JP3386597B2 - インドアニリンダミー色素を含有する写真要素 - Google Patents

インドアニリンダミー色素を含有する写真要素

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JP3386597B2 JP26476894A JP26476894A JP3386597B2 JP 3386597 B2 JP3386597 B2 JP 3386597B2 JP 26476894 A JP26476894 A JP 26476894A JP 26476894 A JP26476894 A JP 26476894A JP 3386597 B2 JP3386597 B2 JP 3386597B2
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    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03CPHOTOSENSITIVE MATERIALS FOR PHOTOGRAPHIC PURPOSES; PHOTOGRAPHIC PROCESSES, e.g. CINE, X-RAY, COLOUR, STEREO-PHOTOGRAPHIC PROCESSES; AUXILIARY PROCESSES IN PHOTOGRAPHY
    • G03C1/00Photosensitive materials
    • G03C1/76Photosensitive materials characterised by the base or auxiliary layers
    • G03C1/825Photosensitive materials characterised by the base or auxiliary layers characterised by antireflection means or visible-light filtering means, e.g. antihalation
    • G03C1/83Organic dyestuffs therefor

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特定のインドアニリン
シアン色素を含む写真要素に関する。
【0002】
【従来の技術】現代のカラーネガフィルムは、通常、種
々の目的のために一つ以上の層に塗布された色素を含有
する。色素は分光増感に利用される他に、露光の特定波
長に対するフィルター(粒子間吸収剤としてか、もしく
はハロゲン化銀を含有しない別個の層として)とした
り、ハレーション防止のためや、焼付けのためにカラー
ネガフィルムの背景濃度(Dmin)を調整したりする
のにも使用できる。このように予め生成・塗布されてい
る色素(即ち、露光及び現像に先立ち要素に存在してい
る色素)を「ダミー色素」と呼んで、露光及びカラー現
像により写真的に生成される色素と区別することがあ
る。
【0003】カラー写真要素の現像では、漂白液を用い
て現像銀を銀イオンに酸化することにより、その後に銀
錯体を形成して定着液に溶解除去する。漂白液と定着液
を一緒にして、単一の「漂白定着」液とすることがあ
る。漂白液は、一般的に酸化剤としてエチレンジアミン
四酢酸(EDTA)第二鉄等の第二鉄イオンの錯体を含
有している。このような液を写真フィルムの処理に長時
間使用すると、還元剤として作用することのある対応の
第一鉄イオン錯体(EDTA第一鉄等)が相当量蓄積す
ることがある。これらの還元剤は、ダミー色素の還元変
色(いわゆる、ロイコ色素生成と呼ばれる)を生じるこ
とがある。このような使い古しの漂白液にロイコ色素が
生成すると、ダミー色素により付与されるDminが適
切な焼付け特性に必要とする最適Dminよりも低くな
るだけでなく、漂白剤のシーズニングが進行するにつれ
てDminのばらつきが生じることがあるので、望まし
くない。
【0004】カラーネガフィルムにハレーション防止や
Dmin調整用として使用されている数多くのシアン色
素には、使い古しの写真漂白液や低酸化強度の漂白剤で
色が損失することをはじめとして、数多くの欠陥があ
る。さらに、これらの色素は、色相が不適当であった
り、低温もしくは高温で保存すると色相及び/又は濃度
が変化することもある。例えば、構造C1の色素は、多
数の市販のカラーネガフィルムに広範に使用されてい
る。この色素の色相は、Dmin調整やハレーション防
止に適当である。しかしながら、色素C1は、これを含
有するフィルムを使い古しの写真漂白液や酸化力の弱い
漂白液で処理すると、還元変色を受けることがある。
【0005】
【化3】
【0006】
【発明が解決しようとする課題】したがって、このよう
な色素、特にシアン色素の代替物、即ち、色素C−1等
のダミー色素の所望のスペクトル特性を維持しながら使
い古しの漂白液や酸化力の弱い漂白液中でロイコ色素を
形成する傾向の小さいことを含む特性の向上した代替物
を見出す必要がある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、焼付け特性の
向上とハレーション防止のために特定のインドアニリン
ダミー色素を含有した写真要素を提供する。具体的に
は、本発明によれば、露光及び現像の前に、写真要素中
に存在するシアンダミー色素を含んでなる写真要素であ
って、前記色素が次式:
【0008】
【化4】
【0009】[式中、R1は、アルコキシ基、フェノキ
