JPH0614786A - アミド化合物の製造方法および使用される微生物 - Google Patents
アミド化合物の製造方法および使用される微生物Info
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- JPH0614786A JPH0614786A JP5060080A JP6008093A JPH0614786A JP H0614786 A JPH0614786 A JP H0614786A JP 5060080 A JP5060080 A JP 5060080A JP 6008093 A JP6008093 A JP 6008093A JP H0614786 A JPH0614786 A JP H0614786A
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- C12P—FERMENTATION OR ENZYME-USING PROCESSES TO SYNTHESISE A DESIRED CHEMICAL COMPOUND OR COMPOSITION OR TO SEPARATE OPTICAL ISOMERS FROM A RACEMIC MIXTURE
- C12P13/00—Preparation of nitrogen-containing organic compounds
- C12P13/02—Amides, e.g. chloramphenicol or polyamides; Imides or polyimides; Urethanes, i.e. compounds comprising N-C=O structural element or polyurethanes
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C12—BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
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- C12P17/00—Preparation of heterocyclic carbon compounds with only O, N, S, Se or Te as ring hetero atoms
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- C12P17/12—Nitrogen as only ring hetero atom containing a six-membered hetero ring
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- C12R2001/01—Bacteria or Actinomycetales ; using bacteria or Actinomycetales
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 アグロバクテリウム(Agrobacterium )属に
属し、ニトリル化合物をアミド化合物に変換させる活性
を有する微生物の培養液、菌体、または菌体処理物を用
いて、ニトリル化合物をアミド化合物に変換させること
を特徴とするアミド化合物の製造方法。 【効果】 アグロバクテリウム属に属する微生物を用い
て、常温常圧下でニトリル化合物のニトリル基を水和し
て、アミド化合物に変換することによって、純度の高い
アミド化合物を製造することが可能となった。
属し、ニトリル化合物をアミド化合物に変換させる活性
を有する微生物の培養液、菌体、または菌体処理物を用
いて、ニトリル化合物をアミド化合物に変換させること
を特徴とするアミド化合物の製造方法。 【効果】 アグロバクテリウム属に属する微生物を用い
て、常温常圧下でニトリル化合物のニトリル基を水和し
て、アミド化合物に変換することによって、純度の高い
アミド化合物を製造することが可能となった。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アミド化合物の製造方
法および使用される微生物に関するものである。
法および使用される微生物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、微生物等の生体触媒が、化学反応
の触媒として盛んに利用されている。ニトリル化合物を
アミド化合物に変換させる場合にも、微生物を用いた製
造方法が知られている。例えば、バチルス(Bacillus)
属、バクテリジューム(Bacteridium) 属、ミクロコッカ
ス(Micrococcus) 属、ブレビバクテリウム(Brevibacter
ium)属に属する微生物を用いる方法(USP-4001081 )、
コリネバクテリウム(Corynebacterium) 属、ノカルジア
(Nocardia)属に属する微生物を用いる方法(USP-424896
8 )、シュードモナス(Pseudomonas) 属に属する微生物
を用いる方法(USP-4555487 )、ロドコッカス(Rhodoco
ccus) 属、ミクロバクテリウム(Microbacterium)属に属
する微生物を用いる方法(EP-188316 )、フザリウム(F
usarium)属に属する微生物を利用する方法(特開昭64-8
