JP2859356B2 - 多孔性フイルム - Google Patents

多孔性フイルム

Info

Publication number
JP2859356B2
JP2859356B2 JP3733490A JP3733490A JP2859356B2 JP 2859356 B2 JP2859356 B2 JP 2859356B2 JP 3733490 A JP3733490 A JP 3733490A JP 3733490 A JP3733490 A JP 3733490A JP 2859356 B2 JP2859356 B2 JP 2859356B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
weight
less
parts
density
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP3733490A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH03243636A (ja
Inventor
敏雄 藤井
和広 加藤
祐 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Priority to JP3733490A priority Critical patent/JP2859356B2/ja
Publication of JPH03243636A publication Critical patent/JPH03243636A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2859356B2 publication Critical patent/JP2859356B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
  • Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は多孔性フイルムに関する。詳しくは衣料用、
医療用、濾過材料用等の通気性シートとして用いた場合
に好適なポリオレフィン樹脂に充填剤を配合した組成物
を用いてなる多孔性フイルムに関するものである。
(従来の技術) ポリオレフィン樹脂に充填剤を配合し、溶融成形して
得られたフイルム又はシートを一軸延伸する試みは、多
孔性フイルムを製造する手段として従来から数多く実施
されている。しかしながら、これらのフイルムでは、フ
イルム物性の異方性、特に縦方向(延伸方向)と横方向
の引っ張り強度のバランス及び面強度に問題が残ってい
る。
フイルム物性の異方性及び面強度を改良する一つの方
法としては、できるだけ低倍率で延伸を行い、多孔性を
実現させることであるが、未だ満足し得る結果が得られ
ていない。また、原反を二軸延伸することが考えられる
が設備コストが高く、また延伸条件の範囲が狭いために
運転管理が厳しいという問題がある。
本発明者等は、上記の問題を解決するため検討した結
果、さきに特定の線状ポリエチレンをラジカル発生剤で
架橋変性したものに充填剤を配合した組成物を、特定の
条件で成形し一軸延伸することにより上記欠点が改良さ
れた多孔性フイルムが得られることを見出した(特願平
1−19317号)。
この方法によれば、上記の欠点は大幅に改良される
が、フイルムの引裂強度が不充分で、フイルムの用途に
よっては、なお改良すべき問題があることが判明した。
(発明が解決しようとする課題) 本発明はこれらの問題点を解決して、一軸延伸におい
て引っ張り強度と透湿性の物性バランスが良好で面強度
が大きく、しかも改良された引裂強度を有する多孔性フ
イルムを提供することを目的とするものである。
(課題を解決するための手段) 本発明者等は、上述の目的を達成するために鋭意検討
した結果、特定物性のポリエチレン素材を組合わせて架
橋変性し、充填剤を配合して特定の条件により成形及び
延伸することにより得られる特定の物性の多孔性フイル
ムが、上記の目的に適合することを確認し本発明を達成
した。即ち本発明の要旨は、(イ)密度が0.91〜0.965g
/cm3、メルトインデックスが20g/10分以下、流動比が70
以下の線状ポリエチレン100〜50重量部、(ロ)メルト