シ基もしくはハロゲン(フッ素、塩素、臭素、沃素等)
であり;R2は、アルキル基、フェニル基;R1がアル
コキシ基もしくはフェノキシ基であるときのハロゲン;
式−COOR7のアルコキシカルボニル基;式−NR8
COR7のカルボンアミド基;及びR1が分枝もしくは
置換アルコキシ又は置換フェノキシであるときの水素、
からなる群より選ばれ;R3は、水素もしくはアルキル
基(好ましくは非置換)であり;R4は、水素もしくは
アルキル基であり;R5は、水素もしくはアルキル基
(好ましくは非置換)であり;R6は、アルキル基であ
り;R7は、アルキル基もしくはフェニル基(好ましく
は置換)であり;R8は、水素もしくはアルキル基であ
る]を有する写真要素を提供する。
【0010】本発明の写真材料における上記したシアン
インドアニリンダミー色素は、色相が優れ、酸化力の弱
い漂白液や使い古しの漂白液中での退色耐性が向上し、
低温保存における色相や濃度変化に対して驚くべき耐性
がある。また、本発明は、上記した種類の写真要素の製
造方法も提供する。
【0011】
【具体的な態様】本発明の写真要素は、上記式で表され
る非拡散シアンダミー色素の一種以上を、多層フィルム
の少なくとも一層の赤感性層の下方に位置することが好
ましい一層以上の層に含んでなる。このダミー色素は、
例えば、支持体に隣接した層及び支持体のいずれの面に
設けられた層にあってもよい。写真要素の層構成に関連
した用語「〜の下方」、「〜より上方」、「〜より下」
又はこれに類似の用語は、要素を通常の方法で露光する
ときの光に対する相対的な位置を意味する。「〜より上
方」は要素を通常の方法で露光するときに、光源により
近いことを意味するのに対して、「〜より下方」は光源
からより遠いことを意味する。典型的な写真要素は支持
体に種々の層を塗布して有しているので、「〜より上
方」は支持体からより遠いことを意味するのに対して、
「〜より下方」又は「〜の下」は支持体により近いこと
を意味する。さらに、アルキル基、アルコキシ基、フェ
ノキシ基又は他の置換基に関して用語「基」を使用する
ときは、非置換もしくは置換された置換基を意味し、可
能な場合には、特記のない限りは、分枝及び非分枝成分
を含む。
【0012】上記式におけるR1は、必要に応じて非分
枝アルコキシ基(それ自体非分枝及び非置換アルコキシ
に限定されてもよい)、フェノキシ基もしくはハロゲン
に限定してもよい。R2及びR3に関しては、R1が分
枝アルコキシ基又は置換アルコキシのときに、これらの
基が両方とも水素でないように選択してもよい。さら
に、ダミー色素は、いずれの酸又は酸塩の基(−SO3
H、−COOH又はそれらの塩)を存在させないように
選択してもよい。特に、R1、R2及びR3は、酸又は
酸塩の基を存在させないよう(特に、−SO3 H、−C
OOH又はそれらの塩を存在させないように)選択して
もよい。また、R1はアルコキシ基(上記定義による、
分枝及び非分枝基の両方を含む)でもよく、一方、R2
は非置換アルキルであり、R3は水素である。
【0013】水への溶解度が低い非拡散性色素を生成す
るためには、R1と、R2と、R3との炭素数の合計
が、少なくとも8、好ましくは10〜30である方がよ
い。好ましくは、R4はメチルであり、R5はエチルで
あり、そしてR6はエチル、β−ヒドロキシエチル、も
しくはβ−(メチルスルホンアミド)エチルのいずれか
である。なぜなら、これらの色素は、一般的に使用され
る現像主薬から合成できるからである。
【0014】本発明の写真要素は、上記した種類のイン
ドアニリンシアンダミー色素を有することができる。イ
ンドアニリンシアンダミー色素は、以下のようにして組
み込むことができる。まず、上記色素を含有している油
相を、ゼラチン等のバインダー及び一種以上の界面活性
剤を含有する水相に分散し、この色素含有分散物を、次
に適当な支持体上に設けた多層フィルムの適当な層に塗
布する。油相は、通常一種以上の高沸点溶媒に溶解され
た色素からなる。これを、典型的にゼラチンと界面活性
剤の水溶液に添加した後、混合物を微粉砕又は均質化し
て油相を小滴として水相に分散させる。酢酸エチル又は
シクロヘキサノン等の除去可能(洗浄又は蒸発可能)な
補助溶媒を上記分散物の調製に用いて色素の油相への溶
解を容易にすることもできる。
【0015】本発明の実施に有用な高沸点溶媒には、燐
酸アリール類(例えば、燐酸トリトリル)、燐酸アルキ
ル類(例えば、燐酸トリオクチル)、混合アリールアル
キルホスフェート類(例えば、リン酸ジフェニル2−エ
チルヘキシル)、アリール、アルキルもしくは混合アリ
ールアルキルホスフェート類、ホスフィンオキシド類
(例えば、トリオクチルホスフィンオキシド)、芳香族
酸類のエステル類(例えば、ジブチルフタレート)、脂
肪酸エステル類(例えば、ジブチルセバケート)、アル
コール類(例えば、2−ヘキシル−1−デカノール)、
フェノール類(例えば、p−ドデシルフェノール)、カ
ルボンアミド類(例えば、N,N−ジブチルドデカンア
ミドもしくはN−ブチルアセタニリド)、スルホキシド
類(例えば、ビス(2−エチルヘキシル)スルホキシ
ド)、スルホンアミド類(例えば、N,N−ジブチル−
p−トルエンスルホンアミド)もしくは炭化水素類(例
えば、ドデシルベンゼン)が含まれる。さらなる高沸点
溶媒及び補助溶媒が、リサーチディスクロージャーI
(以下で参照する)、1989年12月、アイテム30
8119、第993頁に記載されている。有用な、色
素:高沸点溶媒重量比は、1:0.1〜1:10の範囲
であり、1:0.3〜1:5.0の範囲が好ましい。
