JP7308485B2 - コンクリート混和剤、コンクリート組成物、コンクリート組成物の打込み方法、及びマスコンクリート - Google Patents

コンクリート混和剤、コンクリート組成物、コンクリート組成物の打込み方法、及びマスコンクリート Download PDF

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本発明は、コンクリート混和剤、コンクリート組成物、コンクリート組成物の打込み方法、及びマスコンクリートに関する。更に詳しくは、構造体強度補正値(S値)の低減を可能とするコンクリート混和剤、当該コンクリート混和剤を用いたコンクリート組成物、当該コンクリート組成物の打込み方法、及びマスコンクリートに関する。
従来、セメント等の結合材、水、細骨材、粗骨材、及びコンクリート混和剤等を練り混ぜたコンクリート組成物を、型枠内に打ち込む作業(打込み)が建築現場等で実施されている。型枠内に打ち込まれたコンクリート組成物が硬化することにより、コンクリート(コンクリート硬化体)が形成され、コンクリート構造物等が構築される。
夏期のように日平均気温が高い(例えば、25℃以上)条件下で打ち込まれたコンクリート組成物においては、セメントの水和反応及び硬化が促進することが知られている。その結果、コンクリートの初期材齢(例えば、打込みから1~3日経過後等)の圧縮強度は増加するものの、コンクリートの長期材齢(例えば、打込みから28日経過後等)の圧縮強度は、通常(例えば、20℃)の条件下で打ち込まれたコンクリートと比較して低下する傾向がある。ここで、本明細書において、日平均気温が25℃を超える時期に打ち込まれたコンクリートを「暑中コンクリート」と以下称するものとする。更に、このような傾向は、部材断面の寸法が大きいコンクリート(以下、「マスコンクリート」と称す。)の場合にも生じることが知られている。
すなわち、型枠内に打ち込まれたコンクリート組成物は、周囲の環境条件や水和熱等による温度条件の下で硬化するため、構造体を構成するコンクリート(構造体コンクリート)の強度は、調合を定めるのに用いられる温度管理された養生方法における強度よりも低下する傾向にある。そのため、構造体コンクリートに用いるコンクリートの調合を定める場合、構造体コンクリート強度と調合を定めるのに用いられる温度管理された養生方法における強度の差である構造体強度補正値(S値)を考慮して、調合を定める必要がある。
上記したように、暑中コンクリートやマスコンクリート等の特に硬化初期において、周囲の環境条件や水和熱等により高い温度履歴を受ける場合では、S値が大きくなる傾向にあるため、暑中コンクリートやマスコンクリート等においてコンクリートの打込みを行う場合、より高い強度のコンクリートを選定する必要があった。
一方、有機カルボン酸またはその塩をコンクリート組成物に添加し、硬化初期におけるセメントの水和熱の発生を抑制し、硬化時の急激な温度上昇を防ぐことで、セメントの収縮量を減らし、コンクリート表面のひび割れを防ぐ方法が既に提案されている(例えば、特許文献1参照)。更に、S値の低減に着目し、溶解度の異なる二種類の水溶性デキストリン化合物を添加するものも知られている(例えば、特許文献2参照)。
ここで、S値の算出方法について具体的に説明すると、コンクリート組成物を用いて供試体を作製した後、水中または飽和水蒸気中で行う養生におけるコンクリートの圧縮強度(以下、「標準養生強度」と称す。)から、コア供試体による構造体コンクリート強度の推定方法(JASS5 T-605(2018))に準拠して得られた構造体コンクリート強度の推定値を減じることで、求めることができる。
しかしながら、上述したS値の算出方法は、大きなサイズの模擬部材試験体を作製等する必要があり、作製作業が大掛かりなものとなり、手間やコストがかかる。
そこで、外部との間で熱の流通を阻害することの可能な断熱容器内に、コンクリート供試体を複数本収容し、構造体コンクリートの内部に近い温度履歴を与える、簡易断熱養生供試体による構造体コンクリート強度の推定方法(JASS5 T-606(2018))に準拠して得られた構造体コンクリート強度の推定値を用いることが多い。
このようにして得られた簡易断熱養生におけるコンクリートの圧縮強度(以下、「簡易断熱養生強度」と称す。)を用い、標準養生強度から簡易断熱養生強度を減じることでS値を求めることもできる。すなわち、“S値=標準養生強度-簡易断熱養生強度”の式により求めることもできる。
特開昭50-048028号公報 特開2014-125370号公報
特許文献1に示される「低熱無収縮セメント混和材」に係る発明は、2CaO・Al・SiO、硫酸カルシウム、有機カルボン酸及びそれらの塩から構成されるものであり、セメントの水和熱の発生を抑制し、セメントの収縮量を減らし、コンクリート表面のひび割れを防ぐことを目的とするものである。しかしながら、S値の低減に対する効果は十分ではなかった。
一方、特許文献2に示される「水硬性高炉スラグ組成物及びコンクリート硬化体」に係る発明は、水硬性高炉スラグ組成物のS値の低減を目的とするものであり、水溶性の異なる2種類の水溶性デキストリン化合物を添加することが提案されている。しかしながら、高炉スラグ微粉末を多く含有する結合材を用いた場合には一定の効果が認められるものの、一般的に用いられるセメント(結合材)を用いた場合には、その効果は十分ではなかった。
そこで、本発明は、上記実情に鑑み、暑中コンクリートやマスコンクリート等の特に硬化初期において、周囲の環境条件や水和熱等により高い温度履歴を受ける場合であっても、構造体強度補正値(S値)を低減することの可能なコンクリート混和剤、当該コンクリート混和剤を用いたコンクリート組成物、当該コンクリート組成物の打込み方法、及びマスコンクリートの提供を課題とするものである。
ここで、標準養生強度から構造体コンクリート強度の推定値を減じてS値を算出することから明らかなように、S値を低減させるためには、
(A)標準養生強度を抑制し、構造体コンクリート強度と同じまたは近接させる。
(B)構造体コンクリート強度を増進し、標準養生強度と同じまたは近接させる。
(C)標準養生強度及び構造体コンクリート強度のいずれも増進し、かつ、双方を同じまたは近接させる。
(D)標準養生強度及び構造体コンクリート強度のいずれも抑制し、かつ、双方を同じまたは近接させる。
のいずれかのパターンによって達成することができる。
