JPH08220711A - ハロゲン化銀写真要素 - Google Patents

ハロゲン化銀写真要素

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JPH08220711A
JPH08220711A JP7333577A JP33357795A JPH08220711A JP H08220711 A JPH08220711 A JP H08220711A JP 7333577 A JP7333577 A JP 7333577A JP 33357795 A JP33357795 A JP 33357795A JP H08220711 A JPH08220711 A JP H08220711A
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photographic
dye
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JP7333577A
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Rakesh Jain
ジェイン ラケシュ
William R Schleigh
ロバート シュレイ ウィリアム
Robert C Stewart
チャールズ スチュアート ロバート
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Eastman Kodak Co
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 焼出しや熱変性を減少させた写真要素を提供
すること。 【解決手段】 感光性ハロゲン化銀含有層を含むハロゲ
ン化銀写真要素であって、前記層が、2当量ピラゾロン
系マゼンタカプラーと、下式(S)で示される化合物
と、下式(R)で示されるヒドロキノン化合物とをさら
に含有するハロゲン化銀写真要素: 【化1】 (上式中、R1 はアルキル基であり、またR2 、R3
びR4 は各々独立にアルキル基又はHである)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特定のマゼンタ色
素生成性カプラーと、露光及び処理後に形成される色素
の退色を減少させる化合物とを含む写真要素に関する。
【0002】
【従来の技術】ハロゲン化銀写真要素では、写真材料に
露光を施した後、第一アミン現像剤による発色現像を施
すと、カラー画像が形成される。発色現像により、ハロ
ゲン化銀が像様還元されると同時に、酸化された現像剤
が生成する。この第一アミン現像剤酸化体が続いて内蔵
されている1種以上の色素生成カプラーと反応し、像に
応じて色素を生成させる。カプラーの中には、第一アミ
ン現像剤酸化体とのカップリング時に現像抑制剤の化合
物又はフラグメントを放出する、DIRカプラーと呼ば
れているものがある。さらに、これらのDIRカプラー
の中には、こうした抑制剤の化合物やフラグメントの放
出を遅らせるものがある。これらのカプラーはDIAR
カプラーと呼ばれる場合がある。カラー写真材料には多
種多様なマゼンタ色素生成性カプラーが用いられてい
る。2当量ピラゾロン系マゼンタ色素形成性カプラーが
周知である。カプラーは、1モルの色素を生成させるた
めに現像されるべき銀の総量が2モルである場合、2当
量であるという。こうした2当量カプラーは、同量の現
像銀からより多くの色素が生成する点で相当する4当量
カプラーよりも有利である。
【0003】処理中に何らかのカラーカプラーによって
形成される色素は、特に光や熱及び湿分に暴露された結
果、時間と共に退色する傾向がある。典型的なカラー要
素の3種の画像色素のすべてが退色するので、時間と共
に画像全体が退色することになる。さらに、これら3種
の画像色素は同じ速度では退色しないため、画像色に明
らかな変化が生じてもくる。このような変化は、マゼン
タ画像色素が退色する場合に特に目立つものとなる。上
記の画像色素の退色問題を軽減する種類の化合物が安定
剤である。このような安定剤には、フェノール、ビス−
フェノール、ブロック化フェノール、ブロック化ビス−
フェノール、金属錯体やその他の有機錯体、及びその他
の化合物が含まれ、これらを各種カラーカプラーと組み
合わせて使用することについてはどれも周知である。カ
ラーカプラーと安定剤を組み合わせて含有する写真要素
については、例えば、欧州特許第0298321号、同
第0231832号、同第0161577号及び同第0
218266号、米国特許第3,043,697号及び
同第3,700,455号、特開昭62−43641
号、特開平1−137258号、特開平1−14404
8号、並びに米国特許第4,782,011号及び同第
4,748,100号明細書に記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、2当量ピラゾ
ロン系マゼンタ色素生成性カプラーを含む写真要素であ
って、該カプラーから形成された画像色素が、特に光に
当たった場合に比較的低い退色性を示す、そのような写
真要素を提供できれば望ましい。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、感光性ハロゲ
ン化銀含有層を含むハロゲン化銀写真要素であって、前
記層が、2当量ピラゾロン系マゼンタカプラーと、下式
(S)で示されるパラ位でアルコキシ置換されたアリー
ル置換基を環窒素上に有するチオモルフォリンジオキシ
ド化合物と、下式(R)で示されるヒドロキノン化合物
とをさらに含有するハロゲン化銀写真要素を提供する。
【0006】
【化2】
【0007】上式中、R1 はアルキル基であり、またR
2 はアルキル基又はHである。
【0008】
【化3】
【0009】上式中、R3 及びR4 は各々独立にアルキ
ル基又はHである。本発明の組成物を含有する写真要素
は、マゼンタカプラーと現像剤酸化体とのカップリング
で得られるマゼンタ色素の退色性が低い。また、得られ
たマゼンタ色素は、より長波長側にシフトした極大吸収
と増大した帯域幅を示す。これらの特徴はどちらも色再
現を向上させうるものである。以下、本発明を詳しく説
明する。
【0010】本願明細書において化学的な「基」に言及
する場合には、いずれもその未置換形と置換形の両方を
