JP3126617B2 - 高強度コンクリート組成物 - Google Patents

高強度コンクリート組成物

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JP3126617B2 JP3339995A JP3339995A JP3126617B2 JP 3126617 B2 JP3126617 B2 JP 3126617B2 JP 3339995 A JP3339995 A JP 3339995A JP 3339995 A JP3339995 A JP 3339995A JP 3126617 B2 JP3126617 B2 JP 3126617B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はコンクリート混和剤に関
する。更に詳しくは、セメントペースト、モルタル及び
コンクリート等の水硬性組成物の流動性を発現させ、硬
化時間を遅延させないコンクリート混和剤に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】コンク
リート混和剤の中で、流動効果の大きい代表的なもの
に、ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物 (以
下ナフタレン系と称す) 、メラミンスルホン酸ホルムア
ルデヒド縮合物 (以下メラミン系と称す) 、ポリカルボ
ン酸塩 (以下ポリカルボン酸系と称す) 等の高性能減水
剤と呼ばれているものがある。
【0003】これらの混和剤はそれぞれ優れた特徴もあ
る反面、問題点を有している。例えばナフタレン系やメ
ラミン系は硬化特性に優れるものの流動保持性 (スラン
プロスと称す) に問題点を有し、ポリカルボン酸系は硬
化遅延が大きいという問題点を抱えている。
【0004】近年、優れた流動性を発現するポリカルボ
ン酸系の開発により、低添加量で分散性を得ることが可
能となり、硬化遅延が改善されつつある。例えば、不飽
和結合を有するポリアルキレングリコールモノエステル
系単量体とアクリル酸系及び/又は不飽和ジカルボン酸
系単量体との共重合物類 (特公昭59-18338号、特公平2-
78978 号、特公平2-7898号、特公平2-7901号、特公平2-
11542 号、特開平3-75252 号、特開昭59-162163 号) 等
の水溶性ビニル共重合体が挙げられる。
【0005】しかしながら、これらのアルキレン鎖を持
つポリカルボン酸系においても、添加量が多く必要な高
強度領域においては解決されておらず、コンクリート打
設面の仕上げ工程の遅れや型枠の脱型が大幅に遅れるこ
とから解決が望まれている。
【0006】更に詳しくは、従来、オキシアルキレン基
を有する水溶性ビニル共重合体の優れた分散機構はオキ
シアルキレン鎖のグラフト構造が立体障壁となり、粒子
の付着を抑制する分散機構と推察されている。そして、
このオキシアルキレン基について前述の共重合物特許は
エチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドのモル
数を2〜100 モルと規定している。しかしながら、これ
らの公知特許の実施例においてはエチレンオキシドの23
モル付加が上限 (特公昭59-18338) であり23〜100 モル
については何ら言及されておらず、しかも、硬化遅延性
とアルキレン基との関係については触れられていない。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、オキシア
ルキレン基の鎖長について種々検討した結果、ある特定
領域の鎖長 (付加モル数50〜100)範囲において、分散性
はナフタレン系よりも優れ、硬化時間は従来のオキシア
ルキレン基を有する水溶性ビニル共重合体に比べ、飛躍
的に改善されることを見出した。
【0008】即ち、本発明は、下記の一般式(A) で表さ
れる単量体(a) と下記の一般式(B)及び(C) で表される
化合物の中から選ばれる1種以上の単量体(b) とを重合
して得られる共重合体を必須成分とするコンクリート混
和剤に関する。
