JP6618743B2 - コンクリート組成物及びコンクリート硬化体 - Google Patents

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Description

本発明は、高炉セメントを用いたコンクリート組成物及びコンクリート硬化体に関する。コンクリート硬化体は建築物や土木構造物等の社会資本を構成する基幹の構造体であるが、これらの建設に要するエネルギー・CO原単位(以下、CO原単位という)では、例えば鉄筋コンクリート造の建築物では建物全体の建設に要するCO原単位の30〜40%がコンクリート硬化体に由来する。すなわち、建築物等の社会資本の建設に要するCO原単位を削減し、環境負荷を低減するには、コンクリート硬化体のCO原単位の削減が重要なのである。コンクリート硬化体を得るために用いるコンクリート組成物を主に構成するのはセメントと骨材であるが、通常のポルトランドセメントのCO原単位は約750kg/tといわれている。一方、骨材の製造によるCO原単位はその1/200程度である。従って、コンクリート硬化体のCO原単位を削減し、環境負荷の小さい建築物や土木建造物を建設するためには、セメントのCO原単位を小さくすることが重要なのである。
セメントのCO原単位を削減するには、高炉スラグやフライアッシュなどといった産業副産物の利用が有効である。これらを適量ポルトランドセメントと混合した材料は、ポルトランドセメントと同様の水硬性を有し、セメントのCO原単位を削減する。例えば、高炉スラグをセメントに利用するためには、鉄鋼産業で製造される高炉水砕スラグをセメントと同等の大きさまで微粉砕し、高炉スラグ微粉末を製造することが必要となるが、製造によるCO排出量はポルトランドセメントの約1/30である。一方、年間2000〜2500万t製造される高炉スラグのうち、約700万tは海外に輸出されており、これを有効活用することにより、セメントを製造するためのCO原単位を削減することが可能となるのである。本発明は、従来一般に使用されている高炉セメントよりも高炉スラグ含有量が多い高炉セメントを使用したコンクリート組成物及びかかるコンクリート組成物を硬化したコンクリート硬化体に関するものである。
ポルトランドセメントの一部に代えて高炉スラグ微粉末を使用したセメントが高炉セメントである。我が国の高炉セメントの製造は鉄鋼製造とほぼ時を同じくして始まっており、すでに1913年には高炉セメント工場が稼働している。高炉セメントについてはJISが制定されており(JIS R 5211:2009)、高炉スラグ微粉末の含有量に応じて、A種(5%を超え30%以下)、B種(30%を超え60%以下)及びC種(60%を超え70%以下)の3種に分類されている。しかし、現実に製造され、使用されている高炉セメントは、高炉スラグ微粉末の含有量が40〜45%の高炉セメントB種がほぼ100%である。高炉セメントはポルトランドセメントに比べて製造時のCO原単位が少ないのみならず、1)セメントが水と反応して硬化する時の水和発熱量が少ないため熱ひび割れの発生が少ない、2)アルカリシリカ反応性を有してコンクリート硬化体にひび割れを発生させる骨材に対して反応抑制効果がある、3)海洋環境での塩化物の侵入を抑制する、等の品質上の利点を有している。ただし、これらの効果は高炉セメントA種では高炉スラグ微粉末の含有量が少ないため大きな効果は期待できない。一方、高炉スラグ微粉末の含有量を45%程度より多くすると、1)セメントの硬化が遅くなり、コンクリート打設後1〜3日の初期強度の発現性が低くなるため、工事の工程に支障をきたす、2)乾燥収縮が大きくなり、ひび割れが入りやすくなる、3)骨材とセメントペーストとの一体性が低下し(状態の悪化)、骨材の分離抵抗性が低下する、4)経時的な流動性の低下が大きくなり、施工性が低下する、5)コンクリート硬化体の中性化が早くなり、鉄筋コンクリート構造物では耐久性の確保が困難となる、等の問題が発生する。これらの理由からJISにおいて3種の高炉セメントが規定されているにもかかわらず、高炉セメントB種のうちでも高炉スラグ微粉末の含有量が40〜45%に限定された高炉セメントのみが製造され、使用されてきた。
現在一般に使用されている高炉スラグ微粉末含有量40〜45%の高炉セメントに対し、高炉スラグ微粉末の含有量を更に多くすることにより、CO原単位を抑制したコンクリート組成物の製造が可能となる。同時に、水和熱によるひび割れやアルカリシリカ反応の抑制、また海洋環境での塩化物の侵入を抑制するなどの効果を高めることが可能となる。そのため、初期強度の発現性や乾燥収縮といった高炉セメントを用いたコンクリート組成物の弱点を改善するための技術が種々提案されてきた。例えば、高炉スラグ微粉末の比表面積を大きくし、粒子系を小さくすることにより初期強度の発現性を改善する技術(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)、比表面積を大きくし過ぎると、初期強度の発現性は向上しても長期強度が低下するため、初期の水和反応を抑制する成分を添加して長期強度を確保する技術(例えば、特許文献3参照)、シリカフューム等のポゾラン活性を有する微粉末を添加し、初期強度の発現性と長期強度の両方を向上させる技術(例えば、特許文献4参照)、高炉セメントを使用したコンクリート硬化体の収縮を抑制し、セメントの水和による発熱を抑制するため、比表面積を小さくした粗な高炉スラグ微粉末と無水石膏を使用する技術(例えば、特許文献5参照)等が提案されている。また高炉スラグ微粉末の含有量を多くした高炉セメントを用いて調製したコンクリート組成物に流動性を付与するため、特定のセメント分散剤を用いた技術も提案されている(例えば、特許文献6〜10参照)。