含むことに留意されたい。一般に、特に断らない限り、
本明細書中に記載する分子上で使用可能な置換基には、
それが置換されているかされていないかには係わらず、
写真的有用性にとって必要な特性を損なわないものであ
ればいずれの基でも含まれる。また、本願明細書におい
て、特定の一般式で示される化合物に言及した場合に
は、その一般式の定義に包含される別のより具体的な式
で示される化合物が含まれることにも留意されたい。上
記した基のいずれにも結合する置換基の例として、周知
の置換基、例えば、クロロ、フルオロ、ブロモ、ヨー
ド、等のハロゲン;アルコキシ、特に炭素原子を1〜6
個有するもの(例、メトキシ、エトキシ);置換又は未
置換のアルキル、特に低級アルキル(例、メチル、トリ
フルオロメチル);アルケニル又はチオアルキル(例、
メチルチオ、エチルチオ)、特にいずれも炭素原子を1
〜6個有するもの;置換又は未置換のアリール、特に炭
素原子を6〜20個有するもの(例、フェニル);置換
又は未置換のヘテロアリール、特にN、O又はSから選
ばれた異種原子を1〜3個含有する5員又は6員環を有
するもの(例、ピリジル、チエニル、フリル、ピロー
ル);並びにその他当該技術分野で周知のもの、が挙げ
られる。詳細には、アルキル置換基は「低級アルキ
ル」、すなわち炭素原子を1〜6個有するもの、例え
ば、メチル、エチル、等を含むことができる。さらに、
アルキル基、アルキレン基又はアルケニル基に関して
は、分岐していても分岐していなくてもよく、また環構
造も含まれることを理解されたい。
【0011】式(S)において、R1 は、例えば炭素原
子を1〜30個(さらには1〜20個、又は1〜15
個)を有することができる。R2 は、それがアルキル基
である場合、例えば炭素原子を1〜30個(さらには1
〜20個、1〜10個、1〜6個、又は1〜4個)を有
することができる。本発明の写真要素において用いられ
るチオモルフォリンジオキシド安定剤の具体例として以
下の化合物が含まれる。
【0012】
【化4】
【0013】式(R)の化合物の具体例として以下のR
−1及びR−2が含まれる。
【0014】
【化5】
【0015】式(R)の化合物のさらなる例が、米国特
許第4,748,100号、同第5,006,454
号、同第3,982,944号及び同第4,906,5
59号明細書に記載されている。上記2当量ピラゾロン
系マゼンタ色素生成性カプラーは、以下の式(M)で示
されるものであることが好ましい。
【0016】
【化6】
【0017】上式中、R5 はアリール基であり、Xは、
カプラーが現像剤酸化体と反応した際に切断されるH以
外の基であり、aは0〜4の整数(好ましくは1)であ
り、そしてR’はバラスト基である。
【0018】R5 の例としてフェニル基が含まれるが、
このフェニル基が置換されている場合には、下記のもの
を含む置換基の中から特に選ばれることができる置換基
を有する:ハロゲン、例えば塩素(例えば、R5 は1,
3,5−トリクロロフェニルもしくは1,5−ジクロロ
フェニルであることができる)、臭素又はフッ素;直鎖
又は分岐鎖アルキルをはじめとするアルキル又はアリー
ル、例えば炭素原子を1〜30個含むもの、例えばメチ
ル、トリフルオロメチル、エチル、t−ブチル及びテト
ラデシル;炭素原子を1〜30個含むアルコキシ、例え
ばメトキシ、エトキシ、2−エチルヘキシルオキシ及び
テトラデシルオキシ;アリールオキシ、例えばフェノキ
シ、α−もしくはβ−ナフチルオキシ及び4−トリルオ
キシ;アシルアミノ、例えばアセトアミド、ベンズアミ
ド、ブチルアミド、テトラデカンアミド、α−(2,4
−ジ−t−ペンチルフェノキシ)アセトアミド、α−
(2,4−ジ−t−ペンチルフェノキシ)ブチルアミ
ド、α−(3−ペンタデシルフェノキシ)ヘキサンアミ
ド、α−(4−ヒドロキシ−3−t−ブチルフェノキ
シ)テトラデカンアミド、2−オキソ−ピロリジン−1
−イル、2−オキソ−5−テトラデシルピロリン−1−
イル、N−メチルテトラデカンアミド及びt−ブチルカ
ルボンアミド;スルホンアミド、例えばメタンスルホン
アミド、ベンゼンスルホンアミド、p−トルエンスルホ
ンアミド、p−ドデシルベンゼンスルホンアミド、N−
メチルテトラデシルスルホンアミド及びヘキサデカンス
ルホンアミド;スルファモイル、例えばN−メチルスル
ファモイル、N−ヘキサデシルスルファモイル、N,N
−ジメチルスルファモイル、N−〔3−(ドデシルオキ
シ)プロピル〕スルファモイル、N−〔4−(2,4−
ジ−t−ペンチルフェノキシ)ブチル〕スルファモイ
ル、N−メチル−N−テトラデシルスルファモイル及び
N−ドデシルスルファモイル;スルファミド、例えばN
−メチルスルファミド及びN−オクタデシルスルファミ
ド;カルバモイル、例えばN−メチルカルバモイル、N
−オクタデシルカルバモイル、N−〔4−(2,4−ジ
−t−ペンチルフェノキシ)ブチル〕カルバモイル、N
−メチル−N−テトラデシルカルバモイル及びN,N−
ジオクチルカルバモイル;ジアシルアミノ、例えばN−
スクシンイミド、N−フタルイミド、2,5−ジオキソ
−1−オキサゾリジニル、3−ドデシル−2,5−ジオ
キソ−1−イミダゾリル及びN−アセチル−N−ドデシ
ルアミノ;アリールオキシカルボニル、例えばフェノキ
シカルボニル及びp−ドデシルオキシフェノキシカルボ
ニル;アルコキシカルボニル、例えば炭素原子を2〜3
0個含有するアルコキシカルボニル、例えばメトキシカ
ルボニル、テトラデシルオキシカルボニル、エトキシカ
ルボニル、ベンジルオキシカルボニル及びドデシルオキ
シカルボニル;アルコキシスルホニル、例えば炭素原子
を1〜30個含有するアルコキシスルホニル、例えばメ
トキシスルホニル、オクチルオキシスルホニル、テトラ
デシルオキシスルホニル及び2−エチルヘキシルオキシ
スルホニル;アリールオキシスルホニル、例えばフェノ
キシスルホニル、2,4−ジ−t−ペンチルフェノキシ
スルホニル;アルカンスルホニル、例えば炭素原子を1
〜30個含有するアルカンスルホニル、例えばメタンス
ルホニル、オクタンスルホニル、2−エチルヘキサンス
ルホニル及びヘキサデカンスルホニル;アレーンスルホ
ニル、例えばベンゼンスルホニル、4−ノニルベンゼン
スルホニル及びp−トルエンスルホニル);アルキルチ
オ、例えば炭素原子を1〜22個含有するアルキルチ
オ、例えばエチルチオ、オクチルチオ、ベンジルチオ、