上記(A)~(D)のパターンのうち、特に(B)及び(C)のパターンでは、標準養生強度を抑制することなく構造体コンクリート強度の間の差異が小さくなるため、S値の低減方法として望ましい。更に、上記(C)のパターンの場合、標準養生強度も増進しているため、コンクリート自体が有する強度も増進させており、より有用である。コンクリートの強度を上げるためには、コンクリート組成物中のセメント量を増やす必要があるため、強度の上乗せ量を減らし、使用するセメント量を減らすことができることは、低炭素化及び省資源化の面から非常に有用である。
本発明によれば、上記課題を解決したコンクリート混和剤、コンクリート組成物、コンクリート組成物の打込み方法、及びマスコンクリートが提供される。
[1] コンクリート組成物に使用され、構造体強度補正値であるS値を低減可能なコンクリート混和剤であって、水溶性ビニル共重合体から選ばれる少なくとも1種以上のA成分と、ナフタレンスルホン酸及び/又はナフタレンスルホン酸塩とホルムアルデヒドとの縮合物であるB成分とを含有し、前記A成分/前記B成分の質量比が30/1~1/20の範囲であり、前記A成分のみ、または前記A成分及びリグニンスルホン酸ナトリウムであるD成分を更に含有して構成された基準となる混和剤を用いた水準に対して、S値低減量を-1.5N/mm 以下とするコンクリート混和剤(但し、水溶性ビニル共重合体は、下記の化1で示される不飽和単量体から形成された構成単位Lを50~99質量%と、下記の化2で示される不飽和カルボン酸系単量体から形成された構成単位Mを1~50質量%の割合で含有し、かつ、前記不飽和単量体及び前記不飽和カルボン酸系単量体の組合せが、α-メタクリロイル-ω-メトキシ-(ポリ)エチレングリコール及びメタクリル酸、又は、α-アリル-ω-メトキシ-(ポリ)エチレングリコール及びマレイン酸または無水マレイン酸であり、質量平均分子量が2000~500000のものを示す)。
Figure 0007308485000001
(但し、R、R、Rは、水素原子又はメチル基を示し、Rは水素原子又は炭素数1~20の炭化水素基を示し、ROは炭素数2~4のオキシアルキレン基を示し、xは0~5の整数を示し、yは0又は1を示し、nは1~300の整数を示す)
Figure 0007308485000002
(但し、R、R、Rは水素原子、メチル基又は[―(CHCOOM]を示し、[―(CHCOOM]は、COOMまたは他のCOOMと無水物を形成してもよく、係る場合はそれらの基においてM、Mは存在しないものを示し、pは0~2の整数を示し、M、Mは水素原子、アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子の1/2、又は有機アミンを示す)
[2] 前記A成分/前記B成分の質量比が18/1~1/10の範囲である前記[1]記載のコンクリート混和剤。
前記B成分は、ナフタレンスルホン酸及び/又はナフタレンスルホン酸塩とホルムアルデヒドとの縮合物、及び/又は、メラミンスルホン酸及び/又はメラミンスルホン酸塩とホルムアルデヒドとの縮合物であるコンクリート混和剤。
前記B成分は、ナフタレンスルホン酸及び/又はナフタレンスルホン酸塩とホルムアルデヒドとの縮合物であるコンクリート混和剤。
] 下記のC成分を更に含有する前記[1]または2]記載のコンクリート混和剤(ここで、C成分は、糖類、及び、オキシカルボン酸及び/またはオキシカルボン酸塩から選ばれる少なくとも一つの成分を示す)。
] 前記C成分は、スクロース、フルクトース、及びグルコン酸及び/又はグルコン酸塩から選ばれる少なくとも一つである前記「」記載のコンクリート混和剤。
] 前記[1]~[]のいずれかに記載のコンクリート混和剤、セメント、水、細骨材、及び粗骨材を含有するコンクリート組成物。
] 前記C成分の前記セメントに対する添加量は、0.001~0.2質量%の範囲である前記[]記載のコンクリート組成物。
] 下記の(1)、(2)の少なくともいずれか一つの打込み時の条件を満たす前記[]または[]記載のコンクリート組成物の打込み方法。
(1)型枠への打込み時のコンクリート温度が25℃以上
(2)型枠への打込み時の日平均気温が25℃以上
] 前記[]または[]記載のコンクリート組成物を含有することを特徴とするマスコンクリート。
本発明のコンクリート混和剤によれば、標準養生強度、簡易断熱養生強度、及び構造体コンクリート強度を増進し、かつ、S値の低減を図ることができる。更に、コンクリート混和剤を用いたコンクリート組成物により、標準養生強度、簡易断熱養生強度、及び構造体コンクリート強度を増進し、かつ、S値の低減を図ることができる。更に、コンクリート組成物の打込み方法により、標準養生強度、簡易断熱養生強度、及び構造体コンクリート強度を増進し、かつ、S値の低減を図ることができる。更に、マスコンクリートにより、標準養生強度、簡易断熱養生強度、及び構造体コンクリート強度を増進し、かつ、S値の低減を図ることができる。
以下、本発明のコンクリート混和剤、当該コンクリート混和剤を用いたコンクリート組成物、当該コンクリート組成物の打込み方法、及びマスコンクリートの実施の形態について説明する。なお、本発明のコンクリート混和剤、コンクリート組成物、コンクリート組成物の打込み方法、及びマスコンクリートは、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、種々の設計の変更、修正、改良等を加え得るものである。なお、以下の実施例等において、特に記載しない限り、%は質量%を、または部は質量部を意味するものとする。
本発明の一実施形態のコンクリート混和剤は、水溶性ビニル共重合体から選ばれる少なくとも1種以上のA成分と、芳香環を有するアルデヒド縮合物からなるB成分とを含有し、A成分/B成分の質量比が30/1~1/20の範囲のものである。
更に、A成分としての水溶性ビニル共重合体としては、下記の化1で示される不飽和単量体から形成された構成単位Lを50~99質量%と化2で示される不飽和カルボン酸系単量体から形成された構成単位Mを1~50質量%の割合で含有する質量平均分子量2000~500000の水溶性ビニル共重合体である。
更に、構成単位Lは化1から選ばれる1種又は2種以上から形成されていてもよく、構成単位Mは化2から選ばれる1種又は2種以上から形成されていてもよい。
Figure 0007308485000003
