JP3310879B2 - Tナットおよびその製造方法 - Google Patents
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Description
周面上に雌ねじが形成され、軸部の一方端から外方へ張
出すフランジ部を有するTナットおよびその製造方法に
関するもので、特に、樹脂材料あるいはゴムからなるコ
ンポーネント等の成形時に埋込んで固定して使用するT
ナットおよびその製造方法に関するものである。
プ付のTナット1について、図7および図8に基づいて
説明する。
に示すように、一体の金属材料からなる、軸部2および
この軸部2の第1の端部から外方へ張出すフランジ部3
を有するTナット本体部と、軸部2の第1の端部とは反
対側の第2の端部に嵌合し、該第2の端部を閉塞するキ
ャップ部4とを備える。軸部2は、中空の筒状をなし、
その内周面上には雌ねじ5が形成される。雌ねじ5は、
軸部2の内周面の全域にわたって形成される。
4の円筒部の内周面との嵌合面は、スポット溶接または
かしめ加工によって接合固定されており、全体として一
体のTナットを構成している。このような従来のTナッ
トは、図8(a)に示すように、内周に雌ねじ5を有す
る軸部2とフランジ部3とを含む予め形成されたTナッ
ト本体部に、その軸部2の第2の端部側から、やはり予
め形成されたキャップ部4を被せて、その状態でスポッ
ト溶接またはかしめ加工を施すことによって、それらの
嵌合部6が接合固定される。
ナット1は、図8(b)に示すように、樹脂やゴムから
なる部材7に、その表面において雌ねじ5が開口するよ
うに埋込んで固定される。部材7へのTナット1の埋込
み固定は、部材7が成形される際に、その金型内におい
て、溶融樹脂材料(あるいは溶融ゴム材料)とともに所
定の位置にTナット1をセットし、樹脂材料を固化させ
ることによって行なわれる。このようにして、部材7に
固定されたTナットは、キャップ部4が係止部材の役割
を果たすことにより、部材7からの抜けが防止され、ボ
ルトのようなねじ部材を、軸部2の内周面上に形成され
た雌ねじ5に螺合させることができる。
た従来のキャップ付のTナット1では、軸部2の第2の
端部の外周面とキャップ部4の円筒部の内周面との嵌合
面6においてわずかでも隙間が生じると、埋込まれる部
材7の成形時において、溶融樹脂材料(あるいは溶融ゴ
ム材料)がその隙間を通してねじ部5に流入するおそれ
があるという問題がある。
ため、キャップ部4によって部材7からの抜けは防止で
きるものの、雌ねじ5に雄ねじを螺合させる際のトルク
に起因する不都合な回転を防止することができないとい
う問題もあった。
別の部材で構成し、それらを互いに嵌合させて接合固定
するため、Tナット1を1個形成する毎にスポット溶接
あるいかしめ加工を行なうことが必要であり、この種の
製品にとって極めて重要な特性である量産性の向上を図
ることが困難であるという問題もあった。
明は、樹脂やゴムからなる部材に埋込み固定する際の溶
融樹脂材料あるいは溶融ゴム材料の雌ねじ部への流入を
防止するとともに、樹脂やゴムからなる部材に埋込み固
定された状態で抜けが防止されるTナットを高い量産性
をもって製造することを可能にする、Tナットの構造お
よびその製造方法を提供することを目的とする。
埋込み固定された状態で回転が防止されるTナットを、
高い量産性をもって製造することを可能にする、Tナッ
トの構造およびその製造方法を提供することを目的とす
る。
明のTナットは、一連のプレス加工による絞り成形によ
り製造され、一体の金属材料からなる、軸部、該軸部の
第1の端部から外方へ張出すフランジ部、および、軸部
の第1の端部とは逆の第2の端部において軸部と連続し
かつ外方へ張出すとともに、該第2の端部を閉塞するキ
ャップ部を備え、軸部は中空の筒状をなし、かつその内
周面上には雌ねじが形成されている。
によれば、キャップ部を有することによって、樹脂材料
等からなる部材に埋込まれた状態で、該部材からの抜け
を防止することができる。また、キャップ部が、軸部お
よびフランジ部からなるTナット本体部と一体の材料か
らなり、軸部の第1の端部とは逆の第2の端部において