テトラデシルチオ及び2−(2,4−ジ−t−ペンチル
フェノキシ)エチルチオ;アリールチオ、例えばフェニ
ルチオ及びp−トリルチオ;アルコキシカルボニルアミ
ノ、例えばエトキシカルボニルアミノ、ベンジルオキシ
カルボニルアミノ及びヘキサデシルオキシカルボニルア
ミノ;アルキルウレイド、例えばN−メチルウレイド、
N,N−ジメチルウレイド、N−メチル−N−ドデシル
ウレイド、N−ヘキサデシルウレイド、N,N−ジオク
タデシルウレイド及びN,N−ジオクチル−N’−エチ
ル−ウレイド;アシルオキシ、例えばアセチルオキシ、
ベンゾイルオキシ、オクタデカノイルオキシ、p−ドデ
カンアミドベンゾイルオキシ及びシクロヘキサンカルボ
ニルオキシ;ニトロ;シアノ;カルボキシ並びに複素
環。上記の有機置換基が含む炭素原子数は30個以下、
好ましくは20個以下であることが好ましい。
【0019】Xは、カプラー分子が現像剤酸化体と反応
した際に切断され、その結果該カプラーが2当量カプラ
ーとなるH以外のいかなる基であってもよい。具体的に
は、Xは、例えば式−S−Yで示されるものであること
ができる。ここで、Yはアルキル基(例、炭素原子を1
〜20個含むアルキル基)又はアリール基(例、炭素原
子を6〜18個含むアリール基)である。例えば、Xは
下式で示されるものであることができる。
【0020】
【化7】
【0021】上式中、R40及びR41は、各々独立に、ア
ルキル、例えば炭素原子を1〜20(又は1〜10)個
含むアルキル(例、ブチル、t−オクチル)である。X
は下式(i)で示されるものであることが好ましく、さ
らには下式(ii)で示されるものであることがより好
ましい。
【0022】
【化8】
【0023】上式中、balはバラスト基であり、cは
0〜4の整数(好ましくは0)であり、そして各R6
置換基である。
【0024】
【化9】
【0025】上式中、mは0〜5の整数であり、cは0
〜4の整数(好ましくは0)であり、各R6 は置換基で
あり、各R10はアルキル基であり、そしてLはメチン基
である。R’、R6 及びR10の例には、R5 のフェニル
上の上記置換基のいずれもが含まれる。メチン基のL
は、アルキル、アリール及び複素環式基の中から選ばれ
た置換基の一つを有することができる。しかしながら、
Lは未置換メチン(すなわち、好ましくは−CH2 −)
であることが好ましい。本発明の写真要素に用いること
ができる2当量ピラゾロン系マゼンタカプラーの例を以
下に示すが、ここでAは式(M)のカップリング部分を
表し、またQは式(M)におけるカップリング離脱基X
である。
【0026】
【化10】
【0027】
【化11】
【0028】
【化12】
【0029】
【化13】
【0030】
【化14】
【0031】
【化15】
【0032】
【化16】
【0033】
【化17】
【0034】ここで、Qは式(M)におけるカップリン
グ離脱基Xを表す。カップリング離脱基Qの例を以下に
示す。硫黄がピラゾロンの4位炭素に結合していること
が理解される。各基Qは、上記式A−1〜A−18の各
々に対して使用することができる。
【0035】
【化18】
【0036】
【化19】
【0037】
【化20】
【0038】
【化21】
【0039】具体的に、式(M)の2当量ピラゾロンカ
プラーは下記のものを含むことができる。
【0040】カプラー名 上記式Aのカップリング部分 上記式Qのカップリング離脱基 M−1 A−16 Q−8 M−2 A−16 Q−21 M−3 A−16 Q−1 M−4 A−13 Q−1 M−5 A−1 Q−22
【0041】式(R)のヒドロキノン化合物及び式
(M)のカプラーの製造方法はよく知られている。式
(S)の化合物の製造方法も当該技術分野では周知であ
る。例えば、特開平4−364175号(特願平3−1
7834号)、特開平4−244072号(特願平2−
26665号)及び特開平4−26683号(特願平2
−131758号)の各公報、並びにSynthesi
(第5巻、第417頁、1982年)に記載されてい
る。例えば、式(S)の化合物は、下記の化合物(S−
2)と同様に製造することができる。
【0042】本発明において使用することができる上記
安定剤の量に関しては、典型的には、化合物(S)と化
合物(R)の合計量がカプラー1モル当たり約0.8〜
約8.0モル、又は2〜6.5モル、又は特に1.5〜
2.0モルの範囲にある。(S)の(R)に対する重量
比〔すなわち、(S)/(R)〕は、好ましくは20/
1〜1/1、より好ましくは10/1〜2/1(さらに
は8/1又は2/1)である。好ましくは、化合物
(R)のカプラーに対する重量比は1/1〜1/20
(好ましくは〜1/6)である。2当量ピラゾロンカプ
ラーの量に関しては、典型的には0.2〜0.4ミリモ
ル/m2 、より好ましくは0.25〜0.35ミリモル
/m2 で塗布される。
【0043】本発明の組成物を、1994年12月22
日に出願されたRakesh Jainらの発明の名称
「PHOTOGRAPHIC ELEMENTS CONTAINING 2-EQUIVALENT PY
RAZOLONE MAGENTA DYE FORMING COUPLERS AND STABILIZ
ING COMPOUNDS 」の同時係属米国特許出願明細書に記載
されている方法で、別の安定化化合物と一緒に使用する
ことができる。本明細書では、その出願明細書及びその
中に引用されている他のすべての文献を参照することに
より取り入れることとする。上記米国特許出願明細書に
記載されている別の化合物と共に本発明の組成物を使用
すると、本発明のマゼンタ色素の退色の低減が多少失わ
れることになる場合もあるが、他の特性は上記出願明細
書に記載されているように向上する。色素の退色と上記
出願明細書に記載されている組成物の利点との間で妥協
を行い、本発明の組成物を上記出願明細書に記載された
別の化合物と併用することが好ましい。
【0044】本発明の写真要素は、(例えば、マゼン
タ、シアン及びイエローの色素生成性カプラーを使用し
た)白黒写真要素であっても、単色要素であっても、又
は多色要素であってもよい。多色要素は、スペクトルの
三つの主領域の各々に対して感光性のある画像色素生成
単位を含有する。各単位は、スペクトルの特定領域に感
光性のある単一乳剤層または多重乳剤層を含むことがで