ここで、化1において、
、R、R:水素原子又はメチル基
:水素原子又は炭素数1~20の炭化水素基
O:炭素数2~4のオキシアルキレン基
x:0~5の整数
y:0又は1
n:1~300の整数
をそれぞれ示している。
化1において、R、R、Rは水素原子又はメチル基である。Rは、水素原子又は炭素数1~20の炭化水素基である。本実施形態に用いる炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が挙げられる。ROは炭素数2~4のオキシアルキレン基である。本実施形態に用いるオキシアルキレン基としては、オキシエチレン基、オキシプロピレン基、オキシブチレン基等が挙げられ、これらは単独系でも又は混合系でもよい。混合系の場合はランダム付加、ブロック付加、交互付加等のいずれの付加形態であってもよい。xは0~5の整数であり、yは0又は1である。nは1~300の整数である。
化1で示される不飽和単量体としては、
α-アリル-ω-メトキシ-(ポリ)エチレングリコール、α-アリル-ω-メトキシ-(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコール、α-アリル-ω-ブトキシ-(ポリ)エチレングリコール、α-アリル-ω-ブトキシ-(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコール、α-アリル-ω-ヒドロキシ-(ポリ)エチレングリコール、α-アリル-ω-ヒドロキシ-(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコール、α-ビニル-ω-メトキシ-(ポリ)エチレングリコール、α-ビニル-ω-メトキシ-(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコール、α-ビニル-ω-ヒドロキシ-(ポリ)エチレングリコール、α-ビニル-ω-ヒドロキシ-(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコール、α-メタリル-ω-メトキシ-(ポリ)エチレングリコール、α-メタリル-ω-メトキシ-(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコール、α-メタリル-ω-ヒドロキシ-(ポリ)エチレングリコール、α-メタリル-ω-ヒドロキシ-(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコール、α-(3-メチル-3-ブテニル)-ω-メトキシ-(ポリ)エチレングリコール、α-(3-メチル-3-ブテニル)-ω-メトキシ-(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコール、α-(3-メチル-3-ブテニル)-ω-ヒドロキシ-(ポリ)エチレングリコール、α-(3-メチル-3-ブテニル)-ω-ヒドロキシ-(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコール、α-アクリロイル-ω-メトキシ-(ポリ)エチレングリコール、α-アクリロイル-ω-メトキシ-(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコール、α-アクリロイル-ω-ヒドロキシ-エチレングリコール、α-アクリロイル-ω-ヒドロキシ-プロピレングリコール、α-アクリロイル-ω-ヒドロキシ-(ポリ)エチレングリコール、α-アクリロイル-ω-ヒドロキシ-(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコール、α-メタクリロイル-ω-メトキシ-(ポリ)エチレングリコール、α-メタクリロイル-ω-メトキシ-(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコール、α-メタクリロイル-ω-ヒドロキシ-(ポリ)エチレングリコール、α-メタクリロイル-ω-ヒドロキシ-(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコール等が挙げられる。
Figure 0007308485000004
ここで、化2において、
、R、R:水素原子、メチル基又は[―(CHCOOM
p:0~2の整数
、M:水素原子、アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子の1/2、又は有機アミン
をそれぞれ示している。なお、[―(CHCOOM]は、COOM又は他のCOOMと無水物を形成していてもよく、係る場合はそれらの基においてM、Mは存在しないものである。
化2において、R、R及びRは水素原子、メチル基又は[-(CH)pCOOM]で示される有機基である。pは0~2の整数である。M及びMは水素原子、アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子の1/2、又は有機アミンである。
化2で示される不飽和カルボン酸系単量体としては、(メタ)アクリル酸、(無水)マレイン酸、フマル酸、(無水)イタコン酸、クロトン酸及びこれらの塩(例えば、(メタ)アクリル酸塩)等を例示することができる。これらの塩については特に制限するものではないが、ナトリウムやカリウム等のアルカリ金属塩、マグネシウムやカルシウム等のアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、アミン塩等が挙げられる。
更に、A成分としての水溶性ビニル共重合体は、構成単位L及び構成単位Mの他に、化1及び化2とは異なる第三の単量体から形成された構成単位(構成単位S)を含有していてもよい。第三の単量体としては、例えば、(メタ)アリルスルホン酸およびその塩、(メタ)アクリルアミド、アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸アルキルエステル等を用いることができる。構成単位Sは1種又は2種以上から形成されていてもよい。構成単位Sの共重合割合は、20質量%以下が好適であり、さらには10質量%以下がより好適である。