6889)等が挙げられる。
の触媒として盛んに利用されている。ニトリル化合物を
アミド化合物に変換させる場合にも、微生物を用いた製
造方法が知られている。例えば、バチルス(Bacillus)
属、バクテリジューム(Bacteridium) 属、ミクロコッカ
ス(Micrococcus) 属、ブレビバクテリウム(Brevibacter
ium)属に属する微生物を用いる方法(USP-4001081 )、
コリネバクテリウム(Corynebacterium) 属、ノカルジア
(Nocardia)属に属する微生物を用いる方法(USP-424896
8 )、シュードモナス(Pseudomonas) 属に属する微生物
を用いる方法(USP-4555487 )、ロドコッカス(Rhodoco
ccus) 属、ミクロバクテリウム(Microbacterium)属に属
する微生物を用いる方法(EP-188316 )、フザリウム(F
usarium)属に属する微生物を利用する方法(特開昭64-8
6889)等が挙げられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、ニトリ
ル化合物をアミド化合物に変換させる活性を有する微生
物がいく種類か知られているが、微生物を用いたさらに
効率の良いアミド化合物の製造方法が求められている。
ル化合物をアミド化合物に変換させる活性を有する微生
物がいく種類か知られているが、微生物を用いたさらに
効率の良いアミド化合物の製造方法が求められている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の状
況を鑑み、ニトリル化合物をアミド化合物に変換させる
より優れた活性を有する微生物を広く自然界より探索し
た。結果、京都府の土壌より分離したアグロバクテリウ
ム(Agrobacterium) 属に属する微生物がニトリル化合物
のニトリル基に対する高い水和活性を有し、ニトリル化
合物をアミド化合物に効率良く変換させることを見い出
し、本発明を完成した。即ち、本発明はアグロバクテリ
ウム(Agrobacterium) 属に属し、ニトリル化合物をアミ
ド化合物に変換させる活性を有する微生物の培養液、菌
体または菌体処理物を用いて、ニトリル化合物をアミド
化合物に変換させることを特徴とするアミド化合物の製
造方法( 以下、本発明方法と記す。) および使用される
微生物を提供するものである。
況を鑑み、ニトリル化合物をアミド化合物に変換させる
より優れた活性を有する微生物を広く自然界より探索し
た。結果、京都府の土壌より分離したアグロバクテリウ
ム(Agrobacterium) 属に属する微生物がニトリル化合物
のニトリル基に対する高い水和活性を有し、ニトリル化
合物をアミド化合物に効率良く変換させることを見い出
し、本発明を完成した。即ち、本発明はアグロバクテリ
ウム(Agrobacterium) 属に属し、ニトリル化合物をアミ
ド化合物に変換させる活性を有する微生物の培養液、菌
体または菌体処理物を用いて、ニトリル化合物をアミド
化合物に変換させることを特徴とするアミド化合物の製
造方法( 以下、本発明方法と記す。) および使用される
微生物を提供するものである。
【0005】以下、本発明をさらに詳細に説明する。本
発明方法において、ニトリル化合物としては、例えば、
n−ブチロニトリル、nーバレロニトリル、イソブチロ
ニトリル、アセトニトリル、ピバロニトリル等の脂肪族
ニトリル化合物、2−クロロプロピオニトリル等のハロ
ゲン原子を含むニトリル化合物、アクリロニトリル、ク
ロトノニトリル、メタクリロニトリル等の不飽和結合を
含む脂肪族ニトリル化合物、ラクトニトリル、マンデロ
ニトリル等のヒドロキシニトリル化合物、2-フェニルグ
リシノニトリル等のアミノニトリル化合物、ベンゾニト
リル、シアノピリジン等の芳香族ニトリル化合物、マロ
ノニトリル、スクシノニトリル、アジポニトリル等のジ
ニトリル化合物等が挙げられる。好ましくは、n−ブチ
ロニトリル、nーバレロニトリル、イソブチルロニトリ
ル、アセトニトリル、ピバロニトリル、2−クロロプロ
ピオニトリル、アクリロニトリル、クロトノニトリル、
メタクリロニトリル、ベンゾニトリル、2−シアノピリ
ジン、3-シアノピリジン、4-シアノピリジン、マロノニ
トリル、スクシノニトリオルまたはアジポニトリルを挙
げることができる。
発明方法において、ニトリル化合物としては、例えば、
n−ブチロニトリル、nーバレロニトリル、イソブチロ
ニトリル、アセトニトリル、ピバロニトリル等の脂肪族
ニトリル化合物、2−クロロプロピオニトリル等のハロ
ゲン原子を含むニトリル化合物、アクリロニトリル、ク
ロトノニトリル、メタクリロニトリル等の不飽和結合を
含む脂肪族ニトリル化合物、ラクトニトリル、マンデロ
ニトリル等のヒドロキシニトリル化合物、2-フェニルグ
リシノニトリル等のアミノニトリル化合物、ベンゾニト
リル、シアノピリジン等の芳香族ニトリル化合物、マロ
ノニトリル、スクシノニトリル、アジポニトリル等のジ
ニトリル化合物等が挙げられる。好ましくは、n−ブチ
ロニトリル、nーバレロニトリル、イソブチルロニトリ
ル、アセトニトリル、ピバロニトリル、2−クロロプロ
ピオニトリル、アクリロニトリル、クロトノニトリル、
メタクリロニトリル、ベンゾニトリル、2−シアノピリ
ジン、3-シアノピリジン、4-シアノピリジン、マロノニ