しかし、特許文献1〜4の従来技術には、高炉スラグを微粉砕するのに要するCO原単位が大きく、コストもかかり、得られるコンクリート硬化体の乾燥収縮によるひび割れが生じ易いという問題がある。また特許文献5の従来技術には、得られるコンクリート硬化体の初期強度の発現性が低いという問題がある。しかも、特許文献1〜5の従来技術には、高炉スラグ微粉末を使用したコンクリート組成物の施工に不可欠の要件である流動性の確保が難しいという問題がある。一方、特許文献6〜10の従来技術には、依然として調製したコンクリート組成物の流動保持性が不十分という問題があり、しかも高炉スラグセメントの含有量が多く、特に水セメント比(水結合材比)の高い領域で、骨材とセメントペーストとの一体性が悪く、骨材が分離し易いという問題がある。
特開昭61−242942号公報 特開昭61−281057号公報 特開平5−155648号公報 特開2002−321949号公報 特開2005−281123号公報 特開2010−285289号公報 特開2010−285290号公報 特開2010−285291号公報 特開2010−285292号公報 特開2010−285293号公報
本発明が解決しようとする課題は、得られるコンクリート硬化体のCO原単位を削減できることを前提として、1)流動性が良く、2)経時的な流動保持性も良く、3)骨材とセメントペーストとの一体性に優れ、4)乾燥収縮が小さく、5)凍結融解抵抗性が高く、6)耐火性も高く、7)初期強度の発現性が良い、以上の1)〜7)の要求を同時に満足することのできるコンクリート組成物及びかかるコンクリート組成物を硬化したコンクリート硬化体を提供する処にある。
しかして本発明者らは、前記の課題を解決するべく鋭意研究した結果、特定の高炉セメントを特定割合で含有する結合材と、特定の混和剤とを組み合わせて用いたコンクリート組成物及びコンクリート硬化体が正しく好適であることを見出した。
すなわち本発明は、結合材、水、細骨材、粗骨材及び混和剤からなるコンクリート組成物であって、結合材が下記の高炉セメントを結合材中に70質量%以上含有し、且つ下記の混和剤を結合材100質量部に対して0.05〜2.0質量部の割合で含有することを特徴とするコンクリート組成物に係る。また本発明は、かかるコンクリート組成物を硬化したコンクリート硬化体に係る。
高炉セメント:比表面積が2500〜10000cm/gの高炉スラグ微粉末を45〜75質量%、ポルトランドセメントを20〜50質量%及び硫酸塩をSO換算で1.0〜4.5質量%の割合で含有してなるもの。
混和剤:下記のA成分、下記のB成分及び下記のC成分を含有してなるもの。
A成分:下記の水溶性ビニル共重合体(1)及び下記の水溶性ビニル共重合体(2)から選ばれる少なくとも一つ。
水溶性ビニル共重合体(1):分子中に下記の化1で示される単量体から形成された構成単位Lを80〜98質量%及び下記の化2で示される単量体から形成された構成単位Mを20〜2質量%の割合で有する質量平均分子量2000〜500000の水溶性ビニル共重合体。
水溶性ビニル共重合体(2):分子中に下記の化3で示される単量体から形成された構成単位Pを70〜92質量%及び下記の化4で示される単量体から形成された構成単位Qを8〜30質量%の割合で有する質量平均分子量2000〜500000の水溶性ビニル共重合体。
B成分:リグニンスルホン酸及びその塩から選ばれる少なくとも一つ。
C成分:グルコン酸及びその塩から選ばれる少なくとも一つ。
Figure 0006618743
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Figure 0006618743
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化1,化2,化3及び化4において、
,R,R,R:水素原子又はメチル基
,R:水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基
:下記の化5又は化6で示される有機基
:水素原子、メチル基又は下記の化7で示される有機基
m:1又は2
O,AO:炭素数2〜4のオキシアルキレン基
n:1〜100の整数
u:1〜200の整数
,X,Y:水素原子、一価金属、二価金属、アンモニウムイオン又は有機アミン基。
Figure 0006618743
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化6において、
t:1又は2
Figure 0006618743
化7において、
Z:水素原子、一価金属、二価金属、アンモニウムイオン又は有機アミン基。
本発明に係るコンクリート組成物に供する結合材は、高炉セメントを該結合材中に70質量%以上含有するものであり、かかる高炉セメントは比表面積が2500〜10000cm/gの高炉スラグ微粉末を45〜75質量%、ポルトランドセメントを20〜50質量%及び硫酸塩をSO換算で1.0〜4.5質量%の割合で含有してなるものである。
用いる高炉セメント中における硫酸塩の含有量は、コンクリート組成物を硬化して得られるコンクリート硬化体の圧縮強度から、SO換算で1.0質量%以上、4.5質量%以下とする。1質量%未満では材齢3日程度までの初期強度の発現性が低下し、4.5質量%を超えると長期強度が低下する。
また得られるコンクリート硬化体の乾燥収縮は、用いる高炉セメント中における硫酸塩の含有量がSO換算で1.0質量%未満では従来の高炉セメント(B種)を用いた場合より大きくなる。また得られるコンクリート硬化体の凍結融解に対する抵抗性は、用いる高炉セメント中における硫酸塩の含有量がSO換算で4.5質量%を超えると低下し、更に得られるコンクリート硬化体の耐火性も、高炉セメント中における硫酸塩の含有量がSO換算で4.5質量%を超えると大きく低下する。
得られるコンクリート硬化体の性能を好ましいものとするため、用いる高炉セメント中における硫酸塩の含有量をSO換算で1.0〜4.5質量%とするが、好ましくは2.0〜4.5質量%とする。かかる硫酸塩の種類は特に制限されないが、石膏が好ましく、石膏としては無水石膏、半水石膏、二水石膏のいずれも使用できるが、なかでも無水石膏、二水石膏が特に好ましい。