きる。該写真要素の層は、画像形成単位の層をはじめと
し、当該技術分野で知られている様々な順序で配置する
ことができる。別のフォーマットとして、スペクトルの
三つの主領域の各々に対して感光性のある乳剤を、セグ
メント化された単一層として配置することもできる。
【0045】典型的な多色写真要素は、少なくとも1種
のシアン色素生成カプラーと組み合わされている1層以
上の赤感性ハロゲン化銀乳剤層を含むシアン色素画像形
成単位と、少なくとも1種のマゼンタ色素生成カプラー
と組み合わされている1層以上の緑感性ハロゲン化銀乳
剤層を含むマゼンタ色素画像形成単位と、少なくとも1
種のイエロー色素生成カプラーと組み合わされている1
層以上の青感性ハロゲン化銀乳剤層を含むイエロー色素
画像形成単位とを担持する支持体を含む。該要素は、フ
ィルター層、中間層、オーバーコート層、下塗層、等の
ような別の層をさらに含有してもよい。これらはいずれ
も、透明であっても反射性(例、紙支持体)であっても
よい支持体表面に塗布されることができる。本発明の写
真要素は、Research Disclosure
(1992年11月、Item 34390、に記載さ
れている磁気記録層、又は米国特許第4,279,94
5号及び同第4,302,523号明細書に記載されて
いる透明支持体の裏側に磁性粒子を含む層のような透明
磁気記録層を含むと有用な場合がある。該要素の(支持
体を除く)全厚は、典型的には5〜30μmである。カ
ラー感光層の順序は変更することができるが、通常は、
赤感性層、緑感性層及び青感性層の順に透明支持体上に
配置され(すなわち、青感性層が支持体から最も離れて
いる)、また反射性支持体ではその順序を反対にするこ
とが典型的である。
【0046】本発明の写真要素は、使い捨てカメラ(又
は「フィルム付きレンズ」ユニット)とよく呼ばれてい
るカメラにおいて用いられることも考えられる。これら
のカメラはその中にフィルムを予め装填した形で市販さ
れ、そしてカメラ全体が露光フィルムをカメラ内に残留
させたまま処理業者へ戻される。このようなカメラはガ
ラスレンズ又はプラスチックレンズを有し、これを介し
て写真要素の露光が行われる場合がある。
【0047】本発明の要素において使用するのに好適な
材料に関する以下の記述では、上記のように入手できる
Research Disclosure(1994年
9月、第365番、Item 36544、英国のKe
nneth Mason Publications社
(Dudley Annex, 12a North Street, Emsworth, Hampshi
re, P010 7DQ) の刊行物)を参照することとする。本明
細書ではこの文献を以降「Research Disc
losure I」と称することとする。以降でいうセ
クションとは、このResearch Disclos
ure Iのセクションをさすものとする。
【0048】本発明の要素に用いられるハロゲン化銀乳
剤は、表面感性乳剤や未カブリ内部潜像形成乳剤のよう
なネガ型であっても、または現像を均一露光下もしくは
核生成剤存在下で行う未カブリ内部潜像形成タイプの直
接ポジ乳剤であってもよい。適当な乳剤やその製法、並
びに化学増感や分光増感の方法が、セクションI〜セク
ションVに記載されている。色材や現像調節剤について
はセクションV〜XXに記載されている。本発明の要素
に用いることができるベヒクルについてはセクションI
Iに、また各種添加剤、例えば蛍光増白剤、カブリ防止
剤、安定剤、光吸収物質、光散乱物質、硬膜剤、塗布助
剤、可塑剤、滑剤及びマット剤は、例えばセクションV
I〜X及びXI〜XIVに記載されている。製造方法に
ついてはすべてのセクションに、他の層や支持体につい
てはセクションXI及びXIVに、処理方法及び処理剤
についてはセクションXIX及びXXに、また別の露光
法についてはセクションXVIにそれぞれ記載されてい
る。
【0049】ネガ型ハロゲン化銀を使用するとネガ像を
形成させることができる。必要に応じてポジ(又はリバ
ーサル)像を形成させることができるが、典型的にはま
ずネガ像を形成させる。本発明の写真要素は、(例え
ば、中間層補正レベルを調整するための)着色カプラー
や、欧州特許第213,490号、特開昭58−17
2,647号、米国特許第2,983,608号、ドイ
ツ国特許出願公開第DE2,706,117C号、英国
特許1,530,272号、特開昭58−113935
号、米国特許第4,070,191号及びドイツ国特許
出願公開第DE2,643,965号に記載されている
ようなマスキングカプラーを使用することもできる。マ
スキングカプラーは、所望により、シフトしてもブロッ
クされていてもよい。
【0050】本発明の写真要素は、漂白や定着といった
処理工程を促進、あるいは調節する物質を含有すること
で画質を改善することができる。欧州特許第193,3
89号、同第301,477号、米国特許第4,16
3,669号、同第4,865,956号及び同第4,
923,784号明細書に記載されている漂白促進剤が
特に有用である。また、核生成剤、現像促進剤若しくは
それらの前駆体(英国特許第2,097,140号;同
第2,131,188号明細書);電子移動剤(米国特
許第4,859,578号;同第4,912,025号
明細書);カブリ防止剤及び色混合防止剤、例えばヒド
ロキノン、アミノフェノール、アミン、没食子酸の誘導
体;カテコール;アスコルビン酸;ヒドラジド;スルホ
ンアミドフェノール;及び非発色カプラーの使用も考え
られる。
【0051】本発明の要素は、水中油形分散液、ラテッ
クス分散液または固体粒子分散液として、(特にすべて
の感光層の下部のアンダーコート、又は支持体のすべて
の感光層が配置されている側とは反対側に)イエロー及
び/若しくはマゼンタフィルター色素又はコロイド銀ゾ
ルを含むフィルター色素層を含有することもできる。さ
らに、それらは、「スミアリング」カプラー(例、米国
特許第4,366,237号、欧州特許第96,570
号、米国特許第4,420,556号及び米国特許第
4,543,323号明細書に記載されている)と併用
してもよい。また、該カプラーは、例えば、特願昭61
−258,249号または米国特許第5,019,49
2号明細書に記載されているように保護された形態で塗
布またはブロックすることもできる。
