JP3418438B2 - インフレーションフィルム及びその製造方法 - Google Patents

インフレーションフィルム及びその製造方法

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JP3418438B2 JP29575293A JP29575293A JP3418438B2 JP 3418438 B2 JP3418438 B2 JP 3418438B2 JP 29575293 A JP29575293 A JP 29575293A JP 29575293 A JP29575293 A JP 29575293A JP 3418438 B2 JP3418438 B2 JP 3418438B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、各種の袋など様々な用
途に使用することのできるインフレーションフィルムに
関するもので、特に、高い強度と、優れた滑り性と透明
性を兼ね備えたものに関するものである。
【0002】
【従来の技術】エチレンと、炭素数3〜18のα−オレ
フィンとの共重合体は、直鎖状の分子構造をとり、0.
940g/cm3以下の密度を有しており、直鎖状低密度ポ
リエチレン(LLDPE)として知られている。このよ
うな直鎖状低密度ポリエチレンは高密度ポリエチレン
(HDPE)と比較して透明性、耐衝撃性、耐クリープ
性に優れ、また高圧法低密度ポリエチレン(LDPE)
と比較して耐衝撃性、耐クリープ性に優れており、包袋
材料、特にフィルム、ラミネーションなどの分野で広く
用いられている。しかしながら、フィルム材料としての
直鎖状低密度ポリエチレンは高密度ポリエチレン、高圧
法低密度ポリエチレンと比較して溶融時における流動性
が悪く、成形加工性に劣るという問題があった。即ち、
直鎖状低密度ポリエチレンは、流動時のニュートン性が
極めて高く、高剪断速度領域において剪断応力が大き
く、成形時にメルトフラクチャーを生じやすく、高速成
形性に劣るとともに、成形加工時に流動のための所要エ
ネルギが大きいという問題があった。また、直鎖状低密
度ポリエチレンは、溶融伸張変形時の抵抗力すなわち溶
融張力(メルトテンション)が極めて小さく、このため
インフレーション成形時にバブルを安定的に膨張するこ
とができないという問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような問題点を解
決するために、直鎖状低密度ポリエチレンに10〜50
重量%の低密度ポリエチレンを配合してフィルムの成形
が行なわれている。しかしながら、直鎖状低密度ポリエ
チレンに低密度ポリエチレンを配合すると、流動性ある
いはメルトテンションは多少改善されるものの、直鎖状
低密度エチレン・α−オレフィン共重合体フィルムが本
来有する優れた強度、滑り性、透明性が安定的に得られ
ないという新たな問題が生じるものであった。滑り性が
低下すると、インフレーションフィルムで袋などを製造
した際に、袋の開口部を開くことが困難となり(即ち、
開口性が低下する)、また、透明性が低下すると、袋の
中の内容物が見にくくなり、包袋材料として好ましくな
くなってしまう。また、一般に滑り性と透明性は相反す
る特性であり、滑り性を高めようとすると透明性が低下
してしまうことがある。たとえば、滑り性を高めるため
に、樹脂組成物中にシリカなどのブロッキング防止剤を
混入する手段があるが、こうしたブロッキング防止剤を
混入すると、その分だけ透明性が低下してしまう。
【0004】本発明は前記課題を解決するためになされ
たもので、高い強度と、優れた滑り性と透明性を兼ね備
えたインフレーションフィルムを提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明のインフレーショ
ンフィルムは、数平均分子量に対する重量平均分子量の
比が1.5〜4.5の直鎖状低密度ポリエチレンを100
重量部と、高圧法低密度ポリエチレンを0.01〜30.
0重量部とを有した樹脂組成物からなるインフレーショ
ンフィルムであって、表面の結晶ラメラの集積体の粒径
が10〜70nm、動摩擦係数が0.1以下のものであ
る。
【0006】また、本発明のインフレーションフィルム
の製造方法は、数平均分子量に対する重量平均分子量の
比が1.5〜4.5の直鎖状低密度ポリエチレンを100
重量部と、高圧法低密度ポリエチレンを0.01〜30.