用いる高炉セメント中における高炉スラグ微粉末の比表面積は、コンクリート組成物の流動性や得られるコンクリート硬化体の強度発現性等の観点から、2500〜10000cm/gとするが、好ましくは3000〜8000cm/gとする。比表面積が2500cm/g未満になると、得られるコンクリート硬化体の初期強度の発現性が低下するばかりか、コンクリート組成物の流動性が高まることから、結果として混和剤の使用量が低下し、経時的な流動保持性を確保することが難しくなる。逆に比表面積が10000cm/g超になると、得られるコンクリート硬化体の長期強度が低下し、更にコンクリート組成物の流動性が低下することから、結果として混和剤の使用量が増加し、凝結遅延等の問題を引き起こす。尚、本発明における比表面積は、JIS R 5201(2015)が規定する比表面積試験に準拠して測定したものである。
用いる高炉セメント中における高炉スラグ微粉末の含有量は45〜75質量%とするが、好ましくは50〜70質量%とする。高炉スラグ微粉末の含有量が75質量%超になると、得られるコンクリート硬化体の強度、乾燥収縮ひずみ及び凍結融解抵抗性等で、従来一般に使用されている高炉セメントを用いた場合と同等の性能を得ることが難しくなる。
用いる高炉セメント中におけるポルトランドセメントの含有量は20〜50質量%とするが、好ましくは25〜45質量%とする。かかるポルトランドセメントとしては、普通ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメント、耐硫酸塩ポルトランドセメント等の各種ポルトランドセメントを使用することができる。
本発明に係るコンクリート組成物の水/結合材の質量比は特に制限されないが、35〜65%が好ましい。より優れた性能を有するコンクリート組成物の調製し、またコンクリート硬化体を得るためである。
本発明に係るコンクリート組成物では、以上説明したような高炉セメントを含有するものを結合材として使用するが、更に他の材料を含有するものを結合材として使用することによりコンクリート組成物の性能を向上させることができる。コンクリート組成物の性能が向上する限りにおいて、かかる他の材料は特に制限されないが、その含有量が30質量%超になると、高炉セメントの環境性能や力学性能が不充分となる場合があるので好ましくない。かかる他の材料として、比表面積が3000〜12000cm/gであり且つCaCO含有量が70質量%以上である石灰石微粉末を結合材中に1〜20質量%の割合で含有させて使用することができる。このような石灰石微粉末を使用すると、コンクリート組成物の流動性や得られるコンクリート硬化体の圧縮強度が向上する。石灰石微粉末以外の他の材料としては、フライアッシュ、シリカフューム、膨張材等が挙げられる。
本発明に係るコンクリート組成物において、結合材の調製方法は、本発明で定める組成の結合材を調製できれば、特に制限されるものではない。結合材の調製方法としては、セメント工場での調製や生コンクリート工場での調製が挙げられる。
本発明に係るコンクリート組成物に供する混和剤は、特定のA成分、特定のB成分及び特定のC成分を含有して成るものである。
A成分は前記の水溶性ビニル共重合体(1)及び前記の水溶性ビニル共重合体(2)から選ばれる少なくとも一つである。水溶性ビニル共重合体(1)は、前記した通り、分子中に化1で示される単量体から形成された構成単位Lを80〜98質量%及び化2で示される単量体から形成された構成単位Mを20〜2質量%の割合で有する質量平均分子量2000〜500000の水溶性ビニル共重合体である。
化1において、化1中のRは水素原子又はメチル基であり、またRは水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基である。かかる炭素数1〜8のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等の炭素数1〜8のアルキル基が挙げられる。化1において、化1中のAOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基であり、また化1中のmは1又は2、nは1〜100の整数である。
かかる化1で示される単量体の具体例としては、α−アリル−ω−メトキシ−ポリエチレングリコール、α−アリル−ω−メトキシ−ポリエチレンポリプロピレングリコール、α−アリル−ω−ブトキシ−ポリエチレングリコール、α−アリル−ω−ブトキシ−ポリエチレンポリプロピレングリコール、α−アリル−ω−ヒドロキシ−ポリエチレングリコール、α−アリル−ω−ヒドロキシ−ポリエチレンポリプロピレングリコール、2−メチル−2−プロペン−1−オール・ポリエチレングリコール付加物、2−メチル−2−プロペン−1−オール・ポリプロピレングリコール付加物、2−メチル−2−プロペン−1−オール・ポリエチレンポリプロピレングリコール付加物、3−メチル−3−ブテン−1−オール・ポリエチレングリコール付加物、3−メチル−3−ブテン−1−オール・ポリプロピレングリコール付加物、3−メチル−3−ブテン−1−オール・ポリエチレンポリブチレングリコール付加物などが挙げられる。尚、オキシアルキレン基はブロック結合でもランダム結合でも良い。
化2において、Rは水素原子又はメチル基であり、またX及びXは水素原子、一価金属、二価金属、アンモニウムイオン又は有機アミン基である。いうまでもないが、X及びXが二価金属の場合は1/2モル等量である。
かかる化2で示される単量体の具体例としては、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸及びそれらの塩等が挙げられる。なお、合成時には、これらの無水物(例えば無水マレイン酸)を使用することもできる。