インデックスが20g/10分以下、流動比が70以下の分岐状
低密度ポリエチレン0〜50重量部、上記(イ)の線状ポ
リエチレンと(ロ)の分岐状低密度ポリエチレンとの合
計量100重量部に対して、(ハ)密度が0.91g/cm3未満の
エチレン−α−オレフィン共重合体5〜40重量部、ラジ
カル発生剤0.0001〜0.1重量部及び充填剤100〜400重量
部を配合してなる組成物を用い、架橋反応を行なった後
または架橋反応を行ないつつ、ブローアップ比を2〜
8、フロストラインの高さをダイの環状スリットの直径
の2〜50倍としてインフレーション成形し、得られたフ
イルムをフイルムの引き取り方向に延伸倍率を1.2倍以
上として一軸延伸することにより得られた厚さ90μ以下
の多孔性フイルムであって、フイルムの縦方向及び横方
向の剛軟度が共に50mm以下であり、透湿度が1500g/m2
24hr以上であり、フイルムの縦方向のエルメンドルフ引
裂強度が10kg・cm/cm2以上であり、かつ面強度が次式 面強度[kg]≧35×フイルム厚み[mm] を満足することを特徴とする多孔性フイルムに存する。
以下本発明を詳細に説明する。
本発明における樹脂成分は、(イ)特定の線状ポリエ
チレン単独か又はこの線状ポリエチレン及び(ロ)特定
の分岐状低密度ポリエチレンの混合物と、特定割合の
(ハ)特定のエチレン−α−オレフィン共重合体との混
合物からなるものである。
上記(イ)の線状ポリエチレンとしては、密度が0.91
〜0.95g/cm3の線状低密度ポリエチレン及び密度が0.965
g/cm3以下の高密度ポリエチレンが挙げられる。
線状低密度ポリエチレンは、エチレンと他のα−オレ
フィンとの共重合物であり、従来の高圧法により製造さ
れる分岐状低密度ポリエチレンとは相違する。線状低密
度ポリエチレンは、例えばエチレンと、その4〜17重量
%程度、好ましくは5〜15重量%程度のブテン、ヘキセ
ン、オクテン、デセン、4−メチルペンテン−1等の他
のα−オレフィンとを、中低圧法高密度ポリエチレン製
造に用いられるチーグラー型触媒又はフィリップス型触
媒を用いて共重合することにより製造される。このもの
は、従来の高密度ポリエチレンを共重合成分により短い
枝分れ構造とし、密度もこの短鎖枝分れを利用して適当
に低下させて0.91〜0.95g/cm3程度としたものであり、
従来の分岐状低密度ポリエチレンよりも直鎖性があり、
高密度ポリエチレンよりも枝分れが多い構造のポリエチ
レンである。この線状低密度ポリエチレンは、高温高圧
下でラジカル重合により製造される高圧法低密度ポリエ
チレンに比べて引張り強さ、衝撃強度、剛性等の強度特
性、耐環境応力亀裂性(ESCR)、耐熱性、ヒートシール
性等に優れた特性を有しており、近年様々な分野で用い
られている。特にフイルム分野では、その物性上の優位
性により高圧法低密度ポリエチレンから線状低密度ポリ
エチレンへの代替が急速に進んでいる。
本発明における(イ)の線状ポリエチレンとしては、
上記の線状低密度ポリエチレンの外、線状の高密度ポリ
エチレンも使用できるが、その密度が0.965g/cm3以下で
あることを要する。
即ち、上記(イ)の線状ポリエチレンの密度は、0.91
0〜0.965g/cm3、特に0.915〜0.930g/cm3の範囲であるの
が好ましい。密度が上記範囲よりも高いと耐衝撃性及び
柔軟性が低下し、逆に密度が上記範囲よりも低いと柔軟
性は優れるものの多孔性、寸法安定性及び耐抗張力が低
下する。また、これら線状ポリエチレンのメルトインデ
ックスは20g/10分以下、好ましくは10g/10分以下、より
好ましくは0.1〜5g/10分の範囲であり、更に線状ポリエ
チレンの流動比は70以下、特に10〜50の範囲のものが好
適に使用される。メルトインデックスが上記よりも高い
と引張り強度及び面強度が低下するので好ましくない。
また、流動比が上記よりも高いと面強度が低下するので
好ましくない。
なお、本発明におけるメルトインデックスは、JIS K
6760の引用規格であるJIS K 7210の表1の条件4に準拠
して測定した値である。また流動比とは上記メルトイン
デックス測定器を用いせん断力106ダイン/cm3(荷重111
31g)と105ダイン/cm3(荷重1113g)の押出量(g/10