トリル、スクシノニトリオルまたはアジポニトリルを挙
げることができる。
【0006】本発明方法において、使用される微生物
は、アグロバクテリウム(Agrobacterium) 属に属し、ニ
トリル化合物をアミド化合物に変換させる活性を有する
微生物であるが、その好ましい例として、例えば、アグ
ロバクテリウム・ラジオバクター(Agrobacterium radio
bacter) SC-C15-1をあげることができる。
は、アグロバクテリウム(Agrobacterium) 属に属し、ニ
トリル化合物をアミド化合物に変換させる活性を有する
微生物であるが、その好ましい例として、例えば、アグ
ロバクテリウム・ラジオバクター(Agrobacterium radio
bacter) SC-C15-1をあげることができる。
【0007】アグロバクテリウム・ラジオバクター SC-
C15-1 は、本発明者らが自然界より分離した、ニトリル
化合物のニトリル基に対する高い水和活性を有するアグ
ロバクテリウム属に属する微生物であり、工業技術院生
命工学工業技術研究所( 旧名工業技術院微生物工業技術
研究所) に微工研条寄第3843号(FERM BP-3843 )と
してブダペスト条約下で寄託されている。アグロバクテ
リウム・ラジオバクター SC-C15-1 の菌学的性質は以下
のとおりである。
C15-1 は、本発明者らが自然界より分離した、ニトリル
化合物のニトリル基に対する高い水和活性を有するアグ
ロバクテリウム属に属する微生物であり、工業技術院生
命工学工業技術研究所( 旧名工業技術院微生物工業技術
研究所) に微工研条寄第3843号(FERM BP-3843 )と
してブダペスト条約下で寄託されている。アグロバクテ
リウム・ラジオバクター SC-C15-1 の菌学的性質は以下
のとおりである。
【0008】(a)形態 1. 細胞の形および大きさ 形 : 桿状 大きさ : 0. 5〜0. 8μmx0. 8〜2μ
m 2. 細胞の多形性の有無 : 無 3. 運動性の有無 : 有、周鞭毛 4. 胞子の有無 : 無 5. グラム染色 : 陰性 6. 抗酸性 : 無 (b)生育状態 1. 肉汁寒天平板培養 : 周円、凸状、光沢無、薄
褐色 2. 肉汁寒天斜面培養 : 光沢無、薄褐色 3. 肉汁液体培養 : 一様に混濁して生育 4. 肉汁ゼラチン穿刺培養: 液化しない 5. リトマスミルク : わずかに凝固
m 2. 細胞の多形性の有無 : 無 3. 運動性の有無 : 有、周鞭毛 4. 胞子の有無 : 無 5. グラム染色 : 陰性 6. 抗酸性 : 無 (b)生育状態 1. 肉汁寒天平板培養 : 周円、凸状、光沢無、薄
褐色 2. 肉汁寒天斜面培養 : 光沢無、薄褐色 3. 肉汁液体培養 : 一様に混濁して生育 4. 肉汁ゼラチン穿刺培養: 液化しない 5. リトマスミルク : わずかに凝固
【0009】(c)生理学的性質 1. 硝酸塩の還元 : + 2. 脱窒反応 : ±〜+ 3. MRテスト : − 4. VPテスト : + 5. インドールの生成 : − 6. 硫化水素の生成 : + 7. デンプンの加水分解 : − 8. クエン酸の利用コーサー の培地 : +クリスチャンセン の培地 : + 9. 無機窒素源の利用 NaNO3 : + (NH4)2SO4 : + 10. 色素の生成 キングA 培地 : − キングB 培地 : − 11. ウレアーゼ : + 12. オキシダーゼ : + 13. カタラーゼ : + 14. 生育の範囲 pH : 6. 2〜9. 6 温度 : 4℃〜39℃ 15. 酸素に対する態度 : 好気性 16. O−Fテスト : O
【0010】(d)その他の性質 1. ポリ−β−ヒドロキシ酪酸の蓄積 : − 2. アルギニンジヒドロラーゼ : + 3. GC含量 : 58. 7% 以上の諸性質をバージーの細菌分類書(Bergey's Manua
l of Systematic Bacteriology)[1984年版]により検
索した結果、本発明者は、本菌株をアグロバクテリウム
・ラジオバクター (Agrobacterium radiobacter)である
と同定した。アグロバクテリウム(Agrobacterium )属
に属し、ニトリル化合物をアミド化合物に変換させる活
性を有する微生物は今まで知られていない。この点にお
いてアグロバクテリウム・ラジオバクタ−SC-C15-1は新
菌株と認められる。また、該菌株の変異体、即ち、アグ
ロバクテリウム・ラジオバクタ−SC-C15-1より誘導され
た突然変異体、細胞融合株および遺伝子組み換え株も本
発明方法において利用が可能である。
l of Systematic Bacteriology)[1984年版]により検
索した結果、本発明者は、本菌株をアグロバクテリウム
・ラジオバクター (Agrobacterium radiobacter)である
と同定した。アグロバクテリウム(Agrobacterium )属
に属し、ニトリル化合物をアミド化合物に変換させる活
性を有する微生物は今まで知られていない。この点にお
いてアグロバクテリウム・ラジオバクタ−SC-C15-1は新
菌株と認められる。また、該菌株の変異体、即ち、アグ
ロバクテリウム・ラジオバクタ−SC-C15-1より誘導され
た突然変異体、細胞融合株および遺伝子組み換え株も本
発明方法において利用が可能である。
【0011】本発明方法において使用される微生物の培
