JP2000157293A - α−ヒドロキシ−4−メチルチオ酪酸アミドの製造方法 - Google Patents
α−ヒドロキシ−4−メチルチオ酪酸アミドの製造方法Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】飼料添加物として用いられるα−ヒドロキシ−
4−メチルチオ酪酸の製造中間体として有用なα−ヒド
ロキシ−4−メチルチオ酪酸アミドを工業的に有利に製
造する方法を提供すること。 【解決手段】α−ヒドロキシ−4−メチルチオブチロニ
トリルをα−ヒドロキシ−4−メチルチオ酪酸アミドに
変換する能力を有しアグロバクテリウム(Agrobacteriu
m)属に属する微生物の培養液、菌体、または菌体処理
物を、α−ヒドロキシ−4−メチルチオブチロニトリル
に作用させ、α−ヒドロキシ−4−メチルチオ酪酸アミ
ドを生成させることを特徴とするα−ヒドロキシ−4−
メチルチオ酪酸アミドの製造方法。
4−メチルチオ酪酸の製造中間体として有用なα−ヒド
ロキシ−4−メチルチオ酪酸アミドを工業的に有利に製
造する方法を提供すること。 【解決手段】α−ヒドロキシ−4−メチルチオブチロニ
トリルをα−ヒドロキシ−4−メチルチオ酪酸アミドに
変換する能力を有しアグロバクテリウム(Agrobacteriu
m)属に属する微生物の培養液、菌体、または菌体処理
物を、α−ヒドロキシ−4−メチルチオブチロニトリル
に作用させ、α−ヒドロキシ−4−メチルチオ酪酸アミ
ドを生成させることを特徴とするα−ヒドロキシ−4−
メチルチオ酪酸アミドの製造方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、α−ヒドロキシ−
4−メチルチオ酪酸アミドを製造する方法に関する。
4−メチルチオ酪酸アミドを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】α−ヒドロキシ−4−メチルチオ酪酸ア
ミドは、家畜、特に家禽の飼料に含硫アミノ酸類を補う
ために添加されるα−ヒドロキシ−4−メチルチオ酪酸
の製造中間体として有用である。アミド化合物の工業的
製造方法としては、アクリルアミドの場合のように触媒
として還元銅を用いてニトリルを水和する方法や、アミ
ノアミドの場合のように希アルカリとケトン類の存在下
にニトリルから生成させる方法(特開昭57−1587
43)等が知られている。また、微生物等の生体触媒を
利用したα−ヒドロキシ−4−メチルチオブチロニトリ
ルからのα−ヒドロキシ−4−メチルチオ酪酸アミドの
製造方法(特公昭62−21519、特開平4−408
99、特開平5−15384)が提案されている。しか
しながら、これらの方法も、工業的製造方法として必ず
しも充分なものとは言い難い。
ミドは、家畜、特に家禽の飼料に含硫アミノ酸類を補う
ために添加されるα−ヒドロキシ−4−メチルチオ酪酸
の製造中間体として有用である。アミド化合物の工業的
製造方法としては、アクリルアミドの場合のように触媒
として還元銅を用いてニトリルを水和する方法や、アミ
ノアミドの場合のように希アルカリとケトン類の存在下
にニトリルから生成させる方法(特開昭57−1587
43)等が知られている。また、微生物等の生体触媒を
利用したα−ヒドロキシ−4−メチルチオブチロニトリ
ルからのα−ヒドロキシ−4−メチルチオ酪酸アミドの
製造方法(特公昭62−21519、特開平4−408
99、特開平5−15384)が提案されている。しか
しながら、これらの方法も、工業的製造方法として必ず
しも充分なものとは言い難い。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、α−ヒド
ロキシ−4−メチルチオ酪酸アミドの工業的に有利な製
造法について鋭意検討を重ねた結果、アグロバクテリウ
ム(Agrobacterium)属に属する微生物が、α−ヒドロキ
シ−4−メチルチオブチロニトリルに作用してα−ヒド
ロキシ−4−メチルチオ酪酸アミドを生成しうることを
見出し、本発明に至った。すなわち、本発明は、α−ヒ