【0052】本発明の写真要素は、さらに「現像抑制剤
放出型」(DIR)化合物のような他の画像調節化合物
を含有することができる。本発明の要素に有用な別のD
IRは、当該技術分野では知られており、またそれらの
例が以下の特許文献に記載されている:米国特許第3,
137,578号、同第3,148,022号、同第
3,148,062号、同第3,227,554号、同
第3,384,657号、同第3,379,529号、
同第3,615,506号、同第3,617,291
号、同第3,620,746号、同第3,701,78
3号、同第3,733,201号、同第4,049,4
55号、同第4,095,984号、同第4,126,
459号、同第4,149,886号、同第4,15
0,228号、同第4,211,562号、同第4,2
48,962号、同第4,259,437号、同第4,
362,878号、同第4,409,323号、同第
4,477,563号、同第4,782,012号、同
第4,962,018号、同第4,500,634号、
同第4,579,816号、同第4,607,004
号、同第4,618,571号、同第4,678,73
9号、同第4,746,600号、同第4,746,6
01号、同第4,791,049号、同第4,857,
447号、同第4,865,959号、同第4,88
0,342号、同第4,886,736号、同第4,9
37,179号、同第4,946,767号、同第4,
948,716号、同第4,952,485号、同第
4,956,269号、同第4,959,299号、同
第4,996,835号及び同第4,985,336号
明細書;英国特許第1,560,240号、同第2,0
07,662号、同第2,032,914号及び同第
2,099,167号明細書;独国特許第2,842,
063号、同第2,937,127号、同第3,63
6,824号及び同第3,644,416号明細書;並
びに欧州特許第272,573号、同第335,319
号、同第336,411号、同第346,899号、同
第362,870号、同第365,252号、同第36
5,346号、同第373,382号、同第376,2
12号、同第377,463号、同第378,236
号、同第384,670号、同第396,486号、同
第401,612号及び同第401,613号明細書。
【0053】DIR化合物は、Photographi
c Science and Engineering
(第13巻、第174頁、1969年)の中のC.R.
Barr、J.R.Thirtle及びP.W.Vit
tumの「カラー写真用の現像抑制剤放出型(DIR)
カプラー」にも記載されており、本明細書ではこれを参
照することによって取り入れることとする。
【0054】Research Disclosure
(1979年11月、Item 18716、英国のK
enneth Mason Publications
社(Dudley Annex, 12a North Street, Emsworth, Hamps
hire, P010 7DQ) の刊行物であって、本明細書ではこれ
を参照することにより取り入れることとする)に記載さ
れているように、本発明の概念を利用して反射カラープ
リントを得ることができることも考えられる。本発明の
写真要素を形成するための乳剤及び材料は、米国特許第
4,917,994号明細書に記載されているようなp
H調整済支持体上に、欧州特許第164,961号明細
書に記載されているようなエポキシ溶剤と共に、例えば
米国特許第4,346,165号、同第4,540,6
53号及び同第4,906,559号明細書に記載され
ているような別の安定剤と共に、カルシウムなどの多価
カチオンに対する感度を低下させるための米国特許第
4,994,359号明細書に記載されているようなバ
ラスト化キレート化剤と共に、そして米国特許第5,0
68,171号及び同第5,096,805号明細書に
記載されているようなステイン低減性化合物と共に、塗
布することができる。本発明の要素に有用なその他の化
合物については、以下の日本特許出願公開公報に開示さ
れている:83−9959、83−62586、90−
72629、90−72630、90−72632、9
0−72633、90−72634、90−7782
2、90−78229、90−78230、90−79
336、90−79338、90−79690、90−
79691、90−80487、90−80489、9
0−80490、90−80491、90−8049
2、90−80494、90−85928、90−86
669、90−86670、90−87361、90−
87362、90−87363、90−87364、9
0−88096、90−88097、90−9366
2、90−93663、90−93664、90−93
665、90−93666、90−93668、90−
94055、90−94056、90−101937、
90−103409及び90−151577。
【0055】本発明の写真要素に用いられるハロゲン化
銀は、ヨウ臭化銀、臭化銀、塩化銀、塩臭化銀、塩ヨウ
臭化銀、などであることができる。ハロゲン化銀粒子の
種類は、多形、立方体及び八面体を含むことが好まし
い。ハロゲン化銀の粒径は、写真組成物において有用で
あることが知られているいずれの分布を有することもで
き、そして多分散型であっても単分散型であってもよ
い。本発明において特に有用な乳剤は平板状粒子ハロゲ
ン化銀乳剤である。特に考えられる平板状粒子乳剤は、
厚さが0.3μm未満(青感性乳剤については0.5μ
m未満)で且つ平均平板度(T)が25よりも高い(好
ましくは100よりも高い)平板状粒子が、乳剤粒子の
全投影面積の50%を超える面積を占めている乳剤であ
る。ここで、用語「平板度」は当該技術分野で認識され
ている用語であって、下式: T=ECD/t2 で示される。式中、ECDは平板状粒子の平均等価円直
径(μm)であり、またtは平板状粒子の平均厚さ(μ
m)である。
【0056】写真乳剤の平均的な有用なECDは最大で
約10μmまでの範囲をとることができるが、実際の乳
剤でECDが約4μmを超えることはまずない。ECD
の増加に伴い、写真スピードと粒状度が共に増大するの
で、目的とするスピードの要件を達成することを妨げな
い最小の平板状粒子ECDを採用することが一般に好ま
しい。
【0057】乳剤の平板度は平板状粒子厚の減少に伴い