【0009】
【化3】
【0010】(式中、R1,R2 :水素、メチル基 m1 :0〜2の整数 AO :炭素数2〜3のオキシアルキレン基 n :50〜100 の整数 X :水素又は炭素数1〜3のアルキル基 を表す。)
【0011】
【化4】
【0012】(式中、R3〜R5:水素、メチル基、(CH2)m
2COOM2 R6 :水素、メチル基 M1,M2,Y:アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニ
ウム又はアルキルアンモニウム m2 :0〜2の整数 を表す。)本発明を凝結機構から考察すれば、オキシア
ルキレン基の鎖長が50〜100 モルの限定領域において、
セメントの水和反応が阻害されることなく進行するもの
と考察される。即ち、オキシアルキレン基の鎖長が50モ
ル未満の領域では、混和剤構造中のカルボキシル基量が
多く、カルシウムキレートによる水和反応の遅れが生
じ、また、オキシアルキレン基の鎖長が 100モルを超え
ると、セメント表面に吸着した混和剤のオキシアルキレ
ン基鎖部分に水が強く束縛され、セメントとの水和反応
を阻害しているものと推察する。
【0013】更に、本発明においては、オキシアルキレ
ン基の鎖長が60〜90モルの範囲が特に硬化特性に優れる
ものである。
【0014】本発明において、一般式(A) で表される単
量体(a) としては、メトキシポリエチレングリコール、
メトキシポリプロピレングリコール、メトキシポリエチ
レンポリプロピレングリコール、エトキシポリエチレン
グリコール、エトキシポリプロピレングリコール、エト
キシポリエチレンポリプロピレングリコール、プロポキ
シポリエチレングリコール、プロポキシポリプロピレン
グリコール、プロポキシポリエチレンポリプロピレング
リコール等の片末端アルキル封鎖ポリアルキレングリコ
ールと (メタ) アクリル酸又は脂肪酸の脱水素 (酸化)
反応物とのエステル化物や (メタ) アクリル酸又は脂肪
酸の脱水素 (酸化) 反応物へのエチレンオキシド、プロ
ピレンオキシド付加物が用いられる。ポリアルキレング
リコールの付加モル数が50〜100 好ましくは60〜90であ
り、エチレンオキシド、プロピレンオキシドの両付加物
については、ランダム付加、ブロック付加、交互付加等
のいずれでも用いることができる。
【0015】また、一般式(B) で表される化合物として
は、アクリル酸系単量体として、アクリル酸、メタクリ
ル酸及びクロトン酸、並びにこれらのアルカリ金属塩、
アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩及びアミン塩等が
挙げられる。また、不飽和ジカルボン酸系単量体とし
て、無水マレイン酸、マレイン酸、無水イタコン酸、イ
タコン酸、無水シトラコン酸、シトラコン酸及びフマル
酸、並びにこれらのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属
塩、アンモニウム塩及びアミン塩等が使用される。
【0016】一般式(C) で表される化合物としては、ア
リルスルホン酸及びメタリルスルホン酸、並びにこれら
のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム
塩及びアミン塩等が使用される。
【0017】本発明における共重合体を構成する単量体
(a) 、単量体(b) の反応単位が単量体(a)/単量体(b) =
1/99〜80/20(モル比) の範囲が特に硬化時間が早く、優
れる。1/99よりも小さい場合、80/20 よりも大きい場合
は分散性が低下して好ましくない。
【0018】更に、本発明における共重合体は、本発明
の効果を損なわない範囲内で他の共重合可能な単量体を
反応させてもよい。例えば、アクリロニトリル、アクリ
ル酸エステル、アクリルアミド、メタクリルアミド、ス
チレン、スチレンスルホン酸等が挙げられる。
【0019】本発明における重合体の製造方法は公知の
方法で製造することができる。例えば、特開昭59-16216
3 号、特公平2-11542 号、特公平2-7901号、特公平2-78
