法における上記第1の加熱処理を540℃〜6
00℃の温度範囲で行う一方、上記第2の加熱処理を5
80℃〜700℃の温度範囲で行うので、上記第1の加
熱処理時に上記a−Si膜中に自然核が発生することを
防止できる。さらに、上記第2の加熱処理時に上記触媒
元素を集めるための元素が結晶性シリコン中に拡散する
ことを防止できる。
【0123】また、請求項11に係る発明の半導体装置
の製造方法における上記a−Si膜の厚さは25nm以上
であるので、上記触媒元素の導入によって十分な結晶成
長を得ることができる。さらに、上記a−Si膜の厚さ
は80nm以下であるので、成長した柱状結晶は二層構造
にならず、結晶性の悪化や触媒元素の残留等の問題を防
止できる。
【0124】また、請求項12に係る発明の半導体装置
の製造方法は、上記第1の加熱処理による上記a−Si
膜の結晶成長方向を、得られる半導体装置におけるキャ
リアの移動方向と略平行にしたので、上記キャリアの移
動方向にはトラップとなるような結晶粒界は殆ど存在し
ない。したがって、より高移動度の半導体装置を得るこ
とができる。
【0125】また、請求項13に係る発明の半導体装置
の製造方法は、得られる半導体装置における上記活性領
域中の触媒元素濃度を、1×1016atoms/cm3以下にし
たので、リーク電流の増大や特性劣化等の無い半導体装
置を得ることができる。
【0126】また、請求項14に係る発明の半導体装置
の製造方法は、上記触媒元素としてNi,Co,Pd,Pt,C
u,Ag,Au,In,Sn,AlおよびSbのうち一種または複数
種の元素を用いるので、微量の触媒元素で上記a−Si
膜の結晶化助長効果を得ることができる。
【0127】また、請求項15に係る発明の半導体装置
の製造方法は、上記触媒元素として少なくともNiを用
いるので、a−Si膜の結晶成長を助長する触媒元素の
シリサイド化合物として、その結晶構造が種々の触媒元
素のシリサイド化合物中最も単結晶シリコンと類似して
おり、その格子定数も上記結晶シリコンに非常に近く、
a−Si膜の結晶化に最高の鋳型として作用するNiSi2
が形成される。したがって、上記Niのシリサイド化合
物NiSi2によって、上記a−Si膜の結晶化を大いに促
進できる。
【0128】また、請求項16に係る発明の半導体装置
の製造方法は、上記第1の加熱処理によって、半導体装
置特性の向上,安定化および信頼性の確保のために上記
ゲート絶縁膜およびアモルファスシリコン膜を形成した
後に行う熱処理を代行するので、スループットの向上と
界面欠陥の低減とを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の半導体製造装置の製造方法を適用
した画素用TFTの製造工程を示す平面図である。
【図2】 図1に続く画素用TFTの製造工程を示す平
面図である。
【図3】 図1における任意の1個のTFTに関する断
面図である。
【図4】 図2における任意の1個のTFTに関する断
面図である。
【図5】 この発明の半導体製造装置の製造方法を適用
したCMOSTFTの製造工程における任意の1個のT
FTに関する断面図である。
【図6】 図5に続くCMOSTFTの製造工程におけ
る断面図である。
【図7】 図5(b)に対応する平面図である。
【図8】 この発明の半導体製造装置の製造方法を適用
したLDD構造TFTの製造工程における任意の1個の
TFTに関する断面図である。
【符号の説明】
1,31,61…ガラス基板、 2,32n,32p,62…ゲート電極、 3,33n,33p,63…陽極酸化膜(ゲート絶縁膜)、 4,34,64…酸化シリコン膜(ゲート絶縁膜)、 5,35…a−Si膜、 5a,35an,3
5ap…結晶化領域、 5b,5e,5f,5g,35bn,35bp,35ep,35fp,65c
…結晶性シリコン膜、 5c,35c…結晶粒界、 5d,35d…成
長先端領域、 6,36…酸化シリコン膜(マスク膜)、 6a,36a…マスク、 6c,36cn,36cp,66…イオン注入ストッパ膜, 7,37n,37p…スリット領域、 8,38…ニッ
ケル(触媒元素)、 9,39…リン、 10,40…リン
(不純物)、 14,46n,46p…チャネル領域、 15,47n,4
7p…ソース領域、 16,48n,48p…ドレイン領域、 17…レーザー
光、 18,51,70…層間絶縁膜、 19…ソース電
極配線、 20…画素電極、 21…TFT、 41…ホウ素(不純物)、 42,43…フ
ォトレジスト、 49…Nチャネル型TFT、 50…Pチャネ
ル型TFT、 52〜54,71,72…電極配線、 69…不純物シ