0重量部とを有した樹脂組成物を用いて、引取速度を2
0〜120m/min、バブルのブロー比を2.0〜4.0、
フロストラインの高さを100〜700mmでインフレー
ション成形を行なうことを特徴とするものである。
【0007】この際に、直鎖状低密度ポリエチレンが、
密度が0.895〜0.940g/cm3、メルトフローレイ
トが0.1〜90g/10minのエチレンと、炭素数が3〜1
8のα−オレフィンとの共重合体であることが望まし
い。
【0008】さらにまた、このα−オレフィンが、プロ
ピレン、ブテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1、4
メチルペンテン−1の群から選ばれる少なくとも1種
のオレフィンであることが望ましい。
【0009】
【作用】以下に本発明をさらに詳細に説明する。本発明
のインフレーションフィルムは、その表面にある結晶ラ
メラの集積体の粒径を10〜70nm、より好ましくは1
0〜50nmとしたものである。この範囲であれば、フィ
ルム表面どうしの摩擦係数が0.1未満になり、滑り性
が良好で優れた開口性を得ることができる。結晶ラメラ
の集積体の粒径Lが10nm未満ではフィルム表面どうし
の密着性が高くなり、開口性が低下する。一方、結晶ラ
メラの集積体の粒径Lが70nmを超えると、フィルム表
面どうしの摩擦係数が増大する。また、粒径Lが70nm
よりも大きいと、シリカなどのブロッキング防止剤を添
加しても、フィルムの表面に凹凸状に突出している結晶
ラメラの集積体の粒径の方がブロッキング防止剤の粒径
よりも大きく、ブロッキング防止剤がその効果を発揮す
ることがができず、開口性を向上することができない。
また、フィルム表面の結晶ラメラの集積体の粒径Lが大
きいと、フィルム表面での光の乱反射が多くなり、透明
性が低下する。尚、結晶ラメラの集積体の粒径Lは、た
とえば、米国デジタルインストルメント(Digital Inst
ruments)社の原子間力顕微鏡ナノスコープ(Nano scop
eII)AFMにより測定できる。この原子間力顕微鏡
は、カンチレバー先端の探針を試料表面に極近づけた際
(数十オングストローム)に、探針と試料の間に生じる
原子間力を利用するもので、この探針と試料の間にはた
らく原子間力を検出、制御することにより、試料表面を
画像化するものである。
【0010】本発明のインフレーションフィルムでは、
その表面の結晶ラメラの集積体の粒径(L=10〜70
nm)が、直鎖状低密度ポリエチレンの粒径(L=100
〜300nm)に比べて小さいので、フィルムの表面が平
滑であり、摩擦係数が0.1以下となり、またフィルム
の外部ヘイズ値を小さくすることができる。さらに、フ
ィルムの内部の微結晶の粒径も同時に小さくなり、フィ
ルムの内部ヘイズ値をも小さくすることができる。さら
に、このような結晶粒径サイズの微小化および弾性率が
増大することにより、フィルムの表面の密着性が発現す
る。また、直鎖状低密度ポリエチレンが100重量部あ
るので、直鎖状低密度ポリエチレンフィルムの有する優
れた性質である高強度は保持される。
【0011】本発明で用いる直鎖状低密度ポリエチレン
は、数平均分子量(MN)に対する重量平均分子量
(MW)の比が1.5〜4.5、好ましくは1.5〜3.5
である。この比、MW/MNが1.5未満であると、流動
性が低下してフィルムの成形性が悪くなり、MW/MN
3.5を超えると結晶化速度の低下によりフィルムの表
面に凹凸状に突出する結晶ラメラの集積体の粒径サイズ
Lが70nmより大きくなり、フィルムの表面どうしの摩
擦係数が増大し、フィルムの開口性が悪くなると共に、
透明性も悪くなるからである。
【0012】また、本発明での直鎖状低密度ポリエチレ
ンは、エチレンと、炭素数3〜18より好ましくは炭素
数3〜8のα−オレフィンとの共重合体であることが望
ましい。ここでエチレンは、密度が0.895〜0.94
0g/cm3のものが好ましく、より好ましくは0.900〜
0.930g/cm3であり、さらにより好ましくは0.91
0〜0.925g/cm3である。密度が0.895g/cm3未満
では耐衝撃性、耐クリープ性が低下し、0.940g/cm3
を超えると、透明性が低下する傾向があるからである。
また、エチレンは、190℃におけるメルトフローレイ
ト(MFR)が0.1〜90g/10minのものが好ましく、
