JP3398298B2 - Tナットおよびその製造方法 - Google Patents

Tナットおよびその製造方法

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JP3398298B2 JP11084897A JP11084897A JP3398298B2 JP 3398298 B2 JP3398298 B2 JP 3398298B2 JP 11084897 A JP11084897 A JP 11084897A JP 11084897 A JP11084897 A JP 11084897A JP 3398298 B2 JP3398298 B2 JP 3398298B2
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豊 永山
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ステップバレル
部およびこのステップバレル部の外径より小さく、かし
め予定部と内周面上に雌ねじ形成予定部とが形成された
中空の軸部およびこの軸部のステップバレル側から外方
へ張出すフランジ部を備えるTナットに関するもので、
特に、ステップバレルの外周面上に複数条のスクリュー
が形成されたCBTナットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】図12および図13を参照して、従来の
インサートナット100の構造について説明する。な
お、図12は、インサートナット100の全体斜視図で
あり、図13は、図11中Y−Y′線矢視断面図であ
る。
【0003】従来のインサートナット100は、第1の
外径からなる第1軸部101と、この第1の外径よりも
小さい第2の外径からなる第2軸部102を有してお
り、第2軸部102は、第1軸部101によって挟み込
まれた状態となっている。第1軸部101および第2軸
部102を貫通するように雌ねじ部103が形成されて
いる。第1軸部101および第2軸部102の外表面に
は、ローレット目が形成されている。
【0004】上記構造よりなるインサートナット100
において、たとえばプラスチック材料に、このインサー
トナット100を取付けようとした場合、図14の断面
図に示すように、プラスチック樹脂104の成形時に、
インサートナット100を所定の位置に1つずつ埋込む
ことにより、プラスチック樹脂104がインサートナッ
ト100の第2軸部102に流れ込み、インサートナッ
ト100を保持することになる。
【0005】次に、特開平7−116769号公報に開
示されたTナットの断面構造について、図15を参照し
て説明する。
【0006】このTナット200は、一体の金属材料か
らなる、軸部201およびこの軸部201の一方端部か
ら外方へ、かつ、軸部201の中心軸に対して略垂直方
向に張出すフランジ部204を備えている。
【0007】軸部201は、外径が略一様な中空の筒状
をなし、軸部201の一方端側において内径が比較的小
さく、かつ、肉厚が比較的厚くされるとともに、内周面
に雌ねじ203aが形成された雌ねじ形成部分203
と、軸部201の他方端側において、内径が比較的大き
く、かつ、肉厚が比較的薄く形成されたかしめ予定部2
02とを有している。
【0008】上記構造よりなるTナット200を、たと
えば木材などに打込んだ場合、図16に示すように、T
ナット200のフランジ部204とかしめ予定部202
とにより木材205が挟まれ、Tナット200が木材2
05に固定されることになる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たインサートナットおよびTナットには、それぞれ以下
に示すような問題がある。
【0010】まず、インサートナット100において
は、プラスチック樹脂の成形時に、樹脂材料が固まる前
に予め所定の位置に1つ1つインサートナット100を
埋込んでいく必要がある。そのため、インサートナット
をプラスチック樹脂に挿着するための時間がかかり、単
位時間内における生産性の向上を図ることが困難となっ
ている。
【0011】また、上述したTナット200を、プラス
チック材料または硬質の木材に用いた場合、フランジ部
204とかしめ予定部202との挟み込みだけでは、T
ナット200が回転してしまい、ボルトなどを締付ける
ことができないという問題がある。
