JP3506443B2 - インフレーションフィルムの製造方法 - Google Patents
インフレーションフィルムの製造方法Info
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Description
像鮮明度)に優れた線状低密度ポリエチレン(以下、L
LDPEという。)フィルムの生産性の高いインフレー
ションフィルム製造方法に関する。
の生産方法は数多く提案があり、それらの提案でフィル
ムを成形するための樹脂のバブルの形状は特公昭55−
2180に示されるように大きく分けて3つないし4つ
のタイプに分けられる(図1〜図4)。
ルムの引き取り速度、溶融樹脂温度等を挙げることがで
き、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン(以下、
HDPEという。)など、線状ポリエチレンであっても
密度の高いポリエチレンでは図1に示されるいわゆるロ
ング・ネックタイプのバブルによるフィルム成形が多く
採用され、高強度のバランスフィルムとしてショッピン
グバッグ等の分野に大量に供給されている。
度ポリエチレン(以下、LDPEという。)よりはHD
PEに似ているといっても低密度であり、またMW /M
N で表される分子量分布は小さく、超高分子量成分を含
有していないため溶融粘度がバランスフィルム用HDP
Eに比して極めて小さいため、流動特性がHDPEとは
著しく異なり、メルトフラクチャーによる肌あれを起こ
しやすい上、バブルの安定性が悪く、バブルをロング・
ネックタイプのごとき形状とすることは困難であり、通
常は図2のタイプまたは図4のタイプのバブル形状によ
り成形されている(特開昭57−34920)。
ーションフィルム製造では最大の問題は引き取りによる
方法でフィルムを生産するときは、縦方向(機械方向)
の強度は増大するのに対し、これと直角の強度は著しく
失われ、強度のバランスを失い縦に裂けやすくなるため
高速の引き取り速度が困難で生産性に限度があることで
あり、またバブルの急激な拡大部分がないため強度のみ
ならずフィルムの透明性も高くすることも不十分であっ
た。
レーション法によるフィルムの製造に際し、LLDPE
の有する低溶融粘度によるバブルの不安定性を解消し、
バブルの安定化、高生産性の透明性(ヘーズならびに像
鮮明度)に優れたLLDPEフィルム製造方法の確立を
目標とした。
との共重合体であって、密度が0.91〜0.94g/
cm3 、MFRが0.3〜5g/10分である線状低
密度ポリエチレンを、ダイス口径の50〜90%の太さ
を有する安定体を具備し、かつリップ・ギャップが2.
5〜10.0mmであるダイスから170℃〜250℃
で押出し、ダイス出口の冷却風の温度及び風量を下げ
て、ダイス口径より細くしたバブルを該安定体に接触さ
せ、フロストライン距離をダイス口径の4〜20倍の間
になるように冷却風を調節し、膨張比(フロストライン
より低温部のバブル径/膨張開始点の径)を2〜5の範
囲で急激に膨張させ、成形速度40m/min以上の高
速で引き取り、フィルムの像鮮明度(JIS K710
5準拠)が68以上であることを特徴とするインフレー
ションフィルムの製造方法、および [2] 遊離基発生剤の存在下に重合させて得られるメ
ルトフローレートが0.3〜5.0g/10分、密度が
0.91〜0.93g/cm3の高圧法低密度ポリエチ
レンを全体重量の50重量%以下配合された線状低密度
ポリエチレンである上記[1]に記載のインフレーショ
ンフィルムの製造方法、を開発することにより上記の課
題を解決した。
あるいは低圧法で遷移金属触媒を用い、炭素数3〜10
のα−オレフィンとエチレンとの共重合体であって、密
度約0.91〜0.94g/cm3 のポリエチレンであ
る。一般的にα−オレフィンの含有量により密度は変わ
るが、ブテン−1をコモノマーとしたときは炭素数10
00当たり、側鎖数が20〜25であれば約0.91g
/cm3 、側鎖数が3〜5であれば0.94g/cm3
と言われており、ほぼこの範囲内である。この場合のα
−オレフィンとしてはプロピレン、ブテン−1、ヘキセ
ン−1、4−メチルペンテン−1、オクテン−1等が挙
げられる。密度が0.94g/cm3 を越えるとフィル
ムの透明性が失われるので本発明の特徴の一つを失うこ
とになり、好ましくない。
K 7210の表1、条件4の方法によって測定したメ
ルトフローレート(以下、MFRという。)は限定され
るものではないが約0.3〜5.0g/10分位のもの
に適用でき、特に0.4〜3.0g/10分位のLLD
PEに適用することが好ましい。
3500Kg/cm2 の高圧下、パーオキサイド等の遊
離基発生剤の存在下に重合させて得られるLDPEで密
度0.91〜0.93g/cm3 程度、MFRが0.3
〜5.0g/10分を全体重量の50重量%以下配合し
たものであっても良い。
ィルムの衝撃強度の低下が顕著になるので避けるべきで
ある。このLDPEを5%以上配合したLLDPEは押
出機先端の圧力を下げる効果が明らかに看取できる。
が、通常のフィルム原料のポリエチレンに配合されてい
る添加剤、例えば抗酸化剤、紫外線吸収剤、スリップ
剤、ブロッキング防止剤、着色剤、帯電防止剤等を配合
しても良い。
使用する装置としてはノズルのリップ・ギャップが2.
5〜10mmと大きいほかは上向きまたは下向きのいず
れでも良く、押出機から引き取り機までほとんどHDP
Eのインフレーション装置とおなじものを使用できる。
なお安定体は樹脂の溶融粘度が低いのでバブルとの間の
抵抗が小さいものを選ぶことが好ましい。
グネックタイプで、リップ・ギャップを拡げることによ
り透明性を高くできること、特に高いフロストラインに
おける成形においても透明性を確保できることは新しい
発見である。これは高いフロストラインが低いフロスト
ラインと比較して溶融樹脂を徐冷するため透明性が悪く
なると考えられていたが、この影響はほとんど無視でき
るほど小さいことは意外であり、急膨張による厚み変化
による効果が大きかったようである。
イス口径より太くとも良いができればダイス1の口径よ
り小であって、バブルの接触点8が一般にダイス径の5
0%以上、好ましくは70〜90%程度の太さのもので
あれば良い。操業開始時の容易性や条件の変化によるバ
ブルの接触点の移動により実質の膨張比が変わらない円
筒形が好ましい形状である。
ロング・ネックの形になるように押出温度を下げる、ダ
イス出口の冷却風の温度を下げ、風量を下げる、引き取
り速度を上げるなどの手段により調節しなければならな
い。
クが170〜250℃に設定することが良い。
起こしやすい性質の樹脂であるのでリップ・ギャップは
一般のHDPEより遥かに大きく、2.5〜10mm、
好ましくは4〜8mmにすることが必要である。このリ
ップ・ギャップが2.5mm未満では透明性が低下し、
また10mmより大きいとフィルムの偏肉調整が困難に
なる。またメルトフラクチャーによる肌あれが認められ
るときはリップ・ギャップを大きくすることで回避す
る。これでも回避ができないときはやむを得ず樹脂温度
を上げるなどの対策を講ずる。
様実質の膨張比(フロストラインより低温部のバブル径
と膨張開始点の径の比)によりフィルムのインパクト強
度により影響があり、これが小さいときまたは大きいと
きは強度のバランスを失って縦裂き性が強くなったり、
輪切れを起こしたりするので通常2〜5くらい、好まし
くは2.8〜3.8くらいの間に収めるべきである。
イン)は、ダイス面からの距離でダイス直径の4倍ない
し20倍の間になるように冷却風を調節する。4倍より
短くすることは、冷却風を強く当てることが必要となり
バブルがゆれて操業が不安定となり、フィルムの厚さの
バラツク原因ともなる。一方、20倍より長くすること
はインパクト強度の低下を招くので避けたほうが良い。
クタイプのバブルであっても安定体の影響もあってバブ
ルの安定度は増し、高速引き取りが可能となり、従来の
LLDPEインフレーションの速度より速い40m/m
in以上であっても安定操業が可能となり、透明性の高
いLLDPEを製造できた。
PEフィルムに比してヘーズが低いことは知られてい
た。本発明においてはヘーズのみならず像鮮明度にも優
れたフィルムが生産性良く製造することができた。
低く、普通のインフレーション法によるフィルム製造に
おいてはバブルの形状はロング・ネックとすることが採
用されていなかった。従ってバブルの安定性が良好でな
く、高速成形すればバブルのゆらぎ、フィルムの厚みむ
らなどがおきて工業的な生産方法としては採用されてい
なかった。
と共に、ダイスのリップ・ギャップを2.5〜10mm
と大きく維持することによりバブルの形状をロング・ネ
ックとすることに成功し、更にダイス面に安定体を設
け、バブルをこれに接触させた後急激な膨張を行わせる
ことにより高速成形(引き取り速度を従来より速い速
度)でもバブルを安定化させ、透明性(ヘーズおよび像
鮮明度)が良く、強度も充分あって厚みむらの少ないフ
ィルムの製造法を確立できた。
の膨張比を高くすることも高強度のフィルムを製造する
のに有効な方法である。
詳細に説明する。なお、衝撃強度はJIS K 721
1、ヘーズ光沢度および像鮮明度はJIS K7105
により測定した。
3 、MFRが0.80g/10分であるエチレン−ブテ
ン−1共重合体(LLDPE)を用い、押出機口径50
mmφ、ダイス口径80mmφ、安定体直径70mm、
ダイスのリップ・ギャップ3.0mmの成形機を用い、
押出温度が190℃でフィルム厚み30μm、折幅40
0mm、引き取り速度40m/min、フロストライン
距離457mmで成形を行った。結果は表1に示す。
を80重量%、MFRが2.50g/10分のLDPE
を20重量%の組成物を用いた以外は、実施例1と同一
成形条件で同サイズのフィルムを得た。結果は表1に示
す。
ャップを5.0mm、引き取り速度70m/minとし
た以外は実施例2と同一樹脂組成物、同一成形条件で同
サイズのフィルムを得た。結果は表1に示す。
22g/cm3 、MFRが0.30g/10分のエチレ
ン−ブテン−1共重合体80重量%、MFRが2.50
g/10分のLDPE20重量部からなる樹脂組成物を
用い、リップ・ギャップ5.0mm、引き取り速度50
m/minで成形した以外は実施例2と同一成形条件で
同サイズのフィルムを得た。結果は表1に示す。
外は樹脂組成物、その他の成形条件は実施例4と同一で
同一サイズのフィルムを得た。結果は表1に示す。
25g/cm3 、MFR1.00g/10分のエチレン
−ヘキセン−1共重合体80重量部、MFRが2.50
g/10分のLDPE20重量部からなる樹脂組成物を
用いた以外は実施例1と同一条件でフィルム成形を行っ
た。結果を表1に示す。
mmとした以外は実施例2と同一樹脂組成物を用い、同
一成形条件で同サイズのフィルムを得た。結果は表1に
示す。
実施例2と同一樹脂組成物を用い、同一成形条件で同サ
イズのフィルムを得た。結果を表1に示す。
1.0mm、引き取り速度30m/minとした以外は
実施例2と同一の樹脂組成物を用い、同一成形条件で同
サイズのフィルムを得た。結果は表1に示す。
0mmとした以外は、実施例2と同一条件でフィルムを
成形した。結果を表1に示す。
物を用い、安定体を使用せずに、引取速度25m/mi
nでフィルム成形を行った。この時のフロストラインは
455mm位であった。フィルムの厚さは30μmであ
る。この場合バブルが不安定であって操業は困難であ
り、フィルム厚さにバラツキが大きくでた。比較的安定
して得られたフィルムの性状を表1に示す。
の割合で押出し、他は比較例1の条件で成形しようとし
たが押出機先端の圧力が高くなり危険を感じたため、安
定した操業条件でのサンプル採取はできなかった。
に比し強度が高く、またHDPEよりは透明性(ヘーズ
及びクラリティー)に優れていることは知られている。
本発明はこの特性を生かしたインフレーションフィルム
の製造法を開発した。本発明方法によるときは低溶融粘
度のLLDPEであってもバブルは安定し、得られたフ
ィルムの縦、横の強度は高速で生産してもバランスして
おり、高い生産性を確保できる。特にロングネック型で
あるため縦横のバランスが良いためか、クラリティーに
優れており、透明包装用として有用な材料になるもので
あろう。
Claims (2)
- 【請求項1】 エチレンと炭素数が3〜10のα−オレ
フィンとの共重合体であって、密度が0.91〜0.9
4g/cm3 、MFRが0.3〜5g/10分である
線状低密度ポリエチレンを、ダイス口径の50〜90%
の太さを有する安定体を具備し、かつリップ・ギャップ
が2.5〜10.0mmであるダイスから170℃〜2
50℃で押出し、ダイス出口の冷却風の温度及び風量を
下げて、ダイス口径より細くしたバブルを該安定体に接
触させ、フロストライン距離をダイス口径の4〜20倍
の間になるように冷却風を調節し、膨張比(フロストラ
インより低温部のバブル径/膨張開始点の径)を2〜5
の範囲で急激に膨張させ、成形速度40m/ min 以上の
高速で引き取り、フィルムの像鮮明度(JIS K71
05準拠)が68以上であることを特徴とするインフレ
ーションフィルムの製造方法。 - 【請求項2】 遊離基発生剤の存在下に重合させて得ら
れるメルトフローレートが0.3〜5.0g/10分、
密度が0.91〜0.93g/cm3の高圧法低密度ポ
リエチレンを全体重量の50重量%以下配合された線状
低密度ポリエチレンである請求項1記載のインフレーシ
ョンフィルムの製造方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP03020892A JP3506443B2 (ja) | 1992-01-20 | 1992-01-20 | インフレーションフィルムの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP03020892A JP3506443B2 (ja) | 1992-01-20 | 1992-01-20 | インフレーションフィルムの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH05192996A JPH05192996A (ja) | 1993-08-03 |
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Family
ID=12297320
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP03020892A Expired - Lifetime JP3506443B2 (ja) | 1992-01-20 | 1992-01-20 | インフレーションフィルムの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3506443B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101239748B1 (ko) * | 2010-12-24 | 2013-03-06 | 경북대학교 산학협력단 | 찢음 용이성이 부가된 점착 보호테이프용 폴리에틸렌 발포필름 제조방법 |
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---|---|---|---|---|
JP3418438B2 (ja) * | 1993-11-25 | 2003-06-23 | 昭和電工株式会社 | インフレーションフィルム及びその製造方法 |
-
1992
- 1992-01-20 JP JP03020892A patent/JP3506443B2/ja not_active Expired - Lifetime
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KR101239748B1 (ko) * | 2010-12-24 | 2013-03-06 | 경북대학교 산학협력단 | 찢음 용이성이 부가된 점착 보호테이프용 폴리에틸렌 발포필름 제조방법 |
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