軸部と連続して形成されていることにより、上記従来例
において生じたキャップ部内周と軸部外周との嵌合部の
隙間が生じることがない。その結果、埋込み固定される
部材の成形時において溶融樹脂材料などが第2の端部側
から軸部内側の雌ねじへ流入するおそれがない。
などの角形形状や、円筒状の外周に突起を設けた形状な
どのような非円形形状を採用することにより、樹脂材料
等からなる部材に埋込まれた状態で、該部材に対する相
対的な回転をも防止することができる。
に、前記キャップ部の外周近傍において、少なくとも部
分的に厚さを変化させることによっても、樹脂材料等か
らなる部材に埋込まれた状態で、該部材に対する相対的
な回転を防止することができる。
のような工程によって製造することができる。まず、金
属板を用意し、フランジ部となるべき部分の位置を金属
板上に決める。その後、金属板のフランジ部となるべき
部分の中心部を、当該金属板の一方主面側へ膨出させる
ことにより、軸部となるべき膨出部を形成する。次に、
形成された膨出部のうちのキャップ部を形成する部分に
相当する先端部の肉厚を、雌ねじが形成される部分に相
当する基部の肉厚より薄くする。その後、基部の肉厚を
ほぼ維持しながら、その外径および内径を縮める。次
に、膨出部のうち肉厚が薄くされた先端部を外方へ湾曲
させて張り出させることにより、キャップ部を形成す
る。その後、膨出部の基部の内周面上に雌ねじを形成す
る。
削ではなく、塑性加工により形成できるので、Tナット
の製造における軸部となるべき膨出部の形成等のための
塑性加工を含む一連の工程によって、このような成形加
工を実施することができる。したがって、上記従来例の
ようにTナット本体部とキャップ部とを接合するための
スポット溶接やかしめ加工を行なうことを必要とするこ
となく、一連のプレス加工による絞り成形により、キャ
ップ付のTナットを連続的に効率よく製造することがで
き、量産性を大幅に向上させることができる。
手の帯状のものを用いて、フランジ部となるべき部分の
位置を決める工程、膨出部を形成する工程、先端部の肉
厚を基部の肉厚より薄くする工程、基部の外径および内
径を縮める工程、膨出部の先端部にフランジ状張出部を
形成する工程、ならびにキャップ部を形成する工程を、
その帯状の金属板を順送りダイに沿って送りながら実施
することができる。
ダイに沿って送りながら、Tナットを得るための各種工
程を実施するようにすれば、上述したようなキャップ部
となる肉薄部分を形成し、さらにこの部分を張り出させ
てキャップ部を形成することも、帯状の金属板の順送り
に従って行なうことができる。この点において、ばらば
らの状態となった中間製品を取扱う煩雑さがなく、Tナ
ットの製造をより能率的に行なうことができる。
程は、好ましい実施例においては、膨出部の基部の内周
を拘束し、かつ膨出部の外周を開放した状態で、膨出部
の第2の端部の端面を第1の端部の端面の方向へ押圧す
ることにより、膨出部の先端部を外方へ湾曲するように
変形させることによって行なわれる。
すべきキャップ部の平面形状と同じ形状の横断面を有す
る凹部を備えた成形ダイを用いて、膨出部の先端部の外
方へ湾曲する変形を拘束することにより、キャップ部の
外周を成形することによって行なわれる。
くする工程は、膨出部の全長にわたってその内径の縮小
を規制しながら、膨出部の前記先端部の外径を基部の外
径に比べて比較的小さくすることによって、あるいは、
先端部の外径の拡大を規制しながら、膨出部の内径を一
様に拡大することによって行なわれる。
第1ないし第3の実施の形態について、図1ないし図3
に基づいて説明する。
の形態のTナット11は、一体の金属材料からなる、軸
部12、該軸部の第1の端部から外方へ張出すフランジ
部13、および軸部の第1の端部とは逆の第2の端部に
おいて外方へ張出すとともに該第2の端部を閉塞するキ
ャップ部14を備え、軸部12は中空の筒状をなし、か
つその内周面上には雌ねじ15が形成されている。キャ
ップ部14は、その平面形状が八角形をなすように、か
つ、その内部に、雌ねじ15の谷径よりも大きな外径を
有する偏平な空間14aを含むように成形されている。