水溶性ビニル共重合体(1)は、分子中にかかる化1で示される単量体から形成された構成単位Lを80〜98質量%及び化2で示される単量体から形成された構成単位Mを20〜2質量%の割合で有する質量平均分子量2000〜500000のものであるが、好ましくは質量平均分子量10000〜100000のものである。かかる水溶性ビニル共重合体(1)は、結合材に対して優れた分散性を付与し、コンクリート組成物の粘性を著しく減少させる。かかる水溶性ビニル共重合体(1)は公知の方法(例えば特開2012−51737号公報参照)で合成することができる。かかる水溶性ビニル共重合体(1)は、本発明の効果を損なわない範囲内で、上記のもの以外の共重合可能な単量体を共重合させたものとすることができるが、その共重合割合は10質量%以下とするのが好ましく、5質量%以下とするのがより好ましい。水溶性ビニル共重合体(1)としては、化1で示される単量体がα−アリル−ω−メトキシ−ポリオキシアルキレン及びα−アリル−ω−ヒドロキシ−ポリオキシアルキレンから選ばれるものであり、且つ化2で示される単量体がマレイン酸及びマレイン酸塩から選ばれるものである場合のものが最も好ましい。
水溶性ビニル共重合体(2)は、前記した通り、分子中に化3で示される単量体から形成された構成単位Pを70〜92質量%及び化4で示される単量体から形成された構成単位Qを8〜30質量%の割合で有する質量平均分子量2000〜500000の水溶性ビニル共重合体である。
化3において、化3中のRは水素原子又はメチル基であり、また化3中のRは水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基である。炭素数1〜8のアルキル基は、化1中のRについて前記したことと同じである。化3において、化3中のAOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基であり、また化3中のuは1〜200の整数である。
化3において、化3中のRは前記の化5又は化6で示される有機基であり、化6中のtは1又は2である。
かかる化3で示される単量体の具体例としては、メトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレンポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、エトキシポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレンポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ブトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ブトキシポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ブトキシポリエチレンポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2−メチル−2−プロペン−1−オール・ポリエチレングリコール付加物、2−メチル−2−プロペン−1−オール・ポリプロピレングリコール付加物、2−メチル−2−プロペン−1−オール・ポリエチレンポリプロピレングリコール付加物、3−メチル−3−ブテン−1−オール・ポリエチレングリコール付加物、3−メチル−3−ブテン−1−オール・ポリプロピレングリコール付加物、3−メチル−3−ブテン−1−オール・ポリエチレンポリブチレングリコール付加物などが挙げられる。尚、炭素数2〜4のオキシアルキレン基はブロック結合でもランダム結合でも良い。
化4において、化4中のRは水素原子又はメチル基であり、また化4中のYは水素原子、一価金属、二価金属、アンモニウムイオン又は有機アミン基である。いうまでもないが、Yが二価金属の場合は1/2モル等量である。
化4において、化4中のRは水素原子、メチル基又は前記の化7で示される有機基であり、化7中のZは水素原子、一価金属、二価金属、アンモニウムイオン又は有機アミン基である。いうまでもないが、Zが二価金属の場合は1/2モル等量である。
かかる化4で示される単量体の具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸及びそれらの塩等が挙げられる。
水溶性ビニル共重合体(2)は、分子中にかかる化3で示される単量体から形成された構成単位Pを70〜92質量%及び化4で示される単量体から形成された構成単位Qを8〜30質量%の割合で有する質量平均分子量2000〜500000のものであるが、好ましくは質量平均分子量10000〜100000のものである。かかる水溶性ビニル共重合体(2)は、結合材に対して優れた分散性を付与し、コンクリート組成物の粘性を著しく減少させる。かかる水溶性ビニル共重合体(2)は公知の方法(例えば特許第3741436号公報参照)で合成することができる。かかる水溶性ビニル共重合体(2)は、本発明の効果を損なわない範囲内で、上記のもの以外の共重合可能な単量体を共重合させたものとすることができるが、その共重合割合は10質量%以下とするのが好ましく、5質量%以下とするのがより好ましい。水溶性ビニル共重合体(2)としては、化3で示される単量体がアルコキシポリアルキレングリコールメタクリレートであり、且つ化4で示される単量体がメタクリル酸及びメタクリル酸塩から選ばれるものである場合のものが最も好ましい。
前記のB成分は、リグニンスルホン酸及びその塩から選ばれる少なくとも一つである。塩の種類は特に制限されるものではなく、リグニンスルホン酸ナトリウム、リグニンスルホン酸カルシウム、リグニンスルホン酸マグネシウムなどが挙げられるが、溶解性等の点からリグニンスルホン酸ナトリウムが好ましい。