【0016】上記のシアンインドアニリンダミー色素
は、本発明の写真要素において、一層以上の層に単独
か、または同じ層(単層又は複数層)に他の色素もしく
は添加物と一緒に塗布してもよい。本発明の写真要素に
おいて、シアンインドアニリン色素は、好ましくは多層
フィルムの少なくとも一層の赤感性層の下方に塗布され
る。これらのシアンダミー色素は、透明フィルム支持体
に隣接する層及び多層フィルムの全ての赤感性層の下に
塗布するのが最も一般的である。しかしながら、上記の
インドアニリンシアンダミー色素を、支持体の感光性乳
剤含有層を塗布する面と反対側の面に塗布してもよい。
本発明の写真要素では、上記のシアンインドアニリンダ
ミー色素を、複数の赤感性層を含む多層フィルムの低感
度ハロゲン化銀含有赤感性の一層以上に塗布することも
できる。本発明のシアンインドアニリンダミー色素の有
用な塗布レベルは約0.002g/m2 〜0.150g
/m2の範囲であり、塗布レベルは0.004g/m2
/0.050g/m2 が好ましい。
【0017】本発明の写真要素を製造するには、上記し
た種類のシアンダミー色素を含有する層を形成する。好
ましくは、上記したように、少なくとも一層の赤感性層
をシアンダミー色素含有層より上に形成する。この赤感
性層は、写真要素の露光及び処理によりシアン色素を生
成するシアン色素生成カプラーを含有する。公知の方法
では、本明細書に記載されているかもしくは公知の写真
要素に、さらなる層を設けたり又は添加剤を添加しても
よい。
【0018】本発明の非拡散インドアニリンシアンダミ
ー色素としては、例えば、以下(D1〜D24)が挙げ
られるが、これらには限定されない:
【0019】
【化5】
【0020】
【化6】
【0021】
【化7】
【0022】
【化8】
【0023】
【化9】
【0024】
【化10】
【0025】本発明の写真要素は、単色要素であって
も、多色要素であってもよい。多色要素は、スペクトル
の三原色領域の各々に感受性のある色素像形成単位を含
んでいる。各単位は、スペクトルの特定領域に感受性の
ある単一の乳剤層か複数の乳剤層を含んでなることがで
きる。像形成単位の層を含む要素の層は、当該技術分野
で公知の種々の順序に配置できる。別の態様では、スペ
クトルの三原色領域の各々に感受性のある乳剤を、単一
セグメント層として配置できる。
【0026】典型的な多色写真要素は、支持体と、それ
に坦持されている、組合わさる少なくとも一種のシアン
色素生成カプラーを少なくとも一層の赤感性ハロゲン化
銀乳剤層を含んでなるシアン色素像形成単位と、組合わ
さる少なくとも一種のマゼンタ色素生成カプラーを少な
くとも一層の緑感性ハロゲン化銀乳剤層を含んでなるマ
ゼンタ色素像形成単位と、組合わさる少なくとも一種の
イエロー色素生成カプラーを少なくとも一層の青感性ハ
ロゲン化銀乳剤層を含んでなるイエロー色素像形成単位
とを含んでなる。この要素は、フィルター層、中間層、
上塗り層、下塗り層等の追加の層を含むことができる。
これらの層の全ては、透明性又は反射性である支持体
(例えば、紙支持体)上に塗布して設けることができ
る。また、本発明の写真要素は、リサーチディスクロー
ジャー、アイテム34390、1992年11月に記載
されているような磁気記録材料や、米国特許第4,27
9,945号及び米国特許第4,302,523号各公
報に記載されているような透明支持体の下面に磁気粒子
含有層として透明磁気記録層を含むことも有用である。
この要素は、典型的には総厚さ(支持体を除く)5〜3
0μmを有する。色感性層の順序は異なることができる
が、透明支持体上に赤感性、緑感性及び青感性の順序で
設けることが通常であり、反射性支持体上に上記と逆の
順序で設けることも典型的である。
【0027】本発明の要素に使用するのに適当な材料に
ついての以下の開示については、英国ハンプシャー州P
010 7DQ エムスワース 12aノースストリー
トダッドレーアネックスにあるKenneth Mason Publicat
ions, Ltd.が発行しているリサーチディスクロージャ
ー、1989年12月アイテム308119(以下、
「リサーチディスクロージャーI」と称する)を参照さ
れたい。以下で言及するセクションは、リサーチディス
クロージャーIのセクションである。
【0028】本発明の要素で用いられるハロゲン化銀乳
剤は、表面感受性乳剤もしくは未カブリ内部潜像形成乳
剤等のネガ形でもよいし、現像を均一露光又は核形成剤
の存在下で行うときにポジ形である未カブリ内部潜像形
成型の直接ポジ乳剤でもよい。適当な乳剤及びそれらの
調製だけでなく、化学及び分光増感方法については、セ
クションI〜IVに記載されている。カラー材料及び現
像調整剤は、セクションV及びXXIに記載されてい
る。本発明の要素に使用できるベヒクルは、セクション
IXに記載されており、蛍光増白剤、カブリ防止剤、安
定化剤、光吸収剤及び光散乱剤、硬膜剤、塗布助剤、可
塑剤、滑剤並びに艶消剤等の種々の添加剤は、例えば、
セクションV、VI、VIII、X、XI、XII及び
XVIに記載されている。製造方法はセクションXIV
及びXVに記載され、他の層及び支持体はセクションX
III及びXVIIに記載され、処理方法と処理剤はセ
クションXIX及びXXに記載され、露光の別法はセク
ションXVIIIに記載されている。
【0029】ネガ形ハロゲン化銀を用いて、ネガ像を形
成できる。必要に応じて、ポジ(又は反転)像を形成で
きる。また、本発明の写真要素は、欧州特許第213.