このような空間14aを有することによって、軸部15
のほぼ全長にわたって雌ねじ15を形成することを可能
にしている。
からなる部材に埋込まれる態様は、図8(b)に示す従
来例の場合と同様であり、キャップ部14を備えること
によって、従来例の場合と同様に部材7からの抜けが防
止されるだけでなく、キャップ部の平面形状が八角形を
なしているため、雌ねじ15に雄ねじを螺合させる際の
トルクに起因する不都合な回転を防止することができ
る。このような機能を果たすためのキャップ部14の平
面形状は、八角形に限られるものではなく、四角や六角
などの他の多角形であってもよいことは言うまでもな
い。
においては、軸部12とキャップ部14とが一体の金属
材料でかつ連続して形成されているため、軸部12とキ
ャップ部14との境界部に隙間が生じることがない。そ
の結果、Tナット11を樹脂やゴムからなる部材に埋込
むための成形時において、溶融樹脂材料あるいは溶融ゴ
ム材料がキャップ14側から雌ねじ15内へ流入するこ
とを防止することができる。
2の実施の形態のTナット21は、内周に雌ねじ25を
有する軸部22、軸部22の第1の端部から外方へ張り
出すフランジ部23、および軸部22をその第2の端部
において閉塞し、内部に雌ねじ25の谷径よりも大きな
外径を有する偏平な空間24aを含むキャップ部24を
備える点で、上記第1の実施の形態と同様である。Tナ
ット21がTナット11と異なるのは、そのキャップ部
24が角形形状を有することなく、円筒状の外周の4か
所に、等間隔で突起24bが形成されている。Tナット
21も、図8(b)に示す従来例の場合と同様の態様
で、樹脂やゴムからなる部材に埋込まれる。この状態に
おいて、キャップ部24の外周に設けられた突起24b
が回り止めの役割を果たすことにより、雌ねじ25に雄
ねじを螺合させる際のトルクに起因する不都合な回転を
防止することができる。このような機能を果たすための
突起24bの形状や個数については、図2に示す態様に
限られるものではなく、たとえば180°をなして対向
する2か所や、120°をなす3か所に突起を設けるな
どの種々の変更が可能であることは言うまでもない。
3の実施の形態のTナット31は、内周に雌ねじ35を
有する軸部32、軸部32の第1の端部から外方へ張り
出すフランジ部33、および軸部32をその第2の端部
において閉塞し、内部に雌ねじ35の谷径よりも大きな
外径を有する偏平な空間34aを含むキャップ部34を
備える点で、上記第1および第2の実施の形態と同様で
ある。Tナット31がTナット11あるいはTナット2
1と異なるのは、そのキャップ部34が角形形状あるい
は突起を有することなく、その平面形状が円形を有して
いる点である。本実施の形態のTナット31において
は、キャップ部34に、樹脂やゴム等の部材に埋め込ま
れた状態での回転防止のための手段は施されていない
が、軸部32とキャップ部34とが一体の金属材料で連
続して形成され、しかも以下に述べる製造方法で高い量
産性をもって形成することが可能であることから、上記
本発明の目的を達成するものであって、本発明に包含さ
れる一実施の形態と言える。
ップ部34の外周近傍において、厚さ方向に凹凸を設け
るなどの手段により、キャップ部34の外周近傍の少な
くとも一部の厚さを変化させることによって、上記第1
および第2の実施の形態のTナット11,21と同様
に、図8(b)に示す態様で樹脂やゴム等の部材に埋め
込まれた状態で、該部材に対する相対的な回転の防止を
図ることができる。このような、キャップ部34の外周
近傍の少なくとも一部の厚さを変化させることは、後述
する製造方法を用いて容易に実現可能であり、量産容易
性を何ら損なうものではない。
施の形態について、図4ないし図6に基づいて説明す
る。
1,21および31は、次のように製造される。図4を
参照して、たとえば鉄系材料からなる、長手の帯状の金
属板55が用意される。この金属板55は、矢印56で
示すように、その長手方向に所定のピッチずつ間欠的に
順送りされながら、各停止位置において、それぞれ所望
の加工が施される。
23,33となるべき部分57の位置を決めるため、当