ドロキシ−4−メチルチオブチロニトリルをα−ヒドロ
キシ−4−メチルチオ酪酸アミドに変換する能力を有し
アグロバクテリウム(Agrobacterium)属に属する微生
物の培養液、菌体、または菌体処理物を、α−ヒドロキ
シ−4−メチルチオブチロニトリルに作用させ、α−ヒ
ドロキシ−4−メチルチオ酪酸アミドを生成させること
を特徴とするα−ヒドロキシ−4−メチルチオ酪酸アミ
ドの製造方法(以下、本発明製造方法と記す)を提供す
るものである。
ロキシ−4−メチルチオ酪酸アミドの工業的に有利な製
造法について鋭意検討を重ねた結果、アグロバクテリウ
ム(Agrobacterium)属に属する微生物が、α−ヒドロキ
シ−4−メチルチオブチロニトリルに作用してα−ヒド
ロキシ−4−メチルチオ酪酸アミドを生成しうることを
見出し、本発明に至った。すなわち、本発明は、α−ヒ
ドロキシ−4−メチルチオブチロニトリルをα−ヒドロ
キシ−4−メチルチオ酪酸アミドに変換する能力を有し
アグロバクテリウム(Agrobacterium)属に属する微生
物の培養液、菌体、または菌体処理物を、α−ヒドロキ
シ−4−メチルチオブチロニトリルに作用させ、α−ヒ
ドロキシ−4−メチルチオ酪酸アミドを生成させること
を特徴とするα−ヒドロキシ−4−メチルチオ酪酸アミ
ドの製造方法(以下、本発明製造方法と記す)を提供す
るものである。
【0004】
【発明の実施の形態】本発明製造方法に用いることがで
きる微生物は、α−ヒドロキシ−4−メチルチオブチロ
ニトリルをα−ヒドロキシ−4−メチルチオ酪酸アミド
に変換する能力を有しアグロバクテリウム(Agrobacteri
um)属に属する微生物であって、例えば、アグロバクテ
リウム・ラジオバクター種の微生物をあげることがで
き、より具体的には、アグロバクテリウム・ラジオバク
ター(Agrobacterium radiobacter) SC-C15-1株(公知の
微生物であり、寄託番号 FERM BP-3843として工業技術
院生命工学工業技術研究所に寄託されている。)をあげ
ることができる。また、これらの微生物株に由来する突
然変異株、または遺伝子操作法等の分子遺伝学的手法に
よりこれらの微生物株から誘導される組換え体株等のい
ずれの菌株であっても、前記能力され有すれば好適に用
いることができる。
きる微生物は、α−ヒドロキシ−4−メチルチオブチロ
ニトリルをα−ヒドロキシ−4−メチルチオ酪酸アミド
に変換する能力を有しアグロバクテリウム(Agrobacteri
um)属に属する微生物であって、例えば、アグロバクテ
リウム・ラジオバクター種の微生物をあげることがで
き、より具体的には、アグロバクテリウム・ラジオバク
ター(Agrobacterium radiobacter) SC-C15-1株(公知の
微生物であり、寄託番号 FERM BP-3843として工業技術
院生命工学工業技術研究所に寄託されている。)をあげ
ることができる。また、これらの微生物株に由来する突
然変異株、または遺伝子操作法等の分子遺伝学的手法に
よりこれらの微生物株から誘導される組換え体株等のい
ずれの菌株であっても、前記能力され有すれば好適に用
いることができる。
【0005】このような本発明の製造方法に使用される
微生物の培養には、通常の微生物培養に使用される炭素
源、窒素源、無機物等を適宜含む各種の培地を使用する
ことができる。例えば、炭素源としては、グルコース、
グリセリン、糖蜜など、窒素源としては、ペプトン、酵
母エキス、麦芽エキス、大豆粉、コーンスティープリカ
ー、綿実粉、乾燥酵母、カザミノ酸、塩化アンモニウ
ム、硝酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、尿素など、
無機物としては、カリウム、ナトリウム、マグネシウ
ム、鉄、マンガン、コバルト、亜鉛等の塩化物、硫酸塩
類、またはリン酸塩類など、具体的には、塩化カリウ
ム、塩化ナトリウム、硫酸マグネシウム、硫酸第一鉄、
硫酸マンガン、塩化コバルト、硫酸亜鉛、リン酸カリウ
