JP3409353B2 - アミド化合物の製造方法および使用される微生物 - Google Patents

アミド化合物の製造方法および使用される微生物

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    • C12P17/10Nitrogen as only ring hetero atom
    • C12P17/12Nitrogen as only ring hetero atom containing a six-membered hetero ring
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    • C12RINDEXING SCHEME ASSOCIATED WITH SUBCLASSES C12C - C12Q, RELATING TO MICROORGANISMS
    • C12R2001/00Microorganisms ; Processes using microorganisms
    • C12R2001/01Bacteria or Actinomycetales ; using bacteria or Actinomycetales

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アミド化合物の製造方
法および使用される微生物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、微生物等の生体触媒が、化学反応
の触媒として盛んに利用されている。ニトリル化合物を
アミド化合物に変換させる場合にも、微生物を用いた製
造方法が知られている。例えば、バチルス(Bacillus)
属、バクテリジューム(Bacteridium) 属、ミクロコッカ
ス(Micrococcus) 属、ブレビバクテリウム(Brevibacter
ium)属に属する微生物を用いる方法(USP-4001081 )、
コリネバクテリウム(Corynebacterium) 属、ノカルジア
(Nocardia)属に属する微生物を用いる方法(USP-424896
8 )、シュードモナス(Pseudomonas) 属に属する微生物
を用いる方法(USP-4555487 )、ロドコッカス(Rhodoco
ccus) 属、ミクロバクテリウム(Microbacterium)属に属
する微生物を用いる方法(EP-188316 )、フザリウム(F
usarium)属に属する微生物を利用する方法(特開昭64-8
6889)等が挙げられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、ニトリ
ル化合物をアミド化合物に変換させる活性を有する微生
物がいく種類か知られているが、微生物を用いたさらに
効率の良いアミド化合物の製造方法が求められている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の状
況を鑑み、ニトリル化合物をアミド化合物に変換させる
より優れた活性を有する微生物を広く自然界より探索し
た。結果、京都府の土壌より分離したアグロバクテリウ
ム(Agrobacterium) 属に属する微生物がニトリル化合物
のニトリル基に対する高い水和活性を有し、ニトリル化
合物をアミド化合物に効率良く変換させることを見い出
し、本発明を完成した。即ち、本発明はアグロバクテリ
ウム(Agrobacterium) 属に属し、ニトリル化合物をアミ
ド化合物に変換させる活性を有する微生物の培養液、菌
体または菌体処理物を用いて、ニトリル化合物をアミド
化合物に変換させることを特徴とするアミド化合物の製
造方法( 以下、本発明方法と記す。) および使用される
微生物を提供するものである。
【0005】以下、本発明をさらに詳細に説明する。本
発明方法において、ニトリル化合物としては、例えば、
n−ブチロニトリル、nーバレロニトリル、イソブチロ
ニトリル、アセトニトリル、ピバロニトリル等の脂肪族
ニトリル化合物、2−クロロプロピオニトリル等のハロ
ゲン原子を含むニトリル化合物、アクリロニトリル、ク
ロトノニトリル、メタクリロニトリル等の不飽和結合を