リコン膜、 73…LDD構造TFT。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 坂本 弘美 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シャープ株式会社内 (56)参考文献 特開 平11−8393(JP,A) 特開 平10−223533(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 29/786 H01L 21/336 H01L 21/20 H01L 21/322

Claims (16)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁表面を有する基板上にゲート電極を
    形成する工程と、 上記ゲート電極を覆うゲート絶縁膜を形成する工程と、 上記ゲート絶縁膜上にアモルファスシリコン膜を形成す
    る工程と、 このアモルファスシリコン膜上に酸化シリコン膜あるい
    は窒化シリコン膜からなる第1のマスクを形成する工程
    と、 上記 アモルファスシリコン膜における上記第1のマスク
    によって設定される第1の所定領域に、当該アモルファ
    スシリコン膜の結晶化を助長する触媒元素を選択的に導
    入する工程と、 第1の加熱処理を行って、上記アモルファスシリコン膜
    を結晶成長させる工程と、 上記第1の所定領域に、上記触媒元素を集める効果を持
    つ元素を選択的に導入する工程と、 第2の加熱処理を行って、上記結晶成長して成る結晶性
    シリコン膜に拡散している上記触媒元素を上記第1の所
    定領域に集める工程と、 上記結晶性シリコン膜上の上記第1のマスクをパターニ
    ングして上記ゲート電極を覆う第2のマスクを形成する
    工程と、 上記結晶性シリコン膜における上記第2のマスクで設定
    される第2の所定領域に、3族元素あるいは5族元素を
    ドープしてソース領域とドレイン領域とを形成する工程
    と、 上記結晶性シリコン膜における上記第1の所定領域以外
    の領域を用いて、上記ソース領域とドレイン領域とを含
    む活性領域を形成する工程を備えたことを特徴とする半
    導体装置の製造方法。
  2. 【請求項2】 絶縁表面を有する基板上にゲート電極を
    形成する工程と、 上記ゲート電極を覆うゲート絶縁膜を形成する工程と、 上記ゲート絶縁膜上にアモルファスシリコン膜を形成す
    る工程と、 このアモルファスシリコン膜上に酸化シリコン膜あるい
    は窒化シリコン膜から なる第1のマスクを形成する工程
    と、 上記 アモルファスシリコン膜における上記第1のマスク
    によって設定される所定領域に、当該アモルファスシリ
    コン膜の結晶化を助長する触媒元素を選択的に導入する
    工程と、 第1の加熱処理を行って、上記アモルファスシリコン膜
    を結晶成長させる工程と、 上記所定領域に、上記触媒元素を集める効果を持つ元素
    を選択的に導入する工程と、 第2の加熱処理を行って、上記結晶成長して成る結晶性
    シリコン膜に拡散している上記触媒元素を上記所定領域
    に集める工程と、 上記結晶性シリコン膜上の上記第1のマスクをパターニ
    ングして上記ゲート電極を覆う第2のマスクを形成する
    工程と、 上記結晶性シリコン膜および第2のマスクの上に、3族
    元素あるいは5族元素がドーピングされた不純物シリコ
    ン膜を形成する工程と、 上記不純物シリコン膜を上記第2のマスク上で分離して
    ソース領域とドレイン領域とを形成する工程と、 上記結晶性シリコン膜における上記所定領域以外の領域
    を用いて、上記ソース領域とドレイン領域とに重なる活
    性領域を形成する工程を備えたことを特徴とする半導体
    装置の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1あるいは請求項2に記載の半導
    体装置の製造方法おいて、 上記触媒元素を集める効果を持つ元素としてリンを用い
    ることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1あるいは請求項2に記載の半導
    体装置の製造方法において、 上記アモルファスシリコン膜における上記触媒元素を選
    択的に導入する所定領域は、所定の間隔で設けられた少
    なくとも2個所の領域であり、 上記所定の間隔は、上記所定領域から上記アモルファス
    シリコン膜内を結晶が成長する距離の2倍よりも狭くな
    っていることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1あるいは請求項2に記載の半導
    体装置の製造方法において、 上記ゲート電極を覆う第2のマスクを形成する際に行わ
    れるパターニングは、上記触媒元素およびこの触媒元素