ム、リン酸ナトリウムなどを使用することができる。ま
た、上記微生物の有するα−ヒドロキシ−4−メチルチ
オ酪酸アミド生成能を高めるために、n−ブチロニトリ
ル、n−バレロニトリル、n−カプロニトリル、イソブ
チロニトリル、イソバレロニトリル、イソカプロニトリ
ル、クロトノニトリル等のシアノ化合物、または、n−
ブチロアミド、n−バレロアミド、n−カプロアミド、
イソブチロアミド、イソバレロアミド、クロトンアミ
ド、ジエトキシアセトアミド、2,2−ジ−n−プロピ
ルアセトアミド等のアミド化合物を0.01%(w/
v)から1%(w/v)程度となるよう、培地に添加す
るのが好ましい。培養は、通常、好気的に行うのが良
く、振とう培養または通気撹拌培養が適当である。培養
温度は、20〜40℃、好ましくは、25〜35℃があ
げられ、培地のpHは6〜8が好ましい。培養時間は、
種々の条件によって異なるが、通常1〜7日間程度であ
る。
微生物の培養には、通常の微生物培養に使用される炭素
源、窒素源、無機物等を適宜含む各種の培地を使用する
ことができる。例えば、炭素源としては、グルコース、
グリセリン、糖蜜など、窒素源としては、ペプトン、酵
母エキス、麦芽エキス、大豆粉、コーンスティープリカ
ー、綿実粉、乾燥酵母、カザミノ酸、塩化アンモニウ
ム、硝酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、尿素など、
無機物としては、カリウム、ナトリウム、マグネシウ
ム、鉄、マンガン、コバルト、亜鉛等の塩化物、硫酸塩
類、またはリン酸塩類など、具体的には、塩化カリウ
ム、塩化ナトリウム、硫酸マグネシウム、硫酸第一鉄、
硫酸マンガン、塩化コバルト、硫酸亜鉛、リン酸カリウ
ム、リン酸ナトリウムなどを使用することができる。ま
た、上記微生物の有するα−ヒドロキシ−4−メチルチ
オ酪酸アミド生成能を高めるために、n−ブチロニトリ
ル、n−バレロニトリル、n−カプロニトリル、イソブ
チロニトリル、イソバレロニトリル、イソカプロニトリ
ル、クロトノニトリル等のシアノ化合物、または、n−
ブチロアミド、n−バレロアミド、n−カプロアミド、
イソブチロアミド、イソバレロアミド、クロトンアミ
ド、ジエトキシアセトアミド、2,2−ジ−n−プロピ
ルアセトアミド等のアミド化合物を0.01%(w/
v)から1%(w/v)程度となるよう、培地に添加す
るのが好ましい。培養は、通常、好気的に行うのが良
く、振とう培養または通気撹拌培養が適当である。培養
温度は、20〜40℃、好ましくは、25〜35℃があ
げられ、培地のpHは6〜8が好ましい。培養時間は、
種々の条件によって異なるが、通常1〜7日間程度であ
る。
【0006】本発明製造方法において、α−ヒドロキシ
−4−メチルチオ酪酸アミドを生成させるための反応
は、例えば以下のように行うことができる。例えば、前
述の方法で培養した微生物の培養液、培養液から分離し
た菌体、または菌体処理物を、リン酸緩衝液等の緩衝液
に懸濁し、これとα−ヒドロキシ−4−メチルチオブチ
ロニトリルとを混合して反応させる。ここで、菌体処理
物とは微生物の菌体由来物を意味し、例えば、凍結乾燥
菌体、アセトン乾燥菌体、菌体摩砕物、菌体の自己消化
物、菌体の超音波処理物、菌体抽出物、菌体から調製さ
れた粗精製酵素もしくは精製酵素などをあげることがで
き、また、これら処理物をさらに、例えば、シリカゲル
やセラミックス等の無機担体、セルロース樹脂もしくは
イオン交換樹脂等による吸着法、ポリアクリルアミド
法、含硫多糖ゲル法(例えばカラギーナンゲル法)、ア
ルギン酸ゲル法、寒天ゲル法等の公知方法により固定化
した不溶化物等をあげることもできる。反応条件として
は、使用する微生物の培養液、菌体、または菌体処理物
の濃度は0.01〜70%(w/v)程度、α−ヒドロ
キシ−4−メチルチオブチロニトリルは濃度0.01〜
80%(w/v)程度になるように、水またはリン酸緩
衝液等の緩衝液に、溶解または懸濁するとよい。また、
これらの水溶液または水性懸濁液に、例えばアルコール
類、ケトン類、もしくはDMSO等の水溶性有機溶媒,
