JP2001030043A - 歯形サイジング用金型 - Google Patents

歯形サイジング用金型

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JP2001030043A JP11205559A JP20555999A JP2001030043A JP 2001030043 A JP2001030043 A JP 2001030043A JP 11205559 A JP11205559 A JP 11205559A JP 20555999 A JP20555999 A JP 20555999A JP 2001030043 A JP2001030043 A JP 2001030043A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ダイの金型寿命の低下を抑制し、歯形部の歯
形精度を継続的かつ良好に維持できる歯形サイジング用
金型を提供する。 【構成】 内周に所望する歯車の歯形部に対応するサイ
ジング歯型を有するダイと、ダイの一端端部に載置され
る位置合わせ装置とを備える歯形サイジング用金型にお
いて、位置合わせ装置は、ダイのサイジング歯型と同一
形状で幅方向中央から両端に向かって傾斜する山形状の
歯先を有する位置決めコマがサイジング歯型と合致する
位置に設けられ、位置決めコマの外周側に、位置決めコ
マを内周側に付勢する弾性を有する弾性部材が配置され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鍛造成形などにより粗
加工された成形品の歯形を所定の精度に仕上げるための
歯形サイジング用金型に関する.
【0002】
【従来の技術】従来より自動車の動力伝達機構等に用い
られる歯車を製造する場合、熱間または温間温度域にお
ける据込み成形、予備歯形部の押出し成形、穴明け加工
等の一連の鍛造成形で中間材を粗加工した後、前記押出
し成形により形成された予備歯形部を所定の歯形精度に
仕上げるために予備歯形部にしごき加工(アイオニン
グ)を施すサイジング加工を冷間温度域にて行なって歯
車を成形していた。
【0003】このサイジング加工を図7を基に説明す
る。図に示す歯形サイジング用金型151は、設置され
た下型171と、その下型171に対して同一軸心上で
進退可能に配置される上型161とからなる。下型17
1は、内周にサイジング歯型172aを有するダイ17
2と、ダイ172の内周側に間隔を置いて、中間材W1
04を載置するガイドリング174及びノックアウトピ
ン176が配置される。このガイドリング174とサイ
ジング歯型172aとの間に中間材W104の予備歯形
部115を挿入する型彫空間180が画成される。この
歯形サイジング用金型151でサイジング加工を行う場
合、図7左半部に示す如く、予め下型171のノックア
ウトピン176上に中間材W104を配置する。続いて
上型161を下降させ、上型161の下端押圧面162
で中間材W104を下方へ押圧し、図7右半部に示す如
く、中間材W104の予備歯形部115を下型171の
型彫空間180に挿入し、予備歯形部115にサイジン
グ加工を施していた。尚ここで、サイジング歯型172
aの中間材W104が挿入される側の端部には案内用の
面取り199が形成され、この面取り199に案内され
て中間材W104の予備歯形部115が型彫空間180
に挿入されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述の如き歯形サイジ
ング用金型151を使用して中間材W104の予備歯形
部115にサイジング加工を施すことにより、精度の高
い歯形部116を得ることができる。また、サイジング
歯型172aの面取り199により、中間材W104の
予備歯形部115を型彫空間180に合致させることが
でき、容易に予備歯形部115を型彫空間180に挿入
できる。しかし、このサイジング歯型172aの面取り
199では、中間材W104を載置した状態でサイジン
グ歯型172aと中間材W104の予備歯形部115と
が重なる場合、サイジングの初期段階で中間材W104
の予備歯形部115がダイ172のサイジング歯型17
2aを押圧して、サイジング歯型172aが変形し、ダ
イ172の金型寿命が低下するということがある。ま
た、予備歯形部115がサイジング歯型172aを押圧
することにより、成形した歯車W105における歯形部
116の歯形精度が低下し、場合により不良品が発生す
るということがある。
【0005】従って本発明は上述の如き課題を解決し、
ダイの金型寿命の低下を抑制し、歯形部の歯形精度を継
続的かつ良好に維持できる歯形サイジング用金型を提供
することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の歯形サイジング
用金型の構造は以下のとおりである。
【0007】内周に所望する歯車の歯形部に対応するサ
イジング歯型を有するダイと、ダイの一端端部に載置さ
れる位置合わせ装置とを備える歯形サイジング用金型に
おいて、位置合わせ装置は、ダイのサイジング歯型と同
一形状で幅方向中央から両端に向かって傾斜する山形状
の歯先を有する位置決めコマがサイジング歯型と合致す