著しく増加する。目的とする平板状粒子の投影面積が薄
い(t<0.2μm)平板状粒子によって占められてい
ることが一般に好ましい。最低レベルの粒状度を達成す
るためには、目的とする平板状粒子の投影面積が極薄の
(t<0.06μm)平板状粒子によって占められてい
ることが好ましい。平板状粒子の厚さは最小で約0.0
2μmまでの範囲をとることが典型的である。しかしな
がら、さらに薄い平板状粒子厚も考えられる。例えば、
Daubendiekらの米国特許第4,672,02
7号明細書は、粒子厚が0.017μmのヨウ化物含有
量3モル%の平板状粒子臭ヨウ化銀乳剤について記載し
ている。
【0058】上記のように、規定の厚さよりも薄い平板
状粒子が、乳剤の全粒子投影面積の50%以上を占め
る。高平板度の利点を最大限に引き出すためには、上記
の厚さ基準を満たす平板状粒子が、乳剤の全粒子投影面
積の便利に達成可能な最高パーセントを占めることが一
般に好ましい。例えば、好ましい乳剤では、上記の厚さ
基準を満たす平板状粒子が、全粒子投影面積の70%以
上を占める。最高性能を示す平板状粒子乳剤では、上記
の厚さ基準を満たす平板状粒子が、全粒子投影面積の9
0%以上を占める。
【0059】好適な平板状粒子乳剤を従来の様々な教示
の中から選ぶことができる。このような教示の例とし
て、下記のものが挙げられる:Research Di
sclosure(第22534項、1983年1
月);米国特許第4,439,520号、同第4,41
4,310号、同第4,433,048号、同第4,6
43,966号、同第4,647,528号、同第4,
665,012号、同第4,672,027号、同第
4,678,745号、同第4,693,964号、同
第4,713,320号、同第4,722,886号、
同第4,755,456号、同第4,775,617
号、同第4,797,354号、同第4,801,52
2号、同第4,806,461号、同第4,835,0
95号、同第4,853,322号、同第4,914,
014号、同第4,962,015号、同第4,98
5,350号、同第5,061,069号及び同第5,
061,616号明細書。
【0060】本発明に用いられるハロゲン化銀粒子は、
例えば、Research Disclosure I
やJamesのThe Theory of the
Photographic Processに記載され
ているような当該技術分野では周知の方法に従い調製す
ることができる。これらには、アンモニア乳剤製造法、
中性又は酸性乳剤製造法、及びその他当該技術分野で周
知の方法が含まれる。これらの方法は一般に、水溶性銀
塩と水溶性ハロゲン化物塩とを保護コロイド存在下で混
合し、ハロゲン化銀を析出形成させる際の温度、pA
g、pH、等の値を適当な値に制御する工程を含む。本
発明で用いられるハロゲン化銀は、貴金属(例、金)増
感剤、ミドルカルコゲン(例、硫黄)増感剤、還元増感
剤及びその他当該技術分野で周知のもので化学増感を施
すことが有利な場合がある。ハロゲン化銀の化学増感に
有用な化合物及び技法については当該技術分野では周知
であり、またResearch Disclosure
やその中に引用されている文献に記載されている。
【0061】本発明の写真要素は、典型的には、ハロゲ
ン化銀を乳剤の形態で提供する。写真乳剤は一般に、乳
剤を写真要素の層として塗布するためのベヒクルを含
む。有用なベヒクルは、天然物質、例えば、タンパク
質、タンパク質誘導体、セルロース誘導体(例、セルロ
ースエステル)、ゼラチン(例、アルカリ処理ゼラチ
ン、例えば、牛骨もしくは獣皮ゼラチン、又は酸処理ゼ
ラチン、例えば、豚皮ゼラチン)、ゼラチン誘導体
(例、アセチル化ゼラチン、フタル化ゼラチン、等)、
及びその他Research Disclosure
Iに記載されているものを含む。また、ベヒクル又はベ
ヒクル増量剤としては親水性透水性コロイドも有用であ
る。これらには、合成高分子解こう剤、キャリヤー及び
/又はバインダー、例えば、ポリ(ビニルアルコー
ル)、ポリ(ビニルラクタム)、アクリルアミドポリマ
ー、ポリビニルアセタール、アルキル及びスルホアルキ
ルアクリレート及びメタクリレートのポリマー、加水分
解ポリビニルアセテート、ポリアミド、ポリビニルピリ
ジン、メタクリルアミドコポリマー、等、Resear
ch Disclosure Iに記載されているもの
が含まれる。ベヒクルは、乳剤中、写真乳剤として有用
ないずれの量で存在させてもよい。乳剤はまた、写真乳
剤において有用であることが知られているいかなる添加
剤をも含むことができる。これらには、化学増感剤、例
えば、活性ゼラチン、硫黄、セレン、テルル、金、白
金、パラジウム、イリジウム、オスミウム、レニウム、
リン又はこれらの混合物が含まれる。化学増感は一般に
pAgレベル5〜10、pHレベル5〜8、温度30〜
80℃で実施され、このことについてはResearc
h Disclosure(1975年6月、Item
13452)及び米国特許第3,772,031号明
細書に記載されている。
【0062】ハロゲン化銀は、当該技術分野で周知のい
ずれかの方法、例えば、Research Discl
osure Iに記載されている方法に従い、増感色素
によって増感されることができる。該色素は、乳剤を写
真要素上に塗布する前に(例、化学増感中もしくは化学
増感後に)又は塗布すると同時に、ハロゲン化銀粒子と
親水性コロイドを含む乳剤へ添加することができる。こ
の色素/ハロゲン化銀乳剤は、塗布直前に又は塗布に先
立ち(例、2時間前に)、カラー画像形成性カプラーの
分散液と混合することができる。本発明の写真要素は、
Research Disclosure Iのセクシ
ョンXVIに記載されている方法をはじめとする周知の
いずれかの技法によって像様露光されることが好まし
い。これには、典型的にはスペクトルの可視領域にある
光で露光することが含まれ、またこのような露光はレン
ズを通したライブ像であることが普通であるが、発光装
置(例、発光ダイオード、CRT、等)によって記憶像
(例、コンピューターに記憶させた像)に対する露光で
あることもできる。
【0063】本発明の組成物を含む写真要素は、Res
earch DisclosureIやT.H.Jam
es編The Theory of the Phot