前記のC成分は、グルコン酸及びその塩から選ばれる少なくとも一つである。塩の種類は特に制限されるものではなく、グルコン酸ナトリウム、グルコン酸カルシウム、グルコン酸カリウムなどが挙げられるが、溶解性等の点からグルコン酸ナトリウムが好ましい。
本発明に係るコンクリート組成物に供する混和剤は、結合材100質量部に対し0.05〜2.0質量部の割合で使用する。混和剤を構成する各成分の好ましい含有割合は、調製するコンクリート組成物に求められる条件より異なるが、A成分を20〜70質量%、B成分を10〜50質量%及びC成分を10〜50質量%の割合で含有するものが好ましい。
混和剤としては、前記のA成分、B成分及びC成分に加えて、下記の化8で示される化合物を0.2〜7質量%の割合で含有するものが好ましく、また前記のA成分、B成分及びC成分に加えて、アルカノールアミンを1〜35質量%の割合で含有するものが好ましく、更に前記のA成分、B成分及びC成分に加えて、下記の化8で示される化合物を0.2〜7質量%及びアルカノールアミンを1〜35質量%の割合で含有するものが好ましい。
Figure 0006618743
化8において、Rは水素原子又は炭素数1〜6の炭化水素基である。またAOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基である。この場合、オキシアルキレン基の結合状態は、ブロック結合でもランダム結合でも良いが、オキシアルキレン基としては、オキシエチレン基及び/又はオキシプロピレン基が好ましい。そしてrは、1〜100の整数である。
本発明に係るコンクリート組成物は、本発明の効果を損なわない範囲内で、必要に応じてAE調整剤、消泡剤、凝結遅延剤、硬化促進剤、乾燥収縮低減剤、増粘剤、防腐剤、防水剤、防錆剤等を併用することができる。
本発明に係るコンクリート硬化体は、以上説明したような本発明に係るコンクリート組成物を硬化したものである。硬化の方法は特に制限されず、公知の方法が適用できる。
本発明によると、コンクリート硬化体のCO原単位が大幅に削減された環境性能の優れるコンクリート組成物を調製することを前提として、調製の際の流動性が良好で、経時的な流動保持性も優れ、かつ骨材とセメントペーストとの一体性が良いコンクリート組成物を調製することができる。同時に、乾燥収縮を抑制し、所望する強度を発現でき、しかも凍結融解抵抗性を満足し、耐火性を確保できるという、複数の要求性能を同時に満足したコンクリート硬化体を得ることができるという効果がある。
以下、本発明の構成及び効果をより具体的にするため、実施例等を挙げるが、本発明がこれらの実施例に限定されるというものではない。尚、以下の実施例等において、別に記載しない限り、%は質量%を意味する。
試験区分1(高炉セメントの調製)
表1に記載の内容で、高炉スラグ微粉末、ポルトランドセメント及び石膏等を混合して、表1に記載の結合材(C−1)〜(C−6)及び(Cr−1)〜(Cr−5)を調製した。
Figure 0006618743
表1において、
sg−1:比表面積が6150cm/gの高炉スラグ微粉末
sg−2:比表面積が4100cm/gの高炉スラグ微粉末
sg−3:比表面積が2050cm/gの高炉スラグ微粉末
sg−4:比表面積が10200cm/gの高炉スラグ微粉末
pc−1:普通ポルトランドセメント
pc−2:早強ポルトランドセメント
gp−1:無水石膏
gp−2:二水石膏
lp−1:比表面積が4300cm/g、CaCO含有量が98%の石灰石微粉末
lp−2:比表面積が8900cm/g、CaCO含有量が92%の石灰石微粉末
試験区分2(水溶性ビニル共重合体の合成)
・水溶性ビニル共重合体(d−1)の合成
水1800g、α−アリル−ω−ブトキシポリ(80モル)エチレンポリ(9モル)プロピレングリコール1500g及びシトラコン酸46gを反応容器に仕込み、反応容器内の雰囲気を窒素置換した後、徐々に加温して撹拌しながら均一に溶解した。反応系の温度を温水浴にて80℃に保ち、過硫酸ナトリウムの20%水溶液50gを投入してラジカル重合反応を開始した。2時間経過後、更に過硫酸ナトリウム20%水溶液25gを投入し、ラジカル重合反応を6時間継続した。得られた共重合体に水を加え、その後、30%水酸化ナトリウム水溶液を50g投入して中和し、水溶性ビニル共重合体(d−1)の40%水溶液を得た。この水溶性ビニル共重合体(d−1)を分析したところ、質量平均分子量24000(GPC法、プルラン換算)の水溶性ビニル共重合体であった。
・水溶性ビニル共重合体(d−2)の合成
α−アリル−ω−メトキシ−ポリ(33モル)エチレングリコール1500g及び無水マレイン酸113gを反応容器に仕込み、反応容器内の雰囲気を窒素置換した後、徐々に加温して撹拌しながら均一に溶解した。反応系の温度を温水浴にて80℃に保ち、アゾビスイソブチロニトリル10gを投入してラジカル重合反応を開始した。2時間経過後、更にアゾビスイソブチロニトリル5gを投入し、ラジカル重合反応を2時間継続して反応させた。得られた共重合体に水を加え、その後、30%水酸化ナトリウム水溶液200gを投入して中和し、水溶性ビニル共重合体(d−2)の40%水溶液を得た。この水溶性ビニル共重合体(d−2)を分析したところ、質量平均分子量39000(GPC法、プルラン換算)の水溶性ビニル共重合体であった。
・水溶性ビニル共重合体(d−3)、(d−7)、(dr−1)及び(dr−2)の合成
水溶性ビニル共重合体(d−1)や(d−2)と同様にして、水溶性ビニル共重合体(d−3)、(d−7)、(dr−1)及び(dr−2)を合成した。
・水溶性ビニル共重合体(d−5)の合成