0.1〜10g/10minであればより好ましい。メルトフロ
ーレイトが0.1g/10min未満では流動性(フィルムの成
形性)が低下し、90g/10minを超えると、溶融張力
(フィルムの成形性)が低下するからである。α−オレ
フィンにおいて、その炭素数を3〜18としたのは、炭
素数が18を超えると、耐衝撃性、耐クリープ性が低下
する傾向があるからである。炭素数が3〜18のα−オ
レフィンとしては、プロピレン、ブテン−1、4−メチ
ル−ペンテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、オク
テン−1などが用いられる。これらのα−オレフィンは
単独であるいは組み合わせて用いられる。
【0013】この直鎖状低密度ポリエチレンでは、エチ
レンから導かれる構成単位は93〜99モル%、より好
ましくは95〜99モル%、さらに好ましくは96〜9
8モル%の量で存在する。また、炭素数3〜18のα−
オレフィンから導かれる構成単位は、1〜7モル%、好
ましくは1〜5モル%、さらに好ましくは2〜3モル%
の量で存在する。エチレンが導かれる構成単位が93モ
ル%未満では耐衝撃性、耐クリープ性が低下し、99モ
ル%を超えると透明性が低下する傾向がある。
【0014】また、直鎖状低密度ポリエチレンを100
重量部に対して高圧法低密度ポリエチレンが0.01〜
30重量部の範囲で使用される。高圧法低密度ポリエチ
レンの添加量が0.01重量部未満では実質上、当該組
成物の結晶ラメラの集積体の粒径サイズLを10nm〜7
0nmの範囲にすることが困難であり、特に粒径Lが70
nm以上になり易く、優れた開口性と透明性を発現するこ
とができないからである。また、低密度ポリエチレンの
添加量が30重量部を超えると、直鎖状低密度ポリエチ
レン固有の優れた耐衝撃性、耐クリープ性を発現するこ
とができない。また、高圧法低密度ポリエチレンは、密
度が0.900〜0.930g/cm3のものが好ましい。密
度が0.900g/cm3未満では耐衝撃性、耐クリープ性が
低下し、0.930g/cm3を超えると透明性が低下するか
らである。
【0015】尚、本発明に係る直鎖状低密度ポリエチレ
ン組成物には、必要に応じて安定剤、帯電防止剤、顔料
等の着色剤、その他の添加剤を本発明の目的を損なわな
い範囲で添加することができる。この添加は、フィルム
成形時に添加しても、直鎖状低密度ポリエチレン組成物
の製造時に添加しても良い。本発明のフィルムの厚さ
は、その使い易さの点から10〜20μmが好ましく、
30〜100μmであればより好ましい。
【0016】本発明のインフレーションフィルムは、上
記直鎖状低密度ポリエチレンと高圧法低密度ポリエチレ
ンを直接空冷式インフレーションフィルム成形機に装着
された押出機内で混練とフィルム成形を同時に行なうこ
とにより、製造することができる。この方法は経済的に
も優れている。また、バンバリーミキサー等の混練機を
用いて、直鎖状低密度ポリエチレンと高圧法低密度ポリ
エチレンを混練し、それを通常の空冷式インフレーショ
ンフィルム成形機によってフィルム成形を行なってもよ
い。インフレーション成形としては、たとえば、直鎖状
低密度ポリエチレンと低密度ポリエチレンを混合し、1
50〜250℃の温度で押出機よりサーキュラーダイを
通して押し出し、空冷式エアーリングより吹き出す空気
に接触させて急冷し、固化させてピンチロールで引き取
った後、枠に巻き取ることにより行なわれる。その際の
成形条件としては、フィルムの引取速度を20〜120
m/minとして、インフレーション成形を行なう際のブロ
ー比を2.0〜4.0とする。2.2〜3.0とすればより
好ましい。ブロー比が2.0未満では樹脂の流れに対し
て垂直な方向(TD方向)に十分な配向が得られず、樹
脂の流れ方向(MD方向)に結晶ラメラの集積体の成長
が急激に増大する。その結果、集積体の粒径Lを10〜
70nmの範囲にすることが困難となる。特に、粒径が7
0nm以上になり、優れた開口性、透明性を発現すること
ができない。一方、ブロー比が4.0を超えると、成形
時にバブルの振動が大きくなり、成形安定性が失われ
る。
【0017】また、インフレーション成形を行なう際で
のフロストライン高さは100mm〜700mm、より好ま
しくは300mm〜600mmとする。フロストライン高さ