【0012】したがって、この発明の目的は、プラスチ
ック材料および硬質の木材などに用いた場合において
も、作業性よくTナットを取付けることができるととも
に、回転することのないTナットおよびその製造方法を
提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】この発明に基づいたTナ
ットにおいては、一体の金属材料からなる、軸部および
記軸部の一方端部から外方へ、かつ、上記軸部の中心
軸に対して略垂直方向に張出すフランジ部を備えるTナ
ットであって、上記軸部は、上記一方端部側に外径が略
一様な中空の筒状をなし、かつ、その外周面上には複数
条のスクリューが突出して形成されたステップバレル部
と、上記一方端部とは逆の他方端部側において、外径が
上記ステップバレル部の外径よりも小さい略一様な中空
の筒状をなし、上記ステップバレル側において内周面
に雌ねじが形成された雌ねじ形成部分および上記ステッ
プバレル部とは逆の端部側において上記雌ねじ形成部分
が形成される部分に比べて肉薄とされるかしめ予定部分
が形成されたバレル部とを有している。
【0014】このように、バレル部よりも外径の大きい
ステップバレル部の外周上に複数条のスクリューを突出
して設けておくことにより、たとえば、プラスチック材
料、硬質の木材などの固着対象物にこのTナットを打込
んだ場合、フランジ部とバレル部のかしめ予定部分とに
よって、固着対象物がかしめられる。これにより、Tナ
ットの固着対象物からの抜け落ちが防止され、スクリュ
ーがプラスチック材料等に食い込むことにより、Tナッ
トの固着対象物に対する回転を防止することが可能とな
る。
【0015】また、好ましくは、上記ステップバレル部
の外周面上には、上記スクリューとは別に、少なくとも
1個の突起が設けられ、該突起の各々は、上記ステップ
バレル部の外周面において、上記ステップバレル部の他
方端部から上記一方端部へ向かって延びるように形成さ
れた連続する凹部の周縁に、上記複数条のスクリューの
うちの対応するスクリューと対をなして、該対応するス
クリューのフランジ部側端部位置よりさらにフランジ部
側にずれた位置にそれぞれ位置するように形成されてい
る。
【0016】この構造を用いることにより、スクリュー
および突起のそれぞれの機能を互いに損なわせることな
く、より十分に発揮させることができる。また、このよ
うな複数個の突起のフランジ部からの各距離を互いに異
ならせておくと、固着対象物の孔の内周面に対して突起
が作用する位置を分散させることができるため、孔内で
のステップバレルの姿勢がより安定し、固着対象物に対
してTナットをより確実に固定させることが可能にな
る。
【0017】さらに、本発明のTナットの対をなす突起
とスクリューとは、ステップバレル外周面の所定部分の
金属材料をずらして一体的に形成されるため、スクリュ
ーを形成するための従来の金型の形状に突起形成部を付
加するだけで、従来のスクリューを形成する工程と同一
の工程により、同時形成が可能であり、突起を付加する
ための製造上の独立した工程を必要としない。
【0018】また好ましくは、上記フランジ部の外周縁
には、上記軸部の上記他方端部に向かって突出する複数
の爪が形成されている。このように、フランジ部に爪を
設けることによって、さらにTナットの回転を防止し
て、Tナットを強固に固着対象物に密着固定させること
が可能となる。
【0019】次に、この発明に基づいたTナットの製造
方法においては、一体の金属材料からなる、軸部および
上記軸部の一方端部から外方へ、かつ、上記軸部の中心
軸に対して略垂直方向に張出すフランジ部を備え、上記
軸部は、上記一方端部側に外径が略一様な中空の筒状を
なし、かつ、その外周面上には複数条のスクリューが突
出して形成されたステップバレル部と、上記一方端部と
は逆の他方端部側において、外径が上記ステップバレル
部の外径よりも小さい略一様な中空の筒状をなし、上記
ステップバレル側において内周面に雌ねじが形成され
た雌ねじ形成部分および上記ステップバレル部とは逆の
端部において上記雌ねじ形成部分が形成される部分に比
べて肉薄とされるかしめ予定部分が形成されたバレル部
とを有するTナットであって、以下の工程を備えてい
る。
【0020】まず、金属板が準備される。その後、この
金属板上に、上記フランジ部となるべき部分の位置決め
が行なわれる。
【0021】次に、上記金属板の上記フランジ部となる
べき部分の中心部を、上記金属板の一方主面側へ膨出さ