97号公報等に記載の方法が挙げられる。
【0020】溶液重合に用いられる溶剤としては、水、
メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルア
ルコール、ベンゼン、トルエン、キシレン、シクロヘキ
サン、n−ヘキサン、脂肪族炭化水素、酢酸エチル、ア
セトン、メチルエチルケトン等が挙げられる。取扱いと
反応設備から考慮すると水および炭素数1〜4のアルコ
ールが好ましい。
【0021】水系の溶液重合には、アンモニウムまたは
アルカリ金属の過硫酸塩あるいは過酸化水素等の水溶性
重合開始開始剤が使用される。また、水系以外の溶液重
合にはベンゾイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシ
ド等が重合開始剤として使用される。
【0022】尚、重合開始剤と併用して、亜硫酸水素ナ
トリウム、メルカプトエタノールやアミン化合物等を促
進剤として使用することも可能であり、これら重合開始
剤あるいは促進剤を適宜選択して用いることができる。
【0023】本発明における共重合体の重量平均分子量
(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法/ポリス
チレンスルホン酸換算) は 1,000〜500,000 の範囲が良
く、5,000〜100,000 の範囲がより分散性に好ましい。
重量平均分子量が大きすぎると分散性が充分でなく、ま
た、重量平均分子量が小さすぎるとスランプ保持性が低
下傾向を示すことから、混和剤として用いることは適当
ではない。
【0024】更に、本発明のコンクリート混和剤は公知
のセメント混和剤と併用することが可能である。公知の
セメント混和剤の一例を挙げれば、ナフタレンスルホン
酸塩ホルムアルデヒド縮合物、メラミンスルホン酸塩ホ
ルムアルデヒド縮合物、リグニンスルホン酸塩、フェノ
ール・スルファニル酸塩ホルムアルデヒド縮合物、及び
(メタ) アクリル酸・ (メタ) アクリル酸エステル共重
合物塩の中から選ばれる1種以上が挙げられる。添加量
としては、セメントに対して0.01〜0.5 重量%(固形分)
が好ましい。
【0025】また、本発明のコンクリート混和剤のコン
クリートへの添加量はセメントに対して0.05〜1.0 重量
% (固形分) が好ましく、 0.1〜0.5 重量% (固形分)
がより好ましい。
【0026】尚、本発明のコンクリート混和剤は公知の
添加剤 (材) と併用することができる。例えば、AE剤、
AE減水剤、流動化剤、高性能減水剤、遅延剤、早強剤、
促進剤、起泡剤、発泡剤、消泡剤、増粘剤、防水剤、防
泡剤や珪砂、高炉スラグ、フライアッシュ、シリカヒュ
ーム等が挙げられる。
【0027】さらに本発明のコンクリート混和剤は水硬
性のセメント類を組成とするセメントペーストやモルタ
ル、コンクリート等に添加するものであり、その内容に
ついて限定されるものではない。
【0028】
【実施例】以下、本発明を具体的に説明するが、本発明
はこれらの実施例に限定されるものではない。尚、以下
の例における「%」は、特にことわりのない限り、「重
量%」である。
【0029】重合に使用した単量体(a) の内容と記号及
び単量体(a) の比較例の内容と記号を以下に示す。但
し、EOはエチレンオキシド、POはプロピレンオキシドを
表す。 〈単量体(a) の内容〉 A−1:メトキシポリエチレングリコールメタクリル酸
エステル (EO付加モル数=53) A−2:メトキシポリエチレングリコールアクリル酸エ
ステル (EO付加モル数=75) A−3:メトキシポリエチレングリコールメタクリル酸
エステル (EO付加モル数=95) A−4:アクリル酸EO付加物 (EO付加モル数=60) A−5:アクリル酸PO・EO付加物 (PO付加モル数=5、
EO付加モル数=70のブロック付加物) A−6:アクリル酸PO・EO付加物 (PO付加モル数=10、
EO付加モル数=60のランダム付加物) A−7:メトキシポリエチレングリコールメタクリル酸
エステル (EO付加モル数=90) 〈単量体(a) の比較例の内容〉 A−8:メトキシポリエチレングリコールメタクリル酸