養には、一般細菌における通常の培養に使用される炭素
源、窒素源、有機ないし無機塩等を適宜含む各種の培地
を使用することができる。炭素源としては、グルコー
ス、グリセリン、デキストリン、シュークロース、動植
物油、糖蜜等が挙げられる。窒素源としては、肉エキ
ス、ペプトン、酵母エキス、麦芽エキス、大豆粉、コー
ン・スティープ・リカー(corn steep liquor)、綿実
粉、乾燥酵母、カザミノ酸、塩化アンモニウム、硝酸ナ
トリウム、硝酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、酢酸
アンモニウム、尿素等の有機または無機窒素源等が挙げ
られる。有機ないし無機塩としては、カリウム、ナトリ
ウム、マグネシウム、鉄、マンガン、コバルト、亜鉛等
の塩化物、硫酸塩類、酢酸塩類、炭酸塩類およびリン酸
塩類、具体的には、塩化カリウム、塩化ナトリウム、硫
酸マグネシウム、硫酸第一鉄、硫酸マンガン、塩化コバ
ルト、硫酸亜鉛、硫酸銅、酢酸ナトリウム、炭酸カルシ
ウム、炭酸ナトリウム、リン酸水素1 カリウム、リン酸
水素2 カリウム、リン酸水素1 ナトリウム、リン酸水素
2 ナトリウム等を挙げることができる。また、本発明方
法において使用される微生物の有するニトリル基に対す
る水和活性を高めるために、イソバレロニトリル、クロ
トノニトリル等のニトリル化合物、クロトンアミド等の
アミド化合物を添加するのが好ましい。添加量として
は、例えば、培地100ml に対して、約10mg〜約1gを挙げ
ることができる。
養には、一般細菌における通常の培養に使用される炭素
源、窒素源、有機ないし無機塩等を適宜含む各種の培地
を使用することができる。炭素源としては、グルコー
ス、グリセリン、デキストリン、シュークロース、動植
物油、糖蜜等が挙げられる。窒素源としては、肉エキ
ス、ペプトン、酵母エキス、麦芽エキス、大豆粉、コー
ン・スティープ・リカー(corn steep liquor)、綿実
粉、乾燥酵母、カザミノ酸、塩化アンモニウム、硝酸ナ
トリウム、硝酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、酢酸
アンモニウム、尿素等の有機または無機窒素源等が挙げ
られる。有機ないし無機塩としては、カリウム、ナトリ
ウム、マグネシウム、鉄、マンガン、コバルト、亜鉛等
の塩化物、硫酸塩類、酢酸塩類、炭酸塩類およびリン酸
塩類、具体的には、塩化カリウム、塩化ナトリウム、硫
酸マグネシウム、硫酸第一鉄、硫酸マンガン、塩化コバ
ルト、硫酸亜鉛、硫酸銅、酢酸ナトリウム、炭酸カルシ
ウム、炭酸ナトリウム、リン酸水素1 カリウム、リン酸
水素2 カリウム、リン酸水素1 ナトリウム、リン酸水素
2 ナトリウム等を挙げることができる。また、本発明方
法において使用される微生物の有するニトリル基に対す
る水和活性を高めるために、イソバレロニトリル、クロ
トノニトリル等のニトリル化合物、クロトンアミド等の
アミド化合物を添加するのが好ましい。添加量として
は、例えば、培地100ml に対して、約10mg〜約1gを挙げ
ることができる。
【0012】本発明方法において使用される微生物の培
養は、一般細菌における通常の培養方法に準じて行わ
れ、固体培養または液体培養[ 試験管振盪培養、往復式
振盪培養、回転振盪培養、ジャーファーメンター(jar f
ermenter) 培養、培養タンク(fermentation tank) 等]
いずれも可能である。培養は通常、好気的条件下でおこ
なわれる。特にジャーファーメンターゼ培養タンクを使
用する場合、無菌空気を導入する必要があり、通常、培
養液量の約0.1 〜約2 倍/ 分の通気条件を用いる。培養
温度は、微生物が生育する範囲で適宜変更できるが、例
えば、約20℃〜約40℃、好ましくは、約25℃〜約
35℃の範囲である。培地のpHは、例えば、約6〜約
8を好ましくあげることができる。培養時間は、種々の
条件によって異なるが、通常、約1〜約7日間程度が好
ましい。
養は、一般細菌における通常の培養方法に準じて行わ
れ、固体培養または液体培養[ 試験管振盪培養、往復式
振盪培養、回転振盪培養、ジャーファーメンター(jar f
ermenter) 培養、培養タンク(fermentation tank) 等]
いずれも可能である。培養は通常、好気的条件下でおこ
なわれる。特にジャーファーメンターゼ培養タンクを使
用する場合、無菌空気を導入する必要があり、通常、培
養液量の約0.1 〜約2 倍/ 分の通気条件を用いる。培養
温度は、微生物が生育する範囲で適宜変更できるが、例
えば、約20℃〜約40℃、好ましくは、約25℃〜約
35℃の範囲である。培地のpHは、例えば、約6〜約
8を好ましくあげることができる。培養時間は、種々の
条件によって異なるが、通常、約1〜約7日間程度が好
ましい。
【0013】本発明方法は、例えば、以下のように行う
ことができる。前述の方法で培養した微生物の培養液、
菌体または菌体処理物を水またはリン酸緩衝液等の緩衝
液等の水性水溶液に懸濁し、これをニトリル化合物に加
えて反応させる。ここで、菌体処理物とは菌体を超音
波、ホモジェナイザーおよびフレンチプレス等の通常用
いられる処理方法により破砕された菌体破砕物もしくは
酵素、あるいは菌体、菌体破砕物、酵素等を共有結合、
イオン結合、吸着などにより担体に結合させる担体結合
法、高分子の網目構造のなかに閉じ込める包括法等の固