ographic Process(第4版、Macm
illan、New York、1977)に記載され
ているいくつかの周知の処理組成物のいずれかを使用し
た周知の写真処理法のいずれかによって処理されること
ができる。ネガ型要素を処理する場合には、写真要素を
発色現像剤(すなわち、カラーカプラーと共に着色画像
色素を形成する)で処理し、次いで酸化剤と溶剤で処理
して銀及びハロゲン化銀を除去する。リバーサルカラー
要素を処理する場合には、要素をまず白黒現像剤(すな
わち、カプラー化合物と共に着色色素を形成することが
ない)で処理した後、未露光ハロゲン化銀をカブらせる
処理(通常は化学カブリ又は光カブリ)を施し、その後
発色現像剤で処理する。好ましい発色現像剤はp−フェ
ニレンジアミン類である。特に好ましいものは、4−ア
ミノ−N,N−ジエチルアニリン塩酸塩、4−アミノ−
3−メチル−N,N−ジエチルアニリン塩酸塩、4−ア
ミノ−3−メチル−N−エチル−N−〔β−(メタンス
ルホンアミド)エチル〕アニリンセスキスルフェート水
和物、4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−(β
−ヒドロキシエチル)アニリンスルフェート、4−アミ
ノ−3−β−(メタンスルホンアミド)エチル−N,N
−ジエチルアニリン塩酸塩、及び4−アミノ−N−エチ
ル−N−(2−メトキシエチル)−m−トルイジン−ジ
−p−トルエンスルホン酸。
【0064】現像工程に続いて、銀やハロゲン化銀を除
去するための漂白−定着工程、水洗工程及び乾燥工程が
行われる。漂白及び定着工程は、その目的に用いられる
ことが知られているいずれの物質によっても行うことが
できる。一般に、漂白浴は、鉄(III)の水溶性塩及
び錯体(例、フェリシアン化カリウム、塩化第二鉄、エ
チレンジアミン四酢酸第二鉄のアンモニウムもしくはカ
リウム塩)、水溶性過硫酸塩(例、過硫酸カリウム、ナ
トリウムもしくはアンモニウム塩)、水溶性二クロム酸
塩(例、二クロム酸カリウム、ナトリウムもしくはリチ
ウム塩)、等のような酸化剤の水溶液を含む。一般に、
定着浴は、銀イオンと可溶性塩を形成する化合物、例え
ば、チオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸アンモニウム、チオ
シアン酸カリウム、チオシアン酸ナトリウム、チオ尿
素、等の水溶液を含む。
【0065】
【実施例】本発明を以下の実施例でさらに説明する。合成例 化合物(S−2)を下記のように合成した。
【0066】
【化22】
【0067】800mlのTHFに2−エチルヘキサノ
ール(236.6g、1.82モル)を含む混合物にメ
タンスルホニルクロリド(250g、2.18モル)を
混合した。この溶液を氷/アセトン浴において20℃に
冷却した。次いで、その温度を25〜29℃の間に維持
しながらトリエチルアミン(220.6g、2.18モ
ル)を滴下した。その後、反応混合物を室温で一晩攪拌
した。トリエチルアミン塩酸塩を濾過して除去し、そし
て得られたメシレートのTHF溶液を濃縮すると淡黄色
の油状物が得られ、これをそのまま次の工程で使用し
た。p−ニトロフェノールのナトリウム塩(39.5
g、0.2モル)と、上記メシレート(54.0g、
0.25モル)と、DMF(160ml)との混合物を
94℃で2日間加熱した。次いで、その混合物を氷水を
含むビーカーに注入した。得られた油状物をエーテルに
吸収させ、水で洗浄し、次いで飽和NaCl溶液で洗浄
し、Na2 SO4 で乾燥し、そして濃縮すると赤/オレ
ンジ色の油状物が得られた。この粗生成物をシリカゲル
のプラグに通し、CH2 Cl2 で溶離した。生成物を濃
縮すると淡黄色の油状物が得られた。この物質(15.
0g、0.06モル)をParr装置(エタノール、2
00ml;パラジウム担持炭素、1g)で水素化した。
水素の吸収が停止した後、溶液を濾過し、その濾液にジ
ビニルスルホン(7.7g、0.065モル)を加え
た。その反応混合物を加熱して一晩還流させ、そして濃
縮して粘性油状物を得た。ヘキサンで粉砕すると結晶性
固体(S−2)が得られ、これをエタノールからの再結
晶化によりさらに精製した。
【0068】写真例 カプラーの分散体を以下のように調製した。一つの容器
にカプラーと、カプラー溶剤と、安定剤と、酢酸エチル
とを一緒にして温めて溶解させた。別の容器にゼラチン
と、Alkanol XC(商品名;E.I.duPo
nt社)と、水とを一緒にして、Gaulinコロイド
ミルを3回通過させた。酢酸エチルを蒸発して除去し、
そして水を加えて微粉砕後の元の重量に戻した。各種カ
プラーの目標塗被量を0.32ミリモル/平方メートル
とした。カプラー溶剤はカプラーに対して重量比1:1
で、安定剤はカプラーに対して重量比1.167:1
で、またヒドロキノンはカプラーに対して重量比0.1
7:1で塗布した。樹脂被覆紙支持体の上に以下の層を
記載順に塗布することにより、典型的な写真要素を製作
した。
【0069】第1層: ゼラチン(3.23g/m2 第2層 : ゼラチン(1.61g/m2 ) カプラー(0.35g/m2 ) カプラー溶剤(0.35g/m2 ) 安定剤(0.41g/m2 ) ヒドロキノン(0.06g/m2 ) 緑増感AgCl乳剤(0.17g/m2 第3層 : ゼラチン(1.34g/m2 ) 2−(2H−ベンゾトリアゾル−2−イル)−4,6−
ビス(1,1−ジメチルプロピル)−フェノール(0.
73g/m2 ) Tinuvin326(商標;Ciba−Geigy)
(0.13g/m2 第4層 : ゼラチン(1.40g/m2 ) ビス(ビニルスルホニルメチル)エーテル(0.14g
/m2
【0070】用いた化合物の一部は以下のものである。
【0071】
【化23】
【0072】
【化24】
【0073】写真要素の露光法と処理法 写真要素に緑光の特定の段階式露光を施し、35℃にお
いて以下のように処理した。 現像液(45秒) 漂白−定着液(45秒) 水洗(流水)(1分30秒)
【0074】現像液と漂白−定着液の組成は以下のとお
りとした。 CD−3含有現像液 水(700.00mL) トリエタノールアミン(12.41g) Blankophor REU(Mobay社;2.3
0g) ポリスチレンスルホン酸リチウム(30%)(0.30
g) N,N−ジエチルヒドロキシルアミン(85%)(5.