該部分57の周囲に切込み58が形成される。これら切
込み58は、部分57に対して以後の種々の加工が施さ
れる間、部分57が金属板55の他の部分によって保持
された状態を維持するため、部分57の全周にわたって
設けられるのではなく、部分57の周囲の複数箇所と金
属板55の残りの部分との間で変形可能な連結部分が形
成されるように設けられる。
33となるべき部分57の中心部を、金属板55の下方
主面側へ膨出させるべく、金属板55に対して絞り加工
が施される。この絞り加工は、複数段階に分けて実施さ
れ、その最終段階において、軸部32となるべき膨出部
59が形成される。なお、このような膨出部59は、切
込み58によって囲まれた部分57の材料の一部をもっ
て形成されるので、切込み58の間隔は拡げられる。
て、膨出部59の底部を残した状態で、膨出部59の下
側端部近傍のキャップ部14,24,34が形成される
部分に、膨出部59の基部71よりも肉薄の部分72が
形成される。その後、膨出部59の底面を上方へ押圧す
ることによって、当該肉薄の部分を外方へ湾曲させて張
り出させるとともに、その外周を八角形あるいは突起を
有する形状に成形することにより、キャップ部73が形
成される。
れてから、加工区間61を経て、さらにキャップ部が形
成されるまでの一連の工程を、成形ダイ、クランプダ
イ、ポンチおよびノックアウトを含む断面の構造により
示している。
下方には成形ダイ62が配置され、上方にはクランプダ
イ63が配置される。成形ダイ62およびクランプダイ
63は、同期して、金属板55に対して近接・離隔する
ようにされる。成形ダイ62側には、各加工ステーショ
ン[a]〜[g]に関連して、ノックアウト81a〜8
1gが保持される。クランプダイ63側には、各加工ス
テーション[a]〜[g]に関連して、ポンチ82a〜
82gが保持される。
は、成形ダイ62とクランプダイ63との間に金属板5
5がクランプされた状態で、ノックアウト81a〜81
gの各々が膨出部59の下端面に当接しながら、ポンチ
82a〜82gの各々が膨出部59の内周側に突入され
る。このような成形ダイ62、クランプダイ63、ノッ
クアウト81a〜81gならびにポンチ82a〜82g
の動作が達成されるごとに、金属板55が矢印56(図
4)で示すように順次間欠的に送られ、膨出部59の各
々に対して順次所望の加工が施される。
[a]までの工程により、金属板の厚さをほぼ均一に維
持して膨出部59が形成される。その後、加工ステーシ
ョン[a]の次の加工ステーション[b]において、膨
出部59の全長の内径と、膨出部59の基部71の外径
および厚さとを維持して、膨出部59のうちのキャップ
部となる先端(下端)部72の外径を、基部71の外径
に比べて比較的小さくすることにより、先端部72の肉
厚が基部71の肉厚より薄くされる。より具体的には、
成形ダイ62には、大径部74、傾斜部75および小径
部76からなる鍛造面77が設けられていて、この鍛造
面77の大径部74によって基部71の拡大を規制する
とともに、ポンチ82bによって膨出部59全長にわた
って内径の縮小を規制しながら、鍛造面77の傾斜部7
5および小径部76によって先端部72の外径が縮小さ
れることにより、先端部72の肉厚を薄く絞られる。
の表面を損傷させることなく、滑らかにポンチが打ち込
まれるように、この加工ステーション[b]で用いられ
るポンチ82bの先端が略半球状を有している。そのた
めに、加工ステーション[b]のみでの絞り加工では先
端部72の端面に湾曲形状が残る。そこで、次の加工ス
テーション[c]では、基部71の肉厚および径を維持
しながら、先端がほぼ円筒状のポンチ82cてよって、
先端部72がほぼ円筒状になるように成形される。
[b]および[c]においては、膨出部59の先端部7
2の肉厚を基部71の肉厚より薄くする工程は、膨出部
59の全長にわたってその内径の縮小を規制しながら、
膨出部59の先端部72の外径を基部の外径に比べて比
較的小さくすることによって行われるが、この工程は、
その逆に、膨出部59の先端部72の外径の拡大を規制
しながら、膨出部59の内径を一様に拡大することによ
って行なうことも可能である。