エステル (EO付加モル数=23) A−9:メトキシポリエチレングリコールメタクリル酸
エステル (EO付加モル数=122) 以下に共重合体の製造例を示す。 製造例1 (混和剤の記号AB−1) 攪拌機付き反応容器に水70モルを仕込み、攪拌しながら
窒素置換し、窒素雰囲気中で75℃まで昇温した。A−1
を 0.7モル、メタクリル酸を 0.3モル (モル比=3/7)、
水を30モル混合溶解したものと20%過硫酸アンモニウム
水溶液0.01モル及び2−メルカプトエタノール6gの3
者をそれぞれ同時に反応系に2時間かけて滴下する。次
に20%過硫酸アンモニウム水溶液0.03モルを30分かけて
滴下し、1時間同温度 (75℃) で熟成する。熟成後95℃
に昇温して、35%過酸化水素18gを1時間かけて滴下
し、2時間同温度 (95℃) で熟成する。熟成終了後、48
%水酸化ナトリウム0.21モルを加えて中和、分子量25,0
00の共重合体を得た。
【0030】製造例2 (混和剤の記号AB−2) 攪拌機付き反応容器に水30モルを仕込み、攪拌しながら
窒素置換し、窒素雰囲気中で75℃まで昇温した。A−2
を 0.3モル、アクリル酸ナトリウムを 0.7モル(モル比
=3/7)、水を15モル混合溶解したものと20%過硫酸アン
モニウム水溶液0.01モル及び2−メルカプトエタノール
5gの3者をそれぞれ同時に反応系に2時間かけて滴下
する。次に20%過硫酸アンモニウム水溶液0.03モルを30
分かけて滴下し、1時間同温度 (75℃) で熟成する。熟
成後95℃に昇温して、35%過酸化水素15gを1時間かけ
て滴下し、2時間同温度 (95℃) で熟成する。熟成終了
後、10%水酸化ナトリウムを加えてpH8に調整し、分子
量42,000の共重合体を得た。
【0031】製造例3 (混和剤の記号AB−3) 攪拌機付き反応容器に水5モルを仕込み、攪拌しながら
窒素置換し、窒素雰囲気中で75℃まで昇温した。A−3
を0.02モル、マレイン酸モノナトリウムを0.98モル (モ
ル比=2/98) 、水を5モル混合溶解したものと20%過硫
酸アンモニウム水溶液0.01モル及び2−メルカプトエタ
ノール3gの3者をそれぞれ同時に反応系に2時間かけ
て滴下する。次に20%過硫酸アンモニウム水溶液0.03モ
ルを30分かけて滴下し、1時間同温度 (75℃) で熟成す
る。熟成後95℃に昇温して、35%過酸化水素15gを1時
間かけて滴下し、2時間同温度 (95℃) で熟成する。熟
成終了後、10%水酸化ナトリウムを加えてpH8に調整
し、分子量55,000の共重合体を得た。
【0032】製造例4 (混和剤の記号AB−4) 攪拌機付き反応容器に水20モルを仕込み、攪拌しながら
窒素置換し、窒素雰囲気中で75℃まで昇温した。A−4
を 0.2モル、アクリル酸を 0.7モル、アリルスルホン酸
0.1モル (モル比=2/7/1)、水を10モル混合溶解したも
のと20%過硫酸アンモニウム水溶液0.01モル及び2−メ
ルカプトエタノール6gの3者をそれぞれ同時に反応系
に2時間かけて滴下する。次に20%過硫酸アンモニウム
水溶液0.03モルを30分かけて滴下し、1時間同温度 (75
℃) で熟成する。熟成後95℃に昇温して、35%過酸化水
素18gを1時間かけて滴下し、2時間同温度 (95℃) で
熟成する。熟成終了後、48%水酸化ナトリウム 0.5モル
を加えて中和、分子量 9,500の共重合体を得た。
【0033】製造例5 (混和剤の記号AB−5) 攪拌機付き反応容器に水10モルを仕込み、攪拌しながら
窒素置換し、窒素雰囲気中で75℃まで昇温した。A−5
を 0.1モル、アクリル酸を 0.8モル、メタリルスルホン
酸 0.1モル (モル比=1/8/1)、水を10モル混合溶解した
ものと20%過硫酸アンモニウム水溶液0.01モル及び2−
メルカプトエタノール5gの3者をそれぞれ同時に反応
系に2時間かけて滴下する。次に20%過硫酸アンモニウ
ム水溶液0.03モルを30分かけて滴下し、1時間同温度
(75℃) で熟成する。熟成後95℃に昇温して、35%過酸
化水素15gを1時間かけて滴下し、2時間同温度 (95