490号;特開昭第58−172,647号;米国特許
第2,983,608号;ドイツ国出願DE2,70
6,117C号;英国特許第1,530,272号;特
願昭A−113935号;米国特許第4,070,19
1号及びドイツ国出願DE2,643,965号各公報
に記載されているようなカラードカプラー(例えば、イ
ンターレイヤー補正のレベルを調整するため)及びマス
キングカプラーを使用することもできる。マスキングカ
プラーは、シフト又はブロック型でもよい。
【0030】また、この写真要素は、漂白もしくは定着
の処理工程を加速したり変更して像の品質を向上させる
物質を含有することもできる。欧州特許第193,38
9号;同301,477号;米国特許第4,163,6
69号;同4,865,956号;及び同4,923,
784号各公報に記載の漂白促進剤は、特に有用であ
る。また、核形成剤、現像促進剤又はそれらの前駆体
(英国特許第2,097,140号;同2,131,1
88号各公報)、電子移動剤(米国特許第4,859,
578号;同4,912,025号各公報);ヒドロキ
ノン類、アミノフェノール類、アミン類、没食子酸の誘
導体等のカブリ防止剤及び混色防止剤;カテコール;ア
スコルビン酸;ヒドラジド類;スルホンアミドフェノー
ル類;並びに非色生成カプラーも使用できる。
【0031】また、この要素は、コロイド状銀ゾル、又
は水中油型分散物、ラテックス分散物もしくは固体粒子
分散物の形態でイエロー及び/もしくはマゼンタフィル
ター色素を含んでなるフィルター色素層を含むこともで
きる。さらに、「スミア(smearing)」カプラー(例え
ば、米国特許第4,366,237号;欧州特許第9
6,570号;米国特許第4,420,556号;及び
米国特許第4,543,323号各公報に記載されてい
るようなもの)とともに使用できる。また、カプラー
は、例えば、特願昭第61−258249号もしくは米
国特許第5,019,492号各公報に記載されている
ような保護された形態でブロック又は塗布することがで
きる。
【0032】写真要素は、さらに「現像抑制剤放出型」
化合物(DIR)等の他の像修正化合物を含有すること
ができる。DIR化合物は、例えば、Photographic Sci
ence and Engineering, Vol. 13,p174 (1969)、の「Dev
eloper-Inhibitor-Releasing (DIR) Couplers for Colo
rPhotography」において、C.R.Barr、 J.R. Thirtle お
よび P.W. Vittumにより、開示されている。
【0033】また、本発明の概念は、リサーチディスク
ロージャー、1979年11月、アイテム18716号
に記載されているような反射カラープリントを得るのに
使用できる。本発明の要素を形成するのに使用される乳
剤及び物質は、米国特許第4,917,994号公報に
記載されているようなpH調整支持体上に、エポキシ溶
媒(欧州特許第164,961号公報)とともにか;追
加の安定化剤(例えば、米国特許第4,346,165
号;同4,540,653号及び同4,906,559
号各公報に記載されているようなもの)とともにか;カ
ルシウム等の多価カチオンに対する感受性を減少させる
ために米国特許第4,994,359号公報に記載され
ているようなバラスト化キレート化剤とともにか;米国
特許第5,068,171号及び同5,096,805
号各公報に記載されているような汚染減少化合物ととも
に塗布できる。写真要素に有用な他の公知の化合物も、
本発明の要素に使用できる。
【0034】本発明の写真要素に使用されるハロゲン化
銀は、沃臭化銀、臭化銀、塩化銀、塩臭化銀、塩沃臭化
銀等でよい。ハロゲン化銀粒子の種類には、好ましくは
多結晶、立方体及び八面体が含まれる。ハロゲン化銀の
粒度は、写真組成物に有用であることが知られているい
ずれの分布を有していてもよく、多分散でも、単分散で
もよい。本発明で特に有用なのは、平板状粒子ハロゲン
化銀乳剤である。とりわけ意図される平板状粒子乳剤
は、厚さが0.3μm未満(青感性乳剤の場合は0.5
μm未満)であり、平均平板状度(T)が25を超える
(好ましくは100を超える)平板状粒子が、乳剤粒子
の総投影面積の50%を超える割合を占めるものであ
る。ここで、用語「平板状度」は、当該技術分野で認識
されている意味で用いられ、下式で定義される。
【0035】T=ECD/t2 [式中、ECDは平板状粒子の平均等価円直径(単位:
μm)であり、tは平板状粒子の平均厚さ(単位:μ
m)である] 写真乳剤の平均有効ECDは、約10μm以下の範囲で
よい。但し、実際には、乳剤のECDが約4μmを超え
ることはまれである。写真感度と粒状度は、両方とも、
ECDの増加とともに増加するので、一般的には、目標
とする感度要件を達成することのできる最小の平板状粒
子ECDを使用することが好ましい。
【0036】乳剤の平板状度は、平板状粒子の厚さの減
少とともに著しく増加する。目標とする平板状粒子投影
面積を、薄い(t<0.2μm)平板状粒子により満足
することが一般的に好ましい。最低レベルの粒状度を達
成するためには、目標とする平板状粒子投影面積を超薄
(t<0.06μm)平板状粒子で満足することが好ま
しい。平板状粒子厚さは、典型的には約0.02μm以
上である。しかしながら、平板状粒子の厚さは、さらに
薄くてもよい。例えば、Daubendiek等による米国特許第
4,672,027号公報は、粒子厚さが0.017μ
mである3モル%沃化物平板状粒子臭沃化銀乳剤を報告
している。
【0037】上記から明らかなように、特定された厚さ
より薄い平板状粒子が、乳剤の総粒子投影面積の少なく
とも50%を占める。高平板状度の利点を最大限に生か
すには、上記した厚さの基準を満足する平板状粒子が、
乳剤の総粒子投影面積に対して簡便に達成できる最大割
合を占めることが一般的に好ましい。例えば、上記の厚
さ基準を満足する好ましい乳剤平板状粒子は、総粒子投
影面積の少なくとも70%を占める。最高性能の平板状
粒子乳剤においては、上記の厚さ基準を満足する平板状
粒子は、総粒子投影面積の少なくとも90%を占める。
【0038】適当な平板状粒子乳剤は、以下に記載する
ような種々の従来の教示から選択することができる:リ
サーチディスクロージャー、アイテム22534、19
83年1月;米国特許第4,439,520号;同4,
414,310号;同4,433,048号;同4,6
43,966号;同4,647,528号;同4,66
5,012号;同4,672,027号;同4,67
8,745号;同4,693,964号;同4,71