[d]ないし[f]において、先端部72の径を維持し
た状態で、3段階で基部71の外径および内径を縮める
ことにより、外径が膨出部59の全長にわたってほぼ一
様で、かつ先端部72が基部71よりも肉薄である形状
が得られる。より具体的には、まず加工ステーション
[d]において、成形ダイ62には、上述した大径部7
4より内径の小さい大径部84、傾斜部85および小径
部86からなる鍛造面87が設けられ、この鍛造面87
によって、基部71の外周面が内方へ押圧される。ポン
チ82dは、このとき、基部71が不所望に変形するこ
とを防止する。
いても同様に、先端部72の径を維持しながら、成形ダ
イ62の鍛造面によって基部71の外周面が内方へ押圧
され、加工ステーション[f]を経た時点で基部71の
外径が先端部72の外径とほぼ等しくなる。すなわち、
加工ステーション[f]においては、成形ダイ62に
は、ストレートな鍛造面88が設けられ、この鍛造面8
8によって、基部71の外周面がさらに内方へ押圧さ
れ、その結果として、膨出部59は、ほぼ一様な外径を
有するようにされる。加工ステーション[e]および
[f]におけるポンチ82e,82fも、上述した加工
ステーション[d]のポンチ82dと同様の機能を果た
す。
成形ダイ62の、形成されるべきキャップ部の平面形状
と同じ横断面形状を有する鍛造面89に膨出部59を挿
入し、ノックアウト81gにより先端部72の下面を押
圧するとともに、ポンチ82gによって膨出部59の内
面が不所望に変形することを防止することにより、先端
部72の肉薄部が外側で湾曲して変形し、さらにその外
周が、所望の形状に成形されて、キャップ部73が形成
される。すなわち、この工程において、成形ダイ62の
凹部形状およびノックアウト81gの端面形状を適宜選
択することにより、Tナット11におけるキャップ部1
4の八角形の外周、Tナット21におけるキャップ部2
4の突起24b、あるいは、Tナット31におけるキャ
ップ部34の外周近傍の所望の厚さの変化等を、容易に
実現可能である。
62の鍛造面89は、たとえば図1に示す八角形のキャ
ップ部14を有するTナット11を成形する場合には、
その横断面形状が深さ方向全長にわたって八角形をなす
ものが用いられる。また、図2に示すような突起24a
を設けたキャップ部24を有するTナット21を成形す
る場合には、成形ダイ62の鍛造面89として、円筒状
の内周の4箇所に、深さ方向の全長にわたって縦に溝が
形成されたものが用いられる。
23,33となるべき部分57が金属板55から切り離
される。このようにして形成された個々のてTナットの
中間製品は、その加工の途中で生じたバリを除去するた
め、バレル研磨される。次いで、軸部12,22,32
となる基部71の内周面上に、雌ねじ15,25,35
を形成するための工程が実施される。このようにして、
所望のTナット11,21,31が得られる。
ット11,21,31のキャップ部14,24,34
を、切削ではなく、塑性加工により形成できるので、T
ナット11,21,31の製造における軸部12,2
2,32となるべき膨出部59の形成等のための塑性加
工を含む一連の工程によって、このような成形加工を実
施することができる。したがって、上記従来例のように
Tナット本体部とキャップ部とを接合するためのスポッ
ト溶接やかしめ加工を行なうことを必要とすることな
く、一連のプレス加工による絞り成形により、キャップ
付のTナットを連続的に効率よく製造することができ、
量産性を大幅に向上させることができる。
を用いて、各工程を、その帯状の金属板55を順送りダ
イに沿って送りながら実施することができるので、ばら
ばらの状態となった中間製品を取扱う煩雑さがなく、T
ナットの製造をより能率的に行なうことができる。
現化した単なる例示に過ぎず、本願発明は、特許請求の
範囲に記載した構成に均等の範囲で変更を加えた種々の
態様を含むものである。
を示す平面図、(b)は同中央縦断面図、(c)は同斜
視図である。
を示す平面図、(b)は同中央縦断面図、(c)は同斜
視図である。
を示す平面図、(b)は同中央縦断面図、(c)は同斜
視図である。