分)の比であり、 で算出される。更に、密度はJIS K 6760に準拠して測定
した値である。
流動比は使用される樹脂の分子量分布の目安であり、
流動比の値が小さければ分子量分布は狭く、流動比の値
が大きければ分子量分布は広いことを表わしている。
本発明における前記(ロ)の樹脂成分である、分岐状
低密度ポリエチレンは、エチレンホモポリマー及びエチ
レンと他の共重合成分との共重合体を包含する。共重合
成分としては酢酸ビニル、エチルアクリレート、メチル
アクリレート等のビニル化合物、プロピレン、4−メチ
ルペンテン−1、ヘキセン、オクテン等の炭素数3以上
のオレフィン類が挙げられる。共重合成分の共重合量と
しては、0.5〜18重量%、好ましくは2〜10重量%程度
である。これらの分岐状低密度ポリエチレンは通常の高
圧法(1000〜3000kg/cm2)により、酸素、有機過酸化物
等のラジカル発生剤を用いてラジカル重合させることに
より得られたものであるのが望ましい。
(ロ)の分岐状低密度ポリエチレンの使用は必須では
ないけれども、(イ)の線状ポリエチレンを主成分と
し、これに前記(ロ)の分岐状低密度ポリエチレンを特
定量配合すると、フイルム成形性及び延伸性が向上する
ので望ましい。分岐状低密度ポリエチレンはメルトイン
デックスが20g/10分以下、好ましくは10〜1g/10分の範
囲であり、またその流動比は70以下、特に30〜70の範囲
のものが好適に使用される。メルトインデックス及び流
動比が夫々上記よりも高い場合にはフイルムの面強度が
低下するので好ましくない。さらに分岐状低密度ポリエ
チレンの密度は、0.930g/cm3以下、特に0.915〜0.925g/
cm3の範囲であるのが面強度の向上の点から好ましい。
(イ)の線状ポリエチレンと、(ロ)の分岐状低密度ポ
リエチレンとの配合割合は、線状ポリエチレン100〜50
重量部、好ましくは95〜80重量部に対して、分岐状低密
度ポリエチレン0〜50重量部、好ましくは5〜20重量部
である。
本発明の樹脂成分としては、(イ)の線状ポリエチレ
ン単独、あるいは(イ)の線状ポリエチレンと上記割合
の(ロ)の分岐状低密度ポリエチレンとの混合物に加え
て、両者の合計量100重量部に対し、(ハ)密度が0.91g
/cm3未満のエチレン−α−オレフィン共重合体5〜40重
量部、好ましくは10〜35重量部を配合したものを使用す
ることが必要である。これにより、後述する方法により
得られる多孔性フイルムの強度特性、特に引裂強度が改
良され、成形性及び延伸性が一層改善される。
(ハ)のエチレン−α−オレフィン共重合体として
は、通常エチレンと炭素数3以上のα−オレフィンとの
共重合体であって、その密度が0.91g/cm3未満、好まし
くは0.85〜0.90g/cm3のものであり、密度が0.91g/cm3
上のものでは所期の改良効果が得られない。またメルト
インデックスとしては10g/10分以下、特に0.1〜2g/10分
のものが望ましく、更に流動比は30以下、特に5〜25程
度のものが好適である。エチレンと共重合させる炭素数
3以上のα−オレフィンとしてはプロピレン、ブテン−
1、ペンテン−1、ヘキセン−1、4−メチルペンテン
−1等が挙げられ、これらと共に1,4−ヘキサジエン、
ジシクロペンタジエン、エチリデンノルボルネン等の非
共役ジエンを使用することもできる。
(ハ)のエチレン−α−オレフィン共重合体は、チグ
ラ−ナッタ系触媒、中でもオキシ三塩化バナジウム、四
塩化バナジウム等のバナジウム化合物と有機アルミニウ
ム化合物からなる触媒を用いて、エチレンとα−オレフ
ィンとを共重合させることにより製造することができ、
共重合体中のエチレン含有量が40〜90モルの範囲であ
り、α−オレフィンの含有量が10〜60モルの範囲である
のが望ましい。(ハ)のエチレン−α−オレフィン共重
合体の市販品としてはCdF Chimie E.P.社のNORSOFLEX
(FW1600、FW1900、MW1920、SMW2440、LW2220、LW250
0、LW2550);日本ユニカー社のフレックスレジン(DFD
A1137、DFDA1138、DEFD1210、DEFD9042);三井石油化
学社のタフマ(A4085、A4090、P0180、P0480)、日本合
成ゴム社のJSR−EP(EP02P、EP07P、EP57P)などが挙げ
られる。