せることにより、上記軸部となるべき膨出部が形成され
る。その後、この膨出部の先端面部に貫通孔が形成され
る。
【0022】次に、上記膨出部に、上記ステップバレル
部となるべき第1膨出部と、この第1膨出部の外径より
小さい外径を有し、バレル部となるべき第2膨出部とが
形成される。その後、上記第2膨出部の上記かしめ予定
部分に相当する先端部の内径を、上記雌ねじ形成部分に
相当する基部の肉厚より薄くし、かつ、上記先端部の外
径と上記基部の外径とがほぼ等しくなるように上記第2
膨出部の加工が行なわれる。
【0023】次に、上記第2膨出部の上記基部の内周面
上に雌ねじが形成される。その後、上記第1膨出部の外
周面上に、スクリューが複数条形成される。
【0024】以上、この発明に基づくTナットの製造方
法においては、バレル部よりも外径の大きいステップバ
レル部の外周上に複数条のスクリューを突出して形成し
ている。
【0025】したがって、ステップバレル部外周面に所
定部分の金属材料をずらしてスクリューを形成する場
合、一体的に形成した場合、バレル部の方が外径が小さ
いため、比較的肉厚の薄いかしめ予定部分の外周面に何
ら影響を与えることなく、必要とされるステップバレル
部の外周面上にのみスクリューを形成することが可能と
なる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、この発明に基づくTナット
について、図を参照して説明する。なお、図中、同一符
号は同一または相当部分を示すものとする。
【0027】(実施の形態1)まず、図1〜図3を参照
して、この発明に基づく実施の形態1におけるTナット
1Aの構造について説明する。なお、図1は、本実施の
形態におけるTナット1Aを示す全体斜視図であり、図
2はこのTナット1Aの平面図であり、図3は、図2中
X−X′線矢視断面図である。
【0028】このTナット1Aは、たとえば鉄系の金属
板を板金加工することにより一体に得られるもので、軸
部20およびこの軸部20の一方端部から外方へ、か
つ、この軸部20の中心軸に対して略垂直方向に張出す
フランジ部15を備えている。
【0029】軸部20は、フランジ部15側に外径が略
一様な中空の筒状をなすステップバレル部13と、フラ
ンジ部15とは反対側に、ステップバレル部13の外径
よりも小さい略一様な中空の筒状をなすバレル部10と
を有している。ステップバレル部13の外径とバレル部
10の外径との寸法差(図3中Lの寸法)は約1〜3m
m程度に設定される。
【0030】このバレル部10は、フランジ部15とは
反対の端部においてかしめ予定部分11を有し、かつ、
かしめ予定部分11を除く内周面上には、雌ねじ12a
が形成される雌ねじ形成部分12を有している。
【0031】かしめ予定部分11は、好ましくは、雌ね
じ形成部分12が形成される部分に比べて肉薄とされ
る。これにより、雌ねじ12aを形成する場合、ねじ切
りをバレル部10の他方端からでもフランジ部15側か
らでも行なうことができる。
【0032】また、バレル部10のかしめ予定部11と
雌ねじ形成部分12との境界部には、筋状のライン10
aが形成される。このライン10aが形成される理由に
ついては、後述するTナット1Aの製造方法において説
明する。
【0033】一方、ステップバレル部13の外周面上に
は、複数条のスクリュー14Aが形成される。このスク
リュー14Aは、比較的大きなリードまたはピッチを有
している。このようなスクリュー14Aは、たとえば、
ステップバレル部13の所定の部分16Aを削り出すな
どして、当該部分16Aに存在していた金属材料をずら
せることによって形成される。
【0034】上記構造よりなるTナット1Aは、たとえ
ばプラスチック材料、硬質の木材などの硬質の固着対象
物に対して、次のように取付けられる。すなわち、固着
対象物に予め孔を開けておき、この孔内に軸部20が打
込まれる。これによって、スクリュー5が孔の内周面に
食い込み、さらにかしめ予定部分11が固着対象物に対
してかしめられる。
【0035】したがって、フランジ部15およびかしめ
予定部11によって固着対象物からTナット1Aの抜け
落ちが禁止されるとともに、スクリュー14Aが孔の内
周面に食い込むことにより、軸部20が孔から抜けるこ
とが防止されるとともに、Tナット1Aが固着対象物に
対して回転することが禁止される。その結果、Tナット
1Aは、固着対象物に対して強固に固定されることにな