またはn−ヘプタン、シクロヘキサン、メチル−ter
t−ブチルエーテル、もしくは酢酸エチル等の非水溶性
有機溶媒を適宜添加することもできる。反応温度として
は、0〜50℃、好ましくは0〜30℃があげられ、反
応pHとしては、6〜10、好ましくは、7〜9があげ
られ、約10分〜48時間反応させれば良い。反応液か
らのα−ヒドロキシ−4−メチルチオ酪酸アミドの回収
は一般に知られている任意の方法で行うことができる。
例えば、反応液から、菌体等の不溶物を遠心分離等によ
って除いた後、さらに、活性炭またはイオン交換樹脂等
を用いた処理により、不純物等を除去する。その後、該
反応液を、減圧濃縮、あるいは蒸留濃縮することにより
目的のα−ヒドロキシ−4−メチルチオ酪酸アミドを得
ることができる。尚、本発明の製造方法において用いら
れる原料化合物α−ヒドロキシ−4−メチルチオブチロ
ニトリルは、種々の公知の方法により製造することが可
能であり、例えば特開平5−286926において開示
されている方法により製造することができる。
−4−メチルチオ酪酸アミドを生成させるための反応
は、例えば以下のように行うことができる。例えば、前
述の方法で培養した微生物の培養液、培養液から分離し
た菌体、または菌体処理物を、リン酸緩衝液等の緩衝液
に懸濁し、これとα−ヒドロキシ−4−メチルチオブチ
ロニトリルとを混合して反応させる。ここで、菌体処理
物とは微生物の菌体由来物を意味し、例えば、凍結乾燥
菌体、アセトン乾燥菌体、菌体摩砕物、菌体の自己消化
物、菌体の超音波処理物、菌体抽出物、菌体から調製さ
れた粗精製酵素もしくは精製酵素などをあげることがで
き、また、これら処理物をさらに、例えば、シリカゲル
やセラミックス等の無機担体、セルロース樹脂もしくは
イオン交換樹脂等による吸着法、ポリアクリルアミド
法、含硫多糖ゲル法(例えばカラギーナンゲル法)、ア
ルギン酸ゲル法、寒天ゲル法等の公知方法により固定化
した不溶化物等をあげることもできる。反応条件として
は、使用する微生物の培養液、菌体、または菌体処理物
の濃度は0.01〜70%(w/v)程度、α−ヒドロ
キシ−4−メチルチオブチロニトリルは濃度0.01〜
80%(w/v)程度になるように、水またはリン酸緩
衝液等の緩衝液に、溶解または懸濁するとよい。また、
これらの水溶液または水性懸濁液に、例えばアルコール
類、ケトン類、もしくはDMSO等の水溶性有機溶媒,
またはn−ヘプタン、シクロヘキサン、メチル−ter
t−ブチルエーテル、もしくは酢酸エチル等の非水溶性
有機溶媒を適宜添加することもできる。反応温度として
は、0〜50℃、好ましくは0〜30℃があげられ、反
応pHとしては、6〜10、好ましくは、7〜9があげ
られ、約10分〜48時間反応させれば良い。反応液か
らのα−ヒドロキシ−4−メチルチオ酪酸アミドの回収
は一般に知られている任意の方法で行うことができる。
例えば、反応液から、菌体等の不溶物を遠心分離等によ
って除いた後、さらに、活性炭またはイオン交換樹脂等
を用いた処理により、不純物等を除去する。その後、該
反応液を、減圧濃縮、あるいは蒸留濃縮することにより
目的のα−ヒドロキシ−4−メチルチオ酪酸アミドを得
ることができる。尚、本発明の製造方法において用いら
れる原料化合物α−ヒドロキシ−4−メチルチオブチロ
ニトリルは、種々の公知の方法により製造することが可
能であり、例えば特開平5−286926において開示
されている方法により製造することができる。
【0007】
【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
尚、α−ヒドロキシ−4−メチルチオ酪酸アミドの定量
分析条件は以下の通りとした。 HPLC分析条件 カラム; Lichrosorb RP-8((株)住化分析センター
製) カラム温度;40℃ 溶出液;50mM−1−ペンタンスルホン酸ナトリウム
水溶液(pH3.0)/アセトニトリル=95/5 流量;1.0ml/分 検出;UV210nm