含む脂肪族ニトリル化合物、ラクトニトリル、マンデロ
ニトリル等のヒドロキシニトリル化合物、2-フェニルグ
リシノニトリル等のアミノニトリル化合物、ベンゾニト
リル、シアノピリジン等の芳香族ニトリル化合物、マロ
ノニトリル、スクシノニトリル、アジポニトリル等のジ
ニトリル化合物等が挙げられる。好ましくは、n−ブチ
ロニトリル、nーバレロニトリル、イソブチルロニトリ
ル、アセトニトリル、ピバロニトリル、2−クロロプロ
ピオニトリル、アクリロニトリル、クロトノニトリル、
メタクリロニトリル、ベンゾニトリル、2−シアノピリ
ジン、3-シアノピリジン、4-シアノピリジン、マロノニ
トリル、スクシノニトリオルまたはアジポニトリルを挙
げることができる。
【0006】本発明方法において、使用される微生物
は、アグロバクテリウム(Agrobacterium) 属に属し、ニ
トリル化合物をアミド化合物に変換させる活性を有する
微生物であるが、その好ましい例として、例えば、アグ
ロバクテリウム・ラジオバクター(Agrobacterium radio
bacter) SC-C15-1をあげることができる。
【0007】アグロバクテリウム・ラジオバクター SC-
C15-1 は、本発明者らが自然界より分離した、ニトリル
化合物のニトリル基に対する高い水和活性を有するアグ
ロバクテリウム属に属する微生物であり、工業技術院生
命工学工業技術研究所( 旧名工業技術院微生物工業技術
研究所) に微工研条寄第3843号(FERM BP-3843 )と
してブダペスト条約下で寄託されている。アグロバクテ
リウム・ラジオバクター SC-C15-1 の菌学的性質は以下
のとおりである。
【0008】(a)形態 1. 細胞の形および大きさ 形 : 桿状 大きさ : 0. 5〜0. 8μmx0. 8〜2μ
m 2. 細胞の多形性の有無 : 無 3. 運動性の有無 : 有、周鞭毛 4. 胞子の有無 : 無 5. グラム染色 : 陰性 6. 抗酸性 : 無 (b)生育状態 1. 肉汁寒天平板培養 : 周円、凸状、光沢無、薄
褐色 2. 肉汁寒天斜面培養 : 光沢無、薄褐色 3. 肉汁液体培養 : 一様に混濁して生育 4. 肉汁ゼラチン穿刺培養: 液化しない 5. リトマスミルク : わずかに凝固
【0009】(c)生理学的性質 1. 硝酸塩の還元 : + 2. 脱窒反応 : ±〜+ 3. MRテスト : − 4. VPテスト : + 5. インドールの生成 : − 6. 硫化水素の生成 : + 7. デンプンの加水分解 : − 8. クエン酸の利用コーサー の培地 : +クリスチャンセン の培地 : + 9. 無機窒素源の利用 NaNO3 : + (NH4)2SO4 : + 10. 色素の生成 キングA 培地 : − キングB 培地 : − 11. ウレアーゼ : + 12. オキシダーゼ : + 13. カタラーゼ : + 14. 生育の範囲 pH : 6. 2〜9. 6 温度 : 4℃〜39℃ 15. 酸素に対する態度 : 好気性 16. O−Fテスト : O
【0010】(d)その他の性質 1. ポリ−β−ヒドロキシ酪酸の蓄積 : − 2. アルギニンジヒドロラーゼ : + 3. GC含量 : 58. 7% 以上の諸性質をバージーの細菌分類書(Bergey's Manua
l of Systematic Bacteriology)[1984年版]により検
索した結果、本発明者は、本菌株をアグロバクテリウム
・ラジオバクター (Agrobacterium radiobacter)である
と同定した。アグロバクテリウム(Agrobacterium )属
に属し、ニトリル化合物をアミド化合物に変換させる活
性を有する微生物は今まで知られていない。この点にお
いてアグロバクテリウム・ラジオバクタ−SC-C15-1は新
菌株と認められる。また、該菌株の変異体、即ち、アグ
ロバクテリウム・ラジオバクタ−SC-C15-1より誘導され
た突然変異体、細胞融合株および遺伝子組み換え株も本
発明方法において利用が可能である。
【0011】本発明方法において使用される微生物の培
養には、一般細菌における通常の培養に使用される炭素
源、窒素源、有機ないし無機塩等を適宜含む各種の培地
を使用することができる。炭素源としては、グルコー