水1500g、3−メチル−3−ブテン−1オール・ポリ(80モル)エチレングリコール付加物1500gを反応容器に仕込み、反応容器内の雰囲気を窒素置換した後、撹拌しながら徐々に加温した。反応系の温度を温水浴にて70℃に保ち、温度を安定させた。その後、アクリル酸375gを3時間かけて滴下した。同時に、チオグリコール酸12g、L−アスコルビン酸8gを水500gに溶解させた水溶液及び5%過酸化水素水170gをそれぞれ3時間かけて滴下し、ラジカル重合反応を開始した。滴下終了後1時間経過後、得られた共重合物に水を加え、その後、30%水酸化ナトリウム水溶液200gを投入して中和し、水溶性ビニル共重合体(d−5)の40%水溶液を得た。この水溶性ビニル共重合体(d−5)を分析したところ、質量平均分子量72000の水溶性ビニル共重合体であった。
・水溶性ビニル共重合体(d−6)の合成
水2200g、メトキシポリ(9モル)エチレングリコールモノメタクリレート1500g、メタクリル酸185g、30%水酸化ナトリウム水溶液140g及び3−メルカプトプロピオン酸20gを反応容器に仕込み、反応容器内の雰囲気を窒素置換した後、撹拌しながら徐々に加温した。反応系の温度を温水浴にて60℃に保ち、過硫酸ナトリウムの20%水溶液200gを投入してラジカル重合反応を開始した。2時間経過後、更に過硫酸ナトリウムの20%水溶液50gを投入し、ラジカル重合反応を6時間継続して反応させた。得られた共重合物に水を加え、水溶性ビニル共重合体(d−6)の40%水溶液を得た。この水溶性ビニル共重合体(d−6)を分析したところ、質量平均分子量44000の水溶性ビニル共重合体であった。
・水溶性ビニル共重合体(d−4)、(d−8)、(dr−3)及び(dr−4)の合成
水溶性ビニル共重合体(d−5)や(d−6)と同様にして、水溶性ビニル共重合体(d−4)、(d−8)、(dr−3)及び(dr−4)を合成した。
以上で合成した水溶性ビニル共重合体(d−1)〜(d−8)及び(dr−1)〜(dr−4)の内容を表2にまとめて示した。
Figure 0006618743
表2において、
質量平均分子量:GPC法、プルラン換算
L―1:α−アリル−ω−ブトキシポリ(80モル)エチレンポリ(9モル)プロピレングリコールから形成された構成単位
L―2:α−アリル−ω−メトキシポリ(33モル)エチレングリコールから形成された構成単位
L―3:2−メチル−2−プロペン−1−オール・ポリ(20モル)エチレンポリ(8モル)プロピレングリコール付加物から形成された構成単位
M―1:シトラコン酸から形成された構成単位
M―2:無水マレイン酸から形成された構成単位
M―3:フマル酸から形成された構成単位
P―1:ブトキシポリ(20モル)エチレンポリ(2モル)プロピレングリコールモノメタクリレートから形成された構成単位
P―2:3−メチル−3−ブテン−1−オール・ポリ(80モル)エチレングリコール付加物から形成された構成単位
P―3:メトキシポリ(9モル)エチレングリコールモノメタクリレートから形成された構成単位
Q―1:クロトン酸から形成された構成単位
Q―2:アクリル酸から形成された構成単位
Q―3:メタクリル酸から形成された構成単位
S−1:スチレンから形成された構成単位
S−2:アクリル酸メチルから形成された構成単位
試験区分3(化8で示される化合物等の合成)
・化8で示される化合物(e−1)の合成
ジエチレングリコール1060gをオートクレーブに仕込み、触媒として水酸化カリウム1.06gを加えた後、オートクレーブ内を窒素置換した。撹拌しながら、反応温度を125〜140℃に保ち、エチレンオキサイド1322gを圧入して付加反応を行った。圧入終了後、同温度で2時間熟成して反応を終了し、生成物を得た。この生成物の残存触媒を除くため、吸着剤を用いて吸着処理した後、濾別精製した。この精製処理物は、水酸基価の分析結果より、化8で示される化合物であるエチレンオキサイド5モル付加物(e−1)であった。
・化8で示される化合物等(e−2)〜(e−5)、(er−1)及び(er−2)の合成
化8で示される化合物(e−1)と同様にして、化8で示される化合物等(e−2)〜(e−5)、(er−1)及び(er−2)を合成した。
以上で合成したアルキレンオキサイド付加物の内容を表3にまとめて示した。
Figure 0006618743
表3において、
e−1:エチレンオキサイドを付加した重合体
e−2:メチル基にエチレンオキサイドを付加した後、プロピレンオキサイドを付加した共重合体
e−3:ビニル基にエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドをランダムに付加した共重合体
e−4:イソプロピル基にエチレンオキサイドを付加した後、プロピレンオキサイドを付加した共重合体
e−5:フェニル基にエチレンオキサイドを付加した共重合体
er−1:メチル基にエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドをランダムに付加した共重合体
er−2:ステアリル基にエチレンオキサイドを付加した後、プロピレンオキサイドを付加した共重合体
試験区分4(混和剤の調製)
・混和剤(h−1)の調製
表2に記載の水溶性ビニル共重合体(d−6)の40%水溶液100g、リグニンスルホン酸ナトリウム(日本製紙社製、商品名サンエキスP252)(f−1)の40%水溶液50g、グルコン酸ナトリウム(試薬)(g−1)の40%水溶液50g、トリエタノールアミン(a−1)20g及び水280gをガラス容器に投入して撹拌混合し、水溶性ビニル共重合体(d−6)を40質量%、リグニンスルホン酸ナトリウム(f−1)を20質量%及びグルコン酸ナトリウム(g−1)を20質量%及びトリエタノールアミン(a−1)を20質量%の割合で含有する混和剤(h−1)の20%水溶液を調製した。
・混和剤(h−2)〜(h−15)及び(hr−1)〜(hr−18)の調製
混和剤(h−1)の調製と同様にして、混和剤(h−2)〜(h−15)及び(hr−1)〜(hr−18)を調製した。
以上で調製した混和剤の内容を表4にまとめて示した。
Figure 0006618743
表4において、
a−1:トリエタノールアミン