明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
尚、α−ヒドロキシ−4−メチルチオ酪酸アミドの定量
分析条件は以下の通りとした。 HPLC分析条件 カラム; Lichrosorb RP-8((株)住化分析センター
製) カラム温度;40℃ 溶出液;50mM−1−ペンタンスルホン酸ナトリウム
水溶液(pH3.0)/アセトニトリル=95/5 流量;1.0ml/分 検出;UV210nm
【0008】実施例1 グリセロール1.0%(w/v)、ポリペプトン0.5%
(w/v)、酵母エキス0.3%(w/v)、マルトエ
キス0.3%(w/v)、イソカプロニトリル0.1%
(w/v)、および、硫酸第一鉄0.001%(w/
v)、硫酸マンガン0.001%(w/v)、塩化コバ
ルト0.001%(w/v)、硫酸亜鉛0.001%(w
/v)(pH7.2)からなる殺菌済み培地100mL
を500mL容の坂口フラスコに入れ、これに、前記と
同じ組成の培地であらかじめ培養して得たアグロバクテ
リウム・ラジオバクター SC-C15-1 株の培養液1mLを
植菌した。これを30℃で2日間135stroke/minで往
復振とう培養し、菌体培養液を得た。前記菌体培養液
0.5mLに、α−ヒドロキシ−4−メチルチオブチロ
ニトリル50mgを含む50mMリン酸バッファー溶液
(pH7.7)4.5mlを加えて、30℃で保温し
た。10分後、該反応液に2規定塩酸0.5mLを加え
た後、反応液中のα−ヒドロキシ−4−メチルチオ酪酸
の量をHPLCにて分析した。その結果、反応液中にα
−ヒドロキシ−4−メチルチオ酪酸アミド10.3mg
が生成していた。
(w/v)、酵母エキス0.3%(w/v)、マルトエ
キス0.3%(w/v)、イソカプロニトリル0.1%
(w/v)、および、硫酸第一鉄0.001%(w/
v)、硫酸マンガン0.001%(w/v)、塩化コバ
ルト0.001%(w/v)、硫酸亜鉛0.001%(w
/v)(pH7.2)からなる殺菌済み培地100mL
を500mL容の坂口フラスコに入れ、これに、前記と
同じ組成の培地であらかじめ培養して得たアグロバクテ
リウム・ラジオバクター SC-C15-1 株の培養液1mLを
植菌した。これを30℃で2日間135stroke/minで往
復振とう培養し、菌体培養液を得た。前記菌体培養液
0.5mLに、α−ヒドロキシ−4−メチルチオブチロ
ニトリル50mgを含む50mMリン酸バッファー溶液
(pH7.7)4.5mlを加えて、30℃で保温し
た。10分後、該反応液に2規定塩酸0.5mLを加え
た後、反応液中のα−ヒドロキシ−4−メチルチオ酪酸
の量をHPLCにて分析した。その結果、反応液中にα
−ヒドロキシ−4−メチルチオ酪酸アミド10.3mg
が生成していた。
【0009】
【発明の効果】本発明により、飼料添加物として用いら
れるα−ヒドロキシ−4−メチルチオ酪酸の製造中間体
として有用なα−ヒドロキシ−4−メチルチオ酪酸アミ
ドを工業的に有利に製造する方法が提供できる。
れるα−ヒドロキシ−4−メチルチオ酪酸の製造中間体
として有用なα−ヒドロキシ−4−メチルチオ酪酸アミ
ドを工業的に有利に製造する方法が提供できる。
Claims (3)
- 【請求項1】α−ヒドロキシ−4−メチルチオブチロニ
トリルをα−ヒドロキシ−4−メチルチオ酪酸アミドに
変換する能力を有しアグロバクテリウム(Agrobacteriu
m)属に属する微生物の培養液、菌体、または菌体処理
物を、α−ヒドロキシ−4−メチルチオブチロニトリル
に作用させ、α−ヒドロキシ−4−メチルチオ酪酸アミ
ドを生成させることを特徴とするα−ヒドロキシ−4−
メチルチオ酪酸アミドの製造方法。 - 【請求項2】微生物が、アグロバクテリウム・ラジオバ
クター(Agrobacterium radiobacter)種の微生物である
請求項1記載のα−ヒドロキシ−4−メチルチオ酪酸ア
ミドの製造方法。 - 【請求項3】微生物が、アグロバクテリウム・ラジオバ
クター(Agrobacterium radiobacter) SC-C15-1 株(FER