次に、本発明に使用されるラジカル発生剤としては、
半減期1分となる分解温度が130〜300℃の範囲のものが
好ましく、例えばジクミルパーオキサイド、2,5−ジメ
チル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5
−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシ
ン−3、α,α′−ビス(t−ブチルパーオキシイソプ
ロピル)ベンゼン、ジベンゾイルパーオキサイド、ジ−
t−ブチルパーオキサイド等が挙げられる。ラジカル発
生剤の配合量は、上記(イ)の線状ポリエチレン、
(ロ)の分岐状低密度ポリエチレン及び(ハ)のエチレ
ン−α−オレフィン共重合体の合計量100重量部に対し
て0.0001〜0.1重量部の範囲から選ばれ、この範囲より
も少ない場合には得られるフイルムの面強度が無添加の
場合と殆んど変らず、またこの範囲よりも多い場合はメ
ルトインデックスが低くなり過ぎてフイルム成形時に膜
切れが起り易く、かつフイルムの表面に肌荒れが生起す
るので好ましくない。
本発明に使用される充填剤としては、無機及び有機の
周知の充填剤が使用される。無機充填剤としては炭酸カ
ルシウム、タルク、クレー、カオリン、シリカ、珪藻
土、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸マグネシウ
ム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、水酸化アルミニウ
ム、酸化亜鉛、水酸化マグネシウム、酸化カルシウム、
酸化マグネシウム、酸化チタン、アルミナ、マイカ、ア
スベスト粉、ガラス粉、シラスバルーン、ゼオライト、
珪酸白土等が挙げられ、特に炭酸カルシウム、タルク、
クレー、シリカ、珪藻土、硫酸バリウム等が好適であ
る。有機充填剤としては、木粉、パルプ等のセルロース
系粉末が挙げられ、単独又は混合して使用される。充填
剤は平均粒径が30μ以下、特に10μものが望ましく、平
均粒径0.8〜5μのものが最も好ましい。粒径が過大の
場合は、延伸フイルムの気孔の緻密性が悪くなり、また
粒径が過小の場合は、樹脂への分散性が悪く、成形性も
劣る。なお、充填剤を脂肪酸又はその金属塩で表面処理
することは、樹脂への分散性及びフイルムの延伸性の点
で望ましい。充填剤の配合量は、上記(イ)の線状ポリ
エチレン、(ロ)の分岐状低密度ポリエチレン及び
(ハ)のエチレン−α−オレフィン共重合体の合計量10
0重量部に対して100〜400重量部の範囲から選ばれ、特
に好ましい配合割合は120〜300重量部である。充填剤の
配合量が上記範囲より少ない場合には得られる延伸フイ
ルムに開孔が充分に形成されず多孔化度が低くなる。一
方充填剤の配合量が上記の範囲よりも多い場合は、混練
性、分散性及びフイルム成形性が劣り、更に延伸フイル
ムの表面強度が低下する。なお、以上の配合成分の他
に、所望により周知の酸化防止剤、熱及び紫外線安定
剤、滑剤、顔料、帯電防止剤、蛍光剤等を配合すること
ができる。
本発明においては、(イ)の線状ポリエチレン、
(ロ)の分岐状低密度ポリエチレン、(ハ)のエチレン
−α−オレフィン共重合体、ラジカル発生剤及び充填剤
を、例えば次のA又はBの方法により前記の量比で混合
し次いで混練してペレット化した後インフレーション成
形して未延伸フイルムとする。
A:線状ポリエチレン、分岐状低密度ポリエチレン、エチ
レン−α−オレフィン共重合体、ラジカル発生剤及び充
填剤を混合し、押出機、バンバリーミキサー等の混練機
を用いて混練した後ペレット化し、このペレットを用い
てインフレーション成形する。
B:線状ポリエチレン、分岐状低密度ポリエチレン及びエ
チレン−α−オレフィン共重合体の少なくとも1つに、
多量のラジカル発生剤(5000〜10000ppm程度)を配合
し、ラジカル発生剤がポリエチレンと殆んど反応しない
温度で、しかもポリエチレンの融点以上の温度において
溶融混練してペレット状としたマスターバッチを予め調
製しておき、このマスターバッチを、上記(イ)、
(ロ)、(ハ)の樹脂成分及び充填剤と混合し、混練し
た後ペレット化し、このペレットを用いてインフレーシ
ョン成形する。
上記A又はBに示す方法に従って、(イ)の線状ポリ