3,320号;同4,722,886号;同4,75
5,456号;同4,775,617号;同4,79
7,354号;同4,801,522号;同4,80
6,461号;同4,835,095号;同4,85
3,322号;同4,914,014号;同4,96
2,015号;同4,985,350号;同5,06
1,069号及び同5,061,616号。
【0039】本発明で使用されるハロゲン化銀粒子は、
リサーチディスクロージャーI及びJames のThe theory
of the Photographic Processに記載されているような
当該技術分野において公知の方法により製造できる。こ
れらの方法には、アンモニアアルカリ性乳剤製造、中性
又は酸性乳剤製造及び当該技術分野において公知の他の
方法等の方法が含まれる。これらの方法では、一般的に
保護コロイドの存在下で水溶性銀塩を水溶性ハロゲン化
物塩と混合させ、ハロゲン化銀を沈澱生成中に温度、P
Ag、pH値等を適当な値に制御する。
【0040】本発明で使用されるハロゲン化銀は、貴金
属(例えば、金)増感剤、中間カルコゲン(例えば、イ
オウ)増感剤、還元増感剤及び当該技術分野において公
知の他の増感剤で化学増感するのが有利である。ハロゲ
ン化銀の化学増感に有用な化合物及び手法は当該技術分
野において公知であり、リサーチディスクロージャーI
及びそこに引用されている文献に記載されている。
【0041】本発明の写真要素は、典型的には乳剤の形
態でハロゲン化銀を提供する。写真乳剤は、一般的には
写真要素の一つの層として乳剤を塗布するためのベヒク
ルを含む。有用なベヒクルとしては、タンパク質等の天
然物質、タンパク質誘導体、セルロース誘導体(例え
ば、セルロースエステル類)、ゼラチン(例えば、ウシ
骨もしくはハイドゼラチン等のアルカリ処理ゼラチン、
又はブタ皮ゼラチン等の酸処理ゼラチン)、ゼラチン誘
導体(例えば、アセチル化ゼラチン、フタル化ゼラチン
等)並びリサーチディスクロージャーIに記載されてい
るような他のベヒクルの両方が含まれる。また、乳剤
は、写真乳剤に有用であることが公知のいずれの添加剤
を含有してもよい。これらの添加剤には、活性ゼラチ
ン、イオウ、セレン、テルル、金、白金、パラジウム、
イリジウム、オスミウム、レニウム、リン、又はこれら
の組み合わせ等の化学増感剤が含まれる。化学増感は、
一般的にリサーチディスクロージャー、1975年6
月、アイテム13452及び米国特許第3,772,0
31号公報に記載されているようなpAgレベル5〜1
0、pHレベル5〜8及び温度30〜80°Cで実施さ
れる。
【0042】ハロゲン化銀は、リサーチディスクロージ
ャーIに記載されているような当該技術分野において公
知のいずれか方法により増感色素により増感できる。色
素は、ハロゲン化銀粒子と親水性コロイドからなる乳剤
に、乳剤を写真要素に塗布する前のいずれかの時期(例
えば、化学増感中もしくは化学増感後)に添加してもよ
いし、塗布と同時に添加してもよい。色素/ハロゲン化
銀乳剤は、カラー画像生成カプラーの分散物と、塗布直
前もしくは塗布に先立ち(例えば、2時間前)に混合で
きる。
【0043】本発明の写真要素は、リサーチディスクロ
ージャーI、セクションXVIIIに記載されている手
法を含むいずれかの公知の手法を用いて像様露光するの
が好ましい。これには、典型的にはスペクトルの可視領
域での露光が含まれる。本発明の組成物を含んでなる写
真要素は、例えば、リサーチディスクロージャーI及び
James のThe theory of the Photographic Process、第
4版、1977年に記載されている多数の周知の処理組
成物のいずれかを用いた多数の周知の写真プロセスのい
ずれかを用いて処理できる。反転カラー要素の処理の場
合、要素をまず白黒現像主薬で処理した後、カラー現像
主薬で処理する。好ましいカラー現像主薬は、p−フェ
ニレンジアミン類である。とりわけ好ましい現像主薬
は:4−アミノ−N,N−ジエチルアニリン塩酸塩、4
−アミノ−3−メチル−N,N−ジエチルアニリン塩酸
塩、4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−(β−
(メタンスルホンアミド)エチルアニリンセスキ硫酸塩
水和物、4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−
(β−ヒドロキシエチル)アニリン硫酸塩、4−アミノ
−3−β−(メタンスルホンアミド)エチル−N,N−
ジエチルアニリン塩酸塩及び4−アミノ−N−エチル−
N−(2−メトキシエチル)−m−トルイジンジ−p−
トルエンスルホン酸である。
【0044】現像後に、漂白定着により銀もしくはハロ
ゲン化銀を除去し、水洗し、乾燥を行う。
【0045】
【実施例】本発明の写真要素に用いられる上記した非拡
散シアンダミー色素は、一般的に使用される現像主薬及
び対応のナフトール化合物から公知の方法で調製でき
る。例えば、2−フェニルカルバモイル−1−ナフトー
ルカプラーから本発明のインドアニリン色素(D2)を
調製する過程は、以下のように概略示され、次のパラグ
ラフで詳細に説明する。
【0046】
【化11】
【0047】
【化12】
【0048】化合物(A1):4−メチル−2−ニトロ
フェノール(50.0g、0.33モル)と、1−ヨー
ドドデカン(94.8g、0.32モル)と、炭酸カリ
ウム(220.0g、1.6モル)と、2−ブタノン
(700mL)との混合物を、攪拌し加熱して一晩還流
した。次にこの混合物を室温まで冷却し、水に注ぎ入
れ、得られた水性混合物をエーテル抽出した。エーテル
抽出物を合わせて水洗した。次に抽出物を硫酸マグネシ
ウムで乾燥させ濾過した。溶媒を回転式エバポレータで
除去することにより、油状化合物(A1)96.0g
(収率91%)を得た。
【0049】化合物(A2):化合物(A1)をエタノ
ール500mlに溶解し、木炭に坦持したパラジウムを
触媒量添加した。混合物を水素雰囲気下(3気圧)で1
8時間震盪した。セライトにより触媒を濾去し、次に溶
媒を減圧下で除去した。得られた赤みがかった油状物
を、溶離液として95:5のリグロイン:酢酸エチルを
用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーに附した。
溶媒を除去して、黄色油状物(A2)64.0g(73
%)を得た。
【0050】化合物(A3):1−ヒドロキシ−2−ナ
フトエ酸12.9g(0.069モル)を、触媒として
N,N−ジメチルホルムアミド2滴含有するテトラヒド
ロフラン250mlに溶解した。塩化オキサリル(6.