る。
【0036】このように、固着対象物に固定されたTナ
ット1Aを利用して、ボルトのようなねじ部材を雌ねじ
12aに螺合させることにより、固着対象物に対して所
望の部材が取付けられる。
【0037】なお、スクリューの形状は、図1に示すも
のに限られることなく、たとえば、図4に示すTナット
1Bのように、凸部20の軸の延びる方向に沿って、所
定の部分16Bに存在していた金属材料をフランジ部1
5側にずらせることによって、突起形状のスクリュー1
4Bであっても構わない。
【0038】また、図5のTナット1Cに示すように、
図1に示すスクリュー14Aと図4に示すスクリュー1
4Bとを組合せた形のものであっても構わない。この図
5に示すTナット1Cに形成されるスクリューの場合、
軸部20のバレル部10側からフランジ部15側へ向か
って延びるように形成された連続する凹部16Cの周縁
に、複数条のスクリュー14Aのうちの対応するスクリ
ュー14Aと対をなして、対応するスクリュー14Aの
フランジ部15側端部位置よりさらにフランジ部15側
にずれた位置にそれぞれ位置するようにスクリュー14
Bが形成されていることを特徴としている。
【0039】このように、スクリュー14Aおよびスク
リュー14Bを組合せた場合においても、それぞれのス
クリューの機能を、互いに損なわせることなく、より十
分に発揮させることができる。また、スクリュー14A
とスクリュー14Bとは、ステップバレル13の外周面
の所定部分16cの金属材料をずらして一体的に形成す
ることができるため、スクリュー14Aを形成するため
の従来の金型の形状に、スクリュー14B形成部を付加
するだけで、同一の工程により同時形成が可能となり、
スクリュー14Bを付加することによる製造上の特別の
工程を増す必要がないという利点が得られる。
【0040】また、フランジ部15の形状においても、
図1、図4および図5において、フランジ部15は平面
をなしているが、この形状に限らず、たとえば図6に示
すTナット1Dに示すように、軸部20のバレル部10
に向かって突出する2つの爪17a,17bを設けるよ
うにしても構わない。また、図7のTナット1Eに示す
ように、フランジ部15の一部を切欠き、軸部20側に
起き上がらせることによって形成される、爪18a〜1
8cを設けるようにしても構わない。
【0041】さらに、図8に示すTナット1Fに示すよ
うに、フランジ部15は必ずしも円形に限られず、たと
えば八角形からなるフランジ部15の四隅を起き上がら
せることによって形成される、爪19a〜19dを設け
るようにしても構わない。
【0042】このように、図6〜図8に示すように、フ
ランジ部15に複数の爪を形成することによって、Tナ
ットの固着対象物への打込み時に、この爪が固着対象物
に打込まれるため、Tナットの回りをさらに防止し、T
ナットをさらに強固に固着対象物に密着させることが可
能となる。
【0043】(実施の形態2)次に、図1〜図3に示し
たTナット1Aの製造方法について、図9および図10
を参照して説明する。
【0044】まず、図9を参照して、たとえば鉄系材料
からなる、長手の帯状の金属板55が用意される。この
金属板55は、図中矢印56で示すように、その長手方
向に所定のピッチずつ間欠的に順送りされながら、各停
止位置において、それぞれ所望の加工が施される。
【0045】まず、金属板55には、フランジ部15と
なるべき部分57の位置を決めるため、当該部分57の
周囲に切込み58が形成される。なお、理解を容易にす
るために、図3中に、加工が施される部分の参照番号を
括弧書きにて付している。
【0046】これら切込み58は、部分57に対して以
降の種々の加工が施される間、部分57が金属板55の
他の部分によって保持された状態を維持するため、部分
57の全周にわたって設けられるのではなく、部分57
の周囲の複数箇所と金属板55の残り部分との間で変形
可能な連結部分が形成されるように設けられる。
【0047】次に、上述したフランジ部15となるべき
部分57の中心部を、金属板55の下方主面側へ膨出さ
せるべく、金属板55に対して絞り加工が施される。こ
の絞り加工は、複数段階に分けて実施され、その最終段
階において、軸部20となるべき膨出部59が形成され
る。次に、膨出部59の先端部に貫通孔60が設けられ
る。
【0048】さらに、この膨出部59が加工され、ステ
ップバレル部13となるべき第1膨出部61と、ステッ