エチレン、(ロ)の分岐状低密度ポリエチレン及び
(ハ)のエチレン−α−オレフィン共重合体をラジカル
発生剤と共に処理すると、ラジカル発生剤による架橋反
応が生起し、ポリエチレンが分子カップリングして高分
子量成分が増加し、かつメルトインデックスの低下した
変性ポリマーが得られる。この変性ポリマーは、変性前
のポリマーに比べてインフレーション成形時に横方向の
配向がかかり易く、このようにして得られたフイルム
は、これを延伸処理した場合に、引張り強度及び衝撃強
度が著しく向上する。
この場合、変性ポリマーの190℃でのメルトインデッ
クス(MI2)が2g/10分以下、好ましくは0.1〜1g/10分の
範囲にあり、変性前のポリマーのメルトインデックス
(MI1)に対する比(MI2/MI1)が0.1〜0.9特に0.1〜0.8
の範囲となるように調整するのがフイルム成形加工性及
び延伸性の観点から望ましい。更に、変性ポリマーの流
動比(FR2)が50以上、好ましくは50〜120の範囲にあ
り、変性前のポリマーの流動比(FR1)に対する比(FR2
/FR1)が1.1以上特に1.1〜10の範囲となるように調整す
るのがフイルム成形加工性及び延伸性の観点から望まし
い。
線状ポリエチレン、分岐状低密度ポリエチレン、エチ
レン−α−オレフィン共重合体、ラジカル発生剤及び充
填剤を混合するには、ドラム、タンブラー型混合機、リ
ボンブレンダー、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサ
ー等が使用されるが、ヘンシェルミキサーのような高速
攪拌型の混合機が望ましく、ポリエチレンは通常10〜15
0メッシュ特に20〜60メッシュのパウダーの形態で供給
するのが好ましい。得られた混合物の混練は、例えばス
クリュー押出機、二軸スクリュー押出機、ミキシングロ
ール、バンバリーミキサー、二軸型混練機等の周知の混
練装置を用いて実施される。
本発明においては、上記で得た配合物をインフレーシ
ョン法により未延伸フイルムを成形し、次いでこの未延
伸フイルムを延伸処理する。
インフレーション成形は、ブローアップ比を2〜8、
好ましくは3〜6、フロストラインの高さをダイの環状
スリットの直径の2〜50倍、好ましくは5〜20倍の範囲
の条件下で行なわれる。ブローアップ比が上記範囲より
も低いとフイルムの引張り強度及び衝撃強度が低下し、
上記範囲よりも高いとバブルの成形安定性が低下するの
で好ましくない。また、フロストラインの高さが上記範
囲よりも低いとフイルムの引張り強度が低下し、上記範
囲よりも高いとバブルの成形安定性が低下するので好ま
しくない。
インフレーション法により成形された未延伸フイルム
は、次いで縦方向(フイルムの引き取り方向)に一軸延
伸される。一軸延伸には通常ロール延伸法が採用される
が、チューブラー延伸法で一軸方向(引き取り方向)を
強調させた形であってもよい。また、延伸処理は一段で
も二段以上の多段でも差支えない。
延伸処理は樹脂組成物の融点より100℃低い温度から
融点より20℃低い温度の範囲、特に樹脂組成物の融点よ
り90℃低い温度から融点より50℃低い温度の範囲で実施
するのが好ましく、この範囲より低い温度ではフイルム
に延伸斑が発生し、またこの範囲より高い温度ではフイ
ルムの多孔性が低下する傾向がある。
延伸倍率は1.2倍以上であることが必要であり、延伸
倍率が1.2倍未満ではフイルムの多孔性及び引張り強度
が不充分である。また延伸倍率が過大、例えば8倍を超
えるとフイルムは縦方向への過度の分子配向を有するも
のとなり、フイルムの面強度が低下するので好ましくな
く、通常は1.2〜8倍、好ましいのは1.5〜4倍である。
なお、一軸延伸後に熱処理すればフイルムの寸法精度を
安定化することができ、また公知のコロナ処理、フレー
ム処理等の表面処理を施すこともできる。
本発明のフイルムは、以上の方法によって得られるも
のであって、しかも厚さが90μ以下の多孔性フイルムで
あり、フイルムの縦方向及び横方向の剛軟度が共に50mm
以下であり、透湿度が1500g/m2・24hr以上であり、フイ
ルムの縦方向のエルメンドルフ引裂強度が10kg・cm/cm2
以上であり、かつその面強度が次式 面強度[kg]≧35×フイルム厚み[mm] のものである。更にこのフイルムには、通常平均孔径0.