f−1:リグニンスルホン酸ナトリウム(日本製紙社製、商品名サンエキスP252)
f−2:リグニンスルホン酸カルシウム(日本製紙社製、商品名サンエキスP202)
f−3:リグニンスルホン酸マグネシウム(日本製紙社製、商品名サンエキスP321)
g−1:グルコン酸ナトリウム(試薬)
g−2:グルコン酸カリウム(試薬)
*1:水溶性ビニル共重合体(竹本油脂社製のコンクリート用高性能AE減水剤、商品名チューポールHP−11)
*2:ナフタレンスルホン酸ホルマリン高縮合物塩(竹本油脂社製のコンクリート用高性能減水剤、商品名ポールファイン510AN)
*3:メラミンスルホン酸ホルマリン高縮合物塩(竹本油脂社製のコンクリート用高性能減水剤、商品名ポールファインMF)
試験区分5(コンクリート組成物の調製)
・実施例1〜23及び比較例1〜27
55リットルのパン型強制練りミキサーを用い、表5、表6及び表7に記載の条件で、90秒間練混ぜを行い、表6及び表7に記載した各例のコンクリート組成物を調製した。尚、各例のコンクリート組成物について、AE剤(竹本油脂社製、商品名AE−300)を用い、目標空気量を4.5±1.0%とし、また目標スランプを水結合材比が35%の場合は21±1.5cm、それ以外の場合は18±1.5cmとした。
Figure 0006618743
表5において、
細骨材:大井川水系産陸砂(表乾密度2.59g/cm
粗骨材:岡崎産砕石(表乾密度2.66g/cm
試験区分6(調製したコンクリート組成物の物性)
調製した各例のコンクリート組成物について、スランプ及び空気量を、また練混ぜ直後から60分間静置後のスランプ及び空気量を下記のように測定し、更にスランプ残存率を下記のように求め、結果を表6及び表7にまとめて示した。
・スランプ(cm):練混ぜ直後のコンクリート組成物及び60分間練り舟に静置したコンクリート組成物について、JIS−A1101に準拠して測定した。
・空気量(容積%):練混ぜ直後のコンクリート組成物及び60分間練り舟に静置したコンクリート組成物について、JIS−A1128に準拠して測定した。
・スランプ残存率(%):(60分間静置後のスランプの値/練混ぜ直後のスランプの値)×100で求めた。









Figure 0006618743
























Figure 0006618743
表6及び表7において、
配合No.:表5に記載の配合No.
結合材の種類:表1に記載の結合材の種類
混和剤の種類:表4に記載の混和剤の種類
添加量:結合材に対する混和剤の固形分換算の割合
比較例5:空気連行性が小さく、AE剤を実施例8の50倍添加したが、空気量を調整できなかった。
比較例10:混和剤の添加量を0.50%まで増加させても流動化しなかった。
BB:高炉B種セメント
試験区分7(コンクリート硬化体の物性)
調製したコンクリート組成物を硬化して得たコンクリート硬化体について、長さ変化率、凍結融解抵抗性、耐火性、圧縮強度を下記のように測定し、また初期強度発現性を下記のように求め、結果を表8及び表9にまとめてに示した。
・長さ変化率(×10−6):乾燥収縮を評価するため、JIS−A1129に準拠し、各例のコンクリート硬化体を20℃、60%RHの条件下で保存した材齢26週の供試体について、コンパレータ法により長さ変化を測定し、長さ変化率を求めた。
・相対動弾性係数(%):各例のコンクリート硬化体について、JIS−A1148に準拠して凍結融解試験を行い、300サイクルにおける相対動弾性係数を求めた。この数値は、最大値が100%で、100%に近いほど、凍結融解に対する抵抗性が優れていることを示す。
・耐火試験質量変化:各例のコンクリート硬化体について、水分が蒸発しないよう20℃で28日間、封緘状態で養生した直径15×高さ30cmの試験体(中心部に系10mmの異形棒鋼を配置)の封緘を解き、JIS−A1304に定められた標準加熱曲線に従って加熱し、加熱前後の質量を測定した。この試験では、爆裂したものは質量が軽くなり、加熱前後の質量の差が大きくなる。従って、質量変化(質量減少率、%)の数値が小さいものほど、耐火性に優れていることを示す。
・圧縮強度(N/mm):JIS−A1108に準拠し、材齢3日及び材齢28日で測定した。
・初期強度発現性:初期材齢3日の圧縮強度/標準材齢28日の圧縮強度で求めた。
Figure 0006618743











Figure 0006618743
表9において、
比較例5:凍結融解試験において破壊し、また耐火試験において爆裂した。
比較例10:コンクリート組成物において目標とする物性が得られなかったため、測定しなかった。
試験区分8
表6〜表9の測定結果等に基づいて、各例のコンクリート組成物及びコンクリート硬化体を次のように評価した。結果を表10及び表11にまとめて示した。
・流動性の評価:練混ぜ直後のコンクリート組成物について、目標スランプに到達したか否かで評価した。
○:到達した
×:到達しなかった
・流動性の保持性の評価:スランプ残存率を次の基準で評価した。
○:80%以上100%以下
×:80%未満又は100%超
・コンクリート組成物の状態:60分静置後のコンクリート組成物について、目視により、材料の一体感を次の基準で評価した。
◎:非常に良好
○:良好
×:悪い
××:非常に悪い
・乾燥収縮:材齢26週での長さ変化率を次の基準で評価した。
○:600×10−6以下
×:600×10−6より大きい
・凍結融解抵抗性:300サイクルでの相対動弾性係数(%)を次の基準で評価した。
○:80以上
×:80未満
・耐火性:耐火試験質量変化(%)を次の基準で評価した。
○:8%未満
×:8%以上
・初期強度発現性:初期強度発現性を次の基準で評価した。
○:0.30以上
×:0.30未満
Figure 0006618743









Figure 0006618743