が100mm未満では強い風量の冷却エアーが必要とな
り、成形時のバブルの振動が大きくなり、成形安定性が
失われる。フロストライン高さが700mmを超えると、
弱い風量の冷却エアーでバブルが除冷されるため、結晶
ラメラの集積体の成長が急激に増大する。その結果、集
積体の粒径Lを10nm〜70nmの範囲にすることが困難
となる。特に、70nm以上の粒径Lになり、優れた開口
性、透明性を発現することが困難となる。なお、成形温
度は、通常の温度条件、すなわち樹脂の流動開始温度、
劣化温度などを考慮し、適宜選択されるが、一般的には
150〜250℃の範囲の混練温度が用いられる。
【0018】
【実施例】空冷式インフレーション成形法により、直
接、押出機内で直鎖状低密度ポリエチレンと高圧法低密
度ポリエチレンを混練し、同時にインフレーション成形
を行ないフィルムを製造した。インフレーションフィル
ムの成形に使用した直鎖状低密度ポリエチレンと高圧法
低密度ポリエチレンの配合量および直鎖状低密度ポリエ
チレンのMW/MNと、成形条件を表1に示す。また、実
施例1〜12及び比較例1〜10において、直鎖状低密
度ポリエチレンには、密度が0.920g/cm3、メルトフ
ローレイトが1.0g/10minであるエチレンと、炭素数が
4のα−オレフィン共重合体を用いた。また、高圧法低
密度ポリエチレンとしては、密度が0.920g/cm3のも
のを用いた。また、各フィルムは空冷式インフレーショ
ン成形機により厚さ30μmに成膜した。また、成形温
度は200℃とした。表1,2に、得られた各フィルム
の表面の結晶ラメラの粒径Lと、摩擦係数、ヘイズ値、
衝撃強度を測定した結果を示す。
【0019】尚、数平均分子量(MN)及び重量平均分
子量(MW)は、ゲル・パーミエーションクロマトグラ
フィにより、カラムはショーデックス(Shodex)A−8
0M(1本)を使用し、溶媒としてオクトジクロルベン
ゼンを用い、温度140℃、流速1.0ml/minで測定し
た。試料濃度は0.05wt/vol%である。また単
分散ポリスチレン分子量基準で分子量校正を行なった。
また、密度の測定は、直鎖状低密度ポリエチレンパウダ
ーをASTM記号D1928−68ポリエチレンの圧縮
成形試験片の作成方法に準拠してブレスシートとし、こ
れを用いて密度勾配法にて測定した。また、メルトフロ
ーレイトは、ASTM D1238Eに、摩擦係数はA
STM D1894に、ヘイズ値はASTM D100
4に、衝撃強度はASTMD781に準拠して測定し
た。
【0020】
【表1】
【0021】
【表2】
【0022】表1,2に示す結果から、実施例1,2で
は結晶ラメラの集積体の粒径サイズLは50nmと65nm
になり、摩擦係数は0.05と0.04と小さく、滑り性
が良好で、開口性に優れていることがわかる。さらに、
ヘイズ値は小さく、衝撃強度は高く、フィルムとして好
ましいを物性を示している。しかしながら、比較例1で
は、高圧法低密度ポリエチレンを用いず、比較例2では
直鎖状低密度ポリエチレンのMW/MNが5.5と大きい
ものを用い、比較例3ではブロー比が1.0と小さいの
ものを用い、比較例4ではフロストラインが900mmと
大きいものを用いたので、いずれも結晶ラメラの集積体
の粒径サイズLが70nmよりも大きく、摩擦係数も0.
1以上の高い値を示した。また、ヘイズ値が大きく、衝
撃強度が小さく、フィルムとして不適当な物性を示し
た。
【0023】したがって、本発明の方法でインフレーシ
ョンフィルムを製造すれば、フィルムの表面の結晶ラメ
ラの集積体の粒径が10〜70nmとなり、よって動摩擦
係数が0.1以下の小さい値となる。したがって、滑り
性が良好で開口性に優れる。また、表面の結晶ラメラの
集積体の粒径が小さいことから、乱反射が抑えられ、高
い透明性も有している。さらにまた、本実施例のインフ
レーションフィルムでは、強度の高い直鎖状低密度ポリ
エチレンが多く含まれているので、高い強度を有する。
また、本実施例で用いる直鎖状低密度ポリエチレンは、
数平均分子量(MN)に対する重量平均分子量(MW)の
比が、1.5〜4.5の範囲内であるので、成形性が良好
で、かつ結晶ラメラの集積体の粒径サイズの巨大化を防
ぐことができる。
【0024】
【発明の効果】本発明のインフレーションフィルムは、
数平均分子量に対する重量平均分子量の比が1.5〜4.