6ml、0.076モル)を滴下した。反応混合物を1
時間攪拌した。この時点で全てのガスの発生がなくなっ
た。溶媒を回転式エバポレータで除去して(A3)を得
た。この化合物(A3)は、精製をさらに行うことなく
直ぐに使用した。
【0051】化合物(A4):化合物(A3)を、テト
ラヒドロフラン150mlに再溶解した。次に、(A
2)20g(0.069モル)をN,N−ジメチルアニ
リン9.7ml(0.076モル)に溶解した溶液を、
添加した。反応混合物を、周囲温度で一晩攪拌後、希塩
酸溶液に注いだ。得られた水性混合物を酢酸エチルで抽
出し、抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過した。
濾液を濃縮して油状物を得、それをリグロインに溶解し
た後、濾過して若干の不溶性物質を除去した。生成物
を、酢酸エチルを用いてシリカゲルカラムで溶離した。
得られた油状物をエーテル/リグロインでスラリー化
し、濾過して淡黄色固体の(A4)10.3g(32
%)を得た。
【0052】過硫酸アンモニウム(コダック社製)2
0.0g(0.088モル)を水40mlに溶解した溶
液を、カプラー(A4)17.2g(0.037モ
ル)、トリエチルアミン(コダック社製)33ml、お
よび4−(N−エチル−N−2−ヒドロキシエチル)−
2−メチルフェニレンジアミン硫酸塩(コダック社製)
12.8g(0.044モル)を、ジクロロメタン30
0mlおよびメタノール200mlに20〜25°Cで
溶解したものを含有する高速攪拌溶液に、30分間かけ
て添加した。得られた濃青色溶液を周囲温度で3時間攪
拌した後、ジクロロメタン300mlで希釈し、水50
0mlづつで3回抽出した。得られた青色有機相を硫酸
ナトリウムで乾燥し、濾過し、真空濃縮して青色固体を
得た。この固体をジクロロメタン150mlに溶解し、
熱メタノール500mlに高速攪拌しながら15分間か
けて添加した。その結果、青銅色の沈澱が形成した。溶
液を室温に冷却した後、色素D2(融点=113〜11
5°C)20.7g(収率:86%)を濾取した。色素
D2のアセトニトリル溶液の吸収極大を、691nmで
測定した。
【0053】燃焼分析: 計算値 C75.5%、H8.2%、N6.5% 実測値 C75.2%、H8.3%、N6.3% 本発明の写真要素に上記した特定のインドアニリンシア
ンダミー色素を使用することの利点を、以下比較例によ
り説明する。これらの例では、従来技術の色素と比較し
て、本発明のインドアニリンシアン色素では、所望の色
相及び低温保存した場合の濃度損失耐性を維持したま
ま、使い古しの漂白液中での濃度損失が減少することを
明らかにする。これらの例において、高沸点溶媒S1及
びS2は、それぞれリン酸トリトリル(異性体混合物)
及びフタル酸ブチルである。また、量は、特記のない限
りは重量部である。
【0054】例1.簡易試験における本発明のインドア
ニリンシアン色素の有利な特性 本例では、単層色素塗膜を作成して、色素色相、使い古
しの漂白液中でのロイコ色素生成及び低温保存での色素
結晶化に対する耐性について評価した。本発明の色素D
1、D2、D3及びD19を、以下に構造を示す比較色
素C1、C2及びC3とともに塗布した。色素の全て
を、重量比1:1で高沸点溶媒S1を用いて分散した。
さらに、色素C1及びD2は、重量比1:2で高沸点溶
媒S2を用いて分散した。
【0055】
【化13】
【0056】分散物を調製するに際して、色素0.07
g、0.07gのS1(もしくは、0.14gのS2)
および酢酸エチル1.6mlからなる油相を、ゼラチン
1.0gと、界面活性剤(トリ−イソプロピルナフタリ
ンスルホン酸ナトリウム)0.1gとを水19.9ml
に溶解してなる水相に添加した。混合物を公知の方法で
コロイドミルを通過させることにより、油相を小粒子の
形態で水相に分散した。展開剤およびホルムアルデヒド
硬膜剤(0.0075g)を添加後、分散物を塗布量
0.10リットル/m2 (色素塗布量約0.31g/m
2 及びゼラチン塗布量約4.4g/m2 )で塗布した。
酢酸エチル補助溶媒を、乾燥により塗膜から蒸発させ
た。
【0057】硬膜後、塗膜を25°Cで5分間洗浄し、
乾燥し、色素吸収スペクトルをSargent-Welch PU8800分
光光度計により測定した。酸化力の弱い又は使い古しの
漂白液中におけるロイコ色素生成に伴うシアン色素減少
の傾向を試験するために、簡易試験により、C−41処
理等の写真プロセスの漂白工程をシミュレーションし
た。吸収スペクトルを記録後、色素含有フィルムを、ま
ず水50ml、C−41処理で使用される新鮮なブリー
チII(50ml)、硫酸第一鉄七水和物2.0g、
(エチレンジニトリロ)四酢酸(EDTA)の二カリウ
ム塩2.5gおよび水酸化アンモニウム試薬1.5ml
からなる溶液に3分間配置した。溶液のpHを酢酸で
4.75に調製した後、フィルム試料を浸漬した。この
操作は、C−41漂白プロセスの初期段階をシミュレー
ションしたものである。この段階では、第一鉄イオン濃
度は、現像銀の酸化後の鉄EDTAの還元により非常に
高い。その後、フィルム試料を、新鮮なC−41ブリー
チII(100ml)、硫酸第一鉄七水和物1.0g/
リットル、およびEDTA二カリウム0.2g/リット
ルからなり、pHを4.75に調整した溶液中に4分間