℃) で熟成する。熟成終了後、48%水酸化ナトリウム
0.6モルを加えて中和、分子量14,000の共重合体を得
た。
【0034】製造例6 (混和剤の記号AB−6) 攪拌機付き反応容器に水70モルを仕込み、攪拌しながら
窒素置換し、窒素雰囲気中で75℃まで昇温した。A−6
を 0.3モル、メタクリル酸を 0.7モル (モル比=3/7)、
水を30モル混合溶解したものと20%過硫酸アンモニウム
水溶液0.01モル及び2−メルカプトエタノール3gの3
者をそれぞれ同時に反応系に2時間かけて滴下する。次
に20%過硫酸アンモニウム水溶液0.03モルを30分かけて
滴下し、1時間同温度 (75℃) で熟成する。熟成後95℃
に昇温して、35%過酸化水素15gを1時間かけて滴下
し、2時間同温度 (95℃) で熟成する。熟成終了後、48
%水酸化ナトリウム0.21モルを加えて中和、分子量95,0
00の共重合体を得た。
【0035】製造例7 (混和剤の記号AB−7) 攪拌機付き反応容器に水80モルを仕込み、攪拌しながら
窒素置換し、窒素雰囲気中で75℃まで昇温した。A−7
を 0.3モル、メタクリル酸を 0.7モル (モル比=3/7)、
水を42モル混合溶解したものと20%過硫酸アンモニウム
水溶液0.01モル及び2−メルカプトエタノール5gの3
者をそれぞれ同時に反応系に2時間かけて滴下する。次
に20%過硫酸アンモニウム水溶液0.03モルを30分かけて
滴下し、1時間同温度 (75℃) で熟成する。熟成後95℃
に昇温して、35%過酸化水素25gを1時間かけて滴下
し、2時間同温度 (95℃) で熟成する。熟成終了後、48
%水酸化ナトリウム0.21モルを加えて中和、分子量57,0
00の共重合体を得た。
【0036】比較製造例8 (混和剤の記号AB−8) 攪拌機付き反応容器に水10モルを仕込み、攪拌しながら
窒素置換し、窒素雰囲気中で75℃まで昇温した。A−8
を 0.3モル、メタクリル酸を 0.7モル (モル比=3/7)、
水を10モル混合溶解したものと20%過硫酸アンモニウム
水溶液0.01モル及び2−メルカプトエタノール6gの3
者をそれぞれ同時に反応系に2時間かけて滴下する。次
に20%過硫酸アンモニウム水溶液0.03モルを30分かけて
滴下し、1時間同温度 (75℃) で熟成する。熟成後95℃
に昇温して、35%過酸化水素18gを1時間かけて滴下
し、2時間同温度 (95℃) で熟成する。熟成終了後、48
%水酸化ナトリウム0.21モルを加えて中和、分子量35,0
00の共重合体を得た。
【0037】比較製造例9 (混和剤の記号AB−9) 攪拌機付き反応容器に水12モルを仕込み、攪拌しながら
窒素置換し、窒素雰囲気中で75℃まで昇温した。A−9
を0.05モル、メタクリル酸を0.95モル (モル比=5/95)
、水を10モル混合溶解したものと20%過硫酸アンモニ
ウム水溶液0.01モル及び2−メルカプトエタノール5g
の3者をそれぞれ同時に反応系に2時間かけて滴下す
る。次に20%過硫酸アンモニウム水溶液0.03モルを30分
かけて滴下し、1時間同温度 (75℃) で熟成する。熟成
後95℃に昇温して、35%過酸化水素15gを1時間かけて
滴下し、2時間同温度 (95℃) で熟成する。熟成終了
後、48%水酸化ナトリウム0.21モルを加えて中和、分子
量65,000の共重合体を得た。
【0038】実施例に使用した公知のセメント混和剤の
内容と記号を以下に示す。 混和剤の記号NS:ナフタレン系混和剤 (マイテイ150
; 花王(株)製) 混和剤の記号MS:メラミン系混和剤 (マイテイ150V-
2;花王(株)製) 混和剤の記号AA: (メタ) アクリル酸・ (メタ) アク
リル酸エステル共重合物塩 (マイテイ2000WHZ ;花王
(株)製) 。
【0039】〈コンクリート混和剤としての評価〉コン
クリートの配合条件を表1に示す。
【0040】
【表1】
【0041】コンクリートの製造は、表1に示すコンク
リート配合により、材料と混和剤を傾胴ミキサーで 25r
pm×3分間混練りして調整した。流動性 (スランプ値)
と硬化時間を測定した結果を表2に示す。尚、スランプ