定化の方法によって不溶化し、容易に分離可能な状態に
加工したもの( 以下、固定化物と記す。)である。反応
条件としては、使用する菌体または菌体破砕物の濃度
は、例えば、約、0.01重量% 〜約20重量% 、好ましく
は、約0.01重量% 〜約10重量% を挙げることができる。
また酵素及び固定化物の濃度は、その精製度または固定
化方法等によって変化するが、例えば、前記の菌体また
は菌体破砕物が有すると同等のニトリル基に対する水和
活性が存在するように調製することが好ましい。培養液
はそのままの状態で、ニトリル化合物を添加することに
よって用いることもできるが、好ましくは、前記の菌体
または菌体破砕物が有すると同等のニトリル基に対する
水和活性が存在するように希釈または濃縮等によって調
製することが好ましい。反応温度は、例えば、約0℃〜
約50℃、好ましくは約0℃〜約30℃を、反応pH
は、例えば、約6〜約10、好ましくは、約7〜約9
を、反応時間は、例えば、約10分間〜約48時間を挙
げることができる。反応pHを上記範囲内で維持すれ
ば、本発明方法で使用される微生物は、アミド化合物を
高濃度に生成蓄積させることもできる。反応液からのア
ミド化合物の回収は、一般に知られている任意の方法で
行うことができる。例えば、反応液から菌体等を遠心分
離等によって除いた後、活性炭、あるいはイオン交換樹
脂等による処理により、不純物等を除去する。その後、
減圧濃縮、あるいは蒸留濃縮することにより析出させた
結晶をメタノール等の有機溶媒を用いて再結晶させれば
目的のアミド化合物を得ることができる。
ことができる。前述の方法で培養した微生物の培養液、
菌体または菌体処理物を水またはリン酸緩衝液等の緩衝
液等の水性水溶液に懸濁し、これをニトリル化合物に加
えて反応させる。ここで、菌体処理物とは菌体を超音
波、ホモジェナイザーおよびフレンチプレス等の通常用
いられる処理方法により破砕された菌体破砕物もしくは
酵素、あるいは菌体、菌体破砕物、酵素等を共有結合、
イオン結合、吸着などにより担体に結合させる担体結合
法、高分子の網目構造のなかに閉じ込める包括法等の固
定化の方法によって不溶化し、容易に分離可能な状態に
加工したもの( 以下、固定化物と記す。)である。反応
条件としては、使用する菌体または菌体破砕物の濃度
は、例えば、約、0.01重量% 〜約20重量% 、好ましく
は、約0.01重量% 〜約10重量% を挙げることができる。
また酵素及び固定化物の濃度は、その精製度または固定
化方法等によって変化するが、例えば、前記の菌体また
は菌体破砕物が有すると同等のニトリル基に対する水和
活性が存在するように調製することが好ましい。培養液
はそのままの状態で、ニトリル化合物を添加することに
よって用いることもできるが、好ましくは、前記の菌体
または菌体破砕物が有すると同等のニトリル基に対する
水和活性が存在するように希釈または濃縮等によって調
製することが好ましい。反応温度は、例えば、約0℃〜
約50℃、好ましくは約0℃〜約30℃を、反応pH
は、例えば、約6〜約10、好ましくは、約7〜約9
を、反応時間は、例えば、約10分間〜約48時間を挙
げることができる。反応pHを上記範囲内で維持すれ
ば、本発明方法で使用される微生物は、アミド化合物を
高濃度に生成蓄積させることもできる。反応液からのア
ミド化合物の回収は、一般に知られている任意の方法で
行うことができる。例えば、反応液から菌体等を遠心分
離等によって除いた後、活性炭、あるいはイオン交換樹
脂等による処理により、不純物等を除去する。その後、
減圧濃縮、あるいは蒸留濃縮することにより析出させた
結晶をメタノール等の有機溶媒を用いて再結晶させれば
目的のアミド化合物を得ることができる。
【0014】
【実施例】次に、本発明の実施例を示すが、本発明はこ
れらの実施例になんら限定されるものでない。
れらの実施例になんら限定されるものでない。
【0015】実施例1(菌体分離例) 京都府の土壌を採取し、該土壌をリン酸1カリウムの
0.3重量%、リン酸2カリウム0.7重量%、グルコ
ース0.2重量%、クエン酸ナトリウム0.05重量
%、硫酸マグネシウム0.01重量%、硫酸第一鉄、硫
酸マンガン、塩化コバルト、硫酸亜鉛、それぞれ0.0
05重量%、ビタミン類微量および各種ニトリル化合物
0.05〜0.5%からなる培地(pH7.0)に加
え、21日間30℃で往復振とう培養した。この培養液
の一部を同成分を含む寒天培地上に広げて培養を行い、
集落を形成させた後、その中からニトリル基に対する水
和活性を有する菌株を選抜した。このようにしてすぐれ
た該活性を有する菌株としてアグロバクテリウム・ラジ
オバクターSC-C15-1を得た。
0.3重量%、リン酸2カリウム0.7重量%、グルコ
ース0.2重量%、クエン酸ナトリウム0.05重量
%、硫酸マグネシウム0.01重量%、硫酸第一鉄、硫
酸マンガン、塩化コバルト、硫酸亜鉛、それぞれ0.0
05重量%、ビタミン類微量および各種ニトリル化合物
0.05〜0.5%からなる培地(pH7.0)に加
え、21日間30℃で往復振とう培養した。この培養液
の一部を同成分を含む寒天培地上に広げて培養を行い、
集落を形成させた後、その中からニトリル基に対する水
和活性を有する菌株を選抜した。このようにしてすぐれ
た該活性を有する菌株としてアグロバクテリウム・ラジ
オバクターSC-C15-1を得た。