05〜5μの微小空孔が単位容積1cm3当り空孔容積として
0.1cc以上形成されている。
(発明の効果) 本発明の多孔性フイルムは、上記の性質に基づいて、
90μ以下という薄肉のフイルムでありながら優れたフイ
ルム面強度及び引裂強度を有し、また透湿度が大きいた
め水蒸気の透過性が良好で蒸れの恐れがない。更にフイ
ルムの縦方向及び横方向の剛軟度が小さいため、柔軟で
肌ざわりが良好である。このため、衣料用、医療用、濾
過材料用あるいは電池セパレーター用等の用途に好適に
使用される。
(実施例) 以下本発明を実施例について更に詳細に説明するが、
本発明はその要旨を超えない限りこれ等の実施例に限定
されるものではない。
実施例1 線状低密度ポリエチレン[密度:0.921g/cm3、メルト
インデックス(MI):1.0g/10分、流動比:19、共重合成
分:10重量%のブテン−1、融点120℃]の粉末(40メッ
シュ)90重量部;分岐状低密度ポリエチレン[密度:0.9
24g/cm3、MI:2.0g/10分、流動比:35]の粉末(40メッシ
ュ)10重量部;エチレン−α−オレフィン共重合体[商
品名タフマA4085(密度:0.88g/cm3、MI:3.6g/10分)三
井石油化学社製]20重量部;2,6−ジタ−シャリーブチル
パラクレゾール(酸化防止剤)0.05重量部及びステアリ
ン酸カルシウム(滑剤)0.05重量部をヘンシェルミキサ
ー中で攪拌下混合し、次いでこれに0.02重量部の2,5−
ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン
−3及び200重量部の炭酸カルシウム(平均粒径1.2μ、
脂肪酸処理)を混合して撹拌した。得られた混合物を二
軸混練機DSM−65(Double Screw Mixer日本製鋼所社
製)を用い240℃で混練してラジカル発生剤による架橋
反応を行なったのち造粒した。造粒物のMIは0.2g/10分
であり、流動比は55であった。
この造粒物を40mmφの押出機により次の押出条件でイ
ンフレーション成形して厚さ65μのフイルムに製膜し
た。
[押出条件] シリンダー温度:170−190−210−230℃ ヘッド、ダイ温度:200℃ ダイの環状スリットの直径(D):100mm 引取速度:8m/min. ブロー比:3.0 フロストライン高さ(FLH):700mm 折り径:471mm 上記の方法により得られたフイルムを引取り方向にス
リットしたものを、ロール延伸機により次の条件で一軸
延伸した。
[延伸条件] 延伸温度:50℃ 延伸倍率:2.5倍 延伸速度:11.0m/min. このようにして得られたフイルムは、多孔化され充分
白化したものであり、延伸ムラもなく、表面美麗な多孔
性フイルムであった。このフイルムの性能を後記の表2
に示した。
なお、表2における性能評価項目の測定方法は次の通
りである。
(a)延伸性: ◎:切断なし、均一延伸、延伸ムラなし。
○:切断なし、延伸ムラ殆んどなし。
△:切断なし、延伸ムラややあり。
×:切断または延伸ムラ大。
(b)引張り強伸度:ASTM 882−64Tに準ずる。
20mm幅×50mm長さ、引張り速度:50mm/min. (c)透湿度:ASTM E26−66(E)に準ずる。
(d)柔軟性:手の感触で次の基準により判定した。
◎:極めて柔らかい。
○:柔らかい。
△:少し硬い。
×:硬い。
(e)フイルムパンクチャー強度(面強度): フイルムを100mm×100mmの正方形に切断して試験用フ
イルムを採取し、このフイルムを内径80mmの押えリング
で上下より固定する。
直径20mmφの丸棒状で先端が半径10mmの半球状のプラ
ンジャーを引っ張り試験機に取り付け、これをクロスヘ
ッド速度500mm/min.で、上記のように固定した試験用フ
イルムに押し付け、このときの抗張力をもって面強度の
大小を判断する。なお、抗張力は最高強度を示した時点
の値とした。
(f)剛軟度(mm):JIS L1018−1977の45゜カンチレバ
法により測定した。測定は温度20℃、相対湿度65%で行
なった。
なお、後記表1中に記載したエチレン系共重合体と
は、前記のエチレン−α−オレフィン共重合体(商品名
タフマA4085)を指示する。
実施例2 実施例1において、延伸条件を表1の通りに変更した
他は、実施例1と全く同様にして多孔性フイルムを製造
し性能を評価した。その結果を表2に示す。
実施例3 線状低密度ポリエチレン[密度:0.921g/cm3、メルト
インデックス(MI):1.0g/10分、流動比:19、共重合成
分:10重量%のブテン−1、融点120℃]の粉末(40メッ
シュ)80重量部;エチレン−α−オレフィン共重合体
[商品名 タフマA4085(密度:0.88g/cm3、MI:3.6g/10