5の直鎖状低密度ポリエチレンを100重量部と、高圧
法低密度ポリエチレンを0.01〜30.0重量部とを有
した樹脂組成物からなるインフレーションフィルムであ
って、表面の結晶ラメラの集積体の粒径が10〜70n
m、動摩擦係数が0.1以下のものである。
【0025】このインフレーションフィルムは、成形条
件を引取速度が20〜120m/min、バブルのブロー比
を2.0〜4.0、フロストラインの高さを100〜70
0mmとしたインフレーション成形を行なうことで安定し
て製造され得る。
【0026】この本発明のインフレーションフィルム
は、表面にある結晶ラメラの集積体の粒径が直鎖状低密
度ポリエチレンの粒径に比べて小さく、フィルム表面が
平滑化されており、摩擦係数が0.1以下であり、滑り
性が高く、袋の開口部を開放することが容易である。さ
らに、結晶ラメラの集積体の粒径が小さいことから、表
面での光の乱反射が小さく、高い透明性を有する。さら
にまた、本発明のインフレーションフィルムは、その成
分の多くを直鎖状低密度ポリエチレンが占めるので、高
い強度を有している。したがって、本発明のインフレー
ションフィルムは、高い強度と、優れた滑り性および透
明性を兼ね備えたもので、多くの分野で有用とされるも
のである。特に、本願発明は、フィルムの表面の結晶ラ
メラの粒径に着目することによって、滑り性と透明性を
共に向上させたものであり、従来にない画期的な発明で
ある。
【0027】特に、直鎖状低密度ポリエチレンを、密度
が0.895〜0.940g/cm3、メルトフローレイトが
0.1〜90g/10minのエチレンと、炭素数が3〜18の
α−オレフィンとの共重合体としたり、さらには、この
α−オレフィンを、プロピレン、ブテン−1、ヘキセン
−1、オクテン−1、4−メチルペンテン−1の群から
選ばれる少なくとも1種のオレフィンとすることによっ
てより、上記本願発明の効果を顕著にすることができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小野田 武士 神奈川県川崎市川崎区千鳥町3−2 昭 和電工株式会社川崎樹脂研究所内 (72)発明者 鷹 敏雄 神奈川県川崎市川崎区千鳥町3−2 昭 和電工株式会社川崎樹脂研究所内 (56)参考文献 特開 平1−295824(JP,A) 特開 平2−121829(JP,A) 特開 平2−133433(JP,A) 特開 平2−276834(JP,A) 特開 平2−289631(JP,A) 特開 平3−243636(JP,A) 特開 平5−192996(JP,A) 特開 平5−261810(JP,A) 特開 平5−261811(JP,A) 特開 昭61−115944(JP,A) 特開 昭63−199242(JP,A) 特開 昭63−218749(JP,A) 特開 昭64−18625(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29C 55/00 - 55/30 C08L 1/00 - 101/16 C08J 5/18

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 密度が0.895〜0.940g/cm 3 、メ
    ルトフローレイトが0.1〜90g/10minのエチレンと、
    炭素数が3〜18のα−オレフィンとの共重合体であ
    り、数平均分子量に対する重量平均分子量の比が1.5
    〜4.5の直鎖状低密度ポリエチレンを100重量部
    と、密度が0.900〜0.930g/cm 3 高圧法低密度
    ポリエチレンを0.01〜30.0重量部とを有した樹脂
    組成物からなるインフレーションフィルムであって、表
    面の結晶ラメラの集積体の粒径が10〜70nm、動摩擦
    係数が0.1以下であることを特徴とするインフレーシ
    ョンフィルム。
  2. 【請求項2】 密度が0.895〜0.940g/cm 3 、メ
    ルトフローレイトが0.1〜90g/10minのエチレンと、
    炭素数が3〜18のα−オレフィンとの共重合体であ
    り、数平均分子量に対する重量平均分子量の比が1.5
    〜4.5の直鎖状低密度ポリエチレンを100重量部
    と、密度が0.900〜0.930g/cm 3 高圧法低密度
    ポリエチレンを0.01〜30.0重量部とを有した樹脂
    組成物を用いて、 引取速度を20〜120m/min、バブルのブロー比を2.
    0〜4.0、フロストラインの高さを100〜700mm
    でインフレーション成形を行なって、表面の結晶ラメラ
    の集積体の粒径を10〜70nm、動摩擦係数を0.1以
    下とすることを特徴とするインフレーションフィルムの
    製造方法。
  3. 【請求項3】 前記α−オレフィンが、プロピレン、ブ
    テン−1、ヘキセン−1、オクテン−1、4−メチルペ
    ンテン−1の群から選ばれる少なくとも1種のオレフィ
    ンであることを特徴とする請求項記載のインフレーシ
    ョンフィルム。
  4. 【請求項4】 前記α−オレフィンが、プロピレン、ブ
    テン−1、ヘキセン−1、オクテン−1、4−メチルペ
    ンテン−1の群から選ばれる少なくとも1種のオレフィ
    ンであることを特徴とする請求項記載のインフレーシ
    ョンフィルムの製造方法。
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