40g) 硫酸リチウム(2.70g) N−{2−〔(4−アミノ−3−メチルフェニル)エチ
ルアミノ〕エチル}メタンスルホンアミドセスキスルフ
ェート(5.00g) 1−ヒドロキシエチル−1,1−ジホスホン酸(60
%)(0.81g) 無水炭酸カリウム(21.16g) 塩化カリウム(1.60g) 臭化カリウム(7.00mg) 水で全体を1Lとした。26.7℃におけるpHを1
0.04±0.05に調整した。
【0075】漂白−定着液 水(700.00mL) チオ硫酸アンモニウム(54.4%)+亜硫酸アンモニ
ウム(4%)の溶液(127.40g) メタ重亜硫酸ナトリウム(10.00g) 氷酢酸(10.20g) エチレンジアミン四酢酸鉄アンモニウム(44%)+エ
チレンジアミン4酢酸(3.5%)の溶液(110.4
0g) 水で全体を1Lとした。26.7℃におけるpHを5.
5±0.10に調整した。
【0076】写真評価 処理時にマゼンタ色素が形成した。以下の写真特性を測
定した:Dmax (緑光に対する最大濃度);写真スピー
ド(緑光に対する濃度1.0を得るのに必要な相対lo
g露光量);及びコントラスト〔(S−T)/0.6の
比率、但しSは写真スピード値よりも0.3単位高いl
og露光量における濃度であり、Tは写真スピード値よ
りも0.3単位低いlog露光量における濃度であ
る〕。本発明の安定剤のいずれについても、センシトメ
トリーの望ましくない変化はまったく認められなかっ
た。
【0077】一組の露光、処理済コーティング(上記参
照)に、50kluxの高強度昼光(HID)を2週間
照射した。次いで、照射の結果起こったステータスA緑
濃度の変化を測定し、この値を色素退色の測定値として
使用した。これらの結果を以下の表1に示す。形成した
写真色素の吸収スペクトルを反射モードで濃度1.0に
おいて測定し、そのλmax (すなわち、カプラーから形
成された色素の極大吸収波長)と帯域幅(線型単位にお
ける1/2極大吸収における吸収ピークの幅)を以下の
表2に示す。表1と表2に示した要素はどれもその第2
層におけるヒドロキノンとして化合物(R−2)を使用
している。
【0078】
【表1】
【0079】
【表2】
【0080】上記表1及び表2からわかることは、式
(S)の化合物を式(R)及び2当量ピラゾロン系マゼ
ンタカプラーと一緒に使用した本発明によると、該カプ
ラーから形成されたマゼンタ色素の退色が低減する。さ
らに、該マゼンタ色素は、若干長波長側にシフトした極
大吸収と共に、帯域幅の増大を示す。
【0081】以下、本発明の好ましい実施態様を項分け
記載する。 (1)感光性ハロゲン化銀含有層を含むハロゲン化銀写
真要素であって、前記層が、2当量ピラゾロン系マゼン
タカプラーと、下式(S)で示される化合物と、下式
(R)で示されるヒドロキノン化合物とをさらに含有す
るハロゲン化銀写真要素:
【0082】
【化25】
【0083】(上式中、R1 はアルキル基であり、また
2 、R3 及びR4 は各々独立にアルキル基又はHであ
る)。 (2)前記2当量ピラゾロン系マゼンタカプラーが下式
(M)で示される化合物である、(1)に記載のハロゲ
ン化銀写真要素:
【0084】
【化26】
【0085】(上式中、R5 はアリール基であり、X
は、カプラーが現像剤酸化体と反応した際に切断される
H以外の基であり、aは0〜4の整数であり、そして
R’はバラスト基である)。 (3)前記2当量ピラゾロン系マゼンタカプラーが下式
(M−i)で示される化合物である、(2)に記載のハ
ロゲン化銀写真要素。
【0086】
【化27】
【0087】(4)式(S)の化合物において、R1
1〜20個の炭素原子を有し且つR 2 が、アルキルであ
る場合に、1〜20個の炭素原子を有する、(2)に記
載のハロゲン化銀写真要素。 (5)式(R)の化合物において、R3 及びR4 が各々
独立に1〜20個の炭素原子を有する、(2)に記載の
ハロゲン化銀写真要素。 (6)Xが式−S−Yで示され、但しYはアルキル基又
はアリール基である、(3)〜(5)のいずれか一つに
記載のハロゲン化銀写真要素。 (7)Xが下式で示される、(3)〜(5)のいずれか
一つに記載のハロゲン化銀写真要素:
【0088】
【化28】
【0089】(上式中、balはバラスト基であり、m
は0〜4の整数であり、そしてR6 は置換基である)。 (8)Xが下式で示される、(3)〜(5)のいずれか
一つに記載のハロゲン化銀写真要素:
【0090】
【化29】
【0091】(上式中、mは0〜5の整数であり、cは
0〜4の整数であり、各R6 は置換基であり、各R10
アルキルであり、そしてLはメチン基である)。 (9)式(M)のカプラー並びに式(S)及び(R)の
化合物が、水不混和性有機溶剤の同じ分散体の液滴に含
まれている、(3)〜(5)のいずれか一つに記載のハ
ロゲン化銀写真要素。 (10)式(S)及び(R)の化合物が、式(M)のカ
プラー1モル当たり0.8〜8.0モルの全量で存在す
る、(3)〜(5)のいずれか一つに記載のハロゲン化
銀写真要素。
【0092】上記実施例は本発明の特別な実施態様を例
示するために記載したものであり、本発明の組成物又は
材料の範囲を限定するものではない。本発明の精神及び
範囲内の改変や変更が可能であることを理解されたい。
フロントページの続き (72)発明者 ロバート チャールズ スチュアート アメリカ合衆国,ニューヨーク 14559, スペンサーポート,リッジ メドウズ ド ライブ 28

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 感光性ハロゲン化銀含有層を含むハロゲ
    ン化銀写真要素であって、前記層が、2当量ピラゾロン
    系マゼンタカプラーと、下式(S)で示される化合物
    と、下式(R)で示されるヒドロキノン化合物とをさら
    に含有するハロゲン化銀写真要素: 【化1】 (上式中、R1 はアルキル基であり、またR2 、R3
    びR4 は各々独立にアルキル基又はHである)。
JP7333577A 1994-12-22 1995-12-21 ハロゲン化銀写真要素 Pending JPH08220711A (ja)

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US362635 1989-06-05
US08/362,635 US5484696A (en) 1994-12-22 1994-12-22 Photographic elements containing 2-equivalent pyrazolone magenta dye forming couplers and fade reducing compounds

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