る位置に設けられ、位置決めコマの外周側に、位置決め
コマを内周側に付勢する弾性を有する弾性部材が配置さ
れる。
【0008】
【実施例】以下、本発明の実施例を図1乃至図6に基づ
いて説明する。
【0009】図1の(オ)は本発明の実施例による歯車
W5を表し、その歯車W5を製造する工程を図1に表
す。この歯車W5を製造する工程を図に基づいて説明す
ると、初めに図1の(ア)に示す如き円柱状の素材W0
を軸線方向に押圧して、図1の(イ)に示す如き円盤状
の円盤材W1を形成する。続いて、円盤材W1の軸線方
向両端中心部を押圧して、図1の(ウ)に示す如き両端
に凹部11,12を備え、その凹部11,12間に隔壁
部13を備える断面略H状の予備材W2を形成し、連続
的に予備材W2の隔壁部13の中心を打ち抜いて、図1
の(エ)に示す如く、内周にピアス孔14を備える略円
筒状のピアス材W3を形成する。
【0010】次に、このピアス材W3を前方押出し成形
により、図1の(オ)に示す如く、外周に予備歯形部1
5と大径の鍔部17、内周に大径及び小径のピアス孔1
4a,14bを備える中間材W4に形成する。この歯形
成形工程を図2に基づいて説明する。
【0011】図2は鍛造金型21を表し、左半部は成形
前、右半部は成形後の状態を表す。41は下型で、内周
下側に成形歯形43aを有するダイ43と、ダイ43の
下方に一体的に基板45を備える。ダイ43及び基板4
5の内周側には、下側が基板45に嵌合する大径部46
b、上側がピアス材W3のピアス孔14を嵌挿させる小
径部46aを有する円柱状のマンドレル46が配設され
る。そして、マンドレル46の大径部46bと小径部4
6aとの間には、ピアス材W3を着座させる段部46c
が形成され、このマンドレル46及びダイ43との間で
型彫空間47が画成される。また、31は上型で、下型
41の型彫空間47に対向して、進退自在に配置され
る。
【0012】上記鍛造金型21でピアス材W3から中間
材W4を成形する場合、まず図2の左半部に示す如く、
ピアス孔14をマンドレル46の小径部46aに嵌挿さ
せたピアス材W3を下型41の型彫空間47に投入し、
マンドレル46の段部46cに着座させる。その後、上
型31を下降させ、型彫空間47に進入させるとともに
ピアス材W3を上方より押圧し、図2の右半部に示す如
く、径方向へ拡径すると同時にダイ43の成形歯形43
a側へ押出し、予備歯形部15を成形する。これにより
中間材W4の成形が完了する。
【0013】次に、中間材W4の予備歯形部15にサイ
ジング加工を施し、図1の(カ)に示す如く外周に所定
寸法の歯形部16を有する歯車W5を形成する。この工
程を図3乃至図6に基づいて説明する。
【0014】図3は歯形サイジング用金型51を表す。
71は下型で、内周に仕上げ用のサイジング歯型72a
を有するダイ72と、ダイ72の下方にベース73を備
え、その外周側に配置されるダイカバー75により一体
的に固定される。また、ダイ72及びベース73の内周
側には、中間材W4を載置する円筒状のガイドリング7
4が上側に隙間を形成して配置され、ガイドリング74
とダイ72のサイジング歯型72aとの間の隙間が型彫
空間80をなす。ガイドリング74の内周側には、ボル
ト81により一体的に結合される上ノックピン77及び
下ノックピン79が配置される。この下ノックピン79
の外周下端に下フランジ79a、ガイドリング74の内
周中央付近に上フランジ74aが設けられ、両上下のフ
ランジ74a,79a間にバネ状のバネ弾性体83が介
在される。
【0015】また、ダイ72及びダイカバー75の上端
部には、周方向に同間隔を置いて二つの位置合わせ装置
91が載置される。この位置合わせ装置91は、内部に
横長空間96を有し、内周側に開口するケース92と、
ケース92の開口から突出し、ケース92の横長空間9
6に収納可能な位置決めコマ93と、位置決めコマ93
と一体に固定され、位置決めコマ93の内周側への移動
を規制する固定ピン95と、ケース92の横長空間96
に収納され、位置決めコマ93を内周側に付勢する弾性
を有する弾性部材94とからなる。ここで位置決めコマ
93は、サイジング歯型72aの一歯と平面視において
略同一形状の歯先93aを有し、その歯先93aがサイ
ジング歯型72aと合致する位置に位置決めコマ93が
設けられる。またこの位置決めコマ93の歯先93a
は、図5に示す如く、幅方向中央から両端に向かって傾
斜する山形状である。
【0016】そして図3に示す如く、61は上型で、下
型71と同一軸心上に位置し、下端に中間材W4の鍔部
17側端面と同一形状の押圧面62を有する。この上型
61は、下型71に対し進退可能に配置される。
【0017】上記歯形サイジング用金型51で中間材W
4から歯車W5を成形する場合、中間材W4を予備歯形
部15側からガイドリング74に挿嵌し、中間材W4を
ガイドリング74に配置する。このとき、中間材W4の
予備歯形部15と位置合わせ装置91の位置決めコマ9
3とは、僅かに接触した状態にある。
【0018】続いて、上型61を下降させ中間材W4に
当接させると同時に、上型61により中間材W4を下方
へ押し下げる。このとき、位置決めコマ93の歯先93
aと予備歯形部15の歯間空間Sとが合致に近い状態で