更に、A成分としての水溶性ビニル共重合体は公知の方法で製造することができる。例えば、係る水溶性ビニル共重合体は、ラジカル重合にて合成され、上記の不飽和単量体、不飽和カルボン酸系単量体、及び第三の単量体と、ラジカル開始剤とを混合(加熱)することにより得られる。使用するラジカル開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、過酸化水素、2,2’-アゾビス(2-メチルブチロニトリル)、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系化合物等が挙げられる。これらは、亜硫酸塩やアスコルビン酸等の還元性物質、更にはアミン等と組み合わせ、レドックス開始剤として用いることもできる。また得られる共重合体の質量平均分子量を所望の範囲とするため、2-メルカプトエタノール、2-メルカプトプロピオン酸、3-メルカプトプロピオン酸、チオグリコール酸、3-メルカプト-1,2-プロパンジオール等の連鎖移動剤を使用することもできる。また、重合は溶媒に水や有機溶媒を用いてもよく、無溶媒であってもよい。
更に、A成分としての水溶性ビニル共重合体の質量平均分子量は2000~500000が好適であり、さらには10000~100000がより好適である。この質量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにて測定されたものである。
一方、B成分は芳香環を有するアルデヒド縮合物からなる。B成分は1種又は2種以上でもよい。
B成分としての芳香環を有するアルデヒド縮合物が有する芳香環構造は、該芳香環構造を構成する炭素原子の一部が窒素原子及び/または硫黄原子で置換されていてもよい。B成分は有する芳香環構造としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、ピリジン環、トリアジン環等が挙げられる。B成分が有する芳香環構造は1種又は2種以上でもよい。
更に、B成分としての芳香環を有するアルデヒド縮合物は、酸基を有していてもよい。B成分が有する酸基としては、カルボン酸基、スルホン酸基、リン酸基等が挙げられる。B成分が有する酸基は、塩基によって中和されていてもよい。B成分が有する酸基は、1種又は2種以上でもよい。
本実施形態のコンクリート混和剤は、上記構成に加え、A成分/B成分の質量比が18/1~1/10の範囲であることが好適であり、A成分/B成分の質量比が15/1~1/8の範囲であることが更に好適である。これにより、標準養生強度及び簡易断熱養生強度を増進させつつ、S値を低減することができる。
更に、B成分は、ナフタレンスルホン酸及び/又はナフタレンスルホン酸塩とホルムアルデヒドとの縮合物、及び、メラミンスルホン酸及び/又はメラミンスルホン酸塩とホルムアルデヒドとの縮合物を少なくとも1種以上有するもので構成されていてもよい。或いは、ナフタレンスルホン酸及び/又はナフタレンスルホン酸塩とホルムアルデヒドとの縮合物のみで構成されるものであっても構わない。また、上記のナフタレンスルホン酸及び/又はナフタレンスルホン酸塩とホルムアルデヒドとの縮合物、及び、メラミンスルホン酸及び/又はメラミンスルホン酸塩とホルムアルデヒドとの縮合物は、性能を損なわない範囲内で、フェノール、クレゾール、メチルナフタレン、ヒドロキシナフタレン及び/又はこれらの誘導体等の、共縮合可能な芳香環構造を有する化合物と共縮合していてもよい。
更に、B成分としての、ナフタレンスルホン酸及び/又はナフタレンスルホン酸塩とホルムアルデヒドとの縮合物、及び、メラミンスルホン酸及び/又はメラミンスルホン酸塩とホルムアルデヒドとの縮合物は、市販品を使用することもできる。ナフタレンスルホン酸及び/又はナフタレンスルホン酸塩とホルムアルデヒドとの縮合物としては、例えば、ポールファイン510-AN(竹本油脂製)、マイテイ150(花王製)、セルフロー110P(第一工業製薬製)等が挙げられ、メラミンスルホン酸及び/又はメラミンスルホン酸塩とホルムアルデヒドとの縮合物としては、例えば、ポールファインMF(竹本油脂製)、MELMENT F10(BASF製)、アクセリート100(日産化学製)等が挙げられる。
更に、本実施形態のコンクリート混和剤は、上記A成分及びB成分に加え、糖類、及びオキシカルボン酸及び/又はオキシカルボン酸塩から選ばれる少なくとも1種以上の成分からなるC成分を更に含有するものであっても構わない。
ここで、C成分における糖類としては、単糖類、二糖類、少糖類(オリゴ糖類)、多糖類及び糖アルコールが挙げられる。単糖類としては、リボース、アラビノース、キシロース、リキソース、リブロース、キシルロース、アピオース等の五炭糖、アロース、アルトロース、グルコース、マンノース、グロース、イドース、ガラクトース、タロース、プシコース、フルクトース、ソルボース、タガトース等の六炭糖、セドヘプツロース、コリオース等の七炭糖等が挙げられる。二糖類としては、スクロース、ラクツロース、ラクトース、マルトース、トレハロース、セロビオース、コージビオース、ニゲロース、イソマルトース、イソトレハロース、ソホロース、ラミナリビオース、ゲンチオビオース、ツラノース、パラチノース、メリビオース、キシロビオース等が挙げられる。少糖類(オリゴ糖類)としては、ラフィノース、マルトトリオース、メレジトース等の三糖類、スタキオース等の四糖類、イソマルトオリゴ糖、フルクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、キトサンオリゴ糖、ゲンチオオリゴ糖等のオリゴ糖が挙げられる。多糖類としては、デンプン、アミロース、アミロペクチン、グリコーゲン、セルロース、キチン、アガロース、カラギーナン、ヘパリン、グルコマンナン、シクロデキストリン等が挙げられる。これらの多糖類は、単糖、二糖、少糖類を含んでいてよい。糖アルコールとしては、エリトリトール、アラビトール、キシリトール、ガラクチトール、ソルビトール、マンニトール等が挙げられる。
更に、C成分におけるオキシカルボン酸及び/又はオキシカルボン酸塩としては、グルコン酸、グリコール酸、グリセリン酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、グルコヘプトン酸、アラボン酸等や、それらの塩が挙げられる。塩については特に制限するものではないが、オキシカルボン酸の塩としてはナトリウムやカリウム等のアルカリ金属塩、マグネシウムやカルシウム等のアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、アミン塩等が挙げられる。