プバレル部13よりも外径が小さいバレル部10となる
べき第2膨出部62が形成される。なお、このような第
1膨出部61および第2膨出部62は、切込み58によ
って囲まれた部分57の材料の一部をもって形成される
ので、切込み58の間隔は広げられることになる。
【0049】次に、図9に示した加工区間63におい
て、バレル部10に比較的肉薄のかしめ予定部11が形
成される。図10には、この加工区間63において施さ
れる加工の詳細が拡大されて示されている。
【0050】図10を参照して、金属板55の下方には
成形ダイ64が配置され、上方にはクランプダイ65が
配置される。成形ダイ64およびクランプダイ65は、
同期して、金属板55に対して近接・離隔するようにさ
れる。成形ダイ64側には、各加工ステーションに関連
して、ノックアウト66、67、68および69が保持
される。クランプダイ65側には、各加工ステーション
に関連して、ポンチ70、71、72および73が保持
される。
【0051】各加工ステーションにおける加工に際して
は、成形ダイ64とクランプダイ65との間に金属板5
5がクランプされた状態で、ノックアウト66〜69の
各々が第2膨出部62の下端面に当接しながら、ポンチ
70〜73の各々が第1膨出部61の内周面に突入され
る。このような成形ダイ64、クランプダイ65、ノッ
クアウト66〜69ならびにポンチ70〜73の動作が
達成されるごとに、金属板55が図中矢印56(図9参
照)で示すように順次間欠的に送られ、第1膨出部61
および第2膨出部62の各々に対して順次所望の加工が
施される。
【0052】図10の最も右側に示した第1の加工ステ
ーションにおいては、第2膨出部62のかしめ予定部分
11に相当する先端部74の外径が、雌ねじ形成部分1
2に相当する基部75の外径に比べて比較小さくするこ
とにより、先端部74の肉厚が基部75の肉厚より薄く
される。より具体的には、成形ダイ64には、大径部7
6、傾斜部77および小径部78からなる鍛造面79が
設けられており、この鍛造面79によって、先端部74
の外径の拡大を規制しながら、ポンチ70により、第2
膨出部62の内径が一様に拡大される。
【0053】次に、第2の加工ステーションでは、基部
75の肉厚をほぼ維持しながら、基部75の外径および
内径を縮めることが行なわれる。より具体的には、成形
ダイ64には、上述した大径部76より内径の小さい大
径部80、傾斜部81および小径部82からなる鍛造面
83が設けられ、この鍛造面83によって、基部75の
外周面が内方へ押圧される。ポンチ71は、このとき、
基部75が不所望に変形することを防止する。
【0054】次に、第3の加工ステーションにおいて
は、第2の加工ステーションに引続き、基部75の肉厚
をほぼ維持しながら、基部75の外径および内径がさら
に縮められる。より具体的には、成形ダイ64には、ス
トレートな鍛造面84が設けられ、この鍛造面84によ
って、基部75の内周面がさらに内方へ押圧される。こ
の場合において、ポンチ72は、上述したポンチ71と
同様の機能を果たす。この第3の加工ステーションにお
いて、第2膨出部62は、ほぼ一様な外径を有するよう
にされる。
【0055】次に、第4の加工ステーションにおいて、
成形ダイ64に設けられたストレートな鍛造面85によ
って、第2膨出部62の外周面の一様性がさらに高めら
れる。
【0056】次に、金型76を用いて第1膨出部61の
外表面上にスクリュ−14Aが形成される。その後、再
び、図9を参照して、この中間製品のフランジ部15と
なるべき部分57が金属板55から切離される。この中
間製品は、その加工の途中で生じたバリを除去するため
バレル研磨される。
【0057】次に、この中間製品のバレル部10の雌ね
じ形成部分12の内周面上に、図3に示すように、雌ね
じ12aを形成するための工程が実施される。このよう
にして、図1に示すTナット1Aが得られる。
【0058】なお、図10において説明した加工区間6
3の加工工程において、先端部74の肉厚を基部75の
肉厚より薄く加工した後に、先端部74および基部75
のそれぞれの肉厚をほぼ維持しながら、先端部72と基
部75との外径が等しくなるように基部75を内側へ押
圧する加工を行なっているが、この方法に限らず、たと
えば先端部74と基部75との肉厚をほぼ維持しながら
先端部74を外側へ押圧することにより、先端部74と
基部75との外径を等しくする加工を行なうことも可能