【0016】実施例2(菌体培養例) グリセロール1.0重量%、ポリペプトン0.5重量
%、酵母エキス0.3重量%、マルトエキス0.3重量
%、イソバレロニトリル0.1重量%、および硫酸第一
鉄、硫酸マンガン、塩化コバルト、硫酸亜鉛、それぞれ
0.001重量%からなる殺菌済み培地(pH7.2)
100mLを500mL容坂口フラスコに入れたもの
に、あらかじめ同培地で培養したアグロバクテリウム・
ラジオバクター SC-C15-1 の培養液1mLを植菌した。
これを30℃で2日間135stroke/minで往復振とう培
養し、菌体培養液を得た。
%、酵母エキス0.3重量%、マルトエキス0.3重量
%、イソバレロニトリル0.1重量%、および硫酸第一
鉄、硫酸マンガン、塩化コバルト、硫酸亜鉛、それぞれ
0.001重量%からなる殺菌済み培地(pH7.2)
100mLを500mL容坂口フラスコに入れたもの
に、あらかじめ同培地で培養したアグロバクテリウム・
ラジオバクター SC-C15-1 の培養液1mLを植菌した。
これを30℃で2日間135stroke/minで往復振とう培
養し、菌体培養液を得た。
【0017】実施例3(反応例 その1) 実施例2によって得られた菌体培養液50mLにアクリ
ロニトリル1.11g(21.0mmol)を加えて、
マグネチックスターラーで攪拌しながら20℃で反応を
行った。反応開始3時間後、反応液の1.0mL をと
り、これに2規定塩酸0.1mL を加えることにより反
応を停止した後、ガスクロマトグラフィーにて分析し
た。分析条件は下記のとおりである。分析の結果、加え
たアクリロニトリルはすべてアクリルアミドに変換され
ており、アクリル酸等の副生成物はみられなかった。ガ
スクロマトグラフィー分析条件 カラム ;パックドカラム 担体:Porapak type Q (mesh 80-100) 長さ:1.1 m カラム温度 ;210 ℃ キャリアガス流量;50 ml/min サンプル注入量 ;2 μl
ロニトリル1.11g(21.0mmol)を加えて、
マグネチックスターラーで攪拌しながら20℃で反応を
行った。反応開始3時間後、反応液の1.0mL をと
り、これに2規定塩酸0.1mL を加えることにより反
応を停止した後、ガスクロマトグラフィーにて分析し
た。分析条件は下記のとおりである。分析の結果、加え
たアクリロニトリルはすべてアクリルアミドに変換され
ており、アクリル酸等の副生成物はみられなかった。ガ
スクロマトグラフィー分析条件 カラム ;パックドカラム 担体:Porapak type Q (mesh 80-100) 長さ:1.1 m カラム温度 ;210 ℃ キャリアガス流量;50 ml/min サンプル注入量 ;2 μl
【0018】実施例4(反応例 その2) 実施例2によって得られたアグロバクテリウム・ラジオ
バクターSC-C15-1の菌体培養液100mL から遠心分離(100
00g,10min)によって菌体を集め、0.05M リン酸緩衝液(p
H7.7) にて洗浄後、同緩衝液50mLに懸濁した。これに、
アクリロニトリル6.62g(125mmol)を濃度が5 重量%を越
えないように3 回に分割添加し、マグネチックスターラ
ーによって攪拌しながら20℃で反応を行った。反応開始
23時間後、反応液の1.0mL をとり、これに2 規定塩酸0.
1mL を加えることにより反応を停止した後、実施例3 に
記載された方法でガスクロマトグラフィーにて分析し
た。分析の結果、加えたアクリロニトリルはすべてアク
リルアミドに変換されており、アクリル酸等の副生成物
はみられなかった。
バクターSC-C15-1の菌体培養液100mL から遠心分離(100
00g,10min)によって菌体を集め、0.05M リン酸緩衝液(p
H7.7) にて洗浄後、同緩衝液50mLに懸濁した。これに、
アクリロニトリル6.62g(125mmol)を濃度が5 重量%を越
えないように3 回に分割添加し、マグネチックスターラ
ーによって攪拌しながら20℃で反応を行った。反応開始
23時間後、反応液の1.0mL をとり、これに2 規定塩酸0.
1mL を加えることにより反応を停止した後、実施例3 に
記載された方法でガスクロマトグラフィーにて分析し
た。分析の結果、加えたアクリロニトリルはすべてアク
リルアミドに変換されており、アクリル酸等の副生成物
はみられなかった。
【0019】実施例5(回収例) 実施例4によって得られた反応液から菌体を遠心分離
(10000g,10min)により除去後、その上清
を50℃以下で蒸留濃縮して結晶を析出させ、次いで、
この結晶をメタノールを用いて再結晶して8.2g(1
15mmol,収率92%)の無色板状結晶を得た。こ
の結晶は、融点、元素分析、IRスペクトル及びNMR
スペクトルにより、アクリルアミドであることが確認さ
れた。
(10000g,10min)により除去後、その上清
を50℃以下で蒸留濃縮して結晶を析出させ、次いで、
この結晶をメタノールを用いて再結晶して8.2g(1
15mmol,収率92%)の無色板状結晶を得た。こ
の結晶は、融点、元素分析、IRスペクトル及びNMR
スペクトルにより、アクリルアミドであることが確認さ
れた。
【0020】実施例6(粗酵素調製例) 実施例2によって得られたアグロバクテリウム・ラジオ
バクターSC-C15-1の菌体培養液8Lから遠心分離(10
000g,10min)にて菌体を集めた。この菌体を
洗浄後、0.05M−HEPES−KOH(pH7.