表6〜表9、とりわけ表10及び表11の結果から明らかなように、本発明によると、得られるコンクリート硬化体のCO原単位を削減できることを前提として、1)コンクリート組成物の練混ぜ直後の流動性が良い、2)コンクリート組成物の経時的な流動保持性が良い、3)コンクリート組成物の骨材とセメントペーストとの一体性が良い、4)コンクリート硬化体の乾燥収縮が小さい(収縮ひび割れが少ない)、5)コンクリート硬化体の凍結融解抵抗性が優れる、6)コンクリート硬化体の耐火性が優れる、7)コンクリート硬化体の初期強度の発現性が良いなど、複数の要求性能を同時に満足することができる。

Claims (13)

  1. 結合材、水、細骨材、粗骨材及び混和剤からなるコンクリート組成物であって、結合材が下記の高炉セメントを結合材中に70質量%以上含有し、且つ下記の混和剤を結合材100質量部に対して0.05〜2.0質量部の割合で含有することを特徴とするコンクリート組成物。
    高炉セメント:比表面積が2500〜10000cm/gの高炉スラグ微粉末を45〜75質量%、ポルトランドセメントを20〜50質量%及び硫酸塩をSO換算で1.0〜4.5質量%の割合で含有してなるもの。
    混和剤:下記のA成分、下記のB成分及び下記のC成分を含有してなるもの。
    A成分:下記の水溶性ビニル共重合体(1)及び下記の水溶性ビニル共重合体(2)から選ばれる少なくとも一つ。
    水溶性ビニル共重合体(1):分子中に下記の化1で示される単量体から形成された構成単位Lを80〜98質量%及び下記の化2で示される単量体から形成された構成単位Mを20〜2質量%の割合で有する質量平均分子量2000〜500000の水溶性ビニル共重合体。
    水溶性ビニル共重合体(2):分子中に下記の化3で示される単量体から形成された構成単位Pを70〜92質量%及び下記の化4で示される単量体から形成された構成単位Qを8〜30質量%の割合で有する質量平均分子量2000〜500000の水溶性ビニル共重合体。
    B成分:リグニンスルホン酸及びその塩から選ばれる少なくとも一つ。
    C成分:グルコン酸及びその塩から選ばれる少なくとも一つ。
    Figure 0006618743
    Figure 0006618743
    Figure 0006618743
    Figure 0006618743
    {化1,化2,化3及び化4において、
    ,R,R,R:水素原子又はメチル基
    ,R:水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基
    :下記の化5又は化6で示される有機基
    :水素原子、メチル基又は下記の化7で示される有機基
    m:1又は2
    O,AO:炭素数2〜4のオキシアルキレン基
    n:1〜100の整数
    u:1〜200の整数
    ,X,Y:水素原子、一価金属、二価金属、アンモニウムイオン又は有機アミン基。)

    Figure 0006618743
    Figure 0006618743
    (化6において、
    t:1又は2)
    Figure 0006618743
    (化7において、
    Z:水素原子、一価金属、二価金属、アンモニウムイオン又は有機アミン基。)}
  2. 高炉セメントが、高炉スラグ微粉末を50〜70質量%、ポルトランドセメントを25〜45質量%及び硫酸塩をSO換算で2.0〜4.5質量%の割合で含有するものである請求項1記載のコンクリート組成物。
  3. 硫酸塩が無水石膏及び二水石膏から選ばれるものである請求項1又は2記載のコンクリート組成物。
  4. 結合材が、更に比表面積が3000〜12000cm/gであり且つCaCO含有量が70質量%以上である石灰石微粉末を1〜20質量%の割合で含有するものである請求項1〜3のいずれか一つの項記載のコンクリート組成物。
  5. 化1で示される単量体がα−アリル−ω−メトキシ−ポリオキシアルキレン及びα−アリル−ω−ヒドロキシ−ポリオキシアルキレンから選ばれるものであり、且つ化2で示される単量体がマレイン酸及びマレイン酸塩から選ばれるものである請求項1〜4のいずれか一つの項記載のコンクリート組成物。
  6. 化3で示される単量体がアルコキシポリアルキレングリコールメタクリレートであり、且つ化4で示される単量体がメタクリル酸及びメタクリル酸塩から選ばれるものである請求項1〜のいずれか一つの項記載のコンクリート組成物。
  7. 混和剤が、更に下記の化8で示される化合物を0.2〜7質量%の割合で含有するものである請求項1〜6のいずれか一つの項記載のコンクリート組成物。
    Figure 0006618743
    (化8において、
    :水素原子又は炭素数1〜6の炭化水素基
    O:炭素数2〜4のオキシアルキレン基
    r:1〜100の整数)
  8. B成分がリグニンスルホン酸のナトリウム塩である請求項1〜7のいずれか一つの項記載のコンクリート組成物。
  9. C成分がグルコン酸のナトリウム塩である請求項1〜8のいずれか一つの項記載のコンクリート組成物。
  10. 混和剤が、A成分を20〜70質量%、B成分を10〜50質量%及びC成分を10〜50質量%の割合で含有するものである請求項1〜9のいずれか一つの項記載のコンクリート組成物。
  11. 混和剤が、更にその一部としてアルカノールアミンを1〜35質量%の割合で含有するものである請求項1〜10のいずれか一つの項記載のコンクリート組成物。
  12. 水を結合材100質量部に対し35〜65質量部の割合で含有するものである請求項1〜11のいずれか一つの項記載のコンクリート組成物。
  13. 請求項1〜12のいずれか一つの項記載のコンクリート組成物を硬化したコンクリート硬化体。
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