配置した。この操作は、商業現像所で見られる使い古し
の処理液で実際に観察される使い古しの漂白液の第一鉄
イオンレベルおよび酸性度のシミュレーションである。
次に、フィルムを水洗し、乾燥し、スペクトルを測定し
た。ロイコシアン色素生成によるλ極大での濃度損失率
を、極大吸収波長とともに表Iに示す。
【0058】本発明の色素に類似した色素が、これらを
含有するフィルムを低温露光したときに望ましくない色
相及び濃度の変化を示すことがある。これは、低温保存
での色素の結晶化により、溶解又は非晶質とは著しく異
なる吸収スペクトルを有する形態となるためである。本
発明の色素がこのような変化を受ける傾向を試験するた
めに、フィルムのスペクトルの測定も、−18°Cで4
8時間保存後に行った。低温保存で生じる吸収極大(λ
max)での濃度損失率を、表Iに示す。
【0059】 表 I (LCD試験) (凍結試験) シュミレートし 濃度損失(%) 吸収 たシーズンド漂 (λmax ; 極大 白液における濃 48 時間; 色素 溶媒 (nm) 度損失(%) −18°C) C1 S1(1 :1) 692 24.0 0.3 C1 S2(1 :2) 690 22.5 0.0 C2 S1(1 :1) 698 4.7 76.2 C3 S1(1 :1) 658 16.1 0.0 D1 S1(1 :1) 700 3.4 0.0 D2 S1(1 :1) 699 3.4 3.0 D2 S2(1 :2) 695 4.3 0.0 D3 S1(1 :1) 701 2.3 1.2 D19 S1(1 :1) 709 3.8 0.4 表Iのデータから明らかなように、本発明の色素D1、
D2、D3及びD19並びに比較色素C2のみが、LC
D漂白試験での濃度損失が許容される低いものであっ
た。比較色素C1及びC3は、15%を超える濃度損失
を受ける。比較色素C2は、濃度損失(76%)及び低
温保存での結晶化による色相変化が大きいので許容され
ない。他の色素の全ては、低温保存での濃度変化は許容
されるものであった。低温露光していない色素C2の塗
布したばかりの試料でさえも、色素の結晶形態の吸収極
大に相当する約570nmでの吸収スペクトルにおける
肩の形状から色素結晶化が多少生じていることがわか
る。色素C3も、吸収極大が658nmで浅色すぎるの
で許容されない。ほとんどの場合、プリント目的及びハ
レーション防止用のダミー色素の理想的な吸収極大は、
約685〜710nmであり、約690〜705nmが
好ましい。本発明の色素D1、D2及びD3は、この好
ましい範囲内に吸収極大を有している。色素D19は許
容されるが、その吸収極大は709nmであるので、好
ましい程度は多少落ちる。
【0060】例2.多層フィルムにおける本発明のシア
ンインドアニリンダミー色素の利点 本例で利用する多層フィルム構成を、以下に簡単に示
す。表示の塗布量は、特記のない限りはg/m2 であ
る。塗膜Aにおける比較色素C1の代わりに、等モルレ
ベルの本発明の色素D1(塗膜B)もしくは色素D2
(塗膜C)を用いた。高沸点溶媒S2を色素:溶媒重量
比1:5で使用し、補助溶媒を使用することなく色素分
散物を調製した。種々のフィルム層においてバインダー
としてゼラチンを使用した。比較のためにシアン色素を
変更した関連層は、フィルター層1とAHU層13であ
る。処理フィルムのDmin(未露光領域)のスペクト
ルは、フィルムA、B及びCがほぼ同一であることを示
している。従来技術の色素C1に対する本発明の色素D
1及びD2を使用することの利点は、シミュレートした
使い古しの漂白液中におけるフィルムA、B及びCの挙
動により説明される。
【0061】硬膜後、フィルムを1Bセンシトメーター
のステップタブレットを介して露光した後、以下でより
詳細に説明するKODAK FLEXICOLOR C-41 (商標)処理に
附した。使い古しの漂白液中でロイコシアン色素を形成
(即ち、色素漂白)する傾向を評価するために、露光し
た35mmフィルム試験片を半分に細長く切り、両半分
をC−41現像液で同時に処理した。次に、これらの両
半分を停止浴に入れて、カップリングの継続によるバラ
ツキを排除した。その後、一方の半分を新鮮なブリーチ
IIで処理し、他方の半分をシミュレートした使い古し
の漂白液(ブリーチB)で処理した。ブリーチBは、新
鮮なブリーチIIに硫酸第一鉄七水和物10.0g/リ
ットルおよびEDTA二カリウム二水和物2.0g/リ
ットルを添加した後、pHを4.75に調整したもので
ある。ブリーチBで処理中、窒素をバブリングして攪拌
(ブリーチIIの場合は空気をバブリング)して、第一
鉄イオンが第二鉄イオンに酸化されるのを最小限に抑え
た。新鮮なブリーチIIで処理した試料とシミュレート
した使い古しのブリーチBで処理した試料について、ス
テータスM赤色濃度(Dr)を、露光量との関係で測定
した。ブリーチBを用いて観察した赤色濃度損失を、新
鮮ブリーチIIを用いて観察した赤色濃度損失と比較し
て表IIに示す。このデータから、本発明の色素D1及
びD2は、露光スケール全体を通じて(即ち、Dr=
1.0及びDr=1.8でのDmin)使い古しの漂白
液での濃度損失が低く、したがって色素C1よりも本発
明の写真要素に有意顕著な利点を提供することが明らか
である。
【0062】多層フィルム構成 1 硬膜剤含有オーバーコート層 2 UV吸収剤、及びA)C1 0.0054又はB)