ス、グリセリン、デキストリン、シュークロース、動植
物油、糖蜜等が挙げられる。窒素源としては、肉エキ
ス、ペプトン、酵母エキス、麦芽エキス、大豆粉、コー
ン・スティープ・リカー(corn steep liquor)、綿実
粉、乾燥酵母、カザミノ酸、塩化アンモニウム、硝酸ナ
トリウム、硝酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、酢酸
アンモニウム、尿素等の有機または無機窒素源等が挙げ
られる。有機ないし無機塩としては、カリウム、ナトリ
ウム、マグネシウム、鉄、マンガン、コバルト、亜鉛等
の塩化物、硫酸塩類、酢酸塩類、炭酸塩類およびリン酸
塩類、具体的には、塩化カリウム、塩化ナトリウム、硫
酸マグネシウム、硫酸第一鉄、硫酸マンガン、塩化コバ
ルト、硫酸亜鉛、硫酸銅、酢酸ナトリウム、炭酸カルシ
ウム、炭酸ナトリウム、リン酸水素1 カリウム、リン酸
水素2 カリウム、リン酸水素1 ナトリウム、リン酸水素
2 ナトリウム等を挙げることができる。また、本発明方
法において使用される微生物の有するニトリル基に対す
る水和活性を高めるために、イソバレロニトリル、クロ
トノニトリル等のニトリル化合物、クロトンアミド等の
アミド化合物を添加するのが好ましい。添加量として
は、例えば、培地100ml に対して、約10mg〜約1gを挙げ
ることができる。
【0012】本発明方法において使用される微生物の培
養は、一般細菌における通常の培養方法に準じて行わ
れ、固体培養または液体培養[ 試験管振盪培養、往復式
振盪培養、回転振盪培養、ジャーファーメンター(jar f
ermenter) 培養、培養タンク(fermentation tank) 等]
いずれも可能である。培養は通常、好気的条件下でおこ
なわれる。特にジャーファーメンターゼ培養タンクを使
用する場合、無菌空気を導入する必要があり、通常、培
養液量の約0.1 〜約2 倍/ 分の通気条件を用いる。培養
温度は、微生物が生育する範囲で適宜変更できるが、例
えば、約20℃〜約40℃、好ましくは、約25℃〜約
35℃の範囲である。培地のpHは、例えば、約6〜約
8を好ましくあげることができる。培養時間は、種々の
条件によって異なるが、通常、約1〜約7日間程度が好
ましい。
【0013】本発明方法は、例えば、以下のように行う
ことができる。前述の方法で培養した微生物の培養液、
菌体または菌体処理物を水またはリン酸緩衝液等の緩衝
液等の水性水溶液に懸濁し、これをニトリル化合物に加
えて反応させる。ここで、菌体処理物とは菌体を超音
波、ホモジェナイザーおよびフレンチプレス等の通常用
いられる処理方法により破砕された菌体破砕物もしくは
酵素、あるいは菌体、菌体破砕物、酵素等を共有結合、
イオン結合、吸着などにより担体に結合させる担体結合
法、高分子の網目構造のなかに閉じ込める包括法等の固
定化の方法によって不溶化し、容易に分離可能な状態に
加工したもの( 以下、固定化物と記す。)である。反応
条件としては、使用する菌体または菌体破砕物の濃度
は、例えば、約、0.01重量% 〜約20重量% 、好ましく
は、約0.01重量% 〜約10重量% を挙げることができる。
また酵素及び固定化物の濃度は、その精製度または固定
化方法等によって変化するが、例えば、前記の菌体また
は菌体破砕物が有すると同等のニトリル基に対する水和
活性が存在するように調製することが好ましい。培養液
はそのままの状態で、ニトリル化合物を添加することに
よって用いることもできるが、好ましくは、前記の菌体
または菌体破砕物が有すると同等のニトリル基に対する
水和活性が存在するように希釈または濃縮等によって調
製することが好ましい。反応温度は、例えば、約0℃〜
約50℃、好ましくは約0℃〜約30℃を、反応pH
は、例えば、約6〜約10、好ましくは、約7〜約9
を、反応時間は、例えば、約10分間〜約48時間を挙
げることができる。反応pHを上記範囲内で維持すれ
ば、本発明方法で使用される微生物は、アミド化合物を
高濃度に生成蓄積させることもできる。反応液からのア
ミド化合物の回収は、一般に知られている任意の方法で
行うことができる。例えば、反応液から菌体等を遠心分
離等によって除いた後、活性炭、あるいはイオン交換樹