あると、中間材W4は予備歯形部15が位置決めコマ9
3の歯先93aの傾斜に沿って径方向に回転しつつ挿入
され、図4左半部及び図6に示す如く、位置決めコマ9
3の歯先93aと予備歯形部15の歯間空間Sとが完全
に合致する。また、位置決めコマ93の歯先93aと予
備歯形部15とが合致に近い状態であると、位置決めコ
マ93は予備歯形部15に押圧され、一旦位置決めコマ
93は外周側、つまりケース92内部側に押し出され
る。しかし、ここで位置決めコマ93は弾性部材94に
より内周側に付勢されているため、中間材W4挿入途
中、予備歯形部15は位置決めコマ93の歯先93aか
らの押圧により歯先93aの傾斜に沿って径方向に回転
し、位置決めコマ93の歯先93aと予備歯形部15の
歯間空間Sとが完全に合致する。
【0019】この位置決めコマ93の歯先93aと予備
歯形部15の歯間空間Sとが合致した状態で、更に中間
材W4は下方へ押し下げられる。ここで図4の右半部に
示す如く、予備歯形部15は位置決めコマ93の歯先9
3aに案内されてダイ72の型彫空間80に挿入され、
サイジング歯型72aによりサイジング加工が施され
る。このサイジング加工時、位置決めコマ93は中間材
W4の鍔部17に押圧され、ケース92の横長空間96
に収納される。そして、予備歯形部15がダイ72の型
彫空間80に完全に挿入された時点でサイジング加工が
完了する。
【0020】このように上記歯形サイジング用金型51
において、位置合わせ装置91は、ダイ72のサイジン
グ歯型72aと同一形状で幅方向中央から両端に向かっ
て傾斜する山形状の歯先93aを有する位置決めコマ9
3がサイジング歯型72aと合致する位置に設けられ、
位置決めコマ93の外周側に、位置決めコマ93を内周
側に付勢する弾性を有する弾性部材94が配置されるた
め、位置合わせ装置91により中間材W4の予備歯形部
15とダイ72の型彫空間80との位置合わせを容易に
行うことができる。
【0021】尚、上記実施例では対向する2つの位置合
わせ装置91を配置したが位置合わせ装置91は2つに
限定されるものではなく、1つ若しくは3つ以上でも良
い。
【0022】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、内周に所
望する歯車の歯形部に対応するサイジング歯型を有する
ダイと、ダイの一端端部に載置される位置合わせ装置と
を備える歯形サイジング用金型において、位置合わせ装
置は、ダイのサイジング歯型と同一形状で幅方向中央か
ら両端に向かって傾斜する山形状の歯先を有する位置決
めコマがサイジング歯型と合致する位置に設けられ、位
置決めコマの外周側に、位置決めコマを内周側に付勢す
る弾性を有する弾性部材が配置されるため、位置合わせ
装置により中間材の予備歯形部とダイの型彫空間との位
置合わせを容易に行うことができるので、従来の如くサ
イジング加工時、中間材の予備歯形部がダイのサイジン
グ歯型を押圧して、サイジング歯型が変形し、ダイの金
型寿命が低下するということを抑制できる。また、中間
材の予備歯形部がダイのサイジング歯型を押圧して、成
形した歯車の歯型部が変形し、歯型精度が低下するとい
うことを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例による歯車の製造工程を表す断
面正面図である。
【図2】本発明の実施例による中間材の鍛造工程を表
し、左半部が成形前、右半部が成形後の状態を表す部分
断面正面図である。
【図3】本発明の実施例によるサイジング加工工程の第
一段階を表す部分断面正面図である。
【図4】本発明の実施例によるサイジング加工工程を表
し、左半部は第二段階、右半部は第三段階を表す部分断
面正面図である。
【図5】本発明の実施例による位置決めコマを表す側面
図である。
【図6】本発明の実施例によるサイジング加工工程の第
二段階を説明する説明図である。
【図7】従来のサイジング加工工程を表し、左半部は成
形前、右半部は成形後の状態を表す部分断面正面図であ
る。
【符号の説明】
16 歯形部 72 ダイ 72a サイジング歯型 91 位置合わせ装置 93 位置決めコマ 93a 歯先 94 弾性部材 W5 歯車

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内周に所望する歯車(W5)の歯形部
    (16)に対応するサイジング歯型(72a)を有する
    ダイ(72)と、該ダイ(72)の一端端部に載置され
    る位置合わせ装置(91)とを備える歯形サイジング用
    金型において、前記位置合わせ装置(91)は、前記ダ
    イ(72)のサイジング歯型(72a)と同一形状で幅
    方向中央から両端に向かって傾斜する山形状の歯先(9
    3a)を有する位置決めコマ(93)がサイジング歯型
    (72a)と合致する位置に設けられ、該位置決めコマ
    (93)の外周側に、位置決めコマ(93)を内周側に
    付勢する弾性を有する弾性部材(94)が配置されるこ
    とを特徴とする歯形サイジング用金型。
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