特に、上記C成分として、スクロース、フルクトース、及び、グルコン酸及び/又はグルコン酸塩を少なくとも1種以上有するものが好適である。
更に、本実施形態のコンクリート混和剤は、上記したA成分、B成分、及びC成分の他に、効果が損なわれない範囲内で、セメントに対する分散作用を有する成分(D成分)を有してもよい。D成分としては、リグニンスルホン酸ナトリウム等が挙げられる。D成分は、A成分及びB成分/D成分の質量比が1/2~1/0の範囲であることが好ましい。D成分は1種又は2種以上でもよい。
更に、本実施形態のコンクリート混和剤は、水や溶剤で希釈された形態で使用してもよい。
一方、本実施形態のコンクリート組成物は、上記したA成分及びB成分を必須構成要素として含み、C成分を必要に応じて含有するコンクリート混和剤と、セメント、水、細骨材、及び粗骨材を有して構成されている。
セメントとしては、セメントを単独で使用してもよく、また、セメントとポゾラン物質や潜在水硬性をもつ微粉末混和材料を併用してもよい。このようなセメントとしては、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント等の各種ポルトランドセメント、高炉セメント、フライアッシュセメント、シリカフュームセメント等の各種混合セメントが挙げられる。また、微粉末混和材料としては、高炉スラグ微粉末、シリカフューム、フライアッシュ等が挙げられる。
骨材としては、細骨材や粗骨材などの任意の適切な骨材を採用し得る。このような骨材のうち、細骨材としては、川砂、山砂、陸砂、珪砂、砕砂、海砂、高炉スラグ細骨材などが挙げられ、粗骨材としては、川砂利、山砂利、陸砂利、砕石、高炉スラグ粗骨材などが挙げられる。
本実施形態のコンクリート組成物は、効果が損なわれない範囲内で、適宜、例えば、陰イオン界面活性剤からなるAE調整剤、例えば、オキシアルキレン系の消泡剤、例えば、アルカノールアミンからなる硬化促進剤、例えば、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルからなる乾燥収縮低減剤、例えば、イソチアゾリン系化合物からなる防腐剤、例えば、高級脂肪酸誘導体からなる防水剤、例えば、亜硝酸塩からなる防錆剤等を含有させることができる。
本実施形態のコンクリート混和剤の添加量は、特に制限はないが、セメントに対し、固形分換算で、0.001~2.0質量%が好適であり、さらには0.01~2.0質量%がより好適である。
特に、本実施形態のコンクリート組成物における上記C成分の添加量は、セメントに対して0.001~0.2質量%の範囲であることが好適である。
本実施形態のコンクリート組成物におけるコンクリート混和剤の添加は、コンクリート組成物の混錬時にコンクリート混和剤を構成する成分を一液とした状態で添加してもよく、混錬時にコンクリート混和剤を構成する成分を別々に添加してもよい。
更に、本実施形態のコンクリート組成物の打込み方法は、下記の(1)、(2)の少なくともいずれか一つの打込み時の条件を満たすものであっても構わない。
(1)型枠への打込み時のコンクリート温度が25℃以上
(2)型枠への打込み時の日平均気温が25℃以上
特に、本実施形態のコンクリート組成物の打込み方法の条件(1)、(2)における各温度について、上限を規定するものではないが、コンクリート温度や気温が高い場合にはセメントが急結を起こす可能性があるため、いずれの温度も45℃以下が望ましい。
更に、本実施形態のコンクリート組成物はマスコンクリートに用いてもよい。
本実施形態のマスコンクリートの定義は部材断面の寸法が大きいコンクリートであるが、例えば建築工事標準仕様書・同解説(JASS5)鉄筋コンクリート工事2018(日本建築学会)に記載された目安を用いることができる。マスコンクリートの一例を示すと、部材断面の最小寸法が80cm以上の壁状部材、又は100cm以上のマット状部材、又は100cm以上の柱状部材のものが示される。
以下、本発明のコンクリート混和剤及びコンクリート組成物の構成、及び、コンクリート混和剤、コンクリート組成物、コンクリート組成物の打込み方法、及びマスコンクリートによる効果を明確にするために、下記に示す実施例に基づいて説明を行う。しかしながら、本発明のコンクリート混和剤、コンクリート組成物、コンクリート組成物の打込み方法、及びマスコンクリートは、かかる実施例に限定されるものではない。また、以下に示す実施例及び比較例において、特に断りのない限り、「部」は質量部を示し、「%」は質量%を意味するものとする。
(1)A成分
コンクリート混和剤として使用されるA成分として、下記表1に示す、構成単位L、構成単位M、及び構成単位Sによって構成された水溶性ビニル共重合体からなる4種類(A-1,A-2,A-3,A-4)を用いた。ここで、A-1~A-4は、各構成単位L,M,Sの種類及び配合比率がそれぞれ異なるものである。
(1-1)製造例1(A-1の製造)
イオン交換水357.7g、α-メタクリロイル-ω-メトキシ-ポリ(23モル)オキシエチレン284.3g、メタクリル酸68.4g、メタリルスルホン酸ナトリウム7.2g、3-メルカプトプロピオン酸6.5g、30%水酸化ナトリウム水溶液57.0gを温度計、撹拌機、滴下ロート、窒素導入管を備えた反応容器に仕込み、攪拌しながら均一に溶解した後、雰囲気を窒素置換し、反応系の温度を温水浴にて60℃とした。次に20%過硫酸ナトリウム水溶液36.0gを加え重合反応を開始した。2時間後、20%過硫酸ナトリウム水溶液18.0gを加え2時間60℃を維持し、重合反応を終了した。これに30%水酸化ナトリウム水溶液を加えpH7に調整し、イオン交換水にて濃度を25%に調整した。この反応物をA-1とした。
(1-2)製造例2(A-2の製造)
イオン交換水393.9g、α-メタクリロイル-ω-メトキシ-ポリ(9モル)オキシエチレン272.4g、メタクリル酸68.1g、アクリル酸メチル17.9g、3-メルカプトプロピオン酸7.9gを温度計、撹拌機、滴下ロート、窒素導入管を備えた反応容器に仕込み、攪拌しながら均一に溶解した後、雰囲気を窒素置換し、反応系の温度を温水浴にて60℃とした。次に20%過硫酸ナトリウム水溶液35.8gを加え重合反応を開始した。2時間後、20%過硫酸ナトリウム水溶液17.9gを加え2時間60℃を維持し、重合反応を終了した。これに30%水酸化ナトリウム水溶液を加えpH7に調整し、イオン交換水にて濃度を25%に調整した。この反応物をA-2とした。
