JP3271555B2 - グロメット - Google Patents

グロメット

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JP3271555B2
JP3271555B2 JP14629697A JP14629697A JP3271555B2 JP 3271555 B2 JP3271555 B2 JP 3271555B2 JP 14629697 A JP14629697 A JP 14629697A JP 14629697 A JP14629697 A JP 14629697A JP 3271555 B2 JP3271555 B2 JP 3271555B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車のパネルを
貫通して配索されるワイヤハーネスに装着するグロメッ
トに関し、特にその防水性を高めたものである。
【０００２】
【従来の技術】この種のグロメットとして、図４に示す
ように自動車の車室およびドア間に配索されるワイヤハ
ーネスＷ／Ｈに装着させるものがある。
【０００３】該グロメット１００は、図５に示すように
車室側に、小径筒部４０と、該小径筒部４０の一端に連
続して円錐形状に拡径する拡径筒部４１と、該拡径筒部
４１の大径側外周面に設けた係止凹部４１ａとを一体に
備え、上記車室側の拡径筒部４１に蛇腹状筒部４２を連
続させて、ドア側に、該蛇腹状筒部４２に連続形成した
拡径筒部４３と、該拡径筒部４３の外周面に設けた係止
凹部４３ａとを一体に備えている。
【０００４】上記グロメット１００の中空部にワイヤハ
ーネスＷ／Ｈを挿通させ、車室側の係止凹部４１ａをア
ウターパネル４４に穿設した貫通穴４４ａに係止させる
と共に小径筒部４０をインナーパネル４５に穿設した貫
通穴４５ａに挿通し、ドア側の係止凹部４３ａをドアパ
ネル４６に穿設した貫通穴４６ａに係止させて取り付け
ることで、車室およびドア間にワイヤハーネスＷ／Ｈが
配索される。このグロメット１００により上記貫通穴を
通る浸水の防止を図っている。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記グ
ロメット１００では、上記浸水を確実に防止することが
できない場合がある。すなわち、グロメット１００の係
止凹部４１ａ，４３ａと上記貫通穴４４ａ，４６ａの周
縁との僅かな隙間を通って浸水が生じることがある。
【０００６】この場合、ドア側への浸水は、図４に示す
ドアＤ内部の底部に設けた水抜き穴４７により外部に排
出することができるが、図６に示すように車室側への浸
水４８は、グロメットの拡径筒部４１の表面から小径筒
部４０およびワイヤハーネスＷ／Ｈの表面を伝わってイ
ンナーパネル４５の内側である車室内に侵入することと
なり、先端のコネクタ４９に接続される電極のショート
等を引き起こし、電気回路に悪影響を及ぼす可能性があ
るという問題があった。
【０００７】本発明は、上記問題点に鑑み、グロメット
の係止凹部と上記貫通穴の周縁との僅かな隙間を通る浸
水が車室内に侵入することを防止することのできるグロ
メットを提供することを課題としている。
【０００８】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は、第１に、小径筒部と、該小径筒部の一端
に連続して円錐形状に拡径する拡径筒部と、該拡径筒部
の大径側外周面に設けた係止凹部とを一体に備え、その
中空部に、第二の車体パネルからなるインナーパネルと
第一の車体パネルからなるアウターパネルの貫通穴を通
しドアパネルに設けた貫通穴へと配索するワイヤハーネ
スを挿通させ、上記アウターパネルの貫通穴に上記係止
凹部を係止すると共に上記インナーパネルの貫通穴に上
記小径筒部を挿通して装着することで、上記インナーパ
ネルとアウターパネル間に上記係止凹部から小径筒部へ
至る範囲の拡径筒部を位置させているグロメットであっ
て、上記装着状態で、上記拡径筒部の上記インナーパネ
ルとアウターパネル間に位置する円錐状外周面には、上
記小径筒部との連続箇所より間隔をあけた位置に上記係
止凹部側へ傾斜させた鍔部を突設し、該鍔部の突出長さ
は、該鍔部の基端位置から上記係止凹部までの長さより
も小さく設定し、上記アウターパネルの貫通穴からの浸
水を上記鍔部で遮断して上記インナーパネルとアウター
パネルの間に落下させる構成としていることを特徴とし
ているグロメットを提供している。
【０００９】上記構成によれば、上記拡径筒部の円錐状
外周面に突設した鍔部により、上記第一の車体パネルへ
のグロメット装着部から浸水して上記拡径筒部から小径
筒部側へと表面を伝わろうとする上記浸水を遮断し上記
鍔部を伝わらせて落下させることができる。これによ
り、上記第一の車体パネルへのグロメット装着部からの
浸水は、上記小径筒部側へ伝わることなく、上記第一の
車体パネルと、上記小径筒部側が挿通する第二の車体パ
ネルとの間に落下することとなる。
【００１０】上記鍔部の突出長さを、該鍔部の基端位置
から上記係止凹部までの長さよりも小さく設定している
ため、上記第一の車体パネルであるアウターパネルに上
記グロメットを装着する際に、上記アウターパネルの貫
通穴と上記拡径筒部の係止凹部との間に上記鍔部が挟み
込まれることがなくなる。また、上記構成により、上記
アウターパネルへのグロメット装着部からの浸水は、上
記インナーパネルの内側すなわち車室内に侵入すること
なく、上記インナーパネルと上記アウターパネルとの間
に落下することとなる。
【００１１】また、本発明は、第２に、小径筒部と、該
小径筒部の一端に連続して円錐形状に拡径する拡径筒部
と、該拡径筒部の大径側外周面に設けた係止凹部とを一
体に備え、その中空部に、第二の車体パネルからなるイ
ンナーパネルと第一の車体パネルからなるアウターパネ
ルの貫通穴を通しドアパネルに設けた貫通穴へと配索す
るワイヤハーネスを挿通させ、上記アウターパネルの貫
通穴に上記係止凹部を係止すると共に上記インナーパネ
ルの貫通穴に上記小径筒部を挿通して装着することで、
上記インナーパネルとアウターパネル間に上記係止凹部
から小径筒部へ至る範囲の拡径筒部を位置させているグ
ロメットであって、上記装着状態で、上記拡径筒部の上
記インナーパネルとアウターパネル間に位置する円錐状
外周面には、上記小径筒部との連続箇所より間隔をあけ
た位置に溝を凹設し、上記アウターパネルの貫通穴から
の浸水を上記溝で遮断して上記インナーパネルとアウタ
ーパネルの間に落下させる構成としていることを特徴と
しているグロメットを提供している。
【００１２】上記のように、鍔部に変えて溝を設けて
も、浸水した水は一旦溝にたまり、該溝から落下させる
ことができる。
【００１３】
【００１４】
【００１５】上記グロメットの拡径筒部の先端に蛇腹状
筒部を連続させるとともに、該蛇腹状筒部の先端に第二
の拡径筒部を連続させて形成し、該第二の拡径筒部の外
周面に、上記ドアパネルの貫通穴に装着させる係止凹部
を設けている。
【００１６】上記構成のグロメットは、自動車の車室お
よびドア間に配索されるワイヤハーネスに装着するに好
適に用いられる。
【００１７】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面を参照して説
明する。図１に示す第１実施形態のグロメットは、自動
車の車室およびドア間に配索されるワイヤハーネスに装
着するものである。
【００１８】車室側には、小径筒部１と、該小径筒部１
の一端に連続して円錐形状に拡径する拡径筒部２と、該
拡径筒部２の大径側外周面に設けた係止凹部２ａとを一
体に備えており、拡径筒部２の円錐状外周面には、図１
に示すように小径筒部１との連続箇所より間隔をあけた
位置に、鍔部３を係止凹部２ａ側に傾斜させて突設して
いる。該鍔部３の突出長さＬは、該鍔部３の基端位置か
ら係止凹部２ａまでの長さｌよりも小さいものである。
【００１９】また、ドア側には、拡径筒部４と、該拡径
筒部４の外周面に設けた係止凹部４ａとを一体に備えて
いる。
【００２０】そして、上記車室側の拡径筒部２とドア側
の拡径筒部４とに、伸縮可能な蛇腹状筒部５を連続させ
て形成している。
【００２１】ワイヤハーネスＷ／Ｈは車室側の小径筒部
１からドア側の拡径筒部４にかけての中空部に挿通し、
小径筒部１の先端でテープ巻き固定している。
【００２２】車室側の係止凹部２ａは第一の車体パネル
となるアウターパネル６に穿設した貫通穴６ａに係止さ
せると共に、小径筒部１は第二の車体パネルとなるイン
ナーパネル７に穿設した貫通穴７ａに挿通させる。これ
により、鍔部３は、アウターパネル６およびインナーパ
ネル７間でアウターパネル６側に傾斜して突出すること
となる。また、アウターパネル６の貫通穴６ａに係止凹
部２ａを係止させる際には、小径筒部１をアウターパネ
ル６の内側に引き出すこととなるので、鍔部３の突出長
さＬが長すぎると、貫通穴６ａの周縁と係止凹部２ａと
の間に挟み込まれることとなるが、鍔部の突出長さＬ
を、該鍔部の基端位置から係止凹部までの長さｌよりも
小さいものとしているため、これを防止でき、取付作業
が容易となる。
【００２３】また、ドア側の係止凹部４ａはドアパネル
８に穿設した貫通穴８ａに係止させる。
【００２４】このようにワイヤハーネスＷ／Ｈを挿通さ
せたグロメットをパネル６，７，８に装着させること
で、車室およびドア間にワイヤハーネスＷ／Ｈを配索す
る。
【００２５】図２に示すようにアウターパネル６の外側
の拡径筒部２に水９がかかり、該水９がアウターパネル
６の貫通穴６ａの周縁と拡径筒部２の係止凹部２ａとの
僅かな隙間を通ってアウターパネル６の内側に侵入した
場合、該浸水９は拡径筒部２の表面を小径筒部１側へと
伝わろうとするが、鍔部３に当たって遮断され、鍔部３
の先端まで伝わってアウターパネル６とインナーパネル
７との間のアウターパネル６側下方に落下することとな
る。
【００２６】このようにアウターパネル６とインナーパ
ネル７との間に落下させることで、上記浸水９は小径筒
部１の先端のワイヤハーネスＷ／Ｈに伝わることがな
く、インナーパネル７の内側すなわち車室内への浸水を
確実に防止できる。したがって、浸水によってコネクタ
１０にショート等が発生し電気回路に悪影響を及ぼすこ
とがなくなる。
【００２７】また、ドア側の拡径筒部４の係止凹部４ａ
とドアパネル８に穿設した貫通穴８ａとの隙間からのド
ア内部への浸水は、従来と同様にドア内部の底部に設け
た水抜き穴（図示せず）により外部に排出する。
【００２８】図３（Ａ）（Ｂ）は第２実施形態を示し、
上記鍔部３に代えて、図３に示すように、小径筒部１と
の連続箇所より間隔をあけた位置に溝３０を設けてい
る。他の構成は同一であるため、同一符号を付して説明
を省略する。
【００２９】第２実施形態のように、溝３０を設けた場
合においても、アウターパネル６側より侵入した水は拡
径筒部２の外周面を伝って溝３０に溜まり、該溝３０よ
り下方へ落下させることができ、インナーパネル７側へ
の浸水を防止できる。
【００３０】なお、上記実施形態ではワイヤハーネスを
車室およびドア間に配索する場合を説明したが、これに
限らず、自動車の他部に配索されるワイヤハーネスにも
適用でき、グロメットの拡径筒部２に突設した鍔部３あ
るいは溝３０により、浸水を遮断し下方に落下させて車
室内への浸水を確実に防止できる。
【００３１】
【発明の効果】以上の説明より明らかなように、本発明
のグロメットによれば、拡径筒部に突設した鍔部あるい
は溝により、第一と第二の車体パネルの間で、上記拡径
筒部の表面を伝わる浸水を遮断し上記鍔部を伝わらせて
落下させることができる。これにより、鍔部あるいは溝
よりも車室内側への浸水を確実に防止でき、上記浸水に
より電気回路に与える悪影響をなくすことができる。
【００３２】また、鍔部を設けた場合は、その突出長さ
を、該鍔部の基端位置から上記係止凹部までの長さより
も小さく設定することで、上記第一の車体パネルに上記
グロメットを装着する際に、該第一の車体パネルの貫通
穴と上記拡径筒部の係止凹部との間に上記鍔部が挟み込
まれることがなくなり、取付作業が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明の第１実施形態を示し、（Ａ）はグロ