M BP-3843)である請求項1または2記載のα−ヒドロ
キシ−4−メチルチオ酪酸アミドの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33097998A JP2000157293A (ja) | 1998-11-20 | 1998-11-20 | α−ヒドロキシ−4−メチルチオ酪酸アミドの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33097998A JP2000157293A (ja) | 1998-11-20 | 1998-11-20 | α−ヒドロキシ−4−メチルチオ酪酸アミドの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000157293A true JP2000157293A (ja) | 2000-06-13 |
Family
ID=18238491
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP33097998A Withdrawn JP2000157293A (ja) | 1998-11-20 | 1998-11-20 | α−ヒドロキシ−4−メチルチオ酪酸アミドの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000157293A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1291435A2 (en) * | 2001-08-30 | 2003-03-12 | ISTITUTO BIOCHIMICO ITALIANO GIOVANNI LORENZINI S.p.A. | A micro-organism possessing enantioselective and regioselective nitrile hydratase/amidase activities |
WO2008126667A3 (en) * | 2007-03-19 | 2008-12-24 | Sumitomo Chemical Co | Method for producing lactic acid |
-
1998
- 1998-11-20 JP JP33097998A patent/JP2000157293A/ja not_active Withdrawn
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1291435A2 (en) * | 2001-08-30 | 2003-03-12 | ISTITUTO BIOCHIMICO ITALIANO GIOVANNI LORENZINI S.p.A. | A micro-organism possessing enantioselective and regioselective nitrile hydratase/amidase activities |
EP1291435A3 (en) * | 2001-08-30 | 2003-11-19 | ISTITUTO BIOCHIMICO ITALIANO GIOVANNI LORENZINI S.p.A. | A micro-organism possessing enantioselective and regioselective nitrile hydratase/amidase activities |
WO2008126667A3 (en) * | 2007-03-19 | 2008-12-24 | Sumitomo Chemical Co | Method for producing lactic acid |
JP2009142256A (ja) * | 2007-03-19 | 2009-07-02 | Sumitomo Chemical Co Ltd | D−乳酸の製造方法 |
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