(1-3)製造例3(A-3の製造)
α-アリル-ω-メトキシ-ポリ(33モル)オキシエチレン360.8g、無水マレイン酸35.7gを温度計、撹拌機、窒素導入管を備えた反応容器に仕込み、攪拌しながら加温して均一に溶解した後、雰囲気を窒素置換し、反応系の温度を温水浴にて80℃とした。次にアゾビスイソブチロニトリル2.0gを加え1時間80℃を維持し、重合反応を開始した。1時間後、アゾビスイソブチロニトリル1.6gを加え3時間80℃を維持し、重合反応を終了した。これに30%水酸化ナトリウム水溶液を加えpH7に調整し、イオン交換水にて濃度を25%に調整した。この反応物をA-3とした。
(1-4)製造例4(A-4の製造)
イオン交換水84.5g、α-(3-メチル-3-ブテニル)-ω-ヒドロキシ-ポリ(113モル)オキシエチレン330.3gを温度計、撹拌機、滴下ロート、窒素導入管を備えた反応容器に仕込み、攪拌しながら均一に溶解した後、雰囲気を窒素置換し、反応系の温度を温水浴にて60℃とした。次に10.0%過酸化水素水溶液19.2gを3.0時間かけて滴下し、それと同時にイオン交換水268.8gにアクリル酸38.4g、ヒドロキシエチルアクリレート15.4gを溶解させた水溶液を3時間かけて滴下し、それと同時にイオン交換15.4gに3-メルカプトプロピオン酸1.9g、アスコルビン酸1.9gを溶解させた水溶液を4.0時間かけて滴下した。その後0.5時間60℃を維持し、重合反応を終了した。これに30%水酸化ナトリウム水溶液を加えpH7に調整し、イオン交換水にて濃度を25%に調整した。この反応物をA-4とした。
A-1~A-4の質量平均分子量は、下記に示す測定条件に従ってゲルパーミエーションクロマトグラフィーにて測定した。
<測定条件>
装置:Shodex GPC-101(昭和電工製)
カラム:OHpak SB-806M HQ+SB-806M HQ(昭和電工製)
検出器:示差屈折計(RI)
溶離液:50mM硝酸ナトリウム水溶液
流量:0.7mL/分
カラム温度:40℃
試料濃度:試料濃度0.5質量%の溶離液溶液
標準物質:PEG/PEO(アジレント・テクノロジー製)
A-1の質量平均分子量は17000であり、A-2の質量平均分子量は15000であり、A-3の質量平均分子量は23000であり、A-4の質量平均分子量は35000であった。
Figure 0007308485000005
表1における構成単位Lの詳細について説明すると、
L-1:α-メタクリロイル-ω-メトキシ-ポリ(23モル)オキシエチレンから形成された構成単位
L-2:α-メタクリロイル-ω-メトキシ-ポリ(9モル)オキシエチレンから形成された構成単位
L-3:α-アリル-ω-メトキシ-ポリ(33モル)オキシエチレンから形成された構成単位
L-4:α-(3-メチル-3-ブテニル)-ω-ヒドロキシ-ポリ(113モル)オキシエチレンから形成された構成単位
L-5:ヒドロキシエチルアクリレートから形成された構成単位
をそれぞれ示すものである。
更に、表1における構成単位Mの詳細について説明すると、
M-1:メタクリル酸から形成された構成単位
M-2:無水マレイン酸から形成された構成単位
M-3:アクリル酸から形成された構成単位
をそれぞれ示すものである。
また、表1における構成単位Sの詳細について説明すると、
S-1:メタリルスルホン酸ナトリウムから形成された構成単位
S-2:アクリル酸メチルから形成された構成単位
をそれぞれ示すものである。
(2)B成分
コンクリート混和剤として使用されるB成分として、
B-1:ポールファイン510-AN(竹本油脂製)から調製したナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物水溶液
B-2:アクセリート100(日産化学製)から調製したメラミンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物水溶液
の2種類を用いた。
(3)C成分
コンクリート混和剤として使用されるC成分として、
C-1:スクロース(試薬:キシダ化学製)
C-2:グルコン酸ナトリウム(試薬:キシダ化学製)
C-3:フルクトース(試薬:キシダ化学製)
C-4:マルトース(試薬:キシダ化学製)
C-5:ソルビトール(試薬:キシダ化学製)
の5種類を用いた。
(4)D成分
更に、コンクリート混和剤として使用されるD成分として、
D-1:リグニンスルホン酸ナトリウム(試薬:キシダ化学製)
を用いた。
1.試験区分1(コンクリート混和剤の調製)
上記説明した4種類のA成分、2種類のB成分、5種類のC成分、及び1種類のD成分を適宜組み合わせ、それぞれ一液化した混和剤No.d-1~d-19、及び混和剤No.dr-1~dr-6を調製した。なお、成分の含有量は固形分換算の割合(質量%)である。
・コンクリート混和剤の調製
上記によって製造されたA成分と、B成分、C成分、及びD成分を、表2~3に示す含有量となるように混ぜ合わせ、イオン交換水を用いて合計の固形分換算の濃度が25%となるように調製した。
調製したコンクリート混和剤の一例を示すと、例えば、混和剤No.d-1は、A成分としてA-1を固形分換算で13.9質量%、B成分としてB-1を固形分換算で7.0質量%、及びC成分としてC-1を固形分換算で4.1質量%を含むものである。この場合、A成分/B成分の質量比は、“2.0/1.0”となる。A成分、B成分、C成分、及びD成分の含有量(質量%)の詳細を下記の表2~表3に示す。なお、混和剤No.d-14~d-19、及び混和剤No.dr-4~dr-6は、D成分として、D-1を含有するものである。また、一部のコンクリート混和剤(例えば、混和剤No.2等)は、二種類のC成分(例えば、C-1及びC-3等)を用いて構成されている。
Figure 0007308485000006
Figure 0007308485000007
2.試験区分2(コンクリート組成物の調製)
・実施例1~6,8,10~17,19,20、参考例1~3及び比較例1~7