D1 0.0059又はC)D2 0.0054を含有
するUV・フィルター層 3 イエロー像生成カプラー、イエローDIARカプラ
ー、漂白促進剤放出型カプラー及びハロゲン化銀乳剤を
含有する高感度イエロー層 4 イエロー像生成カプラー、イエローDIARカプラ
ー、漂白促進剤放出型カプラー及びハロゲン化銀乳剤を
含有する低感度イエロー層 5 漂白性イエローフィルター色素を含有する中間層 6 マゼンタ像カプラー、マゼンタDIRカプラー、イ
エローカラードマゼンタ色素生成マスキングカプラー、
イエローDIRカプラー、シアンDIARカプラー及び
ハロゲン化銀乳剤を含有する高感度マゼンタ層 7 マゼンタ像カプラー、イエローカラードマゼンタ色
素生成マスキングカプラー、シアンDIARカプラー及
びハロゲン化銀乳剤を含有する中感度マゼンタ層 8 マゼンタ像生成カプラー、イエローカラードマゼン
タ色素生成マスキングカプラー及びハロゲン化銀乳剤を
含有する低感度マゼンタ層 9 ゼラチン中間層 10 シアン像生成カプラー、シアンDIRカプラー、シ
アンDIARカプラー、マゼンタカラードシアン色素生
成マスキングカプラー及びハロゲン化銀乳剤を含有する
高感度シアン層 11 シアン像生成カプラー、シアンDIARカプラー、
マゼンタカラードシアン色素形成マスキングカプラー及
びハロゲン化銀乳剤を含有する中感度シアン層 12 シアン像生成カプラー、シアン漂白促進剤放出型カ
プラー、マゼンタカラードシアン色素生成マスキングカ
プラー及びハロゲン化銀乳剤を含有する低感度シアン層 13 マゼンタ色素、イエロー色素、灰色銀、中間層スキ
ャベンジャー及びA)C1 0.032又はB)D1
0.035又はC)D2 0.032を含有するハレー
ション防止層 酢酸セルロース支持体 処理液と条件 溶液 処理時間 攪拌ガス C−41現像液 3分15秒 窒素 ECN停止浴 30秒 窒素 A)新鮮ブリーチII 3分 空気 又はB)使い古しのブリーチB 3分 窒素 水洗 1分 なし C−41定着 4分 窒素 水洗 4分 なし PHOTO−FLO 30秒 なし 処理温度 100°F(37.8℃) 表 II ブリーチBとブリーチIIとの濃度損失の比較 多層フィルム ダミー色素 Dmin Dr=1.0 Dr=1.8 A C1 0.07 0.13 0.20 B D1 0.02 0.08 0.16 C D2 0.02 0.07 0.13 上記例は、本発明の具体的実施態様を説明するために記
載したものであり、本発明の組成又は材料の範囲を限定
することを意図しない。本発明の精神及び範囲内におい
て変更及び修正が可能であることは、理解されるところ
であろう。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ロバート ジョン ロス アメリカ合衆国,ニューヨーク 14612, ロチェスター,ティアナン ストリート 86 (56)参考文献 特開 昭62−3250(JP,A) 特開 平5−127324(JP,A) 特開 平5−204085(JP,A) 特開 平7−152122(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03C 7/392,1/825

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 露光及び現像の前に、写真要素中に存在
    するシアンダミー色素を含んでなる写真要素であって、 前記色素が次式: 【化1】 (式中、R1は、アルコキシ基、フェノキシ基もしくは
    ハロゲンであり;R2は、アルキル基、フェニル基;R
    1がアルコキシ基もしくはフェノキシ基であるときのハ
    ロゲン;式−COOR7のアルコキシカルボニル基;式
    −NR8COR7のカルボンアミド基;及びR1が分枝
    もしくは置換アルコキシ又は置換フェノキシであるとき
    の水素、からなる群より選ばれ;R3は、水素もしくは
    アルキル基であり;R4は、水素もしくはアルキル基で
    あり;R5は、水素もしくはアルキル基であり;R6
    は、アルキル基であり;R7は、アルキル基もしくはフ
    ェニル基であり;R8は、水素もしくはアルキル基であ
    る)を有する写真要素。
  2. 【請求項2】 シアンダミー色素を含有する層を形成す
    ることを含んでなる写真要素の製造方法であって、 前記色素が次式: 【化2】 (式中、R1は、アルコキシ基、フェノキシ基もしくは
    ハロゲンであり;R2は、アルキル基、フェニル基;R
    1がアルコキシ基もしくはフェノキシ基であるときのハ
    ロゲン;式−COOR7のアルコキシカルボニル基;式
    −NR8COR7のカルボンアミド基;及びR1が分枝
    もしくは置換アルコキシ又は置換フェノキシであるとき
    の水素、からなる群より選ばれ;R3は、水素もしくは
    アルキル基であり;R4は、水素もしくはアルキル基で
    あり;R5は、水素もしくはアルキル基であり;R6
    は、アルキル基であり;R7は、アルキル基もしくはフ
    ェニル基であり;R8は、水素もしくはアルキル基であ
    る)を有する写真要素の製造方法。
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