値はJIS-A1101 法に準じて測定し、コンクリートの硬化
時間は、ASTM-C-403法に準じて測定した。
【0042】
【表2】
【0043】〈評価結果〉表2で明らかなように、本発
明のコンクリート混和剤は比較品に比べて流動性に優
れ、硬化時間が早い。
【0044】
【発明の効果】本発明によるコンクリート混和剤をセメ
ント組成物に添加すれば、仕上げ工程から型枠の脱型時
間の遅れがなくなることから、工事スケジュールの管理
が容易となる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI // C08F 220/04 C08F 220/04 222/02 222/02 290/06 290/06 C04B 103:32 (72)発明者 下田 政朗 和歌山県和歌山市楠本1−87 (56)参考文献 特開 平5−213644(JP,A) 特開 平7−53249(JP,A) 特開 平7−53645(JP,A) 特開 平6−92704(JP,A) 特開 平6−92703(JP,A) 特開 平6−100347(JP,A) 特開 平6−64956(JP,A) 特公 平2−7901(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C04B 28/00 - 28/08 C04B 24/26 C04B 24:26 C04B 103:32

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 片末端アルキル封鎖ポリアルキレングリ
    コールと (メタ) アクリル酸とのエステル化で得られ
    記の一般式(A) で表される単量体(a) と、下記の一般式
    (B)及び(C) で表される化合物の中から選ばれる1種以
    上の単量体(b)とを重合して得られる共重合体を必須成
    分とするコンクリート混和剤をセメントに対して0.01〜
    0.5 重量%(固形分)添加してなる高強度コンクリート
    組成物。 【化1】 (式中、R,R :水素、メチル基 m AO :炭素数2〜3のオキシアルキレン基 n :50〜100 の整数 X :素数1〜3のアルキル基 を表す。) 【化2】 (式中、R〜R:水素、メチル基、(CH)mCOOM R :水素、メチル基 M,M,Y:水素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、
    アンモニウム又はアルキルアンモニウム m :0〜2の整数 を表す。)
  2. 【請求項2】 共重合体を構成する単量体(a) 、単量体
    (b) の反応単位が単量体(a)/単量体(b) =1/99〜80/20
    (モル比) である請求項1記載の高強度コンクリート
    成物
  3. 【請求項3】 共重合体の平均分子量が、重量平均分子
    量 (ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法/標準
    物質ポリスチレンスルホン酸ナトリウム/水系) で 1,0
    00〜500,000 である請求項1又は2記載の高強度コンク
    リート組成物
  4. 【請求項4】 更に、公知のセメント混和剤を併用して
    る請求項1〜3の何れか1項に記載の高強度コンクリ
    ート組成物
  5. 【請求項5】 併用する公知のセメント混和剤が、ナフ
    タレンスルホン酸塩ホルムアルデヒド縮合物、メラミン
    スルホン酸塩ホルムアルデヒド縮合物、リグニンスルホ
    ン酸塩、フェノール・スルファニル酸塩ホルムアルデヒ
    ド縮合物、及び (メタ) アクリル酸・ (メタ) アクリル
    酸エステル共重合物塩の中から選ばれる1種以上である
    請求項4記載の高強度コンクリート組成物
  6. 【請求項6】 一般式(A) において、nが60〜90の整数
    である請求項1〜5の何れか1項に記載の高強度コンク
    リート組成物
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