    を集める元素の選択導入時に用いる上記第1のマスク上
    にポジ型のフォトレジストを塗布し、基板裏面より露光
    して現像した後に上記露光されない部分を除去し、残っ
    たフォトレジストを用いて行うことを特徴とする半導体
    装置の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1あるいは請求項2に記載の半導
    体装置の製造方法において、 上記3族元素あるいは5族元素がドーピングされた上記
    結晶性シリコン膜あるいは不純物シリコン膜に活性領域
    を形成する工程は、上記第2の加熱処理後において上記
    触媒元素が存在している領域の結晶性シリコン膜を除去
    する工程と上記活性領域のパターニング工程とを兼ねて
    いることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1あるいは請求項2に記載の半導
    体装置の製造方法において、 上記3族元素あるいは5族元素がドーピングされた上記
    結晶性シリコン膜あるいは不純物シリコン膜に活性領域
    を形成する工程は、上記触媒元素導入領域における結晶
    化シリコンと、上記触媒元素およびこの触媒元素のシリ
    サイド化合物が存在している結晶性シリコンとが、除去
    されるようなエッチング工程を含んでいることを特徴と
    する半導体装置の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の半導体装置の製造方法
    において、 上記エッチング工程は、塩素ガスあるいはBCl3,HCl
    等の塩素系ガスを用いたリアクティブ・イオン・エッチン
    グ法によって行われることを特徴とする半導体装置の製
    造方法。
  9. 【請求項9】 請求項1あるいは請求項2に記載の半導
    体装置の製造方法において、 上記第1の加熱処理は、上記触媒元素が上記アモルファ
    スシリコン膜中を拡散でき、且つ、上記アモルファスシ
    リコン膜に自然核が発生しないような温度および時間で
    行われ、 上記第2の加熱処理は、上記結晶性シリコン膜中を触媒
    元素は拡散するが、上記触媒元素を集める効果を持つ元
    素は拡散しないような温度で行われることを特徴とする
    半導体装置の製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載の半導体装置の製造方
    法において、 上記第1の加熱処理は、540℃〜600℃の温度範囲
    内で行なわれ、 上記第2の加熱処理は、580℃〜700℃の温度範囲
    内で行われることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  11. 【請求項11】 請求項1あるいは請求項2に記載の半
    導体装置の製造方法において、 上記アモルファスシリコン膜の厚さは、25nm以上80
    nm以下であることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  12. 【請求項12】 請求項1あるいは請求項2に記載の半
    導体装置の製造方法において、 上記第1の加熱処理による上記アモルファスシリコン膜
    の結晶成長方向は、得られる半導体装置におけるキャリ
    アの移動方向と略平行であることを特徴とする半導体装
    置の製造方法。
  13. 【請求項13】 請求項1あるいは請求項2に記載の半
    導体装置の製造方法において、 得られる半導体装置における活性領域中の触媒元素濃度
    は、1×1016atoms/cm3以下であることを特徴とする
    半導体装置の製造方法。
  14. 【請求項14】 請求項1あるいは請求項2に記載の半
    導体装置の製造方法において、 上記アモルファスシリコン膜の結晶化を助長する触媒元
    素は、ニッケル,コバルト,パラジウム,白金,銅,銀,金,
    インジウム,錫,アルミニウムおよびアンチモンのうち一
    種または複数種の元素であることを特徴とする半導体装
    置の製造方法。
  15. 【請求項15】 請求項14に記載の半導体装置の製造
    方法において、 上記触媒元素として、少なくともニッケルを用いること
    を特徴とする半導体装置の製造方法。
  16. 【請求項16】 請求項1あるいは請求項2に記載の半
    導体装置の製造方法において、 上記第1の加熱処理によって、上記ゲート絶縁膜および
    アモルファスシリコン膜を形成した後の熱処理を代行す
    ることを特徴とする半導体装置の製造方法。
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