2)緩衝液300mL に懸濁し、フレンチプレス(20
000psi)により破砕する操作を2回繰り返した。
該破砕物から遠心分離(10000g,30min)に
よって、菌体残渣を除去後、その上清を透析チューブ
(和光純薬製)に入れ、10mM−HEPES−KOH
(pH7.2) 中、4℃で該緩衝液を4回交換して24時間透
析を行った。得られた透析物をあらかじめ0.05M−
HEHPES−KOH(pH7.2)緩衝液で平衡化し
た陰イオン交換樹脂であるDEAE−セファロースFF
(ファルマシア社製)を充填したカラム(直径50mm
×200mm)に通塔して酵素を吸着させた。該カラム
を0.05M−HEPES−KOH(pH7.2)で充
分に通塔洗浄後、0M〜1.0M塩化カリウムを含む
0.05M−HEPES−KOH(pH7.2)により
段階的に吸着物を溶出させた。ニトリル基に対する水和
活性を有する画分を回収後、該回収画分を透析チューブ
(和光純薬製)に入れ、10mM−HEPES−KOH
(pH7.2)中、4℃で該バッファーを4回交換して
24時間透析を行った。得られた透析物を抽出条件を
0.2M〜0.8M塩化カリウムを含む0.05mM−
HEPES−KOH(pH7.2)にかえる以外は同じ
条件で再び陰イオン交換クロマトグラフィーによって精
製し、上記と同様に透析後、粗酵素液を得た。なお、ニ
トリル基に対する水和活性は次の方法によって測定し
た。9mL の100mMプロピオニトリル水溶液(pH
7.7)に1mL の検液を加えて、反応温度10℃にて
反応を開始した。10分後、1mL の2規定塩酸を加え
ることにより反応を停止した。反応液の一部をガスクロ
マトグラフィーにて分析し、生成したプロピオンアミド
を定量した。以下、酵素活性の単位(ユニット)は、一
分間に1μmolのプロピオンニトリルをプロピオンア
ミドに変換する活性を1ユニット(以下、Uと記す。)
と定めた。
バクターSC-C15-1の菌体培養液8Lから遠心分離(10
000g,10min)にて菌体を集めた。この菌体を
洗浄後、0.05M−HEPES−KOH(pH7.
2)緩衝液300mL に懸濁し、フレンチプレス(20
000psi)により破砕する操作を2回繰り返した。
該破砕物から遠心分離(10000g,30min)に
よって、菌体残渣を除去後、その上清を透析チューブ
(和光純薬製)に入れ、10mM−HEPES−KOH
(pH7.2) 中、4℃で該緩衝液を4回交換して24時間透
析を行った。得られた透析物をあらかじめ0.05M−
HEHPES−KOH(pH7.2)緩衝液で平衡化し
た陰イオン交換樹脂であるDEAE−セファロースFF
(ファルマシア社製)を充填したカラム(直径50mm
×200mm)に通塔して酵素を吸着させた。該カラム
を0.05M−HEPES−KOH(pH7.2)で充
分に通塔洗浄後、0M〜1.0M塩化カリウムを含む
0.05M−HEPES−KOH(pH7.2)により
段階的に吸着物を溶出させた。ニトリル基に対する水和
活性を有する画分を回収後、該回収画分を透析チューブ
(和光純薬製)に入れ、10mM−HEPES−KOH
(pH7.2)中、4℃で該バッファーを4回交換して
24時間透析を行った。得られた透析物を抽出条件を
0.2M〜0.8M塩化カリウムを含む0.05mM−
HEPES−KOH(pH7.2)にかえる以外は同じ
条件で再び陰イオン交換クロマトグラフィーによって精
製し、上記と同様に透析後、粗酵素液を得た。なお、ニ
トリル基に対する水和活性は次の方法によって測定し
た。9mL の100mMプロピオニトリル水溶液(pH
7.7)に1mL の検液を加えて、反応温度10℃にて
反応を開始した。10分後、1mL の2規定塩酸を加え
ることにより反応を停止した。反応液の一部をガスクロ
マトグラフィーにて分析し、生成したプロピオンアミド
を定量した。以下、酵素活性の単位(ユニット)は、一
分間に1μmolのプロピオンニトリルをプロピオンア
ミドに変換する活性を1ユニット(以下、Uと記す。)
と定めた。
【0021】実施例7(反応例 その3) アグロバクテリウム・ラジオバクターSC−C15−1
が有するニトリル水和酵素の各種ニトリル化合物をアミ
ド化合物に変換させる能力について調べた。実施例6に
よって得られた粗酵素液50Uに対し、0.05Mリン
酸緩衝液(pH7.7)10mL 、基質である各種ニト
リル化合物(表1参照)1mmolを加えて30℃、1
時間反応させた。結果、アグロバクテリウム・ラジオバ
クターSC−C15−1が有するニトリル水和酵素はす
べてニトリル化合物を対応するアミド化合物に変換させ
る能力を有し、かつ変換率100%であった。なお、反
応液の分析は、ガスクロマトグラフィー、あるいは液体
クロマトグラフィーにより生成したアミド化合物、ある
いは減少したニトリル化合物を定量することにより行っ
た。
が有するニトリル水和酵素の各種ニトリル化合物をアミ
ド化合物に変換させる能力について調べた。実施例6に
よって得られた粗酵素液50Uに対し、0.05Mリン
酸緩衝液(pH7.7)10mL 、基質である各種ニト
リル化合物(表1参照)1mmolを加えて30℃、1
時間反応させた。結果、アグロバクテリウム・ラジオバ
クターSC−C15−1が有するニトリル水和酵素はす
べてニトリル化合物を対応するアミド化合物に変換させ
る能力を有し、かつ変換率100%であった。なお、反
応液の分析は、ガスクロマトグラフィー、あるいは液体
クロマトグラフィーにより生成したアミド化合物、ある
いは減少したニトリル化合物を定量することにより行っ
た。
【0022】
【表1】
【0023】実施例8(反応例 その4) アグロバクテリウム・ラジオバクターSC−C15−1
が有するニトリル水和酵素の実施例7において供試され
た以外の各種ニトリル化合物(表2参照)をアミド化合
物に変換させる能力について調べた。実施例6によって
得られた粗酵素液60Uに対し、0.05Mリン酸緩衝
液(pH7.7)20mL、基質である各種ニトリル化
合物1mmolを加えて30℃、3時間反応させた。結
果、アグロバクテリウム・ラジオバクターSC−C15
−1が有するニトリル水和酵素は、すべての供試ニトリ
ル化合物を対応するアミド化合物に変換させる能力を有