分)]20重量部及び炭酸カルシウム(平均粒径1.0μ、
脂肪酸処理)200重量部をヘンシェルミキサー中で撹拌
下混合し、混合物を二軸混練機DSM−65を用いて混練し
造粒してMIが0.7g/10分の造粒物を得た。
この造粒物100重量部に、予め分岐状低密度ポリエチ
レン[密度:0.924g/cm3、MI:2.0g/10分、流動比:35]に
0.5重量%のラジカル発生剤[2,5−ジメチル−2,5−ジ
(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3]を添加して調
製したマスターバッチ4重量部をブレンドして、ラジカ
ル発生剤0.06重量部を含む後記表1に示す組成の造粒物
を得た。
得られた造粒物を40mmφの押出機により次の押出条件
でラジカル発生剤による架橋反応をさせながらインフレ
ーション成形して厚さ50μのフイルムに製膜した。[押
出条件] シリンダー温度:170−190−200−200℃ ヘッド、ダイ温度:210℃ ダイの環状スリットの直径(D):100mm 引取速度:8m/min. ブロー比:3.5 フロストライン高さ(FLH):650mm 折り径:550mm 上記の方法により得られたフイルムをロール延伸機に
より次の条件で縦方向に一軸延伸した。
[延伸条件] 延伸温度:50℃ 延伸倍率:2.0倍 延伸速度:11.0m/min. このようにして得られたフイルムは、多孔化され充分
白化したものであり、延伸ムラもなく、表面美麗な多孔
性フイルムであった。このフイルムの性能を後記の表2
に示した。
実施例4〜6 実施例3において、延伸条件を表1の通りに変更した
外は、実施例3と全く同様にして多孔性フイルムを製造
し性能を評価した。その結果を表2に示す。
実施例7 実施例3において、樹脂成分の組成及び充填剤の使用
量を表1の通りに変更した外は、実施例3と同様にして
多孔性フイルムを製造し性能を評価した。その結果を表
2に示す。
比較例1、2、4、5 実施例1において、樹脂成分の組成、充填剤の使用
量、成形条件、延伸条件等を表1の通りに変更した外
は、実施例1と同様にして多孔性フイルムを製造し性能
を評価した。その結果を表2に示す。
比較例3 実施例3において、分岐状低密度ポリエチレン及びラ
ジカル発生剤を使用しなかった外は、実施例3と同様に
して多孔性フイルムを製造し性能を評価した。その結果
を表2に示す。
比較例6〜7 実施例3において、樹脂成分の組成及び成形条件を表
1の通りに変更した外は、実施例3と同様にして多孔性
フイルムを製造し性能を評価した。その結果を表2に示
す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−161037(JP,A) 特開 昭64−18625(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08J 9/00 - 9/14 B29C 55/00 - 55/30 C08L 23/00 - 23/36

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(イ)密度が0.91〜0.965g/cm3、メルトイ
    ンデックスが20g/10分以下、流動比が70以下の線状ポリ
    エチレン100〜50重量部、(ロ)メルトインデックスが2
    0g/10分以下、流動比が70以下の分岐状低密度ポリエチ
    レン0〜50重量部、上記(イ)の線状ポリエチレンと
    (ロ)の分岐状低密度ポリエチレンとの合計量100重量
    部に対して、(ハ)密度が0.91g/cm3未満のエチレン−
    α−オレフィン共重合体5〜40重量部、ラジカル発生剤
    0.0001〜0.1重量部及び充填剤100〜400重量部を配合し
    てなる組成物を用い、架橋反応を行なった後または架橋
    反応を行ないつつ、ブローアップ比を2〜8、フロスト
    ラインの高さをダイの環状スリットの直径の2〜50倍と
    してインフレーション成形し、得られたフイルムをフイ
    ルムの引き取り方向に延伸倍率を1.2倍以上として一軸
    延伸することにより得られた厚さ90μ以下の多孔性フイ
    ルムであって、フイルムの縦方向及び横方向の剛軟度が
    共に50mm以下であり、透湿度が1500g/m2・24hr以上であ
    り、フイルムの縦方向のエルメンドルフ引裂強度が10kg
    ・cm/cm2以上であり、かつ面強度が次式 面強度[kg]≧35×フイルム厚み[mm] を満足することを特徴とする多孔性フイルム。