である。以下、この加工工程について、図11を参照し
て説明する。この図11には、図10と同様に、加工区
間63において施される加工の詳細が拡大して示されて
いる。
【0059】図11を参照して、金属板55の下方には
成形ダイ64aが配置され、上方にはクランプダイ65
aが配置される。成形ダイ64aには、ストレートな鍛
造面84aが形成されている。
【0060】成形ダイ64aおよびクランプダイ65a
は、同期して金属板55に対して近接・隔離されるよう
にされる。成形ダイ64a側には、各加工ステーション
に関連して、ノックアウト66a、67a、68aおよ
び69aが保持される。クランプダイ65側には、各加
工ステーションに関連して、ポンチ70a、71a、7
2aおよび73aが保持される。
【0061】各加工ステーションにおける加工に際して
は、成形ダイ64aとクランプダイ65aとの間に金属
板55がクランプされた状態で、ノックアウト66a〜
69aの各々が膨出部59の下端面に当接しながら、ポ
ンチ70a〜73aの各々が膨出部59の内周側に突入
される。このような成形ダイ64a、クランプダイ65
a、ノックアウト66a〜69aならびにポンチ70a
〜73aの動作が達成されるごとに、金属板55が図中
矢印56(図9参照)で示すように順次間欠的に送ら
れ、膨出部59の各々に対して順次所望の加工が施され
る。
【0062】図11の最も右側に示した第1の加工ステ
ーションから、図11の右側に示した第4の加工ステー
ションにかけて、第2膨出部62のかしめ予定部分11
に相当する先端部74の外径と、雌ねじ形成部分12に
相当する基部75の外径とが同じ径に維持されながら、
先端部74の肉厚が基部75の肉厚より徐々に薄くなる
ように加工される。この、加工工程を適用することによ
っても、図1に示すTナット1Aを製造することが可能
である。
【0063】なお、図1において示したライン10a
は、上述した図10または図11で示される先端部74
と基部75とのそれぞれの肉厚をほぼ維持しながら、先
端部74の外径と基部75の外径とが等しくなるよう
に、第2膨出部62の加工を行なう工程において、不可
避的に先端部74と基部75との界面に生ずるものであ
る。したがって、上述した加工工程を行なった場合、必
ずこのライン10aがバレル部10のかしめ予定部分1
1と雌ねじ形成部分12との境界部分に生じることにな
る。
【0064】なお、図6〜図8に示した、フランジ部1
5への爪の成形については、図9に示す加工区間63の
加工工程の後に、爪を成形するための加工工程を加える
ことによって、実現させることが可能である。
【0065】したがって、今回開示した実施の形態はす
べての点で例示であって制限的なものではないと考えら
れるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではな
く、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と
均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれるこ
とが意図される。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に基づいた実施の形態1におけるTナ
ット1Aの構造を示す全体斜視図である。
【図2】図1に示されるTナット1Aの平面図である。
【図3】図2中X−X′線矢視断面図である。
【図4】この発明に基づいた実施の形態1におけるTナ
ット1Bの構造を示す全体斜視図である。
【図5】この発明に基づいた実施の形態1におけるTナ
ット1Cの構造を示す全体斜視図である。
【図6】この発明に基づいた実施の形態1におけるTナ
ット1Dの構造を示す全体斜視図である。
【図7】この発明に基づいた実施の形態1におけるTナ
ット1Eの構造を示す全体斜視図である。
【図8】この発明に基づいた実施の形態1におけるTナ
ット1Fの構造を示す全体斜視図である。
【図9】図1に示したTナット1Aを得るために、金属
板55に対して順次施される加工状態を示す断面図であ
る。
【図10】図9に示した加工区間61において実施され
る加工工程の詳細を示す拡大断面図である。
【図11】図9に示した加工区間61において実施され
る他の加工工程の詳細を示す拡大断面図である。
【図12】従来のインサートナットの構造を示す全体斜
視図である。
【図13】図12中Y−Y′線矢視断面図である。