脂等による処理により、不純物等を除去する。その後、
減圧濃縮、あるいは蒸留濃縮することにより析出させた
結晶をメタノール等の有機溶媒を用いて再結晶させれば
目的のアミド化合物を得ることができる。
【0014】
【実施例】次に、本発明の実施例を示すが、本発明はこ
れらの実施例になんら限定されるものでない。
【0015】実施例1(菌体分離例) 京都府の土壌を採取し、該土壌をリン酸1カリウムの
0.3重量%、リン酸2カリウム0.7重量%、グルコ
ース0.2重量%、クエン酸ナトリウム0.05重量
%、硫酸マグネシウム0.01重量%、硫酸第一鉄、硫
酸マンガン、塩化コバルト、硫酸亜鉛、それぞれ0.0
05重量%、ビタミン類微量および各種ニトリル化合物
0.05〜0.5%からなる培地(pH7.0)に加
え、21日間30℃で往復振とう培養した。この培養液
の一部を同成分を含む寒天培地上に広げて培養を行い、
集落を形成させた後、その中からニトリル基に対する水
和活性を有する菌株を選抜した。このようにしてすぐれ
た該活性を有する菌株としてアグロバクテリウム・ラジ
オバクターSC-C15-1を得た。
【0016】実施例2(菌体培養例) グリセロール1.0重量%、ポリペプトン0.5重量
%、酵母エキス0.3重量%、マルトエキス0.3重量
%、イソバレロニトリル0.1重量%、および硫酸第一
鉄、硫酸マンガン、塩化コバルト、硫酸亜鉛、それぞれ
0.001重量%からなる殺菌済み培地(pH7.2)
100mLを500mL容坂口フラスコに入れたもの
に、あらかじめ同培地で培養したアグロバクテリウム・
ラジオバクター SC-C15-1 の培養液1mLを植菌した。
これを30℃で2日間135stroke/minで往復振とう培
養し、菌体培養液を得た。
【0017】実施例3(反応例 その1) 実施例2によって得られた菌体培養液50mLにアクリ
ロニトリル1.11g(21.0mmol)を加えて、
マグネチックスターラーで攪拌しながら20℃で反応を
行った。反応開始3時間後、反応液の1.0mL をと
り、これに2規定塩酸0.1mL を加えることにより反
応を停止した後、ガスクロマトグラフィーにて分析し
た。分析条件は下記のとおりである。分析の結果、加え
たアクリロニトリルはすべてアクリルアミドに変換され
ており、アクリル酸等の副生成物はみられなかった。ガ
スクロマトグラフィー分析条件 カラム ;パックドカラム 担体:Porapak type Q (mesh 80-100) 長さ:1.1 m カラム温度 ;210 ℃ キャリアガス流量;50 ml/min サンプル注入量 ;2 μl
【0018】実施例4(反応例 その2) 実施例2によって得られたアグロバクテリウム・ラジオ
バクターSC-C15-1の菌体培養液100mL から遠心分離(100
00g,10min)によって菌体を集め、0.05M リン酸緩衝液(p
H7.7) にて洗浄後、同緩衝液50mLに懸濁した。これに、
アクリロニトリル6.62g(125mmol)を濃度が5 重量%を越
えないように3 回に分割添加し、マグネチックスターラ
ーによって攪拌しながら20℃で反応を行った。反応開始
23時間後、反応液の1.0mL をとり、これに2 規定塩酸0.
1mL を加えることにより反応を停止した後、実施例3 に
記載された方法でガスクロマトグラフィーにて分析し
た。分析の結果、加えたアクリロニトリルはすべてアク
リルアミドに変換されており、アクリル酸等の副生成物
はみられなかった。
【0019】実施例5(回収例) 実施例4によって得られた反応液から菌体を遠心分離
(10000g,10min)により除去後、その上清
を50℃以下で蒸留濃縮して結晶を析出させ、次いで、
この結晶をメタノールを用いて再結晶して8.2g(1
15mmol,収率92%)の無色板状結晶を得た。こ
の結晶は、融点、元素分析、IRスペクトル及びNMR
スペクトルにより、アクリルアミドであることが確認さ
れた。
【0020】実施例6(粗酵素調製例) 実施例2によって得られたアグロバクテリウム・ラジオ
バクターSC-C15-1の菌体培養液8Lから遠心分離(10
000g,10min)にて菌体を集めた。この菌体を
洗浄後、0.05M−HEPES−KOH(pH7.
2)緩衝液300mL に懸濁し、フレンチプレス(20
000psi)により破砕する操作を2回繰り返した。
該破砕物から遠心分離(10000g,30min)に
よって、菌体残渣を除去後、その上清を透析チューブ
(和光純薬製)に入れ、10mM−HEPES−KOH
(pH7.2) 中、4℃で該緩衝液を4回交換して24時間透
析を行った。得られた透析物をあらかじめ0.05M−
HEHPES−KOH(pH7.2)緩衝液で平衡化し
た陰イオン交換樹脂であるDEAE−セファロースFF
(ファルマシア社製)を充填したカラム(直径50mm
×200mm)に通塔して酵素を吸着させた。該カラム
を0.05M−HEPES−KOH(pH7.2)で充
分に通塔洗浄後、0M〜1.0M塩化カリウムを含む
0.05M−HEPES−KOH(pH7.2)により
段階的に吸着物を溶出させた。ニトリル基に対する水和
活性を有する画分を回収後、該回収画分を透析チューブ
(和光純薬製)に入れ、10mM−HEPES−KOH
(pH7.2)中、4℃で該バッファーを4回交換して
24時間透析を行った。得られた透析物を抽出条件を
0.2M〜0.8M塩化カリウムを含む0.05mM−
HEPES−KOH(pH7.2)にかえる以外は同じ
条件で再び陰イオン交換クロマトグラフィーによって精
製し、上記と同様に透析後、粗酵素液を得た。なお、ニ
トリル基に対する水和活性は次の方法によって測定し
た。9mL の100mMプロピオニトリル水溶液(pH
7.7)に1mL の検液を加えて、反応温度10℃にて
反応を開始した。10分後、1mL の2規定塩酸を加え
ることにより反応を停止した。反応液の一部をガスクロ
マトグラフィーにて分析し、生成したプロピオンアミド
を定量した。以下、酵素活性の単位(ユニット)は、一
分間に1μmolのプロピオンニトリルをプロピオンア
ミドに変換する活性を1ユニット(以下、Uと記す。)
と定めた。
【0021】実施例7(反応例 その3) アグロバクテリウム・ラジオバクターSC−C15−1
が有するニトリル水和酵素の各種ニトリル化合物をアミ
ド化合物に変換させる能力について調べた。実施例6に
よって得られた粗酵素液50Uに対し、0.05Mリン
酸緩衝液(pH7.7)10mL 、基質である各種ニト
リル化合物(表1参照)1mmolを加えて30℃、1
時間反応させた。結果、アグロバクテリウム・ラジオバ
クターSC−C15−1が有するニトリル水和酵素はす
べてニトリル化合物を対応するアミド化合物に変換させ
る能力を有し、かつ変換率100%であった。なお、反
応液の分析は、ガスクロマトグラフィー、あるいは液体
クロマトグラフィーにより生成したアミド化合物、ある
いは減少したニトリル化合物を定量することにより行っ
た。
【0022】
【表1】
【0023】実施例8(反応例 その4) アグロバクテリウム・ラジオバクターSC−C15−1
が有するニトリル水和酵素の実施例7において供試され
た以外の各種ニトリル化合物(表2参照)をアミド化合
物に変換させる能力について調べた。実施例6によって
得られた粗酵素液60Uに対し、0.05Mリン酸緩衝
液(pH7.7)20mL、基質である各種ニトリル化
合物1mmolを加えて30℃、3時間反応させた。結
果、アグロバクテリウム・ラジオバクターSC−C15
−1が有するニトリル水和酵素は、すべての供試ニトリ
ル化合物を対応するアミド化合物に変換させる能力を有
し、かつ変換率100%であった。なお、反応液の分析
は、ガスクロマトグラフィーあるいは液体クロマトグラ
フィーにより生成したアミド化合物あるいは減少したニ
トリル化合物を定量することにより行った。
【0024】
【表2】
【0025】
【発明の効果】本発明により、アグロバクテリウム属に
属する微生物を用いて、常温常圧下でニトリル化合物の
ニトリル基を水和して、アミド化合物に変換することに
よって、純度の高いアミド化合物を製造することが可能
となった。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C12R 1:01) (56)参考文献 特開 平5−103681(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12P 13/00 - 13/24 BIOSIS/WPI(DIALOG)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】トリル化合物をアミド化合物に変換させ
    る活性を有するアグロバクテリウム・ラジオバクター
    (Agrobacterium radiobacter)の培養液、菌体または
    菌体処理物を用いて、ニトリル化合物をアミド化合物に
    変換させることを特徴とするアミド化合物の製造方法。
  2. 【請求項2】アグロバクテリウム・ラジオバクターが、
    アグロバクテリウム・ラジオバクター(Agrobacterium r
    adiobacter) SC-C15-1(微工研条寄第3843号)であ
    ることを特徴とする請求項1記載のアミド化合物の製造
    方法。
  3. 【請求項3】ニトリル化合物がn−ブチロニトリル、n
    ーバレロニトリル、イソブチロニトリル、アセトニトリ
    ル、ピバロニトリル、2−クロロプロピオニトリル、ア
    クリロニトリル、クロトノニトリル、メタクリロニトリ
    ル、ベンゾニトリル、2−シアノピリジン、3−シアノ
    ピリジン、4ーシアノピリジン、マロノニトリル、スク
    シノニトリルまたはアジポニトリルであることを特徴と
    する請求項1記載のアミド化合物の製造方法。
  4. 【請求項4】ニトリル化合物をアミド化合物に変換させ
    る活性を有するアグロバクテリウム ラジオバクター(A
    grobacterium radiobacter)
  5. 【請求項5】アグロバクテリウム・ラジオバクター(Ag
    robacterium radiobacter)SC-C15-1(微工研条寄第3
    843号)。
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