JP3733490A 1990-02-20 1990-02-20 多孔性フイルム Expired - Fee Related JP2859356B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3733490A JP2859356B2 (ja) 1990-02-20 1990-02-20 多孔性フイルム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3733490A JP2859356B2 (ja) 1990-02-20 1990-02-20 多孔性フイルム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH03243636A JPH03243636A (ja) 1991-10-30
JP2859356B2 true JP2859356B2 (ja) 1999-02-17

Family

ID=12494727

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3733490A Expired - Fee Related JP2859356B2 (ja) 1990-02-20 1990-02-20 多孔性フイルム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2859356B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3418438B2 (ja) * 1993-11-25 2003-06-23 昭和電工株式会社 インフレーションフィルム及びその製造方法
US7168139B2 (en) * 2003-06-24 2007-01-30 3M Innovative Properties Company Breathable fasteners

Also Published As

Publication number Publication date
JPH03243636A (ja) 1991-10-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0380353B1 (en) Porous film
EP0227481B1 (en) Process for preparing porous film or sheet
US4614764A (en) Linear low density ethylene polymers blended with modified linear low density ethylene polymers
US4500681A (en) Thermoplastic blend of polyolefin, isobutylene-backbone elastomer and ethylene copolymer
EP1661935B2 (en) Transparent easy tearable film
JP4478106B2 (ja) 押出形材用のレオロジーが改質された熱可塑性エラストマー組成物
JPS6225696B2 (ja)
KR20110030704A (ko) 개질 폴리프로필렌 조성물의 제조방법
US6015857A (en) Propylene resin compositions
US5308904A (en) Resin composition, porous film or sheet
JP3325377B2 (ja) 多孔性フィルム又はシート及びその製造方法
US5110870A (en) Extensible film or sheet and process for producing the same
JP3499652B2 (ja) 透湿性フィルム
JP2859356B2 (ja) 多孔性フイルム
JP3325376B2 (ja) 多孔性フィルム又はシート及びその製造方法
KR100825346B1 (ko) 포장용 필름
JP2859346B2 (ja) 多孔性フイルム
JP3166279B2 (ja) 多孔性フィルム又はシート及びその製造方法
KR100563482B1 (ko) 고충격특성 선형 저밀도 폴리에틸렌 수지조성물
JP2621456B2 (ja) 多孔性フィルム又はシートの製造方法
JPH06212031A (ja) 樹脂成形物の製造方法、マスターバッチ、および、押出成形用の樹脂組成物
JPS617343A (ja) 低比重ゴム組成物
JP3507114B2 (ja) 多孔性フィルム又はシート及びその製造方法
JP2003213069A (ja) ポリプロピレン系樹脂組成物、その樹脂組成物の製造方法およびその樹脂組成物からなるフィルム
JP2932541B2 (ja) 伸長性フィルム又はシート

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees