JP3209169B2 - ゲート電極の形成方法 - Google Patents

ゲート電極の形成方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電界効果トランジス
タのゲート電極形成方法に関して、エッチングマスクを
介し絶縁膜に開口形状を転写し、転写された開口形状へ
ゲート金属を埋め込む電極形成方法に関するものであ
り、特に微細ゲート電極形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来微細かつ低抵抗であるゲート長を有
するゲート電極の形成方法として特開平5−32656
4号公報「電界効果トランジスタ及びその製造方法」に
記載の方法が知られている。図9(a)〜(g)はその
方法の一例を工程順に示す電界効果トランジスタの概略
断面図である。各々の図において、21は半絶縁性Ga
As基板、22はGaAsバッファ層、23a及び23
bはn−GaAs層、24a及び24bはn−AlGa
As層、25はn+ −GaAs層、26はSiON膜、
27はフォトレジスト、28はSiO2 膜サイドウォー
ル、29はゲート金属(Ti/Pt/Au)、30はオ
ーミック電極(AuGe/Ni/Au)である。
【0003】図9(g)に示すように、2段リセス構造
の電界効果トランジスタにおいて、半絶縁性GaAs基
板21上にゲート電極と接しない1段目のリセスの側壁
部に第2の絶縁膜28からなるサイドウォールを形成
し、このサイドウォールをマスクに第1のn−GaAs
層23をアンダーカットが入るように除去した構造とな
っている。
【0004】次に、ゲート電極の製造方法を説明する。
図9(a)に示すようにn+ −GaAs層25上に酸化
窒化珪素膜SiON膜26を約2000オングストロー
ム堆積し、この上にフォトレジスト27を塗布形成し、
ゲート電極となるところに0.5μmの開口パターンを
形成する。ついでフォトレジスト27をエッチングマス
クとしてSiON膜26を反応性イオンエッチングにて
異方性エッチングし、さらに図9(b)に示すようにn
+ −GaAs層25およびn−AlGaAs層24bを
反応性イオンエッチングにて除去する。ついで図9
(c)に示すようにフォトレジスト27を除去した後、
プラズマCVD法によりSiO2 膜を4000オングス
トローム堆積し、反応性イオンエッチングにて、このS
iO2 を異方性エッチングすることにより約0.2μm
幅のSiO2 膜サイドウォール28を形成する。
【0005】さらに、図9(d)に示すようにn−Ga
As層23およびn−AlGaAs層24をエッチング
除去しこのときアンダーカットが入るようにし、つい
で、ゲート金属(Ti/Pt/Au)29を蒸着し(図
9(e))、図9(f)に示す様にゲート金属29をイ
オンミリングによりエッチングする。最後に図9(g)
に示すようにSiON膜26を除去し、オーミック電極
30をゲート電極29をマスクとして蒸着することによ
り該オーミック電極30は、それぞれゲート電極、ソー
ス電極、ドレイン電極となり、目的とする微細なゲート
長を有する電界効果トランジスタが完成される。
【0006】以上述べたような従来のゲート電極の製造
方法においては、図9(b)に示されるフォトレジスト
27の開口条件、SiON膜26の反応性イオンエッチ
ングによる異方性エッチング条件、n+ −GaAs層2
5およびn−AlGaAs層24bの反応性イオンエッ
チングによる異方性エッチング条件、さらに、図9
(c)に示されるようなSiO2 膜サイドウォール28
の堆積条件、反応性イオンエッチングによる異方性エッ
チング条件を駆使、かつ制御することでゲート長の微細
化が可能となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ゲート形成方法ではエッチングマスクとして用いるフォ
トレジストの開口寸法、SiO2 膜サイドウォールの膜
厚、反応性イオンエッチングによるSiO2 膜のエッチ
ング量など、緻密な制御を必要とするプロセス項目が多
数存在し、ゲート形成工程が煩雑となる問題点があっ
た。また、フォトレジストの開口寸法で生じる開口長バ
ラツキは、SiO2 膜サイドウォールにより微細化した
後の開口寸法、ひいては形成するゲート長に対する寸法
バラツキとして残存するため、微細化したゲート長に対
するバラツキの割合として大きくなり、形成するゲート
長の安定性、制御性あるいは再現性が困難となる問題点
があった。
【0008】本発明ではゲート電極形成プロセスを簡略
化することにより、プロセス工程数に依存して生じる寸
法バラツキの抑制、かつ、形成するゲート長の安定性、
制御性あるいは再現性の向上を目的とした微細ゲート電
極の製造方法を提供する。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明による微細ゲート
電極形成方法では、エッチングマスクを介して絶縁膜に
開口パターンを転写し、転写された絶縁膜開口部分へゲ
ート金属を埋め込むゲート電極形成方法に関するもので
あり、以下の項目を特徴とする。なお下記の図面の番号
は実施例に用いた図面の中で対応するものを示したもの
である。 (1)半導体基板上に形成した絶縁膜に開口形状を形成
し、該絶縁膜開口形状にゲート電極金属を埋め込む電極
形成方法において、形成された絶縁膜開口形状の断面パ
ターンを上層部分と下層部分でパターン開口側面の傾斜
角の相違する二種類の開口パターンにより形成する。こ
の際、開口側面の傾斜角の相違する二種類の開口パター
ンで構成される該絶縁膜開口形状は、エッチングマスク
を介して異方性を有する第一のドライエッチングプロセ
スと第二のドライエッチングプロセスを順次に行い、断
面パターンがY字型となるよう形成することを特徴とす
る。(図1、4、5、7、8参照)(2)前記(1)に記載の第一のドライエッチングプロ
セスでは、パターン開口側面の傾斜角が75〜90゜と
なる絶縁膜開口形状を転写し、第二のドライエッチング
プロセスでは、第一のドライエッチングプロセスで残膜
したエッチングマスクを用いて、パターン開口側面の傾
斜角が45〜70゜となる絶縁膜開口形状を転写するこ
とで、断面パターンがY字型となるよう形成することを
特徴とする。 (3) 前記(1)に記載のエッチングマスクが有機レジ
スト膜であることを特徴とする。(図1、4、7参照)(4) 前記(1)に記載のエッチングマスクが金属膜で
あることを特徴とする。(図5、8参照)(5) 前記(1)に記載の二種類の異方性を有するドラ
イエッチングプロセスにおける第一のドライエッチング
プロセスでは、エッチングマスクの絶縁膜に対するエッ
チング速度の選択比が1以下となるエッチング条件を用
いて、パターン開口側面の傾斜角が75〜90゜となる
絶縁膜開口形状を転写し、この際該絶縁膜開口形状のエ
ッチング深さが、半導体基板上に堆積された絶縁膜にお
けるエッチングマスク界面から、該絶縁膜開口形状の開
口底部寸法の2倍以下のエッチング深さであることを特
徴とする。(図1、4、5、7、8参照)(6) 前記(1)に記載の二種類の異方性を有するドラ
イエッチングプロセスにおける第二のドライエッチング
プロセスでは、エッチングマスクの絶縁膜に対するエッ
チング速度の選択比が1以上となるエッチング条件によ
り、この時のエッチングマスクは第一のドライエッチン
グプロセスで残膜したエッチングマスクを用いて、パタ
ーン開口側面の傾斜角が45〜70゜となる絶縁膜開口
形状を転写し、第一のドライエッチングプロセスで形成
された75〜90゜の側面と第二のドライエッチングプ
ロセスで形成された45〜70゜の側面が交差する位置
が半導体・絶縁膜界面から測定して開口底部寸法の2倍
以下であり、かつ、0倍より大きいことを特徴とする。
(図1、4、5、7、8参照)
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の発明の実施の形態につい
て図を参照して説明する。
【0011】
【第1の実施の形態】本発明の第1の実施の形態を図1
(a)〜(h)の図面を参照して説明する。図1(a)
に示すように絶縁膜111を成膜した半導体基板110
上に第一のフォトレジスト112を塗布形成し、図1
(b)に示すように開口パターン113を形成し、絶縁
膜111の一部を露呈する。
【0012】図1(c)に示すように開口パターン11
3のあるフォトレジスト112をエッチングマスクとし
て、フォトレジスト112の絶縁膜111に対するエッ
チング速度の選択比が1以下となるエッチング条件を用
いて、かつ、異方性を有する第一のドライエッチングに
より開口側面の傾斜角が75〜90゜(図1(c)では
90゜の場合を示した)となる絶縁膜垂直開口パターン
115を、半導体基板110上に成膜された絶縁膜11
1の膜厚中で半導体基板110から、該絶縁膜垂直開口
パターン115の開口底部116の寸法x2 の2倍以下
のエッチング深さyまで転写する。(y≦2x2 )。こ
の時y≦2x2 の条件でエッチングする理由は、後述す
る絶縁膜テーパ開口パターン117の形成条件により、
絶縁膜垂直開口パターン115の開口底部116を、言
い換えると絶縁膜断面Y字型開口パターン118の開口
底部119として半導体基板110を露呈させるように
エッチングさせるためである。この時、転写された絶縁
膜垂直開口パターン115の開口底部116の寸法x2
は、第一のドライエッチングが異方性を有するために開
口パターン113の開口底部114の寸法x1 と一致す
る。(x2 =x1 )。
【0013】ついで、図1(d)に示すように第一のド
ライエッチングで残膜した第一のフォトレジスト121
をエッチングマスクとして、フォトレジスト112の絶
縁膜111に対するエッチング速度の比が同等もしくは
1以上となるエッチング条件を用いて、かつ、異方性を
有する第二のドライエッチングにより開口側面の傾斜角
が45〜75゜となる絶縁膜テーパ開口パターン117
を形成する。このとき第一のドライエッチングプロセス
で形成された絶縁膜垂直開口パターン115の側面と第
二のドライエッチングプロセスで形成された絶縁膜テー
パ開口パターン117の側面が交差する位置が半導体基
板110と絶縁膜111との界面から測定した長さzが
絶縁膜垂直開口パターン115の開口底部116の寸法
2 の2倍以下であり、かつ、0倍より大きくなる位置
まで転写する。(0<z≦2x2)。ここで、0<z≦
2x2 の条件でエッチングする理由は後述するゲート電
極となるゲート金属121の埋込み性に関与するためで
ある。この時、第一のドライエッチングにより形成され
た絶縁膜垂直開口パターン115の開口底部116は半
導体基板110の一部を露呈するまでエッチングされ、
転写された絶縁膜開口形状の断面パターンはY字型とな
り、絶縁膜断面Y字型開口パターン118が形成され
る。
【0014】さらに、第二のドライエッチングが異方性
を有することにより、絶縁膜断面Y字型開口パターン1
18の開口底部119の寸法x3 は、開口底部が半導体
基板110に到達するまでは広がらず、この後エッチン
グ深さ方向に対するオーバーエッチング量に依存して開
口寸法は増大する。また、この際のオーバーエッチング
量とは絶縁膜111の残膜厚(ここでは150nm)を
ジャストエッチングした後の追加エッチング量を意味
し、この時のオーバーエッチング量は0%であり、残膜
厚のエッチング量(150nm)を100%と換算した
値をオーバーエッチング量の割合と定義する。
【0015】このオーバーエッチング量に対する絶縁膜
開口寸法つまりx3 の増加量の関係を表すのが図2
(a)および(b)である。例えば、本実施例において
は絶縁膜垂直開口パターン115の開口底部116の寸
法x2 が100nmであり、絶縁膜垂直開口パターン1
15の開口底部116から半導体基板110までの残膜
厚(y)が100nmであり、かつ、絶縁膜垂直開口パ
ターン115の開口側面の傾斜角が75゜であることに
より、絶縁膜断面Y字型開口パターン118の開口底部
119の寸法x3 は20%のオーバーエッチング量によ
っても開口パターン113の開口底部114の寸法x1
と寸法変換差10%の範囲内で一致する。ここで寸法変
換率はx1 からx3 への開口寸法の変換率を意味し、寸
法変換率=(x3 −x1 )/x1 で表される。さらに、
絶縁膜垂直開口パターン115の開口側面の傾斜角が限
りなく90゜に近づくことで、絶縁膜断面Y字型開口パ
ターン118の開口底部119の寸法x3 と開口パター
ン113の開口底部114の寸法x1 を寸法変換差10
%の範囲内で一致させるオーバーエッチングの範囲を広
げることが可能となる(図2(a))。
【0016】また、絶縁膜垂直開口パターン115の開
口底部116の寸法x2 が150nmの場合、絶縁膜垂
直開口パターン115の開口側面の傾斜角が75゜であ
れば、絶縁膜断面Y字型開口パターン118の開口底部
119の寸法x3 はおよそ30%のオーバーエッチング
量によっても開口パターン113の開口底部114の寸
法x1 と寸法変換差10%の範囲内で一致する(図2
(b))。
【0017】従って、本実施例の絶縁膜断面Y字型開口
パターン形成プロセスによれば、絶縁膜断面Y字型開口
パターン形成時に20%のオーバーエッチングを行って
も、開口パターン113の開口底部114の寸法x1
ゲート長を最終的に決定する絶縁膜断面Y字型開口パタ
ーン118の開口底部119の寸法x3 を寸法変換差1
0%の範囲内で一致させることが可能となり、高い制御
性を持って微細ゲート長の形成を実現可能とする。特
に、開口パターン113の開口寸法が0.4μmより小
さな領域においては、開口パターン寸法が小さくなるに
従い、絶縁膜のエッチングレートが遅くなる(マイクロ
ローディング効果)ので、絶縁膜のエッチング深さの制
御が困難となる。この際にはオーバーエッチングに対す
る開口寸法の変動許容範囲を広げる本手法が寸法制御に
有効である。
【0018】また、ここで絶縁膜テーパ開口パターン1
17を転写する際、形成する絶縁膜断面Y字型開口パタ
ーン118の垂直開口部分120の開口底部119の寸
法x3 と垂直開口部分120の高さzのアスペクト比z
/x3 を“2”以下とすることでゲート金属121が断
線せずに埋め込み可能となり、さらにアスペクト比を
“1”以下とすることでゲート形成の歩留りが向上す
る。この時の異方性を有する第二のドライエッチングの
エッチング時間と絶縁膜断面Y字型開口パターン118
の開口底部119の寸法x3 、および絶縁膜断面Y字型
開口パターン118の垂直開口部分120の開口底部1
19の寸法x3 と垂直開口部分120の高さzのアスペ
クト比(z/x3 )の関係を図3に示す。
【0019】ついで、絶縁膜111上に残存するポジ型
フォトレジスト112を除去し、図1(e)に示すよう
に転写された絶縁膜断面Y字型開口パターン118をゲ
ート金属121で覆い、図1(f)に示すように第二の
フォトレジスト122を塗布形成し、図1(g)に示す
ようにネガ型レジスト形状123をパターニングする。
次に絶縁膜断面Y字型開口パターン118を遮蔽し、遮
蔽したネガ型レジスト形状123をエッチングマスクと
してドライあるいはウェットエッチングプロセスにより
ゲート金属121を絶縁膜111が露呈されるまでエッ
チング除去する。ついで、残存したネガ型レジスト12
3を除去することで図1(h)に示した断面Y字型ショ
ットキーゲート電極124が形成可能となる。
【0020】
【実施例1】次に、第1の実施の形態の一実施例を図1
(a)〜(h)の図面を参照して説明する。図1(a)
に示すように、膜厚300nmの酸化膜で構成される絶
縁膜111を形成した半導体基板110上にエッチング
マスクとして用いる電子線露光用レジスト112を、3
00nmで塗布形成し、図1(b)に示すように電子線
露光により開口寸法が、100nmである絶縁膜111
の一部を露呈した開口パターン113を形成する。
【0021】ついで、図1(c)に示すように開口パタ
ーン113をもつ電子線露光用レジスト112をエッチ
ングマスクとして、エッチングを行う。エッチング方法
としては、電子線露光用レジスト112の絶縁膜111
に対するエッチング速度の選択比が1以下となるエッチ
ング条件を用いて、かつ、異方性を有する炭素(C)お
よびフッ素(F)原子を含んだ分子で構成されるガス
(例えば、CF4 、C24 、CHF3 など)を用いた
第一のドライエッチング、例えば反応性イオンエッチン
グ(RIE)を用いる。このエッチングにより開口側面
の傾斜角が75〜90゜となる絶縁膜垂直開口パターン
115を、半導体基板110上に成膜された絶縁膜11
1の膜厚中で半導体基板110から該絶縁膜垂直開口パ
ターン115の開口底部116の寸法x2 の2倍以下の
エッチング深さまで転写する。この時、転写された絶縁
膜垂直開口パターン115の開口底部116の寸法x2
は、第一のドライエッチングが異方性を有するために開
口パターン113の開口底部114の寸法x1 と一致す
る。
【0022】ついで、図1(d)に示すように第一のド
ライエッチングで残膜した電子線露光用レジスト112
をエッチングマスクとして、電子線露光用レジスト11
2の絶縁膜111に対するエッチング速度の選択比が同
等もしくは1以上となるエッチング条件を用いて、か
つ、異方性を有する第二のドライエッチング、例えばS
6 ガスを用いた電子サイクロトロン共鳴(ECR)プ
ラズマエッチングにより開口側面の傾斜角が45〜75
゜となる絶縁膜テーパ開口パターン117を第一のドラ
イエッチングプロセスで形成された絶縁膜垂直開口パタ
ーン115の側面と第二のドライエッチングプロセスで
形成された絶縁膜テーパ開口パターン117の側面が交
差する位置が半導体基板110・絶縁膜111界面から
測定して絶縁膜垂直開口パターン115の開口底部11
6の寸法x2 の2倍以下であり、かつ、0倍より大きく
なる位置まで転写する。この時、第一のドライエッチン
グにより形成された絶縁膜垂直開口パターン115の開
口底部116は半導体基板110の一部を露呈するまで
エッチングされ、転写された絶縁膜開口形状の断面パタ
ーンはY字型となり、絶縁膜断面Y字型開口パターン1
18が形成される。
【0023】さらに、第二のドライエッチングが異方性
を有することにより、絶縁膜断面Y字型開口パターン1
18の開口底部寸法は、開口底部119が半導体基板1
10に到達するまでは広がらず、この後エッチング深さ
方向に対するオーバーエッチング量に依存して開口寸法
は増大する。また、この際のオーバーエッチング量とは
残膜厚150nmをジャストエッチングした後の追加エ
ッチング量を意味し、この時のオーバーエッチング量は
0%であり、エッチング量150nmを100%と換算
した値をオーバーエッチング量の割合と定義する。この
オーバーエッチング量に対する絶縁膜開口寸法の増加量
の関係を表すのが図2(a)および(b)である。
【0024】例えば、本実施例においては絶縁膜垂直開
口パターン115の開口底部寸法x2 が100nmであ
り、絶縁膜垂直開口パターン115の開口底部116か
ら半導体基板110までの残膜厚yが100nmであ
り、かつ、絶縁膜垂直開口パターン115の開口側面の
傾斜角が75゜であることにより、絶縁膜断面Y字型開
口パターン118の開口底部寸法x3 は20%のオーバ
ーエッチング量によっても開口パターン113の開口底
BR>部寸法x1 と寸法変換差10%の範囲内で一致す
る。さらに、絶縁膜垂直開口パターン115の開口側面
の傾斜角が限りなく90゜に近づくことで、絶縁膜断面
Y字型開口パターン118の開口底部寸法x3 と開口パ
ターン113の開口底部寸法x1 を寸法変換差10%の
範囲内で一致させるオーバーエッチングの範囲を広げる
ことが可能となる(図2(a))。
【0025】また、絶縁膜垂直開口パターン115の開
口底部寸法x2 が150nmの場合、絶縁膜垂直開口パ
ターン115の開口側面の傾斜角が75゜であれば、絶
縁膜断面Y字型開口パターン118の開口底部寸法x3
はおよそ30%のオーバーエッチング量によっても開口
パターン113の開口底部寸法x1 と寸法変換差10%
の範囲内で一致する(図2(b))。
【0026】従って、本実施例の絶縁膜断面Y字型開口
パターン形成プロセスによれば、絶縁膜断面Y字型開口
パターン形成時に20%のオーバーエッチングを行って
も、開口パターン113の開口底部寸法x1 とゲート長
を最終的に決定する絶縁膜断面Y字型開口パターン11
8の開口底部寸法x3 を寸法変換差10%の範囲内で一
致させることが可能となり、高い制御性を持って微細ゲ
ート長の形成を実現可能とする。特に、開口パターン1
13の開口寸法が0.4μmより小さな領域において
は、開口パターン寸法が小さくなるに従い、絶縁膜のエ
ッチングレートが遅くなる(マイクロローディング効
果)ので、絶縁膜のエッチング深さの制御が困難とな
る。この際にはオーバーエッチングに対する開口寸法の
変動許容範囲を広げる本手法が寸法制御に有効である。
【0027】また、ここで絶縁膜テーパ開口パターン1
17を転写する際、形成する絶縁膜断面Y字型開口パタ
ーン118の垂直開口部分120の開口底部寸法x3
垂直開口部分120の高さzのアスペクト比(z/
3 )を“2”以下とすることでゲート金属121が断
線せずに埋め込み可能となり、さらに、アスペクト比を
“1”以下とすることでゲート形成の歩留りが向上す
る。この時の異方性を有する第二のドライエッチングの
エッチング時間と絶縁膜断面Y字型開口パターン118
の開口底部寸法x3 、および絶縁膜断面Y字型開口パタ
ーン118の垂直開口部分120の開口底部寸法x3
垂直開口部分120の高さのアスペクト比の関係を図3
に示す。
【0028】ついで、絶縁膜111上に残存する電子線
露光用レジスト112を、例えば酸素プラズマアッシン
グ処理および有機洗浄により除去し、図1(e)に示す
ように転写された絶縁膜断面Y字型開口パターン118
を、例えばスパッタ蒸着法によりWSi/Auで構成さ
れるゲート金属121で埋込み、ついで、図1(f)に
示すように、膜厚1μmでi線露光用レジスト122
を、厚さ1μmに塗布形成する。次に図1(g)に示す
ように絶縁膜断面Y字型開口パターン118上を覆うよ
うに、例えばi線露光により残し寸法800nmのネガ
型レジスト形状123で遮蔽し、ネガ型レジスト123
をエッチングマスクとして、例えば反応性イオンエッチ
ング、あるいはイオンミリングを用いたドライエッチン
グプロセスによりゲート金属121を絶縁膜111が露
呈されるまでエッチング除去し、図1(h)に示すよう
に残存したネガ型レジスト形状123を、例えば酸素プ
ラズマアッシング処理および有機洗浄により除去するこ
とで100nmのゲート長を有する断面Y字型ショット
キーゲート電極124が形成可能となる。
【0029】本実施例においては、絶縁膜111に酸化
膜を用いた例を示したが、例えば窒化膜、窒化酸化膜を
用いることも可能である。
【0030】本実施例においては、エッチングマスクに
電子線露光用レジスト112を用いたが、例えばi線露
光用レジストを用いることで、i線露光および現像によ
り400nmの開口寸法を有する開口パターン113が
形成可能となり、上記と同様なゲート形成プロセスによ
り400nmのゲート長を有する断面Y字型ショットキ
ーゲート電極124が形成可能となる。
【0031】本実施例においては、エッチングマスクに
電子線露光用レジスト112を用いたが、例えばKrF
露光用レジストあるいはArF露光用レジストを用いる
ことで、ArF露光あるいはArF露光および現像によ
り200nmの開口寸法を有する開口パターン113が
形成可能となり、上記と同様なゲート形成プロセスによ
り200nmのゲート長を有する断面Y字型ショットキ
ーゲート電極124が形成可能となる。
【0032】本実施例においては、絶縁膜垂直開口パタ
ーン115を形成するための異方性を有するドライエッ
チング装置として反応性イオンエッチング(RIE)を
用いたが、例えばマグネトロン反応性イオンエッチング
(MIE)、電子サイクロトロン共鳴(ECR)、誘導
結合型プラズマ(ICP)、などのエッチング装置を用
いることも可能である。
【0033】本実施例においては、絶縁膜テーパ開口パ
ターン117を形成するための異方性を有するドライエ
ッチング装置として電子サイクロトロン共鳴(ECR)
を用いたが、例えばマグネトロン反応性イオンエッチン
グ(MIE)、反応性イオンエッチング(RIE)、誘
導結合型プラズマ(ICP)、などのエッチング装置を
用いることも可能である。
【0034】本実施例においてはゲート金属をY字型に
残すためのレジストマスクとしてi線露光用レジスト1
22(図1(f))を用いたが、例えばg線露光用レジ
スト、電子線露光用レジストなどを用いることも可能で
ある。
【0035】
【実施例2】次に、第1の実施の形態の他一実施例を説
明する。第1の実施の形態の実施例1に記載の図1
(a)〜(d)のプロセスにより絶縁膜断面Y字型開口
パターン118を形成した後、図4(a)に示すように
絶縁膜断面Y字型開口パターン118を、例えば厚さ1
μmのi線露光用レジスト410で覆い、ついで、図4
(b)に示すようにi線露光を行うことにより絶縁膜断
面Y字型開口パターン116上に、例えば開口寸法が8
00nmとなる開口パターン411を形成する。
【0036】ついで、図4(c)に示したように電子銃
蒸着を用いてゲート金属412、例えばTi/Alを蒸
着する。ついで、図4(d)に示したようにレジストリ
フトオフ法によりi線露光用レジスト410上に形成さ
れた不要となるゲート金属412、およびi線露光用レ
ジスト410を除去することで100nmのゲート長を
有する断面Y字型ショットキーゲート電極413が形成
可能となる。
【0037】本実施例においては、絶縁膜111に酸化
膜を用いた例を示したが、例えば窒化膜、窒化酸化膜を
用いることも可能である。
【0038】本実施例においては、エッチングマスクに
電子線露光用レジスト112(図1(a))を用いた
が、例えばi線露光用レジストを用いることで、i線露
光および現像により400nmの開口寸法を有する開口
パターン113(図1(c))が形成可能となり、上記
と同様なゲート形成プロセスにより400nmのゲート
長を有する断面Y字型ショットキーゲート電極413
(図4(d))が形成可能となる。
【0039】本実施例においては、エッチングマスクに
電子線露光用レジスト112(図1(a))を用いた
が、例えばKrF露光用レジストあるいはArF露光用
レジストを用いることで、ArF露光あるいはArF露
光および現像により200nmの開口寸法を有する開口
パターン113(図1(c))が形成可能となり、上記
と同様なゲート形成プロセスにより200nmのゲート
長を有する断面Y字型ショットキーゲート電極413
(図4(d))が形成可能となる。
【0040】本実施例においては、絶縁膜垂直開口パタ
ーン115(図1(d))を形成するための異方性を有
するドライエッチング装置として反応性イオンエッチン
グ(RIE)を用いたが、例えばマグネトロン反応性イ
オンエッチング(MIE)、電子サイクロトロン共鳴
(ECR)、誘導結合型プラズマ(ICP)、などのエ
ッチング装置を用いることも可能である。
【0041】本実施例においては、絶縁膜テーパ開口パ
ターン117(図1(d))を形成するための異方性を
有するドライエッチング装置として電子サイクロトロン
共鳴(ECR)を用いたが、例えばマグネトロン反応性
イオンエッチング(MIE)、反応性イオンエッチング
(RIE)、誘導結合型プラズマ(ICP)、などのエ
ッチング装置を用いることも可能である。
【0042】本実施例においてはゲート金属をレジスト
リフトオフにより形成する際のレジストとしてi線露光
用レジスト410(図4(b))を用いたが、例えばg
線露光用レジスト、電子線露光用レジストを用いること
も可能である。
【0043】
【第2の実施の形態】本発明の第2の実施の形態を図5
(a)〜(i)の図面を参照して説明する。図5(a)
に示すように絶縁膜511が成膜された半導体基板51
0上に金属膜512を堆積し、さらに、この上に第一の
フォトレジスト513を塗布形成する。ついで、図5
(b)に示すように金属膜512の一部を露呈するレジ
スト開口パターン514を形成する。ついで、図5
(c)に示すように開口パターン514をもつレジスト
513をエッチングマスクとした異方性を有する第一の
ドライエッチングプロセスにより絶縁膜511の一部を
露呈するように金属膜512に金属膜開口パターン51
6を形成する。この時、第一のドライエッチングが異方
性を有することにより、レジスト開口パターン514の
開口底部515の寸法と金属膜開口パターン516の開
口底部517の寸法は一致する。
【0044】ついで、残膜した第一のフォトレジスト5
13を、例えば酸素プラズマアッシング処理および有機
洗浄により除去し図1(c)のようになる。次に図5
(d)に示すように金属膜開口パターンをもつ金属膜5
12をエッチングマスクとして、絶縁膜511より金属
膜512の方がエッチング速度が遅く、かつ、異方性を
有する第二のドライエッチングプロセスにより開口側面
の傾斜角が75〜90゜となる絶縁膜垂直開口パターン
518を、半導体基板510上に成膜された絶縁膜51
1の膜厚中で半導体基板510から該絶縁膜垂直開口パ
ターン518の開口底部519の寸法の2倍以下のエッ
チング深さまで転写する。この時、転写された絶縁膜垂
直開口パターン518の開口底部519の寸法は、第二
のドライエッチングが異方性を有するために金属膜開口
パターン516の開口底部517の寸法と一致する。
【0045】ついで、図5(e)に示すように第二のド
ライエッチングプロセスで残膜した金属膜512をエッ
チングマスクとして、絶縁膜511と金属膜512のエ
ッチング速度が同等もしくは金属膜512の方がエッチ
ング速度が速く、かつ、異方性を有する第三のドライエ
ッチングにより開口側面の傾斜角が45〜75゜となる
絶縁膜テーパ開口パターン520を第二のドライエッチ
ングプロセスで形成された絶縁膜垂直開口パターン51
8の側面と第三のドライエッチングプロセスで形成され
た絶縁膜テーパ開口パターン520の側面が交差する位
置が半導体基板510・絶縁膜511界面から測定して
絶縁膜垂直開口パターン518の開口底部寸法519の
寸法の2倍以下であり、かつ、0倍より大きくなる位置
まで転写する。
【0046】この時、第二のドライエッチングにより形
成された絶縁膜垂直開口パターン518の開口底部51
9は半導体基板510の一部を露呈するまでエッチング
され、転写された絶縁膜開口形状の断面パターンはY字
型となり、絶縁膜断面Y字型開口パターン521が形成
される。
【0047】また、第三のドライエッチングが異方性を
有することにより、絶縁膜断面Y字型開口パターン51
2の開口底部寸法は、開口底部522が半導体基板51
0に到達するまでは広がらず、この後、エッチング深さ
方向に対するオーバーエッチング量に依存して開口寸法
は増大する。また、この際のオーバーエッチング量とは
残膜厚150nmをジャストエッチングした後の追加エ
ッチング量を意味し、この時のオーバーエッチング量は
0%であり、エッチング量150nmを100%と換算
した値をオーバーエッチング量の割合と定義する。この
オーバーエッチング量に対する絶縁膜開口寸法の増加量
の関係を表すのが図2(a)および(b)である。
【0048】例えば、本実施例においては絶縁膜垂直開
口パターン518の開口底部519の寸法が100nm
であり、絶縁膜垂直開口パターン518の開口底部51
9から半導体基板510までの残膜厚が100nmであ
り、かつ、絶縁膜垂直開口パターン518の開口側面の
傾斜角が75゜であることにより、絶縁膜断面Y字型開
口パターン521の開口底部522の寸法は20%のオ
ーバーエッチング量によっても金属膜開口パターン51
6の開口底部517の寸法と寸法変換差10%の範囲内
で一致する。さらに、絶縁膜垂直開口パターン518の
開口側面の傾斜角が限りなく90゜に近づくことで、絶
縁膜断面Y字型開口パターン521の開口底部522の
寸法と金属膜開口パターン516の開口底部517の寸
法を寸法変換差10%の範囲内で一致させるオーバーエ
ッチングの範囲を広げることが可能となる(図2
(a))。
【0049】また、絶縁膜垂直開口パターン518の開
口底部519の寸法が150nmの場合、絶縁膜垂直開
口パターン518の開口側面の傾斜角が75゜であれ
ば、絶縁膜断面Y字型開口パターン521の開口底部5
22の寸法はおよそ30%のオーバーエッチング量によ
っても金属膜開口パターン516の開口底部517の寸
法と寸法変換差10%の範囲内で一致する(図2
(b))。
【0050】従って、本実施例の絶縁膜断面Y字型開口
パターン形成プロセスによれば、絶縁膜断面Y字型開口
パターン形成時に20%のオーバーエッチングを行って
も、金属膜開口パターン516の開口底部寸法とゲート
長を最終的に決定する絶縁膜断面Y字型開口パターン5
21の開口底部寸法を寸法変換差10%の範囲内で一致
させることが可能となり、高い制御性を持って微細ゲー
ト長の形成を実現可能とする。特に、金属開口パターン
516の開口寸法が0.4μmより小さな領域において
は、開口パターン寸法が小さくなるに従い、絶縁膜のエ
ッチングレートが遅くなる(マイクロローディング効
果)ので、絶縁膜のエッチング深さの制御が困難とな
る。この際にはオーバーエッチングに対する開口寸法の
変動許容範囲を広げる本手法が寸法制御に有効である。
【0051】また、ここで絶縁膜テーパ開口パターン5
20を転写する際、形成する絶縁膜断面Y字型開口パタ
ーン521の垂直開口部分523の開口底部寸法と垂直
開口部分523の高さのアスペクト比(垂直開口部分5
23の開口底部522の寸法/垂直開口部分523の高
さ)を“2”以下とすることでゲート金属524が断線
せずに埋め込み可能となり、さらにアスペクト比を
“1”以下とすることでゲート形成の歩留りが向上す
る。この時の異方性を有する第三のドライエッチングの
エッチング時間と絶縁膜断面Y字型開口パターン521
の開口底部522の寸法、および絶縁膜断面Y字型開口
パターン521の垂直開口部分523の開口底部522
の寸法と垂直開口部分523の高さのアスペクト比の関
係を図6に示す。
【0052】ついで、図5(f)に示すように転写され
た絶縁膜断面Y字型開口パターン521をゲート金属5
24で覆い、図5(g)に示すように第二のフォトレジ
スト525を塗布形成し、図5(h)に示すようにネガ
型レジスト形状525をパターニングすることで絶縁膜
断面Y字型開口パターン521を遮蔽し、遮蔽したネガ
型レジスト形状526をエッチングマスクとしてドライ
あるいはウェットエッチングプロセスによりゲート金属
524、および、絶縁膜テーパ開口パターン520を転
写した後に残膜した金属膜512を絶縁膜511が露呈
されるまでエッチング除去する。ついで、図5(i)に
示すように残存したネガ型レジスト形状526を、例え
ば酸素プラズマアッシング処理および有機洗浄により除
去することで100nmのゲート長を有する断面Y字型
ショットキーゲート電極527が形成可能となる。
【0053】
【実施例1】次に、第2の実施の形態の一実施例を図5
(a)〜(i)の図面を参照して説明する。図5(a)
に示すように半導体基板510上に、厚さ300nmに
成膜された絶縁膜511の上に、例えばスパッタ蒸着に
よるWSi金属膜512を300nm堆積し、さらに、
エッチングマスクとして用いる電子線露光用レジスト5
13を、厚さ300nmに塗布形成する。ついで、図5
(b)に示すように金属膜512の一部を露呈し、開口
寸法が100nmとなるレジスト開口パターン514を
電子線露光により形成する。
【0054】ついで、図5(c)に示すように開口パタ
ーン514をもつレジストをエッチングマスクとして、
例えばSF6 ガスを用いた異方性を有する第一のドライ
エッチングプロセスにより絶縁膜511の一部を露呈し
た金属膜開口パターン516を金属膜512に転写す
る。この時、第一のドライエッチングが異方性を有する
ことによりレジスト開口パターン514の開口底部51
5の寸法と金属膜開口パターン516の開口底部517
の寸法は一致する。
【0055】ついで、金属膜512上に残膜した電子線
露光用レジスト513を、例えば酸素プラズマアッシン
グ処理および有機洗浄により除去し、図5(d)に示し
たように金属膜512で形成された金属膜開口パターン
516をエッチングマスクとして絶縁膜511より金属
膜512の方がエッチング速度が遅くなる異方性を有す
る第二のドライエッチングプロセス、例えば炭素(C)
とフッ素(F)原子を含む分子で構成されるガス(例え
ば、CF4 、C2 4 、CHF3 など)を用いた反応性
イオンエッチング(RIE)により開口側面の傾斜角が
75〜90゜となる絶縁膜垂直開口パターン518を、
半導体基板510上に成膜された絶縁膜511の膜厚中
で半導体基板510から該絶縁膜垂直開口パターン51
8の開口底部519の寸法の2倍以下のエッチング深さ
まで転写する。この時、転写された絶縁膜垂直開口パタ
ーン518の開口底部519の寸法は、第二のドライエ
ッチングが異方性を有するために金属膜開口パターン5
16の開口底部517の寸法と一致する。
【0056】ついで、図5(e)に示すように第二のド
ライエッチングで成膜した金属膜512をエッチングマ
スクとして、絶縁膜511と金属膜512のエッチング
速度が同等もしくは金属膜512の方がエッチング速度
が速く、かつ、異方性を有する第三のドライエッチン
グ、例えばSF6 ガスを用いた電子サイクロトロン共鳴
(ECR)プラズマエッチングにより開口側面の傾斜角
が45〜75゜となる絶縁膜テーパ開口パターン520
を第二のドライエッチングプロセスで形成された絶縁膜
垂直開口パターン518の側面と第三のドライエッチン
グプロセスで形成された絶縁膜テーパ開口パターン52
0の側面が交差する位置が半導体基板510・絶縁膜5
11界面から測定して絶縁膜垂直開口パターン518の
開口底部519の寸法の2倍以下であり、かつ、0倍よ
り大きくなる位置まで転写する。この時、第二のドライ
エッチングにより形成された絶縁膜垂直開口パターン5
18の開口底部519は半導体基板510の一部を露呈
するまでエッチングされ、転写された絶縁膜開口形状の
断面パターンはY字型となり、絶縁膜断面Y字型開口パ
ターン521が形成される。
【0057】この時、第三のドライエッチングが異方性
を有することにより、絶縁膜断面Y字型開口パターン5
21の開口底部寸法は、開口底部522が半導体基板5
10に到達するまでは広がらず、この後、エッチング深
さ方向に対するオーバーエッチング量に依存して開口寸
法は増大する。また、この際のオーバーエッチング量と
は残膜厚150nmをジャストエッチングした後の追加
エッチング量を意味し、この時のオーバーエッチング量
は0%であり、エッチング量150nmを100%と換
算した値をオーバーエッチング量の割合と定義する。こ
のオーバーエッチング量に対する絶縁膜開口寸法の増加
量の関係を表すのが図2(a)および(b)である。
【0058】例えば、本実施例においては絶縁膜垂直開
口パターン518の開口底部519の寸法が100nm
であり、絶縁膜垂直開口パターン518の開口底部51
9から半導体基板510までの残膜厚が100nmであ
り、かつ、絶縁膜垂直開口パターン518の開口側面の
傾斜角が75゜であることにより、絶縁膜断面Y字型開
口パターン521の開口底部522の寸法は20%のオ
ーバーエッチング量によっても金属膜開口パターン51
6の開口底部517の寸法と寸法変換差10%の範囲内
で一致する。さらに、絶縁膜垂直開口パターン516の
開口側面の傾斜角が限りなく90゜に近づくことで、絶
縁膜断面Y字型開口パターン521の開口底部522の
寸法と金属膜開口パターン516の開口底部517の寸
法を寸法変換差10%の範囲内で一致させるオーバーエ
ッチングの範囲を広げることが可能となる(図2
(a))。
【0059】また、絶縁膜垂直開口パターン516の開
口底部517の寸法が150nmの場合、絶縁膜垂直開
口パターン516の開口側面の傾斜角が75゜であれ
ば、絶縁膜断面Y字型開口パターン521の開口底部5
22の寸法はおよそ30%のオーバーエッチング量によ
っても金属膜開口パターン516の開口底部517の寸
法と寸法変換差10%の範囲内で一致する(図2
(b))。
【0060】従って、本実施例の絶縁膜断面Y字型開口
パターン形成プロセスによれば、絶縁膜断面Y字型開口
パターン形成時に20%のオーバーエッチングを行って
も、金属膜開口パターン516の開口底部517の寸法
とゲート長を最終的に決定する絶縁膜断面Y時型開口パ
ターン521の開口底部522の寸法を寸法変換差10
%の範囲内で一致させることが可能となり、高い制御性
を持って微細ゲート長の形成を実現可能とする。特に、
金属開口パターン516の開口寸法が0.4μmより小
さな領域においては、開口パターン寸法が小さくなるに
従い、絶縁膜のエッチングレートが遅くなる(マイクロ
ローディング効果)ので、絶縁膜のエッチング深さの制
御が困難となる。この際にはオーバーエッチングに対す
る開口寸法の変動許容範囲を広げる本手法が寸法制御に
有効である。
【0061】また、ここで絶縁膜テーパ開口パターン5
20を転写する際、形成する絶縁膜断面Y字型開口パタ
ーン521の垂直開口部分523の開口底部522の寸
法と垂直開口部分523の高さのアスペクト比(垂直開
口部分523の開口底部522の寸法/垂直開口部分5
23の高さ)を“2”以下とすることでゲート金属52
4が断線せずに埋め込み可能となり、さらにアスペクト
比を“1”以下とすることでゲート形成の歩留りが向上
する。この時の異方性を有する第三のドライエッチング
のエッチング時間と絶縁膜断面Y字型開口パターン52
1の開口底部522の寸法、および絶縁膜断面Y字型開
口パターン521の垂直開口部分523の開口底部寸法
522と垂直開口部分523の高さのアスペクト比の関
係を図6に示す。
【0062】ついで、図5(f)に示すように転写され
た絶縁膜断面Y字型開口パターン521を、例えばスパ
ッタ蒸着法によりWSi/Auで構成されるゲート金属
524で埋め込み、図5(g)に示すようにi線露光用
レジスト525を、厚さ1μmに塗布形成する。次に図
5(h)に示すように、例えばi線露光により残し寸法
800nmのネガ型レジスト形状526で絶縁膜断面Y
字型開口パターン521を遮蔽し、遮蔽したネガ型レジ
スト形状526をエッチングマスクとしてドライエッチ
ングプロセスによりゲート金属524、および、絶縁膜
テーパ開口パターン520を転写した後に残膜した金属
膜512を絶縁膜511が露呈されるまでエッチング除
去し、ついで、図5(i)に示すように残存したネガ型
レジスト形状526を、例えば酸素プラズマアッシング
処理および有機洗浄により除去することで100nmの
ゲート長を有する断面Y字型ショットキーゲート電極5
27が形成可能となる。
【0063】本実施例においては、絶縁膜511に酸化
膜を用いた例を示したが、例えば窒化膜、窒化酸化膜を
用いることも可能である。
【0064】本実施例においては、金属膜512にWS
i膜を用いたが、例えばWSiN、W膜を用いることも
可能である。
【0065】本実施例においては、エッチングマスクに
電子線露光用レジスト513を用いたが、例えばi線露
光用レジストを用いることで、i線露光および現像によ
り400nmの開口寸法を有する開口パターン514が
形成可能となり、上記と同様なゲート形成プロセスによ
り400nmのゲート長を有する断面Y字型ショットキ
ーゲート電極527が形成可能となる。
【0066】本実施例においては、エッチングマスクに
電子線露光用レジスト513を用いたが、例えばKrF
露光用レジストあるいはArF露光用レジストを用いる
ことで、ArF露光あるいはArF露光および現像によ
り200nmの開口寸法を有する開口パターン514が
形成可能となり、上記と同様なゲート形成プロセスによ
り200nmのゲート長を有する断面Y字型ショットキ
ーゲート電極517が形成可能となる。
【0067】本実施例においては、絶縁膜垂直開口パタ
ーン518を形成するための異方性を有するドライエッ
チング装置として反応性イオンエッチング(RIE)を
用いたが、例えばマグネトロン反応性イオンエッチング
(MIE)、電子サイクロトロン共鳴(ECR)、誘導
結合型プラズマ(ICP)、などのエッチング装置を用
いることも可能である。
【0068】本実施例においては、絶縁膜テーパ開口パ
ターン520を形成するための異方性を有するドライエ
ッチング装置として電子サイクロトロン共鳴(ECR)
を用いたが、例えばマグネトロン反応性イオンエッチン
グ(MIE)、反応性イオンエッチング(RIE)、誘
導結合型プラズマ(ICP)、などのエッチング装置を
用いることも可能である。
【0069】本実施例においてはゲート金属をY字型に
残すためのレジストマスクとしてi線露光用レジスト5
25(図5(g))を用いたが、例えばg線露光用レジ
スト、電子線露光用レジストなどを用いることも可能で
ある。
【0070】
【第3の実施の形態】本発明の第3の実施の形態を説明
する。第1の実施の形態と同じ工程により図1(h)に
示した断面Y字型ショットキーゲート電極124を形成
し、ついで図7(a)に示すように断面Y字型ショット
キーゲート電極124と半導体基板110に挟まれた絶
縁膜111をエッチング除去することで断面Y字型ショ
ットキーゲート電極710が形成可能となる。
【0071】
【実施例1】次に、第3の実施の形態の一実施例を説明
する。第1の実施の形態の実施例1と同じ工程により図
1(h)に示した断面Y字型ショットキーゲート電極1
24を形成し、ついで図7(a)に示すように断面Y字
型ショットキーゲート電極124と半導体基板110に
挟まれた絶縁膜111を、例えば弗化水素酸処理により
エッチング除去することで、寄生容量が低減された高周
波特性において遮断周波数および最大遮断周波数の高い
特性を有する断面Y字型ショットキーゲート電極710
が形成可能となる。
【0072】
【第4の実施の形態】本発明の第4の実施の形態を説明
する。第2の実施の形態と同じ工程により図5(i)に
示した断面Y字型ショットキーゲート電極527を形成
する。ついで図8(a)に示すように断面Y字型ショッ
トキーゲート電極527と半導体基板510に挟まれた
絶縁膜511をエッチング除去することで断面Y字型シ
ョットキーゲート電極810が形成可能となる。
【0073】
【実施例1】次に、第4の実施の形態の一実施例を説明
する。第2の実施の形態の実施例1と同じ工程により図
5(i)に示した断面Y字型ショットキーゲート電極5
27を形成する。ついで図8(a)に示すように断面Y
字型ショットキーゲート電極527と半導体基板510
に挟まれた絶縁膜511を、例えば弗化水素酸処理によ
りエッチング除去することで、寄生容量が低減された高
周波特性において遮断周波数および最大遮断周波数の高
い特性を有する断面Y字型ショットキーゲート電極81
0が形成可能となる。
【0074】
【発明の効果】本発明のゲート電極製造方法では、単一
層の絶縁膜上に形成された微細な開口パターンを有する
単一層のエッチングマスクを介して、エッチングマスク
と絶縁膜のエッチング速度の比が異なる二種類の反応性
イオンエッチングを用いた異方性エッチングプロセスを
を連続で行うことにより、絶縁層に断面開口形状がY字
型となる絶縁膜Y字型酸化膜開口形状を転写し、該絶縁
膜Y字型酸化膜開口形状にゲート電極金属を埋込む工程
により微細ゲート長を有する低抵抗ゲート電極が形成可
能となる。さらに、Y字型酸化膜開口形状の下層部分が
垂直であることによりオーバーエッチングに対して開口
寸法の変動量の小さな酸化膜エッチングが可能である。
すなわち、このゲート形成プロセスでは工程数が低減さ
れた製造方法で、かつ、ドライエッチングにおけるオー
バーエッチング量の許容範囲が広い高制御な酸化膜エッ
チングを可能とし、ひいては再現性の優れたゲート長の
形成が実現可能となる。一方、従来のゲート電極形成に
おいては図9(b)に示されるフォトレジスト27の開
口条件、SiON膜26の反応性イオンエッチングによ
る異方性エッチング条件、さらに図9(c)に示される
ようなSiO2 膜サイドウォール28の堆積条件、反応
性イオンエッチングによる異方性エッチング条件、以上
の多くのプロセス条件を駆使、かつ制御した上でゲート
長が決定できる。
【0075】以上のことより本発明のゲート電極製造方
法によれば、工程数を低減させ、かつ、高制御性を有す
るプロセスにより従来技術と同等のゲート電極が形成可
能となる。さらに、このことは形成されるゲート長のウ
ェハ面内均一性およびロット間にわたる再現性に優れる
効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態、および本発明の第
1の実施の形態の第1の実施例を工程順に示す概略断面
図である。
【図2】異方性を有する第二のドライエッチングでのオ
ーバーエッチング量による絶縁膜Y字型開口パターンの
垂直開口部分の開口底部寸法の増加量を絶縁膜垂直開口
パターンの開口側面の傾斜角依存を示した図である。
【図3】異方性を有する第二のドライエッチングのエッ
チング時間と絶縁膜Y字型開口パターンの開口底部寸
法、および絶縁膜断面Y字型開口パターンの垂直開口部
分の開口底部寸法と垂直開口部分の高さのアスペクト比
の関係を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態の第1の実施例を工
程順に示す概略断面図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態、および第2の実施
の形態の第1の実施例を工程順に示す概略断面図であ
る。
【図6】異方性を有する第三ドライエッチングのエッチ
ング時間と絶縁膜Y字型開口パターンの開口底部寸法、
および絶縁膜断面Y字型開口パターンの垂直開口部分の
開口底部寸法と垂直開口部分の高さのアスペクト比の関
係を示す図である。
【図7】本発明の第3の実施の形態、および第3の実施
の形態の第1の実施例を工程順に示す概略断面図であ
る。
【図8】従来の第4の実施の形態、および第4の実施の
形態の第1の実施例を工程順に示す概略断面図である。
【図9】従来の実施例を工程順に示す概略断面図であ
る。
【符号の説明】
110 半導体基板 111 絶縁膜 112 第一のフォトレジスト 113 開口パターン 114 開口パターンの開口底部 115 絶縁膜垂直開口パターン 116 絶縁膜垂直開口パターンの開口底部 117 絶縁膜テーパ開口パターン 118 絶縁膜断面Y字型開口パターン 119 絶縁膜断面Y字型開口パターンの垂直開口部分
の開口底部 120 絶縁膜断面Y字型開口パターンの垂直開口部分
の高さ 121 ゲート金属 122 第二のフォトレジスト 123 ネガ型レジスト抵抗 124 断面Y字型ショットキーゲート電極 410 i線露光用レジスト 411 開口パターン 412 ゲート金属 413 断面Y字型ショットキーゲート電極 510 半導体基板 511 絶縁膜 512 金属膜 513 第一のフォトレジスト 514 レジスト開口パターン 515 レジスト開口パターンの開口底部 516 金属膜開口パターン 517 金属膜開口パターンの開口底部 518 絶縁膜垂直開口パターン 519 絶縁膜垂直開口パターンの開口底部 520 絶縁膜テーパ開口パターン 521 絶縁膜断面Y字型開口パターン 522 絶縁膜断面Y字型開口パターンの垂直開口部分
の開口底部 523 絶縁膜断面Y字型開口パターンの垂直開口部分
の高さ 524 ゲート金属 525 第二のフォトレジスト 526 ネガ型レジスト形状 527 断面Y字型ショットキーゲート電極 710 断面Y字型ショットキーゲート電極 810 断面Y字型ショットキーゲート電極 21 半絶縁性GaAs基板 22 GaAsバッファ層 23a、23b n−GaAs層 24a、24b n−AlGaAs層 25 n+ −GaAs層 26 SiON膜 27 フォトレジスト 28 SiO2 膜サイドウォール 29 ゲート金属(Ti/Pt/Au) 30 オーミック電極(AuGe/Ni/Au)
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−172028(JP,A) 特開 平1−7572(JP,A) 特開 平2−238636(JP,A) 特開 平7−183315(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/338 H01L 29/812 H01L 21/28 H01L 21/44 H01L 29/40

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】半導体基板上に形成した絶縁膜に開口形状
    を形成し、該絶縁膜開口形状にゲート電極金属を埋め込
    む電極形成方法において、形成された絶縁膜開口形状の
    断面パターンを上層部分と下層部分でパターン開口側面
    の傾斜角の相違する二種類の開口パターンを形成する際
    に、エッチングマスクを介して異方性を有する第一のド
    ライエッチングプロセスと第二のドライエッチングプロ
    セスを順次に行い、断面パターンがY字型となるよう形
    することを特徴とするゲート電極の形成方法。
  2. 【請求項2】第一のドライエッチングプロセスでは、パ
    ターン開口側面の傾斜角が75〜90゜となる絶縁膜開
    口形状を転写し、第二のドライエッチングプロセスで
    は、第一のドライエッチングプロセスで残膜したエッチ
    ングマスクを用いて、パターン開口側面の傾斜角が45
    〜70゜となる絶縁膜開口形状を転写することで、断面
    パターンがY字型となるよう形成することを特徴とする
    請求項1記載のゲート電極形成方法。
  3. 【請求項3】エッチングマスクが有機レジスト膜である
    ことを特徴とする請求項1または2記載のゲート電極の
    形成方法。
  4. 【請求項4】エッチングマスクが金属膜であることを特
    徴とする請求項1または2記載のゲート電極の形成方
    法。
  5. 【請求項5】請求項1に記載の異方性を有するドライエ
    ッチングプロセスにおける第一のドライエッチングプロ
    セスでは、エッチングマスクの絶縁膜に対するエッチン
    グ速度の選択比が1以下となるエッチング条件を用い
    て、パターン開口側面の傾斜角が75〜90゜となる絶
    縁膜開口形状を転写し、この際該絶縁膜開口形状のエッ
    チング深さが、半導体基板上に堆積された絶縁膜におけ
    るエッチングマスク界面から、該絶縁膜開口形状の開口
    底部寸法の2倍以下のエッチング深さであることを特徴
    とする請求項1記載のゲート電極の形成方法。
  6. 【請求項6】請求項1に記載の異方性を有するドライエ
    ッチングプロセスにおける第二のドライエッチングプロ
    セスでは、エッチングマスクの絶縁膜に対するエッチン
    グ速度の選択比が1以上となるエッチング条件により、
    この時のエッチングマスクは第一のドライエッチングプ
    ロセスで残膜したエッチングマスクを用いて、パターン
    開口側面の傾斜角が45〜70゜となる絶縁膜開口形状
    を転写し、第一のドライエッチングプロセスで形成され
    た75〜90゜の側面と第二のドライエッチングプロセ
    スで形成された45〜70゜の側面が交差する位置が半
    導体・絶縁膜界面から測定して開口底部寸法の2倍以下
    であり、かつ、0倍より大きいことを特徴とする請求項
    1記載のゲート電極の形成方法。
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