し、かつ変換率100%であった。なお、反応液の分析
は、ガスクロマトグラフィーあるいは液体クロマトグラ
フィーにより生成したアミド化合物あるいは減少したニ
トリル化合物を定量することにより行った。
が有するニトリル水和酵素の実施例7において供試され
た以外の各種ニトリル化合物(表2参照)をアミド化合
物に変換させる能力について調べた。実施例6によって
得られた粗酵素液60Uに対し、0.05Mリン酸緩衝
液(pH7.7)20mL、基質である各種ニトリル化
合物1mmolを加えて30℃、3時間反応させた。結
果、アグロバクテリウム・ラジオバクターSC−C15
−1が有するニトリル水和酵素は、すべての供試ニトリ
ル化合物を対応するアミド化合物に変換させる能力を有
し、かつ変換率100%であった。なお、反応液の分析
は、ガスクロマトグラフィーあるいは液体クロマトグラ
フィーにより生成したアミド化合物あるいは減少したニ
トリル化合物を定量することにより行った。
【0024】
【表2】
【0025】
【発明の効果】本発明により、アグロバクテリウム属に
属する微生物を用いて、常温常圧下でニトリル化合物の
ニトリル基を水和して、アミド化合物に変換することに
よって、純度の高いアミド化合物を製造することが可能
となった。
属する微生物を用いて、常温常圧下でニトリル化合物の
ニトリル基を水和して、アミド化合物に変換することに
よって、純度の高いアミド化合物を製造することが可能
となった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12R 1:01)
Claims (5)
- 【請求項1】アグロバクテリウム(Agrobacterium )属
に属し、ニトリル化合物をアミド化合物に変換させる活
性を有する微生物の培養液、菌体または菌体処理物を用
いて、ニトリル化合物をアミド化合物に変換させること
を特徴とするアミド化合物の製造方法。 - 【請求項2】アグロバクテリウム属に属する微生物が、
アグロバクテリウム・ラジオバクター(Agrobacterium r
adiobacter) SC-C15-1(微工研条寄第3843号)であ
ることを特徴とする請求項1項記載のアミド化合物の製
造方法。 - 【請求項3】ニトリル化合物がn−ブチロニトリル、n
ーバレロニトリル、イソブチロニトリル、アセトニトリ
ル、ピバロニトリル、2−クロロプロピオニトリル、ア
クリロニトリル、クロトノニトリル、メタクリロニトリ
ル、ベンゾニトリル、2−シアノピリジン、3−シアノ
ピリジン、4ーシアノピリジン、マロノニトリル、スク
シノニトリルまたはアジポニトリルであることを特徴と
する請求項1記載のアミド化合物の製造方法。 - 【請求項4】ニトリル化合物をアミド化合物に変換させ
る活性を有するアグロバクテリウム(Agrobacterium )
属に属する微生物。 - 【請求項5】アグロバクテリウム・ラジオバクター(Agr
obacterium radiobacter) SC-C15-1(微工研条寄第38
43号)およびその変異体。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP11126592 | 1992-04-30 | ||
JP4-111265 | 1992-04-30 | ||
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JPH0614786A true JPH0614786A (ja) | 1994-01-25 |
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Family
ID=14556824
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP06008093A Expired - Fee Related JP3409353B2 (ja) | 1992-04-30 | 1993-03-19 | アミド化合物の製造方法および使用される微生物 |
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EP (1) | EP0568072B1 (ja) |
JP (1) | JP3409353B2 (ja) |
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WO2022172880A1 (ja) | 2021-02-10 | 2022-08-18 | 三菱ケミカル株式会社 | アルデヒドによるニトリルヒドラターゼの反応性向上 |
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RU2175968C2 (ru) * | 1996-02-09 | 2001-11-20 | Рейлли Индастриз, Инк. | Непрерывные способы гидролиза цианопиридинов в адиабатических условиях |
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ITMI20011826A1 (it) * | 2001-08-30 | 2003-03-02 | Istituto Biochimico Italiano | Microorganismo dotato di attivita' nitrile-idratasica/amidasica enantioselettiva e regioselettiva |
CN105316263A (zh) * | 2015-11-25 | 2016-02-10 | 沈阳化工研究院有限公司 | 一种氰类化合物降解菌及其应用 |
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AU2077392A (en) * | 1991-08-05 | 1993-04-29 | Mitsubishi Kasei Corporation | Process for preparing amides |
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