得るために金属板55に対して順次施される加工状態を
示す断面図である。
ン[a]〜[c]において実施される加工の詳細を示す
拡大断面図である。
ン[d]〜[g]において実施される加工の詳細を示す
拡大断面図である。
図、(b)は同中央縦断面図、(c)は同斜視図であ
る。
ットの組立て工程を示す断面図、(b)は同キャップ付
Tナットを樹脂部材に埋込んだ状態を示す断面図であ
る。
Claims (9)
- 【請求項1】 一連のプレス加工による絞り成形により
製造され、一体の金属材料からなる、軸部、該軸部の第
1の端部から外方へ張出すフランジ部、および、前記軸
部の前記第1の端部とは逆の第2の端部において前記軸
部と連続しかつ外方へ張出すとともに、該第2の端部を
閉塞するキャップ部を備え、 前記軸部は中空の筒状をなし、かつその内周面上には雌
ねじが形成されたTナット。 - 【請求項2】 前記キャップ部が非円形形状である、請
求項1記載のTナット。 - 【請求項3】 前記キャップ部の外周近傍において、少
なくとも部分的に厚さが変化する、請求項1記載のTナ
ット。 - 【請求項4】 一連のプレス加工による絞り成形により
製造され、一体の金属材料からなる、軸部、該軸部の第
1の端部から外方へ張出すフランジ部、および、前記軸
部の前記第1の端部とは逆の第2の端部において外方へ
張出すとともに該第2の端部を閉塞するキャップ部を備
え、 前記軸部は中空の筒状をなし、かつその内周面上には雌
ねじが形成されたTナットの製造方法であって、 金属板を用意する工程と、 前記フランジ部となるべき部分の位置を前記金属板上に
決める工程と、 前記金属板の、前記フランジ部となるべき部分の中心部
を、該金属板の一方主面側へ膨出させることにより、前
記軸部となるべき膨出部を形成する工程と、 前記膨出部の前記キャップ部を形成する部分に相当する
先端部の肉厚を、前記雌ねじを形成する部分に相当する
基部の肉厚より薄くする工程と、 前記基部の肉厚をほぼ維持しながら、その外径および内
径を縮める工程と、 前記膨出部のうち肉厚が薄くされた前記先端部を外方へ
湾曲させて張り出させることにより、前記キャップ部を
形成する工程と、 前記膨出部の前記基部の内周面上に雌ねじを形成する工
程とを備えた、Tナットの製造方法。 - 【請求項5】 前記金属板は長手の帯状であり、前記フ
ランジ部となるべき部分の位置を決める工程、前記膨出
部を形成する工程、前記先端部の肉厚を前記基部の肉厚
より薄くする工程、前記基部の外径および内径を縮める
工程、前記膨出部の前記先端部にフランジ状張出部を形
成する工程、ならびに前記キャップ部を形成する工程
は、前記帯状の金属板を順送りダイに沿って送りながら
実施される、請求項4記載のTナットの製造方法。 - 【請求項6】 前記膨出部の前記先端部に前記キャップ
部を形成する工程は、前記膨出部の前記基部の内周を拘
束し、かつ前記膨出部の外周を開放した状態で、前記膨
出部の前記第2の端部の端面を前記第1の端部の端面の
方向へ押圧することにより、前記膨出部の前記先端部を
外方へ湾曲するように変形させて張り出させる工程を含
む、請求項4または5記載のTナットの製造方法。 - 【請求項7】 前記キャップ部を形成する工程は、形成
すべきキャップ部の平面形状と同じ形状の横断面を有す
る凹部を備えた成形ダイを用いて、前記膨出部の前記先
端部の外方へ湾曲する変形を拘束することにより、キャ
ップ部の外周を所定形状に成形する工程を含む、請求項
4ないし6のいずれかに記載のTナットの製造方法。 - 【請求項8】 前記先端部の肉厚を基部の肉厚より薄く
する工程は、前記膨出部の全長にわたってその内径の縮
小を規制しながら、前記膨出部の前記先端部の外径を、
前記基部の外径に比べて比較的小さくする工程を備え
る、請求項4ないし7のいずれかに記載のTナットの製
造方法。 - 【請求項9】 前記先端部の肉厚を基部の肉厚より薄く
する工程は、前記先端部の外径の拡大を規制しながら、
前記膨出部の内径を一様に拡大する工程を備える、請求
項4ないし7のいずれかに記載のTナットの製造方法。
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