55Lの強制二軸ミキサーに普通ポルトランドセメント(太平洋セメント、密度=3.16)と、骨材として、細骨材(大井川水系砂、密度=2.58)及び粗骨材(岡崎産砕石、密度=2.66)をそれぞれ表4に示す配合で、コンクリート混和剤(d-1~d-19、dr-1~dr-6)を用いて、実施例1~6,8,10~17,19,20、参考例1~3及び比較例1~7のコンクリート組成物を調製した(表5~7参照)。なお、各実施例、参考例及び比較例のコンクリート組成物において、市販のAE剤であるAE-300(竹本油脂製)を適宜用い、目標空気量を4.5±1.0%の範囲内、及び、目標スランプを18.0±1.5cmの範囲内となるように添加量の調整を行った。また、コンクリート組成物の調製は35℃環境下で行い、コンクリート組成物の練り上がり温度が35±2℃の範囲内になるように、調製前に各材料を35℃環境下で1日以上保管した。ここで、実施例1~6,8,10~13、参考例1,2及び比較例1~3は、水/セメント比が50%となる配合を用いて調製したものであり、実施例14~17,19、参考例3及び比較例4~6は水/セメント比が55%となる配合を用いて調製したものであり、実施例20及び比較例7は水/セメント比が45%となる配合を用いて調製したものである。
Figure 0007308485000008
3.試験区分3(調製したコンクリート組成物の物性)
調製した各実施例、参考例及び比較例のコンクリート組成物について、記述した試験方法に基づいて、スランプ、空気量、及びコンクリート温度を測定した。測定結果を下記の表5~表7に示す。
Figure 0007308485000009
Figure 0007308485000010
Figure 0007308485000011
表5~7において、混和剤添加量は、セメントに対する混和剤の割合(セメント×質量%)である。
混和剤中のC成分における添加量は、混和剤添加量から算出した、セメントに対するC成分の固形分換算割合(セメント×質量%)である。
ここで、スランプ、空気量、及びコンクリート温度の測定は、下記に基づいて実施した。
・スランプ(cm):練混ぜ直後のコンクリート組成物について、JIS-A1101(2005)に準拠して測定した。
・空気量(容積%):練混ぜ直後のコンクリート組成物について、JIS-A1128(2005)に準拠して測定した。
・コンクリート温度(℃):練混ぜ直後のコンクリート組成物について、JIS-A1156(2006)に準拠して測定した。
4.試験区分4(コンクリート硬化体の物性)
調製した各実施例、参考例及び比較例のコンクリート組成物について、記述した試験方法及び算出式に基づいて、標準養生強度、簡易断熱養生強度及びS値の測定結果を下記の表8~表10に示す。
Figure 0007308485000012
Figure 0007308485000013
Figure 0007308485000014
ここで、標準養生強度及び簡易断熱養生強度の測定、及びS値の算出は、下記に基づいて実施した。
・標準養生強度(N/mm):調製した各実施例及び比較例のコンクリート組成物について、供試体を作製した後、脱型まで乾燥しないように20±3℃の環境下で保存し、脱型後は20±3℃の水中で養生を行った後、JIS-A1108(2018)に準拠して、材齢28日の圧縮強度を測定した。
・簡易断熱養生強度(N/mm):調製した各実施例及び比較例のコンクリート組成物について、JASS5 T-606(2018)に準拠して、材齢91日の簡易断熱養生における圧縮強度を測定した。
・S値(N/mm):標準養生強度から簡易断熱養生強度を減じて算出した。
4.1 標準養生強度増加量の評価
標準養生強度増加量は、各配合のA成分、もしくはA成分及びD成分で構成された基準となる混和剤を用いた水準(配合1であれば比較例1、配合2であれば比較例4、配合3であれば比較例7)に対して、+3.0N/mm以上のものを“◎”、+3.0N/mm未満~0N/mm超のものを“○”、0N/mm以下のものを“×”として評価した。
4.2 簡易断熱養生強度増加量の評価
簡易断熱養生強度増加量は、各配合のA成分、もしくはA成分及びD成分で構成された基準となる混和剤を用いた水準(配合1であれば比較例1、配合2であれば比較例4、配合3であれば比較例7)に対して、+6.0N/mm以上のものを“◎”、+6.0N/mm未満~+3.0N/mm以上のものを“○”、+3.0N/mm未満~0N/mm超のものを“△”、0N/mm以下のものを“×”として評価した。
4.3 S値低減量の評価
S値低減量は、各配合のA成分のみ、またはA成分及びD成分で構成された基準となる混和剤を用いた水準(配合1であれば比較例1、配合2であれば比較例4、配合3であれば比較例7)に対して、-3.0N/mm以下のものを“◎”、-3.0N/mm超~-1.5N/mm以下のものを“○”、-1.5N/mm超から0N/mm以下のものを“△”、及び、0N/mm超のものを“×”として評価した。
上記に示したように、水溶性ビニル共重合体からなるA成分及び芳香環を有するアルデヒド縮合物からなるB成分を含み、A成分/B成分の質量比が30/1~1/20の範囲にあるコンクリート混和剤を用いることにより、S値を基準となる混和剤を用いた水準に対して-1.5N/mm以下にすることが可能なことが示された。
このように、A成分及びB成分の質量比を調整することで、コンクリート組成物の標準養生強度、及び簡易断熱養生強度の増進、かつS値の低減に優れた効果を奏することが確認される。また、実施例6、参考例1、実施例16に示されるように、水溶性ビニル共重合体の種類(d-6、d-7、d-16)を変更した場合であっても十分な効果があることが認められた。
これにより、本発明において規定した要件を満たすことにより、有効なS値の低減効果が示された。
5.試験区分5(打込み方法によるコンクリート硬化体の物性)
・実施例21~23及び比較例11
コンクリート混和剤(d-1、dr-1)について、表11に示す環境温度下において、それ以外は試験区分2に示した方法を用いて、実施例21~23及び比較例11のコンクリート組成物を調製した。また、コンクリート組成物の練り上がり温度が各環境温度に対して±2℃の範囲内になるように、調製前に各材料を所定の環境下で1日以上保管した。調製したコンクリート組成物について、試験区分3、4と同様に、スランプ、空気量、コンクリート温度、標準養生強度、簡易断熱養生強度、及びS値を測定した。測定結果を表11に示す。
Figure 0007308485000015
なお、ここでは環境温度を型枠への打込み時の日平均気温とし、コンクリート温度を型枠への打込み時のコンクリート温度として想定している。
これにより、本発明において規定した要件を満たすことにより、有効なS値の低減効果が示された。
一方、比較例11はコンクリート混和剤(dr-1)を用いて調製したコンクリート組成物であり、コンクリート組成物を調製した環境温度が20℃であり、コンクリート温度が20℃である。これに対し、同様に(dr-1)を用いて環境温度35℃で調製した比較例1と比較した場合、S値の低減が図られている。すなわち、環境温度やコンクリート温度が20℃程度である場合、本発明において規定した要件を満たさない場合においてもS値が小さく、本発明による効果を受けにくくなる。
6.試験区分6(構造体コンクリートの模擬部材から採取したコア供試体におけるコンクリート硬化体の物性)
・実施例24~25及び比較例9~10
コンクリート混和剤(d-1、dr-1)について、3m強制2軸ミキサーを用いて、25℃環境下において、それ以外は試験区分2と同様の方法を用いて、実施例24~25及び比較例9~10のコンクリート組成物を調製した(表12参照)。調製したコンクリート組成物について、試験区分3、4と同様に、スランプ、空気量、コンクリート温度、及び標準養生強度を測定した。また、調製したコンクリート組成物について、JASS5 T-605(2018)に準拠して、表12に示す寸法の模擬部材を作製し、20℃環境下で保管した後、材齢91日のコア供試体の圧縮強度を測定した。なお、各コア供試体は各構造体の柱の中央部から100mm離れた位置で縦方向に構造体1体あたり2か所以上から採取した。
Figure 0007308485000016
これにより、本発明において規定した要件を満たすことにより、有効なS値の低減が示された。
一方、比較例9はコンクリート混和剤(dr-1)を用いて調製したコンクリート組成物であり、作製した模擬部材の寸法は400mm角である。これに対し、同様に(dr-1)を用いて、作製した模擬部材の寸法は1000mm角である比較例10と比較した場合、S値の低減が図られている。すなわち、適用する部材寸法が小さい場合、本発明において規定した要件を満たさない場合においてもS値が小さく、本発明による効果を受けにくくなる。
上記に示したように、本発明のコンクリート混和剤、これを用いたコンクリート組成物、これを用いたコンクリート組成物の打込み方法、及びマスコンクリートは、暑中コンクリート或いはマスコンクリートのように、硬化初期において高い温度履歴を受ける可能性のある場合でも、S値(構造体強度補正値)の低減効果が発揮できる。特に、標準養生強度、簡易断熱養生強度、及び構造体コンクリート強度を共に上昇させつつ、S値の低減を図ることができる。
本発明のコンクリート混和剤、これを用いたコンクリート組成物、これを用いたコンクリート組成物の打込み方法、及びマスコンクリートは、コンクリート構造物を構築する分野において広く利用可能な産業上の利用可能性を有する。

Claims (8)

  1. コンクリート組成物に使用され、構造体強度補正値であるS値を低減可能なコンクリート混和剤であって、
    水溶性ビニル共重合体から選ばれる少なくとも1種以上のA成分と、
    ナフタレンスルホン酸及び/又はナフタレンスルホン酸塩とホルムアルデヒドとの縮合物であるB成分と
    を含有し、
    前記A成分/前記B成分の質量比が30/1~1/20の範囲であり、
    前記A成分のみ、または前記A成分及びリグニンスルホン酸ナトリウムであるD成分を更に含有して構成された基準となる混和剤を用いた水準に対して、S値低減量を-1.5N/mm 以下とするコンクリート混和剤(但し、水溶性ビニル共重合体は、下記の化1で示される不飽和単量体から形成された構成単位Lを50~99質量%と、下記の化2で示される不飽和カルボン酸系単量体から形成された構成単位Mを1~50質量%の割合で含有し、かつ、
    前記不飽和単量体及び前記不飽和カルボン酸系単量体の組合せが、α-メタクリロイル-ω-メトキシ-(ポリ)エチレングリコール及びメタクリル酸、又は、α-アリル-ω-メトキシ-(ポリ)エチレングリコール及びマレイン酸または無水マレイン酸であり、
    質量平均分子量が2000~500000のものを示す)。
    Figure 0007308485000017
    (但し、R、R、Rは、水素原子又はメチル基を示し、Rは水素原子又は炭素数1~20の炭化水素基を示し、ROは炭素数2~4のオキシアルキレン基を示し、xは0~5の整数を示し、yは0又は1を示し、nは1~300の整数を示す)
    Figure 0007308485000018
    (但し、R、R、Rは水素原子、メチル基又は[―(CHCOOM]を示し、[―(CHCOOM]は、COOMまたは他のCOOMと無水物を形成してもよく、係る場合はそれらの基においてM、Mは存在しないものを示し、pは0~2の整数を示し、M、Mは水素原子、アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子の1/2、又は有機アミンを示す)
  2. 前記A成分/前記B成分の質量比が18/1~1/10の範囲である請求項1記載のコンクリート混和剤。
  3. 下記のC成分を更に含有する請求項1または2記載のコンクリート混和剤(ここで、C成分は、糖類、及び、オキシカルボン酸及び/またはオキシカルボン酸塩から選ばれる少なくとも一つの成分を示す)
  4. 前記成分は、
    スクロース、フルクトース、及びグルコン酸及び/又はグルコン酸塩から選ばれる少なくとも一つである請求項3記載のコンクリート混和剤。
  5. 請求項1~4のいずれか一つの項記載のコンクリート混和剤、セメント、水、細骨材、及び粗骨材を含有するコンクリート組成物
  6. 前記C成分の前記セメントに対する添加量は、
    0.001~0.2質量%の範囲である請求項記載のコンクリート組成物
  7. 下記の(1)、(2)の少なくともいずれか一つの打込み時の条件を満たす請求項5または6記載のコンクリート組成物の打込み方法。
    (1)型枠への打込み時のコンクリート温度が25℃以上
    (2)型枠への打込み時の日平均気温が25℃以上
  8. 請求項5または6記載のコンクリート組成物を含有することを特徴とするマスコンクリート。
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