メットの概略図、（Ｂ）は鍔部の要部拡大図である。
【図２】 本発明の実施形態のグロメットをアウターパ
ネルおよびインナーパネルに装着した状態を示す概略断
面図である。
【図３】 本発明の第２実施形態を示し、（Ａ）はグロ
メットの概略図、（Ｂ）は溝の要部拡大図である。
【図４】 従来のグロメットを自動車に取り付けた状態
を示す概略斜視図である。
【図５】 従来のグロメットを示す概略図である。
【図６】 従来のグロメットをアウターパネルおよびイ
ンナーパネルに装着した状態を示す概略断面図である。
【符号の説明】
１ 小径筒部 ２ 拡径筒部 ２ａ 係止凹部 ３ 鍔部 ４ 拡径筒部（第二の拡径筒部） ５ 蛇腹状筒部 ６ アウターパネル（第一の車体パネル） ６ａ 貫通穴 ７ インナーパネル（第二の車体パネル） ７ａ 貫通穴 ８ ドアパネル ８ａ 貫通穴 ３０ 溝 Ｌ 鍔部３の突出長さ ｌ 鍔部３の基端位置から係止凹部２ａまでの長さ Ｗ／Ｈ ワイヤハーネス

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 小径筒部と、該小径筒部の一端に連続し
    て円錐形状に拡径する拡径筒部と、該拡径筒部の大径側
    外周面に設けた係止凹部とを一体に備え、その中空部
    に、第二の車体パネルからなるインナーパネルと第一の
    車体パネルからなるアウターパネルの貫通穴を通しドア
    パネルに設けた貫通穴へと配索するワイヤハーネスを挿
    通させ、上記アウターパネルの貫通穴に上記係止凹部を
    係止すると共に上記インナーパネルの貫通穴に上記小径
    筒部を挿通して装着することで、上記インナーパネルと
    アウターパネル間に上記係止凹部から小径筒部へ至る範
    囲の拡径筒部を位置させているグロメットであって、 上記装着状態で、上記拡径筒部の上記インナーパネルと
    アウターパネル間に位置する円錐状外周面には、上記小
    径筒部との連続箇所より間隔をあけた位置に上記係止凹
    部側へ傾斜させた鍔部を突設し、該鍔部の突出長さは、
    該鍔部の基端位置から上記係止凹部までの長さよりも小
    さく設定し、 上記アウターパネルの貫通穴からの浸水を上記鍔部で遮
    断して 上記インナーパネルとアウターパネルの間に落下
    させる構成としていることを特徴としているグロメッ
    ト。
  2. 【請求項２】 小径筒部と、該小径筒部の一端に連続し
    て円錐形状に拡径する拡径筒部と、該拡径筒部の大径側
    外周面に設けた係止凹部とを一体に備え、その中空部
    に、第二の車体パネルからなるインナーパネルと第一の
    車体パネルからなるアウターパネルの貫通穴を通しドア
    パネルに設けた貫通穴へと配索するワイヤハーネスを挿
    通させ、上記アウターパネルの貫通穴に上記係止凹部を
    係止すると共に上記インナーパネルの貫通穴に上記小径
    筒部を挿通して装着することで、上記インナーパネルと
    アウターパネル間に上記係止凹部から小径筒部へ至る範
    囲の拡径筒部を位置させているグロメットであって、 上記装着状態で、上記拡径筒部の上記インナーパネルと
    アウターパネル間に位置する円錐状外周面には、上記小
    径筒部との連続箇所より間隔をあけた位置に溝を凹設
    し、 上記アウターパネルの貫通穴からの浸水を上記溝で遮断
    して 上記インナーパネルとアウターパネルの間に落下さ
    せる構成としていることを特徴としているグロメット。
  3. 【請求項３】 上記グロメットの拡径筒部の先端に蛇腹
    状筒部を連続させるとともに、該蛇腹状筒部の先端に第
    二の拡径筒部を連続させて形成し、該第二の拡径筒部の
    外周面に、上記ドアパネルの貫通穴に装着させる係止凹
    部を設けている請求項１または請求項２に記載のグロメ
    ット。
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