【図14】従来のインサートナットをプラスチック部材
に挿着した状態を示す断面図である。
【図15】従来のTナットの構造を示す断面図である。
【図16】従来のTナットを固着対象物に打込んだ状態
を示す断面図である。
【符号の説明】
1A、1B、1C、1D、1E、1F Tナット 10 バレル部 11 かしめ予定部 12 雌ねじ形成部 13 ステップバレル部 14A、14B スクリュー 15 フランジ部 17a、17b、18a、18b、18c、19a、1
9b、19c、19d爪部 20 軸部

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一体の金属材料からなる、軸部および前
    記軸部の一方端部から外方へ、かつ、前記軸部の中心軸
    に対して略垂直方向に張出すフランジ部を備える、Tナ
    ットであって、 前記軸部は、 前記一方端部側に外径が略一様な中空の筒状をなし、か
    つ、その外周面上には複数条のスクリューが突出して形
    成されたステップバレル部と、 前記一方端部とは逆の他方端部側において、外径が前記
    ステップバレル部の外径よりも小さい略一様な中空の筒
    状をなし、前記ステップバレル側において内周面に雌
    ねじが形成された雌ねじ形成部分および前記ステップバ
    レル部とは逆の端部側において前記雌ねじ形成部分が形
    成される部分に比べて肉薄とされるかしめ予定部分が形
    成されたバレル部とを有する、Tナット。
  2. 【請求項2】 前記ステップバレル部の外周面上には、
    前記スクリューとは別に、少なくとも1個の突起が設け
    られ、前記突起の各々は、前記ステップバレル部の外周
    面において、前記ステップバレル部の他方端部側から前
    記一方端部側へ向かって延びるように形成された連続す
    る凹部の周縁に、前記複数条のスクリューのうちの対応
    するスクリューと対をなして、該対応するスクリューの
    フランジ部側端部位置よりさらにフランジ部側にずれた
    位置にそれぞれ位置するように形成されたことを特徴と
    する、請求項1に記載のTナット。
  3. 【請求項3】 前記フランジ部の外周縁には、前記軸部
    の前記他方端部側に向かって突出する複数の爪が形成さ
    れた、請求項1に記載のTナット。
  4. 【請求項4】 一体の金属材料からなる、軸部および前
    記軸部の一方端部から外方へ、かつ、前記軸部の中心軸
    に対して略垂直方向に張出すフランジ部を備え、前記軸
    部は、前記一方端部側に外径が略一様な中空の筒状をな
    し、かつ、その外周面上には複数条のスクリューが突出
    して形成されたステップバレル部と、前記一方端部とは
    逆の他方端部側において、外径が前記ステップバレル部
    の外径よりも小さい略一様な中空の筒状をなし、前記ス
    テップバレル側において内周面に雌ねじが形成された
    雌ねじ形成部分および前記ステップバレル部とは逆の端
    部において前記雌ねじ形成部分が形成される部分に比べ
    て肉薄とされるかしめ予定部分が形成されたバレル部と
    を有する、Tナットの製造方法であって、 金属板を準備する工程と、 前記金属板上に、前記フランジ部となるべき部分の位置
    決めを行なう工程と、 前記金属板の前記フランジ部となるべき部分の中心部
    を、前記金属板の一方主面側へ膨出させることにより、
    前記軸部となるべき膨出部を形成する工程と、 前記膨出部の先端面部に貫通孔を形成する工程と、 前記膨出部に、前記ステップバレル部となるべき第1膨
    出部と、この第1膨出部の外径より小さい外径を有し、
    前記バレル部となるべき第2膨出部とを形成する工程
    と、 前記第2膨出部の前記かしめ予定部分に相当する先端部
    の内径を、前記雌ねじ形成部分に相当する基部の肉厚よ
    り薄くし、かつ、前記先端部の外径と前記基部の外径と
    がほぼ等しくなるように前記第2膨出部の加工を行なう
    工程と、 前記第2膨出部の前記基部の内周面上に雌ねじを形成す
    る工程と、 前記第1膨出部の外周面上に前記スクリューを複数条形
    成する工程と、を含む、Tナットの製造方法。
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